(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】複数の固定子を備える発電機
(51)【国際特許分類】
H02K 16/04 20060101AFI20240731BHJP
H02K 21/16 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H02K16/04
H02K21/16 G
(21)【出願番号】P 2022569104
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 IB2021053898
(87)【国際公開番号】W WO2021229391
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-01-30
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ZA
(73)【特許権者】
【識別番号】518112550
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ フォー ザ タイム ビーイング オブ ザ ケーエムエヌ フルフィルメント トラスト
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】マクゲル,カブ ウォルター
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/036723(WO,A1)
【文献】特開2006-271056(JP,A)
【文献】特開2007-336724(JP,A)
【文献】特開2003-264952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 16/04
H02K 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子と複数の固定子とを備える発電機であって
、
前記回転子および前記複数の固定子は、中心軸を中心として同軸に同心円状に配置され、
前記回転子は、前記複数の固定子の径方向内側に設けられ、
前記複数の固定子のうちの第1固定子は、前記回転子の周囲に同心円状に、かつ、前記回転子に隣接して設けられ、前記回転子および前記第1固定子は、回転子-固定子間エアギャップによって分離され、
前記複数の固定子のうちの第2固定子は、前記第1固定子の周囲に同心円状に、かつ、前記第1固定子に隣接して設けられ、前記第1固定子および前記第2固定子は、固定子-固定子間エアギャップによって分離され、
前記回転子は、複数の磁極を提供または生成するように構成された複数の磁極構造を有し、
前記磁極構造のそれぞれの径方向における外側表面は、前記外側表面と前記中心軸との間の平均距離よりも小さい平均曲率半径で湾曲しており、これにより、前記回転子-固定子間エアギャップの距離は周方向に変化し、最短距離は前記磁極構造のそれぞれの周方向の中央部にあ
って、5~50mmであり、最長距離は前記磁極構造のそれぞれの周方向の端部にあ
って、30~150mmであり、
前記固定子-固定子間エアギャップの厚さは均一であ
って、少なくとも0.25mmであり、
前記固定子-固定子間エアギャップは、前記回転子-固定子間エアギャップの前記最短距離より短く、
前記発電機は、バックアイアンを備え、前記バックアイアンは、リターンパスを提供し、かつ、前記回転子の磁極からの磁気回路の閉鎖を補助するように構成されており、前記バックアイアンは、前記複数の固定子の周囲、すなわち最も外側の固定子の周囲に設けられ、
前記バックアイアンの厚さは、少なくとも2mmであり、
前記発電機は、波形補正回路を用いずに全高調波歪率0.8%未満の正弦波出力波形を生成する、発電機。
【請求項2】
前記最長距離と前記最短距離との比が、30:1から2:1の範囲である、請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
前記最長距離が135mmで
ある、請求項1に記載の発電機。
【請求項4】
前記複数の固定子が協働することで、前記複数の固定子の巻線から出力される高調波が、前記複数の固定子の個々の巻線から出力される高調波よりも低い、よりよい出力波形を形成する、請求項
1に記載の発電機。
【請求項5】
前記第1固定子、中間固定子である前記第2固定子、最も外側の固定子である第3固定子の少なくとも3つの固定子を備え、
前記第3固定子は、前記第2固定子の周囲に同心円状に、前記第2固定子と隣接して設けられており、
前記第2固定子と前記第3固定子とは、第2の固定子-固定子間エアギャップで分離されている。請求項1記載の発電機。
【請求項6】
前記第2固定子の歯は、前記第1固定子の背面に結合されて支持される、請求項1に記載の発電機。
【請求項7】
隣接する固定子間に設けられ、これらの固定子を支持する鋼を含むタイロッドを備える、請求項1記載の発電機。
【請求項8】
隣接する固定子間の支持構造として、非磁性かつ非導電性の材料が用いられている、請求項1に記載の発電機。
【請求項9】
前記複数の固定子に加えて、前記複数の固定子と同心円状に配置されたダミー固定子をさらに備え、前記ダミー固定子は、作動巻線を有していない、請求項1に記載の発電機。
【請求項10】
請求項1に記載の発電機の運転方法であって
前記複数の固定子の全てをオンロードで動作させること、または
前記複数の固定子のうちの1つを除く全ての固定子をオンロードで動作させ、前記複数の固定子のうちの1つをオフロードで動作させること、
を含む、運転方法。
【請求項11】
請求項
9に記載の発電機の運転方法であって、前記ダミー固定子をオフロードで動作させる、運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に発電機に関し、より具体的には、1つの回転子(ロータ)と複数の固定子(ステータ)とを備える発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、発電機の基本設計が長年変わっていないことに注目している。ほとんどの発電機は、回転子および固定子を有しており、固定子が回転子を包むか、またはこれら2つの部品を他の回転式で組み合わせて電気を発生させる。
【0003】
多くの場合、固定子は回転子を伴っており、固定子には、磁場を誘導して磁気回路を完成させ、磁極間を移動する際に磁場を十分に利用するためのリターンパス(バックアイアン(back-iron)と呼ばれることもある)がある。この技術分野では、(ラジアルエアギャップ機では)固定子の軸方向外側にリターンパスをもつことが教示されている。発電機の効率を最適化し、向上させるための研究や多くの技術革新・発明の試みが行われてきた。これらの試みのほとんどは、回転子は、回転子から固定子内および固定子を通って放射し、リターンパスを通って戻ってくる磁場を生成し、磁場の閉回路を形成して磁場ループを完成させるという、当技術分野の一般的な教示に従うものである。
c
【0004】
この教示は機能し、長年にわたって効果的に使用されてきた。米国特許出願公開第2007/0138896号は、電気機械、具体的には、2つの回転子と2つの固定子とを有するリラクタンスモータを開示している。リラクタンスモータには、2つの固定子を互いから分離する機能をもつエアギャップが設けられており、このため、これら2つの固定子間に磁気的な結合がないか、または最小限である。また、このモータは、回転子に向かう一方向の磁束を促すバイアス磁石装置を備えているため、モータ回転子はより高いトルクを有し得る。エアギャップと永久磁石とは協働して、磁場を一方向にするとともに、固定子の磁場が連動しないようにしている。
【0005】
別の先行技術文献として、カナダ国特許発明第2541286号がある。この文献は、軸方向に間隔をあけて配置された2つの固定子を開示している。
【0006】
出願人は、上記の特許および先行技術が効果的に示すように、これまでにも試みがなされており、発電機の構成を改善し、発電機の性能を向上させることが以前から望まれてきたことに着目している。先行技術の試みの主な弱点は、磁場に存在する大きな可能性を十分に実現していない、あるいは十分に利用していないことである。
【0007】
本出願人は、複数の固定子を備え、磁場の放射特性(radial characteristic)を利用して、商業的利益をもたらす手頃なコストで、発電出力が改善された発電機を望んでいる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明は、回転子と複数の固定子とを備える発電機であって
前記回転子および前記複数の固定子は、中心軸を中心として同軸に同心円状に配置され、
前記回転子は、前記複数の固定子の径方向内側に設けられ、
前記複数の固定子のうちの第1固定子は、前記回転子の周囲に同心円状に、かつ、前記回転子に隣接して設けられ、前記回転子および前記第1固定子は、回転子-固定子間エアギャップによって分離され、
前記複数の固定子のうちの第2固定子は、前記第1固定子の周囲に同心円状に、かつ、前記第1固定子に隣接して設けられ、前記第1固定子および前記第2固定子は、固定子-固定子間エアギャップによって分離され、
前記回転子は、複数の磁極を提供または生成するように構成された複数の磁極構造を有し、
前記磁極構造のそれぞれの径方向における外側表面(radially outer surface)は、前記外側表面と前記中心軸との間の平均距離よりも小さい平均曲率半径で湾曲しており、これにより、前記回転子-固定子間エアギャップの距離は周方向に変化し、最短距離は前記磁極構造のそれぞれの周方向の中央部にあり、最長距離は前記磁極構造のそれぞれの周方向の端部にあり、
前記固定子-固定子間エアギャップの厚さは均一である、発電機、を提供する。
【0009】
前記回転子-固定子間エアギャップにおいて、前記最長距離と前記最短距離との比が、30:1から2:1の範囲であり、より具体的には20:1から5:1の範囲であり、さらに具体的には15:1から10:1の範囲であり、さらに具体的には14:1から13:1の範囲であってよい。実際の寸法は、発電機の全体的なサイズによって決定され得るが、最長距離は135mm程度であってもよく、最短距離は少なくとも5mmであってもよい。
【0010】
前記磁極構造のそれぞれの周方向の中央部における前記最短距離は、5~50mmであってもよい。前記磁極構造のそれぞれの周方向の端部における前記最長距離は、30~150mmであってもよい。
【0011】
前記固定子-固定子間エアギャップは、前記回転子-固定子間エアギャップの前記最短距離より短くてもよい。前記固定子-固定子間エアギャップは少なくとも0.25mmであってもよく、より詳細には少なくとも2mmであってもよい。
【0012】
上記発電機は、バックアイアンを備えてもよい。前記バックアイアンは、リターンパスを提供し、前記回転子の磁極からの磁気回路の閉鎖を補助する。前記バックアイアンは、前記複数の固定子の周囲、すなわち最も外側の固定子の周囲に設けられている。回転子と最も外側の固定子との間に位置する固定子は中間固定子である。2固定子発電機では中間固定子は1つ(第1固定子)だけ、3固定子発電機では中間固定子は2つ等である。
【0013】
複数の固定子を設けることで、以下の1つまたは複数の目的を果たすことができる。
回転子によって発生する磁場を、単一の固定子を備える発電機よりも完全に利用する。 単一の固定子のみの巻線と比較して、複数の固定子の巻線から、より良い波形を生成する。本明細書において、「より良い波形」とは、単一の固定子によって生成される波形よりも、より正弦波であり(more sinusoidal)、高調波が低く、および/または、より滑らかであることを意味してもよい。
【0014】
前記複数の固定子における巻線は、互いに並列に接続されてもよい。
【0015】
上記発電機は、2つの固定子のみを備えてもよい。発電機は、3つの固定子を備えてもよいし、3つよりも多くの固定子を備えてもよい。
【0016】
上記発電機は、前記複数の固定子の存在および構成によって、波形補正回路を用いずに全高調波歪率0.8%未満の正弦波出力波形を生成する。これは、優れた驚くべき技術的成果となり得る。
【0017】
本発明は、回転子から放射される磁場を効率的に十分に利用する新規な方法を提供し得る。先行技術の設計では、回転子からの磁場は、外側に放射されて固定子に入り、その後、リターンパスに入る。リターンパスは、回転子の次の極に磁場を戻す。この先行技術の構成は問題ないように見えるかもしれない。少なくとも1世紀にわたって教えられてきた文化と技術の教示によると、別の固定子が必要であるようには見えない。提案された発明のように2つ以上の固定子を備えることは、より多くの回転子を追加することなく、最初の固定子に隣接して2番目(または3番目など)の固定子を追加するため、一見すると、かなり奇妙に見えるかもしれない。これらの先行技術の特許の設計では、磁場特性における潜在的な可能性を十分に捉えていない可能性がある。
【0018】
非常に有益な磁場のもう一つの重要な特性は、エアギャップの小さい固定子で起こるように、例えば北極と南極のように極性の異なる2つの磁石が向き合うと、両側の磁場の強さが増大し、場合によっては2倍の大きさになることである。この効果によって、変化率が大きくなり、その結果、高いレベルの電圧が発生する。
【0019】
本発明では、より多くの隣接する固定子を設けることによって、磁場の潜在能力をより完全に捕捉することができる。これらの固定子は同心円状に互いに重なってもよい。これらの固定子はすべて回転子に対して同心円状である。回転子は固定子内で回転し、隣接する固定子を介して次の固定子に磁場を放射することができる。
【0020】
次に、本発明を、添付の概略図を参照しながら、例としてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る発電機の第1実施形態を示す概略断面図である。
【
図2】本発明に係る発電機の第2実施形態を示す概略断面図である。
【
図3】
図1の発電機の第1固定子の出力電圧の波形を示す図である。
【
図4】
図1の発電機の第2固定子の出力電圧の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の例示的な実施形態を、本発明の実施可能な教示として、以下に説明する。関連する技術分野の当業者であれば、本発明の有益な結果を達成しつつ、説明した例示的な実施形態に変更を加えることができることを認識するであろう。また、本発明の所望の利点のいくつかは、例示的な実施形態の特徴の一部を選択することによって、他の特徴を利用することなく、達成され得ることも明らかであろう。したがって、当業者は、例示的な実施形態に対する変更および調整が可能であり、特定の状況において望ましくさえあり、本発明の一部であることを認識するであろう。つまり、例示的な実施形態の以下の説明は、本発明の原理を例示するものであって、本発明を限定するものではない。
【0023】
図1は、本発明に係る発電機100の第1実施形態を示す。発電機100の関係部分のみが図示され、より一般的な部分(ベアリング、車軸、フレーム、入力駆動部、出力配線など)は図示されていないが、それらが本発明の一部を形成し得ることは当業者には理解されるであろう。
【0024】
発電機100は、中心軸111を中心に回転するように取り付けられた中心回転子110を有する。回転子110は、複数の磁極(例えば、N-S-N-S)を提供又は生成するように構成された複数の磁極構造112を有する。各磁極構造112は、永久磁石または電磁石となり得る磁石要素113を有する。この例では、4つの磁極構造112が設けられている。従って、発電機100は四極機である。各磁極構造112は、ローターシュー(rotor shoe)の形態であってもよい。
【0025】
各磁極構造112は、円弧状の径方向外側表面(radially outer surface)114を有する。外側表面114の曲率半径は、外側表面114から中心軸111までの距離より小さい。これは、外側表面114が、使用時に、外側表面114によって表される変位円弧よりも急激な曲率を有することを意味する。
【0026】
発電機100は、複数の固定子120、130を有する。この例示的な実施形態では、発電機100は、2つの固定子120、130、すなわち内側固定子120と外側固定子130とを有する。内側固定子120は、回転子110の径方向外側にあり、かつ、回転子110に隣接している。内側固定子120と回転子110とは、回転子-固定子間エアギャップ116、118によって分離されている。外側固定子130は、内側固定子120の径方向外側にあり、かつ、内側固定子120に隣接している。固定子120、130は、固定子-固定子間エアギャップ122によってのみ分離されている。固定子120、130は、中心軸111および回転子110を中心に同軸に同心円状に配置されている。回転子110は、固定子120、130の径方向内側、つまり内部に配置されている。
【0027】
磁極構造112の外側表面114が円弧状であることを考慮すると、回転子-固定子間エアギャップ116、118は、外側表面114の全長にわたって均一ではない。より具体的には、回転子-固定子間エアギャップ116、118の内側固定子120までの距離は周方向に変化する。最短距離118は、磁極構造112の周方向の中央部(中心部)に位置し、最長距離116は、磁極構造112の周方向の端部に位置する。
【0028】
これに対して、固定子-固定子間エアギャップ122の厚さは均一である。さらに、固定子-固定子間エアギャップ122は、回転子-固定子間エアギャップ116、118の最短距離118よりもさらに短く、回転子-固定子間エアギャップ116、118の最長距離116よりも大幅に短い。
【0029】
発電機100は、各磁極構造112によって生成される磁場の磁気リターンパスを提供するために、第2固定子130の周囲にバックアイアン132を備える。
【0030】
図2は、発電機200の第2の実施形態を示す。発電機200は、3つの固定子120、130、210を備える。この発電機200と第1の発電機100との主な相違点は、第3固定子210を備えることである。第3固定子210は、第2固定子130の径方向外側にあり、かつ、第2固定子130に隣接する。第2固定子130と第3固定子210とは、第2の固定子-固定子間エアギャップ212によって分離されている。第2の固定子-固定子間エアギャップ212は、第1固定子120と第2固定子130と間の(第1の)固定子-固定子間エアギャップ122より短くてもよいし、同じでもよい
【0031】
発電機200もバックアイアン132を有しているが、バックアイアン132は、第3固定子210の周囲に位置している。
【0032】
試験およびシミュレーションにおいて、本出願人は、第2固定子130(および任意にさらなる固定子)の追加によって、以下の2つの主な利点があることを見出した。
・固定子120、130、210は、同じ回転子110からより多くの電力を生成する。
・生成された電力の波形は、単一の固定子によって生成されたものよりも低い高調波を有する、すなわち、純粋な正弦波に近い。つまり、単一の固定子120、130、210のそれぞれは、低高調波の電圧出力を生成することができる。
【0033】
最初の利点について、出願人は、固定子120、130、210が多いほど、回転子110によって生成される利用可能な磁場をより多く「消費」または利用すると推測している。シミュレーションでは、第2固定子130は、第1固定子120によって生成される電力よりも約80%多く電力を生成し、これは有意であった。しかし、これは機械の複雑さを増すという代償が伴う。
【0034】
出願人は、2、3個の固定子が最適(スイートスポット)であり得る、すなわち、2、3個の固定子が、発電量と機械の複雑さ/コストとの間の最適なバランスを提供する可能性があると推測する。固定子が増えると(4個以上)、ある程度の電力が追加で生成されるが、収穫逓減の法則により、それほど多くの固定子が有効とならない可能性がある。より具体的には、第1固定子120は電力を生成し(少なくとも、700V未満の低電圧において)、第2固定子130は第1固定子120より多くの電力を生成し、第3固定子210は(発電機200の場合)第2固定子130より多くの電力を生成する。ただし、第2固定子130から第3固定子210までの発電量の増加率は小さい(例えば、第1固定子から第2固定子までの増加より小さい)。しかしながら、それでも十分に意味があり、発電機の性能および経済性を向上させることができる。さらに、本出願人は、発電機100、200(またはより多くの固定子を有するもの)の力率は、より多くの固定子が追加されるほど低下することに言及したが、これは、改善されたレベルまたは許容可能なレベルに修正され得る。
【0035】
発電機100の別の利点は、回転子関連損失が相加的に生じ得るマルチ回転子・マルチ固定子機とは対照的に、回転子110が1つしかないので、回転子110に関連する回転損失および磁場発生損失が1度しか生じないことである。さらなる利点は、複数の固定子12、130、210に対して回転子110が1つであり、発生する電力が単一の固定子によって発生する電力よりも数倍大きいことである。
【0036】
いくつかの実施形態では、回転子-固定子間エアギャップ116、118は、磁極構造112の中点で(言い換えれば、最短距離118で)少なくとも5mmであってよく、これは一様に増加し、磁極構造112の両端で(最長距離116で)35mmとなる。
【0037】
固定子120、130、210は、その内周面および外周面の周方向形状が全周にわたって均一な円筒形状を有している。固定子120、130、210は、互いに同心円状に重ねられ、それぞれの固定子-固定子間エアギャップ122、212によって分離されているので、固定子-固定子間エアギャップ122、212は全周で均一である。固定子-固定子間エアギャップ122、212は、0mm~150mm程度であってもよい。正弦曲線の(または正弦曲線に近い)波形は、回転子110および回転子-固定子間エアギャップ116、118の形状によって自動的に作られ、固定子120、130、210を介して伝播されるので、出力波形を正弦曲線にするために固定子-固定子間エアギャップ122、212の磁束を整形しなくてもよい場合がある。いくつかの実施形態において、固定子-固定子間エアギャップ122、212は、少なくとも0.25mmであってよく、約2mmであってよい。
【0038】
固定子120、130、210は、固定子に共通する多くの特徴を有すること、例えば歯と、巻線が収容されたスロットとを備えることは当業者には明らかであろう。回転子110によって発生する磁場によって、巻線に電流が誘導される。回転子110からの磁場が複数のエアギャップ116、118、122、212及び固定子120、130、210を通過すると、磁場が減少して弱くなる可能性がある。
【0039】
各固定子120、130、210は、固定子本体を備えてもよい。固定子本体は、剛性を提供し、歯およびスロットを画定する。固定子本体は、マグネタイトおよびバインダを含み得るマグネタイト材料で作られてもよい。マグネタイト材料は、微粉砕されたマグネタイトを樹脂で結合し硬化させた形態であってもよい。これにより、回転子110によって生成された磁場のある程度が内側固定子120を通過し、他の固定子130、210と相互作用してもよい。この磁場の増加は、回転子110が回転すると固定子120、130、210の磁場の変化率が増加し、発電機100、200の最も外側の固定子130、210として配置された固定子でさえその影響を受けることを示している。固定子-固定子間エアギャップ122、212が小さい場合、すなわち約10mm未満の範囲である場合、この効果が大きくなり得る。この効果は、隣接する固定子120、130、210で生じる。
【0040】
図3~
図4は、第1固定子120および第2固定子130の巻線にそれぞれ誘起または発生された電圧波形300、400を示す図である。この構成では、固定子-固定子間エアギャップ122は5mmである。発電機100は、800A電流および60A界磁電流による給電を採用している。
【0041】
本出願人は、内側固定子120の後に固定子130、210の磁場強度または結合を増加させる方法および技術があり得ると推測している。例えば、回転子110からの磁場がエアギャップ116、118、122、212及び固定子120、130、210を通過する際に、回転子110からの磁場を増加させる別の方法は、固定子120、130、210上に閉回路で二次巻線を配置することである。これらの二次巻線は、固定子120、130、210の上部に配置されてもよく、固定子120、130、210の一次発電巻線から絶縁されている。これらの二次固定子巻線には、電流が入力されなくてもよい。これらの二次巻線の構造的特徴としては、二次巻線が固定子本体に完全に埋め込まれていてもよく、磁場の変化率が変化して二次巻線とリンク(連動)すると、二次巻線に電流が発生し、これによって磁場が生成され、この磁場は電気鋼によって拡大される。この磁場は、同じ固定子のスロットにある電力発生巻線へと外向きに放射され、固定子のエアギャップ122、212を通って隣接する固定子130、210へと外側に(外向きに)放射される。
【0042】
1つ以上の固定子120、130、210が樹脂と混合されたマグネタイトで全体的に作られている場合、マグネタイトは磁場をも拡大することができる。同じ厚さであれば、マグネタイト材料は、電気鋼よりも径方向の磁気分散に優れている。これらの巻線は、固定子120、130、210の周囲に全周に渡って設けられてもよい。
【0043】
磁場の課題を増やす他の実施形態は、固定子120、130、210の本体に一次発電巻線を全体的に埋め込むことである。この構造では、固定子120、130、210を作るベース材として電気鋼を使用することができる。また、固定子120、130、210を作る材料は、マグネタイト材料に樹脂を混ぜたものであってもよい。
【0044】
固定子本体を構成する材料が電気鋼である実施形態では、表面にマグネタイトの表層が結合された発電巻線を埋め込んで、電界を増加させる。微粉砕されたマグネタイトは高電場の性質をもち、これを用いることで固定子巻線の作用電場を高くすることができる。本実施形態において、巻線が固定子120、130、210の内部に存在することになるので、固定子120、130、210は、巻線を配置するためのスロットを有していなくてもよい。二次巻線は、すべての固定子に設けられてもよい。これらの二次巻線は、固定子130に設けられ、内側に隣接する固定子120へ径方向に内向きに、外側に隣接する外側固定子210へ径方向に外向きに、さらに最外周固定子210のリターンパス132内へ径方向に外向きに磁場を発生してもよい。
【0045】
また、固定子120、130、210の電気鋼構造に埋め込まれている一次発電巻線は、内側に隣接する固定子120、130へ径方向内向きに、外側に隣接する固定子130、210へおよびリターンパス132に向かって径方向外向きに、磁場を放射してもよい。リターンパス132をより大きくして、増加した磁場に対応するのに十分な透磁率を有するようにしてもよい。この実施形態で生じ得る課題は、固定子巻線の冷却である。本実施形態では、冷却は、固定子120、130、210への水冷で効果的に対処することができる。固定子に埋め込まれた一次巻線と固定子120、130、210に埋め込まれた二次巻線とは、同じ固定子120、130、210に配置されてもよく、および/または、これらの巻線は両方ともマグネタイトで表面的に付着されているかまたはマグネタイトに埋め込まれてもよい。
【0046】
上述のように、いくつかの実施形態において、マグネタイト材料の使用、特に固定子120、130、210の構造部/本体部分に対するマグネタイト材料の使用は、適切であり得る。固定子-固定子間エアギャップ122、212は小さくてもよく、約0mmから約10mmのサイズ範囲、例えば、5mmである。固定子-固定子間エアギャップ122、212が小さいと、固定子120、130、210を冷却するための空気の流れが減少するため、冷却の効果が低くなる可能性がある。
【0047】
材料としての微細なマグネタイト(磁鉄鉱)は、良好な熱特性を有する。樹脂と混合されたマグネタイト材料の試験作業中に、マグネタイトが多くの電気材料よりもはるかに速く周囲の環境に熱を放出することが分かった。マグネタイトは、また、緩やかに温度上昇する。電気用途に使用されるマグネタイト材料には、多くの好ましい特性がある。マグネタイトの用途の1つに、発電機がある。
【0048】
リターンパス132の厚さは大きくてもよい。リターンパス132の厚さのサイズは、本発明の特徴的な点の1つであってよい。従来の設計および現在の技術水準と比較して、本発明のリターンパス132は、常に現状のリターンパスよりも厚くなり得る。固定子を増やせば増やすほど磁場が小さくなるにもかかわらず、リターンパス132は依然として厚くなり得る。リターンパス132を厚くすると、発電機100は、より多くの電力を発生させることが可能となる。
【0049】
基本的な先行技術の発電機、すなわち、単一の中心回転子と、回転子の周りの単一の固定子とを備え、波形補正回路を有していない発電機では、出力波形の電圧高調波が高くなる場合がある。本開示の発電機100は、より滑らかな電圧波形、ひいてはより滑らかな回転子110のトルク、回転子110と内側固定子120との間のより滑らかなエアギャップ磁束密度、さらに固定子120、130間のより滑らかな磁気エアギャップ磁束密度という、予想外でやや驚くべき技術的成果をもたらす。これらの滑らかになる技術的成果は、発電機200の後続の固定子210の全てに適用され得る。
【0050】
発電機100の利点は、高調波歪みが低いことである。発電機は、1%未満のTHD(Total Harmonic Distortion)を有してよく、約0.8%、または0.8%未満のTHDを有してよい。ある特定の実施形態では、回転子-固定子間エアギャップ116、188の最短距離118が少なくとも35mmであり、最長距離116が75mmであり、固定子-固定子間エアギャップが10mmで周方向に均一である。この実施形態では、発電機100は、THDが0.8%未満の出力波形を生成した。高調波の標準要件は、発電に対して8%未満である。したがって、この発電機100は、波形補正または波形整形回路を追加することなく、この閾値を十分に下回るものであった。
【0051】
上記の低いTHDによって、より多くの電流を生成するように発電機をより積極的に構成する機会が得られる。これは、通常THDを増加させる手法であるが、高調波歪みを許容可能なTHD閾値未満に維持しながら、8%の限界に近づいてより多くの電力を取り出すために行うこともできる。この実施形態では、2つの固定子の両方が低電圧高調波を発生させる。低電圧高調波は、電流の増加がより多くの電力を生成し、経済的利益を増加させ、これが経済的成功を生み出すという点で、大きな経済的利益をもたらし得る。この低高調波の利点は、従来の先行技術の発電機の高レベルの高調波制限を解決することである。
【0052】
その他の注目すべき点は、外側固定子130が内側固定子120よりも大きな半径を有するため、歯と歯の巻線とを設けるための面積が大きいことである。これにより、発電を補助することができる。固定子のサイズが大きくなるほど、積分表面積が増加するため、電圧の発生が増加する。したがって、1相あたりの巻数が同じでも、半径の大きな固定子を増やせば増やすほど、より多くの電圧が発生する。これにより、より良い経済的利益が生み出され、経済的成功がもたらされる。
【0053】
この発電機100の運転方法では、顧客または送電網の異なる条件に合わせて異なるモードで運転することができる。両方の固定子120、130を、オンロードで(負荷をかけて)動作させてもよい。あるいは、内側の固定子120をオフロードで動作させ、外側固定子130をオンロードで作動させる、つまり需要が少ない場合に、発電機100が運転されてもよい。内側固定子120は、電力出力が依然として外側固定子130における低電圧高調波を有し得る磁場を緩和してもよい。固定子120を選択してオフロード動作させる理由は、700V以上の高い電圧では、その半径の大きさに起因して、他のすべての固定子と比べて電力の発生量が最も少ないからである。また、固定子の1つがオフロードであっても、電圧高調波の観点から電力の品質には影響を与えない。言い換えれば、一方の固定子120をオフロードで動作させても、オンロードで動作させている他方の固定子130は、依然として好ましいまたは低いTHD特性を有している。したがって、一方の固定子120がオフロードであっても、その固定子120が存在するだけ、または、他方の固定子130に近接しているだけで技術的効果が得られる。従来の回転子1つおよび固定子1つの設計と比較して、1つの固定子を3つまたは2つの固定子を組み合わせたような大きさにしたとしても、低電圧高調波の技術的効果により、複数の固定子設計の方が比較的良好な性能を発揮する。
【0054】
内側固定子120をオフロードで作動させた結果、回転子110の回転に対する対向する機械的効果および他の固定子130からのコギングトルクが減少し、したがって、発電機100の運転がより円滑になり、かつ改善されると考えられる。他の固定子130、210は、電力需要に応じて調整してオフロードで動作させてもよい。外側固定子130、210は、電力需要も考慮しても、オフロードで動作することが好ましい固定子ではない場合がある。本実施形態は、発電機100、200の動作にある程度の柔軟性を持たせている。低高調波という特徴的な点は、従来技術における比較的高いレベルの高調波によって生じる制限を解決し得る。発電機100、200は、柔軟な動作を行うことができ、それによって、少なくとも1つの固定子がオンロードで動作している間に他の固定子(複数可)がオフロードで動作し、または少なくとも1つの固定子がオフロードで動作している間に他の固定子(複数可)がオンロードで動作しても、依然として低高調波電圧を生成する。この動作モードは、発電機100、200の円滑な動作を向上させ得る。
【0055】
発電機100、200は、支持構造体(図示せず)を備えてもよい。支持構造は、固定子120、130、210の全てに対して単一のバックアイアン132のみを備えてもよい。最も外側の固定子130、210以外の全ての固定子120、130は、固定子120、130、210を剛性化し、任意の動きに対して一緒に保持するために、タイバーで横断的に支持されてもよい。これらの固定子120、130、210に使用され得るタイバーは、所望の強度を有するように10.9構造鋼等級から構成されてもよい。
【0056】
中間固定子120、130を支持する他の方法は、非磁性かつ非導電性の材料をタイバーの形態で支持構造として使用することである。これは、巻線までの経路上の磁場の流れ方向に影響を与えず、望ましくない磁気干渉を生じない。
【0057】
本提案の発電機100は、回転子と、隣り合う複数の固定子とを備え、単一の回転子でより多くの電力を発生させるためのシンプルな解決策である。発電機100の特徴的な点は、複数の固定子を有することである。少なくとも2つの固定子があってもよい。本提案の発明は、単一の回転子でより多くの電力を生成する方法の新しい道を開くものである。これによって、本発明は、低高調波の特性において優位性を持って技術を大幅に改善し、本発明に技術的意義を与えるものである。外側固定子の大型化、固定子の表面積の積分値、2つの固定子が向かい合ったときに磁場が最大で2倍になるという要因が相乗的に作用し、この発電機100の電圧出力を増加させる。
【0058】
いくつかの実施形態では、リターンパスは、先行技術の発明よりも最大10倍厚くてもよい。同じサイズの回転子について、本発明の最適化されたリターンパスは、最適化された従来設計よりも少なくとも1.5倍厚くてもよい。このバックアイアン(リターンパスと呼ばれることもある)の厚さは、少なくとも2mmであってよい。リターンパスを厚くすると、発電機はより多くの電力を生成することが可能となる。同じ界磁電流および同じ固定子電流を維持しても、リターンパスの厚さが増すと、発電機はより多くの電圧を発生させることによって、より多くの電力を生成する。これは、非常に驚くべき技術的成果であり、非常に有利である。従って、リターンパスが厚いことが、発電機100の際立った特徴となり得る。発電機100の場合、リターンパスは、常に、本発明の最も外側の固定子に位置する。リターンパスは、第2固定子または最も外側の固定子よりも厚くてもよい。
【0059】
本発明が複数の固定子と1つの回転子を有するものであるので、本発明の他の実施形態として、発電機に、複数の固定子およびダミー固定子を伴う1つの回転子が設けられた実施形態が挙げられる。異なる言い方をすれば、発電機は、複数の固定子に加えて、複数の固定子と同心円状に配置されたダミー固定子をさらに備えてもよい。ダミー固定子は、作動巻線(operative windings)を有しないことを特徴としてもよい。
【0060】
[項目(clauses)]
(1)複数の固定子を備える発電機であって、発電機は、発電機の最内部分として回転子を有し、少なくとも2つの同心円状の固定子を備えており、前記回転子と最も内側の固定子との間のエアギャップは、前記回転子の極の外側表面の中間点において少なくとも10mmであり、エアギャップは極の両端における少なくとも50mmまで一様に増加し、隣接する固定子間のエアギャップは、隣接する2つの固定子の全周にわたって少なくとも(ゼロ)0mmである、発電機。
【0061】
(2)各中間固定子が固定子支持用のバックアイアンとして電気鋼の薄層を有し、前記バックアイアンの厚さが少なくとも2mmである、項目1に記載の発電機。
【0062】
(3)前記回転子と最も外側の固定子の間にある中間固定子を支持するために、隣接する外側固定子の歯がその前の(隣接する)固定子の背面に結合されている(joined)、項目1に記載の発電機。
【0063】
(4)前記回転子と最も外側の固定子との間の中間固定子を支持するために、10.9等級の構造用鋼を含むタイロッドが使用されている、項目1に記載の発電機。
【0064】
(5)前記回転子と最も外側の固定子との間に位置する中間固定子の支持構造として、非磁性かつ非導電性の材料が用いられている、項目1に記載の発電機。
【0065】
(6)前記固定子間のエアギャップが前記固定子の全周にわたって5mmである、項目1に記載の発電機。
【0066】
(7)内側固定子(S1)と外側固定子(S2)との間のエアギャップが5mmであり、このエアギャップにより、高調波が0.8%未満の滑らかな正弦波形が生成される、項目1に記載の発電機。
【0067】
(8)少なくとも1つの固定子の巻線が、微粉砕したマグネタイトまたは樹脂と混合したマグネタイトに埋め込まれており、前記マグネタイトが電場を増加させる、項目1に記載の発電機。
【0068】
(9)少なくとも1つの固定子が、
固定子の上部に、固定子の発電巻線から分離された二次巻線があり、二次巻線には電流が入力されないが、回転子の動きによって磁場を発生し、それが鋼によって拡大されて回転子の磁場に付加される、または、
発電巻線が電気鋼の固定子構造の中に完全に埋め込まれ、鋼構造によって拡大されてより多くの磁場を発生させ、水冷を利用して固定子を冷却する、
のいずれかの巻線を有する、項目1に記載の発電機。
【0069】
(10)リターンパスにマグネタイトが貼り付けられて固定子の磁場を増加させる、項目1に記載の発電機。
【0070】
(11)中間固定子の固定子裏面にある薄い鋼の層にマグネタイトが貼り付けられている、項目1に記載の発電機。
【0071】
(12)項目1に記載の発電機における発電方法であって、前記回転子に最も近い固定子をオフロード(無負荷)で動作させ、前記回転子の回転に対する対向する機械的効果と他の固定子からのコギングトルクを減少させる、発電方法。
【0072】
(13)項目1に記載の発電機における発電方法であって、前記回転子と最も外側の固定子との間の少なくとも1つの中間固定子をオフロードで動作させ、他の全ての固定子をオンロードで動作させる、発電方法。
【0073】
(14)複数の固定子を備える発電機であって、発電機は、発電機の最内部分として回転子を有し、回転子と径方向に位置する少なくとも2つの同心円状の固定子を備えており、前記回転子と最も内側の固定子との間には、固定子-回転子間エアギャップがあり、隣接する固定子間に、固定子-固定子間エアギャップがある、発電機。