(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】車両及び車室内浄化装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B60H3/06 E
(21)【出願番号】P 2022151387
(22)【出願日】2022-09-22
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 剛
(72)【発明者】
【氏名】宮道 敏広
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/123888(WO,A1)
【文献】特開2003-290326(JP,A)
【文献】特開平11-005440(JP,A)
【文献】実開昭59-122915(JP,U)
【文献】実開平05-076821(JP,U)
【文献】実開昭62-056314(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に回転可能に支持された車輪と、
前記車体の室内の天井に設置された車室内浄化装置と、
を備え
た車両であって、
前記車室内浄化装置は、
筐体と、
前記筐体に設けられた第1吹き出し口と、
前記筐体に設けられた第2吹き出し口と、
前記第1吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第1送風ファンと、
前記第2吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第2送風ファンと、
前記筐体内部に設けられ、前記第1吹き出し口及び前記第2吹き出し口から送出される気流に対する所定の発生装置と、
を備え、
前記所定の発生装置は、帯電微粒子水を含むミストを発生させる静電霧化装置とコロナ放電によりオゾン及びマイナスイオンを発生させるオゾン・イオン発生装置との少なくとも一方を含み、
前記第1吹き出し口と前記第2吹き出し口とは、前記車両の進行方向に沿って配置され、
前記第1吹き出し口は、前記車両の前方に向いており、
前記第2吹き出し口は、前記車両の後方に向いており、
前記車室内浄化装置は、前記車体の
前記室内の
前記進行方向についての
中心より後方に配置され、
前記第1吹き出し口の第1風量は、前記第2吹き出し口の第2風量より大きい
車両。
【請求項2】
車体と、
前記車体に回転可能に支持された車輪と、
前記車体の室内の天井に設置された車室内浄化装置と、
を備え
た車両であって、
前記車室内浄化装置は、
筐体と、
前記筐体に設けられた第1吹き出し口と、
前記筐体に設けられた第2吹き出し口と、
前記第1吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第1送風ファンと、
前記第2吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第2送風ファンと、
前記筐体内部に設けられ、前記第1吹き出し口及び前記第2吹き出し口から送出される気流に対する所定の発生装置と、
を備え、
前記所定の発生装置は、帯電微粒子水を含むミストを発生させる静電霧化装置とコロナ放電によりオゾン及びマイナスイオンを発生させるオゾン・イオン発生装置との少なくとも一方を含み、
前記第1吹き出し口と前記第2吹き出し口とは、前記車両の進行方向に沿って配置され、
前記第1吹き出し口は、前記車両の前方に向いており、
前記第2吹き出し口は、前記車両の後方に向いており、
前記車室内浄化装置は、前記車体の
前記室内の
前記進行方向についての
中心より前方に配置され、
前記第1吹き出し口の第1風量は、前記第2吹き出し口の第2風量より小さい
車両。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の車両であって、
前記車室内浄化装置の前記筐体は、吸気部を備え、
前記所定の発生装置は、前記第1送風ファンと前記第2送風ファンの間に配置され、
前記吸気部から入った気流は、
前記所定の発生装置と、前記第1送風ファンを経て、前記第1吹き出し口から送出されるとともに、
前記所定の発生装置と、前記第2送風ファンを経て、前記第2吹き出し口から送出される、
車両。
【請求項4】
車体と、前記車体に回転可能に支持された車輪と、を備えた車両の、前記車体の室内の天井に設置されるように設定され、
筐体と、
前記筐体に設けられた第1吹き出し口と、
前記筐体に設けられた第2吹き出し口と、
前記第1吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第1送風ファンと、
前記第2吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第2送風ファンと、
前記筐体内部に設けられ、前記第1吹き出し口及び前記第2吹き出し口から送出される気流に対する所定の発生装置と、
を備え、
前記所定の発生装置は、帯電微粒子水を含むミストを発生させる静電霧化装置とコロナ放電によりオゾン及びマイナスイオンを発生させるオゾン・イオン発生装置との少なくとも一方を含む、車室内浄化装置であって、
前記第1吹き出し口と前記第2吹き出し口とは、前記車両の進行方向に沿って配置され、
前記第1吹き出し口は、前記車両の前方に向き、
前記第2吹き出し口は、前記車両の後方に向き、
前記車体の
前記室内の
前記進行方向についての
中心より後方に配置され、
前記第1吹き出し口の第1風量が前記第2吹き出し口の第2風量より大きくなるように設定された、
車室内浄化装置。
【請求項5】
車体と、前記車体に回転可能に支持された車輪と、を備えた車両の、前記車体の室内の天井に設置されるように設定され、
筐体と、
前記筐体に設けられた第1吹き出し口と、
前記筐体に設けられた第2吹き出し口と、
前記第1吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第1送風ファンと、
前記第2吹き出し口に対応し、前記筐体内部に設けられた第2送風ファンと、
前記筐体内部に設けられ、前記第1吹き出し口及び前記第2吹き出し口から送出される気流に対する所定の発生装置と、
を備え、
前記所定の発生装置は、帯電微粒子水を含むミストを発生させる静電霧化装置とコロナ放電によりオゾン及びマイナスイオンを発生させるオゾン・イオン発生装置との少なくとも一方を含む、車室内浄化装置であって
前記第1吹き出し口と前記第2吹き出し口とは、前記車両の進行方向に沿って配置され、
前記第1吹き出し口は、前記車両の前方に向き、
前記第2吹き出し口は、前記車両の後方に向き、
前記車体の
前記室内の
前記進行方向についての
中心より前方に配置され、
前記第1吹き出し口の第1風量が前記第2吹き出し口の第2風量より小さくなるように設定された、
車室内浄化装置。
【請求項6】
請求項
4又は5に記載の車室内浄化装置であって、
前記筐体は、吸気部を備え、
前記所定の発生装置は、前記第1送風ファンと前記第2送風ファンの間に配置され、
前記吸気部から入った気流は、
前記所定の発生装置と、前記第1送風ファンを経て、前記第1吹き出し口から送出されるとともに、
前記所定の発生装置と、前記第2送風ファンを経て、前記第2吹き出し口から送出される、
車室内浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両及び車室内浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両では、室内の天井に車室内浄化装置が設置されることがある。このとき、車室内浄化装置は、車両の室内の空気を適切に浄化することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-45185号公報
【文献】特開2005-233589号公報
【文献】特開2011-237107号公報
【文献】国際公開第2008/018283号
【文献】特開2004-314720号公報
【文献】特開平11-5440号公報
【文献】特開2008-84802号公報
【文献】特開2016-135631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両の室内の空気を適切に浄化できる車両及び車室内浄化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る車両は、車体と、車体に回転可能に支持された車輪と、車体の室内の天井に設置された車室内浄化装置と、を有する車両であって、車室内浄化装置は、筐体と第1吹き出し口と第2吹き出し口と第1送風ファンと第2送風ファンと所定の発生装置とを有する。第1吹き出し口は、筐体に設けられる。第2吹き出し口は、筐体に設けられる。所定の発生装置は、筐体内部に設けられる。第1送風ファンは、第1吹き出し口に対応し、筐体内部に設けられる。第2送風ファンは、第2吹き出し口に対応し、筐体内部に設けられる。所定の発生装置は、第1吹き出し口及び第2吹き出し口から送出される気流に対する装置である。所定の発生装置は、帯電微粒子水を含むミストを発生させる静電霧化装置とコロナ放電によりオゾン及びマイナスイオンを発生させるオゾン・イオン発生装置との少なくとも一方を含む。第1吹き出し口と第2吹き出し口とは、車両の進行方向に沿って配置される。第1吹き出し口は、車両の前方に向いている。第2吹き出し口は、車両の後方に向いている。車室内浄化装置は、車体の室内の進行方向についての中心より後方に配置される。第1吹き出し口の第1風量は、第2吹き出し口の第2風量より大きい。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る車室内浄化装置によれば、車両の室内の空気を適切に浄化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る車室内装置が設置される車両の構成を示す図。
【
図2】第1の実施形態に係る車室内装置の外観構成を示す図。
【
図3】第1の実施形態に係る車室内装置の構成を示す図。
【
図4】第1の実施形態に係る車室内装置の構成を示すブロック図。
【
図5】第1の実施形態に係る車室内装置の動作を示すフローチャート。
【
図6】第1の実施形態における車両状態判定処理を示すフローチャート。
【
図7】第1の実施形態における浄化処理を示すフローチャート。
【
図8】第1の実施形態に係る車室内装置の動作を示すタイミングチャート。
【
図9】第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置の構成を示す図。
【
図10】第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置の構成を示すブロック図。
【
図11】第1の実施形態の第1の変形例における発光部の構成を示すブロック図。
【
図12】第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置の動作を示すフローチャート。
【
図13】第1の実施形態の第1の変形例における最低気温取得処理を示すフローチャート。
【
図14】第1の実施形態の第1の変形例における最低気温と浄化部を動作すべき時間との関係を示す図。
【
図15】第1の実施形態の第1の変形例における最低気温と発光部の発光の色温度との関係を示す図。
【
図16】第1の実施形態の第1の変形例における照明制御処理を示すフローチャート。
【
図17】第1の実施形態の第2の変形例における発光部の構成を示すブロック図。
【
図18】第1の実施形態の第2の変形例における最低気温取得処理を示すフローチャート。
【
図19】第1の実施形態の第2の変形例における最低気温と浄化部を動作すべき時間との関係を示す図。
【
図20】第1の実施形態の第2の変形例における最低気温と発光部の発光の色温度との関係を示す図。
【
図21】第1の実施形態の第3の変形例における最低気温と発光部の発光の色温度との関係を示す図。
【
図22】第1の実施形態の第4の変形例における最低気温と発光部の発光の色温度との関係を示す図。
【
図23】第1の実施形態の第5の変形例における車室内装置の設置シーケンスを示す図。
【
図24】第1の実施形態の第5の変形例における車室内装置の係止部の構造を示す図。
【
図25】第2の実施形態に係る車室内装置が設置される車両の構成を示す図。
【
図26】第2の実施形態に係る車室内装置の構成を示す図。
【
図27】第2の実施形態に係る車室内装置の構成を示すブロック図。
【
図28】第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口の構成例を示す図。
【
図29】第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口の他の構成例を示す図。
【
図30】第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口のさらに他の構成例を示す図。
【
図31】第2の実施形態における送風ファンの回転数の設定を示す図。
【
図32】第2の実施形態における操作部の構成を示す図。
【
図33】第2の実施形態における送風ファンの動作を示す図。
【
図34】第2の実施形態に係る浄化処理を示すフローチャート。
【
図35】第2の実施形態における車室内の気流を示す図。
【
図36】第2の実施形態における車室内の所定の粒子の分布を示す図。
【
図37】第2の実施形態の変形例における送風ファンの回転数の設定を示す図。
【
図38】第2の実施形態の変形例における操作部の構成を示す図。
【
図39】第2の実施形態の変形例における第1送風ファンの吹き出し風量及び第2送風ファンの吹き出し風量を示す図。
【
図40】第2の実施形態の変形例における第1送風ファンの吹き出し風量及び第2送風ファンの吹き出し風量を示す図。
【
図41】第2の実施形態の変形例における第1送風ファンの吹き出し風量及び第2送風ファンの吹き出し風量を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る車室内装置の実施形態について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる車室内装置は、車両の室内の天井に設置可能であるが、車両の室内の空気を適切に浄化したり車両の室内を適切に照明したりするための工夫が施される。
【0010】
図1は、車室内装置100が設置される車両1の構成を示す図である。車室内装置100は、
図1に示すような車両1の室内の天井に、既に設置された既存装置(例えば、ルームランプ)に代えて、後付けで設置可能である。以下では、車両1の進行方向をX方向とし、車幅方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0011】
車両1は、車両制御装置5、複数の車輪2-1~2-4、車体3、ドア8-1,8-2、ドアスイッチ7-1,7-2、バッテリ4、空調装置9、及び車室内装置100を有する。
【0012】
車両制御装置5は、車両1における各部を統括的に監視及び制御することが可能である。
【0013】
車輪2-1~2-4は、それぞれ、Y軸周りに回転可能である。車輪2-1,2-2の-X側には、車輪2-3,2-4が配され、それに応じて、+X側の車軸及び-X側の車軸(図示せず)が配される。車輪2-1,2-2は、それぞれ、Y方向に延びた+X側の車軸の+Y側、-Y側の端部に連結される。車輪2-3,2-4は、それぞれ、Y方向に延びた-X側の車軸の+Y側、-Y側の端部に連結される。
図1では、車両1が4つの車輪2を有する構成が例示されるが、車輪2の数は、3以下でもよいし、5以上でもよい。
【0014】
車体3は、車軸を回転可能に支持し、車軸を介して車輪2-1~2-4が結合される。車体3は、車輪2-1,2-2及び車輪2-3,2-4の回転によって、X方向に移動可能である。車体3は、車室6を構成する。車室6は、車両1の室内と言い換えることもできる。車体3は屋根部3aを有する。屋根部3aは、XY方向に延び、車室6を+Z側から覆う。屋根部3aは、+Z側の面を外面として有し、-Z側の面を内面として有する。屋根部3aの-Z側の面は、車室6の天井6aを構成する。天井6aは、ルーフライニングとも呼ばれる。天井6aは、XY方向に延びる。天井6aは、内装としての絶縁性シート6a1で覆われている。そのため、車体3は、グランド電圧線L2(
図3,4参照)を介して車室内装置100へ接続可能である。グランド電圧線L2を介して車室内装置100へ接続された状態で、車体3は、グランド電圧V
GNDを車室内装置100へ供給可能である。また、車体3は、+Y側及び-Y側に、それぞれ、乗員Pが通過可能な開口部3b-1,3b-2を有する。
【0015】
ドア8-1,8-2は、それぞれ、車体3の+Y側及び-Y側に開閉可能に設置される。ドア8-1は、+Y側の開口部3bの+X側の縁部に開閉可能に設置される。ドア8-2は、-Y側の開口部3bの+X側の縁部に開閉可能に設置される。
【0016】
ドア8は、閉状態において、開口部3bを概ね閉塞し、車室6が外界から概ね密閉された状態にすることができる。ドア8は、開状態において、開口部3bを開放し、車室6が外界へ開放させた状態にすることができる。
【0017】
ドアスイッチ7-1,7-2は、それぞれ、ドア8-1,8-2に対応する。ドアスイッチ7-1は、+Y側のドア8-1の把持部付近に設置されてもよい。ドアスイッチ7-2は、-Y側のドア8-2の把持部付近に設置されてもよい。
【0018】
各ドアスイッチ7-1,7-2は、対応するドア8の開閉状態を検出してドア開閉信号D
OORを出力する。例えば、ドアスイッチ7は、ドア開閉信号線L3(
図3,4参照)を介して車室内装置100へ接続可能である。ドア開閉信号線L3を介して車室内装置100へ接続された状態で、ドアスイッチ7は、ドア開閉信号D
OORを車室内装置100へ出力する。ドア開閉信号D
OORは、例えば、Hレベル(又は値「1」)で「開」を示し、Lレベル(又は値「0」)で「閉」を示してもよい。ドア開閉信号線L3には、複数のドアスイッチ7-1,7-2のドア開閉信号D
OORの論理和が現れてもよい。ドア開閉信号線L3には、複数のドアスイッチ7-1,7-2のドア開閉信号D
OORの少なくとも一方がHレベル(又は値「1」)であればHレベル(又は値「1」)が現れ得る。ドア開閉信号線L3には、複数のドアスイッチ7-1,7-2のドア開閉信号D
OORの両方がLレベル(又は値「0」)であればLレベル(又は値「0」)が現れ得る。
【0019】
ドアスイッチ7-1は、ドア8-1が開状態であることを検出する場合、「開」を示すドア開閉信号DOORを車両制御装置5及び車室内装置100へそれぞれ出力する。ドアスイッチ7-1は、ドア8-1が閉状態であることを検出する場合、「閉」を示すドア開閉信号DOORを車両制御装置5及び車室内装置100へそれぞれ出力する。同様に、ドアスイッチ7-2は、ドア8-2が開状態であることを検出する場合、「開」を示すドア開閉信号DOORを車両制御装置5及び車室内装置100へそれぞれ出力する。ドアスイッチ7-2は、ドア8-2が閉状態であることを検出する場合、「閉」を示すドア開閉信号DOORを車両制御装置5及び車室内装置100へそれぞれ出力する。
【0020】
バッテリ4は、車体3内に配される。バッテリ4は、電力が充電され得る。バッテリ4は、車両1の走行状態において充電され得る。バッテリ4は、車両1の非走行状態(例えば、駐車中の状態)において放電され得る。バッテリ4は、車両1内の電装部品に接続され、電装部品に電力を供給可能である。例えば、バッテリ4は、+B電圧線L1(
図3,4参照)を介して車室内装置100へ接続可能である。+B電圧線L1を介して車室内装置100へ接続された状態で、バッテリ4は、+B電圧V
+Bを車室内装置100へ供給可能である。
【0021】
空調装置9は、車体3内に配される。空調装置9は、その吸い込み口及び吹き出し口がそれぞれ車室6に連通される。これにより、空調装置9は、車室6の空気を吸い込み口から吸い込み、吸い込まれた空気に対して所定の空気調和処理を施し、処理後の空気を吹き出し口から車室6へ吹き出す。これにより、車室6の空気が調和され得る。空調装置9は、車両1が使用中のときに運転され、車両1が駐車中のときに停止され得る。
【0022】
車室内装置100は、車室6の天井6aに後付けで設置可能である。
図1では、車室内装置100が車室6の天井6aに設置された状態が例示される。車室内装置100は、空気清浄機能と照明機能とを有する。車室内装置100は、車室6の天井6aに設置された状態でバッテリ4に接続され、バッテリ4から電力が供給され得る。車室内装置100は、車室6の天井6aにおける空気清浄機能・照明機能を実現可能な任意の位置に配される。
図1では、車室内装置100が車室6の天井6aにおけるXY方向中央付近に設置される構成が例示される。
【0023】
図2は、車室内装置100の外観構成を示す図である。車室内装置100は、空気清浄機能と照明機能とを実現可能な任意の形状を有し得るが、
図2に示すように、XY方向に扁平な形状を有してもよい。
【0024】
XY方向に扁平な形状を有することにより、例えば
図1及び
図2に二点鎖線で示すように、車室内装置100からおおむね-Z方向に吹き出され車室6内を循環し天井6aに沿ってXY方向に車室内装置100に戻る気流を形成でき、車室6内の空気を効果的に浄化できる。また、車室内装置100から-Z方向及びそれに傾斜した方向に照明でき、車室6内を効果的に照明できる。また、車室内装置100を車室6の天井6aに設置する際の接触面積を容易に確保でき、車室内装置100の設置強度を容易に確保できる。
【0025】
車室内装置100は、筐体13、光学部材20、操作部18及び操作部19を有する。筐体13は、Z方向に沿った軸を有し-Z側が開放された略角柱、略円柱、略円錐台等の形状を有してもよい。
図2では、筐体13の構成として、-Z側が開放された略円錐台の形状を有する構成が例示される。筐体13は、-Z側に開口を有する。光学部材20は、筐体13の-Z側の開口に応じたXY平面形状(例えば、略円盤形状)を有し、筐体13の-Z側の開口をほぼ閉塞する。筐体13の-Z側の縁部は、光学部材20の+Z側の縁部付近を離間しながら覆い、+Z側の縁部よりXY方向やや内側で接続されてもよい。筐体13は、遮光性の材料で形成され得る。光学部材20は、透光性の材料で形成され得る。
【0026】
操作部18は、筐体13における操作可能な位置に配され、その構成の一部が露出される。操作部18は、空気清浄機能のオン・オフの指示を受け付け可能である。例えば、操作部18は、ボタン18aを有し、ボタン18aが筐体13における-Z側の縁部近傍に配される。操作部18は、筐体13の-Z側の縁部における周方向で操作部19に隣接する位置に配されてもよい。
【0027】
操作部19は、筐体13における操作可能な位置に配され、その構成の一部が露出される。操作部19は、照明機能のオン・オフの指示を受け付け可能である。例えば、操作部19は、ボタン19aを有し、ボタン19aが筐体13における-Z側の縁部近傍に配される。操作部19は、筐体13の-Z側の縁部における周方向で操作部18に隣接する位置に配されてもよい。
【0028】
図3は、車室内装置100の構成を示すXZ断面図である。
図4は、車室内装置100の構成を示すブロック図である。
図3では、車室内装置100のハードウェア構成が模式的に示されており、XZ断面における各構成の大きさ及び位置が実際のものと異なり得る。他の方向の断面(例えば、YZ断面)についても、XZ断面と同様である。
図4では、車室内装置100の機能構成が示されている。
【0029】
車室内装置100は、
図3及び
図4に示すように、端子TM1、端子TM2、端子TM3、入力部11、電源部12、浄化部14、発光部15、発光部16及び制御回路17をさらに有する。車室内装置100において、空気清浄機能は、主として、浄化部14により実現される。照明機能は、主として、発光部15により実現される。
【0030】
端子TM1は、電源部12に接続され、端子TM11及び+B電圧線L1を介してバッテリ4に接続可能である。端子TM1は、台座部BSから+Z側に突出する。台座部BSは、筐体13の+Z側の面に配され、筐体13の+Z側の面から台座状に隆起した部分である。台座部BSは、筐体13の+Z側の面に固定されていてもよい。端子TM11は、ソケットSCにおける端子TM1に対応した位置に配され、端子TM1に対応した形状を有する。端子TM11は、端子TM1に嵌合可能な形状としてもよい。これにより、ソケットSCが台座部BSに装着された際に、端子TM1が端子TM11に嵌合し、端子TM1が端子TM11及び+B電圧線L1を介してバッテリ4に接続され得る。
【0031】
端子TM2は、電源部12に接続され、端子TM12及びグランド電圧線L2を介して車体3に接続可能である。端子TM2は、筐体13の+Z側の面に配された台座部BSから+Z側に突出する。端子TM12は、ソケットSCにおける端子TM2に対応した位置に配され、端子TM2に対応した形状を有する。端子TM12は、端子TM2に嵌合可能な形状としてもよい。これにより、ソケットSCが台座部BSに装着された際に、端子TM2が端子TM12に嵌合し、端子TM2が端子TM12及びグランド電圧線L2を介して車体3に接続され得る。
【0032】
端子TM3は、入力部11に接続され、端子TM13及びドア開閉信号線L3を介してドアスイッチ7-1,7-2に接続可能である。端子TM13は、筐体13の+Z側の面に配された台座部BSから+Z側に突出する。端子TM13は、ソケットSCにおける端子TM3に対応した位置に配され、端子TM3に対応した形状を有する。端子TM13は、端子TM3に嵌合可能な形状してもよい。これにより、ソケットSCが台座部BSに装着された際に、端子TM3が端子TM13に嵌合し、端子TM3が端子TM13及びドア開閉信号線L3を介してドアスイッチ7に接続され得る。
【0033】
なお、+B電圧線L1、グランド電圧線L2、ドア開閉信号線L3は、ソケットSCから外側に延びる部分において絶縁被覆されケーブルCBとして実装され得る。
【0034】
入力部11は、制御回路17に接続され、端子TM3,TM13を介してドア開閉信号線L3が接続され得る。端子TM3,TM13を介してドア開閉信号線L3が接続された状態で、入力部11は、ドア開閉信号線L3を介して伝達されるドア開閉信号DOORを制御回路17へ入力する。入力部11は、端子TM3及び制御回路17の間に接続されるラインを含んでもよいし、そのラインに加えて電位調整用の素子(例えば、抵抗素子)をさらに含んでもよい。
【0035】
電源部12は、筐体13内部に設置される。電源部12は、制御回路17、発光部15、発光部16、送風ファン14a、所定の発生装置14bに接続され、端子TM1,TM11を介して+B電圧線L1が接続され得、端子TM2,TM12を介してグランド電圧線L2が接続され得る。端子TM1,TM11を介して+B電圧線L1が接続され端子TM2,TM12を介してグランド電圧線L2が接続された状態で、電源部12は、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位V+Bの差に基づく電力を、制御回路17、発光部15、発光部16、送風ファン14a、所定の発生装置14bへそれぞれ供給する。例えば、電源部12は、+B電圧線L1を介して伝達される+B電圧V+Bとグランド電圧線L2を介して伝達されるグランド電圧VGNDとを、制御回路17、発光部15、発光部16、送風ファン14a、所定の発生装置14bへそれぞれ供給してもよい。あるいは、電源部12は、グランド電圧VGNDに対する+B電圧V+Bの差電圧ΔV=V+B-VGNDを生成して制御回路17、発光部15、発光部16、送風ファン14a、所定の発生装置14bへそれぞれ供給してもよい。
【0036】
浄化部14は、筐体13内部に設置される。浄化部14は、車室6の空気を吸い込み、吸い込まれた空気を浄化し、浄化された空気を車室6へ吹き出す。浄化部14は、送風ファン14a、所定の発生装置14b、通風路14d、及び通風路14eを有する。送風ファン14aは、筐体13内部に設置される。所定の発生装置14bは、筐体13内部に設置される。送風ファン14aの吸い込み口は、通風路14dを介して吸い込み口13aに連通されている。吸い込み口13aは、筐体13の+Z側の縁部付近に設けられている。吸い込み口13aは、筐体13の+Z側の縁部において、周方向に所定間隔で複数個所に設けられてもよい(
図2参照)。送風ファン14aの吹き出し口は、通風路14eを介して所定の発生装置14bの空気流入口に連通されている。所定の発生装置14bの吐出口は、吹き出し口13bに連通されている。吹き出し口13bは、筐体13の-Z側の縁部付近に設けられている。吹き出し口13bは、送風ファン14aによって送出される気流の吹き出し口である。吹き出し口13bは、筐体13の-Z側の縁部において、周方向に所定間隔で複数個所に設けられてもよい(
図2参照)。あるいは、吹き出し口13bは、筐体13の-Z側の縁部において、車両1の進行方向に沿って配置されてもよく、筐体13の+X側と-X側とにそれぞれ配置されてもよい。
【0037】
送風ファン14aは、駆動回路、ファンモータ及びファンを有する。駆動回路は、電源部12から差電圧ΔVを受け、制御回路17から制御信号(例えば、PWM制御信号)を受ける。駆動回路は、制御信号に応じて差電圧ΔVを電力変換して駆動信号を生成し、駆動信号をファンモータに供給する。ファンモータは、その軸がファンに連結され、駆動信号に応じた回転数で軸を回転させる。それに応じてファンがその回転数で回転する。
【0038】
送風ファン14aは、少なくとも第1強度の送風モードと第2強度の送風モードとを有する。第2強度は、第1強度より強い。送風ファン14aは、ファンが第1の回転数で回転することで第1強度の送風モードを実現可能であり、ファンが第2の回転数で回転することで第2強度の送風モードを実現可能である。第2の回転数は、第1の回転数より速い。
【0039】
所定の発生装置14bは、電源部12から供給される電力を基に空気中で放電動作を行い、空気を帯電可能である。所定の発生装置14bは、送風ファン14aによって送出される気流に対して、正イオン及び負イオンの少なくとも一方のイオンを発生させて空気に含ませることができる。
【0040】
所定の発生装置14bは、静電霧化装置14b1及びオゾン・イオン発生装置14b2の少なくとも一方を含んでもよい。
【0041】
静電霧化装置14b1は、所定の粒子を発生させ、送風ファン14aによって送出される気流に所定の粒子を付加する。所定の粒子は、帯電微粒子水を含むミストであってもよい。帯電微粒子水は、正イオン及び負イオンの少なくとも一方のイオンを含んでもよい。静電霧化装置14b1は、送風ファン14aによって送出される気流を冷却し、結露させて生成した水分に放電して帯電粒子を含む帯電微粒子水のミストを発生させ空気に含ませることができる。
【0042】
オゾン・イオン発生装置14b2は、コロナ放電により所定の粒子を発生させ、送風ファン14aによって送出される気流に所定の粒子を付加する。所定の粒子は、オゾン及びマイナスイオンであってもよい。オゾン・イオン発生装置14b2は、送風ファン14aによって送出される気流中の酸素分子を酸化してオゾンを発生させ、放電によってマイナスイオンを発生させ、オゾン及びマイナスイオンを空気に含ませることができる。
【0043】
操作部18は、ボタン18aに加えて検知部18bを有する。検知部18bは、ボタン18aの操作(例えば、押圧操作、タッチ操作)を検知可能である。検知部18bは、ボタン18aの操作を検知すると、操作信号を制御回路17へ伝達する。制御回路17は、空気清浄機能のオン・オフ状態(すなわち浄化部14のアクティブ・非アクティブ状態)を管理してもよい。車室内装置100は、送風ファン14aの動作及び所定の発生装置14b(静電霧化部14b1)の動作の少なくとも一方を操作部18の操作によって変化させる。
【0044】
例えば、空気清浄機能がオフの状態で、制御回路17は、ボタン18aの操作信号を受けることで空気清浄機能オンの指示を受け、浄化部14を非アクティブ状態からアクティブ状態へ遷移させる。浄化部14のアクティブ状態において、制御回路17は、送風ファン14a及び所定の発生装置14bをそれぞれ制御可能である。
【0045】
制御回路17の制御に応じて、送風ファン14aは、電源部12から供給される電力を基に制御に応じた回転数で回転し、車室6から吸い込み口13a及び通風路14dを介して吸い込んだ空気を通風路14e経由で所定の発生装置14bへ送出する。制御回路17の制御に応じて、所定の発生装置14bは、電源部12から供給される電力を基に空気中で放電動作を行い、空気を帯電させる。これにより、所定の発生装置14bは、送風ファン14aによって送出される気流に対して、所定の粒子を発生させて空気に含ませる。所定の発生装置14bは、発生された所定の粒子を含む空気を吹き出し口13bから車室6へ送出する。
【0046】
空気清浄機能がオンの状態で、制御回路17は、ボタン18aの操作信号を受けることで空気清浄機能オフの指示を受け、浄化部14をアクティブ状態から非アクティブ状態へ遷移させる。浄化部14が非アクティブ状態へ遷移されることに応じて、送風ファン14a及び所定の発生装置14bは、それぞれ停止する。
【0047】
発光部15は、筐体13に設置される。発光部15は、例えばルームランプであり、電源部12から供給される電力を基に発光して光学部材20を介して車室6を照らす。発光部15は、第1の発光強度で発光可能である。発光部15は、第1の発光強度に対応する第1の個数のLED(Light Emission Diode)を有する。発光部15は、第1の個数のLEDをオンさせることで第1の発光強度で発光可能である。
【0048】
操作部19は、ボタン19aに加えて検知部19bを有する。検知部19bは、ボタン19aの操作(例えば、押圧操作、タッチ操作)を検知可能である。検知部19bは、ボタン19aの操作を検知すると、操作信号を制御回路17へ伝達する。制御回路17は、照明機能のオン・オフ状態(すなわち発光部15のアクティブ・非アクティブ状態)を管理してもよい。車室内装置100は、発光部15の発光を操作部19の操作によって変化させる。
【0049】
例えば、照明機能がオフの状態で、制御回路17は、ボタン19aの操作信号を受けることで照明機能オンの指示を受け、発光部15を非アクティブ状態からアクティブ状態へ遷移させる。発光部15のアクティブ状態において、制御回路17は、発光部15を制御可能である。
【0050】
制御回路17の制御に応じて、発光部15は、電源部12から供給される+B電圧V+Bとグランド電圧VGNDとの差電圧ΔV=V+B-VGNDを所定の電圧に変換し、第1の個数のLEDに対してその順方向に電流を流して発光させる。これにより、発光部15が第1の発光強度で発光し、車室6が照明され得る。
【0051】
照明機能がオンの状態で、制御回路17は、ボタン19aの操作信号を受けることで照明機能オフの指示を受け、発光部15をアクティブ状態から非アクティブ状態へ遷移させる。発光部15が非アクティブ状態へ遷移されることに応じて、発光部15は、発光を停止する。
【0052】
また、発光部15は、発光モードとして、ドア連動モードと連続モードとを有してもよい。操作部19は、発光モード切替の指示として、ボタン19aの他の操作(例えば、長押し操作)を検知可能である。検知部19bは、ボタン19aの他の操作を検知すると、他の操作信号を制御回路17へ伝達する。制御回路17は、発光部15の発光モード(すなわちドア連動モード、連続モード)を管理してもよい。車室内装置100は、発光部15の発光モードを操作部19の操作によって変化させる。
【0053】
例えば、発光部15がアクティブ状態へ遷移することに応じて、制御回路17は、発光部15の発光モードをドア連動モードにする。あるいは、発光モードが連続モードの状態で、制御回路17は、ボタン19aの他の操作信号を受けることで発光モード切替の指示を受け、発光部15の発光モードを連続モードからドア連動モードに遷移させる。制御回路17は、ドア連動モードにおいて、ドア開閉信号DOORが開を示す場合、発光部15を連続発光させ、その後、ドア開閉信号DOORが開から閉になるタイミングから時間tr1をかけて徐々に発光強度が弱くなるように消灯させてもよい。
【0054】
あるいは、発光モードがドア連動モードの状態で、制御回路17は、ボタン19aの他の操作信号を受けることで発光モード切替の指示を受け、発光部15の発光モードをドア連動モードから連続モードに遷移させる。制御回路17は、連続モードにおいて、ドア開閉信号DOORに関わらず、発光部15を連続発光させてもよい。
【0055】
発光部16は、筐体13に設置される。発光部16は、例えば浄化表示のランプであり、電源部12から供給される電力を基に発光して光学部材20を介して浄化部14が動作中であることを知らせる。発光部16は、第2の発光強度で発光可能である。第2の発光強度は、第1の発光強度より小さい。発光部16は、第2の発光強度に対応する第2の個数のLEDを有する。第2の個数は、第1の個数より少ない。発光部16は、第2の個数のLEDをオンさせることで第2の発光強度で発光可能である。
【0056】
制御回路17は、筐体13内部に設置される。制御回路17は、車室内装置100の各部を統括的に制御する。制御回路17は、ECU(Engineering Control Unit)として実装され得る。制御回路17は、メモリ17a及びタイマ17bを有する。
【0057】
例えば、制御回路17は、入力部11を介して入力されるドア開閉信号DOORに応じて発光部15を制御してもよい。制御回路17は、ドア開閉信号線L3の信号DOORが開の場合、所定の色温度で発光するように発光部15を制御する。これにより、発光部15は、所定の色温度で発光する。制御回路17は、ドア開閉信号線L3の信号DOORが閉の場合、停止するように発光部15を制御する。これにより、発光部15は発光しない。
【0058】
制御回路17は、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より大きい場合で、かつドア開閉信号DOORが閉を示している場合、第1強度の送風モードで動作するように送風ファン14aを制御する。これにより、送風ファン14aは、第1強度の送風モードとなり、第1強度の送風モードにおいてファンを第1の回転数で回転させる。制御回路17は、ドア開閉信号DOORが開を示した後に、閉を示し、その後時間td以内に、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さく且つ閾値電圧Vth2より大きい場合で、かつドア開閉信号DOORが閉を示している場合、第2強度の送風モードで動作するように送風ファン14aを制御する。閾値電圧Vth2は、閾値電圧Vth1より小さい。第2強度は、第1強度より強い。これにより、送風ファン14aは、第2強度の送風モードとなり、第2強度の送風モードにおいてファンを第2の回転数で回転させる。第2の回転数は、第1の回転数より速い。制御回路17は、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する記+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth2より小さくなった場合で、かつドア開閉信号DOORが閉を示している場合、停止するように送風ファン14aを制御する。これにより、送風ファン14aは、停止する。
【0059】
すなわち、車両1の使用中から駐車中にかけて浄化部14を動作させる。電位差ΔVが閾値電圧Vth1より大きいレベルで安定している場合、車両1が使用中であると考えられる。車両1の使用中(例えば、車両1の走行中)は所定の粒子(例えば、イオンを含む帯電微粒子水)が空調装置9の風で拡散されるので、制御回路17は送風ファン14aを比較的弱い第1強度の送風モードで動作させる。電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さいレベルで安定している場合、車両1が駐車中であると考えられる。車両1の停車中は、空調装置9が運転されてないことが多い。このため、制御回路17は送風ファン14aをより強い第2強度の送風モードで動作させる。これにより、車室6内に所定の粒子(例えば、イオンを含む帯電微粒子水、又はオゾン及びマイナスイオン)をいきわたらせることができ、車室6を効果的に浄化できる。
【0060】
制御回路17は、入力部11を介して入力されるドア開閉信号DOORに応じて浄化部14及び発光部16を制御してもよい。制御回路17は、ドア開閉信号DOORが開を示した後に、閉を示し、その後時間td以内に、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さくなった場合で、かつドア開閉信号DOORが閉を示している場合、その後、浄化部14及び発光部16を次のように制御する。制御回路17は、時間tlamp発光するように発光部16を制御するとともに、時間tw運転するように浄化部14を制御する。時間twは、時間tlampより長い。これにより、発光部16は時間tlampで発光し、送風ファン14aは、時間twで運転し、所定の発生装置14は時間twで所定の粒子を発生する。例えば、乗員Pが車両1を降りて離れる際に発光部16が発光していればよいため、発光部16が発光する時間tlampを浄化部14が動作する時間twより短くすることができる。これにより、浄化部14の動作を乗員Pに知らせることができ、車室内装置100を省電力化できる。
【0061】
制御回路17は、入力部11を介して入力されるドア開閉信号DOORに応じて発光部15及び発光部16を制御してもよい。例えば、発光部15の発光モードがドア連動モードに切り替えられているとする。このとき、制御回路17は、ドア開閉信号DOORが開を示した後に、閉を示し、その後時間td以内に、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さくなった場合で、かつドア開閉信号DOORが閉を示している場合、その後、発光部15及び発光部16を次のように制御する。制御回路17は、時間tr1発光するように発光部15を制御するとともに、時間tlamp発光するように発光部16を制御する。時間tr1は、時間tlampより短い。これにより、発光部16が発光を停止する前に、発光部15の発光が停止する。
【0062】
すなわち、浄化表示用の発光部16の発光は、照明用の発光部15の発光の後まで発光するようにされる。発光部15の発光は発光強度が発光部16より強いので、発光部15が発光している間に発光部16が発光をしても、車両1の外から車室6内の様子を見た時に、発光部16の発光を認識しにくい。発光部15の発光モードがドア連動モードに切り替えられている場合、少なくとも、ドア連動の発光部15の発光が停止した後まで、発光部16の発光を行うことで、車両1から降車する乗員Pに対して、浄化表示用の発光部16の発光を確実に認識させることができる。
【0063】
図5は、車室内装置100の動作を示すフローチャートである。操作部18,19の操作が行われると、車室内装置100において、制御回路17は、操作部18,19から操作信号を取得する(S1)。また、ドア8-1,8-2が開閉されると、制御回路17は、ドアスイッチ7-1,7-2からドア開閉信号D
OORを取得する(S2)。なお、S1とS2とは並行して行われてもよい。
【0064】
車室内装置100は、車両1の状態を判定する車両状態判定処理を行う(S3)。例えば、車室内装置100は、天井6aに既に設置された既存装置(例えば、ルームランプ)と交換で天井6aに設置される。これにより、配線を露出させずに設置された状態とすることができるなど、スマートな設置が実施できる。しかし、車体3の屋根部3aにおける既存装置の設置部分には、+B電源線L1、ドア開閉信号線L3、グランド電圧線L2といった既存装置(ルームランプ)の動作のための配線が延びている。このため、制御回路17は、+B電源線L1で伝達される+B電圧V+Bから車両状態(例えば、使用中、駐車中)の判定を行う。車両状態判定処理(S3)の詳細は後述する。
【0065】
車室内装置100は、車室6内の空気を浄化する浄化処理を行う(S4)。例えば、浄化部14は発生した所定の粒子(例えば、帯電微粒子水)を車室6内の各所まで拡散到達させることで車室6内を浄化し得る。車両1の使用中は空調装置9が動作するため、送風ファン14aは比較的弱い第1強度の送風モードの運転でも車室6内の各所まで所定の粒子を拡散させることが出来る。一方、車両1の駐車中は空調装置9が動作しないことが多いので、送風ファン14aを比較的強い第2強度の送風モードで運転させることで所定の粒子を拡散させる。このとき、制御回路17は、車両1の駐車中に浄化部14の運転を実施することを乗員P(ユーザ)に向けて動作表示するように発光部16を制御する。これにより、ユーザは浄化が実施されていることを視覚的に体感できる。制御回路17は、ドア閉になって照明用の発光部15が消えた後に浄化表示用の発光部16の発光が見えて、更に一定時間経過で消灯するように制御する。これにより、浄化部14の動作を見える化しつつ車室内装置100を低消費電力化できる。浄化処理(S4)の詳細は後述する。
【0066】
図6は、車両状態判定処理(S3)を示すフローチャートである。車室内装置100において、制御回路17は、車両状態が設定済みであるか否かを判断する(S11)。車両状態は、使用中及び駐車中を含む。使用中は、車両1の走行中を含む。使用中は、車両1が走行していないが停車状態で空調装置9が稼働している状態等をさらに含んでもよい。制御回路17は、メモリ17aを参照し、車両状態を示す車両状態情報がメモリ17aに格納されていなければ、車両状態が設定済みでないと判断し(S11でNo)、車両状態を初期値「使用中」に設定し、「使用中」を示す車両状態情報をメモリ17aに格納する(S12)。制御回路17は、車両状態情報がメモリ17aに格納されていれば、車両状態が設定済みであると判断し(S11でYes)、S12をスキップする。
【0067】
制御回路17は、+B電源線L1を介して+B電圧V+Bを取得し(S13)、+B電圧V+Bを閾値電圧Vth1と比較し、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より大きいか否かを判断する(S14)。閾値電圧Vth1は、車両1が使用中の+B電圧の平均値と駐車中の+B電圧の平均値との間の値として予め実験的に決められ得る。閾値電圧Vth1は、例えば、13.2Vである。
【0068】
制御回路17は、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より大きければ(S14でYes)、駐車判定タイマを停止し初期化する(S15)。駐車判定タイマは、駐車中か否かの判定に用いられるタイマであり、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より小さくなってからの時間をタイマ17bでカウントすることで実現され得る。そして、制御回路17は、車両状態を使用中に判定し(使用中と判断して設定し)、「使用中」を示す車両状態情報をメモリ17aに格納する(S16)。
【0069】
制御回路17は、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より小さければ(S14でNo)、駐車判定タイマが動作中であるか否かを判断する(S17)。
【0070】
制御回路17は、駐車判定タイマが動作中でなければ(S17でNo)、駐車判定タイマを起動し(S18)、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より小さくなってからの時間のカウントを開始する。
【0071】
制御回路17は、駐車判定タイマが動作中であれば(S17でYes)、駐車判定タイマのカウント時間を時間tdと比較し、駐車判定タイマのカウント時間が時間td以上であるか否か判断する(S19)。時間tdは、車両1が駐車してから+B電圧V+Bが駐車中の+B電圧の平均値に達するまでの時間として予め実験的に決められ得る。時間tdは、例えば、5分である。
【0072】
制御回路17は、駐車判定タイマのカウント時間が時間td以上であれば(S19でYes)、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より小さい状態で安定しており、車両1が駐車中とみなせる。制御回路17は、車両状態を駐車中に判定し(駐車中と判断して設定し)、「駐車中」を示す車両状態情報をメモリ17aに格納する(S20)。制御回路17は、駐車判定タイマのカウント時間が時間td未満であれば(S19でNo)、S20をスキップする。
【0073】
車両状態判定処理(S3)では、車室内装置100は、
図6に示すように、+B電圧V
+Bを用いて車両状態の判定を行う。車室内装置100は、S14→S17→S19→S20の流れにより、+B電圧V
+Bが閾値電圧Vth1より低く且つ時間t
d安定していたら駐車中と判定できる。車室内装置100は、S14→S15→S16の流れにより、+B電圧V
+Bが閾値電圧Vth1より高かったら使用中と判定できる。
【0074】
図7は、浄化処理(S4)を示すフローチャートである。車室内装置100において、制御回路17は、S1で取得された操作信号に応じて、空気清浄機能がオンされたか否かを判断する(S21)。
【0075】
制御回路17は、空気清浄機能がオンされておらずオフ状態のままであれば(S21でNo)、浄化表示用の発光部16をオフし(S24)、所定の発生装置14bをオフし(S25)、送風ファン14aをオフする(S26)。
【0076】
制御回路17は、空気清浄機能がオンされていれば(S21でYes)、S2で取得されたドア開閉信号DOORに応じて、ドア8が開いているか否かを判断する(S22)。
【0077】
制御回路17は、ドア8が開いていれば(S22でYes)、ドア閉タイマを初期化する(S23)。ドア閉タイマは、ドア8の閉状態の時間をカウントするためのタイマであり、ドア8-1,8-2がいずれも閉状態になってからの時間をタイマ17bでカウントすることで実現され得る。制御回路17は、浄化表示用の発光部16をオフし(S24)、所定の発生装置14bをオフし(S25)、送風ファン14aをオフする(S26)。
【0078】
制御回路17は、ドア8が閉まっていれば(S22でNo)、ドア閉タイマが動作中であるか否か判断する(S27)。
【0079】
制御回路17は、ドア閉タイマが動作中でなければ(S27でNo)、ドア閉タイマを起動し(S28)、ドア8が閉まってからの時間のカウントを開始する。
【0080】
制御回路17は、ドア閉タイマが動作中であれば(S27でYes)、ドア閉タイマのカウント時間を時間tlampと比較し、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampを超えているか否かを判断する(S29)。時間tlampは、ドア8が閉まってから浄化表示用の発光部16を発光すべき時間であり、時間trlより長い。時間trlは、ドア連動モードにおいてドア8が閉まってから発光部15が消灯するまでの時間である。
【0081】
制御回路17は、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampを超えていなければ(S29でNo)、浄化表示用の発光部16をオンしたまま(S30)、処理をS32へ進める。
【0082】
制御回路17は、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampを超えていれば(S29でYes)、浄化表示用の発光部16をオフし(S31)、処理をS32へ進める。
【0083】
制御回路17は、車両1が使用中であるか否か判断する(S32)。制御回路17は、メモリ17aに格納された車両状態情報を参照し、車両状態情報が「使用中」を示していれば、車両1が使用中と判断し、車両状態情報が「駐車中」を示していれば、車両1が駐車中と判断する。
【0084】
制御回路17は、車両1が使用中であれば(S32でYes)、送風ファン14aを第1強度(例えば、強度「弱」)でオンする、又は第1強度でのオン状態を継続する(S33)。制御回路17は、所定の発生装置14bをオンする、又はオン状態を継続する(S34)。
【0085】
制御回路17は、車両1が駐車中であれば(S32でNo)、駐車中タイマのカウント時間を時間twと比較し、駐車中タイマのカウント時間が時間tw以上であるか否か判断する(S35)。時間twは、車両1が駐車してから送風ファン14aを第2強度(例えば、強度「強」)で動作させるべき時間として予め実験的に決められ得る。
【0086】
制御回路17は、駐車中タイマのカウント時間が時間tw以上であれば(S35でYes)、浄化部14を動作すべき時間が経過したとして、浄化表示用の発光部16をオフし(S24)、所定の発生装置14bをオフし(S25)、送風ファン14aをオフする(S26)。
【0087】
制御回路17は、駐車中タイマのカウント時間が時間twより短ければ(S35でNo)、+B電圧V+Bを閾値電圧Vth2と比較し、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth2より小さいか否かを判断する(S36)。閾値電圧Vth2は、バッテリ4の使用が推奨される電圧範囲の下限値として予め実験的に決められ得る。閾値電圧Vth2は、例えば、12.4Vである。
【0088】
制御回路17は、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth2より小さければ(S36でYes)、浄化部14によるバッテリ4の使用を停止すべきとして、浄化表示用の発光部16をオフし(S24)、所定の発生装置14bをオフし(S25)、送風ファン14aをオフする(S26)。これにより、バッテリ4の電力を次の車両1の始動時まで温存することができる。
【0089】
制御回路17は、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth2以上であれば(S36でNo)、送風ファン14aを第2強度(例えば、強度「強」)でオンする、又は第2強度でのオン状態を継続する(S37)。制御回路17は、所定の発生装置14bをオンする、又はオン状態を継続する(S38)。
【0090】
図8は、車室内装置100の動作を示すタイミングチャートである。
図8では、駐車している車両1が始動して走行し再度駐車する場合の動作を例示する。
図8では、発光部15は、ドア連動モードに切り替えられているとする。
【0091】
タイミングt1の直前において、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1以下で安定しており、制御回路17は、車両状態を「駐車中」と判定している。「駐車中」の判定結果とドア開閉信号DOORが閉を示すこととに応じて、制御回路17は、照明用の発光部15をオフしており、浄化部14をオフ(ノンアクティブ状態に)しており、浄化表示用の発光部16をオフしている。
【0092】
タイミングt1において、ドア開閉信号DOORが閉から開に遷移することに応じて、制御回路17は、照明用の発光部15をオンして発光させる。このとき、浄化部14及び発光部16は、いずれもオフしている。
【0093】
タイミングt2において、車両1が始動されると、車両1の走行に応じてバッテリ4が充電されることなどにより、+B電圧V+Bが上昇して閾値電圧Vth1を超える。+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1より大きいレベルで安定していることに応じて、制御回路17は、車両1の状態を「使用中」に判定し、使用中を示す車両状態情報をメモリ17aに格納する。
【0094】
タイミングt3において、ドア開閉信号DOORが開から閉に遷移することに応じて、制御回路17は、照明用の発光部15をオフして消灯させる。それとともに、制御回路17は、浄化部14をオンしてアクティブ状態にし、送風ファン14aを第1強度(例えば、強度「弱」)で運転し所定の発生装置14bを動作させるとともに、浄化表示用の表示部16をオンして発光させドア閉タイマを起動させる。
【0095】
タイミングt4において、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampに達すると、制御回路17は、浄化表示用の表示部16をオフして消灯させる。制御回路17は、浄化表示用の表示部16をオフさせる代わりに比較的小さい照度でディマー点灯させてもよい。このとき、制御回路17は、浄化部14をアクティブ状態に維持しており、送風ファン14aを第1強度(例えば、強度「弱」)で運転しており所定の発生装置14bを動作させている。
【0096】
タイミングt5において、ドア開閉信号DOORが閉から開に遷移することに応じて、制御回路17は、照明用の発光部15をオンして発光させる。それとともに、制御回路17は、浄化部14をノンアクティブ状態に遷移させ、送風ファン14a及び所定の発生装置14bをそれぞれ停止させる。このとき、浄化表示用の発光部16は、オフしている、又はディマー点灯している。
【0097】
タイミングt6において、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth1以下になることに応じて、制御回路17は、駐車判定タイマを起動する。
【0098】
タイミングt7において、ドア開閉信号DOORが開から閉に遷移することに応じて、制御回路17は、照明用の発光部15をオフして徐々に発光強度が弱くなるように消灯させ始める。それとともに、制御回路17は、浄化部14をオンしてアクティブ状態にし、送風ファン14aを第1強度(例えば、強度「弱」)で運転し所定の発生装置14bを動作させるとともに、浄化表示用の表示部16をオンして発光させドア閉タイマを起動させる。
【0099】
タイミングt8において、駐車判定タイマのカウント時間が時間tdに達すると、制御回路17は、車両1の状態を「駐車中」に判定し、駐車中を示す車両状態情報をメモリ17aに格納し、駐車中タイマを起動する。それとともに、制御回路17は、送風ファン14aの運転強度を第1強度からより強い第2強度(例えば、強度「強」)に変更する。制御回路17は、送風ファン14aを変更後の第2強度(例えば、強度「強」)で運転し、所定の発生装置14bを引き続き動作させる。
【0100】
タイミングt9において、発光部15の消灯開始(タイミングt7)からの時間が時間trlを経過し、発光部15の消灯が完了する。このとき、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampまで達しておらず、発光部16は、その発光を継続している。また、駐車中タイマのカウント時間が時間twまで達しておらず、浄化部14がアクティブ状態に維持され、送風ファン14aが第2強度(例えば、強度「強」)で運転し、所定の発生装置14bが動作している。
【0101】
タイミングt10において、ドア閉タイマのカウント時間が時間tlampに達すると、制御回路17は、浄化表示用の表示部16をオフして消灯させる。制御回路17は、浄化表示用の表示部16をオフさせる代わりに比較的小さい照度でディマー点灯させてもよい。このとき、駐車中タイマのカウント時間が時間twまで達しておらず、浄化部14がアクティブ状態に維持され、送風ファン14aが第2強度(例えば、強度「強」)で運転し、所定の発生装置14bが動作している。
【0102】
タイミングt11において、駐車中タイマのカウント時間が時間twまで達すると、制御回路17は、浄化部14をノンアクティブ状態に遷移させ、送風ファン14aをオフし、所定の発生装置14bをオフする。
【0103】
なお、図示しないが、駐車中タイマのカウント時間が時間twまで達する前に、+B電圧V+Bが閾値電圧Vth2以下になった場合、制御回路17は、浄化部14がノンアクティブ状態に遷移させ、送風ファン14aをオフし、所定の発生装置14bをオフする。これにより、バッテリ4の電力を次の車両1の始動まで温存させることができる。
【0104】
以上のように、本実施形態では、車室内装置100において、ドア開閉信号線L3の信号DOORが開を示した後に、閉を示し、その後時間td以内に、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さくなった場合で、かつドア開閉信号線L3の信号DOORが閉を示している場合、その後、発光部16は時間tlamp発光し、送風ファン14aは、時間tlampより長い時間tw運転する。これにより、浄化表示の時間を乗員Pが車両1の近くにいると予想される時間に限定しつつ車室6の空気の浄化を確実に行うことができるので、消費電力の低減と車室6の空気の効果的な浄化とを両立化できる。
【0105】
また、本実施形態では、車室内装置100において、ドア開閉信号線L3の信号DOORが開を示した場合、発光部15が発光する。ドア開閉信号線L3の信号DOORが開を示した後に、閉を示し、照明用の発光部15は、ドア連動モードにおいて、浄化表示用の発光部16が発光を停止する前にその発光を停止する。すなわち、少なくとも、照明用の発光部15の発光が停止した後まで、浄化表示用の発光部16の発光を行うことで、車両1から降車する乗員Pに対して、浄化表示の発光を確実に認識させることができる。
【0106】
また、本実施形態では、車室内装置100において、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth2より大きい場合でかつドア開閉信号線L3の信号DOORが閉を示している場合、送風ファン14aは、第1強度の送風モードとなる。ドア開閉信号線L3の信号DOORが開を示した後に、閉を示し、その後時間td以内に、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さくなった場合でかつドア開閉信号線L3の信号DOORが閉を示している場合、送風ファン14aは、第2強度の送風モードとなる。閾値電圧Vth2は、閾値電圧Vth1より小さい。第2強度は、第1強度より強い。これにより、空調装置9が運転されてないことが多い駐車中において、送風ファン14aを通常より強い強度で運転して、車室6内に所定の粒子(例えば、イオンを含む帯電微粒子水)をいきわたらせることができ、車室6を効果的に浄化できる。
【0107】
なお、第1の実施形態の第1の変形例として、車室内装置100iは、
図9及び
図10に示すように、車室6の温度を測定可能に構成されてもよい。
図9は、第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置100iの構成を示すXZ断面図である。
図10は、第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置100iの構成を示すブロック図である。
図9では、車室内装置100iのハードウェア構成が模式的に示されており、XZ断面における各構成の大きさ及び位置が実際のものと異なり得る。他の方向の断面(例えば、YZ断面)についても、XZ断面と同様である。
図10では、車室内装置100iの機能構成が示されている。
【0108】
車室内装置100iは、発光部15(
図3、
図4参照)に代えて発光部15iを有し、温度センサ21iをさらに有する。
【0109】
温度センサ21iは、筐体13内部に設置される。温度センサ21iは、制御回路17に接続される。温度センサ21iは、車室6の温度を測定し、測定結果を制御回路17へ供給する。制御回路17は、温度センサ21iの測定結果に応じて、車室6の最低温度を検出してもよい。
【0110】
例えば、制御回路17は、温度センサ21iにより、所定期間での最低である期間最低温度を検出する。所定期間は、少なくとも24時間であってもよく、2日以上であってもよい。所定期間は、複数の測定周期を含む。測定周期は、例えば、1時間を含む。制御回路17は、測定周期ごとに車室6の温度を測定し、それを所定期間分蓄積し、期間最低温度を検出してもよい。あるいは、制御回路17は、測定周期ごとに車室6の温度を測定し、それを1日分蓄積し、1日毎の最低温度を求め、複数日の平均を期間最低温度としてもよい。複数日は、2日以上であればよく、例えば1週間を含む。制御回路17は、期間最低温度に応じて、季節感を把握することができる。
【0111】
なお、車室6の温度は、車両1の使用中であれば空調装置9により変わり得るため、制御回路17は、所定期間における最低温度又は1日毎の最低温度を求める際に、車両1の使用中に測定された温度を除外してもよい。また、車室6の最高温度は、日射の影響で季節に関わらず変動する可能性がある。そのため、制御回路17は、期間最低温度に応じて、季節感を把握することが望ましい。
【0112】
発光部15iは、所定の色温度で発光が可能であり、発光の色温度が変更可能である。制御回路17は、期間最低温度に応じて、発光部15iの発光の色温度を変更し、変更後の色温度で発光するように発光部15iを制御してもよい。
【0113】
制御回路17による制御に応じて、期間最低温度が第1の温度である場合、発光部15iは第1の色温度で発光する。期間最低温度が第2の温度である場合、発光部15iは、第2の色温度で発光する。第2の温度は、第1の温度より大きい。第2の色温度は、第1の色温度と異なる。
【0114】
例えば、発光部15iは、
図11に示すように、寒色の発光と暖色の発光とで切り替え可能に構成されてもよい。
図11は、第1の実施形態の第1の変形例における発光部15iの構成を示すブロック図である。発光部15iは、切替回路15i1、寒色発光部15i2及び暖色発光部15i3を有する。寒色発光部15i2は、寒色系の発光色を有し、色温度CT1で発光可能である。暖色発光部15i3は、暖色系の発光色を有し、色温度CT2で発光可能である。色温度CT2は、色温度CT1より低い。例えば、色温度CT1は、約4000Kであり、色温度CT2は、約6000Kである。切替回路15i1には、期間最低温度について、切替の閾値温度Tthが予め設定されてもよい。
【0115】
制御回路17による制御に応じて、期間最低温度が閾値温度Tthより低い温度Tmin1である場合、切替回路15i1は、電源部12からの電力を寒色発光部15i2に選択的に供給し、寒色発光部15i2を選択的に発光させる。これにより、発光部15iは、発光の色温度をCT1に切り替えて発光する。期間最低温度が閾値温度Tthより高い温度Tmin2である場合、切替回路15i1は、電源部12からの電力を暖色発光部15i3に選択的に供給し、暖色発光部15i3を選択的に発光させる。これにより、発光部15iは、発光の色温度をCT2に切り替えて発光する。
【0116】
また、車室内装置100iは、
図12に示すように、次の点で第1の実施形態と異なる動作を行う。
図12は、第1の実施形態の第1の変形例に係る車室内装置100iの動作を示すフローチャートである。
【0117】
車室内装置100iは、S1~S3の動作を行った後、最低気温取得処理(S41)を行い、期間最低温度Tminに応じた時間twの設定、発光色の設定を行う。最低気温取得処理(S41)の詳細は、後述する。車室内装置100iは、最低気温取得処理(S41)が完了すると、期間最低温度Tminに応じた設定に従い、浄化処理(S4)及び照明制御処理(S43)を並行して行う。浄化処理(S4)は、S41で設定された時間twを用いる。浄化処理(S4)の詳細は、後述する。照明制御処理(S43)は、S41で設定された発光色の設定を用いる。照明制御処理(S43)の詳細は、後述する。車室内装置100iは、浄化処理(S4)及び照明制御処理(S43)がいずれも完了すると、処理をS1に戻す。
【0118】
図13は、第1の実施形態の第1の変形例における最低気温取得処理(S41)を示すフローチャートである。
【0119】
車室内装置100iにおいて、制御回路17は、測定タイマが起動してなければ、測定タイマを起動する。測定タイマは、温度を測定すべき測定周期経過時のタイミングを管理するためのタイマである。制御回路17は、測定タイマで前の測定から測定周期を経過したか否かを判断する(S51)。
【0120】
制御回路17は、測定周期を経過していれば(S51でYes)、温度センサ21iで温度を測定させ(S52)、測定結果としての温度データを温度センサ21iから取得して温度データを測定タイマのカウント時間と関連付けてメモリ17aに保持させる(S53)。制御回路17は、メモリ17aに保持された温度データのうち所定期間を経過した温度データをメモリ17aから除去する(S54)。所定期間は、2日以上であり、例えば1週間であってもよい。制御回路17は、メモリ17aに保持された所定期間に蓄積された複数測定周期分の温度データから最低のものを期間最低温度Tminに設定し、期間最低温度Tminを示す期間最低温度情報をメモリ17aに格納し(S55)、処理をS60に進める。
【0121】
制御回路17は、測定周期を経過してなければ(S51でNo)、メモリ17aに期間最低温度情報が格納されているか否か確認することなどにより、期間最低温度Tminに値が設定されているか否か判断する(S56)。
【0122】
制御回路17は、期間最低温度Tminに値が設定されていれば(S56でYes)、期間最低温度Tminは現状維持で更新しないまま(S57)、処理をS60に進める。
【0123】
制御回路17は、期間最低温度Tminに値が設定されていなければ(S56でNo)、温度センサ21iで温度を測定させ(S58)、測定結果としての温度データを期間最低温度Tminに初期値として設定し、初期値Tminを示す期間最低温度情報をメモリ17aに格納し(S59)、処理をS60に進める。
【0124】
制御回路17は、期間最低温度Tminを温度閾値Tthと比較し、期間最低温度Tminが温度閾値Tth以下であるか否かを判断する(S60)。
【0125】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tth以下であれば(S60でYes)、
図14に示すように、浄化部14を動作させるべき時間t
wにt
1を設定し(S61)、
図15に示すように、照明用の発光部15iの発光色を色温度CT1の発光色に設定する(S62)。時間t
1は、例えば、0分である。色温度CT1は、例えば、暖色系の色温度で約4000Kである。
図14は、第1の実施形態の第1の変形例における最低気温と浄化部14を動作すべき時間との関係を示す図である。
図15は、第1の実施形態の第1の変形例における最低気温と発光部15iの発光の色温度との関係を示す図である。
【0126】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tthより大きければ(S60でNo)、
図14に示すように、浄化部14を動作させるべき時間t
wにt
2(>t
1)を設定し(S63)、
図15に示すように、照明用の発光部15iの発光色を色温度CT2(>CT1)の発光色に設定する(S64)。時間t
2は、例えば、30分である。色温度CT2は、例えば、寒色系の色温度で約6000Kである。
【0127】
なお、
図14に示すように、期間最低温度Tminが温度閾値Tthより低ければ(例えば、Tmin=Tmin1であれば)、現在が比較的寒い季節でありバッテリ4の電池充電性能が低下しやすいことを考慮し、浄化部14を動作すべき時間t
wが比較的短い時間t
1に設定される。期間最低温度Tminが温度閾値Tthより高ければ(例えば、Tmin=Tmin2であれば)、現在が比較的暑い季節でありバッテリ4の電池充電性能が低下しにくいことを考慮し、浄化部14を動作すべき時間t
wが比較的長い時間t
2に設定される。これにより、季節に応じてバッテリ4の電池充電性能の変動を考慮して浄化部14を動作すべき時間t
wを切り替えて設定できる。
【0128】
また、
図15に示すように、期間最低温度Tminが温度閾値Tthより低ければ(例えば、Tmin=Tmin1であれば)、現在が比較的寒い季節であり寒さを緩和するように発光色で暖かみを演出するため、照明用の発光部15iの色温度が暖色系の色温度CT1に設定される。期間最低温度Tminが温度閾値Tthより高ければ(例えば、Tmin=Tmin2であれば)、現在が比較的暑い季節であり暑さを緩和するように発光色で涼しさを演出するため、照明用の発光部15iの色温度が寒色系の色温度CT2に設定される。これにより、照明用の発光部15iの発光色を、それにより季節感を演出するように設定できる。
【0129】
浄化処理(S4)では、基本的に第1の実施形態と同様であるが、S61又はS62で設定された時間t
wをS35(
図7参照)で用いる点で第1の実施形態と異なる。これにより、季節に応じてバッテリ4の電池充電性能の変動を考慮した時間t
wで浄化部14を動作させることができる。
【0130】
図16は、第1の実施形態の第1の変形例における照明制御処理(S43)を示すフローチャートである。照明制御処理(S43)は、照明用の発光部15iの制御に関する。
【0131】
車室内装置100iにおいて、制御回路17は、S1(
図12参照)で取得された操作信号に応じて、照明機能がオンされたか否かを判断する(S71)。
【0132】
制御回路17は、照明機能がオンされておらずオフ状態のままであれば(S71でNo)、処理を終了する。
【0133】
制御回路17は、照明機能がオンされていれば(S71でYes)、S2(
図12参照)で取得されたドア開閉信号D
OORに応じて、ドア8が開いているか否かを判断する(S72)。
【0134】
制御回路17は、ドア8が開いていれば(S72でYes)、S62又はS64で設定された色温度CTの発光色で発光部15iを発光させる(S73)。これにより、季節に応じた色温度の発光色で照明用の発光部15iを発光させることができ、発光部15iの発光色で季節感を演出できる。
【0135】
制御回路17は、ドア8が閉まっていれば(S72でNo)、発光部15iの発光強度を徐々に弱め(S74)、ドア8が閉まってから時間t
rl(
図8参照)が経過した時点で発光部15iがオフして消灯する(S75)。
【0136】
このように、第1の実施形態の第1の変形例では、車室内装置100iにおいて、車室6の温度を測定し、所定期間における測定温度の最低のものを期間最低温度とし、期間最低温度に応じて季節を把握できる。また、把握された季節を用いて、浄化部14を動作すべき時間を制御したり、発光部15iの発光色を制御したりするなど、季節に応じた制御を行うことができる。
【0137】
また、第1の実施形態の第2の変形例として、
図17に示すように、車室内装置100jにおける発光部15jは、発光色を徐々に変更可能に構成されてもよい。
図17は、第1の実施形態の第2の変形例における発光部15jの構成を示すブロック図である。
【0138】
発光部15jは、切替回路15i1(
図11参照)に代えて色温度制御回路15i4を有する。制御回路17による制御に応じて、期間最低温度が閾値温度Tth1と閾値温度Tth2(>Tth1)との間の温度である場合、色温度制御回路15i4は、電源部12からの電力を寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とに配分し寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とを発光させてもよい。
【0139】
例えば、制御回路17は、閾値温度Tth1と閾値温度Tth2との間において期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの色温度が徐々に大きくなるように色温度の制御信号を生成してもよい。制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの色温度が段階的に大きくなるように色温度の制御信号を生成してもよいし、制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの色温度が連続的に大きくなるように色温度の制御信号を生成してもよい。制御回路17は、色温度の制御信号を色温度制御回路15i4へ供給する。
【0140】
制御回路17は、期間最低温度がTmin3のときの色温度CT3を次の数式1により求め、色温度CT3を指示する制御信号を色温度制御回路15i4へ供給してもよい。
CT3=CT1+{(CT2-CT1)/(Tth2-Tth1)}×(Tmin3-Tth1)・・・数式1
【0141】
寒色発光部15i2へ供給すべき電力をP15i2とし、暖色発光部15i3へ供給すべき電力をP15i3とするとき、色温度制御回路15i4は、電源部12からの電力を次の数式2に示す比率で寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とに配分してもよい。
P15i2:P15i3=(CT3-CT1):(CT2-CT3)・・・数式2
【0142】
これにより、期間最低温度Tminの値に応じて、発光部15jの発光の色温度をCT1とCT2との間で徐々に変更できる。
【0143】
また、最低気温取得処理(S41)が、
図18に示すように、次の点で第1の実施形態の第1の変形例と異なる。
図18は、第1の実施形態の第2の変形例における最低気温取得処理(S41)を示すフローチャートである。
【0144】
最低気温取得処理では、S51~S59が行われた後、制御回路17は、期間最低温度Tminを温度閾値Tth1,Tth2とそれぞれ比較し、期間最低温度Tminが温度閾値Tth1以上温度閾値Tth2以下の範囲に収まるか否かを判断する(S81)。
【0145】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tth1以上温度閾値Tth2以下の範囲に収まれば(S81でYes)、
図19に示すように、浄化部14を動作させるべき時間t
wに期間最低温度Tminから求めた時間を設定する(S82)。
図19は、第1の実施形態の第2の変形例における最低気温と浄化部14を動作すべき時間との関係を示す図である。
【0146】
例えば、制御回路17は、閾値温度Tth1と閾値温度Tth2との間において期間最低温度が大きくなるに従って浄化部14を動作させるべき時間twが徐々に大きくなるように時間twを設定してもよい。制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って時間twが段階的に大きくなるように時間twを設定してもよいし、制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って時間twが連続的に大きくなるように時間twを設定してもよい。
【0147】
制御回路17は、期間最低温度がTmin3のときの時間twの値t3を、次の数式3により求めてもよい。これにより、期間最低温度Tminの値に応じて、浄化部14を動作させるべき時間twをt1とt2との間で連続的に変更して設定できる。
t3=t1+{(t2-t1)/(Tth2-Tth1)}×(Tmin3-Tth1)・・・数式3
【0148】
制御回路17は、
図20に示すように、照明用の発光部15jの発光色を期間最低温度Tminから求めた色温度CTの発光色に設定する(S83)。
図20は、第1の実施形態の第2の変形例における最低気温と発光部15jの発光の色温度との関係を示す図である。
【0149】
例えば、制御回路17は、閾値温度Tth1と閾値温度Tth2との間において期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が徐々に大きくなるように発光部15jの発光色を設定してもよい。制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が段階的に大きくなるように発光部15jの発光色を設定してもよいし、制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が連続的に大きくなるように発光部15jの発光色を設定してもよい。
【0150】
制御回路17は、期間最低温度がTmin3のときの色温度CT3を、数式1により求めてもよい。これにより、期間最低温度Tminの値に応じて、発光部15jの発光の色温度をCT1とCT2との間で連続的に変更して発光部15jの発光色を設定できる。
【0151】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tth1以上温度閾値Tth2以下の範囲に収まらなければ(S81でNo)、期間最低温度Tminが温度閾値Tth1より小さいか否かを判断する(S84)。
【0152】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tth1より小さければ(S84でYes)、
図19に示すように、浄化部14を動作させるべき時間t
wにt1を設定し(S85)、
図20に示すように、照明用の発光部15jの発光色を色温度CT1の発光色に設定する(S86)。
【0153】
制御回路17は、期間最低温度Tminが温度閾値Tth2より大きければ(S84でNo)、
図19に示すように、浄化部14を動作させるべき時間t
wにt2(>t1)を設定し(S87)、
図20に示すように、照明用の発光部15jの発光色を色温度CT2(>CT1)の発光色に設定する(S88)。
【0154】
このように、第1の実施形態の第2の変形例では、車室内装置100jにおいて、期間最低温度に応じて季節を把握でき、把握された季節を用いて、浄化部14を動作すべき時間を徐々に制御したり、発光部15jの発光色を徐々に制御したりするなど、季節に応じた制御を徐々に行うことができる。
【0155】
また、第1の実施形態の第3の変形例として、期間最低温度の大小と変更すべき色温度との対応関係は、第1の実施形態の第1の変形例と逆であってもよい。
【0156】
この場合、
図11に示す発光部15iは、次のように動作してもよい。制御回路17による制御に応じて、期間最低温度が閾値温度Tthより低い温度Tmin1である場合、切替回路15i1は、電源部12からの電力を暖色発光部15i3に選択的に供給し、暖色発光部15i3を選択的に発光させる。これにより、発光部15iは、発光の色温度をCT2に切り替えて発光する。期間最低温度が閾値温度Tthより高い温度Tmin2である場合、切替回路15i1は、電源部12からの電力を寒色発光部15i2に選択的に供給し、寒色発光部15i2を選択的に発光させる。これにより、発光部15iは、発光の色温度をCT1に切り替えて発光する。
【0157】
また、
図21に示すように、期間最低温度Tminが温度閾値Tthより低ければ(例えば、Tmin=Tmin1であれば)、現在が比較的寒い季節であり発光色で寒さを演出するため、照明用の発光部15iの色温度が寒色系の色温度CT2に設定される。期間最低温度Tminが温度閾値Tthより高ければ(例えば、Tmin=Tmin2であれば)、現在が比較的暑い季節であり発光色で暑さを演出するため、照明用の発光部15iの色温度が暖色系の色温度CT1に設定される。これにより、照明用の発光部15iの発光色を、それにより季節感を演出するように設定できる。
図21は、第1の実施形態の第3の変形例における最低気温と発光の色温度との関係を示す図である。
【0158】
また、
図16に示す照明制御処理では、S73において、
図21に示すように設定された色温度CTの発光色で発光部15iを発光させる。これにより、季節に応じた色温度の発光色で照明用の発光部15iを発光させることができ、発光部15iの発光色で季節感を演出できる。
【0159】
このように、第1の実施形態の第3の変形例では、車室内装置100iにおいて、
図21に示すように発光部15iの発光の色温度を制御することによっても、季節に応じた制御を行うことができる。
【0160】
また、第1の実施形態の第4の変形例として、期間最低温度の大小と変更すべき色温度との対応関係は、第1の実施形態の第2の変形例と逆であってもよい。
【0161】
この場合、
図17に示す発光部15jは、次のように動作してもよい。制御回路17による制御に応じて、期間最低温度が閾値温度Tth1と閾値温度Tth2(>Tth1)との間の温度である場合、色温度制御回路15i4は、電源部12からの電力を寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とに配分し寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とを発光させてもよい。
【0162】
例えば、制御回路17は、閾値温度Tth1と閾値温度Tth2との間において期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が徐々に小さくなるように色温度の制御信号を生成してもよい。制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が段階的に小さくなるように色温度の制御信号を生成してもよいし、制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が連続的に小さくなるように色温度の制御信号を生成してもよい。
【0163】
制御回路17は、期間最低温度がTmin4のときの色温度CT4を次の数式4により求め、色温度CT4を指示する制御信号を色温度制御回路15i4へ供給してもよい。
CT4=CT2+{(CT1-CT2)/(Tth2-Tth1)}×(Tmin4-Tth1)・・・数式4
【0164】
寒色発光部15i2へ供給すべき電力をP15i2とし、暖色発光部15i3へ供給すべき電力をP15i3とするとき、色温度制御回路15i4は、電源部12からの電力を次の数式5に示す比率で寒色発光部15i2と暖色発光部15i3とに配分してもよい。
P15i2:P15i3=(CT4-CT1):(CT2-CT4)・・・数式5
【0165】
これにより、期間最低温度Tminの値に応じて、発光部15jの発光の色温度をCT1とCT2との間で徐々に変更できる。
【0166】
また、
図18に示す最低気温取得処理では、S83において、
図22に示すように、照明用の発光部15jの発光色を期間最低温度Tminから計算した色温度CTの発光色に設定する。
図22は、第1の実施形態の第4の変形例における最低気温と発光部15jの発光の色温度との関係を示す図である。
【0167】
例えば、制御回路17は、閾値温度Tth1と閾値温度Tth2との間において期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が徐々に小さくなるように発光部15jの発光色を設定してもよい。制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が段階的に小さくなるように発光部15jの発光色を設定してもよいし、制御回路17は、期間最低温度が大きくなるに従って発光部15jの発光の色温度が連続的に小さくなるように発光部15jの発光色を設定してもよい。
【0168】
制御回路17は、期間最低温度がTmin4のときの色温度CT4を、数式4により求めてもよい。これにより、期間最低温度Tminの値に応じて、発光部15jの発光の色温度をCT1とCT2との間で連続的に変更してその発光色を設定できる。
【0169】
このように、第1の実施形態の第4の変形例では、車室内装置100jにおいて、
図22に示すように発光部15jの発光の色温度を徐々に制御することによっても、季節に応じた制御を徐々に行うことができる。
【0170】
また、第1の実施形態の第5の変形例として、車室内装置100kは、
図23に示すように、車室6の天井6aに設置されてもよい。
図23は、第1の実施形態の第5の変形例における車室内装置の設置シーケンスを示す図である。
【0171】
例えば、車室6の天井6aには、
図23(a)に示すように、既存装置200が既に設置されている。既存装置200は、例えば、ルームランプである。既存装置200の筐体213の+Z側の面には、台座部BS200が固定されている。台座部BS200は、係止部220,230が配されている。係止部220,230は、天井6aに係止可能な構造を有している。係止部220,230は、側面にXY方向に突出可能な構造を有する。
【0172】
また、台座部BS200は、X方向における係止部220,230の間に図示しない3本の端子が突出している。3本の端子にソケットSCの3本の端子TM11~TM13が嵌合するようにソケットSCが既存装置200に装着されている。屋根部3aは、外壁部と天井6aを形成する内壁部との間に空間が形成される。ソケットSCの+Z側からケーブルCBが車体3の屋根部3a内の空間を延びている。
【0173】
天井6aには、台座部BS200に対応した凹み部6a2が設けられる。凹み部6a2の底面(+Z側の面)には、複数の穴6a21~6a23が形成されている。複数の穴6a21~6a23のうち、穴6a21は、ソケットSC及びケーブルCBに対応し、ソケットSC及びケーブルCBが挿通される。穴6a22は、係止部220に対応し、係止部220が係止される。穴6a23は、係止部230に対応し、係止部230が係止される。
【0174】
次に、
図23(b)に示すように、既存装置200が取り外される。すなわち、ソケットSCが台座部BS200から引き抜かれ、係止部220,230の穴6a22,6a23に対する係止が解除され、既存装置200が凹み部6a2から取り除かれる。
【0175】
そして、車室内装置100kが用意される。車室内装置100kは、係止部22,23を有する。係止部22,23は、台座部BSに配される。係止部22,23は、天井6aに係止可能な構造を有している。係止部22,23は、側面にXY方向に突出可能な構造を有する。
【0176】
次に、
図23(c)に示すように、車室内装置100kが天井6aにおける凹み部6a2に設置される。このとき、台座部BSにおける係止部22,23が配される位置は、台座部BS200における係止部220,230が配される位置に対応している。穴6a22は、係止部22に対応し、係止部22が係止される。穴6a23は、係止部23に対応し、係止部23が係止される。これにより、係止部22,23は、筐体13を台座部BS経由で天井6aに係止させる。
【0177】
また、台座部BSは、X方向における係止部22,23の間に3本の端子TM1,TM2,TM3(
図3参照)が突出している。3本の端子TM1,TM2,TM3にソケットSCの3本の端子TM11~TM13が嵌合するようにソケットSCが車室内装置100kに装着される。
【0178】
係止部22,23は、筐体13を台座部BS経由で天井6aに係止可能な任意の構造を取り得る。例えば、係止部22,23は、
図24(a)に示すように、台座部BSに対して、取り外し可能な部材であってもよい。
【0179】
係止部22は、ねじ部221、頂部222及び折り畳み部223を有する。折り畳み部223は、中央にねじ穴が形成され、ねじ穴にねじ部221が挿通される。頂部222は、ねじ部221の-Z側端に固定される。折り畳み部223は、頂部222が近づくようにねじ部221が回転されることでXY方向に開き、頂部222が遠ざかるようにねじ部221が回転されることでXY方向に閉じて折りたたまれる構成を有する。ねじ部221のXY寸法は、天井6aの穴6a22のXY寸法より若干小さくなっている。頂部222のXY寸法は、天井6aの穴6a22のXY寸法より若干大きくなっている。
【0180】
係止部23は、ねじ部231、頂部232及び折り畳み部233を有する。折り畳み部233は、中央にねじ穴が形成され、ねじ穴にねじ部231が挿通される。頂部232は、ねじ部231の-Z側端に固定される。折り畳み部233は、頂部232が近づくようにねじ部231が回転されることでXY方向に開き、頂部232が遠ざかるようにねじ部231が回転されることでXY方向に閉じて折りたたまれる構成を有する。ねじ部231のXY寸法は、天井6aの穴6a23のXY寸法より若干小さくなっている。頂部232のXY寸法は、天井6aの穴6a23のXY寸法より若干大きくなっている。
【0181】
台座部BSは、-Z側が開放された箱状の構成を有し、+Z側の壁部に天井6aの穴に対応する穴が形成されている。係止部22,23は、それぞれ、折り畳み部223,233が折りたたまれた状態で(
図24(a)の係止部23参照)、-Z側から台座部BSの穴と天井6aの穴とに挿通される。そして、頂部222,232が折り畳み部223に近づくようにねじ部221,231が回転される。これにより、係止部22,23は、それぞれ、折り畳み部223,233がXY方向に開き、筐体13を台座部BS経由で天井6aに係止させる。
【0182】
また、台座部BSは、X方向における係止部22,23の間に3本の端子TM1,TM2,TM3(
図3参照)が突出している。3本の端子TM1,TM2,TM3にソケットSCの3本の端子TM11~TM13が嵌合するようにソケットSCが車室内装置100kに装着される。
【0183】
あるいは、車室内装置100kは、係止部22,23に代えて、
図24(b)に示すような係止部24,25を有してもよい。係止部24,25は、台座部BSに固定された部材であってもよい。
【0184】
係止部24は、柱状部241及び爪部242を有する。柱状部241は、Z方向を軸とする概ね柱状の形状を有する。爪部242は、柱状部241の側面から突出するとともに弾性を有する。爪部242は、弾性を有する材料で形成されてもよいし、任意の材料(例えば、樹脂、金属など)で板バネ等の形状により弾性を持たせてもよい。
【0185】
係止部25は、柱状部251及び爪部252を有する。柱状部251は、Z方向を軸とする概ね柱状の形状を有する。爪部252は、柱状部251の側面から突出するとともに弾性を有する。爪部252は、弾性を有する材料で形成されてもよいし、任意の材料(例えば、樹脂、金属など)で板バネ等の形状で弾性を持たせてもよい。
図24(b)では、爪部252が板状の部材でその両端が柱状部251の側面に固定され、爪部252における両端の間の部分が柱状部251の側面からXY方向外側に円弧状に突出する構成が例示される。
【0186】
柱状部241,251のXY寸法は、天井6aの穴6a22,6a23のXY寸法より若干小さくなっている。係止部24,25は、穴6a22,6a23に挿通される。爪部242、252は、穴6a22,6a23を通過する際にその縁部に押されてXY方向内側に収縮し、穴6a22,6a23を通過した後にXY方向外側に拡がる。これにより、係止部24,25は、それぞれ、筐体13を台座部BS経由で天井6aに係止させる。
【0187】
また、台座部BSは、X方向における係止部24,25の間に3本の端子TM1,TM2,TM3(
図3参照)が突出している。3本の端子TM1,TM2,TM3にソケットSCの3本の端子TM11~TM13が嵌合するようにソケットSCが車室内装置100kに装着される。
【0188】
このように、第1の実施形態の第5の変形例では、車室内装置100kが係止部22,23(又は係止部24,25)を有する。これにより、筐体13を台座部BS経由で天井6aに係止させ、車室内装置100kを天井6aに設置できる。
【0189】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態にかかる車室内装置について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0190】
第1の実施形態では、車室内装置がZ方向に空気を吹き出しXY方向に空気を吸い込む構成について例示するが、第2の実施形態では、車室内装置がX方向に空気を吹き出しZ方向に空気を吸い込む構成について例示する。
【0191】
例えば
図25に一点鎖線で示すように、車室内装置100pからおおむね+X方向に吹き出され天井6aに沿って+X方向に進み車室6内を循環し+Z方向に車室内装置100pに戻る気流を形成できる。車室内装置100pからおおむね-X方向に吹き出され天井6aに沿って-X方向に進み車室6内を循環し+Z方向に車室内装置100pに戻る気流を形成できる。これにより、車室6内の空気を効果的に浄化できる。
【0192】
図26は、車室内装置100pの構成を示すXZ断面図である。
図27は、車室内装置100pの構成を示すブロック図である。
図26では、車室内装置100pのハードウェア構成が模式的に示されており、XZ断面における各構成の大きさ及び位置が実際のものと異なり得る。他の方向の断面(例えば、YZ断面)についても、XZ断面と同様である。
図27では、車室内装置100pの機能構成が示されている。
【0193】
車室内装置100pは、浄化部14(
図3、
図4参照)に代えて浄化部14pを有し、操作部31pをさらに有し、光学部材20、発光部15、発光部16、操作部19が省略される。車室内装置100pにおいて、空気清浄機能は、主として、浄化部14pにより実現される。
【0194】
操作部31pは、筐体13における操作可能な位置に配され、その構成の一部が露出される。操作部31pは、ファンに関する指示を受け付け可能である。例えば、操作部31pは、ボタン31aを有し、ボタン31aが筐体13における-Z側の縁部近傍に配される。操作部31pは、筐体13の-Z側の縁部における周方向で操作部18に隣接する位置(
図2参照)に配されてもよい。
【0195】
浄化部14pは、筐体13内部に設置される。浄化部14pは、車室6の空気を吸い込み、吸い込まれた空気を浄化し、浄化された空気を車室6へ吹き出す。浄化部14pは、複数の送風ファン14a_1,14a_2、所定の発生装置14b、通風路14d、通風路14e_1,14e_2、通風路14f_1,14f_2を有する。送風ファン14a_1,14a_2は、筐体13内部に設置される。所定の発生装置14bは、筐体13内部に設置される。
【0196】
所定の発生装置14bは、筐体13の吸い込み口13apと送風ファン14a_1との間に配され、筐体13の吸い込み口13apと送風ファン14a_2との間に配される。所定の発生装置14bは、送風ファン14a_1と送風ファン14a_2との間に配され得る。送風ファン14a_1は、所定の発生装置14bと筐体13の吹き出し口13bp_1との間に配される。送風ファン14a_2は、所定の発生装置14bと筐体13の吹き出し口13bp_2との間に配される。
【0197】
吸い込み口13apは、通風路14dを介して所定の発生装置14bの空気流入口に連通される。
【0198】
所定の発生装置14bの吐出口は、通風路14e_1を介して送風ファン14a_1の吸い込み口に連通される。送風ファン14a_1の吹き出し口は、通風路14f_1を介して吹き出し口13bp_1に連通される。
【0199】
所定の発生装置14bの吐出口は、通風路14e_2を介して送風ファン14a_2の吸い込み口に連通される。送風ファン14a_2の吹き出し口は、通風路14f_2を介して吹き出し口13bp_2に連通される。
【0200】
この構成により、吸い込み口13ap→所定の発生装置14b→送風ファン14a_1→吹き出し口13bp_1という第1の流路と吸い込み口13ap→所定の発生装置14b→送風ファン14a_2→吹き出し口13bp_2という第2の流路とが形成される。第1の流路及び第2の流路は、吸い込み口13ap→所定の発生装置14bの部分が共通化されている。これにより、第1の流路及び第2の流路をコンパクトな構成で実現できる。
【0201】
なお、送風ファン14a_1及び送風ファン14a_2は、略同じ送風性能を有していればよく、形状・大きさ等の構造が同じでもよいし、異なっていてもよい。送風ファン14a_1及び送風ファン14a_2は、同じタイプのファンでもよいし異なるタイプのファンでもよい。
【0202】
通風路14e_1及び通風路14e_2は、略同じ通風性能を有していればよく、断面形状等が異なっていてもよい。通風路14f_1及び通風路14f_2は、略同じ通風性能を有していればよく、断面形状等が異なっていてもよい。
【0203】
筐体13の吹き出し口13bp_1及び吹き出し口13bp_2は、車両1pの進行方向に沿って配置されるように設定される。吹き出し口13bp_1は、送風ファン14a_1によって送出される気流の吹き出し口である。吹き出し口13bp_2は、送風ファン14a_2によって送出される気流の吹き出し口である。
【0204】
吹き出し口13bp_1は、例えば
図28~
図30に示すように、筐体13の+X側の側面に設けられていてもよいし、吹き出し口13bp_2は、筐体13の-X側の側面に設けられていてもよい。
【0205】
図28は、第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口の構成例を示す図である。
図29は、第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口の他の構成例を示す図である。
図30は、第2の実施形態における吸気口、所定の発生装置、第1吹き出し口及び第2吹き出し口のさらに他の構成例を示す図である。
【0206】
図28~
図30では、吹き出し口13bp_1,13bp_2から吹き出される気流のうち主流となる気流を白抜きの矢印で示し、気流に付加される所定の粒子を白丸で示す。送風ファン14a_1によって所定の発生装置14bから吹き出し口13bp_1へ送られた気流は、所定の粒子とともに、主として+X方向に吹き出される。送風ファン14a_2によって所定の発生装置14bから吹き出し口13bp_2へ送られた気流は、所定の粒子とともに、主として-X方向に吹き出される。
【0207】
図28~
図30に例示するような構成により、所定の粒子を付加した2方向(+X方向及び-X方向)への空気の吹き出しをコンパクトな構成で実現できる。
【0208】
吸い込み口13apは、筐体13における吹き出し口13bp_1及び吹き出し口13bp_2から離間した任意の位置に設けられ得る。所定の発生装置14bに送出されるべき気流の吸い込み口である。
【0209】
吸い込み口13apは、
図28に示すように、筐体13の+Y側の側面に設けられていてもよいし、
図29に示すように、筐体13の-Z側の底面に設けられていてもよい。あるいは、吸い込み口13apは、複数設けられてもよい。
図30に示すように、吸い込み口13ap_1が筐体13の+Y側の側面に設けられ吸い込み口13ap_2が筐体13の-Y側の側面に設けられてもよい。
図28~
図30では、吸い込み口13apに吸い込まれる気流のうち主流となる気流を白抜きの矢印で示す。
【0210】
送風ファン14a_1の回転数CN1と、送風ファン14a_2の回転数CN2は、
図31に示すように、別々の回転数に設定可能である。制御回路17は、別々の回転数の設定に従って、送風ファン14a_1の回転数CN1と送風ファン14a_2の回転数CN2とを別々の回転数で制御可能である。
【0211】
図31に示す設定は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
図31は、第2の実施形態における送風ファンの回転数の設定を示す図である。
【0212】
例えばソフトウェア的に実現される場合、
図31に示す複数のスイッチSW1~SW3は、それぞれ、
図27に示す制御回路17におけるメモリ17a上で構築される機能モジュールであってもよい。操作部31は、ボタン31aに加えて検知部31bを有する。検知部31bは、ボタン31aの操作(例えば、押圧操作、タッチ操作)を検知可能である。検知部31bは、ボタン31aの操作を検知すると、操作信号を制御回路17へ伝達する。制御回路17は、操作信号に応じて、ボタン31aの操作回数及び/又は操作時間等の組み合わせに応じた操作パターンを認識してもよい。制御回路17は、ボタン31aの操作パターンに応じて、スイッチSW1~SW3のいずれかを選択し、選択されたスイッチSWをオン・オフさせてもよい。
【0213】
あるいは、ハードウェア的に実現される場合、操作部31は、ボタン31aが
図32に示すような複数の操作片31a1_1,31a1_2,31a1_3及び本体31bを含んでもよい。
図32は、第2の実施形態における操作部31の構成を示す図である。複数の操作片31a1_1,31a1_2,31a1_3は、それぞれ、本体31bから突出し、本体31bの表面に平行な方向に沿ってオン側とその反対側であるオフ側とに操作可能である。複数の操作片31a1_1,31a1_2,31a1_3は、複数のスイッチSW1,SW2,SW3に対応する。操作片31a1_1がオン側に操作されることでスイッチSW1がオンされ、操作片31a1_1がオフ側に操作されることでスイッチSW1がオフされる。操作片31a1_2がオン側に操作されることでスイッチSW2がオンされ、操作片31a1_2がオフ側に操作されることでスイッチSW2がオフされる。操作片31a1_3がオン側に操作されることでスイッチSW3がオンされ、操作片31a1_3がオフ側に操作されることでスイッチSW3がオフされる。
【0214】
制御回路17は、スイッチSW1~SW3のオン・オフに応じて、
図31に示すような設定を行ってもよい。
【0215】
図31に示すように、スイッチSW1,SW2,SW3がオン、オフ、オフにされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「強」に、送風ファン14a_2の回転数CN2が「弱」に、「使用中連動」が「NO(オフ)」に、それぞれ設定される。「弱」は、吹き出し風量が比較的弱くなるような送風ファンの回転数を表す。「使用中連動」が「NO(オフ)」であるとは、使用中連動がオフされており、車両状態が「使用中」であることに連動した制御が行われないことを示す。
【0216】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態に関わらず、送風ファン14a_1の回転数CN1と、送風ファン14a_2の回転数CN2とを制御する。制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「強」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。「強」は、吹き出し風量が比較的強くなるような送風ファンの回転数を表す。「強」は、「弱」より大きな回転数を表す。これに応じて、
図33(a)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA10となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
図33は、第2の実施形態における送風ファン14a_1,14a_2の吹き出し風量を示す図である。
図33(a)では、主流となる気流を白抜きの矢印で示し、気流の風量を矢印の長さで示す。ここで、
FA10>FA21
である。
【0217】
これにより、+X方向及び-X方向にそれぞれ所定の粒子を送り出すことができ、所定の粒子を車室内に一様に行き渡らせることができる。
【0218】
図31に示すように、スイッチSW1,SW2,SW3がオフ、オフ、オンにされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「弱」に、送風ファン14a_2の回転数CN1が「弱」に、「使用中連動」が「YES(オン)」に、それぞれ設定される。「使用中連動」が「YES(オン)」とは、使用中連動がオンされており、車両状態が「使用中」であることに連動した制御が行われることを示す。
【0219】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態が「駐車中」であれば、動作モードを駐車中モードに遷移させる。制御回路17は、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1の回転数CN1と、送風ファン14a_2の回転数CN2とを制御する。制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「弱」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。これに応じて、
図33(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA11となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
図33(b)では、主流となる気流を白抜きの矢印で示し、気流の風量を矢印の長さで示す。ここで、
FA11≒FA21
である。
【0220】
これにより、+X方向及び-X方向にそれぞれ所定の粒子を送り出すことができ、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0221】
使用中連動がオンされている状態で、制御回路17は、車両状態が「使用中」であれば、動作モードを使用中モードに遷移させる。使用中モードにおける各送風ファン14a_1,14a_2の回転数は、使用中モードの設定として予め設定されている。
【0222】
例えば、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「弱」にしてもよい。これに応じて、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0223】
あるいは、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「極弱」にしてもよい。「極弱」は、吹き出し風量が極めて弱くなるような送風ファンの回転数を表す。「極弱」は、「弱」より小さな回転数を表す。これに応じて、
図33(c)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA22(<FA21)となる。
図33(c)では、主流となる気流を白抜きの矢印で示し、気流の風量を矢印の長さで示す。
【0224】
すなわち、車両状態が「使用中」であれば、空調装置9(
図25参照)が車室内空気の循環させており、
図33(c)に示すような1方向の吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に行き渡らせることができる。
【0225】
次に、車室内装置100pの動作について
図5を用いて説明する。
図5は、車室内装置100の動作を示すフローチャートであるが、車室内装置100pの動作を示すフローチャートとして流用する。
【0226】
操作部18,31pの操作が行われると、車室内装置100pにおいて、制御回路17は、操作部18,31pから操作信号を取得する(S1)。制御回路17は、操作部31pの操作信号に応じて、スイッチSW1~SW3をそれぞれオン・オフさせてもよい。
【0227】
また、ドア8-1,8-2が開閉されると、制御回路17は、ドアスイッチ7-1,7-2からドア開閉信号DOORを取得する(S2)。なお、S1とS2とは並行して行われてもよい。
【0228】
車室内装置100pは、車両1の状態を判定する車両状態判定処理を行う(S3)。例えば、車室内装置100pにおいて、制御回路17は、
図6に示すように、+B電源線L1で伝達される+B電圧V
+Bから車両状態(例えば、使用中、駐車中)の判定を行ってもよい。これにより、車両状態が「駐車中」又は「使用中」のいずれかに判定され得る。
【0229】
車室内装置100pは、車室6内の空気を浄化する浄化処理を行う(S4)。例えば、車室内装置100pは、
図34に示す動作により、浄化処理を行ってもよい。
【0230】
図34は、浄化処理(S4)を示すフローチャートである。車室内装置100pにおいて、制御回路17は、S1で操作部18から取得された操作信号に応じて、空気清浄機能がオンされたか否かを判断する(S101)。
【0231】
制御回路17は、空気清浄機能がオンされておらずオフ状態のままであれば(S101でNo)、送風ファン14aをオフし、所定の発生装置14bをオフする(S102)。
【0232】
制御回路17は、空気清浄機能がオンされていれば(S101でYes)、S1で操作部31pから取得された操作信号に応じたスイッチSW3の状態を確認し、使用中連動がオンされているか否かを判断する(S103)。
【0233】
制御回路17は、スイッチSW3がオフされていれば、使用中連動がオフされている(S103でNO)として、S1でオン・オフされたスイッチSW1,SW2の状態を確認する。制御回路17は、S1で操作部31pから取得された操作信号に応じたスイッチSW1,SW2の状態で設定される風量で送風ファン14a_1,14a_2を制御し、所定の発生装置14bをオンする(S104)。
【0234】
例えば、スイッチSW1,SW2がオン、オフにされている場合、制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「強」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。これに応じて、制御回路17が各送風ファン14aを設定に応じた回転数で駆動する。これにより、
図33(a)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA10となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0235】
あるいは、スイッチSW1,SW2がオフ、オフにされている場合、制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「弱」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。これに応じて、制御回路17が各送風ファン14aを設定に応じた回転数で駆動する。これにより、
図33(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA11となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0236】
これにより、+X方向及び-X方向にそれぞれ適切な風量で所定の粒子を送り出すことができ、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0237】
制御回路17は、スイッチSW3がオンされていれば、使用中連動がオンされている(S103でYES)として、車両1が使用中であるか否か判断する(S105)。制御回路17は、メモリ17aに格納された車両状態情報を参照し、車両状態情報が「使用中」を示していれば、車両1が使用中と判断し、車両状態情報が「駐車中」を示していれば、車両1が駐車中と判断する。
【0238】
制御回路17は、車両1が駐車中であれば(S105でNo)、動作モードを駐車中モードに遷移させ、S104の処理を行う。
【0239】
制御回路17は、車両1が使用中であれば(S105でYes)、動作モードを使用中モードに遷移させ、使用中モード用に設定される風量で送風ファン14a_1,14a_2を制御し、所定の発生装置14bをオンする(S106)。使用中モード用に設定される風量は、制御回路17に対して、予め設定されている。
【0240】
例えば、制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「弱」にしてもよい。これに応じて、制御回路17が各送風ファン14aを設定に応じた回転数で駆動する。これにより、
図33(c)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0241】
あるいは、制御回路17は、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「極弱」にしてもよい。これに応じて、制御回路17が各送風ファン14aを設定に応じた回転数で駆動する。これにより、
図33(c)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA22(<FA21)となる。
【0242】
これにより、車両状態が「使用中」であり、空調装置9(
図25参照)が車室6内空気の循環させていることを利用し、1方向への適切な風量での吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0243】
次に、所定の粒子が付加された空気の吹き出し方向と所定の粒子の車室6内における分布との関係について検討する。
【0244】
空調装置9が動作していない状態において、1方向に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合、吹き出し口13bpから吹き出される気流のうち主流となる気流は、車室6内における特定の空間に集中する傾向にある。
【0245】
例えば、車室内装置100pから所定の粒子が付加された空気が+X方向に吹き出された場合、気流は、
図35(b)に点線の矢印で示すように流れる。
図35は、第2の実施形態における車室6内の気流を示す図である。
図35(b)は、1方向に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合について車室6内の気流をシミュレーションした結果を示す。
図35(b)では、矢印の数で吹き出し流量を表している。
図35(b)に示すシミュレーション結果では、気流は、車室6内における+X側の空間に集中的に流れる。
【0246】
気流が車室6内における特定の空間に集中すると、所定の粒子の濃度分布は、車室6内におけるむらが大きくなりやすい。
【0247】
例えば、気流が
図35(b)に示すように流れる場合、所定の粒子の濃度分布は、
図36(b)に示すようになる。
図36(b)は、1方向に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合について所定の粒子の濃度分布をシミュレーションした結果を示す。
図36(b)では、点のハッチングにおける点の密度が密であるほど、濃度が濃いことを示す。
図36(b)に示すシミュレーション結果では、車室6内の+X側の空間における所定の粒子の分布濃度が車室6内の-X側の空間における所定の粒子の分布濃度より大きく、濃度分布のむらが大きくなっている。
【0248】
一方、2方向に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合、吹き出し口13bpから吹き出される気流のうち主流となる気流は、車室6内で一様に流れるようにすることができる。送り出す2方向は、車両1pの形状に応じた2方向であってもよい。車両1pがX方向を長手方向とする場合、送り出す2方向を+X方向及び-X方向とすることで、気流を効果的に車室6内へ流すことができる。
【0249】
例えば、空調装置9が動作していない状態で車室内装置100pから所定の粒子が付加された空気が+X方向及び-X方向に吹き出された場合、気流は、
図35(a)に点線の矢印で示すように流れる。
図35(a)は、2方向に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合について車室6内の気流をシミュレーションした結果を示す。
図35(a)では、矢印の数で吹き出し流量を表している。
図35(a)に示すシミュレーション結果では、気流は、車室6内における+X側の空間と-X側の空間とに概ね一様に流れる。
【0250】
気流が車室6内において概ね一様に流れると、所定の粒子の濃度分布は、車室6内において一様に分布しやすい。
【0251】
例えば、気流が
図35(a)に示すように流れる場合、所定の粒子の濃度分布は、
図36(a)に示すようになる。
図36(a)は、2方向(例えば、+X方向及び-X方向)に所定の粒子が付加された空気を送り出した場合について所定の粒子の濃度分布をシミュレーションした結果を示す。
図36(a)では、点のハッチングにおける点の密度が密であるほど、濃度が濃いことを示す。
図36(a)に示すシミュレーション結果では、所定の粒子の分布濃度が車室6内において概ね一様になっている。これにより、+X方向及び-X方向にそれぞれ所定の粒子を送り出すことで所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせられることが確認される。
【0252】
例えば、車室内装置100pの取り付け位置が車室6内中央より-X側である場合、送風ファン14a_1の回転数CN1を送風ファン14a_2の回転数CN2より大きくしてもよい。これにより、
図33(a)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA10が送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21より大きくなる。これにより、
図35(a)に例示されるように、所定の粒子が付加された空気を、車室内装置100pの+X方向及び-X方向へそれぞれ分担する空間の体積に応じた風量で吹き出すことができる。この結果、
図36(a)に示すように、送風ファン14a_1及び送風ファン14a_2により、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0253】
以上のように、第2の実施形態では、車室内装置100pにおいて、筐体13の吹き出し口13bp_1及び吹き出し口13bp_2は、車両1pの進行方向に沿って配置されるように設定される。送風ファン14a_1の回転数CN1と、送風ファン14a_2の回転数CN2は、別々の回転数に設定可能である。これにより、車室6の全体形状及び各送風ファン14aで分担する空間の体積に応じて、所定の粒子が付加された空気が、車両1pの進行方向に沿った2方向に吹き出され得る。これにより、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0254】
また、第2の実施形態では、車室内装置100pが駐車中モード及び使用中モードを有する。例えば、車室内装置100pは、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1が回転数CN1=「強」で回転し、送風ファン14a_2が回転数CN2=「弱」で回転する。車室内装置100pは、使用中モードにおいて、送風ファン14a_2が回転数CN2=「極弱」で回転し得る。これにより、駐車中モードにおいて所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせながら、使用中モードにおいて空調空気を利用しながら吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化できる。
【0255】
また、第2の実施形態では、車室内装置100pが、使用中モードにおいて、送風ファン14a_1を回転させない。これにより、使用中モードにおいて空調空気を利用しながら吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化できる。
【0256】
また、第2の実施形態では、車室内装置100pは、ドア開閉信号線L3の信号DOORが開を示した後に、閉を示し、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より小さくなった場合に、駐車中モードで動作する。車室内装置100pは、ドア開閉信号線L3の信号DOORが閉を示し、グランド電圧線L2の電位VGNDに対する+B電圧線L1の電位差ΔVが閾値電圧Vth1より大きくなった場合に、使用中モードで動作する。これにより、車両状態に適した風量・風向で各送風ファン14a_1,14a_2を制御できる。
【0257】
また、第2の実施形態では、車室内装置100pは、例えば、車両1pの車室6内の前後方向において中心より後方に配置される。前向きに配向された吹き出し口13bp_1に対応した送風ファン14a_1の回転数CN1を、後ろ向きに配向された吹き出し口13bp_2に対応した送風ファン14a_2の回転数CN2より大きく予め設定することが可能である。これにより、車室6の全体形状及び各送風ファン14aで分担する空間の体積に応じた風量で所定の粒子が付加された空気を車室6内へ吹き出すことができる。この結果、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0258】
なお、スイッチSW1,SW2による送風ファン14aの回転数の切り替えは、「強」「弱」の2段階に限定されず、3段階以上で行ってもよい。
【0259】
また、送風ファン14a_1,14a_2の風量及び使用中連動のオン・オフを変更するためのスイッチは、
図37に示すような多値のスイッチSW11であってもよい。
図37は、第2の実施形態の変形例における送風ファン14a_1,14a_2の回転数の設定を示す図である。
図37では、0~Eまでの16値の間で切り替え可能なスイッチSW11による設定が例示される。
図37に示す設定は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【0260】
例えばソフトウェア的に実現される場合、
図37に示すスイッチSW11は、
図27に示す制御回路17におけるメモリ17a上で構築される機能モジュールであってもよい。操作部31は、ボタン31aに加えて検知部31bを有する。検知部31bは、ボタン31aの操作(例えば、押圧操作、タッチ操作)を検知可能である。検知部31bは、ボタン31aの操作を検知すると、操作信号を制御回路17へ伝達する。制御回路17は、操作信号に応じて、ボタン31aの操作回数及び/又は操作時間等の組み合わせに応じた操作パターンを認識してもよい。制御回路17は、ボタン31aの操作パターンに応じて、16値のいずれかを選択し、選択された値にスイッチSW11を切り替えてもよい。
【0261】
あるいは、ハードウェア的に実現される場合、操作部31は、ボタン31aが
図38に示すような回転片31a2及び本体31bを含んでもよい。
図38は、第2の実施形態の変形例における操作部31の構成を示す図である。回転片31a2は、本体31bに対して相対的に回転可能に設けられ、回転方向に沿って16個の回転位置のいずれかに操作可能である。回転片31a2は、スイッチSW11に対応する。回転片31a2が「0」の回転位置に操作されることでスイッチSW11の値が「0」にされる。回転片31a2が「1」の回転位置に操作されることでスイッチSW11の値が「1」にされる。回転片31a2が「E」の回転位置に操作されることでスイッチSW11の値が「E」にされる。操作部31において、「F」の回転位置は使用されない。
【0262】
制御回路17は、スイッチSW11の値に応じて、
図37に示すような設定を行ってもよい。
図37では、設定対象の車両1pのタイプ及び/又は車室内装置100pの取り付け位置と使用中連動のオン・オフとの組み合わせに応じて、スイッチSW11の値が切り替える構成が例示される。
【0263】
図37に示すように、車両1pが「軽自動車」タイプである場合、スイッチSW11の値が「0」にされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「弱」に、送風ファン14a_2の回転数CN2が「弱」に、「使用中連動」が「NO(オフ)」に、それぞれ設定される。
【0264】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態に関わらず、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「弱」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。これに応じて、
図33(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA11(<FA10)となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0265】
ここで、車両1pが「軽自動車」タイプであるため、車室6の体積が比較的小さく、比較的弱い風量で、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化しながら、所定の粒子を車室内に一様に行き渡らせることができる。
【0266】
あるいは、スイッチSW11の値が「8」にされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「弱」に、送風ファン14a_2の回転数CN1が「弱」に、「使用中連動」が「YES(オン)」に、それぞれ設定される。
【0267】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態が「駐車中」であれば、動作モードを駐車中モードに遷移させる。制御回路17は、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「弱」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「弱」に制御する。これに応じて、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA11(<FA10)となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0268】
ここで、車両1pが「軽自動車」タイプであるため、車室6の体積が比較的小さく、比較的弱い風量で、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化しながら、所定の粒子を車室内に一様に行き渡らせることができる。
【0269】
あるいは、制御回路17は、車両状態が「使用中」であれば、動作モードを使用中モードに遷移させる。使用中モードにおける各送風ファン14a_1,14a_2の回転数は、使用中モードの設定として予め設定されている。
【0270】
例えば、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「弱」にしてもよい。これに応じて、
図33(c)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA21となる。
【0271】
すなわち、車両状態が「使用中」であれば、空調装置9(
図25参照)が車室6内の空気を循環させており、1方向の吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に行き渡らせることができる。
【0272】
図37に示すように、車両1pが「セダン」タイプである場合、スイッチSW11の値が「1」にされることで、スイッチSW11の値が「0」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0273】
あるいは、スイッチSW11の値が「9」にされることで、スイッチSW11の値が「8」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0274】
図37に示すように、車両1pが「小型ワンボックス」タイプである場合、スイッチSW11の値が「2」にされることで、スイッチSW11の値が「0」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0275】
あるいは、スイッチSW11の値が「A」にされることで、スイッチSW11の値が「8」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0276】
図37に示すように、車両1pが「中型ワンボックス」タイプであり車室内装置100pの取り付け位置が
図39(a)に示すように車両1p中央付近である場合、スイッチSW11の値が「3」にされる。これにより、送風ファン14a_1の回転数CN1が「中」に、送風ファン14a_2の回転数CN2が「中」に、「使用中連動」が「NO(オフ)」に、それぞれ設定される。「中」は、吹き出し風量が中程度なるような送風ファンの回転数を表す。「中」は、「弱」より大きな回転数を表し、「強」より小さな回転数を表す。
【0277】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態に関わらず、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「中」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「中」に制御する。これに応じて、
図39(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA13となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0278】
ここで、
FA11<FA13<FA10
FA21<FA23<FA20
である。FA20は、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「強」に対応する吹き出し風量である。
【0279】
車両1pが「中型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が中程度であり、中程度の風量で、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化しながら、所定の粒子を車室内に一様に行き渡らせることができる。
【0280】
あるいは、スイッチSW11の値が「B」にされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「中」に、送風ファン14a_2の回転数CN1が「中」に、「使用中連動」が「YES(オン)」に、それぞれ設定される。
【0281】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態が「駐車中」であれば、動作モードを駐車中モードに遷移させる。制御回路17は、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「中」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「中」に制御する。これに応じて、
図39(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA13となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0282】
ここで、車両1pが「中型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が中程度であり、中程度の風量で、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、吹き出し風量を抑えて低消費電力化・静音化しながら、所定の粒子を車室内に一様に行き渡らせることができる。
【0283】
あるいは、制御回路17は、車両状態が「使用中」であれば、動作モードを使用中モードに遷移させる。使用中モードにおける各送風ファン14a_1,14a_2の回転数は、使用中モードの設定として予め設定されている。
【0284】
例えば、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「中」にしてもよい。これに応じて、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0285】
すなわち、車両状態が「使用中」であれば、空調装置9(
図25参照)が車室内空気の循環させており、1方向の吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に行き渡らせることができる。
【0286】
図37に示すように、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであり車室内装置100pの取り付け位置が
図40(a)に示すように車両1p後方付近である場合、スイッチSW11の値が「4」にされる。これにより、送風ファン14a_1の回転数CN1が「強」に、送風ファン14a_2の回転数CN2が「中」に、「使用中連動」が「NO(オフ)」に、それぞれ設定される。
【0287】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態に関わらず、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「強」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「中」に制御する。これに応じて、
図40(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA10となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0288】
ここで、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が比較的大きい。また、車室内装置100pが車両1p後方付近に取り付けられるため、送風ファン14a_1が分担すべき空間の体積が送風ファン14a_2の分担すべき空間の体積より大きい。これに応じて、比較的大きな風量としながら
FA10>FA23
の関係になる吹き出し風量により、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0289】
あるいは、スイッチSW11の値が「C」にされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「強」に、送風ファン14a_2の回転数CN1が「中」に、「使用中連動」が「YES(オン)」に、それぞれ設定される。
【0290】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態が「駐車中」であれば、動作モードを駐車中モードに遷移させる。制御回路17は、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「強」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「中」に制御する。これに応じて、
図40(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA10となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0291】
ここで、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が比較的大きい。また、車室内装置100pが車両1p後方付近に取り付けられるため、送風ファン14a_1が分担すべき空間の体積が送風ファン14a_2の分担すべき空間の体積より大きい。これに応じて、比較的大きな風量としながら
FA10>FA23
の関係になる吹き出し風量により、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0292】
あるいは、制御回路17は、車両状態が「使用中」であれば、動作モードを使用中モードに遷移させる。使用中モードにおける各送風ファン14a_1,14a_2の回転数は、使用中モードの設定として予め設定されている。
【0293】
例えば、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「中」にしてもよい。これに応じて、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0294】
すなわち、車両状態が「使用中」であれば、空調装置9(
図25参照)が車室内空気の循環させており、1方向の吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に行き渡らせることができる。
【0295】
図37に示すように、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであり、車室内装置100pの取り付け位置が
図39(a)に示すように車両1p中央付近である場合、スイッチSW11の値が「5」にされることで、スイッチSW11の値が「3」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0296】
あるいは、スイッチSW11の値が「D」にされることで、スイッチSW11の値が「B」のときと同様の設定及びそれに従った制御が行われる。
【0297】
図37に示すように、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであり車室内装置100pの取り付け位置が
図41(a)に示すように車両1p前方付近である場合、スイッチSW11の値が「6」にされる。これにより、送風ファン14a_1の回転数CN1が「中」に、送風ファン14a_2の回転数CN2が「強」に、「使用中連動」が「NO(オフ)」に、それぞれ設定される。
【0298】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態に関わらず、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「中」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「強」に制御する。これに応じて、
図41(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA13となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA20となる。
【0299】
ここで、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が比較的大きい。また、車室内装置100pが車両1p後方付近に取り付けられるため、送風ファン14a_1が分担すべき空間の体積が送風ファン14a_2の分担すべき空間の体積より小さい。これに応じて、比較的大きな風量としながら
FA13<FA20
の関係になる吹き出し風量により、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0300】
あるいは、スイッチSW11の値が「E」にされることで、送風ファン14a_1の回転数CN1が「中」に、送風ファン14a_2の回転数CN1が「強」に、「使用中連動」が「YES(オン)」に、それぞれ設定される。
【0301】
この設定に従い、制御回路17は、車両状態が「駐車中」であれば、動作モードを駐車中モードに遷移させる。制御回路17は、駐車中モードにおいて、送風ファン14a_1の回転数をCN1=「中」に制御し、送風ファン14a_2の回転数をCN2=「強」に制御する。これに応じて、
図41(b)に示すように、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1=FA13となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA20となる。
【0302】
ここで、車両1pが「大型ワンボックス」タイプであるため、車室6の体積が比較的大きい。また、車室内装置100pが車両1p後方付近に取り付けられるため、送風ファン14a_1が分担すべき空間の体積が送風ファン14a_2の分担すべき空間の体積より小さい。これに応じて、比較的大きな風量としながら
FA13<FA20
の関係になる吹き出し風量により、気流が車室6内で一様に流れるようにすることができる。これにより、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0303】
あるいは、制御回路17は、車両状態が「使用中」であれば、動作モードを使用中モードに遷移させる。使用中モードにおける各送風ファン14a_1,14a_2の回転数は、使用中モードの設定として予め設定されている。
【0304】
例えば、制御回路17は、使用中モードの設定に従い、送風ファン14a_1の回転数CN1をゼロにし、送風ファン14a_2の回転数CN2を「中」にしてもよい。これに応じて、送風ファン14a_1の吹き出し風量がFA1≒0となり、送風ファン14a_2の吹き出し風量がFA2=FA23となる。
【0305】
すなわち、車両状態が「使用中」であれば、空調装置9(
図25参照)が車室内空気の循環させており、1方向の吹き出しにより、所定の粒子を車室6内に行き渡らせることができる。
【0306】
このように、第2の実施形態の変形例では、車室内装置100pが車両1pの車室6内の前後方向において中心より後方に配置される場合(
図40(a)参照)、前向きに配向された吹き出し口13bp_1に対応した送風ファン14a_1の回転数CN1が、後ろ向きに配向された吹き出し口13bp_2に対応した送風ファン14a_2の回転数CN2より大きく予め設定され得る。これにより、車室6の全体形状及び各送風ファン14aで分担する空間の体積に応じた適切な風量で所定の粒子が付加された空気を車室6内へ吹き出すことができる。この結果、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0307】
また、第2の実施形態の変形例では、車室内装置100pが車両1pの車室6内の前後方向において中心より前方に配置される場合(
図41(a)参照)、後ろ向きに配向された吹き出し口13bp_2に対応した送風ファン14a_2の回転数CN2が、前向きに配向された吹き出し口13bp_1に対応した送風ファン14a_1の回転数CN1より大きく予め設定され得る。これにより、車室6の全体形状及び各送風ファン14aで分担する空間の体積に応じた適切な風量で所定の粒子が付加された空気を車室6内へ吹き出すことができる。この結果、効果的に、所定の粒子を車室6内に一様に行き渡らせることができる。
【0308】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(付記1)
車両の室内の天井に設置するように設定され、
+B電圧線と、グランド電圧線が接続された電源部と、
筐体と、
前記筐体内部に設置された温度センサと、
前記筐体に設置され、所定の色温度で発光が可能であり、前記電源部から供給される電力を基に前記車両の室内を照らす発光部と、
を備えた車室内照明装置であって、
前記温度センサにより、所定期間での最低である期間最低温度を検出し、
前記期間最低温度が第1温度である場合、前記発光部は第1の色温度で発光し、
前記期間最低温度が、前記第1温度より大きい第2温度である場合、前記発光部は、前記第1の色温度と異なる第2の色温度で発光する、
車室内照明装置。
(付記2)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記所定期間は、少なくとも24時間である、
車室内照明装置。
(付記3)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記所定期間は、2日以上であって、
1日毎の最低温度を求め、それらの平均を前記期間最低温度とする、
車室内照明装置。
(付記4)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
更に、前記車両のドア開閉信号線が接続された入力部を備え、
前記ドア開閉信号線の信号が開の場合、前記発光部は前記所定の色温度で発光する、
車室内照明装置。
(付記5)
付記4に記載の車室内照明装置であって、
前記ドア開閉信号線の信号が閉の場合、前記発光部は発光しない、
車室内照明装置。
(付記6)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
第1操作部を更に備え、
前記発光部の発光を前記第1操作部の操作によって変化させる、
車室内照明装置。
(付記7)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
制御回路を備える、
車室内照明装置。
(付記8)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記筐体を、前記天井に係止させる係止部を、更に備える、
車室内照明装置。
(付記9)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記第1の色温度は、前記第2の色温度より高い、
車室内照明装置。
(付記10)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記第1の色温度は、前記第2の色温度より低い、
車室内照明装置。
(付記11)
付記1に記載の車室内照明装置であって、
前記筐体内部に設置された送風ファンと、
前記筐体内部に設置され、前記送風ファンによって送出される気流に所定の粒子を付加する静電霧化部と、
第2操作部と、を更に備え、
前記送風ファンの動作及び静電霧化部の動作の少なくとも一方を前記第2操作部の操作によって変化させる、
車室内照明装置。
(付記12)
付記11に記載の車室内照明装置であって、
前記筐体は、前記送風ファンによって送出される気流の吹き出し口を備える、
車室内照明装置。
(技術1)
車両の室内の天井に設置するように設定され、
前記車両のドア開閉信号線が接続された入力部と、
+B電圧線と、グランド電圧線が接続された電源部と、
筐体と、
前記筐体内部に設置された送風ファンと、
前記筐体内部に設置され、前記送風ファンによって送出される気流に対して、正イオン及び負イオンの少なくとも一方を発生させるイオナイザと、
前記筐体に設置され、前記電源部から供給される電力を基に前記車両の室内を照らす第1発光部と、
前記筐体に設置され、前記第1発光部の発光強度より発光強度が小さい第2発光部と、
を備えた車室内浄化装置であって、
前記ドア開閉信号線の信号が開を示した後に、閉を示し、その後前記第2発光部は第2の時間発光し、その後第1の時間以内に、前記グランド電圧線の電位に対する前記+B電圧線の電位差が、第1の電圧より小さくなった場合で、かつ前記ドア開閉信号線の信号が閉を示している場合、前記送風ファンは、前記第2の時間より長い第3の時間運転する、
車室内浄化装置。
(技術2)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
前記ドア開閉信号線の信号が開を示した場合、前記第1発光部が発光し、
前記ドア開閉信号線の信号が開を示した後に、閉を示し、その後前記第2発光部は前記第2の時間発光し、
前記第2発光部が発光を停止する前に、前記第1発光部の発光が停止する、
車室内浄化装置。
(技術3)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
前記送風ファンは、少なくとも第1強度の送風モードと、前記第1強度より強い第2強度の送風モードを有し、
前記グランド電圧線の電位に対する前記+B電圧線の電位差が、前記第1の電圧より大きい場合で、かつ前記ドア開閉信号線の信号が閉を示している場合、前記送風ファンは、前記第1強度の送風モードとなり、
前記ドア開閉信号線の信号が開を示した後に、閉を示し、その後第1の時間以内に、前記グランド電圧線の電位に対する前記+B電圧線の電位差が、前記第1の電圧より小さく且つ第2の電圧より大きい場合で、かつ前記ドア開閉信号線の信号が閉を示している場合、前記送風ファンは、前記第2強度の送風モードとなり、
前記グランド電圧線の電位に対する前記+B電圧線の電位差が、前記第2の電圧より小さくなった場合で、かつ前記ドア開閉信号線の信号が閉を示している場合、前記送風ファンは、停止し、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧より小さい、
車室内浄化装置。
(技術4)
技術3に記載の車室内浄化装置であって、
更に、前記筐体内部に設置された温度センサを備え、
前記温度センサにより、少なくとも24時間の中での最低である24時間最低温度を検出し、
前記24時間最低温度が第1温度である場合、前記第2の時間は第1値とし、
前記24時間最低温度が、前記第1温度より低い第2温度の場合、前記第2の時間は、前記第1値より小さい第2値となる、
車室内浄化装置。
(技術5)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
制御回路を備える、
車室内浄化装置。
(技術6)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
前記筐体を、前記天井に係止させる係止部を、更に備える、
車室内浄化装置。
(技術7)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
第1操作部を更に備え、
前記第1発光部の発光を前記第1操作部の操作によって変化させる、
車室内浄化装置。
(技術8)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
第2操作部を更に備え、
前記送風ファンの動作及び静電霧化部の動作の少なくとも一方を前記第2操作部の操作によって変化させる、
車室内浄化装置。
(技術9)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
前記筐体は、前記送風ファンによって送出される気流の吹き出し口を備える、
車室内浄化装置。
(技術10)
技術1に記載の車室内浄化装置であって、
前記イオナイザは、正イオン化された粒子、及び/又は、負イオン化された粒子を付加する静電霧化部である、
車室内浄化装置。
【符号の説明】
【0309】
1,1p 車両
2-1~2-4 車輪
3 車体
4 バッテリ
5 車両制御装置
6 車室
7-1,7-2 ドアスイッチ
8-1,8-2 ドア
9 空調装置
12 電源部
13 筐体
14 浄化部
【0310】
14a,14a_1,14a_2 送風ファン
14b 所定の発生装置
14b1 静電霧化装置
14b2 オゾン・イオン発生装置
15,15i,15j,16 発光部
17 制御回路
17a メモリ
17b タイマ
18,19,31p 操作部
18a,19a ボタン
18b,19b 検知部
20 光学部材
21i 温度センサ
【0311】
100,100i,100j,100k,100p 車室内装置