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特許7530145テープ・スプール対を支持するための取り外し可能マウントを有するマルチスプール・テープ記録装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】テープ・スプール対を支持するための取り外し可能マウントを有するマルチスプール・テープ記録装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/008 20060101AFI20240731BHJP
   G11B 15/68 20060101ALI20240731BHJP
   G11B 23/107 20060101ALI20240731BHJP
   G11B 23/093 20060101ALI20240731BHJP
   G11B 23/087 20060101ALI20240731BHJP
   G11B 5/584 20060101ALI20240731BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G11B5/008 Z
G11B15/68
G11B23/107
G11B23/093
G11B23/087 Z
G11B5/584
G11B20/10 301Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022523932
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2020059850
(87)【国際公開番号】W WO2021084380
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】16/667,741
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ビスケボーン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ハミディ、フーディン
(72)【発明者】
【氏名】チルダース、エドウィン、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】アコスタ、ドナルド、チャールス
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-017415(JP,A)
【文献】米国特許第06115206(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/00 - 5/024
G11B 5/56 - 5/60
G11B 15/68
G11B 20/10 - 20/16
G11B 23/00 - 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテープ・スプール対を備える複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域であって、各マウントが前記複数のテープ・スプール対のうちの少なくとも1つのテープ・スプール対を支持するように構成されている、前記受け入れ領域と、
磁気ヘッドと、
前記複数のテープ・スプール対のうちの選択されたテープ・スプール対前記磁気ヘッドを移動させて選択的に位置合わせするように構成されている位置決め機構と、
前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構と
を備え、前記磁気ヘッドが、前記磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成される、装置。
【請求項2】
前記係合機構が、前記磁気記録テープを前記選択されたテープ・スプール対のスプールから離れて前記磁気ヘッドに向けて移動させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記テープ・スプール対を選択的に駆動するように構成された駆動機構を備え、前記駆動機構が、3つ以下のテープ・スプール対を一度に駆動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動機構が、1つのみのテープ・スプール対を一度に駆動するように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動機構が、テープ・スプール対の各対のスプールを貫通して延びる軸と、前記軸を前記スプールのうちの選択された1つに係合させるためのクラッチとを含む、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の前記マウントを前記受け入れ領域内に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
各マウントが、前記テープ・スプール対を選択的に駆動するように構成された駆動機構を含む、請求項に記載の装置。
【請求項8】
各マウントが、前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構を含み、前記係合機構が、前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに向けて移動させるように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項9】
各マウントに、少なくとも1つのテープ・スプール対が恒久的に取り付けられている、請求項に記載の装置。
【請求項10】
複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域であって、各マウントが少なくとも1つのテープ・スプール対を支持するように構成されている、前記受け入れ領域と、
前記テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記テープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている位置決め機構と、
前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構と
を備え、前記係合機構が、前記磁気ヘッドを前記磁気記録テープに向けて移動させるように構成されている装置。
【請求項11】
複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域であって、各マウントが少なくとも1つのテープ・スプール対を支持するように構成されている、前記受け入れ領域と、
前記テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記テープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている位置決め機構と、
前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構と
を備え、前記複数の前記マウントを前記受け入れ領域内に備え、各マウントは、前記少なくとも1つのテープ・スプール対が選択的に取り付けられるように、また前記少なくとも1つのテープ・スプール対が選択的に取り外されるように構成されている装置。
【請求項12】
複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域であって、各マウントが少なくとも1つのテープ・スプール対を支持するように構成されている、前記受け入れ領域と、
前記テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記テープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている位置決め機構と、
前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構と
を備え、前記位置決め機構は、前記磁気ヘッドをそれに沿って位置決め可能にするガイドと、前記ガイドに沿って前記磁気ヘッドを移動させるように構成されたウォームねじとを含む装置。
【請求項13】
複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域であって、各マウントが少なくとも1つのテープ・スプール対を支持するように構成されている、前記受け入れ領域と、
前記テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記テープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている位置決め機構と、
前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように構成されている係合機構と
を備え、前記位置決め機構が、前記磁気ヘッドに結合されたベルトを含む装置。
【請求項14】
位置決め機構に、磁気ヘッドを装置の受け入れ領域内の複数のテープ・スプール対のうちの選択されたテープ・スプール対に選択的に位置合わせするように指示することであって、各テープ・スプール対が、前記位置決め機構を有する装置の受け入れ領域に選択的に挿入可能な取り外し可能マウントの上にある、前記指示することと、
係合機構に、前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように指示することと、
駆動機構に、前記選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示することと、
磁気ヘッドに、前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープに対してデータ操作を行わせることとを含む、方法。
【請求項15】
クラッチに、前記駆動機構と前記選択されたテープ・スプール対のスプールとを係合させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記駆動機構が、前記マウントに配置された複数のモータを含み、前記駆動機構に前記選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示することが、前記選択されたテープ・スプール対を有する前記マウントの上の一対の駆動モータに、前記選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記駆動機構が、テープ・スプール対の各対のスプールを貫通して延びる軸と、前記軸を前記スプールのうちの選択された1つに係合させるためのクラッチとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記係合機構が、前記磁気ヘッドを前記磁気記録テープに向けて移動させるように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記係合機構が、前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに向けて移動させるように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記係合機構が、前記選択されたテープ・スプール対を有する前記マウントに配置される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
磁気記録テープに対してデータ操作を行うためのコンピュータ・プログラムであって装置に、
位置決め機構に対し、装置の受け入れ領域内の取り外し可能マウントに支持された複数のテープ・スプール対のうちの選択されたテープ・スプール対に磁気ヘッドを移動させて選択的に位置合わせするように指示することと、
係合機構に対し、前記磁気ヘッドと前記選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープとの間に相対的な動きを、前記受け入れ領域内の前記選択されたテープ・スプール対の位置を変えることなく前記磁気記録テープを前記磁気ヘッドに係合させるために、生成するように指示することと、
駆動機構に対し、前記選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示することと、
前記磁気ヘッドに対し、前記選択されたテープ・スプール対の前記磁気記録テープに対してデータ操作を行わせることと
実行させるためのコンピュータ・プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記憶システムに関し、より詳細には、本発明は、データ・アクセス時間を劇的に改善するために磁気テープの複数のスプールを使用する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記憶システムでは、磁気変換器が磁気記録媒体からデータを読み出し、磁気記録媒体にデータを書き込む。データは、データが記憶されるべき媒体上の位置に磁気記録変換器を移動させることによって、磁気記録媒体に書き込まれる。磁気記録変換器は、データを磁気媒体中に符号化する磁界を発生させる。データは、磁気読み出し変換器を同様に配置した後に磁気媒体の磁界を検知することによって、媒体から読み出される。媒体上の所望の位置でデータが読み出され書き込まれ得ることを確実にするために、読み出し動作と書き込み動作は別々に媒体の動きと同期させることができる。
【0003】
データ記憶装置業界における重要かつ継続的な目標は、媒体に記憶されるデータの密度を高めることである。テープ記憶システムの場合、この目標が、記録テープのトラックおよびリニア・ビットの密度を高め、磁気テープ媒体の厚さを低減させることにつながっている。しかし、フットプリントが小さく高性能のテープ・ドライブ・システムの開発では、そのようなシステムに使用するためのテープ・ヘッド・アセンブリを設計することから、テープの寸法不安定に対処することまでに及ぶ、様々な難題が生じている。
【0004】
近い将来、改善された媒体が採用されると、情報をテープに記憶するコスト(1バイトあたり)は、磁気ディスクと比較して5分の1以下に低下すると予想されている。また、短期および長期の信頼性が、テープベースの記憶装置には有利であり続けよう。さらに、より多数の大容量記憶装置がクラウド・ネットワークに割り当てられると、ほとんどの記憶装置が個々のドライブ上ではなく、大規模なライブラリ内にあるようになり、このことはテープベースの記憶装置に有利な事情である。ディスクベース記憶装置と比較したテープベースの記憶装置の歴史的な1つの不利点は、テープベースの記憶装置に付随する、アクセス時間が比較的長いことであり、テープをテープ・ドライブに装填し、その後テープをファイル位置まで巻き取るのに必要な時間は通常、平均して約40秒であった。
【発明の概要】
【0005】
1つの手法による装置が、複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域を含み、各マウントは、少なくとも1つのテープ・スプール対をその上に支持するように構成されている。磁気ヘッドが、テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている。位置決め機構が、磁気ヘッドをテープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている。
【0006】
上記の装置は、経済的に実行可能なままでありながら、カートリッジベースのテープ・ライブラリ・システムで一般的に必要とされる時間の数分の1でテープ上のデータに対する要求に応えることができる。この速度は、一部には、それぞれに磁気記録テープが載っているテープ・スプール対のアレイ上で動作することによって実現される。スプールは、カートリッジ内ではなく装置内に依然として存在しているので、典型的なカートリッジ・ロード時間がなくなる。さらに、単一のヘッドが、複数のテープ・スプール対の要求に、好ましくはすべてのテープ・スプール対の要求に応えることができるので、配備コストは、単品記憶装置あたりのコストで、ディスクベース記憶装置および固体記憶装置よりもはるかに低いままである。
【0007】
マウントは、様々な手法によれば、受け入れ領域に存在してもしなくてもよい。本装置のいくつかの態様の追加の利点は、修理、交換、またはアーカイビングあるいはその組合せのために、マウントを取り外すことができることである。
【0008】
1つの手法による1つの方法が、装置の受け入れ領域内の複数のテープ・スプール対のうちの選択されたテープ・スプール対に磁気ヘッドを選択的に位置合わせするように位置決め機構に指示することを含み、各テープ・スプール対は、位置決め機構を有する装置の受け入れ領域に選択的に挿入可能な取り外し可能マウントの上にある。係合機構が、磁気記録テープを磁気ヘッドに係合させるために、磁気ヘッドと選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープとの間に相対的な動きを生成するように指示される。駆動機構が、選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示される。磁気ヘッドに、選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行わせる。
【0009】
上記の方法は、装置について上述したのと同様の利点をもたらす。
【0010】
1つの手法による、磁気記録テープに対してデータ操作を行うためのコンピュータ・プログラム製品は、プログラム命令が具現化されているコンピュータ可読記憶媒体を含み、このプログラム命令は装置によって実行可能であり、装置に前述の方法を実施させる。
【0011】
別の手法による製品が、テープ・スプール対が載っているマウントを含む。このマウントは、複数のマウントを受け入れるように構成された装置の受け入れ領域に挿入されるように構成されている。マウントの可搬性により、修理、交換、またはアーカイビングあるいはその組合せのためにマウントを取り外すことが、本明細書に列挙された利点を装置が提供できるようにしながら、可能になる。
【0012】
本発明の他の態様および手法は、図面と併せ読むと本発明の原理が例示的に示される、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】1つの手法による簡略化されたテープ・ドライブ・システムの概略図である。
図1B】1つの手法によるテープ・カートリッジの概略図である。
図2A】1つの手法による、フラットラップ双方向2モジュール磁気テープ・ヘッドの側面図である。
図2B図2Aの線2Bから見たテープ支持面の図である。
図2C図2Bの円2Cで得た詳細図である。
図2D】一対のモジュールの部分的なテープ支持面の詳細図である。
図3】書き込み-読み出し-書き込みの構成を有する磁気ヘッドの部分的なテープ支持面の図である。
図4】読み出し-書き込み-読み出しの構成を有する磁気ヘッドの部分的なテープ支持面の図である。
図5】1つの手法による、3つのモジュールを備えた磁気テープ・ヘッドの側面図であり、モジュールはすべて、おおよそ平行な平面に沿って概ね横になっている。
図6】接面の(角度が付いた)構成で3つのモジュールを含む磁気テープ・ヘッドの側面図である。
図7】重ね合わせ構成で3つのモジュールを含む磁気テープ・ヘッドの側面図である。
図8】(A)~(C)は、テープ・テンティングの原理を示す図である。
図9】1つの手法による、磁気テープに記憶されたファイルおよびインデックスを表す図である。
図10】1つの手法による装置を表す図である。
図11】1つの手法による装置を表す図である。
図12】1つの手法による装置を表す図である。
図13A】1つの手法による装置を表す図である。
図13B】1つの手法による装置を表す図である。
図13C】1つの手法による装置を表す図である。
図14】(A)および(B)は、1つの手法による装置を表す図である。(C)および(D)は、1つの手法による装置を表す図である。
図15】(A)および(B)は、1つの手法による装置を表す図である。
図16】1つの手法による装置を表す図である。
図17A】1つの手法による、図16の取り外し可能マウントを表す図である。
図17B】別の手法による、図16の取り外し可能マウントを表す図である。
図17C】別の手法による、図16の取り外し可能マウントを表す図である。
図18】1つの手法による方法のフローチャートである。
図19】1つの手法による方法のフローチャートである。
図20】1つの手法による方法のフローチャートである。
図21】1つの手法による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、本発明の一般的な原理を示すことを目的としており、本明細書で特許請求される本発明の概念を限定するものではない。さらに、本明細書に記述された特定の機能は、様々な可能な組合せおよび順列のそれぞれで、説明された他の機能と組み合わせて使用することができる。
【0015】
本明細書で特に定義されない限り、すべての用語は、その最も広い可能な解釈が、本明細書から暗示される意味、ならびに当業者によって理解されている意味、または辞書、協定などに定義された意味あるいはその両方を含め、与えられる。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、特にことわらない限り、複数の指示対象を含むことにも留意されなければならない。
【0017】
以下の説明では、磁気記憶システムのいくつかの好ましい手法、ならびにその動作または構成要素部分あるいはその両方を開示する。
【0018】
1つの一般的な手法では、装置が、複数のマウントを受け入れるように構成された受け入れ領域を含み、各マウントは、少なくとも1つのテープ・スプール対をその上に支持するように構成されている。磁気ヘッドが、テープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行うように構成されている。位置決め機構は、磁気ヘッドをテープ・スプール対のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている。
【0019】
1つの一般的な手法では、1つの方法が、装置の受け入れ領域内の複数のテープ・スプール対のうちの選択されたテープ・スプール対に磁気ヘッドを選択的に位置合わせするように位置決め機構に指示することを含み、各テープ・スプール対は、位置決め機構を有する装置の受け入れ領域に選択的に挿入可能な取り外し可能マウントの上にある。係合機構が、磁気記録テープを磁気ヘッドに係合させるために、磁気ヘッドと選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープとの間に相対的な動きを生成するように指示される。駆動機構が、選択されたテープ・スプール対を駆動するように指示される。磁気ヘッドに、選択されたテープ・スプール対の磁気記録テープに対してデータ操作を行わせる。
【0020】
1つの一般的な手法では、磁気記録テープに対してデータ操作を行うためのコンピュータ・プログラム製品は、プログラム命令が具現化されているコンピュータ可読記憶媒体を含み、このプログラム命令は装置によって実行可能であり、装置に前述の方法を実施させる。
【0021】
1つの一般的な手法では、製品が、テープ・スプール対が載っているマウントを含む。このマウントは、複数のマウントを受け入れるように構成された装置の受け入れ領域に挿入されるように構成されている。
【0022】
図1Aは、本発明との関連で使用することができる、テープベースのデータ記憶システムの簡略化されたテープ・ドライブ100を示す。テープ・ドライブの1つの特定の実施態様が図1Aに示されているが、本明細書で説明される手法は、任意のタイプのテープ・ドライブ・システムとの関連で実施できることに留意されたい。
【0023】
図示のように、テープ122を支持するために、テープ供給カートリッジ120および巻き取りリール121が設けられている。1つまたは複数のリールは、取り外し可能なカートリッジの一部を形成することができ、必ずしもテープ・ドライブ100の一部ではない。図1Aに示されているようなテープ・ドライブは、テープ供給カートリッジ120および巻き取りリール121を駆動してテープ122を任意のタイプのテープ・ヘッド126の上で走行させるための駆動モータをさらに含み得る。このようなヘッドは、リーダ、ライタ、または両方のアレイを含み得る。
【0024】
ガイド125は、テープ・ヘッド126を横切ってテープ122を案内する。このようなテープ・ヘッド126は、ケーブル130を介してコントローラ128に結合される。コントローラ128は、ドライブ100の任意のサブシステムを制御するためのプロセッサおよび/または任意の論理回路とすること、またはそれを含むことができる。たとえば、コントローラ128は通常、サーボ追従、データ書き込み、データ読み出しなどのヘッド機能を制御する。コントローラ128は、少なくとも1つのサーボ・チャネルおよび少なくとも1つのデータ・チャネルを含むことができ、これらのチャネルはそれぞれ、テープ122に書き込まれる、またはテープ122から読み出される、あるいはその両方が行われる情報を処理する、または記憶する、あるいはその両方を行うように構成されたデータ・フロー処理論理回路を含む。コントローラ128は、本明細書に開示されている任意の論理回路と同様に、当技術分野で知られている論理回路の下で動作することができ、したがって、様々な手法に関して、本明細書に含まれるテープ・ドライブについての説明のいずれでも、プロセッサとして考えることができる。コントローラ128は、コントローラ128によって実行可能な命令を記憶できる、知られている任意のタイプのメモリ136に結合することができる。さらに、コントローラ128は、本明細書に提示された方法の一部または全部を実施または制御するように構成され得る、またはプログラム可能であり得る、あるいはその両方であり得る。したがって、コントローラ128は、1つまたは複数のチップ、モジュールまたはブロックあるいはその組合せにプログラムされた論理と、1つまたは複数のプロセッサに利用可能であるソフトウェア、ファームウェアまたは他の命令あるいはその組合せなどと、これらの組合せとによって、様々な動作を行うように構成されていると考えることができる。
【0025】
ケーブル130は、テープ122に記録されるべきデータをテープ・ヘッド126へ送出し、テープ・ヘッド126によって読み出されたデータをテープ122から受け取るための、読み出し/書き込み回路を含み得る。アクチュエータ132は、テープ122に対するテープ・ヘッド126の位置を制御する。
【0026】
インターフェース134もまた、データを送受信するためのテープ・ドライブ100とホスト(内部または外部)の間の通信用に、また、テープ・ドライブ100の動作を制御し、テープ・ドライブ100の状態をホストに伝達するために、すべてが当業者には理解できるように、設けることができる。
【0027】
図1Bは、1つの手法による例示的なテープ・カートリッジ150を示す。このようなテープ・カートリッジ150は、図1Aに示されているようなシステムと共に使用することができる。図示のように、テープ・カートリッジ150は、ハウジング152と、ハウジング152内のテープ122と、ハウジング152に結合された不揮発性メモリ156とを含む。いくつかの手法では、図1Bに示すように、不揮発性メモリ156をハウジング152の内部に埋め込むことができる。より多くの手法では、不揮発性メモリ156は、ハウジング152の内部または外部にハウジング152を修正しなくても取り付けることができる。たとえば、不揮発性メモリは、自己接着性のラベル154に埋め込むことができる。1つの好ましい手法では、不揮発性メモリ156は、テープ・カートリッジ150に埋め込まれた、または内部もしくは外部に結合されたフラッシュ・メモリ・デバイス、読み出し専用メモリ(ROM)デバイスなどとすることができる。不揮発性メモリは、テープ・ドライブおよびテープ操作ソフトウェア(ドライバ・ソフトウェア)、または別のデバイスあるいはその両方によってアクセス可能である。
【0028】
例として、図2Aは、本発明との関連で実施できるフラットラップ双方向2モジュールの磁気テープ・ヘッド200の側面図を示す。図示のように、ヘッドは、それぞれがモジュール204を備え、小さい角度αで互いに固定された一対のベース202を含む。各ベースは、互いに接着して結合された「Uビーム」とすることができる。各モジュール204は、リーダまたはライタあるいはその両方206が形成される一般に「ギャップ」と呼ばれる薄膜部分付きの基板204Aおよびクロージャ204Bを含む。使用中、リーダおよびライタを使用してテープ208上でデータを読み出し、書き込むために、テープ208が図示のように媒体(テープ)支持面209に沿ってモジュール204の上を走行する。平坦な媒体支持面209を出入りする縁部におけるテープ208のラップ角θは通常、約0.1度から約3度までの間である。
【0029】
基板204Aは通常、セラミックなどの耐摩耗性材料で構築される。クロージャ204Bは、基板204Aと同一または同様のセラミックで作ることができる。
【0030】
リーダおよびライタは、ピギーバック構成または結合構成で配置することができる。例示的なピギーバック構成は、(磁気誘導)ライタ変換器を(磁気遮蔽された)リーダ変換器(たとえば、磁気抵抗リーダなど)の上(または下)に備え、ライタの磁極とリーダの遮蔽体は一般に分離されている。例示的なマージ構成では、1つのリーダ遮蔽体を1つのライタ磁極と同じ物理層に備える(そのため、「結合」と呼ばれる)。リーダとライタはまた、インターリーブ構成で配置することもできる。あるいは、チャネルの各アレイは、リーダまたはライタのみとすることもできる。これらのアレイのいずれも、媒体上のサーボデータを読み出すための1つまたは複数のサーボ・トラック・リーダを含み得る。
【0031】
図2Bは、図2Aのライン2Bから見た、モジュール204のうちの1つのテープ支持面209を示す。代表的なテープ208が破線で示されている。モジュール204は、好ましくは、ヘッドがデータ・バンド間を移動するときにテープを支持することができる十分な長さがある。
【0032】
この例では、テープ208は、4~32本のデータ・バンドを含み、たとえば、図2Bに示すように、16本のデータ・バンドと17本のサーボ・トラック210とが1/2インチ(1.27cm)幅のテープ208上にある。データ・バンドは、サーボ・トラック210の間に画定される。各データ・バンドは、多数のデータ・トラック、たとえば1024本のデータ・トラック(図示せず)を含み得る。読み出し/書き込み動作中、リーダまたはライタあるいはその両方206は、データ・バンドのうちの1つの中で特定のトラック位置に配置される。サーボ・リーダと呼ばれることもある外側のリーダが、サーボ・トラック210を読み出す。次に、サーボ信号を使用して、読み出し/書き込み動作中にリーダまたはライタあるいはその両方206を特定のトラックのセットと位置合わせした状態に維持する。
【0033】
図2Cは、図2Bの円2C内のモジュール204上のギャップ218に形成された、複数のリーダまたはライタあるいはその両方206を示す。図示のように、リーダおよびライタ206のアレイは、たとえば、16個のライタ214、16個のリーダ216および2個のサーボ・リーダ212を含むが、要素の数は変化し得る。例示的な手法には、アレイごとに8、16、32、40、および64個のアクティブなリーダまたはライタあるいはその両方206が含まれ、また別法として、17、25、33個などの奇数のリーダまたはライタを有するインターリーブされた設計が含まれる。1つの例示的な手法には、アレイあたり32個のリーダまたはアレイあたり32個のライタあるいはその両方が含まれ、変換器エレメントの実際の数は、たとえば33個、34個など、もっと多くてもよい。これにより、テープをより遅く走行させることができ、それによって、速度で誘発されるトラッキングの難題および機械的難題が減少し、またはテープを充填もしくは読み出すために実行する「ラップ」が少なくなり、あるいはその両方ということになる。リーダおよびライタは、図2Cに示すようにピギーバック構成で配置することができるが、リーダ216およびライタ214はまた、インターリーブ構成で配置することもできる。あるいは、リーダまたはライタあるいはその両方206の各アレイは、リーダまたはライタのみとすることもでき、そのアレイは、1つまたは複数のサーボ・リーダ212を含み得る。図2Aおよび図2B~2Cを一緒に考察することによって気付かれるように、各モジュール204は、双方向の読み出しおよび書き込み、記録時再生機能、後方互換性などのために、リーダまたはライタあるいはその両方206の相補的なセットを含み得る。
【0034】
図2Dは、1つの手法による、磁気テープ・ヘッド200の相補的なモジュールの部分的なテープ支持面の図である。この手法では、各モジュールは、共通基板204Aおよび任意選択の電気絶縁性絶縁層236の上に形成された、ピギーバック構成の複数の読み出し/書き込み(R/W)対を有する。ライタ214とリーダ216は、R/W対222で例示されるR/W対を形成するために、R/W対を横切るテープ媒体の意図された走行方向に平行に並んでいる。本明細書では、意図されたテープ走行方向がテープ走行方向と呼ばれることがあり、そのような用語は交換可能に使用され得ることに留意されたい。このようなテープ走行方向は、たとえば、手引きを調べること、基準点に対する実際のテープ走行方向を観察すること、などによってシステムの設計から推測することができる。さらに、双方向の読み出しまたは書き込みあるいはその両方に対して動作可能なシステムでは、両方向のテープ走行方向は一般に平行であり、したがって両方向は互いに同等と考えることができる。
【0035】
8対、16対、32対など、いくつかのR/W対222が存在し得る。図示のR/W対222は、これを越えるテープ走行の方向に概ね垂直の方向に直線的に並んでいる。しかし、これらの対はまた、たとえば斜めに配置することもできる。サーボ・リーダ212は、R/W対のアレイの外側に配置されており、その機能はよく知られている。
【0036】
一般に、磁気テープ媒体は、矢印220で示されように、順方向または逆方向のどちらかに移動する。磁気テープ媒体とヘッド・アセンブリ200は、当技術分野でよく知られているようにして変換関係の動作をする。ヘッド・アセンブリ200は、概ね同一の構造の2つの薄膜モジュール224および226を含む。
【0037】
モジュール224と226は、先行モジュールのライタと、それに対するテープ走行方向に先行モジュールのライタと平行に並んでいる後続モジュールのリーダとを動作させることによって記録時再生機能を得るための、単一の物理的ユニットを形成するために、モジュールのクロージャ204B間に存在する空間(部分的に図示)と共に接合される。磁気テープ・ヘッド200のモジュール224、226が構築されると、層が、たとえばAlTiCの導電性基板204A(部分的に図示)の上に生成されたギャップ218に、R/W対222では一般に以下の順序、すなわち、絶縁層236、NiFe(-)、コバルト・ジルコニウム・タンタル(CZT)またはAl-Fe-Si(センダスト)などの一般に鉄合金からなる第1の遮蔽体232、磁気媒体上のデータ・トラックを検知するためのセンサ234、一般にニッケル-鉄合金(たとえば、パーマロイとしても知られる約80/20%のNiFe)からなる第2の遮蔽体238、第1のライタ磁極228および第2のライタ磁極230、ならびにコイル(図示せず)、の順序で形成される。センサは、磁気抵抗(MR)、GMR、AMR、トンネル磁気抵抗(TMR)などに基づくものを含む、任意の知られているタイプのものとすることができる。
【0038】
第1のライタ磁極228および第2のライタ磁極230は、約45/55NiFeなどの高磁気モーメント材料から製作することができる。これらの材料は例として提示されているにすぎず、他の材料も使用できることに留意されたい。遮蔽体または磁極チップあるいはその両方と、センサを囲む絶縁層との間の絶縁体などの、追加の層が存在し得る。絶縁体用の例示的な材料としては、アルミナおよび他の酸化物、絶縁性ポリマーなどが挙げられる。
【0039】
1つの手法によるテープ・ヘッド126の構成は、複数の、好ましくは3つ以上のモジュールを含む。書き込み-読み出し-書き込み(W-R-W)ヘッドでは、書き込み用の外側モジュールが、読み出し用の1つまたは複数の内側モジュールの側面にある。W-R-W構成を示す図3を参照すると、外側モジュール252、256はそれぞれ、ライタ260の1つまたは複数のアレイを含む。図3の内側モジュール254は、同様の構成のリーダ258の1つまたは複数のアレイを含む。マルチモジュール・ヘッドの変形形態としては、R-W-Rヘッド(図4)、R-R-Wヘッド、W-W-Rヘッドなどがある。さらに他の変形形態では、1つまたは複数のモジュールが、変換器の読み出し/書き込み対を有し得る。さらに、3つより多いモジュールが存在し得る。別の手法では、2つの外側のモジュールが、たとえば、W-R-R-W、R-W-W-Rなどの配置で、2つ以上の内側のモジュールの両側にあり得る。簡単にするために、本明細書では、本発明の手法を例示するのにW-R-Wヘッドが主に使用される。本明細書の教示を知っている当業者には、本発明の順列がW-R-W構成以外の構成にどのように適用されるかが理解されよう。
【0040】
図5は、テープ支持面308、310、312をそれぞれ有する第1、第2および第3のモジュール302、304、306を含む、本発明の1つの手法による磁気ヘッド126を示しており、テープ支持面は平坦でも、湾曲などしていてもよい。「テープ支持面」という用語は、テープ315と向き合う表面がテープ支持面と物理的に接触していることを暗示しているようであるが、必ずしもそうではないことに留意されたい。むしろ、テープの一部分だけが、常時または断続的に、テープ支持面と接触することができ、テープの他の部分は、「空気支持」と呼ばれることもある空気の層上のテープ支持面の上方に載っている(または「飛んでいる」)。第1のモジュール302は、表示された方向にテープが移動する3モジュール設計においてテープが遭遇する最初のモジュールであるので、「先頭」モジュールと呼ばれる。第3のモジュール306は、「後続」モジュールと呼ばれる。後続モジュールは、中間モジュールの後に続き、3モジュール設計ではテープから見える最後のモジュールである。先頭モジュール302と後続モジュール306は、外側モジュールと総称される。また、外側モジュール302、306は、テープ315の走行方向に応じて交互に先頭モジュールになることにも留意されたい。
【0041】
1つの手法では、第1のモジュール302、第2のモジュール304および第3のモジュール306のテープ支持面308、310、312は、ほぼ平行な平面(これは平行平面と、ほぼ平行な、たとえば図6のような平行平面と接面の間の平面とを含むことを意味する)上にあり、第2のモジュール304のテープ支持面310は、第1のモジュール302および第3のモジュール306のテープ支持面308、312の上方にある。以下に説明するように、これには、第2のモジュール304のテープ支持面310に対してテープの所望のラップ角αを生成するという効果がある。
【0042】
テープ支持面308、310、312が、オフセットされた平面でありながら平行またはほぼ平行に横になっている場合、直感的には、テープは先頭モジュール302のテープ支持面308から離脱するはずである。しかし、先行モジュール302のスカイビング仕上げ縁部318の付近で生成された真空は、テープを先行モジュール302のテープ支持面308に付着させておくのに十分であることが実験によって判明している。先頭モジュール302の後続縁部320(テープが先頭モジュール302から離れる端部)は、第2のモジュール304のテープ支持面310上でラップ角αを画定するおおよその基準点になる。テープは、先頭モジュール302の後縁部320の近くまでテープ支持面に近接して留まる。したがって、変換器322は、外側モジュール302、306の後続縁部の近くに配置することができる。これらの手法は特に、書き込み-読み出し-書き込みの用途に適合している。
【0043】
本明細書で説明されているこの手法およびその他の手法の利点は、外側モジュール302、306が第2のモジュール304から決められたオフセットで固定されているので、モジュール302、304、306が一緒に結合されるか、それとは別様にヘッドに固定されると、内側ラップ角αが固定されることである。内側ラップ角αは、およそtan-1(δ/W)であり、ここでδは、テープ支持面308、310の平面間の高低差であり、Wは、テープ支持面308、310の両側の端部間の幅である。例示的な内側ラップ角度αは、約0.3°~約1.1°の範囲であるが、設計で必要とされる任意の角度とすることができる。
【0044】
有益なことに、テープ315が後続モジュール306の上に載るので、テープを受けるモジュール304の側部(前縁)の内側ラップ角αは、後続縁部上の内側ラップ角αよりも大きくなる。この差は、より小さいαが、以前にはより急峻な出て行く実効ラップ角であったものと反対の傾向があるので、一般に有益である。
【0045】
外側モジュール302、306のテープ支持面308、312は、先頭モジュール302の後続縁部320において負のラップ角を得るように配置されていることに留意されたい。このことは、テープ内に形を成す、テープがヘッドから離脱するクロウバー領域の位置が適切に考慮されるならば、後続縁部320との接触による摩擦を低減する助けになることで一般的には有益である。この負のラップ角はまた、先頭モジュール302上の要素のばたつきおよび擦れによる損傷を軽減する。さらに、後続モジュール306では、テープ315がテープ支持面312の上を飛ぶので、テープがこの方向に移動しているときの要素には摩耗がほとんどない。特に、テープ315は、空気を同伴するので、第3のモジュール306のテープ支持面312に大きく載ることがない(いくらかの接触は発生し得る)。これは、後続モジュール306がアイドル状態である間に先頭モジュール302が書き込みをしているので、許容される。
【0046】
書き込み機能および読み出し機能は、任意の所与の時間に別々のモジュールによって実施される。一手法では、第2のモジュール304は、複数のデータ・リーダおよび任意選択のサーボ・リーダ331を含み、ライタは含まない。第1のモジュール302および第3のモジュール306は、複数のライタ322を含み、データ・リーダは含まないが、例外として外側モジュール302、306は、任意選択のサーボ・リーダを含み得る。サーボ・リーダは、読み出し動作中または書き込み動作中あるいはその両方で、ヘッドを位置決めするために使用することができる。各モジュール上のサーボ・リーダは通常、リーダまたはライタのアレイの端部に向けて配置される。
【0047】
基板とクロージャの間のギャップにリーダのみを、または並列にライタとサーボ・リーダを有することによって、ギャップ長を実質的に低減することができる。典型的なヘッドは、ピギーバックのリーダとライタを有し、ライタは各リーダの上に形成されている。典型的なギャップは20~35マイクロメートルである。しかし、テープ上の凹凸がギャップの中に垂れ下がる傾向があり、ギャップ侵食を生じることがある。したがって、ギャップは小さければ小さいほど良い。本明細書で可能になったギャップは小さければ小さいほど、摩耗関連の問題が少ないことが示されている。
【0048】
いくつかの手法では、第2のモジュール304はクロージャを有し、第1のモジュール302および第3のモジュール306はクロージャを有していない。クロージャがない場合、好ましくはハード・コーティングがモジュールに追加される。1つの好ましいコーティングは、ダイヤモンド状炭素(DLC)である。
【0049】
図5に示される手法では、第1のモジュール302、第2のモジュール304、および第3のモジュール306はそれぞれクロージャ332、334、336を有しており、このクロージャは、付随するモジュールのテープ支持面を延長し、それによって、読み出し/書き込み要素がテープ支持面の縁部から離れて効果的に位置決めされる。第2のモジュール304のクロージャ332は、テープ・ヘッドに一般に見られるタイプのセラミック・クロージャとすることができる。しかし、第1のモジュール302および第3のモジュール306のクロージャ334、336は、それぞれのモジュールの上のテープ走行方向に平行に測った場合、第2のモジュール304のクロージャ332よりも短くなり得る。これにより、モジュールをより近くに一緒に配置することが可能になる。より短いクロージャ334、336を製造する1つの方法は、第2のモジュール304の標準的なセラミック・クロージャをさらに重ね合わせることである。もう1つの方法は、薄膜処理中に薄膜クロージャを要素の上にめっきまたは堆積することである。たとえば、センダストまたはニッケル-鉄合金(たとえば、45/55)などの硬質材料の薄膜クロージャをモジュール上に形成することができる。
【0050】
外側モジュール302、306上に厚さの減少したセラミックもしくは薄膜のクロージャ334、336を用いて、またはクロージャなしで、書き込み-読み出しギャップ間隔を約1mm未満に、たとえば約0.75mmに、または一般に使用されているリニア・テープ・オープン(LTO(R))テープ・ヘッド間隔の50%未満に、減少させることができる。モジュール302、304、306の間の開放空間は、なお約0.5~0.6mmに設定することができ、この設定は、いくつかの手法では、第2のモジュール304上のテープの動きを安定にするのに理想的である。
【0051】
テープの張力および剛性に応じて、第2のモジュールのテープ支持面に対して外側モジュールのテープ支持面に角度を付けることが望ましい場合がある。図6は、モジュール302、304、306が接面またはほぼ接面の(角度が付いた)構成である場合の手法を示している。特に、外側モジュール302、306のテープ支持面は、第2のモジュール304の所望のラップ角αでテープとほぼ平行になっている。言い換えると、外側モジュール302、306のテープ支持面308、312の平面は、第2のモジュール304に対してテープ315のほぼ所望のラップ角αに向けられている。テープはまた、この手法では後続モジュール306から飛び出て、後続モジュール306内の要素の摩耗を低減することになる。これらの手法は特に、書き込み-読み出し-書き込みの用途に有用である。これらの手法のさらなる態様は、上に示したものと同様である。
【0052】
通常、テープ・ラップ角度は、図5図6に示された手法のおよそ中間に設定することができる。
【0053】
図7は、モジュール302、304、306が重ね合わせ構成である手法を示す。特に、外側モジュール302、306のテープ支持面308、312には、第2のモジュール304に対して所望のラップ角度αに設定されているときに、テープ315よりもわずかに大きく角度が付けられている。この手法では、テープが後続モジュールから飛び出ることはなく、そのためテープを書き込みまたは読み出しに使用することが可能になる。したがって、先頭モジュールと中間モジュールの両方が読み出し機能または書き込み機能あるいはその両方を実施でき、後続モジュールは書き込まれたばかりのどんなデータも読み出すことができる。すなわち、これらの手法は、書き込み-読み出し-書き込み、読み出し-書き込み-読み出し、および書き込み-書き込み-読み出しの用途に好ましい。後者の手法では、クロージャは、読み出し機能を確保するためにテープ・キャノピよりも幅が広くなければならない。幅が広いクロージャでは、広いギャップ間隔離が必要になり得る。したがって、好ましい手法は、書き込み-読み出し-書き込みの構成を有し、この構成では、短くしたクロージャを使用することができ、したがって、より近接したギャップ間隔離が可能になる。
【0054】
図6および図7に示された手法のさらなる態様は、上に示したものと同様である。
【0055】
マルチモジュール・テープ・ヘッド126の32チャネル・バージョンでは、現在の16チャネル・ピギーバックLTOモジュールと同等またはより小さいピッチのリード線を有するケーブル350を使用することができ、または別法として、モジュールの接続部をケーブル・スパンの50%削減のためにオルガンキーボード化することができる。上下書き込み対(over-under, writing pair)の非シールドケーブルを、一体化サーボ・リーダを有し得るライタ用に使用することができる。
【0056】
外側ラップ角αは、調整可能なローラ、スライドなどの当技術分野で知られている任意のタイプのガイドなどによって、または別法として、ヘッドに一体化されているアウトリガによって、ドライブに設定することができる。たとえば、ラップ角を設定するために、オフセット軸を持つローラが使用されてよい。オフセット軸は回転の軌道円弧を生成するので、ラップ角αの正確な調整が可能になる。
【0057】
上述の手法のいずれかを組み合わせるには、従来のuビーム・アセンブリを使用することができる。したがって、結果として生じるヘッドの質量は、前世代のヘッドと比較して維持され、さらには低減することもできる。他の手法では、モジュールは単一本体として構築することができる。本発明の教示を受けた当業者には、そのようなヘッドを構築するのに使用する、そのようなヘッドを製造する他の知られている方法を適合させることが可能であることが理解されよう。さらに、特にことわらない限り、本開示を読めば当業者には明らかになるように、当技術分野で知られているタイプのプロセスおよび材料は、本明細書の教示に合致した様々な手法に使用することに適合させることができる。
【0058】
テープがモジュール上を走行するとき、テープは、読み出しまたは書き込みあるいはその両方が、たとえば低いエラー・レートで効率的に実施されるように、モジュール上の磁気変換器の十分近くを通過することが好ましい。いくつかの手法によれば、磁気変換器を有するモジュールの部分の十分近くをテープが通過することを確実にするために、テープ・テンティングを用いることができる。このプロセスがよりよく理解されるように、図8(A)~図8(C)は、テープ・テンティングの原理を示している。図8(A)は、両側の縁部804、806の間に延びる上部テープ支持面802を有するモジュール800を示す。縁部804、806に巻き付いている固定テープ808が示されている。図示のように、テープ808の曲げ剛性により、テープがテープ支持面802から持ち上がる。テープ張力は、図8(A)に示されているように、テープ外形を平坦にする傾向がある。テープ張力が最小の場合には、テープの曲率は図示されているものよりさらに放物線状になる。
【0059】
図8(B)は、作動時のテープ808を示す。先頭縁部、すなわち、テープが移動するときに遭遇する最初の縁部は、テープから空気を取り去る働きをすることができ、それによって、テープ808とテープ支持面802との間に準大気圧が生成される。図8(B)では、テープが左から右に移動しているとき、先頭縁部は左縁部であり、右縁部は後続縁部になる。その結果、テープ上方の大気圧によりテープがテープ支持面802に向けて押し動かされ、それによって各縁部のすぐ近くにテープ・テンティングが生成される。テープの曲げ剛性は大気圧の影響に抵抗し、それによって、先頭縁部と後続縁部の両方のすぐ近くにテープ・テンティングが生じる。モデリングでは、2つのテントは形状が非常に類似していることが予測される。
【0060】
図8(C)は、後続ガイド810がテープ支持面の平面の上方に配置されている場合でさえも、準大気圧によりテープ808がテープ支持面802に向けてどのようにして押し動かされるかを示す。
【0061】
テープ・テンティングは、テープがモジュールの上を通過するときのテープの経路を誘導するために使用できるということになる。前述のように、テープ・テンティングは、磁気変換器を有するモジュールの部分の十分近くにテープが、好ましくは読み出しまたは書き込みあるいはその両方が効率的に、たとえば低いエラー・レートで実施されるように通過することを確実にするのに使用することができる。
【0062】
磁気テープは、テープ・カートリッジ内に保管することができ、このテープ・カートリッジは、データ記憶ライブラリ内のストレージ・スロットなどに保管される。テープ・カートリッジは、物理的な検索のためにアクセス可能であるようにライブラリに保管することができる。磁気テープおよびテープ・カートリッジに加えて、データ記憶ライブラリは、磁気テープにデータを保存する、または磁気テープからデータを取り出す、あるいはその両方を行うデータ記憶ドライブを含み得る。さらに、テープ・ライブラリおよびそれに含まれる構成要素では、テープおよびテープに記憶されたデータへのアクセスを可能にするファイル・システムを実施することができる。
【0063】
ファイル・システムは、データをどのようにしてメモリに記憶し、メモリから取り出すかを制御するために使用することができる。したがって、ファイル・システムは、オペレーティング・システムがメモリ内のファイルを常時監視するのに使用するプロセスおよびデータ構造、たとえばメモリ内のファイルを編成する方法を含み得る。リニア・テープ・ファイル・システム(LTFS)とは、準拠テープにアクセスできるようにするために所与のライブラリで実施できる、ファイル・システムの例示的なフォーマットのことである。本明細書の様々な手法は、たとえば、IBM Spectrum Archive Library Edition(LTFS LE)を含む広範囲のファイル・システム・フォーマットを用いて実施できることを理解されたい。しかし、状況を提示するために、また単に読者の助けになるように、以下の手法のいくつかは、ファイル・システム・フォーマットの一種であるLTFSを参照して説明されることがある。この説明は単なる例として行われており、特許請求の範囲で定義された本発明を限定するものと考えられるべきではない。
【0064】
テープ・カートリッジは、カートリッジをテープ・ドライブに挿入することによって「ロード」することができ、またテープ・カートリッジは、テープ・ドライブからテープ・カートリッジを取り出すことによって「アンロード」することができる。テープ・ドライブにロードされると、カートリッジ内のテープは、テープ・カートリッジからテープ(磁気記録部分)を物理的に引き出すこと、およびテープ・ドライブの磁気ヘッドの上を通過させることによってドライブに「通す」ことができる。さらに、テープを巻き取りリール(たとえば、上記図1Aの121参照)に取り付けて、テープを磁気ヘッドの上で移動させることができる。
【0065】
テープ・ドライブに通されると、カートリッジ内のテープは、テープ上のメタデータを読み出すこと、およびLTFSがテープをファイル・システムの構成要素として使用できる状態にすることによって、「マウント」することができる。さらに、テープを「アンマウント」するには、好ましくは、まず、メタデータがテープ上に(たとえば、インデックスとして)書き込まれ、その後にテープを、LTFSがテープをファイル・システムの構成要素として使用できる状態から解除することができる。最後に、テープを「抜き取る」ために、テープは巻き取りリールから取り外され、再びテープ・カートリッジの内部に物理的に戻される。テープが抜き取られた後でさえも、カートリッジは、テープ・ドライブ内にロードされたままで、たとえば、別の読み出し要求または書き込み要求あるいはその両方を待っていることができる。しかし、他の場合では、テープ・カートリッジは、テープがたとえば上述のように抜き取られたときに、テープ・ドライブからアンロードすることができる。
【0066】
磁気テープは、順次アクセス媒体である。したがって、新しいデータは、以前に書き込まれたデータの最後にデータを付加することによってテープに書き込まれる。そのため、1つの区画しかないテープにデータが記録されるとき、メタデータ(たとえば、割り当て情報)は、データが頻繁に更新され、それに応じてテープに再書き込みされるので、先に書き込まれたデータの末尾に連続して付加されることになる。その結果として、テープが最初にマウントされるときには、そのテープに対応するメタデータの最新コピーにアクセスするために、最後尾の情報が読み出される。しかし、このようにすると、所与のテープをマウントするプロセスにかなりの遅延が発生する。
【0067】
単一区画のテープ媒体によって生じるこの遅延を克服するために、LTFSフォーマットは、インデックス区画およびデータ区画を含む、2つの区画に分割されるテープを含む。インデックス区画は、たとえば、ファイル割り当て情報(インデックス)などのメタデータ(メタ情報)を記録するように構成することができ、データ区画は、データの本体、たとえば、データ自体を記録するように構成することができる。
【0068】
図9を見ると、1つの手法による、インデックス区画902およびデータ区画904を有する磁気テープ900が示されている。図示のように、データ・ファイルおよびインデックスがテープに記憶されている。本明細書を読めば当業者には理解できるように、LTFSフォーマットでは、インデックス情報をテープ906の冒頭のインデックス区画902に記録することができる。
【0069】
インデックス情報が更新されると、好ましくはインデックス情報の前のバージョンが上書きされ、それによって、現在更新されているインデックス情報を、インデックス区画のテープの冒頭でアクセス可能にすることができる。図9に示された具体的な例によれば、メタデータ・インデックス3の最新バージョンが、テープ906の冒頭のインデックス区画902に記録されている。逆に、テープのデータ区画904には、メタデータのインデックス1、インデックス2、インデックス3の全3バージョン、ならびにデータのファイルA、ファイルB、ファイルC、ファイルDが記録されている。インデックス1およびインデックス2は旧(たとえば、期限切れ)インデックスであるが、情報は、上述のように、先に書き込まれたデータの末尾に付加することによってテープに書き込まれるので、これらの旧インデックスのインデックス1、インデックス2は、上書きされずにデータ区画904内のテープ900上に記憶されたままである。
【0070】
メタデータは、所望の手法に応じて、インデックス区画902またはデータ区画904あるいはその両方において、同様または別様に更新することができる。いくつかの手法によれば、インデックス区画902またはデータ区画904あるいはその両方のメタデータは、テープがアンマウントされることに応答して、たとえば、そのテープが再びマウントされたときにインデックスがインデックス区画から迅速に読み出されるように更新することができる。メタデータは、好ましくはデータ区画904にも書き込まれるので、テープは、たとえばバックアップ選択肢として、データ区画904に記録されたメタデータを使用してマウントすることができる。
【0071】
本発明を限定するものでは全くないが、1つの例によれば、LTFS LEを使用してデータ区画にインデックスを書き込む機能を、ユーザが明示的にシステムにそうするように指示したときに、または、たとえば突然の電源停止の場合のデータ損失を軽減できるように、ユーザが設定できる所定の期間で指定される時間に提供することができる。
【0072】
磁気記録テープベースの記憶装置は、大量のデータを保存するための間違いなく最も安価なソリューションであるが、上述のように、現在のテープベースの記憶システムの1つの特有の欠点は、データの要求を受け取ってから実際のデータをテープから返すまでの間の遅延が比較的長いことである。この遅延は、一部にはテープの性質に起因する。多くの場合、データの要求は、テープ・ライブラリに保管されているテープに向けられる。データの要求を受け取ると、そのデータを含むテープを有するカートリッジは通常、保管場所から利用可能なドライブへ移され、そのときカートリッジがドライブにロードされ、テープがマウントされ、次に、テープにデータの場所へのインデックスが付けられる。上述のように、最善でも、これには数十秒を要する。これに比べて、典型的なハード・ディスク・ドライブではスピン・アップ時間が約15秒であり、ランダム・アクセス・タイプではシーク時間が5~10ミリ秒である。
【0073】
本発明の様々な手法には、経済的に実行可能なままでありながら、カートリッジベースのテープ・ライブラリ・システムで一般的に必要とされる時間の数分の1でテープ上のデータに対する要求に応えることができる装置が含まれる。この速度は、一部には、それぞれに磁気記録テープが載っているテープ・スプール対のアレイ上で動作することによって実現される。磁気ヘッドは、要求されたデータを含むテープを有するテープ・スプール対と選択的に位置合わせされる。スプールは、カートリッジ内ではなく装置内に依然として存在しているので、典型的なカートリッジ・ロード時間がなくなる。さらに、シーク時間はテープの長さと共に増加し得るので、各テープ・スプール対は、好ましくは、所望の平均シーク時間が得られるように選択されたテープの長さを有する。最後に、単一のヘッドが、複数のテープ・スプール対の要求に、好ましくはすべてのテープ・スプール対の要求に応えることができるので、配備コストは、単品記憶装置あたりのコストで、ディスクベース記憶装置および固体記憶装置よりもはるかに低いままである。
【0074】
図10および図11は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0075】
図10および図11に示されるように、装置1000は、複数のテープ・スプール対1004を受けるように構成された受け入れ領域1002を含む。図10は、テープ・スプール対が受け入れ領域1002にない状態の装置1000を示す。図11は、テープ・スプール対1004がある状態の装置1000を示す。引き続き図10および図11を参照すると、駆動機構1006は、テープ・スプール対1004を選択的に駆動するように構成されている。磁気ヘッド1008は、テープ・スプール対1004の磁気記録テープ1007に対してデータ操作を行うように構成されている。位置決め機構1010は、データ操作を行えるように、磁気ヘッドをテープ・スプール対1004のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように構成されている。係合機構1012は、磁気記録テープ1007を磁気ヘッド1008に係合させるために、磁気ヘッド1008とテープ・スプール対1004のうちの選択された1つの磁気記録テープ1007との間に相対的な動きを生成するように構成されている。
【0076】
受け入れ領域1002は、任意の所望の、または実用的な、あるいはその両方のサイズとすることができる。一般に、受け入れ領域1002は、所与の時間に使用可能な所望の数のテープ・スプール対1004を装置1000に収容するのに十分な大きさでなければならない。受け入れ領域1002は、いくつかの手法では、装置1000のハウジング1014の内部で画定することができる。受け入れ領域1002は、密閉されていても、上部で開いていても、ハウジング1014のハッチを通してアクセス可能であったりしていてもよい。いくつかの態様では、テープ・スプール対1004は、受け入れ領域1002の中に取り付けられており、したがって容易に取り出し可能ではない。図示の手法では、軸1016、1018が、スプールを支持するためにスプールのそれぞれの列を貫通して延びている。
【0077】
他の態様では、テープ・スプール対1004は、受け入れ領域1002から容易に取り出し可能である。
【0078】
図11を参照すると、各テープ・スプール対1004は、磁気記録テープ1007が載っている一対のスプール1004a、1004bを含む。任意の長さのテープ1007が、各スプールに適合する限り、様々な手法に使用されてよい。しかし、所与のテープ1007の最大シーク時間は、その最大長に比例し、たとえば、最長のシーク時間は、テープ1007が一方のスプールに完全に巻き取られており、所望のデータにはテープ1007が他方のスプールにほぼ完全に巻き取られた後にアクセス可能であるときに生じる。したがって、テープ1007の長さは、好ましくは、所望の平均または最大のシーク時間が得られるように選択される。例として、毎秒12メートルのシーク速度を仮定すると、360メートルの長さのテープ1007では、テープ1007上のどこかにある単一のデータ・オブジェクトにアクセスするのに、平均シーク時間は約15秒になるはずである。
【0079】
同様に、テープ1007は、任意の所望の幅を有することができる。一般に、より幅の広いテープ1007が、より多くのデータ・トラックを収容することができ、したがって、単品またはテープ長さあたりで、より多くのデータを保存できるはずである。標準のLTOテープは現在、1/2インチ(1.27cm)幅である。このようなテープ1007は、いくつかの手法に使用することができる。他の手法では、テープ1007は、より広くする(たとえば、約1インチ(2.54cm)幅、約2インチ(5.08cm)幅、約4インチ(10.16cm)幅など)、またはより狭くする(たとえば、約1/3インチ(0.847cm)幅、約1/4インチ(0.635cm)幅など)ことができる。
【0080】
テープ1007は、任意のタイプのフォーマットを有し得る。好ましい一手法では、テープ1007はLTO準拠である。
【0081】
テープ・スプール対1004は、駆動機構1006によって駆動される。任意の適切なタイプの駆動機構1006が、本明細書の教示による装置1000と共に使用するように適合された既知のタイプの駆動機構1006を含む様々な態様で使用されてもよい。様々な例示的な駆動機構1006が以下に提示される。本明細書に提示される説明的または例示的な任意の構成要素と同様に、この提示は単なる例として行われており、決して限定するものではない。
【0082】
1つの手法では、駆動機構1006は、すべてのスプールを同時に駆動する。しかし、このような構成は、テープ1007を載せている非常に多くのスプールの慣性の故に好ましくない。むしろ、好ましい手法では、駆動機構1006は、3つ以下のテープ・スプール対1004を一度に、より好ましくは、2つ以下のテープ・スプール対1004を一度に、理想的には、1つ以下のテープ・スプール対1004を一度に駆動するように構成される。これにより、駆動される総質量が減少し、それによって、装置1000の一方の側のすべてのスプール1004a、1004bを駆動するのと比較して慣性が小さいので、電力が節減されたり応答時間が改善されたりする。
【0083】
駆動機構1006は、ほとんどの手法において、テープ・スプール対1004のスプール1004a、1004bを別個に駆動するが、その理由は、各スプール1004a、1004bの相対回転速度が、テープ1007が所与のテープ・スプール対1004のスプール1004a、1004bの間を移動するときに変化するからである。それに応じて、駆動機構1006は、好ましくは、付随する駆動構成要素に結合された少なくとも2つのモータ1015を含む。モータ1015は、知られているテープ・ドライブで使用される同様のアルゴリズムを使用して制御することができる。
【0084】
さらに、ほとんどの手法では、スプール1004a、1004bを駆動する駆動構成要素は、同様または同一のタイプであり得るが、他の手法では、異なる駆動構成要素を一緒に使用することができ、たとえば、1組のスプール1004a、1004bは、共通軸1016、1018によって駆動することができ、協働するスプール1004a、1004bは、それぞれ個別のモータ1015によって駆動することができる。
【0085】
図10に示す例示的な手法では、駆動機構1006は、スプール1004a、1004bのそれぞれの列を貫通して延びる軸1016、1018を回転させる。上述のように、軸1016、1018は、スプール1004a、1004bのうちの全部、いくつか、または1つを一度に駆動することができる。
【0086】
1つの手法では、軸1016、1018は、複数のセクションから構成することができ、各セクションは、それに結合された1つまたは複数のスプール1004a、1004bを回転させるために独立して駆動可能である。たとえば、各スプールは、固有の軸セクションに結合することができる。別の態様では、2つ、3つ、またはそれ以上のスプール1004a、1004bが固有の軸セクションに結合される。各軸セクションは、たとえば、クラッチを使用して、各軸セクション専用のモータを使用して、モータを位置決めして軸セクションを駆動することなどによって、選択的に、独立して駆動可能であり得る。
【0087】
知られているタイプのクラッチ1020が、各軸1016、1018をスプール1004a、1004bのうちの選択されたそれぞれの1つ(またはそれ以上)に係合させるために含まれ得る。したがって、クラッチ1020が係合すると、所望のスプール1004a、1004bだけが軸1016と一緒に回転する。いくつかの手法では、固有のクラッチ1020が各スプール1004a、1004bに設けられてもよい。他の手法では、クラッチ1020は、軸1016、1018と対象のスプール1004a、1004bとを係合させるように動かすことができる。
【0088】
さらに、任意のタイプのロック・ダウン機構、たとえばブレーキ、ギアなどを現在動作していないスプール1004a、1004bに、その回転を防止するために係合させることができる。
【0089】
図12は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0090】
図12を参照すると、装置1000は、複数のモータ1015を有する駆動機構を含み、各モータ1015は、テープ・スプール対1004のスプール1004a、1004bのそれぞれの1つに、その中心で結合されている。1つの態様では、各スプール1004a、1004bは、専用のモータ1015を有している。別の態様では、1つのモータ1015は、スプール1004a、1004bのサブセットを一緒に、たとえば、2つまたは3つの隣り合うスプール1004a、1004bを駆動することができる。
【0091】
図13Aは、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0092】
図13Aを参照すると、装置1000は、複数のモータ1015を有する駆動機構1006を含み、各モータ1015は、テープ・スプール対1004のスプール1004a、1004bのそれぞれの1つに結合されている。1つの態様では、各スプール1004a、1004bは、専用のモータ1015を有している。別の態様では、1つのモータ1015は、スプール1004a、1004bのサブセットを一緒に、たとえば、2つまたは3つの隣り合うスプール1004a、1004bを駆動することができる。
【0093】
図13Bは、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0094】
図13Bを参照すると、装置1000は、駆動軸1026によって駆動される駆動ホイール1024をスプール1004a、1004bの列ごとに有する駆動機構1006を含む。駆動ホイール1024は、歯付きホイール(歯車)、摩擦係合によってスプール1004a、1004bに係合するゴム縁付きホイールなど、任意のタイプの形態を有し得る。1つの態様では、駆動ホイール1024は、駆動軸1026に沿って選択的に位置決め可能である。ポジショナ1028は、駆動ホイール1024を対象のスプール1004a、1004bと位置合わせするために、駆動ホイール1024を移動させる。u字形の歯車係合部片を有するベルト駆動ポジショナ1028が示されているが、任意の他のタイプのポジショナを使用することができる。
【0095】
ここで明らかになるように、多くの他のタイプの駆動機構1006が、本発明の範囲から逸脱することなく装置1000に使用されてもよい。
【0096】
磁気ヘッド1008は、読み出しモジュールまたは書き込みモジュールあるいはその両方を有するものなど、従来の設計とすることができる。同様に、ヘッド1008の適切な位置決めおよび動作のための、粗アクチュエータおよび精密アクチュエータ、ケーブル配線、サーボ回路およびデータ処理回路などの、追加の従来の構成要素が装置1000に含まれ得る。
【0097】
さらに、様々な手法において、複数のヘッド1008および関連するハードウェア/回路が存在することができ、それによって、複数のデータ操作を同時に行うことが可能になる。1つの態様では、ヘッド1008の数は、図13Cに示されるように、テープ・スプール対1004の数と等しくすることができる。いくつかの手法では、ヘッドは、データ・チャネルまたは他の電子回路あるいはその両方を共有することができる。他の手法では、ヘッド1008は、専用データ・チャネルまたは他の電子回路あるいはその両方を有し得る。
【0098】
位置決め機構1010は、磁気ヘッド1008をテープ・スプール対1004のうちの選択された1つに選択的に位置合わせしてデータ操作を行えるように構成される。任意の適切なタイプの位置決め機構1010が、本明細書の教示による装置1000と共に使用するために適合された既知のタイプの位置決め機構1010を含めて、使用されてもよい。
【0099】
1つの例示的な手法では、位置決め機構1010は、磁気ヘッド1008をそれに沿って位置決め可能にする任意のタイプのガイドを含む。例示的なガイドとしては、磁気ヘッド1008が摺動するレール、磁気ヘッド1008が摺動または進む溝、磁気ヘッド1008が摺動または進むトラックなどが、これだけに限定されないが挙げられる。任意のタイプの位置決め方式が、磁気ヘッド1008をガイドに沿って移動させるために使用されてもよい。1つの手法では、ウォームねじが、ガイドに沿って磁気ヘッド1008を移動させるように構成される。別の手法では、位置決め機構1010は、磁気ヘッド1008に結合されたベルトを含む。プリント・ヘッドをたとえばガイドに沿って移動させるために、インクジェット・プリンタに使用されるものなどの位置決め機構1010が、本開示を読めば当業者に明らかになるように、磁気ヘッド1008の位置決めで使用するのに適合され得る。図13Bは、たとえば、ベルト駆動位置決め機構1010を示す。
【0100】
ここで明らかになるように、多くの他のタイプの位置決め機構1010が、本発明の範囲から逸脱することなく装置1000に使用されてもよい。
【0101】
係合機構1012は、磁気記録テープ1007を磁気ヘッド1008に係合させるために、磁気ヘッド1008とテープ・スプール対1004のうちの選択された1つの磁気記録テープ1007との間に相対的な動きを生成するように構成されている。任意の適切なタイプの係合機構1012が、本明細書の教示による装置1000と共に使用するために適合された既知のタイプの係合機構1012を含めて、使用されてもよい。
【0102】
図14(A)および図14(B)は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0103】
図14(A)および図14(B)を参照すると、係合機構1012は、磁気ヘッド1008を磁気記録テープ1007に向けて移動させるように構成されている。たとえば、アクチュエータが、磁気ヘッド1008を平行移動させて、スプール1004a、1004bの間に延びるテープ1007と係合させるように使用されてもよい。
【0104】
図14(C)および図14(D)は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0105】
図14(C)および図14(D)を参照すると、係合機構1012は、磁気ヘッド1008を磁気記録テープ1007に向けて移動させるように構成されている。たとえば、位置決め機構1010またはその他の機構が、磁気ヘッド1008を回転させてスプール1004a、1004bの間に延びるテープ1007と係合させるように使用されてもよい。
【0106】
図15(A)および図15(B)は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0107】
図15(A)および図15(B)を参照すると、示されている係合機構1012は、磁気記録テープ1007を磁気ヘッド1008に向けて移動させて、テープ1007を磁気ヘッド1008と係合させるように構成されている。図15(A)から図15(B)にかけて示される手法では、1つのテープ・ガイドが後退位置(図15(A))から配備位置(図15(B))に移動し、それによってテープ1007が持ち上げられて磁気ヘッド1008と係合する。後退位置では、磁気ヘッド1008がテープ1007を通り過ぎて、たとえば、隣接するテープ1007へ移動することが可能になる。アクチュエータが、テープ・ガイドを移動させるために使用されてもよい。別の手法では、両方のテープ・ガイドが再配置されてもよい。
【0108】
ここで明らかになるように、多くの他のタイプの係合機構1012が、本発明の範囲から逸脱することなく装置1000に使用されてもよい。
【0109】
図15(A)および図15(B)は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0110】
図16は、1つの手法による装置1000を示す。一選択肢として、この装置1000は、他の図を参照して説明されたものなど、本明細書に列挙された任意の他の手法の特徴と組み合わせて実施されてもよい。しかし、当然ながら、本明細書に提示されたこのような装置1000およびその他は、本明細書に列挙された例示的な手法として具体的に説明されることがあることもないこともある、様々な用途または順列で、あるいはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された装置1000は、任意の所望の環境で使用することができる。
【0111】
図示のように、各テープ・スプール対1004は、受け入れ領域1002に選択的に挿入可能である、取り外し可能なマウント1030に結合されている。この手法により、テープ・スプール対1004の容易な挿入およびハウジング1014からの取り外しが可能になる。
【0112】
マウント1030は、その上に少なくとも1つのテープ・スプール対1004を支持するように構成されている。図示のように、各マウント1030は、その上に1つのテープ・スプール対1004を有する。いくつかの態様では、各マウント1030は、その上に2つのテープ・スプール対1004を、たとえばプレートの各側に1つのテープ・スプール対1004を有することができる。テープ・スプール対1004は、マウント1030に恒久的に取り付けられてよく、あるいはマウント1030が、テープ・スプール対1004を選択的な取り付けられるように、またテープ・スプール1004を選択的に取り外せるように構成されてもよい。恒久的な、または着脱可能な取り付けのための、任意の知られている結合機構が使用されてもよい。
【0113】
装置1000は、係合機構1012、駆動機構1006などの、本明細書の他の箇所に記載の他の特徴を有することができる。たとえば、駆動機構1006は、テープ・スプールの各列を貫通して延びる軸と、その軸に結合された駆動モータとを含み得る。別の態様では、駆動機構1006は、個々のスプールまたはスプールのより小さいグループを駆動する個々のモータ、位置決め可能なモータ(たとえば、ベルト、ウォームねじなどを使用して位置決め可能なもの)などを含み得る。
【0114】
図16にも示されるように、位置決め機構1010は、磁気ヘッド1008を対象のテープ1007と位置合わせするための、磁気ヘッド1008をそれに沿って位置決め可能にするガイドを含む。ウォームねじが、ガイドに沿って磁気ヘッド1008を移動させるために使用されてもよい。他の手法では、位置決め機構1010は、本明細書に記載の他の任意の構成を有し得る。たとえば、位置決め機構1010は、たとえば磁気ヘッド1008をガイドに沿って移動させるための、磁気ヘッド1008に結合されたベルトを含み得る。
【0115】
図17Aは、1つの態様による取り外し可能なマウント1030の詳細図を示す。切り欠き1032を、磁気ヘッド1008が通過できるように設けることができる。他の手法では、切り欠きが存在しないこともある。いずれの手法でも、係合機構1012が、テープ1007を磁気ヘッド1008まで持ち上げる、またはヘッド1008をテープ1007まで下げる、あるいはその両方のために存在し得る。
【0116】
図17Bは、別の手法による取り外し可能なマウント1030を示す。図示の手法では、マウント1030は、テープ・スプール対1004を選択的に駆動するように構成された駆動機構1006を含む。図示のように、駆動機構1006は複数のモータを含み、各モータは、テープ・スプール対1004のスプールのそれぞれの1つに、たとえば直接であったり、ベルト、歯車、ホイールを介したりして、結合されている。好ましい手法では、駆動機構1006は直接駆動機構であり、それに従ってモータは、それぞれのスプール1004a、1004bを直接駆動するようにマウント1030に一体化されている。
【0117】
各マウント1030は、いくつかの手法では、係合機構1012を含む。係合機構1012は、任意の所望の構成を有し得る。図15(A)~図15(B)に示されている態様で磁気記録テープ1007を磁気ヘッド1008に向けて選択的に移動させる、1つの可能な係合機構1012の例示的な動作に関しては、たとえば図15(A)~15Bを参照されたい。
【0118】
さらに別の手法では、各マウント1030は、図17Cに示されるように、磁気ヘッド1008および付随するアクチュエータ、ケーブルなどを含み得る。
【0119】
図10図17Cを参照すると、本明細書に記載の任意の手法による装置1000は、好ましくはコントローラ1034を含み、このコントローラ1034は、以下の機能、すなわち、装置構成要素のうちの1つまたは複数の動作を制御すること、テープ1007上のデータのインデックスを維持すること、読み出し要求に応えること、書き込み要求に応えるためにテープ1007のうちの1つを選択すること、などのうちの1つまたは複数を実施する。コントローラ1034は、装置1000に搭載されたり、その外部にあったりしてもよい。たとえば、オンボード・コントローラ1034は、様々な装置構成要素のそれぞれに電気的に結合し、所望の装置機能を実現するようにプログラムすることができる。
【0120】
装置1000またはコントローラ1034あるいはその両方は、既存の記憶ソフトウェア、記憶コントローラなどと共に機能するように構成することができる。たとえば、装置1000は、ホスト・コントローラまたは記憶コントローラあるいはその両方に、従来のデータ記憶ドライブとして見えるように構成することができ、それによって、既存の記憶ソフトウェアを用いて装置1000を使用することが可能になる。この目的のために適合された既知の技術を使用することができる。
【0121】
装置1000自体は、コンピュータ・ラック内、または他の任意の環境、筐体などの中に取り付けるように寸法設定することができる。
【0122】
装置1000のアレイは、協調して動作するように形成することができ、それによって、現在のディスクベースのデータ記憶システムに匹敵するシーク時間で大量のデータを記憶できるシステムが実現する。したがって、装置1000のアレイを組み込むこのようなシステムは、クラウド記憶、企業レベル記憶などに使用可能である。ここで、本明細書の教示を受けた当業者には、知られているデータ記憶システムの制御およびインターフェース技術を、そのような多装置システムでの使用またはその制御あるいはその両方に適応させることが可能であることが理解されよう。
【0123】
次に図18を参照すると、1つの手法による方法1800のフローチャートが示されている。方法1800は、様々な手法で、とりわけ図1図17Cに示された環境のいずれかにおいて、本発明によって実施することができる。当然ながら、本明細書を読めば当業者には理解されるように、図18で具体的に説明されるものよりも多いまたは少ない動作が方法1800には含まれ得る。
【0124】
方法1800のステップのそれぞれは、動作環境の任意の適切な構成要素によって実施することができる。たとえば、様々な手法では、方法1800は、装置1000もしくはコントローラ1034あるいはその両方、または1つもしくは複数のプロセッサを有する何か他のデバイスによって、部分的にも全体的にも実施することができる。プロセッサ(たとえば処理回路、チップ、または、ハードウェアもしくはソフトウェアあるいはその両方として実装されるモジュールあるいはこれらの組合せであり、好ましくは少なくとも1つのハードウェア構成要素を有する)は、方法1800の1つまたは複数のステップを実施するための任意のデバイスで利用することができる。例示的なプロセッサとしては、それだけには限らないが、中央制御ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)など、これらの組合せ、または当技術分野で知られている他の適切な任意のコンピューティング・デバイスが挙げられる。
【0125】
図18に示すように、方法1800は、位置決め機構1010が、磁気ヘッド1008を装置1000の受け入れ領域1002内の複数のテープ・スプール対1004のうちの選択された1つに選択的に位置合わせするように指示される、動作1802を含む。位置決め機構1010は、図10図17Cを参照して上の例示的な手法で説明したいずれかの特徴を含み得る。
【0126】
動作1804では、係合機構1012が、磁気記録テープ1007を磁気ヘッド1008に係合させるために、磁気ヘッド1008とテープ・スプール対1004のうちの選択された1つの磁気記録テープ1007との間に相対的な動きを生成するように指示される。係合機構1012は、図10図17Cを参照して上の例示的な手法で説明したいずれかの特徴を含み得る。
【0127】
動作1806で、駆動機構1006が、選択されたテープ・スプール対1004を駆動するように指示される。駆動機構1006は、たとえば、図10図17Cを参照して上の例示的な手法で説明したように、モータ1015を含み得る。1つの手法では、選択されたテープ・スプール対1004を駆動するように駆動機構1006に指示することは、選択されたテープ・スプール対1004に結合された一対の駆動モータ1015に、選択されたテープ・スプール対1004を駆動するように指示することを含む。
【0128】
いくつかの態様では、動作1806は、クラッチ1020に駆動機構1006を、選択されたテープ・スプール対1004のスプール1004a、1004bに係合させることを含み得る。
【0129】
動作1808で、磁気ヘッド1008に、選択されたテープ・スプール対1004の磁気記録テープ1007に対してデータ操作(たとえば、読み出しまたは書き込みあるいはその両方)を、たとえば従来のテープ・ドライブで用いられるのと同様の方法で行わせる。
【0130】
次に図19を参照すると、1つの手法による方法1900のフローチャートが示されている。方法1900は、様々な手法で、とりわけ図1図18に示された環境のいずれかにおいて、本発明によって実施することができる。当然ながら、本明細書を読めば当業者には理解されるように、図19で具体的に説明されるものよりも多いまたは少ない動作が方法1900には含まれ得る。
【0131】
方法1900のステップのそれぞれは、動作環境の任意の適切な構成要素によって実施することができる。たとえば、様々な手法では、方法1900は、装置1000もしくはコントローラ1034あるいはその両方、または1つもしくは複数のプロセッサを有する何か他のデバイスによって、部分的にも全体的にも実施することができる。プロセッサ(たとえば処理回路、チップ、または、ハードウェアもしくはソフトウェアあるいはその両方として実装されるモジュールあるいはこれらの組合せであり、好ましくは少なくとも1つのハードウェア構成要素を有する)は、方法1900の1つまたは複数のステップを実施するための任意のデバイスで利用することができる。例示的なプロセッサとしては、それだけには限らないが、CPU、ASIC、FPGAなど、これらの組合せ、または当技術分野で知られている他の適切な任意のコンピューティング・デバイスが挙げられる。
【0132】
動作1902で、駆動機構1006が、選択されたテープ・スプール対1004を駆動するように指示される。駆動機構1006は、たとえば、上の例示的な手法で説明したように、モータ1015、クラッチなどを含み得る。
【0133】
動作1904で、磁気ヘッド1008に、選択されたテープ・スプール対1004の磁気記録テープ1007に対してデータ操作(たとえば、読み出しまたは書き込みあるいはその両方)を、たとえば従来のテープ・ドライブで用いられるのと同様の方法で行わせる。
【0134】
動作1906で、駆動機構1006は、データ操作が行われている間に第2のテープ・スプール対1004に対する第2の動作を行うために、第2のテープ・スプール対1004を駆動するように指示される。第2の動作は、従来のテープ・ドライブによって実施される任意のタイプの動作であってもよい。第2の動作の例としては、テープを一方のスプールから他方のスプールへ小さい張力で移送するテープ・スプール・リフレッシュ動作、第2のテープ・スプールのテープを読み出しまたは書き込みあるいはその両方の動作が実施されるおおよその位置まで移動させるシーク動作などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
動作1906は、複数のテープ・スプール対1004に対して実施されてもよい。
【0136】
次に図20を参照すると、1つの手法による方法2000のフローチャートが示されている。方法2000は、様々な手法で、とりわけ図1図19に示された環境のいずれかにおいて、本発明によって実施することができる。当然ながら、本明細書を読めば当業者には理解されるように、図20で具体的に説明されるものよりも多いまたは少ない動作が方法2000には含まれ得る。
【0137】
方法2000のステップのそれぞれは、動作環境の任意の適切な構成要素によって実施することができる。たとえば、様々な手法では、方法2000は、装置1000もしくはコントローラ1034あるいはその両方、または1つもしくは複数のプロセッサを有する何か他のデバイスによって、部分的にも全体的にも実施することができる。プロセッサ(たとえば処理回路、チップ、または、ハードウェアもしくはソフトウェアあるいはその両方として実装されるモジュールあるいはこれらの組合せであり、好ましくは少なくとも1つのハードウェア構成要素を有する)は、方法2000の1つまたは複数のステップを実施するための任意のデバイスで利用することができる。例示的なプロセッサとしては、それだけには限らないが、CPU、ASIC、FPGAなど、これらの組合せ、または当技術分野で知られている他の適切な任意のコンピューティング・デバイスが挙げられる。
【0138】
動作2002で、選択されたテープ・スプール対1004の磁気記録テープ1007に対して、たとえば従来のテープ・ドライブで用いられているのと同様の方法で書き込み動作が実施される。
【0139】
動作2004で、書き込まれたデータが別のテープ・スプール対にミラーリングされ、それによって冗長性が与えられる。生データは、他のテープ・スプール対に、または冗長性を可能にする他の任意のデータ、たとえばパリティ・データ、エラー修正コード・データなどに、あるいはその両方に書き込むことができる。
【0140】
次に図21を参照すると、1つの手法による方法2100のフローチャートが示されている。方法2100は、様々な手法で、とりわけ図1図19に示された環境のいずれかにおいて、本発明によって実施することができる。当然ながら、本明細書を読めば当業者には理解されるように、図21で具体的に説明されるものよりも多いまたは少ない動作が方法2100には含まれ得る。
【0141】
方法2100のステップのそれぞれは、動作環境の任意の適切な構成要素によって実施することができる。たとえば、様々な手法では、方法2100は、装置1000もしくはコントローラ1034あるいはその両方、または1つもしくは複数のプロセッサを有する何か他のデバイスによって、部分的にも全体的にも実施することができる。プロセッサ(たとえば処理回路、チップ、または、ハードウェアもしくはソフトウェアあるいはその両方として実装されるモジュールあるいはこれらの組合せであり、好ましくは少なくとも1つのハードウェア構成要素を有する)は、方法2100の1つまたは複数のステップを実施するための任意のデバイスで利用することができる。例示的なプロセッサとしては、それだけには限らないが、CPU、ASIC、FPGAなど、これらの組合せ、または当技術分野で知られている他の適切な任意のコンピューティング・デバイスが挙げられる。
【0142】
動作2102で、第1のテープ・スプール対1004の磁気記録テープ1007からデータを読み出す要求が受け取られる。1つの手法では、データのコピーもまた、第2のテープ・スプール対の磁気記録テープ1007に記憶(ミラーリング)される。別の手法では、要求されたデータの複数の部分が複数のテープ・スプール対全体にわたって記憶される。
【0143】
動作2104で、データの一部分が、たとえば従来のテープ・ドライブで用いられるのと同様の方法で、選択されたテープ・スプール対から読み出される。
【0144】
動作2106で、動作2104が実施されている間に、第2のテープ・スプール対の磁気記録テープ1007が、要求データの別の部分のおおよその開始位置に位置決めされる。
【0145】
動作2108で、要求データの他の部分が、たとえば従来のテープ・ドライブで用いられるのと同様の方法で、第2のテープ・スプール対の磁気記録テープ1007から読み出される。デバイス内に1つの磁気ヘッドしか存在しない場合には、そのヘッドを第2のテープ・スプール対まで移動させて、そこからデータを読み出すことができる。
【0146】
この方法2100では、たとえば追加専用モードで書き込むことにより要求されたデータが1つのテープに沿って複数の部分に分散している、ならびに複数のテープにわたって分散している場合に、速度面での利点が得られる。データの第1の部分が検索されている間に第2のテープ・スプール対の磁気記録テープを位置決めすることによって、データの第2の部分には、たとえば、第1のテープ・スプール対の磁気記録テープをデータの次の部分のおおよその位置にスプールするよりも、またはヘッドが利用可能になるまで第2のテープ・スプール対にインデックスを付けるのを待つよりも、速くアクセスすることができる。
【0147】
本発明は、統合化のあらゆる可能な技法的詳細レベルにおけるシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはその組合せとすることができる。コンピュータ・プログラム製品には、プロセッサに本発明の諸態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体が含まれ得る。
【0148】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスが使用するための命令を保持および記憶できる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、それだけには限らないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せでよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには以下のもの、すなわち、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、携帯型コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝の形の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および上記の任意の適切な組合せが含まれる。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体で、電波もしくは他の自由伝搬する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を伝播する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを進む光パルス)、または電線を通して伝送される電気信号などの、一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0149】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング・デバイス/処理デバイスに、またはネットワーク(たとえば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワークまたは無線ネットワークあるいはその組合せ)を介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはその組合せを含み得る。各コンピューティング・デバイス/処理デバイスのネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取り、そのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング・デバイス/処理デバイスの中のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0150】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、または1つもしくは複数のプログラム言語の任意の組合せで書かれたソース・コードもしくはオブジェクト・コードとすることができ、このプログラミング言語には、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語が含まれる。コンピュー可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で全部を、ユーザのコンピュータ上で一部を、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして、ユーザのコンピュータ上で一部を、かつリモート・コンピュータ上で一部を、またはリモート・コンピュータもしくはサーバ上で全部を実行することができる。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータと接続することができ、あるいは、この接続を外部のコンピュータと行うことができる(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネット経由で)。いくつかの実施形態では、たとえば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個人専用にすることによってコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0151】
本発明の諸態様が、本発明の実施形態による、フローチャート図または方法のブロック図あるいはその両方、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品に関して本明細書で説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることを理解されたい。
【0152】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック内で指定された機能/動作を実施する手段を作り出すように、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給されて1つの機械を生み出すことができる。コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、または特定の方法で機能する他のデバイスあるいはその組合せに指示できる、これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック内で指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することもできる。
【0153】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック内で指定された機能/動作を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスにロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で、コンピュータで実施されるプロセスが生じるように実行させることができる。
【0154】
図のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の実現可能な実施形態のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この関連で、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、命令のモジュール、セグメントまたは一部分を表すことができ、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。いくつかの代替実施形態では、ブロック内に示された機能は、図に示された順序から外れて行われることがある。たとえば、連続して示された2つのブロックが、実際には、1つのステップとして達成される、同時に、実質的に同時に、部分もしくは全体として時間的に重ね合わせて実行されることがあり、またはブロックが場合によって、含まれる機能に応じて逆の順序で実行されることがある。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方のブロックの組合せは、特定の機能または動作を行う、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する、専用ハードウェアによるシステムによって実現できることもまた理解されたい。
【0155】
さらに、様々な手法によるシステムが、プロセッサと一体化された、またはプロセッサによって実行可能な、あるいはその両方であるプロセッサおよび論理回路を含むことができ、この論理回路は、本明細書に挙げた処理ステップの1つまたは複数を実施するように構成されている。プロセッサは、個別プロセッサ、または処理ハードウェア、メモリ、I/Oインターフェースのような多くの構成要素を含む処理回路などの、本明細書に記載の任意の構成とすることができる。一体化された、が意味するのは、プロセッサに論理回路が、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGAなどのハードウェア論理回路として埋め込まれているということである。プロセッサによって実行可能な、が意味するのは、論理回路が、ハードウェア論理回路、ファームウェアなどのソフトウェア論理、オペレーティング・システムの一部、アプリケーション・プログラムの一部などである、あるいは、プロセッサによってアクセス可能である、かつプロセッサによって実行されると何らかの機能をプロセッサが行うように構成されている、ハードウェア論理回路とソフトウェア論理の何らかの組合せである、ということである。ソフトウェア論理は、当技術分野で知られている任意のメモリ・タイプの、局所または遠隔あるいはその両方のメモリに記憶することができる。当技術分野で知られている、ソフトウェア・プロセッサ・モジュール、またはASIC、FPGA、中央処理ユニット(CPU)、集積回路(IC)、グラフィック処理ユニット(GPI)などのハードウェア・プロセッサ、あるいはその両方などの、任意のプロセッサが使用され得る。
【0156】
上記のシステムまたは方法あるいはその両方の様々な特徴がどのようにも組み合わされて、上に提示された記述から複数の組合せが作り出され得ることが明らかであろう。
【0157】
本発明の諸態様が、サービスをオン・デマンドで提供するために顧客の利益になるように配備されるサービスの形で提供され得ることがさらに理解されよう。
【0158】
本発明の様々な態様についての記述は説明の目的で提示されているが、網羅的なものでも開示された手法に限定されるものでもない。説明された手法の範囲から逸脱しない多くの修正および変形が業者には明らかであろう。本明細書で使用された術語は、諸手法の原理、実際的な適用もしくは市場で見出される技術についての技法的改善を最善に説明するように、または他の当業者が本明細書に開示された手法を理解できるように、選択された。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21