(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】接着テープに襠も作れるハンディサイズテープカッター
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B65H35/07 H
B65H35/07 F
B65H35/07 G
(21)【出願番号】P 2022176760
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2022-11-16
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】522429169
【氏名又は名称】古田 謙一
(72)【発明者】
【氏名】村上 純子
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-095520(JP,A)
【文献】特開2006-290531(JP,A)
【文献】特開2001-240297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着テープをセットし、前記接着テープを切断するカッター刃を備えるハンディサイズテープカッターであって、
前記カッター刃
と前記接着テープの引き出し口との間に設けられ、引き出された前記接着テープの接着面
を下から先端で突き上げ
て前記接着テープを上方にたわませる突き上げプレートを備え
、
前記突き上げプレートの先端に、接触した前記接着テープの引出し方向には回転するが、巻き取り方向には回転しない逆回転防止ローラーを備えることを特徴とするハンディサイズテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着テープに襠も作れる機能を備えたハンディサイズテープカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
接着テープに襠を作ることができる商品は開発されているが、未だに市場に普及していないのが現状である(特許文献1参照)。
複雑な構造や、構成部品の数の問題等で、製品化した場合にコストがかかりすぎる等が原因ではないかと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それには次のような問題があった。
テープを引き出す際に生ずるテープ張力を利用しているため、テープカッターはそれに耐えられる重量と大きさが必要だった。
テープの張力を必要とするので、テープが伸びて変形してしまう。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るハンディサイズテープカッターは、接着テープをセットし、前記接着テープを切断するカッター刃を備えるハンディサイズテープカッターであって、前記カッター刃と前記接着テープの引き出し口との間に設けられ、引き出された前記接着テープの接着面を下から先端で突き上げて前記接着テープを上方にたわませる突き上げプレートを備え、前記突き上げプレートの先端に、接触した前記接着テープの引出し方向には回転するが、巻き取り方向には回転しない逆回転防止ローラーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
突き上げプレートは、襠を作るために接着テープの接着面を下から、上方に突き上げて、接着テープから襠の形成に必要な分の接着テープを引き出す仕組みなので、襠を作るために必要な接着テープを、最初に引き出しておく必要がなく、小型軽量化が可能で、ハンディサイズテープカッターに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】ハンディサイズテープカッターの可動前の内部構造図である。
【
図3】ハンディサイズテープカッターの可動時の内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について、各図面を参照して説明す
る。
図2(1)を参照。本発明のハンディタイプテープカッター本体(1)に、突き上げプレート(5)
と、バネ(7)により付勢されてい
る回転台(3)及
び、突き上げプレート(5)
と回転台(3)を連動させるための連結ロッド
(4)を備える。
本体ケース(2)には、接着テープ(17)先端を切断する為のカッター刃(16)と、切断後の接着テープ(17)の先端を接着しておく接着台(15)及
び、支軸A(9)と、支軸B(19)を設ける。
図4を参照。回転台(3)には、操作レバー(8)と、ネジ等で連
結するための回転台連結部(10)が設けてあり、連結ロッド連結部A(11)と回転台連結部(10)をネジ等で連結し遊動可能状態にする。
また、連結ロッド連結バー(12)も突き上げプレート連結穴(13)に差込み遊動可能状態にする。
さらに、支軸B(19)を、突き上げプレート支点穴(14)に差込んで突き上げプレート(5)を遊動可能状態にする。
連結することで、操作レバー(8)を動かすと、回転台(3)と連結ロッド(4)及び、突き上げプレート(5)が連動する
。次に、ハンディサイズテープカッターを使い、襠を作りだす工程を説明していく。
図2(2)
を参照。ハンディサイズテープカッター
本体(1)に接着テープ(17)をセットし、接着テープ(17)の先端を引き出し、接着台(15)に接着した状態を示す。
図3(2)を参照。操作レバー(8)を下方向に下げていくと、回転台(3)と連結している連結ロッド(4)及び、突き上げプレート(5)が連動して動きだし、支軸B(19)を支点に、突き上げプレート(5)は、連結ロッド(4)側が下方向に下がりはじめ
、逆回転防止ローラー(6)側は逆に上方向に動きはじめる
。
逆回転防止ローラー(6)側の、突き上げプレート(5)は、弧を描くような動きをしながら、接着テープ(17)の接着面を下から突き上げながら接着テープ(17)を引き出そうと動く。
図6(
2)を参照。この時に、逆回転防止ローラー
(6)のローラー(20)は接着テープ(17)の接着面と接着状態にあり、接着テープ(17)の接着面を下か
ら突き上げ引き出そうとする時
に、ローラー(20)
は引き出す方向に負荷がかかり、連結ブリッジ(21)がローラーストッパー(23)方向に傾く。
ローラーストッパー(23)によ
りローラー(20)は回転できなくなり、接着テープ(17)との接着力で接着テープ(17)の接着面を下から突き上げ上方に引き出すことができる
。
引き出した接着テープ(17
)と接着台(15)に接
着して
いた接着テープ(17)が接着面を下に上方
にたわんで、そのたわみを摘まむと襠
が出来上がる。図3(2)を参照。
襠を摘み接着テープ(17)
を引き出す時に、操作レバー(8)を放すと、回転台(3)はバネ(7)の力で戻り出し
、ローラー(20)は、ローラーストッパー(23)から離れ、連
結ブリッジストッパー(22)で止まる。
図6-(3)を参照。
ローラー(20)は負荷が無くなり、回転しながら
図2-(2)の状態に戻る。
必要分の接着テープを(17)を引き出し、カッター刃(16)で、切断することにより襠を形成した接着テープ(17)ができあがる
。
【0009】
本発明は以上のような構造であるが、操作レバー(8)の設置位置を変えることで、多様性が生まれ、ユーザーの使いやすさが向上する。
また、突き上げプレート自体をバネ等で、付勢することにより、さらにシンプルな構造も可能である。
使用時以外は、ケース蓋を閉じることにより、防塵効果や衛生面にも対応でき、医療現場、作業現場等でポケット等に収納し、持ち運べるので、使いやすさが向上する。
【0010】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更を加えても良いし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0011】
1 ハンディサイズテープカッター本体
2 本体ケース
3 回転台
4 連結ロッド
5 突き上げプレート
6 逆回転防止ローラー
7 バネ
8 操作レバー
9 支軸A
10 回転台連絡部
11 連結ロッド連結部A
12 連結ロッド連結バー
13 突き上げプレート連結穴
14 突き上げプレート支点穴
15 接着台
16 カッター刃
17 接着テープ
18 引き出し口
19 支軸B
20 ローラー
21 連結ブリッジ
22 連結ブリッジストッパー
23 ローラーストッパー
24 連結ブリッジの支軸
25 ケース蓋