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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】保管設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/127 20060101AFI20240731BHJP
   E04H 6/18 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B65G1/127 B
E04H6/18 612A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019236004
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104871
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 順一朗
(72)【発明者】
【氏名】沢村 亮
(72)【発明者】
【氏名】尾城 創
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112048(JP,A)
【文献】特開2019-194420(JP,A)
【文献】米国特許第05601390(US,A)
【文献】特開2006-342501(JP,A)
【文献】特開平9-125732(JP,A)
【文献】特開平7-217242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/127
E04H 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物を保管するための保管設備であって、
互いに隔離された入庫側スペースと出庫側スペースとに面した保管室と、
前記保管室内と前記入庫側スペースを連通させる入庫口と、
前記保管室内と前記出庫側スペースを連通させる出庫口と、
前記複数の対象物を保管する保管装置と、を有し、
前記保管装置は、前記保管室内に設けられており、
前記対象物を保管する複数の保管部と、
前記入庫口に連通する前記保管部である入庫部と、
前記出庫口に連通する前記保管部である出庫部と、
前記保管部の間で前記対象物を搬送可能に構成された搬送装置と、を備え、
前記入庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記入庫側スペースを仕切り、開放することで前記入庫部と前記入庫側スペースとを連通し、前記対象物を入庫可能とする入庫扉が備えられ、
前記出庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記出庫側スペースを仕切る出庫扉が備えられ、
前記入庫扉と前記出庫扉の両方が閉じられたことを含む所定条件が成立したときに前記保管装置の動作を許可し、
前記入庫扉と前記出庫扉の近傍にはそれぞれ安全確認部が備えられ、
前記所定条件は、前記入庫扉と前記出庫扉の両方が開放された場合、前記入庫扉と前記出庫扉のうち最後に開いていた方の近傍にある前記安全確認部への入力を含む、ことを特徴とする保管設備。
【請求項2】
前記保管室は空調機を備え、
前記保管室内で前記対象物を前記入庫側スペースと異なる定常状態で保管する、
請求項1に記載の保管設備。
【請求項3】
前記入庫部または前記出庫部のいずれかと隣接する前記保管部との間には、仕切部材が備えられている、
請求項1又は2に記載の保管設備。
【請求項4】
前記保管室内の、前記保管装置に隣接する位置に操作領域を備え、
前記操作領域には、前記対象物の搬送を指示する操作部が備えられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の保管設備。
【請求項5】
前記入庫口及び前記出庫口と前記操作領域は同一段に備えられている、
請求項4に記載の保管設備。
【請求項6】
前記保管装置と前記操作領域との間には、区画部材が備えられている、
請求項4又は5に記載の保管設備。
【請求項7】
前記操作領域は、前記保管装置に対し、前記入庫口および前記出庫口のない側に隣接している、
請求項4~6のいずれか1項に記載の保管設備。
【請求項8】
前記入庫口と前記出庫口は、同一の前記保管部に連通しており、
前記入庫扉と前記出庫扉の両方を開放することで、前記対象物を前記入庫側スペースから前記保管部を通って前記出庫側スペースに移動可能に構成されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の保管設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの対象物を所定時間保管する保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車などの対象物を所定時間保管する保管設備がある。この保管設備には、例えば、自動車などの対象物を一定温度や一定湿度を保った状態で所定時間保管する定常保管設備などがある。以下、対象物の一例として自動車を例に説明する。例えば輸入自動車の場合、陸揚げされた自動車の洗浄や各種検査、整備、型式指定完成検査などを行うPDI(Pre-Delivery Inspection:出荷前点検)センターと呼ばれる施設がある。機能検査や型式指定完成検査は専用の設備や装置を必要とし、洗浄や外観検査を終えた自動車を専用の設備や装置の近くで待機させるために広いスペースを必要とする場合がある。
【0003】
また、自動車製造工場においても同様に、製品検査や、自動車の改造、整備、試験などを行う設備や装置の近くに自動車を待機させるための広いスペースを設ける場合がある。これは、自動車以外の製品の出荷前点検場や製造工場においても同様である。
【0004】
例えば、この種の先行技術として、複数の自動車を移動可能に保持する保持機構を備えた収容室(以下、「ソーク室」ともいう)を有し、収容室に外部から自動車を搬入可能な第1搬入口と、自動車を収容室から測定室に臨む第2位置まで搬送する縦搬送機構と横搬送機構とを備え、測定室のシャシダイナモメータ上で自動車を走行させ、排気ガス成分測定等の各種測定を行うための自動車用測定補助システムがある(例えば、特許文献1参照)。このような試験を行うときは温度などの条件を一定にして試験を行う必要がある。排気ガス成分測定を行う場合、エンジンを停止した状態の自動車を内部の温度を一定にした収容室に所定時間保管し、その後、各種機器によって性能試験が行われる。
【0005】
自動車の場合、機種、仕様などに応じて各種検査や試験(例えば、排気ガス計測試験、燃費計測試験、衝突試験等)がそれぞれ行われている。検査や試験の種類に応じて、異なる仕様の自動車を一定の環境下に一定時間放置することで、自動車の試験条件を統一し、場所、地域などが異なる環境における試験を模擬することがある。そのような場合、試験を行う自動車は、試験を行う所定時間前からソーク室に入れられて放置され、自動車が所定の条件となった状態で試験が行われる。試験を行う自動車は、例えば、1日に数台~数十台が行われる場合がある。
【0006】
上記自動車用測定補助システムの保持機構では、内部を一定温度に保つ収容室内において複数台の自動車を上下方向に階層状をなして収容するようにしている。
【0007】
この保持機構には、例えば、複数のトレイを収容室内の上下方向に設けられた格納棚で移送させるようにした多層箱型循環式駐車設備が利用可能である(例えば、特許文献2参照)。この駐車設備では、出入口部でトレイに自動車を乗り入れ、そのトレイを第1リフトで昇降させて格納棚に格納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-325354号公報
【文献】特開平7-217246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1では、自動車を昇降させる際に上下で反転させるスペースが必要になる。また、測定室に臨む位置まで自動車を搬送する縦搬送機構と横搬送機構を設けるスペースも必要になる。
【0010】
上記特許文献2では、出入口部と各格納棚との間を連絡する第1リフトと、上下段格納棚の間を連絡する第2リフトでトレイを昇降させる構成であるため、それぞれのリフトには1台ずつしか自動車を格納できない上、第1昇降路に収容室と出入口部を接続する部分を設けるスペースも必要となり多くのスペースが必要となる。また、上記特許文献2では、駐車装置が互いに区画された異なるスペースに面しておらず、駐車設備を通って自動車を異なるスペースの間で行き来させることも、その途中の駐車設備内で自動車を所定時間保管することもできない。
【0011】
さらに、自動車以外の対象物であっても、前工程の作業を完了した製品を整備、検査、試験等を行う場所の近くに待機させる場合や、対象物を一定の温度など(例えば湿度であってもよい)に保った収容室に一定時間放置した後に試験を行う場合には、同様の課題を生じる。
【0012】
しかも、自動車などを一定の温度で保つ場合、収容室の内部を、例えば、-10度や、+40度など、様々な温度で保つ必要があるため、扉や外壁に断熱処理を施す必要があり、設備の外形が大きくなる。
【0013】
そこで、本発明は、複数の対象物を小さいスペースで保管することができ、保管する対象物を互いに区画された複数のスペースの間で適切に入出庫させることができる保管設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の対象物を保管するための保管設備であって、互いに区画された入庫側スペースと出庫側スペースとに面した保管室と、前記保管室内と前記入庫側スペースを連通させる入庫口と、前記保管室内と前記出庫側スペースを連通させる出庫口と、前記複数の対象物を保管する保管装置と、を有し、前記保管装置は、前記保管室内に設けられており、前記対象物を保管する複数の保管部と、前記入庫口に連通する前記保管部である入庫部と、前記出庫口に連通する前記保管部である出庫部と、前記保管部の間で前記対象物を搬送可能に構成された搬送装置とを備え、前記入庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記入庫側スペースを仕切り、開放することで前記入庫部と前記入庫側スペースとを連通し、前記対象物を入庫可能とする入庫扉が備えられ、前記出庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記出庫側スペースを仕切る出庫扉が備えられている。
【0015】
この構成により、複数の保管部に、複数の対象物を保管することができる。保管部に保管した対象物は、保管装置によって任意の保管部と入庫部、出庫部との間で自在に移動させることができ、対象物を入庫又は出庫させることができる。壁などと保管室によって入庫側スペースと出庫側スペースは隔離されており、保管室を通って対象物を入庫側スペースから出庫側スペースへ、出庫側スペースから入庫側スペースへ移動させることができ、その途中で保管室内の保管部で対象物を保管することもできる。しかも、入庫側スペースから出庫側スペースに移動する間に保管室内で対象物の温度や状態を変更し、出庫の準備を行うこともできる。さらに、入庫扉を開放するだけで、入庫側スペースから入庫口を通って対象物を保管部へ運び入れることができる。
【0016】
また、前記保管設備は、入庫部または前記出庫部のいずれかと隣接する前記保管部との間には、仕切部材が備えられていてもよい。
【0017】
このように構成すれば、人が入る保管部から不用意に人が隣接する保管部に移動することを防止し、安全性を高めることができる。
【0018】
また、前記保管設備は、前記入庫扉と前記出庫扉の両方が閉じられたことを含む所定条件が成立したときに前記保管装置の動作を許可するように構成されていてもよい。
【0019】
このように構成すれば、保管設備の安全性を高めることができる。
【0020】
また、前記保管設備は、前記入庫扉と前記出庫扉の近傍にそれぞれ安全確認部が備えられており、前記所定条件には、前記入庫扉と前記出庫扉のうち最後に開いていた方の近傍にある前記安全確認部への入力を含むように構成されていてもよい。
【0021】
このように構成すれば、最後に開いていた扉の近傍で安全確認を行った後に他の扉から人が保管室内に侵入して気づかないということが防止でき、より安全性を高めることができる。さらに、入力が必要な安全確認部をすべての扉を閉鎖する前に特定できるので、全扉を閉鎖する前に安全確認入力を行うこともでき保管部の安全確認を適切に行うことができる。
【0022】
また、前記保管設備では、前記保管室内の、前記保管装置に隣接する位置に操作領域を備え、前記操作領域には、前記対象物の搬送を指示する操作部が備えられていてもよい。
【0023】
このように構成すれば、操作領域において安全性を確保しつつ保管室内の安全確認および保管装置の操作を適切に行うことができる。
【0024】
また、前記保管設備は、前記入庫口及び前記出庫口と前記操作領域は同一段に備えられていてもよい。
【0025】
このように構成すれば、入庫口、入庫部、出庫口、出庫部の安全確認を同じ段の操作領域から適切に行うことができる。
【0026】
また、前記保管設備は、前記保管装置と前記操作領域との間に区画部材が備えられていてもよい。
【0027】
このように構成すれば、操作領域から保管装置内に不用意に人が進入することを防止し安全に操作することができる。
【0028】
また、前記操作領域は、前記保管装置に対し、前記入庫口および前記出庫口のない側に隣接していてもよい。このように構成すれば、入庫口、出庫口を横切ることなく操作領域内を移動しながら安全確認ができるため、適切に安全確認を行うことができる。
【0029】
また、前記入庫口と前記出庫口は、同一の保管部に連通しており、前記入庫扉と前記出庫扉の両方を開放することで、対象物を入庫側スペースから保管部を通って出庫側スペースに移動可能に構成されていてもよい。
【0030】
このように構成すれば、対象物を同一の保管部を通って入庫側スペースから出庫側スペースへ移動させることができる。よって、対象物の通り抜けもできる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、保管する対象物を区画された複数のスペースと保管室との間で適切に入出庫させることができ、保管中に対象物を出庫に適した状態にすることや、複数の対象物を小さいスペースで保管することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る第1保管設備を示す正面図である。
図2図2は、図1に示すII-II矢視の断面図である。
図3図3は、第1操作盤の一例を示す正面図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る第2保管設備を示す正面図である。
図5図5は、図4に示すV-V矢視の断面図である。
図6図6は、第3操作盤の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、対象物として自動車Vを例にし、複数の自動車V(複数の対象物)を定常状態(所定の温度)で保管するための保管設備1,2(定常保管設備)を例に説明する。「定常」は、温度一定状態、湿度一定状態など、一定の状態を保つことをいう。また、保管設備1,2の各構成は、簡略化して説明する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における前後左右方向の概念は、図2に示すように入庫口40の外部から保管部20に向かった状態における前後左右方向の概念と一致するものとする。
【0034】
(第1実施形態に係る第1保管設備の構成)
図1は、第1実施形態に係る第1保管設備1を示す正面図である。図2は、図1に示すII-II矢視の断面図である。図3は、第1操作盤30の一例を示す正面図である。なお、図1は、保管室10の前面の壁材11を取り除いて示している。
【0035】
図1,2に示すように、第1保管設備1は、周囲が壁材11で囲われた保管室10の中に、複数の自動車Vを保管する保管装置29が備えられている。また、保管装置29には、自動車Vを保管する複数の保管部20が備えられている。壁材11には断熱材が用いられており、所定の厚みを有している。この実施形態の保管室10は、例えば、空調機を備え、内部を所定の温度で保つように構成されている。
【0036】
また、上記保管部20は、この実施形態では、2列、3段で複数備えられており、各保管部20には、自動車Vを載置するパレット27が保管される。保管部20は、各隅部の鉛直方向に設けられた主柱21と、この主柱21を水平方向に連結する梁(図示略)等とによって鉄骨構造の枠体22が形成され、この枠体22によって形成されている。この実施形態では、床面12に通じる2段目F2が入出庫段となっており、床面12から地下に掘られたピット13内に最下段の1段目F1が設けられている。保管部20は、この実施形態では最上段の3段目F3と最下段の1段目F1とが、パレット27を左右方向に横行させることができる所定の段となっている。1列目L1と2列目L2の各列においては、パレット27を上下方向に昇降させることが可能となっている。
【0037】
具体的には、保管部20は、1段目F1と3段目F3では、各パレット27を1列目L1と2列目L2との間を矢印Wで示すように横行させることができる。この横行は、横行装置23(搬送装置)によって各パレット27を横行させるようになっている。横行装置23は、各パレット27の下面に設けられたレール部材26を複数の支持ローラ24で支持し、支持ローラ24を横行モータ(図示略)で回転させることで各パレット27を横行させるものを用いることができる。また、保管部20は、1列目L1,2列目L2の各列において、各パレット27を2段目F2と1段目F1との間と、2段目F2と3段目F3との間を矢印Hで示すように昇降させることができる。この昇降は一部を図示する昇降装置25(搬送装置)によって行われる。昇降装置25は、各パレット27に設けられた係止部材(図示略)を、昇降モータ(図示略)で回転駆動する昇降チェーンの係合フック(図示略)で引っ掛けて昇降させるものを用いることができる。横行装置23及び昇降装置25は、他の構成を用いることができる。
【0038】
保管部20に備えられたパレット27は、1つの保管部20を除いて備えられている。パレット27が備えられていない空スペース28に向けてパレット27を移動させることで、各パレット27を各保管部20の間で移動させることができる。自動車Vを載置したパレット27を移動させたい方向に空スペース28を配置し、パレット27を空スペース28の方向に移動させることで、各保管部20の間で移動させることができる。各パレット27の移動は、横行装置23と昇降装置25とを駆動制御することで行われる。
【0039】
2段目F2の入出庫部となっている保管部20には、パレット27の上面が床面12と連なるように車路デッキ14が設けられている。車路デッキ14により、自動車Vを外部の床面12からパレット27に入庫させ、パレット27から外部の床面12に出庫させることができる。パレット27の左右位置には、パレット27と枠体22との間の隙間を塞ぐ歩行デッキ15が設けられている。
【0040】
また、この実施形態では、1つの保管部20に、自動車V(対象物)を入庫させる入庫口40と、自動車V(対象物)を出庫させる出庫口45とが備えられているため、この保管部20は、入庫部であると同時に出庫部でもある。入庫口40には、閉鎖することで保管室10の内部と入庫側スペース3とを仕切り、開放することで入庫部と入庫側スペース3とを連通し、入庫側スペース3からパレット27へ自動車Vを入庫させることができる入庫扉41が備えられている。出庫口45には、閉鎖することで保管室10の内部と出庫側スペースとを仕切り、開放することで保管部20のパレット27から自動車Vを出庫させることができる出庫扉46が備えられている。入庫扉41及び出庫扉46は、開放しているか否かが図示しないセンサによって検知され、少なくとも両扉が閉じられている場合に限り(所定条件)、機械動作が許可される。ここで、機械動作の許可には、機械動作につながる操作を受け付けることを含む。すなわち、少なくとも一方の扉が開いている場合は、機械が動作しないか、機械の動作につながる操作は受け付けられない。なお、自動車Vを入出庫させる保管部20には、図示しない物体検知センサを設けることができる。物体検知センサを設けた場合、物体センサによる物体検知によって全機械動作をインターロックすることができる。
【0041】
第1保管設備1は、保管部20を形成する枠体22に近接した位置が保管室10の壁材11によって囲われており、その壁材11の一部に入庫口40と出庫口45とが設けられ、これらに入庫扉41と出庫扉46とが設けられている。この例の入庫扉41及び出庫扉46は、それぞれ観音開きの扉となっている。扉の形式は、この実施形態に限定されるものではなく、一方に開く一枚扉、上方へ開く扉など、他の形式であってもよい。
【0042】
この第1保管設備1によれば、保管部20を形成する枠体22の近い位置に入庫扉41及び出庫扉46がそれぞれ設けられているため、保管室10の大きさを抑えて、第1保管設備1を小さく構成することが可能となる。
【0043】
そして、この実施形態では、入庫口40の近傍に第1操作盤30(操作部)が備えられ、出庫口45の近傍に第2操作盤35(操作部)が備えられている。第1操作盤30と第2操作盤35とは、同一の構成にできるため、以下の説明では第1操作盤30を例に説明する。なお、第2操作盤35の構成を説明する場合、第1操作盤30の構成の符号に「5」を加えた符号を付して説明する。
【0044】
図3に示すように、第1操作盤30(第2操作盤35)には、入庫口40から自動車Vを入庫させるパレット27を指定する操作、情報表示などを行うタッチパネル31(表示部)が設けられている。図示するタッチパネル31は、呼出すパレット番号32が表示された状態を示している。また、タッチパネル31には、自動車Vを第1保管設備1に入庫させてからの放置継続時間を表示させる情報表示ボタン33がある。これにより、第1保管設備1に入庫させた自動車Vが所定時間を経過しているか否かを確認することができる。自動車Vを入庫させてからの放置継続時間などは、例えば、第1操作盤30にそれぞれを表示させるボタンを設け、作業者が押すことで表示部に表示するようにできる。なお、第1操作盤30のタッチパネル31に表示させる情報は、これらの情報に限定されない。さらに、この実施形態では、第1操作盤30(第2操作盤35)に、保管室10の内部が無人であるなどの安全を確認して押す安全確認部たる安全確認ボタン34が備えられている。なお、安全確認部は、入庫口40または出庫口45の近傍であって、操作盤とは離れた位置に独立して設けてもよく、安全確認ボタンを押す行為を入庫扉41と出庫扉46の両方を閉める動作に兼ねさせることもできる。すなわち、入庫扉41及び出庫扉46の閉鎖検知によって安全確認完了とすることができる。
【0045】
第1操作盤30及び第2操作盤35の制御部は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びI/Oインターフェース等を有する。制御部は、使用者の操作に応じて、不揮発性メモリに保存されたプログラムに基づいてプロセッサが揮発性メモリを用いて演算処理することで各部を動作させる。第1操作盤30及び第2操作盤35は一例であり、上記した例に限定されるものではない。
【0046】
また、第1保管設備1によれば、入庫口40と出庫口45とが2段目F2における保管部20の同一列における前方と後方とに備えられている。これにより、自動車Vを入庫側スペース3から入庫口40を通って保管部20のパレット27へ入庫させること、自動車Vを保管部20のパレット27から出庫口45を通って出庫側スペース4へ出庫させることが同一段の同一列においてできる。
【0047】
(第1保管設備の動作例)
第1保管設備1を使用する一例を説明する。なお、自動車Vを定常状態(定温)で保管する場合、通常、自動車Vは使用者が手で押して移動させているため、以下の説明では自動車Vを手押しで移動させる例を説明する。
【0048】
<入庫>
自動車Vを入庫させる場合、作業者は入庫口40の近傍に備えられた第1操作盤30を操作する。作業者は、第1操作盤30のタッチパネル31に表示されているパレット27の選択画面から、入庫させるパレット27の番号32を押す。これにより、入庫させるパレット27が入庫口40に連なる保管部20(入庫部)に配置される。パレット27が配置されると、作業者は入庫扉41を開放し、入庫口40に連なる保管部20(入庫部)に配置されたパレット27に自動車Vを手押しで入庫させる。この時、出庫扉46は閉じられた状態である。その後、作業者は保管部20における安全確認を行った後、開いている入庫扉41の近傍にある安全確認部(第1操作盤30の安全確認ボタン34)を押し、所定時間内に入庫扉41を閉じる。所定時間は、扉を閉めるのに必要十分な時間とし、例えば10秒でもよい。これにより、自動車Vを保管したパレット27が所定の保管部20に移動させられる。自動車Vを入庫させたパレット27は、所定の保管部20まで移動させても、次のパレット27の呼び出しまでその場に残るようにしてもよい。
【0049】
<出庫>
自動車Vを出庫させる場合、作業者は出庫口45の近傍に備えられた第2操作盤35を操作する。作業者は、タッチパネル36に表示されているパレット27の選択画面から出庫させる自動車Vが保管されているパレット27の番号37を押す。これにより、出庫させるパレット27が出庫口45に連なる保管部20に配置される。パレット27が配置されると、作業者は出庫扉46を開放し、出庫口45に連なる保管部20(出庫部)に配置されたパレット27に保管されている自動車Vを手押しで出庫させる。この時、入庫扉41は閉じられた状態である。その後、作業者は保管部20における安全確認を行った後、開いている出庫扉46の近傍にある安全確認部(第2操作盤35の安全確認ボタン39)を押し、所定時間内に出庫扉46を閉じる。所定時間は、扉を閉めるのに必要十分な時間とし、例えば10秒でもよい。
【0050】
<通り抜け>
自動車Vを保管室10に保管することなく通り抜けさせる場合、入庫側スペース3から保管部20(入庫部、出庫部)を通って出庫側スペース4に通り抜けさせる場合と、出庫側スペース4から保管部20(入庫部、出庫部)を通って入庫側スペース3に通り抜けさせる場合とがある。以下の説明では、入庫側スペース3から出庫側スペース4に向かって通り抜けさせる場合を説明する。作業者は、第1操作盤30のタッチパネル31に表示されているパレット27の空パレットの番号32を押す。これにより、空パレットが入庫口40に連なる保管部20(入庫部)に配置される。そして、作業者は入庫扉41を開放して保管部20に入り、出庫扉46を開放する。そして、自動車Vを手押しで入庫側スペース3から入庫口40、空パレット上、出庫口45を通り出庫側スペース4に出す。その後、作業者は入庫扉41を閉じ、保管部20における安全確認を行った後、開いている出庫扉46の近傍にある安全確認部(第2操作盤35の安全確認ボタン39)を押し、所定時間内に出庫扉46を閉じる。所定時間は、扉を閉めるのに必要十分な時間とし、例えば10秒でもよい。出庫口45から入庫口40に向かって通り抜けさせる場合、反対の動作になる。
【0051】
第1保管設備1によれば、入庫口40と出庫口45とが同一段における保管部20の同一列における前方と後方とに備えられているため、自動車Vを入庫側スペース3から入庫口40を通って保管部20のパレット27へ入庫させることが容易にできる。また、自動車Vを保管部20のパレット27から出庫口45を通って出庫側スペース4へ出庫させることも容易にできる。しかも、自動車Vを入庫側スペース3と出庫側スペース4との間で通り抜けさせることもでき、保管部20に保管する必要のない自動車Vを迅速に通り抜けさせることができる。
【0052】
上記第1保管設備1では、安全確認部を操作した後で扉を閉めているが、安全確認を行った後、扉を閉めてから所定時間以内に安全確認部を操作するようにしてもよい。所定時間は、安全確認部の操作に必要十分な時間とし、例えば5秒としてもよい。入庫扉41と出庫扉46を閉鎖し、後に閉鎖した扉を閉じてから所定時間以内に後に閉鎖した扉の近傍にある安全確認部を操作した場合に、第1操作盤30、第2操作盤35がともに有効になる。
【0053】
(第2実施形態に係る第2保管設備の構成)
図4は、第2実施形態に係る第2保管設備2を示す平面図である。図5は、図4に示すV-V矢視の断面図である。図6は、第3操作盤70の一例を示す正面図である。第2保管設備2も、保管室50の内部を定常状態(所定の温度)で保つ例を説明する。なお、図4は、保管室50の前面の壁材51を取り除いて示している。また、第1保管設備1と同一の構成には、第1保管設備1における符号に「40」を加えた符号を付し、その説明は省略する。
【0054】
図示するように、第2保管設備2は、周囲が壁材11で囲われた保管室50の中に、複数の自動車V(対象物)を保管する保管装置69と、パレット67の呼び出しなどの操作を行う操作領域90とが備えられている。また、保管装置69には、自動車Vを保管する複数の保管部60が備えられている。操作領域90は、保管室50の内部に備えられており、自動車Vを保管するパレット67を保管する2列、3段の保管部60におけるパレット67の横行方向の左方向に隣接して備えられている。なお、操作領域90は、保管室50の形状や、保管装置69の形態に応じて保管部60の他の方向に隣接して設けられていてもよい。操作領域90には、第3操作盤70(操作部)が備えられている。保管部60を形成する枠体62は、上記した第1保管設備1と同一の構成であるため、その説明は省略する。また、保管室50の入庫口80と入庫扉81、及び出庫口85と出庫扉86も第1保管設備1と同一であるため、その説明は省略する。なお、第2保管設備2も、自動車Vを入出庫させる保管部60の部分に物体検知センサを設けることができる。
【0055】
操作領域90は、入庫口80及び出庫口85と連通する保管部60に隣接するように備えられている。操作領域90は、保管部60との間に設けられた区画部材たる区画壁91によって機械が動作する保管部60とは区画されている。区画壁91は、操作領域90から保管部60を目視で直接確認できるようになっている。区画壁91としては、例えば、フェンスやアクリル板などを用いることができる。この実施形態では、保管部60に自動車Vを保管したときに、自動車Vによって隠れる部分を操作領域90から目視で確認できるように、入庫口80と出庫口85に近い位置に反射鏡56が備えられている。区画壁91には、保管部60と操作領域90との間で作業者が出入りする開閉扉たる第1扉92が設けられている。第1扉92により、自動車Vを保管部60に入庫させた作業者は、保管室50から外部に出ることなく操作領域90に移動することができる。そして、操作領域90において、保管部60の安全確認と第3操作盤70の操作を行うことができる。
【0056】
また、操作領域90には、保管室50の外部に出る第2扉93が設けられている。第2扉93により、操作領域90から保管室50の外部に出ることができるとともに、外部から操作領域90に入ることができる。操作領域90は、保管室50の内部に設けられているため、保管室50の内部と同一温度である。よって、作業者が保管部60から操作領域90に移動して第3操作盤70を操作する場合でも、保管室50の内部温度を保った状態にできる。よって、保管室50の内部温度変化を抑えることができる。
【0057】
また、この実施形態の第2保管設備2は、入庫口80と出庫口85に連通する保管部60と、この保管部60に隣接する左右方向で、操作領域90と反対方向に位置する保管部60との間が仕切部材たる仕切壁68によって仕切られている。
【0058】
第2保管設備2も、保管部60を形成する枠体62に近接した位置が保管室50の壁材51によって囲われており、その壁材51の一部に入庫口80と出庫口85とが設けられ、これらに入庫扉81と出庫扉86がそれぞれ設けられている。この例の入庫扉81及び出庫扉86も、それぞれ観音開きの扉となっている。
【0059】
図6に示すように、第3操作盤70には、入庫口80から自動車Vを入庫させるパレット67、出庫口85から出庫させる自動車Vを保管しているパレット67を呼び出す操作、情報表示などを行うタッチパネル71(表示部)が設けられている。図示するタッチパネル71は、呼び出すパレット番号72が表示された状態を示している。また、タッチパネル71には、自動車Vを第2保管設備2に入庫させてからの放置継続時間を表示させる情報表示ボタン73が設けられている。これにより、第2保管設備2に入庫させた自動車Vが所定時間を経過しているか否かを確認することができる。自動車Vを入庫させてからの放置継続時間などは、例えば、第3操作盤70にそれぞれを表示させるボタンを設け、作業者が押すことで表示部に表示するようにできる。なお、第3操作盤70のタッチパネル71に表示させる情報は、これらの情報に限定されない。さらに、この実施形態では、第3操作盤70に、保管部60の内部が無人であるなどの安全を確認して押す安全確認部たる安全確認ボタン74が備えられている。なお、安全確認部は、第1保管設備1と同様に、入庫扉81と出庫扉86の両方を閉める動作に兼ねさせることもできる。
【0060】
この第2保管設備2によっても、保管部60を形成する枠体62の近い位置に入庫扉81及び出庫扉86がそれぞれ設けられているため、保管室50の大きさを抑えて、第2保管設備2を小さく構成することが可能となる。
【0061】
(第2保管設備の動作例)
第2保管設備2を使用する一例を説明する。なお、以下の説明でも、自動車Vを使用者が手で押して移動させる例を説明する。
【0062】
<入庫>
自動車Vを入庫させる場合、作業者は保管室50の操作領域90に通じる第2扉93を開けて操作領域90に入る。そして、第3操作盤70のタッチパネル71に表示されている選択画面から入庫させるパレット67の番号72を押す。これにより、入庫させるパレット67が入庫口80に連なる保管部60に配置される。パレット67が配置されると、作業者は、第1扉92を開けて保管部60に入り、入庫扉81を内側から開放する。第2保管設備2においては、入庫扉81は内側からのみ開放することができようになっている。そして、入庫口80に連なる保管部60に配置されたパレット67に自動車Vを手押しで入庫させる。この時、出庫扉86は閉じられた状態である。その後、作業者は入庫扉81を内側から閉めて第1扉92から操作領域90に入り、第1扉92を閉める。そして、保管部60における安全確認を行った後、第3操作盤70の安全確認ボタン74を押す。
【0063】
第2保管設備2の場合、保管室50の内部における操作領域90において、保管部60の安全確認を横方向から目視で直接行えるため、複雑な構成(安全確認モニタなど)を要することなく適切にできる。自動車Vを保管したパレット67は、所定の保管部60に移動させられる。自動車Vを入庫させたパレット67は、所定の保管部60まで移動させても、次のパレット67の呼び出しまでその場に残るようにしてもよい。そして、作業者は、第2扉93から保管室10の外部に出る。
【0064】
<出庫>
自動車Vを出庫させる場合、作業者は保管室50の操作領域90に通じる第2扉93を開けて操作領域90に入る。そして、第3操作盤70のタッチパネル71に表示されている選択画面から出庫させる自動車Vが保管されているパレット67の番号72を押す。これにより、出庫させるパレット67が出庫口85に連なる保管部60に配置される。パレット67が配置されると、作業者は第1扉92を開けて保管部60に入り、出庫扉86を内側から開放する。第2保管設備2においては、出庫扉86は内側からのみ開放することができようになっている。そして、出庫口85に連なる保管部60に配置されたパレット67に保管されている自動車Vを手押しで出庫させる。この時、入庫扉81は閉じられた状態である。その後、作業者は出庫扉86を内側から閉めて第1扉92から操作領域90に入り、第1扉92を閉める。そして、保管部60における安全確認を行った後、第3操作盤70の安全確認ボタン74を押す。
【0065】
この場合も、保管室50の内部における操作領域90において、保管部60の安全確認を横方向から目視で直接行えるため、複雑な構成(安全確認モニタなど)を要することなく適切にできる。
【0066】
<通り抜け>
自動車Vを保管室50に保管することなく通り抜けさせる場合、作業者は、第2扉93から操作領域90に入り、第3操作盤70のタッチパネル71に表示されているパレット67から空パレットの番号72を押す。これにより、空パレットが入庫口80に連なる保管部60に配置される。そして、作業者は第1扉92から保管部60に入り、入庫扉81と出庫扉86を内側から開放し、自動車Vを手押しで入庫口80(又は出庫口85)から空パレット上を通り出庫口85(又は入庫口80)から出す。その後、作業者は入庫扉81と出庫扉86を内側から閉じ、第1扉92から操作領域90に入って第1扉92を閉じる。そして、保管部60における安全確認を行った後、第3操作盤70の安全確認ボタン74を押した後、第2扉93から保管室50の外部に出る。
【0067】
このように、第2保管設備2によれば、自動車Vを入庫又は出庫させる保管部60に隣接した操作領域90において保管部60の安全確認などを目視で行えるため、作業者が保管室50から外部に出ることがないため、保管室50の内部温度が変化することを抑えることができる。よって、保管室50の内部を一定の温度に保つための空調費用を抑えることが可能となる。しかも、保管部60に隣接する操作領域90において保管部60の安全確認を行うため、迅速な入庫及び出庫の操作を行うことができる。
【0068】
その上、この第2保管設備2によれば、上記したように自動車Vを入庫又は出庫させる保管部60と隣接する保管部60との間を仕切壁68で仕切っているので、入庫口80及び出庫口85と連通する保管部60以外の保管部60に作業者が移動することが無いようにできる。よって、保管部60の安全確認を自動車Vが入庫又は出庫する1つの保管部60にすることができ、迅速な安全確認を行って自動車Vの入庫又は出庫を迅速に行うことが可能となる。
【0069】
また、第2保管設備2でも、入庫口80と出庫口85とが同一段における保管部60の同一列における前方と後方とに備えられているため、自動車Vを入庫口80から出庫口85へと通り抜けさせることもでき、保管部60に保管する必要のない自動車Vを迅速に移動させることができる。
【0070】
さらに、第2保管設備2では、入庫扉81、出庫扉86は、いずれも内側からしか開放できないようになっているため、閉鎖後の安全確認中や、安全確認後に外部から不用意に保管部60内に人が侵入することを防止できる。
【0071】
(その他の変形例)
保管部20は、2列、3段に限定されるものではない。例えば、3列、3段で最下段に入庫口40,80及び出庫口45,85が備えられている構成や、3列、3段で最上段に入庫口40,80及び出庫口45,85が備えられている構成でもよい。これらの場合も、1段目と3段目でパレット27の横行が可能とすることができ、全ての列において昇降が可能なように構成することができる。保管部20の列数及び段数と、横行する所定の段は限定されるものではなく、上記した構成に限定されるものではない。
【0072】
また、入庫口40,80と出庫口45,85とは、同一段における保管部20の同一列における前方と後方に限られるものではない。入庫口40,80と出庫口45,85は、それぞれ互いに隔離された入庫側スペース3と出庫側スペース4に通じる位置に備えられていれば、異なる段、異なる列に備えられていてもよい。
【0073】
さらに、対象物は自動車Vに限られるものではなく、温度、湿度などを一定に保った状態で所定時間保管したい対象物などを保管する設備であれば適用でき、上記した実施形態に限定されるものではない。対象物が自動車でない場合は、人が持ち上げて運搬するなどで移動方向が制限されないため、入庫方向と出庫方向が異なっていてもよく、例えば、入庫口が面する方向と出庫口が面する方向が90度異なっていてもよい。
【0074】
また、上記した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲で種々の構成を変更してもよく、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
【0075】
(総括)
以上のように、上記第1保管設備1及び第2保管設備2によれば、複数列、複数段の保管部20に複数台の自動車V(対象物)を保管することができるので、小さいスペースに複数の自動車V(対象物)を保管することができる。また、自動車V(対象物)を定常状態に保つことも可能である。よって、保管設備1,2の建設コスト削減と、定常状態に保つ場合でも空間の削減による空調コストの削減を図ることが可能となる。しかも、保管する自動車V(対象物)を適切に入出庫させることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 第1保管設備
2 第2保管設備
3 入庫側スペース
4 出庫側スペース
10 保管室
11 壁材
20 保管部
22 枠体
23 横行装置
25 昇降装置
27 パレット
28 空スペース
29 保管装置
30 第1操作盤
31 タッチパネル
34 安全確認ボタン
35 第2操作盤
36 タッチパネル
39 安全確認ボタン
40 入庫口
41 入庫扉
45 出庫口
46 出庫扉
50 保管室
51 壁材
60 保管部
62 枠体
67 パレット
68 仕切壁
69 保管装置
70 第3操作盤
71 タッチパネル
74 安全確認ボタン
80 入庫口
81 入庫扉
85 出庫口
86 出庫扉
90 操作領域
91 区画壁
92 第1扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6