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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20240731BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240731BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240731BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/34
A61K8/37
A61Q1/14
A61Q19/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020130340
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026739
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(72)【発明者】
【氏名】井岡 千紘
【審査官】河村 明希乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-189584(JP,A)
【文献】特開2018-070481(JP,A)
【文献】特開2020-143029(JP,A)
【文献】特開2009-167146(JP,A)
【文献】特開2003-267835(JP,A)
【文献】Bergamot & Rose Cleansing Oil, MINTEL GNPD [ONLINE], 2019.06,[検索日 2024.01.12],インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>(Database accession no.6602181)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレンジング化粧料100質量%に対して、
(A)グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコールのいずれか1種以上である多価アルコールを、75質量%以上85質量%以下
(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を、8質量%以上12質量%以下
(C)ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルのうちいずれか1種以上の非イオン性界面活性剤を、5質量%以上12質量%以下
(D)水を0質量%または、5質量%以下
を含有することを特徴とするクレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温感のあるクレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
クレンジング(メイク落とし)化粧料は、口紅、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ等のメイクアップ化粧料を除去することを主な目的とするものである。
クレンジング化粧料は、少量を手のひらにとって顔や唇をマッサージするようにして使用する。このとき、マッサージに伴って皮膚に温かみを感じさせる発熱作用を有する温感クレンジング化粧料が好まれている。温感クレンジング化粧料は、皮膚の血行促進、洗浄作用向上、薬効成分の吸収促進等の効果が期待できる。また、特にメイクアップ化粧料を除去するために毛穴を開かせるとともに、肌を柔軟にして汚れとのなじみ性、洗浄性を改善することが有効であることも知られている。マッサージに伴う発熱機構として従来から、アルコールや多価アルコールの水和熱を利用するもの(特許文献1、2、3) があり、その他の化学反応熱を利用するもの、無機塩の水和熱を利用するもの、ゼオライトなどの無機粉体の水和熱を利用するものに比べて肌への刺激が低く安全性の観点から好まれて用いられている。しかし、特有の問題もある。アルコールや多価アルコールの水和熱を利用するには、所望する温感を与えるためにこれらの成分を大量に配合する必要が生じ、メイク落ちのよい中程度のHLBの界面活性剤を多価アルコール中に安定的に溶解させることが困難となり、クレンジング効果の低下や使用感の不良などが発生するといった課題があった。
【0003】
また、クレンジング化粧料は、陳列展示したときの美的効果や、クレンジング後に化粧料が混入して着色したり濁ったりしてメイクが落ちたことを見た目で実感することができる効果等の観点から、透明感のある外観のものが求められている。現在のところ、満足できるクレンジング力と皮膚温感作用を併せ持った透明感のあるクレンジング化粧料は提供されていない。本発明者は、鋭意検討を行った結果、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6247849号公報
【文献】特開2017-128567号公報
【文献】特開平11-263719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クレンジング力(メイク落ち)に優れ、温感、透明感があり、安定性に優れたクレンジング化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1.(A)多価アルコール
(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10
(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤
を含有し、
クレンジング化粧料100質量%に対して、(D)水の含有量が5質量%以下であることを特徴とするクレンジング化粧料。
2. クレンジング化粧料100質量%に対して、
(A)多価アルコールを、75質量%以上85質量%以下
(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を、8質量%以上12質量%以下
(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤を、
5質量%以上12質量%以下
を含有することを特徴とする1.に記載のクレンジング化粧料。
3.(A)多価アルコールが、
グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコールのいずれか1種以上を含有することを特徴とする1.又は2.に記載のクレンジング化粧料。
4.(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤が、
ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルのうちいずれか1種以上を含有することを特徴とする1.~3.のいずれかに記載のクレンジング化粧料。
5.透明感を有することを特徴とする、1.~4.のいずれかに記載のクレンジング化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明のクレンジング化粧料は、幅広い剤形の化粧料に対して、優れたクレンジング効果を示す。本発明のクレンジング化粧料は、メイク落ちのよい中程度のHLBの界面活性剤を大量に安定的に配合することができるためクレンジング力(メイク落ち)に優れる。本発明のクレンジング化粧料は、マッサージに伴って皮膚に温かみを感じさせる発熱作用を有し、皮膚の血行促進、洗浄作用向上、薬効成分の吸収促進等の効果が期待できる。さらに、透明感があるため、陳列展示したときの美的効果や、クレンジング後に化粧料が混入して着色したり濁ったりしてメイクが落ちたことを見た目で実感することができる効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の水中油型クレンジング化粧料は、
(A)多価アルコール
(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10
(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤
を含有し、
クレンジング化粧料100質量%に対して、(D)水の含有量が5質量%以下であることを特徴とするクレンジング化粧料に関する。
【0009】
(A)多価アルコール
本発明における多価アルコールは、分子内に水酸基を有するものであり、水和熱により温感を与えることができる。例えば、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンチレングリコール、ポリグリセリン、メチルグルセス、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中で、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコールのいずれか1種以上を含むことが好ましい。
【0010】
本発明のクレンジング化粧料において、多価アルコールの水和熱により所望する温感を与えるには、多価アルコールが、少なくともクレンジング化粧料100質量%に対して75質量%以上であることが好ましく、クレンジング力(メイク落ち)に優れ、透明感があり、安定性に優れたクレンジング化粧料を提供するためには、85質量%以下であることがより好ましい。
【0011】
(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10は、本発明のクレンジング化粧料において、多価アルコール中で後述する光学異方性のある液晶構造体を形成し、(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤の溶解性の向上に寄与すると、本発明者は考えている。
一般的な化粧品原料として市販されているものであれば、とくに限定されることなく使用することができる。サンソフト Q-192Y-C(太陽化学株式会社)、EMALEX DISG-10EX(日本エマルジョン株式会社)、NIKKOL DECAGLYN 2-ISV(日光ケミカルズ株式会社)、SフェイスIS-1002P(阪本薬品工業株式会社)等を例示できる。
本発明のクレンジング化粧料において、(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10は、(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤の溶解性を向上し、温感、透明感を損ねることなく、クレンジング力(メイク落ち)、安定性に優れたクレンジング化粧料を提供するためには、クレンジング化粧料100質量%に対して8質量%以上12質量以下であることが好ましく、9質量%以上11質量%以下であることがより好ましい。
【0012】
(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤
(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤は、本発明のクレンジング化粧料において、主に、メイク落ち(クレンジング力)に寄与する。
【0013】
このような(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20(HLB 11.4)、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20(HLB 12.2)、オクタイソノナン酸ポリグリセリル-20(HLB11.8)、ジオレイン酸ポリグリセリル-10(HLB11.9)、ヘキサカプリル酸ポリグリセリル-20(HLB11.6)、ジカプリン酸ポリグリセリル-6(HLB11)、イソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB13)、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB10.4)等が挙げられる。これらの中で、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20(HLB 12.2)、ジカプリン酸ポリグリセリル-6(HLB11)、イソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB13)、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB10.4)のいずれか1種以上を含有することが好ましい。メイク落ち(クレンジング力)の観点から、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20(HLB 12.2)、ジカプリン酸ポリグリセリル-6(HLB11)のいずれか1種以上を含有することがさらに好ましい。本発明のクレンジング化粧料において、(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤は、温感、透明感を損ねることなく、クレンジング力(メイク落ち)、安定性に優れたクレンジング化粧料を提供するためには、クレンジング化粧料100質量%に対して6質量%以上12質量以下であることが好ましく、7質量%以上11質量%以下であることがより好ましい。
【0014】
(D)水
本発明において、水は、多価アルコールによる水和熱を失するはたらきをするため、クレンジング化粧料100質量%に対して5質量%以下とすることが好ましく、4質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることがさらに好ましく、実質的に含有しないことがとくに好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、本発明のクレンジング化粧料を調整するために意図して水を含有させていないことを意味し、例えば、用いる原材料に意図せず水が含まれている場合などは、水を実質的に含まないことを意味し、より具体的には、クレンジング化粧料100質量%に対して、水の総含有量が1質量%以下となるように調整されることである。
【0015】
本発明のクレンジング化粧料は、光学異方性の透明感がある液状もしくはゲル状である。
【0016】
光学異方性は、偏光板による光透過試験により判別することが可能である。光透過試験とは、光源の光を直行する2枚の偏光板により遮光し、その2枚の偏光板の間に試料を保持して観察する方法である。複屈折による光や縞模様が観察されないことにより光学等方性を確認でき、光学異方性のある構造と区別することができる。本発明において、(A)多価アルコール中で(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10は、光学異方性の構造をとることによって、(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤の溶解性の向上に寄与すると、本発明者は考えている。本発明のクレンジング化粧料において、(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10と(C)(B)成分以外のHLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤との質量比は、40:60~80:20であることが好ましく、50:50~70:30であることがより好ましい。
【0017】
本発明のクレンジング化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、糖類、防腐剤、金属イオン封鎖剤、薬効成分、香料等を含有させることができる。
糖類としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、エリスロース、キシロース、スクロース、ラクトース、ダイフラクトースアンハイドライド、トレハロース等が挙げられる。
【0018】
防腐剤として、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
【0019】
薬効成分としては、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸リン酸エステル、L-アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-グルコシド等のビタミンC類等、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、カフェイン、タンニン酸、γ-オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
【0020】
本発明のクレンジング化粧料は、公知の製造法で調製でき、各成分を秤量後、撹拌混合してクレンジング化粧料とする。
【0021】
なお、本発明でいう「透明感を有する」とは、クレンジング化粧料を1cm四方の石英セルに入れ、紫外可視分光光度計UV-2450(株式会社島津製作所)を用いて測定した660nmの透過率が75%以上のものをいう。
【実施例
【0022】
以下に実施例、比較例を用いた試験を示し、本発明をさらに説明する。
表1に示す組成の実施例1~10、比較例1~16のクレンジング化粧料を常法により調製し、下記に示す評価を行った。なお、比較例3~6、7~9、12~14のクレンジング化粧料は界面活性剤が溶解せず相分離、比較例11,15の化粧料は相分離しないが白濁したため、本発明が所望する外観を有さなかったため、外観以外の異方性、温感、メイク落ち、安定性についての評価を行っていない。
【0023】
【表1】
【0024】
(外観)
透明感の評価は、クレンジング化粧料を1cm四方の石英セルに入れ、紫外可視分光光度計UV-2450(株式会社島津製作所)を用いて測定した660nmの透過率が75%以上の場合に、透明感を有すると判定し、透過率が75%未満の場合に、透明感がないと判定した。外観について以下の基準により判定を行った。
〇:外観が透明で均一に溶解している状態
×:外観が透明だが相分離する、または白濁する、溶解せず析出する等、均一に溶解しない状態
【0025】
(光学異方性)
容量50mLの透明ガラス製容器に充填したサンプルを、直交させた偏光板の間に置いて観察した時の状態により光学異方性の有無を目視評価した。
〇:光の透過が認められる。
×:光の透過が認められない。
【0026】
<安定性>
クレンジング化粧料を容量50mLの透明ガラス製容器ガラス瓶に保管し、40℃1ヶ月で分離等の異常がないか確認した。
〇:40℃1ヶ月分離せず安定
×:40℃1ヶ月以内に分離
【0027】
<温感>
クレンジング化粧料を頬に塗り広げたときに温かさを感じるかを評価した。
〇:十分に温感を感じる
×:温感を感じない
【0028】
<メイク落ち>
人工皮革に口紅を直径1cmになるよう塗布し、十分に乾燥させた後、クレンジング化粧料約50mgをのせ指で円を描くように50回擦り、水で洗い流した。洗い流した後のメイク残りを目視にて確認した。
◎:口紅がほぼ完全に除去されている
〇:口紅の残存がわずかに見られるが概ね除去されている
×:口紅が殆ど落ちていない
【0029】
【表2】
【0030】
界面活性剤の多価アルコールへの溶解性について検討することを目的に、表2に示す組成のクレンジング化粧料を調製し、評価した。その結果、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10以外は、外観が透明で均一に溶解せず、透明だが相分離する、または白濁し、溶解せず析出することが確認できた(比較例3~9、11)。とくにミリスチン酸ポリグリセリル-10とベヘン酸グリセリルを(A)グリセリンに配合した比較例11では、相分離はしないが白濁し、所望する透明感は得られないことが確認できた。
【0031】
【表3】
(A)多価アルコールと(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を組み合わせることにより、温感が得られ、HLBが10以上13以下の非イオン性界面活性剤を安定に配合することができるため、メイク落ちに優れるクレンジング化粧料を得られるが、(A)多価アルコールと(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB11.1)との組み合わせのみでは、所望するメイク落ちがえられないことが確認できた(実施例1~4、比較例2)。(A)多価アルコールと(B)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10の組み合わせに、HLB10未満またはHLB13を超える非イオン性界面活性剤を配合しても、外観が透明で均一に溶解せず、透明だが相分離する、または白濁し、溶解せず析出することが確認できた(比較例12~15)。ベヘン酸グリセリルを用いた比較例15では、相分離はしないが白濁し、所望する透明感は得られないことが確認できた。
【0032】
【表4】
(A)多価アルコールとして、グリセリン以外にも、ジグリセリン、BG、DPG、ペンチレングリコールを1以上組み合わせて用いても、メイク落ちに優れ、温感、透明感があり、安定性に優れたクレンジング化粧料を得られることを確認できた(実施例5~10)。水を2~4質量%配合しても、温感等の性状に優れたクレンジング化粧料を得られることが確認できた(実施例5~10)。水を10%以上含有すると、温感を得られなくなることを確認できた(比較例16)。
【0033】
処方例1
成分 配合量(質量%)
グリセリン 78
DPG 5
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 10
ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20 5
エチルヘキサン酸セチル 2
【0034】
処方例2
成分 配合量(質量%)
グリセリン 63
ジグリセリン 10
ペンチレングリコール 3
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 10
ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20 8
ベタイン 2
水 4
【0035】
処方例3
成分 配合量(質量%)
グリセリン 69
BG 8
メチルグルセス-10 5
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 10
ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)ポリグリセリル-20 5
イソステアリン酸ポリグリセリル-2 3