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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】管継手、配管及び配管システム
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/10 20060101AFI20240731BHJP
   F16L 21/00 20060101ALI20240731BHJP
   F16L 21/02 20060101ALI20240731BHJP
   F16L 47/00 20060101ALI20240731BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20240731BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20240731BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
F16L13/10
F16L21/00 C
F16L21/02 A
F16L47/00
B29C65/48
B32B1/08 Z
B32B7/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020156308
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022049982
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯川 雅己
(72)【発明者】
【氏名】志村 吏士
(72)【発明者】
【氏名】横田 生吹樹
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-071081(JP,A)
【文献】特開平01-009730(JP,A)
【文献】特開平07-047155(JP,A)
【文献】特開2019-218452(JP,A)
【文献】特開2001-130624(JP,A)
【文献】特開昭52-024318(JP,A)
【文献】特開2007-146882(JP,A)
【文献】特開2013-019463(JP,A)
【文献】特開平11-118078(JP,A)
【文献】登録実用新案第3172549(JP,U)
【文献】特開2011-002012(JP,A)
【文献】特開2018-028350(JP,A)
【文献】実開平02-125292(JP,U)
【文献】特開2016-020502(JP,A)
【文献】特開2018-169005(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0025150(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第107602985(CN,A)
【文献】実開平05-057575(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 13/10
F16L 21/00
F16L 21/02
F16L 47/00
B29C 65/48
B32B 1/08
B32B 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受口を端部に備える管継手であって、
第1の樹脂を含む管継手本体と、第2の樹脂を含む受口部材と、接着層とを備え、
前記受口部材は、前記受口において、前記管継手本体の内表面側に配置されており、
前記受口部材は、外表面に環状凹部を1つ以上有し、
前記接着層は、前記受口において、前記管継手本体と前記受口部材との間の一部に配置されており、
前記接着層は、前記受口部材の前記環状凹部の内側に配置されており、
前記第1の樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンであり、
前記第2の樹脂が、硬質塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、又はウレタン樹脂を含み、
前記接着層が、ポリエステル系樹脂と、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂とを含み、
前記接着層が、海部と島部とを有する海島構造を有し、
前記受口部材は、前記受口に接続対象部材を接続して通液したときに、液と接触しない、管継手。
【請求項2】
請求項1に記載の管継手と、
前記管継手の前記受口に接続された接続対象部材とを備える、配管。
【請求項3】
前記接続対象部材が、2層以上の構造を有する多層管であり、
前記多層管の最内層が、前記第1の樹脂を含み、
前記多層管の最外層と、前記管継手の前記受口部材とが、接着接合されている、請求項に記載の配管。
【請求項4】
請求項又はに記載の配管と、
機器とを備える、配管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関する。また、本発明は、上記管継手を用いた配管及び配管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築物の廃水設備及び給水給湯設備等に用いられる管継手が開示されている。図7に示すように、特許文献1に記載の管継手100は、継手本体110と、継手本体110の端部に設けられる複合受口部120とを有する。複合受口部120は、異種の樹脂材料からなる内層120aと外層120bとから構成される。複合受口部120の外層120bは、継手本体110と一体とされている。継手本体110と、複合受口部120の外層120bとは、ポリプロピレン及びポリエチレン等から形成される。複合受口部120の内層120aは、塩化ビニル等から形成される。複合受口部120の内部に樹脂製管部材200の端部が挿入されている。樹脂製管部材200の端部は、内層120aに接着接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-002012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7に示すように、特許文献1に記載の管継手100を用いて、管継手100と樹脂製管部材200とを接続して配管を得たときに、配管の内周面において、内層120aが露出する領域R100が存在する。このため、管継手100を用いた配管では、通液したときに、内層120aと液とが接触し、配管の耐薬性が低下することがある。また、耐薬性が低くなると、内層120aが徐々に劣化し、その結果、止水性が低下することがある。
【0005】
本発明の目的は、耐薬性を高めることができ、かつ長期に亘って止水性を高めることができる管継手を提供することである。また、本発明は、上記管継手を用いた配管及び配管システムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の広い局面によれば、受口を端部に備える管継手であって、第1の樹脂を含む管継手本体と、第2の樹脂を含む受口部材と、接着層とを備え、前記受口部材は、前記受口において、前記管継手本体の内表面側に配置されており、前記接着層は、前記受口において、前記管継手本体と前記受口部材との間に配置されており、前記第2の樹脂が、硬質塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、又はウレタン樹脂を含み、前記接着層が、ポリエステル系樹脂と、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂とを含み、前記接着層が、海部と島部とを有する海島構造を有し、前記受口部材は、前記受口に接続対象部材を接続して通液したときに、液と接触しない、管継手が提供される。
【0007】
本発明に係る管継手のある特定の局面では、前記接着層は、前記受口において、前記管継手本体と前記受口部材との間の一部に配置されている。
【0008】
本発明に係る管継手のある特定の局面では、前記第1の樹脂が、フッ素系樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、又はオレフィン系樹脂である。
【0009】
本発明の広い局面によれば、上述した管継手と、前記管継手の前記受口に接続された接続対象部材とを備える、配管が提供される。
【0010】
本発明に係る配管のある特定の局面では、前記接続対象部材が、2層以上の構造を有する多層管であり、前記多層管の最内層が、前記第1の樹脂を含み、前記多層管の最外層と、前記管継手の前記受口部材とが、接着接合されている。
【0011】
本発明の広い局面によれば、上述した配管と、機器とを備える、配管システムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る管継手は、耐薬性を高めることができ、かつ長期に亘って止水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。
図3図3は、本発明の第3の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。
図4図4は、本発明の第4の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る配管を模式的に示す断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る配管システムを示す概略斜視図である。
図7図7は、従来の管継手を用いた配管を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、以下の図面において、大きさ、厚み及び形状等は、図示の便宜上、実際の大きさ、厚み及び形状等と異なる場合がある。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。図1では、管継手の受口付近の構造が示されている。
【0016】
図1に示す管継手10は、端部に受口を備える。受口には、樹脂管等の接続対象部材が接続される。管継手10は、管継手本体1と、受口部材2と、接着層3とを備える。管継手本体1は、第1の樹脂を含む。受口部材2は、第2の樹脂を含む。第1の樹脂と第2の樹脂とは異なる樹脂である。接着層3は、ポリエステル系樹脂と、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂とを含む。接着層3は、海部と島部とを有する海島構造を有する。
【0017】
受口部材2は、円筒形状を有する。
【0018】
受口部材2は、受口において、管継手本体1の内表面1a側に配置されている。接着層3は、受口において、管継手本体1と受口部材2との間に配置されている。接着層3は、管継手本体1と受口部材2とを接着している。管継手本体1と受口部材2とは、接着層3を介して接着している。接着層3は、受口において、管継手本体1の内表面1a上に配置されている。接着層3は、受口において、管継手本体1の内表面1aの全体に配置されている。接着層3は、受口において、受口部材2の外表面に配置されている。接着層3は、受口において、受口部材2の外表面の全体に配置されている。管継手10では、1つの受口において、1つの接着層3が存在する。
【0019】
管継手10の受口の長さをLとする。接着層3の長さはLである。接着層3の長さ方向は、管継手10の軸方向に対応する。
【0020】
後述の図5に示すように、受口部材2は、受口に接続対象部材を接続して通液したときに、液と接触しない。受口に接続対象部材を接続したときに、受口部材2の内表面は、該接続対象部材によって覆われた状態になる。受口に接続対象部材を接続したときに、受口部材2の内表面は、露出している部分を有さない。
【0021】
このため、本発明に係る管継手では、耐薬性を高めることができ、かつ長期に亘って止水性を高めることができる。
【0022】
図7に示すように、特許文献1に記載の管継手100では、通液したときに、内層120aと液とが接触するため、管継手100を、耐薬性が要求される配管の管継手として、また、高温の液を流すために用いられる配管の管継手として用いることは困難である。
【0023】
これに対して、本発明の管継手では、通液したときに、受口部材が液と接触しないため、耐薬性を高めることができる。さらに、本発明の管継手は、特定の接着層を有するので、継手本体と受口部材とを強固に接着することができ、止水性を効果的に高めることができる。
【0024】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。図2では、管継手の受口付近の構造が示されている。
【0025】
図2に示す管継手10Aは、端部に受口を備える。受口には、樹脂管等の接続対象部材が接続される。管継手10Aは、管継手本体1Aと、受口部材2Aと、接着層3Aとを備える。なお、図1に示す管継手10と、図2に示す管継手10Aとでは、受口部材の形状及び接着層が配置されている位置が異なる。
【0026】
受口部材2Aは、外表面に、1つの凹部を有する。具体的には、受口部材2Aは、外表面に、1つの環状凹部を有する。受口部材2Aは、外表面に、環状凹部を1つ有する円筒形状を有する。
【0027】
受口部材2Aは、受口において、管継手本体1Aの内表面1Aa側に配置されている。接着層3Aは、受口において、管継手本体1Aと受口部材2Aとの間に配置されている。接着層3Aは、受口において、管継手本体1Aと受口部材2Aとの間の一部に配置されている。接着層3Aは、管継手本体1Aと受口部材2Aとを接着している。管継手本体1Aと受口部材2Aとは、接着層3Aを介して接着している。接着層3Aは、受口において、管継手本体1Aの内表面1Aa上の一部に配置されている。接着層3Aは、受口において、受口部材2Aの外表面の一部に配置されている。接着層3Aは、受口部材2Aの環状凹部の内側に配置されている。管継手10Aでは、1つの受口において、1つの接着層3Aが存在する。
【0028】
管継手10Aの受口の長さをLとする。接着層3Aの長さは、Lよりも小さく、1/2×Lよりも小さい。接着層3Aの長さは、1/10×Lよりも大きい。接着層3Aの長さ方向は、管継手10Aの軸方向に対応する。
【0029】
管継手10Aでは、受口の開口端から管継手10Aの軸方向内側に向かって、接着層3Aが存在しない部分と、接着層3Aが存在する部分と、接着層3Aが存在しない部分とをこの順に有する。
【0030】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。図3では、管継手の受口付近の構造が示されている。
【0031】
図3に示す管継手10Bは、端部に受口を備える。受口には、樹脂管等の接続対象部材が接続される。管継手10Bは、管継手本体1Bと、受口部材2Bと、接着層3Bとを備える。なお、図1に示す管継手10と、図3に示す管継手10Bとでは、受口部材の形状及び接着層が配置されている位置が異なる。
【0032】
受口部材2Bは、外表面に、2つの凹部を有する。具体的には、受口部材2Bは、外表面に、2つの環状凹部を有する。受口部材2Bは、外表面に、環状凹部を2つ有する円筒形状を有する。複数の環状凹部は、距離を隔てている。
【0033】
受口部材2Bは、受口において、管継手本体1Bの内表面1Ba側に配置されている。接着層3Bは、受口において、管継手本体1Bと受口部材2Bとの間に配置されている。接着層3Bは、受口において、管継手本体1Bと受口部材2Bとの間の一部に配置されている。接着層3Bは、管継手本体1Bと受口部材2Bとを接着している。管継手本体1Bと受口部材2Bとは、接着層3Bを介して接着している。接着層3Bは、受口において、管継手本体1Bの内表面1Ba上の一部に配置されている。接着層3Bは、受口において、受口部材2Bの外表面の一部に配置されている。接着層3Bは、受口部材2Bの2つの環状凹部のそれぞれの内側に配置されている。管継手10Bでは、1つの受口において、2つの接着層3Bが存在する。
【0034】
管継手10Bの受口の長さをLとする。1つの接着層3Bの長さは、Lよりも小さく、1/2×Lよりも小さい。1つの接着層3Bの長さは、1/10×Lよりも大きい。接着層3Bの長さ方向は、管継手10Bの軸方向に対応する。
【0035】
管継手10Bでは、受口の開口端から管継手10Bの軸方向内側に向かって、接着層3Bが存在しない部分と、接着層3Bが存在する部分と、接着層3Bが存在しない部分と、接着層3Bが存在する部分と、接着層3Bが存在しない部分とをこの順に有する。
【0036】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る管継手を模式的に示す断面図である。図4では、管継手の受口付近の構造が示されている。
【0037】
図4に示す管継手10Cは、端部に受口を備える。受口には、樹脂管等の接続対象部材が接続される。管継手10Cは、管継手本体1Cと、受口部材2Cと、接着層3Cとを備える。なお、図1に示す管継手10と、図4に示す管継手10Cとでは、受口部材の形状及び接着層が配置されている位置が異なる。
【0038】
受口部材2Cは、外表面に、3つの凹部を有する。具体的には、受口部材2Cは、外表面に、3つの環状凹部を有する。受口部材2Cは、外表面に、環状凹部を3つ有する円筒形状を有する。複数の環状凹部は、距離を隔てている。
【0039】
受口部材2Cは、受口において、管継手本体1Cの内表面1Ca側に配置されている。接着層3Cは、受口において、管継手本体1Cと受口部材2Cとの間に配置されている。接着層3Cは、受口において、管継手本体1Cと受口部材2Cとの間の一部に配置されている。接着層3Cは、管継手本体1Cと受口部材2Cとを接着している。管継手本体1Cと受口部材2Cとは、接着層3Cを介して接着している。接着層3Cは、受口において、管継手本体1Cの内表面1Ca上の一部に配置されている。接着層3Cは、受口において、受口部材2Cの外表面の一部に配置されている。接着層3Cは、受口部材2Cの3つの環状凹部のそれぞれの内側に配置されている。管継手10Cでは、1つの受口において、3つの接着層3Cが存在する。
【0040】
管継手10Cの受口の長さをLとする。1つの接着層3Cの長さは、Lよりも小さく、1/2×Lよりも小さい。1つの接着層3Cの長さは、1/10×Lよりも大きい。接着層3Cの長さ方向は、管継手10Cの軸方向に対応する。
【0041】
管継手10Cでは、受口の開口端から管継手10Cの軸方向内側に向かって、接着層3Cが存在しない部分と、接着層3Cが存在する部分と、接着層3Cが存在しない部分と、接着層3Cが存在する部分と、接着層3Cが存在しない部分と、接着層3Cが存在する部分と、接着層3Cが存在しない部分とをこの順に有する。
【0042】
以下、管継手の詳細を更に説明する。
【0043】
(管継手本体)
管継手本体は、第1の樹脂を含む。第1の樹脂は、受口部材に含まれる第2の樹脂とは異なる樹脂である。上記第1の樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0044】
上記第1の樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、及びオレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0045】
上記フッ素系樹脂としては、ポリ(テトラフルオロエチレン)ホモポリマー(PTFE)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
【0046】
上記オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、及びエチレン-α-オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0047】
耐薬性を高める観点からは、上記第1の樹脂は、フッ素系樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、又はオレフィン系樹脂であることが好ましい。この場合には、一般排水用途又は厨房排水用途として好適に用いることができる。また、上記フッ素系樹脂がPTFE又はPVDFである場合には、プラント用途として好適に用いることができる。また、上記オレフィン系樹脂が高分子量高密度ポリエチレンである場合には、平滑性を高めることができる。さらに、上記オレフィン系樹脂が高分子量高密度ポリエチレンである場合には、内表面の粗度を小さくすることができるので、排水の流下性を向上させ、内表面での細菌の繁殖及び油分の固化による滞留を効果的に抑えることができる。このため、上記オレフィン系樹脂が高分子量高密度ポリエチレンである場合には、精密機器からの排水用途、又は医療機器からの排水用途として、好適に用いることができる。
【0048】
上記管継手本体100重量%中、上記第1の樹脂の含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、更に好ましくは98重量%以上である。
【0049】
(受口部材)
受口部材は、管継手の受口において、上記管継手本体の内表面側に配置される部材である。上記受口部材は、上記受口に接続対象部材を接続して通液したときに、液と接触しない。
【0050】
受口部材は、第2の樹脂を含む。機械的強度を高める観点、並びに、管継手本体及び配管の外層との接着性を高める観点から、上記第2の樹脂は、硬質塩化ビニル系樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、又はウレタン樹脂を含む。上記第2の樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0051】
機械的強度をより一層高める観点、並びに、管継手本体及び配管の外層との接着性をより一層高める観点から、上記第2の樹脂は、硬質塩化ビニル系樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、又はウレタン樹脂であることが好ましい。
【0052】
上記硬質塩化ビニル系樹脂としては、(1)塩化ビニルモノマーの単独重合体、(2)塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、(3)塩化ビニル以外の重合体及び共重合体に塩化ビニルがグラフト重合されたグラフト重合体等が挙げられる。
【0053】
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては特に限定されず、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα-オレフィン化合物;塩化アリル、アクリロニトリル等のビニル基を有する化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸等のジカルボン酸化合物;及びN-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のN-置換マレイミド化合物等が挙げられる。上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
上記共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
【0055】
上記塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体としては特に限定されず、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。上記塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0056】
上記塩化ビニル系樹脂100重量%中、塩化ビニルに由来する構造単位の含有率は、好ましくは40重量%以上である。
【0057】
上記硬質塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、好ましくは400以上、好ましくは3000以下である。上記硬質塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記下限以上であると、熱安定性及び疲労特性等の長期性能が損なわれ難い。上記硬質塩化ビニル系樹脂の平均重合度が上記上限以下であると、成形時に高温下にする必要がなくなり、加工性がより一層良好になる。
【0058】
上記硬質塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。
【0059】
上記受口部材は、上記第2の樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、アルキル錫メルカプト化合物及びアルキル錫マレート等の熱安定剤;フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOP)、及びアジピン酸-2-エチルヘキシル(DOA)等の可塑剤;ポリエチレン系ワックス、エステル系ワックス、ステアリン酸、モンタン酸系ワックス、及びカルシウムステアレート等の滑剤;アクリル系耐衝撃性強化剤、及び塩素化ポリエチレン系耐衝撃性強化剤等の耐衝撃性強化剤;顔料;帯電防止剤;難燃剤;炭酸カルシウム、タルク、クレー、及びマイカ等の無機充填剤;メタクリル酸エステル系樹脂等の加工助剤等が挙げられる。
【0060】
上記受口部材の形状は、図1に示すように、円筒形状であってもよい。上記受口部材の形状は、図2~4に示すように、外表面に凹部を有する形状であってもよく、外表面に環状凹部を有する形状であってもよい。上記受口部材の形状は、これら以外の形状であってもよい。
【0061】
上記受口部材は、上記管継手の軸方向に対応する方向にて、複数の凹部又は複数の環状凹部を有していてもよい。上記受口部材が、外表面に凹部又は環状凹部を有する場合に、該凹部又は環状凹部の数は、1つであってもよく、1つ以上であってもよく、2つであってもよく、2つ以上であってもよく、3つであってもよく、3つ以上であってもよく、4つ以上であってもよい。
【0062】
上記受口部材の平均厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。
【0063】
(接着層)
上記接着層は、上記受口において、上記管継手本体と上記受口部材との間に配置される層である。上記接着層により、上記管継手本体と上記受口部材とが強固に接着され、長期に亘って止水性を高めることができる。
【0064】
上記接着層は、海部(第1の領域)と島部(第2の領域)とを有する海島構造を有する。上記接着層は、相分離構造を有する。上記接着層の海島構造の有無は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
【0065】
上記接着層は、ポリエステル系樹脂と、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂とを含む。また、これらの双方の樹脂を用いることで、海島構造を有する接着層を良好に得ることができる。上記ポリエステル系樹脂及び上記極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂は、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0066】
上記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
【0067】
上記極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂におけるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンが挙げられる。
【0068】
上記極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂における極性基としては、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基等が挙げられる。上記極性基は、ポリオレフィン系樹脂の主鎖に導入されていることが好ましい。
【0069】
上記接着層において、上記海部が、ポリエステル系樹脂を相対的に多く含み、かつ、上記島部が、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂を相対的に多く含んでいてもよい。上記接着層において、上記海部が、極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂を相対的に多く含み、かつ、上記島部が、ポリエステル系樹脂を相対的に多く含んでいてもよい。
【0070】
上記接着層100重量%中、上記ポリエステル系樹脂と上記極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂との合計の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。上記合計の含有量が上記下限以上であると、上記管継手本体と上記受口部材との接着力をより一層高めることができ、より一層長期に亘って止水性を高めることができる。
【0071】
上記接着層の融解温度は、好ましくは95℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上、最も好ましくは160℃以上である。上記融解温度が上記下限以上であると、上記管継手本体と上記受口部材との接着力をより一層高めることができ、高温の液体を通液するための用途として本発明の管継手を好適に用いることができる。上記接着層の融解温度は、200℃以下であってもよく、180℃以下であってもよい。
【0072】
上記融解温度は、JIS K6824のC法に準拠して、DSC(示差走査熱量分析)により、10℃/分で温度を上昇させる条件で測定される。
【0073】
上記接着層の長さ、厚み及び配置されている数は特に限定されない。
【0074】
上記接着層の平均厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは2.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。上記接着層の平均厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、上記管継手本体と上記受口部材との接着力をより一層高めることができ、より一層長期に亘って止水性を高めることができる。
【0075】
管継手の受口の長さをLとする。上記受口において、上記接着層の長さの合計は、好ましくは1/10×L以上、より好ましくは1/5×L以上、より一層好ましくは1/3×L以上、更に好ましくは1/2×L以上、特に好ましくは2/3×L以上、最も好ましくはLである。上記接着層の長さの合計が上記下限以上であると、上記管継手本体と上記受口部材との接着力をより一層高めることができ、より一層長期に亘って止水性を高めることができる。ただし、上記受口において、上記接着層の長さの合計は、1/5×L以下であってもよく、1/10×L以下であってもよく、1/15×L以下であってもよい。上記接着層の長さの合計は、1つの受口に複数の接着層が存在する場合に、該接着層の長さの合計である。上記接着層の長さは、1つの受口に1つの接着層が存在する場合に、該接着層の長さである。なお、接着層の長さ方向は、管継手の軸方向に対応する。
【0076】
(管継手の他の詳細)
上記管継手は、例えば、以下の(1)又は(2)の方法により製造することができる。
【0077】
(1)射出成形により受口部材を得る。得られた受口部材を金型にセットし、金型に接着層の材料を注入して、接着層が形成された受口部材を得る。得られた接着層付き受口部材を金型にセットし、金型に管継手本体の材料を注入して管継手本体を射出成形する。このようにして、インサート成形によって管継手を得る。
【0078】
(2)管継手本体の材料と受口部材の材料と接着層の材料とを別々に1種類の金型にセットし、射出可能な複数の射出ノズルを用いて、管継手本体と受口部材と接着層とを同時に射出成形する。このようにして、多色成形によって管継手を得る。
【0079】
上記(1)又は上記(2)の方法では、管継手本体と受口部材とが、接着層により接着される。
【0080】
管継手の形状は特に限定されない。管継手の形状として従来公知の形状を採用することができる。上記管継手は、LT型の管継手であってもよく、JIS K6739等に記載のL字型又は直線型の管継手であってもよく、JIS K6743等に記載の形状を有する管継手であってもよい。また、上記管継手は、一部の受口が金属製の受口となっており、鋼管との接続が可能になっている管継手(金属バルブソケット:接着部は1箇所)であってもよく、ゴム輪により接続が可能になっている差込ソケット及びやり取りソケット等の管継手であってもよく、一部の受口が接着受口になっていない管継手であってもよい。
【0081】
(配管)
本発明に係る配管は、上述した管継手と、上記管継手の前記受口に接続された接続対象部材とを備える。
【0082】
図5は、本発明の一実施形態に係る配管を模式的に示す断面図である。図5では、図1に示す管継手10が用いられている。
【0083】
配管90は、管継手10と、接続対象部材8とを備える。接続対象部材8は、内層81と外層82とを備える2層の構造を有する多層管である。内層81は、最内層であり、表面層である。外層82は、最外層であり、表面層である。接続対象部材8の外層82と、管継手10の受口部材2とが接着層7を介して接着している。接続対象部材8の外層82と、管継手10の受口部材2とが接着接合されている。配管90に通液したときに、受口部材2は、液と接触しない。
【0084】
上記接続対象部材としては、樹脂管等が挙げられる。上記樹脂管は、1層のみの構成を有する単層管であってもよく、2層以上の構造を有する多層管であってもよい。
【0085】
接続対象部材と管継手との接着力を高める観点及び耐薬性を高める観点からは、上記接続対象部材は、樹脂管であることが好ましく、2層以上の構造を有する多層管であることがより好ましい。なお、上記多層管は、3層以上の構造を有する多層管であってもよい。
【0086】
上記多層管は、例えば、最内層と、接着層と、最外層とを備える3層の構造を有する多層管であってもよい。この場合には、最内層と最外層との接着力を高めることができるので、施工性を高めることができる。接着層は、施工時の切断及び熱伸縮により発生する外力に対して耐久性を有する層であることが好ましい。
【0087】
上記多層管の最外層に含まれる樹脂は特に限定されない。上記多層管の最外層に含まれる樹脂は、受口部材と接着可能な樹脂であることが好ましい。上記配管では、上記多層管の最外層と、上記管継手の前記受口部材とが接着接合されていることが好ましい。
【0088】
上記多層管の最外層に含まれる樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、エポキシ系樹脂、及びABS樹脂等が挙げられる。上記樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0089】
上記塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂であってもよい。
【0090】
上記塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は、好ましくは60重量%以上、好ましくは71重量%以下である。上記塩素含有量が上記下限以上であると、耐熱性を高めることができる。上記塩素含有量が上記上限以下であると、成形性を高めることができる。
【0091】
上記塩素含有量は、JIS K7229に準拠して酸素フラスコ燃焼法による中和滴定により求められる。
【0092】
上記塩素化塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、600以上1400以下である。
【0093】
また、上記多層管の最外層は、上記受口部材の項で記載した他の成分を含んでいてもよい。
【0094】
上記多層管の最内層は、上記第1の樹脂を含むことが好ましい。上記多層管の最内層は、上記管継手本体と同一の樹脂(第1の樹脂)を含むことが好ましい。
【0095】
上記多層管の厚みは、特に規定はされないが、成形性の観点から、1mm以上であることが好ましい。多層管の厚み方向の層比率を塩化ビニル系樹脂優位にすることで汎用の塩化ビニル系配管と同等の取り扱い性、及び施工性を得ることができる。
【0096】
(配管システム)
本発明に係る配管システムは、上述した配管と、機器とを備える。
【0097】
図6は、本発明の一実施形態に係る配管システムを示す概略斜視図である。
【0098】
配管システムSは、機器Mと、管継手T1~T4と、樹脂管H1~H4と、排水溝Dとを備える。
【0099】
配管システムSでは、機器Mは、オートクレーブである。配管システムSでは、地上に設置される機器Mで発生した蒸気排水を、地中に配置される排水溝Dに流すことができる。
【0100】
管継手T1は、バルブソケットである管継手本体を備える。管継手T1の一端部T1aは、金属製の受口とされており、一端部T1aには、機器Mに接続された鋼管Kが接続される。管継手T1の他端部T1bには、樹脂管H1の一端が挿入される。
【0101】
管継手T2は、L字型の形状を有する。管継手T2の一端部T2aに、樹脂管H1の他端が挿入される。管継手T2の他端部T2bには、樹脂管H2の一端が挿入される。
【0102】
管継手T3の一端部T3aに、樹脂管H2の他端が挿入される。管継手T3の他端部T3bに、樹脂管H3の一端が挿入される。
【0103】
管継手T4は、L字型の形状を有する。管継手T4の一端部T4aに、樹脂管H3の他端が挿入される。管継手T4の他端部T4bに、樹脂管H4の一端が挿入される。
【0104】
樹脂管H4の他端は、排水溝Dに接続される。
【0105】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0106】
(実施例1)
管継手本体の材料として、ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製「E203GP」)を用意した。
【0107】
受口部材の材料として、硬質塩化ビニル系樹脂(積水化学工業社製)を用意した。
【0108】
接着層の材料として、ポリエステル系樹脂と極性基が導入されたポリオレフィン系樹脂とを含む材料(三菱ケミカル社製「Modic」)を用意した。
【0109】
管継手の作製:
受口部材の材料を射出成形により成形して、外表面に、1つの環状凹部を有する受口部材(図2参照)を作製した。得られた受口部材を金型にセットし、金型に接着層の材料を注入して、接着層が形成された受口部材を作製した。得られた接着層付き受口部材を金型の受口コア部にセットし、金型に管継手本体の材料を注入して管継手本体を射出成形した。このようにして、図2に示す形状を有する管継手(受口末端の口径40A)を作製した。なお、得られた管継手における接着層の厚み及び長さ等は、下記の表1に示す。なお、得られた管継手では、1つの受口に存在する接着層の数が1つであるため、接着層1つあたりの長さは、接着層の長さの合計と一致する。
【0110】
配管の作製:
得られた管継手の受口に、樹脂管(単層管、長さ10cm~15cm程度)を接着接合することにより、配管を作製した。
【0111】
(実施例2)
受口部材における環状凹部の長さを変更したこと、接着層の長さを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、管継手及び配管を作製した。
【0112】
(比較例1)
接着層を形成しなかったこと、管継手の形状を図7に示す形状を有する形状としたこと以外は、実施例1と同様にして、管継手及び配管を作製した。
【0113】
(評価)
(1)耐水圧試験
得られた配管の端部に止水試験治具を取付けた。配管の内部を満水にした状態で、23℃の環境下で0.35MPaの水圧を2分間負荷した。
【0114】
[耐水圧試験の判定基準]
○:漏れが生じない
×:漏れが生じる
【0115】
(2)耐薬性
得られた配管の端部に止水試験治具を取付けた。配管の内部を満水にした状態で通液したときに、液が受口部材に接触するか否かを確認した。
【0116】
[耐薬性の判定基準]
○:液が受口部材に接触しない
×:液が受口部材に接触する
【0117】
管継手の構成及び結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【符号の説明】
【0119】
1,1A,1B,1C…管継手本体
1a,1Aa,1Ba,1Ca…内表面
2,2A,2B,2C…受口部材
3,3A,3B,3C…接着層
7…接着層
8…接続対象部材
10,10A,10B,10C…管継手
81…内層
82…外層
90…配管
D…排水溝
H1,H2,H3,H4…樹脂管
K…鋼管
M…機器
S…配管システム
T1,T2,T3,T4…管継手
T1a,T2a,T3a,T4a…一端部
T1b,T2b,T3b,T4b…他端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7