(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】接続配管及び組配管
(51)【国際特許分類】
F16L 9/19 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
F16L9/19 B
(21)【出願番号】P 2020163129
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】長澤 翔
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 将弘
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-332870(JP,A)
【文献】特開2004-286135(JP,A)
【文献】特開2011-196627(JP,A)
【文献】特開2002-089753(JP,A)
【文献】実開昭56-165293(JP,U)
【文献】米国特許第05108136(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L9/18-9/19,41/02,43/00,47/00,
55/00,57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの先端部が外部に開口する第1接続筒及び第2接続筒と、
前記第1接続筒及び前記第2接続筒の基端部同士を接続する連結部と、
を備え、
前記第1接続筒の第1中心軸線と前記第2接続筒の第2中心軸線とは、同一の基準面上に位置し、
前記第1接続筒と前記第2接続筒とは、互いに、前記第1中心軸線に沿う方向の反対側に向かって開口し、
前記第2接続筒は、前記基準面に平行であって前記第1中心軸線に直交する直交方向に、前記第1接続筒に対して位置をずらして配置され、
前記連結部は、前記基準面に対して直交する厚さ方向の第1側に向かって凸となるように湾曲又は屈曲し、
前記連結部における少なくとも一部である小径管の前記厚さ方向の径は、前記第1接続筒の内径と前記第2接続筒の内径との和の半分よりも小さ
く、
前記第1接続筒の前記第1中心軸線に直交する内周面は円形状であり、
前記連結部を前記厚さ方向に見たときに、前記連結部の長手方向の中間部に配置された中間管の、前記長手方向に直交する内周面は円形状であり、
前記中間管の内径は、前記第1接続筒の内径よりも小さい、接続配管。
【請求項2】
前記第1接続筒の内径及び前記第2接続筒の内径は互いに等しい、請求項1に記載の接続配管。
【請求項3】
前記連結部における前記基準面に対する前記第1側の端と前記基準面との距離は、前記第1接続筒の内径よりも小さい、請求項2に記載の接続配管。
【請求項4】
前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は、互いに平行に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の接続配管。
【請求項5】
前記中間管は、前記第1中心軸線に沿う方向における前記第1接続筒側から前記第2接続筒側に向かうに従い、前記第1中心軸線側から前記第2中心軸線側に向かうように延び、
前記小径管は前記中間管に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の接続配管。
【請求項6】
前記中間管は、前記基準面に沿って延びている、請求項5に記載の接続配管。
【請求項7】
前記連結部は、
前記中間管と、
前記第1接続筒の基端部及び前記中間管にそれぞれ接続された連結管と、
を有し、
前記中間管と前記連結管との接続部分は湾曲している、請求項5又は6に記載の接続配管。
【請求項8】
前記小径管は、前記基準面よりも前記第1側のみに配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の接続配管。
【請求項9】
前記基準面に直交する方向に見たときに、前記小径管における前記連結部の長手方向の中心と前記第1中心軸線との距離、及び前記小径管の前記長手方向の中心と前記第2中心軸線との距離は、互いに等しい、請求項1から8いずれか一項に記載の接続配管。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の接続配管を2つ組み合わせた組配管であって、
前記2つの接続配管それぞれにおける前記連結部が、互いの前記連結部が凸となる向きが反対側となるように配置され、
前記2つの接続配管それぞれにおける前記小径管が、前記厚さ方向に重なるように配置されている、組配管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続配管及び組配管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、配管の改修分野では、壁の表側に配管を配置し、配管を配管カバーで保護する場合がある。配管には、例えば、給水用の配管である給水管、及び給湯用の配管である給湯管がある。これら給水管及び給湯管を互いに平行に配置した平行配管を収めるペアカバーの使用が、増加している(例えば、特許文献1参照)。
平行配管をT字状に分岐(以下、T字分岐と言う)させる時、両方の平行配管が交差する部分に干渉せずに収まるペアカバーが使用されている。そして、このペアカバー内に収まり、前記T字分岐を構成するペアカバー対応継手がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-264402号公報
【文献】特開2020-133776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
T字分岐よりも上流側における給水管及び給湯管において、給水管及び給湯管を左右のいずれに配置するかは、決められていない。
しかし、一般的に、T字分岐よりも下流側では、例えば、向かって右側に給水管を配置し、向かって左側に給湯管を配置すると決められている。
【0005】
ペアカバーの外観を向上させるために、ペアカバーを薄くすることが行われている。この場合、給水管及び給湯管をペアカバーの厚さ方向に重ねた状態で、ペアカバー内に収めることができないことがある。この場合、T字分岐よりも下流側で給水管及び給湯管を左右誤って施工したときに、この下流側の給水管及び給湯管を、ペアカバーに収まるように左右に交差させることはできない。この場合、T字分岐を配置し直す必要があるため、多くの工数が掛かる。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、T字分岐を配置し直すことなく、T字分岐よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる接続配管、及びこの接続配管を一対備える組配管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の接続配管は、互いの先端部が外部に開口する第1接続筒及び第2接続筒と、前記第1接続筒及び前記第2接続筒の基端部同士を接続する連結部と、を備え、前記第1接続筒の第1中心軸線と前記第2接続筒の第2中心軸線とは、同一の基準面上に位置し、前記第1接続筒と前記第2接続筒とは、互いに、前記第1中心軸線に沿う方向の反対側に向かって開口し、前記第2接続筒は、前記基準面に平行であって前記第1中心軸線に直交する直交方向に、前記第1接続筒に対して位置をずらして配置され、前記連結部は、前記基準面に対して直交する厚さ方向の第1側に向かって凸となるように湾曲又は屈曲し、前記連結部における少なくとも一部である小径管の前記厚さ方向の径は、前記第1接続筒の内径と前記第2接続筒の内径との和の半分よりも小さく、前記第1接続筒の前記第1中心軸線に直交する内周面は円形状であり、前記連結部を前記厚さ方向に見たときに、前記連結部の長手方向の中間部に配置された中間管の、前記長手方向に直交する内周面は円形状であり、前記中間管の内径は、前記第1接続筒の内径よりも小さいことを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、接続配管を一対用意する(以下では、一対の接続配管のうち、一方を第1接続配管と言い、他方を第2接続配管と言う)。例えば、第1接続配管が配置された位置から、基準面上に配置される軸線であって、第1中心軸線と第2中心軸線との間に配置される軸線回りに半回転させた位置に、第2接続配管を配置する。このとき、第1接続配管の厚さ方向の第1側に向かって凸となるように湾曲又は屈曲した第1接続配管の連結部と、第1接続配管の厚さ方向の第2側に向かって凸となるように湾曲又は屈曲した第2接続配管の連結部とを、互いに交差させる。さらに、第1接続配管の厚さ方向に見たときに、第1接続配管の小径管と第2接続配管の小径管とが重なるように配置する。以下では、上記のような第1,2接続配管の配置を、組み合わせ配置と言う。
このとき、第1,2接続配管において、第1接続配管の第1中心軸線に沿う方向の第1側に、第1接続配管の第1接続筒及び第2接続配管の第1接続筒が配置され、第1接続配管の第1中心軸線に沿う方向の第2側に、第1接続配管の第2接続筒及び第2接続配管の第2接続筒が配置される。第1接続配管の第1接続筒及び第2接続配管の第2接続筒が、第1接続配管の第1中心軸線に沿う方向に並べて配置される。第2接続配管の第1接続筒及び第1接続配管の第2接続筒が、第1接続配管の第1接続筒及び第2接続配管の第2接続筒に対して第1接続配管の直交方向の同じ側に位置をずらして配置される。
【0009】
以上のように配置された第1,2接続配管では、例えば、第1接続配管の第1接続筒内にT字分岐側の給湯管(配管)が接続され、第2接続配管の第1接続筒内にT字分岐側の給水管(配管)が接続される。第1接続配管の第2接続筒内に第1,2接続配管よりも下流側の給湯管が接続され、第2接続配管の第2接続筒内に第1,2接続配管よりも下流側の給水管が接続される。
このとき、第1接続配管の小径管及び第2接続配管の小径管における、第1接続配管の厚さ方向の長さの和(以下、小径管の合計厚さと言う)を、第1接続筒の内径と第2接続筒の内径との和よりも小さくすることができる。第1接続筒内に接続される配管の外径、及び第2接続筒内に接続される配管の外径の和を、小径管の合計厚さよりも長くできる。このため、例えば、第1,2接続配管等を、ペアカバーに収めて用いることができる。
【0010】
T字分岐と第1,2接続配管との間の給水管及び給湯管は配管し直すことなく、例えば長さを調節して、第1,2接続配管の第1接続筒に接続される。第1接続配管の基準面に直交する方向に見たときに、第1接続配管の中間管及び第2接続配管の中間管が互いに交差しているため、第1,2接続配管よりも下流側の給水管及び給湯管は、第1接続配管の直交方向に入れ替わっている。
従って、T字分岐を配置し直すことなく、T字分岐よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる。
【0011】
また、前記接続配管において、第1接続筒の内径及び前記第2接続筒の内径は互いに等しくてもよい。
この発明によれば、第1接続筒内及び第2接続筒内に、同一の外径を有する配管をそれぞれ容易に接続することができる。
【0012】
また、前記接続配管において、前記連結部における前記基準面に対する前記第1側の端と前記基準面との距離は、前記第1接続筒の内径よりも小さくてもよい。
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、第1接続配管の基準面と第2接続配管の基準面とを同一面上に位置させたときに、小径管の合計厚さを第1接続筒の内径の2倍よりも小さくすることができる。この場合にも、例えば、第1,2接続配管等を、ペアカバーに収めて用いることができる。
【0013】
また、前記接続配管において、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は、互いに平行に配置されていてもよい。
この発明によれば、例えば、第1接続配管を前記軸線回りに回転させたときに、例えば、第1接続配管の第1中心軸線と第2接続配管の第2中心軸線とを、同軸上に容易に配置することができる。このため、第1接続配管の第1接続筒に接続される配管と、第2接続配管の第2接続筒に接続される配管とを、同軸上に容易に配置することができる。
【0014】
また、前記接続配管において、前記中間管は、前記第1中心軸線に沿う方向における前記第1接続筒側から前記第2接続筒側に向かうに従い、前記第1中心軸線側から前記第2中心軸線側に向かうように延び、前記小径管は前記中間管に設けられていてもよい。
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、第1接続配管の基準面に直交する方向に見たときに、第1接続配管の中間管は、第1接続配管の第1中心軸線に沿う方向における第1接続配管の第1接続筒側から第2接続筒側に向かうに従い、第1接続配管の第1中心軸線側から第2中心軸線側に向かうように延びている。第2接続配管の中間管は、第1接続配管の第1中心軸線に沿う方向における第1接続配管の第1接続筒側から第2接続筒側に向かうに従い、第1接続配管の第2中心軸線側から第1中心軸線側に向かうように延びている。すなわち、第1接続配管の中間管及び第2接続配管の中間管を互いに交差させて、これらの中間管が互いに干渉しないようにすることができる。
【0015】
また、前記接続配管において、前記中間管は、前記基準面に沿って延びていてもよい。
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、第1接続配管の基準面と第2接続配管の基準面とを同一面上に位置させたときに、第1接続配管の中間管と第2接続配管の中間管との間に形成される隙間を、第1接続配管の基準面に沿う方向から容易に視認することができる。
【0016】
また、前記接続配管において、前記連結部は、前記中間管と、前記第1接続筒の基端部及び前記中間管にそれぞれ接続された連結管と、を有し、前記中間管と前記連結管との接続部分は湾曲していてもよい。
この発明によれば、例えば、連結管から中間管に向かって流れる水の、接続部分における圧力損失を低く抑えることができる。
【0017】
また、前記接続配管において、前記小径管は、前記基準面よりも前記第1側のみに配置されていてもよい。
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、第1接続配管の基準面と第2接続配管の基準面とを同一面上に位置させたときに、第1接続配管の小径管は第1接続配管の基準面よりも第1側のみに配置され、第2接続配管の小径管は第1接続配管の基準面よりも第2側のみに配置される。従って、第1接続配管の小径管と第2接続配管の小径管とを互いに干渉しなくすることができる。
【0018】
また、前記接続配管において、前記基準面に直交する方向に見たときに、前記小径管における前記連結部の長手方向の中心と前記第1中心軸線との距離、及び前記小径管の前記長手方向の中心と前記第2中心軸線との距離は、互いに等しくてもよい。
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、第1接続配管の基準面と第2接続配管の基準面とを同一面上に位置させ、第1接続配管の小径管と第2接続配管の小径管とを厚さ方向に重ねる。このときに、第1接続配管の第1接続筒及び第2接続配管の第2接続筒が同軸上に配置され、第1接続配管の第2接続筒及び第2接続配管の第1接続筒が同軸上に配置される。従って、第1,2接続配管全体としての直交方向の長さを短くすることができる。
【0019】
また、本発明の組配管は、前記のいずれかに記載の接続配管を2つ組み合わせた組配管であって、前記2つの接続配管それぞれにおける前記連結部が、互いの前記連結部が凸となる向きが反対側となるように配置され、前記2つの接続配管それぞれにおける前記小径管が、前記厚さ方向に重なるように配置されていることを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、組み合わせ配置した第1,2接続配管において、厚さ方向に重なった両小径管における小径管の合計厚さを、第1接続筒の内径と第2接続筒の内径との和よりも小さくすることができる。従って、T字分岐を配置し直すことなく、T字分岐よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の接続配管によれば、T字分岐を配置し直すことなく、T字分岐よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態の第1接続配管が用いられる配管構造の正面図である。
【
図5】同第1接続配管により構成される組み配管の正面図である。
【
図9】同配管構造を建築物に施工する手順を示す図である。
【
図10】同配管構造を建築物に施工する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る接続配管の一実施形態が用いられる配管構造を、
図1から
図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、この配管構造1は、建築物100の壁101の表側に取付けて用いられる。壁101は、図示しない支持面から上方に向かって延びている。
配管構造1は、上流側平行配管10と、第1下流側平行配管15と、第2下流側平行配管20と、第3下流側平行配管25と、ペアカバー対応継手30と、組配管40と、ペアカバー60と、を備えている。
なお、
図1、及び後述する
図5では、ペアカバー60を二点鎖線で示している。
【0024】
上流側平行配管10は、給水管(配管)11と、給湯管(配管)12と、を備えている。なお、以下では、給湯管にハッチングを付して示している。管11,12には、エスロン エスロペックスCV/保温付 エスロペックス(登録商標、積水化学工業株式会社製)を好ましく用いることができる。エスロン エスロペックスCV/保温付 エスロペックスは、ともに保温性能に優れている。給水管11及び給湯管12では、外周面の色のみが互いに異なる。例えば、給水管11の外周面は水色であり、給湯管12の外周面はオレンジ色である。給水管11及び給湯管12の外径は、互いに等しい。
なお、管11,12は、湾曲した形状に変形させることができる。例えば、給水管11として、呼び径13の保温付 エスロペックスが用いられる。この場合の給水管11の外径は、21.0mmである。
例えば、管11,12は、壁101上で、水平面に沿うようにそれぞれ配置されている。給湯管12は、給水管11よりも上方に配置されている。
【0025】
第1下流側平行配管15は、給水管16と、給湯管17と、を備えている。管16,17は、管11,12と同様に配置されている。管16,17は、管11,12に対して水平面に沿う一方側に配置されている。
第2下流側平行配管20は、給水管21と、給湯管22と、を備えている。例えば、管21,22は、壁101上で、上下方向に沿うようにそれぞれ配置されている。壁101に向かって見たときに、給水管21は、給湯管22よりも左側に配置されている。
第3下流側平行配管25は、給水管26と、給湯管27と、を備えている。管26,27は、壁101上で、上下方向に沿うようにそれぞれ配置されている。壁101に向かって見たときに、給水管26は、給湯管27よりも右側に配置されている。給水管26、給湯管27は、給湯管22、給水管21の下方にそれぞれ配置されている。
給水管16,21,26は、長さ以外は給水管11と同様に構成され、給湯管17,22,27は、長さ以外は給湯管12と同様に構成されている。
【0026】
ペアカバー対応継手30は、T字分岐である。ペアカバー対応継手30は、第1チーズ31Aと、第2チーズ31Bと、を備えている。
本実施形態では、第1チーズ31Aの構成と第2チーズ31Bの構成とは、互いに同一である。このため、第1チーズ31Aの構成を、符号の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「A」を付加することで示す。第2チーズ31Bのうち第1チーズ31Aに対応する構成を、第1チーズ31Aの符号と同一の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「B」を付加することで示す。これにより、重複する説明を省略する。例えば、第1チーズ31Aの後述する第1平行接続部32Aと第2チーズ31Bの第1平行接続部32Bとは、互いに同一の構成である。後述する第1接続配管41A及び第2接続配管41Bについても、同様である。
【0027】
第1チーズ31A及び第2チーズ31Bは、公知の継手である。第1チーズ31Aは、第1平行接続部32Aと、第2平行接続部33Aと、直交接続部34Aと、を備えている。第1平行接続部32A及び第2平行接続部33Aは、同一の第1軸線(不図示)上に配置されている。直交接続部34Aは、前記第1軸線に直交する第2軸線(不図示)上に配置されている。第1チーズ31Aは、第1軸線が水平面に沿って延び、直交接続部34Aが下方に向かって開口するように配置されている。
第2チーズ31Bの直交接続部34Bは、第1チーズ31Aの直交接続部34Aよりも、壁101に向かって見たときに右側に配置されている。
第1チーズ31Aにおいて、第1平行接続部32Aは、給水管11に接続されている。第2平行接続部33Aは、給水管16に接続されている。直交接続部34Aは、給水管21の第1端部(上端部)に接続されている。
第2チーズ31Bにおいて、第1平行接続部32Bは、給湯管12に接続されている。第2平行接続部33Bは、給湯管17に接続されている。直交接続部34Bは、給湯管22の第1端部に接続されている。
【0028】
組配管40は、本実施形態の第1接続配管(接続配管)41Aと、本実施形態の第2接続配管(接続配管)41Bと、を備えている。第1接続配管41A及び第2接続配管41Bは、互いに同一の構成である。すなわち、組配管40は、接続配管41Aを表裏逆にして2つ組み合わせている。以下では、第1接続配管41Aについて説明する。
図2から
図4に示すように、第1接続配管41Aは、第1接続筒42Aと、第2接続筒43Aと、連結部44Aと、を備えている。
第1接続筒42A及び第2接続筒43Aには、配管が挿し込まれる円筒状の受口が、それぞれ形成されている。具体的には、第1接続筒42A及び第2接続筒43Aは、互いの先端部42aA,43aAが第1接続配管41Aの外部に開口する筒状にそれぞれ形成されている。本実施形態では、第1接続筒42Aの第1中心軸線42cA及び第2接続筒43Aの第2中心軸線43cAは、互いに平行に配置されている。すなわち、第1中心軸線42cAに沿う方向、及び第2中心軸線43cAに沿う方向は、同一である。以下では、第1中心軸線42cAに沿う方向を、軸線方向Xと言う。
【0029】
第1接続筒42Aの先端部42aAは、軸線方向Xの第1側X1(以下では、単に第1側X1とも言う)に向かって開口している。第2接続筒43Aの先端部43aAは、軸線方向Xの第2側X2(以下では、単に第2側X2とも言う)に向かって開口している。第2側X2は、第1側X1とは反対側である。言い換えれば、第1接続筒42Aと第2接続筒43Aとは、互いに軸線方向Xの反対側に向かって開口している。
ここで、第1中心軸線42cA及び第2中心軸線43cAを含む平面を、第1基準面(基準面)47Aと規定する。言い換えれば、第1中心軸線42cAと第2中心軸線43cAとは、同一の第1基準面47A上にそれぞれ位置している。
図2は、第1基準面47Aに対して直交する厚さ方向Zに見た、第1接続配管41Aの正面図である。
図2から
図4に示すように、第1基準面47Aに直交し、第1中心軸線42cAを含む平面を、第2基準面48Aと規定する。第1基準面47Aに直交し、第2中心軸線43cAを含む平面を、第3基準面49Aと規定する。
第1基準面47Aに平行であって第1中心軸線42cAに直交する方向を、直交方向Yと規定する。
第1基準面47A上に配置される軸線であって、第1中心軸線42cAと第2中心軸線43cAとの間に配置される軸線を、基準軸線50Aと規定する。
【0030】
第2接続筒43Aは、第1接続筒42Aに対して、直交方向Yに位置をずらして配置されている。ここで言う第2接続筒43Aが第1接続筒42Aに対して、直交方向Yに位置をずらして配置されているとは、第1中心軸線42cAと第2中心軸線43cAとが一致せず、直交方向Yにずらして配置されていることを意味する。
第1接続筒42Aの内径(受口の径)L1及び第2接続筒43Aの内径(受口の径)L2は、互いに等しい。ここで言う第1接続筒42Aの内径L1とは、第1接続筒42Aのうち、給湯管22等の配管が挿入される部分の内径の最小値のことを意味する。例えば、第1接続筒42Aの内径L1は、22.0mmである。
【0031】
後述するように、第1接続筒42A内には、給湯管22が挿入される。第1接続筒42Aは、公知の構成により、第1接続筒42A内に挿入された給湯管22を固定したり、この固定を解除したりすることができる。
第2接続筒43Aについても、第1接続筒42Aと同様である。
【0032】
連結部44Aは、第1接続筒42A及び第2接続筒43Aの基端部42bA,43bA同士を接続している。連結部44Aの長手方向の両端部における外周面には、図示はしないが、基端部42bA,43bAがねじ結合又は係止結合するためのねじ山もしくは凹溝、凸条が設けられている。連結部44Aは、金属製の鋳物である。
図4に示すように、連結部44Aは、厚さ方向Zの第1側Z1(第1基準面47Aに対する第1側。以下では、単に第1側Z1とも言う)に向かって凸となるように湾曲している。以下では、厚さ方向Zにおける第1側Z1とは反対側を第2側Z2と言う。
連結部44Aは、第1連結管(連結管)52Aと、中間管53Aと、第2連結管54Aと、を備えている。
【0033】
中間管53Aは、連結部44Aの長手方向の中間部に配置されている。
図2に示すように、中間管53Aは、軸線方向Xにおける第1接続筒42A側から第2接続筒43A側に向かうに従い、第1中心軸線42cA側から第2中心軸線43cA側に向かうように延びている。中間管53Aは、軸線方向Xに対して傾斜している。
図3及び
図4に示すように、中間管53Aは、第1基準面47Aに沿って延びている。
図2から
図4に示すように、中間管53Aにおける前記長手方向の中間部には、小径管55Aが設けられている。小径管55Aは、中間管53Aにおける第1側Z1に最も突出した部分である。小径管55Aは、第1基準面47Aよりも第1側Z1のみに配置されている。言い換えれば、小径管55Aの全てが、第1基準面47Aよりも第1側Z1に配置されている。
小径管55Aの厚さ方向Zの径は、第1接続筒42Aの内径よりも小さい。小径管55A(連結部44A)における第1基準面47Aに対する第1側Z1の端55aAと第1基準面47Aとの距離L3は、第1接続筒の内径L1よりも小さい。例えば、距離L3は、20.0mmである。
小径管55Aにおける、中間管53Aの長手方向の長さは、小径管55Aの幅(第1基準面47Aに平行であって、前記長手方向に直交する方向の長さ)以上である。
【0034】
図2に示す正面視において、小径管55Aの前記長手方向の中心と第1中心軸線42cAとの距離L6、及び小径管55Aの前記長手方向の中心と第2中心軸線43cAとの距離L7は、互いに等しい。
なお、小径管55Aの前記長手方向の中心と第1接続筒42Aとの軸線方向Xの距離と、小径管55Aの前記長手方向の中心と第2接続筒43Aとの軸線方向Xの距離とは、互いに等しいことが好ましい。
本実施形態では、中間管53Aの長手方向に直交する断面は、円形状である。例えば、中間管53Aの前記断面における外径は、19.5mmである。
【0035】
図2から
図4に示すように、本実施形態では、第1連結管52Aは、第2基準面48A上に配置されている。第1連結管52Aは、第1接続筒42Aから第2側X2に向かうに従い漸次、第1側Z1に向かうように傾斜している。第1連結管52Aは、第1接続筒42Aの基端部42bA及び中間管53Aの第1端部にそれぞれ接続されている。第1連結管52Aにおける第1接続筒42Aの基端部42bAとの接続部分は、第2側Z2と第2側X2との間の向きに向かって凸となるように湾曲している。中間管53Aと第1連結管52Aとの接続部分は、第1側Z1と第1側X1との間の向きに向かって凸となるように湾曲している。第1連結管52Aは、第1接続筒42A内と連通している。
第2連結管54Aは、第3基準面49A上に配置されている。第2連結管54Aは、第2接続筒43Aから第1側X1に向かうに従い漸次、第1側Z1に向かうように傾斜している。第2連結管54Aは、第2接続筒43Aの基端部43bA及び中間管53Aの第2端部にそれぞれ接続されている。第2連結管54Aにおける第2接続筒43Aの基端部43bAとの接続部分は、第2側Z2と第1側X1との間の向きに向かって凸となるように湾曲している。中間管53Aと第2連結管54Aとの接続部分は、第1側Z1と第2側X2との間の向きに向かって凸となるように湾曲している。第2連結管54Aは、第2接続筒43A内と連通している。
【0036】
以上のように構成された第1接続配管41Aは、金属又は樹脂により形成されている。
【0037】
図5から
図7に示すように、第2接続配管41Bは、第1接続配管41Aの第1接続筒42A、第2接続筒43A、及び連結部44Aと同一に構成された第1接続筒42B、第2接続筒43B、及び連結部44Bを備えている。以下では、方向を、第1接続配管41Aに対して規定された方向を基準にして説明する。
第2接続配管41Bは、第1接続配管41Aが配置された位置から、基準軸線50A回りに半回転させた位置に配置されている。第1側X1に向かって凸となるように湾曲した第1接続配管41Aの連結部44Aと、第2側Z2に向かって凸となるように湾曲又は屈曲した第2接続配管41Bの連結部44Aとが、互いに交差している。
さらに、
図5に示す正面視で、第1接続配管41Aの小径管55Aと第2接続配管41Bの小径管55Bとが重なるように配置されている。以下では、上記のような接続配管41A,41Bの配置を、組み合わせ配置と言う。
第1接続配管41Aの第1基準面47Aと第2接続配管41Bの第1基準面47Bとが、一致されている。本実施形態では、第1接続配管41Aの小径管55Aと第2接続配管41Bの小径管55Bとは、厚さ方向Zに離間している。
【0038】
図5から
図7に示すように、接続配管41A,41Bにおいて、第1側X1に、第1接続配管41Aの第1接続筒42A及び第2接続配管41Bの第1接続筒42Bが配置され、第2側X2に、第1接続配管41Aの第2接続筒43A及び第2接続配管41Bの第2接続筒43B配置されている。第1接続配管41Aの第1接続筒42A及び第2接続配管41Bの第2接続筒43Bが、軸線方向Xに並べて配置されている。第2接続配管41Bの第1接続筒42B及び第1接続配管41Aの第2接続筒43Aが、第1接続配管41Aの第1接続筒42A及び第2接続配管41Bの第2接続筒43Bに対して直交方向Yの同じ側に位置をずらして配置されている。
【0039】
以上のように、第2接続配管41Bは、第1接続配管41Aを基準軸線50A回りに半回転させた、リバーシブルな配管として用いられる。
なお、第2接続配管41Bは、第1接続配管41Aが配置された位置から、第1基準面47A上に配置される軸線であって、直交方向Yに沿う軸線回りに半回転させた位置に配置されているとしてもよい。
【0040】
以上のように構成された組配管40は、以下のように接続されている。
図1に示すように、第1接続配管41Aにおいて、第1接続筒42A内に、給湯管22の第2端部が接続されている。第2接続筒43A内に、給湯管27が接続されている。第2接続配管41Bにおいて、第1接続筒42B内に、給水管21の第2端部が接続されている。第2接続筒43B内に、給水管26が接続されている。
このとき、第1接続配管41Aの小径管55A及び第2接続配管41Bの小径管55Bにおける、第1接続配管の厚さ方向Zの長さの和(以下、小径管55A,55Bの合計厚さと言う)を、第1接続筒42Aの内径の2倍よりも小さくすることができる。小径管55Aと小径管55Bとの間に軸線方向Xに隙間が形成されている場合には、小径管55A,55Bの合計厚さにはこの隙間の軸線方向Xの長さも含む。
第1接続筒42A内に接続される配管の外径、及び第2接続筒43A内に接続される配管の外径の和を、小径管55A,55Bの合計厚さよりも長くできる。
【0041】
図8に示すように、例えば、ペアカバー60は、基台61と、蓋体62と、を備えている。
基台61は、正面視でT字状を呈する板状に形成されている。蓋体62は、正面視でT字状を呈し、背面側が開口している。蓋体62は、基台61が取付けられた際に、蓋体62との間に、
図6に示す収容空間Sを形成する。収容空間Sにおける組配管40が配置される部分の厚さL11は、ペアカバー60を薄くして外観を向上させるために、給湯管22の外径の2倍よりも薄い。
ただし、厚さL11は、小径管55A及び小径管55B全体としての厚さ方向Zの長さL10よりも長い。
基台61は、建築物100の壁101と組配管40等との間に配置され、壁101に固定されている。蓋体62は、組配管40等を覆った状態で、基台61に取付けられている。こうして、組配管40等がペアカバー60に収められている。
【0042】
次に、以上のように構成された配管構造1を建築物100に施工する手順について説明する。以下では、施工の当初に、T字分岐であるペアカバー対応継手30よりも下流側で給水管及び給湯管を左右誤って施工した場合で説明する。
図9に示すように、施工の当初に、第1チーズ31Aの直交接続部34Aに、前記給水管21よりも長い給水管21aの第1端部が接続されている。第2チーズ31Bの直交接続部34Bに、前記給湯管22よりも長い給湯管22aの第1端部が接続されている。
この場合、壁101に向かって見たときに、給水管21aは、給湯管22aよりも左側に配置されている。
【0043】
図9の状態から、
図10に示すように管21a,22aを湾曲させ、管21a,22aを互いに交差させるように変形させることができる。この場合、給水管21aの下側の部分は、給湯管22aの下側の部分よりも右側に配置される。しかし、管21a,22aを交差させた部分は、給水管21aの外径の2倍に厚くなるため、この交差させた部分がペアカバー60に収まらない。
このため、ペアカバー対応継手30を配置し直す必要がある。例えば、第1チーズ31Aの直交接続部34Aが第2チーズ31Bの直交接続部34Bよりも右側に配置されるように、給水管11,16の長さを調節する。例えば、給水管11の長さを伸ばしたい場合には、給水管11を交換する必要がある。
長さを調節した給水管11,16に、第1チーズ31Aを接続する。この作業には、多くの工数が掛かる。
【0044】
これに対して、本実施形態の接続配管41A,41Bを用いると、まず、
図1に示すように管21a,22aを短く切断して、給水管21及び給湯管22とする。給湯管22の第2端部を、第1接続配管41Aの第1接続筒42A内に接続する。給水管21の第2端部を、第2接続配管41Bの第1接続筒42B内に接続する。第1接続配管41Aの第2接続筒43A内に、給湯管27を接続する。第2接続配管41Bの第2接続筒43B内に、給水管26を接続する。組配管40等をペアカバー60に収める。
【0045】
本実施形態の第1接続配管41Aでは、ペアカバー対応継手30と接続配管41A,41Bとの間の給水管21及び給湯管22は配管し直すことなく、例えば長さを調節して、接続配管41A,41Bの第1接続筒42A,42Bに接続される。正面視において、第1接続配管41Aの中間管53A及び第2接続配管41Bの中間管53Bが互いに交差しているため、接続配管41A,41Bよりも下流側の給水管26及び給湯管27は、直交方向Yに入れ替わっている。
従って、ペアカバー対応継手30を配置し直すことなく、ペアカバー対応継手30よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる。
第1接続配管41Aと第2接続配管41Bとを互いに同一の構成にできるため、組配管40の製造コストを低減させることができる。工事業者にとっては、1種類の接続配管を用意すればよく、管理が容易である。
【0046】
第1接続筒42Aの内径L1及び第2接続筒43Aの内径L2は、互いに等しい。これにより、第1接続筒42A内及び第2接続筒43A内に、同一の外径を有する配管をそれぞれ容易に接続することができる。
連結部44Aにおける第1基準面47Aに対する第1側Z1の端55aAと第1基準面47Aとの距離L3は、第1接続筒42Aの内径L1よりも小さい。従って、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、第1接続配管41Aの第1基準面47Aと第2接続配管41Bの第1基準面47Bとを同一面上に位置させたときに、小径管55A,55Bの合計厚さを第1接続筒42Aの内径の2倍よりも小さくすることができる。この場合にも、例えば、接続配管41A,41B等を、ペアカバー60に収めて用いることができる。
【0047】
第1中心軸線42cA及び第2中心軸線43cAは、互いに平行に配置されている。第1接続配管41Aを基準軸線50A回りに回転させたときに、例えば、第1接続配管41Aの第1中心軸線42cAと第2接続配管41Bの第2中心軸線43cBとを、同軸上に容易に配置することができる。このため、第1接続配管41Aの第1接続筒42Aに接続される給湯管22と、第2接続配管41Bの第2接続筒43Bに接続される給水管26とを、同軸上に容易に配置することができる。
中間管53Aは、軸線方向Xにおける第1接続筒42A側から第2接続筒43A側に向かうに従い、第1中心軸線42cA側から第2中心軸線43cA側に向かうように延びている。従って、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、厚さ方向Zに見たときに、第1接続配管41Aの中間管53Aは、軸線方向Xにおける第1接続筒42A側から第2接続筒43A側に向かうに従い、第1接続配管41Aの第1中心軸線42cA側から第2中心軸線43cA側に向かうように延びている。第2接続配管41Bの中間管53Bは、軸線方向Xにおける第1接続筒42A側から第2接続筒43A側に向かうに従い、第2中心軸線43cA側から第1中心軸線42cA側に向かうように延びている。すなわち、中間管53A及び中間管53Bを互いに交差させて、これらの中間管53A,53Bが互いに干渉しないようにすることができる。
【0048】
中間管53Aは、第1基準面47Aに沿って延びている。このため、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、第1接続配管41Aの第1基準面47Aと第2接続配管41Bの第1基準面47Bとを同一面上に位置させたときに、第1接続配管41Aの中間管53Aと第2接続配管41Bの中間管53Bとの間に形成される隙間を、第1基準面47Aに沿う方向から容易に視認することができる。
中間管53Aと第1連結管52Aとの接続部分は、湾曲している。これにより、第1連結管52Aから中間管53Aに向かって流れる湯(水)の、接続部分における圧力損失を低く抑えることができる。また、連結部44A全体としての長さを短くすることができる。
【0049】
小径管55Aは、第1基準面47Aよりも第1側Z1のみに配置されている。このため、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、第1接続配管41Aの第1基準面47Aと第2接続配管41Bの第1基準面47Bとを同一面上に位置させたときに、第1接続配管41Aの小径管55Aは第1基準面47Aよりも第1側Z1のみに配置され、第2接続配管41Bの小径管55Bは第1基準面47Aよりも第2側Z2のみに配置される。従って、第1接続配管41Aの小径管55Aと第2接続配管41Bの小径管55Bとを互いに干渉しなくすることができる。
正面視において、小径管55Aの長手方向の中心と第1中心軸線42cAとの距離L6、及び小径管55Aの長手方向の中心と第2中心軸線43cAとの距離L7は、互いに等しい。このため、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、第1接続配管41Aの第1基準面47Aと第2接続配管41Bの第1基準面47Bとを同一面上に位置させ、第1接続配管41Aの小径管55Aと第2接続配管41Bの小径管55Bとを厚さ方向Zに重ねる。このときに、第1接続配管41Aの第1接続筒42A及び第2接続配管41Bの第2接続筒43Bが同軸上に配置され、第1接続配管41Aの第2接続筒43A及び第2接続配管41Bの第1接続筒42Bが同軸上に配置される。従って、接続配管41A,41B全体としての直交方向Yの長さを短くすることができる。
【0050】
また、本実施形態の組配管40では、組み合わせ配置した接続配管41A,41Bにおいて、厚さ方向Zに重なった両小径管55A,55Bにおける小径管55A,55Bの合計厚さを、第1接続筒42Aの内径の2倍よりも小さくすることができる。従って、T字分岐を配置し直すことなく、T字分岐よりも下流側の一対の配管を、厚さを薄くしつつ入れ替えることができる。
中間管53A及び中間管53Bが互いに離間しているため、中間管53A及び中間管53Bのうち、一方内を流れる湯と他方内を流れる水との間で熱が受け渡されるのを抑制することができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、第1基準面47A上で第1中心軸線42cA及び第2中心軸線43cAが互いに交差するように第1接続筒42A及び第2接続筒43Aが配置されてもよい。
第1接続筒42Aの内径及び第2接続筒43Aの内径は、互いに異なっていてもよい。この場合、小径管55Aの厚さ方向Zの径は、第1接続筒42Aの内径と第2接続筒43Aの内径との和の半分よりも小さい。
【0052】
連結部44Aは、第1側Z1に向かって凸となるように屈曲していてもよい。中間管53Aは、第1側Z1に向かって凸となるように湾曲していてもよい。
前記距離L6及び距離L7は、互いに異なっていてもよい。中間管53Aと第1連結管52Aとの接続部分は、湾曲せずに交差していてもよい。中間管53Aと第2連結管54Aとの接続部分等についても同様である。
連結部44Aは、樹脂製であってもよい。接続筒42A,43Aと連結部44Aとは、一体であっても別体であってもよい。接続筒42A,43Aを、ソケット継手とし、管状の連結部44Aの両端にこのソケット継手を設けてもよい。
【符号の説明】
【0053】
41A 第1接続配管(接続配管)
41B 第2接続配管(接続配管)
42A,42B 第1接続筒
42aA,43aA 先端部
42bA,43bA 基端部
42cA 第1中心軸線
43A,43B 第2接続筒
43cA 第2中心軸線
44A,44B 連結部
47A,47B 第1基準面(基準面)
52A 第1連結管(連結管)
53A,53B 中間管
55A,55B 小径管
55aA 端
L1,L2 内径
L3,L6,L7 距離
X 軸線方向(第1中心軸線に沿う方向)
X1,Z1 第1側
X2 第2側
Y 直交方向
Z 厚さ方向