(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240731BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20240731BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D17/08 308
F25D11/00 101B
(21)【出願番号】P 2020173975
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】安部 昌則
(72)【発明者】
【氏名】鷲崎 翼
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/135865(WO,A1)
【文献】特開2004-191042(JP,A)
【文献】特開2009-236448(JP,A)
【文献】特開2006-029599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00 ~ 11/02
F25D 17/04 ~ 17/08
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵温度帯に維持可能な貯蔵室と、
前記貯蔵室内部に設けられて、前記冷蔵温度帯と、前記冷蔵温度帯よりも高温である特別温度帯とに切替可能な特別区画と、
前記特別区画を前記冷蔵温度帯に維持する通常運転と、前記特別区画を前記特別温度帯に維持する特別運転と、を切り替えるためのユーザからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に入力された操作に基づいて前記通常運転と前記特別運転とを切り替えることが可能な制御装置と、
前記特別区画と前記貯蔵室の前記特別区画以外の部分との間を開閉可能に設けられて前記通常運転と前記特別運転との切り替えに際してユーザが操作するユーザ操作部材と、
前記ユーザ操作部材の
開閉状態を検知可能な検知部と、
を備え、
前記操作部に対してユーザによる前記通常運転と前記特別運転との間での切り替え操作を受けた場合、
前記制御装置は、ユーザが前記操作部に行った運転の切替操作の内容を示す切替情報と、前記検知部が検知した前記ユーザ操作部材の現在の
開閉状態を示す状態情報と、の組み合わせに基づいて前記特別区画に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能である、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記貯蔵室を開閉する貯蔵室扉と、
前記貯蔵室扉に設けられ、ユーザに情報を報知可能な報知装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記異常判定処理により異常を検出した場合に前記報知装置を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を更に実行可能である、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記貯蔵室扉の開閉状態を検知可能な貯蔵室扉開閉検知部を更に備え、
前記制御装置は、少なくとも前記貯蔵室扉が閉じている期間に前記報知処理を実行する、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
外部の機器と通信可能な通信部を更に備え、
前記制御装置は、前記異常判定処理により異常を検出した場合に前記通信部及び前記外部の機器を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を更に実行可能である、
請求項2又は3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記異常判定処理は、異常の種類を含めて前記特別区画に関する異常を判定する処理を含み、
前記報知処理は、前記異常判定処理で判定された異常の種類に応じた当該異常の解消方法をユーザに提示する処理を含む、
請求項2から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
冷蔵温度帯に維持可能な貯蔵室と、
前記貯蔵室内部に設けられて、前記冷蔵温度帯と、前記冷蔵温度帯よりも高温である特別温度帯とに切替可能な特別区画と、
前記特別区画を前記冷蔵温度帯に維持する通常運転と、前記特別区画を前記特別温度帯に維持する特別運転と、を切り替えるためのユーザからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部に入力された操作に基づいて前記通常運転と前記特別運転とを切り替えることが可能な制御装置と、
前記通常運転と前記特別運転との切り替えに際してユーザが操作するユーザ操作部材と、
前記ユーザ操作部材の操作状態を検知可能な検知部と、
を備え、
前記制御装置は、ユーザが前記操作部に行った運転の切替操作の内容を示す切替情報と、前記検知部が検知した前記ユーザ操作部材の現在の状態を示す状態情報と、の組み合わせに基づいて前記特別区画に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能であり、
前記ユーザ操作部材は、前記特別区画と前記貯蔵室の前記特別区画以外の部分との間を開閉可能に設けられた蓋部であり、
前記検知部は、前記状態情報として前記蓋部の開閉状態を検知可能な蓋部開閉検知部であり、
前記切替情報は、前記通常運転から前記特別運転への切り替えを示すものと、前記特別運転から前記通常運転への切り替えを示すものと、を含み、
前記異常判定処理は、
前記切替情報が前記通常運転から前記特別運転への切り替えを示すもので、かつ、前記状態情報が開状態である場合に判定される第1異常と、
前記切替情報が前記特別運転から前記通常運転への切り替えを示すもので、かつ、前記状態情報が閉状態である場合に判定される第2異常と、
前記特別区画の現在の運転が前記特別運転で、前記切替情報がなく、かつ、前記状態情報が開状態である場合に判定される第3異常と、
前記特別区画の現在の運転が前記通常運転で、前記切替情報がなく、かつ、前記状態情報が閉状態である場合に判定される第4異常と、
のうち少なくとも1つの有無を判定する処理を含む
、
冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御装置は、初回の前記異常判定処理により異常が判定されてから所定期間経過した後も判定された前記異常が継続している場合に、現在の運転を切り替えて又は前記操作部に入力された操作を無効にして前記異常が解消する修正処理を実行可能である、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、共働き世帯の増加により、家庭外で調理された出来合いの食品を購入して持ち帰る或いは配達等によって家庭内で食べる食事形態、いわゆる中食が増えている。このような中食用の食品は、購入後比較的短期間のうちに消費される傾向にあるものの、場合によっては半日から数日程度保存されることがある。そのため、このような調理済みの食品をおいしく保存したいというニーズが高まっている。
【0003】
ここで、調理済みの例えばごはんやパンの食味が時間の経過とともに劣化する理由は、ごはんやパンに含まれるデンプンが、調理直後はα化されているが時間の経過とともにβ化するからである。デンプンのβ化は、デンプン内部の水が液相の状態つまり2℃~4℃程度で最も進行し易い。一方、調理済み食品には、デンプンが多く含まれる食品が比較的多い。
【0004】
従来の冷蔵庫は、生鮮食品等をより長期間保存できるように、冷蔵室内を例えば1℃~5℃の冷蔵温度帯や0℃~3℃のいわゆるチルド温度帯に維持する。そのため、調理済み食品を従来の冷蔵庫に収納すると、デンプンのβ化が促進されてしまい、かえって食味が損なわれることとなる。そのため、従来構成の冷蔵庫は、調理済み食品の保存には適していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、例えばデンプンを多く含む調理済み食品を保存しても食味の低下を抑制することができ、ユーザの利便性に貢献できる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵温度帯に維持可能な貯蔵室と、前記貯蔵室内部に設けられて、前記冷蔵温度帯と、前記冷蔵温度帯よりも高温である特別温度帯とに切替可能な特別区画と、を備える。冷蔵庫は、前記特別区画を前記冷蔵温度帯に維持する通常運転と、前記特別区画を前記特別温度帯に維持する特別運転と、を切り替えるためのユーザからの操作を受け付ける操作部と、前記操作部に入力された操作に基づいて前記通常運転と前記特別運転とを切り替えることが可能な制御装置と、を備える。冷蔵庫は、前記特別区画と前記貯蔵室の前記特別区画以外の部分との間を開閉可能に設けられて前記通常運転と前記特別運転との切り替えに際してユーザが操作するユーザ操作部材と、前記ユーザ操作部材の開閉状態を検知可能な検知部と、を備える。前記操作部に対してユーザによる前記通常運転と前記特別運転との間での切り替え操作を受けた場合、前記制御装置は、ユーザが前記操作部に行った運転の切替操作の内容を示す切替情報と、前記検知部が検知した前記ユーザ操作部材の現在の開閉状態を示す状態情報と、の組み合わせに基づいて前記特別区画に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態による冷蔵庫の構成の一例を示す斜視図
【
図2】第1実施形態による冷蔵庫について冷蔵室周辺の構成の一例を側面側から見た縦断面図
【
図3】第1実施形態による冷蔵庫について電気的構成の一例を示す図
【
図4】第1実施形態による冷蔵庫について特別区画の一例を側面側から見た部分縦断面図
【
図5】第1実施形態による冷蔵庫について蓋部を外して
図4のX5-X5に沿って特別区画の一例を示す部分縦断面図
【
図6】第1実施形態による冷蔵庫について運転情報、切替情報、開閉情報に基づいて制御装置が判定処理において判定する結果の一例を示す表
【
図7】第1実施形態による冷蔵庫について第1異常が検知された場合の報知処理による表示部の表示の一例を示す図
【
図8】第1実施形態による冷蔵庫について第2異常が検知された場合の報知処理による表示部の表示の一例を示す図
【
図9】第1実施形態による冷蔵庫について第3異常が検知された場合の報知処理による表示部の表示の一例を示す図
【
図10】第1実施形態による冷蔵庫について第4異常が検知された場合の報知処理による表示部の表示の一例を示す図
【
図11】第1実施形態による冷蔵庫について制御装置が行う処理の一例のフローチャート
【
図12】第1実施形態による冷蔵庫について切替操作があった場合の異常判定処理の一例のフローチャート
【
図13】第1実施形態による冷蔵庫について切替操作がなかった場合の異常判定処理の一例のフローチャート
【
図14】第1実施形態による冷蔵庫について修正処理の一例のフローチャート
【
図15】第2実施形態による冷蔵庫について修正処理の一例のフローチャート
【
図16】第2実施形態による冷蔵庫について第2異常が検知された場合の報知処理による表示部の表示の一例を示す図
【
図17】第3実施形態による冷蔵庫について特別区画の一例を側面側から見た部分縦断面図
【
図18】第3実施形態による冷蔵庫について
図17のX18-X18に沿って蓋部を外して特別区画の一例を示す部分縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態による冷蔵庫について、
図1~
図14を参照して説明する。
図1に示す冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の冷蔵庫本体としての断熱箱体11内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。以下の説明では、断熱箱体11の開口側を、冷蔵庫10の前面側とし、開口とは反対側を、冷蔵庫10の背面側とする。また、冷蔵庫10を
図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、冷蔵庫10の上下方向とする。また、
図1の冷蔵庫10を前側から見た場合における左右方向を、冷蔵庫10の左右方向とする。
【0010】
図1に示すように、冷蔵庫10は、断熱箱体11を主体として構成されている。断熱箱体11は、前面が開口した箱体で構成されており、内部に複数の貯蔵室を有している。断熱箱体11は、内箱と外箱との間に断熱性の高い部材を設けて構成されている。断熱性の高い部材は、例えば発泡ウレタンなどの発泡断熱部材であってもよく、アルミを蒸着したフィルムでグラスウール等を覆い、内部を減圧して断熱性を高めたいわゆる真空断熱パネルであってもよい。
【0011】
断熱箱体11は、貯蔵物を貯蔵するための複数の貯蔵室として、例えば冷蔵室12、野菜室13、製氷室14、小冷凍室15、及び冷凍室16を備えている。冷蔵室12、野菜室13は、冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室14、小冷凍室15、及び冷凍室16は、冷凍温度帯の貯蔵室である。
【0012】
この場合、冷蔵温度帯及び冷凍温度帯とは、食品等を冷蔵や冷凍して保存するために適した温度帯である。本実施形態の場合、冷蔵温度帯は、例えば一般的な冷蔵用の温度帯である1℃~5℃に設定されている。また、冷凍度帯は、例えば一般的な冷凍用の温度帯である-18℃以下に設定されている。
【0013】
冷蔵室12は、断熱箱体11の最上部に設けられている。野菜室13は、冷蔵室12の下方に設けられている。製氷室14及び小冷凍室15は、野菜室13の下方にあって、左右に並べて設けられている。冷凍室16は、製氷室14及び小冷凍室15の下方、つまり断熱箱体11の最下部に設けられている。
【0014】
冷蔵庫10は、左右の冷蔵室扉121、122、野菜室扉131、製氷室扉141、小冷凍室扉151、及び冷凍室扉161を備えている。冷蔵室扉121、122は、例えば観音開きのヒンジ開閉式の扉であって、冷蔵室12の前側の開口を開閉する。野菜室扉131、製氷室扉141、小冷凍室扉151、及び冷凍室扉161は、いずれも引き出し式であって、それぞれ野菜室13、製氷室14、小冷凍室15、及び冷凍室16の前側の開口を開閉する。
【0015】
この場合、
図2に示すように、野菜室13は、引出し式のケース132を有している。そして、このケース132は、野菜室扉131に取り付けられて野菜室扉131と一体的に出し入れ可能に構成されている。同様に、製氷室14、小冷凍室15、及び冷凍室16も、それぞれ製氷室扉141、小冷凍室扉151、及び冷凍室扉161と一体的に出し入れ可能な図示しないケースを有している。
【0016】
断熱箱体11は、
図2に示すように、内部に断熱仕切り壁17と非断熱仕切り壁18とを有している。断熱仕切り壁17は、冷蔵温度帯の貯蔵室12、13と、冷凍温度帯の貯蔵室14、15、16とを断熱した状態で上下方向に仕切っている。非断熱仕切り壁18は、冷蔵温度帯の貯蔵室12、13内において、冷蔵室12と野菜室13とを断熱せずに上下方向に仕切っている。
【0017】
冷蔵室12は、
図2に示すように、天井部20と、側壁部21と、背壁部22と、底部23と、を有する。天井部20は、断熱箱体11の内箱の一部を構成するとともに、冷蔵室12の内部の上面を形成する。側壁部21は、断熱箱体11の内箱の一部を構成するとともに、冷蔵室12の内部の左右の側面を形成する。背壁部22は、断熱箱体11の内箱の一部を構成するとともに、冷蔵室12の内部の背面を形成する。底部23は、非断熱仕切り壁18の一部を構成し、冷蔵室12の内部の底面を形成する。
【0018】
冷蔵室12は、
図2に示すように、チルド室24を有する。チルド室24は、冷蔵室12の最下部に設けられている。本実施形態では、チルド室24は、冷蔵室12の最下部において左右の側面の一方側この場合右側に寄って設けられている。別の実施形態では、チルド室24は、冷蔵室12の最下部の全幅に亘って設けられていても良い。チルド室24の温度は、チルド温度帯に設定可能となっている。チルド温度帯は、冷蔵温度帯以下の温度帯であってかつ冷凍温度帯よりも高い温度帯であり、例えば0℃~3℃の温度帯とすることができる。
【0019】
冷蔵室12は、複数この場合4枚の棚板26、27、28、29を備える。複数の棚板26、27、28、29は、上下方向に配置されて、冷蔵室12を複数の領域に区画する。複数の棚板26、27、28、29は、水平方向に延びる面を形成して冷蔵室12に保存される食品を載せて下方から支える。複数の棚板26、27、28、29は、上下方向に上から順に並んで設けられている。最上段の棚板26の上方には、天井部20が位置している。最上段の棚板26の下方には、一又は複数この場合2枚の中段の棚板27、28が位置している。中段の棚板28の下方には、下段の棚板29が位置している。下段の棚板29の下方には、チルド室24が位置している。
【0020】
冷蔵室12は、更に一又は複数この場合2個のチルド室ケース30、31と、中板32とを備える。チルド室ケース30、31は、チルド室24内部に引き出し可能に設けられ、内部に食品を収納可能である。
【0021】
この場合、チルド室ケース30、31は、上下方向に並んで設けられている。上段のチルド室ケース30の上方には、最下部の棚板29が設けられ、チルド室24の天井としての機能を有している。下段のチルド室ケース31の下方には、底部23が位置している。棚板26、27、28、29やチルド室ケース30、31は、例えば樹脂やガラス等で形成されている。
【0022】
中板32は、上段のチルド室ケース30と下段のチルド室ケース31との間に設けられて、チルド室24を上下方向に区画している。チルド室24のうち、中板32よりも上部を上段チルド室241と、中板32よりも下部を下段チルド室242と称する。
【0023】
冷蔵庫10は、
図2に示す冷蔵用冷却器41及び
図3に示す圧縮機42を備えている。本実施形態の場合、冷蔵用冷却器41及び圧縮機42は、図示しない冷凍冷却器、凝縮器、及び切替弁等とともに、冷凍サイクルを構成する。この場合、冷凍サイクルは、切替弁を冷蔵用冷却器41側に切り替えて冷蔵用冷却器41側へ冷媒を供給することで、冷蔵用冷却器41にチルド室24を含む冷蔵温度帯の貯蔵室12、13を冷却するための冷気を生成させる。また、冷凍サイクルは、切替弁を冷凍用冷却器側に切り替えて冷凍用冷却器側へ冷媒を供給することで、図示しない冷凍冷却器に冷凍温度帯の貯蔵室14、15、16を冷却するための冷気を生成させる。なお、1つの冷却器で冷蔵温度帯の貯蔵室12、13と冷凍温度帯の貯蔵室14、15、16とを冷却するための冷気を生成する構成としても良い。
【0024】
また、冷蔵庫10は、
図2に示すように、通風路33及び送風機34を備えている。通風路33は、冷蔵室12及び野菜室13の背面側に設けられており、内部に冷蔵用冷却器41を収容している。通風路33の前側の壁331は、冷蔵室12において背壁部22の一部を構成する。通風路33は、冷蔵用冷却器41によって生成された冷気を冷蔵室12及び野菜室13に供給するための送風経路を形成する。送風機34は、通風路33内であって冷蔵用冷却器41よりも下流に設けられている。送風機34は、冷蔵用冷却器41によって冷却された空気を、チルド室24を含めた冷蔵温度帯の貯蔵室12、13に送る機能を有する。
【0025】
通風路33は、複数の戻り口351、352と、複数の吹き出し口361、362、363と、を有している。複数の戻り口351、352は、通風路33の下方の一部を貯蔵室12、13に向けて開口して形成されている。冷蔵室側戻り口351は、通風路33の下方の一部をチルド室24の後ろ下方に向けて開口して形成されている。野菜室側戻り口352は、通風路33の下方の一部を野菜室13に向けて開口して形成されている。複数の吹き出し口361、362、363は、通風路33内と、チルド室24を含む冷蔵室12とを連通している。各吹き出し口361、362、363は、背壁部22及び通風路33の左右方向の中央部にそれぞれ設けられている。
【0026】
本実施形態の場合、通風路33の最上部に設けられた上段吹き出し口361は、棚板26の上方において冷蔵室12に連通している。また、通風路33の最下部に設けられた下段吹き出し口363は、チルド室24に連通している。具体的には、下段吹き出し口363は、上段チルド室241に連通している。つまり、下段吹き出し口363は、中板32よりも上方であって棚板29よりも下方に設けられている。そして、上段吹き出し口361と下段吹き出し口363との間に設けられた中段吹き出し口362は、棚板26と棚板29との間において冷蔵室12に連通している。
【0027】
また、非断熱仕切り壁18は、連通孔181を有する。連通孔181は、
図2に示すように、チルド室24の後ろ側つまり通風路33に近い側に設けられている。この場合、冷蔵室12を冷却した冷気は、底部23まで下りて来た後に、チルド室24の下部を通って連通孔181に至る。冷気は、連通孔181を通って野菜室13に供給される。連通孔181は、冷蔵室12側の冷気を野菜室13に通す機能を有する。
【0028】
送風機34の送風作用によって野菜室13から戻り口352を通って通風路33内に流入した空気は、通風路33内を流れて冷蔵用冷却器41を通過する。冷蔵用冷却器41を通過して冷却された空気は、下段吹き出し口363からチルド室24の上段部に吹き出される。また、通風路33を流れる空気のうち下段吹き出し口363からチルド室24に流出しなかった残りの空気は、上段吹き出し口361及び中段吹き出し口362から冷蔵室12に吹き出される。冷蔵室12を冷却した冷気は、底部23まで下降した後、連通孔181を通って野菜室13に至る。野菜室13を冷却した空気は、野菜室13から戻り口35を通って通風路33内に流入する。通風路33内に流入した空気は、冷却されながら冷蔵用冷却器41を通過する。そして、冷気は、送風機34の作用によって再び冷蔵室12に送られる。
【0029】
また、冷蔵庫10は、
図3に示すように、制御装置50、及び操作パネル51を備える。制御装置50は、CPUや、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記録領域を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御装置50は、冷蔵庫10全体の動作を管理する。圧縮機42と送風機34とは制御装置50に電気的に接続されており、制御装置50によって駆動制御される。
【0030】
図1、
図3に示す操作パネル51は、制御装置50に電気的に接続されている。操作パネル51は、ユーザからの操作を受け付けるとともに、制御装置50からの制御を受けて、冷蔵庫10の運転内容等の各種の設定の変更や表示等を行う機能を有する。本実施形態の場合、操作パネル51は、例えば静電タッチ式の入力部を有している。そして、操作パネル51は、例えば冷蔵室扉121、122のいずれか一方又は両方に内蔵されている。本実施形態では、操作パネル51は、
図1に示すように、左側の冷蔵室扉121に設けられている。また、操作パネル51は、例えばLEDライトや液晶等で構成された表示部等を有している。
【0031】
制御装置50は、図示しない冷凍サイクルの切替弁を制御するとともに、圧縮機42や送風機34を制御することで、各貯蔵室12、13、14、15、16に対する冷気の供給を制御する。
【0032】
冷蔵庫10は、
図3に示すように貯蔵室扉開閉検知部52を備える。貯蔵室扉開閉検知部52は、冷蔵室12に設けられて、冷蔵室扉121、122の開閉状態を検知する。つまり、貯蔵室扉開閉検知部52は、断熱箱体11の前方の開口が貯蔵室扉開閉検知部52によって閉鎖されているか、閉鎖されていないかを検知可能に構成されている。貯蔵室扉開閉検知部52は制御装置50に接続されていて、制御装置50は、貯蔵室扉開閉検知部52が検知した冷蔵室扉121、122の開閉状態の情報を取得可能である。
【0033】
貯蔵室扉開閉検知部52は、詳細は図示しないが、例えば機械式のスイッチであっても良い。この場合、例えば扉121、122が断熱箱体11の開口を閉鎖する位置にあるつまり扉121、122が閉じている状態では、扉121、122の一部が貯蔵室扉開閉検知部52と接触し、これにより電気回路を閉路又は開路する構成としても良い。扉121、122が断熱箱体11の開口を閉鎖しない位置にある場合つまり扉121、122が開いている状態では、扉121、122の一部が貯蔵室扉開閉検知部52と接触せず、そのため電気回路は開路又は開路する構成としても良い。
【0034】
冷蔵庫10は、
図2、
図4、
図5等に示す特別区画60を更に備える。特別区画60は、冷蔵室12の内部の少なくとも一部を区画して形成された空間を指す。特別区画60は、内部の温度を冷蔵温度帯及びチルド温度帯のいずれか一方又は両方と、冷蔵温度帯ともチルド温度帯とも異なる特別温度帯とに設定することができる区画である。本実施形態では、特別区画60は、内部の温度を冷蔵温度帯と、特別温度帯とに設定することができる区画である。この場合、特別温度帯は、冷蔵温度帯及びチルド温度帯よりも高温に設定されている。更に言えば、特別温度帯は、冷蔵温度帯よりも高温であって、いわゆる常温よりも低温に設定されている。この場合、常温とは、例えば15℃~25℃を意味する。特別温度帯は、例えばデンプンのβ化を抑制して調理済み食品の食味の劣化を抑制することができる温度帯であって、具体的には例えば6℃以上14℃未満の範囲内の温度帯に設定することができる。好ましくは、特別温度帯は、例えば9℃プラスマイナス2℃つまり7℃以上12℃以下に設定することができる。より好ましくは、特別温度帯は、例えば8℃以上10℃以下に設定することができる。
【0035】
本実施形態では、特別区画60は、
図2、
図4、
図5に示すように冷蔵室12の最上部に設けられている。例えば、特別区画60は、最上段の棚板26によって冷蔵室12の特別区画60以外の部分から区切られた空間である。つまり、特別区画60は、最上段の棚板26と天井部20と左右の側壁部21と背壁部22とに囲まれた空間である。換言すると、天井部20は、特別区画60の天井面を構成している。最上段の棚板26は、特別区画60の底面を構成する。また、左右の側壁部21及び背壁部22は、特別区画60の外周部601を構成する。この場合、特別区画60は、前端部に開口部602を有している。開口部602は、特別区画60と冷蔵室12の特別区画60以外の部分とを連通している。
【0036】
また、冷蔵庫10は、
図2~
図5に示すように加熱部61を備える。加熱部61は、特別区画60の内部の温度を特別温度帯に加熱することができる。つまり、加熱部61は、特別区画60の内部に保存された食品の温度を、特別温度帯に加熱する機能を有する。加熱部61は、
図3に示すように制御装置50に接続されており、制御装置50からの制御に基づいて駆動する。
【0037】
例えば電熱線に電気を流して発熱させる電熱線ヒータを含んで構成することができる。制御装置50は、加熱部61に対する通電率を調整することで加熱部61の発熱量を調整可能である。本実施形態では、加熱部61は、例えば電熱線をアルミ箔で包んだ、いわゆるアルミ箔ヒータである。加熱部61は、軽くて薄く、また防滴加工されていても良い。別の実施形態では、加熱部61は、電熱線を例えばシリコンラバーのシートで包んだフレキシブルな面状の発熱体であっても良い。加熱部61の動作電流は、例えば5~15mAに設定されている。好ましくは、加熱部61の動作電流は、9~11mAに設定されている。
【0038】
加熱部61は、
図2、
図4、
図5に示すように特別区画60の上方に設けられている。具体的には、加熱部61は、天井部20に設けられている。例えば、加熱部61は、断熱箱体11を構成する内箱と外箱との間つまり天井部20と外箱との間に埋め込まれて設けられる。この場合、加熱部61は、天井部20と外箱との間の断熱部材に埋め込まれて設けられていても良い。なお、本実施形態では、加熱部61は断熱部材に埋められて設けられているが、別の実施形態では、加熱部61を天井部20から吊り下げるようにして設けても良い。加熱部61は、制御装置50に接続されており、制御装置50によって、通電の有無や通電率を制御されている。これにより、制御装置50は、加熱部61による特別区画60の加熱を制御する。
【0039】
なお、冷蔵庫10は、図示しないカバー部材を備えていてもよい。カバー部材は、例えば板状や容器状に形成されて加熱部61と特別区画60との間に設けられ、加熱部61が特別区画60に直接露出しないようにする。
【0040】
制御装置50は、加熱部61による特別区画60の加熱の有無を切り替えることができる。つまり、制御装置50は、加熱部61に対する電力の供給を制御する。本実施形態の場合、加熱部61は、例えば一定の動作電流で動作し、単位時間に対する通電期間すなわち通電率を制御することで発熱量を調整可能に構成されている。なお、加熱部61は、例えば動作電流の大きさを変更することで発熱量を調整可能な構成でも良い。
【0041】
なお、加熱部61の稼働は、制御装置50による冷蔵庫10の冷却制御つまり圧縮機42及び送風機34の制御内容に影響を与えない。つまり、制御装置50による加熱部61の制御と、制御装置50による圧縮機42及び送風機34の制御とは、独立して行われる。
【0042】
冷蔵庫10は、
図1、
図3に示す操作部511を更に備える。本実施形態では、操作部511は、例えば操作パネル51に設けられた機械式又は電気式のスイッチで構成され、制御装置50と接続されている。例えば操作パネル51がタッチパネルディスプレイを用いたものである場合、操作部511は、例えば静電容量センサを用いたボタンや機械的な押しボタン等で構成することができる。
【0043】
操作部511は、ユーザからの入力操作を制御装置50に伝える。そして、制御装置50は、操作部511に対する操作内容に基づいて特別区画60の温度帯を切り替える処理を実行する。ここで、温度帯の切り替えとは、冷蔵温度帯又はチルド温度帯この場合冷蔵温度帯から特別温度帯への切り替え及び、特別温度帯から冷蔵温度帯又はチルド温度帯この場合冷蔵温度帯への切り替えを指す。冷蔵温度帯又はチルド温度帯この場合冷蔵温度帯での運転を、通常運転と称する。特別温度帯での運転を、特別運転と称する。
【0044】
制御装置50は、操作部511から伝えられたユーザからの操作に基づく切り替え指示により、特別区画60の温度帯の切り替えを制御する。つまり、制御装置50は、通常運転と特別運転との切り替えを制御する。具体的には、制御装置50は、加熱部61への通電を制御することによって、加熱部61の通電率による特別区画60の加熱を制御する。
【0045】
更に、冷蔵庫10は、
図3に示すように、ネットワークシステム100の一部を構成する。通信部53は、外部の機器110例えばスマートフォンやタブレット型パソコンなどの情報端末と通信可能に構成されている。冷蔵庫10は、ルータ101及び外部の通信回線102を介して外部のサーバ103に通信可能に接続されている。ルータ101は、いわゆる無線アクセスポイントであり、無線通信方式にて冷蔵庫10と通信可能に接続されている。通信回線102は、例えばインターネットや電話回線等である。冷蔵庫10は、外部機器110と直接、又はルータ101を介して、若しくはルータ101及び通信回線102を介して、通信可能に接続される。冷蔵庫10は、通信回線102に接続されている外部機器110との間で各種の情報をやり取り可能である。
【0046】
冷蔵庫10は、
図3に示すように、通信部53を備える。本実施形態では、通信部53は、いわゆる無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信方式により、ルータ101との間で通信を行う。通信部53は、制御装置50の制御を受けて、冷蔵庫10に関する情報をルータ101と外部の通信回線102を介してサーバ103にアップロードする。なお、通信部53とルータ101との間の通信は、有線通信方式であってもよい。また、外部の通信回線102を介さずに、通信部53と外部機器110とが直接無線通信する構成であっても良い。
【0047】
冷蔵庫10は、更にユーザ操作部材としての蓋部62を備える。ユーザ操作部材とは、ユーザが操作しないと冷蔵庫10の正常な運転が行われない部材である。蓋部62は、特別区画60の前端部に設けられている。蓋部62は、特別区画60の開口部602を開閉可能に構成されている。本実施形態では、蓋部62は、板状又はシート状の部材で形成され、天井部20に回動可能に設けられている。蓋部62は、例えば
図15に矢印で示すように左右方向を回動の軸方向として前後方向に回動可能である。また、蓋部62は、開口部602を開放する開状態と開口部602を閉塞する閉状態と両方の状態に維持することができる。これにより、蓋部62は、特別区画60を冷蔵室12の特別区画60以外の部分から開閉可能に区画する。なお、別の実施形態では、蓋部62は、例えば板状又はシート状の部材を巻き上げたり折り畳んだりすることによって、開口部602を開閉可能に構成されていても良い。
【0048】
特別運転時に蓋部62を閉じると、冷蔵庫10は、特別区画60の温度帯を特別温度帯に維持しやすくなる。また、通常運転時に蓋部62を開くと、冷蔵庫10は、特別区画60の温度帯を冷蔵温度帯に維持しやすくなる。ユーザは、特別運転と通常運転の切り替えに際して、蓋部62を操作して開閉する。なお、蓋部62の開閉の操作は、ユーザの手動によるものに限られず、モータなどによる電動であっても良い。
【0049】
冷蔵庫10は、
図2~
図5に示すように検知部としての蓋部開閉検知部63を備える。蓋部開閉検知部63は、冷蔵室12に設けられて、蓋部62の開閉状態を検知する。つまり、蓋部開閉検知部63は、特別区画60の前端部つまり開口部602が蓋部62によって閉鎖されているか、閉鎖されていないかを検知可能に構成されている。蓋部開閉検知部63は制御装置50に接続されていて、制御装置50は、蓋部開閉検知部63が検知した蓋部62の開閉状態の情報を取得可能である。制御装置50は、蓋部開閉検知部63が検知した蓋部62の開閉状態の情報つまり蓋部62の開閉情報に基づいて、特別区画60の温度帯の制御が可能に構成されている。
【0050】
本実施形態では、蓋部開閉検知部63は、特別区画60に設けられている。この場合、蓋部開閉検知部63は、特別区画60の前端部つまり開口部602の近傍に設けられていても良い。蓋部開閉検知部63は、例えば少なくとも一方この場合左の側壁部21に設けられている。
【0051】
蓋部開閉検知部63は、詳細は図示しないが、非接触式のセンサであっても良い。本実施形態では、蓋部開閉検知部63は、例えば磁気センサであるホールICスイッチであっても良い。この場合、蓋部62に詳細は図示しない永久磁石等を装着する。蓋部開閉検知部63は当該永久磁石との距離に応じて変化する磁界の強さに基づいて、出力電圧を変化させる。例えば、蓋部開閉検知部63は、蓋部62が閉状態であると、出力電圧Vhを出力する。また例えば、蓋部開閉検知部63は、蓋部62が閉状態であると、Vhよりも低い出力電圧Vlを出力する。蓋部62の開状態又は閉状態の出力電圧の大小関係は逆であっても良い。制御装置50は、開状態の出力電圧Vh及び閉状態の出力電圧Vlを記憶しており、蓋部開閉検知部63の出力電圧と比較して、蓋部62の開閉状態を判断可能である。
【0052】
なお、別の実施形態では、蓋部開閉検知部63は、例えば機械式のスイッチであっても良い。この場合、例えば蓋部62が開口部602を閉鎖する位置にあるつまり蓋部62が閉じている状態では、蓋部62の一部が蓋部開閉検知部63と接触し、これにより電気回路を閉路又は開路する構成としても良い。蓋部62が開口部602を閉鎖しない位置にある場合つまり蓋部62が開いている状態では、蓋部62の一部が蓋部開閉検知部63と接触せず、そのため電気回路は開路又は開路する構成としても良い。
【0053】
ここで、通常運転を行う際には、特別区画60の開口部602を開放して、特別区画60と冷蔵室12の特別区画60以外の部分とを冷気が循環する方が冷却効率が良くなる。一方、特別運転を行う際には、開口部602を閉じて、特別区画60と冷蔵室12の特別区画60以外の部分とを遮断する方が特別区画60の加熱効率が上がると共に、特別区画60以外の部分の冷却効率が良くなる。そのため、特別運転を行う際には、通常ユーザは、操作部511に対する特別運転への切替操作と、蓋部62を閉じる動作との2つの動作を行う。また、特別運転から通常運転へ切り替える際には、通常ユーザは、操作部511に対する通常運転への切替操作と、蓋部62を開く動作との2つの動作を行う。
【0054】
制御装置50は、特別区画60に関する運転の異常の有無を判定可能に構成されている。つまり、制御装置50は、ユーザが操作部511に行った運転の切替操作の内容と、検知部が検知したユーザ操作部材の現在の状態と、の組み合わせに基づいて特別運転に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能に構成されている。本実施形態では、制御装置50は、ユーザが操作部511に行った運転の切替操作の内容と、蓋部開閉検知部63が検知した蓋部62の現在の開閉状態と、の組み合わせに基づいて特別運転に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能に構成されている。ユーザが操作部511に行った運転の切替操作の内容を、切替情報と呼ぶ。また、検知部が検知したユーザ操作部材の現在の状態の情報を、状態情報と呼ぶ。本実施形態では、蓋部開閉検知部63が検知した蓋部62の現在の開閉状態を開閉情報と呼ぶ。制御装置50は、切替情報と状態情報この場合開閉情報との間に齟齬があれば、異常がありと判定し、切替情報と状態情報この場合開閉情報との間に齟齬がなければ、異常がないと判定する。本実施形態では、制御装置50が各異常を判定すると、ユーザによる切替操作の有無にかかわらず、制御装置50は特別区画60の温度帯の運転を切り替えない。
【0055】
また、制御装置50は、異常の種類を判定可能に構成されている。制御装置50は、例えばユーザによって操作部511に特別運転への切替が操作された場合、蓋部62が閉状態であれば「異常なし」と判定し、蓋部62が開状態であれば「異常有り」と判定する。
図6に示すように、切替情報が特別運転への切替で、蓋部62が開状態である場合を「第1異常」と呼ぶ。また、制御装置50は、例えばユーザによって通常運転への切替が操作された場合、蓋部62が開状態であれば「異常なし」と判定し、蓋部62が閉状態であれば「異常有り」と判定する。
図6に示すように、切替情報が通常運転への切替で、蓋部62が閉状態である場合を「第2異常」と呼ぶ。
【0056】
更に、制御装置50は、ユーザによって操作部511に切替操作がされていない場合は、現在の特別区画60の温度帯の制御と、現在の蓋部62の開閉状態との間の異常を判定する異常判定処理を実行可能に構成されている。制御装置50による現在の特別区画60の温度帯の制御つまり特別運転又は通常運転を、運転情報と呼ぶ。制御装置50は、運転情報と状態情報この場合開閉情報との間に齟齬があれば、異常がありと判定し、運転情報と状態情報この場合開閉情報との間に齟齬がなければ、異常がないと判定する。
【0057】
制御装置50は、例えばユーザによる操作部511への操作がないつまり切替情報がない場合、運転情報が特別運転で蓋部62が閉状態であれば「異常なし」と判定し、蓋部62が開状態であれば「異常有り」と判定する。
図6に示すように、切替情報がなく、運転情報が特別運転で、蓋部62が開状態である場合を「第3異常」と呼ぶ。また、制御装置50は、例えばユーザによる操作部511への操作がないつまり切替情報がない場合、運転情報が通常運転で蓋部62が開状態であれば「異常なし」と判定し、蓋部62が閉状態であれば「異常有り」と判定する。
図6に示すように、切替情報がなく、運転情報が通常運転で、蓋部62が閉状態である場合を「第4異常」と呼ぶ。
【0058】
冷蔵庫10は、
図2及び
図3に示す報知装置としての表示部512を更に備える。表示部512は、冷蔵室扉121、122のいずれか一方又は両方この場合左側の扉122に設けられている。この場合、表示部512は操作パネル51に設けられており、ユーザに情報を視覚的に報知可能である。
【0059】
制御装置50は、異常が判定された場合にユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を実行可能である。また、報知処理は、異常の解消方法をユーザに提示する処理を含む。制御装置50は、異常判定処理において異常有りと判定すると、表示部512を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を実行可能に構成されている。これにより、制御装置50は、ユーザに視覚的に異常を報知可能である。制御装置50は、異常があることの他に、異常の内容つまり第1~第4異常のいずれであるかや、各異常の解消方法等を表示することができる。
【0060】
例えば、制御装置50は、表示部512に、
図7~
図10に示す内容を表示させることができる。例えば、制御装置50は、第1異常を判定した場合、表示部512に
図7に示す内容を表示させる。この場合、例えば、表示部512には、異常の内容として特別運転が設定されたが蓋部62が開いていることが表示される。また、表示部512には、特別運転が実行されないことが表示されていても良い。また、表示部512には、異常の解消方法として、通常運転を設定するか蓋部62を閉じることが表示されても良い。
【0061】
また、例えば制御装置50は、第2異常を判定した場合、表示部512に
図8に示す内容を表示させることができる。この場合、例えば、表示部512には、異常の内容として通常運転が設定されたが蓋部62が閉じていることが表示される。また、表示部512には、通常運転が実行されないことが表示されていても良い。また、表示部512には、異常の解消方法として、特別運転を設定するか蓋部62を開くことが表示されても良い。
【0062】
また、例えば制御装置50は、第3異常を判定した場合、表示部512に
図9に示す内容を表示させることができる。この場合、例えば、表示部512には、異常の内容として特別運転中であるが蓋部62が開いていることが表示される。また、表示部512には、特別運転がされることが表示されていても良い。また、表示部512には、異常の解消方法として、通常運転を設定するか蓋部62を閉じることが表示されても良い。
【0063】
また、例えば制御装置50は、第4異常を判定した場合、表示部512に
図10に示す内容を表示させることができる。この場合、例えば、表示部512には、異常の内容として通常運転中であるが蓋部62が閉じていることが表示される。また、表示部512には、通常運転がされることが表示されていても良い。また、表示部512には、異常の解消方法として、特別運転を設定するか蓋部62を開くことが表示されても良い。
【0064】
更に、制御装置50は、通信部53によって外部の機器110に通信し、外部の機器110を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を実行可能に構成されている。この場合、外部の機器110による報知処理は、表示部512による報知処理と共に行われても良いし、表示部512による報知処理なしに行われても良い。また、例えば、外部の機器110による報知処理は、各異常の種類に対応して
図7~
図10に示す内容を外部の機器110に表示することによって行われても良い。
【0065】
また、別の実施形態では、冷蔵庫10は、報知装置として図示しない警告音発生装置を備えていても良い。警告音発生装置は、例えば冷蔵室扉121、122のいずれか一方又は両方に設けられて、ユーザに音声によって情報を報知可能に構成されている。この場合、制御装置50は、表示部512への表示と共に、又は表示部512への表示なしに、警告音発生装置を介して警告音発生装置の発生する警告音等によって聴覚的にユーザに異常を報知する報知処理を実行可能であっても良い。また、この場合、ユーザは、例えば操作パネル51を操作することで警告音を停止することができる構成としても良い。
【0066】
更に、制御装置50は、特別区画60の温度帯を特別温度帯に制御している間、つまり加熱部61に通電している間、表示部512に特別運転中である旨の表示をする構成であっても良い。この場合、表示部512の表示は、例えば「特別運転中」等の文字または図柄を表示するものであっても良いし、照明を点灯させるものであっても良い。
【0067】
図11~
図14に示すように、制御装置50は、異常判定処理、報知処理、修正処理を含む特別区画60についての制御を実行する。まず、冷蔵庫10に電源が投入されて冷蔵庫10の運転が開始すると、制御装置50は、特別区画60についての
図11に示す制御を開始する。制御装置50は、ステップS11において、貯蔵室扉121、122が閉じているか否かを判定する。貯蔵室扉121、122が開いていたら(ステップS11でNo)、制御装置50は操作部511への操作を拒絶し(ステップS12)、ステップS11の処理を繰り返す。貯蔵室扉121、122が閉じていたら(ステップS11でYes)、制御装置50は操作部511への操作を受け付ける(ステップS13)。
【0068】
ここで、ユーザが蓋部62を開閉するためには、貯蔵室扉121、122の少なくとも一方を開く必要がある。逆に言えば、扉121、122が開いている間は、ユーザが蓋部62を開閉している可能性がある。そのため、制御装置50は、貯蔵室扉開閉検知部52によって扉121、122が閉じていることが検知されるまでは、操作部511への操作を受け付けず、その後の異常判定処理も行わない。そのため、ユーザが先に切替操作を行った後に蓋部62を開閉しようとする場合であっても、蓋部62を開閉する前に制御装置50が異常有りと判定してしまったり、異常を報知してしまったり、ということを抑制できる。また、制御装置50は、貯蔵室扉開閉検知部52によって扉121、122が閉じていることが検知されるまでは、報知処理も行わない。なお、制御装置50は、ステップS12の操作部511への操作を拒絶する際、表示部512への表示によって扉121、122が開いているため操作を拒絶する旨をユーザに報知しても良い。
【0069】
その後、制御装置50は、ステップS14において
図12に示す異常判定処理を実行する。異常判定処理において、まず、制御装置50は、操作部511に操作があったか否かを判定する。この場合、操作部511に操作があったとは、現時点から所定の期間T1内にユーザによる切替操作があったことをいう。操作部511に操作がないとは、現時点から所定の期間T1内にユーザによる切替操作がなかったことをいう。所定の期間T1は、例えば30秒から5分に設定することができる。本実施形態では、所定の期間T1は、例えば1分に設定することができる。
【0070】
所定の期間T1内に操作部511に操作があった場合(ステップS21でYes)、制御装置50は、ステップS22に処理を進める。ステップS22において、制御装置50は、操作部511に対する操作内容を判定する。ユーザによる操作内容が通常運転から特別運転への切替である場合、制御装置50は、処理をステップS23に進める。ステップS23において、制御装置50は、蓋部62の開閉状態を判定する。蓋部62が開状態である場合(ステップS23で開状態)、制御装置50は、異常有り、異常の内容を第1異常と判定して(ステップS24)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。蓋部62が閉状態である場合(ステップS23で閉状態)、制御装置50は、異常なしと判定して(ステップS25)、特別運転に切り替える(ステップS26)。この場合、制御装置50は、加熱部61の通電を開始する。その後、制御装置50は、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。
【0071】
ユーザによる操作内容が特別運転から通常運転への切替である場合(ステップS22で特別運転から通常運転)、制御装置50は、処理をステップS27に進める。ステップS27において、制御装置50は、蓋部62の開閉状態を判定する。蓋部62が閉状態である場合(ステップS27で閉状態)、制御装置50は、異常有り、異常の内容を第2異常と判定して(ステップS28)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。蓋部62が開状態である場合(ステップS27で開状態)、制御装置50は、異常なしと判定して(ステップS29)、通常運転に切り替える(ステップS30)。この場合、制御装置50は、加熱部61の通電を停止する。その後、制御装置50は、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。
【0072】
図12に示す異常判定処理において、所定の期間T1内に操作部511に操作がなかった場合(ステップS21でNo)、制御装置50は、
図13のステップS31に処理を進める。現在の運転内容が特別運転である場合(ステップS31で特別運転)、制御装置50は、ステップS32において蓋部62の状態について判定する。蓋部62が開状態である場合(ステップS32で開状態)、制御装置50は、異常有り、異常の内容を第3異常と判定して(ステップS33)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。蓋部62が閉状態である場合(ステップS32で閉状態)、制御装置50は、異常なしと判定して(ステップS34)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。
【0073】
現在の運転内容が通常運転である場合(ステップS31で通常運転)、制御装置50は、ステップS35において蓋部62の状態について判定する。蓋部62が閉状態である場合(ステップS35で閉状態)、制御装置50は、異常有り、異常の内容を第4異常と判定して(ステップS36)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。蓋部62が開状態である場合(ステップS35で開状態)、制御装置50は、異常なしと判定して(ステップS37)、処理を
図11のステップS15に進める(リターン)。
【0074】
図11に示すステップS15において、制御装置50は、ステップS14の異常判定処理の結果異常判定があったか否かを判定する。異常判定があれば(ステップS15でYes)、制御装置50は、報知処理を実行する(ステップS16)。報知処理は、異常の種類に応じて例えば
図7~
図10に示す情報を表示部512に表示することによって行われる。また、異常判定がなければ(ステップS15でNo)、制御装置50は、報知を解除する(ステップS17)。この場合、報知を解除するとは、報知処理により表示部512等によるユーザへの報知がされている状態から報知を停止することのみならず、報知がされていない状態を継続することも含む。
【0075】
続いて制御装置50は、初回のステップS14の処理から所定の期間T2が経過したか否かを判定する。つまり、ステップS16の報知処理によってユーザが異常を認識して解消する動作を行うまでに一定の時間がかかるため、制御装置50は、所定の期間T2が経過するまで次の処理に移行しない。このため、ユーザが異常を解消する前に制御装置50が次の処理に移行してしまうことが抑制される。この場合、所定の期間T2を、例えば30秒から5分に設定することができる。本実施形態では、所定の期間T2を、例えば1分に設定する。この場合初回とは、操作部511への操作1回に対する初回の異常判定処理(ステップS14)のことを指し、必ずしも冷蔵庫10に電源が入ってからの初回のことを指すわけではない。またこの場合、ステップS13とステップS14との間には、時間差がほとんどないといえる。したがって、ステップS14の異常判定処理を初回に行った時点から所定の期間T2が経過したか否かとは、ステップS13の処理から所定の期間T2が経過したか否かと言い換えることができる。
【0076】
所定の期間T2が経過していなければ(ステップS18でNo)、制御装置50は、処理をステップS14に戻して以降の処理を繰り返す。所定の期間T2が経過していれば(ステップS18でYes)、制御装置50は、処理を
図14に示す修正処理に進める(ステップS19)。
【0077】
図14に示す修正処理において、制御装置50は、まず、異常の種類を判定する(ステップS41)。異常が第1異常又は第2異常であれば、(ステップS41で第1異常or第2異常)、制御装置50は、操作部511に対するユーザの操作を取り消して(ステップS42)、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。つまり、ユーザの操作部511に対する切替操作と、蓋部62の開閉状態との間に齟齬がある場合、制御装置50は、操作部511への操作を取り消して、運転を切り替えない。そのため、例えばユーザが操作部511に操作を行って通常運転から特別運転に切り替えたつもりでも、蓋部62を閉じることを忘れてしまった場合などに、加熱部61による加熱によって冷蔵室12の特別区画60以外の部分の冷却効率が下がってしまったり、蓋部62が開いたまま特別運転を行うことによって必要以上に電力を消費してしまったり、ということを抑制できる。
【0078】
異常が第3異常又は第4異常であれば、(ステップS41で第3異常or第4異常)、制御装置50は、異常の種類を判定する(ステップS43)。異常の種類が第3異常であれば(ステップS43で第3異常)、制御装置50は、通常運転に強制的に切り替える(ステップS44)。この場合、制御装置50は、加熱部61の通電を停止する。そして制御装置50は、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。異常の種類が第4異常であれば(ステップS43で第4異常)、制御装置50は、通常運転を維持する(ステップS45)。この場合、制御装置50は、加熱部61の通電を開始しない。そして制御装置50は、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。
【0079】
なお、冷蔵庫10は、電源が投入された直後は、特別区画60の運転の設定について、前回電源が落とされた直前の設定内容を記録している。更に、制御装置50は、操作部511への操作を受けて、特別運転と通常運転とを択一的に切り替えるように構成されている。
【0080】
ここで、特別区画60に蓋部62を設けた場合において特別区画60の温度帯を切り替えたい場合、ユーザは、操作部511への切替操作と、蓋部62の開閉との両方の操作を行う必要がある。この場合、例えばユーザが蓋部62の開閉を忘れてしまうと、操作部511への切替操作を行っても、特別区画60を所望の温度帯に早急に制御することが困難となる虞がある。つまり、ユーザは操作部511に特別温度帯への切替操作を行っても、蓋部62が開状態であれば、冷気が循環するため、蓋部62が閉状態である場合に比較して特別区画60の温度を特別温度帯まで温めるのに時間がかかる。更に、循環する冷気によって、冷蔵温度帯に維持したい冷蔵室12の特別区画60以外の部分にまで、加熱部61による加熱の影響が及ぶ可能性もある。一方、ユーザは操作部511に冷蔵温度帯への切替操作を行っても、蓋部62が閉状態であれば、冷気が循環しづらいため、蓋部62が開状態である場合に比較して特別区画60の温度を冷蔵温度帯まで冷ますのに時間がかかる。その結果、特別区画60の加熱効率や冷却効率が下がってしまったり、冷蔵室12の特別区画60以外の部分の冷却効率が下がってしまったりする虞がある。
【0081】
これに対し、冷蔵庫10は、冷蔵温度帯に維持可能な貯蔵室12と、貯蔵室12内部の一部に設けられた特別区画60とを備える。特別区画60は、冷蔵温度帯又はチルド温度帯と、冷蔵温度帯及びチルド温度帯よりも高温である特別温度帯とに切替可能に構成されている。また、冷蔵庫10は、操作部511と、制御装置50と、を備える。操作部511は、特別区画60を冷蔵温度帯又はチルド温度帯に維持する通常運転と、特別区画60を特別温度帯に維持する特別運転と、を切り替えるためのユーザからの操作を受け付け可能に構成されている。制御装置50は、操作部511に入力された操作に基づいて通常運転と特別運転とを切り替えることが可能に構成されている。冷蔵庫10は、ユーザ操作部材としての蓋部62と、検知部としての蓋部開閉検知部63とを備える。ユーザ操作部材は、通常運転と特別運転との切り替えに際してユーザによって操作される。検知部は、ユーザ操作部材の操作状態を検知可能に構成されている。制御装置50は、ユーザが操作部511に行った運転の切替操作の内容を示す切替情報と、検知部が検知したユーザ操作部材の現在の状態を示す状態情報と、の組み合わせに基づいて特別区画60に関する異常を判定する異常判定処理を実行可能に構成されている。
【0082】
これによれば、制御装置50は、ユーザによる操作部511への切替操作の内容と、ユーザ操作部材の状態との間に齟齬がある場合、異常を判定する。異常を判定すると、制御装置50は、例えば制御内容を変更したり、異常をユーザに報知したりするなどして異常の解消に働きかけることができる。そのため、特別区画60の加熱効率や冷却効率が下がってしまったり、冷蔵室12の特別区画60以外の部分の冷却効率が下がってしまったり、ということを抑制することができる。したがって、冷蔵庫10はユーザの利便性に貢献できる。
【0083】
また、冷蔵庫10は、貯蔵室12を開閉する貯蔵室扉121、122と、貯蔵室扉121、122に設けられ、ユーザに情報を報知可能な報知装置としての表示部512を更に備える。制御装置50は、異常判定処理により異常を検出した場合に表示部512を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を更に実行可能である。
【0084】
これによれば、ユーザは、特別区画60に異常が検出された場合、表示部512への表示によって異常の発生を認識することができる。つまり、ユーザは、特別区画60の状態に異常があり、所望の温度制御状態になっていないことを認識することができる。そのため、冷蔵庫10は、ユーザに異常の解消について促すことができ、冷蔵庫10はユーザの利便性に更に貢献できる。
【0085】
ここで、貯蔵室扉121、122が開いている間は、ユーザが蓋部62の開閉を行う可能性がある。したがって、貯蔵室扉121、122が開いている間に報知処理が行われると、ユーザにとって煩わしいばかりでなく、報知処理が無意味となる可能性もある。
【0086】
これに対して、冷蔵庫10は、貯蔵室扉121、122の開閉状態を検知可能な貯蔵室扉開閉検知部52を更に備える。制御装置50は、少なくとも貯蔵室扉121、122が閉じている期間に報知処理を実行する。
【0087】
これによれば、制御装置50は、貯蔵室扉121、122が開いている期間には報知処理を実行しない。したがって、貯蔵室扉121、122が開いている期間に報知処理を実行してユーザを煩わせることや、報知処理が無意味となることが抑制される。したがって、冷蔵庫10はユーザの利便性に更に貢献できる。
【0088】
更に、冷蔵庫10は、外部の機器110と通信可能な通信部53を更に備える。制御装置50は、異常判定処理により異常を検出した場合に通信部53及び外部の機器110を介してユーザに異常を検出した旨を報知する報知処理を更に実行可能に構成されている。
【0089】
これによれば、ユーザは、特別区画60の状態に異常が検知されたことを、外部の機器110を介して認識することができる。そのため、ユーザが冷蔵庫10の近辺にいなくても、異常の発生を認識することができる。したがって、冷蔵庫10はユーザの利便性に更に貢献できる。
【0090】
また、異常判定処理は、異常の種類を含めて前記特別区画60に関する異常を判定する処理を含む。報知処理は、異常判定処理で判定された異常の種類に応じた当該異常の解消方法をユーザに提示する処理を含む。
【0091】
これによれば、ユーザは、報知処理によって、異常が発生したことだけではなく、異常の種類に応じた解消方法を認知することができる。そのため、報知を受けたユーザは、すぐに適切な対応を取ることができる。したがって、特別区画60又は特別区画60以外の部分の冷却効率の低下や、特別区画60の加熱効率の低下が抑制される。また、冷蔵庫10はユーザの利便性に更に貢献できる。
【0092】
また、冷蔵庫10は、ユーザ操作部材として蓋部62と、検知部として蓋部開閉検知部63とを備える。蓋部62は、特別区画60と、貯蔵室12の特別区画60以外の部分との間を開閉可能に設けられている。蓋部開閉検知部63は、状態情報として蓋部62の開閉状態を検知可能に構成されている。
【0093】
これによれば、制御装置50は、ユーザによる操作部511への切替操作の内容と、蓋部62の状態との間に齟齬がある場合、異常を判定する。異常を判定すると、制御装置50は、例えば制御内容を変更したり、異常をユーザに報知したりするなどして異常の解消に働きかけることができる。そのため、蓋部62が開状態であるために特別区画60の加熱効率が下がってしまったり冷蔵室12の特別区画60以外の部分の冷却効率が下がってしまったり、或いは蓋部62が閉状態であるために特別区画60の冷却効率が下がってしまったり、ということを抑制することができる。したがって、冷蔵庫10はユーザの利便性に貢献できる。
【0094】
ここで、ユーザによって操作部511に特別運転への切替操作がなされたにもかかわらず蓋部62が開状態である場合に、そのまま特別運転に切り替わるとすると、特別区画60の加熱効率が低下すると共に、特別区画60以外の部分の冷却効果が低下する虞がある。
【0095】
また、ユーザによって操作部511に通常運転への切替操作がなされたにもかかわらず蓋部62が閉状態である場合に、そのまま通常運転に切り替わるとすると、冷気が循環しないため、特別区画60内部が冷蔵温度帯まで冷却されなかったり、冷却されるのに時間がかかったりする虞がある。そして、例えばユーザが冷蔵温度帯となっていると認識して冷蔵温度帯よりも高温での保管に適さない食品を特別区画60に保管していた場合、当該食品はユーザの想定よりも早く傷んでしまう虞がある。
【0096】
また、特別区画60の現在の運転が特別運転で、切替情報が検出されず、かつ、開閉情報が開状態となった場合に、そのまま特別運転が継続されるとすると、特別区画60の加熱効率が低下すると共に、特別区画60以外の部分の冷却効果が低下する虞がある。
【0097】
また、現在の運転が通常運転で、切替情報が検出されず、かつ、開閉情報が閉状態となった場合に、そのまま通常運転が継続されるとすると、冷気が循環しないため、特別区画60内部が冷蔵温度帯まで冷却されなかったり、冷却されるのに時間がかかったりする虞がある。そして、例えばユーザが冷蔵温度帯となっていると認識して冷蔵温度帯よりも高温での保管に適さない食品を特別区画60に保管していた場合、当該食品はユーザの想定よりも早く傷んでしまう虞がある。
【0098】
これに対し、本実施形態によれば、切替情報は、通常運転から特別運転への切り替えを示すものと、特別運転から通常運転への切り替えを示すものと、を含む。異常判定処理は、第1異常と、第2異常と、第3異常と、第4異常と、のうち少なくとも1つの有無を判定する処理を含む。第1異常は、切替情報が通常運転から特別運転への切り替えを示すもので、かつ、状態情報つまり開閉情報が開状態である場合に判定される。第2異常は、切替情報が特別運転から通常運転への切り替えを示すもので、かつ、状態情報つまり開閉情報が閉状態である場合に判定される。第3異常は、特別区画60の現在の運転が特別運転で、切替情報がなく、かつ、状態情報つまり開閉情報が開状態である場合に判定される。第4異常は、特別区画60の現在の運転が通常運転で、切替情報がなく、かつ、状態情報つまり開閉情報が閉状態である場合に判定される。
【0099】
これによれば、特別運転への切替操作がなされたにもかかわらず蓋部62が開状態である場合、報知処理の結果ユーザは異常の発生を認知することができる。そのため、ユーザは希望に応じて適切な解消方法を取ることができる。また、ユーザが異常を解消した場合、特別区画60の加熱効率の低下と特別区画60以外の部分の冷却効果の低下とを抑制することができる。
【0100】
また、通常運転への切替操作がなされたにもかかわらず蓋部62が閉状態である場合、報知処理の結果ユーザは異常の発生を認知することができる。そのため、ユーザは希望に応じて適切な解消方法を取ることができる。また、ユーザが異常を解消した場合、特別区画60の冷却効率の低下が抑制される。そのため、食品がユーザの想定よりも早く傷んでしまうという事態の発生を抑制することができる。
【0101】
また、通常運転への切替操作がないにもかかわらず蓋部62が開状態となった場合、報知処理の結果ユーザは異常の発生を認知することができる。そのため、ユーザは希望に応じて適切な解消方法を取ることができる。また、ユーザが異常を解消した場合、特別区画60の加熱効率の低下と特別区画60以外の部分の冷却効果の低下とを抑制することができる。
【0102】
また、特別運転への切替操作がないにもかかわらず蓋部62が閉状態となった場合、報知処理の結果ユーザは異常の発生を認知することができる。そのため、ユーザは希望に応じて適切な解消方法を取ることができる。また、ユーザが異常を解消した場合、特別区画60の冷却効率の低下が抑制される。そのため、食品がユーザの想定よりも早く傷んでしまうという事態の発生を抑制することができる。
【0103】
なお、本実施形態では、異常判定処理には、第1異常、第2異常、第3異常、及び第4異常のいずれもの有無を判定する処理が含まれるが、別の実施形態では、例えば第1異常、第2異常、第3異常、又は第4異常のいずれか一つ又は複数の有無を判定する処理が含まれる構成であっても良い。またその場合、別の実施形態において、食品が傷みやすい第2異常及び第4異常のいずれか一方又は両方の有無を判定する処理が含まれることが好ましい。
【0104】
更に、異常判定処理は、上述した第1異常、第2異常、第3異常、及び第4異常以外の異常を判定する処理を含んでいても良い。そして、異常判定処理が上記第1~第4以外の異常を判定した場合に、報知処理は、その上記第1~第4異常以外の異常についての解消方法をユーザに提示する処理を含んでいても良い。
【0105】
ここで、ステップS16の報知処理によってユーザが異常を認識して解消する動作を行うまでに一定の時間がかかる。そのため、異常が判定されてからすぐに修正処理を実行すると、ユーザが希望する修正方法ではない方法によって勝手に異常が修正されてしまい、却ってユーザを煩わせることとなる虞がある。
【0106】
これに対し、制御装置50は、初回の異常判定処理により異常が判定されてから所定期間T2経過した後も判定された異常が継続している場合に、現在の運転を切り替えて又は操作部511に入力された操作を無効にして異常が解消する修正処理を実行可能である。
【0107】
これによれば、制御装置50は、所定の期間T2が経過するまで修正処理に移行しない。このため、ユーザが自ら異常を解消する前に制御装置50が修正処理を実行してしまうことが抑制される。つまり、ユーザは、自らの意思によって異常を解消したい場合、制御装置50による修正処理に優先して異常を解消することができる。したがって、ユーザの利便性が更に向上する。
(第2実施形態)
次に、
図15及び
図16を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態ででは、制御装置50は、制御装置50が異常有りと判定した場合、通常運転を優先的に実行する。つまり、冷蔵温度帯と特別温度帯とでは、特別温度帯での保管の方が温度が高いため、食品が傷む可能性も高くなる。そのため、運転情報と、切替情報と、開閉情報との間に齟齬がある場合、制御装置50は、食品が傷みにくい通常運転を優先的に実行する。
【0108】
つまり、本実施形態では、ユーザによる操作部511への特別運転から通常運転への切替操作があるか、蓋部62が開かれていた場合、制御装置50は通常運転を実行する。逆に言えば、ユーザによる操作部511への通常運転から特別運転への切替操作があってかつ蓋部62が閉じていなければ、制御装置50は特別運転を実行しない。
【0109】
本実施形態における制御装置50による処理は、修正処理を除いて第1実施形態と同様である。つまり、制御装置50は、
図11~
図13に示す処理を第1実施形態と同様に行う。
図15には、本実施形態による修正処理のフローチャートが示されている。制御装置50は、まず、異常の種類を判定する(ステップS51)。異常が第1異常であれば、(ステップS51で第1異常)、制御装置50は、操作部511に対するユーザの操作を取り消して(ステップS52)、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。つまり、ユーザが操作部511に対して特別運転への切替操作を行っても、蓋部62が開状態である場合、制御装置50は、操作部511への操作を取り消して、運転を切り替えない。
【0110】
異常が第2異常、第3異常又は第4異常であれば、(ステップS51で第2異常、第3異常or第4異常)、制御装置50は、異常の種類を判定する(ステップS53)。異常の種類が第4異常であれば(ステップS53で第4異常)、制御装置50は、通常運転を維持し(ステップS54)、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。異常の種類が第2異常又は第3異常であれば(ステップS55で第2異常or第3異常)、制御装置50は、通常運転に強制的に切り替える(ステップS55)。この場合、制御装置50は、加熱部61の通電を停止する。そして、制御装置50は、
図11に戻りステップS11以降の処理を繰り返す(リターン)。
【0111】
また、本実施形態では、第2異常が判定されると(ステップS28)、
図11に示すステップS16の報知処理において、例えば
図16に示す情報がユーザに報知される。この場合、例えば第2異常が検出されたが、通常を行う旨が報知される。また、第2異常の解消方法として、通常運転を正常に行うためには蓋部62を開く必要があること、特別運転を行うためには操作部511への操作によって特別運転を設定するべきことが報知されても良い。
【0112】
以上説明した第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が奏される。更に、制御装置50は、通常運転を優先的に実行する構成としたため、食品が傷みにくくなり、ユーザの利便性が更に向上される。
【0113】
(第3実施形態)
次に、
図17及び
図18を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、冷蔵庫10は、特別区画60、加熱部61、蓋部62、蓋部開閉検知部63の代わりに、特別区画70、加熱部71、蓋部72、蓋部開閉検知部73を備える。
【0114】
上記各実施形態では、特別区画60は、冷蔵室12の最上段に設けられていたが、本実施形態では、
図17に示すように、特別区画70は、冷蔵室12の最下段、例えばチルド室24に設けられている。
【0115】
冷蔵室12の最下部においてチルド室24の設けられていない側この場合左側には、図示しない製氷用のタンクが設けられている。また、冷蔵室12は、
図18に示すように仕切板25を有する。仕切板25は、冷蔵室12の最下部においてチルド室24と図示しない製氷用のタンクとを左右方向に仕切る。
【0116】
この場合、特別区画70は、チルド室ケース31の内部の空間及びチルド室ケース31と底部23との間の空間を含む。この場合、仕切板25と、中板32と、側壁部21の一部と、背壁部22の一部とは、チルド室ケース31を収容するとともに、特別区画70の外周部701を構成する。
【0117】
この場合、通常運転つまり加熱部71によって特別区画70が加熱されていない間でも、上段のチルド室ケース30内と下段のチルド室ケース31内との温度帯は同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、上段のチルド室ケース30内の温度帯はチルド温度帯であって、下段のチルド室ケース31内の温度帯は冷蔵温度帯であっても良い。中板32は、断熱性の高い部材を含んで構成されていても良い。つまり、中板32は、上段チルド室241と下段チルド室242とを、断熱的に区画しても良い。更に、特別区画70は、チルド温度帯又は冷蔵温度帯と、特別温度帯とに切り替え可能に構成されていても良い。
【0118】
この場合、温度帯の切り替えとは、チルド温度帯又は冷蔵温度帯から特別温度帯への切り替え及び、特別温度帯からチルド温度帯又は冷蔵温度帯への切り替えを指す。チルド温度帯又は冷蔵温度帯での運転を、通常運転と称する。特別温度帯での運転を、特別運転と称する。
【0119】
図18に示すように、底部23は、チルド室24の下方においてつまり平面視でチルド室24と重なる位置に、下方に窪んだ窪み部231を有する。窪み部231は、特別区画70の底部の少なくとも一部を構成する。なお、チルド室24が複数段に分かれていない場合、特別区画70は、チルド室24内部の空間であっても良い。また、底部23が窪み部231を有していない場合、底部23が特別区画70の底面を形成する構成としても良い。
【0120】
図18に示すように、加熱部71は、窪み部231の底に設けられている。加熱部71は、窪み部231の底の少なくとも一部を覆っている。本実施形態では、例えば、加熱部71は、窪み部231の底の全域に亘って設けている。また、底部23が窪み部231を有していない場合、加熱部71は底部23に設けられる構成としても良い。
【0121】
冷蔵庫10は、蓋部72を備える。蓋部72は、特別区画70の前方を冷蔵室12の特別区画70以外の部分から開閉可能に区画する。この場合、蓋部72は、
図18に示すように中板32の前端部に回動可能に設けられている。
【0122】
図19は、
図18のX19-X19に沿って蓋部72を外して示す部分断面図である。冷蔵庫10は、
図18に示すように蓋部開閉検知部73を備える。蓋部開閉検知部73は、冷蔵室12に設けられて、蓋部72の開閉状態を検知する機能を有する。この場合、蓋部開閉検知部73は、例えば特別区画70の外周部701に設けることができる。本実施形態では、蓋部開閉検知部73は、左右方向に関してチルド室24が設けられている側この場合右の側壁部21に設けられている。蓋部開閉検知部73は、第1実施形態の蓋部開閉検知部63と同様に、ホールICスイッチであっても良い。この場合、蓋部開閉検知部73は、蓋部72に設けられた図示しない永久磁石の発生する磁束密度に従って、異なる出力電圧を出力する。
【0123】
また、冷蔵庫10は、冷蔵室12と野菜室13との間に、非断熱仕切り壁18の代わりに断熱性の高い断熱仕切り壁を備えていても良い。あるいは、非断熱仕切り壁18は、窪み部231の下方に、断熱性の高い部材を含んで構成されていても良い。このようにした場合、加熱部61の発生する熱が、野菜室13の内部に伝播されるのを抑制することができる。
【0124】
第3実施形態では、制御装置50は、異常判定処理、報知処理、修正処理を含む特別区画60についての制御を、第1実施形態又は第2実施形態と同様に実行することができる。つまり、制御装置50は、
図11~
図14に示すフローチャート又は
図11~
図13及び
図15に示すフローチャートに従って、異常判定処理、報知処理、修正処理を含む特別区画60についての制御を実行することができる。これらの場合も、第1実施形態又は第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0125】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、特別区画60、70はいずれも冷蔵室12に設ける構成としたが、別の実施形態では、野菜室13に設ける構成としても良い。その場合、特別区画は、例えば野菜室13のケース内に設けることができる。
【0126】
また、上記各実施形態では、特別区画60、70の温度帯の変更は、加熱部61、71によって行う構成としたが、別の実施形態では、特別区画60、70への冷気の吹込み口に吹込み口を開閉可能に構成された開閉装置を設けて、吹込み口を開放したり閉塞したりすることによって、特別区画60、70の温度帯の変更を行う構成としても良い。また当該開閉装置は、特別区画60、70に吹き込む冷気の風量を調節可能に構成されていても良い。更に別の実施形態では、加熱部61、71に加えて、開閉装置による通風路33の開閉によって特別区画60、70の温度帯の変更を行う構成としても良い。更に別の実施形態では、通風路33とは独立した特別区画60、70用の通風路を別途設けて、通風路33と特別区画60、70用の通風路との間に開閉装置を設けても良い。そして、冷蔵用冷却器41からの冷気の流れを通風路33と特別区画60、70用の通風路との間で切り替えることによって、特別区画60、70の温度帯の変更を行う構成としても良い。
【0127】
これらの場合、特別運転への切り替えに際して、ユーザは開閉装置を操作して特別区画60、70への冷気の供給量を低減又はゼロにする。また通常運転への切り替えに際して、ユーザは開閉装置を操作して特別区画60、70への冷気の供給量を増加する。またこの場合、検知部として開閉装置が供給する風量を検知する風量検知部を備えていても良い。風量検知部は、例えば特別区画60、70に吹き込む冷気の風速を検知して風量に換算する構成であっても良い。また風量検知部は、例えば開閉装置の羽根の角度などから風量を換算する構成であっても良い。このような場合でも、制御装置50が、切替情報とユーザ操作部材の状態との齟齬がある場合に異常を判定することで、上述のような効果を得ることができる。
【0128】
いずれの場合であっても、上記各実施形態と同様に、制御装置50は、異常判定処理、報知処理、修正処理を含む特別区画60についての制御を行うことができる。これらの場合も、第1実施形態又は第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
上記複数の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記各実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
10…冷蔵庫、11…冷蔵室(貯蔵室)、111、112…冷蔵室扉(貯蔵室扉)、50…制御装置、511…操作部、512…表示部、52…貯蔵室扉開閉検知部、53…通信部、60…特別区画、61…加熱部、62…蓋部(ユーザ操作部材)、63…蓋部開閉検知部、70…特別区画、71…加熱部、72…蓋部、73…蓋部開閉検知部(検知部)、外部機器110