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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】馬場材除去方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 13/00 20060101AFI20240731BHJP
   A63C 19/00 20060101ALI20240731BHJP
   A63K 1/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
E01C13/00 A
A63C19/00 A
A63K1/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020178728
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022069839
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】590002482
【氏名又は名称】株式会社NIPPO
(73)【特許権者】
【識別番号】520417632
【氏名又は名称】にいがた舗道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】渋木 洋一
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-123287(JP,A)
【文献】米国特許第07841422(US,B1)
【文献】国際公開第2006/082910(WO,A1)
【文献】特開2006-233721(JP,A)
【文献】登録実用新案第3190171(JP,U)
【文献】実開昭56-091757(JP,U)
【文献】特開2017-166273(JP,A)
【文献】特開2006-214248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/00-15/00
E01C 1/00-17/00
E02F 3/28-3/413
A63C 19/00
A63K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路床の上面に敷設された路盤、前記路盤の上面に敷設された透水シート、及び前記透水シートの上面に敷設された馬場材を含んだ馬場において、前記馬場材を建設機械のバケットで除去する馬場材除去方法であって、
前記バケットで前記馬場材を除去する姿勢において、前記バケットの下方に位置する開口端部に円筒形状のアタッチメントの軸方向に延びるスリットを嵌合させた状態で、前記アタッチメントの断面方向の外周面に巻き回したワイヤを前記バケットに対してカッティングエッジを取り付ける締結具に結合することで、前記バケットに対して前記アタッチメントを取り付け、
前記アタッチメントを前記透水シートに接触させながら、前記建設機械を走行させて前記馬場材を前記バケットで掬い取って除去する、
馬場材除去方法。
【請求項2】
路床の上面に敷設された路盤、前記路盤の上面に敷設された透水シート、及び前記透水シートの上面に敷設された馬場材を含んだ馬場において、前記馬場材を建設機械のブレードで除去する馬場材除去方法であって、
前記ブレードの下端部に円筒形状のアタッチメントの軸方向に延びるスリットを嵌合させた状態で、前記アタッチメントの断面方向の外周面に巻き回したワイヤを前記ブレードに形成された孔に結合することで、前記ブレードに対して前記アタッチメントを取り付け、
前記アタッチメントを前記透水シートに接触させながら、前記建設機械を走行させて前記馬場材を前記ブレードで押しのけて除去する、
馬場材除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競馬場などの馬場材を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
競馬場などの馬場は、特開2017-166273号公報(特許文献1)に記載されるように、路床の上面に敷設された単粒砕石などの路盤と、路盤の上面に敷設された透水シートと、透水シートの上に敷設された砂やウッドチップなどの馬場材と、を含んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-166273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
競馬場などの馬場では、例えば、馬糞が混ざって馬場材が劣化するため、定期的に馬場材を交換する改修工事が必要である。馬場の改修工事では、ホイールローダなどの重機(建設機械)を使用して、表層の馬場材をバケットで掬い取って除去する。このとき、バケットのカッティングエッジが透水シートに接触すると、路盤に馬場材が混ざることを抑制しつつ、馬場材の水分を路盤に逃がす透水シートが破損してしまうおそれがある。このため、透水シートが破損しないようにすべく、バケットのカッティングエッジを透水シートから離間させた状態で馬場材を除去しているが、バケットのカッティングエッジと透水シートとが離間していることから馬場材の取り残しが多くなってしまう。そして、馬場材の取り残しが多くなると、例えば、作業者がブロアで馬場材を吹き飛ばしたり、作業者がスコップで馬場材を掬い取ったりなど、馬場材の除去作業に伴う作業者の労力が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、建設機械を使用して馬場材を除去するとき、透水シートの破損を抑制しつつ、馬場材の取り残しを少なくすることができる、馬場材除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、路床の上面に敷設された路盤、路盤の上面に敷設された透水シート、及び透水シートの上面に敷設された馬場材を含んだ馬場において、馬場材を建設機械のバケットで除去する馬場材除去方法が提供される。この馬場材除去方法では、バケットで馬場材を除去する姿勢において、バケットの下方に位置する開口端部に円筒形状のアタッチメントの軸方向に延びるスリットを嵌合させた状態で、アタッチメントの断面方向の外周面に巻き回したワイヤをバケットに対してカッティングエッジを取り付ける締結具に結合することで、バケットに対して前記アタッチメントを取り付ける。そして、アタッチメントを透水シートに接触させながら、建設機械を走行させて馬場材をバケットで掬い取って除去する。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、路床の上面に敷設された路盤、路盤の上面に敷設された透水シート、及び透水シートの上面に敷設された馬場材を含んだ馬場において、馬場材を建設機械のブレードで除去する馬場材除去方法が提供される。この馬場材除去方法では、ブレードの下端部に円筒形状のアタッチメントの軸方向に延びるスリットを嵌合させた状態で、アタッチメントの断面方向の外周面に巻き回したワイヤをブレードに形成された孔に結合することで、ブレードに対してアタッチメントを取り付ける。そして、アタッチメントを透水シートに接触させながら、建設機械を走行させて馬場材をブレードで押しのけて除去する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建設機械を使用して馬場材を除去するとき、透水シートの破損を抑制しつつ、馬場材の取り残しを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】競馬場などの馬場の一例を示す断面図である。
図2】ホイールローダの一例を示す側面図である。
図3】バケットの開口端部に取り付けられたアタッチメントの説明図である。
図4】アタッチメントの詳細を示す斜視図である。
図5】バケットにアタッチメントを取り付ける方法の説明図である。
図6】バケットに対するアタッチメントの取り付けを確実ならしめる方法の説明図である。
図7】ホイールローダを使用した馬場材除去方法の説明図である。
図8】アタッチメントの第1変形例を示す斜視図である。
図9】第1変形例に係るアタッチメントをバケットに取り付ける方法の説明図である。
図10】第1変形例に係るアタッチメントをバケットに取り付ける方法の説明図である。
図11】アタッチメントの第2変形例を示す斜視図である。
図12】モーターグレーダのブレードに取り付けられたアタッチメントの説明図である。
図13】第1変形例に係るアタッチメントをモーターグレーダのブレードに取り付ける方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、競馬場などの馬場100の一例を示している。
【0011】
馬場100は、路床120の上面に敷設された単粒砕石などからなる路盤140と、路盤140の上面に敷設された透水シート160と、透水シート160の上面に敷設された馬場材180と、を含んで構成されている。ここで、透水シート160は、路盤140に馬場材180が混ざることを抑制しつつ、馬場材180の水分を路盤140に逃がす。また、馬場材180としては、例えば、ウッドチップや砂(山砂)を使用することができる。なお、馬場材180として砂を使用する場合、その上面に芝生が植えられていてもよい。
【0012】
図2は、車体の先端に装着したバケットによって馬場材180を掬い取って除去する、建設機械の一例として挙げられるホイールローダ200の一例を示している。
【0013】
ホイールローダ200は、前部車体300と、後部車体400と、を備えている。前部車体300及び後部車体400は、上下方向に延びるセンターピン500を介して、相互に屈折可能に連結されている。
【0014】
前部車体300の前方下部には、例えば、ゴムタイヤ及びホイールを含んだ、左右一対の前輪310が固定されている。また、前部車体300の両側面には、左右一対のリフトアーム320の基端部が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。左右一対のリフトアーム320の先端部には、左右方向に延びるバケット330が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。バケット330が馬場材180を掬い取って除去する姿勢において、バケット330の下方に位置する先端部の底面には、ボルト、ナット及びワッシャを含む締結具332を介して、カッティングエッジ334が着脱可能に取り付けられている。左右一対のリフトアーム320の中間部には、前部車体300に基端部が揺動可能に固定された左右一対のアームシリンダ(図示せず)の先端部が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。なお、バケット330に取り付けられたカッティングエッジ334が、バケット330の開口端部として機能する。
【0015】
さらに、バケット330の背面中央部には、チルトロッド340の一端が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。チルトロッド340の他端には、前部車体300に対して中央部が搖動可能に固定されたチルトアーム350の一端が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。チルトアーム350の他端には、前部車体300に対して基端部が揺動可能に固定されたバケットシリンダ360の先端部が、左右方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。
【0016】
従って、アームシリンダを伸縮させると、左右一対のリフトアーム320の先端部が上下して、バケット330の高さを変更することができる。また、バケットシリンダ360を伸縮させると、チルトアーム350及びチルトロッド340を介して、左右一対のリフトアーム320に対するバケット330の角度を変更することができる。よって、アームシリンダ及びバケットシリンダ360を適宜制御することによって、前部車体300に対するバケット330の高さ及び姿勢を変更することができる。
【0017】
後部車体400の中央下部には、例えば、ゴムタイヤ及びホイールを含んだ、左右一対の後輪410が固定されている。また、後部車体400の上部には、図示しない原動機としてのディーゼルエンジンが搭載され、その上面及び両側面を覆うエンジンフード420が開閉可能に取り付けられている。ディーゼルエンジンの前方には、ディーゼルエンジンの燃料を貯蔵する燃料タンク430が、給油口を外部に露出する状態で固定されている。後部車体400の後部には、バケット330で馬場材180などを掬い取ったとき、ホイールローダ200の後部が持ち上がることを抑制するためのカウンタウェイト440が搭載されている。
【0018】
さらに、後部車体400には、左右一対のステアリングシリンダ450の基端部が、上下方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。左右一対のステアリングシリンダ450の先端部は、前部車体300の後部の離間した2位置に、上下方向に延びる軸周りに回転可能に固定されている。従って、左右一対のステアリングシリンダ450の一方を伸ばし、その他方を縮めるように作動させることで、後部車体400に対してセンターピン500を中心として前部車体300が折り曲げられ、ホイールローダ200を操舵することができる。また、後部車体400の前部上部には、ホイールローダ200のオペレータのための運転台460が固定されている。
【0019】
なお、後部車体400に搭載されたディーゼルエンジンは、アームシリンダ、バケットシリンダ360、ステアリングシリンダ450を動作させるための油圧を発生させるとともに、前部車体300の前輪310及び後部車体400の後輪410を駆動する。ここで、前輪310及び後輪410は、油圧で駆動されるようにしてもよい。
【0020】
ところで、競馬場などの馬場100において、ホイールローダ200のバケット330で馬場材180を掬い取って除去するとき、馬場材180の取り残しを少なくすべく、バケット330のカッティングエッジ334を透水シート160に接触させると、その先端部が鋭角になっていることから透水シート160が破損してしまうおそれがある。このため、図3に示すように、バケット330で馬場材180を除去する姿勢において、バケット330の下方に位置する開口端部、即ち、カッティングエッジ334の先端部に、バケット330の左右方向の略全長に亘って延びる、円筒形状又は円柱形状のアタッチメント600を取り付ける。ここで、アタッチメント600としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル管(通称「塩ビ管」)、金属製の単管パイプ、樹脂製又は金属製の丸棒(中実円柱)などを使用することができる。
【0021】
アタッチメント600として塩ビ管(円筒部材)を使用する場合、図4に示すように、塩ビ管の軸方向に延びるスリット600Aを形成し、図5に示すように、このスリット600Aをカッティングエッジ334の先端部に嵌合させることで、アタッチメント600をバケット330の開口端部に取り付けることができる。このようにアタッチメント600をバケット330に取り付けた場合、アタッチメント600にある程度の大きさの外力が作用すると、バケット330のカッティングエッジ334からアタッチメント600が外れてしまうおそれがある。
【0022】
そこで、図6に示すように、アタッチメント600のスリット600Aをカッティングエッジ334の先端部に嵌合させた状態で、アタッチメント600の外周面に巻き回した金属製のワイヤ620の両端部を、バケット330に対してカッティングエッジ334を取り付けている締結具332に結合するようにしてもよい。このようにすれば、アタッチメント600に外力が作用しても、これがバケット330から外れることがなく、バケット330に対するアタッチメント600の取り付けを確実ならしめることができる。なお、ワイヤ620は、バケット330のカッティングエッジ334の離間した少なくとも2位置に巻き回されていればよく、また、締結具332に限らず、バケット330に形成された孔、又はこれら両方を利用して結合されていてもよい。
【0023】
かかるホイールローダ200を使用して馬場材180を除去するとき、アームシリンダ及びバケットシリンダ360を適宜作動させ、図7に示すように、バケット330に取り付けられたアタッチメント600を透水シート160に軽く接触させる。そして、アタッチメント600を透水シート160に軽く接触させながら、ホイールローダ200の前輪310及び後輪410を回転駆動させて走行させる。
【0024】
このような馬場材除去方法によれば、透水シート160には外周面が円弧をなすアタッチメント600が接触しつつ移動する。このため、透水シート160とバケット330との接触面が滑らかなものとなり、過度な力で透水シート160にアタッチメント600を押し付けない限り、透水シート160の破損を抑制することができる。そして、アタッチメント600が透水シート160に接触しつつ移動することで、透水シート160の上面に敷設された馬場材180がバケット330で掬い取られて除去される。このとき、アタッチメント600が透水シート160に接触しつつ移動するので、バケット330のカッティングエッジ334の先端部と透水シート160との間隔が短くなり、透水シート160の上面にある馬場材180の取り残しを少なくすることができる。
【0025】
アタッチメント600は、カッティングエッジ334の先端部に取り付けられる構成に限らず、カッティングエッジ334を取り外し、これと交換にバケット330に取り付けるようにしてもよい。
【0026】
即ち、アタッチメント600として単管パイプ又は金属製の丸棒を使用する場合、図8に示すように、アタッチメント600の外周面に対して、その軸方向に延びる矩形形状のステー640が一体的に取り付けられていてもよい。ステー640は、アタッチメント600と同一材質からなり、例えば、その長辺の端部が溶接などによってアタッチメント600に固着されている。図示の例では、ステー640は、アタッチメント600の中心軸を通る平面上に位置しているが、ステー640の板厚を考慮して、アタッチメント600の中心軸から板厚だけオフセットした平面上に位置していてもよい。また、ステー640の板面には、バケット330に対してカッティングエッジ334を着脱可能に取り付けていた締結具332が貫通する、複数の貫通孔640Aが形成されている。複数の貫通孔640Aのピッチは、バケット330に取り付けられていた複数の締結具332のピッチと同一にすればよい。
【0027】
そして、バケット330にアタッチメント600を取り付ける場合、最初に、バケット330にカッティングエッジ334を取り付けていた複数の締結具332を取り外し、図9に示すように、バケット330からカッティングエッジ334を取り外す。次に、図10に示すように、バケット330の下面にアタッチメント600と一体化されたステー640を配置しつつ、バケット330の貫通孔及びステー640の貫通孔640Aに締結具332を貫通させて固定する。
【0028】
このようにすれば、バケット330のカッティングエッジ334の代わりに、バケット330にアタッチメント600を着脱可能に取り付けることができる。なお、かかるアタッチメント600による作用及び効果は、先の実施例と同一であるので、その説明は省略する。必要があれば、先の説明を参照されたい(以下同様)。
【0029】
また、アタッチメント600として単管パイプ又は金属製の丸棒を使用する場合、図11に示すように、アタッチメント600の長手方向の両端部に、その垂直面上において半径外方へと向かって延びる、左右一対のステー660を溶接などで固着するようにしてもよい。左右一対のステー660の板面には、バケット330の両側面に形成された孔を利用してアタッチメント600を取り付けるべく、その孔に対応した位置に少なくとも1つの貫通孔660Aが形成されている。図示の例では、ステー660に1つの貫通孔660Aが形成されているが、その個数は任意とすることができる。但し、貫通孔660Aが1個の場合には、公知の手段を利用して、バケット330に対してアタッチメント600が回転しないようにする必要がある。
【0030】
そして、バケット330の両側面にアタッチメント600と一体化されたステー660を配置しつつ、バケット330の孔及びステー660の貫通孔660Aにボルト、ナット及びワッシャを含む締結具を貫通させて固定する。
【0031】
建設機械としては、ホイールローダ200に限らず、バケットを備えたバックホウ、ブレードを備えたモーターグレーダなどであってもよい。
【0032】
バックホウのバケットは、ホイールローダ200のバケットと実質的に同一であるため、その説明を省略する。また、モーターグレーダの基本的な構成は、当業者にとって周知であるため、その説明も省略する。
【0033】
建設機械としてモーターグレーダを利用する場合、自走車両の中間部に、図12に示すように、車体に対して斜めに延びるブレード700が上下動可能に取り付けられている。そして、ブレード700の下端部には、ブレード700の略全長に亘って延びる、例えば、単管パイプ、金属製の丸棒などからなるアタッチメント600が溶接などによって固着されている。
【0034】
このようにすれば、馬場100において馬場材180を除去するとき、モーターグレーダのブレード700を降下させて、その下端部に取り付けられているアタッチメント600を透水シート160に軽く接触させる。そして、アタッチメント600を透水シート160に軽く接触させつつ、モーターグレーダの自走車両を走行させる。
【0035】
かかる馬場材除去方法によれば、透水シート160には外周面が円弧をなすアタッチメント600が接触しつつ移動する。このため、透水シート160とブレード700との接触面が滑らかなものとなり、過度な力で透水シート160にアタッチメント600を押し付けない限り、透水シート160の破損を抑制することができる。そして、アタッチメント600が透水シート160に接触しつつ移動することで、透水シート160の上面に敷設された馬場材180がブレード700によって押しのけられて除去される。このとき、アタッチメント600が透水シート160に接触しつつ移動するので、ブレード700の下端と透水シート160との間隔が短くなり、透水シート160の上面にある馬場材180の取り残しを少なくすることができる。
【0036】
ブレード700に対してアタッチメント600を取り付ける構造として、図8に示すアタッチメント600を、ブレード700の下部に離間して形成された複数の貫通孔(図示せず)を利用して取り付けるようにしてもよい。そして、図13に示すように、ブレード700の下端の側面にアタッチメント600と一体化されたステー640を配置しつつ、ブレード700の貫通孔及びステー640の貫通孔640Aに、ボルト、ナット及びワッシャを含む締結具720を貫通させて固定する。
【0037】
かかるモーターグレーダによる作用及び効果は、先のホイールローダ200による作用及び効果と同様であるため、その説明を省略するものとする。必要であれば、ホイールローダ200の説明を参照されたい。
【0038】
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置換したりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
【0039】
その一例を挙げると、例えば、アタッチメント600は1つに限らず、バケット330又はブレード700に分割したアタッチメント600が複数取り付けられていてもよい。また、バケット330又はブレード700に対するアタッチメント600の取り付けは、例えば、公知のクランプを使用してもよい。さらに、モーターグレーダは、ゴムタイヤ及びホイールを含んだ車輪により走行する構成に限らず、ゴム製のクローラで走行する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
100 馬場
120 路床
140 路盤
160 透水シート
180 馬場材
200 ホイールローダ(建設機械)
330 バケット
332 締結具
334 カッティングエッジ
600 アタッチメント
600A スリット
620 ワイヤ
640 ステー
640A 貫通孔
660 ステー
660A 貫通孔
700 ブレード
720 締結具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13