特許 7530277 カラオケ装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-07-30

(45)【発行日】2024-08-07

(54)【発明の名称】カラオケ装置

(51)【国際特許分類】

   G10K 15/04 20060101AFI20240731BHJP

【ＦＩ】

G10K15/04 302D

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2020197546

(22)【出願日】2020-11-27

(65)【公開番号】P2022085723

(43)【公開日】2022-06-08

【審査請求日】2023-10-24

(73)【特許権者】

【識別番号】390004710

【氏名又は名称】株式会社第一興商

(74)【代理人】

【識別番号】110000176

【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】野村 直孝

【審査官】大野 弘

(56)【参考文献】

【文献】国際公開第２０２１／２５１１８７（ＷＯ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ１０Ｋ １５／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

利用者が歌唱する楽曲のリファレンスデータ、及び当該利用者の歌唱音声に基づいて、当該楽曲のノート毎に歌唱評価を行う歌唱評価部と、
前記楽曲のリファレンスデータに基づいて、前記歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する特定部と、
特定された前記一のノートの音高、及び前記直前のノートの音高に基づく組み合わせと、当該一のノートの前記歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する生成部と、
前記利用者の未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、生成した複数の前記音高評価情報の中から抽出する抽出部と、
前記未歌唱楽曲に含まれる全てのノートについて抽出した前記音高評価情報に基づいて、前記未歌唱楽曲を前記利用者が歌唱した場合の予想評価を算出する算出部と、
算出された前記予想評価を提示する提示部と、
を有するカラオケ装置。

【請求項2】

前記特定部は、歌唱評価を行った一のノートが、前記楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該歌唱評価を行った一のノートの音高を、前記歌唱評価を行った一のノートの直前のノートの音高とすることを特徴とする請求項１記載のカラオケ装置。

【請求項3】

前記抽出部は、前記未歌唱楽曲における一のノートが、当該未歌唱楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該未歌唱楽曲における一のノートの音高を、前記未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高とすることを特徴とする請求項１または２記載のカラオケ装置。

【請求項4】

前記生成部は、前記歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと、当該一のノートの前記歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成し、
前記抽出部は、前記未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、前記生成した複数の音高評価情報の中から抽出する、
ことを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載のカラオケ装置。

【請求項5】

前記生成部は、前記歌唱評価を行った一のノートの音高と当該一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該一のノートの音高との組み合わせと、当該一のノートの前記歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成し、
前記抽出部は、前記未歌唱楽曲における一のノートの音高と当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、前記生成した複数の音高評価情報の中から抽出する、
ことを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載のカラオケ装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明はカラオケ装置に関する。

【背景技術】

【0002】

一般的に、カラオケ装置の利用者の多くは、自らが好きな楽曲や得意な楽曲等、よく知っている楽曲を中心にカラオケ歌唱する傾向がある。一方、利用者の中には、新たな楽曲のカラオケ歌唱にチャレンジし、レパートリーを増やしたいと考える者もいる。

【0003】

ここで、ある利用者にとって、自らがカラオケ歌唱を行ったことがない楽曲（以下、「未歌唱楽曲」）をカラオケ歌唱した場合の評価を予想することができれば、当該評価の高い楽曲について積極的にカラオケ歌唱を試みるきっかけとなり得る。

【0004】

たとえば、特許文献１には、利用者がこれまでにカラオケ歌唱を行ったことがない楽曲が選曲された場合、利用者の歌唱履歴から、選曲した楽曲の難易度と同一または近似する難易度が設定されている楽曲の採点値を抽出し、抽出した採点値に基づいて、選曲した楽曲をカラオケ歌唱した際に得られる可能性のある予想採点値を算出し、算出された予想採点値に基づく予想情報を提示する技術が開示されている。

【0005】

また、特許文献２には、利用者の歌唱した楽曲の歌唱採点履歴から音高毎の評価を集計して歌唱別音高評価情報を作成し、複数の歌唱別音高評価情報から音高毎の評価を適宜属性情報に基づき集計して利用者別音高評価情報を作成し、検索対象となる楽曲の歌唱すべき音高のそれぞれを利用者別音高評価情報等に基づいて採点して当該楽曲を利用者が歌唱したと仮想した場合の予想スコアを当該楽曲毎に算出し、検索対象となる楽曲から予想スコアを条件として選曲候補楽曲を抽出する技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２０１８－０９１９８２号公報

【文献】特開２０１６－０２９４２９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

ところで、カラオケ装置でカラオケ演奏される楽曲は、音高の異なる複数のノートの連続により旋律が決定される。よって、あるノートについて発声した音高が、当該あるノートに続くノートで発声する音高の正確性に影響を与えるといったことが起こりうる。また、同じ連続するノートであっても、利用者によって音高の正確性に差がある。すなわち、ある楽曲をカラオケ歌唱した場合の評価を予想する場合、連続するノートの音高の影響を利用者毎に考慮することが好ましい。一方、特許文献１や特許文献２に記載された技術では、連続するノートの音高を考慮していないため、正確な評価を予想することが困難である。

【0008】

本発明の目的は、未歌唱楽曲に対する正確な評価を予想することが可能なカラオケ装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記目的を達成するための一の発明は、利用者が歌唱する楽曲のリファレンスデータ、及び当該利用者の歌唱音声に基づいて、当該楽曲のノート毎に歌唱評価を行う歌唱評価部と、前記楽曲のリファレンスデータに基づいて、前記歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する特定部と、特定された前記一のノートの音高、及び前記直前のノートの音高に基づく組み合わせと、当該一のノートの前記歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する生成部と、前記利用者の未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、生成した複数の前記音高評価情報の中から抽出する抽出部と、前記未歌唱楽曲に含まれる全てのノートについて抽出した前記音高評価情報に基づいて、前記未歌唱楽曲を前記利用者が歌唱した場合の予想評価を算出する算出部と、算出された前記予想評価を提示する提示部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、未歌唱楽曲に対する正確な評価を予想することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。

【図2】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。

【図3】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。

【図4】実施形態に係る楽曲Ａのフレーズを示す図である。

【図5A】実施形態に係る生成部により生成された音高評価情報を示す図である。

【図5B】実施形態に係る生成部により生成された音高評価情報を示す図である。

【図5C】実施形態に係る生成部により生成された音高評価情報を示す図である。

【図6】実施形態に係る複数の音高評価情報を示す図である。

【図7】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。

【図8】実施形態に係る未歌唱楽曲ＵＡのフレーズを示す図である。

【図9】変形例２に係る複数の音高評価情報を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

図１～図８を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。

【0013】

＝＝カラオケ装置＝＝
カラオケ装置Ｋは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図１に示すように、カラオケ装置Ｋは、カラオケ本体１０、スピーカ２０、表示装置３０、マイク４０、及びリモコン装置５０を備える。

【0014】

カラオケ本体１０は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク４０を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ２０はカラオケ本体１０からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置３０はカラオケ本体１０からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク４０は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体１０に入力するための構成である。リモコン装置５０は、カラオケ本体１０に対する各種操作をおこなうための装置である。

【0015】

図２に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体１０は、記憶手段１０ａ、通信手段１０ｂ、入力手段１０ｃ、演奏手段１０ｄ、及び制御手段１０ｅを備える。各構成はインターフェース（図示なし）を介してバスＢに接続されている。

【0016】

［記憶手段］
記憶手段１０ａは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段１０ａは、楽曲データを記憶する。

【0017】

楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ＩＤ等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱すべき主旋律を示すデータである。各楽曲（各楽曲のリファレンスデータ）は、複数のフレーズから構成されている。また、各フレーズは、それぞれ複数のノートを含む。各ノートは、所定の音高や音長などが設定されている。

【0018】

記憶手段１０ａは、各楽曲に対応する歌詞テロップをカラオケ演奏に合わせて表示装置３０等に表示させるための歌詞テロップデータ、カラオケ演奏時に表示装置３０等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報を記憶する。属性情報は、たとえば、歌手名、楽曲の音楽ジャンル情報、楽曲のテンポ情報等を含む。

【0019】

［通信手段・入力手段・演奏手段］
通信手段１０ｂは、リモコン装置５０との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段１０ｃは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段１０ｃは、カラオケ本体１０に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置５０が入力手段１０ｃとして機能してもよい。演奏手段１０ｄは、制御手段１０ｅの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク４０を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。

【0020】

［制御手段］
制御手段１０ｅは、カラオケ装置Ｋにおける各種の制御を行う。制御手段１０ｅは、ＣＰＵおよびメモリ（いずれも図示無し）を備える。ＣＰＵは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。

【0021】

本実施形態においてはＣＰＵがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段１０ｅは、歌唱評価部１００、特定部２００、生成部３００、抽出部４００、算出部５００、及び提示部６００として機能する。

【0022】

（歌唱評価部）
歌唱評価部１００は、利用者が歌唱する楽曲のリファレンスデータ、及び当該利用者の歌唱音声に基づいて、当該楽曲のノート毎に歌唱評価を行う。

【0023】

歌唱評価は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲に含まれるノート毎に行う。歌唱評価は、一のノートにおいて、歌唱音声に基づく歌唱音声データが示す音高と、当該楽曲のリファレンスデータが示す音高との一致度合いとして求めることができる。一のノートにおいて、歌唱音声データが示す音高とリファレンスデータが示す音高との差が小さいほど、音高の正確性が高いと判断できる。

【0024】

具体例として、歌唱評価部１００は、一のノートにおいて、利用者の歌唱音声の音高に基づく周波数と、リファレンスデータの音高に基づく周波数とを比較し、その差分(セント値)を算出する。差分の算出は、サンプルタイミング毎(たとえば、２０ｍｓ毎)に行われる。一のノートにおいて算出した複数の差分のうち、所定範囲内に含まれるものが所定数以上あった場合、歌唱評価部１００は、一のノートについて「合格」と判定する。逆に、一のノートにおいて算出した複数の差分のうち、所定範囲内に含まれるものが所定数未満であった場合、歌唱評価部１００は、一のノートについて「不合格」と判定する。このような一のノートについての「合格」または「不合格」の判定結果は、「ノート毎の歌唱評価」の一例である。なお、所定範囲は、たとえばリファレンスデータの音高に対して±３０セント、±５０セントのような、予め設定された範囲である。所定数は、たとえば、１回、３回のような、予め設定された数である。

【0025】

歌唱評価部１００は、楽曲に含まれる全てのノートについて、「合格」または「不合格」の判定を行う。そして、歌唱評価部１００は、全てのノートの数と合格と判定されたノートの数の比率に基づいて採点結果を算出する。採点結果は、たとえば１００点を満点とする数値として算出することができる。歌唱評価部１００は、採点結果を楽曲の楽曲ＩＤと紐付けて、利用者の歌唱履歴に登録する。利用者毎の歌唱履歴は、カラオケ装置Ｋの記憶手段１０ａ、またはカラオケ装置Ｋと通信可能に接続されたサーバ装置の記憶手段（図示なし）に記憶される。利用者毎の歌唱履歴は、利用者識別情報を含む。利用者識別情報は、利用者を識別するための利用者ＩＤ等、各利用者に固有の情報である。カラオケ装置Ｋ及びサーバ装置は、利用者識別情報を用いることで、利用者毎の歌唱履歴を特定することができる。

【0026】

（特定部）
特定部２００は、楽曲のリファレンスデータに基づいて、歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する。各ノートの音高の特定は、一のノートの歌唱評価後に行われる。

【0027】

たとえば、楽曲ＡのノートＮ_xについて、歌唱評価部１００による歌唱評価が行われたとする。この場合、特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータを参照し、歌唱評価を行ったノートＮ_xの音高を特定する。また、特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータを参照し、ノートＮ_xの直前のノートＮ_x-1の音高を特定する。特定部２００は、一の楽曲に含まれるノートについて歌唱評価が行われる都度、同様の処理を繰り返し行う。

【0028】

なお、楽曲のフレーズの先頭のノートについては、直前のノートが存在しない場合がある。そこで、特定部２００は、歌唱評価を行った一のノートが、楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該歌唱評価を行った一のノートの音高を、歌唱評価を行った一のノートの直前のノートの音高とすることができる。この場合、歌唱評価を行った一のノートの音高と、直前のノートの音高は同じものとなる。

【0029】

（生成部）
生成部３００は、特定された一のノートの音高、及び直前のノートの音高に基づく組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する。

【0030】

一のノートの音高及び直前のノートの音高に基づく組み合わせは様々である。本実施形態において、生成部３００は、特定された一のノートの音高、及び直前のノートの音高の組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する。一のノートの歌唱評価の結果は、歌唱評価の判定結果、及び評価回数を含む。

【0031】

たとえば、生成部３００は、特定されたノートＮ_xの音高、及び直前のノートＮ_x-1の音高の組み合わせと、ノートＮ_xの歌唱評価及び評価回数とを紐付けた音高評価情報Ｅ_xを生成し、記憶手段に記憶させる。生成部３００は、特定部２００による音高の特定が行われる都度、同様の処理を繰り返し行う。すなわち、たとえば一の楽曲についてノートが１００あるとした場合、１００通りの音高評価情報が生成される。なお、一の楽曲について、同じ音高評価情報が複数存在する場合もありうる。

【0032】

生成部３００は、生成した複数の音高評価情報を、利用者毎に記憶手段１０ａまたはサーバ装置の記憶手段（図示なし）に記憶させる。

【0033】

たとえば、生成部３００は、一の楽曲について複数の音高評価情報を生成した後、利用者識別情報と紐付けてサーバ装置に送信する。サーバ装置の記憶手段は、音高評価情報を利用者毎に記憶する。カラオケ装置Ｋ及びサーバ装置は、利用者識別情報を用いることで、利用者毎の音高評価情報を特定することができる。なお、サーバ装置がある利用者の音高評価情報を受信した際、記憶手段に当該ある利用者の音高評価情報が既に記憶されていることがある。この場合、サーバ装置は、当該ある利用者の音高評価情報を更新する。

【0034】

（抽出部）
抽出部４００は、利用者の未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、生成した複数の音高評価情報の中から抽出する。

【0035】

一のノートの音高及び直前のノートの音高に基づく組み合わせは様々である。本実施形態において、抽出部４００は、利用者の未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、複数の音高評価情報の中から抽出する。

【0036】

たとえば、利用者Ｕがカラオケ装置Ｋを利用する際、未歌唱楽曲の予想評価を知りたいと考えたとする。この場合、利用者Ｕは、リモコン装置５０を操作し、自己の利用者ＩＤの入力を行う。カラオケ装置Ｋは、入力された利用者ＩＤをサーバ装置に送信する。サーバ装置は、記憶手段から利用者ＩＤに対応する歌唱履歴及び複数の音高評価情報を読み出し、カラオケ装置Ｋに送信する。

【0037】

その後、利用者Ｕは、リモコン装置５０の表示画面に表示された「予想評価」のアイコンを選択する。リモコン装置５０は、カラオケ装置Ｋが受信した歌唱履歴を参照し、歌唱履歴に含まれない楽曲を特定する。リモコン装置５０は、特定した楽曲を「未歌唱楽曲」として表示画面に表示させる。利用者Ｕは、表示された未歌唱楽曲の中から、予想評価を知りたい楽曲を選択する。なお、利用者に対して提示される未歌唱楽曲は、複数の未歌唱楽曲の中からランダムに抽出されてもよいし、予め利用者が入力した条件（歌手名、ジャンル等）に基づいて抽出されてもよい。

【0038】

抽出部４００は、記憶手段１０ａから、選択された未歌唱楽曲のリファレンスデータを読み出す。

【0039】

抽出部４００は、未歌唱楽曲のリファレンスデータに基づいて、未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する。音高の特定は、特定部２００と同様の処理により行うことができる。

【0040】

抽出部４００は、特定した未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高の組み合わせについて、サーバ装置から受信した複数の音高評価情報の中に同じ組み合わせを含む音高評価情報があるかどうかを確認する。同じ組み合わせを含む音高評価情報があった場合、抽出部４００は、その音高評価情報を抽出する。抽出部４００は、一の未歌唱楽曲に含まれる全てのノートについて、同様の処理を繰り返し行う。

【0041】

なお、未歌唱楽曲のフレーズの先頭のノートについては、直前のノートが存在しない場合がある。そこで、抽出部４００は、未歌唱楽曲における一のノートが、未歌唱楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該未歌唱楽曲における一のノートの音高を、当該未歌唱楽曲の一のノートの直前のノートの音高とすることができる。この場合、未歌唱楽曲における一のノートの音高と、直前のノートの音高は同じものとなる。

【0042】

また、特定した未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせについて、サーバ装置から受信した複数の音高評価情報の中に同じ組み合わせを含む音高評価情報がない場合もありうる。この場合、抽出部４００は、一のノートの音高や直前のノートの音高に近い音高の組み合わせや、いずれか一方の音高が一致する組み合わせを含む音高評価情報を抽出することが可能である。

【0043】

（算出部）
算出部５００は、未歌唱楽曲に含まれる全てのノートについて抽出した音高評価情報に基づいて、未歌唱楽曲を利用者が歌唱した場合の予想評価を算出する。

【0044】

予想評価の算出は、たとえば、抽出した音高評価情報に含まれる歌唱評価及び評価回数を用いて行うことができる。予想評価は、たとえば１００点を満点とする数値として求めることができる。

【0045】

具体的に、算出部５００は、抽出した一の音高評価情報に含まれる合格数を評価回数で除した値を求め、求めた値が所定の条件を満たす場合には当該音高評価情報を「合格」と判定し、所定の条件を満たさない場合には当該音高評価情報を「不合格」と判定する。所定の条件は、当該音高評価情報の合格・不合格を判定するための条件であり、たとえば０．５以上、０．７以上等、予め設定されている。算出部５００は、抽出した全ての音高評価情報について同様の処理を行い、合格となった音高評価情報の数を未歌唱楽曲の全てのノートの数で除した値を求め、予想評価とする。

【0046】

（提示部）
提示部６００は、算出された予想評価を提示する。

【0047】

たとえば、算出部５００が未歌唱楽曲の予想評価として「８０点」を算出した場合、提示部６００は、「８０点」を利用者に提示する。予想評価の提示方法は様々な手法が可能である。

【0048】

具体的に、提示部６００は、リモコン装置５０の表示画面に、未歌唱楽曲の楽曲名や楽曲ＩＤと併せて予想評価「８０点」を表示させることができる。或いは、提示部６００は、予想評価を表示装置３０に表示させてもよい。また、提示部６００は、スピーカ２０を介し、予想評価を音声として利用者に提示することも可能である。

【0049】

＝＝カラオケ装置Ｋの動作について＝＝
次に、図３～図８を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Ｋの動作の具体例について述べる。

【0050】

［歌唱評価部、特定部、及び生成部の動作例］
図３は、カラオケ装置Ｋにおける歌唱評価部１００、特定部２００、及び生成部３００の動作例を示すフローチャートである。ここでは、利用者Ｕが、カラオケ装置Ｋを利用して楽曲Ａのカラオケ歌唱を行うとする。

【0051】

歌唱評価部１００は、利用者Ｕが歌唱する楽曲Ａのリファレンスデータを記憶手段１０ａから読み出す。図４は、楽曲Ａのリファレンスデータの最初のフレーズＦ１における音高を示した図である。フレーズＦ１には、１０のノート（ノートＮ１～ノートＮ１０）が含まれている。

【0052】

歌唱評価部１００は、利用者の歌唱音声に基づいて、楽曲Ａのノート毎に歌唱評価を行う（楽曲のノート毎に歌唱評価。ステップ１０）。

【0053】

特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータに基づいて、歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する（歌唱評価を行った一のノート及び直前のノートの音高を特定。ステップ１１）。

【0054】

たとえば、歌唱評価部１００がノートＮ１の歌唱評価を行い、「合格」と判定したとする。

【0055】

特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータを参照し、歌唱評価を行ったノートＮ１の音高（Ａ４）を特定する。また、ノートＮ１はフレーズＦ１の先頭のノートであるため、特定部２００は、ノートＮ１の直前のノートの音高として、ノートＮ１の音高（Ａ４）を特定する。

【0056】

生成部３００は、ステップ１１で特定された一のノートの音高、及び直前のノートの音高の組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する（音高評価情報を生成。ステップ１２）。

【0057】

上記例において、生成部３００は、歌唱評価を行ったノートＮ１の音高（Ａ４）、及びノートＮ１の直前のノートの音高（ノートＮ１の音高（Ａ４））の組み合わせと、ノートＮ１の歌唱評価の結果（歌唱評価「合格」及び評価回数「１回」）とを紐付けた音高評価情報Ｅ１を生成する（図５Ａ参照）。

【0058】

楽曲Ａの全てのノートについて音高評価情報を求めるまで（ステップ１３でＹの場合）、カラオケ装置Ｋは、ステップ１０からステップ１２の処理を繰り返し行う。

【0059】

具体的に、歌唱評価部１００はノートＮ１の歌唱評価を行った後、次のノートＮ２の歌唱評価を行う。ここでは、ノートＮ２について「合格」と判定したとする。

【0060】

特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータを参照し、歌唱評価を行ったノートＮ２の音高（Ａ４）を特定する。また、特定部２００は、ノートＮ２の直前のノートＮ１の音高（Ａ４）を特定する。

【0061】

生成部３００は、歌唱評価を行ったノートＮ２の音高（Ａ４）、及びノートＮ２の直前のノートＮ１の音高（Ａ４）の組み合わせと、ノートＮ２の歌唱評価の結果（歌唱評価「合格」及び評価回数「１回」）とを紐付けた音高評価情報Ｅ２を生成する（図５Ｂ参照）。

【0062】

歌唱評価部１００はノートＮ２の歌唱評価を行った後、次のノートＮ３の歌唱評価を行う。ここでは、ノートＮ３について「不合格」と判定したとする。

【0063】

特定部２００は、楽曲Ａのリファレンスデータを参照し、歌唱評価を行ったノートＮ３の音高（Ｂ４）を特定する。また、特定部２００は、ノートＮ３の直前のノートＮ２の音高（Ａ４）を特定する。

【0064】

生成部３００は、歌唱評価を行ったノートＮ３の音高（Ｂ４）、及びノートＮ３の直前のノートＮ２の音高（Ａ４）の組み合わせと、ノートＮ３の歌唱評価の結果（歌唱評価「不合格」及び評価回数「１回」）とを紐付けた音高評価情報Ｅ３を生成する（図５Ｃ参照）。

【0065】

生成部３００は、楽曲Ａに含まれる全てのノートについて音高評価情報を生成した後、利用者識別情報と紐付けて記憶手段に記憶させる（複数の音高評価情報を記憶。ステップ１４）。上述の通り、音高評価情報は、記憶手段１０ａまたはサーバ装置の記憶手段に記憶させる。記憶手段１０ａまたはサーバ装置の記憶手段は、複数の音高評価情報を、利用者Ｕの利用者ＩＤに紐付けて記憶する。カラオケ装置Ｋは、利用者Ｕが楽曲のカラオケ歌唱を行う都度、ステップ１０からステップ１４の処理を繰り返し行う。

【0066】

図６は、記憶手段１０ａまたはサーバ装置の記憶手段に記憶されている利用者Ｕについての複数の音高評価情報をまとめた例を示す。図６において、歌唱評価を行ったノートの音高、及び直前のノートの音高の組み合わせが共通する音高評価情報については、判定結果（合格数）及び評価回数を加算したものを示している。たとえば、歌唱評価を行った一のノートの音高（Ａ４）、及び直前のノートの音高（Ａ４）の組み合わせの場合、利用者Ｕがこれまでに行った様々な楽曲のカラオケ歌唱において、８２回の歌唱評価が行われ、７５回が合格であったことがわかる。

【0067】

［抽出部、算出部、及び提示部の動作例］
図７は、カラオケ装置Ｋにおける抽出部４００、算出部５００、及び提示部６００の動作例を示すフローチャートである。ここでは、利用者Ｕがカラオケ歌装置Ｋを利用する際、未歌唱楽曲ＵＡの予想評価を知りたいと考えたとする。また、この例では、カラオケ装置Ｋは、サーバ装置から、利用者Ｕに対応する歌唱履歴、及び複数の音高評価情報（図６参照）を取得しているとする。

【0068】

抽出部４００は、未歌唱楽曲ＵＡのリファレンスデータを記憶手段１０ａから読み出す。図８は、未歌唱楽曲ＵＡのリファレンスデータの最初のフレーズＵＦ１における音高を示した図である。フレーズＵＦ１には、７のノート（ノートＵＮ１～ノートＵＮ７）が含まれている。

【0069】

抽出部４００は、利用者Ｕの未歌唱楽曲ＵＡにおける一のノートの音高、及び未歌唱楽曲ＵＡにおける一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、サーバ装置Ｓから取得した複数の音高評価情報の中から抽出する（一のノートの音高及び直前のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を抽出。ステップ２０）。

【0070】

ここで、抽出部４００は、未歌唱楽曲ＵＡのリファレンスデータを参照し、フレーズＵＦ１におけるノートＵＮ１の音高（Ａ４）を特定する。また、ノートＵＮ１はフレーズＵＦ１の先頭のノートであるため、抽出部４００は、ノートＵＮ１の直前のノートの音高として、ノートＵＮ１の音高（Ａ４）を特定する。

【0071】

抽出部４００は、特定した未歌唱楽曲ＵＡにおけるノートＵＮ１の音高（Ａ４）、及びノートＵＮ１の直前のノートの音高（Ａ４）の組み合わせについて、サーバ装置から受信した複数の音高評価情報の中に同じ組み合わせがあるかどうかを確認する。図６の例によれば、一のノートの音高（Ａ４）、及び直前のノートの音高（Ａ４）の組み合わせが存在する。よって、抽出部４００は、当該組み合わせを含む音高評価情報を抽出する。この音高評価情報には、判定結果（合格数）として「７５」、評価回数として「８２」が含まれている。

【0072】

次に、抽出部４００は、未歌唱楽曲ＵＡのリファレンスデータを参照し、フレーズＵＦ１におけるノートＵＮ２の音高（Ｂ４）を特定する。また、抽出部４００は、ノートＵＮ２の直前のノートＵＮ１の音高（Ａ４）を特定する。

【0073】

抽出部４００は、特定した未歌唱楽曲ＵＡにおけるノートＵＮ２の音高（Ｂ４）、及び直前のノートＵＮ１の音高（Ａ４）の組み合わせについて、サーバ装置から受信した複数の音高評価情報の中に同じ組み合わせがあるかどうかを確認する。図６の例によれば、一のノートの音高（Ｂ４）、及び直前のノートの音高（Ａ４）の組み合わせが存在する。よって、抽出部４００は、当該組み合わせを含む音高評価情報を抽出する。この音高評価情報には、判定結果（合格数）として「４１」、評価回数として「９４」が含まれている。

【0074】

未歌唱楽曲ＵＡの全てのノートについて音高評価情報を抽出するまで（ステップ２１でＹの場合）、カラオケ装置Ｋは、ステップ２０の処理を繰り返し行う。

【0075】

算出部５００は、未歌唱楽曲ＵＡに含まれる全てのノートについて抽出した音高評価情報に基づいて、未歌唱楽曲を利用者が歌唱した場合の予想評価を算出する（予想評価を算出。ステップ２２）。

【0076】

たとえば、算出部５００は、最初に抽出した音高評価情報に含まれる合格数「７５」を評価回数「８２」で除した値「０．８４７」を求める。算出部５００は、求めた値「０．８４７」が所定の条件を満たす場合を「合格」と判定し、所定の条件を満たさない場合を「不合格」と判定する。所定の条件は、抽出した音高評価情報が合格かどうかを判定するための条件である。

【0077】

同様に、算出部５００は、次に抽出した音高評価情報に含まれる合格数「４１」を評価回数「９４」で除した値「０．４３６」を求め、所定の条件に基づいて「合格」または「不合格」の判定を行う。

【0078】

算出部５００は、抽出した全ての音高評価情報について「合格」または「不合格」を判定した後、合格となった音高評価情報の数を未歌唱楽曲ＵＡの全てのノートの数で除した値を求め、予想評価とする。たとえば、合格となった音高評価情報の数が「９６」であり、未歌唱楽曲ＵＡのノート数が「１２８」であるとする。この場合、算出部５００は、予想評価として「７５点」を算出する。

【0079】

提示部６００は、算出部５００により算出された予想評価を提示する（予想評価を提示。ステップ２３）。

【0080】

なお、上記例では、未歌唱楽曲ＵＡの全てのノートについて音高評価情報を抽出した後、各音高評価情報の評価を行う例を説明したがこれに限られない。すなわち、カラオケ装置Ｋは、音高評価情報を抽出する都度、当該音高評価情報の評価を行ってもよい。

【0081】

以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Ｋは、利用者が歌唱する楽曲のリファレンスデータ、及び当該利用者の歌唱音声に基づいて、当該楽曲のノート毎に歌唱評価を行う歌唱評価部１００と、楽曲のリファレンスデータに基づいて、歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高を特定する特定部２００と、特定された一のノートの音高、及び直前のノートの音高に基づく組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する生成部３００と、利用者の未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、生成した複数の音高評価情報の中から抽出する抽出部４００と、未歌唱楽曲に含まれる全てのノートについて抽出した音高評価情報に基づいて、未歌唱楽曲を利用者が歌唱した場合の予想評価を算出する算出部５００と、算出された予想評価を提示する提示部６００と、を有する。

【0082】

このようなカラオケ装置Ｋによれば、利用者が過去にカラオケ歌唱を行った楽曲の一のノートの音高、及び直前のノートの音高に基づく組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を利用して、未歌唱楽曲の予想評価を算出することができる。このようにして算出された予想評価は、利用者毎の音高の正確性を考慮したものである。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Ｋによれば、未歌唱楽曲に対する正確な評価を予想することができる。

【0083】

また、本実施形態に係るカラオケ装置Ｋにおいて、特定部２００は、歌唱評価を行った一のノートが、楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該歌唱評価を行った一のノートの音高を、歌唱評価を行った一のノートの直前のノートの音高とすることができる。このようなカラオケ装置Ｋによれば、直前のノートが存在しない場合であっても、歌唱評価を行った一のノートの音高と、歌唱評価を行った一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせを求めることができる。

【0084】

また、本実施形態に係るカラオケ装置Ｋにおいて、抽出部４００は、未歌唱楽曲における一のノートが、当該未歌唱楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、当該未歌唱楽曲における一のノートの音高を、未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高とすることができる。このようなカラオケ装置Ｋによれば、直前のノートが存在しない場合であっても、未歌唱楽曲における一のノートの音高と、未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高に基づく組み合わせを求めることができる。

【0085】

また、本実施形態に係るカラオケ装置Ｋにおいて、生成部３００は、歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成し、抽出部４００は、未歌唱楽曲における一のノートの音高、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、複数の音高評価情報の中から抽出することができる。このようなカラオケ装置Ｋによれば、歌唱評価を行った一のノートの音高、及び当該一のノートの直前のノートの音高の組み合わせを利用して、予想評価を算出することができる。

【0086】

＜変形例１＞
音高評価情報の生成及び抽出において、一のノートの音高と当該一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該一のノートの音高との組み合わせを利用することも可能である。

【0087】

この場合、生成部３００は、歌唱評価を行った一のノートの音高と当該一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該一のノートの音高との組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成する。

【0088】

たとえば、歌唱評価を行ったノートＮ_x、ノートＮ_xの直前のノートＮ_x-1について、生成部３００は、ノートＮ_xとノートＮ_x-1の差分を求め、当該差分及びノートＮ_xの音高との組み合わせと、ノートＮ_xの歌唱評価「合格」及び評価回数「１回」とを紐付けた音高評価情報Ｅ_xを生成する。

【0089】

また、本変形例における抽出部４００は、未歌唱楽曲における一のノートの音高と当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、複数の音高評価情報の中から抽出する。

【0090】

たとえば、抽出部４００は、未歌唱楽曲のリファレンスデータに基づいて、未歌唱楽曲における一のノートＵＮ_xの音高と直前のノートＵ_x-1の音高との差分、及びノートＵＮ_xの音高を特定する。

【0091】

抽出部４００は、特定した未歌唱楽曲における一のノートの音高と直前のノートの音高の差分、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの音高の組み合わせについて、複数の音高評価情報の中に同じ組み合わせを含む音高評価情報があるかどうかを確認する。

【0092】

このように、本変形例に係る生成部３００は、歌唱評価を行った一のノートの音高と当該一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該一のノートの音高との組み合わせと、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成し、抽出部４００は、未歌唱楽曲における一のノートの音高と当該未歌唱楽曲における一のノートの直前のノートの音高との差分、及び当該未歌唱楽曲における一のノートの音高の組み合わせと一致する組み合わせを含む音高評価情報を、複数の音高評価情報の中から抽出する。このようなカラオケ装置Ｋによれば、歌唱評価を行った一のノートの音高と当該一のノートの直前のノートの音高との差分を利用して、予想評価を算出することができる。

【0093】

＜変形例２＞
歌唱評価を行った一のノートが、楽曲のフレーズの先頭のノートであった場合、生成部３００は、当該一のノートの音高と、当該一のノートの歌唱評価の結果とを紐付けた音高評価情報を生成してもよい。単一のノートの音高を含む音高情報は、たとえば特許文献２に記載の技術を応用して生成することができる。

【0094】

この場合、記憶手段１０ａまたはサーバ装置の記憶手段には、図６に示すような一のノートの音高と直前のノートの音高との組み合わせを含む音高評価情報とは別に、図９に示すような単一のノートの音高を含む音高評価情報を記憶する。

【0095】

また、未歌唱楽曲における一のノートがフレーズの先頭のノートであった場合、抽出部４００は、当該一のノートの音高と一致する音高を含む音高評価情報を、図９に示すような複数の音高評価情報の中から抽出する。

【0096】

＜変形例３＞
カラオケ装置Ｋは、未歌唱楽曲を決定する際、未歌唱楽曲に含まれる各ノートの音高が、利用者の声域に含まれる楽曲に限定してもよい。或いは、カラオケ装置Ｋは、未歌唱楽曲のキーをシフトした場合に、未歌唱楽曲に含まれる各ノートの音高が、利用者の声域に含まれる楽曲に限定してもよい。この場合、カラオケ装置Ｋは、未歌唱楽曲の曲名等と併せてキーのシフト量を併せて提示する。このような構成によれば、未歌唱楽曲のうち、利用者が確実にカラオケ歌唱できる楽曲を提示することができる。

【0097】

＜その他＞
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

【符号の説明】

【0098】

１００ 歌唱評価部
２００ 特定部
３００ 生成部
４００ 抽出部
５００ 算出部
６００ 提示部
Ｋ カラオケ装置

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】