(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
B62D 1/181 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B62D1/181
(21)【出願番号】P 2020207079
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2020058295
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000144810
【氏名又は名称】株式会社山田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】鴇崎 恭平
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/083536(WO,A1)
【文献】特開2015-027866(JP,A)
【文献】国際公開第2015/002265(WO,A1)
【文献】特開2008-114609(JP,A)
【文献】実開昭63-117662(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0200783(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/181
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に沿う軸線回りに回転可能にステアリングシャフトが挿入されるパイプと、
車体に支持されるとともに、前記パイプを前後方向に移動可能に支持するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記パイプを前後方向に移動させる
テレスコピック機構と、を備え、
前記ハウジングには、
前記軸線を通り上下方向に沿う中心線上に位置し、前記パイプを上下方向の第1側から支持する第1支持部と、
前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第1側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第2支持部と、
前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第2側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第3支持部と、が設けられ、
前記パイプを前後方向から見て、前記パイプの外周面及び前記第2支持部の接触
点と、前記中心線及び前記パイプの外周面の交点と、がなす前記パイプの
第1中心角が45°以上
50°以下の範囲に設定され
、
前記パイプを前後方向から見て、前記パイプの外周面及び前記第3支持部の接触点と、の何れか一方の接触点と、前記中心線及び前記パイプの外周面の交点と、がなす前記パイプの第2中心角が45°以上50°以下の範囲に設定され、
前記第1中心角及び前記第2中心角は、互いに等しくなっているステアリング装置。
【請求項2】
前後方向に沿う軸線回りに回転可能にステアリングシャフトが挿入されるパイプと、
車体に支持されるとともに、前記パイプを前後方向に移動可能に支持するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記パイプを前後方向に移動させる
テレスコピック機構と、を備え、
前記ハウジングには、
前記軸線を通り上下方向に沿う中心線上に位置し、前記パイプを上下方向の第1側から支持する第1支持部と、
前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第1側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第2支持部と、
前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第2側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第3支持部と、が設けられ、
前記パイプを前後方向から見て、前記パイプの外周面及び前記第2支持部の接触
点と、前記中心線及び前記パイプの外周面の交点と、がなす前記パイプの
第1中心角が45°以上60°以下の範囲に設定され
、
前記パイプを前後方向から見て、前記パイプの外周面及び前記第3支持部の接触点と、の何れか一方の接触点と、前記中心線及び前記パイプの外周面の交点と、がなす前記パイプの第2中心角が45°以上60°以下の範囲に設定され、
前記第1中心角及び前記第2中心角は、互いに等しくなっており、
前記ハウジングのうち、前記第2支持部及び前記第3支持部との間に位置する部分には、前記軸線に交差する径方向の内側に向けて開口する切欠きが形成され、
前記第2支持部及び前記第3支持部は、前記切欠きの開口縁のうち、前記周方向で対向する側端縁であり、
前記ハウジングには、前記切欠きの底面に対して窪むとともに、前記周方向の幅が前記切欠きよりも狭い凹部が形成され、
前記凹部内には、前記テレスコピック機構と前記パイプとを連結する連結部が配置されているステアリング装置。
【請求項3】
前記中心角が55°以上60°以下の範囲に設定されている請求項
2に記載のステアリング装置。
【請求項4】
前記
テレスコピック機構は、
前記ハウジングに設けられたアクチュエータと、
前記パイプ及び前記アクチュエータ間を接続するとともに、前記アクチュエータの駆動力を前記パイプに伝達させる送り機構と、を備えている請求項1から請求項
3の何れか1項に記載のステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング装置では、運転者の体格差や運転姿勢に応じてステアリングホイールの前後位置を調整するテレスコピック機能を備えたものがある。この種のステアリング装置としては、車体に支持された筒状のハウジングと、前後方向に移動可能にハウジング内に保持されたチューブと、ハウジング及びチューブを前後動可能に接続するテレスコピック機構と、を備えている。チューブは、ステアリングホイールが取り付けられたステアリングシャフトを回転可能に支持する。
【0003】
上述したステアリング装置では、ハウジングに対するチューブのがたつきを抑制するために、ハウジングによってチューブの外周面を3点支持する構成が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。具体的に、下記特許文献1では、ハウジングに設けられたアジャストスクリューによってチューブを下方から支持するとともに、ハウジングに設けられた凹溝の左右両端縁の2箇所でチューブを上方から支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、ハウジングに対するチューブの変位量(剛性)について、上下方向及び左右方向でのバランスを図る点で未だ改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、ハウジングに対するパイプの変位量について、上下方向及び左右方向でのばらつきを抑え、商品性を向上させることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るステアリング装置は、前後方向に沿う軸線回りに回転可能にステアリングシャフトが挿入されるパイプと、車体に支持されるとともに、前記パイプを前後方向に移動可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに対して前記パイプを前後方向に移動させるテレスコピック機構と、を備え、前記ハウジングには、前記軸線を通り上下方向に沿う中心線上に位置し、前記パイプを上下方向の第1側から支持する第1支持部と、前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第1側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第2支持部と、前記中心線に対して前記軸線回りで周方向の第2側に位置し、前記パイプを上下方向の第2側から支持する第3支持部と、が設けられ、前記パイプを前後方向から見て、前記パイプの外周面及び前記第2支持部の接触点、並びに前記パイプの外周面及び前記第3支持部の接触点の何れか一方の接触点と、前記中心線及び前記パイプの外周面の交点と、がなす前記パイプの中心角が45°以上60°以下の範囲に設定されている。
【0008】
本態様によれば、中心角を45°以上に設定することで、一方の接触点が中心線から離間する。これにより、パイプが左右方向で保持され易くなり、パイプの左右方向での変位量を減少させることができる。
一方、中心角を60°以下に設定することで、パイプの上下方向の変位量が過大になるのを抑制できる。
その結果、各支持部をパイプの周方向で均等に配置し易くなるので、各方向での変位量の差分(ばらつき)を所定の範囲内に収めることができる。これにより、ハウジングによってパイプを安定して支持でき、商品性を向上させることができる。
【0009】
上記態様のステアリング装置において、前記中心角が45°以上50°以下の範囲に設定されている。
ところで、パイプには、左右方向よりも上下方向の荷重が作用し易い傾向にあり、乗員にとっても左右方向の変位に比べ上下方向の変位に違和感を覚え易い傾向にある。
本態様によれば、中心角が45°以上50°以下の範囲に設定することで、例えば上下方向の変位量の増加を確実に抑えつつ、左右方向の変位量を減少させることができる。
【0010】
上記態様のステアリング装置において、前記中心角が55°以上60°以下の範囲に設定されている。
本態様によれば、各方向での変位量の差分をより小さくすることができる。ハウジングに対するパイプの変位量について、上下方向及び左右方向でのばらつきを抑えることができる。
【0011】
上記態様のステアリング装置において、前記ハウジングのうち、前記第2支持部及び前記第3支持部との間に位置する部分には、前記軸線に交差する径方向の内側に向けて開口する切欠きが形成され、前記第2支持部及び前記第3支持部は、前記切欠きの開口縁のうち、前記周方向で対向する側端縁である。
本態様によれば、ハウジングとパイプとの接触を切欠きによって避けた上で、切欠きの開口縁のうち周方向で対向する側端縁によってパイプを安定して支持できる。この場合、例えば突起等により支持部を形成する場合に比べ、支持部を形成するためのパイプの加工量を少なくできる。その結果、支持部の加工性や剛性を向上させることができる。
【0012】
上記態様のステアリング装置において、前記ハウジングには、前記切欠きの底面に対して窪むとともに、前記周方向の幅が前記切欠きよりも狭い凹部が形成され、前記凹部内には、前記テレスコピック機構と前記パイプとを連結する連結部が配置されている。
本態様によれば、凹部とは別に切欠きを形成することで、支持部の位置を凹部の大きさに関わらず設定できる。これにより、中心角を所望の値に設定し易い。
【0013】
上記態様のステアリング装置において、前記テレスコピック機構は、前記ハウジングに設けられたアクチュエータと、前記パイプ及び前記アクチュエータ間を接続するとともに、前記アクチュエータの駆動力を前記パイプに伝達させる送り機構と、を備えている。
本態様によれば、電動式のテレスコピック機構にあっても、各支持部によってパイプを安定して支持できるので、ハウジング本体に対するパイプの変位量について、上下方向及び左右方向でのばらつきを抑えることができる。その結果、商品性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記各態様によれば、ハウジングに対するパイプの変位量について、上下方向及び左右方向でのばらつきを抑え、商品性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】
図1のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図3のパイプ、ハウジング本体及び支持機構の概略背面図である。
【
図5】ハウジング本体に対するパイプの変位量と、中心角と、の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0017】
[ステアリング装置1]
図1は、ステアリング装置1の斜視図である。
図1に示すように、ステアリング装置1は、車両に搭載され、ステアリングホイール2の回転操作に伴って車輪の舵角を調整する。
【0018】
ステアリング装置1は、ハウジング11と、パイプ12と、ステアリングシャフト13と、駆動機構14と、荷重吸収機構15と、を備えている。パイプ12及びステアリングシャフト13は、それぞれ軸線O1に沿って形成されている。したがって、以下の説明では、パイプ12及びステアリングシャフト13の軸線O1の延びる方向を単にシャフト軸方向といい、軸線O1に直交する方向をシャフト径方向といい、軸線O1回りの方向をシャフト周方向という場合がある。
【0019】
本実施形態のステアリング装置1は、軸線O1が前後方向に対して交差した状態で車両に搭載される。具体的に、ステアリング装置1の軸線O1は、後方に向かうに従い上方に延在している。但し、以下の説明では、便宜上、ステアリング装置1において、シャフト軸方向でステアリングホイール2に向かう方向を単に後方とし、ステアリングホイール2とは反対側に向かう方向を単に前方(矢印FR)とする。また、シャフト径方向のうち、ステアリング装置1が車両に取り付けられた状態での上下方向を単に上下方向(矢印UPが上方)とし、左右方向を単に左右方向(矢印LHが左側)とする。
【0020】
<ハウジング11>
図2は、
図1のII-II線に沿う断面図である。
図3は、
図1のIII-III線に沿う断面図である。
図1~
図3に示すように、ハウジング11は、チルトブラケット21と、ハウジング本体22と、を備えている。
チルトブラケット21は、左右一対の側部フレーム23a,23bを備えている。
側部フレーム23a,23bは、左右方向を厚さ方向として、前後方向に延在している。側部フレーム23a,23bの下端縁のうち、一方(左側)の側部フレーム23aの前端部には、下方に向けて突出する突出片27が形成されている。
【0021】
ハウジング本体22は、チルトブラケット21の内側に配置されている。ハウジング本体22は、保持筒31と、前側延出部32と、を有している。
【0022】
保持筒31は、シャフト軸方向(前後方向)に延びる筒状に形成されている。
図2に示すように、保持筒31内の前端部には、前側軸受35の外輪が嵌合(圧入)されている。
図1~
図3に示すように、保持筒31における前後方向の中間部には、スリット36が形成されている。スリット36は、前後方向に延在している。保持筒31の後端部には、スリット36を下方から跨ぐ架け渡し部250が形成されている。架け渡し部250は、前後方向から見て(正面視)、上方に開口するU字状をなしている。架け渡し部250における左右方向の両端部は、スリット36における左右方向で対向する端縁にそれぞれ接続されている。
【0023】
図1に示すように、前側延出部32は、保持筒31から前方に突出している。前側延出部32は、前後方向に直交する断面視で下方に開口するU字状に形成されている。図示の例において、前側延出部32のうち、左右方向で対向する一対の側壁37間の距離は、保持筒31の外径よりも長くなっている。各側壁37は、チルトブラケット21のうち、対向する側部フレーム23a,23bにピボット軸40を介してそれぞれ連結されている。
これにより、ハウジング本体22は、ピボット軸40回り(左右方向に延びる軸線O2回り)に回動可能にチルトブラケット21に支持されている。
【0024】
<パイプ12>
パイプ12は、シャフト軸方向に延びる筒状に形成されている。パイプ12は、保持筒31内に挿入されている。パイプ12は、保持筒31に対してシャフト軸方向に移動可能に構成されている。
図2に示すように、パイプ12の後端部には、後側軸受41の外輪が嵌合(圧入)されている。本実施形態において、パイプ12の外径D(
図4参照)は30mm~50mm程度に設定されている。
【0025】
<ステアリングシャフト13>
ステアリングシャフト13は、インナシャフト42及びアウタシャフト43を備えている。
インナシャフト42は、シャフト軸方向に延びる筒状に形成されている。インナシャフト42は、パイプ12内に挿入されている。インナシャフト42の後端部は、上述した後側軸受41の内輪に圧入されている。これにより、インナシャフト42は、後側軸受41を介して軸線O1回りに回転可能に支持されている。インナシャフト42のうち、パイプ12から後方に突出した部分には、ステアリングホイール2が連結される。なお、インナシャフト42は中実でもよい。
【0026】
アウタシャフト43は、シャフト軸方向に延びる筒状に形成されている。アウタシャフト43は、パイプ12内に挿入されている。アウタシャフト43の後端部には、パイプ12内において、インナシャフト42が挿入されている。アウタシャフト43の前端部は、保持筒31内において前側軸受35の内輪に圧入されている。これにより、アウタシャフト43は、保持筒31内で軸線O1回りに回転可能に支持されている。
【0027】
インナシャフト42及びパイプ12は、アウタシャフト43に対してシャフト軸方向に移動可能に構成されている。なお、インナシャフト42の外周面には、例えば雄スプラインが形成されている。雄スプラインは、アウタシャフト43の内周面に形成された雌スプラインに係合している。これにより、インナシャフト42は、アウタシャフト43に対する相対回転が規制された上で、アウタシャフト43に対してシャフト軸方向に移動する。
但し、ステアリングシャフト13の伸縮構造や回転規制の構造は、適宜変更が可能である。なお、本実施形態では、アウタシャフト43がインナシャフト42に対して前方に配置された構成について説明したが、この構成のみに限らず、アウタシャフト43がインナシャフト42に対して後方に配置された構成であってもよい。
【0028】
<駆動機構14>
図1に示すように、駆動機構14は、チルト機構45と、
テレスコピック機構46と、を備えている。チルト機構45は、例えばハウジング11の左側に配置されている。
テレスコピック機構46は、例えばハウジング11の右側に配置されている。なお、駆動機構14は、少なくとも
テレスコピック機構46を有していればよい。
【0029】
チルト機構45は、いわゆる送りねじ機構を構成している。具体的に、チルト機構45は、チルトモータユニット51と、チルト連結部52と、チルト可動部53と、を備えている。チルト機構45は、チルトモータユニット51の駆動によって軸線O2回りのステアリング装置1の回動の規制及び許容を切り替える。
チルトモータユニット51は、チルトギヤボックス55と、チルトモータ56と、を備えている。
【0030】
チルトギヤボックス55は、側部フレーム23aの前端部に、側部フレーム23aから左右方向の外側に張り出した状態で取り付けられている。
チルトモータ56は、出力軸(不図示)を前方に向けた状態でチルトギヤボックス55に後方から取り付けられている。チルトモータ56の出力軸は、チルトギヤボックス55内で減速機構(不図示)に接続されている。
【0031】
チルト連結部52は、チルトワイヤ61と、チルトシャフト62と、チルトワイヤ61及びチルトシャフト62同士を連結するチルトカップリング63と、を備えている。
チルトカップリング63は、左右方向に延びる軸線O3回りに回転可能に上述した突出片27に支持されている。
【0032】
チルトワイヤ61は、チルトギヤボックス55とチルトカップリング63との間を架け渡している。チルトワイヤ61は、チルトモータ56の駆動に伴い回転可能に構成されている。チルトワイヤ61は、撓み変形可能に構成されている。なお、チルトギヤボックス55とチルトカップリング63との間を接続する接続部材は、チルトワイヤ61のような撓み変形するものに限られない。すなわち、チルトギヤボックス55とチルトカップリング63のレイアウト等によっては、チルトギヤボックス55とチルトカップリング63を撓み変形しない接続部材により接続してもよい。
チルトシャフト62は、チルトカップリング63とチルト可動部53との間を架け渡している。チルトシャフト62は、チルトモータ56の駆動に伴い、チルトワイヤ61と共回りする。チルトシャフト62の外周面には、雄ねじ部が形成されている。
【0033】
チルト可動部53は、リンク部材70と、チルトナット71と、を備えている。
リンク部材70は、上方に開口するU字状に形成されている。リンク部材70は、左右方向で対向する側壁70a,70bを有している。側壁70aは、保持筒31と側部フレーム23aとの間に介在している。側壁70bは、保持筒31と側部フレーム23bとの間に介在している。
【0034】
側壁70a及び側部フレーム23a同士、並びに側壁70b及び側部フレーム23b同士は、左右方向に延びる第1ボルト75,75によってそれぞれ連結されている。これにより、リンク部材70は、左右方向に延びる軸線O4回りに回動可能にチルトブラケット21に支持されている。
側壁70a及び保持筒31同士、並びに側壁70b及び保持筒31同士は、第1ボルト75,75よりも後方において、左右方向に延びる第2ボルト76,76によってそれぞれ連結されている。これにより、リンク部材70は、軸線O4と平行に延びる軸線O5回りに回動可能に保持筒31に支持されている。
【0035】
チルトナット71は、側壁70aの下方部に取り付けられている。チルトナット71の内周面には、雌ねじ部が形成されている。チルトナット71には、上述したチルトシャフト62が螺合している。チルトナット71は、チルトシャフト62の回転に伴いチルトシャフト62上の位置が変更可能に構成されている。
【0036】
テレスコピック機構46は、いわゆる送りねじ機構を構成している。具体的に、テレスコピック機構46は、テレスコピックモータユニット(アクチュエータ)81と、テレスコピック連結部82と、テレスコピック可動部83と、を備えている。テレスコピック機構46は、テレスコピックモータユニット81の駆動によってハウジング11に対するパイプ12(ステアリングシャフト13)の前後動の規制及び許容を切り替える。
テレスコピックモータユニット81は、テレスコピックギヤボックス85と、テレスコピックモータ86と、を備えている。
【0037】
テレスコピックギヤボックス85は、前側延出部32に、側壁37から左右方向の外側に張り出した状態で取り付けられている。
テレスコピックモータ86は、出力軸(不図示)を前方に向けた状態でテレスコピックギヤボックス85に後方から取り付けられている。テレスコピックモータ86の出力軸は、テレスコピックギヤボックス85内で減速機構に接続されている。
【0038】
テレスコピック連結部82は、テレスコピックギヤボックス85から後方に延びている。テレスコピック連結部82は、テレスコピックモータ86の駆動に伴い、軸線回りに回転する。テレスコピック連結部82の外周面には、雄ねじ部が形成されている。
【0039】
テレスコピック可動部83は、荷重吸収機構15を介してパイプ12に接続されている。テレスコピック可動部83の内周面には、雌ねじ部が形成されている。テレスコピック可動部83には、テレスコピック連結部82が螺合している。すなわち、テレスコピック可動部83は、雌ねじ部を介して雄ねじ部に前後方向で係合するとともに、テレスコピック連結部82の回転に伴いテレスコピック連結部82上を移動可能に構成されている。
【0040】
<荷重吸収機構15>
図1から
図3に示すように、荷重吸収機構15は、
テレスコピック可動部83とパイプ12との間を接続している。具体的に、荷重吸収機構15は、ハンガブラケット100と、EA(Energy Absorbing)ブロック101と、EAプレート102と、を備えている。
【0041】
ハンガブラケット100は、パイプ12の前方部において、パイプ12の下部に固定されている。本実施形態において、ハンガブラケット100は、パイプ12の外周面に溶接等により固定されている。ハンガブラケット100は、スリット36内に配置されている。
【0042】
EAブロック101は、ハンガブラケット100の下方に設けられている。EAブロック101は、例えば鉄系材料の焼結材により一体に形成されている。EAブロック101は、ハンガブラケット100に下方から重ね合わされた状態で、ハンガブラケット100にねじ止め等によって固定されている。なお、EAブロック101は、パイプ12に直接固定されていてもよい。
【0043】
図1に示すように、EAブロック101は、第1摺動部111と、第2摺動部112と、を備えている。第1摺動部111及び第2摺動部112は、左右方向で対向した状態で、上下方向に延在している。各摺動部111,112は、スリット36を通じてハウジング本体22の外部に突出している。
【0044】
図1に示すように、EAプレート102は、EAブロック101よりも硬度が低い材料(例えば、SPHC等)により形成されている。EAプレート102は、
テレスコピック可動部83とEAブロック101との間を接続している。EAプレート102のうち、EAブロック101と平面視で重なり合う部分には、長孔(第1長孔140及び第2長孔141)が形成されている。EAプレート102を上下方向に貫通するとともに、前後方向に延在している。長孔140,141内の後端部には、上述した摺動部111,112がそれぞれ嵌まり込んでいる。
【0045】
荷重吸収機構15は、テレスコピック動作時等、パイプ12に作用する前後方向の荷重が所定値未満の場合、テレスコピック機構46の駆動力をパイプ12に伝達する。具体的に、テレスコピック連結部82の前後方向の移動に伴い前後方向に移動することで、EAブロック101は各摺動部111,112が各長孔140,141内に嵌まり込んだ状態で、EAプレート102とともに前後方向に移動する。これにより、ハウジング11に対してパイプ12を前後方向に移動させる。
一方、荷重吸収機構15は、二次衝突時等、パイプ12に作用する荷重が所定値以上の場合、テレスコピック機構46とは独立してパイプ12をハウジング11に対して前後方向に移動させる。具体的に、EAブロック101に対して前方に向けて所定の荷重が入力された場合、EAブロック101がEAプレート102に対して前方に移動する。この際、各摺動部111,112が長孔140,141の内周面上を摺動することで、EAプレート102を塑性変形させる。これにより、二次衝突に伴う衝撃荷重が吸収される。
【0046】
図4は、パイプ12、ハウジング本体22及び支持機構200の概略背面図である。
ここで、
図4に示すように、上述したパイプ12は、ハウジング本体22に設けられた支持機構200を介してハウジング本体22に支持されている。支持機構200は、第1支持部201、第2支持部202及び第3支持部203を備えている。
【0047】
第1支持部201は、パイプ12の外周面に上方から当接(支持)している。本実施形態において、第1支持部201は、保持筒31の前部に前後方向に間隔をあけて複数(例えば、2つ)設けられている。但し、各第1支持部201は同様の構成であるため、以下の説明では一の第1支持部201を例に説明する。
【0048】
第1支持部201は、保持筒31に設けられた取付孔208内に取り付けられている。
取付孔208は、保持筒31の上部において、保持筒31を上下方向に貫通している。第1支持部201は、ガイドプレート210と、ガイドワッシャ211と、スプリングワッシャ212と、ガイドスクリュ213と、を備えている。
【0049】
ガイドプレート210は、樹脂材料等、摺動抵抗が比較的小さい材料等により形成された平面視円形状の部材である。ガイドプレート210は、押さえ部215と、脚部216と、を備えている。
押さえ部215は、外径が取付孔208の内径よりも小さい円形状に形成されている。
ガイドプレート210は、押さえ部215の下面が保持筒31内に露出した状態で、取付孔208内に収容されている。押さえ部215の下面は、曲率半径がパイプ12の外周面と同等で、かつ保持筒31の内周面よりも小さい湾曲面に形成されている。押さえ部215は、下面がパイプ12の外周面に上方から当接することで、パイプ12を摺動可能に支持している。押さえ部215は、下面における最上部(例えば、中心線C上に位置する部分)が、保持筒31の内周面に対してシャフト径方向の内側に位置していることが好ましい。
【0050】
本実施形態において、パイプ12の外周面のうち、第1支持部201による支持領域は、軸線O1の直上(軸線O1を通り上下方向に延びる中心線C上)を含んでいる。本実施形態において、上述した支持領域の中心(軸線O1の直上)に位置する部分を、支持点P0とする。但し、支持点P0は、軸線O1の直上から周方向にずれた位置に設定されていてもよい。
【0051】
脚部216は、押さえ部215から上方に向けて突出している。脚部216は、例えば左右方向で対向して設けられ、互いに接近離間する方向に弾性変形可能に構成されている。
【0052】
ガイドワッシャ211は、平面視でリング状に形成されている。ガイドワッシャ211は、脚部216が挿入された状態で、押さえ部215に上方から重ね合わされている。
スプリングワッシャ212は、平面視でリング状に形成されている。スプリングワッシャ212は、断面視において上方に向けて凸の円弧状に形成された板ばねである。スプリングワッシャ212は、脚部216が挿入された状態で、ガイドワッシャ211に上方から重ね合わされている。脚部216上端部は、スプリングワッシャ212の開口縁に上方から係止されている。なお、スプリングワッシャ212は、板ばねに限られない。
【0053】
ガイドスクリュ213は、スプリングワッシャ212の上方から取付孔208内に螺着されている。すなわち、スプリングワッシャ212は、ガイドスクリュ213とパイプ12との間で挟持されることで、パイプ12を下方に向けて付勢している。
【0054】
保持筒31において、スリット36を含む部分には、スリット36をシャフト周方向で横断する切欠き220が形成されている。切欠き220は、保持筒31の内周面に対して下方に窪んで形成されている。切欠き220は、正面視において、中心線Cに対してシャフト周方向の両側に均等に延在している。切欠き220は、シャフト周方向の幅がスリット36よりも広くなっている。すなわち、上述したスリット36は、切欠き220の底面のうち、周方向の中央部が下方に窪んで形成されている。
【0055】
上述した第2支持部202は、切欠き220の開口縁のうち、周方向の第1側に位置する側端縁である。第3支持部203は、切欠き220の開口縁のうち、周方向の第2側に位置する側端縁である。すなわち、各支持部202,203は、切欠き220におけるシャフト周方向の内側を向く内側面と、保持筒31の内周面と、がなす角部により形成されている。パイプ12のうち中心線Cに対してシャフト周方向の両側に位置する部分は、パイプ12が上述した第1支持部201によって下方に押し下げられることで、各支持部202,203に上方から当接している。すなわち、パイプ12は、保持筒31内において、第1支持部201、第2支持部202及び第3支持部203によって、周方向の3点で支持されている。なお、切欠き220の前後方向の長さは、保持筒31の前端縁を含んでいれば適宜変更が可能である。
【0056】
本実施形態では、保持筒31の内周面のうち、各支持部201~203以外の部分は、パイプ12の外周面とシャフト径方向で離間している。具体的に、各支持部202,203間のうちシャフト周方向の劣角側の領域は、上述した切欠き220によってパイプ12の外周面と保持筒31の内周面との間に隙間が設けられている。一方、各支持部202,203間のうちシャフト周方向の優角側の領域は、取付孔208の開口縁に至る範囲でパイプ12の外周面と保持筒31の内周面との間に、取付孔208に向かうに従い漸次広がる隙間が設けられている。
【0057】
ところで、ステアリング装置1では、ステアリングシャフト13を介して上下方向や左右方向にパイプ12に荷重が作用したときに、パイプ12がハウジング本体22に対して変位する可能性がある。特に、本実施形態のような電動式のテレスコピック機構46を搭載する構成にあっては、手動のテレスコピック機構のようにパイプをハウジング本体によって締め付ける機構が搭載されていないため、ハウジング本体22とパイプ12との間にガタが生じやすい。その結果、ハウジング本体22に対するパイプ12の変位量が大きくなり易い。
【0058】
ここで、パイプ12の外周面及び第2支持部202の接触点P1と、中心線C及びパイプ12の外周面の交点と、がなすパイプ12の第1中心角θ1(劣角)、並びにパイプ12の外周面及び第3支持部203の接触点P2と、中心線C及びパイプ12の外周面の交点と、がなすパイプ12の第2中心角θ2は、何れも同等になっている。本実施形態において、各中心角θ1,θ2は、45°以上60°以下の範囲に設定されている。但し、本実施形態では、中心角θ1,θ2の何れかが45°以上60°以下の範囲に設定されていればよい。
【0059】
本願発明者は、上述したステアリング装置1のモデルを用い、ハウジング本体22に対するパイプ12の変位量と、中心角θ1,θ2と、の関係を検証する試験を行った。本試験では、ステアリングシャフト13の後端部に上下方向及び左右方向にそれぞれ荷重を与え、中心角θ1,θ2に対する変位量を測定した。
図5は、本試験結果をまとめたグラフである。
図5においては、上下方向の変位量を実線で示し、左右方向の変位量を破線で示している。
まず、パイプ12は第1支持部201によって保持筒31(第2支持部202及び第3支持部203)に向けて押し付けられている。そのため、上下方向の変位量は左右方向の変位量に比べて小さい傾向にある。
この状態で、中心角θ1,θ2を増加させると、左右方向の変位は減少傾向にあることが分かる。これは、中心角θ1,θ2の増加に伴い、接触点P1,P2が中心線Cから離間することで、パイプ12がより左右方向の両側から保持され易くなるためであると考えられる。なお、左右方向の変位量は、50°付近よりも大きい範囲で減少傾向が収束している。
一方、中心角θ1,θ2を増加させると、上下方向の変位は増加傾向にあることが分かる。これは、中心角θ1,θ2の増加に伴い、接触点P1,P2が中心線Cから離間することで、接触点P1,P2間にパイプ12が下方に変位するためのスペースが形成されるためであると考えられる。なお、上下方向の変位量は、50°付近よりも大きい範囲で急増している。そして、上下方向の変位量は、57°付近で左右方向の変位量よりも大きくなった。
【0060】
上述した試験結果より、本実施形態では、上下方向及び左右方向の双方での変位量のばらつきを抑える範囲として、中心角θ1,θ2が45°以上60°以下に設定されていることが好ましい。つまり、中心角θ1,θ2を45°以上に設定することで、接触点P1,P2が中心線Cから離間する。これにより、パイプ12が左右方向で保持され易くなり、パイプ12の左右方向での変位量を減少させることができる。
一方、中心角θ1,θ2を60°以下に設定することで、パイプ12の上下方向の変位量が過大になるのを抑制できる。
その結果、各支持部201~203をシャフト周方向で均等に配置し易くなるので、各方向での変位量の差分(ばらつき)を所定の範囲内に収めることができる。これにより、ハウジング11によってパイプ12を安定して支持でき、商品性を向上させることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、中心角θ1,θ2を55°以上60以下の範囲に設定することで、各方向での変位量の差分をより小さくすることができる。
【0062】
ところで、パイプ12には、左右方向よりも上下方向の荷重が作用し易い傾向にあり、乗員にとっても左右方向の変位に比べ上下方向の変位に違和感を覚え易い傾向にある。そのため、ステアリング装置1では、例えば上下方向の変位量の増加を抑えつつ、左右方向の変位量を減少させることが望まれる場合がある。このような場合には、中心角θ1,θ2が45°以上50°以下の範囲に設定することが好ましい。これにより、上下方向の変位量が過大になるのを抑制しつつ、左右方向の変位量を減少させることができる。
【0063】
本実施形態では、切欠き220の開口縁のうち周方向で対向する側端縁を第2支持部202及び第3支持部203として機能させる構成とした。
この構成によれば、ハウジング本体22とパイプ12との接触を切欠き220よって避けた上で、切欠き220の開口縁のうち周方向で対向する側端縁によってパイプ12を安定して支持できる。この場合、例えば突起等により支持部を形成する場合に比べ、支持部202,203を形成するためのパイプ12の加工量を少なくできる。その結果、支持部202,203の加工性や剛性を向上させることができる。
【0064】
本実施形態では、切欠き220の底面に対して窪んだスリット(凹部)36が形成され、スリット36内に荷重吸収機構(連結部)15のEAブロック(連結部)101が配置される構成とした。
この構成によれば、スリット36とは別に切欠き220を形成することで、支持部202,203の位置をスリット36の大きさに関わらず設定できる。これにより、中心角θ1,θ2を所望の値に設定し易い。
【0065】
本実施形態では、テレスコピック機構46のテレスコピックモータユニット(アクチュエータ)81がハウジング11に固定されているため、テレスコピック動作時においてテレスコピックモータユニット81が移動する必要がない。そのため、ステアリング装置1の周囲にテレスコピックモータユニット81の移動スペースを確保する必要がなく、レイアウト性の向上を図ることができる。
しかも、本実施形態のような電動式のテレスコピック機構46にあっても、各支持部201~203によってパイプ12を安定して支持できるので、ハウジング本体22に対するパイプ12の変位量について、上下方向及び左右方向でのばらつきを抑えることができる。その結果、商品性を向上させることができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、軸線O1が前後方向に交差している構成について説明していたが、この構成のみに限られない。軸線O1は、車両の前後方向に一致していてもよい。
【0067】
上述した実施形態では、テレスコピック機構46が送りねじ機構である場合について説明したが、この構成のみに限られない。テレスコピック機構46は、例えば歯車等を用いてもよい。
上述した実施形態では、ハウジング11にモータユニットが設けられた構成について説明したが、この構成のみに限らず、パイプ12にモータユニットが設けられていてもよい。
上述した実施形態では、テレスコピック動作やチルト動作をアクチュエータ(駆動機構14)で行う電動式のステアリング装置1について説明したが、この構成のみに限らず、手動でテレスコピック動作やチルト動作を行えるステアリング装置であってもよい。
【0068】
本実施形態では、スリット36と切欠き220とを周方向で重なる位置に設けた場合について説明したが、この構成に限られない。スリット36と切欠き220を別々の位置に設けてもよく、スリット36と切欠き220とを共用してもよい。また、スリット36を有さない構成であってもよい。
上述した実施形態では、第2支持部202及び第3支持部203が切欠き220の側端縁である構成について説明したが、この構成に限られない。第2支持部202及び第3支持部203は、保持筒31の内周面からケース径方向に突出する突起等であってもよい。
また、第1支持部201についても、スプリングワッシャ212によって付勢する構成でなく、突起等であってもよい。
上述した実施形態では、第1支持部201がパイプ12に対して上方に位置し、第2支持部202及び第3支持部203がパイプ12に対して下方に位置する構成について説明したが、この構成に限られない。第1支持部201がパイプ12に対して下方に位置し、第2支持部202及び第3支持部203がパイプ12に対して上方に位置していてもよい。
【0069】
上述した実施形態では、中心角θ1,θ2が同等である構成について説明したが、この構成に限られない。中心角θ1,θ2は、互いに異なっていてもよい。
上述した実施形態では、テレスコピック機構46とパイプ12とが荷重吸収機構15を介して接続された構成について説明したが、この構成に限られない。テレスコピック機構46とパイプ12とが直接接続されていてもよい(荷重吸収機構15を有さなくてもよい。)。
【0070】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…ステアリング装置
11…ハウジング
12…パイプ
13…ステアリングシャフト
15…荷重吸収機構(連結部)
36…スリット(凹部)
46…テレスコピック機構
81…テレスコピックモータユニット(アクチュエータ)
82…テレスコピック連結部(送り機構)
83…テレスコピック可動部(送り機構)
101…EAブロック(連結部)
201…第1支持部
202…第2支持部
203…第3支持部