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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/16 20060101AFI20240731BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
E06B7/16 A
E06B7/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020215930
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101400
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】金森 英晃
(72)【発明者】
【氏名】西田 健
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 夏依
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-221785(JP,A)
【文献】実公昭51-19815(JP,Y1)
【文献】特開2007-51535(JP,A)
【文献】特開2000-34870(JP,A)
【文献】再公表特許第2002/044506(JP,A1)
【文献】実公昭54-25322(JP,Y2)
【文献】実開平4-79197(JP,U)
【文献】実公昭53-27824(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、枠体の内周に配置される内、外障子を備え、
内障子の下框は、ガラス間口に排水孔が形成されており、
内障子の召合框は、中空部の内周側にガラス間口が設けられ、中空部の下端に気密ピースが嵌め込まれているとともに、中空部とガラス間口を連絡する外気導入孔が中空部の内周側壁で下框の上端部よりも高い位置に設けられており、
ガラス間口と内、外障子の召合せ空間は連通されておらず、
召合框の中空部は、外気導入孔、召合框のガラス間口、下框のガラス間口及び排水孔を介して外気と連通している建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置される建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばアルミ製の枠材を四周に組んでなる枠体の内周に、内外障子を配置してなる建具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-123762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された建具は、内障子の召合框の下端に気密ピースが配置されており、気密ピースによって召合部下部のシールを行っているが、室内外の気圧差などによって気密ピースと召合框との小さな隙間を通って水が室内側に入り込む可能性があった。
【0005】
本発明は、枠体の内周に内外障子を配置してなる建具において、召合部の下部の水密性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の建具は、枠体と、枠体の内周に配置される内、外障子を備え、内障子の下框は、ガラス間口に排水孔が形成されており、内障子の召合框は、中空部の内周側にガラス間口が設けられ、中空部の下端に気密ピースが嵌め込まれているとともに、中空部とガラス間口を連絡する外気導入孔が中空部の内周側壁で下框の上端部よりも高い位置に設けられており、ガラス間口と内、外障子の召合せ空間は連通されておらず、召合框の中空部は、外気導入孔、召合框のガラス間口、下框のガラス間口及び排水孔を介して外気と連通している建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の建具によれば、枠体の内周に内外障子を配置してなる建具において、召合部の下部の水密性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る建具の内観図である。
図2】一実施形態に係る建具の竪断面図である。
図3】一実施形態に係る建具の横断面図である。
図4】一実施形態に係る建具の召合部の下方位置の図であり、(a)は内障子の召合框の下端に取付けられる気密ピースを障子の外周側から見た図であり、(b)は室外側から見た図であり、(c)は室内側から見た図であり、(d)は召合框の下方部分を外周側から見た図である。
図5】一実施形態に係る建具の召合部の下方位置の図であり、(a)は召合部の下方部分を室内側から見た図であり、(b)は召合框と気密ピースを室内側から見た拡大図である。
図6】一実施形態に係る建具の召合部の下方位置の図であり、(a)は召合部の下方部分を室内側から見た図であり、(b)は召合框と気密ピースを室内側から見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態の建具について、建物開口部の内周に取付けられる枠体1に対して、内障子2及び外障子3を引き違い自在に配置してなる引き違い窓の例を用いて、図面を参考にして説明する。
【0010】
本実施形態の建具は、図1に示すように、アルミ合金等の金属材料により形成される上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14を四周に組んでなる枠体1と、アルミ合金等の金属材料により形成される上框21,31、下框22,32及び左、右竪框23,24,33,34を四周に組んで内周にパネル体を嵌め込んでなり、枠体1の内周に引き違い自在に配置された内、外障子2,3を備えている。
【0011】
-枠体-
枠体1を構成する上枠11は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁11aと、見込壁11aの室内側端に連続し見付け方向に延びる室内側壁11bと、見込壁11aの室外側端に連続し見付け方向に延びる室外側壁11cと、見込壁11aの内周面の見込み方向中央付近から下方に延びる中央壁11dと、見込壁11aの内周面で中央壁11dと室外側壁11cの間の位置から下方に延びる外上レール11eを有している。
【0012】
上枠11は、室内側壁11b及び中央壁11dの下方の室外側面にそれぞれ気密材s111,s112が配置されている。
室内側壁11bに保持される気密材s111は、内障子2の上框21の室内側面に当接または近接して、中央壁11dに保持される気密材s112は、外障子3の上框31の室内側面に当接または近接して、それぞれ気密ラインを形成している。
【0013】
枠体1を構成する下枠12は、図2に示すように、建物開口部の内周面に配置される底壁12aと、底壁12aの室内側に立設される中空形状の室内側立設部12bと、室内側立設部12bの室内側端から上方に延びる室内側壁12cと、底壁12aの室外側端から上方に延びる室外側壁12dと、室内側立設部12bの室外側内周面から上方に延びる内下レール12eと、室内側立設部12bの室外側から室外方向に延びる気密材保持片12fと、底壁12aの室外側内周面から上方に延びる外下レール12gを有している。
【0014】
下枠12は、室内側壁12cの上方の室外側面及び気密材保持片12fの室外側端にそれぞれ気密材s121,s122が配置されている。
室内側壁12cに保持される気密材s121は、内障子2の下框22に当接または近接して、気密材保持片12fに保持される気密材s122は、外障子3の下框32の室内側面に当接または近接して、それぞれ気密ラインを形成している。
【0015】
枠体1を構成する左竪枠13は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁13aと、見込壁13aの室内側端に連続して見付け方向に延びる室内側壁13bと、見込壁13aの室外側端に連続して見付け方向に延びる室外側壁13cと、見込壁13aの内周面の見込み方向中央付近から内周方向に延びる中央壁13dと、見込壁13aの内周面の中央壁13dと室外側壁13cの間の位置から内周方向に延びる引寄片13eを有している。
【0016】
左竪枠13は、中央壁13dの外側面に気密材s13が配置されており、外障子3の閉鎖時に気密材s13が左竪框33の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0017】
枠体1を構成する右竪枠14は、図3に示すように、建物開口部の内周面に配置される見込壁14aと、見込壁14aの室内側端に連続して見付け方向に延びる室内側壁14bと、見込壁14aの室外側端に連続して見付け方向に延びる室外側壁14cと、見込壁14aの内周面の見込み方向中央付近から内周方向に延びる中央壁14dと、見込壁14aの内周面の室内側壁13bと中央壁14dの間の位置から内周方向に延びる引寄片14eを有している。
【0018】
右竪枠14は、室内側壁14bの外側面に気密材s14が配置されており、気密材s14が内障子2の右竪框24の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0019】
-内障子-
内障子2を構成する上框21は、図2に示すように、中空部を有する上框本体部21aと、上框本体部21aの室外側端から下方に延びる室外側壁21bと、上框本体部21aの室内側面から室内側に延びる見込壁部21cと、見込壁部21cの室内側端から下方に延びる室内側壁21dと、上框本体部21aの外周側(上方)に形成され上枠11の室内側壁11bと中央壁11dとの間の溝部に案内される案内部21eを有している。
上框21は、室内側壁21dと室外側壁21bの間にガラス間口21gが形成されている。
【0020】
内障子2を構成する下框22は、図2に示すように、複数の中空部を有する下框本体部22aと、下框本体部22aの室内側から上方に伸びる室内側壁22bと、下框本体部22aの室外側から上方に伸びる室外側壁22cと、下框本体部22aの下方に連続するレール案内部22dを有しており、下框本体部22aからレール案内部22dにかけて戸車92が配置されている。
【0021】
下框22は、室内側壁22bと室外側壁22cの間にガラス間口22gが形成されており、ガラス間口22gの底壁には、図4(d)に示すように、ガラス間口22gに侵入した水w0を外部に排出する排水孔22hが形成されている。
内障子2を形成する上框21、下框22及び左、右竪框23,24のガラス間口は連通しており、各框材のガラス間口に侵入した水は、下框22のガラス間口22gに集められ、排水孔22hを介して外部に排水される。
【0022】
内障子2を構成する左竪框(召合框)23は、図3に示すように、内下レール12eの上方に位置する断面略矩形の室外側中空部23aと、室外側中空部23aの室内側に連設された断面略L字型の室内側中空部23bと、室外側中空部23aの室外側から内周方向に延びる室外側壁23cを有している。
【0023】
左竪框23は、室外側壁23cと室内側中空部23bの間にガラス間口23gが形成されている。また、左竪框23は、室外側面に煙返し片が形成され、室外側面の外周側に気密材s23が配置されており、気密材s23が外障子2の左竪框(召合框)34の室内側面に当接して気密ラインを形成している。
【0024】
内障子2を構成する右竪框(戸先框)24は、図3に示すように、中空部を有する右竪框本体部24aと、右竪框本体部24aの室内側から室内方向に延びる見込壁24bと、見込壁24bの室内側端から内周方向に延びる室内側壁24cと、右竪框本体部24aの室外側から内周方向に延びる室外側壁24dと、右竪框本体部24aの外周側に連続する戸先溝部24eを有している。
右竪框24は、室内側壁24cと室外側壁24dの間にガラス間口24gが形成されている。
【0025】
-外障子-
外障子3を構成する上框31は、図2に示すように、中空部を有する上框本体部31aと、上框本体部31aの室内側端から下方に延びる室内側壁31bと、上框本体部31aの室外側面から室外側に延びる見込壁部31cと、見込壁部31cの室外側端から下方に延びる室外側壁31dと、上框本体部31aの外周側(上方)に形成され外上レール11eに案内される案内部31eを有している。
上框31は、室内側壁31bと室外側壁31dの間にガラス間口31gが形成されている。
【0026】
外障子3を構成する下框32は、図2に示すように、複数の中空部を有する下框本体部32aと、下框本体部32aの室内側から上方に伸びる室内側壁32bと、下框本体部32aの室外側から上方に伸びる室外側壁32cと、下框本体部32aの下方に連続するレール案内部32dを有しており、下框本体部32aからレール案内部32dにかけて戸車93が配置されている。
【0027】
下框32は、室内側壁32bと室外側壁32cの間にガラス間口32gが形成されている。
外障子3のガラス間口32gの底壁には、内障子2と同様に、排水孔(図示はない。)が形成されており、外障子3の各框材のガラス間口に侵入した水は、下框32のガラス間口32gに集められ、排水孔を介して外部に排水される。
【0028】
外障子3を構成する左竪框(戸先框)33は、図3に示すように、中空部を有する左竪框本体部33aと、左竪框本体部33aの室内側から内周方向に延びる室内側壁33bと、左竪框本体部33aの室外側から室外方向に延びる見込壁部33cと、見込壁部33cの室外側端から内周方向に延びる室外側壁33dと、左竪框本体部33aの外周に連続する戸先溝部33eを有している。
左竪框33は、室内側壁33bと室外側壁33dの間にガラス間口33gが形成されている。
【0029】
外障子3を構成する右竪框(召合框)34は、図3に示すように、中空部を有する右竪框本体部34aと、右竪框本体部34aの室内側から内周方向に延びる室内側壁34bと、右竪框本体部34aの室外側内周端から室外側に延びる見込壁部34cと、見込壁部34cの室外側端から内周方向に延びる室外側壁34dを有している。
右竪框34は、室内側壁34bと室外側壁34dとの間にガラス間口34gが形成されている。また、右竪框34は、室内側面に煙返し片が形成されている。
【0030】
-召合せ部の下部の気密―
本実施形態の建具は、枠体1を構成する各枠体に内、外障子2,3の框に当接する気密材を配置することで枠体1と内、外障子2,3間の気密ラインを形成しており、内障子2の召合框(左竪框)23の下端に気密ピース8を取付けることで、召合せ部の下部において内,外障子2,3の気密ラインを連続させている。
【0031】
気密ピース8は、樹脂材料からなり、図4(a),(b),(c),(d)に示すように、内下レール12eを案内する案内溝81aを有するブロック形状の取付本体部81と、取付本体部81の室内側下面に設けられる室内側下方気密片84と、取付本体部81の室外側下面に設けられる室外側下方気密片83と、取付本体部81の室外側に連絡部分82aを介して連続し取付本体部81よりも上方に延びる室外側気密片82を有している。
【0032】
気密ピース8の室外側気密片82、室外側下方気密片83及び室内側下方気密片84は、一つもしくは複数のヒレ片から形成されており、室外側気密片82と室外側下方気密片83は一体的に連続していてもよい。
【0033】
そして、気密ピース8は、左竪框23の室外側中空部23aに取付本体部81を下方から挿入することで、左竪框23の下端に取付けられている。
【0034】
左竪框23の下端に取付けられた気密ピース8は、図4(d),(e)に示すように、室内側下方気密片84及び室外側下方気密片83が左竪框23の下端面から下方に向かって延び、室外側気密片82が左竪框23の室外側面から室外側に向かって延びるように配置される。
【0035】
下枠12の上面で内障子2の左竪框23の下方位置には、内下レール12eの室内側及び室外側にそれぞれ室内側気密部品85及び室外側気密部品86が配置されており、気密ピース8の室内側下方気密片84と室内側気密部品85によって内下レール12eの室内側における左竪框23の下面と下枠12との間が気密され、室外側下方気密片83と室外側気密部品86によって内下レール12eの室外側における左竪框23の下面と下枠12との間が気密されている。
【0036】
また、気密ピース8の室外側気密片82は、内障子2の左竪框23に配置された気密材s23と隣接してともに外障子3の右竪框34の室内側面に当接し、内障子2の左竪框23の室外側面と外障子3の右竪框34の室内側面の間の気密ラインを形成しており、下枠12の気密材s121による枠体1と内障子2との間の気密ラインと下枠12の気密材s122による枠体1と外障子3との間の気密ラインと連続している。
【0037】
-外気導入孔-
以上のように、本実施形態の建具は、内障子2の左竪框23の下端に気密ピース8を取り付けることで、内障子2の下面と下枠12との間の空間(室外側)と室内側の空間との間をシールして内外の気密ラインを連続しているが、室内外の気圧差によって室外側の空間と室内側の空間との間をシールしている召合部の下方部分から水が浸入する可能性がある。
【0038】
例えば、図5(a)に示すように、室内側の気圧P1が室外側の気圧P3よりも低い場合に、内障子2の左竪框23の室外側中空部23aと気密ピース8との嵌合部に生じる小さな隙間を通って空気が侵入し、室内の気圧P1と左竪框23の室外側中空部23a内の気圧P2と室外の気圧P3との間に、P1<P2<P3の関係が生じることがある。
【0039】
このとき、内障子2のガラス間口に侵入し下框22のガラス間口22gに集められた水w0などが下框22の排水孔22hを通って下枠12の上面に至るなどして下枠12の上面に溜まっていると、左竪框23の室外側中空部23a内の気圧P2と室外の気圧P3の気圧差などを要因として、図5(b)に示すように、下枠12上面に溜まった水w1は、左竪框23の室外側中空部23aと気密ピース8の嵌合部の隙間から左竪框23の室外側中空部23aの内部に入り込み、その後、室外側中空部23aと気密ピース8の嵌合部の隙間から室内側に進入することがある。
【0040】
そこで、本実施形態の建具は、左竪框23の室外側中空部23a内の気圧P2を室外の気圧P3と同程度の気圧とすることで、召合部の下方部分を通っての室内への水の侵入を抑制している。
【0041】
具体的には、本実施形態の建具の内障子2の召合框である左竪框23は、図2図6(a)に示すように、室外側中空部23aの内周側壁23dに、下框22の上端部よりも高い位置でガラス間口23gに連通する外気導入孔23hが設けられている。なお、外気導入孔23hは、気密ピース8が挿入される左竪框23の室外側中空部23aの内周面に形成された外気導入孔であり、左竪框23の室外側中空部23aの内周面以外には、直接外気と連通する連通孔は形成されていない。
【0042】
そして、本実施形態の建具は、左竪框23の室外側中空部23aの内周側壁23dにガラス間口23gに連通するように外気導入孔23hが設けられることで、左竪框23の室外側中空部23aから、外気導入孔23h、左竪框23のガラス間口23g、下框22のガラス間口22g、排水孔22hを通って外気に連通する外気導入経路Rが形成され、室外側中空部23a内の気圧を室外の気圧P3と同程度の気圧としている。
【0043】
-本実施形態の建具の効果-
本実施形態の建具は、左竪框(召合框)23の室外側中空部23a内には、下框22の排水孔22h、下框22のガラス間口22g、左竪框(召合框)23のガラス間口23gから外気導入孔23hを介して外気が導入されるので、図6(b)に示すように、室内外の気圧差による空気の流れFによって室外側中空部23a内の圧力P2と室外の気圧P3に大きな圧力差が生じることがなく、気密ピース8と室外側中空部23aとの小さな隙間から室外側中空部23aへの水w1の吸い込みが防止されるので、室外側中空部23aを通って室内への水の侵入を抑制することができる。
【0044】
また、左竪框(召合框)23の室外側中空部23aに対して、直接外気と連通する外気導入孔を形成せずに、ガラス間口23gに連通する外気導入孔23hのみを形成することで、室外から外気導入孔を介しての水の侵入を防止することができる。
【0045】
さらに、室外側中空部23aの内周側壁に設ける外気導入孔23hを下框22の上端部よりも高い位置に設けることで、左竪框(召合框)23の室外側中空部23a内への外気の流れにともなってしぶき等が入り込むことを抑制し、排水孔22hやガラスとガラス間口との間から侵入した水が外気導入孔23hを介して左竪框(召合框)23内に入り込んで室内に侵入することを抑制することができる。
なお、室外側中空部23aの内周側壁(内周面)に設ける外気導入孔は、一つでなくてもよい。
【0046】
本発明が適用される建具は、引違い窓に限定されず、内障子もしくは外障子の一方が枠体に固定されている片引き窓等であってもよく、窓種は限定されない。
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0047】
12 :下枠
22 :下框
22g :ガラス間口
22h :排水孔
23 :左竪框(召合框)
23a :室外側中空部(中空部)
23d :内周側壁
23g :ガラス間口
23h :外気導入孔
8 :気密ピース


図1
図2
図3
図4
図5
図6