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特許7530288情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/1097 20220101AFI20240731BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20240731BHJP
【FI】
H04L67/1097
H04L67/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020218957
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022104000
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】市塚 崇寛
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186341(JP,A)
【文献】特開2016-066165(JP,A)
【文献】特表2017-506387(JP,A)
【文献】特開2018-028715(JP,A)
【文献】特開2016-004453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L51/00,61/00,65/00,67/00,69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理システムであって、
第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定処理部と、
前記設定処理部により前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記設定処理部により前記記憶装置が登録された場合に前記第2通信路を構築する通信処理部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信処理部は、前記設定処理部により前記記憶装置が登録された場合に前記記憶装置に第1認証情報を発行し、その後に前記記憶装置から前記第2通信路の構築要求を取得し、当該構築要求に対応する認証情報が前記第1認証情報と一致する場合に、前記第2通信路を構築する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザー端末のユーザーを認証する認証処理部をさらに備え、
前記取得処理部は、前記認証処理部により前記ユーザーが認証された場合に、前記特定情報を前記第2通信路を介して取得する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記記憶装置に接続されるサーバーをさらに備え、
前記記憶装置は、前記設定情報及び前記特定情報を記憶する記憶部を含むシステム領域と、前記第1通信路に接続される第1通信部及び前記第2通信路に接続される第2通信部を含む仮想マシンとを備え、
前記記憶装置は、前記設定情報を前記第1通信部から前記第1通信路を介して前記サーバーに送信し、前記特定情報を前記第2通信部から前記第2通信路を介して前記サーバーに送信する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記仮想マシンは、前記サーバーから発行される、前記第2通信路を構築する際の認証情報である第1認証情報を記憶する記憶部をさらに備える、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1通信路は、HTTP通信プロトコルに応じた通信路であり、
前記第2通信路は、Websocket通信プロトコルに応じた通信路である、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記記憶装置は、NAS(Network Attached Storage)である、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理方法であって、
一又は複数のプロセッサーが、
第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定ステップと、
前記設定ステップにより前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理プログラムであって、
第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定ステップと、
前記設定ステップにより前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LANなどのネットワークに接続されたNAS(記憶装置)と、パーソナルコンピューター(PC)、スマートフォンなどのユーザー端末とを、インターネットを介してデータ通信を行うシステムが知られている。例えば、前記システムは、NASとユーザー端末とを中継するルーターを備え、当該ルーターのポートを開放して前記データ通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-187818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、ルーターのポートを開放するためNASに格納された情報のセキュリティが低下してしまう。またセキュリティを高めるためにセキュリティソフトを常駐させたり、アクセスを許可するポート番号を設定したりするなど、セキュリティ対策を行わなければならず管理コストが増大する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、記憶装置に記憶された特定情報のセキュリティを簡易な構成により確保しつつ、当該特定情報をユーザー端末に提示することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る情報処理システムは、記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理システムであって、第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定処理部と、前記設定処理部により前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係る情報処理方法は、記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理方法であって、一又は複数のプロセッサーが、第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定ステップと、前記設定ステップにより前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示ステップと、を実行する方法である。
【0008】
本発明の他の態様に係る情報処理プログラムは、記憶装置に記憶された特定情報をユーザー端末に提示する情報処理プログラムであって、第1通信路を介して前記記憶装置から取得する設定情報に基づいて、前記記憶装置を、前記特定情報を前記ユーザー端末に提示可能な記憶装置として登録する設定ステップと、前記設定ステップにより前記記憶装置が登録された場合に、前記ユーザー端末から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路を介して取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記特定情報を前記ユーザー端末に提示する提示ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶装置に記憶された特定情報のセキュリティを簡易な構成により確保しつつ、当該特定情報をユーザー端末に提示することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るユーザー端末の表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで実行される設定処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで実行される情報提示処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
[情報処理システム100]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム100の概略構成を示す図である。情報処理システム100は、クラウドサーバー1と、NAS(Network Attached Storage)2と、ユーザー端末3とを含んでいる。
【0013】
クラウドサーバー1は、例えば1台又は複数台のサーバー(仮想サーバー)で構築される。NAS2は、ネットワーク(LAN)に接続されるデータサーバー(ファイルサーバー)である。ユーザー端末3は、パーソナルコンピューター、スマートフォンなどの端末装置である。図1には、2台のユーザー端末3を例示している。クラウドサーバー1は、本発明のサーバーの一例であり、NAS2は、本発明の記憶装置の一例である。
【0014】
クラウドサーバー1、NAS2、及びユーザー端末3は、ネットワークN1を介して互いに接続されている。ネットワークN1は、インターネットなどの通信網である。
【0015】
情報処理システム100は、NAS2に記憶された特定情報(ファイルデータ、検索結果など)をユーザー端末3に提示するシステムである。具体的には、クラウドサーバー1は、NAS2との間にセキュアな通信路(例えばWebsocket通信路)を構築して、ユーザーの要求に応じた前記特定情報をNAS2から取得してユーザー端末3に送信する。クラウドサーバー1は、前記特定情報をユーザーに提供するサービスを実行する。ユーザーは、ユーザー端末3を利用して前記サービスに対応するアプリケーションをインストールすることにより前記サービスを利用することが可能になる。これにより、情報処理システム100は、NAS2に記憶された前記特定情報のセキュリティを確保しつつ、前記特定情報をユーザー端末3に提示することを可能にする。
【0016】
[クラウドサーバー1]
図2に示すように、クラウドサーバー1は、制御部11、記憶部12、HTTP通信部13、Websocket通信部14などを備える。クラウドサーバー1は、1台又は複数台の仮想サーバーである。なお、本発明のサーバーは、クラウドサーバーに限定されず、1台又は複数台の物理サーバーであってもよい。
【0017】
HTTP通信部13は、クラウドサーバー1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してNAS2との間でHTTP通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。クラウドサーバー1のHTTP通信部13は、NAS2のHTTP通信部224に接続され、クラウドサーバー1及びNAS2の間にHTTP通信路を構築する。
【0018】
Websocket通信部14は、クラウドサーバー1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してNAS2との間でWebsocket通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。クラウドサーバー1のWebsocket通信部14は、NAS2のWebsocket通信部225に接続され、クラウドサーバー1及びNAS2の間にWebsocket通信路を構築する。一般的にWebsocket通信路は、HTTP通信路よりもセキュアな通信路である。HTTP通信路は本発明の第1通信路の一例であり、Websocket通信路は本発明の第2通信路の一例である。
【0019】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御部11に後述の設定処理(図13参照)及び情報提示処理(図14参照)を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、クラウドサーバー1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記制御プログラムは、他のサーバーから配信されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0020】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりクラウドサーバー1を制御する。
【0021】
具体的に、制御部11は、設定処理部111、通信処理部112、認証処理部113、取得処理部114、提示処理部115などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0022】
設定処理部111は、HTTP通信路を介してNAS2から取得する設定情報に基づいて、NAS2を、前記特定情報をユーザー端末3に提示可能な機器(記憶装置)として登録する。具体的には、設定処理部111は、1台のNAS2に対応する1つのテナントを開設して、HTTP通信路を利用して前記設定情報を取得することにより、NAS2をテナントに登録する登録処理を実行する。前記設定情報には、例えば前記テナントにNAS2を登録するためのPINコードが含まれる。前記登録処理の具体例は後述する。設定処理部111は、本発明の設定処理部の一例である。
【0023】
通信処理部112は、設定処理部111によりNAS2が登録された場合にWebsocket通信路を構築する。具体的には、通信処理部112は、設定処理部111によりNAS2が登録された場合にNAS2に固有のトークン(本発明の第1認証情報)を発行し、その後にNAS2からWebsocket通信路の構築要求を取得し、当該構築要求に対応するトークンが発行済のトークンと一致する場合に、Websocket通信路を構築する。Websocket通信路の構築方法の具体例は後述する。通信処理部112は、本発明の通信処理部の一例である。
【0024】
Websocket通信路が構築されると、設定処理部111は、NAS2に関する機器情報(NAS情報)を記憶部12に登録する。前記NAS情報には、例えば製品名、名称、IPアドレス、検索用IPアドレス、MACアドレス、S/N、設置場所、接続状況などの情報が含まれる(図7参照)。Websocket通信路が構築されてNAS情報が登録されると、クラウドサーバー1は前記サービスにおいてNAS2の利用を可能にする。
【0025】
認証処理部113は、ユーザー端末3のユーザーの認証処理を実行する。ユーザーは、Websocket通信路を構築する処理において、事前に、クラウドサーバー1が提供する前記サービスを利用するためのサービスIDを登録する。また、ユーザーは、前記サービスを利用するためのパスワードを事前に登録する。サービスID及びパスワードは、記憶部12に記憶される。ユーザーが前記サービスを利用する際にユーザー端末3において前記サービスID及び前記パスワードを入力すると、認証処理部113は、前記サービスID及び前記パスワードを照合する。認証処理部113は、入力された前記サービスID及び前記パスワードが、記憶部12に記憶された前記サービスID及び前記パスワードと一致する場合に、ユーザーを認証して前記サービスの利用を許可する。
【0026】
取得処理部114は、設定処理部111によりNAS2が登録された場合に、ユーザー端末3から取得する要求に応じた特定情報をWebsocket通信路を介して取得する。具体的には、取得処理部114は、認証処理部113によりユーザーが認証された場合に、前記特定情報をWebsocket通信路を介して取得する。このように、取得処理部114は、前記特定情報を、HTTP通信路ではなくWebsocket通信路を利用して取得する。
【0027】
提示処理部115は、取得処理部114により取得される前記特定情報をユーザー端末3に提示する。例えばユーザーが前記サービスのうちファイル検索サービスを選択した場合、取得処理部114はNAS2から検索結果を取得し、提示処理部115は検索結果ページのデータをユーザー端末3に送信する。また例えばユーザーが前記サービスのうちフォルダを開く(リモート)サービスを選択(例えば図11に示すサービス一覧ページP5の「フォルダを開く」のアイコンをクリック)した場合、取得処理部114はNAS2から共有ルートフォルダの一覧を取得し、提示処理部115は共有ルートフォルダの一覧をユーザー端末3に送信する。また例えば前記サービスを実行後、共有ルートフォルダ内のフォルダ/ファイル一覧を取得するサービスを選択した場合、取得処理部114はNAS2から共有ルートフォルダ内のフォルダ/ファイル一覧を取得し、提示処理部115は共有ルートフォルダ内のフォルダ/ファイル一覧をユーザー端末3に送信する。また例えば前記サービスを実行後、フォルダ/ファイルのダウンロードサービスを選択した場合、取得処理部114はNAS2からファイル/フォルダデータを取得し、提示処理部115はファイル/フォルダデータをユーザー端末3に送信する。また例えば、ファイル/フォルダのアップロードサービスを選択した場合、取得処理部114はユーザー端末3からファイル/フォルダデータを取得し、NAS2へファイル/フォルダデータを送信し、提示処理部115は送信結果をユーザー端末3に送信する。また例えば、ファイル/フォルダを削除するサービスを選択した場合、NAS2はファイル/フォルダデータを削除し、提示処理部115はサービスの実行結果をユーザー端末3に送信する。また例えば、ユーザーは前記サービスと同様にファイル/フォルダデータの移動/リネームを行うことができる。前記検索結果、前記ファイル/フォルダデータは、本発明の特定情報の一例である。
【0028】
なお、記憶部12には、NAS2を登録するための設定ページP1(図3図6参照)、登録ページP2(図4図5参照)、管理ページP3(図7図9参照)が記憶される。また記憶部12には、前記サービスを利用するためのログインページP4(図10参照)、前記サービスにおいてユーザーに提示するサービス一覧ページP5(図11参照)、連携機器ページP6(図12参照)、特定情報ページ(不図示)が記憶される。制御部11は、記憶部12に記憶される各種ページのデータをユーザー端末3に送信してユーザー端末3に表示させる。
【0029】
[NAS2]
図2に示すように、NAS2は、システム領域21(制御部21ともいう。)を備える。システム領域21には、本体制御部211、本体記憶部212、本体通信部213、仮想マシン22などが含まれる。本体制御部211は、本体記憶部212及び本体通信部213を統括制御する。また、仮想マシン22には、仮想制御部221、仮想記憶部222、仮想認証部223、HTTP通信部224、Websocket通信部225などが含まれる。仮想制御部221は、仮想記憶部222、仮想認証部223、HTTP通信部224、及びWebsocket通信部225を統括制御する。
【0030】
本体通信部213は、NAS2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して外部機器(例えばユーザー端末3)との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0031】
本体記憶部212には、NAS2に関する機器情報(NAS情報)、NASユーザー名及びNASパスワード、前記特定情報(検索用データ、ファイルデータなど)が記憶される。
【0032】
HTTP通信部224は、NAS2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してクラウドサーバー1との間でHTTP通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。NAS2のHTTP通信部224は、クラウドサーバー1のHTTP通信部13に接続され、クラウドサーバー1及びNAS2の間にHTTP通信路を構築する。HTTP通信部224は、本発明の第1通信部の一例である。
【0033】
Websocket通信部225は、NAS2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介してクラウドサーバー1との間でWebsocket通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。NAS2のWebsocket通信部225は、クラウドサーバー1のWebsocket通信部14に接続され、クラウドサーバー1及びNAS2の間にWebsocket通信路を構築する。Websocket通信部225は、本発明の第2通信部の一例である。
【0034】
仮想記憶部222には、クラウドサーバー1から取得するトークン(本発明の第1認証情報)が記憶される。
【0035】
仮想制御部221は、Websocket通信路の構築要求をクラウドサーバー1に送信する。具体的には、仮想制御部221は、仮想記憶部222から前記トークンを取得すると、前記トークンを含む構築要求をHTTP通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する。
【0036】
本体制御部211は、前記NAS情報をクラウドサーバー1に送信する。具体的には、本体制御部211は、本体記憶部212から前記NAS情報を取得すると、前記NAS情報をHTTP通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する。
【0037】
また、仮想制御部221は、ユーザーの要求に応じた前記特定情報をWebsocket通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する。具体的には、例えば本体制御部211はクラウドサーバー1から検索要求を取得すると、本体記憶部212から検索要求に応じたデータ(検索結果)を取得する。仮想制御部221は、前記検索結果のデータをWebsocket通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する。
【0038】
仮想認証部223は、ユーザーがフォルダを開く(リモート)サービスを選択(例えば図11に示すサービス一覧ページP5の「フォルダを開く」のアイコンをクリック)した場合、ユーザー端末3の認証を行う。ユーザーは、事前に前記サービスを利用するためのNASユーザー名を登録する。また、ユーザーは、前記サービスを利用するためのNASパスワードを事前に登録する。NASユーザー名及びNASパスワードは、本体記憶部212に記憶される。ユーザーが前記サービスを利用する際にユーザー端末3において前記NASユーザー名及び前記NASパスワードを入力すると、入力されたNASユーザー名に対応するトークンとNASパスワードをWebsocket通信路によりNAS2へ送信し、仮想認証部223は、送信された前記トークンをHTTP通信路によりクラウドサーバー1に送信する。クラウドサーバー1は、送信された前記トークンに対応するNASユーザー名をNAS2へ送信する。仮想認証部223は、前記NASユーザー名及び前記NASパスワードが、本体記憶部212に記憶された前記NASユーザー名及び前記NASパスワードと一致する場合に、ユーザーを認証して前記サービスの利用を許可する。
【0039】
このように、NAS2は、前記設定情報を仮想マシン22内のHTTP通信部224に接続されるHTTP通信路によりクラウドサーバー1に送信する。また、NAS2は、仮想マシン22を備え、システム領域21に記憶された前記特定情報を仮想マシン22内のWebsocket通信部225に接続されるWebsocket通信路によりクラウドサーバー1に送信する。このため、前記特定情報の漏洩を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0040】
[ユーザー端末3]
図2に示すように、ユーザー端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、通信部34などを備える。図2では、2台のユーザー端末3を例示しているが、本発明においてユーザー端末3の数は限定されない。また、ユーザー端末3は、周知の構成を備えてもよい。
【0041】
通信部34は、ユーザー端末3を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して他の機器(例えばクラウドサーバー1、NAS2など)との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0042】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部33は、例えばユーザー端末3のユーザーの操作を受け付ける。また、操作表示部33は、前記サービスに対応するアプリケーションによりクラウドサーバー1から取得する各種ページ(設定ページP1(図3図6参照)、登録ページP2(図4図5参照)、管理ページP3(図7図9参照)、ログインページP4(図10参照)、サービス一覧ページP5(図11参照)、連携機器ページP6(図12参照)、特定情報ページ(不図示)など)を表示する。
【0043】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部32には、制御部31に各種制御処理を実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、ユーザー端末3が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。なお、前記制御プログラムは、クラウドサーバー1から配信されて記憶部32に記憶されてもよい。
【0044】
本実施形態では、前記サービスに対応するアプリケーションが、ユーザー端末3にインストールされ、記憶部32に記憶される。なお、他の実施形態として、前記アプリケーションがクラウドサーバー1に記憶されており、クラウドサーバー1が前記サービスのウェブサイトを提供してもよい。この場合、ユーザー端末3は、前記ウェブサイトにアクセスして前記アプリケーションを利用することが可能である。
【0045】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりユーザー端末3を制御する。
【0046】
具体的に、制御部31は、各種情報を操作表示部33に表示させたり、各種のユーザー操作を受け付けたりする。
【0047】
例えば、制御部31は、設定ページP1(図3図6参照)、登録ページP2(図4図5参照)、管理ページP3(図7図9参照)などを操作表示部33に表示させる。また、制御部31は、設定ページP1、登録ページP2、管理ページP3において、ユーザー操作を受け付ける。
【0048】
また例えば、制御部31は、ログインページP4(図10参照)を操作表示部33に表示させて、ユーザーのログイン操作を受け付ける。また例えば、制御部31は、サービス一覧ページP5(図11参照)を操作表示部33に表示させて、ユーザーから所望のサービスの選択操作を受け付ける。また例えば、制御部31は、連携機器ページP6(図12参照)を操作表示部33に表示させて、NAS2の接続状況などのNAS情報を表示させる。また例えば、制御部31は、検索要求に対する検索結果ページなどの特定情報ページを操作表示部33に表示させる。
【0049】
NAS2を設定及び登録したユーザーは、NAS2を利用する権限が付与される。前記ユーザーは、ユーザー端末3を利用してNAS2の前記特定情報を取得する前記サービスを利用することが可能になる。
【0050】
[設定処理]
以下、図13を参照しつつ、情報処理システム100において実行される設定処理の手順の一例について説明する。
【0051】
なお、本発明は、前記設定処理に含まれる一又は複数のステップを実行する設定方法(本発明の情報処理方法の一例)の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記設定処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記設定処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここではクラウドサーバー1の制御部11、NAS2の制御部21(本体制御部211、仮想制御部221)、ユーザー端末3の制御部31が前記設定処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、一又は複数のプロセッサーが前記設定処理における各ステップを分散して実行してもよい。
【0052】
ステップS1において、ユーザーがNAS2の登録操作を開始すると、クラウドサーバー1の制御部11は、1台のNAS2に対応するテナントを開設する。制御部11は、テナントを開設すると、NAS2を登録するためのPINコードをユーザー端末3に送信する。ステップS2において、ユーザー端末3の制御部31は、クラウドサーバー1から前記PINコードを取得する。
【0053】
ステップS3において、ユーザーが設定ページP1(図3参照)においてNAS2の登録ページを選択すると、ユーザー端末3の制御部31が登録ページP2のデータをNAS2に要求する。ステップS4において、NAS2の制御部21は、登録ページP2のデータをユーザー端末3に送信する。これにより、ユーザー端末3には登録ページP2(図4参照)が表示される。
【0054】
ステップS5において、ユーザーはユーザー端末3において登録ページP2に前記PINコードを入力する。クラウドサーバー1の制御部11は、ユーザー端末3から前記PINコードを取得すると(S6)、ユーザー端末3から取得した前記PINコードが、ステップS1において制御部11がユーザー端末3に送信したPINコードと一致するか否かを判定する(S7)。
【0055】
前記PINコードが一致する場合(S7:Yes)、制御部11はNAS2をテナントに登録して(S8)、ステップS7の判定結果(一致)と固有のトークン(本発明の第1認証情報)とをNAS2に送信する(S9)。一方、前記PINコードが一致しない場合(S7:No)、制御部11は、ステップS7の判定結果(不一致)をNAS2に送信する(S9)。ステップS8は、本発明の設定ステップの一例である。
【0056】
ステップS10においてNAS2の制御部21は、クラウドサーバー1から取得する判定結果に基づいてNAS2の登録に成功したか否かを判定する。NAS2の登録に失敗した場合(S10:No)、制御部21は、登録失敗の情報をユーザー端末3に通知する。ユーザー端末3の制御部31は、登録失敗の通知を取得すると、登録失敗の情報をユーザー端末3に表示する(S11)。
【0057】
NAS2の登録に成功した場合(S10:Yes)、NAS2の制御部21は、登録成功の情報をユーザー端末3に通知する(S12)。また、制御部21は、クラウドサーバー1から取得したトークンを仮想記憶部222に保存する(S12)。ユーザー端末3の制御部31は、登録成功の通知を取得すると、登録成功の情報、例えば図5に示す登録ページP2をユーザー端末3に表示する(S13)。
【0058】
ステップS14において、ユーザーが設定ページP1(図6参照)においてNAS2の管理ページを選択すると、ユーザー端末3の制御部31が管理ページP3のデータをNAS2に要求する。ステップS15において、NAS2の制御部21は、管理ページP3のデータをユーザー端末3に送信する。これにより、ユーザー端末3には管理ページP3(図7参照)が表示される。
【0059】
図7に示す管理ページP3においてユーザーがサービスIDを登録する操作を行なうと、ユーザー端末3には図8に示す管理ページP3が表示される。ユーザーは、図8に示す管理ページP3においてサービスIDを入力する。ユーザーがサービスIDを入力すると、図9に示す管理ページP3がユーザー端末3に表示される。図9に示す管理ページP3には、前記サービスIDと、前記サービスIDに対応するNASユーザー名とが表示される。ユーザー端末3の制御部31は、入力されたサービスIDとNASユーザー名とをクラウドサーバー1に送信する(S16)。
【0060】
クラウドサーバー1の制御部11は、ユーザー端末3から前記サービスID及び前記NASユーザー名を取得すると記憶部12に保存する(S17)。
【0061】
ステップS18において、NAS2の制御部21は、クラウドサーバー1から取得した前記トークンを用いてクラウドサーバー1とNAS2との間のWebsocket通信路の構築要求をクラウドサーバー1に送信する。
【0062】
ステップS19において、クラウドサーバー1の制御部11は、前記構築要求に含まれる前記トークンと、ステップS9において制御部11がNAS2に発行したトークンとを照合する。制御部11は、両トークンが一致する場合にWebsocket通信路を構築する(S20)。
【0063】
ステップS21において、NAS2の制御部21は、Websocket通信を開始する。またステップS22において、制御部21は、NAS情報をクラウドサーバー1に送信する。クラウドサーバー1の制御部11は、NAS2からNAS情報を取得すると記憶部12に保存する。
【0064】
上述の設定処理が完了すると、ユーザーはユーザー端末3において前記サービスを利用してNAS2に格納された情報の提供を受けることが可能になる。
【0065】
[情報提示処理]
以下、図14を参照しつつ、情報処理システム100において実行される情報提示処理の手順の一例について説明する。
【0066】
なお、本発明は、前記情報提示処理に含まれる一又は複数のステップを実行する情報提示方法(本発明の情報処理方法の一例)の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記情報提示処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記情報提示処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここではクラウドサーバー1の制御部11、NAS2の制御部21(本体制御部211、仮想制御部221)、ユーザー端末3の制御部31が前記情報提示処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、一又は複数のプロセッサーが前記情報提示処理における各ステップを分散して実行してもよい。
【0067】
ステップS31において、ユーザーはユーザー端末3において前記サービスのアプリケーションを起動する。ステップS32において、ユーザーはユーザー端末3に表示されるログインページP4にサービスID及びパスワードを入力する。ユーザー端末3の制御部31は、前記サービスID及びパスワードを取得するとクラウドサーバー1に送信する。
【0068】
クラウドサーバー1の制御部11は、ユーザー端末3から前記サービスID及びパスワードを取得すると、前記サービスID及びパスワードの照合を行って(S33)、照合結果をユーザー端末3に送信する(S34)。
【0069】
ステップS35においてユーザー端末3の制御部31は、クラウドサーバー1から取得する照合結果に基づいてログインに成功したか否かを判定する。ログインに失敗した場合(S35:No)、制御部31は、ログイン失敗の情報をユーザー端末3に表示する(S36)。一方、ログインに成功した場合(S35:Yes)、制御部31は、サービス一覧ページP5(図11参照)をユーザー端末3に表示する(S37)。
【0070】
ステップS38において、ユーザーはサービス一覧ページP5において所望のサービスを選択する。ここでは、ユーザーが「全文ファイル検索」を選択したものとする。ステップS39において、制御部31は、検索条件ページ(不図示)においてユーザーが入力する検索条件を取得してクラウドサーバー1に送信する。
【0071】
クラウドサーバー1の制御部11は、ユーザー端末3から前記検索条件を取得すると(S40)、前記検索条件をNAS2に送信する(S41)。
【0072】
NAS2の制御部21は、クラウドサーバー1から前記検索条件を取得すると(S42)、前記検索条件に基づいて検索処理を実行する(S43)。具体的には、制御部21は、本体記憶部212に格納された検索用データから前記検索条件を満たす検索用データを抽出する。制御部21は、本体記憶部212から抽出した前記検索用データ(検索結果)をWebsocket通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する(S44)。
【0073】
クラウドサーバー1の制御部11は、NAS2から前記検索結果を取得すると(S45)、当該検索結果をユーザー端末3に送信する(S46)。ステップS45は本発明の取得ステップの一例であり、ステップS46は本発明の提示ステップの一例である。
【0074】
ステップS47において、ユーザー端末3の制御部31は、クラウドサーバー1から前記検索結果を取得すると検索結果ページをユーザー端末3に表示する。
【0075】
以上のようにして、ユーザー端末3は、NAS2に格納された情報をセキュアなWebsocket通信路を利用して取得することが可能になる。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム100は、第1通信路(例えばHTTP通信路)を介してNAS2から取得する設定情報に基づいて、NAS2を、特定情報をユーザー端末3に提示可能な機器として登録する。また、情報処理システム100は、NAS2が登録された場合に、ユーザー端末3から取得する要求に応じた前記特定情報を前記第1通信路とは異なる第2通信路(例えばWebsocket通信路)を介して取得し、取得される前記特定情報をユーザー端末3に提示する。
【0077】
上記の構成によれば、ユーザーがNAS2をテナントに登録すると、自動的にNAS2とクラウドサーバー1との間にWebsocket通信路が構築される。これにより、ルーターのポート開放やセキュリティソフトの導入などの環境構築を行わずにセキュアな通信を行うことが可能になる。例えば、ユーザーからファイル検索を受け付けると、クラウドサーバー1はWebsocket通信路を介してNAS2からファイルデータを取得し、ユーザー端末3にファイルデータを表示させる。
【0078】
このように、情報処理システム100によれば、ルーターなどの機器を用いる必要がなく、またセキュリティソフトなどのセキュリティ対策を講じる必要がないため、コストの増大を防ぎつつ、NAS2に格納された情報(ファイルデータなど)のセキュリティを確保してユーザー端末3に提示することができる。
【0079】
ここで、ユーザーがサービス一覧ページP5において「連携機器」を選択した場合、ユーザー端末3の制御部31は、連携機器(ここではNAS2)の情報(NAS情報)の要求をクラウドサーバー1に送信する。
【0080】
クラウドサーバー1の制御部11は、ユーザー端末3から前記NAS情報の要求を取得すると、前記要求をNAS2に送信する。NAS2の制御部21は、クラウドサーバー1から前記要求を取得すると、本体記憶部212に格納されたNAS情報をWebsocket通信路を利用してクラウドサーバー1に送信する。
【0081】
クラウドサーバー1の制御部11は、NAS2からNAS情報を取得すると、当該NAS情報をユーザー端末3に送信する。ユーザー端末3の制御部31は、クラウドサーバー1から前記NAS情報を取得するとNAS情報を含む連携機器ページP6(図12参照)をユーザー端末3に表示する。NAS2が正常にデータ通信可能な状態である場合、連携機器ページP6の「接続状況」に「〇」が表示される。NAS2がネットワークにおいて切断されたり電源が遮断されたりすると、連携機器ページP6の「接続状況」に「×」が表示される。
【0082】
上述の実施形態では、情報処理システム100が本発明の情報処理システムに相当するが、本発明の情報処理システムは、これに限定されない。例えば、本発明の情報処理システムは、クラウドサーバー1単体で構成されてもよい。
【0083】
尚、本発明の情報処理システムは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 :クラウドサーバー
3 :ユーザー端末
13 :HTTP通信部
14 :Websocket通信部
21 :システム領域
22 :仮想マシン
100 :情報処理システム
111 :設定処理部
112 :通信処理部
113 :認証処理部
114 :取得処理部
115 :提示処理部
211 :本体制御部
212 :本体記憶部
213 :本体通信部
221 :仮想制御部
222 :仮想記憶部
223 :仮想認証部
224 :HTTP通信部
225 :Websocket通信部
図1
図2
図3
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図5
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