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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】ジヒドロピロロピラゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240731BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
C07D487/04 138
C07D487/04 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P29/00
A61P37/08
A61P35/02
A61P37/06
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P17/06
A61P25/00
A61P1/04
A61P17/00
A61K31/4162
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020556140
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 JP2019044558
(87)【国際公開番号】W WO2020100944
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2018213807
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】UBE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 徳明
(72)【発明者】
【氏名】阿賀 康弘
(72)【発明者】
【氏名】河野 繁行
(72)【発明者】
【氏名】木村 富美夫
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/204153(WO,A1)
【文献】特表2018-502098(JP,A)
【文献】特表2010-505905(JP,A)
【文献】橘高敦史,創薬科学・医薬化学,2007年,p.142-50
【文献】C.G.WERMUTH編,『最新 創薬化学 上巻』,株式会社テクノミック,1998年08月15日,235-271頁,13章 等価置換に基づく分子の変換
【文献】JING, L. et al.,Discovery of novel CDK inhibitors via scaffold hopping from CAN508,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2018年03月08日,Vol. 28,pages 1386-1391
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(IV)で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【化1】

[式中、Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖状または分岐状C1-4アルキル基を示す。]
【請求項2】
以下から選択される化合物またはその薬理上許容される塩。
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-N-(o-トリル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,5-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,6-ジクロロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
N-(2-ブロモ-6-メチルフェニル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、および
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物またはその薬理上許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項4】
CDK7阻害剤である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患を治療または予防するための、請求項3または4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記がんが、血液がん、または、固形癌である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記血液がんが、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、または、エイズ関連癌である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記固形癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、または、カポジ肉腫である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記炎症性疾患が、自己免疫疾患である、請求項5~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記自己免疫疾患が、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、または、炎症性腸疾患である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎である、請求項5~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、請求項5~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたCDK7阻害活性を有し、医薬(例えば、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患の治療もしくは予防のための医薬)として有用なジヒドロピロロピラゾール誘導体もしくはその薬理上許容される塩に関する。
【背景技術】
【0002】
CDK(サイクリン依存性キナーゼ)は、細胞周期のDNA合成(S期)への導入及び分裂期(M期)等に関与する細胞増殖の制御因子であり、多くの種類が知られている。また、CDKは、その3次元構造における活性ループ(Tループ)のスレオニン残基がリン酸化または脱リン酸化されることにより、その活性化が多段階で制御されている。CDKの特定のスレオニン残基がリン酸化されると、特定のサイクリンとの複合体を形成し、活性化される。細胞周期制御に重要な本複合体は、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK1/サイクリンB1~B3およびCDK2、CDK4、CDK5、CDK6/サイクリンD1~D3、CDK2/サイクリンEを含み、各々、細胞周期の特定の時期に関与している。またCDK7は、後生動物において、サイクリンHおよびMAT1とともにCDK活性化キナーゼ(CAK:CDK-activating kinase)を形成しており、細胞周期の進行に必要なCDK(例えば、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)のリン酸化に関与している(非特許文献1参照)。
【0003】
CDKの異常な活性化による細胞の過増殖は多くのがんに共通する特徴であり、これはがん細胞の細胞周期制御に関わるチェックポイント機能の喪失と関連することが知られている(非特許文献2参照)。また、CDKは細胞周期制御以外にも機能をもつことが知られており、CDK7はRNAポリメラーゼII(RNAPII)のCOOH-terminal domainのセリンをリン酸化してRNAPIIのDNAへの結合とelonogationを促し転写を正にコントロールすることが知られている(非特許文献3参照)。
【0004】
CDK7阻害剤は、種々のがん細胞の細胞増殖試験やマウス担がんモデルに対して効果を示しており、その阻害は抗がん剤として有用であると期待される(非特許文献4、5参照)。
【0005】
また、CDK7を阻害することで、コラーゲン誘導リウマチモデルマウスにおいて、臨床スコアや組織障害の改善、インターロイキン(IL)-6、IL-1β、IL-17等の炎症誘発サイトカインおよび抗CII-IgG2αレベルの減少、Th17細胞の割合を減少させることが報告されている(非特許文献6参照)。
【0006】
さらに、細胞周期の進行において重要な役割を果たすCDK7阻害剤は、HIV、EBV、HCV等のウイルス感染、および心肥大の抑制にも効果が期待される(非特許文献7、8参照)。上記以外にも、CDK7阻害剤が有用と思われる疾患としては、乾癬や多発性硬化症に代表される自己免疫疾患やアルツハイマーなどの神経変性疾患、アトピー性皮膚炎などに代表されるアレルギー性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに代表される慢性呼吸器疾患、特発性肺線維症などに代表される線維症などが挙げられる(非特許文献9~11参照、非特許文献16~18参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2002/012242号
【文献】国際公開第2004/056827号
【文献】国際公開第2004/080457号
【文献】国際公開第2007/068637号
【文献】国際公開第2007/072153号
【文献】国際公開第2007/099171号
【文献】国際公開第2008/043745号
【文献】国際公開第2008/125945号
【文献】国際公開第2011/044264号
【文献】国際公開第2008/151304号
【文献】国際公開第2013/128028号
【文献】国際公開第2013/128029号
【文献】国際公開第2014/063068号
【文献】国際公開第2015/058126号
【文献】国際公開第2015/058140号
【文献】国際公開第2015/058163号
【文献】国際公開第2015/124941号
【文献】国際公開第2015/154022号
【文献】国際公開第2015/154038号
【文献】国際公開第2015/154039号
【文献】国際公開第2016/068287号
【文献】国際公開第2016/204153号
【文献】国際公開第2017/188357号
【文献】国際公開第2017/188358号
【文献】国際公開第2017/188369号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Journal of Cell Science 2005,118(20),5171-5180.
【文献】Nature Reviews Cancer 2009,9,153-166.
【文献】Biochim Biophys Acta 2004,1677,64-73.
【文献】Nature 2014,511,616-620.
【文献】Cancer Res 2009,69,6208-6215.
【文献】Clin Exp Med 2015,15,269-275.
【文献】Curr HIV Res 2003,1(2),131-152.
【文献】Mol Cell Biol 1998,18(11),6729-6736).
【文献】Br J Dermatol 2000,143(5),950-956.
【文献】Biochem Biophys Res Commun 2013,435(3),378-384.
【文献】Neurobiol Aging 2000,6,807-813.
【文献】J Med Chem 2012,55(10),4728-4739.
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry 2010,18(5),1844-1853.
【文献】Chem Med Chem 2007,2,841-852.
【文献】Current Drug Targets,2010,11,291-302.
【文献】Clinical & Experimental Allergy,2011,41,673-687.
【文献】Cell Death and Differentiation,2012,19,1950-1961.
【文献】Am J Physiol Lung Cell Mol 2004,286,727-733.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
CDK7を阻害する化合物としては、例えば、特許文献10~22および非特許文献4に記載の化合物がCDK7阻害活性を有することが報告されている。
【0010】
しかし、優れたCDK7阻害作用を有する化合物はあまり多く知られていない(非特許文献15参照)。そこで、本発明の目的は、優れたCDK7阻害活性を有する新たな化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、特定の構造を有するジヒドロピロロピラゾール化合物またはその薬理上許容される塩が、優れたCDK7阻害活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
なお、特許文献1~9、および、非特許文献12~14には、6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格を有する化合物が記載されているが、CDK7を阻害活性については開示されていない。
【0013】
本発明は、優れたCDK7阻害活性を有するジヒドロピロロピラゾール化合物もしくはその薬理上許容される塩;
ジヒドロピロロピラゾール化合物もしくはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、医薬組成物、好適には、がん、良性腫瘍、血管新生、炎症性疾患(例えば、自己免疫性疾患)、ウイルス感染(HIV、EBV、HCV等)、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、アレルギー性疾患(例えば、アトピー性皮膚炎)、慢性呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性疾患(COPD))、線維症(例えば、特発性肺線維症)、心肥大等の循環器系疾患、または、勃起不全の治療もしくは予防のための医薬組成物;
疾患(好適には、上記疾患)の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬組成物製造のためのジヒドロピロロピラゾール化合物もしくはその薬理上許容される塩の使用;
ジヒドロピロロピラゾール化合物もしくはその薬理上許容される塩の薬剤的な有効量を温血動物(好適には、ヒト)に投与することによる疾患(好適には、上記疾患)の治療もしくは予防(好適には、治療)のための方法;および、
ジヒドロピロロピラゾール化合物もしくはその薬理上許容される塩、あるいはその中間体の製造方法を提供する。
上記がんとしては、CDK7の阻害により治療可能なものであればよく、例えば、膀胱癌、乳癌、大腸癌(例えば、結腸直腸癌、例えば結腸腺癌、結腸腺腫)、腎臓癌、表皮癌、肝臓癌、肺癌(例えば、腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌(例えば、膵外分泌腫瘍)、胃癌、子宮頚癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、鼻の癌、頭頚部癌、前立腺癌、皮膚癌(例えば、黒色腫、扁平上皮癌)、リンパ系の造血器腫瘍(例えば、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫)、骨髄系の造血器腫瘍(例えば、急性または慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、前骨髄球性白血病)、甲状腺濾胞癌、間葉系由来の腫瘍(例えば、線維肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫)、中枢または末端神経系の腫瘍(例えば、星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、脳腫瘍、シュワン腫)、精上皮腫、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫が挙げられる。上記がんは、好ましくは、膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、頭頚部癌、前立腺癌、皮膚癌、間葉系由来の腫瘍、中枢または末端神経系の腫瘍、リンパ系の造血器腫瘍、骨髄系の造血器腫瘍、奇形腫、骨肉腫、またはカポジ肉腫である。
自己免疫性疾患としては、CDK7の阻害により治療可能なものであればよく、例えば、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、慢性萎縮性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、自己免疫性膵炎、大動脈炎症候群、グッドパスチャー症候群、急速進行性糸球体腎炎、巨赤芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、バセドウ病、橋本病、原発性甲状腺機能低下症、特発性アジソン病、1型糖尿病、限局性強皮症、後天性表皮水疱症、尋常性白斑、自己免疫性視神経症、自己免疫性内耳障害、特発性無精子症、リウマチ関節炎、全身性エリテマトーデス、薬剤誘発性狼瘡、シェーグレン症候群、多発性筋炎、乾癬、皮膚筋炎、強皮症、血管炎症候群、混合性結合組織病、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)が挙げられる。ここで、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)とは、大腸または小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす疾患の総称である。
【0014】
本発明は、一つの側面として以下の[1]~[54]を提供する。
[1] 一般式(I)で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【化1】

[式中、2つのRは、それぞれ独立にC1-3アルキル基を示すか、または、互いに結合してC2-5アルキレン基を形成しており、
Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖状または分岐状C1-4アルキル基を示す。]
[2] 一般式(II)で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【化2】

[式中、Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖状または分岐状C1-4アルキル基を示す。]
[3] 一般式(III)で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【化3】

[式中、Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖状または分岐状C1-4アルキル基を示す。]
[4] 一般式(IV)で表される化合物又はその薬理上許容される塩。
【化4】

[式中、Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよいC1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖状または分岐状C1-4アルキル基を示す。]
[5] 以下から選択される化合物またはその薬理上許容される塩。
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-N-(o-トリル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,5-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,6-ジクロロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
N-(2-ブロモ-6-メチルフェニル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、および
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩を含む医薬組成物。
[7] CDK7阻害剤である、[6]に記載の医薬組成物。
[8] がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患を治療または予防するための、[6]または[7]に記載の医薬組成物。
[9] 上記がんが、血液がん、または、固形癌である、請求項8に記載の医薬組成物。
[10] 上記血液がんが、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、または、エイズ関連癌である、[9]に記載の医薬組成物。
[11] 上記固形癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、または、カポジ肉腫である、[9]に記載の医薬組成物。
[12] 上記炎症性疾患が、自己免疫疾患である、[8]~[11]のいずれかに記載の医薬組成物。
[13] 上記自己免疫疾患が、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、または、炎症性腸疾患である、[12]に記載の医薬組成物。
[14] 上記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎である、[8]~[13]のいずれかに記載の医薬組成物。
[15] 上記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、[8]~[14]のいずれかに記載の医薬組成物。
[16] 抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤と組み合わせて投与されることを特徴とする、[6]~[15]のいずれかに記載の医薬組成物。
[17] 抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤を有効成分として含有する組成物と、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、[6]~[15]のいずれかに記載の医薬組成物。
[18] 抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤を有効成分として更に含有する、[6]~[15]のいずれかに記載の医薬組成物。
[19] 上記他の薬剤が、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、白金製剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、チューブリン作用薬、ホルモン拮抗薬、アロマターゼ阻害剤、分化誘導剤、プロテオソーム阻害剤、リン脂質キナーゼ阻害剤、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、BETブロモドメイン阻害剤、ヒストンデメチラーゼ阻害剤、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート製剤、Hsp90阻害剤、キネシンEg5阻害剤、セリンスレオニンキナーゼ阻害剤、抗サイトカイン剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、活性型ビタミンD3外用剤、S1P1受容体拮抗剤、インターフェロン製剤、抗コリン薬、ロイコトルエン拮抗薬、PDE4阻害薬、プロスタグランジン(PG)D2受容体拮抗剤、好中球エラスターゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、古典的な非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、Nitric oxide遊離型非ステロイド性抗炎症剤、金製剤、ペニシラミン、アミノサリチル酸製剤、抗マラリア薬、ピリミジン合成阻害薬、TNF阻害薬、インターロイキン阻害薬、インターロイキン受容体拮抗薬、インターロイキン受容体アゴニスト、B細胞活性化阻害薬、共刺激分子関連タンパク質製剤、MAPK阻害薬、遺伝子調節薬、サイトカイン産生抑制薬、TNFα変換酵素阻害薬、IL-1β変換酵素阻害薬、ケモカイン拮抗薬、治療用ワクチン、遺伝子治療薬、アンチセンス化合物、プロテアソーム阻害薬、JAK阻害薬、T細胞阻害薬、イノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害薬、接着分子阻害薬、サリドマイド、カテプシン阻害薬、グルコース-6-リン酸脱水素酵素阻害薬、ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)阻害薬、ホスホリパーゼA2阻害薬、iNOS阻害薬、微小管刺激薬、微小管阻害薬、MHCクラスII拮抗薬、CD4拮抗薬、CD23拮抗薬、ロイコトリエンB4受容体拮抗薬、5-リポキシゲナーゼ阻害薬、カテプシンB阻害薬、骨形成刺激薬、ジペプチジルペプチダーゼ阻害薬、コラーゲン作働薬、カプサイシンクリーム、サルファ剤、ヒアルロン酸誘導体、硫酸グルコサミン、アミプリローゼ、CD20阻害薬、CD52阻害薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、オピオイド受容体作動剤、免疫グロブリン、酢酸グラチラマー、T細胞受容体ワクチン、接着分子阻害剤、筋弛緩剤、局所麻酔剤、ケタミン、短時間型および長時間型のムスカリン受容体アンタゴニスト、短時間型および長時間型のβ受容体アゴニスト、吸入ステロイド、経口ステロイド、β受容体アゴニストと吸入ステロイドの配合剤、ビタミン誘導体、ならびに、副腎皮質ステロイド剤からなる群から選択される、[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[20] 上記他の薬剤が、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、フィンゴリモド、メトトレキサート、テモゾロマイド、シクロホスファミド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、ゲフィチニブ、エルロチニブ、パニツムマブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、イブルチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、ベムフェニブ、タブラフェニブ、トラメチニブ、パルボシクリブ、インターフェロンα2b、シタラビン、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、オファツムマブ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ホリナート、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド、17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトーテン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、オマリズマブ、メポリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、モガムリズマブ、ペルツズマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、イノツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブ チウキセタン、三酸化ヒ素、ビノレルビン、ポルフィマー、チオテパ、アルトレタミン、トラスツズマブ、レトロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、セツキシマブ、バシリキシマブ、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アルコフェナク、アセクロフェナク、スリンダク、トルメチン、エトドラク、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、メクロフェナム酸、メロキシカム、テオキシカム、ロルノキシカム、ナブメトン、アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、スルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、ピロキシカム、エピリゾール、塩酸チアラミド、ザルトプロフェン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、ブレンツキシマブ ベドチン、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アトロピン、スコポラミン、モルヒネまたはその塩、ペチジン、レボルファノール、オキシモルフォン、セレコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ、ロキソプロフェン、オーラノフィン、D-ペニシラミン、スルファサラジン、メサラジン、オルサラジン、バルサラジド、クロロキン、レフルノミド、タクロリムス、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、ゴリムマブ、PASSTNFα、可溶性TNFα受容体、TNFα結合蛋白、抗TNFα抗体、デノスマブ、アナキンラ、可溶性IL-1受容体抗体、トシリズマブ、抗IL-6抗体、IL-10、ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ、セクキヌマブ(AIN-457)、イキセキズマブ(LY-2439821)、AMG827、リツキサン、ベリムマブ、アバタセプト、BMS-582949、シグナル伝達に関係する分子の阻害薬、MAPK阻害薬、サリチル酸軟膏、尿素軟膏、イグラチモド、テトミラスト、ベルナカサン、HMPL-004、IL-8拮抗薬、CXCR1-CXCR2デュアル拮抗薬、レパリキシン、CCR9拮抗薬、デニロイキン ディフティトックス、CCX025、N-{4-クロロ-2-[(1-オキシドピリジン-4-イル)カルボニル]フェニル}-4-(プロパン-2-イルオキシ)ベンゼンスルホンアミド、MCP-1拮抗薬、イルベサルタン、TNFαワクチン、ISIS-104838、ナタリズマブ、ベドリズマブ、AJM300、TRK-170、E6007、MX-68、BMS-188667、CKD-461、リメクソロン、シクロスポリンA、ミゾリビン、グスペリムス、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、アチプリモド ディハイドロクロライド、アザチオプリン、インターフェロンα、インターフェロンβ1b、インターフェロンβ1a、トファシチニブ、バリシチニブ、カルフィルゾミブ、ルキソリチニブ、デキサメタゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオール、マイコフェノレート モフェチル、アリカフォルセンナトリウム、セレクチン阻害薬、ELAM-1阻害薬、VCAM-1阻害薬、ICAM-1阻害薬、V-85546、ロフルミラスト、アプレミラスト、VAS203、リューマコン、ザノリムマブ、DW-1350、ジリュートン、Tyk2阻害薬、シンビスク(hylan G-F 20)、オルソビスク、アタシセプト、ブリシビモド、チザニジン、エペリゾン、アフロクァロン、バクロフェン、ジアゼパム、ダントロレンナトリウム、ビタミンD3誘導体、ビタミンD2誘導体、塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸エフェドリン、臭化イプロトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アゼラスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト、シクレソニド、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ホモクロルシクリジン、フェキソフェナジン、フマル酸ケトチフェン、塩酸セチリジン、オキサトミド、エバスチン、塩酸エピナスチン、ロラタジン、トラマドール、プロメタジン、ヒドロキシジン、ホモクロルシクリジン、シプロヘプタジン、メキタジン、フマル酸エメダスチン、プソイドエフェドリン、ベシル酸ベポタスチン、レボセチリジン、オロパタジン塩酸塩、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズマブ、ガリキシマブ、メトホルミン塩酸塩、ビジリズマブ、アミノプテリン、パゾパニブ塩酸塩、フェザキヌマブ、ルキソリチニブリン酸塩、イクセキズマブ、グセルクマブ、SLx-2119、PRX-167700、リドカイン、臭化チオトロピウム、サルメテロールキシナホ酸塩、フマル酸フォルモテロール、フルチカゾンプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ブデソニド、および、サルメテロールキシナホ酸塩とフルチカゾンプロピオン酸エステルの配合剤からなる群から選択される、[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[21] 上記他の薬剤が、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、または、イリノテカンである、[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[22] [1]~[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患の治療または予防方法。
[23] 上記がんが、血液がん、または、固形癌である、[22]に記載の方法。
[24] 上記血液がんが、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、および、エイズ関連癌からなる群から選択される、[23]に記載の方法。
[25] 上記固形癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、ならびに、カポジ肉腫からなる群から選択される、[23]に記載の方法。
[26] 上記炎症性疾患が、自己免疫疾患である、[22]に記載の方法。
[27] 上記自己免疫疾患が、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、または、炎症性腸疾患である、[26]に記載の方法。
[28] 上記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎である、[22]に記載の方法。
[29] 上記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、[22]に記載の方法。
[30] 抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤と組み合わせて投与する、[22]~[29]のいずれかに記載の方法。
[31] 上記化合物またはその薬理上許容される塩を、抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤を有効成分として含有する組成物と、同時にまたは異なる時間に投与する、[22]~[29]のいずれかに記載の方法。
[32] 上記化合物またはその薬理上許容される塩を投与することが、上記化合物またはその薬理上許容される塩と、抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、および、アトピー性皮膚炎治療薬からなる群より選択される1以上の他の薬剤と、を有効成分として含有する組成物を投与することである、[22]~[29]のいずれかに記載の方法。
[33] 上記他の薬剤が、チロシンキナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、DNAアルキル化剤、DNA合成阻害剤、白金製剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、チューブリン作用薬、ホルモン拮抗薬、アロマターゼ阻害剤、分化誘導剤、プロテオソーム阻害剤、リン脂質キナーゼ阻害剤、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、BETブロモドメイン阻害剤、ヒストンデメチラーゼ阻害剤、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート製剤、Hsp90阻害剤、キネシンEg5阻害剤、セリンスレオニンキナーゼ阻害剤、抗サイトカイン剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、活性型ビタミンD3外用剤、S1P1受容体拮抗剤、インターフェロン製剤、抗コリン薬、ロイコトルエン拮抗薬、PDE4阻害薬、PGD2受容体拮抗剤、好中球エラスターゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、古典的な非ステロイド性抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、Nitric oxide遊離型非ステロイド性抗炎症剤、金製剤、ペニシラミン、アミノサリチル酸製剤、抗マラリア薬、ピリミジン合成阻害薬、TNF阻害薬、インターロイキン阻害薬、インターロイキン受容体拮抗薬、インターロイキン受容体アゴニスト、B細胞活性化阻害薬、共刺激分子関連タンパク質製剤、MAPK阻害薬、遺伝子調節薬、サイトカイン産生抑制薬、TNFα変換酵素阻害薬、IL-1β変換酵素阻害薬、ケモカイン拮抗薬、治療用ワクチン、遺伝子治療薬、アンチセンス化合物、プロテアソーム阻害薬、JAK阻害薬、T細胞阻害薬、イノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害薬、接着分子阻害薬、サリドマイド、カテプシン阻害薬、グルコース-6-リン酸脱水素酵素阻害薬、ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)阻害薬、ホスホリパーゼA2阻害薬、iNOS阻害薬、微小管刺激薬、微小管阻害薬、MHCクラスII拮抗薬、CD4拮抗薬、CD23拮抗薬、ロイコトリエンB4受容体拮抗薬、5-リポキシゲナーゼ阻害薬、カテプシンB阻害薬、骨形成刺激薬、ジペプチジルペプチダーゼ阻害薬、コラーゲン作働薬、カプサイシンクリーム、サルファ剤、ヒアルロン酸誘導体、硫酸グルコサミン、アミプリローゼ、CD20阻害薬、CD52阻害薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、オピオイド受容体作動剤、免疫グロブリン、酢酸グラチラマー、T細胞受容体ワクチン、接着分子阻害剤、筋弛緩剤、局所麻酔剤、ケタミン、短時間型および長時間型のムスカリン受容体アンタゴニスト、短時間型および長時間型のβ受容体アゴニスト、吸入ステロイド、経口ステロイド、β受容体アゴニストと吸入ステロイドの配合剤、ビタミン誘導体、ならびに、副腎皮質ステロイド剤からなる群から選択される、[30]~[32]のいずれかに記載の方法。
[34] 上記他の薬剤が、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、フィンゴリモド、メトトレキサート、テモゾロマイド、シクロホスファミド、SCH66336、R115777、L778,123、BMS 214662、ゲフィチニブ、エルロチニブ、パニツムマブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、イブルチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ、ベムフェニブ、タブラフェニブ、トラメチニブ、パルボシクリブ、インターフェロンα2b、シタラビン、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、オファツムマブ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ホリナート、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド、17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトーテン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、オマリズマブ、メポリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、モガムリズマブ、ペルツズマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、イノツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブ チウキセタン、三酸化ヒ素、ビノレルビン、ポルフィマー、チオテパ、アルトレタミン、トラスツズマブ、レトロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、セツキシマブ、バシリキシマブ、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アルコフェナク、アセクロフェナク、スリンダク、トルメチン、エトドラク、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、メクロフェナム酸、メロキシカム、テオキシカム、ロルノキシカム、ナブメトン、アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、スルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、ピロキシカム、エピリゾール、塩酸チアラミド、ザルトプロフェン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、ブレンツキシマブ ベドチン、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アトロピン、スコポラミン、モルヒネまたはその塩、ペチジン、レボルファノール、オキシモルフォン、セレコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ、ロキソプロフェン、オーラノフィン、D-ペニシラミン、スルファサラジン、メサラジン、オルサラジン、バルサラジド、クロロキン、レフルノミド、タクロリムス、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、ゴリムマブ、PASSTNFα、可溶性TNFα受容体、TNFα結合蛋白、抗TNFα抗体、デノスマブ、アナキンラ、可溶性IL-1受容体抗体、トシリズマブ、抗IL-6抗体、IL-10、ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ、セクキヌマブ(AIN-457)、イキセキズマブ(LY-2439821)、AMG827、リツキサン、ベリムマブ、アバタセプト、BMS-582949、シグナル伝達に関係する分子の阻害薬、MAPK阻害薬、サリチル酸軟膏、尿素軟膏、イグラチモド、テトミラスト、ベルナカサン、HMPL-004、IL-8拮抗薬、CXCR1-CXCR2デュアル拮抗薬、レパリキシン、CCR9拮抗薬、デニロイキン ディフティトックス、CCX025、N-{4-クロロ-2-[(1-オキシドピリジン-4-イル)カルボニル]フェニル}-4-(プロパン-2-イルオキシ)ベンゼンスルホンアミド、MCP-1拮抗薬、イルベサルタン、TNFαワクチン、ISIS-104838、ナタリズマブ、ベドリズマブ、AJM300、TRK-170、E6007、MX-68、BMS-188667、CKD-461、リメクソロン、シクロスポリンA、ミゾリビン、グスペリムス、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、アチプリモド ディハイドロクロライド、アザチオプリン、インターフェロンα、インターフェロンβ1b、インターフェロンβ1a、トファシチニブ、バリシチニブ、カルフィルゾミブ、ルキソリチニブ、デキサメタゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオール、マイコフェノレート モフェチル、アリカフォルセンナトリウム、セレクチン阻害薬、ELAM-1阻害薬、VCAM-1阻害薬、ICAM-1阻害薬、V-85546、ロフルミラスト、アプレミラスト、VAS203、リューマコン、ザノリムマブ、DW-1350、ジリュートン、Tyk2阻害薬、シンビスク(hylan G-F 20)、オルソビスク、アタシセプト、ブリシビモド、チザニジン、エペリゾン、アフロクァロン、バクロフェン、ジアゼパム、ダントロレンナトリウム、ビタミンD3誘導体、ビタミンD2誘導体、塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸エフェドリン、臭化イプロトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、テオフィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アゼラスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト、シクレソニド、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ホモクロルシクリジン、フェキソフェナジン、フマル酸ケトチフェン、塩酸セチリジン、オキサトミド、エバスチン、塩酸エピナスチン、ロラタジン、トラマドール、プロメタジン、ヒドロキシジン、ホモクロルシクリジン、シプロヘプタジン、メキタジン、フマル酸エメダスチン、プソイドエフェドリン、ベシル酸ベポタスチン、レボセチリジン、オロパタジン塩酸塩、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズマブ、ガリキシマブ、メトホルミン塩酸塩、ビジリズマブ、アミノプテリン、パゾパニブ塩酸塩、フェザキヌマブ、ルキソリチニブリン酸塩、イクセキズマブ、グセルクマブ、SLx-2119、PRX-167700、リドカイン、臭化チオトロピウム、サルメテロールキシナホ酸塩、フマル酸フォルモテロール、フルチカゾンプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ブデソニド、および、サルメテロールキシナホ酸塩とフルチカゾンプロピオン酸エステルの配合剤からなる群から選択される、[30]~[32]のいずれかに記載の方法。
[35] 上記他の薬剤が、5-フルオロウラシル、オキサリプラチン、または、イリノテカンである、[30]~[32]のいずれかに記載の方法。
[36] CDK7阻害剤である医薬組成物の製造のための、[1]~[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩の使用。
[37] CDK7を阻害するための、[1]~[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩の使用。
[38] がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患を治療または予防するための、[1]~[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩の使用。
[39] 上記がんが血液がん、または、固形癌である、[38]に記載の使用。
[40] 上記血液がんが多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、および、エイズ関連癌からなる群から選択される、[39]に記載の使用。
[41] 上記固形癌が膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、ならびに、カポジ肉腫からなる群から選択される、[39]に記載の使用。
[42] 上記炎症性疾患が、自己免疫疾患である、[38]~[41]のいずれかに記載の使用。
[43] 上記自己免疫疾患が、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、または、炎症性腸疾患である、[42]に記載の使用。
[44] 上記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎である、[38]に記載の使用。
[45] 上記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、[38]に記載の使用。
[46] 医薬組成物の活性成分としての使用のための、[1]~[6]のいずれかに記載の化合物、または、その薬理上許容される塩。
[47] がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患の治療のための医薬組成物の活性成分としての使用のための、[46]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[48] 上記がんが、血液がん、または、固形癌である、[47]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[49] 上記血液がんが、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、および、エイズ関連癌からなる群から選択される、[48]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[50] 上記固形癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、ならびに、カポジ肉腫からなる群から選択される、[48]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[51] 上記炎症性疾患が自己免疫疾患である、[47]~[50]のいずれかに記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[52] 上記自己免疫疾患が、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、または、炎症性腸疾患である、[51]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[53] 上記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎である、[47]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
[54] 上記慢性呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患である、[47]に記載の化合物またはその薬理上許容される塩。
【発明の効果】
【0015】
一般式(I)で表される置換ジヒドロピロロピラゾール化合物またはその薬理上許容される塩は、優れたCDK7阻害活性、キナーゼ阻害作用に関する高い選択性、優れた安全性、および、優れた薬物動態特性を有している。従って、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩は、医薬として、特に、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患の治療薬、および/または、予防薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、以下に説明する。なお、本明細書中、「一般式(I)で表される化合物」等を便宜上、それぞれ「化合物(I)」等ともいう。以下に定義または例示される各種の置換基は、任意に選択して組み合わせることができる。なお、本明細書中において、「ジヒドロピロロピラゾール化合物」を「ジヒドロピロロピラゾール誘導体」ともいう。
【0017】
本発明の一実施形態は、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩である。
【化5】
【0018】
一般式(I)において、
2つのRは、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐C1-3アルキル基を示すか、または、互いに結合してCアルキレン基を形成している基を示し、
Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基もしくは置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Zは、水素原子もしくは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基を示すか、または、AおよびZが互いに結合して、Z-N-Aで表される基が、置換されていてもよい二環式縮合ヘテロアリール基を形成しており、
、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基を示す。
【0019】
本明細書記載の「直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基」とは、炭素数1~6の直鎖もしくは分岐アルキル基を意味する。直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、または、2,3-ジメチルブチル基のようなC1-6アルキル基が挙げられる。好ましい「直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、または、tert-ブチル基である。同様に、「直鎖もしくは分岐C1-3アルキル基」との語は、炭素数1~3の直鎖もしくは分岐アルキル基を意味し、「直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基」との語は、炭素数1~4の直鎖もしくは分岐アルキル基を意味する。
【0020】
本明細書記載の「C2-5アルキレン基」としては、1,2-エチレン基、1,2-プロピレン基、1,3-プロピレン基、1,2-ブチレン基、1,3-ブチレン基、1,4-ブチレン基、2,3-ブチレン基、1,2-ペンチレン基、1,3-ペンチレン基、1,4-ペンチレン基、1,5-ペンチレン基、2,3-ペンチレン基、2,4-ペンチレン基が挙げられる。すなわち、2つのRが互いに結合してC2-5アルキレン基を形成している基とは、上記C1-6アルキル基のうち、炭素数2~5のものに相当するC2-5アルキル基から、さらに1つの水素原子を除いてなる2価の基を意味する。
【0021】
本明細書記載の「C6-10アリール基」とは、炭素数6~10のアリール基を意味する。C6-10アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0022】
本明細書記載の「ヘテロアリール基」は、後述する複素環基のうち、芳香族複素環基に相当し、特に「二環式縮合ヘテロアリール基」は、二環式の芳香族複素環基に相当する。
【0023】
本明細書中、A、Z、R、R、およびR等の説明における「置換されていてもよい」との語は、当該基が無置換のもの、および、1つまたは複数の後述する置換基Aで置換されたものを包含することを意味する。
【0024】
上記置換基Aは、1価の基を意味し、例えば、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、直鎖もしくは分岐C2-6アルキニル基、直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、オキソ基(=O)、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基(-COOH)、カルバモイル基(-CONH)、C6-10アリール基および複素環基が挙げられる。置換基がアミノ基またはカルボキシ基の場合には、その塩の形態であってもよい。好ましい置換基Aは、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基またはハロゲン原子である。
【0025】
本明細書記載の「C3-6シクロアルキル基」とは、炭素数3~6の環状アルキル基を意味する。C3-6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環;ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基等の縮合環;スピロ[2.3]ヘキシル基等のスピロ環が挙げられる。上記置換基は、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基である。
【0026】
本明細書記載の「直鎖もしくは分岐C2-6アルケニル基」とは、炭素数2~6の直鎖もしくは分岐アルケニル基を意味する。直鎖もしくは分岐C2-6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペン-1-イル基、プロペン-2-イル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、5-ペンテニル基、1-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、4-メチル-1-ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、4-メチル-2-ブテニル基、1-メチル-3-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、4-メチル-3-ブテニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、6-ヘキセニル基およびこれらの構造異性体のようなアルケニル基が挙げられる。
【0027】
本明細書記載の「C3-6シクロアルケニル基」とは、炭素数3~6のシクロアルケニル基を意味する。C3-6シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基が挙げられる。
【0028】
本明細書記載の「直鎖もしくは分岐C2-6アルキニル基」とは、炭素数2~6の直鎖もしくは分岐アルキニル基を意味する。直鎖もしくは分岐C2-6アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基、ペンチニル基およびヘキシニル基が挙げられる。
【0029】
本明細書記載の「直鎖もしくは分岐C1-6アルコキシ基」とは、オキシ基(-O-)と、当該オキシ基に結合した直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基とからなる基を意味する。C1-6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基およびヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0030】
本明細書記載の「C3-6シクロアルコキシ基」とは、オキシ基(-O-)と、当該オキシ基に結合したC3-6シクロアルキル基からなる基を意味する。C3-6シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基およびシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0031】
本明細書記載の「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を意味する。
【0032】
本明細書記載の「複素環基」とは、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1つ有する環状基を意味し、芳香族複素環基(ヘテロアリール基ともいう。)であってもよく、非芳香族複素環基であってもよい。また、複素環基は、単環式であってもよく、二環式であってもよい。置換基としての複素環基は、単環式であることが好ましい。単環式の芳香族複素環基としては、例えば、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基、トリアジン基、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、インダゾール基、フラン基、チオフェン基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソキサゾール基およびオキサジアゾール基が挙げられる。単環式の非芳香族複素環基としては、例えば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基およびチオモルホリニル基が挙げられる。二環式の芳香族複素環基(二環式縮合ヘテロアリール基ともいう。)としては、例えば、インドール基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ピリドインドール基およびキノキサリン基が挙げられる。
【0033】
当該基が置換基Aを2つ以上有する場合には、2つの置換基Aが互いに結合して環状構造を形成してもよい。2つの置換基Aが互いに結合して環状構造を形成する場合としては、例えば、シクロプロピル基、メチレンジオキシ基、オキシエチレン基が挙げられる。具体的には、ベンゼン環にメチレンジオキシ基が結合した場合、全体として1,3-ベンゾジオキソール基となり、ベンゼン環にオキシエチレン基が結合した場合、全体として2,3-ジヒドロベンゾフラニル基となる。
【0034】
置換基Aがハロゲン原子である場合、「置換された直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基」としては、例えば、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、1-フルオロプロピル基、2-フルオロプロピル基、3-フルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、1-フルオロメチルエチル基、1-ジフルオロメチルエチル基、1-トリフルオロメチルエチル基、1-フルオロ-1-メチルエチル基、4-フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、5-フルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、6-フルオロヘキシル基、または、パーフルオロヘキシル基が挙げられる。
【0035】
置換基AがC6-10アリール基である場合、「置換された直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基」としては、例えば、合計炭素数7~11の、アリール基を有するアルキル基(C7―11アラルキル基ともいう。)であり、具体例としてはベンジル基、フェニルエチル基およびナフチルメチル基が挙げられる。
【0036】
上記置換基Aは、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、オキソ基(=O)、直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、複素環等の置換基Bでさらに置換されていてもよい。このような置換基(すなわち、置換基Bで置換された置換基A)としては、例えば、アルキルアミノ基、N-モノC1-6アルキルカルバモイル基、N,N-ジC1-6アルキルカルバモイル基(2つのアルキル基は異なっていてもよい)、C1-6アルカノイルオキシ基(-OCOR、[式中、Rは直鎖もしくは分岐C1-5アルキル基である。])が挙げられる。また、水酸基およびオキソ基で置換されたメチル基は、一般的にカルボキシ基(-COOH)と呼ばれる。アミノ基およびオキソ基で置換されたメチル基は、一般的にカルバモイル基(-CONH)と呼ばれる。
【0037】
本明細書記載の「アルキルアミノ基」とは、上記直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基およびC3-6シクロアルキル基から独立に選択される少なくとも1個の基で置換されたアミノ基を意味する。C1-6アルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(メチル)アミノ基、イソプロピル(メチル)アミノ基およびシクロプロピル(メチル)アミノ基が挙げられる。
【0038】
本実施形態に係る化合物は、一般式(II)、一般式(III)、または、一般式(IV)のいずれかの化学式で表される化合物であってもよい。
【0039】
【化6】
一般式(II)、一般式(III)、および、一般式(IV)において、R、R、R、および、Aは、一般式(I)における定義と同じである。
【0040】
一般式(I)において、2つのRは、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐C1-3アルキル基であってもよく、互いに結合してC2-5アルキレン基を形成している基であってもよい。
【0041】
一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、および、一般式(IV)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C1-4アルキル基であってもよい。
【0042】
一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、および、一般式(IV)において、Aは、置換されていてもよいC6-10アリール基、または、置換されていてもよいヘテロアリール基であってもよい。
【0043】
一般式(I)で表される化合物において、好ましい態様では、2つのRは、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐C1-3アルキル基を示すか、または、互いに結合してCアルキレン基を形成している基を示す化合物である。
また、一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、または、一般式(IV)で表される化合物において、好ましい態様では、各一般式において、Aは、置換されていてもよいフェニル基を示し、R、RおよびRは、それぞれ独立に、メチル基またはエチル基を示す化合物である。
【0044】
本実施形態に係る化合物は、好ましくは一般式(IV)で表される化合物であり、より好ましくは、式中、R、RおよびRのそれぞれがC1-3アルキル基であり、Zが水素原子であり、Aが置換されていてもよいフェニル基またはベンゾフラニル基である化合物である。上記フェニル基またはベンゾフラニル基は、ハロゲン原子及びC1-3アルキル基からなる群から独立に選択される1~3個の基で置換されていてもよい。
【0045】
化合物(I)としては、以下に示す化合物群から選択される化合物が好ましい。
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-N-(o-トリル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,5-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,6-ジクロロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
N-(2-ブロモ-6-メチルフェニル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド、および
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド。
【0046】
化合物(I)またはその薬理上許容される塩は、単一の光学異性体であってもよく、複数の光学異性体の混合物であってもよい。
【0047】
化合物(I)に幾何異性体または回転異性体が存在する場合、それらの異性体も本発明に包含される。また、本実施形態に係る化合物に互変異性体が存在する場合には、それらの互変異性体も本発明に包含される。
【0048】
本実施形態に係る「薬理上許容される塩」とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩;酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸、トリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、モルホリン、グルコサミン、エチレンジアミン、グアニジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等との四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0049】
化合物(I)またはその薬理上許容される塩は、水和物、または、溶媒和物を形成することができ、その各々またはそれらの混合物は、本発明に包含される。
【0050】
化合物(I)は、構成する原子の一つまたは複数で非天然の比率の原子同位体を含むこともある。原子同位体としては、例えば、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、フッ素-18(18F)、硫黄-35(35S)、または、ヨウ素-125(125I)などが挙げられる。これらの化合物は、治療または予防剤、研究試薬、例えば、アッセイ試薬、及び診断剤、例えば、インビボ画像診断剤として有用である。化合物(I)のすべての同位体変種は、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明に包含される。
【0051】
化合物(I)またはその薬理上許容される塩は、必要に応じて、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、安定化剤、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、可溶化剤、増粘剤、保存剤、抗酸化剤、甘味料、着色剤、香料等の薬理上許容される担体を添加して、医薬組成物として使用することができる。医薬組成物は、当業者に周知な方法により、目的に合わせて適宜調製することができる。
【0052】
医薬組成物における、化合物(I)またはその薬理上許容される塩の含有量は、適宜調整することができる。
【0053】
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口投与用製剤、注射剤(例えば、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与)、点眼剤、点鼻剤、座剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、スプレー剤、貼付剤、吸入剤、経皮吸収製剤等の非経口投与用製剤等、第十六改正日本薬局方 製剤総則に記載の剤形とすることができる。
【0054】
賦形剤としては、例えば、乳糖、マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウムおよびリン酸水素カルシウムが挙げられ、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる。結合剤としては、例えば、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられ、崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびクエン酸カルシウムが挙げられる。コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴールおよびシリコーン樹脂が挙げられ、安定化剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エチルおよびベンジルアルコールが挙げられる。
【0055】
等張化剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等が挙げられ、緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酢酸、酢酸塩、ε-アミノカプロン酸、トロメタモール等が挙げられ、pH調節剤としては、例えば、塩酸、クエン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。また、可溶化剤としては、例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、マクロゴール4000、精製大豆レシチン、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が挙げられ、増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸ナトリウム等が挙げられ、保存剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられる。
【0056】
軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、およびスプレー剤等の経皮投与用医薬組成物が含んでいてもよい成分としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、サリチル酸エチレングリコール、ピロチオデカン等の吸収促進剤;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ヘキシル、イソオクタン酸セチル等の脂肪酸エステル;セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ベヘニルアルコール等の脂肪族アルコール;プロピレングリコール、プロピレンジオール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤等が挙げられる。
【0057】
化合物(I)またはその薬理上許容される塩の投与量は、症状、年齢、剤型等により適宜変更することができる。例えば、経口投与の場合、通常1日当たり0.01~2000mg、好ましくは1~500mgを1回又は数回に分けて投与することができる。
【0058】
軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、または、ゲル剤であれば通常0.0001%(w/v)~10%(w/v)、好ましくは0.01%(w/v)~5%(w/v)の濃度のものを1回又は数回に分けて投与することができる。
【0059】
次に、化合物(I)またはその薬理上許容される塩の製造方法について、説明する。なお、本発明に係る化合物またはその薬理上許容される塩は、以下の製造方法によって製造された化合物またはその薬理上許容される塩に限定されるものではない。
【0060】
以下に示す製造方法において、化合物中に所望の反応を阻害するか、あるいは副反応を生じ得る部分構造(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、又は、チオール基等)が存在する場合、それらの部分構造に保護基を導入して所望の反応を行い、その後に当該保護基を除去することによって目的物を得ることができる。
【0061】
保護基の導入反応および除去反応は有機合成化学で常用される方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、T.W.Greene、P.G.M.Wuts著、John Wiley & Sons Inc.(2006年)等に記載の方法)に準じて実施できる。
【0062】
以下に、化合物(I)の製造方法として、化合物(1)を出発原料として化合物(I)を製造する方法(化合物(I)の製造方法1~4)について説明する。なお、化合物(1)の製造方法については、後述する。
【0063】
<化合物(I)の製造方法>
本方法は、化合物(1)にアシル化剤を反応させて得られる化合物(2)と、アミン化合物(3)との反応により化合物(4)を得た後、化合物(I)を製造する方法である。本方法において、R、R、R、R、A、および、Zは、一般式(I)における定義と同義である。P基は、アミノ基の保護基を示し、Xは、脱離基を示す。なお、化合物(1)として、便宜上、4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格の1位にP基が置換された化学構造を示して、本方法を説明するが、化合物(1)は、4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格の2位にP基が置換された互変異性体に相当する化学構造を有する化合物であってもよい。
【化7】
【0064】
基は、当業者にアミノ基の保護基として知られる置換基であれば、特に制限はない。P基としては、例えば、ベンジル基、p-メトキシフェニルメチル基、o-ニトロフェニルメチル基等の置換されていてもよいC7―11アラルキル基;アセチル基、トリフルオロアセチル基等の置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基;ベンゾイル基等の置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、Boc基(tert-ブトキシカルボニル基)、Cbz基(ベンジルオキシカルボニル基)、Fmoc基(フルオレニルメチルオキシカルボニル基)、Teoc基(トリメチルシリルエチルオキシカルボニル基)等の置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基;Alloc基(アリルオキシカルボニル基)等のアルケニルオキシカルボニル基;メタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基;p-トルエンスルホニル基等の置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基が挙げられる。
【0065】
X基は、当業者に脱離基として知られる置換基であれば、特に制限はない。X基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イミダゾリル基;スクシニル-N-オキシ基、ベンゾトリアゾリル-N-オキシ基等のアミノオキシ基;ピバロイルオキシ基等の置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニルオキシ基;ベンゾイルオキシ基等の置換されていてもよいC6-10アリールカルボニルオキシ基が挙げられる。また、Xは、水酸基であってもよい。
【0066】
(工程1)
工程1は、化合物(1)とアシル化剤を反応させて、化合物(2)を得る工程である。
【0067】
アシル化剤としては、例えば、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’-ジスクシンイミジル カルボナート、炭酸エステル等を使用することができる。
【0068】
アシル化剤の使用量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは、0.4~3.0モルであり、より好ましくは、0.7~1.5モルである。
【0069】
工程1は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
【0070】
工程1は、反応を促進するために、さらに塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等の有機アミンが挙げられる。
【0071】
添加する塩基の量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは、1~10モルであり、より好ましくは、3~6モルである。
【0072】
工程1の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常、-100~0℃であり、好ましくは-80~-60℃である。
【0073】
(工程2)
工程2は、化合物(2)とアミン化合物(3)を反応させて、化合物(4)を得る工程である。アミン化合物(3)は、AおよびZが一般式(I)における定義を満たす第一級アミン又は第二級アミンであればよく、市販のアミンでも合成したアミンでもよい。
【0074】
アミン化合物(3)の使用量は、化合物(2)1モルに対して、好ましくは、1~20モルであり、より好ましくは、2~5モルである。アミン化合物(3)および化合物(2)は、有機溶媒に溶解させて反応液に加えてもよい。
【0075】
工程2は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
【0076】
工程2は、反応を促進するために、さらに塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等の有機アミン;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
【0077】
添加する塩基の量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは、1~20モルであり、より好ましくは、2~5モルである。
【0078】
工程2の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常、0~160℃であり、好ましくは25~120℃である。
【0079】
(工程3)
工程3は、化合物(4)のP基を除去して、化合物(I)を製造する工程である。
【0080】
工程3の反応条件は、使用するP基の種類によって、当業者が適宜選択することができる。例えば、P基が置換されていてもよいC7―11アラルキル基の場合には、加水素分解によってP基を除去してもよく、プロトン酸またはルイス酸を用いて行ってもよい。また、P基が置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基または置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基の場合には、プロトン酸またはルイス酸を用いて、P基を除去してもよい。また、P基がBoc基の場合には、プロトン酸またはルイス酸で処理することによって行うことができ、P基がCbz基の場合には、加水素分解または塩基で処理することによって行うことができ、P基がTeoc基の場合には、テトラブチルアンモニウム フルオリド等のフッ化物イオンを生じる試薬を用いることができる。また、P基がメトキシカルボニル基やエトキシカルボニル基等の置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基の場合には、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、2-アミノエタノール、N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン等の有機アミン、または、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基の存在下、加熱することによって、P基を除去してもよい。
【0081】
工程3によって得られる化合物(I)は、当業者に周知の方法により、その薬理上許容可能な塩へと変換することができる。
【0082】
<化合物(4a)の製造方法1>
本方法は、化合物(1)とイソシアナート化合物(5)を反応させて化合物(4a)を得た後、上記工程3と同様にして、化合物(I)を製造する方法である。化合物(4a)は、一般式(4)においてZ基が水素原子の場合に相当する。工程3は、上述のとおりである。本方法は、イソシアナート化合物(5)を用いる場合に、好適な方法である。本方法において、R,R、R、R、PおよびAは、上記化合物(I)の製造方法における定義と同義である。
【化8】
【0083】
(工程4)
工程4は、化合物(1)とイソシナナート化合物(5)を反応させて、化合物(4a)を得る工程である。イソシアネート化合物(5)は、Aが一般式(1)における定義を満たすイソシアネートであればよく、市販のイソシアネートでも合成したイソシアネートでもよい。
【0084】
化合物(5)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは、1~10モルであり、より好ましくは、1~3モルである。化合物(5)は、有機溶媒に溶解させて反応液に加えてもよい。
【0085】
工程4は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
【0086】
工程4の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常、-20~100℃であり、好ましくは0~30℃である。
【0087】
<化合物(4a)の製造方法2>
本方法は、カルボン酸化合物(6)から変換して得られるイソシアナート化合物(5)と、化合物(1)との反応により、化合物(4a)を得た後、上記工程3と同様にして、化合物(I)を製造する方法である。尚、本方法では、イソシアナート化合物(5)を単離することなく、工程5と工程6を連続して実施してもよい。カルボン酸化合物(6)は、Aが一般式(1)における定義を満たすカルボン酸であればよく、市販のカルボン酸でも合成したカルボン酸でもよい。本方法において、R,R、R、R、PおよびAは、上記化合物(I)の製造方法における定義と同義である。
【化9】
【0088】
(工程5)
工程5は、例えば、Journal of the American Chemical Society,94(1972)6203-6205頁等に記載の方法に準じて、イソシアナート化合物(5)をジフェニルホスホリルアジド及び塩基と反応させて(クルチウス転位)、イソシアナート化合物(5)を得る工程である。
【0089】
工程5は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、例えば、トルエン、又は、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、又は、1-メチル-2-ピロリドン等のアミド類が挙げられる。好ましくは、トルエンである。
【0090】
塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、又は、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の有機アミン類が挙げられる。
【0091】
(工程6)
工程6は、化合物(1)とイソシナナート化合物(5)を反応させて、化合物(4a)を得る工程である。工程6は、工程4と同様の方法で実施できる。
【0092】
<化合物(4a)の製造方法3>
本方法は、アミド化合物(7)から変換して得られるイソシアナート化合物(5)と、化合物(1)との反応により、化合物(4a)を得た後、上記工程3と同様にして、化合物(I)を製造する方法である。尚、本方法では、化合物(5)を単離することなく、工程7と工程8を連続して実施してもよい。アミド化合物(7)は、Aが一般式(I)における定義を満たす第一級アミドであればよく、市販のアミドでも合成したアミドでもよい。本方法は、アミド化合物(7)を用いる場合に、好適な方法である。本方法において、R、R、R、R、PおよびAは、上記化合物(I)の製造方法における定義と同義である。
【化10】
【0093】
(工程7)
工程7は、例えば、Organic Synthesis,66(1988)132-137頁等に記載の方法に準じて、化合物(7)と酸化剤を反応させて(ホフマン転位)、イソシアナート化合物(5)を得る工程である。
【0094】
工程7は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、例えば、トルエン、又は、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、又は、1-メチル-2-ピロリドン等のアミド類;ジクロロメタン、又は、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン、又は、1,2-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;アセトニトリル、又は、プロピオニトリル等のニトリル類が挙げられる。好ましくは、トルエンである。
【0095】
工程7は、反応に塩基を添加してもよい。塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、又は、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等の有機アミン類;ピリジン、2,6-ルチジン、又は、4-ピコリン等のピリジン類が挙げられる。好ましくは、ピリジンである。
【0096】
酸化剤としては、[ビス(アセトキシ)ヨード]ベンゼン、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン、又は、ヨードシルベンゼン等の高原子価ヨウ素化合物が挙げられ、好ましくは[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンである。
【0097】
上記化合物(4a)の製造方法1~3によって得られた化合物(4a)を、当業者に周知の反応により、化合物(4)(ただし、Z基は水素原子ではない。)に変換してもよい。また、化合物(4a)を化合物(Ia)に変換した後に化合物(I)(ただし、Z基は水素原子ではない。)に変換してもよい。化合物(Ia)は、一般式(I)においてZ基が水素原子の場合に相当する。例えば、工程4、6または8において、反応後の混合物にアルキル化剤Z-X(式中、Zは一般式(I)における定義と同じであり、Xは脱離基を示す。)を反応させてもよい。
【0098】
(工程8)
工程8は、化合物(1)とイソシナナート化合物(5)を反応させて、化合物(4a)を得る工程である。工程8は、工程4と同様の方法で実施できる。
【0099】
<化合物(1)の製造方法>
化合物(1)は、例えば、以下の方法により化合物(8)を出発原料として製造することができる。化合物(8)は、例えば、WO2007/72153を参考にして、または、下記工程11~15を経て製造することができる。
【化11】
【0100】
化合物(8)は、3-アミノ-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾールであり、ピラゾール骨格上の窒素原子がP基で、5位の窒素原子がP基で置換されていてもよい。なお、P基は4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格におけるピラゾールの酸性プロトンを置換することができればよい。したがって、P基は4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格の1位に置換していてもよく、2位に置換していてもよい。便宜上、化合物(8)および化合物(10)として、4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール骨格の1位に置換した化学式を用いて説明する。
【0101】
化合物(8)において、Pは、化合物(I)の製造方法における定義と同義である。P基は、当業者にアミノ基の保護基として知られる置換基であれば、特に制限はない。P基としては、例えば、ベンジル基、p-メトキシフェニルメチル基、o-ニトロフェニルメチル基等の置換されていてもよいC7―11アラルキル基;アセチル基、トリフルオロアセチル基等の置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、ベンゾイル基等の置換されていてもよいC6-10アリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、Boc基(tert-ブトキシカルボニル基)、Cbz基(ベンジルオキシカルボニル基)、Fmoc基(フルオレニルメチルオキシカルボニル基)、Teoc基(トリメチルシリルエチルオキシカルボニル基)等の置換されていてもよいC1-6アルコキシカルボニル基;Alloc基(アリルオキシカルボニル基)等のアルケニルオキシカルボニル基;メタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基;p-トルエンスルホニル基等の置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基が挙げられる。
【0102】
化合物(9)および(10)において、R、R、R、および、Rは、化合物(I)における定義と同義である。X基は、当業者に脱離基として知られる置換基であれば、特に制限はない。Xとしては、例えば、ハロゲン原子;イミダゾリル基;スクシニル-N-オキシ基、ベンゾトリアゾリル-N-オキシ基等のアミノオキシ基;ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基が挙げられる。また、Xは、水酸基であってもよい。
【0103】
化合物(9)がカルボン酸(すなわち、Xが水酸基である)である場合、当業者に周知の方法で酸無水物に変換した後に化合物(8)と反応してもよく、当業者にアミド結合形成反応に用いる縮合剤として知られる試薬を用いて、化合物(8)と反応してもよい。
【0104】
(工程9)
工程9は、化合物(8)と化合物(9)を反応させて、化合物(10)を得る工程である。
【0105】
化合物(9)の使用量は、化合物(8)1モルに対して、好ましくは、1~10モルであり、より好ましくは、1~3モルである。
【0106】
工程9は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
【0107】
工程9は、反応を促進するために、さらに塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等の有機アミンが挙げられる。
【0108】
添加する塩基の量は、化合物(8)1モルに対して、好ましくは、1~20モルであり、より好ましくは、1~5モルである。
【0109】
工程9の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常、-40~100℃であり、好ましくは-20~20℃である。
【0110】
(工程10)
工程10は、化合物(10)の脱保護反応を行い、化合物(1)を得る工程である。P基の除去反応は当業者に周知の方法で行うこともできる(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、T.W.Greene、P.G.M.Wuts著、John Wiley & Sons Inc.(2006年)等に記載の方法)。
【0111】
<化合物(8)の製造方法>
化合物(8)は、例えば、以下の方法により化合物(11)を出発原料として製造することができる。一般式(13)、(14)および(15)において、Pは、化合物(8)における定義と同義である。
【化12】
【0112】
(工程11)
工程11は、化合物(11)とアクリロニトリルを反応させて、化合物(12)を得る工程である。
【0113】
アクリロニトリルの使用量は、化合物(11)1モルに対して、好ましくは、1~10モルであり、より好ましくは、1~3モルである。
【0114】
工程11は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、水溶媒である。
【0115】
工程11は、反応を促進するために、さらに塩基を添加することができる。塩基としては水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。添加する塩基の量は、化合物(11)1モルに対して、好ましくは、0.8~2モルである。
【0116】
工程11の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常、0~100℃であり、好ましくは50~90℃である。
【0117】
(工程12)
工程12は、化合物(12)のアミノ基をP基で保護して、化合物(13)を得る工程である。アミノ基のP基による保護反応は当業者に周知の方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、T.W.Greene、P.G.M.Wuts著、John Wiley & Sons Inc.(2006年)等に記載の方法にしたがって行うことができる。
【0118】
(工程13)
工程13は、化合物(13)の環化反応を行い、化合物(14)を得る工程である。
工程13は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン等が挙げられる。
【0119】
工程13では、反応を促進するために、さらに塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウム メトキシド、ナトリウム エトキシド、n-ブチルリチウム、カリウム tert-ブトキシド等が挙げられる。添加する塩基の量は、化合物(13)1モルに対して、好ましくは、1~3モルである。
【0120】
工程13の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常20~150℃であり、好ましくは50~100℃である。
【0121】
(工程14)
工程14は、化合物(14)とヒドラジンを反応させ、化合物(15)を得る工程である。
【0122】
工程14は、反応を溶媒中で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば限定は無く、好ましくは、有機溶媒である。有機溶媒としては、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール等が挙げられる。
【0123】
工程14では、反応を促進するために、さらに酸を添加することができる。酸としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。添加する酸の量は、化合物(14)1モルに対して、好ましくは、1~10モルである。
【0124】
工程14の反応温度は、当業者が適宜設定することができる。反応温度としては、通常20~150℃であり、好ましくは50~120℃である。
【0125】
(工程15)
工程15は、化合物(15)のアミノ基をP基で保護して、化合物(8)を得る工程である。アミノ基のP基による保護反応は当業者に周知の方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、T.W.Greene、P.G.M.Wuts著、John Wiley & Sons Inc.(2006年)等に記載の方法にしたがって行うことができる。
【0126】
本発明の他の実施形態は、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患、または、慢性呼吸器疾患の治療または予防方法である。ここで、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩を必要とする対象とは、例えば、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患または慢性呼吸器疾患に罹患した患者である。
【0127】
上記がんの例としては、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、血液腫瘍、血液悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、皮膚性リンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、形質細胞新生物、リンパ球様新生物、エイズ関連癌等の血液がん;膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭部および頸部の癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚の癌、線維肉腫、横紋筋肉腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌、カポジ肉腫等の固形癌が挙げられる。本発明の化合物が特に有効ながんとしては、例えば、膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頚癌、甲状腺癌、頭頚部癌、前立腺癌、皮膚癌、間葉系由来の腫瘍、中枢または末端神経系の腫瘍、リンパ系の造血器腫瘍、骨髄系の造血器腫瘍、奇形腫、骨肉腫、カポジ肉腫が挙げられる。
【0128】
上記炎症性疾患としては、自己免疫疾患が挙げられ、より具体的には、リウマチ関節炎、乾癬、多発性硬化症、炎症性腸疾患が挙げられる。
【0129】
上記慢性呼吸器疾患としては、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられる。
【0130】
上記アレルギー性疾患としては、例えば、アトピー性皮膚炎が挙げられる。
【0131】
一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩を投与する際、他の薬剤と組み合わせて投与してもよい。より具体的には、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物と、上記他の薬剤を含有する他の組成物とを、別個に準備し、同時にまたは異なる時間に投与することができる。また、一般式(I)で表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物が、上記他の薬剤を更に含有していてもよい。
【0132】
他の薬剤とは、対象が必要とする薬剤を意味し、例えば、抗がん剤、抗リウマチ剤、乾癬治療薬、多発性硬化症治療薬、炎症性腸疾患治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬等が挙げられる。
【0133】
上記他の薬剤は、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、アファチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、イブルチニブ、ベムフェニブ、タブラフェニブ、トラメチニブ)、免疫賦活化剤、DNAアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド)、DNA合成阻害剤、白金製剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン)、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、チューブリン作用薬、微小管阻害薬(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、コルヒチン)、ホルモン拮抗薬、アロマターゼ阻害剤、分化誘導剤、プロテオソーム阻害剤、リン脂質キナーゼ阻害剤、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、BETブロモドメイン阻害剤、ヒストンデメチラーゼ阻害剤、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート製剤、Hsp90阻害剤、キネシンEg5阻害剤、セリンスレオニンキナーゼ阻害剤、抗サイトカイン剤、免疫抑制剤(例えば、D-ペニシラミン)、活性型ビタミンD3製剤(例えば、5,6-トランス-コレカルシフェロール、2,5-ヒドロキシコレカルシフェロール、1-α-ヒドロキシコレカルシフェロール、カルシポトリオール)、ビタミンD2誘導体(例えば、5,6-トランス-エルゴカルシフェロール)、S1P1受容体拮抗剤(例えば、フィンゴリモド、イグラチモド)、インターフェロン製剤(例えば、インターフェロンα、インターフェロンα2b、インターフェロンβ1a、インターフェロンβ1b)、抗コリン薬、ロイコトリエン拮抗薬、PDE4阻害薬(例えば、ロフルミラスト、アプレミラスト、テトミラスト)、プロスタグランジン(PG)D2受容体拮抗剤、好中球エラスターゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤(例えば、クロモグリク酸ナトリウム)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、アスピリン、サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル)、アセトアミノフェン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、スルピリン、アンチピリン、ロキソプロフェン、エテンザミド、アルコフェナク、アセクロフェナク、スリンダク等)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(COX-1選択的阻害剤、COX-2選択的阻害剤も含む)(例えば、エトドラク、メロキシカム、ナブメトン、ザルトプロフェン、ロルノキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ)、Nitric oxide遊離型非ステロイド性抗炎症剤、金製剤(例えば、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン)、アミノサリチル酸製剤、抗マラリア薬、ピリミジン合成阻害薬、TNF阻害薬、インターロイキン阻害薬、インターロイキン受容体拮抗薬、インターロイキン受容体アゴニスト、B細胞活性化阻害薬、共刺激分子関連タンパク質製剤、遺伝子調節薬、サイトカイン産生抑制薬、TNFα変換酵素阻害薬、IL-1β変換酵素阻害薬、ケモカイン拮抗薬、治療用ワクチン、遺伝子治療薬、アンチセンス化合物、プロテアソーム阻害薬、JAK阻害薬、セレクチン阻害薬、ELAM-1阻害薬、VCAM-1阻害薬、ICAM-1阻害薬、Tyk2阻害薬(例えば、WO2010/142752に記載の化合物またはその塩)、T細胞阻害薬、イノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)阻害薬、接着分子阻害薬、サリドマイド、カテプシン阻害薬(例えば、カテプシンB阻害薬)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素阻害薬、ジヒドロオロト酸脱水素酵素(DHODH)阻害薬、ホスホリパーゼA2阻害薬、iNOS阻害薬、微小管刺激薬、MHCクラスII拮抗薬、CD4拮抗薬、CD23拮抗薬、ロイコトリエンB4受容体拮抗薬、5-リポキシゲナーゼ阻害薬、骨形成刺激薬、ジペプチジルペプチダーゼ阻害薬、コラーゲン作働薬、カプサイシンクリーム、サルファ剤、ヒアルロン酸誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、硫酸グルコサミン、CD20阻害薬、CD52阻害薬、抗アレルギー薬(例えば、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬)、オピオイド受容体作動剤(例えば、モルヒネまたはその塩(例えば、塩酸モルヒネ)、ペチジン、レボルファノール、オキシモルフォン)、免疫グロブリン、酢酸グラチラマー、T細胞受容体ワクチン、接着分子阻害剤、筋弛緩剤、局所麻酔剤(例えば、リドカイン)、ケタミン、ムスカリン受容体(M1受容体、M2受容体、M3受容体を含む)アンタゴニスト(例えば、臭化イプロトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム)、β受容体(β1受容体、β2受容体、β3受容体、β4受容体を含む)アゴニスト(例えば、塩酸イソプレナリン、硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール、硫酸テルブタリン、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸エフェドリン)、β受容体アゴニストと吸入ステロイドの配合剤、ビタミン誘導体、副腎皮質ステロイド剤、抗IL-6抗体(例えば、トシリズマブ)、MAPK阻害薬(例えば、SCI0469、BIRB796、SB203580、VX-702、Pamapimod、PH797804、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、Cobimetinib、CC-359、CC-930、Bentamapimod、XG-104)、IL-8拮抗薬、CXCR1-CXCR2デュアル拮抗薬(例えば、レパリキシン)、CCR9拮抗薬(例えば、バーシルノンナトリウム等)等が挙げられる。
【0134】
免疫賦活化剤は、(1)CTLA-4、PD-1、PD-L1、TIM-3、KIR、LAG-3、VISTAおよびBTLAからなる群より選択される免疫チェックポイントを阻害する薬剤、または、(2)OX40(CD134ともいう。)、IL-10R、GITR、CD27、CD28、CD137およびICOS(CD278ともいう。)からなる群より選択される免疫チェックポイントタンパクを活性化する薬剤である。免疫チェックポイントを阻害する薬剤としては、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、イピリムマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、ピディリズマブ、JNJ-63723283、BMS-936559、LY3300054、FAZ053、MPDL3280Aが挙げられる。また、免疫チェックポイントタンパクを活性化する薬剤は、AM0010(Pegilodecakinともいう。)、GSK3174998、MOXR0916(tavolimabともいう。)、PF-04518600、MEDI0562、TRX518、MEDI1873、バルリルマブ、ウレルマブ、ウトミルマブ、または、MEDI-570であってもよい。
【0135】
上記他の薬剤は、例えば、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロマイド、SCH 66336、R115777、L778,123、BMS 214662、パニツムマブ、パルボシクリブ、シタラビン(ara-Cともいう。)、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、オファツムマブ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、リン酸フルダラビン、ホリナート、ペントスタチン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド、17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトーテン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、ドロロキサフィン、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、オマリズマブ、メポリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、モガムリズマブ、ペルツズマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、イノツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブ チウキセタン、三酸化ヒ素、ビノレルビン、ポルフィマー、チオテパ、アルトレタミン、トラスツズマブ、レトロゾール、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、セツキシマブ、バシリキシマブ、トルメチン、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、メクロフェナム酸、テオキシカム、フェナセチン、ミグレニン、メフェナム酸、フルフェナム酸、フェニルブタゾン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、ピロキシカム、エピリゾール、塩酸チアラミド、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アロプリノール、ブレンツキシマブ ベドチン、アトロピン、スコポラミン、スルファサラジン、メサラジン、オルサラジン、バルサラジド、クロロキン、レフルノミド、タクロリムス、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、ゴリムマブ、PASSTNFα、可溶性TNFα受容体、TNFα結合蛋白、抗TNFα抗体、デノスマブ、アナキンラ、可溶性IL-1受容体抗体(例えば、リロナセプト、カナキヌマブ)、トシリズマブ、IL-10、ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ、セクキヌマブ(AIN-457)、イキセキズマブ(LY-2439821)、AMG827、リツキサン、ベリムマブ、アバタセプト、BMS-582949、シグナル伝達に関係する分子(例えば、NF-κ、NF-κB、IKK-1、IKK-2、AP-1)の阻害薬(例えば、フマル酸ジメチル、デヒドロキシメチルエポキシキノマイシン、DTCM-glutarimide、セスキテルペンラクトン、レスベラトロール、クルクミン、ジインドリルメタンノスカピン、パルテノライド、イキサゾミブ、Carfilzomib、Delanzomib、Marizomib、MLN-4924、IMD―2560、IMD―0354、IMD―1041、BAY-11-7082、BAY-11-7085、MLN120B、BMS-345541、SC-514、PS-1145、デノスマブ、ボリノスタット、ロミデプシン、SN-50、T-5224)、尿素、ベルナカサン、HMPL-004、デニロイキン ディフティトックス、CCX025、N-{4-クロロ-2-[(1-オキシドピリジン-4-イル)カルボニル]フェニル}-4-(プロパン-2-イルオキシ)ベンゼンスルホンアミド、MCP-1拮抗薬、イルベサルタン、TNFαワクチン、ISIS-104838、ナタリズマブ、ベドリズマブ、AJM300、TRK-170、E6007、MX-68、BMS-188667、CKD-461、リメクソロン、シクロスポリンA、ミゾリビン、グスペリムス、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、抗リンパ血清、乾燥スルホ化免疫グロブリン、エリスロポイエチン、コロニー刺激因子、アチプリモド ディハイドロクロライド、アザチオプリン、トファシチニブ、バリシチニブ、カルフィルゾミブ、ルキソリチニブ、デキサメタゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオール、マイコフェノレート モフェチル、アリカフォルセンナトリウム、V-85546、VAS203、リューマコン、ザノリムマブ、DW-1350、ジリュートン、シンビスク(hylan G-F 20)、オルソビスク、アタシセプト、ブリシビモド、チザニジン、エペリゾン、アフロクァロン、バクロフェン、ジアゼパム、ダントロレンナトリウム、テオフィリン、アミノフィリン、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノン、イブジラスト、ケトチフェン、テルフェナジン、メキタジン、アゼラスチン、塩酸オザグレル、プランルカスト水和物、セラトロダスト、シクレソニド、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸アリメマジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ホモクロルシクリジン、フェキソフェナジン、フマル酸ケトチフェン、塩酸セチリジン、オキサトミド、エバスチン、塩酸エピナスチン、ロラタジン、トラマドール、プロメタジン、ヒドロキシジン、ホモクロルシクリジン、シプロヘプタジン、メキタジン、フマル酸エメダスチン、プソイドエフェドリン、ベシル酸ベポタスチン、レボセチリジン、オロパタジン塩酸塩、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズマブ、ガリキシマブ、メトホルミン塩酸塩、ビジリズマブ、アミノプテリン、フェザキヌマブ、ルキソリチニブリン酸塩、イクセキズマブ、グセルクマブ、SLx-2119、PRX-167700、臭化チオトロピウム、サルメテロールキシナホ酸塩、フマル酸フォルモテロール、フルチカゾンプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ブデソニド、サルメテロールキシナホ酸塩とフルチカゾンプロピオン酸エステルの配合剤であってもよい。
【0136】
好ましい他の薬剤は、5-フルオロウラシル、オキサリプラチンまたはイリノテカンである。
【実施例
【0137】
以下に、本実施形態に係る化合物またはその薬学上許容される塩について、実施例(実施例1~11)、参考例(参考例1~2)、および、試験例(試験例1~8)を示して本発明を更に詳細に説明するが、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0138】
分取カラムクロマトグラフィーによる精製には、EPCLC-W-Prep 2XY A-Type(YAMAZEN社製、商品名)を使用した。
【0139】
また、分取カラムクロマトグラフィーによる精製で使用した、固定相は以下のものである。
シリカゲル:UNIVERSAL(商品名)COLUMN Silica Gel 40m 60Å
DIOLシリカゲル:CHROMATOREX(商品名)DIOL MB 100-40/75(富士シリシア化学社製)
【0140】
同位体の存在によりマススペクトルの値が複数観測される場合は、m/zが最小のもののみ記載した。
【0141】
H-NMRは、特記しない限り、テトラメチルシランを内部標準(0ppm)とする化学シフト(δ)で表示され、カップリング定数(J値)はHz単位で表記する。また、各ピークの分裂パターンの略号は、次のとおりの意味である。s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、br s:ブロードシングレット、m:マルチプレット。
【0142】
実施例及び参考例中に記載される略号は、通常、有機化学、薬学の分野で一般的に使用される意味で使用される。各略号は、具体的には、以下のように当業者に理解されるものである。
ATP:アデノシン三リン酸
CI:化学イオン化
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DPPA:ジフェニルフォスフォニルアジド
DTT:ジチオスレイトール
DUIS:デュアルイオンソース
FBS:ウシ胎児血清
HEPES:N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸
MBP:ミエリン塩基タンパク
MOPS:3-モルホリノプロパンスルホン酸
n-:ノルマル
TCA:トリクロロ酢酸
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
tert-:ターシャリー
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0143】
(実施例1)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0144】
参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.1mg)の脱水ジクロロメタン(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、2-フルオロフェニルイソシアナート(21.8mg、0.018mL)を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で4時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-フルオロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(54.3mg)を薄黄色固体として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-フルオロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(54.3mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で2.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(38.9mg、78%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):428[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.55-11.69(m, 1H), 9.85(br s, 1H), 7.85(br s, 1H), 7.56(br s, 1H), 7.22-7.04(m, 3H), 4.75-4.55(m, 2H), 2.37-2.27(m, 2H), 2.22-2.08(m, 2H), 1.66(s,8H), 1.02-0.90(m, 9H)
【0145】
(実施例2)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-N-(o-トリル)-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0146】
参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.7mg)の脱水ジクロロメタン(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、o-トリルイソシアナート(21.4mg、0.020mL)を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で3時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5-(o-トリルカルバモイル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(60mg)を無色油状物として得た。
得られた3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5-(o-トリルカルバモイル)-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(60mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.064mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(38.3mg、77%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):424[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.45-11.84(m, 1H), 10.08-9.66(m, 1H), 7.88-7.52(m, 1H),7.32-7.19(m, 1H), 7.16(d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.14-7.06(m, 1H), 7.06-6.98(m, 1H),4.65(br s, 2H), 2.38-2.26(m, 2H), 2.23-2.07(m, 5H), 1.66(br s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0147】
(実施例3)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0148】
参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(43.2mg、0.114mmol)の脱水ジクロロメタン(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、2-クロロ-6-メチルフェニルイソシアナート(28.3mg、0.023mL)を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で4時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-メチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(54.5mg)を白色泡状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-メチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(54.5mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.062mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(40.4mg、78%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):458[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.47-11.81(m, 1H), 10.09-9.65(m, 1H), 8.03-7.57(m, 1H), 7.30(dd, J =1.3, 7.7 Hz, 1H), 7.22-7.17(m, 1H), 7.17-7.11(m, 1H), 4.63(br s, 2H), 2.37-2.26(m,2H), 2.22(s, 4H), 1.64(br s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0149】
(実施例4)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0150】
参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.0mg)の脱水ジクロロメタン(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、5-フルオロ-2-メチルフェニルイソシアナート(24.7mg、0.021mL)を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で4時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((5-フルオロ-2-メチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(59mg)を白色泡状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((5-フルオロ-2-メチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(59mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で1.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(41.6mg、81%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):442[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.44-11.94(m, 1H), 10.06-9.72(m, 1H), 7.86-7.49(m, 1H), 7.17(dd, J =7.1, 8.0 Hz, 2H), 6.83(dt, J = 2.8, 8.5 Hz, 1H), 4.66(br s, 2H), 2.36-2.24(m,2H), 2.23-2.08(m, 5H), 1.66(br s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0151】
(実施例5)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,5-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0152】
参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.1mg)の脱水ジクロロメタン(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、2-イソシアナト-1,4-ジメチルベンゼン(24.0mg、0.023mL)を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で3時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2,5-ジメチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(51.9mg)を白色固体として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2,5-ジメチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(50.5mg[純分:48.8mg])のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(36.5mg、85%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):438[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.33 (br s, 1H), 9.79 (br s, 1H), 7.63 (br s, 1H), 7.11 - 7.01 (m, 2H), 6.84 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 2.36-2.26 (m, 2H), 2.24 (s, 3H),2.13 (s, 5H), 1.65 (s, 8H), 0.95 (s, 9H)
【0153】
(実施例6)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2,6-ジクロロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0154】
アルゴン雰囲気下、2,6-ジクロロ安息香酸(43.2mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(0.039mL)、DPPA(62.6mg、0.049mL)を室温で順次添加した後、撹拌しながら室温で0.5時間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(43.1mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2,6-ジクロロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(65mg、)を無色油状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2,6-ジクロロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(65mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.062mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(41.3mg、76%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):478[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.46-11.87(m, 1H), 10.03-9.75(m, 1H), 8.25-8.03(m, 1H), 7.49(d, J =8.0 Hz, 2H), 7.32-7.24(m, 1H), 4.73-4.51(m, 2H), 2.37-2.26(m, 2H), 2.25-2.08(m,2H), 1.77-1.55(m, 8H), 1.03-0.86(m, 9H)
【0155】
(実施例7)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0156】
アルゴン雰囲気下、2-クロロ-6-フルオロ安息香酸(40.0mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(29.0mg、0.040mL)、DPPA(62.6mg、0.049mL)を室温で順次添加した後、撹拌しながら室温で0.5時間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(43.3mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で2.5時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-フルオロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(55mg)を白色泡状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-フルオロフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(55mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.062mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(37.2mg、71%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):462[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.46-11.81(m, 1H), 10.04-9.72(m, 1H), 8.14-7.88(m, 1H), 7.37-7.18(m, 3H), 4.63(br s, 2H), 2.38-2.26 (m, 2H), 2.22-2.07(m, 2H), 1.64(br s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0157】
(実施例8)
N-(2-ブロモ-6-メチルフェニル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0158】
アルゴン雰囲気下、2-ブロモ-6-メチル安息香酸(50.7mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(0.040mL)、DPPA(63.9mg、0.050mL)を室温で順次添加した後、撹拌しながら室温で0.5時間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.0mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 5-((2-ブロモ-6-メチルフェニル)カルバモイル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(60mg)を白色泡状物として得た。
得られたエチル 5-((2-ブロモ-6-メチルフェニル)カルバモイル)-3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(60mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で15時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(44.9mg、77%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):502[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.35(br s, 1H), 9.96-9.68(m, 1H), 7.85(br s, 1H), 7.49-7.43(m, 1H),7.25-7.20(m, 1H), 7.10-7.04(m, 1H), 4.63(s, 2H), 2.37-2.27(m, 2H), 2.23(s, 3H), 2.20-2.09(m, 2H), 1.64(s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0159】
(実施例9)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0160】
アルゴン雰囲気下、WO2016/204153の参考例20の記載を参考にして合成した2-フルオロ-3,6-ジメチル安息香酸(39.1mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(0.040mL)、DPPA(63.9mg、0.050mL)を室温で順次加えた後、撹拌しながら室温で0.5時間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.1mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(64mg)を無色油状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-フルオロ-3,6-ジメチルフェニル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(64mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(51.0mg、0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(38.4mg、73%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):456[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.34(br s, 1H), 10.04-9.69(m, 1H), 7.80-7.55(m, 1H), 7.04-6.96(m,1H), 6.91(d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.62(br s, 2H), 2.38-2.25(m, 2H), 2.22-2.06(m,8H), 1.64(br s, 8H), 0.95(s, 9H)
【0161】
(実施例10)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0162】
アルゴン雰囲気下、WO2016/204153の参考例15の記載を参考にして合成した6-フルオロベンゾフラン-7-カルボン酸(41.7mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(0.040mL)、DPPA(63.9mg、0.050mL)を室温で順次添加した後、撹拌しながら室温で40分間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(44.1mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→60:40)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((6-フルオロベンゾフラン-7-イル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(69mg)を薄黄色油状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((6-フルオロベンゾフラン-7-イル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(69mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.063mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で14.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50→30:70)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥することにより、標記化合物(42.4mg、78%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):468[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.47-11.88(m, 1H), 10.08-9.72(m, 1H), 8.19(br s, 1H), 8.01(d, J =2.1 Hz, 1H), 7.48(dd, J = 4.9, 8.5 Hz, 1H), 7.15(dd, J = 8.5, 10.5 Hz, 1H), 6.97(d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.67(br s, 2H), 2.39-2.26(m, 2H), 2.15(br s, 2H), 1.81-1.52(m, 8H), 0.95(s, 9H)
【0163】
(実施例11)
3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-N-(2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)-6,6-ジメチル-4,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(1H)-カルボキサミド
【0164】
アルゴン雰囲気下、WO2016/204153の参考例39の記載を参考にして合成した2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-カルボン酸(47.0mg)の脱水トルエン(1.0mL)懸濁液に、TEA(0.038mL)、DPPA(60.1mg、0.047mL)を室温で順次添加した後、撹拌しながら室温で50分間、次いで85℃に昇温して1時間反応させた。反応液を0℃まで冷やした後、参考例2と同様にして合成したエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(41.3mg)の脱水トルエン(0.50mL)溶液を0℃で滴下しながら加えた後、撹拌しながら0℃で4.5時間反応させた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。洗浄後の有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→85:15→65:35)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(64mg)を薄黄色泡状物として得た。
得られたエチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-5-((2-クロロ-6-フルオロベンゾフラン-7-イル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート(64mg)のTHF(1.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.059mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で15時間反応させた。
反応終了後、反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(Diolシリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20→50:50)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥した。得られた濃縮残渣をアセトニトリル/水混合溶媒に溶解させた後、凍結乾燥にかけることにより、標記化合物(42.0mg、77%収率)を白色固体として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):502[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:12.51-11.79(m, 1H), 10.00-9.70(m, 1H), 8.36-8.14(m, 1H), 7.44(dd, J =4.8, 8.6 Hz, 1H), 7.20(dd, J = 8.6, 10.7 Hz, 1H), 7.05(s, 1H), 4.67(s, 2H), 2.38-2.27(m, 2H), 2.21-2.09(m, 2H), 1.72-1.60(m, 8H), 0.95(s, 9H)
【0165】
(参考例1)
5-(tert-ブチル) 2-エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール-2,5(4H,6H)-ジカルボキシラート
【0166】
1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボン酸(887mg、CHEMSPACEより購入)脱水ジクロロメタン(12mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、塩化オキサリル(2.01g、1.36mL)、DMF(11.3mg、0.012mL)を0℃で順次加えた後、そのままの温度で2時間撹拌した。
反応終了後、反応液を減圧濃縮、減圧乾燥した。
アルゴン雰囲気下、得られた濃縮残渣の脱水ジクロロメタン(12mL)溶液にDIPEA(2.70mL)、5-(tert-ブチル) 2-エチル 3-アミノ-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール-2,5(4H,6H)-ジカルボキシラート[Journal of Medicinal Chemistry 2012,55(10),4728-4739.に記載の方法に準じて合成](1.05g)を0℃で順次加えた後、撹拌しながら0℃で1時間、次いで室温で14.5時間、更に加熱還流下[浴温:45℃]で9.5時間反応させた。
反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えて撹拌後、酢酸エチルで2回抽出した。得られた全有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5→80:20→75:25)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、標記化合物(1.31g、85%収率)を薄黄色泡状物として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):463[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:10.08-9.95(m, 1H), 4.54-4.37(m, 4H), 2.32-2.17(m, 4H), 1.77-1.65(m,2H), 1.59(d, J = 6.1 Hz, 6H), 1.46(d, J = 9.7 Hz, 9H), 1.34(t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.95(s, 9H)
【0167】
(参考例2)
エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2(4H)-カルボキシラート
【0168】
参考例1と同様にして合成した5-(tert-ブチル) 2-エチル 3-(1-(tert-ブチル)シクロブタン-1-カルボキサミド)-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール-2,5(4H,6H)-ジカルボキシラート(1.39g)のジクロロメタン(10mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、TFA(5.0mL)を室温で加えた後、撹拌しながら室温で1.5時間反応させた。
反応終了後、反応液を減圧濃縮、減圧乾燥した。濃縮残渣に飽和重曹水を加えて数分間撹拌後、ジクロロメタンで3回抽出した。得られた全有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧濃縮を行った。得られた濃縮残渣を分取カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1,2-ジクロロエタン:メタノール=99:1→90:10→85:15)に付し、目的物を含む画分を減圧濃縮、減圧乾燥することにより、標記化合物(1.03g、93%収率)を薄茶色泡状物として得た。
マススペクトル(ESI,m/z):363[M+H]
H-NMRスペクトル(400MHz,DMSO-d)δ:9.94(s, 1H), 4.39(q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.94(s, 2H), 3.90(s, 1H), 2.31-2.17(m, 4H), 1.76-1.62(m, 2H), 1.37-1.25(m, 9H), 0.95-0.90(m, 9H)
【0169】
[試験例1]
CDK7酵素阻害試験
緩衝液の調製は、HEPES緩衝液(pH7.4)、ジチオスレイトール(DTT)、トリトンX-100(TritonX-100)、塩化マグネシウム(MgCl)を混和して行った。500μM[γ-33P]ATP溶液は、10mM ATP溶液と市販の[γ-33P]ATP溶液[Perkin Elmer社 Code No.NEG-302H]を緩衝液で希釈して用いた。CDK7溶液は、市販のCDK7[Carna biosciences,Catalog No.04-108]を緩衝液で希釈して用いた。基質溶液は、ミエリン塩基タンパク(MBP)を緩衝液で希釈して用いた。反応溶液の調製は、4℃にて緩衝液、CDK7溶液、基質溶液を混和して反応溶液とした。
CDK7酵素反応は、1.5mLマイクロチューブに、4℃にて10%DMSO:90%注射用蒸留水で調製した被験化合物溶液5μL、および、反応溶液40μLを加え、マイクロチューブをウォーターバスインキュベーターにて25℃で60分間preincubationを行った。その後、500μM[γ-33P]ATP溶液5μLを加え、30℃で20分間反応を行った。反応後4℃に冷却しながら、各マイクロチューブに10%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えて、vortex mixerで混和し反応を停止した。4℃にて10分静置後、遠心分離し、上清を廃棄した。次に2%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えvortex mixerで混合後、遠心分離し上清を廃棄した。この洗浄操作を2回行った。洗浄後、沈殿を1N水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で溶解し、液体シンチレーションカウンターにより、反応生成物のエネルギー量(放射活性)を測定した。
CDK7に対する被験化合物の阻害活性の算出は、MBPに結合する33Pの量を50%阻害する被験化合物濃度をIC50として、EXSUS(バージョン8.1.0、CACエクシケア社製)を用いて行った。
Ki値の算出は、以下の計算式に従って行った。式中、Sは反応溶液中に含まれるATP濃度を、KmはMichaelis-Menten定数を表す。
Ki=IC50/(1+S/Km)
【0170】
本試験において本発明の化合物は、優れたCDK7阻害活性を示し、実施例1~11で得られた化合物のKi値は50nM以下であった。
【0171】
[試験例2]
CDK2酵素阻害試験
緩衝液の調製は、HEPES緩衝液(pH7.4)、ジチオスレイトール(DTT)、トリトンX-100(TritonX-100)、塩化マグネシウム(MgCl)を混和して行った。500μM[γ-33P]ATP溶液は、10mM ATP溶液と市販の[γ-33P]ATP溶液[Perkin Elmer社 Code No.NEG-302H]を緩衝液で希釈して用いた。CDK2溶液は、市販のCDK2[Invitrogen,Catalog No.PV3267]を緩衝液で希釈して用いた。基質溶液は、ミエリン塩基タンパク(MBP)を緩衝液で希釈して用いた。反応溶液の調製は、4℃にて緩衝液、500μM[γ-33P]ATP溶液、CDK2溶液、基質溶液を混和して反応溶液とした。
CDK2酵素反応は、1.5mLマイクロチューブに、4℃にて10%DMSO:90%注射用蒸留水に調製した被験化合物溶液5μL、および、反応溶液45μLを加え、マイクロチューブをウォーターバスインキュベーターにて30℃で20分間反応させて行った。反応後4℃に冷却しながら、各マイクロチューブに10%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えて、vortex mixerで混和し反応を停止した。4℃にて10分静置後、遠心分離し、上清を廃棄した。次に2%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えvortex mixerで混合後、遠心分離し上清を廃棄した。この洗浄操作を2回行った。洗浄後、沈殿を1N水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で溶解し、液体シンチレーションカウンターにより、反応生成物のエネルギー量(放射活性)を測定した。
CDK2に対する被験化合物の阻害活性の算出は、MBPに結合する33Pの量を50%阻害する試験化合物濃度をIC50として、EXSUS(バージョン8.1.0、CACエクシケア社製)を用いて行った。
Ki値の算出は、以下の計算式に従って行った。式中、Sは反応溶液中に含まれるATP濃度を、KmはMichaelis-Menten定数を表す。
Ki=IC50/(1+S/Km)
【0172】
本試験において本発明の化合物は、CDK2阻害活性が低く、実施例1~11で得られた化合物のKi値は300nM以上であった。すなわち、本発明の化合物は、CDK2と比較して、CDK7を高選択的に阻害した。
【0173】
[試験例3]
PLK1酵素(Polo-like kinase)阻害試験
緩衝液の調製は、MOPS緩衝液(pH7.0)、ジチオスレイトール(DTT)、酢酸マグネシウム(Mg(CHCOO))を混和して行った。1mM[γ-33P]ATP溶液は、10mM ATP溶液と市販の[γ-33P]ATP溶液[Perkin Elmer社 Code No.NEG-302H]を緩衝液で希釈して用いた。PLK1溶液は、市販のPLK1[Carna biosciences,Catalog No.05-157]を緩衝液で希釈して用いた。基質溶液は、Caseinを緩衝液で希釈して用いた。反応溶液の調製は、4℃にて緩衝液、500μM[γ-33P]ATP溶液、PLK1溶液、基質溶液を混和して反応溶液とした。
PLK1酵素反応は、1.5mLマイクロチューブに、4℃にて10%DMSO:90%注射用蒸留水に調製した被験化合物溶液5μL、および、反応溶液45μLを加え、マイクロチューブをウォーターバスインキュベーターにて30℃で20分間反応させて行った。反応後4℃に冷却しながら、各マイクロチューブに10%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えて、vortex mixerで混和し反応を停止した。4℃にて10分静置後、遠心分離し、上清を廃棄した。次に2%トリクロロ酢酸(TCA)水溶液を加えvortex mixerで混合後、遠心分離し上清を廃棄した。この洗浄操作を2回行った。洗浄後、沈殿を1N水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で溶解し、液体シンチレーションカウンターにより、反応生成物のエネルギー量(放射活性)を測定した。
PLK1に対する被験化合物の阻害活性の算出は、Caseinに結合する33Pの量を50%阻害する試験化合物濃度をIC50として、EXSUS(バージョン8.1.0、CACエクシケア社製)を用いて行った。
Ki値の算出は、以下の計算式に従って行った。式中、Sは反応溶液中に含まれるATP濃度を、KmはMichaelis-Menten定数を表す。
Ki=IC50/(1+S/Km)
【0174】
本試験において本発明の化合物は、PLK1阻害活性が低く、実施例1~11で得られた化合物のKi値は5000nM以上であった。すなわち、本発明の化合物は、PLK1と比較して、CDK7を高選択的に阻害した。
【0175】
[試験例4]
ヒト大腸がん(HCT-116)細胞増殖抑制試験
ヒト大腸がん細胞増殖抑制作用の測定は、Simakらの方法(Cancer Research,69,6208(2009))を改変して実施した。
ヒト大腸がん細胞株(HCT-116、DSファーマバイオメディカル株式会社から入手)を、10%牛胎児血清(FBS)(Thermo Fisher Scientific社製)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/アンホテリシン(amphotercin)B(Thermo Fisher Scientific社製)含有のMcCoy’s 5A培地(Thermo Fisher Scientific社製)で培養し、96穴プレートに0.5~2.0×10cells/wellずつ播種した。炭酸ガスインキュベーターで一晩培養し、翌日新しい培地に交換して、DMSOに溶解した被験化合物(DMSO終濃度 0.1%)を加えて、炭酸ガスインキュベーター中に静置した。3日間培養後、In Vitro Toxicology Assay Kit Sulforhodamine B based(SIGMA社製)またはCellTiter-Glo(プロメガ社製)を用いて、その吸光度を測定した。
被験化合物濃度と測定した吸光度から各濃度の細胞増殖抑制率を算出し、細胞増殖を50%抑制するのに必要な被験化合物の濃度(IC50値)を、EXSUS(バージョン8.1.0、CACクロア社製)を用いて算出した。
【0176】
本試験において本発明の化合物は優れたHCT-116細胞増殖抑制活性を示し、実施例1~11で得られた化合物のIC50値は50nM以下であった。
【0177】
[試験例5]
マウスメラノーマ(B16F10)細胞増殖抑制試験
マウスメラノーマ細胞(B16F10)(東北大学加齢医学研究所医薬細胞資源センター Cat.No.TKG0348)を、10%FBS(GIBCO社製 REF.10082-147)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/アンホテルシンB(GIBCO社製 REF.15240-096)、1mMピルビン酸ナトリウム(GIBCO社製 REF.11360-070)含有のDMEM培地(GIBCO社製 REF.11965-092)で培養し、96ウェルプレートに0.5~2.0×10cells/wellずつ播種する。炭酸ガスインキュベーターで一晩培養し、更に被験化合物DMSO溶液(DMSO終濃度 0.1%)入りの培地で3日間培養後、CellTiter-Glo(Promega社製)を用いてATP量を測定する。
被験化合物濃度とATP量から各濃度の細胞増殖抑制率を算出し、細胞増殖を50%抑制するのに必要な被験化合物の濃度(GI50値)を、EXSUS(バージョン8.1.0、CACクロア社製)を用いて算出する。
【0178】
[試験例6]
ヒト乳癌(MCF-7)細胞増殖抑制試験
ヒト乳癌細胞増殖抑制作用の測定は、Simakらの方法(Cancer Research,69,6208(2009))を改変して実施する。
ヒト乳癌細胞株(MCF-7、DSファーマバイオメディカル株式会社から入手)を、10%FBS、 non essential amino acid含有のMEM培地で培養し、96穴プレートに3×103cells/wellずつ播種する。炭酸ガスインキュベーターで一晩培養し、翌日新しい10%FBS、 non essential amino acid含有のMEM培地に交換して、DMSOに溶解した被験化合物(DMSO終濃度 0.1%)を加えて、炭酸ガスインキュベーター中に静置した。3日間培養後、In Vitro Toxicology Assay Kit Sulforhodamine B based(SIGMA社製)を用いて、その吸光度を測定する。
被験化合物濃度とSulforhodamine Bの吸光度から各濃度の細胞増殖抑制率を算出し、細胞増殖を50%抑制するのに必要な被験化合物の濃度(IC50値)を、EXSUS(バージョン8.1.0、CACエクシケア社製)を用いて算出する。
【0179】
[試験例7]
マウスメラノーマ細胞(B16F10)皮下移植マウスにおけるin vivo腫瘍増殖抑制試験
マウスメラノーマ細胞(B16F10)(東北大学加齢医学研究所医薬細胞資源センター Cat.No.TKG0348)を、10%FBS(GIBCO社製 REF.10082-147)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/アンホテルシンB(GIBCO社製 REF.15240-096)、1mMピルビン酸ナトリウム(GIBCO社製 REF.11360-070)含有のDMEM培地(GIBCO社製 REF.11965-092)で培養し、PBS(GIBCO社製 REF.10010-031)で1.0×107cells/mLに調製する。調製した細胞懸濁液をC57BL/6マウス(雌、日本SLC社供給)の右側腹部皮下に1匹あたり0.1mL注入した。一定期間飼育後、腫瘍の長径(mm)及び短径(mm)を電子ノギス(ミツトヨ社製 Cat.500-712-10)で測定し、腫瘍体積を次式より算出する。
腫瘍体積(mm)=(長径)×(短径)×(短径)×0.5
腫瘍体積が50~200mm範囲内の個体を選抜し、腫瘍体積がほぼ同等となるよう群分けした後、抗PD-1抗体(BioXcell社製)250μg/匹、またはRat IgG2a(BioXcell社製)を250μg/匹を腹腔内投与し、さらにそれぞれの群に被験化合物(25mg/kgもしくは100mg/kg)または溶媒のみを経口投与する。投与開始初日を0日目とし、抗PD-1抗体またはRat IgG2aについては、0日目と3日目に腹腔内投与し、被験化合物または溶媒のみについては0日目から6日目まで1日1回経口投与した。7日目に腫瘍の長径および短径を測定し、腫瘍体積を算出した。Rat IgG2aおよび溶媒投与群の0日目からの腫瘍体積増殖率を100として各群の腫瘍体積増殖抑制率を算出する。
【0180】
[試験例8]
ヒト大腸がん細胞(HCT116)皮下移植ヌードマウスにおける腫瘍増殖抑制試験
ヒト大腸がん細胞株(HCT-116)を、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/アンホテリシンB含有のMcCoy’s 5A培地で培養し、PBSまたはHanks液(HBSS(-))で1.0×108cells/mLに調製した。調製した細胞懸濁液を雌性BALB系ヌードマウス(日本チャールス・リバー社供給)の右側腹部皮下に1匹あたり0.1mL注入した。一定期間飼育後、腫瘍の長径(mm)及び短径(mm)を電子ノギスで測定し、腫瘍体積を次式より算出する。
腫瘍体積(mm)=(長径)×(短径)×(短径)×0.5
腫瘍体積が50~200mm範囲内の個体を選抜し、腫瘍体積がほぼ同等となるよう群分した後、被験化合物または溶媒のみを反復経口投与し、体重及び腫瘍径を測定する。被験化合物は、0.5w/v%メチルセルロース水溶液(0.5%MC)(和光純薬社製)に懸濁し、10mL/kgで反復経口投与する。対照群の腫瘍体積を100%とし、被験化合物各投与用量における腫瘍体積抑制率(%)を算出する。
【0181】
試験例1~4の結果より、本発明の化合物は、優れたCDK7阻害活性と高い選択性を有し、例えば、がんの治療薬、および/または、予防薬として有用といえる。