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特許7530298抗CD33抗体、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体、及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】抗CD33抗体、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体、及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20240731BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240731BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240731BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12P21/08
C12N15/13
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/02
A61K39/395 T
A61K39/395 E
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020564908
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 IB2019054182
(87)【国際公開番号】W WO2019224711
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】62/676,123
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/825,846
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ディエム,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴーデット,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】マクデイド,ロナン
(72)【発明者】
【氏名】ナイア-グプタ,プリヤンカー
【審査官】福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/201389(WO,A2)
【文献】特表2016-536341(JP,A)
【文献】国際公開第2016/201388(WO,A2)
【文献】Glycobiology,2011年,Vol.21, No.6,pp.757-770
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-15/90
C07K 1/00-19/00
C12P 1/00-41/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD33のC2ドメインに特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片であって、
以下のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548。
【請求項2】
二重特異性抗体又はその抗原結合断片である、請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1又は2に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
以下を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【請求項5】
約2nM未満のEC50でインビトロにおいて抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を誘導する、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
IgG1低フコース骨格を含む、請求項5に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
約5×10-9M未満の解離定数(KD)でCD33に結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
約2nM未満のEC50で、CD33に結合し、内部移行を誘導する、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
キメラである、請求項1~8のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
ヒトである又はヒト化されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項11】
治療剤にコンジュゲートしている、請求項1~10のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸。
【請求項13】
請求項12に記載の単離核酸を含む、ベクター。
【請求項14】
請求項13に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の医薬組成物であって、
それを必要としている対象における癌を治療する方法で用いるためのものであり、
前記方法が、前記医薬組成物を前記対象に投与することを含む、医薬組成物。
【請求項17】
前記癌が、血液癌である、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、前記モノクローナル抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、前記モノクローナル抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、前記細胞又は培養物から前記抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法。
【請求項21】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、前記医薬組成物を得ることを含む、方法。
【請求項22】
抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片であって、
前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548、
前記抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、二重特異性抗体又はその抗原結合断片:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
【請求項23】
前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み、前記抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、配列番号257若しくは258と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項22に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
【請求項24】
以下を含む、請求項22又は23に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
dd.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【請求項25】
前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、CD33のC2ドメインに特異的に結合する、請求項22~24のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
【請求項26】
約1nM未満のEC50値でインビトロにおいてCD33発現細胞のT細胞依存性細胞傷害を誘導する、請求項22~25のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
【請求項27】
キメラである、請求項22~26のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
【請求項28】
ヒトである又はヒト化されている、請求項22~27のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
【請求項29】
請求項22~28のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸。
【請求項30】
請求項29に記載の単離核酸を含む、ベクター。
【請求項31】
請求項30に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項32】
請求項22~28のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物。
【請求項33】
請求項32に記載の医薬組成物であって、
それを必要としている対象における癌を治療する方法で用いるためのものであり、
前記方法は、前記医薬組成物を前記対象に投与することを含む、医薬組成物。
【請求項34】
前記癌が、血液癌である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
請求項22~28のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、前記細胞又は培養物から前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法。
【請求項38】
請求項22~28のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、前記医薬組成物を得ることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノクローナル抗CD33抗体、二重特異性抗CD33抗CD3抗体、当該抗体をコードしている核酸及び発現ベクター、当該ベクターを含有する組換え細胞、並びに当該抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、及び癌を含む疾患を治療するために抗体を使用する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
急性骨髄性白血病(AML)は、白血病性細胞のクローン性増殖を特徴とする、遺伝学的異質性を有する疾患である。AMLにおける根底にある疾患の生物学の理解が進んだにもかかわらず、細胞傷害化学療法による標準的治療は、ここ数十年間ほとんど変化しておらず、5年全生存率は<30%と低いままである(Burnett,Wetzler,&Lowenberg,2011;Cancer Genome Atlas Research et al.,2013)。したがって、理想的にはAML幹細胞を標的とする、有効性を高めかつ毒性を低減した新規治療法が差し迫って必要とされており、その理由は、これらの細胞が、AMLの病態形成において重要であると考えられており、標準的療法では十分に根絶できないことが、高い再発発生率につながっていると考えられているためである(Hope,Jin,&Dick,2004;Ishikawa et al.,2007)。細胞表面分子に対する治療抗体は、リンパ腫及び急性リンパ芽球性白血病などの悪性疾患、並びに固形腫瘍の治療に有効であることが証明されており(Hoelzer,2013;Jackson&Chester,2015)、AMLについて現在承認されている抗体ベースの療法はわずか1つである(Godwin,Gale,&Walter,2017)。
【0003】
CD33は、67kDの1回膜貫通糖タンパク質であり、シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン(シグレック)ファミリーのメンバーである。その正確な生物学的機能は不明であるが、正常な個体では、主に骨髄分化抗原であると考えられ、骨髄前駆細胞、好中球、及びマクロファージでは低発現であるが、循環単球及び樹状細胞では高度に発現する。重要なことに、CD33は、AMLを発症している患者の85~90%の芽球及び白血病幹細胞で検出されている。興味深いことに、CD33の発現は、造血細胞に限定されている(Paul,Taylor,Stansbury,&McVicar,2000;Ulyanova,Blasioli,Woodford-Thomas,&Thomas,1999)が、正常な造血幹細胞には存在しない(Andrews,Torok-Storb,&Bernstein,1983;Griffin,Linch,Sabbath,Larcom,&Schlossman,1984;Jilani et al.,2002)。これらの知見は、CD33が、AMLにおける抗体ベースの療法に好適な標的であることを示唆している。
【0004】
CD33の構造は、シアル酸結合を媒介するアミノ末端VセットIg様ドメイン(CD33のエキソン2によりコードされている)と、その細胞外部分におけるC2セットIg様ドメイン(エキソン3及び4によりコードされている)からなる(Laszlo et al.,2016)。CD33 RNAのオルタナティブスプライシングにより、VセットIg様ドメインは欠失しているが、C2セットIg様ドメインは保持されている、細胞表面で発現するより短いアイソフォームが生じ得る(Laszlo,Estey,&Walter,2014;Laszlo et al.,2016)。最近の研究によって、一塩基多型型(SNP)rs12459419がAML集団の~50%に存在し、それによってCD33のエキソン2がスキップされた結果、CD33のVドメインが欠失することが示されるまで(Lamba et al.,2017)、このスプライシングプロセスの生物学的関連性はほとんど不明であった。興味深いことに、AMLについて唯一承認されているMylotargを含む、いくつかのCD33抗体ベースの療法は、CD33のVドメインに結合し、認識する。上記の研究は、実際に、SNPを発現している患者ではMylotargが有効性を有しないので、AML集団の約50%でしか有効性を有しないことを示した(Lamba et al.,2017)。Mylotargに関するデータに鑑みると、他のV結合CD33抗体も、AML患者の限定されたプール、具体的には、SNPrs12459419変異を有していないものでしか有効ではないであろうと仮定するのが合理的である。
【0005】
実際、CD33の臨床領域について研究するとき、追加の抗CD33抗体としては、AmgenのAMG330及びAMG673、AmphivenaのAMV564、ImmunogenのIMGN779、Boehringer IngelheimのBI836858、Actinium PharmaのActimab、並びにSeattle GeneticのSGN33Aが挙げられる。AmgenのAMG330は、CD33×CD3 BiTEであり、「コア配列IPYYDKNを有するCD33のVセットドメインに位置する線形エピトープを認識する」ことが報告されている(Friedrich et al.,2014)。AMG673がCD33 BiTEの半減期延長バージョンであることに鑑みると、当該BiTEと同じエピトープに結合すると考えられる。AmphivenaのAMV564は、四価二重特異性CD33/CD3抗体であり、米国特許第9803029号によれば、この抗体はCD33のVドメインに結合する。ImmunogenのIMGN779は、DNAアルキル化剤にコンジュゲートされたCD33抗体(My9-6)であり、米国特許第9359442号の図1によれば、125Iで標識されたMy9-6抗体は、CD33陽性U-937細胞への結合についてMy9抗体と競合する。My9抗体は、CD33のVドメインに結合する(Perez Oliva et al.,2011)。まとめると、エビデンスは、IMGN779がCD33のVドメインに結合することを示唆している。Boehringer IngelheimのBI836858は、NK細胞に媒介されるADCCを媒介し、CD33のVドメインに結合するFc改変抗CD33抗体である(Vasu et al.,2016)。更に、Malikら及びPerez Olivaら(Malik et al.,2015;Perez-Oliva et al.,2011)に加えて、Vasuらは、CD33のVドメインに対するリンツズマブ(HuM195)のマッピングに関するエビデンスを示している。Actimabを作製するためにActinium pharmaによってアクチニウムにコンジュゲートされたHuM195抗体は、現在臨床試験中である。HuM195抗体は、また、SGN33Aを作製するためにSeattle GeneticsによりDNAバインダーにコンジュゲートされているが、この薬物は、現在、毒性に関する懸念から保留されている。したがって、当該技術分野において公知の抗CD33抗体は、CD33のVドメインに結合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのデータに鑑みると、AMLにおけるCD33ベースの抗体療法に関して、重大なアンメットメディカルニーズ、及びCD33発現癌の治療のためにCD33のC2ドメインに結合する抗体を有する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
全般的な一態様では、本発明は、CD33に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、CD33のC2ドメインに結合する。特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、CD33のVドメインに結合する。
【0008】
別の全般的な態様では、本発明は、CD33及びCD3に結合する単離二重特異性抗体又はその抗原結合断片に関する。特定の実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、CD33のC2ドメインに結合する。特定の実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、CD33のV領域に結合する。
【0009】
CD33のC2ドメインに特異的に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片が提供される。特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548。
抗体又はその抗原結合断片は、例えば、CD33、好ましくはヒトCD33に特異的に結合することができる。
【0010】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0011】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、以下を含む:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0012】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、約2nM未満のEC50でインビトロにおいて抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導する。抗体又はその抗原結合断片は、例えば、IgG1低フコース骨格を含み得る。
【0013】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、約5×10-9M未満の解離定数(KD)でCD33に結合する。
【0014】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、約2nM未満のEC50で、CD33に結合し、内部移行を誘導する。
【0015】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、治療剤にコンジュゲートされる。
【0016】
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、キメラである、部分的にヒト化されている、又は完全にヒト化されている。
【0017】
また、抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片であって、
当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548;
当該抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、二重特異性抗体又はその抗原結合断片も提供される:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
【0018】
特定の実施形態では、抗CD33抗体又はその抗原結合断片は、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み、抗CD3抗体又はその抗原結合断片は、配列番号257若しくは258と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0019】
特定の実施形態では、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその二重特異性抗原結合断片は、以下を含む:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
dd.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0020】
特定の実施形態では、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、約1nM未満のEC50値でインビトロにおいてCD33発現細胞でT細胞依存性細胞傷害を誘導する。
【0021】
特定の実施形態では、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、キメラである、部分的にヒト化されている、又は完全にヒト化されている。
【0022】
本発明のモノクローナル及び/若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸も提供される。
【0023】
本発明のモノクローナル及び/若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸を含む、ベクターも提供される。
【0024】
本発明のモノクローナル及び/若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸を含むベクターを含む、宿主細胞も提供される。
【0025】
特定の実施形態では、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物が提供される。特定の実施形態では、本発明の単離二重特異性抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物が提供される。
【0026】
また、それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法も提供される。特定の実施形態では、癌は血液癌である。血液癌は、例えば、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択され得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、血液癌は、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS、低リスク又は高リスク)、急性リンパ性白血病(ALL、全てのサブタイプを含む)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)であり得る。
【0027】
また、本発明のモノクローナル若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する方法も提供される。当該方法は、モノクローナル若しくは二重特異性抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、当該モノクローナル若しくは二重特異性抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は培養物から当該モノクローナル若しくは二重特異性抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む。
【0028】
また、本発明のモノクローナル及び/若しくは二重特異性抗体又は抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法も提供される。当該方法は、モノクローナル抗体及び/若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合断片を、医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
上記の概要、及び本出願の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解されるであろう。しかしながら、本出願は、図面に示される実施形態そのものに限定されないことを理解するべきである。
図1A】CD33×CD3 T細胞媒介性細胞傷害アッセイを示す。抗CD3アームCD3B219を使用したCD33×CD3二重特異性抗体を、ヒト汎T細胞及びCD33AML細胞株と共にインキュベートした。37℃、5%COで48時間後、フローサイトメトリーによって総腫瘍細胞傷害を測定した。OMNIRatにより同定された抗体候補を示す。
図1B】CD33×CD3 T細胞媒介性細胞傷害アッセイを示す。抗CD3アームCD3B219を使用したCD33×CD3二重特異性抗体を、ヒト汎T細胞及びCD33AML細胞株と共にインキュベートした。37℃、5%COで48時間後、フローサイトメトリーによって総腫瘍細胞傷害を測定した。OMNIMouseにより同定された抗体候補を示す。
図2A】新鮮AML患者全血における芽球の細胞傷害及びT細胞活性化に対する抗CD3アームCD3B219及びCD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体のエクスビボ評価を示す。CD33二重特異性抗体又はCD3×ヌル対照を使用したAML細胞の全細胞傷害のパーセントを示す。Fc遮断薬は添加しなかった。
図2B】新鮮AML患者全血における芽球の細胞傷害及びT細胞活性化に対する抗CD3アームCD3B219及びCD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体のエクスビボ評価を示す。CD33二重特異性抗体又はCD3×ヌル対照によって誘導されたT細胞活性化を示す。Fc遮断薬は添加しなかった。
図3A】CD33×CD3 T細胞媒介性細胞傷害アッセイを示す。抗CD3アームCD3B219及び抗CD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体を、ヒト汎T細胞、及びCD33 SNPrs12459419変異について、野生型(KG1、図3A)、ヘテロ接合型(SH2、図3B)、又はホモ接合型(OCIAML3、図3C)のいずれかであるAML細胞株と共にインキュベートした。37℃、5%COで48時間後、フローサイトメトリーによって総腫瘍細胞傷害を測定した。
図3B】CD33×CD3 T細胞媒介性細胞傷害アッセイを示す。抗CD3アームCD3B219及び抗CD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体を、ヒト汎T細胞、及びCD33 SNPrs12459419変異について、野生型(KG1、図3A)、ヘテロ接合型(SH2、図3B)、又はホモ接合型(OCIAML3、図3C)のいずれかであるAML細胞株と共にインキュベートした。37℃、5%COで48時間後、フローサイトメトリーによって総腫瘍細胞傷害を測定した。
図3C】CD33×CD3 T細胞媒介性細胞傷害アッセイを示す。抗CD3アームCD3B219及び抗CD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体を、ヒト汎T細胞、及びCD33 SNPrs12459419変異について、野生型(KG1、図3A)、ヘテロ接合型(SH2、図3B)、又はホモ接合型(OCIAML3、図3C)のいずれかであるAML細胞株と共にインキュベートした。37℃、5%COで48時間後、フローサイトメトリーによって総腫瘍細胞傷害を測定した。
図4A】正常健常ヒト全血(N=6者のドナー)に外添されたMOLM-13細胞の細胞傷害に対する、CD3B219又はCD3B376のいずれかと対形成されたC33B904抗体のエクスビボ評価を示す。48時間目における、CD33×CD3二重特異性抗体及びそれぞれのヌル×CD3対照を使用した、MOLM-13細胞の細胞傷害のパーセント(百分率)を示す。
図4B】正常健常ヒト全血(N=6者のドナー)に外添されたMOLM-13細胞の細胞傷害に対する、CD3B219又はCD3B376のいずれかと対形成されたC33B904抗体のエクスビボ評価を示す。48時間目における、CD33×CD3二重特異性抗体及びそれぞれのヌル×CD3対照を使用した、CD33CD14単球の細胞傷害のパーセント(百分率)を示す。
図5A】6者の正常カニクイザルドナー由来の新鮮全血における単球の細胞傷害及びT細胞活性化に対する抗CD3アームCD3B219及びCD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体のエクスビボ評価を示す。CD33二重特異性抗体又はそのCD3×ヌル対照を使用したCD33CD14カニクイザル単球の全細胞傷害のパーセントを示す。Fc遮断薬は添加しなかった。
図5B】6者の正常カニクイザルドナー由来の新鮮全血における単球の細胞傷害及びT細胞活性化に対する抗CD3アームCD3B219及びCD3B376を使用したCD33×CD3二重特異性抗体のエクスビボ評価を示す。CD33二重特異性抗体又はそのCD3×ヌル対照によって誘導されたT細胞活性化を示す。Fc遮断薬は添加しなかった。
図6】T細胞ヒト化NSGマウスにおけるMOLM-13ヒトAML異種移植片におけるC3CB189の抗腫瘍有効性を示す。播種性MOLM-13腫瘍を生物発光(BLI)について週2回撮像し、結果を平均放射輝度(p/s/cm/sr)±SEM(n=8~10/群)として提示した。処理対対照についてp≦0.0001、Bonferroni検定を用いた二元配置分散分析により計算。
図7】T細胞ヒト化NSGマウスにおけるMOLM-13ヒトAML異種移植片におけるC3CB189で処理された動物の生存率を示す。MOLM-13担持マウスの生存率を、カプラン・マイヤー曲線を使用してグラフで表し、ログランク(Mantel-Cox)検定によって評価する。処理群対対照群についてp≦0.0001。
図8】T細胞ヒト化NSGマウスにおけるMOLM-13ヒトAML異種移植片におけるC3CB88の抗腫瘍有効性を示す。播種性MOLM-13腫瘍を生物発光(BLI)について週2回撮像し、結果を平均放射輝度(p/s/cm/sr)±SEM(n=8~10/群)として提示した。処理対対照についてp≦0.0001、Bonferroni検定を用いた二元配置分散分析により計算。
図9】T細胞ヒト化NSGマウスにおけるMOLM-13ヒトAML異種移植片におけるC3CB88で処理された動物の生存率を示す。MOLM-13担持マウスの生存率を、カプラン・マイヤー曲線を使用してグラフで表し、ログランク(Mantel-Cox)検定によって評価する。処理群対対照群についてp≦0.05。
図10】MOLM13細胞における5つの抗CD33抗体の内部移行を検出するための、インビトロにおけるプロテインA薬物コンジュゲート細胞生存率アッセイを示す。5つの抗CD33抗体全てが、用量依存的に細胞傷害を示した。
図11A】低フコースIgG1抗CD33mAbがADCC活性を媒介することを示す。IgG1抗CD33mAbの濃度の増加に応答した、MOLM-13標的細胞に対するヒトNK細胞のADCC。
図11B】低フコースIgG1抗CD33mAbがADCC活性を媒介することを示す。IgG1抗CD33mAbの濃度の増加に応答した、MV4-11標的細胞に対するヒトNK細胞のADCC。
図12】二重特異性抗体の表面結合プロファイルを特性評価するために様々な濃度のC3CB189で4時間染色したCD33陽性及びCD33陰性細胞株を示す。
図13】6者の健常ドナー由来のT細胞を、指定の細胞株を用いてT細胞リダイレクションアッセイで試験し、FACSによって細胞傷害のパーセントを求めた。平均±SDをグラフ化する。
図14A】C3CB189は、C2ドメインに結合し、そのSNP12459419遺伝子型の状態にかかわらず、一次サンプルの細胞傷害を媒介する。CD33KG-1及びCD33KG1ΔCD33細胞株におけるCD33×CD3又はCD123×CD3二重特異性抗体を使用したT細胞媒介性細胞傷害及び活性化アッセイ。平均±SDをグラフ化する。
図14B】C3CB189は、C2ドメインに結合し、そのSNP12459419遺伝子型の状態にかかわらず、一次サンプルの細胞傷害を媒介する。T細胞単独を、漸増濃度のC3CB189と共に48時間インキュベートし、フローサイトメトリーによってT細胞活性化を測定した。平均±SDをグラフ化する。
図15A】6者の健常ドナー由来の細胞傷害読み出し値についてのEC20、EC50、及びEC90を示す中央値を示す。
図15B】T細胞活性化を測定したことを除いて、図13と同様である。
図15C】6者の健常ドナー由来のT細胞活性化読み出し値についての中央EC20、EC50、及びEC90値を示したことを除いて、図15Aと同様である。
図16A】C3CB189は、2つの確立されたマウスAMLモデルにおいて、インビボで強力な腫瘍活性を媒介する。確立されたKG-1腫瘍を有するT細胞ヒト化NSGマウスに、0.1、0.5、及び1mg/kgのC3CB189を腹腔内投与したことについて示す。週2回腫瘍体積を測定し、その結果を、各群についての平均腫瘍体積±SEMとして提示した。
図16B】C3CB189は、2つの確立されたマウスAMLモデルにおいて、インビボで強力な腫瘍活性を媒介する。播種性MOLM-13Luc細胞を有するT細胞ヒト化NSGマウスに、0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189を腹腔内投与したことについて示す。カプラン・マイヤー生存分析を利用して生存率を求めた。
図16C】C3CB189は、2つの確立されたマウスAMLモデルにおいて、インビボで強力な腫瘍活性を媒介する。生物発光を週2回測定し、9、13、及び16日目における生存動物の生物発光を撮像した代表的な画像(n=3~5匹の動物の腹側及び背側の図)を示す(死亡により16日目の対照群はn=3)こと以外、図16Bと同様である。
図16D】C3CB189は、2つの確立されたマウスAMLモデルにおいて、インビボで強力な腫瘍活性を媒介する。マウスに、0.005及び0.05mg/kgのC3CB189を3回投与したことを除いて、図16Bと同様である。骨髄におけるT細胞浸潤をフローサイトメトリー分析によって測定し、結果を腫瘍細胞のパーセント(上パネル)又はCD3T細胞のパーセント(下パネル)として提示する。
図16E】C3CB189は、2つの確立されたマウスAMLモデルにおいて、インビボで強力な腫瘍活性を媒介する。骨髄におけるT細胞浸潤をIHC染色によって測定し、結果をCD33腫瘍細胞(上パネル)又はCD8T細胞(下パネル)として提示すること以外、図16Dと同様である。
図17】C3CB189が、播種性マウスAMLモデルにおいて抗腫瘍応答を媒介することを示す。0日目に腫瘍細胞を移植し、T細胞を5日目に移植し、X軸の下のバーによって示すとおり投与を行った。群の生物発光を、平均±SEMとしてグラフ化する。は、C3CB189による処理とヌル×CD3対照による処理との間の差が13日目に有意である(p≦0.05)ことを示す(13日目にn=9~10/群)。
図18A】全血におけるCD33細胞株のC3CB189誘導性T細胞依存性細胞傷害を示す。10者の健常ドナー由来のT細胞(ドナー1者あたり一点)を、指定の細胞株を用いたT細胞リダイレクションアッセイで試験した。平均±SDをグラフ化する。NDは、決定することができなかったこと、すなわち、Prismが近似値を提供したか、又は曲線が不明瞭であったかのいずれかであったことを示す。値は、10者の健常ドナー由来の中央値である。
図18B】全血におけるCD33細胞株のC3CB189誘導性T細胞依存性細胞傷害を示す。細胞傷害及びT細胞活性化のEC20、EC50、及びEC90値を示すこと以外、図18Aと同様である。NDは、決定することができなかったこと、すなわち、Prismが近似値を提供したか、又は曲線が不明瞭であったかのいずれかであったことを示す。値は、10者の健常ドナー由来の中央値である。
図19A】C3CB189が、一次患者サンプル由来のAML芽球の細胞傷害を媒介することを示す。48時間後の新鮮AML患者全血中のCD33芽球のC3CB189媒介性細胞傷害のエクスビボ評価を示す。各患者サンプルについて個々のEC50値を示す。
図19B】C3CB189が、一次患者サンプル由来のAML芽球の細胞傷害を媒介することを示す。T細胞活性化を測定したことを除いて、図19Aと同様である。
図20】カニクイザル免疫サブセットにおいてCD33が発現していることを示す。6者の正常健常カニクイザルドナー由来の全血をCD33に対するモノクローナル抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。平均±SDをグラフ化する。
図21】C3CB189が、カニクイザルT細胞を活性化すると共に、MOLM-13細胞、正常CD33カニクイザル単球及び好中球の細胞傷害を媒介することを示す。正常健常カニクイザルの全血(n=6)に外添されたAML細胞株MOLM-13細胞におけるC3CB189媒介性細胞傷害のエクスビボ評価。C3CB189及びヌル×CD3二重特異性抗体を使用したMOLM-13細胞の細胞傷害、T細胞活性化、並びにCD33単球及び好中球の細胞傷害のパーセントを示す。平均±SEMをグラフ化する。
図22A】C3CB189がカニクイザルにおいてCD33白血球の減少を媒介することを示す。カニクイザルを、対照(ビヒクル)、0.05、0.2、又は1mg/kgのC3CB189の単回IV投与で処理した。時間プロファイルに対するC3CB189の濃度を示す。
図22B】C3CB189がカニクイザルにおいてCD33白血球の減少を媒介することを示す。カニクイザルを、対照(ビヒクル)、0.05、0.2、又は1mg/kgのC3CB189の単回IV投与で処理した。末梢血中のT細胞活性化(CD8中のCD25%)を示す。
図22C】C3CB189がカニクイザルにおいてCD33白血球の減少を媒介することを示す。カニクイザルを、対照(ビヒクル)、0.05、0.2、又は1mg/kgのC3CB189の単回IV投与で処理した。顆粒球(好中球)に対するC3CB189の効果を示す。
図22D】C3CB189がカニクイザルにおいてCD33白血球の減少を媒介することを示す。カニクイザルを、対照(ビヒクル)、0.05、0.2、又は1mg/kgのC3CB189の単回IV投与で処理した。単球に対するC3CB189の効果を示す。
図23】カニクイザルにおけるC3CB189投与後のサイトカイン放出を示す。C3CB189の単回IV投与後のカニクイザルにおける平均(SD)サイトカインレベル。(A)IFNγ、(B)IL-10、(C)IL-2、(D)IL-6、(E)MCP、(F)TNFα。LLOQ値を下回る全てを、プロットする目的及び平均を計算する目的のためにLLOQの半分として処理した。
図24A】C3CB189がC2ドメインに結合し、そのSNP12459419遺伝子型の状態にかかわらず、一次サンプルの細胞傷害を媒介することを示す。V及びC2バインダーmAbについてのCD33 ECDタンパク質のIgCドメイン及びIgVドメインにおけるエピトープ領域のHDXマッピング及びその後の説明図を示す。Vエピトープ領域を青色に着色し、C2エピトープ領域を赤色に着色している。
図24B】C3CB189がC2ドメインに結合し、そのSNP12459419遺伝子型の状態にかかわらず、一次サンプルの細胞傷害を媒介することを示す。27nMの二重特異性抗体濃度で実施した、新鮮AML患者全血中のCD33芽球の細胞傷害のエクスビボ評価を示す。平均±SDをグラフ化する。
図24C】C3CB189がC2ドメインに結合し、そのSNP12459419遺伝子型の状態にかかわらず、一次サンプルの細胞傷害を媒介することを示す。0.27nMの二重特異性抗体濃度で評価した、25者の正常ドナー由来の凍結精製単球のC3CB189媒介性細胞傷害を示す。平均±SDをグラフ化する。
図25A】SNPrs12459419の遺伝子型解析結果を示す。細胞株におけるSNPrs12459419のTaqmanアッセイから得られた遺伝子型解析結果を示す。
図25B】SNPrs12459419の遺伝子型解析結果を示す。一次患者サンプルを遺伝子型解析したことを除いて、図25Aと同様である。
図25C】SNPrs12459419の遺伝子型解析結果を示す。健常ドナー由来の凍結単球を、Taqmanアッセイ及びSangerシークエンシングを用いて遺伝子型解析したことを除いて、図25Aと同様である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
背景技術において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載する。これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいかなる発明に対しても先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
【0031】
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。
【0032】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意すべきである。
【0033】
特に明記しない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、典型的には、記載される値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用するとき、数値範囲の使用は、文脈上そうでない旨が明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
【0034】
別途記載のない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、直列の全ての要素を指すと理解されるべきである。当業者であれば、単なる通常の実験手順を使用するだけで、本明細書に記載した特定の手順に対して非常に多くの同等物を認識するか、又は確認することができよう。このような等価物は、本発明によって包含されることが意図される。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、若しくは「含有する(containing)」、又はそれらの任意の他の変形形態は、明記される整数又は整数群を含むが、任意の他の整数又は整数群を除外することを示唆しないと理解され、非独占又は無制限であることが意図される。例えば、一連の要素を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されない、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置に本来存在しない他の要素を含んでもよい。更に、明示的に反対に明記されない限り、「又は」は包括的な又はを指すものであり、排他的な又はを指すものではない。例えば、条件A又はBは、Aが真であり(又は存在する)かつBが偽である(又は存在しない)場合、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)場合、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)場合、のいずれか1つによって充足される。
【0036】
本明細書で使用するとき、複数の列挙された要素間の接続的な用語「及び/又は」は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしの第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、本明細書で使用される用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用性もまた、意味に含まれることが理解され、したがって、用語「及び/又は」の要件を満たす。
【0037】
本明細書で使用するとき、用語「からなる(consists of)」又は「からなる(consist of)」若しくは「からなる(consisting of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用するとき、任意の列挙された整数又は整数群を包含するが、追加の整数又は整数群が、指定の方法、構造、又は組成物に追加されることはないことを示す。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「から本質的になる(consists essentially of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」若しくは「から本質的になる(consisting essentially of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用するとき、任意の列挙された整数又は整数群を包含し、任意選択で、指定の方法、構造、又は組成物の基本的又は新規の特性を実質的に変化させない任意の列挙された整数又は整数群も包含することを示す。M.P.E.P.§2111.03を参照。
【0039】
本明細書で使用される場合、「対象」は、任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用するとき、用語「哺乳動物」とは、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、これらに限定されるものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなど、より好ましくはヒトが挙げられる。
【0040】
好ましい発明の構成要素の寸法又は特徴を指すときに本明細書で使用される用語「約」、「およそ」、「概ね」、「実質的に」などの用語は、当業者には理解されるように、記載の寸法/特徴が厳密な境界又はパラメータではなく、機能的に同じ又は類似する、それらからのわずかな相違を除外するものではないことを示すことも理解すべきである。最小値では、数値パラメータを含むこのような参照は、当該技術分野において受け入れられている数学的及び工業的原理(例えば、四捨五入、測定、又は他の系統的誤差、製造公差など)を使用すると、最小有効数字は変化しない変形形態を含むであろう。
【0041】
「同一」又は「同一性」パーセントという用語は、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列(例えば、抗CD33抗体及びそれをコードしているポリヌクレオチド、抗CD33抗CD3二重特異性抗体及びそれをコードしているポリヌクレオチド、CD33ポリペプチド及びそれをコードしているCD33ポリヌクレオチド)に関連して、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して又は目視検査によって測定したとき、一致が最大になるように比較及びアラインメントした場合に同じであるか、又は特定のパーセントの同じであるアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する2つ以上の配列又はサブ配列を指す。
【0042】
配列比較のために、典型的には、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて、サブシーケンス座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
【0043】
比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は目視検査(全般的には、Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照)によって行うことができる。
【0044】
配列同一性及び配列類似性のパーセントを決定するのに好適なアルゴリズムの例は、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410及びAltschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389-3402にそれぞれ記載されているBLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときに一致するか、又はいくつかの正の値の閾値スコアTを満たすかのいずれかの、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値(Altschul et al.、上記)と称される。これらの初期隣接ワードヒットは、それを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとして機能する。次いで、累積アラインメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿ってワードヒットを両方向に延長する。
【0045】
ヌクレオチド配列については、パラメータM(一致する残基の対についてのリワードスコア;常に>0)及びN(不一致の残基についてのペナルティスコア;常に<0)を使用して累積スコアを計算する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算する。累積アラインメントスコアがその最大獲得値から量Xだけ低下したとき、1つ以上の負のスコアリング残基のアラインメントの蓄積により、累積スコアがゼロ以下になったとき、又はいずれかの配列の末端に達したときに、各方向におけるワードヒットの延長を停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、及びXが、アライメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値10、M=5、N=-4、及び両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照)。
【0046】
配列同一性パーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin&Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873-5787(1993)を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸との比較における最小合計確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列に類似しているとみなされる。
【0047】
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であることの更なる指標は、以下に記載されるように、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、ポリペプチドは、典型的には、第2のポリペプチドと実質的に同一であり、例えば、2つのペプチドは保存的置換によってのみ異なる。2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0048】
抗体
本発明は、全般的に、単離抗CD33抗体又はその抗原結合断片、当該抗体をコードしている核酸及び発現ベクター、当該ベクターを含有する組換え細胞、並びに当該抗体を含む組成物に関する。本発明は、更に、単離抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片、当該抗体をコードしている核酸及び発現ベクター、当該ベクターを含有する組換え細胞、並びに当該二重特異性抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、及び癌を含む疾患を治療するために抗体を使用する方法も提供される。本発明の抗体は、CD33及び/又はCD3に対する高親和性結合、CD33及び/又はCD3に対する高い特異性、並びに単独で又は他の抗癌療法と組み合わせて投与されたときに癌を治療又は予防する能力を含むがこれらに限定されない、1つ以上の望ましい機能特性を有する。
【0049】
全般的な態様では、本発明は、CD33に特異的に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、CD33のC2ドメインに結合する。特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、CD33のVドメインに結合する。
【0050】
本明細書で使用するとき、用語「抗体」は、広義で使用され、免疫グロブリン、又はモノクローナル又はポリクローナルである、ヒト、ヒト化、複合、及びキメラ抗体を含む抗体分子並びに抗体断片を含む。全般的には、抗体とは、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、公知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)に割り当てることができる。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。したがって、本発明の抗体は、5つの主要なクラス又は対応する下位クラスのいずれかのものであることができる。本発明の抗体はIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4であることが好ましい。脊椎動物種の抗体軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちκ及びλのうちの一方に割り当てることができる。したがって、本発明の抗体は、κ又はλ軽鎖定常ドメインを含有することができる。特定の実施形態によれば、本発明の抗体は、ラット又はヒト抗体由来の重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。重及び軽定常ドメインに加えて、抗体は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域からなる抗原結合領域を含有し、これらのそれぞれは3つのドメイン(すなわち相補性決定領域1~3;CDR1、CDR2、及びCDR3)を含有する。軽鎖可変領域ドメインは、あるいはLCDR1、LCDR2、及びLCRD3と称され、重鎖可変領域ドメインは、あるいはHCDR1、HCRD2、及びHCDR3と称される。
【0051】
本明細書で使用するとき、用語「単離抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、CD33に特異的に結合する単離抗体は、CD33に結合しない抗体を実質的に含まない)。更に、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。
【0052】
本明細書で使用するとき、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、微量に存在する可能性のある自然発生変異を除いて同一である。本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ技術、単一リンパ球遺伝子クローニング技術、又は組換えDNA法によって作製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、トランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウス又はラットから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって生成され得、ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する。
【0053】
本明細書で使用するとき、用語「抗原結合断片」は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、単一ドメイン抗体(sdab)scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRを含む抗体の一部から形成される多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片などの抗体断片を指す。抗原結合断片は、親抗体又は親抗体断片が結合する同じ抗原に結合することができる。特定の実施形態によれば、抗原結合断片は、軽鎖可変領域、軽鎖定常領域、及び重鎖のFd断片を含む。他の特定の実施形態によれば、抗原結合断片はFab及びF(ab’)を含む。
【0054】
本明細書で使用するとき、用語「単鎖抗体」は、約15~約20個のアミノ酸の短いペプチドによって接続される重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、この分野における従来の単鎖抗体を指す。本明細書で使用するとき、用語「単一ドメイン抗体」は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むか、又は重鎖可変領域のみを含む、この分野における従来の単一ドメイン抗体を指す。
【0055】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体、又は当該技術分野において既知の任意の技術を用いて作製される、ヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を指す。ヒト抗体のこの定義は、インタクトな若しくは完全長の抗体、その断片、並びに/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/若しくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。
【0056】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト化抗体」とは、抗体の抗原結合特性が保持されるが、人体における抗原の抗原性が低下するように、改変により配列相同性をヒト抗体のそれに対して増加させた非ヒト抗体を意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体を指す。軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、多くの場合、所望の特異性、親和性、及び能力を有する1つの種の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体の可変領域に対応し、一方で定常領域は、その種における免疫応答の誘発を回避するために、別の種の哺乳動物(例えば、ヒト)に由来する抗体の配列に対応する。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「多重特異性抗体」は、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体を指し、複数のうちの第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第1のエピトープに対する結合特異性を有し、複数のうちの第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第2のエピトープに対する結合特異性を有する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複するか、又は実質的に重複する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複しないか、又は実質的に重複しない。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(又は異なる多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、多重特異性抗体は、第3、第4、又は第5の免疫グロブリン可変ドメインを含む。ある実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体分子、三重特異性抗体分枝、又は四重特異性抗体分子である。
【0059】
本明細書で使用するとき、用語「二重特異性抗体」は、2つ以下のエピトープ又は2つ以下の抗原に結合する多重特異性抗体を指す。二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列によって特徴付けられる。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複するか、又は実質的に重複する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(又は異なる多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列と、第2のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列とを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片と、第2のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片とを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片と、第2のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片とを含む。ある実施形態では、第1のエピトープはCD33に位置し、第2のエピトープはCD3に位置する。ある実施形態では、第1のエピトープはCD33に位置し、第2のエピトープは、PD-1、PD-L1、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、EGFR、HER-2、CD19、CD20、CD3、及び/又は他の腫瘍関連免疫抑制因子若しくは表面抗原に位置する。
【0060】
本明細書で使用するとき、用語「CD33」は、シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン(シグレック)ファミリーのメンバーである67kDの1回膜貫通糖タンパク質を指す。CD33は、Siglec-3、gp67、又はp67としても知られている。CD33の構造は、シアル酸結合を媒介するアミノ末端VセットIg様ドメイン(CD33のエキソン2によりコードされている)と、その細胞外部分におけるC2セットIG様ドメイン(エキソン4によりコードされている)からなる(Laszlo et al.,2016)。CD33 RNAのオルタナティブスプライシングにより、VセットIg様ドメインは欠失しているが、C2セットIg様ドメインは保持されている、細胞表面で発現するより短いアイソフォームが生じ得る(Laszlo,Estey,&Walter,2014;Laszlo et al.,2016)。最近の研究によって、一塩基多型型(SNP)rs12459419がAML集団の約50%に存在し、それによってCD33のエキソン2がスキップされた結果、CD33のVドメインが欠失することが示されるまで(Lamba et al.,2017)、このスプライシングプロセスの生物学的関連性はほとんど不明であった。完全長ヒトCD33は、Uniprot P20138(配列番号1)によって提供される。
【0061】
本明細書で使用するとき、「CD33に特異的に結合する」抗体とは、CD33、好ましくはヒトCD33、好ましくはCD33のC2ドメインに対し、1×10-7M以下、好ましくは1×10-8M以下、より好ましくは5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下のKDで結合する抗体を指す。用語「KD」は、Kd対Ka(すなわち、Kd/Ka)の比から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指す。抗体のKD値は、本開示を考慮して当該技術分野における方法を用いて決定することができる。例えば、抗体のKDは、表面プラズモン共鳴を使用することによって、例えば、Biacore(登録商標)システムのバイオセンサーシステムを使用することなどによって、又はOctet RED96システムなどのバイオレイヤーインターフェロメトリー技術を使用することによって、求めることができる。
【0062】
抗体のKDの値が小さいほど、抗体が標的抗原に結合する親和性が高い。
【0063】
特定の態様によれば、本発明は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片であって:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548、
p.それぞれ、配列番号351、352、353、474、475、及び476、
q.それぞれ、配列番号357、358、359、480、481、及び482、
r.それぞれ、配列番号372、373、374、495、496、及び497、
s.それぞれ、配列番号375、376、377、498、499、及び500、
t.それぞれ、配列番号381、382、383、504、505、及び506、
u.それぞれ、配列番号384、385、386、507、508、及び509、
v.それぞれ、配列番号390、391、392、510、511、及び512、
w.それぞれ、配列番号393、394、395、513、514、及び515、
x.それぞれ、配列番号396、397、398、516、517、及び518、
y.それぞれ、配列番号399、400、401、519、520、及び521、
z.それぞれ、配列番号405、406、407、525、526、及び527、
aa.それぞれ、配列番号414、415、416、534、535、及び536、
bb.それぞれ、配列番号417、418、419、537、538、及び539、
cc.それぞれ、配列番号420、421、422、540、541、及び542、
dd.それぞれ、配列番号429、430、431、549、550、及び551、
ee.それぞれ、配列番号432、433、434、552、553、及び554、
ff.それぞれ、配列番号435、436、437、555、556、及び557、
gg.それぞれ、配列番号438、439、440、558、559、及び560、
hh.それぞれ、配列番号441、442、443、561、562、及び563、
ii.それぞれ、配列番号450、451、452、570、571、及び572、
jj.それぞれ、配列番号453、454、455、573、574、及び575、
kk.それぞれ、配列番号456、457、458、576、577、及び578、
ll.それぞれ、配列番号459、460、461、579、580、及び581、
mm.それぞれ、配列番号378、379、380、582、583、及び584、
nn.それぞれ、配列番号414、415、416、585、586、及び587、又は
oo.それぞれ、配列番号429、430、431、480、481、及び482;
CD33、好ましくはヒトCD33に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0064】
別の特定の態様によれば、本発明は、配列番号259~296のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号300~338のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。好ましい一実施形態によれば、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、それぞれ、配列番号259~296のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300~338のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0065】
別の特定の態様によれば、本発明は、以下を含む、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
dd.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ee.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ff.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
gg.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
hh.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ii.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
jj.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
kk.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ll.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
mm.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
nn.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
oo.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0066】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号259と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0067】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号351、352、353、474、475、及び476のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号260と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号301と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0068】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号261と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0069】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号357、358、359、480、481、及び482のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号262と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0070】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号263と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0071】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号264と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0072】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号265と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0073】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号266と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0074】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号372、373、374、495、496、及び497のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号267と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号308と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0075】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号375、376、377、498、499、及び500のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号268と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号309と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0076】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号269と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0077】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号381、382、383、504、505、及び506のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号270と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号311と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0078】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号384、385、386、507、508、及び509のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号271と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号312と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0079】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号272と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0080】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号390、391、392、510、511、及び512のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号273と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号313と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0081】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号393、394、395、513、54、及び515のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号274と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号314と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0082】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号396、397、398、516、517、及び518のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号275と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号315と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0083】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号399、400、401、519、520、及び521のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号276と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号316と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0084】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号277と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0085】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号405、406、407、525、526、及び527のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号278と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号318と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0086】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号279と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0087】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号280と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号320と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号320のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0088】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号414、415、416、534、535、及び536のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号281と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号321と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0089】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号417、418、419、537、538、及び539のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号282と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0090】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号420、421、422、540、541、及び542のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号283と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号323と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0091】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号284と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0092】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号285と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0093】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号429、430、431、549、550、及び551のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号286と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号326と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0094】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号432、433、434、552、553、及び554のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号287と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号327と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0095】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号435、436、437、555、556、及び557のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号288と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号328と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0096】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号438、439、440、558、559、及び560のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号289と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号329と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0097】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号441、442、443、561、562、及び563のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号290と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号330と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0098】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号291と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0099】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号292と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0100】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号450、451、452、570、571、及び572のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号293と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号333と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0101】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号453、454、455、573、574、及び575のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号294と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号334と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0102】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号456、457、458、576、577、及び578のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号295と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号335と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0103】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号459、460、461、579、580、及び581のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号296と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号336と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0104】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号378、379、380、582、583、及び584のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号269と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号337と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0105】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号414、415、416、585、586、及び587のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号281と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号338と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0106】
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号429、430、431、480、481、及び482のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号286と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0107】
また、抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片も本明細書に提供される。特定の実施形態では、抗CD33抗体又はその抗原結合断片は、本発明の抗CD33モノクローナル抗体又はその抗原結合断片であり、抗CD3抗体又はその抗原結合断片は、(1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は(2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0108】
「CD3」という用語は、CD3タンパク質マルチサブユニット複合体を指す。CD3はまた、「表面抗原分類3」と称される場合もある。CD3タンパク質マルチサブユニット複合体は、CD3γ鎖(SwissProt P09693)(配列番号588)、CD3δ鎖(SwissProt P04234)(配列番号589)、2本のCD3ε鎖(SwissProt P07766)(配列番号590)、並びにT細胞受容体α及びβ鎖に会合する1本のCD3ζ鎖ホモ二量体(SwissProt 20963)(配列番号591)を含む、6本の特有のポリペプチド鎖で構成される。CD3は、細胞傷害性T細胞(CD8+ナイーブT細胞)、またTヘルパー細胞(CD4+ナイーブT細胞)の両方を活性化する機能を有するT細胞共受容体である。CD3マルチサブユニット複合体のCD3γ、CD3δ、及びCD3εポリペプチド鎖は、T細胞受容体(TCR)及びCD3ζ鎖と会合して、Tリンパ球において活性化シグナルを生成し、CD3とT細胞受容体との間の相互作用が、TCR複合体を構成する。用語「CD3」は、特に断りのない限り、細胞(T細胞を含む)で天然に発現するか、又はそのポリペプチドをコードしている遺伝子若しくはcDNAがトランスフェクトされた細胞上で発現し得る任意のCD3変異体、アイソフォーム、及び種間ホモログを含み、好ましくは、「CD3」は、ヒトCD3タンパク質マルチサブユニット複合体である。
【0109】
TCR/CD3複合体を介したCD33を発現している癌細胞へのTリンパ球のリダイレクションは、魅力的な代替治療アプローチとなる。Tリンパ球のTCR/CD3複合体は、ガンマ(γ)、デルタ(δ)、エプシロン(ε)、ゼータ(ζ)、及びエータ(η)に標識化されたCD3の不変性サブユニットと細胞表面で共発現した、TCRアルファ(α)/ベータ(β)又はTCRガンマ(γ)/デルタ(δ)ヘテロ二量体のいずれかからなる。ヒトCD3εは、UniProt P07766(CD3E_HUMAN)に記載されている。当該技術分野で報告されている抗CD3ε抗体は、SP34であり(Yang SJ,The Journal of Immunology(1986)137;1097-1100)、これは、霊長類及びヒトCD3の両方と反応し、Pharmingenから市販されている。当該技術分野において報告されている追加の抗CD3抗体としては、UCHT-1(国際公開第2000041474号を参照)及びBC-3(Fred Hutchinson Cancer Research Institute;used in Phase I/II trials of GvHD,Anasetti et al.,Transplantation 54:844(1992))が挙げられる。SP34とUCHT-1及びBC-3との間の違いは、SP-34がCD3のε鎖上に単独で存在するエピトープを認識する(Salmeron et al.,(1991)J.Immunol.147:3047を参照されたい)のに対して、UCHT-1及びBC-3はε鎖及びγ鎖の両方が寄与するエピトープを認識するという点である。SP34と同じ配列を有する抗体配列は、少なくとも国際公開第2008119565号、同第2008119566号、同第2008119567号、同第2010037836号、同第2010037837号、及び同第2010037838号に記載されている。SP34 VHと96%同一である抗体配列は、米国特許第8236308号(国際公開第2007042261号)に記載されている。
【0110】
これまでに種々のフォーマットの二重特異性抗体が記載されており、近年ではChames and Baty(2009)Curr Opin Drug Disc Dev 12:276によりレビューされている。
【0111】
一部の実施形態では、本発明の二重特異性抗体は、本発明において記載されたもの等の制御されたFabアーム交換により得られたダイアボディ、クロスボディ、又は二重特異性抗体である。
【0112】
一部の実施形態では、二重特異性抗体には、ヘテロ二量体化する相補性CH3ドメインを有するIgG様分子、組換えIgG様二重標的化分子(この分子の2つの側面はそれぞれ少なくとも2種類の抗体のFabフラグメント又はFabフラグメントの一部を含有する)、IgG融合分子(全長IgG抗体がエクストラFabフラグメント又はFabフラグメントの一部に融合されている)、Fc融合分子(一本鎖Fv分子又は安定化ディアボディが重鎖定常ドメイン、Fc領域又はその一部に融合されている)、Fab融合分子(異なるFabフラグメントが互いに融合されている)、ScFv-及びダイアボディ-に基づく抗体及び重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)(異なる一本鎖Fv分子又は異なるディアボディ若しくは異なる重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が互いに又は別のタンパク質若しくは担体分子に融合されている)が挙げられる。
【0113】
一部の実施形態では、相補性CH3ドメイン分子を有するIgG様分子には、Triomab/Quadroma(Trion Pharma/Fresenius Biotech)、Knobs-into-Holes(Genentech)、CrossMAbs(Roche)及び静電的に調整されたもの(Amgen)、LUZ-Y(Genentech)、ストランドを交換し操作したドメインボディ(SEEDbody)(EMD Serono)、Biclonic(Merus)、並びにDuoBody(Genmab A/S)が挙げられる。
【0114】
一部の実施形態では、組換えIgG様二重標的分子には、Dual Targeting(DT)-Ig(GSK/Domantis)、Two-in-one Antibody(Genentech)、Cross-linked Mabs(Karmanos Cancer Center)、mAb2(F-Star)、及びCovX-body(CovX/Pfizer)が挙げられる。
【0115】
一部の実施形態では、IgG融合分子には、Dual Variable Domain(DVD)-Ig(Abbott)、IgG-like Bispecific(InnClone/Eli Lilly)、Ts2Ab(MedImmune/AZ)、及びBsAb(Zymogenetics)、HERCULES(Biogen Idec)、並びにTvAb(Roche)が挙げられる。
【0116】
一部の実施形態では、Fc融合分子には、ScFv/Fc Fusions(Academic Institution)、SCORPION(Emergent BioSolutions/Trubion,Zymogenetics/BMS)、Dual Affinity Retargeting Technology(Fc-DART)(MacroGenics)、及びDual(ScFv).sub.2-Fab(National Research Center for Antibody Medicine--China)が挙げられる。
【0117】
一部の実施形態では、Fab融合二重特異性抗体には、F(ab)2(Medarex/AMGEN)、Dual-Action or Bis-Fab(Genentech)、Dock-and-Lock(DNL)(ImmunoMedics)、Bivalent Bispecific(Biotecnol)、及びFab-Fv(UCB-Celltech)が挙げられる。ScFv-、ダイアボディ-に基づく抗体及びドメイン抗体には、Bispecific T Cell Engager(BITE)(Micromet)、Tandem Diabody(Tandab)(Affimed)、Dual Affinity Retargeting Technology(DART)(MacroGenics)、Single-chain Diabody(Academic)、TCR-like Antibodies(AIT,ReceptorLogics)、Human Serum Albumin ScFv Fusion(Merrimack)、及びCOMBODY(Epigen Biotech)、二重標的指向性ナノボディ(dual targeting nanobody)(Ablynx)、二重標的指向性の重鎖のみのドメイン抗体(dual targeting heavy chain only domain antibody)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
本発明の完全長の二重特異性抗体は、例えば、2つの単一特異的二価抗体間でのFabアーム交換(又は半分子交換)を用い、インビトロにおいて、無細胞環境下又は共発現使用下のいずれかで、別個の特異性を有する2つの抗体半分子を好ましくヘテロ二量体形成させるべく各半分子における重鎖CH3界面に置換を導入することにより生成されてもよい。Fabアーム交換反応は、ジスルフィド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会合の結果である。単一特異的親抗体のヒンジ領域における重鎖ジスルフィド結合は減少する。単一特異的親抗体のうち1つについて生じる遊離システインは、第2の単一特異的親抗体分子のシステイン残基と重鎖内ジスルフィド結合を形成し、同時に、親抗体のCH3ドメインは、解離-会合により開放及び再形成する。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体形成よりヘテロ二量体形成を好むように改変されてもよい。得られる生成物は、各々別個のエピトープ、すなわち、CD33上のエピトープ及びCD3上のエピトープに結合する2つのFabアーム又は半分子を有する二重特異性抗体である。
【0119】
本明細書で使用されるとき、「ホモ二量体形成」は、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作用を意味する。本明細書で使用されるとき、「ホモ二量体」は、同一のCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖を有する抗体を意味する。
【0120】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロ二量体形成」は、同一でないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖の相互作用を意味する。本明細書で使用されるとき、「ヘテロ二量体」は、同一でないCH3アミノ酸配列を有する2本の重鎖を有する抗体を意味する。
【0121】
完全長二重特異性抗体を生成するのに「ノブ-イン-ホール」戦略(例えば、国際公開第2006/028936号を参照)を使用してもよい。簡潔に述べると、ヒトIgGにおけるCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸は、ヘテロ二量体形成を促進するために、CH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置において変異され得る。小さな側鎖を有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入され、大きな側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入される。2つの抗体の共発現後に、ヘテロ二量体が、「ホール」を有する重鎖と「ノブ」を有する重鎖との優先的な相互作用の結果として形成される。ノブ及びホールを形成する例示的なCH3置換の対は、T366Y/F405A、T366W/F405W、F405W/Y407A、T394W/Y407T、T394S/Y407A、T366W/T394S、F405W/T394S、及びT366W/T366S_L368A_Y407Vである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変位置として表現)。
【0122】
他の戦略、例えば、1つのCH3表面における正に荷電した残基及び第2のCH3表面における負に荷電した残基を置換することによる静電的相互作用を使用する重鎖ヘテロ二量体形成の促進が、米国特許出願公開第2010/0015133号、米国特許出願公開第2009/0182127号、米国特許出願公開第2010/028637号、又は米国特許出願公開第2011/0123532号に記載されるように使用されてもよい。他の戦略では、ヘテロ二量体形成は、米国特許出願公開第2012/0149876号又は米国特許出願公開第2013/0195849号に記載されるように、下記置換:L351Y_F405A Y407V/T394W、T366I_K392M_T394W/F405A_Y407V、T366L_K392M_T394W/F405A_Y407V、L351Y_Y407A/T366A_K409F、L351Y_Y407A/T366V K409F Y407A/T366A_K409F、又はT350V_L351Y_F405A Y407V/T350V_T366L_K392L_T394W(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2のCH3ドメインにおける改変位置として表現)により促進されてもよい。
【0123】
上記の方法に加えて、本発明の二重特異性抗体は、国際公開第2011/131746号に記載の方法に従って、2つの単一特異性ホモ二量体抗体のCH3領域に非対称な変異を導入し、ジスルフィド結合を異性化させる還元条件下において2つの親単一特異性ホモ二量体抗体から二重特異性ヘテロ二量体抗体を形成することによって、無細胞環境でインビトロにおいて生成されてもよい。この方法では、第1の単一特異性二価抗体(例えば、抗CD33抗体)及び第2の単一特異性二価抗体(例えば、抗CD3抗体)は、ヘテロ二量体の安定性を促進するCH3ドメインに特定の置換を有するように遺伝子操作され、これらの抗体は、ヒンジ領域におけるシステインがジスルフィド結合を異性化させるのに十分な還元条件下において共にインキュベートされ、それにより、Fabアーム交換により二重特異性抗体が生成される。インキュベート条件は、最適には、非還元条件に戻されてもよい。使用され得る例示的な還元剤は、2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)、ジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、L-システイン、及びβ-メルカプトエタノールであり、好ましくは、2-メルカプトエチルアミン、ジチオスレイトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンからなる群から選択される還元剤である。例えば、少なくとも20℃の温度において、少なくとも25mMの2-MEAの存在下又は少なくとも0.5mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えば、pH7.0又はpH7.4において、少なくとも90分のインキュベートが使用されてもよい。
【0124】
特定の実施形態では、抗CD33抗体又はその抗原結合断片は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548、
p.それぞれ、配列番号357、358、359、480、481、及び482、
q.それぞれ、配列番号372、373、374、495、496、及び497、
r.それぞれ、配列番号375、376、377、498、499、及び500、
s.それぞれ、配列番号381、382、383、504、505、及び506、
t.それぞれ、配列番号384、385、386、507、508、及び509、
u.それぞれ、配列番号390、391、392、510、511、及び512、
v.それぞれ、配列番号393、394、395、513、514、及び515、
w.それぞれ、配列番号396、397、398、516、517、及び518、
x.それぞれ、配列番号399、400、401、519、520、及び521、
y.それぞれ、配列番号405、406、407、525、526、及び527、
z.それぞれ、配列番号414、415、416、534、535、及び536、
aa.それぞれ、配列番号417、418、419、537、538、及び539、
bb.それぞれ、配列番号420、421、422、540、541、及び542、
cc.それぞれ、配列番号429、430、431、549、550、及び551、
dd.それぞれ、配列番号432、433、434、552、553、及び554、
ee.それぞれ、配列番号435、436、437、555、556、及び557、
ff.それぞれ、配列番号438、439、440、558、559、及び560、
gg.それぞれ、配列番号441、442、443、561、562、及び563、
hh.それぞれ、配列番号450、451、452、570、571、及び572、
ii.それぞれ、配列番号453、454、455、573、574、及び575、
jj.それぞれ、配列番号456、457、458、576、577、及び578、
kk.それぞれ、配列番号459、460、461、579、580、及び581、
ll.それぞれ、配列番号378、379、380、582、583、及び584、
mm.それぞれ、配列番号414、415、416、585、586、及び587、又は
nn.それぞれ、配列番号429、430、431、480、481、及び482;
抗CD3抗体又はその抗原結合断片は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
【0125】
特定の実施形態では、抗CD33抗体又はその抗原結合断片は、配列番号259~296のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号300~338のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み;抗CD3抗体又はその抗原結合断片は、配列番号257若しくは258と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0126】
特定の実施形態では、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその二重特異性抗原結合断片は、以下を含む:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
dd.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ee.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ff.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
gg.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
hh.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ii.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
jj.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
kk.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ll.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
mm.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
nn.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
oo.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
pp.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
qq.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
rr.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ss.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
tt.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
uu.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
vv.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ww.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
xx.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
yy.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
zz.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aaa.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bbb.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ccc.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
ddd.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
eee.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
fff.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ggg.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
hhh.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
iii.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
jjj.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
kkk.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
lll.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
mmm.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
nnn.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ooo.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ppp.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
qqq.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
rrr.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
sss.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ttt.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
uuu.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
vvv.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
www.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
xxx.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
yyy.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
zzz.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aaaa.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bbbb.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cccc.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
dddd.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0127】
別の特定の態様によれば、本発明は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導する単離抗CD33モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、例えば、インビトロでADCCを誘導することができる。モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、約2nM未満のEC50でADCCを誘導することができる。特定の実施形態では、EC50は、約2.0nM未満、約1.9nM未満、約1.8nM未満、約1.7nM未満、約1.6nM未満、約1.5nM未満、約1.4nM未満、約1.3nM未満、約1.2nM未満、約1.1nM未満、約1.0nM未満、約0.9nM未満、約0.8nM未満、約0.7nM未満、約0.6nM未満、約0.5nM未満、約0.4nM未満、約0.3nM未満、約0.2nM未満、又は約0.1nM未満である。特定の実施形態では、CD33モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、IgG1低フコース骨格を含む。
【0128】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CD33特異的抗体の免疫エフェクター特性は、当業者に既知の技術によりFcを改変することによってエンハンス又はサイレンシングさせることができる。例えば、Fcエフェクター機能、例えば、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)のダウンレギュレーション等が、これらの活性を担うFc中の残基を改変することにより提供され、かつ/又は制御され得る。
【0129】
「抗体依存性細胞介在性細胞傷害」又は「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現している非特異的細胞傷害細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)が標的細胞上に結合した抗体を認識し、続けて、標的細胞の溶解を引き起こす、細胞介在性反応を指す。
【0130】
ADCCを誘導するモノクローナル抗体の能力は、そのオリゴ糖成分を操作することにより増強され得る。ヒトIgG1又はIgG3は、Asn297においてN-グリコシル化される。ここで、グリカンの大部分は、公知の二分岐G0、G0F、G1、G1F、G2、又はG2Fの形態である。遺伝子操作されていないCHO細胞により生成される抗体は、典型的には、少なくとも約85%のグリカンフコース含量を有する。Fc領域に付着した二分岐の複雑なタイプのオリゴ糖からコアフコースを除去すると、抗原結合性又はCDC活性を変化させることなく改善されたFc.γ.RIIIa結合により、抗体のADCCが向上される。このようなmAbは、二分岐の複雑なタイプのFcオリゴ糖を有する、比較的高い脱フコシル化抗体の成功した発現をもたらすことが報告された種々の方法、例えば、培養浸透圧の制御(Konno et al.,Cytotechnology 64:249-65,2012)、宿主細胞株としての変異体CHO株Lec13の適用(Shields et al.,J Biol Chem 277:26733-26740,2002)、宿主細胞株としての変異体CHO株EB66の適用(Olivier et al.,MAbs;2(4),2010、Epub ahead of print、PMID:20562582)、宿主細胞株としてのラットハイブリドーマ細胞株YB2/0の適用(Shinkawa et al.,J Biol Chem 278:3466-3473,2003)、アルファ.1,6-フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)遺伝子に対して特異的な低分子干渉RNAの導入(Mori et al.,Biotechnol Bioeng 88:901-908,2004)、又はベータ-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIIとゴルジアルファ-マンノシダーゼIIとの共発現又は強力なアルファ-マンノシダーゼI阻害剤であるキフネンシン(Ferrara et al.,J Biol Chem 281:5032-5036;2006、Ferrara et al.,Biotechnol Bioeng 93:851-861,2006;Xhou et al.,Biotechnol Bioeng 99:652-65,2008)を使用して達成され得る。
【0131】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CD33抗体により惹起されるADCCはまた、抗体のFcにおける特定の置換によってもエンハンスされ得る。例示的な置換は、例えば、米国特許第6,737,056号に記載されたように、アミノ酸位置256、290、298、312、356、330、333、334、360、378、又は430(EUインデックスに従った残基番号付け)における置換である。
【0132】
別の特定の態様によれば、本発明は、約5×10-8M未満の解離定数(KD)でCD33に結合することができる単離抗CD33モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。特定の実施形態では、解離定数は、約5×10-8M未満、1×10-8M未満、5×10-9M未満、1×10-9M未満、5×10-10M未満、1×10-10M未満、5×10-11M未満、又は1×10-11M未満である。
【0133】
別の特定の態様によれば、本発明は、約2nM未満のEC50でCD33に結合し、CD33の内部移行を誘導することができる単離抗CD33モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関する。特定の実施形態では、EC50は、約2.0nM未満、約1.9nM未満、約1.8nM未満、約1.7nM未満、約1.6nM未満、約1.5nM未満、約1.4nM未満、約1.3nM未満、約1.2nM未満、約1.1nM未満、約1.0nM未満、約0.9nM未満、約0.8nM未満、約0.7nM未満、約0.6nM未満、約0.5nM未満、約0.4nM未満、約0.3nM未満、約0.2nM未満、及び約0.1nM未満である。
【0134】
別の特定の態様によれば、本発明は、CD33発現細胞においてT細胞依存性細胞傷害を誘導することができる単離抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片に関する。二重特異性抗体又はその抗原結合断片は、例えば、約2nM未満のEC50値でインビトロにおいてCD33発現細胞でT細胞依存性細胞傷害を誘導することができる。特定の実施形態では、EC50は、約2.0nM未満、約1.9nM未満、約1.8nM未満、約1.7nM未満、約1.6nM未満、約1.5nM未満、約1.4nM未満、約1.3nM未満、約1.2nM未満、約1.1nM未満、約1.0nM未満、約0.9nM未満、約0.8nM未満、約0.7nM未満、約0.6nM未満、約0.5nM未満、約0.4nM未満、約0.3nM未満、約0.2nM未満、及び約0.1nM未満である。
【0135】
別の特定の態様によれば、本発明は、単離抗CD33モノクローナル抗体及び/若しくは単離抗CD33/抗CD3二重特異性抗体、又はこれらの抗原結合断片であって、キメラである、抗CD33モノクローナル抗体若しくは抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はこれらの抗原結合断片に関する。
【0136】
別の特定の態様によれば、本発明は、単離抗CD33モノクローナル抗体及び/若しくは単離抗CD33/抗CD3二重特異性抗体、又はこれらの抗原結合断片であって、ヒトである又はヒト化されている、抗CD33モノクローナル抗体若しくは抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はこれらの抗原結合断片に関する。
【0137】
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸に関する。別の全般的な態様では、本発明は、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸に関する。タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、タンパク質のコード配列を変える(例えば置換する、欠失する、挿入するなど)ことができることが、当業者には理解されよう。したがって、タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、本発明のモノクローナル抗体及び/又は二重特異性抗体をコードしている核酸配列を変更できることが当業者には理解されるであろう。
【0138】
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている単離核酸を含む、ベクターに関する。別の全般的な態様では、本発明は、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている単離核酸を含む、ベクターに関する。プラスミド、コスミド、ファージベクター、又はウイルスベクターなどの、本開示の観点から当業者に公知の任意のベクターも使用することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドなどの組換え発現ベクターである。ベクターは、例えば、プロモーター、リボソーム結合エレメント、ターミネーター、エンハンサー、選択マーカー、及び複製起点という、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメントを含むことができる。プロモーターは、常時発現型、誘導型、又は再形成可能なプロモーターであり得る。細胞に核酸を送達することができる多数の発現ベクターが当技術分野において知られており、細胞内で抗体又はその抗原結合断片を生成するために、本明細書で使用することができる。従来のクローニング技術、又は人工遺伝子合成を使用して、本発明の実施形態に従った組換え発現ベクターを生成することができる。このような技術は、本開示の観点から、当業者に周知である。
【0139】
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体及び/若しくは二重特異性抗体、又はこれらの抗原結合断片をコードしている単離核酸を含む、宿主細胞に関する。本開示の観点から、当業者に知られている任意の宿主細胞を、本発明の抗体又は抗原結合断片の組換え発現に使用することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌TG1若しくはBL21細胞(例えば、scFv又はFab抗体の発現の場合)、CHO-DG44若しくはCHO-K1細胞、又はHEK293細胞(例えば、完全長IgG抗体の発現の場合)である。特定の実施形態によれば、組換え発現ベクターは、組換え核酸が効果的に発現するように宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれる、化学的トランスフェクション、熱ショック、又はエレクトロポレーションなどの従来の方法によって宿主細胞に形質転換される。
【0140】
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を生成する条件下で、当該モノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は細胞培養物から(例えば上清から)当該抗体又はその抗原結合断片を回収することと、を含む、方法に関する。別の全般的な態様では、本発明は、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する条件下で、当該二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は細胞培養物から(例えば、上清から)当該抗体又はその抗原結合断片を回収することと、を含む、方法に関する。発現した抗体又はその抗原結合断片を細胞から収集し、当該技術分野において公知の従来の技術に従って、そして、本明細書に記載のとおり精製することができる。
【0141】
医薬組成物
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物に関する。別の全般的な態様では、本発明は、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物に関する。本明細書で使用するとき、用語「医薬組成物」は、医薬上許容できる担体と一緒に本発明の抗体を含む製造物を意味する。本発明の抗体及びそれを含む組成物は、本明細書で言及される治療用途のための医薬の製造においても有用である。
【0142】
本明細書で使用するとき、用語「担体」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、バッファ、安定剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソーム封入体、又は医薬製剤で使用するための当該技術分野で周知の他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。本明細書で使用するとき、用語「医薬上許容できる担体」は、本発明による組成物の効果にも本発明による組成物の生物活性にも干渉しない無毒性材料を指す。特定の実施形態によると、本開示を考慮して、抗体の医薬組成物での使用に好適ないずれの医薬上許容できる担体も、本発明において使用することができる。
【0143】
医薬上許容できる担体を有する医薬的活性成分の製剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば21st edition(2005)及びそれ以降の任意の改訂版)にあるように、当該技術分野において既知である。追加成分の非限定的な例としては、緩衝剤、希釈剤、溶媒、張度調節剤、防腐剤、安定剤、及びキレート剤が挙げられる。1つ以上の医薬上許容できる担体は、本発明の医薬組成物を製剤化する際に使用され得る。
【0144】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は液体製剤である。液体製剤の好ましい例は、水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルなどを含んでもよい。水性製剤は、典型的には、少なくとも50%w/wの水、又は少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は少なくとも95%w/wの水を含む。
【0145】
一実施形態では、医薬組成物は、例えば注射デバイス(例えば注射器又は注入ポンプ)を介して注射することができる注射剤として製剤化され得る。注射は、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、硝子体内、又は静脈内に送達され得る。
【0146】
別の実施形態では、医薬組成物は、固体製剤、例えば、そのまま使用することができるか、又は医師若しくは患者が使用前に溶媒及び/又は希釈剤を添加する、凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物である。固体剤形としては、圧縮錠剤などの錠剤、及び/又はコーティングされた錠剤、並びにカプセル(例えば、硬又は軟ゼラチンカプセル)を挙げることができる。医薬組成物はまた、例えば、サッシェ、糖衣錠、粉末、顆粒、トローチ剤、又は再構成用の粉末の形態であってもよい。
【0147】
剤形は即時放出であってもよく、その場合、水溶性若しくは水分散性担体を含んでいてよく、又は剤形は遅延放出、持続放出、若しくは調節放出であってもよく、その場合、胃腸管若しくは皮下における剤形の溶解速度を制御する非水溶性ポリマーを含んでいてよい。
【0148】
他の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内、口内、又は舌下に送達され得る。
【0149】
水性製剤のpHは、pH3~pH10であり得る。本発明の一実施形態では、製剤のpHは約7.0~約9.5である。本発明の別の実施形態では、製剤のpHは約3.0~約7.0である。
【0150】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は緩衝剤を含む。緩衝剤の非限定的な例としては、アルギニン、アスパラギン酸、ビシン、シトレート、リン酸一水素二ナトリウム、フマル酸、グリシン、グリシルグリシン、ヒスチジン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、コハク酸塩、酒石酸、トリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、及びこれらの混合物が挙げられる。緩衝液は、個々に又は集合体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的な緩衝剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0151】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は防腐剤を含む。緩衝剤の非限定的な例としては、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロヘキシジン、クロルフェネシン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、エチル4-ヒドロキシベンゾエート、イミド尿素、メチル4-ヒドロキシベンゾエート、フェノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルエタノール、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート、デヒドロ酢酸ナトリウム、チオメロサール、及びこれらの混合物が挙げられる。防腐剤は、個々に又は集合体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的な防腐剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0152】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は、等張剤を含む。本実施形態の非限定的な例としては、塩(塩化ナトリウムなど)、アミノ酸(グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、及びスレオニンなど)、アルジトール(グリセロール、1,2-プロパンジオールプロピレングリコールなど)、1,3-プロパンジオール、及び1,3-ブタンジオールなど)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、並びにこれらの混合物が挙げられる。等張剤の別の例としては、糖が挙げられる。糖の非限定的な例は、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、アルファ及びベータ-HPCD、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、単糖類、二糖類、若しくは多糖類、又は水溶性グルカンであり得る。等張剤の別の例は、糖アルコールであり、用語「糖アルコール」は、少なくとも1つの-OH基を有するC(4~8)炭化水素として定義される。糖アルコールの非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。本段落に列記される各等張剤を含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。等張剤は、個々に又は集合体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的な等張剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0153】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物はキレート剤を含む。キレート剤の非限定的な例としては、クエン酸、アスパラギン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、個々に又は集合体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的なキレート剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0154】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含む。安定剤の非限定的な例としては、1つ以上の凝集阻害剤、1つ又は2つ以上の酸化阻害剤、1つ又は2つ以上の界面活性剤、及び/又は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
【0155】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含み、当該安定剤は、カルボキシ-/ヒドロキシセルロース及びそれらの誘導体(HPC、HPC-SL、HPC-L、及びHPMCなど)、シクロデキストリン、2-メチルチオエタノール、ポリエチレングリコール(PEG 3350など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、塩(塩化ナトリウムなど)、硫黄含有物質、例えばモノチオグリセロール)、又はチオグリコール酸である。安定剤は、個々に又は集合体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的な安定剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0156】
本発明の更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の界面活性剤、好ましくは界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、又は2つの異なる界面活性剤を含む。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分及び脂溶性(親油性)部分から構成される任意の分子又はイオンを指す。界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性界面活性剤からなる群から選択され得る。界面活性剤は、個々に又は集合体中に、約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的な界面活性剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0157】
本発明の更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA、及び/又はベンズアミジン塩酸(HCl)を含む。プロテアーゼ阻害剤は、個々に又は集合体中に、約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在してもよい。これらの具体的なプロテアーゼ阻害剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
【0158】
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を製造する方法であって、モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法に関する。別の全般的な態様では、本発明は、本発明の二重特異性抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を製造する方法であって、二重特異性抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法に関する。
【0159】
使用方法
別の全般的な態様では、本発明は、対象における癌細胞表面上のCD33を標的化する方法であって、CD33に特異的に結合する単離モノクローナル抗体若しくはその抗原結合断片、又は抗CD33/抗CD3二重特異性抗体若しくはその抗原結合断片、又は本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
【0160】
また、放射線核種、ホウ素、ガドリニウム又はウラン原子、サイトカインなどの免疫調節物質、幹細胞増殖因子、腫瘍壊死因子(TNF)などのリンホトキシン、インターロイキン(IL)などの造血因子、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF))などのコロニー刺激因子(CSF)、インターフェロン-α、-β又は-γなどのインターフェロン(IFN)、及び「S1因子」と命名されたものなどの幹細胞増殖因子、造血因子、エリスロポエチン、トロンボポエチン、抗体、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、酵素、酵素阻害剤、光活性治療剤、有糸分裂阻害剤などの細胞傷害性薬物、アルキル化剤、代謝拮抗剤、血管新生阻害剤、アポトーシス剤、アルカロイド剤、COX-2阻害剤、並びに抗生物質、植物毒素、微生物毒素、及び動物毒素などの細胞傷害性毒素、並びにこれらの合成変異体、血管新生阻害剤、様々な抗体、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される治療剤を含む、治療用抗CD33抗体免疫コンジュゲートも本明細書で想到される。好ましい実施形態では、サイトカインは、IL-1、IL-2、IL-3、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、IL-21、インターフェロン-γ、TNF-α、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、放射性核種は、オージェ放射体、ベータ放射体、及びアルファ放射体、例えば、P-32、P-33、Sc-47、Fe-59、Cu-64、Cu-67、Se-75、As-77、Sr-89、Y-90、Mo-99、Rh-105、Pd-109、Ag-111、I-125、I-131、Pr-142、Pr-143、Pm-149、Sm-153、Tb-161、Ho-166、Er-169、Lu-177、Re-186、Re-188、Re-189、Ir-194、Au-198、Au-199、Pb-211、Pb-212、及びBi-213、Co-58、Ga-67、Br-80m、Tc-99m、Rh-103m、Pt-109、In-111、Sb-119、I-125、Ho-161、Os-189m、Ir-192、Dy-152、At-211、Bi-212、Ra-223、Rn-219、Po-215、Bi-211、Ac-225、Fr-221、At-217、Bi-213、Fm-255、B-10、Gd-157、U-235、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、放射性核種は、20~10,000keVのエネルギーを有する。
【0161】
CD33に結合する抗体及びその抗原結合断片の機能活性は、当該技術分野において既知の方法により、そして本明細書に記載のとおり特性評価することができる。CD33に結合する抗体及びその抗原結合断片を特性評価する方法としては、Biacore、ELISA、及びOctetRed分析を含む親和性及び特異性アッセイ;FACSにより癌細胞上のCD33への抗体の結合を検出する結合アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によれば、CD33に結合する抗体及びその抗原結合断片を特性評価する方法としては、以下に記載するものが挙げられる。
【0162】
別の全般的な態様では、本発明は、それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、CD33に特異的に結合する単離モノクローナル抗体若しくはその抗原結合断片、又は本発明の医薬組成物を当該対象に投与することを含む、方法に関する。癌は、例えば、CD33発現癌であり得る。癌は、例えば、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、及び他の液体腫瘍から選択され得るが、これらに限定されない。癌は、例えば、血液癌であり得る。血液癌は、例えば、白血病、リンパ腫、及び骨髄腫であり得る。特定の実施形態では、血液癌は、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS、低リスク又は高リスク)、急性リンパ性白血病(ALL、全てのサブタイプを含む)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)であり得る。
【0163】
本発明の実施形態によれば、医薬組成物は、治療有効量の抗CD33抗体又はその抗原結合断片を含む。本明細書で使用するとき、用語「治療有効量」は、対象に所望の生物学的又は薬理的応答を惹起する活性成分又は構成成分の量を指す。治療有効量は、記載される目的に対して経験的かつ通常の方法で決定することができる。
【0164】
抗CD33抗体又はその抗原結合断片に関して本明細書で使用するとき、治療有効量は、それを必要としている対象における免疫応答を調節する抗CD33抗体又はその抗原結合断片の量を意味する。
【0165】
特定の実施形態によれば、治療有効量は、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を達成するのに十分な治療の量を指す:(i)治療される疾患、障害若しくは病態又はそれに関連する症状の重症度を軽減又は改善すること、(ii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の期間を短縮すること、(iii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の進行を防止すること、(iv)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の退縮を生じさせること、(v)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の進行又は発症を予防すること、(vi)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の再発を防止すること、(vii)治療される疾患、障害、若しくは病態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院を減少させること、(viii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院期間を短縮させること、(ix)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状を有する対象の生存率を高めること、(xi)治療される対象の疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状を阻害又は軽減すること、及び/又は(xii)別の治療の予防又は治療効果を強化又は改善すること。
【0166】
治療有効量又は用量は、治療される疾患、障害又は病態、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬剤、及び、治療が予防的なものであるか治療的なものであるか、などの様々な因子によって異なり得る。治療用量は、安全性及び有効性を最適化するために最適に漸増される。
【0167】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載される組成物は、対象への想定される投与経路に好適であるように製剤化される。例えば、本明細書に記載される組成物は、静脈内投与、皮下投与、又は筋肉内投与に適した形で製剤化することができる。
【0168】
本明細書で使用するとき、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は全て、癌に関連する少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善又は回復を指し、これは対象において必ずしも認識されるとは限らないが、対象において認識可能な場合もある。用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」はまた、疾患、障害、又は病態を退縮させる、その進行を防止する、又は少なくともその進行を遅らせることを指す場合もある。特定の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は、腫瘍若しくはより好ましくはがんなどの疾患、障害、若しくは病態に関連する1つ以上の症状の緩和、進行若しくは発症の予防、又はその期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態の再発の防止を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態を有する対象の生存率の向上を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、対象における疾患、障害、又は病態の消失を指す。
【0169】
特定の実施形態によれば、癌の治療に使用される組成物が提供される。癌治療のために、組成物を、化学療法、抗CD20mAb、抗TIM-3mAb、抗CTLA-4抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-1抗体、PD-1/PD-L1療法、他の免疫癌薬、抗血管新生剤、放射線療法、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、標的療法、又は他の抗癌剤が挙げられるがこれらに限定されない別の治療と併用してもよい。
【0170】
本明細書で使用するとき、用語「併用される」は、対象への2つ以上の治療薬の投与との関連において、複数の治療薬の使用を指す。用語「併用される」の使用は、治療薬を対象に投与する順序について限定しない。例えば、第1の治療薬(例えば、本明細書に記載される組成物)を、対象への第2の治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、同時、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。
【0171】
実施形態
本発明は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
【0172】
実施形態1は、CD33のC2ドメインに特異的に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0173】
実施形態2は、以下のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548;
CD33、好ましくはヒトCD33に特異的に結合する、実施形態1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0174】
実施形態3は、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態1又は2に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0175】
実施形態4は、以下を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0176】
実施形態5は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号357、358、359、480、481、及び482、
b.それぞれ、配列番号372、373、374、495、496、及び497、
c.それぞれ、配列番号375、376、377、498、499、及び500、
d.それぞれ、配列番号381、382、383、504、505、及び506、
e.それぞれ、配列番号384、385、386、507、508、及び509、
f.それぞれ、配列番号390、391、392、510、511、及び512、
g.それぞれ、配列番号393、394、395、513、514、及び515、
h.それぞれ、配列番号396、397、398、516、517、及び518、
i.それぞれ、配列番号399、400、401、519、520、及び521、
j.それぞれ、配列番号405、406、407、525、526、及び527、
k.それぞれ、配列番号414、415、416、534、535、及び536、
l.それぞれ、配列番号417、418、419、537、538、及び539、
m.それぞれ、配列番号420、421、422、540、541、及び542、
n.それぞれ、配列番号429、430、431、549、550、及び551、
o.それぞれ、配列番号432、433、434、552、553、及び554、
p.それぞれ、配列番号435、436、437、555、556、及び557、
q.それぞれ、配列番号438、439、440、558、559、及び560、
r.それぞれ、配列番号441、442、443、561、562、及び563、
s.それぞれ、配列番号450、451、452、570、571、及び572、
t.それぞれ、配列番号453、454、455、573、574、及び575、
u.それぞれ、配列番号456、457、458、576、577、及び578、
v.それぞれ、配列番号459、460、461、579、580、及び581、
w.それぞれ、配列番号378、379、380、582、583、及び584、
x.それぞれ、配列番号414、415、416、585、586、及び587、又は
y.それぞれ、配列番号429、430、431、480、481、及び482;
CD33、好ましくはヒトCD33に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0177】
実施形態6は、配列番号260、262、267、268、270、271、273、274、275、276、278、281、282、283、286、287、288、289、290、293、294、295、若しくは296のうちの1つと少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号301、303、308、309、311、312、313、314、315、316、318、321、322、323、326、327、328、329、330、333、334、335、336、337、若しくは338のうちの1つと少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態5に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0178】
実施形態7は、以下を含む、実施形態5又は6に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である:
a.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
z.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0179】
実施形態8は、約2nM未満のEC50でインビトロにおいて抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘導する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0180】
実施形態9は、IgG1低フコース骨格を含む、実施形態8に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0181】
実施形態10は、約5×10-9M未満の解離定数(KD)でCD33に結合する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0182】
実施形態11は、約2nM未満のEC50でCD33に結合し、内部移行を誘導する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0183】
実施形態12は、CD33活性を阻害する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0184】
実施形態13は、キメラである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0185】
実施形態14は、ヒトである又はヒト化されている、実施形態1~13のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0186】
実施形態15は、治療剤にコンジュゲートしている、実施形態1~13のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
【0187】
実施形態16は、実施形態1~14のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸である。
【0188】
実施形態17は、実施形態16に記載の単離核酸を含む、ベクターである。
【0189】
実施形態18は、実施形態17に記載のベクターを含む、宿主細胞である。
【0190】
実施形態19は、実施形態1~14のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物である。
【0191】
実施形態20は、それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、実施形態19に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0192】
実施形態21は、当該癌が、血液癌である、実施形態20に記載の方法である。
【0193】
実施形態22は、当該血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、実施形態21に記載の方法である。
【0194】
実施形態23は、当該血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、実施形態22に記載の方法である。
【0195】
実施形態24は、実施形態1~14のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、当該モノクローナル抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、当該モノクローナル抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は培養物から当該抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法である。
【0196】
実施形態25は、実施形態1~14のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又は抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、当該モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を、医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法である。
【0197】
実施形態26は、抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体であって、
当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548;
当該抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体である:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
【0198】
実施形態27は、当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み、当該抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、配列番号257若しくは258と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態25に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0199】
実施形態28は、以下を含む、実施形態25又は26に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
dd.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0200】
実施形態29は、当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、CD33のC2ドメインに特異的に結合する、実施形態26~28のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0201】
実施形態30は、抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体であって、
当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号357、358、359、480、481、及び482、
b.それぞれ、配列番号372、373、374、495、496、及び497、
c.それぞれ、配列番号375、376、377、498、499、及び500、
d.それぞれ、配列番号381、382、383、504、505、及び506、
e.それぞれ、配列番号384、385、386、507、508、及び509、
f.それぞれ、配列番号390、391、392、510、511、及び512、
g.それぞれ、配列番号393、394、395、513、514、及び515、
h.それぞれ、配列番号396、397、398、516、517、及び518、
i.それぞれ、配列番号399、400、401、519、520、及び521、
j.それぞれ、配列番号405、406、407、525、526、及び527、
k.それぞれ、配列番号414、415、416、534、535、及び536、
l.それぞれ、配列番号417、418、419、537、538、及び539、
m.それぞれ、配列番号420、421、422、540、541、及び542、
n.それぞれ、配列番号429、430、431、549、550、及び551、
o.それぞれ、配列番号432、433、434、552、553、及び554、
p.それぞれ、配列番号435、436、437、555、556、及び557、
q.それぞれ、配列番号438、439、440、558、559、及び560、
r.それぞれ、配列番号441、442、443、561、562、及び563、
s.それぞれ、配列番号450、451、452、570、571、及び572、
t.それぞれ、配列番号453、454、455、573、574、及び575、
u.それぞれ、配列番号456、457、458、576、577、及び578、
v.それぞれ、配列番号459、460、461、579、580、及び581、
w.それぞれ、配列番号378、379、380、582、583、及び584、
x.それぞれ、配列番号414、415、416、585、586、及び587、又は
y.それぞれ、配列番号429、430、431、480、481、及び482;
当該抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体である:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
【0202】
実施形態31は、当該抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、配列番号260、262、267、268、270、271、273、274、275、276、278、281、282、283、286、287、288、289、290、293、294、295、若しくは296のうちの1つと少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号301、303、308、309、311、312、313、314、315、316、318、321、322、323、326、327、328、329、330、333、334、335、336、337、若しくは338のうちの1つと少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み、当該抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、配列番号257若しくは258と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態29に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0203】
実施形態32は、以下を含む、実施形態29又は30に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である:
a.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号260のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号301のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号262のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号267のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号308のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
dd.配列番号268のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号309のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ee.配列番号270のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号311のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ff.配列番号271のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号312のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
gg.配列番号273のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号313のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
hh.配列番号274のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号314のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ii.配列番号275のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号315のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
jj.配列番号276のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号316のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
kk.配列番号278のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号318のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ll.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号321のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
mm.配列番号282のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
nn.配列番号283のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号323のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
oo.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号326のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
pp.配列番号287のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号327のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
qq.配列番号288のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号328のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
rr.配列番号289のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号329のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ss.配列番号290のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号330のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
tt.配列番号293のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号333のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
uu.配列番号294のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号334のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
vv.配列番号295のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号335のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
ww.配列番号296のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号336のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
xx.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号337のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
yy.配列番号281のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号338のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
zz.配列番号286のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号303のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
【0204】
実施形態33は、当該抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片が、約1nM未満のEC50値でインビトロにおいてCD33発現細胞においてT細胞依存性細胞傷害を誘導する、実施形態26~32のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0205】
実施形態34は、キメラである、実施形態26~33のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0206】
実施形態35は、ヒトである又はヒト化されている、実施形態26~34のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
【0207】
実施形態36は、実施形態26~35のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸である。
【0208】
実施形態37は、実施形態36に記載の単離核酸を含む、ベクターである。
【0209】
実施形態38は、実施形態37に記載のベクターを含む、宿主細胞である。
【0210】
実施形態39は、実施形態26~35のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物である。
【0211】
実施形態40は、それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、実施形態39に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0212】
実施形態41は、当該癌が、血液癌である、実施形態40に記載の方法である。
【0213】
実施形態42は、当該血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、実施形態41に記載の方法である。
【0214】
実施形態43は、当該血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、実施形態42に記載の方法である。
【0215】
実施形態44は、実施形態26~35のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、当該抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、当該抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は培養物から当該抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法である。
【0216】
実施形態45は、実施形態26~35のいずれか1つに記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、当該抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を、医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法である。
【実施例
【0217】
試薬
抗原の生成
免疫化及びアッセイのためにC末端で融合させたC58S変異を有するヒト血清アルブミン(HSA)の変異型モノマー形態、Uniprot P02768を有する又は有しない、ヒト及びカニクイザルのCD33タンパク質を生成した。6-ヒスチジンタグを有するCD33タンパク質抗原をコードしているcDNAを合成的に合成し、標準的な分子生物学的技術を用いて、Actinプロモーター下で哺乳動物分泌発現ベクターにクローニングした。
【0218】
Uniprot P20138(配列番号1)由来の完全長ヒトCD33細胞外ドメイン(ECD)(ヒトCD33 ECD)を、N末端でHSAの有り無しでシグナル配列と融合させ、続いて、6ヒスチジンタグをC末端でHSAを有するhCD33 ECD及びhCD33 ECDのみ)と融合させた。製造元のプロトコルに従ってExpifectamineを使用して、HEK293由来細胞、Expi293(Gibco/Thermo Fisher Scientific;Waltham,MA)にヒトCD33 ECD発現コンストラクトを一過的にトランスフェクトした。軌道振盪器において8%COで37℃において5日間細胞をインキュベートした後、収集した。発現した細胞を遠心分離により除去し、Ni Sepharose 6 Fast Flow resin(GE Healthcare;Little Chalfont,United Kingdom)を使用する固定化金属アフィニティクロマトグラフィー、続いて、ダルッベッコリン酸生理食塩水バッファpH7.2(1×DPBS)におけるSuperdex 200分取サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(GE Healthcare)を使用して、可溶性CD33を培地から精製した。あらゆるジスルフィド凝集体を除く、SEC溶出画分を合わせ、滅菌濾過して、免疫化及びCD33アッセイのための最終タンパク質を得た。A280によってタンパク質濃度を求め、SDS-PAGE及び分析SEC(Phenomenex;Torrance,CA)によって精製タンパク質の品質を評価した。EndoSafe-PTS Cartridges、発色性LALアッセイ(Charles River;Wilmington,MA)を使用して、内毒素測定を実施した。
【0219】
ヒトCD33 ECDサブドメインタンパク質、hCD33 V-ドメイン-HSA、hCD33 V-ドメイン-his、hCD33 C2ドメイン-HSA、及びhCD33 C2ドメイン-Hisを同様に構築し、発現させ、完全長ヒトCD33 ECDとして精製した。
【0220】
Genbank配列XP_005590138.1に基づいて、免疫化及び交差選択性アッセイのためのカニクイザルCD33コンストラクト、カニクイザルCD33 ECD-HSA、カニクイザルCD33-Hisも生成した。カニクイザルCD33タンパク質の発現及び精製は、ヒトCD33タンパク質と同じであった。
【0221】
製造元の条件に従ってSureLink Chromagenic Biotin Labelingキット(SeraCare KPL)を使用して、50mMのリン酸ナトリウムpH7.2中でスクリーニングのためのCD33抗原をビオチン化した。簡潔に述べると、ビオチンのタンパク質に対するモル比4:1で25mMのビオチン原液をCD33タンパク質に添加し、穏やかに回転させながら室温で30分間インキュベートし、次いで、4℃に切り替えて更に2時間インキュベートした。1×DPBSへのバッファ交換によって、組み込まれていないビオチンを除去した。NanoDropを使用してA280nm及びA354nmで測定することによって、タンパク質濃度及びビオチンの組み込みを求めた。上記抗原のそれぞれの配列については表1を参照されたい。
【0222】
【表1】
【0223】
CD33発現同質遺伝子細胞株の生成
完全長のヒトCD33又はカニクイザルCD33とCD33陽性細胞を選択するためのピューロマイシンとを含有する、レンチウイルス(Genecopoeia;Rockville,MD)を使用して、ヒト及びカニクイザルのCD33発現細胞株を生成した。CD33について陰性であるHEK293F細胞(ATCC)に、レンチウイルス粒子を形質導入して、ヒトCD33及びカニクイザルCD33を過剰発現させた。形質導入後、プールされた細胞を処理することによって、CD33及び耐性マーカーを陽性発現している細胞を選択し、DMEM+10%HI FBS(Life Technologies;Carlsbad,CA)中で増殖させ、様々な濃度のピューロマイシン(Life Technologies)を補給した。
【0224】
HEK生成細胞株に加えて、いくつかの市販の細胞株を、結合及び細胞傷害アッセイに使用した。これらはMOLM13、KG1、SH2、OCIAML3、及びMV411を含んでおり、American Type Culture Collection又はDeutsche Sammlung von Mikrooranismen und Zellkulturenのいずれかから入手し、10% FBSを含む完全RPMI培養培地中、37℃、5%COで培養した。
【0225】
実施例1:免疫化キャンペーン
OmniRat
ヒト免疫グロブリントランスジェニックラット系統(OmniRat(登録商標);Ligand Pharmaceuticals;San Diego,CA)を使用して、ヒトCD33モノクローナル抗体発現ハイブリドーマ細胞を発生させた。OmniRat(登録商標)は、キメラヒト/ラットIgH座(ラットC座に連結された天然構成の22のヒトV、全てのヒトD及びJセグメントを含む)を完全なヒトIgL座(Jκ-Cκに連結された12のVκ及びJλ-Cλに連結された16のVλ)と共に含有する。(例えば、Osborn,et al.(2013)J Immunol 190(4):1481-1490を参照されたい)。したがって、このラットは、ラット免疫グロブリンの発現減少を示し、免疫化に応答して、導入されたヒト重鎖及び軽鎖の導入遺伝子がクラススイッチ及び体細胞変異を受けて、完全にヒトの可変領域を有する高親和性キメラヒト/ラットIgGモノクローナル抗体が生成される。OmniRat(登録商標)の調製及び使用、並びにこのようなラットが有するゲノム改変は、Bruggemannらの国際公開第2014/093908号に記載されている。
【0226】
組換えヒト及びカニクイザルCD33(それぞれ、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSA)で免疫化したとき、このトランスジェニックラットは、ヒトCD33に対するキメラヒト-ラットIgG抗体を産生し、そのうちのいくつかはカニクイザルCD33にも結合する。
【0227】
8匹のOmniRatを、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSAのどちらかで免疫化した。46日間の免疫化レジメン後、8匹のOmniRat全てからリンパ節を摘出し、ハイブリドーマを生成するために使用した。81枚の96ウェルプレートのハイブリドーマ上清を、標準的な技術を用いて結合ELISA及びAlphaLISAを介してスクリーニングし、そのうち128個のハイブリドーマ上清を、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSAへの特異的結合について選択した。128個の上清の大部分が、huCD33又はcyCD33を過剰発現している細胞への結合についても陽性であった。
【0228】
6匹の追加のOmniRatをrhuCD33のみで免疫化した。31日間の免疫化レジメン後、6匹のOmniRat全てからリンパ節を摘出し、ハイブリドーマを生成するために使用した。30枚の96ウェルプレートのハイブリドーマ上清を、標準的な技術を用いて結合ELISAを介してスクリーニングし、そのうち94個のハイブリドーマ上清を、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSAへの特異的結合について選択した。陽性クローンからハイブリドーマ溶解物を調製し、下記v領域クローニングに進めた。
【0229】
OmniMouse
ヒト免疫グロブリントランスジェニックマウス系統(OmniMouse(登録商標);Ligand Pharmaceuticals)を使用して、ヒトCD33モノクローナル抗体発現ハイブリドーマ細胞を発生させた。OmniMouse(登録商標)は、完全ヒトIgL遺伝子座と一緒にキメラヒト/ラットIgH遺伝子座を含有する。このマウスは、マウス免疫グロブリンの発現減少を示し、免疫化に応答して、導入されたヒト重鎖及び軽鎖の導入遺伝子がクラススイッチ及び体細胞変異を受けて、完全にヒトの可変領域を有する高親和性キメラヒト/ラットIgGモノクローナル抗体が生成される。
【0230】
組換えヒト及びカニクイザルCD33(それぞれ、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HAS)で免疫化したとき、このトランスジェニックマウスは、ヒトCD33に対するキメラヒト-ラットIgG抗体を産生し、そのうちのいくつかはカニクイザルCD33にも結合する。
【0231】
4匹のOmniMouseを、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSAのどちらかで免疫化した。53日間の免疫化レジメン後、4匹のOmniMouse全てから脾臓及びリンパ節を摘出し、ハイブリドーマを生成するために使用した。48枚の96ウェルプレートのハイブリドーマ上清を、結合ELISA及びAlphaLISAを介してスクリーニングし、そのうち8個のハイブリドーマ上清を、huCD33 ECD-HSA及びカニクイザルCD33 ECD-HSAへの特異的結合について選択した。陽性クローンからハイブリドーマ溶解物を調製し、下記v領域クローニングに進めた。
【0232】
V領域クローニング
ハイブリドーマ細胞溶解物からの全RNAを、製造元のプロトコルに従ってRNeasy 96キット(Qiagen;Hilden,Germany)を使用して精製し、得られたRNAをDrop Senseを使用して定量化し、-80℃で保存した、又はInvitrogen SuperScript III First-Strand Synthesis System for RT-PCR(Invitrogen;Carlsbad,CA)を使用してcDNAを合成した。それぞれ重鎖、κ鎖、及びλ鎖の定常領域にアニーリングされた遺伝子特異的プライマーを使用して、第1の鎖のcDNA合成を実施した。RT-PCR反応混合物は、最高3μgの精製RNA、遺伝子特異的プライマー、dNTPミックス、反応バッファ、25mM MgCl、DTT、RNaseOUT(商標)(40U/μL、Invitrogen)、及びSuperScript(商標)III RT(200U/μL、Invitrogenカタログ#18080-051)で構成されており、50℃で50分間及び85℃で5分間インキュベートされる。得られた一本鎖cDNAを-20℃で保存した、又は一本鎖DNAをPCR増幅させた。Platinum Pfxポリメラーゼ(Invitrogen)を使用してPCR反応を行った。最適化されたPCR条件を使用して、それぞれ、リーダー配列並びに重鎖、κ及びλ鎖の定常領域に、フォワード及びリバースプライマーをアニーリングさせることによって、v領域断片を増幅させた。得られたPCR断片をゲルに流し、予め設計しておいたプライマーを使用してGENEWIZで配列決定して、v領域配列を得た。得られたv領域配列の.abiファイルを収集し、Janssen Biologics Discoveryで作成されたSanger v領域配列解析プログラムによって分析した。回収されたv領域のAA配列を内部データベースに登録し、コドンを最適化し、所望のヒト抗体アイソタイプの適切な定常領域:IgG1 F405L及びIgG4 PAAを有するpUnderベースの発現ベクターにクローニングした。合計76個のOMNIRat抗体及び8個のOMNIMouse抗体のクローニングに成功し、更なる特性評価に進めた。以下の表は、OMNIRatキャンペーンで同定されたトップ42(表2を参照されたい)及びOMNIMouseキャンペーンで同定された16(表3を参照されたい)由来の配列をまとめたものであり、OMNIRat抗体のうちのいくつかをIgG1及びIgG 4 PAAにクローニングし、OMNIMouseキャンペーンからは全てをIgG1及びIgG 4 PAAの両方にクローニングした。
【0233】
【表2-1】
【0234】
【表2-2】
HC:重鎖、LC:軽鎖
【0235】
【表3】
HC:重鎖、LC:軽鎖
【0236】
Expi293小規模トランスフェクション及び精製
免疫化キャンペーン及びその後の(IgG1 F405L及びIgG4 PAAへの)v領域クローニングで同定された抗体を発現させ、小さな2mLスケールを介して精製した。Expi293(商標)細胞(ThermoFisher Scientific)を、Expi293(商標)発現培地に1.25×10~2.25×10生存細胞/mLの密度で播種し、37℃、7%COのシェーカーインキュベータ(INFORS HT Multitron Pro)においてポリカーボネート製、使い捨て、滅菌、排気、バッフルなしの三角振盪フラスコ内で培養した。125mL~2Lの振盪フラスコにおける通常の細胞増殖の場合、振盪直径19mmの振盪器については振盪速度を130rpmに設定した。生存率98~99%で、密度が3×10~5×10生存細胞/mLで対数増殖に達したときに、細胞を継代培養した。
【0237】
トランスフェクションの日に、生存細胞密度及び生存百分率を求めた。細胞を、3×10生存細胞/mLの密度でトランスフェクトした。最適なトランスフェクションのために、TEバッファ(10mM Tris-HCl、1mM EDTA、pH8.0)中0.1mg/mLの濃度の滅菌重鎖及び軽鎖プラスミドDNAを使用する。
【0238】
製造元のトランスフェクションプロトコル(ThermoFisher Publication Number MAN0007814)に従って、Expi293(商標)細胞をトランスフェクトした。24ウェルディープウェルプレート(GE Healthcare)においてトランスフェクションを行った。簡潔に述べると、プラスミドDNAを、以下の比で0.1mLのOptiMEM(商標)培地(ThermoFisher Scientific)で希釈した:0.250μgの重鎖DNA:0.750μgの軽鎖DNA:0.5μgのpAdvantage。5μLのExpiFectamine(商標)293トランスフェクション試薬を希釈し、95μLのOptiMEM(商標)培地と穏やかに混合し、1分間インキュベートした。希釈したExpiFectamine(商標)293試薬を希釈したDNAに添加し、穏やかに混合し、ExpiFectamine(商標)293/プラスミドDNA複合体を室温で40分間インキュベートした。インキュベーション後、37℃、7%COのシェーカーインキュベータにおいて一晩インキュベートした複合体に、1.8mLのExpi293(商標)細胞を添加した。
【0239】
トランスフェクション後1日目に、10μLのExpiFectamine(商標)293 Enhancer1及び100μLのExpifectamine 293(商標)Enhancer 2を添加し、プレートを更に5日間インキュベータに戻した。トランスフェクション後6日目に850×Gで15分間遠心分離することによって培養物を収集した後、精製した。
【0240】
上記で調製した1.7mLの清澄化した発現上清を、新たな2mL96ディープウェルプレートに移した。Select Sureレジン(GE Healthcare)及びDPBS-/-スラリーの1:4混合物800μLを、96ウェルAcroprep Advance 1μmガラスフィルタープレート(Pall)の全てのウェルにピペッティングすることによって、精製プレートを調製した。200mbarの減圧をプレートに適用して過剰なPBSを除去し、その後、800μLの新鮮PBSで洗浄した。200mbarの減圧を適用して、洗浄バッファを除去した。次いで、PBSで洗浄したレジンに清澄化した上清を移し、穏やかに混合し、15分間インキュベートした。インキュベーション後、200mbarの減圧を適用して上清を除去した。洗浄と洗浄との間に200mbarの真空圧力を適用しながら、mAb Select SureレジンをPBSで3回洗浄し、25mM酢酸ナトリウム、pH5(TEKNOVA;Hollister,CA)で1回洗浄して、過剰のバッファを除去した。0.1M酢酸ナトリウム、pH3.5を使用して、レジンに結合しているmAbを溶出し、有効に解離させるために10分間インキュベートした。フィルタープレートを96ディープウェルプレートの上に置き、1000gで2分間遠心分離することを介して、溶出したmAbをボトムプレートに回収した。80μLの2.5Mトリス酢酸塩、pH7.2を添加してmAbを中和した。mAbを、96ウェルDispoDIALYZERプレート(Harvard Apparatus;Holliston,MA)内のPBSにて一晩透析し、96ディープウェルプレートの上に配置された96ウェルAcroprep Advance 0.2μm Suporフィルタープレート(Pall;Port Washington,NY)に移し、デスクトップ遠心分離において1,500gで15分間遠心分離することを介して、タンパク質溶液を濾過した。DropSense Instrument(Trinean)を使用して、濾液に対するA280測定により、タンパク質濃度を求めた。
【0241】
実施例2:抗CD33 mAbの特性評価
免疫化を介して同定し、v領域クローニングし、続いて、発現及び精製したOMNIRat抗体を、CD33発現細胞への結合及び組換え抗原への結合について更に特性評価した。精製抗体を、ヒトCD33又はカニクイザルCD33(上記のとおり生成)を発現している安定的にトランスフェクトされたHEK293F細胞への結合について、陰性対照としての親HEK293Fと共に評価した。非酵素的解離バッファ(Thermo Scientific)を使用して、細胞を組織培養フラスコから収集した。フラスコをPBSで2回すすぎ、解離バッファをフラスコに添加し、細胞が非接着性になるまでフラスコを37℃で10分間インキュベートした。細胞を300gで5分間遠心分離し、染色バッファ(Becton Dickinson;Franklin Lakes,NJ)に1.0×10細胞/mLで再懸濁させた。50,000細胞/ウェルの各細胞型を、丸底プレート(Becton Dickinson)における染色バッファ50μLにプレーティングした。2×濃度の試験mAb又はアイソタイプ対照50μLを3つの希釈濃度及びゼロ(120nM、12nM、及び1.2nM、並びに0nM)で添加し、得られた溶液を4℃で30分インキュベートした。各プレートの全てのウェルに100μLの染色バッファを添加し、プレートを300gで5分間回転させ、バッファを除去し、各プレートの全てのウェルに200μLの染色バッファを添加し、プレートを300gで5分間回転させ、バッファを除去した。50μLの2μg/mLヤギ抗ヒトFc AF647二次抗体(Jackson Immunoresearch;West Grove,PA)をプレートの全てのウェルに添加し、プレートを4℃で30分間インキュベートした。プレートの全てのウェルに100μLの染色バッファを添加し、プレートを300gで5分間回転させ、バッファを除去した。200μLのランニングバッファ(ランニングバッファは、染色バッファ、1mM EDTA、0.1%プルロニック酸である)をプレートの全てのウェルに添加し、プレートを300gで5分間回転させ、バッファを除去した。Sytox Green live/dead色素(ThermoFisher)を含有するランニングバッファ30μLを細胞と共に全てのウェルに添加し、プレートをiQue IntelliCytフローサイトメータで読み取った。細胞を前方対側方散乱でゲーティングして細胞片を除去し、次いでシングレット、次いで、Sytox染色を除外した生細胞でゲーティングした。AF647チャネルにおける平均蛍光強度によって抗体結合を評価した。
【0242】
精製mAbの生物物理的結合特性の評価を開始するために、オフレートスクリーニングを実施した。76個のOMNIRat抗CD33mAbを、組換えヒトCD33 ECD-HSA(C33W2)及びカニクイザルCD33 ECD-HSA(C33W1)タンパク質(Janssen production)への結合について試験し、IBIS MX96 SPRiアレイプラットフォーム(Carterra;Newton,PA)によってオフレートを測定した。IBIS機器において10分間の会合時間でCMD50mセンサチップ(Xantec、ロットCMD50m0415.a)を使用し、酢酸バッファpH4.5中100μg/mLのアミンカップリングを介して、ヤギ抗ヒトFc IgG(Jackson Immunoresearch、カタログ番号109-005-098)を直接固定した。約9000Rusの平均GAH-Fc固定化レベルが達成された。センサチップをContinuous Flow Microspotter(CFM)ユニットに移して、10分間10μg/mLで各抗CD33mAbを捕捉した。再生なしの単一サイクル速度論により、結合をIBIS SPRiで測定した。各抗原濃度系列(3倍希釈系列で3μM)を低濃度(0.46nM)から高濃度(3μM)まで逐次注入して、ランニングバッファとしてPBST(0.005%Tweenを含むPBS)を使用して、5分間の会合時間及び15分間の解離時間で、捕捉されたmAbに結合させた。生の結合データ(.trixファイルフォーマット)を参照し、SprintXソフトウェア(Wasatch、バージョン1.9.3.2)を使用して整列させた後、1:1結合速度論分析(Wasatch、バージョン2.0.0.33)のためにScrubberソフトウェア(バージョン2.0)にエクスポート(.ibmxファイルフォーマット)して、koff結果を抽出した。
【0243】
以下の表4は、ヒト及びカニクイザルCD33発現細胞株への結合、並びに組換え抗原に対する結合(抗原のうちの1つについて少なくとも>10e-3のオフレート)によって評価したときの、トップ32のクローンをまとめたものである。これらの32個のうち、4個を除いた全てが、ヒト又はカニクイザル発現細胞のいずれかへの認識可能な結合を示した。32個全てを、エピトープビニング及び全速度論分析を介した更なる特性評価に進めた。
【0244】
【表4】
【0245】
【表5】
【0246】
次いで、mAbのパネルを、完全親和性分析及びエピトープビニングのために更に特性評価した。抗CD33mAbの組換えヒトCD33 ECD-HSA(C33W2)及びカニクイザルCD33 ECD-HSA(C33W1)への結合を、ProteOn SPR(Bio-Rad)によって測定した。0.005%Tween-20を含有するPBS中流量30μL/分で、GLC Sensor Chip(Bio-Rad、カタログ番号176-5011)に垂直に配向された6つのリガンドチャネル全てにおける酢酸バッファpH5.0中30μg/mLでのアミンカップリングを介して、ヤギ抗ヒトFc IgG(Jackson Immunoresearch、カタログ番号109-005-098)を直接固定した。固定密度は、平均で約5000応答単位(RU)であり、異なるチャネル間のばらつきは5%未満であった。垂直リガンド配向で0.25又は0.5μg/mL(160~300RU)において抗ヒトFc IgG表面に異なるmAbを捕捉し、6番目のリガンドチャネルは、リガンドなし表面対照であった。5つの濃度の3倍希釈系列中0.3μM濃度のヒト及びカニクイザルCD33-HSAタンパク質をアナライトとして流して、捕捉されたmAbに水平配向で結合させた。また、捕捉されたmAbの解離及びベースラインでの安定性をモニタリングするために、6番目のチャネルにバッファサンプルを注入した。ヒト及びカニクイザルCD33-HSAの全ての濃度の解離相を、C33B782への結合については15分間、C33B912(hIgG4を有するC33B904と同一)への結合については60分間、流量100μL/分でモニタリングした後、0.85%リン酸の18秒間パルスを使用して再生して、抗原及び結合したmAbを除去した。以下から応答データを減じた後に二重参照することによって生データを処理した:1)Agと空のチップ表面との間で非特異的相互作用を補正するためのインタースポット;2)経時的な捕捉されたmAb表面の解離に起因するベースラインの揺れを補正するためのバッファチャネル。各mAbについて全抗原濃度において処理したデータを1:1の単純なラングミュア結合モデルに全体的に適合させて、速度論的定数(kon、koff)及び親和性(KD)定数の推定値を抽出した。
【0247】
mAbのパネルが全て1つの別個のエピトープに結合するか、又は広いエピトープをカバーするかを判定するために、エピトープビニング実験を行った。CMD-200Mセンサプリズムチップを使用して、IBIS SPRi機器(Carterra)において、CD33mAbの競合的エピトープビニングを行った。別々のContinuous Flow Microspotter(CFM)を使用して、酢酸バッファ(pH4.5)中10μg/mLで、チップにおけるアミンカップリングを介して各抗CD33抗体を直接固定した。次いで、プリントされたセンサチップを、Classical又は「Sandwich」ビニングフォーマットを使用してビニング分析のためにIBIS機器に移した。50nMのヒトCD33 ECD-HSA(C33W2)を逐次注入し、続いて、133nMの溶液で競合アナライトとして抗CD33 mAbを1回注入して、抗原及び抗体の各逐次注入サイクル後に表面再生を伴って固定された抗CD33mAに結合させることによって、ビニングを行った。
【0248】
再生前及び再生後の固定されたmAbの活性をモニタリングするために、実験の開始時及び終了時に、いずれの競合mAbも含まないバッファ注入を行って、抗原のみの結合活性を測定した。バッファ(抗原のみ)結合に対する競合mAb結合の応答は、溶液中の抗体が固定されたmAbへの抗原結合をブロック又はサンドイッチするかどうかの指標である。生のビニングデータ(.trixファイルフォーマット)を参照し、SprintXソフトウェア(Wasatch、バージョン1.9.3.2)を使用してゼロにした後、分析のためにビニングソフトウェアHtTools.exe(Wasatch、バージョン2.0.0.33)にエクスポート(.ibmxファイルフォーマット)した。20RU未満の抗原応答を有する抗体及び自己ブロックしなかった抗体を除去することにより、データを精選した。競合mAb応答を、抗原のみの結合応答に対して正規化した。正規化された応答が<0.25である抗体はブロッカーを意味し、正規化された応答が≧0.25である抗体は、非ブロッカー/サンドイッチャーを意味した。組み合わされたデンドログラムプロットにおいて高さ2.5におけるカットを使用して、異なるビンを予測した。
【0249】
以下の表は、32個の選択mAbの全速度論分析及びエピトープビニングをまとめたものである。ヒト及びカニクイザルCD33の両方に対してナノモル濃度以下の親和性を有する抗CD33mAbは合計8個存在し、これらのmAbは3つの別個のエピトープビンに対応し、一方、より大きなパネルは、様々な親和性及び7個の別個のエピトープビンを有する。
【0250】
【表6】
【0251】
【表7】
【0252】
OmniMouseパネル(合計8個のmAb)を別々に生成し、細胞への結合について更に特性評価した。細胞結合を上記のように行い、以下の表にまとめた。試験した8個のmAbのうち、6個はCD33発現細胞に直接結合したが、2個はしなかった。
【0253】
【表8】
【0254】
【表9】
【0255】
細胞上でCD33に結合している6つのmAbを、上記の方法を使用して、組換え抗原に対する全速度論分析を介して生物物理学的に更に特性評価し、以下の表にまとめた。試験した6つのmAbのうち、1つは、ピコモル濃度の親和性でヒトCD33に(C33B912)、そして、カニクイザルCD33に対してはナノモル濃度以下で結合し、一方、1つは、ヒトCD33に対しては非常に強い親和性を有していたが、カニクイザルCD33(C33B911)に対してはナノモル濃度の親和性しか有していなかった。更なる2つのクローンは、ヒト及びカニクイザルCD33(C33B913及びC33B916)の両方に対してナノモル濃度以下であったが、いずれも親和性はC33B912の範囲ではなかった。
【0256】
【表10】
【0257】
先のOMNIRatキャンペーンで既に同定されたいくつかの対照mAに加えて、OMNIMouse由来の6つの細胞結合mAbについてもエピトープビニング実験を実施した。ヒトCD33に対するそのナノモル濃度以下の親和性及び異なるエピトープビンの数に基づいて、対照mAbを選択した。ビニングソフトウェアHtToolsは、実験毎にエピトープビン数を割り当てるので、既に定義されたエピトープビンに対するいくつかの対照を有することが、交差比較のために重要であった。2つのOMNIMouse由来のヒトCD33高親和性クローン(C33B911及びC33B912)は両方とも、上記のビン4(この実験におけるビン4)からのクローンにビニングしたが、ナノモル濃度以下のクローン(C33B916)は、C33B836(上記実験におけるビン1)と共にこの実験における2にビニングした。
【0258】
【表11】
【0259】
CD33は、2つのIgGドメイン、膜遠位Vドメイン、及び膜近位C2ドメインで構成される。SNPrs12459419は、CD33プレmRNA転写物の選択的オルタナティブスプライシングを引き起こして、C2のみの形態を細胞上で発現させ得るので、このドメインを標的とすることにより、臨床的有益性を与えることができる。2つのドメインのうちのいずれにmAbが結合可能であったかを確認するために、結合抗原としてヒトCD33 ECD-HSA、ヒトCD33 V-HSA、及びヒトCD33 C2-HSAを使用して、4つの異なるエピトープビンをカバーする、最高結合能力を有する6つのmAbに対して上記プロトコルに従ってオフレートスクリーニングを行った。以下の表に示すように、ビン4に予め分類された2つのクローンは、両方ともhuCD33 C2ドメインに結合したが、huCD33 Vドメインには結合せず、一方、ビン2及び3のクローンは、Vドメインには結合したが、C2ドメインには結合しなかった。ビン5に分類された2つのクローンは、いずれのドメインにも結合しなかったため、その正確な結合位置は、2つのドメインにまたがっている可能性がある。3つの市販のmAbをこの実験に含めたところ(WM53(EMD Millipore;Darmstadt,Germany)、P67.7(Biolegend,San Diego,CA)、及びLSBioクローン906(LifeSpan Biosciences,Seattle,WA))、全てVドメインへの結合は示したが、C2ドメインへの結合は示さなかった。表9のC2ドメイン結合データに関連して表5及び8のエピトープビンを見ると、ヒト完全長タンパク質に対して約25nMから約30pMまでの親和性の範囲でC2ドメインに潜在的に結合し得るmAbが合計15個存在する。
【0260】
【表12】
【0261】
更にインビボ及びインビトロ研究を裏付けるために、スケールアップ及びfabアーム交換のために選択クローン(C33B836、C33B782、C33B778、C33B904、C33B806、C33B830、C33B937、C33B792、C33B760、及びC33B777)を選択して、抗CD3抗体を有する二重特異性DuoBody分子を生成した。ExpiCHO-S(商標)細胞(ThermoFisher Scientific)を、1.25×10~2.25×10生存細胞/mLでExpiCHO(商標)発現培地に播種し、37℃、7%COのシェーカーインキュベータ(INFORS HT Multitron Pro)においてポリカーボネート製、使い捨て、滅菌、排気、バッフルなし三角振盪フラスコ内で培養した。125mL~2Lの振盪フラスコにおける通常の細胞増殖の場合、振盪直径19mmの振盪器については振盪速度を130rpmに設定した。生存率98~99%で、密度が4×10~6×10生存細胞/mLで対数増殖に達したときに、細胞を継代培養した。
【0262】
トランスフェクションの2日前に、必要とされる培養体積に対して1.5×10生存細胞/mLでExpiCHO-S(商標)細胞を播種した。トランスフェクションの日に、生存細胞密度及び生存率を求めた。細胞を、6×10生存細胞/mLの密度でトランスフェクトした。最適なトランスフェクションのために、TEバッファ(10mM Tris-HCl、1mM EDTA、pH8.0)中≧1mg/mL濃度の滅菌重鎖及び軽鎖プラスミドDNAを使用した。
【0263】
製造元のMax Titerトランスフェクションプロトコル(ThermoFisher Publication Number MAN0014337)に従って、ExpiCHO-S(商標)細胞をトランスフェクトした。以下に示す全ての量及び体積は、最終的なトランスフェクトされた培養体積1mL当たりであった。簡潔に述べると、プラスミドDNAを、以下の比で0.04mLの冷OptiPRO(商標)培地(ThermoFisher Scientific)で希釈した:0.125μgの重鎖DNA:0.375μgの軽鎖DNA:0.5μgのpAdvantage。6.4μLのExpiFectamine(商標)CHOトランスフェクション試薬を希釈し、0.04mLの冷OptiPRO(商標)培地と穏やかに混合し、1分間インキュベートした。希釈したExpiFectamine(商標)CHO試薬を希釈したDNAに添加し、穏やかに混合し、ExpiFectamine(商標)CHO/プラスミドDNA複合体を室温で5分間インキュベートした。インキュベーション後、複合体をシェーカーフラスコ内のExpiCHO-S(商標)細胞に添加し、37℃、7%COのシェーカーインキュベータ内で一晩インキュベートした。
【0264】
Max Titerプロトコルのために、トランスフェクション後1日目に、6μLのExpiFectamine(商標)CHO Enhancer及び160μLのExpiCHOTM Feedを添加し、フラスコを32℃、7%COのシェーカーインキュベータに移した。トランスフェクション後5日目に、160μLのExpiCHO(商標)Feedを2回目でフラスコに添加し、振盪しながら32℃のインキュベータに戻した。トランスフェクション後12日目に培養物を収集し、5000rpmで15分間遠心分離し、0.2μm Acropak 1500フィルターカプセル(Pall)を通して清澄化した。
【0265】
mAbSelect Sure Resin(GE Healthcare)を使用して、発現した抗体を清澄化した上清から精製した。MabSelect SuRe Protein Aカラムを、1×D-PBS、pH7.2で平衡化した後、個々の培養上清をロードした。未結合タンパク質を、1×D-PBS、pH7.2で広範囲にわたって洗浄することによって除去した。結合タンパク質を0.1Mの酢酸ナトリウム、pH3.5で溶出した。ピーク画分を2.5M Tris(pH7.2)で中和し、プールした。中和された画分プールを、アッセイ及び生物物理的特性評価のために1×dPBSに透析した、又は二重特異性DuoBodyアセンブリに利用した。
【0266】
各溶出プールのタンパク質濃度をOD280nmでの吸光度を測定することによって求め、アミノ酸配列に基づいて吸光度、吸光係数を用いて計算した。
【0267】
実施例3:精製された親mAbを使用したFabアーム交換
CD33×CD3二重特異性抗体の形成は、2つの親mAb、ターゲティングアームに特異的なもの(例えば、CD33)、及びエフェクターアームに特異的なもの(例えばCD3)を必要とする。CD33mAbを、高親和性(CD3B219)又は低親和性CD3アーム(CD3B376)アームで組換えた。これらの親mAbは、ターゲティング親(CD33)がK409R変異(IgG4のネイティブアミノ酸)を含有し、一方、殺傷親(CD3)はF405L変異及びR409Kを含有する、IgG4 PAAフォーマット(Labrijn et al,2013)である。単一特異性抗CD3抗体を、そのFc領域にFc置換S228P、F234A、L235A、F405L及びR409K(CD3アーム)(EUインデックスに従って付番)を有するIgG4として発現させた。単一特異性抗体を、上記のように発現させ、精製した。精製後、親CD33抗体を、75mMシステアミン-HCl中の還元条件下で所望の親CD3抗体と混合し、31℃で5時間インキュベートした。組換え反応は、モル濃度比に基づいており、設定量のCD33抗体(例えば、10mg又は約74.6ナノモル)をCD3抗体(例えば、約67.8ナノモル)と組み合わせ、CD33抗体をCD3抗体の6%過剰量で添加した。CD33抗体原液の濃度は、0.8~6mg/mLで変化し、組換え反応の体積は、各対形成で変化した。その後、組換え反応物をPBSに対して一晩透析して、還元剤を除去した。組換え後に残存する未反応のCD3親抗体の量を最小化するために、過剰なCD33抗体(比)を用いてCD33×CD3二重特異性抗体反応を行った。
【0268】
組換え反応で使用した親mAb(すなわち、CD33、CD3、又はヌル)と共に、生成された最終CD33×CD3二重特異性抗体を表10に列挙する。
【0269】
選択されたCD33ヒットは、非殺傷アーム(ヌル)と対形成して、試験目的のための陰性対照が生じた。対照二重特異性抗体B2M1については、IgG4 PAAフォーマットにおけるRSV抗体を生成し、精製し、それぞれ、CD3アーム、CD3B219及びCD3B376-F405L、R409Kのいずれかと組み合わせてCD3B288(CD3×ヌル)及びCD3B510(CD3B376×ヌル)を生成したか、又はCD33アーム、C33B836、C33B806、C33B782、C33B792、C33B760、C33B830、C33B799、C33B778、C33B777と組み合わせて、C33B941、C33B943、C33B946、C33B945、C33B949、C33B942、C33B944、C33B947、C33B948を生成した(CD33×ヌル)。
【0270】
【表13-1】
【0271】
【表13-2】
Pep:ペプチド;Nuc:ヌクレオチド;SEQ ID:配列番号
【0272】
実施例4:CD33×CD3二重特異性抗体を用いたインビトロT細胞媒介性細胞傷害アッセイ
インビトロでT細胞媒介性細胞傷害アッセイを実施して、CD3アーム(CD3B219)と対形成したCD33ヒットが、AML細胞株OCI-AML5を発現しているCD33の殺傷を媒介するかどうかを評価した。簡潔に述べると、エフェクター細胞(Biological Specialityから購入した汎T細胞)を収集し、カウントし、洗浄し、10%FBS(Invitrogen)を含むRPMI(Invitrogen)細胞培地中1×10細胞/mLになるように再懸濁させた。標的細胞(MOLM13)をCFSE(Invitrogen)で標識し、10%FBSを含むRPMI中2×10細胞/mLになるように再懸濁させた。エフェクター細胞及びCFSE標識標的細胞を、滅菌96ウェル丸底プレートにおいてE:T=5:1で混合した。10μLのFcブロック(ReoPro Fc断片)を、5μLの二重特異性抗体のアリコートと共に、様々な濃度を含有する各ウェルに添加した。培養物を、5%CO下、37℃で48時間インキュベートした。48時間後、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR Dead Cell Stainバッファ(Life technologies)をサンプルに添加し、培養物をRTで暗所において20分間インキュベートし、洗浄し、100~200μL FACsバッファに再懸濁させた。CANTO IIフローサイトメータ(BD Biosciences;Franklin Lakes,NJ)を使用して薬物誘発性細胞傷害を判定し、FlowJoソフトウェア又はDiveソフトウェア(BD Biosciences)で分析した。対象となる集団は、二重陽性CFSE+/live/dead+細胞である。図1に示されるように、CD33×CD3多重特異性抗体の全てが、48時間でCD33MOLM-13細胞のT細胞リダイレクトによる細胞傷害を誘導した。表11は、CD33×CD3多重特異性抗体で得られたEC50値をまとめたものである。トップ4の抗体、C3CB10、C3CB12、C3CB7、及びC3CB88を、更なる特性評価に進めた。
【0273】
【表14】
【0274】
実施例5:AML一次サンプルにおけるAML芽球及びT細胞の活性化の、エクスビボにおけるCD33×CD3によって媒介される減少
CD33×CD3二重特異性抗体の細胞傷害能を更に評価するために、トップ4の抗体を使用して、AML患者全血を使用するエクスビボ細胞傷害アッセイを行った(図2)。このアッセイは患者の血液中の自家T細胞の存在に依存するので、このアッセイでは、追加のT細胞を供給することなく48時間にわたってAML患者由来の希釈された全血に様々な二重特異性抗体(CD3アームCD3B219及びCD3B376のいずれかと対形成したCD33抗体)を添加した。48時間目に、サンプルをCD3 PerCPCy5.5、CD25 PE、CD33 FITC、及びCD38 APCで染色した(全ての抗体はBiolegend;San Diego,CAから購入した)。次いで、サンプルを1×Lyse RBC Lysis Buffer(eBioscience)で少なくとも3回洗浄した。次いで、サンプルを、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR Dead Cell Stainバッファ(Life Technologies)で染色した。まず、二重特異性抗体の存在下で、AML患者癌細胞の画分(CD3CD38細胞として定義)中の生CD33細胞を定量することによって、腫瘍細胞傷害の程度を求めた。以下の等式を使用して、PBS/未処理対照に対するパーセントとして細胞傷害を計算した:(PBS/未処理対照中のCD33%-処理サンプル中のCD33%)/(PBS/未処理対照中のCD33%)。CD3画分中のCD25事象のパーセントとしてT細胞活性化を計算した。
【0275】
図2に示すように、CD3アーム(CD3B376及びCD3B219)のいずれかと対形成した全てのCD33リード抗体は、48時間後、T細胞の活性化と相関する総細胞傷害の用量依存的な減少を促進した。ヌルアーム対照抗体(ヌル×CD3B219及びヌル×CD3B376)は、腫瘍細胞傷害もT細胞活性化も示さなかった。この結果も、CD33×CD3二重特異性抗体が自家状況において機能することを証明する。これらの結果は、4つの他のAMLドナーサンプルの代表的なものである(データは示さない)。表12は、CD33×CD3多重特異性抗体で得られたEC50値をまとめたものである。EC50値から分かるように、C3アーム(C3CB88、C3CB189)のいずれかと対形成したC33B904、並びにCD3アーム(C3CB7、C3CB97)のいずれかと対形成したC33B836が、最も強力かつ有効な抗体であった。したがって、更なる特性評価ではこれらの4つの抗体に焦点をあてた。
【0276】
【表15】
【0277】
実施例6:CD33×CD3二重特異性抗体がCD33のC2ドメインに結合し、CD33一塩基多型(SNP)発現細胞株の細胞傷害を誘導することの証明。
CD33×CD3二重特異性抗体を用いたインビトロT細胞媒介性細胞傷害アッセイ
最近の研究によって、AML集団の約50%に一塩基多型型(SNP)rs12459419が存在し、CD33のエキソン2がスキップされ、その結果、CD33のVドメインが欠失することが示された。この研究はまた、CD33のVドメインに結合するMylotargがSNPを発現する患者において有効性を有していなかったので、再発リスクが低下し、AML集団の約50%において生存率が改善されたことも示した(Lamba et al 2017,JCO,CD33 Splicing Polymorphism Determines Gemtuzumab Ozogamicin Response in De Novo Acute Myeloid Leukemia:Report From Randomized Phase III Children’s Oncology Group Trial AAML0531)。上述の研究におけるMylotargに関するデータに鑑みて、インビトロT細胞媒介性細胞傷害アッセイを行って、CD3アーム(CD3B219又はCD3B376)と対形成したCD33ヒット(V結合C33B836対C2結合C33B904)が、SNPrs12459419発現細胞株の殺傷を媒介するかどうかを評価した。簡潔に述べると、エフェクター細胞(Biological Specialityから購入した汎T細胞)を収集し、カウントし、洗浄し、10%FBS(Invitrogen)を含むRPMI(Invitrogen)細胞培地中1×10細胞/mLになるように再懸濁させた。標的細胞(KG1、SH2、及びOCIAML3)をCFSE(Invitrogen)で標識し、10%FBSを含むRPMI中2×10細胞/mLになるように再懸濁させた。KG1、SH2及びOCIAML3は、それぞれ、CD33 SNPrs12459419変異の野生型、ヘテロ接合型、及びホモ接合型を表すように選択した。エフェクター細胞及びCFSE標識標的細胞を、滅菌96ウェル丸底プレートにおいてエフェクター:標的比(E:T)=5:1で混合した。10μLのFcブロック(ReoPro Fc断片)を、5μLの二重特異性抗体のアリコートと共に、様々な濃度を含有する各ウェルに添加した。培養物を、5%CO下、37℃で48時間インキュベートした。48時間後、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR Dead Cell Stainバッファ(Life technologies)をサンプルに添加し、培養物を、RTで暗所において20分間インキュベートし、洗浄し、100~200μL FACバッファに再懸濁させた。CANTOIIフローサイトメータ(BD Biosciences)を使用して、薬剤誘導細胞傷害を決定し、FlowJoソフトウェア又はDiveソフトウェア(BD Biosciences)により分析した。対象となる集団は、二重陽性CFSE+/live/dead+細胞である。図3に示すように、ヌルアーム対照(ヌル×CD3B219及びヌル×CD3B376)とは異なり、V結合及びC2結合CD33×CD3多重特異性抗体は、48時間でSNPrs12459419変異細胞株KG1についてCD33+野生型のT細胞リダイレクトによる細胞傷害を誘導した。対照的に、VバインダーC33B836(C3CB97、C3CB7)とは異なり、C2結合C33B904と対形成した二重特異性抗体(C3CB189、C3CB88)のみが、それぞれrs12459419 SNP変異についてヘテロ接合型又はホモ接合性であったSH2及びOCIAML3細胞株の細胞傷害を媒介した。この理由から、C33B904と対形成した二重特異性抗体(C3CB189、C3CB88)を、更なる分析及び特性評価に進めた。まとめると、これらのデータは、C33B904と対形成した二重特異性抗体などのCD33 C2結合二重特異性抗体が、V結合競合因子抗CD33抗体よりも広範なAML患者群において有効性を示す能力を有することを示唆している。
【0278】
実施例7:エクスビボでCD33×CD3は、エクスビボ全血MOLM-13細胞傷害アッセイにおいてMOLM-13及び単球におけるスパイクの減少を媒介した。
MOLM-13細胞及び正常ヒト単球におけるスパイクの排除におけるCD33×CD3の細胞傷害能を評価するために、外添されたCD33AML細胞株MOLM-13と共に正常健常ヒト全血を使用するエクスビボ細胞傷害アッセイを利用した。このアッセイはドナーの血液中の自家T細胞の存在に依存するので、上記実験と同様に、追加のT細胞を供給することなく48時間にわたって6者の異なる正常ヒトドナー由来の希釈された全血に様々な二重特異性抗体(CD3アームCD3B219及びCD3B376のいずれかと対形成したCD33抗体)を添加した。希釈前に、各ドナーの血液中のT細胞の濃度を調べた。次いで、AML患者サンプルにおけるエフェクター:標的比を再現するためにエフェクター:標的比(E:T)が1:5になるように、血液をCFSE(Invitrogen)標識MOLM-13細胞で希釈した。48時間目に、サンプルをCD3 PerCPCy5.5、CD25 PE、CD33 FITC、及びCD14 Pacific Blueで染色した(全ての抗体はBiolegendから購入した)。次いで、サンプルを1×Lyse RBC Lysis Buffer(eBioscience)で少なくとも3回洗浄した。次いで、サンプルを、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR Dead Cell Stainバッファ(Life Technologies)で染色した。まず、二重特異性抗体の存在下で、CD14単球の画分中の生CD33細胞を定量することによって、腫瘍細胞傷害の程度を求めた。死CFSE細胞のパーセントを数えることにより、MOLM-13細胞の細胞傷害を判定した。以下の等式を使用して、PBS/未処理対照に対するパーセントとして単球の細胞傷害を計算した:(PBS/未処理対照中のCD33CD14%-処理サンプル中のCD33CD14%)/(PBS/未処理対照中のCD33CD14%)。図4のデータは、両方のCD33×CD3二重特異性抗体(CD3アーム、CD3B376及びCD3B219のいずれかと対形成した同じCD33リードC33B904)が、48時間でMOLM-13細胞及びCD33単球の細胞傷害を特異的に誘導することを示す。ヌルアーム対照を、陰性二重特異性抗体対照として使用した。ヌルアーム対照は、MOLM-13及びCD33単球の細胞傷害活性をほとんど乃至全く示さなかった。これらのデータは、6者の異なる正常ドナーの平均値を示す。MOLM-13及びCD14単球の細胞傷害についての平均EC50値を表13に示す。
【0279】
【表16】
【0280】
実施例8:カニクイザルに対するCD33×CD3二重特異性抗体の種交差反応性の証明
エクスビボにおいて、CD33×CD3は、カニクイザル全血を用いたエクスビボ細胞傷害アッセイにおいて単球の減少を媒介した。
機能的交差反応性を証明し、正常カニクイザル単球の排除におけるCD33×CD3二重特異性抗体の細胞傷害能を評価するために、健常カニクイザル全血を使用したエクスビボ細胞傷害アッセイを利用した。このアッセイはドナーの血液中の自家T細胞の存在に依存するので、上記実験と同様に、追加のT細胞を供給することなく48時間にわたって6者の異なる正常カニクイザルドナー由来の希釈された全血に様々な二重特異性抗体(CD3アームCD3B219及びCD3B376のいずれかと対形成したCD33抗体)を添加した。48時間目に、サンプルをCD3 PerCPCy5.5、CD25 PE、CD33 FITC、及びCD14 Pacific Blueで染色した(全ての抗体は、Miltenyi;Bergisch Gladbach,Germanyから購入したCD33抗体を除いてBiolegendから購入した)。次いで、1×Lyse RBC Lysis Buffer(eBioscience)でサンプルを少なくとも3回洗浄した後、LIVE/DEAD(登録商標)Fixable Near-IR Dead Cell Stainバッファ(Life Technologies)で染色した。まず、二重特異性抗体の存在下で、CD14単球の画分中の生CD33細胞を定量することによって、単球細胞傷害の程度を求めた。以下の等式を使用して、PBS/未処理対照に対するパーセントとして細胞傷害を計算した:(PBS/未処理対照中のCD33CD14%-処理サンプル中のCD33CD14%)/(PBS/未処理対照中のCD33CD14%)。CD3画分中のCD25事象のパーセントとしてT細胞活性化を計算した。図5のデータは、両方のCD33×CD3二重特異性抗体(CD3アーム、CD3B376及びCD3B219のいずれかと対形成した同じCD33リードC33B904)が、48時間でCD33単球の細胞傷害及びT細胞活性化を特異的に誘導したことを示す。ヌルアーム対照を、陰性二重特異性抗体対照として使用したところ、ほとんど乃至全く細胞傷害もT細胞活性も示さなかった。表14は、6者の異なるカニクイザルドナーの平均値を示す。
【0281】
【表17】
【0282】
実施例9:T細胞ヒト化NSGマウスにおけるMOLM-13ヒトAML異種移植片におけるC3CB189及びC3CB88の有効性
2000万個のT細胞でヒト化された雌NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウスにおける、樹立されたルシフェラーゼでトランスフェクトされた播種性MOLM-13ヒト急性骨髄性白血病(AML)異種移植片において、C3CB189及びC3CB88の有効性を評価した。静脈内腫瘍移植後5日目にライブバイオルミネッセンスイメージング(BLI)によって、動物をn=10/群に無作為化した。0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189及びC3CB88、又は0.5mg/kgのヌル×CD3抗体対照を、6週間にわたって3~4日毎に腹腔内投与した。
【0283】
腫瘍移植後13日目に、1群あたり少なくとも8匹の動物が残存していた場合、バイオルミネッセンスによって決定したときの腫瘍成長阻害(%TGI)を計算した。ヌル×CD3対照と比較して、全ての濃度においてC3CB189(図6)及びC3CB88(図8)で統計的に有意な腫瘍成長阻害が観察された。ヌル×CD3処理対照と比較して、0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189は、それぞれ76%、100%、及び82%の腫瘍成長阻害を惹起し、0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB88は、それぞれ100%、100%、及び91%の腫瘍成長阻害を惹起した。
【0284】
C3CB189及びC3CB88による処理の結果、腫瘍量が低減し、ヌル×CD3対照群の16日中央値生存期間よりも長寿命(ILS)に延長された。C3CB189で処理した動物は、19~27.5日間の中央値生存期間を有しており(図7)、C3CB88で処理した動物は、全用量で26~28.5日間の中央値生存期間を有していた(図9)。対照群と比較して、0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189は、それぞれ19%、72%、及び50%寿命を延長させ、C3CB88は、それぞれ63%、78%及び72%の寿命を延長させた。
【0285】
実施例10:インビトロプロテインA薬物コンジュゲート細胞生存アッセイにおけるCD33抗体の内部移行の証明
予めロードしておいたプロテインA薬物コンジュゲート、A-MMAFを使用したインビトロ細胞生存アッセイを行って、リガンド結合標的抗体の内部移行を検出した。AML細胞株MOLM13において抗CD33抗体のパネル、C33B782、C33B806、C33B836、C33B904、C33B937、及びアイソタイプ対照抗体CNTO9412を用いて、この細胞ベースの機能アッセイを実施した。抗体の内部移行による細胞傷害と試験抗体自体の活性による細胞傷害とを区別するために、このアッセイでは標的抗体のみを対照として試験した。図10は、37℃、5%COで72時間インキュベートした後のMOLM13におけるプロテインA-MMAF結合抗体による細胞傷害を示す。MOLM13細胞における5つ全てのCD33抗体で濃度依存性細胞傷害が観察され、これは、この細胞株における5つの抗体全てが内部移行したことを示唆する。アイソタイプ対照抗体、CNTO9412は、有意な濃度依存性細胞傷害を示さず、これは、MOLM13細胞においてこれらのCD33抗体が標的特異的に内部移行することを示唆する。表15は、5つのCD33×CD3二重特異性抗体についてのEC50値を示す。
【0286】
結果はまた、抗体C33B836が他の細胞よりもMOLM13細胞においてより良く内部移行することを示した。
【0287】
【表18】
【0288】
実施例11:CD33抗体がADCC活性を媒介し得ることの証明
抗CD33mAbの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性を特性評価するために、健常ドナーNKエフェクター細胞及びMOLM-13及びMV4-11 AML標的細胞を利用してインビトロADCCアッセイを実施した。ADCCアッセイを開始する16~24時間前に、1×10-6Mヒドロコルチゾン(Stem Cell)、7.5ng/mL組換えヒトIL-2(R&D Systems;Minneapolis,MN)、1%ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies)、1%非必須アミノ酸(Life Technologies)、1%ペニシリンストレプトマイシン(Life Technologies)を補給したMyeloCult H5100増殖培地(Stem Cell Technologies;Vancouver,CA)に、健常ドナーNK細胞(Biological Specialty CorporationドナーCC00061及びM7015;Colmar,PA)をプレーティングした。アッセイの日、1×10細胞/mLのMOLM-13及びMV4-11細胞を、37℃で30分間10μMのカルセインAMで標識した。標識後、細胞を3回洗浄して過剰のカルセインAMを除去した。続いて、1×10個のカルセインAM標識MOLM-13又はMV4-11標的細胞を、様々な濃度の抗CD33抗体の存在下で、健常ドナーNK細胞(3×10個)と共に37℃で1.5時間インキュベートした。0.5%の最終濃度で、指定された対照サンプルウェルにTriton X100を添加することにより、最大溶解対照サンプルを生成した。SpectraMax(登録商標)M5マルチモードプレートリーダー(Molecular Devices,LLC;Sunnyvale,CA,USA)を用いて、485~535nmにおける蛍光によりカルセインAMの放出を測定した。以下の等式を使用して、データを最大(Triton X100媒介)及び最小(エフェクター細胞のみ)の溶解に対して正規化することによって、細胞溶解パーセントを求めた:溶解%=[(実験溶解-自発溶解)/(最大溶解-自発溶解)]×100。
【0289】
IgG1低フコース抗CD33抗体は、濃度依存的にADCCを誘導した(図11)。C33B48.CLFは、C33B912.CLFよりもMOLM-13及びMV4-11細胞に対してより強力なADCC活性を示し、12~23倍高い最大半量有効濃度値を有していた(EC50、表16)。C33B48.CLF及びC33B912.CLFに応答したMOLM-13及びMV4-11細胞の最大溶解は類似していた。
【0290】
【表19】
【0291】
実施例12:白血病性芽球によって大量に発現される抗原、CD33を標的とするC3CB189抗体の結合特性。
C3CB189は、T細胞におけるCD3受容体複合体及び骨髄細胞におけるCD33を標的とする完全ヒト免疫グロブリンG(IgG)4-PAA二重特異性抗体である。C3CB189は、0.89pMの親和性(K)でヒト組換え(r)CD33に、そして、363pMの親和性(K)でカニクイザル(cyno)rCD33に結合する。C3CB189はまた、それぞれ151.32及び43.83nMの親和性(K)でヒト及びカニクイザルrCD3eにも結合する。C3CB189は、CD33発現AML細胞株KG-1、MOLM-13、Kasumi-1、及びOCI-AML3に特異的に結合した(図12)。単一の抗CD33 Fabアームを含むので、予想どおり、陰性対照CD33×ヌル抗体と同様の結合パターンが見られた。陰性対照二重特異性抗体ヌル×CD3並びにヌル×ヌルは、これらの細胞に対して有意な結合を示さなかった。試験した二重特異性抗体はいずれも、CD33陰性細胞株、CARNAVAL、及びKG-1ΔCD33、すなわち、CRISPRを使用してCD33の遺伝子を欠失させたKG-1細胞に結合しなかった(図12)。更に、親HEK-293T細胞とは対照的に、C3CB189はカニクイザルCD33を発現しているHEK 293T細胞に結合し、これはカニクイザルとの交差反応性を証明するものである(図12)。
【0292】
実施例13:C3CB189はCD33AML細胞株を殺傷し、インビトロでT細胞を活性化する
次に、T細胞媒介性細胞傷害アッセイを用いて、MOLM-13、KG-1、SKNO-1、Kasumi-1、及びOCI-AML3などのCD33細胞株、並びにCARNAVAL及びKG1ΔCD33などのCD33無し/低細胞株を含む様々な細胞株において、インビトロにおけるC3CB189の活性を評価した。6者の健常ドナー由来の単離された汎ヒトCD3T細胞及び断片結晶性領域(Fc)ブロッカーを用いてアッセイを設定した。Fcによって媒介されるCD3CB189の動員を防止するためにFcブロッカーを添加し、これは、IgG4 Fc領域におけるPAA変異が、それを完全にはサイレンシングしないため(Vafa Et al.,2014)、及びFcガンマ受容体(FcγR)は、多くの場合AML細胞で発現するため(Ball Et al.,1989)である。
【0293】
図13に見られるように、C3CB189は、48時間後に精製T細胞と組み合わせたとき、CD33AML細胞株のT細胞媒介性細胞傷害を示した(図13)。MOLM-13、KG-1、Kasumi-1、及びOCI-AML3の中央値最大半量有効濃度(EC50)[並びにEC20値]は、それぞれ、0.1307[0.0283]、0.1677[0.0525]、0.05[0.0366]、及び0.1826[0.0844]nMであった(図2B)。CD33陰性細胞株CARNAVAL及びKG-1ΔCD33でも、対照二重特異性抗体(ヌル×CD3又はCD33×ヌル;図13を参照)でも細胞傷害は観察されなかった。本発明者らは、CD123×CD3二重特異性抗体を用いて細胞傷害アッセイを実施することによって、KG1ΔCD33細胞が実際にT細胞に標的とされ得ることを確認した(図14A)。
【0294】
CD33腫瘍細胞株の存在下でC3CB189により誘導されたT細胞活性化の程度についても、細胞傷害アッセイにおいてインビトロで評価し、CD25発現を活性化の指標として測定した。図2Cに示すように、CD33腫瘍細胞株及び健常ドナー汎T細胞と共にインキュベートしたとき、C3CB189はT細胞活性化を誘導したが、CD33CARNAVAL及びKG-1ΔCD33細胞では、T細胞活性化が最小限しか又は全く観察されなかった。MOLM-13、KG-1、Kasumi-1、及びOCI-AML3についての中央EC50[EC20]値は、それぞれ、0.0283[0.0077]、0.0664[0.0256]、0.0432[0.0267]、及び0.0500[0.0178]nMであった(図15C)。C3CB189は、標的細胞の非存在下でT細胞の活性化を引き起こさず、これは、T細胞活性化の特異性を証明する(図14B)。CD33×ヌル対照抗体は、いずれの細胞株においてもT細胞活性化を誘導しなかった。ヌル×CD3対照抗体は、CD33及びCD33細胞株の存在下において533及び53nMの最高濃度でT細胞活性化を誘導したが、いずれの他の用量でも活性化を媒介しなかった。重要なことに、C3CB189は、CD33細胞株の存在下でのみT細胞活性化の特異的誘導を示し、CD33細胞株の存在下(図15A)でも、T細胞を標的細胞の非存在下でインキュベートした場合(図14B)にも誘導しなかった。
【0295】
最後に、Kasumi-1細胞株を用いた上記インビトロT細胞リダイレクションアッセイにおいてサイトカイン応答についても評価した。C3CB189は、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターロイキン(IL)-2、及びIL-8(補助図3)を含むいくつかのサイトカインの分泌を引き起こした。これらのデータは、図13及び図15A図15Cに示す細胞傷害及びT細胞活性化データと一致している。サイトカイン応答についての中央EO50及び最大可能効果の20%を生じさせる濃度(EC20)値の要約を表17に報告する。
【0296】
【表20】
【0297】
実施例14:C3CB189は、インビボにおいて有効な抗腫瘍活性を示す。
T細胞ヒト化NSGマウスにおいて2つの樹立された異種移植片腫瘍モデルにおけるC3CB189の機能を評価した。樹立された皮下KG-1担癌マウスにおいて、0.1、0.5、及び1mg/kgのC3CB189による処理は、ヌル×CD3で処理された対照動物と比較して、それぞれ41%、92%、及び87%の腫瘍成長阻害を惹起した(0.5及び1mg/kgについてはp<0.0001、図16A)。0.5及び1mg/kgのC3CB189はまた、55日目にそれぞれ6及び7の完全奏功をもたらした。
【0298】
樹立された播種性ルシフェラーゼ発現MOLM-13モデル(MOLM-13-luc)では、静脈注射後にAML細胞の骨髄(BM)へのホーミングが確認された後に、C3CB189処理を開始した。3~4日毎に投与した0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189は、ヌル×CD3対照処理マウスと比較して、バイオルミネッセンスによって評価したとき、腫瘍成長を有意に阻害した(それぞれ76%、100%、及び82%)(図17)。0.005、0.05、及び0.5mg/kgのC3CB189は、バイオルミネッセンスによって観察したとき、BM、脊椎、及び後肢における腫瘍量の低減と相関して、それぞれ、19%、72%、及び50%の統計的に有意な寿命の延長をもたらした(p<0.0001、図16B)(図16C)。55日目の試験の終了時に、BLIによって評価したとき、0.05mg/kgのC3CB189で処理した3匹の動物は完全奏功を示した。
【0299】
更に、0.05mg/kg及びより低い程度の0.005mg/kgのC3CB189で処理したMOLM-13-luc担癌マウスは、11日目に、フローサイトメトリーによって測定したとき、骨髄において腫瘍細胞の減少及びCD3T細胞浸潤の増加を示し(図16D)、IHCによりCD8T細胞浸潤の増加を示した(図3E)。BMは、多くの場合、AMLにおける白血病幹細胞(LSC)及び微小残存病変の残留に対する耐性の部位であるため、これらのデータは関連している。まとめると、これらのデータは、C3CB189がT細胞ヒト化マウスにおける腫瘍部位にT細胞を動員することによって、2つのAML腫瘍モデルの腫瘍成長を阻害することを証明する。
【0300】
実施例15:C3CB189は、健常全血にスパイクされたAML細胞並びに一次患者サンプル由来のAML芽球の細胞傷害を媒介する。
CD33の細胞外ドメイン(ECD)は、細胞からシェディングされることが報告されており、したがって、正常及び患者サンプルは、可溶性CD33(sCD33)を含有し得る。AML患者の血漿中で検出された約4~30ng/mLのsCD33が存在することが研究によって示されている(Biedermann,B,Gil,D.,Bowen,D.T.,and Crocks,P.R.(2007).Leuk Res 31,211-220)。この値は、健常ヒト血清で測定された0.6~5.8ng/mLの濃度よりも高い(Biedermann,B,Gil,D.,Bowen,D.T.,and Crocks,P.R.(2007).Leuk Res 31,211-220)。
【0301】
正常及びAMLドナーにおける生理学的sCD33レベルを求めるために、免疫捕捉結合質量分析(MS)アッセイを開発した。正常及びAML血清サンプルの分析は、それぞれ、53.03ng/mL(1.91nM)及び52.90ng/mL(1.90nM)の同様の平均sCD33レベルを示した(表18)。
【0302】
【表21】
【0303】
より生理学的に関連する状況におけるC3CB189の活性を評価するために、本発明者らは、ヒト末梢全血をエフェクターT細胞源として使用してT細胞媒介性細胞傷害アッセイを行い、様々なCD33腫瘍細胞を標的として添加し、48時間インキュベートした。C3CB189は、CD33MOLM-13及びKasumi-1細胞のT細胞媒介性細胞傷害を誘導し、中央EC50[EC20]値は、それぞれ0.111[0.054]及び0.124[0.06]nMであった(図17)。同様に、C3CB189は、T細胞(CD25によって示されるように)、MOLM-13、及びKasumi-1細胞を活性化させ、中央EC50[EC20]値は、それぞれ0.037[0.017]及び0.085[0.039]nMであった(図18A及び図18B)。測定されたC3CB189媒介性T細胞活性化は、血液中の総T細胞活性化を表し、外因性CD33腫瘍細胞、並びに恐らく内因性CD33末梢白血球、例えば、このアッセイにおいて細胞傷害について測定されなかった好中球及び単球などの両方の殺傷に関連する活性化を反映している。加えて、これらのデータは、全血中にベースラインレベルのsCD33及び他のCD33白血球が存在するにもかかわらず、C3CB189が腫瘍細胞の殺傷を媒介することを示唆している。
【0304】
次に、AMLドナー由来の全血を使用したエクスビボ細胞傷害アッセイにおいて、より臨床的に関連する状況において細胞傷害を誘導するC3CB189の能力を評価した。この系は、患者自身の血液中の自家T細胞の存在に依存して、AML細胞を殺傷する。CD33細胞のT細胞媒介性細胞傷害及びT細胞活性化の程度を測定した。C3CB189は、6者の患者全員のサンプルにおいて、T細胞活性化の増大(図19B)とも相関するCD33芽球の濃度依存性細胞傷害を誘導した(図19A)。C3CB189により誘導された最大細胞傷害は、CD33芽球の約60%であった。ヌルアーム対照抗体は、制限された細胞傷害及びT細胞活性化を誘導した。C3CB189は、細胞傷害及びT細胞活性化を誘導し、その結果、それぞれ0.052~9.52nM(中央値:0.365nM)及び0.03~5.109nM(中央値:0.355nM)の範囲のEC50値が得られた(図19A及び図19B)。これらのデータは、C3CB189が、より生理学的なエクスビボ状況において、そして、ベースラインsCD33レベルの存在下で、CD33AML細胞の殺傷において有効であったことを示す。
【0305】
実施例16:C3CB189についてのカニクイザル交差反応性の評価
カニクイザル(cyno)がC3CB189の活性を評価するのに適切なモデルであるかどうかを評価するために、本発明者らは、まず、FACS分析によって、6者の健常カニクイザルから得られた白血球におけるCD33発現について調べた。カニクイザル末梢血中のT細胞及びB細胞は、低レベル乃至ゼロレベルのCD33発現を有することが見出された(図20)。カニクイザルの好中球の約75%~96%は、7,545分子/細胞の平均抗原密度でCD33を発現した(図20)。他方、CD33カニクイザル単球のパーセントは、6者のドナー間で0%~84%の範囲でばらついており、平均抗原密度は2,146分子/細胞であった(図20)。
【0306】
次に、カニクイザルの交差反応性を証明し、正常カニクイザルの単球及び好中球を排除する際のC3CB189の細胞傷害能を評価するために、本発明者らは、健常カニクイザル全血を使用してエクスビボ細胞傷害アッセイを実施し、外添したCD33MOLM-13細胞を利用した。この系では、CD33正常カニクイザル単球及び正常カニクイザル好中球の枯渇についても、T細胞の活性化と共にモニタリングした。実際、48時間エクスビボでインキュベートした後、C3CB189は、インビトロで、CD33正常カニクイザル単球(EC50:0.625~5.636nM)及び正常カニクイザル好中球(EC50:0.013~0.714nM)と共に、CD33MOLM-13細胞(EC50:0.013~0.452nM)の殺傷を媒介した(図21)。ヌル×CD3対照は、全てのCD33標的細胞の制限された細胞傷害を示し、533nMの最高用量でのみT細胞活性化を示した。まとめると、これらのデータは、C3CB189の機能性カニクイザル交差反応性を示し、CD33カニクイザルの単球及び好中球を非ヒト霊長類研究における潜在的な薬力学的(PD)マーカーとして確立する。これらのデータはまた、C3CB189がカニクイザルT細胞によるヒトAML細胞株の枯渇を媒介し得ることも示す。重要なことに、これらの結果から、カニクイザルがC3CB189についての適切な有効性モデルであることが確認される。
【0307】
実施例17:C3CB189はカニクイザルにおけるCD33+白血球の減少を媒介する。
インビボにおけるC3CB189の薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を評価するために、C3CB189を単回IV投与としてカニクイザルに投与した。PKプロファイルを図22Aに示す。C3CB189は、0.05~1mg/kgの用量範囲にわたって、ほぼ線形のPKを有する典型的なモノクローナル抗体(mAb)のPK特性を示した。C3CB189の推定平均総クリアランスは、13.03~21.39mL/日/kgであり、分布の体積は、89.14~154.91mL/kgであり、終末半減期は、4.20~5.06日間であった。1mg/kg用量群の動物では10日目の後にC3CB189の明らかに加速された排出が観察された。これは、恐らく抗薬物抗体(ADA)の発生に関連しているが、ADAはこの研究では試験しなかった。
【0308】
予想される作用機序と一致して、C3CB189の単回IV投与後にT細胞活性化の用量依存的な増大(CD25%)が観察され、T細胞傷害リンパ球(CD8/CD4)に対するピークCD25%は、投与後24時間で最初に観察された(図22B)。Tヘルパーリンパ球(CD4/CD8)も、C3CB189投与後に同様の活性化(CD25%)プロファイルを示した(データは示さない)。また、C3CB189の投与の結果、投与後2時間で分析したサイトカイン(IFNγ、IL-10、IL-2、IL-6、MCP-1、及びTNFα)の血漿濃度が用量依存的に増加した(図23)。IL-10及びMCP-1を除いて、サイトカインは、投与後24時間までに、定量下限(LLOQ)レベルを再度下回った。
【0309】
C3CB189関連の投与は、CD33顆粒球(好中球)を持続的に減少させた。単球におけるCD33発現レベルの低下と一致して、CD33単球のより一過的な減少も観察された。顆粒球及び単球の濃度-時間プロファイルを、それぞれ図22C及び図22Dに示す。末梢血由来の顆粒球及び単球の初期の急速な消失は、T細胞活性化に関連する一過的な白血球の辺縁趨向に関連している可能性があるが、CD33顆粒球/単球集団の減少は、はるかにより持続的であった。具体的には、顆粒球集団の減少は、8日目にほぼ最大レベルになるまで継続し、その後に徐々に回復する。単球の回復は、より早く生じ、より顕著であった。
【0310】
また、0.01mg/kg~30mg/kgの範囲の用量レベルの複数回IV投与後に、C3CB189を別の2者のカニクイザルの試験においても試験した。C3CB189に関連する変化は、単回投与後に観察されたものと概ね一致し、C3CB189はこれらの用量レベルで耐容性良好であった(データは示さない)。まとめると、これらのデータは、カニクイザルにおける耐容性を維持しながら、C3CB189媒介活性のエビデンスを提供する。
【0311】
実施例18:rs12459419 SNPの遺伝子型を問わない、CD33細胞株及び患者サンプルのC3CB189媒介性細胞傷害
SNP、rs12459419(C>T;エキソン2におけるAla14Val)は、CD33の制御性スプライス部位内に存在し、ここがT対立遺伝子であると、Vセットドメインを欠くCD33タンパク質アイソフォームをコードしていると予測される転写物の発現が増加する。最近のデータによって、更に、SNPrs12459419 CC遺伝子型を有する対象(試験参加者の約50%)は、再発リスクが有意に低く、GO療法後の無再発生存期間(EFS)及び無病生存期間がより良いことが証明されたが、この効果は、CT又はTT遺伝子型を有する患者には見られなかった(Lamba,J.K.,Chauhan,L.,Shin,M.,Loken,M.R.,Pollard,J.A.,Wang,Y.C.,Ries,R.E.,Aplenc,R.,Hirsch,B.A.,Raimondi,S.C.,et al.(2017).J Clin Oncol 35,2674-2682.)。上記の試験におけるGOに関するデータに鑑みて、本発明者らは、C3CB189の活性に対するSNP-rs12459419遺伝子型の影響を評価した。まず、本発明者らは、水素重水素交換(HDX)マッピングを介して、C33B904(C3CB189のCD33親アームのIgGバージョン)が、CD33のC2ドメイン(図24AのIgC)内の異なる領域に結合し、V領域(図24AのIgV)には結合しないことを確認した。対照的に、C33B836(C3CB97のCD33親アームのIgGバージョン)は、CD33のVドメインに結合し、CD33のC2領域には結合しない。次に、本発明者らは、C3CB97(Vバインダー)によって媒介される応答をC3CB189(C2バインダー)と比較するために、インビトロT細胞媒介性細胞傷害アッセイを使用した。遺伝子型決定データ(図25A)に基づいて、KG-1、SH2、及びOCI-AML3は、それぞれ、CD33 SNPrs12459419変異の野生型CC、ヘテロ接合型CT、及びホモ接合型TTを表すように選択した。ヌル×CD3対照とは異なり、V及びC2結合CD33×CD3二重特異性抗体は、48時間でCD33KG-1「CC」細胞株のT細胞リダイレクトによる細胞傷害を誘導した(図6B)。対照的に、V-バインダーC3CB97とは異なり、C2結合C3CB189のみが、SH2「CT」細胞株及びOCI-AML3「TT」細胞株の細胞傷害を媒介したが、VバインダーC3CB97については活性が観察されなかった。
【0312】
次に、本発明者らは、AML患者全血を使用してエクスビボ細胞傷害アッセイを行って、上記の所見を確認した。遺伝子型決定データに基づいて、それぞれ、CD33 SNPrs12459419について、患者サンプル6095、6116、及び6152はCC遺伝子型であると同定されたが、患者サンプル6129及びUSAML0078はヘテロ接合型CTであると同定された(図25B)。CD33 SNPrs12459419についてホモ接合型TTであると同定されたサンプルはなかった。V結合及びC2結合CD33×CD3二重特異性抗体は、実際に、CC遺伝子型として同定されたAMLサンプルと同等のT細胞リダイレクトによる細胞傷害を誘導した。対照的に、C2結合C3CB189は、V結合C3CB97と比較して、SNPrs12459419変異についてヘテロ接合型(CT)であったAMLサンプルの細胞傷害の増強を示した(図24B)。次に、SNPrs12459419が生殖系列突然変異であることに鑑みて、本発明者らは、25者の異なる健常ドナー由来の精製単球及び適合自家T細胞を用いて、同様のエクスビボ実験を実施した。25者のドナー全てについての遺伝子型決定データを図25Cに示す。C3CB189がCD33のC2ドメインに結合するという事実と一致して、C3CB189は、そのSNP遺伝子型状態を問わず、初代ヒト単球の細胞傷害を媒介した(図24Cを参照)。対照的に、V結合C3CB97は、サンプルがSNPrs12459419についてCT又はTTである場合、制限された細胞傷害しか媒介しなかった、又は全く媒介しなかった。まとめると、これら3つの系統のエビデンスは、C3CB189が、保存されたC2エピトープを標的とすることによって、より広いAML患者群において有効性を示すことができることを示唆している。
【0313】
当業者は、広い発明概念から逸脱することなく前述の実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、本説明によって定義されるように本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図するものと理解される。

以下の態様を包含し得る。
[1] CD33のC2ドメインに特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[2] 以下のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、上記[1]に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548。
[3] 配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、上記[1]又は[2]に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[4] 以下を含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
[5] 約2nM未満のEC 50 でインビトロにおいて抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を誘導する、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[6] IgG1低フコース骨格を含む、上記[5]に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[7] 約5×10 -9 M未満の解離定数(KD)でCD33に結合する、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[8] 約2nM未満のEC 50 で、CD33に結合し、内部移行を誘導する、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[9] キメラである、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[10] ヒトである又はヒト化されている、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[11] 治療剤にコンジュゲートしている、上記[1]~[10]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片。
[12] 上記[1]~[10]のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸。
[13] 上記[12]に記載の単離核酸を含む、ベクター。
[14] 上記[13]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[15] 上記[1]~[10]のいずれか一項に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物。
[16] それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、上記[15]に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
[17] 前記癌が、血液癌である、上記[16]に記載の方法。
[18] 前記血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、上記[17]に記載の方法。
[19] 前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、上記[17]に記載の方法。
[20] 上記[1]~[10]のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、前記モノクローナル抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、前記モノクローナル抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、前記細胞又は培養物から前記抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法。
[21] 上記[1]~[10]のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法。
[22] 抗CD33抗体又はその抗原結合断片と、抗CD3抗体又はその抗原結合断片とを含む、抗CD33/抗CD3二重特異性抗体であって、
前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み:
a.それぞれ、配列番号447、448、449、567、568、及び569、
b.それぞれ、配列番号444、445、446、564、565、及び566、
c.それぞれ、配列番号354、355、356、477、478、及び479、
d.それぞれ、配列番号378、379、380、501、502、及び503、
e.それぞれ、配列番号411、412、413、531、532、及び533、
f.それぞれ、配列番号348、349、350、471、472、及び473、
g.それぞれ、配列番号360、361、362、483、484、及び485、
h.それぞれ、配列番号363、364、365、486、487、及び488、
i.それぞれ、配列番号366、367、368、489、490、及び491、
j.それぞれ、配列番号369、370、371、492、493、及び494、
k.それぞれ、配列番号387、388、389、492、493、及び494、
l.それぞれ、配列番号402、403、404、522、523、及び524、
m.それぞれ、配列番号408、409、410、528、529、及び530、
n.それぞれ、配列番号423、424、425、543、544、及び545、又は
o.それぞれ、配列番号426、427、428、546、547、及び548、
前記抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、二重特異性抗体:
1)それぞれ、配列番号342、343、344、465、466、及び467、又は
2)それぞれ、配列番号345、346、347、468、469、及び470。
[23] 前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、配列番号292、291、261、269、280、259、263、264、265、266、272、277、279、284、若しくは285と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号332、331、302、310、320、300、304、305、306、307、317、319、324、若しくは325と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含み、前記抗CD3抗体又はその抗原結合断片が、配列番号257若しくは258と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号298若しくは299と少なくとも95%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、上記[22]に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
[24] 以下を含む、上記[22]又は[23]に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片:
a.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
i.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
j.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
k.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
l.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
m.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
n.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
o.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号257のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号298のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
p.配列番号292のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号332のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
q.配列番号291のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号331のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
r.配列番号261のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号302のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
s.配列番号269のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号310のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
t.配列番号280のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号322のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
u.配列番号259のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号300のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
v.配列番号263のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号304のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
w.配列番号264のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号305のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
x.配列番号265のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号306のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
y.配列番号266のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
z.配列番号272のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号307のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
aa.配列番号277のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号317のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
bb.配列番号279のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号319のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
cc.配列番号284のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号324のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
dd.配列番号285のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号325のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号258のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号299のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
[25] 前記抗CD33抗体又はその抗原結合断片が、CD33のC2ドメインに特異的に結合する、上記[22]~[24]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
[26] 約1nM未満のEC 50 値でインビトロにおいてCD33発現細胞のT細胞依存性細胞傷害を誘導する、上記[22]~[25]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
[27] キメラである、上記[22]~[26]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
[28] ヒトである又はヒト化されている、上記[22]~[27]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片。
[29] 上記[22]~[28]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離核酸。
[30] 上記[29]に記載の単離核酸を含む、ベクター。
[31] 上記[30]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[32] 上記[22]~[28]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片と、医薬上許容できる担体とを含む、医薬組成物。
[33] それを必要としている対象における癌を治療する方法であって、上記[32]に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
[34] 前記癌が、血液癌である、上記[33]に記載の方法。
[35] 前記血液癌が、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫からなる群から選択される、上記[34]に記載の方法。
[36] 前記血液癌が、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性リンパ性白血病(ALL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(DPDCN)である、上記[35]に記載の方法。
[37] 上記[22]~[28]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を生成する条件下で、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片をコードしている核酸を含む細胞を培養することと、前記細胞又は培養物から前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又は抗原結合断片を回収することと、を含む、方法。
[38] 上記[22]~[28]のいずれか一項に記載の抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を作製する方法であって、前記抗CD33/抗CD3二重特異性抗体又はその抗原結合断片を医薬上許容できる担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法。
【0314】
【表22-1】
【0315】
【表22-2】
【0316】
【表22-3】
【0317】
【表23-1】
【0318】
【表23-2】
【0319】
【表23-3】
【0320】
【表24-1】
【0321】
【表24-2】
【0322】
【表25-1】
【0323】
【表25-2】
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
【配列表】
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