(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】光ファイバ担持樹脂管の加工方法
(51)【国際特許分類】
F16L 11/12 20060101AFI20240731BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20240731BHJP
G02B 6/24 20060101ALI20240731BHJP
G01B 11/16 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
F16L11/12 Z
G02B6/44 366
G02B6/44 316
G02B6/24
G01B11/16 G
(21)【出願番号】P 2021013825
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】東 総介
(72)【発明者】
【氏名】水川 賢司
(72)【発明者】
【氏名】山口 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】井上 将男
(72)【発明者】
【氏名】石原 岳
(72)【発明者】
【氏名】太田 悠介
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-054974(JP,A)
【文献】特開2017-078765(JP,A)
【文献】特開平09-105818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/12
G02B 6/44
G02B 6/24
G01B 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂管の筒壁内に管軸方向に延びる光ファイバを有する光ファイバ担持樹脂管から光ファイバを露出する光ファイバ担持樹脂管の加工方法であって、
前記樹脂管の一方の端部に加熱用ヒーターを装着し、前記加熱用ヒーターを用いて、前記樹脂管の
一方の端部を内側と外側から加熱する加熱工程と、
加熱した前記樹脂管の
一方の端部を引き裂くことにより前記光ファイバを取り出す取出工程と、を有
し、
前記加熱用ヒーターは、内層加熱用ヒーターと、外層加熱用ヒーターと、封止板と、を有し、
前記内層加熱用ヒーターは、前記樹脂管内に挿入され、前記樹脂管内に挿入された状態で、前記樹脂管の内面の近傍にあり、
前記外層加熱用ヒーターは、前記樹脂管の一方の端部を外側から囲み、前記樹脂管の一方の端部を覆った状態で、前記樹脂管の外面の近傍にあり、
前記封止板は、前記樹脂管の一方の端部に前記加熱用ヒーターを装着した状態で、前記樹脂管の一方の端部を塞ぐ、光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項2】
前記加熱工程において、前記樹脂管の
一方の端部の表面を加熱する温度が、200℃以上240℃以下である、請求項1に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項3】
前記加熱工程の前に、前記樹脂管の
一方の端部の表面を切削する切削工程を有する、請求項1または2に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項4】
前記切削工程にて、前記樹脂管の
一方の端部の表面を径方向に切削する、請求項3に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項5】
前記光ファイバは、前記樹脂管の軸方向から周方向に向けて0度超90度未満の傾斜角度で螺旋状に埋め込まれている、請求項1~4のいずれか1項に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項6】
前記光ファイバは、前記筒壁に複数埋め込まれている、請求項1~5のいずれか1項に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項7】
前記光ファイバは、前記筒壁の厚さ方向の中心で二分する位置から表面に向かう25%以内にある、請求項1~6のいずれか1項に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項8】
前記筒壁は、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【請求項9】
前記筒壁における前記光ファイバが存在する位置にて、前記樹脂管の
一方の端部を引き裂く、請求項1~8のいずれか1項に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ担持樹脂管の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘削時の崩壊を検知し、掘削時の安全を確保するために、光ファイバを用いる方法が知られている。このような方法としては、例えば、長尺鋼管の長さ方向に複数の光ファイバを直線状に敷設して、これらの光ファイバに歪が加えられることにより生じるブリルアン周波数シフトを利用して鋼管の歪挙動を計測することにより、掘削時の地面の動きをモニタする方法が挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、地中・構造物内部に配設され、筒状の内管の外周を覆うように筒状に配設された光ファイバ取付層に螺旋状に敷設され、内管の変形とともに変形するように取付けられた4本以上の光ファイバにより、レイリー散乱の周波数の変化、またはレイリー散乱の位相変化から、前記内管に生じた曲げ、伸び、ねじりの各ひずみ変化、圧力変化、あるいは温度変化を求めることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、光ファイバを計測機器に接続するために、内管の端部から光ファイバ取付層に埋め込まれている光ファイバを露出させる必要があるが、その露出方法が確立されていないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、樹脂管の筒壁内に管軸方向に延びる光ファイバを有する光ファイバ担持樹脂管から光ファイバを容易に露出することができる光ファイバ担持樹脂管の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]樹脂管の筒壁内に管軸方向に延びる光ファイバを有する光ファイバ担持樹脂管から光ファイバを露出する光ファイバ担持樹脂管の加工方法であって、前記樹脂管の端部を内側と外側から加熱する加熱工程と、加熱した前記樹脂管の端部を引き裂くことにより前記光ファイバを取り出す取出工程と、を有する、光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[2]前記加熱工程において、前記樹脂管の端部の表面を加熱する温度が、200℃以上240℃以下である、[1]に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[3]前記加熱工程の前に、前記樹脂管の端部の表面を切削する切削工程を有する、[1]または[2]に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[4]前記切削工程にて、前記樹脂管の端部の表面を径方向に切削する、[3]に記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[5]前記光ファイバは、前記樹脂管の軸方向から周方向に向けて0度超90度未満の傾斜角度で螺旋状に埋め込まれている、[1]~[4]のいずれかに記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[6]前記光ファイバは、前記筒壁に複数埋め込まれている、[1]~[5]のいずれかに記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[7]前記光ファイバは、前記筒壁の厚さ方向の中心で二分する位置から表面に向かう25%以内にある、[1]~[6]のいずれかに記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[8]前記筒壁は、熱可塑性樹脂を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
[9]前記筒壁における前記光ファイバが存在する位置にて、前記樹脂管の端部を引き裂く、[1]~[8]のいずれかに記載の光ファイバ担持樹脂管の加工方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、樹脂管の筒壁内に管軸方向に延びる光ファイバを有する光ファイバ担持樹脂管から光ファイバを容易に露出することができる光ファイバ担持樹脂管の加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法を適用する光ファイバを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法を示し、光ファイバ担持樹脂管の端面を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法を適用する光ファイバを示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施例において、樹脂管の厚さと樹脂管が軟化するまでの時間との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[光ファイバ担持樹脂管の加工方法]
本発明の実施形態に係る光ファイバ担持樹脂管の加工方法は、樹脂管の筒壁内に管軸方向に延びる光ファイバを有する光ファイバ担持樹脂管から光ファイバを露出する光ファイバ担持樹脂管の加工方法であって、前記樹脂管の端部を内側と外側から加熱する加熱工程と、加熱した前記樹脂管の端部を引き裂くことにより前記光ファイバを取り出す取出工程と、を有する。
【0011】
「光ファイバ担持樹脂管」
本実施形態の光ファイバ担持樹脂管の加工方法を適用する光ファイバが埋め込まれた樹脂管(以下、「光ファイバ担持樹脂管」という。)としては、例えば、
図1に示すものが挙げられる。
図1に示す光ファイバ担持樹脂管10は、円筒状の長尺の樹脂製の管である。光ファイバ担持樹脂管10は、円筒状の樹脂管11と、樹脂管11の筒壁内に樹脂管11の軸(管軸)O1方向に延びる光ファイバ12と、を有する。
樹脂管11の筒壁内に埋め込まれている光ファイバ12は、1本であってもよいが、ひずみ変化等を検知する感度を高くするために、複数本(2本以上)であることが好ましい。
光ファイバ12は、筒壁の厚さ方向の中心で二分する位置から表面に向かう25%以内にあることが好ましい。これにより、光ファイバ担持樹脂管10を曲げた際に、光ファイバ12が樹脂管11の外部に露出して、損傷することを抑制できる。
【0012】
樹脂管11を構成する樹脂は、特に限定されず、加熱により、容易に溶融し、光ファイバ12を取り出すことができる点から、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられる。
【0013】
光ファイバ12としては、特に限定されず、コアとクラッドが屈折率の異なるガラスから構成されるものであれば特に限定されず、光ファイバ裸線、光ファイバ素線、光ファイバ心線等が挙げられる。
【0014】
「光ファイバ担持樹脂管の加工方法」
以下、
図1~
図4に基づいて、本実施形態の光ファイバ担持樹脂管の加工方法について説明する。
【0015】
(加熱工程)
加熱工程では、樹脂管11の一方の端部11Aを、内側と外側から加熱する。
樹脂管11の一方の端部11Aを加熱するには、
図2に示すように、樹脂管11の一方の端部11Aに加熱用ヒーター100を装着する。
【0016】
加熱用ヒーター100は、内層加熱用ヒーター101と、外層加熱用ヒーター102と、封止板103と、を有する。
【0017】
内層加熱用ヒーター101は、例えば、円柱状をなしており、樹脂管11内に挿入される。内層加熱用ヒーター101の外形は、樹脂管11の内面に沿う形状をなしていることが好ましい。内層加熱用ヒーター101は、樹脂管11内に挿入した状態で、樹脂管11の内面の近傍にあればよく、樹脂管11の内面に接していてよく、樹脂管11の内面に接していなくてもよい。
【0018】
外層加熱用ヒーター102は、例えば、円筒状をなしており、樹脂管11の一方の端部11Aを外側から囲む。外層加熱用ヒーター102の内面の形状は、樹脂管11の外面に沿う形状をなしていることが好ましい。外層加熱用ヒーター102は、樹脂管11を覆った状態で、樹脂管11の外面の近傍にあればよく、樹脂管11の外面に接していてよく、樹脂管11の外面に接していなくてもよい。
【0019】
封止板103は、樹脂管11の一方の端部11Aに加熱用ヒーター100を装着した状態で、樹脂管11の一方の端部11Aを塞ぐ。これにより、加熱用ヒーター100内を所定の温度に調節して、樹脂管11の一方の端部11Aの全周を加熱し、樹脂管11の一方の端部11Aを溶融する。
【0020】
加熱用ヒーター100により、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を加熱する長さ(管軸O1方向の長さ)は、樹脂管11から取り出す光ファイバ12の長さに応じて適宜設定される。樹脂管11の一方の端部11Aを加熱する長さは、例えば、200mm以上であってもよい。
【0021】
加熱工程にて、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を加熱する温度は、樹脂管11を構成する樹脂の融点以上の温度であり、200℃以上240℃以下であることが好ましい。なお、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を加熱する温度は、光ファイバ12のコアとクラッドを被覆する樹脂の融点よりも低いことが好ましい。樹脂管11の一方の端部11Aの表面を加熱する温度が上記下限値以上であれば、上記光ファイバ担持樹脂管10を構成する樹脂を溶融させるのに十分な温度である。樹脂管11の一方の端部11Aの表面を加熱する温度が上記上限値以下であれば、光ファイバ12のコアとクラッドを被覆する樹脂も同時に溶融させてしまうおそれが低く、上記光ファイバ担持樹脂管10を構成する樹脂のみ安定的に溶融させることができる。
【0022】
(切削工程)
本実施形態の光ファイバ担持樹脂管の加工方法では、加熱工程の前に、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を切削する切削工程を有することが好ましい。切削工程を行うことにより、樹脂管11から光ファイバ12を容易に取り出すことができる。
【0023】
切削工程では、
図3および
図4に示すように、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を径方向に切削する。これにより、樹脂管11の一方の端部11Aにおいて、光ファイバ12の位置を特定することができる。
【0024】
切削工程では、一般的に市販されている合成樹脂管用スクレーパーを用いることにより、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を径方向に切削する。
【0025】
切削工程にて、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を切削する量は、樹脂管11の一方の端部11Aの径方向に0.1mm以上2mm以下の範囲であることが好ましい。これにより、樹脂管11の一方の端部11Aの表面において、光ファイバ12の位置をより正確に特定することができる。
【0026】
切削工程にて、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を切削する長さ(管軸O1方向の長さ)は、樹脂管11から取り出す光ファイバ12の長さに応じて適宜設定される。樹脂管11の一方の端部11Aを切削する長さは、加熱工程にて、樹脂管11の一方の端部11Aを加熱する長さと同様である。
【0027】
また、切削工程では、
図3に示すように、径方向に切削した樹脂管11の一方の端部11Aの表面において、管軸O1方向に、筒壁内に埋め込まれた光ファイバ12に沿う引裂溝31を形成してもよい。引裂溝31の長さ(管軸O1方向の長さ)は、樹脂管11から取り出す光ファイバ12の長さに応じて適宜設定される。引裂溝31を形成することにより、光ファイバ12を容易に取り出すことができる。
【0028】
(取出工程)
取出工程では、加熱した樹脂管11の一方の端部11Aを引き裂くことにより光ファイバ12を取り出す。
【0029】
切削工程を設けていない場合には、例えば、樹脂管11の一方の端面11aを観察することにより、その端面11aに露出する光ファイバ12の一方の端面12aを見付けて、光ファイバ12の位置を特定する。
【0030】
切削工程を設けている場合には、樹脂管11の一方の端部11Aの表面を切削することにより、光ファイバ12の位置を特定することができる。
【0031】
取出工程では、加熱により溶融、軟化した樹脂管11の一方の端部11Aを、光ファイバ12が存在する位置で軸方向に引き裂いて、樹脂管11から光ファイバ12を取り出す。樹脂管11の一方の端部11Aを引き裂く方法は、特に限定されず、手で引き裂いてもよく、カッター等の刃物を用いてもよい。
また、取出工程では、樹脂管11の筒壁における光ファイバ12が存在する位置にて、樹脂管11の一方の端部11Aを引き裂くことが好ましい。光ファイバ担持樹脂管10では、樹脂管11の軸(管軸)O1方向に対し垂直な断面において、樹脂-光ファイバ12-樹脂から構成される。そのため、光ファイバ担持樹脂管10における光ファイバ12が内蔵されている部分では、光ファイバ担持樹脂管10における光ファイバ12が内蔵されていない部分に比べ強度が低下している。そこで、取出工程では、強度が低くなっている、樹脂管11の筒壁における光ファイバ12が存在する位置にて、樹脂管11の一方の端部11Aを引き裂くことにより、容易に光ファイバ12を取り出すことができる。
【0032】
本実施形態の光ファイバ担持樹脂管の加工方法によれば、樹脂管11の一方の端部11Aを内側と外側から加熱する加熱工程と、加熱した樹脂管11の一方の端部11Aを引き裂くことにより光ファイバ12を取り出す取出工程と、を有するため、樹脂管11の筒壁内に管軸O1方向に延びる光ファイバ12を容易に露出することができる。したがって、従来よりも、光ファイバの接続作業の効率を上げることができる。
【0033】
本実施形態の光ファイバ担持樹脂管の加工方法は、
図5に示す光ファイバ担持樹脂管20にも適用することができる。
図5に示す光ファイバ担持樹脂管20は、円筒状の長尺の樹脂製の管である。光ファイバ担持樹脂管20は、円筒状の樹脂管21と、樹脂管21の筒壁内に樹脂管21の軸(管軸)O2方向から周方向に向けて0度超90度未満の傾斜角度で螺旋状に埋め込まれている光ファイバ22と、を有する。
樹脂管21の筒壁内に埋め込まれている光ファイバ22は、1本であってもよいが、ひずみ変化等を検知する感度を高くするために、複数本(2本以上)であることが好ましい。
光ファイバ22は、筒壁の厚さ方向の中心で二分する位置から表面に向かう25%以内にあることが好ましい。これにより、光ファイバ担持樹脂管20を曲げた際に、光ファイバ22が樹脂管21の外部に露出して、損傷することを抑制できる。
樹脂管21は樹脂管11と同様の構成であり、光ファイバ22は光ファイバ12と同様の構成である。
【0034】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
[実施例]
光ファイバが埋め込まれた樹脂管を用意した。
樹脂管の厚さを、
図6に示す通りとした。
樹脂管を構成する樹脂を、ポリエチレンとした。
図2に示すような加熱器を用いて、樹脂管の一方の端部を235℃に加熱し、その端部が軟化するまでの時間を測定した。
なお、ここで言う軟化とは、樹脂が融点温度以上にて加熱された状態であり、容易に樹脂管端部を引き裂ける状態のことである。
樹脂管の厚さと樹脂管が軟化するまでの時間との関係を
図6に示す。
図6の結果から、樹脂管の厚さが3mm程度であれば、約80秒で樹脂管を溶融させることができ、樹脂管を引き裂きき可能であることが確認された。
一方、樹脂管の厚さが2mm未満であれば、樹脂管を溶融する時間が短くなるものの、光ファイバを被覆する樹脂も樹脂管とともに溶融しやすくなることが確認された。
【符号の説明】
【0037】
10,20 光ファイバ担持樹脂管
11,21 樹脂管
11A,21A 端部
12,22 光ファイバ
100 加熱用ヒーター
101 内層加熱用ヒーター
102 外層加熱用ヒーター