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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】コントローラおよびキー構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20240731BHJP
   H01H 21/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H01H25/04 D
H01H21/00 340L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021080834
(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公開番号】P2022174844
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】海老原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】脇谷 昇
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-335082(JP,A)
【文献】特開平08-031264(JP,A)
【文献】国際公開第2007/148446(WO,A1)
【文献】特開2000-082364(JP,A)
【文献】特開2000-067698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
H01H 19/00 - 25/06
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キートップと、
基板と、
前記キートップと前記基板との間に設けられた弾性部材とを備え、
前記弾性部材は、
前記キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、
前記基板に接する基部と、
前記被押圧部と前記基部とを接続し、前記被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、
前記被押圧部であって前記基板に対向しかつ前記スカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも前記基板に対向する頂面が導電性である押し部材とを備え、
前記頂面は、前記スカート部が弾性変形することで接点を押すように構成され、
前記基板は、前記頂面に押される位置に前記接点を備え、
前記キートップと前記弾性部材とが積み重なっている方向を第1方向とし、前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向とした場合、
前記第2方向において、前記キートップの揺動中心側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心側における前記頂面の端部との間の距離は、前記揺動中心の反対側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心の反対側における前記頂面の端部との間の距離よりも大きく、
前記第2方向において、前記接点は、前記頂面よりも前記揺動中心寄りに位置しており、
前記キートップは、前記被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有しており、
前記リブは、外側リブ部と、前記外側リブ部よりも前記揺動中心寄りに設けられた内側リブ部とを有し、
前記第1方向において、前記内側リブ部の高さは、前記外側リブ部の高さよりも大きい、コントローラ。
【請求項2】
前記第1方向において、前記リブの高さは、前記外側リブ部から前記内側リブ部に向かうに従って大きくなる、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記キートップが押し下げられたときに、前記内側リブ部および前記外側リブ部の各々は、前記基板と前記内側リブ部との距離と、前記基板と前記外側リブ部との距離とが等しくなるように構成されている、請求項1または請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
キートップと、
基板と、
前記キートップと前記基板との間に設けられた弾性部材とを備え、
前記弾性部材は、
前記キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、
前記基板に接する基部と、
前記被押圧部と前記基部とを接続し、前記被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、
前記被押圧部であって前記基板に対向しかつ前記スカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも前記基板に対向する頂面が導電性である押し部材とを備え、
前記頂面は、前記スカート部が弾性変形することで接点を押すように構成され、
前記基板は、前記頂面に押される位置に前記接点を備え、
前記キートップと前記弾性部材とが積み重なっている方向を第1方向とし、前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向とした場合、
前記第2方向において、前記キートップの揺動中心側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心側における前記頂面の端部との間の距離は、前記揺動中心の反対側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心の反対側における前記頂面の端部との間の距離よりも大きく、
前記第2方向において、前記接点は、前記頂面よりも前記揺動中心寄りに位置しており、
前記キートップは、前記被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有しており、
前記第2方向と平行でありかつ前記揺動中心から放射状に延びる方向を径方向とすると、
前記第1方向に見て、前記リブの中心を通りかつ前記径方向に対して垂直な第3方向おける前記外周側面と前記リブとのクリアランスは、前記リブの中心を通る前記径方向における前記外周側面と前記リブとのクリアランスよりも小さい、コントローラ。
【請求項5】
前記リブは、内周面と、前記内周面から前記第3方向に突出する凸部を有している、請求項4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記第1方向に見て、前記キートップは、十字形状である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項7】
キートップと、
前記キートップに対向する弾性部材とを備え、
前記弾性部材は、
前記キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、
前記被押圧部から離間している基部と、
前記被押圧部と前記基部とを接続し、前記被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、
前記被押圧部であってかつ前記スカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも頂面が導電性である押し部材とを備え、
前記キートップと前記弾性部材とが積み重なっている方向を第1方向とし、前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向とした場合、
前記第2方向において、前記キートップの揺動中心側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心側における前記頂面の端部との間の距離は、前記揺動中心の反対側における前記所定領域の外周縁端部と、前記揺動中心の反対側における前記頂面の端部との間の距離よりも大きく、
前記キートップは、前記被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有しており、
前記リブは、外側リブ部と、前記外側リブ部よりも前記揺動中心寄りに設けられた内側リブ部とを有し、
前記第1方向において、前記内側リブ部の高さは、前記外側リブ部の高さよりも大きい、キー構造。
【請求項8】
前記第1方向において、前記リブの高さは、前記外側リブ部から前記内側リブ部に向かうに従って大きくなる、請求項7に記載のキー構造。
【請求項9】
前記第2方向と平行でありかつ前記揺動中心から放射状に延びる方向を径方向とすると、
前記第1方向に見て、前記リブの中心を通りかつ前記径方向に対して垂直な第3方向おける前記外周側面と前記リブとのクリアランスは、前記リブの中心を通る前記径方向における前記外周側面と前記リブとのクリアランスよりも小さい、請求項7または請求項8のいずれか1項に記載のキー構造。
【請求項10】
前記リブは、内周面と、前記内周面から前記第3方向に突出する凸部を有している、請求項9に記載のキー構造。
【請求項11】
前記第1方向に見て、前記キートップは、十字形状である、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のキー構造。
【請求項12】
第1方向に見て十字形状であるキートップと、
基板と、
前記第1方向において、前記キートップと前記基板との間に設けられた弾性部材とを備え、
前記弾性部材は、前記キートップの十字の4つの各端部においてそれぞれ、
前記キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、
前記基板に接する基部と、
前記被押圧部と前記基部とを接続し、前記被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、
前記被押圧部であって前記基板に対向しかつ前記スカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも前記基板に対向する頂面が導電性である押し部材とを備え、
前記基板は、前記スカート部が弾性変形することで前記頂面が接触する少なくとも2つの接点部を有する接点を備え、
前記第1方向に対して垂直な方向であって、前記キートップの十字の4つの各端部から十字の中心を向く方向をそれぞれ第2方向とした場合、
前記キートップの4つの各端部に対応する各弾性部材において、前記第2方向側における前記所定領域の外周縁端部と、前記第2方向側における前記頂面の端部との間の距離は、前記第2方向と反対方向側における前記所定領域の外周縁端部と、前記第2方向と反対方向側における前記頂面の端部との間の距離よりも大きく、
前記頂面は、前記接点よりも前記第2方向と反対方向側であって、前記第1方向において前記少なくとも2つの接点部と重なる位置に設けられ、
前記少なくとも2つの接点部は、前記第1方向および前記第2方向の双方と直交する方向に離間して配置されている、コントローラ。
【請求項13】
前記キートップは、前記被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有しており、
前記リブは、外側リブ部と、前記外側リブ部よりも前記第2方向側に設けられた内側リブ部とを有し、
前記第1方向において、前記内側リブ部の高さは、前記外側リブ部の高さよりも大きい、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記第1方向において、前記リブの高さは、前記外側リブ部から前記内側リブ部に向かうに従って大きくなる、請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記キートップが押し下げられたときに、前記内側リブ部および前記外側リブ部の各々は、前記基板と前記内側リブ部との距離と、前記基板と前記外側リブ部との距離とが等しくなるように構成されている、請求項13または請求項14に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、コントローラおよびキー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平8-77885号公報(特許文献1)は、キースイッチを有するコントローラを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-77885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記コントローラは、操作性において改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術に係るコントローラは、キートップと、基板と、弾性部材とを備えている。弾性部材は、キートップと基板との間に設けられている。弾性部材は、キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、基板に接する基部と、被押圧部と基部とを接続し、被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、被押圧部であって基板に対向しかつスカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも基板に対向する頂面が導電性である押し部材とを備えている。頂面は、スカート部が弾性変形することで接点を押すように構成されている。基板は、頂面に押される位置に接点を備えている。キートップと弾性部材とが積み重なっている方向を第1方向とする。第1方向に対して垂直な方向を第2方向とする。第1方向に見て、押し部材は、所定領域の外周縁に取り囲まれている。第2方向において、キートップの揺動中心側における所定領域の外周縁端部と、揺動中心側における頂面の端部との間の距離は、揺動中心の反対側における所定領域の外周縁端部と、揺動中心の反対側における頂面の端部との間の距離よりも大きい。第2方向において、接点は、頂面よりも揺動中心寄りに位置している。
【0006】
キートップを操作する際、キートップが内巻きに回転する場合がある。キートップが内巻きに回転すると、押し部材も内巻きに回転しながら降下する。そのため、押し部材は、接点の表面に対して傾斜する。結果として、押し部材と接点との接触面積が小さくなる。この場合、押し部材と接点との接触感度が低下するおそれがある。
【0007】
本技術に係るコントローラによれば、第2方向において、キートップの揺動中心側における所定領域の外周縁端部(第1内側端部)と、揺動中心側における頂面の端部(第2内側端部)との間の距離は、揺動中心の反対側における所定領域の外周縁端部(第1外側端部)と、揺動中心の反対側における頂面の端部(第2外側端部)との間の距離よりも大きい。つまり、押し部材は、被押圧部の所定領域において外側寄りに設けられている。そのため、押し部材が被押圧部の所定領域において内側寄りに設けられている場合と比較して、押し部材の回転半径を大きくすることができる。結果として、より直線的に押し部材を降下させることができる。そのため、押し部材と接点との接触面積を大きくすることができる。従って、押し部材と接点との接触感度が低下することを抑制することができる。
【0008】
なお、キーパッドが小型化した場合には、揺動中心から押し部材までの距離が短くなる。この場合、押し部材の回転半径は小さくなるため、押し部材は回転しながら降下しやすくなる。そのため、押し部材と接点との接触面積は、小さくなりやすい。本技術に係るコントローラは、キートップが小型化した場合において、より効果的に押し部材と接点との接触面積を大きく確保することができる。
【0009】
またキートップを操作する際、押し部材が内側にシフトすると、押し部材の中心位置が接点の中心位置からずれることがある。この場合、押し部材と接点との接触感度が低下するおそれがある。
【0010】
本技術に係るコントローラによれば、第2方向において、接点は押し部材よりも揺動中心寄りに位置している。そのため、押し部材が内側にシフトした場合において、押し部材の中心位置は、接点の中心位置に近づく方向に移動する。従って、押し部材の中心位置が接点の中心位置からずれることを抑制することができる。結果として、押し部材と接点との接触感度が低下することをさらに抑制することができる。
【0011】
上記コントローラにおいて、キートップは、被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有していてもよい。
【0012】
この構成によれば、キートップが弾性部材に対して回転方向にずれることを抑制することができる。弾性部材は、基板に対して固定されている。そのため、キートップが、基板上に配置されている接点に対して回転方向にずれることを抑制することができる。結果として、キートップが回転方向にずれることによって誤入力が発生することを抑制することができる。
【0013】
上記コントローラにおいて、リブは、外側リブ部と、外側リブ部よりも揺動中心寄りに設けられた内側リブ部とを有していてもよい。第1方向に平行な方向において、内側リブ部の高さは、外側リブ部の高さよりも大きくてもよい。
【0014】
外側リブ部の回転半径は、内側リブ部の回転半径よりも大きい。そのため、外側リブ部の高さを内側リブ部の高さと同じにすると、キートップを押し込んだときに、外側リブ部は内側リブ部よりも下方向に位置する。従って、内側リブ部と比較して、外側リブ部は、スカート部に干渉するおそれがある。内側リブ部の高さを外側リブ部の高さよりも大きくすることにより、内側リブ部によって被押圧部を強固に保持しつつ、外側リブ部がスカート部に干渉することを抑制することができる。
【0015】
上記コントローラにおいて、第1方向に平行な方向において、リブの高さは、外側リブ部から内側リブ部に向かうに従って大きくなっていてもよい。
【0016】
この構成によれば、リブがスカート部に干渉することを抑制しつつ、より強固にリブを被押圧部に取り付けることができる。
【0017】
上記コントローラにおいて、キートップが押し下げられたときに、内側リブ部および外側リブ部の各々は、基板と内側リブ部との距離と、基板と外側リブ部との距離とが等しくなるように構成されていてもよい。
【0018】
上記コントローラにおいて、第2方向と平行でありかつ揺動中心から放射状に延びる方向を径方向とする。第1方向に見て、リブの中心を通りかつ径方向に対して垂直な第3方向における外周側面とリブとのクリアランスは、リブの中心を通る径方向における外周側面とリブとのクリアランスよりも小さくてもよい。
【0019】
この構成によれば、第3方向における外周側面とリブとのクリアランスを小さくすることにより、キートップが弾性部材に対して回転方向にずれることをさらに抑制することができる。また径方向における外周側面とリブとのクリアランスを大きくすることにより、リブを被押圧部に容易に取り付けることができる。
【0020】
上記コントローラにおいて、リブは、内周面と、内周面から第3方向に突出する凸部を有していてもよい。
【0021】
上記コントローラにおいて、第1方向に見て、キートップは、十字形状であってもよい。
【0022】
本技術に係るキー構造は、キートップと、弾性部材とを備えている。弾性部材は、キートップに対向する。弾性部材は、キートップが揺動することによって押圧される被押圧部と、被押圧部から離間している基部と、被押圧部と基部とを接続し、被押圧部が押されることによって弾性変形するスカート部と、被押圧部であってかつスカート部に囲まれた所定領域に設けられ、少なくとも頂面が導電性である押し部材とを備えている。キートップと弾性部材とが積み重なっている方向を第1方向とする。第1方向に対して垂直な方向を第2方向とする。第1方向に見て、押し部材は、所定領域の外周縁に取り囲まれている。第2方向において、キートップの揺動中心側における所定領域の外周縁端部と、揺動中心側における頂面の端部との間の距離は、揺動中心の反対側における所定領域の外周縁端部と、揺動中心の反対側における頂面の端部との間の距離よりも大きい。
【0023】
本技術に係るキー構造によれば、第2方向において、キートップの揺動中心側における所定領域の外周縁端部(第1内側端部)と、揺動中心側における頂面の端部(第2内側端部)との間の距離は、揺動中心の反対側における所定領域の外周縁端部(第1外側端部)と、揺動中心の反対側における頂面の端部(第2外側端部)との間の距離よりも大きい。つまり、押し部材は、被押圧部の所定領域において外側寄りに設けられている。そのため、押し部材が被押圧部の所定領域において内側寄りに設けられている場合と比較して、押し部材の回転半径を大きくすることができる。結果として、より直線的に押し部材を降下させることができる。結果として、押し部材と接点との接触面積を大きくすることができる。従って、押し部材と接点との接触感度が低下することを抑制することができる。
【0024】
上記キー構造において、キートップは、被押圧部の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブを有していてもよい。
【0025】
この構成によれば、キートップが弾性部材に対して回転方向にずれることを抑制することができる。弾性部材は、基板に対して固定されている。そのため、キートップが、基板上に配置されている接点に対して回転方向にずれることを抑制することができる。結果として、キートップが回転方向にずれることによって誤入力が発生することを抑制することができる。
【0026】
上記キー構造において、リブは、外側リブ部と、外側リブ部よりも揺動中心寄りに設けられた内側リブ部とを有していてもよい。第1方向に平行な方向において、内側リブ部の高さは、外側リブ部の高さよりも大きくてもよい。
【0027】
外側リブ部の回転半径は、内側リブ部の回転半径よりも大きい。そのため、外側リブ部の高さを内側リブ部の高さと同じにすると、キートップを押し込んだときに、外側リブ部は内側リブ部よりも下方向に位置する。従って、内側リブ部と比較して、外側リブ部は、スカート部に干渉するおそれがある。内側リブ部の高さを外側リブ部の高さよりも大きくすることにより、内側リブ部によって被押圧部を強固に保持しつつ、外側リブ部がスカート部に干渉することを抑制することができる。
【0028】
上記キー構造において、第1方向に平行な方向において、リブの高さは、外側リブ部から内側リブ部に向かうに従って大きくなっていてもよい。
【0029】
この構成によれば、リブがスカート部に干渉することを抑制しつつ、より強固にリブを被押圧部に取り付けることができる。
【0030】
上記キー構造において、第2方向と平行でありかつ揺動中心から放射状に延びる方向を径方向とする。第1方向に見て、リブの中心を通りかつ径方向に対して垂直な第3方向における外周側面とリブとのクリアランスは、リブの中心を通る径方向における外周側面とリブとのクリアランスよりも小さくてもよい。
【0031】
この構成によれば、第3方向における外周側面とリブとのクリアランスを小さくすることにより、キートップが弾性部材に対して回転方向にずれることをさらに抑制することができる。また径方向における外周側面とリブとのクリアランスを大きくすることにより、リブを被押圧部に容易に取り付けることができる。
【0032】
上記キー構造において、リブは、内周面と、内周面から第3方向に突出する凸部を有していてもよい。
【0033】
上記キー構造において、第1方向に見て、キートップは、十字形状であってもよい。
【発明の効果】
【0034】
本技術によれば、キートップの操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係るコントローラの構成を示す分解斜視模式図である。
図2】第1実施形態に係るコントローラの構成を示す平面模式図である。
図3図2のIII-III線に沿った縦断面模式図である。
図4図3の領域IVの拡大縦断面模式図である。
図5】第6面側から見たキートップの構成を示す底面模式図である。
図6】リブの構成を示す側面模式図である。
図7】リブと被押圧部とのクリアランスを示す横断面模式図である。
図8】キートップおよび弾性部材の構成を示す斜視模式図である。
図9】弾性部材の構成を示す平面模式図である。
図10図9の領域Xの拡大平面模式図である。
図11】接点と、押し部材の頂面との位置関係を示す平面模式図である。
図12】押し部材が接点に接触する状態を示す縦断面模式図である。
図13】キートップが押し下げられた場合におけるリブの位置の一例を示す縦断面模式図である。
図14】第2実施形態に係るコントローラの構成を示す平面模式図である。
図15】第3実施形態に係るコントローラの接点の構成を示す平面模式図である。
図16】コントローラの変形例の構成を示す平面模式図である。
図17】キー構造の構成を示す縦断面模式図である。
図18】キートップが回転方向に位置ずれを起こした場合におけるコントローラの状態を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本技術の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0037】
(第1実施形態)
[A.コントローラの概要]
まず、本技術の第1実施形態に係るコントローラ100の構成の概要について説明する。
【0038】
図1は、第1実施形態に係るコントローラ100の構成を示す分解斜視模式図である。図1に示されるように、第1実施形態に係るコントローラ100は、ハウジング40と、キートップ10と、弾性部材20と、基板30とを主に有している。ハウジング40は、第7面7と、第8面8と、第1内壁面43と、第1固定部41と、第2固定部42と、第1環状部材48とを有している。第8面8は、第7面7の反対側にある。ハウジング40には、第1貫通孔49が設けられている。第1貫通孔49は、第1内壁面43により構成されている。第1貫通孔49は、第7面7および第8面8の各々に開口している。第8面8は、基板30に対向している。第8面8には、第1固定部41と、第2固定部42と、第1環状部材48とが設けられている。
【0039】
キートップ10は、第5面5と、第6面6と、キー部材11と、張り出し部12とを有している。第6面6は、第5面5の反対側にある。第5面5の中央部13には、凹みが設けられていてもよい。キー部材11は、中央部13から4方向に延びていてもよい。キー部材11の数は、たとえば4個である。キー部材11は、第5面5を構成している。張り出し部12は、キー部材11に連なっている。張り出し部12は、キー部材11から外側に延びていてもよい。張り出し部12は、第6面6を構成している。キートップ10は、たとえば樹脂製である。
【0040】
弾性部材20は、第1面1と、第2面2と、被押圧部23と、第2環状部材26とを有している。第1面1は、基板30に対向している。第2面2は、第1面1の反対側にある。第2面2は、キートップ10に対向している。被押圧部23は、第2面2に突出するように設けられている。被押圧部23の数は、たとえば4個である。弾性部材20には、中央孔22が設けられている。中央孔22は、第1面1および第2面2の各々に開口している。被押圧部23は、中央孔22の周囲に配置されている。
【0041】
被押圧部23は、キー部材11に対向する位置に設けられる。第2環状部材26は、第2面2の外周部分に設けられていてもよい。第2環状部材26は、被押圧部23を取り囲んでいる。弾性部材20には、固定孔21が設けられている。固定孔21は、第1面1および第2面2の各々に開口している。固定孔21は、第2環状部材26の外側に設けられている。中央孔22は、第2環状部材26の内側に設けられている。
【0042】
基板30は、第3面3と、第4面4とを有している。第3面3には、接点50が設けられている。接点50の数は、たとえば4セットである。接点50は、被押圧部23に対向する位置に設けられている。1つの接点50が含む導電性の接点部の数は、たとえば2つである。基板30には、第1孔31と、第2孔32とが設けられていてもよい。第1固定部41は、固定孔21に挿入され、かつ第1孔31上に位置決めされる。第2固定部42は、第2孔32上に位置決めされる。
[B.キートップ]
図2は、第1実施形態に係るコントローラ100の構成を示す平面模式図である。図2に示される平面模式図は、図1に示されるハウジング40と、キートップ10と、弾性部材20と、基板30とが組み立てられた状態を示している。図2に示されるように、平面視において、キートップ10は、たとえば十字形状であってもよい。キートップ10は、ハウジング40の第1内壁面43に囲まれた領域に配置されている。第1内壁面43と、キートップ10のキー部材11との間には、隙間(言い換えればクリアランス)が設けられている。クリアランスは、たとえば0.45mmである。クリアランスは、0.3mm以上0.6mm以下であってもよい。
【0043】
図2に示されるように、平面視において、キートップ10の幅(第1幅W1)は、たとえば17mmである。第1幅W1の上限は、特に限定されないが、たとえば20mm以下であってもよいし、18mm以下であってもよい。第1幅W1の下限は、特に限定されないが、たとえば10mm以上であってもよいし、12mm以上であってもよい。図2に示されるように、第1貫通孔49の幅(第2幅W2)は、第1幅W1よりも大きい。なお、第1幅W1は、径方向における第5面5の幅であってもよい。
【0044】
図3は、図2のIII-III線に沿った縦断面模式図である。図3に示されるように、キートップ10の一部は、第1貫通孔49内に配置されている。キートップ10の第5面5は、ハウジング40の外部に位置している。第5面5は、たとえばユーザの指が接触する面である。第6面6は、弾性部材20に対向する面である。第6面6は、弾性部材20に接していてもよい。第6面6は、ハウジング40の内部に位置していてもよい。キートップ10の張り出し部12は、ハウジング40の第8面8に接していてもよい。
【0045】
図3に示されるように、キートップ10は、中央軸19を有している。キー部材11は、中央軸19に連なっていてもよい。キー部材11は、中央軸19の周りに設けられている。キー部材11は、中央軸19の両側に設けられている。キー部材11の数は、特に限定されない。キー部材11の数は、1個であってもよいし、2個であってもよいし、4個であってもよいし、8個であってもよい。キートップ10の十字形状の第5面5は、ハウジング40から突出して露出している。十字形状の第5面5の一部は、ハウジング40に覆われていても良い。
[C.弾性部材]
図3に示されるように、弾性部材20は、キートップ10と、基板30との間に設けられている。本明細書においては、キートップ10から弾性部材20に向かう方向は、下方向とする。弾性部材20からキートップ10に向かう方向は、上方向とする。弾性部材20は、キートップ10に接している。弾性部材20は、キートップ10を上方向に付勢している。ユーザがキー部材11に対して下方向の力を印加した場合、弾性部材20はキー部材11によって押し下げられる。ユーザがキー部材11に対して下方向の力を印加していない場合(すなわち、ユーザがキー部材11に触れていない場合)、弾性部材20の反発力によってキー部材11が上方向に押し上げられる。
【0046】
キートップ10の中央軸19は、弾性部材20の中央孔22に挿入されていてもよい。第1環状部材48は、第2環状部材26にはめ込まれている。第1環状部材48の外周面は、第2環状部材26の内周面に接している。第1環状部材48は、弾性部材20の第2面2に接していてもよい。基板30は、弾性部材20から見て、キートップ10の反対側に配置されている。基板30の第3面3は、弾性部材20の第1面1に対向している。基板30の第3面3の一部は、弾性部材20の第1面1の一部に接している。基板30は、接点50を有している。接点50は、第3面3に設けられている。接点50は、被押圧部23に対向する位置に設けられていてもよい。接点50は、キー部材11の下方に設けられていてもよい。
【0047】
図3に示されるように、キートップ10のキー部材11は、中央軸19の両側に配置されている。2つのキー部材11の一方が下方向に押し下されると、2つのキー部材11の他方は上方向に押し上げられる。反対に、2つのキー部材11の他方が下方向に押し下されると、2つのキー部材11の一方は上方向に押し上げられる。つまり、キートップ10は、揺動可能である。キートップ10の揺動中心18は、たとえば中央軸19に位置している。
【0048】
本明細書においては、キートップ10と弾性部材20とが積み重なっている方向に平行は、第1方向101とする。第1方向101は、中央軸19が延びる方向と同じである。第1方向101は、軸方向とも称する。第1方向101に対して垂直な方向は、第2方向102とする。第2方向102と平行でありかつ揺動中心18から放射状に延びる方向は、径方向とする。平面視は、第1方向101に沿って見る方向とする。縦断面は、第1方向101に対して実質的に平行な断面とする。横断面は、第1方向101に対して実質的に垂直な断面とする。
【0049】
図4は、図3の領域IVの拡大縦断面模式図である。図4に示されるように、弾性部材20は、被押圧部23と、基部29と、スカート部24と、押し部材70とを有している。被押圧部23は、キートップ10が揺動することによって押圧される。被押圧部23は、第1部材61と、第2部材62とを有していてもよい。第1部材61は、第2部材62に連なっている。第1部材61は、第2部材62に対して下側に設けられている。第1部材61は、第2部材62と、押し部材70との間に設けられている。第1部材61は、第1面1側に設けられている。第1部材61は、第1面1の一部を構成している。第2部材62は、第2面2側に設けられている。径方向において、第1部材61の幅は、第2部材62の幅よりも小さくてもよい。第1部材61は、スカート部24に取り囲まれていてもよい。
【0050】
基部29は、基板30に接している。基部29は、基板30の第3面3に接している。基部29は、第1面1および第2面2の各々の一部を構成している。スカート部24は、被押圧部23と基部29とを接続している。スカート部24は、被押圧部23の第2部材62に連なっている。スカート部24は、基部29に連なっている。スカート部24は、被押圧部23が押されることによって弾性変形する。スカート部24は、基部29に向かうにつれてテーパー状に広がっている。別の観点から言えば、スカート部24は、下方向に向かうにつれてテーパー状に広がっている。
【0051】
キートップ10は、スカート部24によって上方向の付勢力が印加されていてもよい。被押圧部23は、キートップ10に接している。スカート部24は、キートップ10から離間していてもよい。被押圧部23は、基板30に対向する所定領域63を有している。所定領域63は、スカート部24に囲まれている。押し部材70は、被押圧部23の所定領域63に設けられている。押し部材70は、たとえば、所定領域63内であって基板30に向けて突出する、被押圧部23の第1部材61に設けられていてもよい。
【0052】
被押圧部23は、第1部材61を有していなくてもよい。この場合、押し部材70は、第2部材62に設けられる。押し部材70は、基板30に対向する頂面71を有している。接点50は、押し部材70の頂面71に押される位置に配置されている。頂面71は、スカート部24が弾性変形することで接点50を押すように構成されている。頂面71は、接点50に対向していてもよい。押し部材70は、接点50に接触可能である。
【0053】
被押圧部23、基部29およびスカート部24の各々は、たとえばシリコーン製である。被押圧部23、基部29およびスカート部24の各々は、絶縁性を有している。押し部材70は、たとえばカーボン製である。なお、押し部材70の全体が導電性を有していなくともよいが、少なくとも押し部材70の頂面71は、導電性を有している。押し部材70は、被押圧部23と一体的に構成されていてもよいし、接着剤等を用いて被押圧部23に固定されていてもよい。
[D.リブ]
図4に示されるように、キートップ10は、リブ80を有している。リブ80は、キートップ10の下側に設けられている。リブ80は、キー部材11の底面14から下方向に突出している。底面14は、被押圧部23に接する面である。リブ80は、被押圧部23の外周側面27の少なくとも一部を取り囲んでいる。リブ80は、被押圧部23の全周囲を取り囲んでいてもよい。リブ80は、第2部材62の外周側面27を取り囲んでいる。リブ80は、スカート部24を取り囲まないように設けられていてもよい。リブ80は、スカート部24から離間していてもよい。
【0054】
図4に示されるように、リブ80は、外側リブ部82と、内側リブ部81とを有していてもよい。内側リブ部81は、外側リブ部82よりも径方向内側に設けられている。図3および図4に示されるように、内側リブ部81は、中央軸19と外側リブ部82との間に位置している。第1方向101に平行な方向において、内側リブ部81の高さは、外側リブ部82の高さよりも大きくてもよい。
【0055】
図5は、第6面6側から見たキートップ10の構成を示す底面模式図である。図5に示されるように、第1方向101に見て、キー部材11は、中央軸19の周りに等間隔に配置されている。第1方向101に見て、中央軸19に重なる揺動中心18を中心として、複数のキー部材11は、たとえば0°、90°、180°および270°の位置に配置されている。
【0056】
キー部材11の底面14には、上方に凹んだ空間である凹部17が設けられていてもよい。リブ80は、内周面85と、凸部83とを有していてもよい。凸部83は、内周面85から第3方向103に突出している。第3方向103は、第1方向101に見て、リブ80の中心を通りかつ径方向に対して垂直な方向である(図7参照)。凸部83は、1個であってよいし、2個であってもよい。凸部83が2個の場合、2つの凸部83の各々は互いに対向していてもよい。
【0057】
図6は、リブ80の構成を示す側面模式図である。図6に示される側面は、第2方向102(径方向)に対して垂直な方向に見たリブ80の側面である。図6に示されるように、第1方向101に平行な方向におけるリブ80の高さは、外側リブ部82から内側リブ部81に向かうに従って大きくなる。第1方向101に平行な方向におけるリブ80の高さは、外側リブ部82から内側リブ部81に向かうに従って単調に大きくなってもよい。第2方向102(径方向)において、内側リブ部81は、最も内側(揺動中心18側)に位置している。第2方向102(径方向)において、外側リブ部82は、最も外側に位置している。
【0058】
図6に示されるように、第1方向101において、内側リブ部81の高さ(第1高さH1)は、外側リブ部82の高さ(第2高さH2)よりも大きい。第1高さH1の下限は、特に限定されないが、たとえば第2高さH2の1.2倍以上であってもよいし、1.5倍以上であってもよい。第1高さH1の上限は、特に限定されないが、たとえば、たとえば第2高さH2の5倍以下であってもよいし、4倍以下であってもよい。
【0059】
図7は、リブと被押圧部23とのクリアランスを示す横断面模式図である。図7は、図5において上側に位置するキー部材11の周辺の構造に対応する。図7に示されるように、第1方向101に見て、第3方向103における被押圧部23とリブ80とのクリアランスは、径方向における被押圧部23とリブ80とのクリアランスよりも小さくてもよい。図7に示されるように、第1方向101に見て、第3方向103における被押圧部23の外周側面27とリブ80の内周面85との距離(第1距離D1)は、径方向における被押圧部23の外周側面27とリブ80の内周面85との距離(第2距離D2)よりも小さくてもよい。第1距離D1は、たとえば0.01mmである。第2距離D2は、たとえば0.05mmである。なお、第1距離D1は、0mmであってもよい。すなわち、第1方向101に見て、第3方向103における被押圧部23とリブ80とのクリアランスは無くてもよい。このときも、第1方向101に見て、第3方向103における被押圧部23とリブ80とのクリアランスは、径方向における被押圧部23とリブ80とのクリアランスよりも小さいと言える。
[E.押し部材の配置]
図8は、キートップ10および弾性部材20の構成を示す斜視模式図である。図8に示されるように、弾性部材20の第2面2は、キートップ10の第6面6と対向する。キートップ10の中央軸19は、弾性部材20の中央孔22に位置決めされる。中央軸19に沿った方向に平行な方向において、複数のキー部材11の各々は、複数の押し部材70の各々の頂面71と重なるように配置される。
【0060】
図9は、弾性部材20の構成を示す平面模式図である。図9に示されるように、第1方向101に見て、複数の被押圧部23の所定領域63は、中央孔22の周りに等間隔に配置されている。中央孔22を中心として、複数の被押圧部23の所定領域63は、たとえば0°、90°、180°および270°の位置に配置されている。同様に、第1方向101に見て、複数の押し部材70の頂面71は、中央孔22の周りに等間隔に配置されている。中央孔22を中心として、複数の押し部材70の頂面71は、たとえば0°、90°、180°および270°の位置に配置されている。複数の押し部材70の各々は、複数の被押圧部23の所定領域63に設けられている。
【0061】
図9に示されるように、第1方向101に見て、複数のスカート部24は、中央孔22の周りに等間隔に配置されている。中央孔22を中心として、複数のスカート部24は、たとえば0°、90°、180°および270°の位置に配置されている。弾性部材20の第1面1には、第1接続溝25と、第2接続溝28とが設けられている。第1接続溝25は、隣り合う2つのキー部材11において弾性部材20と基板30とに囲まれる空間を接続する。第2接続溝28は、キー部材11において弾性部材20と基板30とに囲まれる空間を、外部の空間と接続する。
【0062】
図10は、図9の領域Xの拡大平面模式図である。図9および図10に示されるように、第1方向101に見た場合、押し部材70の頂面71は、所定領域63の外周縁64に取り囲まれている。第1方向101に見た場合、所定領域63は、スカート部24に囲まれている。所定領域63の外周縁64は、スカート部24と所定領域63との境界である。第1方向101に見て、所定領域63の形状は、たとえば円である。第1方向101に見て、押し部材70の頂面71の形状は、たとえば円である。径方向において、押し部材70の頂面71の中心(第1中心A1)の位置は、所定領域63の中心(第2中心A2)の位置と異なっている。第1中心A1は、第2中心A2よりも径方向外側に位置している。別の観点から言えば、径方向において、押し部材70の頂面71は、所定領域63に対して偏心している。
【0063】
第2方向102において、第1中心A1と第2中心A2との距離(第5距離D5)の下限は、特に限定されないが、たとえば0.1mm以上であってもよいし、0.2mm以上であってもよい。第1中心A1と第2中心A2との距離(第5距離D5)の上限は、特に限定されないが、たとえば1mm以下であってもよいし、0.5mm以下であってもよい。
【0064】
所定領域63の形状は、たとえば円であるが、円に限定されない。所定領域63の形状は、たとえば楕円であってもよいし、多角形であってもよい。同様に、頂面71の形状は、たとえば円であるが、円に限定されない。図10に示されるように、第2方向102において、揺動中心18側における所定領域63の外周縁端部(第1内側端部65)と、揺動中心18側における頂面71の端部(第2内側端部75)との間の距離(第3距離D3)は、揺動中心18の反対側における所定領域63の外周縁端部(第1外側端部66)と、揺動中心18の反対側における頂面71の端部(第2外側端部76)との間の距離(第4距離D4)よりも大きい。第4距離D4の下限は、特に限定されないが、たとえば0.05mm以上であってもよいし、0.1mm以上であってもよい。第4距離D4の上限は、特に限定されないが、たとえば1mm以下であってもよいし、0.5mm以下であってもよい。なお、第4距離D4:第3距離D3は、1:2から1:4の比率に収まる長さであってもよい。
[F.接点]
図11は、接点50と、押し部材70の頂面71との位置関係を示す平面模式図である。図11に示されるように、接点50は、たとえば第1接点部51と第2接点部52とからなる。接点50は、導電性を有している。接点50は、たとえばカーボン製である。第1方向101に見て、第1接点部51および第2接点部52の各々の形状は、たとえば半円である。第1接点部51は、第2接点部52から離間している。第1接点部51と第2接点部52とは、線対称であってもよい。第1接点部51の円弧状部と第2接点部52の円弧状部とを含む仮想円の中心は、第3中心A3とする。第1方向101に見て、第3中心A3は、第2中心A2と一致していてもよい。
【0065】
図11に示されるように、第2方向102において、接点50は、頂面71よりも揺動中心18寄りに位置している。具体的には、第2方向102において、第3中心A3は、第1中心A1よりも径方向内側に位置している。別の観点から言えば、第2方向102において、揺動中心18側における接点50の端部(第3内側端部55)と、揺動中心18側における頂面71の端部(第2内側端部75)との間の距離(第6距離D6)は、揺動中心18の反対側における接点50の端部(第3外側端部56)と、揺動中心18の反対側における頂面71の端部(第2外側端部76)との間の距離(第7距離D7)よりも大きくてもよい。
[G.操作]
図12は、押し部材70が接点50に接触する状態を示す縦断面模式図である。ユーザがキートップ10の右側にあるキー部材11を押し下すと、押し部材70が下方向に移動する。押し部材70は、接点50に接触する。押し部材70が、第1接点部51および第2接点部52の双方に接触すると、押し部材70を介して第1接点部51と第2接点部52との間に電流が流れる。これにより、コントローラ100は、ユーザが当該接点50に対する入力を行ったことを検知する。押し部材70が接点50に接触した際、中央軸19が基板30の第3面3に接触していてもよい。
【0066】
ユーザの指がキートップ10のキー部材11から離れると、キー部材11はスカート部24の復元力により上方向に移動する。これにより、押し部材70は、接点50から離間する。押し部材70が接点50から離間すると、第1接点部51と第2接点部52との間に電流が流れなくなる。これにより、コントローラ100は、ユーザが当該接点50に対する入力を停止したことを検知する。押し部材70が接点50から離間している際、中央軸19は基板30の第3面3から離間していてもよい。
【0067】
キートップ10は、揺動中心18を中心として揺動する。図12に示されるように、右側のキー部材11が下方向に移動すると、左側のキー部材11は上方向に移動する。反対に、左側のキー部材11が下方向に移動すると、右側のキー部材11は上方向に移動する。
【0068】
図13は、キートップ10が押し下げられた場合におけるリブ80の位置の一例を示す縦断面模式図である。キートップ10が押し下げられた場合におけるリブ80の位置は、実線で示されている。キートップ10が押し下げられていない状態におけるリブ80の位置は、破線で示されている。図13に示されるように、キートップ10が押し下げられたときに、内側リブ部81および外側リブ部82の各々は、基板30と内側リブ部81との距離と、基板30と外側リブ部82との距離とが等しくなるように構成されていてもよい。具体的には、キートップ10が押し下げられたときに、基板30の第3面3と内側リブ部81との距離(第8距離D8)は、基板30の第3面3と外側リブ部82との距離(第9距離D9)とが等しくなってもよい。
【0069】
なお、第1実施形態に係るコントローラ100は、たとえばゲームの操作を行うためのゲームコントローラであるが、ゲームコントローラに限定されない。第1実施形態に係るコントローラ100は、ゲーム以外の情報処理の操作を行うためのコントローラであってもよい。第1実施形態に係るコントローラ100は、たとえば、カーソルの移動またはメニューの選択などの操作を行うための情報処理用コントローラであってもよい。
[H.利点]
第1実施形態に係るコントローラ100によれば、第2方向102において、キートップ10の揺動中心18側における所定領域63の外周縁端部(第1内側端部65)と、揺動中心18側における頂面71の端部(第2内側端部75)との間の距離は、揺動中心18の反対側における所定領域63の外周縁端部(第1外側端部66)と、揺動中心18の反対側における頂面71の端部(第2外側端部76)との間の距離よりも大きい。つまり、押し部材70は、被押圧部23の所定領域63において外側寄りに設けられている。そのため、押し部材70が被押圧部23の所定領域63において内側寄りに設けられている場合と比較して、押し部材70の回転半径を大きくすることができる。結果として、より直線的に押し部材70を降下させることができる。そのため、押し部材70と接点50との接触面積を大きくすることができる。従って、押し部材70と接点50との接触感度が低下することを抑制することができる。
【0070】
なお、キーパッドが小型化した場合には、揺動中心18から押し部材70までの距離が短くなる。この場合、押し部材70の回転半径は小さくなるため、押し部材70は回転しながら降下しやすくなる。そのため、押し部材70と接点50との接触面積は、小さくなりやすい。本技術に係るコントローラ100は、キートップ10が小型化した場合において、より効果的に押し部材70と接点50との接触面積を大きく確保することができる。
【0071】
またキートップ10を操作する際、押し部材70が内側にシフトすると、押し部材70の中心位置が接点50の中心位置からずれることがある。この場合、押し部材70と接点50との接触感度が低下するおそれがある。
【0072】
第1実施形態に係るコントローラ100によれば、第2方向102において、接点50は押し部材70よりも揺動中心18寄りに位置している。そのため、押し部材70が内側にシフトした場合において、押し部材70の中心位置は、接点50の中心位置に近づく方向に移動する。従って、押し部材70の中心位置が接点50の中心位置からずれることを抑制することができる。結果として、押し部材70と接点50との接触感度が低下することをさらに抑制することができる。
【0073】
なお、押し部材70が内巻きに回転するという課題に対して、接点50を径方向内側に位置させるという構成も考えられる。しかしながら、押し部材70を径方向外側に位置させることにより、押し部材70をより直線的に降下させることができる。また押し部材70の中心位置は変えず、押し部材70の直径を大きくすることによっても、押し部材70を径方向外側に延ばすことができる。しかしながら、押し部材70の直径を大きくすると、後述するような誤入力が発生しやすくなるおそれがある。従って、押し部材70の直径を適度な大きさとすることにより、誤入力の発生を抑制することができる。
【0074】
図18は、キートップ10が回転方向に位置ずれを起こした場合におけるコントローラの状態を示す平面模式図である。図18に示されるように、第1内壁面43とキートップ10との間には隙間があるため、キートップ10が回転方向Bに移動する場合がある。この場合、たとえば0°に位置する押し部材70が、0°に位置する接点50および90°に位置する接点50の双方に接触する可能性がある。このようにキートップ10を押した際に、意図せず斜め入力が入るおそれがある。また押し部材70が弾性部材20に形成されているため、弾性部材20が変形した場合、押し部材70が傾くことがある。この場合にも誤入力が発生するおそれがある。
【0075】
第1実施形態に係るコントローラ100において、キートップ10は、被押圧部23の外周側面の少なくとも一部を取り囲むリブ80を有していてもよい。
【0076】
この構成によれば、キートップ10が弾性部材20に対して回転方向にずれることを抑制することができる。弾性部材20は、基板30に対して固定されている。そのため、キートップ10が、基板30上に配置されている接点50に対して回転方向にずれることを抑制することができる。結果として、キートップ10が回転方向にずれることによって誤入力が発生することを抑制することができる。
【0077】
第1実施形態に係るコントローラ100において、リブ80は、外側リブ部82と、外側リブ部82よりも揺動中心18寄りに設けられた内側リブ部81とを有していてもよい。第1方向101に平行な方向において、内側リブ部81の高さは、外側リブ部82の高さよりも大きくてもよい。
【0078】
外側リブ部82の回転半径は、内側リブ部81の回転半径よりも大きい。そのため、外側リブ部82の高さを内側リブ部81の高さと同じにすると、キートップ10を押し込んだときに、外側リブ部82は内側リブ部81よりも下方向に位置する。従って、内側リブ部81と比較して、外側リブ部82は、スカート部24に干渉するおそれがある。内側リブ部81の高さを外側リブ部82の高さよりも大きくすることにより、内側リブ部81によって被押圧部23を強固に保持しつつ、外側リブ部82がスカート部24に干渉することを抑制することができる。
【0079】
第1実施形態に係るコントローラ100において、第1方向101に平行な方向において、リブ80の高さは、外側リブ部82から内側リブ部81に向かうに従って大きくなっていてもよい。
【0080】
この構成によれば、リブ80がスカート部24に干渉することを抑制しつつ、より強固にリブ80を被押圧部23に取り付けることができる。
【0081】
第1実施形態に係るコントローラ100において、第2方向102と平行でありかつ揺動中心18から放射状に延びる方向を径方向とする。第1方向101に見て、リブ80の中心を通りかつ径方向に対して垂直な第3方向103における外周側面とリブ80とのクリアランスは、リブ80の中心を通る径方向における外周側面とリブ80とのクリアランスよりも小さくてもよい。
【0082】
この構成によれば、第3方向103における外周側面とリブ80とのクリアランスを小さくすることにより、キートップ10が弾性部材20に対して回転方向にずれることをさらに抑制することができる。また径方向における外周側面とリブ80とのクリアランスを大きくすることにより、リブ80を被押圧部23に容易に取り付けることができる。
【0083】
(第2実施形態)
次に、本技術の第2実施形態に係るコントローラ100の構成について説明する。第2実施形態に係るコントローラ100は、主に、キートップ10の上面形状が実質的に長方形である点において、第1実施形態に係るコントローラ100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係るコントローラ100と同様である。以下、第1実施形態に係るコントローラ100と異なる構成を中心に説明する。
【0084】
図14は、第2実施形態に係るコントローラ100の構成を示す平面模式図である。図14に示されるように、第1方向101に見て、キートップ10の上面(第5面5)の形状は、実質的に長方形であってもよい。キートップ10が有するキー部材11の数は、たとえば2個である。キー部材11の数が2個の場合、押し部材70の数は2個であってもよい。キー部材11の数が2個の場合、接点50の数は、2セットであってもよい。
【0085】
図14のIII-III線に沿った縦断面模式図は、図3に示されている。第2実施形態に係るコントローラ100の縦断面模式図は、第1実施形態に係るコントローラ100の縦断面模式図と実質的に同じである。なお、キー部材11の数は、2個に限定されない。キー部材11の数は、たとえば1個であってもよい。キー部材11の数が1個の場合、キートップ10の一端は支点となり、キートップ10の他端はキー部材11となる。本明細書においては、支点を中心にキー部材11が回動することも揺動とする。この場合、支点が揺動中心18に対応する。支点からキー部材11に向かう方向が径方向に対応する。キー部材11の数が1個の場合、押し部材70の数は1個であってもよい。キー部材11の数が1個の場合、接点50の数は、1セットであってもよい。第2実施形態に係るコントローラ100は、第1実施形態に係るコントローラ100と同様の利点を有する。
【0086】
(第3実施形態)
次に、本技術の第3実施形態に係るコントローラ100の構成について説明する。第3実施形態に係るコントローラ100は、主に、1セットの接点50に含まれる接点部の数が4個である点において、第1実施形態に係るコントローラ100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係るコントローラ100と同様である。以下、第1実施形態に係るコントローラ100と異なる構成を中心に説明する。
【0087】
図15は、第3実施形態に係るコントローラ100の接点50の構成を示す平面模式図である。図15に示されるように、接点50は、第1接点部51と、第2接点部52と、第3接点部53と、第4接点部54とを有していてもよい。第1方向101に見て、第1接点部51、第2接点部52、第3接点部53および第4接点部54の各々の形状は、扇形であってもよい。第1接点部51の中心角は、第3接点部53の中心角よりも大きくてもよい。第2接点部52の中心角は、第4接点部54の中心角よりも大きくてもよい。第1接点部51、第2接点部52、第3接点部53および第4接点部54の各々は、互いに離間している。
【0088】
図15に示されるように、第2方向102(径方向)において、第3接点部53は、第1接点部51よりも外側に位置していてもよい。径方向において、第4接点部54は、第2接点部52よりも外側に位置していてもよい。第1方向101に見て、第1接点部51の形状と、第2接点部52の形状とは、線対称であってもよい。第1方向101に見て、第3接点部53の形状と、第4接点部54の形状は、線対称であってもよい。
【0089】
図15に示されるように、第1方向101に見て、押し部材70の頂面71は、第1接点部51、第2接点部52、第3接点部53および第4接点部54の各々の一部と重なるように配置されていてもよい。同様に、第1方向101に見て、被押圧部23の所定領域63は、第1接点部51、第2接点部52、第3接点部53および第4接点部54の各々の一部と重なるように配置されていてもよい。第3実施形態に係るコントローラ100は、第1実施形態に係るコントローラ100と同様の利点を有する。
【0090】
(変形例)
図16は、コントローラの変形例の構成を示す平面模式図である。図16に示されるように、コントローラ100は、操作ボタン90を有していてもよい。ハウジング40には、第1貫通孔49と、第2貫通孔45とが設けられている。キートップ10は、第1貫通孔49に配置されている。操作ボタン90は、第2貫通孔45に配置されている。操作ボタン90は、第2貫通孔45を構成する第2内壁面44に囲まれていてもよい。第1方向101に見て、操作ボタン90の形状は、特に限定されないが、たとえば円であってもよい。第1方向101に見て、ハウジング40の形状は、特に限定されないが、たとえば長方形であってもよい。
【0091】
また、コントローラ100は、記憶部(図示せず)およびまたは、プロセッサ(図示せず)およびまたは、ディスプレイ(図示せず)をさらに有していてもよい。記憶部は、たとえばDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。記憶部には、たとえばゲームなどのアプリケーションプログラムが記憶されてもよい。プロセッサは、アプリケーションプログラムを読み込んで、情報処理を実行可能であってもよい。ディスプレイは、たとえばプロセッサで実行される情報処理の結果として生成される画像を表示してもよい。コントローラ100が記憶部、プロセッサ、ディスプレイを備え、コントローラ100が単体でゲーム機として機能してもよい。
【0092】
コントローラ100は、ゲーム機本体(図示せず)とは別体のコントローラ100であってもよい。コントローラ100は、通信部(図示せず)を有していてもよい。コントローラ100は、通信部を介して、ゲーム機本体と接続されてもよい。通信部は、無線信号を介してデータを送受信してもよい。通信部は、Bluetooth(登録商標)または赤外線通信などの通信方式をサポートしてもよい。コントローラ100は、ゲーム装置を操作するコントローラ100であってもよいし、ゲーム装置とは異なる情報処理装置を操作するコントローラ100であってもよい。
【0093】
(キー部材)
図17は、キー構造の構成を示す縦断面模式図である。キー構造200は、キートップ10と、弾性部材20とを有している。キートップ10および弾性部材20の各々の構造は、上述の通りである。図17において、キートップ10および弾性部材20の各々において、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明は省略する。
【0094】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
1 第1面、2 第2面、3 第3面、4 第4面、5 第5面、6 第6面、7 第7面、8 第8面、10 キートップ、11 キー部材、12 張り出し部、13 中央部、14 底面、17 凹部、18 揺動中心、19 中央軸、20 弾性部材、21 固定孔、22 中央孔、23 被押圧部、24 スカート部、25 第1接続溝、26 第2環状部材、27 外周側面、28 第2接続溝、29 基部、30 基板、31 第1孔、32 第2孔、40 ハウジング、41 第1固定部、42 第2固定部、43 第1内壁面、44 第2内壁面、45 第2貫通孔、48 第1環状部材、49 第1貫通孔、50 接点、51 第1接点部、52 第2接点部、53 第3接点部、54 第4接点部、55 第3内側端部、56 第3外側端部、61 第1部材、62 第2部材、63 所定領域、64 外周縁、65 第1内側端部、66 第1外側端部、70 押し部材、71 頂面、75 第2内側端部、76 第2外側端部、80 リブ、81 内側リブ部、82 外側リブ部、83 凸部、85 内周面、90 操作ボタン、100 コントローラ、101 第1方向、102 第2方向、103 第3方向、200 キー構造、A1 第1中心、A2 第2中心、A3 第3中心、B 回転方向、D1 第1距離、D2 第2距離、D3 第3距離、D4 第4距離、D5 第5距離、D6 第6距離、D7 第7距離、D8 第8距離、D9 第9距離、H1 第1高さ、H2 第2高さ、W1 第1幅、W2 第2幅。
図1
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