(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】工作機械ツールマガジン
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/155 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
B23Q3/155 F
(21)【出願番号】P 2021094024
(22)【出願日】2021-06-04
【審査請求日】2021-06-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-05
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519025655
【氏名又は名称】臻賞工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】孫穎
【合議体】
【審判長】渋谷 善弘
【審判官】鈴木 貴雄
【審判官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-187668(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第201350255(TW,A)
【文献】特開2002-59330(JP,A)
【文献】実開昭48-73381(JP,U)
【文献】実開昭57-9433(JP,U)
【文献】実開昭53-87345(JP,U)
【文献】実開昭56-110764(JP,U)
【文献】特開平7-43134(JP,A)
【文献】実開平6-28620(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155
B23Q 3/157
B23Q 16/02
F16D 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械ツールマガジンであって、ベース、ツールテーブル、複数のツールカバー、複数の軸受、駆動装置を有し、
前記ツールテーブルは、前記ベースに設置され、
前記複数のツールカバーは、前記ツールテーブルの周縁に環状に設置され、
各前記ツールカバーには、加工ツールを挿入して設置し、
前記複数の軸受は、前記ツールテーブルに環状に設置され、各軸受は、各ツールカバーに対応し、
前記駆動装置は、モーター、ブレーキ構造、カム、駆動軸、角度センサー、コントロールターミナルを有し、
前記ブレーキ構造は、前記モーター内に設置され、前記モーターの回転軸に嵌めて設置され、電磁ユニット、ブレーキパッド、導磁圧板、複数の圧力バネ、底台、軸スリーブ、複数のボルト、複数の圧力調整部材、複数の空隙調整部材を有し、
前記底台は、前記モーターの回転軸の軸方向に沿って設置し、各前記ボルトは前記底台、前記導磁圧板、前記電磁ユニットに通して設置され、各前記圧力調整部材及び各前記空隙調整部材は各前記ボルトにより螺合して設置され、かつ各前記圧力バネ及び前記電磁ユニット間に設置され、前記ブレーキパッドと前記モーターの回転軸間には前記軸スリーブを設置し、
前記ブレーキパッドは前記軸スリーブの外縁にスライドするように設置され、前記電磁ユニットに通電すると、前記導磁圧板は前記電磁ユニットに吸引され、前記導磁圧板は前記ブレーキパッドから離れ、前記モーターは前記カムを作動させ、前記導磁圧板は各前記圧力バネを押さえ、各前記圧力バネに圧縮状態を呈させ、前記電磁ユニットの電源が断たれると、各前記圧力バネは前記導磁圧板を押し、前記ブレーキパッドと摩擦を生じ、前記モーターの回転軸は前記ブレーキパッドに押さえられ、転動を停止し、
前記モーターは前記駆動軸に前記カムを連動させ、前記駆動軸の軸方向を巡り転動させ、各前記軸受と前記カムの輪郭は接触し、各前記軸受は前記カムの輪郭に従い順番に作動し、前記ツールテーブルを連動して間歇しない連続転動を行わせ、
前記角度センサーは、前記駆動軸の一端或いは前記ツールテーブルの転動中心に設置され、前記角度センサーは、前記ツールテーブル転動時の転動角度を感知し、
該角度センサーは、インダクティブセンサーで、該角度センサーは、感知ブロック及び感知モジュールを有し、該感知ブロックと該感知モジュールは、間隔を開けて設置し、該感知ブロックの外周縁は、概ね弧状曲線を呈し、該感知モジュールの感知端は、該感知ブロックの外周縁へと光線を投射でき、該感知モジュールは、光線により、該感知ブロックの外周縁との間の距離を検知でき、距離信号を産生し、該コントロールターミナル
は前記距離信号を転換処理し、前記ツールテーブルの転動角度を取得し、
前記コントロールターミナルは前記転動角度及びツール交換指令を受け取り、前記コントロールターミナルが、前記転動角度が前記ツール交換指令に符合すると判断すると、前記コントロールターミナルは前記ブレーキ構造を操作し前記モーターの運転を停止させ、これにより前記ツールテーブルは転動を停止し、ツール交換作業を行う
ことを特徴とする、
工作機械ツールマガジン。
【請求項2】
前記コントロールターミナルには、各前記ツールカバーに対応し、前記ツールテーブルに設置される位置角度を保存し、前記ツール交換指令は、交換を行おうとするツールが位置する、その内の1個のツールカバーに対し、前記コントロールターミナルは、前記ツールカバーに基づき、対応する前記位置角度を読み取り、読み取った前記位置角度と前記転動角度を比較して判断する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の工作機械ツールマガジン。
【請求項3】
前記駆動装置は第一歯車及び第二歯車を有し、前記第一歯車は、前記モーターの回転軸に嵌めて設置され、前記第二歯車と前記カムは前記駆動軸に嵌めて設置され、前記第一歯車と前記第二歯車は相互に噛み合う
ことを特徴とする、
請求項1に記載の工作機械ツールマガジン。
【請求項4】
前記モーター及び前記カムは、前記ベースに設置される
ことを特徴とする、
請求項3に記載の工作機械ツールマガジン。
【請求項5】
前記ツールテーブルの中心位置に中心軸を有し、前記ツールテーブルは前記中心軸を通して前記ベースに取り付けられ、各前記軸受は、各前記ツールカバーと前記中心軸間に環状に設置される
ことを特徴とする、
請求項1に記載の工作機械ツールマガジン。
【請求項6】
前記カムは、等速円柱形カムで、前記カムの輪郭は、前記カムの周縁に設置され、前記カムの輪郭は曲線凹槽である
ことを特徴とする、
請求項1に記載の工作機械ツールマガジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工作機械ツールマガジン関連領域に関し、特にツールテーブルのスムーズな転動を正確に制御できる工作機械ツールマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加工機のツールマガジンに設置されるツールテーブル駆動構造は、ツール交換機構及びツールマガジンにより構成される。
ツールマガジンには、転動テーブル及び旋回ツールテーブルが設置され、転動テーブルと旋回ツールテーブルは連接する。
旋回ツールテーブルを転動させる動力源は、一般モーターとサーボモーターに分けられる。
【0003】
旋回ツールテーブルを転動させる動力源が一般モーターである時、転動テーブルにはローラーが設置される。
一般モーターの回転軸には、カムが連結され、電流が一般モーターのコイルに流れると、一般モーターはカムの転動を駆動し、転動テーブルのローラーは、カムの輪郭に沿って作動し、旋回ツールテーブルの作動を連動する。
一般モーターの停止を制御すると、コイルへの電流流入は直ちに停止される。
しかし、旋回運動の慣性があるため、一般モーターの回転軸が直ちに停止することは難しく、この回転軸の転動がいくらか続くことにより、旋回ツールテーブルは一時的な揺れを生じ、適当な位置に停止できなくなってしまう。
これに対応し、旋回ツールテーブルを適当な位置に停止させるため、カムの輪郭両端には空転設計が設置されている。
これにより一般モーターの停止後、ローラーはカムの輪郭の影響を受け、旋回ツールテーブルはカムの空転部分において転動を停止される。
また、カムの空転設計により、旋回ツールテーブルは静止と転動状態の間で変換する間歇運動を生じる。
【0004】
しかし、間歇運動により、進行方向への旋回ツールテーブルの回転がスムーズでなくなり、しかも旋回ツールテーブルの転動速度を速くすることができない。
交換する必要があるツールの間隔距離が比較的離れている時、ツール交換作業の時間が長くなり、ツール交換効率が低下してしまう。
【0005】
一般モーターがカムの転動を連動し、旋回ツールテーブルが間歇運動を生じるという欠点を改善し、サーボモーターにより旋回ツールテーブルの転動をコントロールできるようにするため、サーボモーター内にエンコーダーを設置する。
エンコーダーは、旋回ツールテーブルの転動角度を取得でき、サーボモーターは、エンコーダーが取得した転動角度に基づき、旋回ツールテーブルの転動或いは停止を判断する。
【0006】
しかし、旋回ツールテーブルとサーボモーター間の動力伝達ルート上には多くの部品があるが、長期間の使用により、各部品間に摩耗が生じ、エンコーダーが測定する転動角度に誤差が生じ、サーボモーターが旋回ツールテーブルを正確に制御できないという状況が生まれ、 これによりツール交換作業にエラーが生じる。
しかも、サーボモーターは高額で、サーボモーターが損壊すると、莫大な修理費用と時間がかかってしまい、これが工作機械全体のコストを拡大させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記先行技術には、旋回ツールテーブルとサーボモーター間の動力伝達ルート上の部品間に、長期の使用で摩耗が生じ、エンコーダーが測定する転動角度に誤差が生まれ、サーボモーターが旋回ツールテーブルを正確に制御できず、ツール交換作業にエラーが生じ、しかもサーボモーターは高額なため、工作機械全体のコストを拡大させているという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は角度センサーを通してツールテーブルの転動角度を正確に測定し、ブレーキ構造はツールテーブルを必要な角度に正確に停止させられ、ツール交換作業の効率を効果的に向上させられる工作機械ツールマガジンに関する。
【0009】
本発明による工作機械ツールマガジンは、ベース、ツールテーブル、複数のツールカバー、駆動装置を有する。
該ツールテーブルは、ベースに設置される。
該複数のツールカバーは、それぞれ軸受を通してツールテーブルの周縁に環状に設置され、各ツールカバーには、加工ツールを挿入して設置する。
該駆動装置は、モーター、ブレーキ構造、カム、角度センサー及びコントロールターミナルを有する。
ブレーキ構造は、モーター内に設置され、モーターはカムを作動させ、各軸受とカムの輪郭は接触し、各軸受がカムの輪郭に沿って順番に作動するため、ツールテーブルを連動して間歇しない連続転動を行わせることができる。
角度センサーは、駆動軸の一端或いはツールテーブルの転動中心に設置され、角度センサーは、ツールテーブル転動時の転動角度を感知し、コントロールターミナルは、転動角度及びツール交換指令を受け取る。
コントロールターミナルが、転動角度がツール交換指令に符合すると判断すると、コントロールターミナルは、ブレーキ構造を操作し、モーターの運転を停止させ、これによりツールテーブルは転動を停止し、ツール交換作業を行う。
【0010】
上述のように、本発明は角度センサーを通してツールテーブルの転動角度を正確に検知でき、これによりコントロールターミナルはブレーキ構造を制御し、ブレーキ構造により、モーターを制御し、適当なタイミングでツールテーブルの転動を停止させ、迅速かつ正確にツールの交換作業を行うことができ、しかもツールテーブルの予期せぬ転動事故の発生を回避できる。
【0011】
さらに、本発明は、角度センサーを駆動軸の一端或いはツールテーブルの転動中心に取り付けるため、転動角度の検知の正確性への、各部品の磨損の影響を回避でき、角度センサーの測定の正確性を効果的に向上させられる。
【0012】
この他、本発明の構造組成はサーボモーター同様の制御効果を達成でき、サーボモーターに置換でき、こうして製造コスト及び後々のメンテナンスコストを低下させられる。
【0013】
また、本発明は各軸受がカムの輪郭に沿って順番に作動するため、ツールテーブルを連動して間歇しない連続転動を行わせることができ、これによりツールテーブルの運転はスムーズとなり、作動時間を節約でき、旋回ツールテーブルの転動がスムーズでなく転動速度が遅いという従来の構造における間歇運動が引き起こす問題を改善でき、こうしてツール交換作業の効率を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】本発明第一実施形態の局部断面模式図である。
【
図5】本発明第一実施形態によるブレーキ構造の分解模式図である。
【
図7】本発明第二実施形態の局部拡大模式図である。
【
図8】本発明第三実施形態の局部断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(一実施形態)
実施形態における各種物件は、取り上げた説明の比率、サイズ、変形量、或いは移動量に適したもので、実際の物件の比率に基づくものではないことを、ここに明記する。
【0016】
図1~
図8に示す通り、本発明による工作機械ツールマガジンは、ベース10、ツールテーブル20、複数のツールカバー30を有する。
ベース10は、工作機械(図示なし)に取り付けられる。
ベース10は概ね円盤状を呈し、ベース10は、第一側面11及び第二側面12を有する。
ベース10の第二側面12で、かつベース10の中心位置には、取り付け部13を突出状に設置する。
ベース10には、収容設置部14を貫通状に設置し、収容設置部14は、取り付け部13の片側に位置する。
【0017】
ツールテーブル20は、中心位置に中心軸21を有し、ツールテーブル20は中心軸21を通して、ベース10の取り付け部13に取り付けられる。
【0018】
複数のツールカバー30は、ツールテーブル20の周縁に環状に設置され、本発明実施形態において、各ツールカバー30は等間隔角度で、ツールテーブル20の周縁に設置される。
各ツールカバー30には、加工ツール(図示なし)を挿入して設置する。
【0019】
複数の軸受40は、ツールテーブル20に環状に設置され、本発明実施形態において、各軸受40は、等間隔角度でツールテーブル20に設置される。
各軸受40は、各ツールカバー30に対応し、各軸受40は各ツールカバー30と中心軸21間に環状に設置される。
【0020】
駆動装置50は、モーター51、ブレーキ構造52、カム53、駆動軸54、第一歯車55、第二歯車56、角度センサー57及びコントロールターミナル58を有する。
ブレーキ構造52は、モーター51内に設置され、モーター51及びカム53は、ベース10に設置される。
モーター51は、ベース10の第一側面11に設置され、カム53は、ベース10の収容設置部14に設置される。
第一歯車55は、モーター51の回転軸に嵌めて設置され、第二歯車56とカム53は、駆動軸54に嵌めて設置される。
第一歯車55と第二歯車56は相互に噛み合い、モーター51は第一歯車55を通して第二歯車56に噛み合う。
これにより、駆動軸54はカム53を連動し駆動軸54の軸方向を巡って転動させる。
本発明実施形態において、モーター51は減速モーターである。
【0021】
ブレーキ構造52は、モーター51の回転軸に嵌めて設置され、ブレーキ構造52は、底台521、電磁ユニット522、ブレーキパッド523、導磁圧板524、複数の圧力バネ525、軸スリーブ526、複数のボルト527、複数の圧力調整部材528、複数の空隙調整部材529を有する。
底台521は、モーター51の回転軸の軸方向に沿って設置し、導磁圧板524と電磁ユニット522は、各ボルト527を通して、底台521と螺合して設置される。
各圧力調整部材528及び各空隙調整部材529は、各ボルト527において螺合して設置され、しかも各圧力調整部材528は、各圧力バネ525と電磁ユニット522の間に設置される。
各空隙調整部材529は、電磁ユニット522の両側面に螺合して設置される。
【0022】
ブレーキパッド523とモーター51の回転軸間には、軸スリーブ526を設置し、ブレーキパッド523は、軸スリーブ526の外縁にスライドするように設置される。
本発明実施形態において、軸スリーブ526の外縁は、概ね矩形状を呈し、軸スリーブ526の中心には、円孔を設置し、モーター51の回転軸は、円孔中に通して設置される。
【0023】
さらに、電磁ユニット522は、電磁導線522a及び電磁コイル522bを有する。
電磁ユニット522の電磁導線522aに通電すると、電磁コイル522bは磁場を生じ、導磁圧板524は、電磁ユニット522の電磁コイル522bにより吸引される。
これにより、導磁圧板524は、ブレーキパッド523から離れ、モーター51は、カム53を作動させることができる。
導磁圧板524は各圧力バネ525を押さえ付け、各圧力バネ525を圧縮状態とする。
【0024】
電磁ユニット522の電磁導線522aの電源が断たれると、電磁コイル522bの磁場は消失し、導磁圧板524は電磁コイル522bの磁力に吸引されなくなる。
各圧力バネ525の伸長力により、導磁圧板524を押し、ブレーキパッド523と摩擦させ、モーター51の回転軸は、ブレーキパッド523に制限され転動を停止する。
【0025】
モーター51はカム53を作動させ、各軸受40とカム53の輪郭531は接触し、各軸受40はカム53の輪郭531に従い順番に作動し、ツールテーブル20を連動して間歇ではない連続転動を行わせる。
本発明実施形態において、カム53は等速円柱形カムで、カム53の輪郭531は、カム53の周縁に設置される。
カム53の輪郭531は曲線凹槽で、各軸受40は、輪郭531中に位置する。
【0026】
さらに、角度センサー57は、ツールテーブル20転動時の転動角度を感知し、角度センサー57は、ツールテーブル20とカム53間の動力伝達ルート上に設置され、角度センサー57は、駆動軸54の一端或いはツールテーブル20に設置される。
図2、
図3、
図6及び
図7に示す通り、本発明第一及び第二実施形態において、角度センサー57は、駆動軸54の一端に設置され、カム53は、第二歯車56と角度センサー57間に設置される。
図8に示す通り、本発明第三実施形態において、角度センサー57は、ツールテーブル20に設置される。
【0027】
角度センサー57はエンコーダー或いはインダクティブセンサーで、
図2及び
図3に示す通り、本発明第一及び第三実施形態において、角度センサー57はエンコーダーである。
【0028】
図6及び
図7に示す通り、本発明の第二実施形態において、角度センサー57は、インダクティブセンサーである。
角度センサー57は、感知ブロック571及び感知モジュール572を有し、感知ブロック571は、駆動軸54の一端に嵌めて設置される。
感知ブロック571と感知モジュール572は、間隔を開けて設置し、感知ブロック571の外周縁は、概ね弧状曲線を呈する。
感知ブロック571外周縁の弧状曲線展開軌跡はインボリリュート曲線で、感知モジュール572の感知端は、感知ブロック571の外周縁へ向かい、感知ブロック571の外周縁上の異なる位置と感知モジュール572の感知端距離は異なる。
感知モジュール572は、感知ブロック571の外周縁との間の距離を検知でき、距離信号を産生する。
コントロールターミナル58は、距離信号を受信し、かつ距離信号の転換処理を行い、ツールテーブル20の転動角度を取得する。
【0029】
本実施形態において、感知モジュール572の感知端は、感知ブロック571の外周縁へと光線を投射する。
感知モジュール572は、光線により、感知ブロック571の外周縁との間の距離を検知でき、感知モジュール572は、距離信号を電圧ボルト値としてコントロールターミナル58へと出力する。
感知モジュール572の電圧変化は1ボルトから30ボルトで、コントロールターミナル58は、異なる距離が対応する電圧値を保存し、感知ブロック571の外周縁は、電圧ボルトにより360区間に分割される。
例えば、感知ブロック571が360度一回転すると1ツール位置である。
1ボルトは、ツールテーブル20の転動角度が0度であることを示し、26.25ボルトは、ツールテーブル20の転動角度が315度であることを示す。
上記は例に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
【0030】
コントロールターミナル58は、モーター51に接続し、コントロールターミナル58はコンピューターであるが、本発明はコントロールターミナル58の形態を限定しない。
コントロールターミナル58には、各ツールカバー30に対応し、ツールテーブル20に相対して設置される位置角度を保存する。
【0031】
駆動装置50がツールテーブル20の転動を制御する過程において、角度センサー57は、ツールテーブル20のその時の転動角度を間断なく連続して感知し、角度センサー57は、転動角度をコントロールターミナル58へと持続して伝送し続ける。
コントロールターミナル58がツール交換指令を受け取ると、これからツール交換作業を行い、ツールカバー30上からツールを取り出す必要があるということを示している。
ツール交換指令は、交換を行おうとするツールが位置する、その内の1個のツールカバー30に対し、コントロールターミナル58は、ツールが位置するツールカバー30に基づき、対応する位置角度を読み取り、読み取った位置角度とその時受け取った転動角度を比較して判断する。
コントロールターミナル58が、転動角度がツール交換指令に符合すると判断すると、コントロールターミナル58は、ブレーキ構造52を操作し、ブレーキ構造52によりモーター51を制御して運転を停止させ、ツールテーブル20の転動を停止させ、ツール交換作業を行う。
【0032】
交換しようとするツールが位置するツールカバー30位置と、その時のツールテーブル20の転動角度の間隔が比較的離れている時には、ツールテーブル20は間歇連続転動を行わない。
よって、迅速かつ効果的に必要な転動角度まで転動させられ、しかもブレーキ構造52を通して、ツールテーブル20の転動を正確に停止させられ、ツールの交換作業を迅速に行うことができる。
【0033】
上記に明らかなように、本発明は以下の効果を達成できる。
・ 本発明は角度センサー57を通して、ツールテーブル20の転動角度を正確に検知可能で、これによりコントロールターミナル58はブレーキ構造52を正確に制御でき、モーター51は適当な時にツールテーブル20の転動を停止させられ、迅速かつ正確にツールの交換作業を行うことができる。
・ 本発明は角度センサー57を駆動軸54の一端に設置することで、転動角度の検知の正確性への、各部品の磨損の影響を回避でき、角度センサー57の測定の正確性を効果的に高められ、しかも簡単に取り付けできるという効果をも達成することができる。
・ ツールテーブル20とカム53間の動力伝達ルート上の各部品は長期間の使用により磨損が生じ、角度センサー57が測定する転動角度に誤差が生まれるため、角度センサー57をツールテーブル20の中心に取り付け、転動角度の検知の正確性への、各部品の磨損の影響を回避でき、角度センサー57の測定の正確性を効果的に高められる。
・ 本発明はモーター51内にブレーキ構造52を設置し、ツールテーブル20の正確な位置における停止を確保し、予期せぬ転動事故の発生を回避できる。
・ 本発明の構造組成はサーボモーター同様の制御効果を達成でき、こうして製造コスト及び後々のメンテナンスコストを低下させられる。
・ 本発明は各軸受40がカム53の輪郭531に沿って順番に作動するため、ツールテーブル20を連動して間歇しない連続転動を行わせることができ、これによりツールテーブル20の運転はスムーズとなり、作動時間を節約でき、こうしてツール交換作業の効率を効果的に高めることができる。
【0034】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0035】
10 ベース、
11 第一側面、
12 第二側面、
13 取り付け部、
14 収容設置部、
20 ツールテーブル、
21 中心軸、
30 ツールカバー、
40 軸受、
50 駆動装置、
51 モーター、
52 ブレーキ構造、
521 底台、
522 電磁ユニット、
522a 電磁導線、
522b 電磁コイル、
523 ブレーキパッド、
524 導磁圧板、
525 圧力バネ、
526 軸スリーブ、
527 ボルト、
528 圧力調整部材、
529 空隙調整部材、
523 ブレーキパッド、
53 カム、
531 輪郭、
54 駆動軸、
55 第一歯車、
56 第二歯車、
57 角度センサー、
571 感知ブロック、
572 感知モジュール、
58 コントロールターミナル。