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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】固定デバイス送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20240731BHJP
   A61B 17/064 20060101ALI20240731BHJP
   A61F 2/04 20130101ALI20240731BHJP
【FI】
A61B17/068
A61B17/064
A61F2/04
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021171541
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2018536401の分割
【原出願日】2017-01-13
(65)【公開番号】P2022009288
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】62/278,139
(32)【優先日】2016-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520113491
【氏名又は名称】シャープ フリューディクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ローナン キーティング
(72)【発明者】
【氏名】ダーマッド コンロイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ラビッテ
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】佐々木 正章
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/098512(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0022065(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 17/064
A61F 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体内の組織にタックを送達するためのタック送達システムであって、前記送達システムは:
シャフト(120)に連結されたハンドル(110)を備えるドライバーデバイスと;
タック内腔を画定する本体を備えるタックと、を含み;
前記シャフトは、減少した直径を有する段差部と先端とを特徴とする遠位端を備え、前記段差部は、該段差部上の前記タック内腔の少なくとも一部と係合し、該少なくとも一部を適合させるように寸法決めされ、前記ドライバーデバイスの前記段差部に対する前記タックの係合は、前記タック内腔と前記ドライバーデバイスの前記段差部との間に締まり嵌めを動作可能に提供し、前記タックは、前記ドライバーデバイスの前記先端を受け入れるように構成された前記タック内腔への近位開口を有し、前記タックは、少なくとも第1のかかりと前記第1のかかりを形成する凹部分をさらに備え、該凹部分は、前記タックが前記組織へ送達し前記タックの前記本体と前記組織とが接触する時に前記タックから前記段差部を取り外すと前記タック内腔を露出する、タック送達システム。
【請求項2】
複数のタックが動作可能に格納されたカートリッジをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タック内腔が、前記タックが時期尚早に展開されるのを防止するように動作可能に構成された、ヒドロゲル、シリコーン潤滑剤または他のコーティングを前記タック内腔の表面上に備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記タック内腔が、前記タックが時期尚早に展開されるのを防止するように動作可能に構成された、止血ゲルまたはコーティングを前記タック内腔の表面上に備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記タックが第2のかかり備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記先端が螺旋状の先端であり、前記螺旋状の先端は、当該螺旋状の先端の回転が前記タックを展開するように動作可能に構成された請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ドライバーデバイスが、非変形可能なコアワイヤを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドライバーデバイスの前記先端は螺旋状であり、前記先端は非変形可能なコアワイヤを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハンドルが、前記シャフトに対して適合されたタックを回転および/または前進ならびに後退させるように構成された、電気的または空気圧的に制御されるハンドルである、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記カートリッジが、タックと係合するように動作可能に構成された、本体部ならびに第1および第2のフィンガーを備え、各フィンガーは、第1の端で前記本体部に取り付けられ、前記本体部に対して移動可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記タックが、前記タックの送達時に組織に当接するように構成された表面をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定デバイス送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メッシュ配置は、ヘルニア修復の一般的な治療であり、ますます腹腔鏡下で完結される
ようになっている。この手術は、最初に、外科医が腹壁の欠損から組織を取り除いて開口
を露出させる工程を含む。修復メッシュは、その後、寸法決めされて腹腔内に挿入される
。次いで、メッシュは、把持器を使用して展開され、欠損上に位置決めされる。メッシュ
が所定位置に配置されると、該メッシュは、通常、タッキングデバイスを用いて複数のタ
ックにより所定位置にタック留めされる。多くの既知のタッカーデバイスは詰まりがちで
あり、一部のデバイスは、腹部の外面に逆圧を加えることに頼っている。タック送達シス
テムに関連するコストの大部分を占めているは、タックの形成に用いられる吸収性材料で
あり得るが、これらのデバイスでは、通常、供給されるタックの数量に柔軟性がないため
、過多なタックが展開されたり、供給されたタックの一部が展開されたりする結果となる
。そのため、現状のメッシュのタッキング方法には、対処を要する多くの問題がある。
【発明の概要】
【0003】
よって、独立請求項に記載されるシステムおよび方法を提供する。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。本教示によるデバイス、システムおよび方法は、有利には、相互接続部材を用いて互いに連結された2つの部品構成に基づくタックとともに使用することができる。展開時、部品の1つは、腹壁に配置されてかかりとして有効になり、第2の部品は、メッシュを腹壁に固定するように該メッシュの内面に対して接合点を形成する。この取付け方法では、螺旋状の設計と比較して固定張力を低減でき、かつタックがより安定しているためタックの数を減らすことができる。したがって、従来技術の実装よりも有利である。使用できる他のタイプのタックは、1つの部品構成で提供され、該部品は、送達デバイス上に位置し、腹壁から該部品がその後組織内に埋め込まれる送達位置までの輸送中に露出される。
本発明の一態様は以下のとおりである。
[1]
身体内の組織にタックを送達するためのタック送達システムであって、前記送達システムは:
シャフト(120)に連結されたハンドル(110)を備えるドライバーデバイスと;
タック内腔を画定する本体を備えるタックと、を含み;
前記シャフトは、該シャフト上の前記タック内腔の少なくとも一部と係合し、該少なくとも一部を適合させるように寸法決めされた段差部と先端とを特徴とする遠位端を備え、前記タックと前記ドライバーデバイスとの係合は、前記タック内腔と前記ドライバーデバイスの前記段差部との間に摩擦的または機械的な付勢を動作可能に提供し、前記タックは、前記ドライバーデバイスの前記先端を受け入れるように構成された前記タック内腔への近位開口を有し、前記タックは、少なくとも1つの第1のかかりをさらに備え、該第1のかかりは、前記タックと前記ドライバーデバイスとの係合時に少なくとも部分的に閉塞され、前記タックの前記組織への送達時および前記タックの前記本体と前記組織との接触時に前記タックから前記段差部を取り外すと露出される、切り欠き部を有する、タック送達システム。
[2]
複数のタックが動作可能に格納されたカートリッジをさらに備える、[1]に記載のシステム。
[3]
前記タックが前記ドライバーデバイスから時期尚早に展開されるのを防止するために、前記内腔の先端または他の部分が、係合されたドライバーデバイスの中心線から動作可能にオフセットされている、[1]または[2]に記載のシステム。
[4]
前記タック内腔が、前記タックが時期尚早に展開されるのを防止するように動作可能に構成された、ヒドロゲル、シリコーン潤滑剤または他のコーティングを備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のシステム。
[5]
前記タック内腔が、前記タックが時期尚早に展開されるのを防止するように動作可能に構成された、止血ゲルまたはコーティングを備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のシステム。
[6]
前記タックが、前記タックの展開を補助するように構成された第2のかかりまたは表面を備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載のシステム。
[7]
送達後の組織の内殖を促進するために、前記タック内腔の50%以上が前記タック本体の長手方向軸に沿って露出している、[1]~[6]のいずれか一項に記載のシステム。
[8]
前記ドライバーデバイスが枢動可能な送達シャフトを備え、前記枢動可能な送達シャフトが、前記タックの関節式送達を展開位置に動作可能に作用させるように構成されている、[1]~[7]のいずれか一項に記載のシステム。
[9]
前記ドライバーデバイスが、螺旋状の前記先端の回転が前記タックを展開するように動作可能に構成された前記螺旋状の先端を有する変形可能なセントラルコアワイヤを備える、[8]に記載のシステム。
[10]
前記タックが、少なくとも1つのコントロールワイヤを受け入れるための切り欠き部を含む近位表面を備え、前記少なくとも1つのコントロールワイヤは、前記ドライバーデバイスを前記展開位置まで操縦するように構成される、[9]に記載のシステム。
[11]
前記ドライバーデバイスが、非変形可能なコアワイヤを備える、[1]~[10]のいずれか一項に記載のシステム。
[12]
前記ドライバーデバイスの前記先端は螺旋状であり、前記先端は非変形可能なコアワイヤを備える、[1]~[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[13]
前記ハンドルが、前記シャフトに対して適合されたタックを回転および/または前進ならびに後退させるように構成された、電気的または空気圧的に制御されるハンドルである、[1]~[12]のいずれか一項に記載のシステム。
[14]
前記タックが、前記タックの送達を補助するように構成された切開用先端を備える、[1]~[13]のいずれか一項に記載のシステム。
[15]
前記カートリッジが、タックと係合するように動作可能に構成された、本体部ならびに第1および第2のフィンガーを備え、各フィンガーは、第1の端で前記本体部に取り付けられ、前記本体部に対して移動可能であり、前記フィンガーは、前記ドライバーデバイスが前記カートリッジと係合して前記フィンガーを前記タックから変位させるまで該タックを前記ドライバーデバイスまたは他の送達器具と係合させるように、前記カートリッジ内にタックを保持するように動作可能に付勢されている、[2]に記載のシステム。
[16]
前記カートリッジが、前記ドライバーデバイスを前記カートリッジから取り外す前にユーザに触覚表示を提供する触覚フィードバック要素を含む、[2]に記載のシステム。
[17]
前記ドライバーデバイスの先端が、組織切開用の鈍いリーディングエッジを備える、[1]~[15]のいずれか一項に記載のシステム。
[18]
前記ドライバーデバイスの先端は鈍く、組織切開用に構成された平坦なプロファイルを有する、[1]~[15]のいずれか一項に記載のシステム。
[19]
タックおよび送達器具を備えるメッシュ固定システムであって、前記タックが:
遠位部および近位部を有する本体部と、前記本体部から外向きに延び、前記遠位部から前記近位部に向かって長手方向に少なくとも部分的に延在する螺旋状のネジ要素と、を備え、前記近位部は、前記送達器具の少なくとも一部を受け入れるための内腔および開口を画定し、前記本体部は、当該本体部の長手方向軸に沿って延びる内腔内に少なくとも50%延びる口をさらに画定し、かつ前記送達器具の前記少なくとも一部が前記内腔から取り外されるとかかりを画定する、システム。
[20]
前記タックが、前記送達器具と係合するように構成された接触面を備え、当該接触面に対して前記送達器具が動作可能に展開力を発揮し得る、[19]に記載のシステム。
[21]
前記接触面は、前記送達器具から前記タックに力を伝達できるように構成されている、[20]に記載のシステム。
[22]
前記送達器具が、遠位端および近位端と、前記遠位端および前記近位端を接続するシャフトとを備え、前記遠位端が、前記タックの近位表面上の凹部に挿入されるように寸法決めされた要素を備え、前記送達器具が、前記タックの近位端に力を加えることができる力印加要素をさらに備える、[21]に記載のシステム。
[23]
前記送達器具およびタックが、前記送達器具から前記タックに一方向の回転力だけが伝達されるように構成されている、[22]に記載のシステム。
[24]
前記タックが、前記送達器具と動作可能に係合するように構成されたトルク嵌合プロファイルを備え、前記送達器具から前記タックへのトルクの伝達が前記トルク嵌合プロファイルを介して行われる、[19]~[23]のいずれか一項に記載のシステム。
[25]
前記送達器具がボールノーズ先端を備える、[19]~[24]のいずれか一項に記載のシステム。
[26]
前記タック内腔がそれを送達器具上に保持するように湾曲している、[19]~[25]のいずれか一項に記載のシステム。
[27]
前記タックの先端が前記タックの中心からオフセットされている、[19]~[26]のいずれか一項に記載のシステム。
[28]
前記タックが、前記タックの送達時に組織に当接するように構成された表面をさらに備える、[1に記載のシステム。
[29]
前記本体が、前記タックの送達時に前記メッシュに当接するように構成された表面をさらに画定する、[19]に記載のシステム。
【0004】
本発明を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本教示に従って提供される固定デバイス送達システムの一例を示す等角図である。
図1B図1Aのシステムをより詳細に示す等角図および端面図である。
図1C図1Aのシステムにおけるカートリッジをより詳細に示す等角図である。
図2A】本教示に従うドライバーデバイスとともに使用され得るタックの一例を示す図である。
図2B図1のドライバーデバイスの段差部に装填されたタックを示す図である。
図2C】タックが装着された図1のドライバーデバイスの一例を示す図である。
図3】3A~3Dは、本教示の文脈内で使用され得る代替的なタック構成を示す図である。
図4A】本教示に従って提供されるタックの代替例を示す等角図である。
図4B】本教示に従って提供されるカートリッジを伴う固定デバイス送達システムまたはタッキングデバイスの代替例を示す等角図である。
図4C】本教示に従って提供される固定デバイス送達システムまたはタッキングデバイスの代替例を示す立面図および等角図である。
図5】本教示の文脈内で有用に使用され得るタックの代替的な構成を示す等角図および平面図である。
図6】本教示の文脈内で有用に使用され得るタックの他の代替的な構成を示す等角図である。
図7】固定デバイス送達システムまたはタック送達器具の他の実施形態を示す等角図である。
図8】固定デバイス送達システムまたはタック送達器具の他の実施形態を示す等角図である。
図9図7および8の送達器具と関連して使用されるタックの様々な眺望を示す図である。
図10】カートリッジの一部の等角図および断面図を伴う、第1の角度投影における様々な平面図および立面図である。
図11】11A~11Cは、図7および8のデバイスをカートリッジとともに使用している際の断面図である。
図12】12Aおよび12Bは、本開示に従う送達器具と組み合わせたタックを示す図である。
図13】本開示に従うタックの代替的な実施形態を示す立面図および等角図である。
図14】本開示に従うタックの代替的な実施形態を示す立面図および等角図である。
図15】本開示に従うタックの代替的な実施形態を示す立面図および等角図である。
図16】送達器具からタックを分離する方法を示す図である。
図17】送達器具からタックを分離する代替的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本教示の理解を補助する目的で提供されるその例示的な実施形態を参照して本発明の教
示を説明するが、これらの実施形態は決して限定的に解釈されるべきではない。添付の特
許請求の範囲に照らして必要であるとみなされる場合にのみ限定される本発明の精神また
は範囲から逸脱することなく、以下の例示的な実施形態に修正を加えられることが理解さ
れよう。
【0007】
本開示の文脈内において、固定デバイス送達システムは、有利には、患者の腹腔内でタ
ックの送達を可能にする。本教示の文脈内において、「アンカー」、「固定要素」および
「タック」という用語は、置換可能に使用される。複数の固定要素が固定目的、例えば、
腹腔内におけるメッシュの固定のために使用される場合、それらは一般にタックと称され
る。「固定デバイス送達システム」および「タッキングデバイス」という用語もまた、置
換可能に使用される。「送達器具」および「送達ドライバー」という用語もまた、同一ま
たは類似の構成要素を指すものとみなされてもよい。
【0008】
腹腔および腹壁の詳細に関する以下の議論が限定的でないことは明らかであり、本教示
に従って提供されるシステムは、限定しないが、臓器や骨などを含む他のタイプの組織に
使用されてもよい。本教示における任意のタック送達システムの使用は、外科医が手術部
位へアクセスできるように内臓の移動を補助する、1つ以上の腹腔鏡下手術機器を固定す
るために用いることができる。このような技術の採用においては、最終的な崩壊に先立っ
て治癒プロセスの間にタックが腹腔内に留まるので、生体吸収性のタックの使用が有利に
必要とされる。
【0009】
次いで、タックは、送達ツールと協働させることによって手術部位に送達されてもよい
。送達ツールは、タックと係合し、次いでタックを腹腔に送達するように使用される。1
つのまたは複数のそのようなタックは、固定デバイスとして使用される。
【0010】
図1は、近位ハンドル110と、シャフト120とを備える、ドライバーデバイス10
0を示す。ハンドルは、使用中にユーザの手のひらに接触する表面113と、指が係合す
る表面114とを含む。シャフト120は、その遠位端に段差部115を有する。この段
差部は、その遠位端に先端125を有する。シャフト120の遠位端と先端125の近位
端との間の段差部の部分は、タック受け部として作用する。段差部は、シャフトと同じス
トックから製造されて機械加工されるか、または、グラブスクリューもしくはダウエルタ
イプピンによって適所に保持される挿入可能な部品とすることができる。段差部は、非変
形可能なコアワイヤとして製造することができ、該コアワイヤは、鋭利なトロカール型の
先端で終わるものとすることができ、または図示するように、切頭トロカール先端部とす
ることができる。切頭トロカール先端部は、回転したときに組織を分割するための組織切
開エッジ126を特徴とする。シャフトは、接着剤でハンドル内に結合されていてもよく
、ハンドルによってオーバーモールドされていてもよく、またはグラブスクリューによっ
て保持されていてもよい。シャフトがグラブスクリューによって保持され、シャフトおよ
びハンドルがステンレス鋼または他のオートクレーブ可能な材料から製造されている場合
の反復において、デバイスのドライバー部分は再利用可能である。
【0011】
代替的な構成は、図示しないが、非変形可能なコアワイヤ上にオーガースタイルまたは
螺旋状の先端を有する。このような構成では、ユーザが、ドライバーデバイス100を回
転させて先端を腹壁/メッシュに係合させる必要がある。代替的に、デバイスのハンドル
は、使い捨て要素として個別に供給することができ、ハンドルがシャフトを自動的に回転
させるようにパワーパックを搭載することができる。代替的に、ハンドルは、空気圧で動
くことができる。
【0012】
デバイスの他の反復において、図示しないが、シャフトは枢動可能であり、タックの関
節式送達を可能にする点で有利である。このような構造では、ハンドルからの回転の伝達
を可能にするために、螺旋先端を有する変形可能な芯線としてコアワイヤが設けられてい
てもよい。先端の挿入に回転が必要とされない先端設計の場合、コアワイヤは、ピポット
点から遠位の部分内で非変形可能であり得る。
【0013】
代替的に、デバイスは、開節運動しかつコントロールワイヤを介して操縦可能であって
もよい。このような実施形態では、コントロールワイヤがタックを通過できるように、タ
ックに切り欠きを設けることができる。
【0014】
ここで、図1Bを参照すると、本態様におけるドライバーデバイス100は、複数のタ
ック300を収容するカートリッジ200と協働する。カートリッジは、図1Bの実施形
態では、近位のリードイン部210および遠位のリードイン部220を特徴とし、また、
図1Aの実施形態では、近位のリードイン部を有しないことを特徴とする。近位のリード
イン部の利点は、次のアンカーを装填するに先立ってドライバーデバイスをカートリッジ
から完全に引き抜く必要がなく、ユーザがトロカール位置を維持できる点にある。カート
リッジ内のボールプランジャが、段差部115に追加的かつ近位であるシャフト上の段差
と相互作用する場合、カートリッジにさらに変更を加えることができる。これは、ドライ
バーが近位に引っ張られたときにドライバーをカートリッジから離脱させないように機能
し、再びドライバーの前進を開始するためのユーザへの合図として作用する。ドライバー
デバイス100の先端は、カートリッジの近位開口部211に収容することができる。近
位開口部は、カートリッジを貫通して遠位のリードイン部220の遠位端に出る内腔に隣
接している。この内腔は、カートリッジの本体部230内において、予め装填されたタッ
ク300の一つが配置された位置で中断される。カートリッジを介してデバイスを移動さ
せると、タックは、段差部115によって捕らえられ、カートリッジを通って移動して遠
位端から出てくる。
【0015】
遠位のリードイン部は、トロカール400と相互作用して、遠位のリードイン部がトロ
カールの内腔405内に受容される。遠位のリードイン部は、バーブタイプの特徴部22
1を特徴とすることができ、トロカーシール(不図示)とかかり221との相互作用によ
りカートリッジがトロカール内に保持される。さらに、リードイン部220は、トロカー
ルのシャフト部分410で終端するようなサイズである。
【0016】
カートリッジ200の本体部230は、この反復において6つのタックが装填されて示
されているが、実際に使用されるタックの数は、用途に応じて様々であり得ることが理解
されよう。本体部が回転すると、次のタックが送達内腔に移動する。これを達成するため
に、ユーザは、まず、先端が本体部の近位となる地点までドライバーデバイス100を後
退させる。次いで、本体部は、次の位置に回転される。本体部は、ボールプランジャを最
大の特徴とし、次のタックが送達内腔と整列したときにクリックが示されるように動かさ
れる。さらなる特徴は、本体部230が、例えば時計回りにのみ回転し、単純なラチェッ
ト機構が反時計回りへの回転を防止することである。このことにより、本体部が回転する
たびにタックが確実に提示される。カートリッジには、ドライバーデバイス100の先端
125が本体部よりも先に前進しないように、それ以上のタックを装填できないことを示
すためのブラインドチャネルを設けることができる。これは、多数のタックが予め装填さ
れている場合に特に有用である。代替的に、各タックが展開された後にカートリッジが回
転するように、カートリッジは飛び出すことができる。
【0017】
図1のデバイスを使用するために、ユーザは:
a.カートリッジをトロカールまたはポートに通し;
b.次いで、ユーザは、ドライバーデバイス100をカートリッジに通し、その過程でタ
ックを捕捉し、該タックを配置するべくデバイスの先端を所望の位置に前進させ;
c.ユーザは、圧力を加えてデバイスを回転させることにより、所望の位置にタックを展
開し;
d.タックがうまく展開されたら、ドライバーデバイスをカートリッジの本体部の近位に
後退させて、デバイスの次の前進時に次のタックを捕捉できるようにし;
e.カートリッジを回転させて次のアンカーを整列させる;
ステップb~dは、次のタックを展開するために繰り返される。このプロセスは、ユーザ
が十分な付着が達成されたことに満足するまで、または、デバイスがタックを空にするま
で繰り返される;
f.デバイスをトロカールまたはポーとから取り外す;
【0018】
図2には、タックの一実施形態が示されており、図示のとおり、タック300は、図1
のデバイスとともに使用することができる。タックは、生体吸収性材料から成型すること
ができる。好適な実施形態における材料は、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、PLG
Aであるが、用途に応じて、以下の材料PGA、PLLA、PDLGA、PLDLAもし
くは他の吸収性または非吸収性材料を任意の割合として作製することができる。
【0019】
1.タック300は、遠位のタッキング部320と、該遠位のタッキング部と相互接続部材330によって接続された近位の当接部310と、を特徴とする。近位の当接部310は、ドライバーデバイス100の遠位の先端125が最初に通過する、開口305を有する。先端125は、遠位のタッキング部における開口325を介して同様に受容される。タックが展開されると、該タックは、表面311が腹壁およびメッシュに当接するまで送達される。デバイス100のタック受け部が取り外されて115が存在しない場合、内腔の50%以上を有する凹部350が露出する。タックの内腔の50%以上をタック本体の長手方向軸に沿って露出させると、組織に埋め込まれたタックにより送達後の組織内殖が容易になり、あるいは促進される。組織は、凹部に陥入して、後向きエッジ321がかかりとして作用し、組織に引っ掛かってタックが外れるのを防止することができる。さらに、露出した内腔は、処置後に組織の内殖を促進する。
【0020】
図3Bに示すようなタックの代替構成を提供することができ、このタックは、タックのさらなる固定を容易にするための追加の第2のかかり321を有する。これらの第2のかかりは、段差部を取り外した場合にのみ有効である点で、第1のかかりと同様に機能する。代替的に、他の実施形態では、図3Aおよび3Cにそれぞれ図示するように、第1のかかりとは異なりタックの外表面上にあるかかり331を特徴とすることができ、該かかりは、送達を通して有効であり、アンカーを展開する手段として機能する。
【0021】
図3Aは、タックの組織/メッシュ近位接触部分310の面積を最大にしながらインプ
ラントの体積を減少させるのに役立つ、多数の窓355を特徴とするタックを示す。図3
Bおよび図3Dは、遠位の先端部に向かって角度付けされた近位の接触部表面312を示
している。この構成により、アンカーとメッシュとの良好な接触が確保される。
【0022】
図13は、図2Aのタックのさらなる実施形態を示す。図13のタックは、遠位のタッキング部320が、遠位の開口325(図2A参照)を有しない点において異なっている。代わりに、遠位のタッキング部は閉口しており、タックは最終的にドライバー上に着座するがドライバーの先端部はタックを突き抜けないようになっている。遠位のタッキング320の外表面には、タックの先端3525で終端するネジ山2640が設けられている。ドライバーデバイス100のタック受け部が取り出されたときに凹部350が露出するように、かかり321が設けられている。凹部350は、組織内での展開時に、組織がこの凹部内に陥入して後方に面するエッジ321がかかりとして機能するという点で、上述した凹部と同様である。このネジ山2640は、かかり321を超えて延びないようなサイズであり、デバイスが回転する際または過回転する際に形成され得る欠陥がかかりよりも大きくならないので、送達位置でタックがより良く保持されるという点で有利である。
【0023】
タックとドライバーとの間に提供されるスティクションがタックの脱落を防止するように、タックは、先端またはタックの内腔表面上のヒドロゲル、シリコーンゲルもしくは止血性ゲルコーティング使用によって先端に保持されてもよい。代替的に、タックは、貫通孔が円弧状であり、ドライバーとの相互作用によって僅かな締まり嵌めを生じさせることによって先端からの落下を防止するように構成することができる。代替的に、螺旋状またはオーガースタイルのドライバー先端が設けられた実施形態において、タックは、ドライバー先端と相互作用して落下を防止する内部ネジ山を特徴とすることができる。タックが展開されて回転により先端が引っ込められると、タックを外すことができる。
【0024】
タックを送達器具の端部に保持するための代替的な構成では、図16および17に示す
ように、メインシャフト2600に内腔2601が設けられている。アンカー係合部26
16は、タック1500と僅かに締まり嵌めされ得る。アンカー係合部を近位に移動させ
るために、単純なプッシュプル構成を設けることができる。ユーザがタックの配置に満足
すると、ニードル係合部が引っ込められて、送達器具がタックから分離する。他の実施形
態において、アンカー係合部2616は、タック1500とクリアランス嵌めされ得る。
次いで、アンカー係合部は、前方に前進することによってタックを押すのに使用すること
ができる。この概念に基づく他のバリエーション(不図示)では、中心線からオフセット
されてタックの背面1524と係合する、1つまたは複数のプッシャーロッドを設けるこ
とができる。
【0025】
さらなる構成が図17に示されている。ここでは、外向きに付勢された一対のクリップ
2710Aおよび2710Bがタックを保持している。図17の左側の図に示されるよう
に、アウターチューブ2700が、クリップをロック位置に保持している。各クリップは
、タックの後部で表面311上に延びる、遠位のキャッチ2720を有する。図17の右
側の図に示されるように、シャフト2700が引っ込められると、クリップが外側に跳ね
てキャッチが解放されて、タックが送達器具の端部から外される。クリップ2710の近
位端にある第2の組のキャッチ2730は、クリップをシャフト2600に保持するよう
に、シャフト2600の凹部と相互作用している。使用時、シャフト2700の遠位端は
キャッチ2730と重なるように設計されており、これにより、シャフトの端部に対する
キャッチの固定が維持される。
【0026】
図1のデバイスに対する代替的な構成は、ドライバーデバイスおよびタックを提示する
が、カートリッジを提示しない。この構成では、ユーザは、デバイスの段差部115にタ
ック300を手動で配置する。次いで、ドライバーデバイスをトロカールに通して、腹腔
内におけるメッシュの取り付けに使用することができる。
【0027】
図2のデバイスを使用するために、ユーザは:
a.送達デバイスの段差部にタックを配置し;
b.次いで、ドライバーデバイス100をトロカールまたはポートを介して所望の位置に
挿入してタックを配置し;
c.圧力を加えてデバイスを回転させることにより、所望の位置にタックを展開し;
d.タックがうまく展開されたら、ドライバーデバイスを本体部から引き抜く。
e.ユーザは、送達デバイスの段差部に別のタックを配置し、ユーザが十分な付着が達成
されたことに満足するまで、ステップa~dを繰り返し、
f.デバイスをトロカールまたはポートから取り外す。
【0028】
図4Aは、本教示の制約内で有効に使用され得るタック500のさらなる実施形態を示
す。タック500は、遠位の本体部521を含む。該本体部の遠位端に、先端520が位
置している。先端部は、鋭い先端幾何学形状を有するように示されているが、非鋭利な先
端を有する実施形態も同様に採用することができる。先端からは、螺旋状特徴部510が
本体部の周りに突出している。本体部の近位端は、テール特徴部522で終端している。
テール特徴部522は、送達中に、送達器具600と相互作用することが意図されている
。メッシュを介して送達された後、テール要素はメッシュを支持し、メッシュを腹壁と接
触させて保持する。タックもまた、内腔540を特徴として中空である。本体部には切り
欠き部530もまた設けられており、該切り欠き部によってタックの内腔540が露出し
ている。螺旋状特徴部510は、腹壁組織内においてタックを固定する。螺旋状突起の下
側の領域は、展開されたタックが外れるのを防止するように腹部組織が作用する表面を提
供する。螺旋状特徴部に加えて、切り欠き部530は、組織が陥入し得る付加的な領域を
提供し、腹壁内におけるタックの付加的な固定を提供する。
【0029】
図4Bは、そのようなタックの配置に使用し得る送達システムの一例を示す。送達器具
600は、シャフト要素605と、その近位端に位置するハンドル特徴部610と、を備
える。その遠位端に、タック500が送達器具600に装着されて示されている。タック
の展開は、トロカール(外科手術が腹腔鏡でない場合は欠陥部)を介して送達器具を腹壁
に挿入し、送達器具の先端をタックの所望の配置場所に位置決めすることによって達成さ
れる。送達器具が回転すると、長手方向の力が働いてタックが展開される。力の発揮は、
手動または機構により達成することができる。ハンドル特徴部610は、器具の手動操作
の手段を提供した。
【0030】
タックの装填は、手作業を含む多くの方法で達成し得るが、図4Bでは、装填を補助す
るためのタックカートリッジが示されている。カートリッジは、デバイスパッケージ内の
タックのストレージとして機能することが意図されている。カートリッジはまた、タック
を送達器具に装填する手段として機能する。図4Bには、5つのタックを格納できるカー
トリッジが示されているが、実際のタックの数はこれに限定されない。
【0031】
ここで図10を参照すると、カートリッジの代替的な実施形態の一部が示されている。
この図におけるタック設計は図4のそれとは異なるが、カートリッジの動作の原理は、本
明細書に概説された多くのタック設計に適用可能であることが理解されよう。図10は、
カートリッジの1つのチャンバを示しているが、必要とされる複数のタックがある場合に
は、この特徴を多数の方法で配置できることが理解されよう。この図の主な目的は、カー
トリッジでタックを保持し、該タックを送達器具に装填するのに必要な特徴について説明
することである。
【0032】
カートリッジ1700は、本体部1715を備える。一対のフィンガー1721Aおよ
び1721Bが設けられている。各フィンガーは、その近位端1116Aおよび1716
Bで、本体部1715に取り付けられている。図10のA-A断面図に示されるフィンガ
ーの遠位端1717Aおよび1717Bは、左右に自由に撓み、フィンガーの材料および
幾何学的形状の弾性的性質により、有利には、ドライバーがカートリッジと係合してフィ
ンガーをタックから変位させ、同時にタックをドライバーまたは他の送達器具と係合させ
るまで、カートリッジ内のタックが保持される。
【0033】
図11A~11Cは、カートリッジ1700の一部の断面を示す。カートリッジは、近
位開口1706および遠位開口1705を有する。送達器具の先端1615は、近位開口
1706を通ってカートリッジの内腔1707に入る。送達器具が前進するにつれて、シ
ョルダー1625がテーパー面1730と接触する。テーパー面は、シャフトの先端部1
615をアンカーの内腔1540と整列させる(図7参照)。タック1500は、凹部1
710内に保持され、2つの突出部1720Aおよび1720Bによって遠位端に保持さ
れる。送達器具がさらに前進するにつれて、突出部は、タックテール特徴部1522の遠
位表面1523に作用する。これにより、確実に、タックが送達器具のショルダー162
5に対して完全に負荷される。送達器具がさらに前進すると、タックが開口1705から
解放される。
【0034】
ここで、図4Bを参照すると、カートリッジ700が送達器具の遠位端に向かって示さ
れている。タックが装填されると、このカートリッジはハンドルに向かって移動すること
ができ、タックの配置のためにその位置に留まることができる。タックが送達されてカー
トリッジが取り出されると送達器具は取り外されて、タックを含む次の内腔内に進められ
る。使用中におけるカートリッジの望ましくない長手方向への移動を防止するために、カ
ートリッジがハンドル上にクリックされるように、ハンドルおよびカートリッジは嵌合す
るように設計することができる。
【0035】
送達器具がカートリッジ内に挿入されると、送達器具は、該送達器具の先端1615を
タックの内腔と整列させるテーパー1730(図11参照)と係合する。送達器具がカー
トリッジを通ってさらに挿入されると、ショルダーとタックとの間の相互作用を介して伝
達される力によってタックが突出部を越えて押され、タックは遠位開口1705から出て
くることができる。カートリッジは、タックが展開されて送達器具がカートリッジから引
っ込められるまで、送達器具のシャフト上に保持される。
【0036】
図4Cおよび図4Aに戻ると、送達器具とタックとの間の相互作用が示されている。送
達器具は、シャフト605の直径よりも小さい直径を有する先端620を有する。先端部
は、タックの内腔540と係合する。先端とタックの内腔との係合は、タックを展開して
いる間に、先端がタックに対して安定性を与えることを確実にする。さらに、先端は、円
滑な展開を確実にするために、切り欠き部530を部分的に充填することが意図されてい
る。先端の直径を減少させると、送達器具上のショルダー625がもたらされ、該ショル
ダーを介して、タックのテール特徴部522に力を加えることができる、送達器具の方向
に沿った押圧力を加えることができる。タックが展開されてドライバーの先端がタックか
ら外れると、切り欠き部530により組織が陥入できる容積が画定されるので、その送達
位置内に配置されたタックがより良く固定される。
【0037】
図4Cに示すタックは、図4Aのさらなる実施形態であり、テール特徴部522の近位
表面524上に凹部を有するように変更が加えられている。両方の実施形態で、同様の符
号が使用されている。ショルダー625からの突出部650が、タックへの回転力の伝達
を可能にする。回転突出部650は、タックテールの近位表面524上の、類似している
が反対の特徴部に作用することが意図されている。そのような特徴の一例が図5に示され
ている。凹部550は、突出部650と相互作用するように切断されている。突出部65
0は、ランプ特徴部652および平坦面251を備える。送達器具が時計回りに回転する
と、平坦面651がタックに回転力を伝達する。送達器具を反時計回りに回転させると、
タックはランプ特徴部を乗り越えて滑り、次のランプ特徴部を乗り越える。このような特
徴は、間違った方向へのタックの回転を防止するために有用に使用され得る。この一方向
駆動の利点は、タックが手動で配置される場合、ユーザは、把持している送達器具を離し
たり方向替えさせたりすることなく、片手でタックの複数の完全な回転を完了できる点に
ある。これにより、ユーザは、タックの展開中に、タックに加えられる押圧力を維持する
ことができる。
【0038】
タックが過度に回転されると、ネジ山が遠位のタック部分の組織を離解させてしまう虞
がある。これに対する解決策は、送達器具にトルクスリップ機構を設けることであろう。
【0039】
図5は、タックテールの近位表面上の特徴部のさらなる例を示す。いくつかの個別部分560が、タックのテール部分から除去されているため、植え込まれる材料の体積をより減少させるとともに、シャフト上の特徴部と噛み合うことができる。特徴部555は、テール部分からの、より大きな単一の切り欠きを示す。特徴部550は、回転力が一方向にのみ作用できる要素を提供する。
【0040】
図6は、いったん装填された送達器具にタックを保持する方法を示す。重力に起因する
先端の単純な落下を防止するために、バンプ特徴部570が、送達器具の先端と干渉する
ように設けられている。570と先端の外径との間の干渉は、タックの変形を介して、ま
たは、スロット580もしくは窪み575のようなタックの拡張を可能にする特徴を組み
込むことによって、吸収することができる。これらの特徴は、限定することを意図するも
のではなく、同じ効果を達成する多くの手段が存在する。例えば、先端部620にバンプ
特徴部を付加することができる。代替的に、タックの内腔は、僅かに湾曲して先端部を形
成して干渉することができる。別の方法には、先端との相互作用の際にスティクションが
形成されるように、タックの近位表面または内腔を粘性シリコーンで被覆する方法がある
【0041】
図7および8は、タックデバイスの代替的な一実施形態を示す。上述の実施形態におい
て、送達器具は丸いシャフトを特徴としていたが、この実施形態では、送達器具のシャフ
トが四角形である。シャフトの先端部1615は、平坦部1620を特徴とする。これら
の平坦部は、タックの矩形の輪郭を有する内腔1540と相互作用し、シャフトのトルク
の伝達を可能にする。いくつかのシナリオでは、いずれかの方向にタックを回転させるこ
とが望ましい場合がある。例えば、外科医がメッシュを介してタックを配置した後に、そ
れを再配置することを望む場合である。そのようなシナリオでは、図示される平坦部が有
利である。タックは、カートリッジとともに示されているが、場合によっては、タックを
手動で送達器具に装填することが望ましい場合がある。この実施形態に示されるシャフト
は、針刺し事故を防止するのに有利なボールノーズ先端1616を特徴とする。
【0042】
矩形の輪郭形状を組み込んだ設計は、限定することを意図するものではなく、同様の利
益を得るために他の輪郭形状を使用できることが理解されよう。
【0043】
図12Aおよび12Bは、図2Bのデバイスの代替的な実施形態を示す。これらの実施
形態のタックは類似しているが、しかしながら、送達器具2605の先端部2615が螺
旋状のネジ山2640を含むように変更が加えられている。ネジ山は、タックの内腔54
0と干渉しないようなサイズである。図12Bは、送達器具に装填されたタックを示す。
先端部分における螺旋状のネジ山の利点は、回転によってタックを腹壁に配置できること
であり、タックを押し込んで配置する場合に比べて、より制御された方法が提供される。
【0044】
図14および15は、タックの代替的な構成を示す。図14のタックは、内腔305が
六角形の輪郭を有することを特徴とする。遠位のタッキング部320の幾何学的形状は、
切開トロカールを模倣する。重要な特徴は、図示されるように、リーディングエッジ45
25が鋭利でないことである。遠位のタッキング部は、提示されたタックオプションのい
くつかより僅かに長いが、リーディングエッジ4525が中心から外れているという利点
を有する。これは、主な欠陥が、かかり321と同じ平面にないことを意味し、かかりを
より効果的にする。図15に示すアンカーにおける主な違いは、リーディングエッジ45
25が鋭利な先端であり、カッティングエッジ4526が設けられている点にあり、これ
は、より小さな孔を有するメッシュを貫通するのに図14のアンカーよりも有利である。
【0045】
これらのデバイスの使用は、腹腔内に限定されず、メッシュを付着させる必要のある任
意の処置、例えば、鼠径ヘルニアの処置などに使用することができる。
【0046】
好適な構成は、本発明の教示の理解を助けるために記載されているのであって、当該記
載に限定することを意図するものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく修正を行
えることが理解されよう。
【0047】
デバイスの例示的な構成または実施例は、本明細書に添付の図面を参照して説明されて
いることが理解されよう。ある特徴または要素が1つの図を参照して説明されている場合
、その特徴または要素は、他の図または実施例を参照して説明される特徴または要素とと
もに使用または交換可能であることが理解されよう。当業者であれば、本教示を見れば、
本教示の範囲から逸脱することなく変更を行うことができるので、説明された例示的な構
成の詳細に本教示を限定することを意図するものでないことが理解されよう。
【0048】
本明細書で使用される場合、含む/含んでいるという用語は、記載された特徴、整数、
ステップまたは構成要素の存在を特定するものであるが、1つまたは複数の他の特徴、整
数、ステップ、構成要素またはそれらの群の存在または追加を排除しない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17