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特許7530378改善されたホットメルト液体吐出システムの管理のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】改善されたホットメルト液体吐出システムの管理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20240731BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240731BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20240731BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240731BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240731BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05C5/00 101
C09J5/00
C09J201/00
B05D7/24 301P
B05C11/10
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021549949
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 US2020019798
(87)【国際公開番号】W WO2020176566
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/810,380
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ハンド,ケント ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サイドマン,ローレンス,ビー.
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-083540(JP,A)
【文献】特表2015-523903(JP,A)
【文献】特開2012-081376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/26
B05C 5/00
C09J 5/00
C09J 201/00
B05D 7/24
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト液体を吐出するように構成されたアプリケータと、前記アプリケータに関連付けられているホットメルト液体ヒータとを有するホットメルト液体吐出システムのための動作命令を決定するための方法であって、
前記アプリケータの第1の動作パラメータの複数の過去のアプリケータパラメータ値を提供することであって、前記複数の過去のアプリケータパラメータ値の各過去のアプリケータパラメータ値が、過去の時間ブロックの過去の時間間隔と時間的に関連付けられている、提供することと、
前記ホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータの複数の過去のヒータパラメータ値を提供することであって、前記複数の過去のヒータパラメータ値の各過去のヒータパラメータ値が、前記過去の時間ブロックの過去の時間間隔と時間的に関連付けられている、提供することと、
前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの現在のアプリケータパラメータ値を受信することであって、前記現在のアプリケータパラメータ値が、前記過去の時間ブロックの第1の過去の時間間隔に対応する現在の時間間隔と時間的に関連付けられている、受信することと、
前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの現在のヒータパラメータ値を受信することであって、前記現在のヒータパラメータ値が、前記現在の時間間隔と時間的に関連付けられている、受信することと、
前記現在のアプリケータパラメータ値、及び前記過去の時間ブロックの前記第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている前記複数の過去のアプリケータパラメータ値のうちの過去のアプリケータパラメータ値に基づいて、前記アプリケータの前記第1の動作パラメータのフィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定することと、
前記現在のヒータパラメータ値、及び前記過去の時間ブロックの前記第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている前記複数の過去のヒータパラメータ値のうちの過去のヒータパラメータ値に基づいて、前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータのフィルタリングされたヒータパラメータ値を決定することと、
前記フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及び前記フィルタリングされたヒータパラメータ値に基づいて、前記ホットメルト液体吐出システムの第3の動作パラメータの動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための命令を決定することと、を含み、
前記ホットメルト液体吐出システムの前記第3の動作パラメータが、ホットメルト液体の温度と関連付けられており、
前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値が、前記ホットメルト液体ヒータの目標温度を含み、
前記目標温度が、所定の吐出温度又は所定のセットバック温度のうちの少なくとも1つを含み、前記セットバック温度が、前記吐出温度よりも低い、方法。
【請求項2】
前記現在のアプリケータパラメータ値及び前記現在のヒータパラメータ値が、前記ホットメルト液体吐出システムから遠隔に位置付けられているコンピュータシステムによって受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アプリケータの前記第1の動作パラメータが、前記アプリケータのガンサイクルに関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アプリケータの前記第1の動作パラメータが、時間的に関連する時間間隔中の前記アプリケータのガンサイクルカウントを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータが、前記ホットメルト液体ヒータのデューティサイクルに関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータが、時間的に関連する時間間隔中の前記ホットメルト液体ヒータのデューティサイクル値を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記過去のアプリケータパラメータ値が、前記過去の時間ブロックの前記第1の過去の時間間隔に対応する複数の過去の時間間隔にわたる前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの移動平均を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定することが、前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの前記移動平均を前記現在のアプリケータパラメータ値で更新することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの前記移動平均が、指数平滑移動平均を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記過去のヒータパラメータ値が、前記過去の時間ブロックの前記第1の過去の時間間隔に対応する複数の過去の時間間隔にわたる前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの移動平均を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルタリングされたヒータパラメータ値を決定することが、前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの前記移動平均を前記現在のヒータパラメータ値で更新することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの前記移動平均が、指数平滑移動平均を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための前記命令は、前記ホットメルト液体ヒータがホットメルト液体に熱を適用することを中断するための命令を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための前記命令は、前記ホットメルト液体ヒータがホットメルト液体に熱を適用することを開始するための命令を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための前記命令は、前記ホットメルト液体ヒータがオンモード、オフモード、セットバックモード、又は準備完了モードのうちの少なくとも1つを含む動作モードに入るための命令を含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための前記命令は、前記ホットメルト液体吐出システムがオンモード、オフモード、セットバックモード、又は準備完了モードのうちの少なくとも1つを含む動作モードに入るための命令を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記過去の時間ブロックが週を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記過去の時間ブロックが、行列として編成され、前記行列の各要素が、前記過去の時間ブロックの過去の時間間隔を表している、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記行列の各要素が、前記複数の過去のアプリケータパラメータ値のうちの過去のアプリケータパラメータ値及び前記複数の過去のヒータパラメータ値の関連する過去のヒータパラメータ値を示している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記過去の時間ブロックの過去の時間間隔が、1分~10分を含む範囲の継続時間を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの第2の現在のアプリケータパラメータ値を受信することであって、前記第2の現在のアプリケータパラメータ値が、前記過去の時間ブロックの第2の過去の時間間隔に対応する第2の現在の時間間隔と時間的に関連付けられている、受信することと、
前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの第2の現在のヒータパラメータ値を受信することであって、前記第2の現在のヒータパラメータ値が、前記第2の現在の時間間隔と時間的に関連付けられている、受信することと、
前記第2の現在のアプリケータパラメータ値、及び前記過去の時間ブロックの前記第2の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている前記複数の過去のアプリケータパラメータ値のうちの第2の過去のアプリケータパラメータ値に基づいて、前記アプリケータの前記第1の動作パラメータの第2のフィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定することと、
前記第2の現在のヒータパラメータ値、及び前記過去の時間ブロックの前記第2の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている前記複数の過去のヒータパラメータ値の第2の過去のヒータパラメータ値に基づいて、前記ホットメルト液体ヒータの前記第2の動作パラメータの第2のフィルタリングされたヒータパラメータ値を決定することと、を更に含み、
前記ホットメルト液体吐出システムの前記第3の動作パラメータの前記動作パラメータ値に従って前記ホットメルト液体吐出システムを動作させるための前記命令が、前記第2のフィルタリングされたアプリケータパラメータ値及び前記第2のフィルタリングされたヒータパラメータ値に更に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記現在のヒータパラメータ値が前記現在の時間間隔に関連付けられていることは、前記現在のヒータパラメータ値が前記現在のアプリケータパラメータ値に対応する時間間隔から時間的にオフセットされた時間間隔に対応することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記現在のヒータパラメータ値及び前記現在のアプリケータパラメータ値が両方とも、同じ時間間隔に対応している、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月26日出願の米国特許出願第62/810,380号に対する優先権を主張するものであり、当該特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、液体吐出に関し、より具体的には、強化されたホットメルト液体吐出システム管理に関する。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト液体吐出システムは、様々な用途において有用である。例えば、このようなシステムは、使い捨て衛生製品の製造中にホットメルト接着剤を適用することができる。別の例として、ホットメルト液体吐出システムは、食品及び飲料のための紙ベースの包装など、様々な種類のパッケージングを組み立てるためにホットメルト接着剤を適用することができる。このような用途で使用されるホットメルト接着剤としては、湿気硬化型ホットメルトポリウレタン接着剤(「ホットメルトPUR」)が挙げられ、これは、安定した表面同士の結合が形成されなければならない場合によく使用される。他の従来のホットメルト接着剤は、木材、プラスチック、波形フィルム、紙、カートンストック、金属、硬質ポリ塩化ビニル(PVC)、布地、及び革など、類似及び異種の様々な材料を嵌合関係で一緒に固定するために使用することができる。ホットメルト接着剤は、溶融及び吐出後に接着剤が急速に固化することが望ましい用途において特に有用であり得る。
【0004】
ホットメルト液体吐出システムの例示的な構成では、ホットメルト接着剤の固体形態が、溶融したホットメルト接着剤を製造するために加熱タンク及び/又は加熱グリッドを備えるメルターに供給される。加熱後、溶融した接着剤は、加熱されたホースを通って、バルブとノズルとを備える、吐出「ガン」又は「ガンモジュール」と呼ばれることもあるアプリケータに送り込まれる。ホットメルト接着剤液体吐出システムは、2つ以上のアプリケータを備えてもよい。アプリケータは、ホットメルト接着剤が吐出される前にホットメルト接着剤の温度を更に維持するために、それ自体のヒータ(複数可)を備えてもよい。更に、理想的な効率でホットメルト接着剤吐出システムを動作させることは、多数の課題をもたらす。例えば、ホットメルト接着剤は、経時的に変色又は劣化する。これは、ホットメルト接着剤が塗布のために必要な高い温度に保持されている間、及び/又はより長い期間にわたって、特にそうなる可能性がある。この問題は、比較的低い流量を有するシステムにおいて悪化し得る。
【0005】
劣化したホットメルト接着剤は、ホットメルト接着剤吐出システムのホース及び他の構成要素の内面に付着する傾向があり、それによってホットメルト接着剤の有効な流動を阻害する。劣化したホットメルト接着剤は、接着剤の黒くなった又は焦げた部分で更に炭化物を形成することがある。劣化したホットメルト接着剤は、フィルタ及びアプリケータの詰まり、並びにホットメルト接着剤をアプリケータに送達するホースのより頻繁な洗浄を含む、吐出システムにおいて多数の問題を引き起こすことがある。劣化したホットメルト接着剤は、一般的に、システムの維持及び修理を増加させ、動作可能時間を低下させることがある。
【0006】
本開示では、これら及び他の欠点に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ホットメルト液体を吐出するように構成されたアプリケータと、アプリケータに関連するホットメルト液体ヒータとを有するホットメルト液体吐出システムを管理するためのシステム及び方法が本明細書に開示される。ホットメルト液体吐出システムの動作命令を決定するための例示的な方法では、アプリケータの第1の動作パラメータの複数の過去のアプリケータパラメータ値、及びホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータの複数の過去のヒータパラメータ値が提供される。複数の過去のアプリケータパラメータ値の各過去のアプリケータパラメータ値は、過去の時間ブロックの過去の時間間隔と時間的に関連付けられている。複数の過去のヒータパラメータ値の各過去のヒータパラメータ値は、過去の時間ブロックの過去の時間間隔に関連付けられている。アプリケータの第1の動作パラメータの現在のアプリケータパラメータ値、及びホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータの現在のヒータパラメータ値が受信される。現在のアプリケータパラメータ値は、過去の時間ブロックの第1の過去の時間間隔に対応する現在の時間間隔と時間的に関連付けられており、現在のヒータパラメータ値は現在の時間間隔に関連付けられている。アプリケータの第1の動作パラメータのフィルタリングされたアプリケータパラメータ値は、現在のアプリケータパラメータ値及び第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている複数の過去のアプリケータパラメータ値のうちの過去のアプリケータパラメータ値に基づいて決定される。ホットメルト液体ヒータに関連付けられている第2の動作パラメータのフィルタリングされたヒータパラメータ値は、現在のヒータパラメータ値、及び第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている複数の過去のヒータパラメータ値のうちの過去のヒータパラメータ値に基づいて決定される。フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及びフィルタリングされたヒータパラメータ値に基づいて、ホットメルト液体吐出システムの第3の動作パラメータの動作パラメータ値に従って、ホットメルト液体吐出システムを動作させるための命令が決定される。
【0008】
ホットメルト液体吐出システムのアプリケータの故障を予測するための例示的な方法では、アプリケータの第1の動作パラメータの複数のアプリケータパラメータ値、及びホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータの複数のヒータパラメータ値が提供される。複数のアプリケータパラメータ値の各アプリケータパラメータ値は、第1の時間ブロックの時間間隔と時間的に関連付けられており、複数のヒータパラメータ値の各ヒータパラメータ値は、複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられている。複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値の第1及び第2のサブセットが決定される。アプリケータパラメータ値の第1のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、第1の時間ブロックの時間的に関連する時間間隔について、アプリケータの吐出活動がないことを示す。アプリケータパラメータ値の第2のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、第1の時間ブロックの時間的に関連する時間間隔の、アプリケータの吐出活動を示す。複数のヒータパラメータ値のうちのヒータパラメータ値の第1及び第2のサブセットが決定される。アプリケータパラメータ値の第1のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値の第1のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられており、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられている。アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第1のサブセット及びヒータパラメータ値の第2のサブセットに基づいて決定される。
【0009】
添付の図面は、本明細書に組み込まれかつその一部を構成するが、かかる図面は、諸実施形態を示し、説明と合わせて見ると、提供される方法及びシステムの諸原理を説明するのに役立つであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による例示的な吐出システムを示す図である。
図2】本開示の一実施形態による例示的なシステム及びネットワーク構成を示す。
図3】本開示の一実施形態による例示的なデータフロー図を示す。
図4】本開示の一実施形態による例示的なデータフロー図を示す。
図5】本開示の一実施形態による例示的な方法フロー図を示す。
図6】本開示の一実施形態による例示的な方法フロー図を示す。
【0011】
本開示の態様は、特に指定しない限り、図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は、特に指定されない限り、全体にわたって同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のシステム及び方法は、強化されたホットメルト液体吐出システム管理に関する。強化されたホットメルト液体吐出システム管理は、ホットメルト接着剤のための吐出システム内に実装されてもよい。主にホットメルト接着剤を参照するが、本明細書に記載される技術は、非接着剤を含む任意の種類のホットメルト液体に適用可能であり得る。
【0013】
図1は、本明細書に記載される技術が実装され得る例示的なホットメルト接着剤システム10を示す。ホットメルト接着剤システム10は、ペレットなどの固体又は半固体ホットメルト接着剤24aを受容及び溶融するための接着剤供給部22と、接着剤供給部22に接続されたマニホールド26と、コントローラ28と、ユーザインターフェース29と、を含む、吐出ユニット20を備える。接着剤供給部22は、とりわけ、タンク型メルター、又はグリッド及びリザーバ式メルターであってもよい。溶融すると、接着剤供給部22内に貯蔵された固体又は半固体ホットメルト接着剤24は、液体ホットメルト接着剤24に変換される。接着剤供給部22は、側壁30と、取り外し可能なカバー31と、ホットメルト接着剤24a及び接着剤供給部22内の液体ホットメルト接着剤24を溶融及び加熱するための1つ以上の接着剤供給ヒータ34を含む基部32と、を備える。基部32に近接する接着剤供給出口36は、マニホールド26の入口40に接続する通路38に結合されている。
【0014】
垂直に配向されたピストンポンプ(図示されるような)又はギアポンプなどの容積式ポンプ58は、液体ホットメルト接着剤24を接着剤供給部22からマニホールド26内に圧送するためにマニホールド26に結合されている。ポンプモータ59はポンプ58を駆動する。マニホールド26は、スペーサ41を用いて接着剤供給部22の側壁30に取り付けられ、接着剤供給部22にマニホールド26からの熱的な隔離を提供するのに十分な距離42をおいて接着剤供給部22から離間している。マニホールド26は、液体接着剤24をアプリケータ48、50に供給するために、1つ以上の接着剤アプリケータ48、50に取り付けられた加熱ホース46と適合され得る複数の出口ポート44を含む。マニホールド26は、接着剤供給ヒータ34とは別個であり、コントローラ28によって独立して制御され得るマニホールドヒータ56を含んでもよい。いくつかの実施形態では、接着剤供給部22及びマニホールド26を加熱するために単一のヒータを使用することができる。図1は、マニホールド26に近接して物理的に近接する接着剤供給部22を示しているが、ホットメルト接着剤の供給源がマニホールドから物理的に離れている他の配置も可能である。このような配置では、2つ以上のポンプを使用して、ホットメルト接着剤を接着剤供給部22から最終的な適用点に向けて移動させることができる。
【0015】
マニホールド26は、対応する加熱ホース46によってアプリケータ48、50に運ばれる複数の流れを生成することができる。ホース46は、各ホース46に関連付けられているコードセット62によってコントローラ28に電気的に結合されている。アプリケータ48、50は、液体ホットメルト接着剤24を、カートン、パッケージ、又は他の物体などの製品に吐出/適用するように構成された1つ以上の接着剤吐出モジュール54を含む。接着剤吐出モジュール54は、アプリケータヒータ53を有するアプリケータ本体51に取り付けられ、フレーム52上に支持されている。ホットメルト接着剤システム10は、図1に示されるように、吐出ユニット20の両側に位置付けられた1つのアプリケータを備える2つのアプリケータ48、50を含むが、ホットメルト接着剤システム10の他の実装形態は、異なる数のアプリケータ、吐出モジュール、及び他の構成を使用してもよい。例えば、アプリケータ48、50は、各々、単一の接着剤吐出モジュール54で構成されてもよく、又は各々、一対の接着剤吐出モジュール54で構成されてもよい。アプリケータ48、50の接着剤吐出モジュール54は、共通して監視され、制御され、及び共通の空気供給によって作動されてもよい。あるいは、アプリケータ48、50の接着剤吐出モジュール54は、独立して監視され、制御され、別個の空気供給部によって作動されてもよい。アプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54は、様々にアプリケータ又はディスペンサと称され得る。
【0016】
ポンプ58は、接着剤供給部22の外部に位置付けられ、空気供給部61から空気を受容する空気圧調整器70に接続されている。より具体的には、空気圧調整器70は、吐出ユニット20に取り付けられ、空気供給部61に接続されている。いくつかの実装形態では、ポンプ58は、マニホールド26に取り付けられ、マニホールドヒータ56によって加熱されてもよい。この配置は、より大きなタンク開口部60がタンク容量を増加させ、ポンプ58を加熱するのに必要な時間を短縮する。更に、マニホールド26に流量計80が取り付けられてもよい。流量計80は、各センサに関連付けられているそれぞれのコード63a、63bによってコントローラ28に電気的に結合された一対のセンサを備える。光センサなどの少なくとも1つの製品検出器90もまた、コントローラ28に電気的に結合されている。
【0017】
吐出ユニット20は、ホットメルト接着剤システム10用の電源及び電子制御部を収容するコントローラ28を含む。コントローラ28は、ホットメルト接着剤システム10及びその構成要素の様々な動作パラメータのための値を監視、記憶、及び設定するように構成されてもよい。例えば、コントローラ28は、設定された時間間隔(例えば、5分毎)で1つ以上の動作パラメータ値を捕捉し、それらの捕捉された動作パラメータ値を記憶するように構成されてもよい。追加的に又は代替的に、コントローラ28は、収集された及び/又は記憶された動作パラメータ値を遠隔コンピュータシステムに送信してもよい。したがって、コントローラ28は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されると、コントローラ28に本明細書に記載される様々な動作を実行させる命令を記憶するように構成された1つ以上のプロセッサ及びメモリで構成されてもよい。コントローラ28は、遠隔コンピュータシステムに前述の収集及び/又は記憶された動作パラメータ値を送信するなどのように、遠隔コンピュータシステムと通信するためのネットワークインターフェース(例えば、有線又は無線)を用いて構成されてもよい。
【0018】
コントローラ28は、アプリケータ48、50の動作パラメータのための値を監視、記憶、及び設定するように構成されてもよく、接着剤吐出モジュール54は、ホットメルト接着剤を吐出することに関連付けられている動作パラメータを含む。このようなパラメータは、アプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54の「ガンサイクル」のカウントを含むことができる。ガンサイクルは、接着剤吐出モジュール54のノズルバルブの開閉サイクルなどの、接着剤吐出又は適用の単一の別個のインスタンスを指すことができる。ガンサイクルカウントは、単一の接着剤吐出モジュール54のガンサイクル、単一のアプリケータ48、50(及びその接着剤吐出モジュール54)のガンサイクル、又はホットメルト接着剤システム10の複数の(又は全ての)構成アプリケータ48、50のガンサイクルを指すことができる。ガンサイクルのカウントは、ガンサイクルの絶対カウント、ガンサイクルの速度、及び/又は時間の間隔内のガンサイクルのカウントを指すことができる。コントローラ28はまた、「オン」モード、「オフ」モード、及び「準備完了」モードなどの、アプリケータ48、50及び接着剤吐出モジュール54の動作モードを監視、記憶、及び設定することもできる。アプリケータ48、50又は接着剤吐出モジュール54は、「オン」モードであってもよいが、進行中の初期化プロセス中、又は関連するホットメルト接着剤がまだ吐出に適した又は好ましい動作温度までではない場合などは、「準備完了」モードではなく「オン」モードであってもよい。アプリケータ48、50又は接着剤吐出モジュール54は、関連するホットメルト接着剤が、吐出に適した又は好ましい温度であるときに、準備完了モードであってもよい。
【0019】
ホットメルト接着剤システム10の加熱機構に関して、コントローラ28は、接着剤供給ヒータ34、マニホールドヒータ56、及びアプリケータヒータ53、並びに任意のホースヒータを含むヒータに電気的に結合される。コントローラ28はまた、ホットメルト接着剤システム10内の様々な温度センサと結合されてもよく、この温度センサは、接着剤供給ヒータ34、マニホールドヒータ56、アプリケータヒータ53、及び任意のホースヒータに関連付けられているか、又はこれらに含まれていてもよい。コントローラ28は、独立して、接着剤供給ヒータ34、マニホールドヒータ56、アプリケータヒータ53、及び任意のホースヒータを独立して監視及び調整する。接着剤供給部22内に受容された固体又は半固体ホットメルト接着剤24aを溶融させ、(溶融した)ホットメルト接着剤24の温度を維持して、アプリケータ48、50に供給されて接着剤吐出モジュール54によって吐出されるホットメルト接着剤24の適切な粘度を確保する。例えば、コントローラ28は温度センサからの温度情報(現在の温度値)を受信し、ヒータ制御命令を各ヒータに送信して温度(目標温度値)を調整する。このようなヒータ制御命令は、ホットメルト接着剤システム10内のヒータのいずれか又は全ての温度を上昇又は低下させることができる。
【0020】
現在又は目標温度は、ホットメルト接着剤が適用又は吐出に適した又は好ましい動作温度とすることができる。現在又は目標温度はまた、より低い「セットバック」温度とすることもできる。セットバック温度で保持されたホットメルト接着剤は、動作温度などのより高い温度で保持された場合に発生する可能性のある炭化及びその他の劣化が少なくなる可能性がある。セットバック温度で保持されたホットメルト接着剤は、吐出に好ましい粘度又は他の属性を有しない場合がある。ホットメルト接着剤をセットバック温度で保持することは、例えば、動作に一時から中程度の小休止がある場合などに有効であり得る。この例又は同様の例では、ホットメルト接着剤は、小休止中の劣化及び変色を低減するために、セットバック温度まで低下させることができるが、吐出動作が再開されるときに、比較的迅速に動作温度に戻ることができる。
【0021】
上記に加えて、コントローラ28は、したがって、ホットメルト接着剤システム10内のホットメルト接着剤の温度に関連付けられている様々な動作パラメータ値を監視、記憶、及び設定することができる。接着剤供給ヒータ34の現在及び目標温度値に加えて、マニホールドヒータ56、アプリケータヒータ53、及びホース46の現在及び目標温度値に加えて、コントローラ28はまた、注目されたヒータのいずれか又は全てに関するデューティサイクル情報を監視、記憶、及び設定してもよい。例えば、コントローラ28は、接着剤供給ヒータ34のデューティサイクル情報を監視、記憶、及び設定してもよい。ヒータのデューティサイクルは、時間の間隔内にヒータが起動される(すなわち、関連するホットメルト接着剤を加熱する)時間の割合又は比率を指すことができる。デューティサイクルのそのような時間の間隔は、コントローラ28が、ガンサイクルデータを含むホットメルト液体接着剤システム10の他の様々な動作パラメータ値を収集し得る時間の間隔と一致してもよい。例えば、ヒータのデューティサイクル値は、10分間の時間間隔にわたって20%の起動であってもよく、したがって、ヒータが10分にわたって2分間(例えば、累積的に)起動されたことを示す。
【0022】
一態様では、デューティサイクルは、コントローラ28がホットメルト接着剤システム10の他の動作パラメータ値を収集する時間間隔よりも短い時間間隔(デューティサイクルの部分時間間隔)に従って制御されてもよい。例えば、ホットメルト接着剤システム10の他の動作パラメータが収集される時間間隔が10分の時間間隔であるのに対し、30秒ごとにヒータの温度が評価され、それに応じてデューティサイクルが調整されてもよい。一態様では、より長い時間間隔内の複数のより短いデューティサイクルの部分時間間隔のデューティサイクル値を平均化することができ、その平均は、より長い時間間隔の代表的なデューティサイクル値として使用されてもよい。別の態様では、より長い時間間隔内の複数のより短いデューティサイクルの部分時間間隔のうちの1つのデューティサイクル値は、より長い時間間隔の代表的なデューティサイクル値として使用されてもよい。例えば、より長い時間間隔内の最後のデューティサイクルの部分時間間隔のデューティサイクル値は、より長い時間間隔の代表的なデューティサイクル値として使用されてもよい。
【0023】
ヒータのデューティサイクルは、典型的には設定可能な動作パラメータではない。むしろ、温度は、典型的にはヒータに対して指定され、ヒータのデューティサイクルは、ヒータ内のホットメルト接着剤のこの温度を維持するように調整される。ヒータのデューティサイクルはまた、時間間隔内のガンサイクルのカウントなどの、関連するアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54の動作にも基づいてもよい。すなわち、ヒータのデューティサイクルは、典型的には、関連するアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54の動作の少なくとも一部の関数である。例えば、時間間隔内のガンサイクルカウントの増加は、時間間隔中に関連するヒータのデューティサイクル値の同様の増加を引き起こし得る。デューティサイクル値の増加は、吐出温度において、関連するアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54へのホットメルト接着剤の流れを維持するために必要とされ得る。一例として、アプリケータヒータ53の時間間隔にわたるデューティサイクル値は、時間間隔中のアプリケータ48(及び/又はその接着剤吐出モジュール54)のガンサイクルのカウントの関数であり得る。デューティサイクル値の時間間隔は、このデューティサイクル値に関連付けられているガンサイクルカウントの時間間隔から時間的にオフセットされてもよい(例えば、後に)。これは、関連するヒータによって供給されるホットメルト接着剤のためのアプリケータ48、50又は接着剤吐出モジュール54による需要の遅延に起因し得る。
【0024】
ヒータのデューティサイクルは、更に、アプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54が意図されるように動作しているかどうかなどの、関連するアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54の機能的状態によって影響を受ける場合がある。例えば、空気を漏らすアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54は、対応するアプリケータヒータ53のデューティサイクルの増加と関連付けられてもよい。
【0025】
図2は、本明細書に記載される技術を実装することができる、例示的なシステム及びネットワーク構成を示す。このような構成では、吐出システム220(例えば、図1のホットメルト接着剤システム10)、コンピュータシステム230、及びクライアントデバイス240は、ネットワーク210を介して相互通信することができる。吐出システム120との通信は、吐出システム220のコントローラ222(例えば、図1のコントローラ28)を介して達成されてもよい。ネットワーク210は、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る。いくつかの例を挙げると、ネットワーク210は、インターネット、イントラネット、(無線)ローカルエリアネットワーク、及び/又はセルラーネットワークを含んでもよい。
【0026】
図1に関して述べたように、コントローラ222は、任意のアプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50及び接着剤吐出モジュール54)の様々な動作パラメータ値、及び任意のヒータ構成要素(例えば、図1の接着剤供給ヒータ34、マニホールドヒータ56、ホースヒータ、及びアプリケータヒータ53)の様々な動作パラメータ値を含む、吐出システム220の構成要素の様々な動作パラメータ値を収集、記憶、設定、及び送信してもよい。吐出構成要素の動作パラメータは、ガンサイクル速度又はカウントの時間間隔又は他のインジケータ内のガンサイクルのカウントを含んでもよい。ヒータ構成要素の動作パラメータは、時間間隔におけるヒータ構成要素のデューティサイクル値を含んでもよい。
【0027】
コンピュータシステム230は、様々なコンピュータサーバ及びネットワークデバイスなどの1つ以上のコンピューティングデバイスを備えてもよい。コンピュータシステム230は、1つ以上のネットワーク化されたコンピューティングデバイスを備えてもよい。コンピュータシステム230は、吐出システム220から離れて位置付けられてもよい。例えば、コンピュータシステム230は、クラウドコンピュータシステムを備えてもよい。対照的に、吐出システム220は、製造若しくは組立施設、又は他の種類のプラント若しくは工場に位置付けられてもよい。コンピュータシステム230は、吐出システム220の少なくとも一部分の製造業者と関連付けられてもよい。吐出システム220の所有者/オペレータは、製造業者の継続的なクライアント又は顧客であってもよい。
【0028】
クライアントデバイス240は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)を含むコンピューティングデバイスを備えてもよい。クライアントデバイス240は、1つ以上の入力及び出力構成要素を用いて構成されてもよく、これにより、ユーザがコンピュータシステム230からのデータを表示し、データを操作することを可能にし得る。例えば、ユーザは、クライアントデバイス240を使用して、コンピュータシステム230によって決定された吐出システム220の提案された動作スケジュールを表示し、承認することができる。クライアントデバイス240は、吐出システム220と同じ位置に配設されてもよく、又は吐出システム220から遠隔であってもよい。クライアントデバイス240は、吐出システム220を見る作業員に関連付けられてもよい。
【0029】
動作中、吐出システム220は、吐出システム220のホットメルト接着剤の温度に関連付けられている1つ以上の動作パラメータの過去(すなわち以前)及び現在のパラメータ値を決定してもよい。例えば、吐出システム220は、吐出システム220のアプリケータに関連付けられているヒータのデューティサイクルを示す1つ以上の過去及び現在のパラメータ値を決定してもよい。吐出システム220は、吐出システム220のアプリケータに関連付けられている1つ以上の動作パラメータの過去及び現在のパラメータ値を更に決定してもよい。例えば、吐出システム220は、吐出システムのアプリケータのガンサイクルのカウントを示す過去及び現在のパラメータ値を決定してもよい。吐出システム220は、コントローラ222を介して、上述の過去及び現在のパラメータ値をコンピュータシステム230に送信してもよい。
【0030】
コンピュータシステム230は、吐出システム220からの過去のパラメータ値及び現在のパラメータ値を受信してもよい。いくつかの例では、コンピュータシステム230は、過去に吐出システム220から受信した過去のパラメータ値を既に記憶していてもよい。コンピュータシステム230は、過去及び現在のパラメータ値を処理して、吐出システム220のスケジュールを決定することができる。例えば、パラメータ値は、各動作パラメータの移動平均を決定するなど、フィルタリングされてもよい。スケジュールは、パラメータ値の時間的傾向に基づいて決定されてもよい。この傾向は、例えば施設作業員が休憩しているとき、又は他の場合に施設が閉鎖されている場合など、吐出システム220がホットメルト接着剤を吐出するためにアクティブな動作をしていない時間又は時間範囲を反映してもよい。スケジュールは、吐出システム220を動作させるための1つ以上の命令を示してもよい。スケジュールは、吐出システム220の1つ以上のヒータが動作する時間及び条件を示してもよい。例えば、スケジュールは、ヒータがオフモードからオンモードになるか、又はオンモードからオフモードになるまでの1回以上の時間を示してもよい。スケジュールは、ヒータの目標温度、並びにヒータがその標的温度への関連するホットメルト接着剤の加熱を開始する(又は冷却することを可能にする)時間を示してもよい。目標温度は、吐出温度又はセットバック温度であってもよい。
【0031】
コンピュータシステム230は、(提案される)スケジュールを、吐出システム220の監督の任を負うユーザと関連付けられ得るクライアントデバイス240に送信してもよい。ユーザは、クライアントデバイス240においてスケジュールを確認し、スケジュールを承認又は拒否してもよい。承認された場合、スケジュールは、吐出システム220において与えられてもよい。スケジュールが拒否される場合、コンピュータシステム230は、そのように通知され、代替の提案スケジュールを決定してもよい。代替のスケジュールは、承認のためにクライアントデバイス240への送信などが行われてもよい。
【0032】
図3は、本開示の一実施形態による例示的なデータフロー図300を示す。データフロー図300において、1つ以上のフィルタリングされた動作パラメータ340は、1つ以上の現在の動作パラメータ310、1つ以上の過去の動作パラメータ320、及び1つ以上の状態パラメータ330に基づいて決定される。フィルタリングされた動作パラメータ340は、現在の動作パラメータ310に基づいて過去の動作パラメータ320をフィルタリングすることによって決定されてもよい。例えば、過去の動作パラメータ320は、それぞれの過去の動作パラメータ320の複数の移動平均を含んでもよい。複数の移動平均は、フィルタリングされた動作パラメータ340を決定するために、対応する現在の動作パラメータ310に基づいて更新されてもよい。フィルタリングされた動作パラメータ340の複数の移動平均は、現在の動作パラメータ310及び過去の動作パラメータ320の対応する時間間隔に対して時間間隔ごとに決定されてもよい。1つ以上の命令350は、フィルタリングされた動作パラメータ340に基づいて決定されてもよい。
【0033】
現在の動作パラメータ310は、吐出システム(例えば、図1のホットメルト接着剤システム10又は図2の吐出システム220)が動作する1つ以上の動作パラメータを含んでもよい。より具体的には、現在の動作パラメータ310は、現在の動作パラメータ310のうちの1つ以上のパラメータ値を含んでもよい。同様に、過去の動作パラメータ320は、吐出システムが動作する1つ以上の動作パラメータを含んでもよい。更により具体的には、過去の動作パラメータ320は、過去の動作パラメータ320のうちの1つ以上のパラメータ値を含んでもよい。パラメータ値は、所定の時間間隔に対応してもよい。2つ以上のパラメータ値は、ヒータのデューティサイクルパラメータ値及びアプリケータガンサイクルカウントパラメータ値の両方などの同じ時間間隔に関連付けられてもよい。時間間隔の継続時間は、1~10分の範囲(1分と10分を含む)であってもよい。例示的な時間間隔継続時間は、5分であってもよい。別の例示的な時間間隔継続時間は、10分であってもよい。
【0034】
過去の動作パラメータ320のパラメータ値は、過去(すなわち、以前)の時間間隔に関連していてもよい。すなわち、過去の動作パラメータ320の過去のパラメータ値は、現在の時間間隔より前の時間間隔に対応してもよい。更に、過去の動作パラメータ320の各過去のパラメータ値は、現在の時間間隔より前の複数の時間間隔の過去の時間間隔に対応してもよい。現在の動作パラメータ310のパラメータ値は、現在の時間間隔に関連していてもよい。現在の動作パラメータ310の現在のパラメータ値は、現在の時間間隔に対応してもよい。現在の時間間隔は、過去の動作パラメータ320に関連付けられている過去の時間間隔に続くことができる。「現在の」という用語は、本明細書で使用され、本開示の他の箇所で使用される場合、文字通りではなく、広義の一般的な意味で解釈されるべきである。例えば、「現在の」時間間隔は、フィルタリングされた動作パラメータ340が決定される時間よりも数分、数時間、又は数日前であってもよい。いくつかの態様では、現在のパラメータ値は、フィルタリングされた動作パラメータ340を決定するために使用される動作パラメータの最近又は直近の測定値を指してもよい。例えば、現在のパラメータ値は、過去のパラメータ値がパラメータの以前の値に基づいてパラメータの移動平均を表し得るという点で、過去のパラメータ値とは対照的であり得るが、対応する現在のパラメータ値は、移動平均を構成するパラメータの値に続く(例えば、その後に測定又は決定される)パラメータの値を含んでもよい。
【0035】
いくつかの態様では、現在のパラメータ値は、所定の時間ブロックに対する複数のパラメータ値を指すことができる。例えば、所定の時間ブロックは、1日の一部分、1日、複数日、又は1週間であってもよい。過去のパラメータ値は、同様に、現在の時間ブロックの前にある所定の時間ブロック(例えば、1日の一部分、1日、複数日、又は1週間)に対する複数のパラメータ値を指すことができる。時間ブロックは、複数の時間間隔(例えば、複数の5分の時間間隔)を含んでもよく、ブロックの各時間間隔は、1つ以上のパラメータ値に対応する。例えば、現在のパラメータ値は、最近の週の間のそれぞれの時間間隔における現在のパラメータ値であってもよく、過去のパラメータ値は、以前の1週間又は数週間における対応するそれぞれの時間間隔に対する過去のパラメータ値であるか、又はそれらを(例えば、移動平均として)表してもよい。時間ブロックは、週の複数日に細分された週など、細分化されてもよい。現在の時間ブロック内の特定の現在のパラメータ値は、時間ブロック内の同じ相対時間間隔における過去のパラメータ値(又はその移動平均)に対応してもよい。例えば、火曜日の現在のパラメータ値、現在の時間ブロック内の11:30-11:35の相対時間間隔(現在の週)は、同じ火曜日、11:30-11:35の相対時間間隔であるが、過去の時間ブロック(以前の週(複数可))内の過去のパラメータ値(又はその移動平均)に対応してもよい。現在の時間ブロック内の現在のパラメータ値と過去のブロック内の過去のパラメータ値との間の関係は、図4に関して更に考察される。
【0036】
上述のように、過去の動作パラメータ320の過去のパラメータ値は、特定の過去の動作パラメータ320の以前の過去のパラメータ値に基づく移動平均であってもよい。過去のパラメータ値の移動平均は、2つ以上の連続する水曜日の15:30-15:35の時間間隔などの、時間ブロックに対する特定の時間間隔であってもよい。したがって、水曜日の15:30~15:35の時間間隔に対する過去のパラメータ値の移動平均は、以前の水曜日の15:30-15:35の時間間隔のパラメータ値に基づいてもよい。移動平均は、単純な移動平均、累積移動平均、又は加重移動平均を含んでもよい。移動平均は、指数関数的に重み付けされた移動平均としても知られる指数平滑移動平均を含んでもよい。
【0037】
現在の動作パラメータ310は、吐出システムのホットメルト接着剤の現在の温度に関連付けられているヒータパラメータ312を含んでもよい。特に、現在の動作パラメータ310は、ヒータパラメータ312の現在のパラメータ値を含んでもよい。過去の動作パラメータ320は、同様に、吐出システムのホットメルト接着剤の1つ以上の過去の温度に関連付けられているヒータパラメータ322を含んでもよい。特に、過去の動作パラメータ320は、1つ以上の過去のヒータパラメータ322値を含んでもよい。過去のヒータパラメータ322値は、特定の過去のヒータパラメータ322の以前のヒータパラメータ値に基づく、過去のヒータパラメータ322の移動平均であってもよい。
【0038】
ヒータパラメータ312、322は、吐出システムのヒータの動作パラメータであってもよい。このようなヒータは、メルター(例えば、図1の接着剤供給ヒータ34を備える接着剤供給部22)、加熱ホース(例えば、加熱ホース46)、アプリケータヒータ(例えば、アプリケータヒータ53)、又はマニホールドヒータ(例えばマニホールドヒータ56)を備えてもよい。一実施形態では、ヒータはアプリケータのアプリケータヒータを備える。ヒータパラメータ312、322は、関連するヒータのデューティサイクルを含んでもよい。デューティサイクルパラメータ値は、ヒータが起動している時間間隔内の時間の割合又は比率を示してもよい。デューティサイクルは、他の動作パラメータ310、320が収集される時間間隔よりも短い時間間隔(デューティサイクルの部分時間間隔)で制御されてもよい。例えば、ヒータのデューティサイクルは、30秒のデューティサイクルの部分時間間隔で更新されてもよく、一方、他の動作パラメータ310、320が収集される時間間隔は、5又は10分であってもよい。ヒータの温度は、より短いデューティサイクルの部分時間間隔に従ってチェックされてもよく、それに応じてヒータのデューティサイクルを調整して、目標温度を維持するようにしてもよい。デューティサイクルパラメータ値は、前述のより短いデューティサイクルの部分時間間隔のデューティサイクル値にわたる平均デューティサイクル値などの、時間間隔内の平均デューティサイクル値を示してもよい。平均デューティサイクルは加重平均であってもよく、この加重平均は、時間間隔の終わりに偏っていてもよい(例えば、より長い時間間隔の終わりにおける、より短いデューティサイクルの部分時間間隔のデューティサイクル値に向かって偏っていてもよい)。
【0039】
デューティサイクルパラメータ値は、関連するアプリケータの、時間間隔内のガンサイクルカウントなどの、関連するアプリケータの動作に関連していてもよい。関連するアプリケータは、ヒータによって加熱される又は加熱されたホットメルト接着剤を受容するアプリケータであってもよい。例えば、アプリケータヒータ(図1のアプリケータヒータ53)は、アプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50)と関連付けられてもよく、したがってアプリケータヒータのデューティサイクルは、アプリケータのガンサイクルカウントに関連していてもよい。デューティサイクルパラメータのパラメータ値は、アプリケータの単一の接着剤吐出モジュール又はアプリケータの全ての吐出モジュールを含む、アプリケータの1つ以上の接着剤吐出モジュールに追加的又は代替的に関連していてもよい。
【0040】
現在の動作パラメータ310は、吐出システムによるホットメルト接着剤の現在の吐出又は適用に関連付けられているアプリケータパラメータ314を含んでもよい。特に、現在の動作パラメータ310は、アプリケータパラメータ314の現在のパラメータ値を含んでもよい。過去の動作パラメータ320は、同様に、吐出システムによるホットメルト接着剤の過去の吐出又は適用に関連付けられているアプリケータパラメータ324を含んでもよい。特に、過去の動作パラメータ320は、アプリケータパラメータ324の1つ以上の過去のパラメータ値を含んでもよい。過去のアプリケータパラメータ324値は、特定の過去のアプリケータパラメータ324の以前のアプリケータパラメータ値に基づく、過去のアプリケータパラメータ324の移動平均であってもよい。
【0041】
アプリケータパラメータ314、324は、アプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50)及び/又は1つ以上の接着剤吐出モジュール(例えば、接着剤吐出モジュール54)の動作パラメータであってもよく、これは、別途記載のない限り、一般にアプリケータと称されるものとする。アプリケータパラメータ314、324は、時間間隔中にアプリケータによって実施されるガンサイクルのカウント(例えば、量)を含んでもよい。したがって、各ガンサイクルパラメータ値は、特定の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。ガンサイクルは、アプリケータのノズルバルブの開閉サイクルなどのホットメルト接着剤吐出又は適用の単一の別個のインスタンスを指すことができる。ガンサイクルカウントは、単一のアプリケータ(例えば、単一の接着剤吐出モジュール)のガンサイクルを指してもよく、又は2つ以上のアプリケータの集合的ガンサイクル(例えば、アプリケータの複数の接着剤吐出モジュールによって実施される全ガンサイクル)を指してもよい。
【0042】
追加又は代替のアプリケータパラメータ314、324は、時間間隔内のガンサイクルの平均継続時間などの時間間隔内の各ガンサイクルの継続時間を含んでもよい。例えば、より短いガンサイクル継続時間は、時間間隔中に高頻度でホットメルト接着剤の少量(例えば、「ドット」)を吐出するように構成されたアプリケータと関連付けられてもよい。反対に、より長いガンサイクル継続時間は、時間間隔中により低い頻度でホットメルト接着剤のより多い量(例えば、ライン)を吐出するように構成されたアプリケータと関連付けられてもよい。追加的又は代替的なアプリケータパラメータ314、324は、各ガンサイクルによって吐出されるホットメルト接着剤の量(例えば、体積)、例えば、時間間隔内でガンサイクルによって吐出されるホットメルト接着剤の平均量を含んでもよい。
【0043】
アプリケータパラメータ314、324値は、ヒータパラメータ312、322値と関連付けられてもよい。場合によっては、時間間隔のヒータパラメータ312、322値は、同じ時間間隔のアプリケータパラメータ314、324値に対応すると見なすことができる。他の例では、ヒータパラメータ312、322値は、アプリケータパラメータ314、324値の後の1つ以上の時間間隔など、関連するアプリケータパラメータ314、324値から時間的にオフセットされてもよい。オフセットは、アプリケータパラメータ314、324値(例えば、ガンサイクルカウント)の変化が、ヒータパラメータ312、322値(例えば、デューティサイクル値)の変化を引き起こすか、又はこの変化に対応するときの遅延を補償するように決定されてもよい。
【0044】
状態パラメータ330は、一般に、現在の状態などのアプリケータ(及び/又は吐出システム全体)の状態を示すことができる。状態パラメータ330は、アプリケータの状態が変更された以前のインスタンス、及び/又は特定の時間における吐出システムの状態(状態「スナップショット」)を更に示してもよい。状態パラメータ330は、アプリケータ(及び/又は吐出システム全体)のオン/オフ状態を含んでもよい。オフ状態にあるアプリケータの場合、状態パラメータ330は、アプリケータがオフにされた時間と、現在オフにされる前にアプリケータが最後にオンされた時間と、を含んでもよい。オン状態にあるアプリケータの場合、状態パラメータ330は、アプリケータがオンにされた時間、及びアプリケータが現在オンにされる前に最後にオフにされた時間と、を含んでもよい。オフ状態は、「スリープ」状態を含んでもよい。吐出システムの他の更なる状態パラメータ330は、アプリケータ(及び/又は吐出システム全体)の「準備完了」状態を含んでもよい。状態パラメータ330は、アプリケータが現在の準備状態に入った時間、及び/又はアプリケータが最期に準備完了状態になった時間を含んでもよい。準備完了状態は、ホットメルト接着剤が吐出に適した又は好ましい温度であるアプリケータの状態を指すことができる。準備未完状態は、ホットメルト接着剤が、セットバック温度などの、吐出に適していない又は好ましくない温度であるアプリケータの状態を指すことができる。
【0045】
フィルタリングされた動作パラメータ340は、ヒータパラメータ342及びアプリケータパラメータ344を含んでもよい。ヒータパラメータ342は、現在の動作パラメータ310のヒータパラメータ312及び過去の動作パラメータ320のヒータパラメータ322と同様であってもよい。したがって、ヒータパラメータ342は、アプリケータに関連付けられているヒータのデューティサイクルを指すことができる。デューティサイクル値は、時間間隔に関連していてもよい。更に、アプリケータパラメータ344は、アプリケータのガンサイクルを指すことができる。ガンサイクルカウントは、時間間隔に関連していてもよい。
【0046】
フィルタリングされた動作パラメータ340は、現在の動作パラメータ310、過去の動作パラメータ320、及び/又は状態パラメータ330に基づいてもよい。一実施形態では、フィルタリングされた動作パラメータ340は、過去の動作パラメータ320の更新されたバージョン又はインスタンスであってもよく、過去の動作パラメータ320は、現在の動作パラメータ310に基づいて更新されたものである。したがって、フィルタリングされた動作パラメータ340を決定することは、現在の動作パラメータ310に基づいて過去の動作パラメータ320をフィルタリングすることを含んでもよい。フィルタリングされた動作パラメータ340を決定することは、移動平均を更新するために追加の(例えば、直近の)データ点として機能する現在の動作パラメータ310を用いて、過去の動作パラメータ320の移動平均を決定又は更新することを含んでもよい。したがって、フィルタリングされた動作パラメータ340は、それぞれのパラメータ値の複数の移動平均を含んでもよい。
【0047】
上述のように、過去の動作パラメータ320は、ヒータパラメータ322のヒータパラメータ値の移動平均を含んでもよい。したがって、フィルタリングされたヒータパラメータ342を決定すること342は、現在のヒータパラメータ312値を使用して、過去のヒータパラメータ322値の移動平均を更新することを含んでもよい。現在のヒータパラメータ312値は、移動平均を更新する目的で直近のヒータパラメータ値と見なすことができる。フィルタリングされた動作パラメータ340のフィルタリングされたヒータパラメータ342値を決定することは、以下の式(1)に従って実施することができる。
(式1)
d=fc+(1-f)old
【0048】
式(1)中、dは、ヒータパラメータ値(すなわち、フィルタリングされたヒータパラメータ342値)の更新された移動平均を表し、fは、フィルタ係数を表し、cは現在のヒータパラメータ312値を表し、doldは、過去のヒータパラメータ322値を表す。フィルタ係数fは、0~1の数であってもよく、より最近のヒータパラメータ値がより遠いヒータパラメータ値に対して重み付けされる程度を示してもよい。
【0049】
また前述のように、過去の動作パラメータ320は、過去のアプリケータパラメータ324のアプリケータパラメータ値の移動平均を含んでもよい。したがって、フィルタリングされたアプリケータパラメータ344を決定すること344は、現在のアプリケータパラメータ314値を使用して、過去のアプリケータパラメータ324値の移動平均を更新することを含んでもよい。現在のアプリケータパラメータ314値は、更新された移動平均を決定するための、直近のアプリケータパラメータ値と見なすことができる。フィルタリングされたアプリケータパラメータ344値を決定することはまた、dがアプリケータパラメータ値(すなわち、フィルタリングされたアプリケータパラメータ344値)の更新された移動平均を表し、fがフィルタ係数を表し、cが現在のアプリケータパラメータ314値を表し、doldが過去のアプリケータパラメータ324値を表すことを除いて、式(1)を使用して実施することもできる。フィルタリングされたアプリケータパラメータ344値を決定する際に使用されるフィルタ係数fは、フィルタリングされたヒータパラメータ342値を決定する際に使用されるものと異なっていても同じであってもよい。
【0050】
一実施形態では、現在の動作パラメータ310、過去の動作パラメータ320、状態パラメータ330、及びフィルタリングされた動作パラメータ340は各々、全体又は一部が1つ以上の行列として編成されてもよい。このような行列は、複数の時間間隔を含む時間ブロックを表すことができる。時間ブロックは、各々が時間ブロックの複数の時間間隔のうちの1つ以上を含む部分区分に更に分割されてもよい。行列の各要素は、複数の時間間隔のうちの1つの時間間隔に対応していてもよい。行列の各要素は、それぞれの時間間隔と時間的に関連付けられている1つ以上のパラメータ値を含んでもよい。例えば、各要素は、ヒータパラメータ値及び/又はアプリケータパラメータ値を含んでもよい。各要素の1つ以上のパラメータはまた、オン/オフ状態及び/又は準備完了状態(又は他の状態パラメータ330)を含んでもよい。
【0051】
フィルタリングされた動作パラメータ340値を決定することは、現在の動作パラメータ310値の行列の対応する(時間間隔に従った)要素に示されるパラメータ値に基づいて、過去の操作パラメータ320値の行列に示される移動平均に対して、要素単位及びパラメータ単位の更新を実施することを含んでもよい。
【0052】
図4を参照すると、現在の動作パラメータ310値は現在の動作パラメータ行列410として編成され、過去の動作パラメータ320値は、過去の動作パラメータ行列420として編成され、フィルタリングされた動作パラメータ340値は、フィルタリングされた動作パラメータ行列440として編成される。状態パラメータ330値は、前述の行列のいずれかにおいて様々に示されてもよい。行列410、420、440は、各々、1週間の時間ブロックを表している。現在の動作パラメータ310の行列410は、現在の週又は直近の週などの特定の週を表してもよい。行列420、440は、いずれも具体的に測定されたパラメータ値ではなく、一般的にパラメータ値の移動平均を示しているので、抽象的に1週間の時間ブロックを表していてもよい。
【0053】
行列410、420、440は各々、各々が曜日を表す、それぞれの複数の列418、428、448に編成される。行列410、420、440はまた、各々が(24時間の時計形式に従って)1日の時間間隔を表す、それぞれの複数の行416、426、446にも編成される。各行の時間間隔の継続時間は5分である。したがって、第1の行は、00:00~00:05の時間間隔であり、第2の行は、00:05~00:10の時間間隔であり、以下同様である。行列410、420、440の各要素は、曜日とその曜日中の時間間隔に対応する1つ以上のパラメータ値とを表す。要素のパラメータ値は、図4において、形式[パラメータ][曜日][時間間隔]に従って図4に表され、[パラメータ]フィールドは、ヒータパラメータに対する「w」、アプリケータパラメータに対する「x」、オン/オフ状態パラメータに対する「y」、及び準備完了状態パラメータに対する「z」を示している。したがって、wSun1|xSun1|ySun1|zSun1は、日曜日の00:00~00:05(列1)の時間間隔に対するヒータパラメータ値、アプリケータパラメータ値、オン/オフ状態パラメータ値、及び準備完了状態パラメータ値を表している。フィルタリングされた動作パラメータ340の行列440は、パラメータ値の更新された移動平均を表すために、プライム記号(’)を更に使用する。
【0054】
フィルタリングされた動作パラメータ340値の行列440は、行列410に示される現在のパラメータ値に基づいて行列420の過去の移動平均を要素単位及びパラメータ単位で更新することによって、決定されてもよい。行列420の特定の要素に表されるパラメータの過去の移動平均は、行列410の対応する要素に表される現在のパラメータ値に基づいて更新されてもよい。更新された移動平均(その曜日及びその曜日内のその時間間隔)は、行列440の対応する要素に示されてもよい。更新された移動平均は、式(1)を使用して決定することができる。
【0055】
一例として、23:55~24:00の時間間隔(wSun288によって行列420に表される)中の日曜日のヒータパラメータ値の過去の移動平均は、現在の(例えば、直近の)日曜日の23:55~24:00の時間間隔(wSun288によって行列410にも表される)の現在のヒータパラメータ値で更新される。日曜日の23:55~24:00の時間間隔のヒータパラメータ値の更新された移動平均は、wSun288’によって行列440内に表される。このヒータパラメータ値の更新された移動平均は、式(1)に従って決定されてもよく、(1)式中、cは行列410のwSun288によって表される現在のヒータパラメータ値であり、doldは、行列420内のwSun288によって表されるヒータパラメータ値の移動平均であり、dは、行列440内のwSun288’によって表されるヒータパラメータ値の更新された移動平均である。
【0056】
行列440内のxSun288’によって表される、日曜日の23:55~24:00の時間間隔のアプリケータパラメータ値の更新された移動平均は、同様に、アプリケータパラメータ値の過去の移動平均(対応する要素の行列420においてxSun288で表される)を、現在の(例えば、直近の)日曜日の23:55~24:00の時間間隔の現在のアプリケータパラメータ値(対応する要素の行列410において同じくxSun288で表される)で更新することによって決定される。日曜日の23:55~24:00の時間間隔のアプリケータパラメータ値の更新された移動平均もまた、式(1)を使用して決定することができる。日曜日の更新されたオン/オフ状態及び準備完了状態パラメータ値(ySun288’及びzSun288’によって行列440にそれぞれ表される)は、23:55~24:00の時間間隔が更新されて、現在のオン/オフ状態及び準備完了状態パラメータ値(ySun288及びzSun288によって対応する要素の行列410にそれぞれ表される)を反映するように更新される。同様のプロセスを使用して、フィルタリングされた動作パラメータ行列440の各要素、並びにヒータ、アプリケータ、及び/又は状態パラメータ値を決定することができる。
【0057】
現在の動作パラメータ行列410は、要素のパラメータ値が決定されるときに、随時決定されてもよい。例えば、行列410の要素は、実時間又はほぼ実時間で更新されてもよい。あるいは、行列410及びその要素は、一度に決定されてもよい。同様に、フィルタリングされた動作パラメータ行列440は、随時で決定されてもよい。例えば、行列440の要素は、現在の動作パラメータ行列410の対応する要素が決定されるときに決定されてもよい。あるいは、行列440及びその要素は、現在の動作パラメータ行列410の全ての要素が決定された後などに、一度に決定されてもよい。
【0058】
図3に注目すると、フィルタリングされた動作パラメータ340は、1つ以上の命令350を決定するために使用されてもよい。命令350は、吐出システムの1つ以上の動作パラメータに関連していてもよい。例えば、命令350は、アプリケータヒータ又は吐出システムの他のヒータに関連していてもよい。このような命令350は、アプリケータヒータに、その目標温度を上昇させ、その目標温度を低下させ、及び/又は目標温度を設定させることができる。命令350は、ヒータをセットバック温度に設定してもよい。命令350は、ヒータを、オフにさせ、オンにさせ、スリープモードに入らせるか、又はスリープモードから「ウェイク」させることができる。命令は、吐出システムを、オフにさせ、オンにさせ、スリープモードに入らせるか、又はスリープモードから「ウェイク」させることができる。命令350は、前述のアクションが実施されるか、又は有効になる時間を示してもよい。
【0059】
命令350は、ある期間にわたって実行される複数の命令を示すことができる。複数の命令は、吐出システム及びその構成要素が動作するスケジュールを含んでもよい。スケジュールは、様々な命令が有効になる日及び時間を示すことができる。例えば、スケジュールは、ヒータの第1のオンになった時間を平日に、ヒータの異なる第2のオンになった時間を週末に示してもよい。これらのオンになった時間は、後に吐出システムの生産動作が開始されるときにホットメルト接着剤が準備完了温度になるように最適化されてもよいが、実質的にはそれ以前にはならない。別の例として、スケジュールは、吐出システムがセットバックモードに入る時間及びセットバック温度、並びに吐出システムが通常モードに入り、アプリケータにおけるホットメルト接着剤の温度を吐出温度まで上昇させるための時間及びセットバック温度を示すことができる。
【0060】
命令350は、電子又はデジタル形式で実現されてもよい。例えば、命令350は、遠隔コンピュータシステム(例えば、図2のコンピュータシステム230)によって決定され、ネットワーク(例えば、図2のネットワーク210)を介して吐出システムのコントローラに送信され得るデジタルデータを含んでもよい。コントローラは、命令350を受け取り、命令350を処理して、命令350を実行することができる。命令350は、コントローラから、アプリケータヒータなどの吐出システムの1つ以上の構成要素への電気制御信号を含んでもよい。コントローラは、ローカルユーザの介入を伴わずに命令を実行することができる。
【0061】
図5は、ホットメルト液体吐出システム(例えば、図1のホットメルト接着剤システム10)を動作させるための1つ以上の命令を決定するための方法500のフロー図を示す。例示的な実施形態では、方法500は、アプリケータの(各々がアプリケータの時間間隔と時間的に関連付けられている)過去のアプリケータパラメータ値(例えば、ガンサイクルカウント)の記録、及びヒータの(同じく各々が、時間間隔と時間的に関連付けられている)関連する過去のヒータパラメータ値(例えば、デューティサイクル値)の記録を編集することを含んでもよい。各時間間隔と時間的に関連付けられている過去のアプリケータパラメータ値は、その時間間隔に対応する現在のアプリケータパラメータ値に基づいて(例えば、移動平均として更新されて)フィルタリングされてもよい。同様に、各時間間隔と時間的に関連付けられている過去のヒータパラメータ値は、その時間間隔に対応する現在のアプリケータパラメータ値に基づいて(例えば、移動平均として更新されて)フィルタリングされてもよい。フィルタリングされたアプリケータ及びヒータパラメータ値に基づいて、ホットメルト液体吐出システム及び/又はその構成要素を動作させるための命令が決定されてもよい。例えば、命令は、特定の時間に、ホットメルト液体ヒータは、アプリケータに供給されるホットメルト液体の温度を上昇又は低下させることができる。特定の時間は、ホットメルト液体吐出システムのアクティブな動作が一時的に中断される時間に対応していてもよい。
【0062】
工程502において、ホットメルト液体吐出システムのアプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール(複数可)54)の第1の動作パラメータの複数の過去のアプリケータパラメータ値が提供されてもよい。過去のアプリケータパラメータ値は、図3の過去のアプリケータパラメータ324値と同じ又は類似であってもよい。過去のアプリケータパラメータ値は、時間間隔内のアプリケータのガンサイクルのカウントを含んでもよい。複数の過去のアプリケータパラメータ値の各過去のアプリケータパラメータ値は、過去の時間ブロックの過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。例えば、複数の過去のアプリケータパラメータ値は、過去のパラメータ値(例えば、図4の行列420)の行列として実現されてもよく、行列の各要素は、過去のアプリケータパラメータ値及びその過去のアプリケータパラメータ値に時間的に関連付けられている時間間隔を表している。行列は、1週間の過去の時間ブロックを表してもよく、行列の列に対応する週の日に更に分割されてもよい。時間間隔は、例えば、5分の継続時間を含んでもよい。
【0063】
工程504において、ホットメルト液体吐出システムのホットメルト液体ヒータ(例えば、図2のアプリケータヒータ53)の第2の動作パラメータの複数の過去のヒータパラメータ値が提供されてもよい。過去のヒータパラメータ値は、図3の過去のヒータパラメータ322値と同じ又は類似であってもよい。過去のヒータパラメータ値は、ホットメルト液体ヒータのデューティサイクルを含んでもよい。複数の過去のヒータパラメータ値の各過去のヒータパラメータ値は、過去のアプリケータパラメータ値と時間的に関連付けられてもよい。例えば、過去のヒータパラメータ値は、関連する過去のアプリケータパラメータ値と同じ過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。別の例として、過去のヒータパラメータ値は、関連する過去のアプリケータパラメータ値の時間間隔からオフセットされた過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。複数の過去のヒータパラメータ値は、複数の過去のアプリケータパラメータ値と共に、過去のパラメータ値の行列内に表されてもよい。例えば、過去のヒータパラメータ値及びその関連する過去のアプリケータパラメータ値は、行列の同じ要素に表されてもよい。
【0064】
特定の過去の時間間隔と時間的に関連付けられた過去のアプリケータパラメータ値(例えば、曜日の時間間隔)は、各々が以前の過去のブロックの対応する過去の時間間隔(例えば、以前の日及び/又は週)に時間的に関連する、以前の過去のアプリケータパラメータ値(アプリケータの第1の動作パラメータの)の移動平均を含んでもよい。同様に、特定の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている過去のヒータパラメータ値は、以前の過去の時間ブロックの対応する過去の時間間隔と時間的に関連付けられている、(ホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータ値の)以前の過去のヒータパラメータ値の移動平均を含んでもよい。
【0065】
工程506において、アプリケータの第1の動作パラメータの現在のアプリケータパラメータ値が受信されてもよい。現在のアプリケータパラメータ値は、図3の現在のアプリケータパラメータ314値と同じ又は類似であってもよい。現在のアプリケータパラメータ値は、現在の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。現在のアプリケータパラメータ値は、現在の時間間隔中のアプリケータのガンサイクルのカウントを含んでもよい。現在のアプリケータパラメータ値は、過去の時間ブロックの第1の過去の時間間隔に対応する現在の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。例えば、現在のアプリケータパラメータ値は、土曜日の00:05~00:10の現在の時間間隔と時間的に関連付けられていてもよく、現在の時間間隔は、「日曜日」列と「00:10」行との交点において、要素内の図4の過去の動作パラメータ行列420に表される過去の時間間隔に対応してもよい。拡張して、現在のアプリケータパラメータ値は、上述の対応する第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている、過去のアプリケータパラメータ値に関連付けられてもよい。現在のアプリケータパラメータ値は、図4の現在の動作パラメータ行列410に表されるような、各々が現在の時間間隔と時間的に関連付けられている、複数の現在のアプリケータパラメータ値のうちの1つであってもよい。
【0066】
工程508において、ホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータの現在のヒータパラメータ値が受信されてもよい。現在のヒータパラメータ値は、図3の現在のヒータパラメータ312値と同じ又は類似であってもよい。現在のヒータパラメータ値は、ホットメルト液体ヒータのデューティサイクル値を含んでもよい。現在のヒータパラメータ値は、現在のアプリケータパラメータ値に関連付けられてもよい。例えば、現在のヒータパラメータ値は、現在のアプリケータ値に関して言及される現在の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。一態様では、現在のヒータパラメータ値及び現在の適用パラメータ値は、両方とも、同じ時間間隔に対応してもよい。他の態様では、現在のヒータパラメータ値は、現在のアプリケータパラメータ値に対応する時間間隔から時間的にオフセットされた時間間隔に対応してもよい。
【0067】
現在のアプリケータパラメータ値に関連付けられることにより、現在のヒータパラメータ値は、過去のアプリケータパラメータ値に関連付けられてもよい。例えば、現在のアプリケータパラメータ値及び現在のヒータパラメータ値は、両方とも、同じ現在の時間間隔と時間的に関連付けられてもよく、過去のアプリケータパラメータ値及び過去のヒータパラメータ値は、その現在の時間間隔に対応する過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。現在のヒータパラメータ値は、図4の現在の動作パラメータ行列410に表されるような、各々が現在の時間間隔と時間的に関連付けられた複数の電流ヒータパラメータ値のうちの1つであってもよい。
【0068】
工程510において、アプリケータの第1の動作パラメータ(例えば、図3のフィルタリングされたアプリケータパラメータ344値)のフィルタリングされたアプリケータパラメータ値は、現在のアプリケータパラメータ値及び複数の過去のアプリケータパラメータ値のうちの過去のアプリケータパラメータ値に基づいて決定されてもよい。フィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定するための基準として使用される、過去のアプリケータパラメータ値は、(工程506に関して参照される)現在の時間間隔に対応する過去の時間ブロックの第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。すなわち、現在のアプリケータパラメータ値及び当該過去のアプリケータパラメータ値は、両方とも、対応する時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。一実施例では、過去のアプリケータパラメータ値は、アプリケータの第1の動作パラメータの移動平均を含んでもよい。したがって、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定することは、過去のアプリケータパラメータ値によって示される移動平均を更新することを含んでもよく、現在のアプリケータパラメータ値は、アプリケータの第1の動作パラメータの後の又は最新のデータ点として機能する。
【0069】
工程512において、ホットメルト液体ヒータの第2の動作パラメータのフィルタリングされたヒータパラメータ値(例えば、図3のフィルタリングされたヒータパラメータ342値)は、現在のヒータパラメータ値及び複数の過去のヒータパラメータ値のうちの過去のヒータパラメータ値に基づいて決定されてもよい。フィルタリングされたヒータパラメータ値を決定するために使用される過去のヒータパラメータ値は、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値に関して上述した第1の過去の時間間隔に関連付けられてもよい。例えば、フィルタリングされたヒータパラメータ値を決定するための基準として使用される過去のヒータパラメータ値は、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値を決定するために使用される、過去のアプリケータパラメータ値に関連付けられてもよい。具体的には、フィルタリングされたヒータパラメータ値を決定するために使用される過去のヒータパラメータ値は、過去の時間ブロックの第1の過去の時間間隔と時間的に関連付けられている過去のアプリケータパラメータ値に関連付けられてもよい。例えば、フィルタリングされたヒータパラメータ値を決定するために使用される過去のヒータパラメータ値は、現在の時間間隔に対応する過去の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。
【0070】
フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及びフィルタリングされたヒータパラメータ値は、図4のフィルタリングされた動作パラメータ行列440内に表されてもよい。フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及びフィルタリングされたヒータパラメータ値は、同じ時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。例えば、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値は、行列440内のXSat1’で表されてもよく、フィルタリングされたヒータパラメータ値は、行列440内のWSat1’で表されてもよく、これらは両方とも、土曜日の00:00~00:05の時間間隔と時間的に関連付けられている。フィルタリングされたアプリケータパラメータ値は、XSat1で表される、現在の動作パラメータ行列410における現在の土曜日の00:00~00:05の時間間隔の現在のアプリケータパラメータ値、及びXSat1でも表される、過去の動作パラメータ行列420における過去の土曜日の00:00~00:05の時間間隔のための過去のアプリケータパラメータ値に基づいて決定されてもよい。フィルタリングされたヒータパラメータ値は、WSat1で表される、現在の動作パラメータ行列410における現在の土曜日の00:00~00:05の時間間隔のための現在のヒータパラメータ値、及びWSat1でも表される、過去の動作パラメータ行列420における過去の土曜日の00:00~00:05の時間間隔のための過去のヒータパラメータ値に基づいて決定されてもよい。対応するプロセスは、フィルタリングされた動作パラメータ行列440の更なる要素(すなわち、更なるフィルタリングされたアプリケータパラメータ値及び/又は更なるフィルタリングされたヒータパラメータ値)を決定するために実施されてもよい。
【0071】
工程514において、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及びフィルタリングされたヒータパラメータ値に基づいて、命令(例えば、図3の命令(複数可)350)が決定されてもよい。決定された命令は、ホットメルト液体接着剤システムの第3の動作パラメータのうちの動作パラメータ値に従って、ホットメルト液体吐出システム又はその構成要素を動作させるための命令を含んでもよい。例えば、この命令は、ホットメルト液体ヒータを動作させるためのものであってもよい。更に、第3の動作パラメータは、ホットメルト液体ヒータの動作パラメータを含んでもよい。第3の動作パラメータのうちの動作パラメータ値は、所定の吐出温度又は所定のセットバック温度などのホットメルト液体ヒータの目標温度を含み得る。決定された命令は、ホットメルト液体への熱の適用を中断するためのホットメルト液体ヒータの命令、ホットメルト液体への熱の適用を開始するためのホットメルト液体ヒータの命令、又はホットメルト液ヒータがオンモード、オフモード、又は準備完了モードのうちの少なくとも1つに入るための命令を含んでいてもよい。決定された命令は、ホットメルト液体吐出システムがオンモード、オフモード、又は準備完了モードのうちの少なくとも1つを含む動作モードに入るための命令を含んでもよい。
【0072】
方法500の少なくとも一部分は、図2のコンピュータシステム230などのホットメルト液体吐出システムから離れたコンピュータシステムによって実施されてもよい。例えば、遠隔コンピュータシステムは、複数の過去のアプリケータパラメータ値及び/又は複数の過去のヒータパラメータ値を提供してもよい。遠隔コンピュータシステムは、そのようなパラメータ値を記憶し、それらを記憶装置から提供することができる。別の例として、遠隔コンピュータシステムは、現在のアプリケータパラメータ値及び/又は現在のヒータパラメータ値を、ホットメルト液体吐出システムのコントローラなどから受信してもよい。記憶装置から提供された複数の過去のアプリケータパラメータ値及び過去のヒータパラメータ値と、ホットメルト液体吐出システムから受信した現在のアプリケータパラメータ値及び現在のヒータパラメータ値とを使用して、遠隔コンピュータシステムは、フィルタリングされたアプリケータパラメータ値及びフィルタリングされたヒータパラメータ値を決定してもよい。更に、遠隔コンピュータシステムは、ホットメルト液体吐出システムを動作させるための命令を決定してもよい。遠隔コンピュータシステムは、命令をホットメルト液体吐出システムのコントローラに送信して、命令を実行してもよい。命令は、コントローラによって生成された制御信号を含んでもよい。
【0073】
本明細書では、ホットメルト液体吐出システム(例えば、図1のホットメルト接着剤システム10)のアプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54)の故障時間を予測するための技術が更に開示される。このような故障は、特に、関連するヒータ(例えば、図1のアプリケータヒータ53)のデューティサイクルの増加に関連することが観察される、アプリケータにおける又はアプリケータによる空気漏れに関連し得る。「故障」とは、動作性の完全な故障のみに限定されるものではなく、性能が許容できないほど低下しているアプリケータの状態も含むことができる。例えば、閾値未満又は閾値範囲外にあるアプリケータの性能は、アプリケータの故障と見なすことができる。アプリケータの性能は、ヒータのデューティサイクルを含む別の構成要素の動作パラメータに従って測定することができる。
【0074】
アプリケータの故障予測時間は、図3に関連して少なくとも部分的に記載されたデータに基づいて決定されてもよい。例えば、故障予測時間は、現在のヒータパラメータ312値(例えば、現在のデューティサイクル)及び現在のアプリケータパラメータ314値(例えば、現在のガンサイクルカウント)を含む現在の動作パラメータ310値に基づいて決定されてもよい。故障予測時間は、過去のヒータパラメータ322値(例えば、過去のデューティサイクル)及び過去のアプリケータパラメータ324値(例えば、過去のガンサイクルカウント)を含む過去の動作パラメータ320値に基づいて、更に決定されてもよい。故障予測時間は、更に、アプリケータ、ヒータ、又はホットメルト液体吐出システムの現在又は過去の、オン、オフ、又は準備完了状態などの状態パラメータ330に更に基づいて決定されてもよい。
【0075】
一実施形態例では、ヒータのデューティサイクル値は、アプリケータがガンサイクルを実施しなかった時間間隔で決定されてもよい。ヒータのデューティサイクル値はまた、アプリケータが複数のガンサイクルを実施した時間間隔に対して決定されてもよい。ガンサイクルを伴わない時間間隔のデューティサイクル値と、複数のガンサイクルを伴う時間間隔のデューティサイクル値を互いに比較して、故障予測時間を決定することができる。複数のガンサイクルによるそれらの時間間隔の平均ガンサイクルカウントを決定し、故障予測時間を決定するためにも使用することができる。ガンサイクルを伴わない時間間隔のデューティサイクル値、複数のガンサイクルを伴う時間間隔のデューティサイクル値、及び複数のガンサイクルを伴う時間間隔のガンサイクルカウントは、各々、1日又は他の時間ブロックの時間間隔にわたって平均化されてもよい。3つの平均間の関係を使用して、故障予測時間を決定することができる。
【0076】
ガンサイクルカウント及びデューティサイクル値の同様の分析は、2日目の時間間隔に関して実施されてもよい。ガンサイクルを伴わない2日目の時間間隔のデューティサイクル値、複数のガンサイクルを伴う2日目の時間間隔のデューティサイクル値、及び複数のガンサイクルを伴う2日目の時間間隔のガンサイクルカウントも平均化されてもよい。2日目の3つの平均間の関係は、初日の3つの平均間の類似の関係と比較されてもよい。この比較は、故障予測時間を決定するための更なる基準であってもよい。また、第1の日のデューティサイクル/ガンサイクルの関係及び第2の日のデューティサイクル/ガンサイクルの関係に関連して、追加の日の同様のデューティサイクル/ガンサイクルの関係を決定し、分析することもできる。例えば、各日のデューティサイクル/ガンサイクル関係をグラフにプロットし、故障予測時間を示す傾向を特定することができる。傾向は、グラフ上にプロットされたデータ点に曲線(例えば、数学関数)を適合させることによって特定されてもよい。
【0077】
図6は、アプリケータに関連付けられているヒータ(例えば、図1のアプリケータヒータ53)を有するホットメルト液体吐出システム(例えば、図1のホットメルト接着剤システム10)のアプリケータ(例えば、図1のアプリケータ48、50及び/又は接着剤吐出モジュール54)の故障時間を予測するための方法600のフロー図を示す。工程602において、アプリケータの第1の動作パラメータ(例えば、図3のアプリケータパラメータ314、324)の複数のアプリケータパラメータ値が提供されてもよい。複数のアプリケータパラメータ値の各アプリケータパラメータ値は、第1の時間ブロックの時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。アプリケータの第1の動作パラメータは、時間間隔(例えば、時間間隔中のアプリケータの速度及び/又は応答時間)内でアプリケータによって実施されるガンサイクルのカウントであってもよい。したがって、アプリケータパラメータ値は、時間的に関連する時間間隔のガンサイクルカウントを含んでもよい。アプリケータパラメータ値は、ゼロ、1つ、又は複数ガンサイクルのカウントを示すことができる。
【0078】
第1の時間ブロックは、第1の日又はその部分を含んでもよい。第1の日又は他の時間ブロックの時間間隔は、第1の日又は他の時間ブロック内の可能な時間間隔ごとに含まれる必要はない。例えば、第1の時間ブロックの時間間隔は、アプリケータ、ヒータ、又はホットメルト液体吐出システムのうちの少なくとも1つがオンにされる時間間隔に限定されてもよい。追加的に又は代替的に、第1の時間ブロックの時間間隔は、アプリケータ、ヒータ、又はホットメルト液体吐出システムのうちの少なくとも1つが準備完了状態にある時間間隔に限定されてもよい。時間間隔は、1分~10分を含む範囲の継続時間を有してもよい。例として、時間間隔は、5分間の継続時間、又は10分間の継続時間を有してもよい。
【0079】
工程604において、ヒータの第2の動作パラメータ(例えば、図3のヒータパラメータ312、322)の複数のヒータパラメータ値が提供されてもよい。工程604は、いくつかの実施形態では任意選択であってもよく、方法600は、代わりに工程606に進むことができる。複数のアプリケータパラメータ値の各ヒータパラメータ値は、複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられてもよい。各ヒータパラメータ値は、第1の時間ブロックの時間間隔と更に時間的に関連付けられてもよい。ヒータの第2の動作パラメータは、時間間隔におけるヒータのデューティサイクルを含んでもよい。ヒータパラメータ値及び関連するアプリケータパラメータ値は、両方とも第1の時間ブロックの同じ時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。又はヒータパラメータ値は、アプリケータのガンのサイクルへの変化によって引き起こされるヒータのデューティサイクルへの遅延効果を補償するためなどに、時間的に関連付けられているアプリケータパラメータ値の時間間隔からオフセットされた時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。
【0080】
工程606において、複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値の第1のサブセットが決定されてもよい。アプリケータパラメータ値の第1のサブセット(及び以下で論じる第2のサブセット)は、それぞれの時間間隔中のアプリケータの吐出活動、特に、それぞれの時間間隔中のアプリケータのガンサイクルカウント、より具体的には、複数のアプリケータパラメータ値の所与のアプリケータパラメータ値が、時間的に関連する時間間隔の間にガンサイクルがないこと(例えば、ゼロガンサイクルカウント)、又は時間的に関連する時間間隔の間に1つ以上のガンサイクルがあること(例えば、ゼロでない又は複数のガンサイクルカウント)を示すかどうかに従って決定されてもよい。アプリケータパラメータ値の第1のサブセットは、複数のアプリケータパラメータ値のうち、時間的に関連する時間間隔中に吐出活動がないこと、すなわち、ゼロガンサイクルカウントを示すアプリケータパラメータ値を含んでもよい。
【0081】
工程608において、複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値の第2のサブセットが決定されてもよい。アプリケータパラメータ値の第2のサブセットは、時間的に関連する時間間隔中のアプリケータの吐出活動を示すアプリケータパラメータ値を含んでもよい。アプリケータパラメータ値の第2のサブセットは、アプリケータパラメータ値を超えるか、又は閾値アプリケータパラメータ値範囲内にあるアプリケータパラメータ値を含んでもよい。例えば、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットは、閾値ガンサイクルカウントを超える、又はガンサイクルカウントの閾値範囲内にあるガンサイクルカウントを示すアプリケータパラメータ値を含んでもよい。閾値ガンサイクルカウントはゼロであってもよく、したがって、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットは、非ゼロガンサイクルカウントを示す全てのアプリケータパラメータ値を含んでもよい。あるいは、閾値ガンサイクルカウントはゼロよりも大きくてもよく、したがって、アプリケータパラメータ値の第1のサブセット及びアプリケータパラメータ値の第2のサブセットのいずれにも、一部のアプリケータパラメータ値が含まれない可能性がある。
【0082】
工程610において、複数のヒータパラメータ値のうちのヒータパラメータ値の第1のサブセットが決定されてもよく、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの各ヒータパラメータ値(例えば、時間間隔に対するヒータのデューティサイクル値)は、アプリケータパラメータ値の第1のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値に関連付けられる。したがって、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値と時間的に関連付けられた時間間隔中のアプリケータ(例えば、ゼロガンサイクルカウント)による吐出活動を示さないアプリケータパラメータ値と関連付けることができる。例えば、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータによる吐出活動が発生しなかった間の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。工程610は、いくつかの実施形態では任意選択であってもよく、方法600は、代わりに工程614a及び/又は工程614bに進むことができる。
【0083】
工程612において、複数のヒータパラメータ値のうちのヒータパラメータ値の第2のサブセットが決定されてもよく、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの各ヒータパラメータ値(例えば、時間間隔に対するヒータのデューティサイクル値)が、アプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値の第2のサブセットと関連付けられている。したがって、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値と時間的に関連付けられている時間間隔中の吐出活動(例えば、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウント)を示すアプリケータパラメータ値の第2のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値と関連付けることができる。例えば、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータによる吐出活動が発生した間の時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。工程612は、いくつかの実施形態では任意選択であってもよく、方法600は、代わりに工程614a及び/又は工程614bに進むことができる。
【0084】
アプリケータパラメータ値の第1及び/若しくは第2のサブセット、並びに/又はヒータパラメータの第1及び/若しくは第2のサブセットは、ヒータ、アプリケータ、又はホットメルト液体吐出システム(該当する場合)のうちの少なくとも1つが準備完了状態にある時間間隔と時間的に関連付けられている、パラメータ値のみを含むように更に限定されてもよい。アプリケータパラメータ値の第1及び/若しくは第2のサブセット、並びに/又はヒータパラメータ値の第1及び/若しくは第2のサブセットは、アプリケータに供給されるホットメルト液体が、吐出に適しているか又は好ましい温度である時間間隔と時間的に関連付けられている、パラメータ値のみを含むように、追加的に又は代替的に限定されてもよい。例えば、アプリケータパラメータ値の第1のサブセット及びヒータパラメータ値の第1のサブセットは、それらの時間間隔中に吐出活動が発生していなくても、ホットメルト液体吐出システムがオフにされる時間間隔と時間的に関連付けられているパラメータ値を除外するように限定されてもよい。
【0085】
方法600は、工程614a及び614bの一方又は両方を含んでもよい。工程614a及び/又は614bにおいて、アプリケータの故障予測時間を決定することができる。工程614a及び614bに示される故障予測時間は、同じ故障予測時間を指すことができる。工程614aにおいて、アプリケータパラメータ値の第1のサブセット及びアプリケータパラメータ値の第2のサブセットに基づいて、アプリケータの故障予測時間を決定することができる。工程614bにおいて、ヒータパラメータ値の第1のサブセット及びヒータパラメータ値の第2のサブセットに基づいて、アプリケータの故障予測時間を決定することができる。方法600が工程614a及び614bの両方を含む場合、アプリケータパラメータ値の第1のサブセット、アプリケータパラメータ値の第2のサブセット、ヒータパラメータ値の第1のサブセット、及びヒータパラメータ値の第2のサブセットに基づいて、アプリケータの故障予測時間を決定することができる。あるいは(図示しないが)、アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第1のサブセット及びヒータパラメータ値の第2のサブセットに基づいて決定されてもよい。すなわち、この例における方法600は、工程614bを含んでもよいが、工程614aを含まないことがある。
【0086】
一例として、アプリケータの故障予測時間は、アプリケータによる吐出活動が発生しなかった時間間隔(ゼロガンサイクルカウント)に各々時間的に関連付けられている1つ以上のヒータパラメータ値(例えば、デューティサイクル値)、及びアプリケータによる吐出活動が発生した時間間隔(非ゼロ又は複数のガンサイクルカウント)に各々時間的に関連付けられている1つ以上のヒータパラメータ値(例えば、デューティサイクル値)に基づいて決定されてもよい。故障予測時間を決定することは、ヒータパラメータ値の第1のサブセットのうちの1つ以上のヒータパラメータ値を、ヒータパラメータ値の第2のサブセットのうちの1つ以上のヒータパラメータ値と比較することを含んでもよい。
【0087】
故障予測時間は、ガンサイクルが発生しない時間間隔と時間的に関連付けられているデューティサイクル値の平均、及び1つ以上のガンサイクルが発生した時間間隔と時間的に関連付けられているデューティサイクル値の平均に更に基づいてもよい。第1の時間ブロックは、1日を含んでもよく、これにより2つのデューティサイクル平均が1日ごとに平均化される。2つのデューティサイクル平均は、故障予測時間を決定する際に互いに比較されてもよい。したがって、故障予測時間を決定することは、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均を、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均と比較することを更に含んでもよい。
【0088】
アプリケータの故障予測時間は、第1の時間ブロックの2つ以上の時間間隔中に発生した非ゼロガンサイクルカウントの平均などの、非ゼロガンサイクルカウントに更に基づいていてもよい。例えば、故障予測時間は、ガンサイクルが発生しなかった時間間隔に時間的に関連付けられているデューティサイクル値の平均、1つ以上のガンサイクルが発生した時間間隔に時間的に関連付けられているデューティサイクル値の平均、及び1つ以上のガンサイクルが発生した時間間隔に時間的に関連付けられているガンサイクルカウントの平均に基づいてもよい。したがって、アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均デューティサイクル値、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均デューティサイクル値、及びアプリケータパラメータ値の第2のサブセットの平均ガンサイクルカウントに基づいてもよい。
【0089】
アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均デューティサイクル値と、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均デューティサイクル値と、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットの平均ガンサイクルカウントとの間の関係(すなわち、第1の時間ブロックに関連付けられている第1のパラメータ関係)に基づいてもよい。第1のパラメータ関係は、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均デューティサイクル値と、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均デューティサイクル値との間の差を反映してもよい。第1のパラメータ関係は、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットの平均ガンサイクルのカウント(例えば、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウント)と、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均デューティサイクル値とヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均デューティサイクル値との間の上記の差と、の間の関係を更に含んでもよい。例えば、第1のパラメータ関係は、以下の式(2)に反映されてもよい。
【数1】
【0090】
式(2)中、Rは、第1のパラメータ関係(又は別の時間ブロックに関連付けられている他の類似の関係)を表す値であってもよい。Rは、「故障」状態にあるアプリケータのデューティサイクル値の増加を示すy軸と、故障状態ではないアプリケータのデューティサイクル値の増加を示すx軸とを含むグラフ上のプロットに好適な傾き又は他の関係を表してもよい。Aは、ヒータパラメータ値の第2のサブセットの平均デューティサイクル値(非ゼロガンサイクルカウント時間間隔と時間的に関連付けられている)を表してもよく、Aは、ヒータパラメータ値の第1のサブセットの平均デューティサイクル値(ゼロ(0)ガンサイクルカウント時間間隔と時間的に関連付けられている)を表してもよい。gは、アプリケータパラメータ値の第2のサブセットの平均ガンサイクルのカウント(例えば、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウント)を表してもよい。
【0091】
アプリケータの故障予測時間は、1日以上の追加の日など、1つ以上の追加の時間ブロックの時間間隔と時間的に関連付けられている追加のアプリケータ値及びヒータパラメータ値に更に基づいて決定されてもよい。例えば、方法600は、アプリケータの第1の動作パラメータ(例えば、ガンサイクルカウント)の第2の複数のアプリケータパラメータ値を提供することと、ヒータの第2の動作パラメータ(例えば、デューティサイクル値)の第2の複数のヒータパラメータ値を提供することと、を更に含んでもよい。第2の複数のアプリケータパラメータ値は、少なくとも、第2の複数のアプリケータパラメータ値の各アプリケータパラメータ値が、第2の時間ブロックの時間間隔と時間的に関連付けられてもよいことを除いて、第1の複数のアプリケータパラメータ値と類似していてもよい。例えば、第1の時間ブロックは、第1の日であってもよく、第2の時間ブロックは第2の日であってもよい。第1及び第2の時間ブロックは、重複しなくてもよい。
【0092】
同様に、第2の複数のヒータパラメータ値は、少なくとも、第2の複数のヒータパラメータ値の各ヒータパラメータ値が、第2の複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられてもよいことを除いて、第1の複数のヒータパラメータ値といくつかの態様で類似していてもよい。第2の複数のヒータパラメータ値の各ヒータパラメータ値は、ヒータパラメータ値に関連付けられているアプリケータパラメータ値の時間間隔と同じ時間間隔など、更に第2の時間ブロックの時間間隔と時間的に関連付けられてもよい。
【0093】
方法600は、第2の複数のアプリケータパラメータ値のうちのアプリケータパラメータ値の第3及び第4のサブセットを決定することを更に含んでもよい。一部の態様では、(第1の時間ブロックに関連付けられている)アプリケータパラメータ値の第1のサブセットと類似して、アプリケータパラメータ値の第3のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、第2の時間ブロックの時間的に関連する時間間隔の間に、アプリケータによる吐出活動が発生しなかったことを示してもよい。したがって、アプリケータパラメータ値の第3のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、ゼロのガンサイクルカウントを示すことができる。一部の態様では、(第1の時間ブロックに関連付けられている)アプリケータパラメータ値の第2のサブセットと類似して、アプリケータパラメータ値の第4のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、アプリケータによる吐出活動が、第2の時間ブロックの時間的に関連する時間間隔の間に発生したことを示してもよい。したがって、アプリケータパラメータ値の第4のサブセットの各アプリケータパラメータ値は、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウントを示すことができる。
【0094】
方法600は、第2の複数のヒータパラメータ値のうちのヒータパラメータ値の第3及び第4のサブセットを決定することを更に含んでもよい。一部の態様では、(第1の時間ブロックに関連付けられている)ヒータパラメータ値の第1のサブセットと類似して、ヒータパラメータ値の第3のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値の第3のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられてもよい。したがって、ヒータパラメータ値の第3のサブセットの各ヒータパラメータ値は、吐出活動が発生しない時間間隔など、ゼロガンサイクルカウントに関連付けられてもよい。一部の態様では、(第1の時間ブロックに関連付けられている)ヒータパラメータ値の第2のサブセットと類似して、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータパラメータ値の第4のサブセットのうちのアプリケータパラメータ値と関連付けられてもよい。したがって、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの各ヒータパラメータ値は、アプリケータによる吐出活動が発生した時間間隔など、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウントと関連付けることができる。
【0095】
方法600において、アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第3のサブセット及びヒータパラメータ値の第4のサブセットに更に基づいてもよい。例えば、アプリケータの故障予測時間は、アプリケータによる吐出活動が発生しなかった第2の時間ブロックの時間間隔に時間的に関連付けられているヒータのデューティサイクル値(例えば、ゼロガンサイクルカウント)、及びアプリケータによる吐出活動が発生した第2の時間ブロックの時間間隔に時間的に関連付けられているヒータのデューティサイクル値(例えば、非ゼロ又は複数ガンサイクルカウント)に基づいてもよい。
【0096】
故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第3のサブセットの平均デューティサイクル値、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの平均デューティサイクル値、及びアプリケータパラメータ値の第4のサブセットの平均ガンサイクルカウントに更に基づいてもよい。特に、アプリケータの故障予測時間は、ヒータパラメータ値の第3のサブセットの平均デューティサイクル値と、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの平均デューティサイクル値と、アプリケータパラメータ値の第4のサブセットの平均ガンサイクルカウントとの間の関係(すなわち、第2の時間ブロックに関連付けられている第2のパラメータ関係)に基づいてもよい。第1の時間ブロックに関連付けられている第1のパラメータ関係と同様に、第2のパラメータ関係は、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの平均デューティサイクル値と、ヒータパラメータ値の第3のサブセットの平均デューティサイクル値との間の差を反映してもよい。また、第1のパラメータ関係と同様に、第2のパラメータ関係は、アプリケータパラメータ値の第4のサブセットの平均ガンサイクルカウント(例えば、非ゼロ又は複数のガンサイクルカウント)と、ヒータパラメータ値の第4のサブセットの平均デューティサイクル値とヒータパラメータ値の第3のサブセットの平均デューティサイクル値との間の上記の差と、の間の関係を更に含んでもよい。更に、第1のパラメータ関係と同様に、第2のパラメータ関係は、式(2)に表すことができる。
【0097】
アプリケータの故障予測時間を決定することは、第1の時間ブロック(例えば、第1の日)に関連付けられている第1のパラメータ関係を、第2の時間ブロック(例えば、第2の日)に関連付けられている第2のパラメータ関係と比較することを含んでもよい。第1のパラメータ関係と第2のパラメータ関係とを比較することは、第1のパラメータ関係と第2のパラメータ関係との間の傾向(例えば、統計的傾向)を決定することを含んでもよい。傾向は、ガンサイクルカウント及びこのガンサイクルカウントに関連付けられているヒータのデューティサイクル値に関連していてもよい。アプリケータの故障予測時間を決定することは、第1及び第2のパラメータ関係がグラフ上にプロットされたときなど、曲線(例えば、数学関数)を傾向に適合させることを更に含んでもよい。
【0098】
アプリケータの故障予測時間を決定することは、第1及び第2のパラメータ関係に加えて、1つ以上の他のパラメータ関係に更に基づいてもよい。1つ以上の他のパラメータ関係の各々は、第1及び第2の時間ブロックとは異なる他の時間ブロック(例えば、1日)と関連付けられてもよい。1つ以上の他のパラメータ関係の各々は、それぞれの他の時間ブロックに時間的に関連付けられているそれぞれの複数のアプリケータ及びヒータパラメータ値に基づいてもよい。1つ以上の他のパラメータ関係の各々は、いくつかの態様では、第1及び第2のパラメータ関係が決定され得る方法と類似の方法で決定されてもよい。
【0099】
したがって、アプリケータの故障予測時間を決定することは、第1、第2、及び1つ以上の他のパラメータ関係の間の比較を実施することを更に含んでもよい。比較は、第1、第2、及び1つ以上の他のパラメータ関係の間の傾向(例えば、統計的傾向)を決定することを含んでもよい。比較は、第1、第2、及び1つ以上の他のパラメータ関係がグラフでプロットされたときなど、傾向に適合する曲線を決定することを更に含んでもよい。
【0100】
当業者であれば、本明細書に開示されるシステム及び方法は、1つ以上のプロセッサ、システムメモリ、及び、例えばプロセッサをシステムメモリと結合するなど、様々なシステムの構成要素同士を結合するシステムバスを備え得るが、これらに限定されないコンピューティングデバイスの構成要素を介して実装されることを理解するであろう。複数のプロセッサの場合、システムは、並列コンピューティングを利用してよい。
【0101】
例示のために、かかるプログラム及び構成要素は、時として、コンピューティングデバイスの異なる記憶構成要素に存在し、かつコンピュータのデータプロセッサ(複数可)によって実行されることを認識したうえで、アプリケーションプログラム及びオペレーティングシステムなどその他の実行可能なプログラム構成要素は、本明細書において個別のブロックとして図示されている。サービスソフトウェアの実装は、何らかの形のコンピュータ可読媒体に記憶されるか、かかる媒体を介して送信されてよい。全ての開示した方法は、コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ可読命令によって実行されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによりアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。制限する意図ではなく例示として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ記憶媒体」及び「通信媒体」を含んでよい。「コンピュータ記憶媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなど情報の記憶のための任意の方法又は技術で実現される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体を含む。例示のコンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するために使用可能であり、かつコンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体が含まれるが、これらに限定されない。アプリケーションプログラムなど及び/又は記憶媒体は、少なくとも部分的にリモートシステムで実装されてもよい。
【0102】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その文脈について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。以下においては、数値の範囲は、「約」をつけたある特定の値から、及び/又は、「約」をつけた他の特定の値に至るものとして表現される場合がある。そのようにして1つの範囲が表現されると、他の実施形態においては、当該ある特定の値から、及び/又は、他の当該特定の値に至る範囲が含まれる。同様に、ある値が「約」を前につけて、近似的値によって示される場合、当該ある特定の値は他の実施形態においても有効であると理解されねばならない。更に、範囲の各々の端点は、他の端点との関連において、及び他の端点とは独立して、有効であると理解されねばならない。
【0103】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別途記載のない限り、範囲内の各別個の値に個別に言及する簡略な方法とすることを単に意図するものであり、各別個の値は、本明細書において個別に列挙されているように本明細書に組み込まれる。
【0104】
本明細書の説明及び「特許請求の範囲」を通じて、「comprise(含む)」という用語及び、例えば「comprising」及び「comprises」のような、その変化した語形は、「含むがそれに限定されない」ということを意味し、かつ例えば、他の構成要素、整数、又は工程などを排除しないことを意図する。「例示的な」という用語は、「~の例」ということを意味し、かつ、それが好ましい又は理想の実施形態であることを伝えようという意図はない。「Such as」は制限的な意味では使用されず、説明の目的のために使用される。
【0105】
開示する方法及びシステムを実行するために用いられ得る構成要素を開示する。これらの及びその他の構成要素が本明細書で開示されるが、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、群等が開示されているものの、各々の様々な個別の並びに集合的な組み合わせ及びそれらの組み合わせを並び替えたものを具体的に言及したものが明示的に開示されていないとしても、各々が全ての方法及びシステムに対して、本明細書に考慮され説明されているものと理解される。この原則は、本出願の全ての態様に対して適用されるが、開示される方法の工程に限定されない。したがって、実行され得る様々な追加的工程が存在する場合、これらの追加的工程の各々は、開示する方法の任意の特定の実施形態又は、これらの組み合わせと共に実行され得ることが理解されるべきである。
【0106】
特にそうでないと明示的にことわらない限り、本明細書において記載されているいかなる方法も、その複数の工程をある特定の順序で実行することを必要とするものとして理解することを全く意図されていない。したがって、方法の請求項が実際に、その複数の工程が従うべき順序を指定していない場合、又は複数の工程が特定の順序に制限されるということが具体的に、「特許請求の範囲」又は説明において記述されていない場合、いかなる点においても、ある順序が暗示されているということを意図するものでは全くない。これは、工程又は動作フローの配置に関するロジックの問題、文法体系又は句読点に由来する平易な意味、本明細書に記載される実施形態の数又は種類を含む、解釈を含む可能性のある非明示的な根拠に当てはまる。
【0107】
本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変更を施し得ることは当業者には明らかであろう。明細書及びそこに開示される実践を考慮すれば、他の実施形態が当業者には明らかであろう。明細書及び例が、あくまでも例示的なものとして考慮されて、以下に続く「特許請求の範囲」により、その真の範囲及び精神が示されるということが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6