IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルピン・リミテッドの特許一覧

特許7530380STINGアゴニストとしての大環状化合物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】STINGアゴニストとしての大環状化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/16 20060101AFI20240731BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20240731BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240731BHJP
   C07D 498/22 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240731BHJP
   C07F 9/6561 20060101ALI20240731BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20240731BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240731BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20240731BHJP
   A01N 57/08 20060101ALI20240731BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
C07D498/16
A61P35/00
A61P31/00
A61P35/02
A61P31/04
A61P31/12
A61P31/18
A61P31/16
A61P31/14
A61P31/20
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K39/39
C07D519/00 CSP
C07D498/22
A61K31/5386
A61K31/454
A61K31/5377
A61K31/4184
A61K31/496
A61K31/4439
C07F9/6561 Z
A01P1/00
A01P3/00
A01N43/90 105
A01N43/90 106
A01N57/08
A61K31/675
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021557830
(86)(22)【出願日】2020-03-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 IB2020052654
(87)【国際公開番号】W WO2020194160
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】201921012258
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201921046194
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】516257291
【氏名又は名称】ルピン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カーシェ ナブナス ポパ
(72)【発明者】
【氏名】バネージー モロイ
(72)【発明者】
【氏名】パティール プラディープ ランギャオ
(72)【発明者】
【氏名】ビャバハーレ ビノード ポパトロー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルク ディーパック サヘブロ
(72)【発明者】
【氏名】カーハプール ベハブ マドゥカール
(72)【発明者】
【氏名】ラムダス ビジャー
(72)【発明者】
【氏名】パレ ベンカータ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カンボ ラジェンダー クマール
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/175147(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/175156(WO,A1)
【文献】Joshi M. Ramanjulu et al.,Design of amidobenzimidazole STING receptor agonists with systemic activity,Nature,2018年,vol.564,439-443頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩であって、
【化1】
式中、
は、水素、任意に置換されたC~Cアルキル、および任意に置換されたC~C単環式シクロアルキルから独立して選択され、
環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、および任意に置換されたヘテロアリールから独立して選択され、
mは、0または1から選択され、
nは、0、1、または2から選択され、
「アルキル」が置換される場合、「アルキル」は、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「炭素環」または「シクロアルキル」が置換される場合、「炭素環」または「シクロアルキル」は、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「複素環」または「ヘテロシクリル」が置換される場合、「複素環」または「ヘテロシクリル」は、オキソ(=O)、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-OR、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、-P(O)(OR)R4a、-SO4a、-SONH、-C(=O)N(H)R、-C(=O)N(アルキル)R、-N(H)C(=O)R4a、-N(H)R、および-N(アルキル)R、から独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「ヘテロアリール」基が置換される場合、「ヘテロアリール」基は、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-O-アルキル、-O-ペルハロアルキル、-N(アルキル)アルキル、-N(H)R、-SO-アルキル、-N(アルキル)C(=O)アルキル、-N(H)C(=O)アルキル、-C(=O)N(アルキル)アルキル、-C(=O)N(H)アルキル、-C(=O)NH、-SON(アルキル)アルキル、-SON(H)アルキル、-SONH、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、および-P(O)(OR)R4a、から選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
各Rは、水素、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択され、並びに
各R4aは、アルキルおよびシクロアルキルから独立して選択される、
式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
式中、環Aは、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールである、
請求項1に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
式中、環Aは、
【化2】
である、
請求項1に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
式中、Rはエチルである、
請求項1に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
式中、nは0である、
請求項1に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式中、RはC~Cアルキルであり、nは0、1、または2であり、および環Aは、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールである、
請求項1に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
前記化合物は、
(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物1)、
(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物2)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物3)、
(E)-8-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物4)、
(E)-8-((2S,6R)-2,6-ジメチルモルホリノ)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物5)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物6)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物7)、
(E)-8-(アゼチジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物8)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物9)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペラジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物10)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物11)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物12)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(2-モルホリノエチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物13)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルアゼチジン-3-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物14)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物15)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(モルホリノメチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物16)、
(E)-15-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物17)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物18)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1H-イミダゾール-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物19)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物22)、
(E)-8-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物23)、
(S,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物24)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-イル二水素ホスフェート(化合物25)、
(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物26)、
(E)-8-(3-アミノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物27)、
(R,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物28)、
(E)-8-(4-シアノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物29)、
(E)-8-(アゼチジン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物30)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物31)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(化合物32)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物33)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルアゼチジン-3-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物34)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物35)、および
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピリジン-2-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドキサミド(dicarboxamidexamide)(化合物36)
から選択される、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
前記化合物は、
(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物1)、
(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物2)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物3)、
(E)-8-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物4)、
(E)-8-((2S,6R)-2,6-ジメチルモルホリノ)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物5)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物6)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物9)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物11)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物12)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(2-モルホリノエチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物13)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(モルホリノメチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物16)、
(E)-15-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物17)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1H-イミダゾール-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物19)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物22)、
(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物26)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物35)、および
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピリジン-2-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドキサミド(dicarboxamidexamide)(化合物36)
から選択される、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の式(Ia)、の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
一般式(Ia)の構造を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であって、
【化3】
式中、
は、水素、任意に置換されたC~Cアルキル、および任意に置換されたC~C単環式シクロアルキルから独立して選択され、
環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、および任意に置換されたヘテロアリールから独立して選択され、
mは、0または1から選択され、
nは、0、1、または2から選択され、
「アルキル」が置換される場合、「アルキル」は、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「炭素環」または「シクロアルキル」が置換される場合、「炭素環」または「シクロアルキル」は、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「複素環」または「ヘテロシクリル」が置換される場合、「複素環」または「ヘテロシクリル」は、オキソ(=O)、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-OR、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、-P(O)(OR)R4a、-SO4a、-SONH、-C(=O)N(H)R、-C(=O)N(アルキル)R、-N(H)C(=O)R4a、-N(H)R、および-N(アルキル)R、から独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「ヘテロアリール」基が置換される場合、「ヘテロアリール」基は、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-O-アルキル、-O-ペルハロアルキル、-N(アルキル)アルキル、-N(H)R、-SO-アルキル、-N(アルキル)C(=O)アルキル、-N(H)C(=O)アルキル、-C(=O)N(アルキル)アルキル、-C(=O)N(H)アルキル、-C(=O)NH、-SON(アルキル)アルキル、-SON(H)アルキル、-SONH、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、および-P(O)(OR)R4a、から選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
各Rは、水素、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択され、並びに
各R4aは、アルキルおよびシクロアルキルから独立して選択される、
一般式(Ia)の構造を有する化合物、およびその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
式中、環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールである、
請求項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
式中、環Aは、
【化4】
から選択される、
請求項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
式中、Rはエチルである、
請求項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
式中、nは0である、
請求項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
式中、RはC~Cアルキルであり、nは0、1、または2であり、および環Aは、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールである、
請求項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
前記化合物は、
(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物1)、
(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物2)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物3)、
(E)-8-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物4)、
(E)-8-((2S,6R)-2,6-ジメチルモルホリノ)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物5)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物6)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物7)、
(E)-8-(アゼチジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物8、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物9)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペラジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物10)、
(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物11)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物12)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(2-モルホリノエチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物13)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルアゼチジン-3-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物14)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物15)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(モルホリノメチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物16)、
(E)-15-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物17)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物18)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1H-イミダゾール-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物19)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物22)、
(E)-8-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物23)、
(S,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物24)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-イル二水素ホスフェート(化合物25)、
(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物26)、
(E)-8-(3-アミノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物27)、
(R,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物28)、
(E)-8-(4-シアノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物29)、
(E)-8-(アゼチジン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物30)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物31)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(化合物32)、
(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物33)、
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルアゼチジン-3-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物34)、
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物35)、および
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピリジン-2-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドキサミド(dicarboxamidexamide)(化合物36)
から選択される、請求項~請求項14のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および少なくとも1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項17】
疾患または状態の治療における使用のための請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、前記疾患または状態は、癌または感染症である式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項18】
前記疾患または状態は、癌であって、固形腫瘍、白血病またはリンパ腫であり、脳癌、腎癌、精巣癌、尿道癌、直腸癌、卵管癌、陰茎癌、膣癌、胃癌、皮膚癌、肝癌、消化管間質腫瘍、尿路上皮癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、骨癌、口腔癌、卵巣癌、子宮癌、頭頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、胆嚢癌、腎癌、膀胱癌、口腔咽頭癌、リンパ節癌、膠芽細胞腫、星状細胞腫、多形性膠芽腫または軟部組織の肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、血管腫、奇形腫、脂肪腫、粘液腫、線維腫、横紋筋腫、奇形腫、胆管癌、骨髄腫、ユーイング肉腫、骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、CNSリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、びまん性大細胞性リンパ腫(DLBCL)、末梢T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、原発性縦隔リンパ腫、菌状息肉腫、小非切断細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、HIV関連(またはAIDS関連)リンパ腫、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、リンパ芽球性T細胞白血病、急性骨髄性白血病、毛細胞白血病、慢性好中球性白血病、マントル細胞白血病、急性巨核球性白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、赤白血病、形質細胞腫、前骨髄球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、血小板血症、慢性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、キャッスルマンズ疾患、慢性好中球性白血病、免疫芽球性大細胞白血病および形質細胞腫、から選択される、請求項17に記載の使用のための式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項19】
前記疾患または状態は、感染症であって、ウイルス感染症または細菌感染症であり、HIV、HPV、HCV、HBV、アルファウイルス、ロタウイルスまたはインフルエンザの感染から選択される、請求項17に記載の使用のための式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項20】
1つ以上の追加の治療をさらに含み、前記追加の治療は、化学療法、免疫療法または放射線療法から選択される、請求項17または請求項19に記載の使用のための式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項21】
ワクチンアジュバントとして使用するための、請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項22】
請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および抗原または抗原組成物を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、一般式(I)を有する大環状化合物、およびそれらの互変異性体、立体異性体、薬学的に許容可能な塩、および適切な薬剤とのそれらの組み合わせ、合成のための対応する工程、および医薬組成物、および本発明を含む化合物の使用に関する。
【0002】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2019年3月28日に出願されたインド仮特許出願201921012258号、および2019年11月13日に出願されたインド仮特許出願201921046194号の利益を主張し、それらの開示は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[発明の背景]
インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING、膜貫通タンパク質173/TMEM173/MPYS/MITA/ERISとしても知られている)は、ヒトにおいてTMEM173遺伝子によってコードされるシグナル伝達分子である。STINGは、いくつかの膜貫通領域からなる379個のアミノ酸を有するタンパク質である。STINGタンパク質は、いくつかの内皮細胞型および上皮細胞型、並びに造血系統で、例えばT細胞、形質細胞様樹状細胞(pDC)を含む樹状細胞(DC)、およびマクロファージなどで発現する。STINGは、細胞内の小胞体(ER)と関連しており、I型インターフェロン(IFN)や炎症誘発性サイトカインを含む多数の宿主防御遺伝子の転写を制御することにおいて主要な役割を果たす。
【0004】
細胞のサイトゾルにおける異常なDNA種または環状ジヌクレオチド(CDN)の認識は、STINGの活性化につながる。サイトゾルDNA種は、環状GMP-AMPシンターゼ(cGAS)に結合した後、STINGシグナル伝達を活性化することができる。サイトゾルDNAのcGASへの結合は、1つの2’,5’-ホスホジエステル結合および標準的な3’,5’結合(c[G(2’,5’)pA(3’,5’)p)を含むcGAMP(環状GMP-AMP)として知られるCDN型の生成を触媒する。cGAMPと他の細菌CDNとの結合は、STINGタンパク質の構造変化を誘発し、TANK結合キナーゼ1(TBK1)の結合を促進する。STING-TBK1複合体は、細胞の核周辺領域にさらに転置し、TBK1をエンドリソソーム部分に輸送し、そこでインターフェロン調節因子3(IRF3)などの転写因子をリン酸化する。同様に、STAT6および核因子-κB(NFκB)もSTING活性化の下流で活性化される。これらの転写因子は、その後、核へ移行し、自然免疫遺伝子転写、並びにI型IFNおよび他のサイトカインの産生を開始する。その後、STINGは急速に分解され、このことは、持続的なサイトカイン産生と関連する問題を回避し得る事象である(Nature Reviews Immunol,2015,15,760-770;Cell Reports,2015,11,1018-1030)。
【0005】
マウスでの研究は、I型IFNシグナル伝達が、腫瘍開始T細胞プライミングおよび腫瘍制御に重要な役割を果たすことが示されている(J.Exp.Med.2011,208,1989-2003)。DCにおいてIFN-α/β受容体を欠くマウスは免疫原性腫瘍を拒絶できず、これらのマウスからのCD8α+DCは、CD8+T細胞への抗原交差提示に欠陥がある。さらに、黒色腫患者の転写プロファイリング分析は、浸潤性活性化T細胞を含む腫瘍がI型IFN転写特徴によって特徴付けられることを公表している(Cancer Res.2009,69,3077-3085)。多くの研究は、腫瘍に存在する宿主APCにおけるSTING経路の活性化が、インビボ(in vivo)での腫瘍由来抗原に対する自発的CD8+T細胞応答の誘導に必要であることを示している(Immunity,2014,41,830-842)。広範な証拠は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が多様な悪性腫瘍における好ましい予測と相関しており(J.Transl.Med.2012,10,205)、いくつかの免疫療法戦略に応じて陽性の臨床転帰を予測する(Cancer J.2012,18,153-159)ことを示す。STING活性化は、化学療法剤および放射線療法の抗腫瘍活性に部分的に寄与している(Immunity,2014,41,843-852)。さらに、STINGの活性化およびシグナル伝達は、抗腫瘍免疫応答を促進することにより、癌の発症に対する防御のために必須であることが発見されている。したがって、STINGの活性化は、癌治療のための潜在的な免疫療法アプローチを表す。
【0006】
研究は、確立されたB16F10黒色腫、CT26結腸癌、および4T1乳癌への改変CDNの直接腫瘍内注射(I.Tu.)が、迅速および有意な腫瘍退縮および長期にわたる全身性抗腫瘍免疫をもたらすことを示している。したがって、特定のアゴニストによるTMEにおけるSTING経路の活性化は、広範な腫瘍開始T細胞プライミングを促進することによって癌の治療を促進するための効果的な治療戦略であり得る。(J.Immunol.2013,190,5216-5225;Cell Rep.2015,19,11(7),1018-30)。CDNの他に、他のクラスの化合物は、STINGを活性化することができる。
【0007】
STINGの抗癌機構と並行して、当該下流へのSTING活性化は、IFN-βおよびいくつかのインターフェロン刺激遺伝子(ISG)を含むいくつかの抗ウイルス遺伝子の誘導にもつながる。マウス胚性線維芽細胞におけるSTINGの除去は、水疱性口内炎ウイルスを含むマイナス鎖ウイルス感染症にマウスをかかりやすくする。第1世代マウスSTINGアゴニストDMXAAは、HBV(B型肝炎ウイルス)DNA流体力学マウスモデル、チクングンヤ熱ウイルス、H1N1 PR8インフルエンザ株などの複数のインビボ(in-vivo)ウイルスモデルにおいて有効であることが示され、複数のウイルス感染症に対する抗ウイルス剤としてのSTINGアゴニストの有用性を示している。(Nature,2008,455,674-678;PLoS Pathog.2015,11,12;Antimicrob.Agents Chemother.2015,59,2 1273-1281;J Leukocyte Bio.2011,89,3 351-357)。
【0008】
国際公開WO2017/011920、WO2017/175147、WO2017/175156、WO2018,234805、WO2018,234807、WO2018,234808、WO2019/023635、WO2019/027857、WO2019/027858、およびNature(2018),564(7736),439-443は、STING調節因子を開示する。
【0009】
STING調節因子活性を有する本発明の化合物は、本明細書に記載される。
[発明の要旨]
本発明は、一般式(I)の化合物、および一般式(I)の化合物の互変異性体、立体異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそれらのそのプロドラッグに関する。
【0010】
【化1】
【0011】
式中、
は、環Aまたは
【0012】
【化2】
から独立して選択され、
【0013】
は、-CH=CH-であり、
環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、および任意に置換されたヘテロアリールから独立して選択され、
環Bは、芳香族炭素環であり、
環Cは、任意に置換された5員ヘテロアリールであり、
は、-CON(Rであり、
は、水素、任意に置換されたC~Cアルキル、および任意に置換されたC~C単環式シクロアルキルから独立して選択され、
は、水素、および任意に置換されたC~Cアルキルから独立して選択され、
mは、0または1から選択され、
nは、0、1、または2から選択され、
oは1であり、
pは0、1、または2から選択され、
「アルキル」が置換される場合、アルキルは、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「炭素環」または「シクロアルキル」が置換される場合、炭素環またはシクロアルキルは、ハロゲン、アルキル、ペルハロアルキル、-N(R、および-ORから独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「複素環」または「ヘテロシクリル」が置換される場合、複素環またはヘテロシクリルは、オキソ(=O)、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-OR、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、-P(O)(OR)R4a、-SO4a、-SONH、-C(=O)N(H)R、-C(=O)N(アルキル)R、-N(H)C(=O)R4a、-N(H)R、および-N(アルキル)R、から独立して選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
「ヘテロアリール」基が置換される場合、ヘテロアリール基は、ハロゲン、シアノ、アルキル、ペルハロアルキル、-O-アルキル、-O-ペルハロアルキル、-N(アルキル)アルキル、-N(H)R、-SO-アルキル、-N(アルキル)C(=O)アルキル、-N(H)C(=O)アルキル、-C(=O)N(アルキル)アルキル、-C(=O)N(H)アルキル、-C(=O)NH、-SON(アルキル)アルキル、-SON(H)アルキル、-SONH、-C(=O)OH、-OP(O)(OR、-P(O)(OR、および-P(O)(OR)R4a、から選択される1~4個の置換基を用いて置換され、
各Rは、水素、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択され、並びに
各R4aは、アルキルおよびシクロアルキルから独立して選択される。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、一般式(Ia)の化合物、式(Ia)の化合物の互変異性体、立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物またはそれらのそのプロドラッグを提供し、
【0015】
【化3】
【0016】
式中、
、環A、mおよびnは、前記に定義される通りである。
他の実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物、式(Ib)の化合物の互変異性体、立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物またはそのプロドラッグを提供し、
【0017】
【化4】
【0018】
式中、
、環A、mおよびnは、前記に定義される通りである。
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、式(Ia)または式(Ib)の化合物、その互変異性体、そのその立体異性体、そのその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのそのプロドラッグに関し、ここで環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールである。
【0019】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、式(Ia)の化合物、そのその互変異性体、そのその立体異性体、そのその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのそのプロドラッグに関し、ここで環Aは、
【0020】
【化5】
である。
【0021】
他の実施形態によると、本発明は、式(Ib)の化合物、およびその互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここで環Aは、
【0022】
【化6】
である。
【0023】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、式(Ia)または式(Ib)の化合物、その互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここでRは、任意に置換されたC~Cアルキルである。
【0024】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、式(Ia)または式(Ib)の化合物、その互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここでRは、任意に置換されたエチルである。
【0025】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、または式(Ia)の化合物、その互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここでnは、0、1、または2である。
【0026】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)、または式(Ia)の化合物、その互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここでnは、0である。
【0027】
他の実施形態によると、本発明は、式(I)の化合物、その互変異性体、その立体異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグに関し、ここでRは、任意に置換されたC~Cアルキルであり、nは、0、1、または2であり、および環Aは、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールである。
【0028】
他の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の互変異性形態、および式(I)の化合物の全ての可能な幾何異性体を提供し、以下に示されるような、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)および式(E)を含むが、これらに限定されない:
【0029】
【化7】
【0030】
他の実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)または式(Ib)の化合物、それらの互変異性体、その薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、またはそのプロドラッグを提供し、ここで化合物は:
【0031】
【化8-1】
【0032】
【化8-2】
【0033】
【化8-3】
【0034】
【化8-4】
【0035】
【化8-5】
【0036】
【化8-6】
【0037】
【化8-7】
【0038】
【化8-8】
【0039】
【化8-9】
【0040】
【化8-10】
【0041】
【化8-11】
【0042】
【化8-12】
【0043】
【化8-13】
から選択される。
【0044】
更なる実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および少なくとも1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0045】
更なる実施形態において、本発明は、STINGの活性化が有益である疾患または状態の治療における使用のための式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0046】
更なる実施形態において、本発明は、STINGの活性化が有益である疾患または状態の治療のための薬剤の製造における、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物もしくは医薬組成物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0047】
更なる実施形態において、本発明は、患者におけるSTINGの活性化が有益である疾患または状態の治療方法を提供し、治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはそれらのその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
【0048】
更なる実施形態において、本発明は、必要とする哺乳動物における、癌および感染症から選択される疾患または状態の治療方法を提供し、当該哺乳動物に、治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
【0049】
更なる実施形態において、本発明は、例えば、固形腫瘍、白血病およびリンパ腫などの癌の治療方法を提供する。
更なる実施形態において、本発明は、例えば、ウイルス感染または細菌感染などの感染症の治療方法を提供する。
【0050】
更なる実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む組成物、および1つ以上の追加の治療法を提供する。
【0051】
更なる実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む組成物、および例えば、化学療法、免疫療法または放射線療法などの1つ以上の追加の治療法を提供する。
【0052】
更なる実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含むワクチンアジュバントを提供する。
【0053】
更なる実施形態において、本発明は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩、および抗原または抗原組成物を含むワクチン組成物を提供する。
【0054】
[発明の詳細な説明]
式において使用される一般的な用語は、次のように定義されることができるが、しかしながら、記載される意味は、用語自体の範囲を制限するとして解釈されるべきではない。
【0055】
用語「アルキル」は、骨格に炭素原子および水素原子を単に含み、不飽和を含まず、1~6個の炭素原子を有し、単一の結合によって分子の残りの部分に結合しているアルカン由来の炭化水素ラジカル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)などに関する。逆に説明または列挙されていない限り、本明細書に記載または請求される全てのアルキル基は、直鎖または分岐、置換または非置換であり得る。
【0056】
本明細書で使用される用語「ペルハロアルキル」は、前記アルキル基の全ての水素原子がハロゲンで置換されている、上記で定義されたアルキル基を意味する。ペルハロアルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどによって例示される。
【0057】
本明細書で使用される用語「芳香族環」は、単環式芳香族炭化水素環系に関する。
本明細書で使用される用語「ヘテロ芳香族環」は、O、N、またはSから選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する5~6員の単環式芳香族環系に関する。
【0058】
用語「シクロアルキル」または「炭素環」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの3~12個の炭素原子を有する非芳香族単環式系または多環式環系に関する。逆に説明または列挙されていない限り、本明細書に記載または請求される全てのシクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。
【0059】
用語「C~C単環式シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどの3~5個の炭素原子を有する置換または非置換の非芳香族単環式環系に関する。
【0060】
本明細書で使用される用語「芳香族炭素環」は、芳香族炭化水素環系に関する。例は、ベンゼン環などを含む。
本明細書に使用される用語「アリール」は、一価の単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素環系に関する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニルなどを含む。
【0061】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、O、N、またはSから選択される1~4個の環ヘテロ原子を有し、残りの環原子が炭素である(別段の指示がない限り、適切な水素原子を有する)5~14員の単環式、二環式、または三環式環系に関し、ここで、環系の少なくとも1つの環は芳香族である。
【0062】
用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、他に特に規定がなければ、炭素原子からなる、およびN、O、S、P(O)(OR)、P(O)(R4a)またはS(O)から独立して選択される1つ以上(例えば、2または3)のヘテロ原子を有する3~15員環を有する置換または非置換の非芳香族、単環式、二環式、三環式または架橋/縮合/スピロ環系に関する。結合点は、任意の適切な炭素または窒素からであり得る。
【0063】
用語「オキソ」は、親グループに結合した二価の酸素(=O)を意味する。例えば、炭素に結合したオキソは、カルボニルを形成し、シクロヘキサンで置換されたオキソはシクロヘキサノンを形成するなどである。
【0064】
用語「互変異性体」または「互変異性体型」は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体に関する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られる)は、例えばケトエノール異性化などのプロトンの移動を介した相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子の再編成による相互変換を含む。
【0065】
用語「幾何異性体」は、二重結合のEまたはZ幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)に関する。
本明細書に記載の式および化合物の式(s)、式(r)、および式(t)を含むがこれらに限定されない全ての互変異性体およびそれらの可能な幾何異性体は、本発明の範囲内に含まれることを意図される。
【0066】
【化9】
【0067】
本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を有し得る。各キラル中心での絶対的立体化学は「R」または「S」であり得る。本発明の化合物は、全てのジアステレオマーおよびエナンチオマー、並びにそれらの混合物を含む。特に他に明記されない限り、1つの立体異性体への言及は、可能な立体異性体のいずれにも適用する。立体異性体組成が特定されていないときはいつでも、全ての可能な立体異性体が含まれることが理解されるべきである。
【0068】
用語「立体異性体」は、同じ結合によって結合され同じ原子からなるが、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物に関する。三次元構造は立体配置と呼ばれる。本明細書で使用される用語「エナンチオマー」は、その分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体に関する。用語「キラル中心」は、4つの異なる基が結合している炭素原子に関する。本明細書で使用される用語「ジアステレオマー」は、エナンチオマーではない立体異性体に関する。用語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、等量のエナンチオマーの混合物に関する。
【0069】
状態(state)、疾患(disease)、病気(disorder)、状況(condition)または症候群の「治療する」または「治療」という用語は、(a)状態、疾患、病気、状況または症候群に苦しんでいる対象、またはかかりやすい素因を持っている可能性はあるが、状態、疾患、病気、状況または症候群の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験または表示していない対象において発症する可能性のある状態、疾患、病気、状況または症候群の臨床症状の出現を予防または遅延させること、(b)状態、疾患、病気、状況または症候群を阻害すること、すなわち、疾患またはその臨床的もしくは亜臨床的症状の少なくとも1つの発症を阻止または低減すること;(c)疾患、病気もしくは状況、またはそのその臨床的または亜臨床的症状の少なくとも1つの深刻さを減少させること、および/または(d)疾患を軽減する、すなわち、状態、病気もしくは状況、またはその臨床的もしくは亜臨床的無症状の少なくとも1つの退行を引き起こすこと、を含む。
【0070】
用語「対象」は、哺乳動物、好ましくはヒト、および、例えば猫や犬を含む家庭用ペットなどを含む飼育動物などの他の動物を含む。
「治療有効量」は、それを必要とする対象に投与された場合に、所望の効果を引き起こすのに十分である化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、年齢、体重、体調および治療される対象の応答性に応じて変化するであろう。
【0071】
本明細書に開示される化合物およびそれらの互変異性体型、立体異性体、プロドラッグは、例えば、有機合成において公知であり、本発明の当業者によく知られている技術によって調製され得る。さらに、本明細書に記載の工程は、本発明の化合物の合成を可能にし得る。しかしながら、これらは、本発明に記載の化合物を合成し得る唯一の手段ではない可能性がある。さらに、本明細書に記載の様々な合成ステップは、所望の化合物を提供するために、代替の順序で実行され得る。
【0072】
本発明の更なる態様において、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、STINGの活性化が有益である疾患または状況の治療に使用するために提供される。
【0073】
本発明の更なる態様において、STINGの活性化が有益である疾患または状況の治療における使用のための薬剤を製造するための、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物もしくは医薬組成物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0074】
本発明の更なる態様において、STINGの活性化が有益である疾患または状況の治療方法を患者に提供し、式(I)、式(Ia)および式(Ib)の化合物またはそれらのその薬学的に許容可能な塩の治療有効量を投与することを含む。
【0075】
更なる態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物において、癌および感染症から選択される疾患または状況の治療方法を提供し、その哺乳動物に、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)、またはそれらのその薬学的に許容可能な塩の治療有効量を投与することを含む。
【0076】
更なる態様において、本発明は、例えば固形腫瘍、白血病およびリンパ腫などの癌を治療する方法を提供する。
更なる態様において、本発明は、例えばウイルス感染または細菌感染などの感染症の治療方法を提供する。本発明の化合物を用いて治療され得る固形腫瘍の例は、乳癌、膵臓癌、肺癌、結腸癌、大腸癌、脳癌、腎癌、精巣癌、尿道癌、直腸癌、ファロピウス管癌、陰茎癌、膣癌、胃癌、皮膚癌、黒色腫、肝癌、消化管間質腫瘍、尿路上皮癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、骨癌、口腔癌、卵巣癌、子宮癌、頭頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、胆嚢癌、膀胱癌、口腔咽頭癌、リンパ節癌、膠芽細胞腫、星状細胞腫、多形性膠芽腫または軟部組織の肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、血管腫、奇形腫、脂肪腫、粘液腫、線維腫、横紋筋腫、奇形腫、胆管癌、ユーイング肉腫、を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物を用いて治療され得る白血病の例は、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、急性骨髄性白血病、毛状細胞白血病、慢性好中球性白血病、マントル細胞白血病、急性巨核球性白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、赤白血病、形質細胞腫、前骨髄球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、血小板血症、慢性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、有毛細胞白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、キャッスルマン病、慢性好中球性白血病、免疫芽球性大細胞白血病、形質細胞腫、および体の他の部分の白血病、を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物を用いて治療され得るリンパ腫の例は、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、CNSリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、末梢T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、原発性縦隔リンパ腫、菌状息肉腫、小非切断細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、およびHIV関連(またはAIDS関連)リンパ腫、を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物を用いて治療され得るウイルス感染の例は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、インフルエンザ(オルトミクソウイルス(Orthomyxoviridae))、アルファウイルス、ロタウイルス、センダイ、ワクシニア、呼吸器合胞体ウイルス、ラッサ熱ウイルス(アレナウイルス)、狂犬病ウイルス(ラブドウイルス)、西ナイルウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、および他のフラビウイルス、RNAウイルス、DNAウイルス、アルファフレキシビリダエ(Alphaflexiviridae)、アストロビリダエ(Astroviridae)、アルファテトラビリダエ(Alphatetraviridae)、アルヴェルナビリダエ(Alvernaviridae)、アスファルビリダエ(Asfarviridae)、アムプルラビリダエ(Ampullaviridae)、アデノビリダエ(Adenoviridae)、アスコビリダエ(Ascoviridae)、ベータフレキシビリダエ(Betaflexiviridae)、ブロモビリダエ(Bromoviridae)、バルナビリダエ(Barnaviridae)、ビカウダビリダエ(Bicaudaviridae)、バキュロビリダエ(Baculoviridae)、クロステロビリダエ(Closteroviridae)、カリシビリダエ(Caliciviridae)、カルモテトラビリダエ(Carmotetraviridae)、クラバビリダエ(Clavaviridae)、コルチコビリダエ(Corticoviridae)、ジシストロビリダエ(Dicistroviridae)、エンドルナビリダエ(Endornaviridae)、フィロビリダエ(Filoviridae)、グロブロビリダエ(Globuloviridae)、グッタビリダエ(Guttaviridae)、ジェミニビリダエ(Geminiviridae)、ヒトロサビリダエ(Hytrosaviridae)、レビビリダエ(Leviviridae)、ルテオビリダエ(Luteoviridae)、リポスリックスビリダエ(Lipothrixviridae)、メソニビリダエ(Mesoniviridae)、マルナビリダエ(Marnaviridae)、メタビリダエ(Metaviridae)、マラコヘルペスビリダエ(Malacoherpesviridae)、ノダビリダエ(Nodaviridae)、ニヤミビリダエ(Nyamiviridae)、ニマビリダエ(Nimaviridae)、ナノビリダエ(Nanoviridae)、ピコナビリダエ(Piconaviridae)、パルティティビリダエ(Partitiviridae)、ピコビルナビリダエ(Picobirnaviridae)、パラミクソビリダエ(Paramyxoviridae)、ポックスビリダエ(Poxviridae)、パンドラビリダエ(Pandoraviridae)、ポリマビリダエ(Polymaviridae)、フィコドナビリダエ(Phycodnaviridae)、パピローマビリダエ(Papillomaviridae)、ポリドナウイルス(Polydnaviruses)、ポリマビリダエ(Polymaviridae)、ペルムトテトラビリダエ(Permutotetraviridae)、ポティビリダエ(Potyviridae)、レトロビリダエ(Retroviridae)、サイフォビリダエ(Siphoviridae)、スファエロリポビリダエ(Sphaerolipoviridae)、ビルガビリダエ(Virgaviridae)、トガビリダエ(Togaviridae)、ツリィビリダエ(Turriviridae)、テクティビリダエ(Tectiviridae)を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物を用いて治療され得る細菌感染症の例は、ブルセラ(Brucella)、クロストリジウム(Clostridium)、クロストロジウム(Clostrodium)、カンピロバクター(Campylobacter)、エンテロコッカス(Enterococus)、フランシセラ(Fransicella)、リステリア(Listeria)、レジオネラ(Legionella)、マイコバクテリア(Mycobacteria)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、エルシニア(Yersinia)属に属する細菌によって引き起こされる感染症を含むが、これらに限定されない。更なる態様において、本発明は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物、および1つ以上の付加的な治療法を提供する。
【0077】
更なる態様において、本発明は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む組成物、および例えば、化学療法、免疫療法または放射線療法などの1つ以上の付加的な治療法を提供する。
【0078】
化学療法は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩と組み合わせて使用され得る1つ以上の付加的な化学療法剤を投与することを含む。組み合わせて使用され得る化学療法剤は、トポイソメラーゼII阻害剤、抗腫瘍抗生物質、抗代謝物、レチノイド、抗ウイルス剤、酢酸アビラテロン、アルトレタミン、アンヒドロビンブラスチン、オーリスタチン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS184476,2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、ブレオマイシン、N,N-ジメチル-L-バリル-L-バリル-N-メチル-L-バリル-L-プロリー1-Lプロリン-tブチルアミド、カケクチン、セマドチン、クロランブシル、シクロホスファミド、3’,4’-ジデヒドロ-4’デオキシ-8’-ノルビン-カロイコブラスチン、ドセタキソール、ドキセタキセル、シクロホスファミド、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クリプトフィシン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、ドラスタチン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、5-フルオロウラシル、フィナステリド、フルタミド、ヒドロキシ尿素およびヒドロキシ尿素タキサン、イフォスファミド、リアロゾール、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、MDV3100、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルファラン、ミボブリンイセチオネート、リゾキシン、セルテネフ、ストレプトゾシン、マイトマイシン、メトトレキサート、タキサン、ニルタミド、オナプリストン、パクリタキセル、プレドニムスチン、プロカルバジン、RPR109881、リン酸ストラムスチン、タモキシフェン、タソネルミン、タキソール、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、およびビンフルニン、を含む。
【0079】
免疫療法は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩と組み合わせて使用され得る1つ以上の付加的な免疫刺激剤を投与することを含む。本明細書において組み合わせて使用され得る免疫刺激剤は、例えば、Toll様受容体アゴニスト、T細胞チェックポイント阻害剤、CTLA4、PD-1、PD-L1、TIM3、OX40、LAG3、B7-H3、GITR、4-1BB、ICOS、CD40およびKIR抗体などのワクチンアジュバントを含む。CTLA-4およびPD-1アンタゴニストの例は、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、CT-011、AMP-224、およびMDX-1106を含むが、これらに限定されない。
【0080】
更なる態様において、本発明は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含むワクチンアジュバントを提供する。
【0081】
更なる態様において、本発明は、式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、および抗原または抗原組成物を含むワクチン組成物を提供する。
【0082】
本明細書に開示される式(I)、式(Ia)、および式(Ib)の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩と組み合わせて使用され得る抗原およびアジュバントは、B7共刺激分子、インターロイキン-2、インターフェロン-α、インターフェロン-γ、GM-CSF、CTLA-4アンタゴニスト、OX-40アゴニスト、CD40アゴニスト、サルグラモスチム、レバミゾール、ワクシニアウイルス、バシールカルメットーゲリン(BCG)、リポソーム、アルム、無毒化エンドトキシン、鉱油、例えば、リポレシチン、プルロニック(登録商標)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、および油または炭化水素エマルジョンなどの表面活性物質、を含む。例えば、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムなどのアジュバントは、免疫応答を誘発、増強、または延長するためのワクチンの能力を高めるために添加されることができる。別々に、または記載された組成物と組み合わせて使用される、例えば、サイトカイン、ケモカインおよびCpGのような細菌核酸配列、Toll様受容体(TLR)9アゴニストなどの付加的な材料、並びにリポタンパク質、LPS、モノホスホリル脂質A、リポテイコ酸、イミキモド、レシキモド、さらにポリI:Cなどのレチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)アゴニストを含む、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9のための付加的なアゴニストは、、潜在的なアジュバントである。
【0083】
医薬組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含む製剤において、経口的、非経口的を含む様々な方法によって、吸入スプレーによって、局所的、または直腸的に投与され得る。本発明の化合物の腫瘍内(腫瘍塊に直接)または腫瘍周囲(腫瘍塊の周囲)の投与が可能である。
【0084】
[一般的な調製方法]
本明細書に記載される式の化合物は、当技術分野で公知の技術によって調製され得る。さらに、本明細書に記載される式の化合物は、スキーム-1およびスキーム-2に示されるような反応順序に従うことによって調製され得る。さらに、以下のスキームにおいて、特定の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤などが言及され、当技術分野で公知の他の塩基、酸、試薬、溶媒、カップリング剤なども使用される可能性があり、したがって、本発明の範囲内に含まれることが理解される。当技術分野で公知のように使用され得る反応条件、例えば、温度および/または反応の持続時間の変化も、本発明の範囲内である。特に明記されない限り、これらのスキームに記載される式の化合物における全ての異性体も、本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
本明細書に記載される工程は、本発明の化合物の合成を可能にし得る。しかしながら、これらは、本発明に記載される化合物を合成し得る唯一の手段ではない可能性がある。さらに、本明細書に記載される様々な合成ステップは、所望の化合物を得るために代替の順序で実施され得る。
【0086】
【化10】
【0087】
スキーム1は、式(I-A)の化合物[式中、環C、m、G、G、pおよびRは、式1について以前に定義された通りである]を、式(2)の化合物から調製する方法を示す。
【0088】
式(2)の化合物を、例えば炭酸セシウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、例えばジメチルホルムアミド、アセトニトリル、THFまたはアセトンなどの溶媒中で、1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼンと反応させ、式(3)の化合物を得る。
【0089】
前のステップで得られた式(3)の化合物を、例えばDIPEAなどの塩基の存在下で、エタノール、メタノール、THFまたはDMSOなどの溶媒中で、式(10)の化合物と反応させ、式(4)の化合物を得る。
【0090】
式(4)の化合物を、例えば、メタノール、エタノールまたはTHFなどの溶媒中で、亜ジチオン酸ナトリウムと反応させ、式(5)の化合物を得る。EDCおよび、例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミンなどの塩基を、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で使用することによって、式(5)の化合物と式(8)の化合物とをカップリングし、式(6)の化合物を得る。
【0091】
前のステップで得られた式(6)の化合物を、トリフルオロ酢酸または塩化水素酸のような酸を用いて処理し、PMB基を脱保護し、式(7)の化合物を得た。
【0092】
得られた式(7)の化合物を、式(9)の化合物と反応させる。ここで、Lは、ハロゲン(クロロ/ブロモ)または-OMsまたは-OTsであり、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、約30~80℃以上の温度で反応させ、式(IA)の化合物を得る。
【0093】
【化11】
【0094】
スキーム2は、式(11)の化合物から式(I-A)の化合物[式中、環C、m、G、G、pおよびRは、式1について以前に定義された通りである]を調製する方法を示す。
【0095】
式(11)の化合物を、WO2017/100594に記述される手順に従って調製した。式(11)の化合物を、光延条件下で、DIADまたはDEADおよびTPPなどの試薬の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたはTHFなどの溶媒中で、式(9-A)の化合物と反応させ、式(12)の化合物を得る。
【0096】
式(11)の化合物を、式(9)の化合物と代替的に反応させることができる。ここで、Lは、ハロゲン(クロロ/ブロモ)または-OMまたは-OTであり、例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドのような溶媒中で、約30~80℃以上の温度で反応させ、式(12)の化合物を得る。
【0097】
前のステップで得られた式(12)の化合物を、エタノール、メタノール、THFまたはDMSOなどの溶媒中で、例えば、DIPEAなどの塩基の存在下で式(10)の化合物と反応させ、式(13)の化合物を得る。
【0098】
式(13)の化合物を、例えば、メタノール、エタノールまたはTHFなどの溶媒中で亜ジチオン酸ナトリウムと反応させ、式(14)の化合物を得る。ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で、EDCおよび塩基、例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミンを使用することによって、式(14)の化合物と式(8)の化合物とをカップリングし、式(15)の化合物を得る。
【0099】
前のステップで得られた式(15)の化合物を、加水分解のために水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムのような塩基を用いて処理して、式(16)の化合物を得た。
【0100】
式(16)の化合物を、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドのような溶媒中で、TBTUまたはEDCのようなカップリング試薬および塩化アンモニウムと反応させ、式(I-A)の化合物を得る。
【0101】
【化12】
【0102】
スキーム3は、式(17)の化合物から式(I-A)の化合物[式中、環C、m、G、G、pおよびRは、式1について以前に定義された通りである]を調製する方法を示す。
【0103】
式(17)の化合物を、光延条件下で、DIADまたはDEADおよびTPPなどの試薬の存在下で、例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたはTHFなどの溶媒中で、式(21)の化合物と反応させ、式(18)の化合物を得る。
【0104】
式(18)の化合物を、例えば、塩素化溶媒またはテトラヒドロフランなどの溶媒中で、ジオキサン中にHClを有する溶液と反応させ、メトキシメチル(MOM)基を脱保護し、これをさらに例えば、2,6-ルチジンなどの塩基の存在下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて処理すると、式(19)の化合物を得る。
【0105】
式(19)の化合物を、テトラヒドロフランまたは塩素化溶媒などの溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で環Aと反応させ、式(20)の化合物を得る。
【0106】
式(12)の化合物を式(I-A)の化合物に変換するために、式(20)の化合物を、スキーム2に示される類似の手順によって、式(I-A)の化合物に変換することができる。
【0107】
【化13】
【0108】
スキーム4は、式(3)の化合物から式(I-A)の化合物[式中、環C、m、G、G、pおよびRは、式1について以前に定義された通りである]を調製する方法を示す。
【0109】
式(3)の化合物を、例えば、エタノール、メタノール、THFまたはDMSOなどの溶媒中で、DIPEAなどの塩基の存在下で式(28)の化合物と反応させ、式(22)の化合物を得る。
【0110】
式(22)の化合物を、例えば、メタノール、エタノールまたはTHFなどの溶媒中で、亜ジチオン酸ナトリウムと反応させ、式(23)の化合物を得る。ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で、EDCおよび例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロイルアミンなどの塩基を使用することによって、式(23)の化合物と式(8)の化合物とをカップリングし、式(24)の化合物を得て、式(24)の化合物を、ジオキサン中にHClを有する溶液を用いてBoc脱保護すると、式(25)の化合物を得る。
【0111】
前のステップで得られた式(25)の化合物を、例えば、エタノール、メタノール、THFまたはDMSOなどの溶媒中で、DIPEAなどの塩基の存在下で、式(3)の化合物と反応させ、式(26)の化合物を得る。
【0112】
式(26)の化合物を、例えば、メタノール、エタノールまたはTHFなどの溶媒中で亜ジチオン酸ナトリウムと反応させ、式(27)の化合物を得る。ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中で、EDCおよび例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロイルアミンなどの塩基を使用することによって、式(27)の化合物と式(8)の化合物とをカップリングし、式(6)の化合物を得る。
【0113】
前のステップで得られた式(6)の化合物を、トリフルオロ酢酸または塩化水素酸のような酸を用いて処理し、PMB基を脱保護して、式(7)の化合物を得た。
【0114】
得られた式(7)の化合物を、式(9)の化合物と反応させる。ここで、Lは、ハロゲン(クロロ/ブロモ)または-OMsまたは-OTsであり、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、約30~80℃以上の温度で反応させ、式(I-A)の化合物を得る。
【0115】
【化14】
【0116】
スキーム5は、式(I-B)の化合物から式(I-D)の化合物[式中、環C、m、G、G、pおよびRは、式1について以前に定義された通りである]を調製する方法を示す。
【0117】
式(I-B)の化合物を、メタノール中でHClを有する溶液と反応させ、式(I-C)の化合物を得て、式(I-C)の化合物を、加水分解のために例えば、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムのような塩基を用いて処理し、式(I-D)の化合物を得る。
【0118】
略語:
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
CDI:1,1’-カルボニルジイミダゾール
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
TBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
DIPEA:ジイソプロピルアミン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
TEA:トリエチルアミン
KI:ヨウ化カリウム
DCM:ジクロロメタン
MeOH:メタノール
MOM:メトキシメチル
Ms:メタンスルホニル
Ts:4-メチルベンゼンスルホニル
PMB:4-メトキシベンジル
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
TPP:トリフェニルホスフィン
本発明におけるいくつかの代表的な例は、1つ以上の上述のような反応スキームに従うことによって調製された。
【0119】
本発明は、単に本発明の例示のために提供され、および本発明の範囲を限定しない以下の実施例によってさらに説明される。以下に示す例は、関連化合物の調製のための合成手順を示す。特定の修正および同等物は、当業者に明らかであり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0120】
本発明の化合物の命名は、ケムドロー プロフェッショナル(ChemDraw Professional)16.0による。中間体および最終化合物の構造は、スペクトルデータによって確認された。
【0121】
[実験]
[中間体の合成]
[中間体1]
4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミドの合成
【0122】
【化15】
【0123】
ステップ1:4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミドの合成
【0124】
【化16】
【0125】
ジクロロメタン(400ml)中に4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロ安息香酸(WO2017/100594に報告された手順に従って調製された、20.0g,86mmol)およびN、N-ジメチルホルムアミド(0.669ml、8.64mmol)を有する懸濁液に、塩化オキサリル(8.32ml,95mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を40℃で30分間撹拌した。出発材料が消失すると、反応混合物を真空で濃縮し、500mlのジクロロメタンに溶解し、0℃に冷却した。水酸化アンモニウム(135ml,864mmol,25%水溶液)を滴下し、反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。完了すると、反応物質を減圧下で濃縮した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥し、表題化合物を得た(19.0g,95%収率)。
LCMS(ESI):m/z230.1(M+H)
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.31(s,1H)、8.06(d,J=1.8Hz,1H)、7.89(d,J=1.9Hz,1H)、7.79(s,1H)、4.02(s,3H)。
【0126】
ステップ2:4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(中間体1)の合成
【0127】
【化17】
【0128】
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(ステップ1,18.5g,80mmol)を、トルエン(4x10ml)と共蒸発させて完全に乾燥し、その後、ジクロロメタン(250ml)に懸濁し、室温で撹拌した。反応物に、三臭化ホウ素のジクロロメタン1M溶液(481ml,481mmol)を滴下方法で加えた。スラリーを、60時間、40℃、窒素下で撹拌した。反応をH NMRによってモニタリングした。完了すると、揮発性物質を減圧下で完全に乾燥するまで除去した。反応物質を-78℃に冷却し、湿った氷を反応混合物にゆっくりと加えた(発煙が止まるまで)。反応混合物を、室温で15分間撹拌した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で完全に乾燥して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(16.0g、92%収率)。
LCMS(ESI):m/z216.2(M+H)
1H NMR(400MHz、DMSO-d)δ11.50(s,1H)、8.16(s,1H)、7.92(d,J=2.0Hz,1H)、7.72(d,J=2.0Hz,1H)、7.63(s,1H)。
【0129】
[中間体2]
(1R,5S)-3-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成
【0130】
【化18】
【0131】
ステップ-1:2-((1R,5S)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)マロン酸ジエチルの合成
【0132】
【化19】
【0133】
クロロホルム(50ml)中に2-ブロモマロン酸ジエチル(5.0g,20.91mmol)を有する撹拌溶液に、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(4.69g,31.4mmol)およびTEA(14.58ml,105mmol)を室温で加え、反応混合物を60℃で12時間加熱した。反応を、TLCを使用してモニタリングした。反応混合物を濃縮し、粗生成物を得て、粗生成物を、ヘキサン中に15~20%酢酸エチル有する溶液を使用してコンビフラッシュによって精製し、表題化合物(3.5g,61.7%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z 271.08(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ4.20(d,J=2.6Hz,3H),4.15(m,4H),2.70(m,2H),2.61(m,2H),1.92-1.74(m,2H),1.74-1.64(m,2H),1.20(t,J=7.1Hz,6H).
ステップ-2:2-((1R,5S)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-1,3-ジオールの合成
【0134】
【化20】
【0135】
THF(20ml)中に2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)マロン酸ジエチル(ステップ1生成物,3.50g,12.90mmol)を有する溶液に、THF(20ml)中に水素化アルミニウムリチウム(2.448g,64.5mmol)を有する溶液を、0℃で加えた。得られた溶液を、25℃で5時間撹拌した。混合物を、酢酸エチル25mlを加えることによって、および飽和NaCl水溶液を滴下することによってクエンチした。得られた固体をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得て、粗生成物をジクロロメタン中に10%メタノールを有する溶液を使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(1.5g,62.1%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z188.14(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ4.16(m,2H),3.44(m,4H),2.69(m,2H),2.44(m,2H),2.36(m,1H),1.86-1.77(m,2H),1.72-1.61(m,2H)。
【0136】
ステップ-3:(1R、5S)-3-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成(中間体2)
【0137】
【化21】
【0138】
THF(10ml)中に2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-1,3-ジオール(ステップ2生成物,0.50g,2.67mmol)を有する撹拌溶液に、塩化チオニル(0.780ml、10.68mmol)を0℃で滴下し、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングした。
【0139】
反応混合物を濃縮乾固し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し塩を得た。この塩を、10%重炭酸ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチルを用いて抽出した。酢酸エチルを濃縮して、遊離塩基を得て、遊離塩基をヘキサン中に5~10%酢酸エチルを有する溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(0.20g,33.4%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z224.89(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ4.20(m,2H),3.78(m,2H),3.69(m,2H),2.91(q,J=6.3Hz,1H),2.73(dd,J=11.0,2.0Hz,2H),2.54(d,J=1.9Hz,2H)、1.90-1.77(m,2H)、1.77-1.61(m,2H)。
【0140】
[中間体3]
(1R,5S)-3-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンの合成
ステップ-1:ベンジル1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート。
【0141】
【化22】
【0142】
丸底フラスコ中で、ベンジル3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(20.0g,92mmol)、2-フルオロエタン-1-オール(6.52g,102mmol)およびトリフェニルホスフィン(31.5g,120mmol)を、テトラヒドロフラン(200ml)に溶解した後、反応混合物にアザジカルボン酸ジイソプロピル(23.38ml,120mmol)を滴下した。反応混合物を、25℃で60分間撹拌した。反応を、TLCを使用することによってモニタリングした。完了すると、反応を、水(50ml)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(250ml×2)を用いて抽出した。有機層を合わせ、ブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、粗製物を得て、粗生成物をコンビフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中に20%酢酸エチル)によって精製し、表題化合物を白色固体として得た(18g,74.2%収率)。
LCMS(ESI):m/z262.96(M+H)
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.47-7.32(m,5H),6.71(s,1H)、5.33(s,2H)、4.93-4.79(m,3H),4.71(t,J=5.0Hz,1H),2.30(s,3H)。
【0143】
ステップ-2:1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
【0144】
【化23】
【0145】
丸底フラスコ中で、ベンジル1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(ステップ1,17.5g,66.7mmol)を、テトラヒドロフラン(50ml)に溶解し、続いて水酸化リチウム(2.397g,100mmol)を滴下した。反応混合物を、25℃で15時間撹拌した。反応を、TLCを使用することによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、粘着性の固体を得て、粘着性の固体を水に溶解した。エーテル(100ml)洗浄を水溶液において行い、分離後に、水層pHを1NHClによって2未満に調節した。固体を沈殿させて得て、15分間撹拌し、ブフナー漏斗に通して濾過し、水を用いて洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥して、表題化合物を白色固体として得た(10g,収率87%)。
LCMS(ESI):m/z173.01(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ13.32(s,1H),6.64(s,1H),4.83-4.73(m,2H),4.73-4.63(m,2H),2.19(s,3H)。
【0146】
ステップ3:1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの合成(中間体3)
【0147】
【化24】
【0148】
DCM(100ml)中に1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(ステップ2,14.0g,81mmol)を有する撹拌溶液に、DMF(6.30μl、0.081mmol)、および塩化オキサリル(7.83ml,89mmol)を加えた。添加中に、泡立ちを観察した。1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物(酸塩化物)を次の反応のために更に進めた。他のRBFにおいて、チオシアン酸カリウム(7.90g,81mmol)を、アセトン(10ml)に溶解した。反応混合物を0~5℃で2時間冷却した。上記の中間体(酸塩化物)を、アセトン(10ml)に溶解し、反応混合物にゆっくりと加えた。完了すると、ヘキサン(50ml)を反応混合物に加え、反応混合物を真空下で濃縮した。同じ手順を3回繰り返した。濃縮後、ヘキサン(50ml)を加え、固体化合物を濾過した。得られた透明な黄色の濾液を真空下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中に酢酸エチルを有する溶液を使用してコンビフラッシュによって精製した。所望の生成物を、0~5%の酢酸エチルを用いることによって溶出した(10gm,58%収率)。
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.79(s,1H),4.86-4.73(m,2H),4.71-4.67(m,2H),2.31(s,3H)。
【0149】
実施例1:(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物1)
【0150】
【化25】
【0151】
ステップ-1:4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミドの合成
【0152】
【化26】
【0153】
ジメチルホルムアミド(75ml)中に4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(中間体1,15.0g,69.3mmol)を有する溶液に、炭酸セシウム(24.82g,76.0mmol)を加え、混合物を、10分間、室温で撹拌した。1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(11.39g,72.7mmol)を、同じ温度でゆっくりと加え、反応混合物を、25℃で16時間撹拌した。反応をTLCおよびLCMSによってモニタリングした。激しく攪拌しながら、水(300mL)を滴下し、得られた固体を15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、水(200ml)を用いて洗浄した。化合物を、ペンタンを用いて粉砕し、表題化合物(14g,60.0%収率)を得た。
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.30(s,1H),8.04(m,2H),7.80(s,1H),7.48-7.40(m,2H),7.03-6.95(m,2H),5.29(s,2H),3.77(s,3H)。
【0154】
ステップ-2:(E)-4,4’-(ブト-2-エン-1,4-ジイルビス(アザネジイル))ビス(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド)の合成
【0155】
【化27】
【0156】
エタノール(100ml)中に4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(ステップ1生成物,14.0g,41.6mmol)を有する懸濁液に、(E)-ブト-2-エン-1,4-ジアミンジヒドロクロリド(文献で公知の方法で合成された、3.31g,20.79mmol)およびDIPEA(21.49g,166mmol)を加え、混合物を密封管内で、100℃で48時間撹拌させた。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。完了すると、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗粘着性固体をメタノール(25ml)と共に15分間撹拌し、固体を、メタノール(5ml)のベッドウォッシュを用いてブフナー漏斗に通して濾過し、表題生成物(14.1gm,収率49.4%)を得た。
LCMS(ESI):m/z687.28(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.20(d,J=1.9Hz,3H)、8.03(s,3H)、7.77-7.65(m,4H),7.38-7.29(m,4H)、6.94-6.84(m,4H),5.40(t,J=3.0Hz,2H),5.02(s,4H),3.99(s,4H),3.73(s,6H)。
【0157】
ステップ-3:(E)-4,4’-(ブト-2-エン-1,4-ジイルビス(アザネジイル))ビス(3-アミノ-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド)の合成
【0158】
【化28】
【0159】
テトラヒドロフラン(35ml)とメタノール(73ml)との溶液中に(E)-4,4’-(ブト-2-エン-1,4-ジイルビス(アザネジイル))ビス(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド)(ステップ2生成物,14.0g,20.39mmol)を有する撹拌懸濁液へ、亜ジチオン酸ナトリウム(38mlの水中に35.5gを有する溶液、204mmol)を0℃で加えた。水酸化アンモニウム(79.0ml,510mmol)を同じ温度で加えた。反応混合物を25℃に温め、25℃で15時間撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングした。有機溶媒を、真空下で反応混合物から除去した。粗生成物を、二塩化メチレン(250ml)中に15%のメタノールを有する溶液に溶解した。固体化合物を沈殿させて得て、15分間撹拌した。固体を濾別し、濾液の有機層を減圧下で濃縮した。化合物を、トルエン(100ml)を用いて2回共蒸発させ、微量の水を除去し、表題化合物(6.2gm、収率48.5%)を得た。
LCMS(ESI):m/z627.46(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.63(s,1H),7.47-7.31(m,5H),7.21(m,3H),7.01-6.80(m,9H),5.61(t,J=6.7Hz,2H),4.97(d,J=9.6Hz,4H),4.65(s,1H),3.81-3.73(m,3H),3.72(s,6H),3.48(d,J=3.5Hz,4H)。
【0160】
ステップ-4:(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)の合成
【0161】
【化29】
【0162】
(E)-4,4’-(ブト-2-エン-1,4-ジイルビス(アザネジイル))ビス(3-アミノ-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド)(ステップ3生成物,6.0g,9.57mmol)を、50mLのDMFに溶解し、溶液を0℃に冷却し、5mLのDMF中に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(文献に報告された方法により合成された,4.67g,23.93mmol)を有する溶液を、それに加えた。反応混合物を、0℃で30分間撹拌し、その後、3-(エチルイミノメチリデンアミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン;塩酸塩(5.51g,28.7mmol)を反応混合物に加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(10.02mL,57.4mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングし、完了すると、反応混合物を減圧下で濃縮し、水を加えた。得られた固体沈殿物を濾過し生成物(6.2g,68.2%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z949.82(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.92(s,2H),7.99(s,2H),7.74(s,2H),7.41(m,4H),7.34-7.00(m,8H),6.67(d,J=8.4Hz,2H),6.52(s,2H),5.48(s,2H),4.80(m,6H),4.53(d,J=7.5Hz,4H),3.61(s,4H),2.24-2.00(m,6H),1.27(m,8H)。
【0163】
ステップ-5:(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)の合成
【0164】
【化30】
【0165】
50mLのジクロロメタン中に(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(ステップ4生成物,5.80g,6.11mmol)を有する攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(50ml、306mmol)を室温で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、TLCから判断して反応の完了後、揮発性物質を濃縮し、水を残渣に加えて結果的に粗生成物を沈殿させた。固体を濾過し、水を用いて洗浄し、トルエンとの共沸蒸留によって乾燥した。乾燥した粗生成物を、ジエチルエーテル、ジクロロメタンおよびアセトニトリルを用いて連続して粉砕することにより精製し、濾過して、生成物(4.0gm,収率92%)を得た。
LCMS(ESI):m/z709.32(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.77(s,2H),10.45(m,2H),7.82(s,2H),7.44(m,3H),7.18(m,3H),6.50(s,2H),5.95(s,2H),4.95(s,4H),4.51(d,J=7.0Hz,4H),2.09(m,6H),1.24(t,J=7.1Hz,6H)。
【0166】
ステップ6:(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物1)
【0167】
【化31】
【0168】
DMF(4ml)中に(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(ステップ5生成物,200mg,0.282mmol)を有する攪拌溶液に、3-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(中間体2,95mg,0.423mmol)、水酸化ナトリウム(45.1mg,1.129mmol)、およびヨウ化カリウム(23.42mg,0.141mmol)を加えた。その後、反応混合物を、60℃で10時間加熱した。反応を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を濃縮乾固し、アセトニトリルを用いて洗浄し、および分取HPLCにより精製して、表題化合物(18mg,7.04%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z860.68(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.88(brs,2H),8.00(brs,2H),7.69(d,J=1.2Hz,2H),7.58(d,J=1.4Hz,2H),7.41(brs,2H),6.52(s,2H),5.49(s,2H),5.02-4.76(m,4H),4.59(dd,J=10.4,4.2Hz,2H),4.53(q,J=7.1Hz,4H),4.35-4.25(m,2H),4.19(dd,J=10.4,6.4Hz,2H),3.08(s,2H),2.92-2.83(m,2H),2.76-2.65(m,2H),2.08-2.02(m,7H),1.82-1.70(m,2H),1.27(t,J=7.1Hz,6H)。
【0169】
実施例2:(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物2)
【0170】
【化32】
【0171】
ステップ1:ジエチル5,5’-((2-(メトキシメトキシ)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)の合成
【0172】
【化33】
【0173】
THF(200ml)中に、エチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸(32.5g,132.3mmol)、2-(メトキシメトキシ)プロパン-1,3-ジオール(9.0g,66.2mmol)、トリフェニルホスフィン(69.4g,264.6mmol)を有する冷却溶液に、DIAD(51.5ml,264.6mmol)を室温で滴下して加え、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物を濃縮して粗物質を得て、これにIPA(200ml)を加え、室温で30分間、次に-78℃で30分間撹拌し、固体を濾過し、十分に乾燥して、表題化合物(23.0g,59%収率)を得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.08(d,J=1.7Hz,2H),7.84(d,J=1.8Hz,2H),4.91(s,2H),4.58-4.40(m,9H),3.48(s,3H),1.44(t,J=7.1Hz,6H)。
【0174】
ステップ2:ジエチル5,5’-((2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)の合成
【0175】
【化34】
【0176】
DCM(150ml)とエタノール(150ml)との溶液中に、ジエチル5,5’-((2-(メトキシメトキシ)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(ステップ1,23.0g,38.9mmol)を有する冷却溶液に、ジオキサン中にHCl(100ml,388.9mmol)を有する溶液を加え、反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物を濃縮し、DCM(50ml)に溶解し、8%重炭酸ナトリウム溶液および水を用いて洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸留して、表題化合物(21.0g,97%収率)を得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.10(d,J=1.7Hz,2H),7.85(d,J=1.8Hz,2H),4.61(p,J=5.1Hz,1H),4.50-4.40(m,6H),3.72(s,3H),1.44(t,J=7.1Hz,6H)。
【0177】
ステップ3:ジエチル5,5’-((2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)の合成
【0178】
【化35】
【0179】
DCM(200ml)中に、5,5’-((2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(ステップ2,21.0g,38.4mmol)を有する冷却溶液に、2,6-ルチジン(17.9ml,153.5mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(16.2g,57.6mmol))を滴下して加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物を2N HCl水溶液を用いてクエンチし、DCMで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、表題化合物(24.0g,収率92%)を得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.15(d,J=1.7Hz,2H),7.83(d,J=1.7Hz,2H),5.64(p,J=4.8Hz,1H),4.70-4.66(m,3H),4.47(q,J=7.1Hz,4H),3.73(s,1H),1.45(t,J=7.1Hz,6H)。
【0180】
ステップ4:ジエチル5,5’-((2-((1R,5S)-3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)
【0181】
【化36】
【0182】
THF(30ml)中に(1R,5S)-3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンヒドロクロリド(10.1g,67.7mmol)を有する冷却溶液に、TEA(18.9ml,135.4mmol)を加え、0℃で30分間撹拌し、その後、ジエチル5,5’-((2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(ステップ3,23.0g,33.9mmol)を加え、25℃で12時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(18.0g,83%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z641.47[M+1]
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.07(d,J=1.7Hz,2H),7.94-7.78(m,2H),4.52-4.29(m,8H),3.77(d,J=10.5Hz,2H),3.60(d,J=10.1Hz,2H),3.50-3.33(m,2H),3.33-3.21(m,1H),2.11-1.93(m,4H),1.44(t,J=7.1Hz,6H)。
【0183】
ステップ5:ジエチル(E)-7-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,13-ジニトロ-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレートの合成
【0184】
【化37】
【0185】
1リット(lit)オートクレーブで、エタノール(300ml)中に5,5’-((2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(ステップ4,17.9g,27.9mmol)を有する溶液に、(E)-ブタ-2-エン-1,4-ジアミンジヒドロクロリド(5.7g,36.2mmol)およびDIPEA(38.9ml,22.29mmol)を加え、反応混合物を110℃で24時間撹拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。反応混合物を室温に冷却し、得られた固体を濾過し、乾燥して、表題化合物(15.5g,収率85%)を得た。
LCMS(ESI):m/z656.22[M+1]
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.57(d,J=1.9Hz,2H),8.46(m,2H),7.64(d,J=1.9Hz,2H),5.76(s,2H),4.47(dd,J=16.4,6.8Hz,2H),4.39(q,J=7.1Hz,4H),4.26(dd,J=9.7,5.1Hz,2H),4.06(dd,J=16.0,7.0Hz,2H),3.88-3.78(m,4H),3.63(d,J=10.5Hz,2H),3.46-3.40(m,2H),3.16(t,J=5.3Hz,1H),2.04(s,4H),1.41(t,J=7.1Hz,6H)。
【0186】
ステップ6:ジエチル(E)-1,13-ジアミノ-7-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレートの合成
【0187】
【化38】
【0188】
THF(30ml)とエタノール(30ml)との溶液中に、ジエチル(E)-7-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,13-ジニトロ-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレート(ステップ5,15.0g,22.9mmol)を有する攪拌溶液に、亜ジチオン酸ナトリウム(39.8g,228.8mmol)(5.0mlの水中の溶液)を0℃で加えた。水酸化アンモニウム(71.3ml,457.6mmol)を同じ温度で加えた。反応混合物を0~25℃に温め、25℃で3時間撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングした。固体を濾別し、有機溶媒を真空下で除去した。水を反応混合物に加え、DCM(4×50ml)を用いて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗残留物を得た。固体を、エーテルを用いて洗浄し、表題化合物(13.0g,95%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z596.08[M+1]
ステップ7:ジエチル(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキシレートの合成
【0189】
【化39】
【0190】
DMF(200ml)中にジエチル(E)-1,13-ジアミノ-7-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレート(ステップ6,14.0g,23.5mmol)を有する攪拌溶液に、1mlのDMF中に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(8.3g,42.3mmol)を有する溶液を、0℃で加え、30分間撹拌し、続いてEDC(18.0g,94.0mmol)およびTEA(26.2ml,188.0mmol)を0℃で加え、18時間撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングした。完了後、混合物を減圧下で濃縮し、水を加え、固体を濾過し、乾燥して粗物質を得て、粗物質をカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製して、表題化合物(14.0g,65%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z918.07[M+1]
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.91(s,2H),7.83(d,J=1.3Hz,2H),7.61(d,J=1.4Hz,2H),6.50(s,2H),5.39(s,2H),4.95(d,J=16.0Hz,2H),4.81(d,J=16.4Hz,2H),4.58(dd,J=10.7,4.4Hz,2H),4.55-4.46(m,4H),4.38-4.28(m,4H),3.99-3.90(m,2H),3.69(d,J=10.1Hz,2H),3.58(d,J=4.2Hz,2H),3.51(d,J=10.2Hz,2H),2.93(t,J=5.1Hz,1H),2.04(s,6H),1.99-1.90(m,2H),1.87-1.77(m,2H),1.33(t,J=7.1Hz,6H),1.25(t,J=7.1Hz,6H)。
【0191】
ステップ8:(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボン酸の合成
【0192】
【化40】
【0193】
エタノール(70ml)とTHF(70ml)との溶液中に、ジエチル(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキシレート(ステップ7,14.0g,15.3mmol)を有する攪拌溶液に、水(10ml)中で溶解された水酸化リチウム水和物(6.4g,152.5mmol)を室温で加え、16時間、50℃で撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングし、完了後、反応物を減圧下で濃縮し、水を加え、pHを、1NHClを使用することによって酸性に調整した。固体を沈殿させ、濾過し、乾燥して、表題化合物(12.0g,91%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z862.05[M+1]
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.94-7.81(m,2H),7.70(s,2H),5.55(s,2H),5.20-4.97(m,4H),4.86(t,J=16.4Hz,2H),4.64-4.39(m,8H),3.81-3.63(m,5H),2.41-2.32(m,2H),2.15(d,J=8.4Hz,2H),2.06(s,6H),1.26(t,J=7.1Hz,6H)。
【0194】
ステップ9:(E)-8-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物2)の合成
【0195】
【化41】
【0196】
(E)-8-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボン酸(ステップ8,10.0g,11.6mmol)を、DMSO(80ml)に溶解した。この撹拌溶液に、HOBT(8.9g,58.0mmol)、EDC(11.1g,58.0mmol)、およびDIPEA(16.2ml,92.8mmol)を滴下して加え、続いて塩化アンモニウム(21.7g,406.1mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングした。完了後、反応混合物を冷水に注ぎ、固体を沈殿させ、濾過し、水を用いて洗浄した。固体を十分に乾燥し、粗材料を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH)20%によって精製し、得られた固体を、アセトニトリルを用いて洗浄し、濾過し、表題化合物(6.0g,60%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z860.68(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.88(s,2H),8.01(s,2H),7.73(s,2H),7.63(s,2H),7.38(s,2H),6.50(s,2H),5.40(s,2H),4.98(d,J=16.4Hz,2H),4.79(d,J=16.5Hz,2H),4.60(dd,J=10.7,4.6Hz,2H),4.50(q,J=7.2Hz,4H),3.97(dd,J=10.8,5.5Hz,2H),3.68(d,J=10.1Hz,2H),3.60(s,2H),3.53(d,J=10.0Hz,2H),2.96-2.84(m,1H),2.04(s,6H),1.95(s,2H),1.84-1.74(m,2H),1.28-1.21(m,6H)。
【0197】
実施例3:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物3)
【0198】
【化42】
【0199】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H)-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および4-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)モルホリンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製し、生成物を対応する塩酸塩に変換した。
LCMS(ESI):m/z834.67(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.24(brs,2H),8.12(brs,2H),7.95(s,2H),7.81(d,J=1.2Hz,2H),7.51(brs,2H),6.52(s,2H),5.29(s,2H),5.16(d,J=9.0Hz,2H),5.00-4.77(m,4H),4.49(q,J=7.1Hz,4H),4.40(dd,J=11.8,6.0Hz,2H),4.14-4.02(m,5H),3.73-3.50(m,4H),2.03(s,6H),1.24(t,J=7.1Hz,6H)。
【0200】
実施例4:(E)-8-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物4)
【0201】
【化43】
【0202】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H)-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-4,4-ジフルオロピペリジンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z868.67(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(s,2H),8.32(s,1H),8.01(s,2H),7.67(d,J=2.7Hz,4H),7.43(s,2H),6.55(s,2H),5.58(s,2H),4.90(s,4H),4.66-4.46(m,7H),4.26(dd,J=10.6,6.5Hz,2H),2.94(d,J=5.5Hz,4H),2.08(m,10H),1.27(m,6H)。
【0203】
実施例5:(E)-8-((2S,6R)-2,6-ジメチルモルホリノ)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物5)
【0204】
【化44】
【0205】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H)-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および(2S,6R)-4-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルモルホリンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製し、生成物を対応する塩酸塩に変換した。
LCMS(ESI):m/z862.80(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.14(s,2H),7.97(s,2H),7.80(d,J=1.1Hz,2H),7.49(s,2H),6.52(s,2H),4.92(s,3H),4.50(t,J=7.0Hz,4H),4.39-4.28(m,4H),3.80-3.68(m,4H),3.38(qd,J=7.1,5.5Hz,6H),3.17(s,3H),2.03(s,6H),1.22(t,J=7.0Hz,6H),1.09(d,J=7.0Hz,6H)。
【0206】
実施例6:(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物6)
【0207】
【化45】
【0208】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H)-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および(S)-1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-3-メトキシピロリジンを使用し、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z848.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(s,2H),8.02(s,2H),7.73(s,2H),7.64(s,2H),7.39(s,2H),6.52(s,2H),5.44(s,2H),4.98-4.79(m,4H),4.64(d,J=10.6Hz,3H),4.51(d,J=7.8Hz,4H),4.13(s,2H),3.95(s,1H),3.23(s,3H),3.07(d,J=11.4Hz,2H),2.85(m,2H),2.05(s,6H),1.76(s,2H),1.28(t,J=7.1Hz,6H)。
【0209】
実施例7:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物7)
【0210】
【化46】
【0211】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H)-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピペリジンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z832.52(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.89(s,2H),8.00(s,2H),7.70(s,2H),7.62(d,J=5.2Hz,2H),7.39(s,2H),6.54(s,2H),5.54(s,2H),4.90(m,4H),4.62(dd,J=10.5,4.3Hz,2H),4.53(q,J=7.4Hz,3H),4.20(dd,J=10.5,6.4Hz,2H),2.78(t,J=5.2Hz,4H),2.07(s,6H),1.60(s,4H),1.47(s,2H),1.27(t,J=6.8Hz,6H)。
【0212】
実施例8:(E)-8-(アゼチジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物8)
【0213】
【化47】
【0214】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)アゼチジンヒドロクロリドを使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z804.67(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(brs,2H),7.98(d,J=1.6Hz,2H),7.66(d,J=1.8Hz,2H),7.35(m,4H),6.45(m,2H),6.12(m,2H),5.12(m,1H),5.05-4.88(m,3H),4.65-4.34(m,6H),4.28(t,J=7.8Hz,1H),3.65(t,J=9.9Hz,1H),2.08(m,2H),1.89(d,J=8.0Hz,6H),1.80-1.69(m,1H),1.55(d,J=6.7Hz,1H),1.34-1.18(m,6H)。
【0215】
実施例9:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物9)
【0216】
【化48】
【0217】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および4-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-1-メチルピペリジンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、ギ酸塩として表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z846.68(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.95(s,3H),8.48(s,1H),8.60-8.42(m,2H),8.02-7.95(m,1H),7.81(s,1H),7.66(s,1H),7.40(d,J=7.4Hz,3H),7.33(s,1H),7.25(s,1H),6.56(s,1H),6.44(s,1H),5.82(m,2H),4.92(m,4H),4.52(m,4H),4.05(d,J=7.6Hz,2H),2.89(s,4H),2.55-2.54(s,3H),2.10(d,J=21.4Hz,6H),2.00(s,2H),1.84(d,J=7.5Hz,1H),1.59(s,1H),1.38-1.15(m,8H)。
【0218】
実施例10:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペラジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物10)
【0219】
【化49】
【0220】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、およびtert-ブチル4-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1について説明された手順に従って、ジヒドロクロリド塩として表題化合物を調製し、続いてBoc脱保護をした。
LCMS(ESI):m/z833.80(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.07(s,2H),7.79(d,J=18.4Hz,4H),7.45(s,2H),6.53(s,2H),5.43(s,1H),4.91(s,6H),4.51(d,J=7.4Hz,5H),3.46-3.30(m,9H),2.04(s,6H),1.27(d,J=7.0Hz,6H)。
【0221】
実施例11:(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物11)
【0222】
【化50】
【0223】
ステップ-1:ジエチル(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)マロネートの合成
【0224】
【化51】
【0225】
中間体2のステップ-1において開示された手順を用いることによって、ジエチル2-ブロモマロンネート、および(S)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジンヒドロクロリドから合成されたジエチル(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)マロネート。
LCMS(ESI):m/z360.41(M+H)
HNMR(400MHz,CDCl)δ4.49-4.38(m,1H),4.26(q,J=7.0Hz,4H),3.26(dd,J=9.4,6.3Hz,1H),3.03-2.82(m,2H),2.63(dd,J=9.4,4.8Hz,1H),2.19-2.01(m,1H),1.81-1.65(m,2H),1.31(t,6H),0.89(s,9H),0.06(s,6H)。
【0226】
ステップ-2:(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジオールの合成
【0227】
【化52】
【0228】
中間体2のステップ-2において開示された手順を使用することによって、ジエチル(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)マロネート(ステップ1生成物)から合成された(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパンー1,3-ジオール。
LCMS(ESI):m/z276.21(M+H)
HNMR(400MHz,CDCl)δ4.42(m,1H),3.94-3.82(m,1H),3.81-3.73(m,4H),3.19(dd,J=10.6,5.3Hz,1H),3.01-2.95(m,1H),2.85-2.73(m,2H),2.14-2.01(m,1H),1.91-1.74(m,1H),0.91(s,9H),0.10(s,6H)。
【0229】
ステップ3:ジメチル5,5’-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))(S)-ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)の合成
【0230】
【化53】
【0231】
THF(10ml)中に、メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸(文献に報告された方法で合成された,3.87g,16.70mmol)、(S)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジオール(ステップ-2生成物,2.3g,8.35mmol)、およびトリフェニルホスフィン(8.76g,33.4mmol)を有する攪拌溶液に、DIAD(6.49ml,33.4mmol)を、0℃~5℃で滴下して加えた。添加後、反応混合物を、50℃で8時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングし、反応の完了後、揮発性物質を減圧下で濃縮し、粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題生成物(2.3g,40%)をオフホワイトの固体として得た。
LCMS(ESI):m/z702.58(M+H)
HNMR(400MHz,CDCl)δ8.13-8.03(m,2H),7.89-7.76(m,2H),4.48(m,5H),3.99(s,6H),3.67-3.43(m,1H),3.16(m,3H),2.79(s,1H),2.21-1.89(m,2H),0.89(s,9H),0.08(s,6H)。
【0232】
ステップ4:ジメチル(S,E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,13-ジニトロ-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレートの合成
【0233】
【化54】
【0234】
30mlエタノール中に5,5’-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))(S)-ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(ステップ3,1.2g,1.71mmol)を有する攪拌溶液に、(E)-ブト-2-エン-1,4-ジアミンジヒドロクロリド(0.27g,1.71mmol)およびDIPEA(1.79ml,10.25mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管内で、120℃で16時間撹拌した。反応の進行を、LCMSおよびTLCによってモニタリングした。完了後、反応塊を減圧下で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題生成物を赤色の固体として得た。(0.76g,62%)。
LCMS(ESI):m/z716.77(M+H)
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.56(d,J=2.1Hz,2H),8.45(t,J=6.6Hz,2H),7.62(d,J=2.0Hz,2H),5.79(d,J=1.5Hz,2H),4.56-4.44(m,3H),4.37(q,J=7.1Hz,3H),4.11-4.01(m,3H),3.91(s,6H),3.89-3.85(m,2H),1.81-1.75(m,2H),1.45-1.38(m,3H),0.92(s,9H),0.11(d,J=1.3Hz,6H)。
【0235】
ステップ5:ジメチル(S,E)-1,13-ジアミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレートの合成
【0236】
【化55】
【0237】
メタノール:THF(15ml:15ml)中に、ジメチル(S,E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,13-ジニトロ-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレート(ステップ4,0.750g,1.048mmol)を有する溶液に、10mlの水中に亜ジチオン酸ナトリウム(2.159g,10.48mmol)を有する溶液を加え、続いて、水酸化アンモニウム(4.08ml,26.2mmol)を0℃で添加した。反応を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。反応塊を、水(20ml)に加え、酢酸エチルを用いて抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物(0.6g,87%)を得た。
LCMS(ESI):m/z656.70(M+H)
ステップ6:ジメチル(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキシレートの合成
【0238】
【化56】
【0239】
20mlのDMF中にジメチル(S,E)-1,13-ジアミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-7,8,14,15,18,19-ヘキサヒドロ-6H-ジベンゾ[b,j][1,12]ジオキサ[4,9]ジアザシクロペンタデシン-3,11-ジカルボキシレート(ステップ5,0.65g,0.99mmol)を有する攪拌溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.35g,1.78mmol)を0℃で加えた。反応混合物を30分間撹拌し、続いてEDC(0.57g,2.97mmol)およびEtN(0.69ml,4.96mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩温めた。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、水を加えて、結果的に得られた生成物を白色固体として沈殿させて得て、生成物を濾過し乾燥した。(800mg,83%)。
LCMS(ESI):m/z977.58(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.94(brs,2H),7.83(d,J=5.8Hz,2H),7.62(d,J=4.9Hz,2H),6.53(s,2H),5.49(d,J=10.3Hz,2H),4.92(m,4H),4.71-4.47(m,6H),4.43(s,2H),4.33(q,J=7.0Hz,2H),4.21(m,2H),3.87(s,6H),3.13(m,1H),2.99(s,1H),2.88(d,J=10.6Hz,1H),2.78-2.65(m,2H),2.05(s,6H),1.66(s,1H),1.26(t,J=6.9Hz,6H),0.88(s,9H),0.08(d,J=1.8Hz,6H)。
【0240】
ステップ7:(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボン酸
【0241】
【化57】
【0242】
THF、メタノールおよび水(1:1:1)の混合溶液15ml中にジメチル(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキシレート(ステップ6,800mg,0.82mmol)を有する溶液に、水酸化リチウム(19.58mg,0.82mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応をLCMSによってモニタリングした。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得て、残留物を、水を用いて希釈した。1N HClの溶液を、pH5になるまで加え、結果的に得られた白色沈殿物を濾過し、乾燥して、表題化合物(640mg,84%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z950.82(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.96(brs,4H),7.86(d,J=8.2Hz,2H),7.83-7.62(m,2H),6.54(s,2H),5.47(s,2H),5.12-4.76(m,8H),4.51(d,J=7.6Hz,8H),4.30-3.98(m,1H),2.80-2.63(m,2H),2.17(d,J=2.6Hz,1H),2.05(s,6H),1.29-1.25(m,6H),0.87(s,9H),0.10(s,6H)。
【0243】
ステップ8:(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドの合成
【0244】
【化58】
【0245】
(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボン酸(ステップ7,650mg,0.684mmol)を、50mlのDMFに溶解した。塩化アンモニウム(1.1g,20.52mmol)、TBTU(661mg、2.052mmol)、続いてDIPEA(0.717ml,4.10mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングし、反応終了後、混合物を濃縮し、砕いた氷に注いだ。白色固体としてジアミドを得て、ジアミドを濾過し乾燥した(600mg,92%収率)。
LCMS(ESI):m/z949.07(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.95(brs,2H),7.78(brs,2H),7.32(brs,2H),7.19(s,2H),7.06(s,2H),6.52(s,2H),5.34(d,J=16.4Hz,2H),5.11-4.76(m,8H),4.50(d,J=7.2Hz,6H),3.71-3.50(m,2H),3.13(dd,J=7.3,4.2Hz,2H),2.16(s,2H),2.04(s,6H),1.30-1.20(m,6H),0.87(s,9H),0.10(s,6H)。
【0246】
ステップ9:(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドヒドロクロリド(化合物11)の合成
【0247】
【化59】
【0248】
(S,E)-8-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(ステップ8,600mg,0.633mmol)を、メタノール中に3M HClを有する溶液中で、室温で16時間撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングした。反応の完了後、揮発性物質を減圧下で除去して粗生成物を得て、粗生成物を、エーテルを用いて粉砕し表題化合物を得て、表題化合物を分取HPLCによって更に精製した。(150mg,28%収率)。
LCMS(ESI):m/z834.80(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)d8.19-8.00(m,2H),7.89-7.76(m,4H),7.48(s,2H),6.54(d,J=2.0Hz,2H),5.34(d,J=3.9Hz,2H),4.94(m,6H),4.50(m,10H),4.06-3.37(m,2H),2.55(d,J=2.3Hz,2H),2.04(m,6H),1.26-1.23(m,6H)。
【0249】
実施例12:(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物12)
【0250】
【化60】
【0251】
、メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸および(R)-2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジオールを使用して、実施例11について説明された手順に従って、塩酸塩としての表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z834.80(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.19-8.00(m,2H),7.89-7.76(m,4H),7.48(s,2H),6.54(d,J=2.0Hz,2H),5.34(d,J=3.9Hz,2H),4.94(m,6H),4.50(m,10H),4.06-3.37(m,2H),2.55(d,J=2.3Hz,2H),2.04(m,6H),1.26-1.23(m,6H)。
【0252】
実施例13:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(2-モルホリノエチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物13)
【0253】
【化61】
【0254】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3)-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および4-(4-クロロ-3-(クロロメチル)ブチル)モルホリンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、塩酸塩としての表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z862.51(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.90(brs,2H),10.57(brs,1H),7.98(brs,1H),7.88(brs,1H),7.67(s,1H),7.44(brs,1H),7.38(s,1H),7.33(s,1H),7.29(brs,1H),7.19(s,1H),6.55(s,1H),6.48(s,1H),5.87-5.74(m,2H),5.05-4.80(m,4H),4.63-4.42(m,4H),4.05(d,J=5.4Hz,4H),3.87-3.31(m,6H),2.68-2.60(m,4H),2.35-2.25(m,3H),2.13(s,3H),2.09(s,3H),1.29(t,J=7.1Hz,6H)。
【0255】
実施例14:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルアゼチジン-3-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物14)
【0256】
【化62】
【0257】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および3-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-1-メチルアゼチジンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、ギ酸塩としての表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z832.52(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.83(s,3H),8.27(s,1H),8.16-7.91(m,1H),7.73(s,1H),7.72-7.63(m,1H),7.61(s,1H),7.49-7.25(m,4H),6.53(s,2H),5.39(s,2H),5.05-4.81(m,4H),4.65-4.44(m,4H),4.35(m,2H),4.14(dd,J=9.7,6.7Hz,2H),3.57(t,J=7.3Hz,2H),2.99(s,2H),2.55(s,3H),2.47-2.39(m,2H),2.25-1.98(m,8H),1.32-1.14(m,6H)。
【0258】
実施例15:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((1-メチルピペリジン-4-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物15)
【0259】
【化63】
【0260】
(E)-1,1’-(ブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および4-(3-クロロ-2-(クロロメチル)プロピル)-1-メチルピペリジンを使用して、実施例1について説明された手順に従って、ギ酸塩として表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z860.53(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.92(brs,2H),8.31(s,1H),8.02(brs,2H),7.73(d,J=1.2Hz,2H),7.59(s,2H),7.40(brs,2H),6.53(s,2H),5.39(s,2H),4.98-4.79(m,4H),4.51(q,J=7.1Hz,4H),4.37(m,2H),4.16(m,2H),2.79(m,2H),2.46(m,2H),2.17(s,3H),2.06(s,6H),1.94(m,2H),1.75(d,J=12.4Hz,2H),1.50(t,J=7.0Hz,2H),1.25-1.23(m,8H)。
【0261】
実施例16:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(モルホリノメチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物16)
【0262】
【化64】
【0263】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、および4-(3-クロロ-2-(クロロメチル)プロピル)モルホリンを使用して、実施例1について説明された手順に従って表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z848.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.91(brs,2H),8.24(s,1H),8.01(brs,2H),7.70(d,J=1.2Hz,2H),7.62(s,2H),7.39(brs,2H),6.53(s,2H),5.39(s,2H),4.88(s,4H),4.61-4.38(m,6H),4.23(t,J=4Hz,2H),3.68(t,J=4.5Hz,4H),2.06(s,8H),1.28-1.22(m,6H)。
【0264】
実施例17:(E)-15-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物17)
【0265】
【化65】
【0266】
ステップ-1:Tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート
【0267】
【化66】
【0268】
250mlの密閉管において、エタノール(100ml)中に4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(実施例1のステップ1生成物,24.00g,71.3mmol)を有する溶液に、tert-ブチル(E)-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)カルバメート(19.91g,107mmol)を加え、続いてジイソプロピルエチルアミン(62.2ml,356mmol)を加え、120℃で16時間加熱した。アリコートのLCMSは、未反応の開始アミドを示したため、さらに0.6当量のtert-ブチル(E)-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)カルバメートを添加し、反応を更に16時間続けた。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。混合物を冷却し、赤色固体を濾過し、エタノールを用いて洗浄した。化合物を、DCM中にメタノール有する溶液を使用してコンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物をジクロロメタン中に4~5%のメタノールを有する溶液で溶出し、表題化合物(14.0g,40.4%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z487.36(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.22(d,J=2.0Hz,1H),8.02(s,1H),7.82-7.67(m,2H),7.48-7.40(m,2H),7.34(s,1H),7.03-6.89(m,3H),5.55-5.37(m,2H),5.12(s,2H),4.06(t,J=5.6Hz,2H),3.77(s,3H),3.45(t,J=5.3Hz,2H),1.36(s,9H)。
【0269】
ステップ-2:Tert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート
【0270】
【化67】
【0271】
丸底フラスコにおいて、メタノール(500ml)中にtert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート(ステップ1,14.00g,28.8mmol)を有する撹拌溶液に0℃で、メタノール:THF(50ml,1:1)中に亜ジチオン酸ナトリウム(29.7g,144mmol)を有する溶液を加え、続いて、水酸化アンモニウム(53.8ml,345mmol)を添加した。反応混合物を、室温で30分間温めた。反応を、TLCによってモニタリングした。混合物を、水(100ml)および酢酸エチル(300ml)を用いて希釈した。有機層を分離し、水層を、酢酸エチル(300×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮して、表題化合物を褐色の固体として得た(11.5g,収率88%)。
LCMS(ESI):m/z457.50(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.62(s,1H),7.40(m,2H),7.06-6.80(m,5H),5.67-5.41(m,2H),5.01(d,J=8.2Hz,2H),4.70(s,1H),3.77(s,3H),3.53(s,3H),3.34(s,2H),1.37(s,9H)。
【0272】
ステップ-3:Tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート
【0273】
【化68】
【0274】
丸底フラスコにおいて、ジメチルホルムアミド(100ml)中にtert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート(ステップ2,11g,24.09mmol)を有する撹拌溶液に、1mlのジメチルホルムアミド中に1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(4.70g,24.09mmol)を有する溶液を0℃で加え、30分間撹拌した。この反応混合物に、EDC(6.93g,36.1mmol)およびトリエチルアミン(10.08ml,72.3mmol)を0℃で加え、18時間撹拌した。完了後、混合物を減圧下で濃縮した。水を加え、結果的に得られた固体を濾過し、乾燥して、表題化合物(11.5g,18.62mmol,77%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z618.46(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(s,1H),8.00(s,1H),7.67(d,J=1.2Hz,1H),7.53(d,J=1.4Hz,1H),7.50-7.46(m,2H),7.38(d,J=7.5Hz,1H),7.08-6.87(m,5H),6.61(s,1H),5.67(d,J=15.3Hz,1H),5.38(m,1H),5.22(s,2H),4.85(d,J=6.8Hz,2H),4.60(q,J=7.0Hz,2H),3.78(d,J=8.1Hz,5H),3.44(m,2H),2.17(s,4H),1.32(s,9H)。
【0275】
ステップ4:(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドヒドロクロリド
【0276】
【化69】
【0277】
丸底フラスコにおいて、tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)カルバメート(ステップ3,11.45g,18.54mmol)を、ジクロロメタン(150.00ml)に溶解し、メタノール(~15ml)をそれに加えた。溶液に塩酸(ジオキサン中に4M有する)(46.3ml,185mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了すると、反応混合物を濃縮し、得られた固体を、ジエチルエーテルを用いて粉砕し、表題化合物(10.0g,97%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z518.36(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.69(d,J=1.2Hz,2H),7.59(d,J=1.4Hz,2H),7.56-7.45(m,3H),7.43-7.33(m,2H),7.09-6.99(m,3H),6.71(m,1H),6.02-5.92(m,1H),5.56-5.43(m,1H),5.27(s,2H),4.94(d,J=5.6Hz,2H),4.60(q,J=6.8Hz,2H),3.77(m,4H),3.43-3.31(m,2H),2.19(d,J=4.4Hz,2H),1.36(m,3H)。
【0278】
ステップ5:(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【0279】
【化70】
【0280】
丸底フラスコにおいて、(E)-1-(4-アミノブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドヒドロクロリド(9.95g,17.96mmol)および4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(ステップ4,6.05g,17.96mmol)を、イソプロピルアルコール(100ml)に懸濁し、ジイソプロピルエチルアミン(25.09ml,144mmol)を加え、混合物を、115℃で、密封管内で36時間加熱した。反応の進行をLCMSによってモニタリングした。完了すると(~10%の観察された出発化合物)、反応混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン中に酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、出発化合物を除去した。その後、所望の化合物を、ジクロロメタン中に~10%から15%のメタノールを有する溶液で溶出して、表題化合物(10.5g,71.5%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z818.61(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ9.34(brs,2H),8.05(s,1H),7.34(m,3H),7.17(d,J=8.6Hz,1H),6.89-6.81(m,1H),6.76(d,J=8.7Hz,1H),4.92-4.72(m,2H),4.55(q,J=7.2Hz,2H),4.00(s,2H),3.77-3.68(m,3H),3.59(m,8H),3.35(m,8H),3.12(m,6H),2.16(m,2H)。
【0281】
ステップ6:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【0282】
【化71】
【0283】
(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(ステップ7,10g,12.23mmol)を、50mLメタノールに溶解した。溶液を0℃に冷却し、25mlの水中に亜ジチオン酸ナトリウム(12.60g,61.1mmol)を有する溶液を加え、続いて水酸化アンモニウムの28%水溶液(22.85ml,147mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した後、TLCは反応の完了を示した。その後、揮発性物質をロータベイパー(rotavapor)で濃縮し、粗生成物を沈殿させて得た。得られた固体を、20%MeOH-DCMと共に撹拌し、その後、濾過して、生成物(7.5g,78%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z788.73(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.05(s,2H),7.65(m,3H),7.51(t,J=1.6Hz,2H),7.43-7.35(m,4H),7.21(m,2H),6.99(m,2H),6.94-6.86(m,4H),6.85-6.76(m,2H),6.61(dq,J=8.4,4.1Hz,1H),5.71(m,1H),5.19-5.04(m,3H),4.87-4.76(m,4H),4.70-4.47(m,4H),3.53(m,5H),2.23-2.10(m,4H),1.32-1.27(m,4H)。
【0284】
ステップ7:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【0285】
【化72】
【0286】
(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(4.5g,5.71mmol)を50mLのDMFに溶解し、溶液を0℃に冷却し、5mLのDMF中に1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(中間体3,1.22g,5.71mmol)を有する溶液をそれに加えた。反応混合物を、0℃で30分間撹拌し、その後、3-(エチルイミノメチリデンアミノ)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミン;ヒドロクロリド(1.64g,8.57mmol)を反応混合物に加え、続いてトリエチルアミン(2.39mL,17.13mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングし、完了すると、反応混合物を減圧下で濃縮し、水を加えた。得られた固体沈殿物を濾過し、粗生成物(2.3g,収率41.6%)を得た。
LCMS(ESI):m/z967.70(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.91(s,2H),7.98(s,2H),7.74(s,2H),7.40(m,4H),7.14-6.97(m,3H),6.82-6.64(m,4H),6.55(m,2H),5.48(s,2H),4.99-4.73(m,10H),4.70-4.45(m,3H),3.61(s,6H),3.33(s,4H),2.12(d,J=5.6Hz,6H),1.35-1.23(m,4H)。
【0287】
ステップ8:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
【0288】
【化73】
【0289】
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(ステップ9からの生成物,2.2g,2.28mmol)を、50mLのDCMに溶解し、トリフルオロ酢酸(5.19g,45.5mmol)を加え、反応混合物を、室温で16時間攪拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングし、完了すると、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルを加えて、結果的に生成物を固体として沈殿させて得て、生成物を濾過し、エーテルを用いて洗浄した(1.6g,収率97%)。
LCMS(ESI):m/z727.53(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ10.47(s,2H),7.91-7.74(m,2H),7.50-7.41(m,3H),7.23(s,2H),7.17-7.08(m,2H),6.53(m,2H),5.95(m,2H),4.96(s,4H),4.92-4.72(m,4H),4.66(t,J=5.1Hz,1H),4.51(q,J=7.1Hz,2H),2.11(m,6H),1.25(t,J=7.1Hz,4H)。
【0290】
ステップ9:(E)-15-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-モルホリノ-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドギ酸塩(化合物17)
【0291】
【化74】
【0292】
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-(2-フルオロエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブト-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(ステップ8生成物)および4-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)モルホリンを用いて、実施例1のステップ6について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z852.5(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.01(s,2H),7.77-7.71(m,2H),7.66(s,2H),7.41(s,2H),6.57(d,J=21.9Hz,2H),5.53(s,2H),4.99-4.86(m,4H),4.86-4.74(m,2H),4.72-4.59(m,3H),4.53(q,J=7.1Hz,2H),4.21(dd,J=10.4,6.2Hz,2H),3.76-3.62(m,4H),3.15(q,J=5.4Hz,1H),2.83(q,J=6.1,4.7Hz,4H),2.09-2.04(m,6H),1.28-1.22(m,3H)。
【0293】
実施例18:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物18)
【0294】
【化75】
【0295】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3)-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および1-(3-クロロ-2-(クロロメチル)プロピル)-4-メチルピペラジンジヒドロクロリドを使用して、実施例1に説明された手順に従って、表題化合物をジヒドロクロリド塩として調製した。
LCMS(ESI):m/z861.68(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.04(brs,2H),7.95(brs,2H),7.77(s,2H),7.46(brs,2H),6.57-6.55(s,2H),5.42(s,2H),4.92(s,6H),4.51(q,J=7.1Hz,6H),4.38-4.36(m,2H),2.90-2.88(s,3H),2.60-2.53(m,2H),2.50(s,3H),2.06(s,6H),1.55-1.53(m,1H),1.26-1.23(m,6H)。
【0296】
実施例19:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1H-イミダゾール-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物19)
【0297】
【化76】
【0298】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)-1H-イミダゾール)を使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z815.67(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.96(s,2H),7.81(s,1H),7.68(s,1H),7.50-7.39(m,4H),7.22(s,1H),7.14(s,1H),6.99(s,1H),6.47(s,2H),5.75-5.58(m,2H),5.35(s,1H),5.12(d,J=9.8Hz,3H),4.94-4.82(m,2H),4.69-4.61(m,2H),4.56-4.40(m,5H),2.09(s,6H),1.25-1.17(m,6H)。
【0299】
実施例20:(33R,35R,E)-12,62-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-11H,61H-2,5-ジオキサ-1,6(7,1)-ジベンゾ[d]イミダゾラ-3(3,5)-ピロリジナシクロデカファン-8-エン-15,65-ジカルボキサミド(化合物20)
【0300】
【化77】
【0301】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)およびtert-ブチル(2R,4R)-4-(トシルオキシ)-2-((トシルオキシ)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例1について説明された手順に従って、塩酸塩として表題化合物を調製し、続いてBoc基の脱保護および当該塩への変換を行った。
LCMS(ESI):m/z789.91(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ10.44(s,1H),9.14(s,1H),8.13(brs,2H),7.76(s,1H),7.74(s,1H),7.62(brs,1H),7.47-7.40(m,3H),6.59-6.57(m,2H),6.00(s,1H),5.81(s,1H),5.58(s,1H),5.26-5.07(m,2H),4.90(s,2H),4.61-4.51(m,6H),4.32-4.22(m,1H),3.94-3.84(m,1H),2.98-2.87(m,1H),2.06(s,3H),2.01(s,3H),1.29(t,J=7.1Hz,6H)。
【0302】
実施例21:(33R,35R,E)-12,62-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-31-メチル-11H,61H-2,5-ジオキサ-1,6(7,1)-ジベンゾ[d]イミダゾラ-3(3,5)-ピロリジナシクロデカファン-8-エン-15,65-ジカルボキサミド(化合物21)
【0303】
【化78】
【0304】
3mLのMeOH-DCM(1:2)中に(33S,35R,E)-12,62-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-11H,61H-2,5-ジオキサ-1,6(7,1)-ジベンゾ[d]イミダゾラ-3(3,5)-ピロリジナシクロデカファン-8-エン-15,65-ジカルボキサミド(0.015g,0.019mmol)[実施例20]を有する攪拌溶液に、ホルムアルデヒド(0.035g,0.38mmol)を加え、25℃で2時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.05mg,0.038mmol)を加え、25℃で1時間撹拌した。反応を、LCMSによってモニタリングし、完了後、揮発性物質を減圧下で濃縮し、水を加えた。沈殿した固体を濾過し、乾燥して粗生成物を得て、粗生成物を分取HPLCによって精製し、塩酸塩に変換した。
LCMS(ESI):m/z804.6(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.13(s,2H),7.76(m,3H),7.45(s,3H),6.59(s,2H),6.16-5.99(m,1H),5.99-5.81(m,1H),5.78-5.56(m,1H),5.17-4.79(m,4H),4.66-4.48(m,6H),3.10(s,3H),2.07(s,3H),2.03(s,3H),1.32-1.27(m,6H)。
【0305】
実施例22:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物22)
【0306】
【化79】
【0307】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸および2-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジオールを使用して、実施例11について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として調製し、続いてTBS基の脱保護および当該塩への変換を行った。
LCMS(ESI):m/z848.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ11.25(s,1H),8.14(s,2H),7.95(d,J=6.8Hz,2H),7.82-7.76(m,2H),7.49(s,2H),6.52(s,2H),5.43-5.23(m,2H),5.13(d,J=11.2Hz,2H),4.92-4.87(m,4H),4.50-4.43(m,4H),4.45-4.31(m,2H),3.68-3.63(m,2H),3.57-3.43(m,2H),2.40-2.48(m,4H),2.03(s,6H),1.25(t,J=6.9Hz,6H)。
【0308】
実施例23:(E)-8-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物23)
【0309】
【化80】
【0310】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸およびtert-ブチル(1-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメートを使用して、実施例11について説明された手順に従って、表題化合物をジヒドロクロリド塩として調製し、続いてBoc基の脱保護および塩への変換を行った。
LCMS(ESI):m/z847.30(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ11.85(s,2H),8.41-8.11(m,6H),7.82(d,J=9.4Hz,2H),7.47(s,2H),6.52(s,2H),5.26(s,2H),4.91(s,4H),4.49(q,J=7.1Hz,4H),4.38(d,J=7.7Hz,2H),4.08(m,2H),3.91-3.52(m,6H),2.19(m,4H),2.03(s,6H),1.23(m,6H)。
【0311】
実施例24:(S,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物24)
【0312】
【化81】
【0313】
ステップ1:(S,E)-ジ-tert-ブチル(1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル)ホスフェートの合成
【0314】
【化82】
【0315】
2mLのDMF中に(S,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物11,150mg,0.180mmol)を有する溶液に、1H-テトラゾール(315mg,4.50mmol)およびジ-tert-ブチルジイソプロピルホスホルアミダイト(998mg,3.60mmol)を25℃で加えた。混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。出発材料を完全に消費すると、H(30%水溶液1.5ml,4.50mmol)を室温で加え、30分間撹拌した後、反応混合物を重炭酸ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウムを含む10mlの水溶液に注いだ。生成物が沈殿し、その後、生成物を濾過し、分取HPLCによって精製し、表題化合物(20mg,11%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z1026.84(M+H)
ステップ2:(S,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェートの合成
【0316】
【化83】
【0317】
前のステップから得られた(S,E)-ジ-tert-ブチル(1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル)ホスフェート(20mg,0.019mmol)を、5mlのジクロロメタンおよびジオキサン中に4N HCl(0.236ml,0.945mmol)を有する溶液に室温で溶解し、2時間撹拌した。反応の進行をLCMSによってモニタリングした。脱保護の完了後、揮発性物質を減圧下で濃縮し、固体を得て、固体を、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、表題化合物の塩酸塩にした(15mg,収率80%)。
LCMS(ESI):m/z913.32(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)d8.16(s,2H),7.81(d,J=5.8Hz,4H),7.46(s,2H),6.53(s,2H),5.33(d,J=10.2Hz,3H),5.04-4.84(m,6H),4.57-4.33(m,8H),3.41-3.31(m,3H),2.46-2.40(m,2H),2.04(s,6H),1.27-1.23(m,6H)。
【0318】
実施例25:(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-イル二水素ホスフェート(化合物25)
【0319】
【化84】
【0320】
(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物22)を使用して、実施例24について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として調製した。
LCMS(ESI):m/z928.32(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.98(s,2H),11.50(s,1H),8.11(s,2H),7.90(d,J=26.8Hz,2H),7.79(d,J=4.3Hz,2H),7.49(s,2H),6.52(s,2H),5.36-5.25(m,2H),5.19-5.06(m,2H),4.97-4.87(m,3H),4.63-4.23(m,11H),3.60(s,2H),2.28-2.18(m,2H),2.03(s,6H),1.27-1.22(m,6H)。
【0321】
実施例26:(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物26)
【0322】
【化85】
【0323】
ステップ1:1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピロリジン-3-カルボニトリルの合成
【0324】
【化86】
【0325】
30mlのTHF中に1,3-ジクロロプロパン-2-オン(2.62g,20.60mmol)およびピロリジン-3-カルボニトリル(1.8g,18.72mmol)を有する混合物を、室温で2時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.16g,24.34mmol)を加え、反応混合物を、室温で12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を水の添加によってクエンチし、DCMを用いて抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して生成物を得た。
LCMS(ESI):m/z207.01(M+H)
HNMR(400MHz,クロロホルム-d)δ3.88-3.78(m,2H),3.78-3.69(m,2H),3.32-3.19(m,1H),3.13-3.02(m,1H),3.02-2.91(m,3H),2.90-2.81(m,1H),2.36-2.23(m,1H),2.22-2.13(m,1H)。
【0326】
ステップ2:ジメチル5,5’-((2-(3-シアノピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)の合成
【0327】
【化87】
【0328】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸(2.24g,9.66mmol)および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピロリジン-3-カルボニトリル(1.00g,4.83mmol)を50mlのアセトニトリルに溶解した。DIPEA(5.06ml,29.0mmol)およびKI(0.802g,4.83mmol)を加え、反応混合物を80℃で12時間撹拌した。その後、反応塊を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、ジメチル5,5’-((2-(3-シアノピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)(1.3g,45.1%収率)を得た。
LCMS(ESI):m/z596.83(M+H)
HNMR(400MHz,クロロホルム-)δ8.10-8.06(m,2H),7.85-7.80(m,2H),4.55-4.44(m,4H),4.00(s,6H),3.70-3.65(m,1H),3.37-3.28(m,1H),3.25-3.19(m,1H),3.14-3.03(m,3H),2.40-2.19(m,2H)。
【0329】
ステップ3:上記で得られたジメチル5,5’-((2-(3-シアノピロリジン-1-イル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)を、実施例11のステップ4からステップ8に説明された手順に従って、(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド塩酸塩(化合物26)に変換した。
【0330】
【化88】
LCMS(ESI):m/z843.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.10(s,2H),7.85(s,2H),7.80(d,J=1.4Hz,2H),7.49(s,2H),6.54(s,2H),5.11-4.73(m,6H),4.56-4.42(m,6H),4.35-4.21(m,8H),2.48-2.44(m,2H),2.04(s,6H),1.26-1.23(m,6H)。
【0331】
実施例27:(E)-8-(3-アミノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物27)
【0332】
【化89】
【0333】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸およびtert-ブチル(1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピロリジン-3-イル)カルバメートを使用して、実施例26について説明された手順に従って、表題化合物をジヒドロクロリド塩として調製し、続いてBoc基の脱保護および当該塩への変換を行った。
LCMS(ESI):m/z833.30(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ11.85(s,2H),8.41-8.11(m,6H),7.82(m,2H),7.47(s,2H),6.52(s,2H),5.26(s,2H),4.91(s,4H),4.49(q,J=7.1Hz,4H),4.38(d,J=7.7Hz,2H),4.08(m,2H),3.91-3.52(m,6H),2.19(m,4H),2.03(s,6H),1.23(q,J=8.8,7.8Hz,6H)。
【0334】
実施例28:(R,E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-イル二水素ホスフェート(化合物28)
【0335】
【化90】
【0336】
(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物12)を使用して、実施例24について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として調製した。
LCMS(ESI):m/z913.19(M+H)
1HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.99(s,2H),8.14(m,2H),7.81(d,J=6.7Hz,4H),7.47(s,2H),6.53(s,2H),5.33(d,J=10.8Hz,2H),4.96(m,6H),4.50(q,J=7.0Hz,5H),4.28-4.20(m,5H),2.59-2.54(m,4H),2.04(s,6H),1.24(d,J=1.6Hz,6H)。
【0337】
実施例29:(E)-8-(4-シアノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物29)
【0338】
【化91】
【0339】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸および1-(1,3-ジクロロプロパン-2-イル)ピペリジン-4-カルボニトリルを使用して、実施例26について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として、調製した。
LCMS(ESI):m/z857.05(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.00(s,2H),7.63(d,J=28.0Hz,4H),7.37(s,2H),6.52(s,2H),5.51(s,2H),4.90(m,4H),4.54(m,6H),4.20(s,2H),3.19(s,1H),2.92(m,4H),2.76(m,2H),2.07(s,6H),1.97(s,2H),1.88-1.74(m,2H),1.25(d,J=8.3Hz,6H)。
【0340】
実施例30:(E)-8-(アゼチジン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物30)
【0341】
【化92】
【0342】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸およびtert-ブチル3-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)アゼチジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例11について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として、調製し、続いてBoc基の脱保護および当該塩への変換を行った。
LC-MS(ESI):m/z804.29(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ9.22(s,1H),9.07(s,1H),8.09(s,2H),7.75(d,J=1.2Hz,2H),7.68(s,2H),7.43(s,2H),6.54(s,2H),5.42(s,2H),4.91(s,4H),4.51(q,J=7.1Hz,4H),4.43(m,2H),4.23-4.05(m,6H),3.18-3.06(m,1H),2.18(d,J=7.1Hz,1H),2.05(s,6H),1.25(t,J=6.9Hz,6H)。
【0343】
実施例31:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピペリジン-4-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物31)
【0344】
【化93】
【0345】
メチル4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸およびtert-ブチル4-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを使用して、実施例11について説明された手順に従って、表題化合物を塩酸塩として調製し、続いてBoc基の脱保護および当該塩への変換を行った。
LCMS(ESI):m/z832.17(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ8.84(s,1H),8.71(m,1H),8.07(s,2H),7.73(d,J=1.2Hz,2H),7.65(d,J=1.4Hz,3H),7.42(s,2H),6.54(s,2H),5.44(s,2H),4.92(m,4H),4.51(q,J=7.3Hz,6H),4.23-4.12(m,2H),3.37(d,J=7.0Hz,2H),2.96-2.86(m,2H),2.25-2.12(m,2H),2.06(s,8H),1.81(m,2H),1.25(t,J=7.0Hz,6H)。
【0346】
実施例32:(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(化合物32)
【0347】
【化94】
【0348】
ステップ1:メチル(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボキシレートの合成
【0349】
【化95】
(E)-8-(3-シアノピロリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19aテトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(50mg,0.06mmol)[化合物26]を5mLのMeOHに溶解し、ジオキサン中に4N HClを有する溶液(1.48ml,5.93mmol)をそれに加え、室温で4時間撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングし、エステルに変換後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルを用いて洗浄し、表題化合物を得た。(40mg,77%収率)
LCMS(ESI):m/z876.18(M+H)
【0350】
ステップ2:(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボン酸(化合物32)
【0351】
【化96】
【0352】
メチル(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピロリジン-3-カルボンキシレートヒドロクロリド(ステップ1,30mg,0.033mmol)を、MeOH、THFおよび水(1:1:1)の6mL混合物中に溶解した。水酸化リチウム水和物(6.90mg,0.164mmol)を加え、反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応をLCMSによってモニタリングし、完全に加水分解した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水を加えた。混合物のpHを、2N HClの添加によって酸性に調節し、沈殿した固体を濾過し、乾燥して粗生成物を得て、粗生成物を分取HPLCによって精製し、表題生成物を得た。(10mg,34%収率)
LCMS(ESI):m/z862.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.99(brs,1H),11.55(brs,1H),11.24(brs,1H),8.06(brs,2H),7.80(d,J=2.8Hz,4H),7.49(brs,2H),6.54(s,2H),5.33(s,2H),5.07-4.80(m,6H),4.61-4.35(m,6H),4.27-4.13(m,1H),4.13-3.99(m,1H),3.95-3.82(m,2H),3.45-3.28(m,2H),2.04(s,6H),1.25(t,J=7.6Hz,6H)。
【0353】
実施例33:(E)-1-(4,12-ジカルバモイル-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-8-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物33)
【0354】
【化97】
【0355】
(E)-8-(4-シアノピペリジン-1-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物29)から実施例32に説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LCMS(ESI):m/z876.31(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ7.90(brs,2H),7.49(d,J=1.2Hz,2H),7.35(s,2H),7.11(brs,2H),6.38(s,2H),5.33(s,2H),5.00(m,2H),4.83(d,J=15.7Hz,2H),4.53(d,J=7.2Hz,6H),4.05-3.99(m,4H),3.00(d,J=1.9Hz,2H),2.06(s,6H),1.85-1.74(m,2H),1.64-1.56(m,2H),1.22-1.15(m,6H)。
【0356】
実施例34:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(1-メチルアゼチジン-3-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物34)
【0357】
【化98】
【0358】
(E)-8-(アゼチジン-3-イル)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物30)を使用して、実施例21に説明された還元的アミノ化手順に従って、表題化合物をギ酸塩として調製し、分取HPLCによって粗生成物を精製した。
LCMS(ESI):m/z818.17(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.90(brs,2H),8.02(brs,2H),7.73(d,J=1.3Hz,2H),7.56(d,J=1.4Hz,2H),7.40(s,2H),6.53(s,2H),5.41(s,2H),4.89(s,4H),4.51(q,J=7.1Hz,4H),4.32(m,2H),4.14(m,2H),3.60(t,J=7.3Hz,2H),3.21(t,J=7.3Hz,2H),2.33(s,3H),2.06(s,6H),1.27-1.23(m,6H).
実施例35:(R,E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(3-メトキシピロリジン-1-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミド(化合物35)
【0359】
【化99】
【0360】
実施例2について説明された手順に従って、ステップ4においてジエチル5,5’-((2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-クロロ-3-ニトロ安息香酸)および(R)-3-メトキシピロリジンを使用して、表題化合物を調製した。
LC-MS(ESI):m/z848.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ12.86(s,2H),8.04(s,2H),7.75(s,2H),7.64(s,2H),7.39(s,2H),6.52(s,2H),5.48(s,2H),4.98-4.79(m,4H),4.64(d,J=10.6Hz,3H),4.56(d,J=7.8Hz,4H),4.13(s,2H),3.96(s,1H),3.23(s,3H),3.09(m,2H),2.85(m,2H),2.05(s,6H),1.76(s,2H),1.31(m,6H)。
【0361】
実施例36:(E)-1,15-ビス(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-8-(ピリジン-2-イル)-8,9,16,19-テトラヒドロ-7H-6,10-ジオキサ-2,14,15a,19a-テトラアザシクロペンタデカ[3,2,1-cd:8,9,10-c’d’]ジインデン-4,12-ジカルボキサミドキサミド(dicarboxamidexamide)(化合物36)
【0362】
【化100】
【0363】
(E)-1,1’-(ブト-2-エン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)および2-(ピリジン-2-イル)プロパン-1,3-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)を使用して、実施例1について説明された手順に従って、表題化合物を調製した。
LC-MS(ESI):m/z826.18(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO-d)d13.00-12.70(brs,1H),10.44(s,1H),8.59(m,1H),8.02(s,1H),7.94-7.76(m,3H),7.71-7.62(m,2H),7.48(d,J=1.3Hz,1H),7.46-7.40(m,2H),7.38(s,1H),7.23(s,1H),7.14(d,J=1.5Hz,1H),6.48(s,1H),6.46(s,1H),5.92(s,1H),5.72(t,J=3.2Hz,2H),5.57(s,1H),5.20(s,2H),4.90-4.83(m,2H),4.74(s,2H),4.51-4.42(m,4H),3.38(d,J=5.7Hz,1H),2.09(s,3H),2.08(s,3H),1.22(m,6H)。
【0364】
[生物学的分析]
THP1細胞株におけるヒトSTINGシグナル伝達の刺激
ヒトTHP1-Blue(商標)ISG SEAPベースレポーター細胞株(インビボジェン社(Invivogen))を使用して、化合物のSTING活性化潜在能力について試験した。簡潔には、96ウェルプレートにおいてTHP1-ブルー(Blue)ISG細胞(100,000細胞/ウェル)を、様々な濃度の試験化合物および参照化合物を用いて処理し、37℃で、5%COを用いて18~20時間インキュベートした。対照の未処理細胞も設定した。インキュベーション後、細胞上清を、QuantiBlue(クアンチブルー)(商標)基質試薬(インビボジェン社(Invivogen))を使用して、SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)活性について試験した。青色生成物の形成を、フェラスター(PheraStar)/テカン(Tecan)リーダーを使用して、波長620nmでの吸光度を測定することにより、定量化した。各データポイントの二重の読み取りの平均を、試験化合物または参照化合物の濃度に対してグラフパッドプリズム(GraphPad prim)6においてプロットして、EC50値を計算した。異なるデータポイントでのSEAP誘導または発光増加の倍数を、未刺激細胞対照セットに対して推定した。
【0365】
化合物1、2、3、5、6、11、12、19、26、および35は、1~10nMの範囲のEC50値を示している。
化合物4、9、13、16、17、20、22、および36は、11~100nMの範囲のEC50値を示している。
【0366】
STINGアゴニストに応答したマウス全血中、またはヒト全血中のサイトカイン分泌の定量化
化合物を、マウス全血中、またはヒト全血中のサイトカイン分泌、特にIFNβ分泌を誘導する化合物の能力について試験した。マウス血液を、抗凝固剤としてヘパリンを利用して、C57BL/6マウスから採取した。ヒト血液を、ヘパリンナトリウム含有バキュテイナに採取した。マウスまたはヒトの血液を、2Xペニシリン-ストレプトマイシン溶液を含む無血清RPMI培地を用いて1:3の比率(4倍)に希釈した。希釈された全血(150μL)を、U底プレートに播種し、RPMI培地で調製された50μlの試験化合物を加え、ピペットを用いて2回混合した後、プレートを37℃で4時間(マウス)および5時間(ヒト)インキュベーションした。試験化合物を、3μMの最終濃度で添加した。インキュベーション期間後、試料を2500rpmで5分間遠心分離し、上清を収集し、V底プレートに移し、すぐに-80℃で保存した。試料を、マウスIFNβ(ベリカイン(VeriKine)マウスIFNベータELISA、PBLアッセイサイエンス社(PBL assay science)、カタログNo42400-2)またはヒトIFNβ(ベリカイン(VeriKine)ヒトIFNベータELISA、PBLアッセイサイエンス社(PBL assay science)、カタログNo.41410-2)をそれぞれ測定する市販のキットを利用してELISAによってIFNβの定量化のために処理した。IFNβレベルを、pg/mLで表した。
マウス全血分析およびヒト全血分析の両方において、化合物1、2、および3は、250~900pg/mLの範囲のIFNβ分泌を示した。
【0367】
CT-26腫瘍を有するBALB/cマウスからの血清サンプルにおけるサイトカイン分泌の定量化
CT-26担癌動物は、試験化合物を0.5mg/kgの投与量で、5ml/kgの投与量で投与された。指定された時点(3.5時間)で血清サンプルを集め、更なる推定まで-80℃で凍結した。マウス血清サンプルを、IFNβの推定前に、市販のキット(ベリカイン(VeriKine)マウスIFNベータELISA、PBLアッセイサイエンス社(PBL assay science)、カタログNo42400-2)を使用して、希釈バッファーを用いて適切に希釈した。生データ値を、希釈係数を用いて補正し、最終的にpg/mLで表した。
化合物1および化合物2は、それぞれIFNβ分泌4344pg/mLおよび28305pg/mLを示している。
【0368】
CT26同種移植BALB/cマウスモデルにおける静脈内(i.v.)投与による腫瘍体積に対する化合物の効果
5~8週齢のグループの健康な雌のBALB/cマウスは、研究動物施設(RAF)に由来した。これらのマウスを、実験動物室の個別換気ケージ(IVC)に入れて、細胞接種前に5日以上慣れさせた。全ての実験活動を、無菌性を確保するためにバイオセーフティキャビネット内で行った。無菌状態下で、26G1/2’’滅菌針を装着された1mLの使い捨て注射器を使用して、BALB/cマウスに10万個のCT26単細胞懸濁液を接種することによって、同種移植腫瘍モデルを生成した。各マウスは、DMEM培地中にCT26細胞を有する100μLの懸濁液を右脇腹領域の皮下に接種された。マウスは、細胞接種後、ビヒクル対照群を含む様々な治療群における腫瘍体積のほぼ等しい平均およびほぼ等しい変動(S.E.M.)で、異なる群に無作為化された。
【0369】
腫瘍が触知可能になったとき、腫瘍サイズを、ノギスを用いて測定した。腫瘍体積(T.V.)を、次の式を使用することによって計算した:
腫瘍体積(mm)=(L×W)/2
ここで、Lは、腫瘍の長さ、Wは、腫瘍の幅である。
【0370】
マウスを選択し、腫瘍の体積に基づいて、腫瘍細胞接種後、治療の1日目のほぼ等しい平均およびほぼ等しい変動を有するグループの必要とされる番号に無作為化した。すべての研究グループを、1、4、および8日目の投与スケジュールで、5mL/kgの投与量で側方尾静脈を通って静脈内経路を介して処理した。
【0371】
腫瘍サイズを、ノギスを用いて週2回測定し、マウスの体重を毎日記録した。
腫瘍増殖阻害率(%TGI)を、次の式を使用して計算した:
%TGI=[1-(Tf-Ti)/(Cf-Ci)]×100
ここで、TfおよびTiは、最終および初期の試験腫瘍体積であり、CfおよびCiは、それぞれ最終および初期の対照平均腫瘍体積である。
【0372】
腫瘍退縮率(%TR)は、次の式を使用して計算した:
%TR=[(初期T.V.-最終T.V.)/(初期T.V.)]×100
ここで、T.V.は、腫瘍体積である。
【0373】
すべての動物は、CT-26異所性同種移植BALB/cマウスモデルにおいて、化合物1、2、および3を、それぞれ0.75mpk、0.375mpk、および1.5mpkで投与された場合、21日目に>80%の腫瘍退縮を示した。