(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】手術器具の切断ガイドを操作するためのロボットシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/32 20160101AFI20240731BHJP
A61B 17/15 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A61B34/32
A61B17/15
(21)【出願番号】P 2021560743
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(86)【国際出願番号】 US2020027665
(87)【国際公開番号】W WO2020210621
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507280594
【氏名又は名称】マコ サージカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒョジク
(72)【発明者】
【氏名】オットー,ジェイソン・カール
(72)【発明者】
【氏名】ハロウ,マシュー
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0116739(US,A1)
【文献】国際公開第2018/103945(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0219559(US,A1)
【文献】特表2016-523614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20-34/37
A61B 17/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋸刃を有する手術用鋸で使用するためのロボット手術システムであって、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタであって、前記切断ガイドは、前記鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断するように、前記鋸刃をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
ナビゲーションコントローラ及びローカライザを含むナビゲーションシステムであって、前記骨に対する前記切断ガイドの動きを追跡するように構成されている、前記ナビゲーションシステムと、
前記ロボットマニピュレータに結合された
マニピュレータコントローラであって、前記骨に対する前記切断ガイドの
配置を、
前記鋸刃が前記切断ガイドと連携するときに前記鋸刃が前記所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを前記骨に対してターゲットの向きに自律的に
配向することと、
ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して
、前記骨に隣接す
る初期ガイド位置に前記切断ガイドを前記骨に向かって移動させるときに、
前記切断ガイドが前記初期ガイド位置で前記ターゲットの向きに留まるように、前記切断ガイドの動きを制限することと、
によって制御する、前記
マニピュレータコントローラと、
を含み、
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への前記切断ガイドの引き
戻しを行うように及び/または該引き戻しのための前記ユーザへの指示を生成するように構成されており、
前記切断ガイドは、前記間隔を置いたガイド位置で前記ターゲットの向きに留まり、前記間隔を置いたガイド位置は、前記鋸刃が前記所望の切断面に沿って前記骨を切断し続けるのに適している、
ロボット手術システム。
【請求項2】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドを前記骨から自律的に引き
戻し、前記切断ガイドを前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置に移動するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項3】
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記切断ガイドが前記初期ガイド位置にある間
に前記ユーザが前記鋸刃で前記骨
に初期切断を行うための指示を生成
するように構成され、かつ
、前記ユーザが前記切断ガイドを前記骨から引き
戻すための指示を生成するように構成されており、
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記ユーザが前記切断ガイドを手動で操作して前記切断ガイドを前記骨から引き
戻すときに、前記切断ガイドの動きを制限するように構成されている、請求項1
または請求項2に記載のロボット手術システム。
【請求項4】
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記鋸刃に関連付けられた1つまたは複数のパラメータに基づいて、前記切断ガイドの前記間隔を置いたガイド位置を決定するように構成されている、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数のパラメータは、前記鋸刃の長さ、前記鋸刃の幅、前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に切り込むことができる最大の深さ、及び前記鋸刃の追跡位置、のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のロボット手術システム。
【請求項6】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドが前記骨に隣接して配置されている間に、前記ユーザが前記所望の切断面に沿って前記鋸刃
で初期切断を行うことができるように、前記切断ガイドを前記骨に対して前記初期ガイド位置にロックするように構成されている、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項7】
前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記鋸
刃を追跡する
ように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数の視覚的表現を提示するためのディスプレイを備え
、
前記ナビゲーションシステムは、前記切断ガイドが前記間隔を置いたガイド位置にあるときに前記鋸刃が到達できる前記骨の領域の視覚的表現を生成するように構成されている、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項8】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作し
て前記骨から前記切断ガイドを引き
戻す間に、前記切断ガイドの動きを制限するように構成されている、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項9】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドが開始距離にあるときに前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に接触することができないように、前記切断ガイドを、前記骨から
前記初期ガイド位置よりも離
れた前記開始距離で前記ターゲットの向きに自律的に
配向するように構成されている、請求項1~請求項8のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項10】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項1~請求項9のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項11】
前記所望の切断面は、第1の所望の切断面としてさらに定義され、前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、ユーザ入力に応じて前記鋸刃が
、前記第1の所望の切断面とは異なる第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項1~請求項10のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項12】
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記鋸刃が複数の所望の切断面とアライメントして複数の平面切断を行うように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されており、
前記複数の所望の切断面の各々は、前記複数の平面切断のうちの1つに対応し、
前記
ナビゲーションコントローラは、所定の基準に基づいて
、前記
複数の平面切断を行うために、前記切断ガイドの位置決めのシーケンスを決定し、
前記所定の基準は、ユーザ選好
、前記
複数の所望の切断面
のうちの1つ以上に対する前記切断ガイドの現在のアライメント、及び、前記
複数の所望の切断面
のうちの1つに到達するための前記切断ガイドの必要な動き、のうちの1つまたは複数を含み、
前記
複数の所望の切断面は仮想オブジェクトによって定義されている、請求項1~請求項11のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項13】
前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記鋸
刃を追跡する
ように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記切断ガイドの位置及び向きを追跡するための第1のトラッカと、前記骨の位置及び向きを追跡するための第2のトラッカと、前記鋸刃の位置及び向きを追跡するための第3のトラッカとを備え、
前記切断ガイドの前記初期ガイド位置及び前記間隔を置いたガイド位置は、前記ナビゲーションシステムからのデータに基づいて決定される、請求項1~
請求項6のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項14】
前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記鋸
刃を追跡する
ように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数を判定するように構成されており、
前記
マニピュレータコントローラは、所定の限界を超えている前記骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数に応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されており、
前記フリーモードは、前記ユーザが前記エンドエフェクタを把持して前記切断ガイドの動きを引き起こすモードであり、
前記
マニピュレータコントローラは、前記ナビゲーションシステムが、前記骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数は前記所定の限界以下であると判定することに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項1~
請求項6のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項15】
前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記鋸
刃を追跡する
ように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、複数の追跡要素から光を受信するためのローカライザを備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記追跡要素の1つまたは複数が前記ローカライザの視界から遮断されているかどうかを判定するように構成されており、
前記
マニピュレータコントローラは、前記追跡要素のうちの1つまたは複数が
前記ローカライザの視界から遮断されていることに応じて、前記骨からの前記切断ガイドの引き
戻しを
支援するように構成されている、請求項1~
請求項6のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項16】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記追跡要素のうちの1つまたは複数が
前記ローカライザの視界から遮断される前に格納された前記切断ガイドの向きに沿って、前記切断ガイドを前記骨から引き
戻すように構成されている、請求項15に記載のロボット手術システム。
【請求項17】
前記
マニピュレータコントローラは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記追跡要素のうちの1つまたは複数が前記ローカライザの視界からもはや遮断されていないことに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項15に記載のロボット手術システム。
【請求項18】
前記
マニピュレータコントローラは、
前記ユーザが前記エンドエフェクタを把持して前記切断ガイドの動きを引き起こすときに、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットマニピュレータのうちの1つまたは複数に前記ユーザによって加えられる1つまたは複数の力及びトルクを測定するための1つまたは複数のセンサを含み、
前記
マニピュレータコントローラは、所定の限界を超える前記1つまたは複数の力及びトルクに応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されて
おり、前記フリーモードは、前記ユーザが前記エンドエフェクタを把持して前記切断ガイドの動きを引き起こすモードである、請求項1~請求項17のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項19】
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記切断ガイドに対する前記鋸刃の相対位置を判定するために前記切断ガイドに結合された、1つまたは複数のセンサを備える、請求項1~請求項18のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項20】
前記エンドエフェクタのベースと前記切断ガイドとを相互接続して、前記切断ガイドの動きを前記エンドエフェクタの前記ベースに対して単一の平面に制限する受動リンケージを備える、請求項1~請求項19のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項21】
前記骨の動きを限定するために前記骨に結合される関節アームを備える、請求項1~請求項20のいずれか1つに記載のロボット手術システム。
【請求項22】
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合されるガイドを含むエンドエフェクタであって、前記ガイドは、手術工具が所望の平面または軸に沿って移動して骨から材料を除去するように、前記手術工具をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
ナビゲーションコントローラ及びローカライザを含むナビゲーションシステムであって、前記骨に対する前記ガイドの動きを追跡するように構成されている、前記ナビゲーションシステムと、
前記ロボットマニピュレータに結合された
マニピュレータコントローラであって、前記骨に対する前記ガイドの
配置を、
前記手術工具が前記ガイド内に配置されているときに前記手術工具が前記所望の平面または軸とアライメントするように、前記ガイドを前記骨に対してターゲットの向きに自律的に
配向することと、
ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して
、前記ガイドを前記骨に向かって前記骨に隣接す
る初期ガイド位置に移動させるときに、
前記ガイドが前記初期ガイド位置で前記ターゲットの向きに留まるように、前記ガイドの動きを制限することと、
によって制御する、前記
マニピュレータコントローラと、
を含み、
前記
マニピュレータコントローラ及び/または前記ナビゲーションコントローラは、前記初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への前記ガイドの引き
戻しを行うように及び/または該引き戻しのための前記ユーザへの指示を生成するように構成されており、
前記ガイドは、前記間隔を置いたガイド位置で前記ターゲットの向きに留まり、前記間隔を置いたガイド位置は、前記手術工具が前記所望の平面または軸に沿って前記骨から材料を除去し続けるのに適している、
ロボット手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月12日出願の米国特許仮出願第62/833,227号の優先権及びすべての利益を主張し、その開示全体は、参照により本明細書において援用したものとする。
【背景技術】
【0002】
外科手術中に、鋸、ドリル、リーマなどの電動手術器具を使用することが一般的である。一般に、これらの手術器具は、外科医などのユーザによって操作され得る。手術器具は、骨、靭帯、皮膚などのような患者の組織を切断するように構成された切断工具を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、必要な切断を行いながら切断工具をガイドするために、1つまたは複数の切断ガイドが使用される。しかしながら、切断ガイドの配置は患者の組織に固定することを含むことが多く、手術に必要な時間が長くなる可能性がある。ロボット手術の目標のうちのいくつかは、切断精度を高め、切断時間を短縮することである。したがって、切断ガイドを配置するためにロボットシステムを採用する努力がなされてきた。しかしながら、このようなロボットシステムにはさらなる改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、鋸刃を有する手術用鋸で使用するためのロボット手術システムが提供される。このロボット手術システムは、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタとを備える。この切断ガイドは、鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断するように、鋸刃をガイドするように構成されている。制御システムがロボットマニピュレータに結合され、鋸刃が切断ガイドと連携するときに鋸刃が所望の切断面にアライメントするように、切断ガイドを骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めすることと、ユーザがエンドエフェクタを手動で操作して、切断ガイドが初期ガイド位置でターゲットの向きに留まるよう、切断ガイドを骨に向かって、骨に隣接する初期ガイド位置に移動させるときに、切断ガイドの動きを制限することと、によって、骨に対する切断ガイドの位置を制御する。この制御システムは、ユーザが所望の切断面に沿って鋸刃で骨に初期切断を行った後、初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への切断ガイドの引き抜きを容易にするように構成されている。この切断ガイドは、間隔を置いたガイド位置でターゲットの向きに留まり、間隔を置いたガイド位置は、鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断し続けるのに適している。
【0005】
第2の態様では、鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断するように、手術用鋸の鋸刃をガイドするように構成された切断ガイドの配置を制御する方法が提供される。この切断ガイドは、ロボットマニピュレータに結合されたエンドエフェクタの一部を形成する。この方法は、鋸刃が切断ガイドと連携するときに鋸刃が所望の切断面とアライメントするように、切断ガイドを骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めすることを含む。ユーザがエンドエフェクタを手動で操作して、切断ガイドが初期ガイド位置でターゲットの向きに留まるように、骨に隣接する初期ガイド位置に切断ガイドを骨に向かって移動させるときに、切断ガイドの動きが制限される。この方法はまた、ユーザが所望の切断面に沿って鋸刃で骨に初期切断を行い、切断ガイドが間隔を置いたガイド位置で、ターゲットの向きに留まるようにした後、初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への切断ガイドの引き抜きを容易にすることを含み、間隔を置いたガイド位置は、鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断し続けるのに適している。
【0006】
第3の態様では、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに結合されるガイドを含むエンドエフェクタとを備えるロボット手術システムが提供される。このガイドは、手術工具が所望の平面または軸に沿って移動して骨から材料を除去するように、外科用工具をガイドするように構成されている。制御システムがロボットマニピュレータに結合され、手術工具がガイド内に配置されるときに手術工具が所望の面または軸にアライメントするように、ガイドを骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めすることと、ユーザがエンドエフェクタを手動で操作して、ガイドが初期ガイド位置でターゲットの向きに留まるように、ガイドを骨に向かって、骨に隣接する初期ガイド位置に移動させるときに、ガイドの動きを制限することと、によって、骨に対するガイドの位置を制御する。この制御システムは、ユーザが所望の平面または軸に沿って手術工具を用いて骨から初期量の材料を除去した後、初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置へのガイドの引き抜きを容易にするように構成されている。このガイドは、間隔を置いたガイド位置でターゲットの向きに留まり、間隔を置いたガイド位置は、手術工具が所望の平面または軸に沿って骨から材料を除去し続けるのに適している。
【0007】
第4の態様では、患者に外科手術を実行するための切断工具と共に使用するロボット手術システムが提供される。このロボット手術システムは、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタとを備える。この切断ガイドは、切断工具が患者の組織を切断するように、切断工具をガイドするように構成されている。制御システムがロボットマニピュレータに結合されて、組織に対する切断ガイドの位置を制御する。ナビゲーションシステムは、組織に関連付けられたカスタマイズされた仮想境界に対する切断工具の位置及び向きを追跡するための工具トラッカを含み、カスタマイズされた仮想境界は、患者の組織に関連付けられた仮想モデルに基づいて患者に合わせてカスタマイズされる。制御システムは、切断工具が切断ガイドと連携して組織を切断するときに、切断工具とカスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じてフィードバックを生成するように構成されている。フィードバックには、切断工具の制御、ならびに/または触覚、聴覚、視覚、及び/もしくは振動のフィードバックの生成が含まれ得る。
【0008】
第5の態様では、ロボットマニピュレータと、切断工具と共に使用される切断ガイドとを用いて組織を治療するための方法が提供される。この方法は、組織に対する切断ガイドの位置をロボットで制御することを含む。切断工具の位置及び向きは、組織に関連付けられたカスタマイズされた仮想境界に対して追跡され、カスタマイズされた仮想境界は、患者の組織に関連付けられた仮想モデルに基づいて患者に合わせてカスタマイズされる。この方法は、切断工具が切断ガイドと連携して組織を切断するときに、切断工具とカスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じてフィードバックを生成することをさらに含む。フィードバックには、切断工具の制御、ならびに/または触覚、聴覚、視覚、及び/もしくは振動のフィードバックの生成が含まれ得る。
【0009】
第6の態様では、患者に外科手術を実行するための切断工具と共に使用するロボット手術システムが提供される。ロボット手術システムは、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタとを備える。この切断ガイドは、切断工具が患者の組織を切断するように、切断工具をガイドするように構成されている。制御システムがロボットマニピュレータに結合されて、組織に対する切断ガイドの位置を制御する。ナビゲーションシステムは、組織に関連付けられた患者固有の切断境界に対する切断ガイドの位置及び向きを追跡し、患者固有の切断境界は、患者の組織に基づいて患者に合わせてカスタマイズされる。制御システムは、切断工具が患者固有の切断境界を超えて組織を切断するのを防ぐように切断ガイドが配置されるように、エンドエフェクタの手動操作に応じて切断ガイドを1つまたは複数の自由度で自律的に動かすように構成されている。
【0010】
第7の態様では、切断工具を有する手術器具、切断工具をガイドするように構成された切断ガイド、及び制御システムを備える、手術システムが提供される。制御システムは、切断ガイドとの切断工具の現在の係合状態を判定し、係合状態に基づいて手術器具の動作を制御するように構成されている。
【0011】
第8の態様では、切断ガイドと共に使用するための切断工具を有する手術器具の動作を制御する方法が提供される。この方法は、切断ガイドとの切断工具の現在の係合状態を判定し、係合状態に基づいて手術器具の動作を制御することを含む。
【0012】
第9の態様では、ロボットマニピュレータ、切断工具をガイドするためにロボットマニピュレータに結合されるように構成された切断ガイド、及び制御システムを備える、手術システムが提供される。この制御システムは、切断ガイドとの切断工具の現在の係合状態を判定し、係合状態に基づいてロボットマニピュレータの動作を制御するように構成されている。
【0013】
第10の態様では、ロボットマニピュレータの動作と、ロボットマニピュレータに結合された切断ガイドの動作とを制御する方法が提供される。この切断ガイドは、切断工具と共に使用される。この方法は、切断ガイドとの切断工具の現在の係合状態を判定し、係合状態に基づいてロボットマニピュレータの動作を制御することを含む。
【0014】
第11の態様では、ロボットマニピュレータであって、切断ガイドがロボットマニピュレータに結合されるロボットマニピュレータ、を備えるロボット手術システムが提供される。この切断ガイドは、切断面に沿って骨を切断するために鋸刃をガイドするように構成されている。制御システムがロボットマニピュレータに結合され、切断ガイドを骨に対して位置決めし、鋸刃が切断面にアライメントするようにすることと、切断ガイドを骨に向かって、骨に隣接する初期ガイド位置に移動させ、切断ガイドが初期ガイド位置でターゲットの向きに留まるように、切断ガイドの動きを制限することとによって、骨に対する切断ガイドの位置を制御する。切断ガイドが鋸刃をガイドする一方で、制御システムは、初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への切断ガイドの引き抜きを容易にするように構成されている。
【0015】
上記の態様のいずれか、及び/またはその要素を組み合わせることができることが企図されている。さらに、以下の実装形態のいずれかが、個別に、または上記の態様のいずれかとの組み合わせで企図されている。
【0016】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、切断ガイドを骨から引き抜き、切断ガイドを初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置に移動するように構成されている。この引き抜きは、自律制御、半自律制御、または手動制御が可能である。
【0017】
いくつかの実装形態では、制御システムはユーザ向けの指示を生成するように構成されている。いくつかの実装形態では、指示は、切断ガイドが初期ガイド位置にある間に、鋸刃で骨に初期切断を行うことである。いくつかの実装形態では、制御システムは、例えば、初期切断が行われた後、ユーザが骨から切断ガイドを引き抜くための指示を生成することができる。
【0018】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて切断ガイドの動きを制限し、切断ガイドを骨から引き抜くように構成されている。いくつかの実装形態では、これは、ユーザが切断ガイドを手動で操作するときに実行される。
【0019】
いくつかの実装形態では、制御システムは、鋸刃に関連付けられた1つまたは複数のパラメータに基づいて、切断ガイドの間隔を置いたガイド位置を決定するように構成されている。例えば、1つまたは複数のパラメータは、鋸刃の長さ、鋸刃の幅、鋸刃が切断ガイドを介して骨に切り込むことができる最大の深さ、鋸刃の追跡位置、のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて切断ガイドをロックするように構成されている。例えば、切断ガイドは、骨に対して初期ガイド位置でロックすることができる。いくつかの場合では、これにより、切断ガイドが骨に隣接して配置されている間に、ユーザが希望の切断面に沿って鋸刃で初期切断を行うことができる。
【0021】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨、鋸刃、及び切断ガイドのうちの1つまたは複数を追跡する。いくつかの場合では、ナビゲーションシステムは、鋸刃及び切断ガイドのうちの1つまたは複数の視覚的表現を提示するためのディスプレイを備える。
【0022】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨に対する切断ガイドの位置及び向きを追跡するように構成されている。いくつかの場合では、ナビゲーションシステムは、鋸刃が到達できる骨の領域の視覚的表現を生成する。これは、例えば、切断ガイドが間隔を置いたガイド位置にあるときに実行することができる。
【0023】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨の切断を追跡し、骨の切断の視覚的表現を生成するように構成されている。
【0024】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨に対する第1のガイド角度から骨に対する第2のガイド角度への切断ガイドの向きの変更を追跡するように構成されている。いくつかの場合では、鋸刃は両方のガイド角度で所望の切断面にアライメントされたままになる。いくつかの実装形態では、制御システムは、切断ガイドの向きの変更が、目的の切断面での潜在的な骨の切断にどのように影響するかをユーザが視覚化することができるように、切断ガイドが第1のガイド角度から第2のガイド角度に向きを変えられるときに鋸刃が到達できる骨の領域の視覚的表現を変更するように構成されている。
【0025】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて切断ガイドの動きを制限するように構成されている。いくつかの場合では、これは、骨の一部が切除された後、ユーザがエンドエフェクタを手動で操作して切断ガイドを骨から引き抜く間に実行することができる。
【0026】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、ユーザに触覚フィードバックを提供することによって、切断ガイドの動きを制限するように構成されている。この触覚フィードバックは、聴覚、視覚、振動、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0027】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、骨から離間した開始距離でターゲットの向きに切断ガイドを位置決めするように構成されている。いくつかの場合では、この位置決めは自律的に実行される。いくつかの場合では、これにより、切断ガイドが開始距離にあるときに、鋸刃が切断ガイドを介して骨に接触できなくなるようにできる。
【0028】
いくつかの実装形態では、制御システムは、自律モード、触覚モード、及びフリーモードのうち1つでロボットマニピュレータを動作させるように構成されている。
【0029】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、切断ガイドを位置決めするように構成されている。いくつかの実装形態では、そのような位置決めは自律的に実行される。
【0030】
いくつかの実装形態では、所望の切断面は、第1の所望の切断面としてさらに定義され、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、ユーザ入力に応じて鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、切断ガイドを位置決めするように構成されている。いくつかの実装形態では、このような位置決めは自律的に実行される。
【0031】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、鋸刃が複数の所望の切断面とアライメントして複数の平面切断を行うように、切断ガイドを位置決めするように構成されている。いくつかの実装形態では、このような位置決めは自律的に実行される。いくつかの実装形態では、制御システムは、所定の基準に基づいて平面切断を行うために、切断ガイドの位置決めのシーケンスを決定する。いくつかの実装形態では、所定の基準は、ユーザ選好、所望の切断面間の距離、所望の切断面に対する切断ガイドの現在のアライメント、及び、所望の切断面に到達するための切断ガイドの必要な動き、のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実装形態では、所望の切断面は仮想オブジェクトによって定義される。
【0032】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨、鋸刃、及び切断ガイドのうちの1つまたは複数を追跡する。いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、切断ガイドの位置及び向きを追跡するための第1のトラッカと、骨の位置及び向きを追跡するための第2のトラッカと、鋸刃の位置及び向きを追跡するための第3のトラッカとを備える。いくつかの実装形態では、切断ガイドの初期ガイド位置及び間隔を置いたガイド位置は、ナビゲーションシステムからのデータに基づいて決定される。いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数を判定するように構成されており、制御システムは、所定の限界を超えている骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数に応じてロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されている。
【0033】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ナビゲーションシステムが、速度または加速度のうちの1つまたは複数は所定の限界以下であると判定することに応じて、鋸刃が所望の切断面と再アライメントされるように、切断ガイドを位置決めするように構成されている。いくつかの実装形態では、このような位置決めは自律的に実行される。
【0034】
いくつかの実装形態では、ナビゲーションシステムは、追跡要素から光を受信するためのローカライザを備え、ナビゲーションシステムは、追跡要素のうちの1つまたは複数がローカライザの視界から遮断されているかどうかを判定するように構成されている。いくつかの実装形態では、制御システムは、追跡要素のうちの1つまたは複数が視界から遮断されていることに応じて、骨からの切断ガイドの引き抜きを容易にするように構成されている。いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、追跡要素のうちの1つまたは複数が視界から遮断される前に格納された切断ガイドの向きに沿って、切断ガイドを骨から引き抜くように構成されている。いくつかの実装形態では、制御システムは、ロボットマニピュレータを動作させて、追跡要素のうちの1つまたは複数がローカライザの視界からもはや遮断されていないことに応じて、鋸刃が所望の切断面と再アライメントされるように、切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている。
【0035】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ユーザによってエンドエフェクタ及びロボットマニピュレータのうちの1つまたは複数に加えられる1つまたは複数の力及びトルクを測定するための、1つまたは複数のセンサを備える。いくつかの実装形態では、制御システムは、所定の限界を超える1つまたは複数の力及びトルクに応じて、ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されている。
【0036】
いくつかの実装形態では、制御システムは、鋸刃によって切断ガイドに加えられた荷重を感知するために、切断ガイドに結合された1つまたは複数のセンサを備える。いくつかの実装形態では、制御システムは、鋸刃によって切断ガイドに加えられた荷重が所定の限界を超えていることに応じて起動されるインジケータを備える。いくつかの実装形態では、インジケータは、触覚インジケータ及び聴覚インジケータのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態では、制御システムは、手術用鋸のモータと通信するように構成されており、制御システムは、モータの動作を停止して、所定の限界を超えている鋸刃によって切断ガイドに加えられた荷重に応じて、鋸刃による切断を中止するように構成されている。
【0037】
いくつかの実装形態では、制御システムは、切断ガイドに対する鋸刃の相対位置を判定するために切断ガイドに結合された、1つまたは複数のセンサを備える。
【0038】
いくつかの実装形態では、制御システムは、ユーザインタフェースを含み、このユーザインタフェースは、切断ガイドの位置及び向きの少なくとも1つを調整するためにユーザからの入力を受け取るように構成されている。
【0039】
いくつかの実装形態では、切断ガイドは、1つまたは複数の刃受容スロットを備える。
【0040】
いくつかの実装形態では、受動リンケージは、エンドエフェクタのベースと切断ガイドを相互接続して、切断ガイドの動きをエンドエフェクタのベースに対して単一の平面に制限する。
【0041】
いくつかの実装形態では、関節アームが骨に結合されて、骨の動きを限定する。
【0042】
いくつかの実装形態では、制御システムは、1つまたは複数のコントローラを含む。
【0043】
添付の図面と関連して考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されると、本開示の利点が容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】手術室内のロボット手術システムの斜視図である。
【
図2】ロボット手術システムの制御システムの概略図である。
【
図3】膝関節用の1つの例示的なインプラントシステムにおけるインプラント構成要素の分解図である。
【
図4A】無菌バリアを介したロボットアームへの切断ガイドアセンブリを示す斜視分解図である。
【
図4B】無菌バリアを介したロボットアームへの切断ガイドの組み立て図である。
【
図5A】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図5B】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図5C】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図5D】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図5E】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図5F】外科手術中にロボット手術システムによって実行される外科的ステップのシーケンスを示す。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、切断ガイドが第1の向きにあるときに切断工具が到達することができる第1の切断領域を示す。
【
図7】
図7A及び
図7Bは、切断ガイドが第1の向きとは異なるが第1の向きと同じ切断面にある第2の向きにあるときに切断工具が到達することができる第2の切断領域を示す。
【
図8A】第1及び第2の切断領域を示すディスプレイ画面のスクリーンショットを示す。
【
図8B】第1及び第2の切断領域を示すディスプレイ画面のスクリーンショットを示す。
【
図8C】患者固有の切断境界を有する切断面に沿った骨の切断を示す。
【
図8D】患者固有の切断境界を有する切断面に沿った骨の切断を示す。
【
図8E】患者固有の切断境界を有する切断面に沿った骨の切断を示す。
【
図9】実施する切断のシーケンスを選択するようにユーザに指示するディスプレイ画面のスクリーンショットを示す。
【
図12】外科手術中の切断工具の偏りと、ディスプレイ画面上の関連する警告を示す。
【
図13】切断工具の偏りを示し得る切断工具の荷重を検出するための切断ガイドのセンサを示す部分断面図である。
【
図14】深さを示す目盛り付きマーキングを有する切断工具の斜視図である。
【
図15】切断工具の目盛り付きマーキングを読み取って切断ガイド内の切断工具の深さを判定するための光学センサを示す部分断面図である。
【
図15A】切断ガイド及び/または切断工具を識別して、切断工具が切断ガイドと共に使用するのに適切であるかどうかを判定するための技術を示す、切断工具及び切断ガイドの部分斜視図である。
【
図15B】切断工具を識別するために使用される光学センサを示す部分断面図である。
【
図16】切断ガイドが単一平面内でエンドエフェクタのベースプレートに対して移動することを可能にする関節式平面アームの斜視図である。
【
図16A】切断ガイドがエンドエフェクタのベースプレートに対して少なくとも1つの自由度で移動することを可能にする可撓性工具の斜視図である。
【
図16B】切断ガイドがエンドエフェクタのベースプレートに対して複数の自由度で移動することを可能にする関節式マニピュレータの斜視図である。
【
図19】1つの実施例で実行できるステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1を参照すると、外科手術で使用するためのロボット手術システム10が示されている。このような外科手術には、例えば、膝の手術、股関節の手術、肩の手術、足首の手術、脊椎の手術、頭蓋の手術、歯科の手術などが含まれる。一般的には、外科手術は、骨などの患者12の硬組織の切断を含むが、追加的または代替的に、靭帯または皮膚などの軟組織の切断を含み得る。いくつかの実施例では、ロボット手術システム10は、患者12から組織を切り取り、膝、股関節、肩、足首、脊椎、頭蓋、または歯科インプラントなどの外科用インプラントに置き換えるように設計されており、その中には、単一のコンパートメント、二つのコンパートメント、または全体的膝インプラント、臼蓋カップ、大腿骨インプラント、上腕インプラント、グレノイドインプラント、脛骨インプラント、距骨インプラント、椎弓根スクリュー、組織アンカー、電極、歯科インプラントなどが含まれる。以下の説明は、大腿骨F及び脛骨Tへの人工膝関節全置換システムの配置に焦点を合わせているが、これは単なる例示であり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0046】
ロボット手術システム10は、ローカライザ16、追跡デバイス18、及び1つまたは複数のディスプレイ20を含むナビゲーションシステム14を備える。ナビゲーションシステム14は、以下でさらに説明するように、手術室内の様々なオブジェクトの動きを追跡するように設定されている。ナビゲーションシステム14は、ユーザにそれらの相対的な位置及び向きを表示する目的で、またいくつかの場合では、ロボット手術システム10で使用される器具または工具のうちの1つまたは複数の配置を制御する目的で、これらのオブジェクトを追跡する。
【0047】
ロボット手術システム10はまた、ロボットアーム24及びベース26を含むロボットマニピュレータ22を備える。ロボットアーム24は、ベース26に回転自在に結合されるベースリンク28と、ベースリンク28から遠位端部32まで連続的に延在する複数のアームリンク30とを含む。アームリンク30は、ジョイントモータ(図示せず)を介してロボットアーム24内の複数のジョイントを中心に枢動/回転する。シリアル、パラレル、またはその他のロボットアーム構成を使用できる。ロボットマニピュレータ22は、床面に配置及び支持され、手術台に取り付けられ、及び/または患者12に取り付けられてもよく、あるいは外科手術を実行するために他の方法で配置されてもよい。一実施形態では、ロボットシステム22には、米国フロリダ州Fort LauderdaleのMAKO Surgical Corp.によって製造されたRIO(商標)Robotic Arm Interactive Orthopedic Systemが含まれる。
【0048】
マニピュレータコントローラ34は、ロボットマニピュレータ22に結合されて、ロボットマニピュレータ22の制御を提供する。マニピュレータコントローラ34は、1つまたは複数のコンピュータ、または任意の他の適切な形態のコントローラを備えることができる。マニピュレータコントローラ34は、中央処理装置(CPU)及び/または他のプロセッサ、メモリ(図示せず)、及びストレージ(図示せず)を有し得る。マニピュレータコントローラ34には、以下に説明するようなソフトウェアがロードされている。プロセッサは、ロボットマニピュレータ22の動作を制御するための1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。これらのプロセッサは、任意のタイプのプロセッサ、マルチプロセッサ及び/またはマルチコア処理システムであり得る。マニピュレータコントローラ34は、追加的に、または代替的に、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、及び/または本明細書に記載される機能を実行することができる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアを含むことができる。プロセッサという用語は、任意の実施形態を単一のプロセッサに限定することを意図するものではない。
【0049】
エンドエフェクタ36は、ロボットアーム24の遠位端32に取り外し可能に結合されている。エンドエフェクタ36は、切断ガイド38を含む。切断ガイド38は、切断工具40が、患者12の組織を所望の方法で(例えば、所望の切断面に沿って、所望の軌道に沿って)切断するように、フリーハンド手術器具42の切断工具40をガイドするように成形及び構成されている。より具体的には、切断工具40は、切断ガイド38と連携して、患者12の組織に対して所望の位置及び/または向きにガイドされる。切断ガイド38は、切断工具40を受け入れるための1つまたは複数のガイド部分44を有する。示されている実施例では、ガイド部分44は、鋸刃の形態である切断工具40を受け入れるための刃受容スロットを備える。これらのスロットは、従来の切断ガイドと同様に、鋸刃よりもわずかに大きいサイズにすることができるため、ユーザが鋸刃にわずかな横方向の荷重をかけた場合でも、鋸刃は概してスロットと同じ向きのままである。ドリル、バー、リーマなどの細長い、概して円筒形の切断工具、輪郭のある表面を切断するための湾曲したスロットなどを受け入れるためのものなど、他の形態の切断ガイド38及び関連するガイド部分も企図される。例えば、
図1に示す円筒形ガイド部分44aを備えた代替の切断ガイド38aを参照されたい。ロボットマニピュレータ22は、複数の自由度、例えば2、3、4、5、または6の自由度で移動するために切断ガイド38を支持可能であり得る。
【0050】
フリーハンド手術器具42は、ロボットアーム24及び切断ガイド38とは独立して操作することができる。一実施例では、フリーハンド手術器具42は、骨などの組織に平面切断を作成するために使用される振動鋸刃を有する手術用鋸である。フリーハンド手術器具42は、切断工具40を振動させるか、さもなければ駆動するためのモータMTを備える。モータMTは、空気圧または電気モータを含むがこれらに限定されない、切断工具40を操作するための任意の適切なタイプであり得る。モータMTは、例えば、外科手術中に切断工具40(例えば、鋸刃)に振動運動を提供するように構成されている。そのようなフリーハンド手術器具42の例は、「Surgical Sagittal Saw with Indexing Head and Toolless Blade Coupling Assembly for Actuating an Oscillating Tip Saw Blade」と題する米国特許第7,704,254号に開示されており、これは参照により全体として本明細書に援用される。
【0051】
切断工具40が鋸刃を含む実施例では、鋸刃は、任意のサイズ、形状、またはタイプ(すなわち、ストレートブレード、クレセントブレードなど)であり得る。鋸刃は、フリーハンド手術器具42のハブに取り外し可能に結合されるように構成された取り付け部分を含み得る。取り付け部分の反対側に、鋸刃は、複数の歯を有する切断部分または作業部分Wを含む。いくつかの実施形態では、鋸刃は、打抜加工及び/または機械加工によって、金属などの単一の材料片から形成される。鋸刃は、ほぼ平坦な面を備えた切り口を作成するように構成することができ、または丸みを帯びた輪郭を備えた切り口を提供するように構成することができる。鋸刃には、カートリッジ式の鋸刃が含まれ得る。鋸刃は、「Surgical Sagittal Saw Blade with a Static Bar and a Pivoting Blade Head, the Bar Shaped to Facilitate Holding the Blade to a Complementary Saw」と題された米国特許第8,444,647号に示されるものと同様であってもよく、これは参照により本明細書に援用される。鋸刃または他の切断工具の様々な構成が企図されてきた。
【0052】
ナビゲーションシステム14は、切断ガイド38、切断工具40、患者の対象の生体構造、例えば、大腿骨F及び脛骨T、及び/または他のオブジェクトの動きを追跡するように設定されている。ナビゲーションシステム14がこれらのオブジェクトを追跡するのは、ユーザに対してそれらの相対的な位置及び向きを表示する目的であり、またいくつかの場合では、患者の生体構造に関連付けられた仮想境界に対する切断ガイド38の配置を制御する目的であり、それによって、そのような仮想境界に対する切断工具40の配置も制御する。切断ガイド38の姿勢を知るために、ナビゲーションシステム14は、ナビゲーション及び/またはロボットシステムの様々な構成要素間の任意の組み合わせまたは変換または関係を利用することができる。例えば、切断ガイド38自体及び/またはロボット(及びベース、リンク、アームなどのその任意の構成要素)のいずれかを追跡して、切断ガイド38(及び切断ガイドのそれぞれのスロット)の姿勢を知ることができる。ロボットは、ジョイントの位置から得られたナビゲーションデータ及び/または運動学的データを使用して追跡することができる。切断ガイド38の姿勢は、ナビゲーションデータのみ、運動学的データのみ、またはナビゲーションデータと運動学的データの任意の組み合わせから判定することができる。変換は、本明細書に記載されているトラッカのいずれか、ならびに患者及び手術台を含む、ナビゲーションシステムの任意のコンポーネントに関係し得る。
【0053】
本明細書に記載の実装形態のいずれについても、ロボットマニピュレータ22は、切断ガイド38が患者の動きの前後に患者に対して相対的な姿勢を維持するように、患者の動きに対応する方法で動くように制御され得る。ナビゲーションシステムは、ロボットマニピュレータによって保持された切断ガイド38の姿勢及び患者の骨の姿勢を測定することができる。システムは、ロボットマニピュレータを制御して、切断ガイド38を所定の位置にしっかりと保持し、例えば、切断ガイド38が識別された位置、ターゲット、または平面とアライメントすることを確実にする。システムは、骨の姿勢の変化を判定し、骨の姿勢の変化に少なくとも部分的に基づいて、切断ガイド38の姿勢を自動的に調整することができる。骨の位置の変化は、手術者が患者の手足や台を動かしたときなど、様々な状態に起因する可能性がある。したがって、切断ガイド38と骨との間の空間的関係は、手術が行われるときに実質的に変化しないままであり、それにより、切断ガイド38が患者の動きの前に意図されたままであることを保証する。
【0054】
ナビゲーションシステム14は、ナビゲーションコントローラ48を収容するカートアセンブリ46を含む。ユーザインタフェースUIは、ナビゲーションコントローラ48と操作可能に通信している。ユーザインタフェースUIは、カートアセンブリ46及び、ナビゲーションコントローラ48に情報を入力するか、またはその他の方法により、ナビゲーションコントローラ48のある特定の態様を選択/制御するために使用することができる、キーボード及びマウスなどの入力デバイスに、調節可能に取り付けられたディスプレイ20を含む。例えば、ユーザインタフェースUIは、治療されている患者の組織に対する切断ガイド38の位置及び向きの少なくとも1つを調整するためにユーザからの入力を受け取るように構成され得る。タッチスクリーンまたは音声操作を含む他の入力デバイスが企図される。
【0055】
ローカライザ16は、ナビゲーションコントローラ48と通信する。示される実施形態では、ローカライザ16は、光学的ローカライザであり、カメラユニットを含む。カメラユニットは、1つまたは複数の光学位置センサSを収容する外部ケーシングを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの光学センサSが使用され、場合によっては3つ以上が使用される。光学センサSは、別個の電荷結合素子(CCD)であってもよい。カメラユニットは、調整可能なアームに取り付けられ、理想的には障害物がない、以下で説明される追跡デバイス18の視野に関して光学センサSを位置決めする。いくつかの実施形態では、カメラユニットは、回旋性ジョイントを中心に回転することによって、少なくとも1の自由度で調整可能である。他の実施形態では、カメラユニットは、約2以上の自由度で調整可能である。カメラユニットはまた、外科手術またはその特定のステップのビデオ画像を生成するための中央ビデオカメラ45を含み得る。
【0056】
ローカライザ16は、光学センサSと通信して光学センサSから信号を受信するローカライザコントローラ50を含む。ローカライザコントローラ50は、有線または無線接続(図示せず)のいずれかを介してナビゲーションコントローラ48と通信する。そのような接続の1つは、IEEE1394インタフェースであってもよく、このIEEE1394インタフェースは、高速通信及びアイソクロナスリアルタイムデータ転送用のシリアルバスインタフェース規格である。また、接続は、企業独自のプロトコルを使用することができる。他の実施形態では、光学センサSは、ナビゲーションコントローラ48と直接通信する。位置及び向きの信号及び/またはデータは、オブジェクトを追跡する目的でナビゲーションコントローラ48に伝送される。カートアセンブリ46、ディスプレイ20、及びローカライザ16は、本明細書では、参照により援用される、2010年5月25日に発行され、「Surgery System」と題された、Malackowskiらの米国特許第7,725,162号に記載されるものと同様であることができる。
【0057】
ナビゲーションコントローラ48は、1つまたは複数のコンピュータ、または任意の他の適切な形態のコントローラを備えることができる。ナビゲーションコントローラ48は、ディスプレイ20、中央処理装置(CPU)及び/または他のプロセッサ、メモリ(図示せず)、及びストレージ(図示せず)を有する。これらのプロセッサは、いずれかのタイプのプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはマルチプロセッサシステムであることができる。ナビゲーションコントローラ48には、ソフトウェアがロードされている。ソフトウェアは、例えば、ローカライザ16から受信した信号を、追跡されているオブジェクトの位置及び向きを表すデータに変換する。ナビゲーションコントローラ48は、追加的に、または代替的に、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、及び/または本明細書に記載される機能を実行することができる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアを含むことができる。プロセッサという用語は、任意の実施形態を単一のプロセッサに限定することを意図するものではない。
【0058】
ナビゲーションコントローラ48、マニピュレータコントローラ34、及び以下に説明する工具コントローラ62は、
図2に示されるロボット手術システム10の制御システムの一部である。制御システムは、ナビゲーションコントローラ48、マニピュレータコントローラ34、及び工具コントローラ62の機能を実行するための単一のプロセッサまたは複数のプロセッサを含み得る。制御システムは、本明細書に記載の機能及び方法を実行するのに適した入力、出力、及び処理デバイスの任意の適切な構成を含むことができる。制御システムは、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、センサ、ディスプレイ、ユーザインタフェース、インジケータ、及び/または本明細書に記載される機能を実行することができる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアを含むことができる。
【0059】
ナビゲーションシステム14は、本明細書ではトラッカとも称される、複数の追跡デバイス18を含む。図示の実施形態では、トラッカ18は、患者、例えば、大腿骨F及び脛骨Tに結合される生体構造トラッカ、ならびにエンドエフェクタ36及びフリーハンド手術器具42に結合されてそれぞれ切断ガイド38及び切断工具40を追跡する工具トラッカを含む。生体構造トラッカは、骨接合ネジ、骨接合ピンなどを介して骨の切片に固着できる。他の場合には、骨のクランプを使用して生体構造トラッカを取り付けることができる。例えば、クランプ51を備えたロック可能な関節アーム49(
図1を参照)は、骨の動きを限定するために(例えば、患者の外脚の周りをクランプすることによって)骨に結合され得、トラッカ18は、クランプ51に取り付けられ得る。さらなる実施形態では、生体構造トラッカは、他の組織タイプ、または生体構造の部分に取り付けることができる。生体構造トラッカが取り付けられている生体構造に対する生体構造トラッカの位置は、ポイントベースの登録などの登録技法によって決定されることができ、これらの登録技法では、それ自身のトラッカ18を備えたデジタルプローブP(例えば、ナビゲーションポインタ)を使用して、この骨の上の骨標識上で接触をオフにする、または表面ベースの登録のために骨の上のいくつかのポイントで接触をオンにする。従来の登録技法を用いて、生体構造トラッカの姿勢を患者の生体構造、例えば、治療される骨に相関させることができる。
【0060】
工具トラッカは、エンドエフェクタ36、切断ガイド38、切断工具40、及び/またはフリーハンド手術器具42と統合、固定、または取り外し可能に結合することができる。工具トラッカは、切断ガイド38(またはそのガイド部分44)に対する、及び切断工具40(またはその作業端)に対する、工具トラッカの位置が、切断ガイド38及び切断工具40の位置及び向きの追跡の目的でナビゲーションシステム14によって認識されるように較正される。より具体的には、切断ガイド38のガイド部分44の位置及び向き、ならびに切断工具40の作業端の位置及び向きは、トラッカ18によって追跡することができる。切断工具40の作業端は、例えば、鋸刃の歯、ドリルの先端、バーの外面、リーマの底部、ナイフの先端、RF工具チップ、超音波工具チップなどの切断工具40の遠位端であり得る。追加的または代替的に、ベーストラッカ52及び/またはアームトラッカ54はまた、例えば、ベース26またはアームリンク30からロボットアーム24の遠位端32への空間変換を部分的に定義するロボットアーム24のジョイント内のジョイントエンコーダから導出されたデータと組み合わされた場合に、そして遠位端32に関して切断ガイド38(またはそのガイド部分44)の位置を説明するデータと組み合わされた場合に、切断ガイド38の位置及び向きを追跡するために、ベース26及び/またはアームリンク30の1つに結合され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、トラッカ18は、受動トラッカであり得る。これらの実施形態では、各トラッカ18は、ローカライザ16から光学センサSに戻る光を反射するための少なくとも三つの受動追跡要素またはマーカを有する。例えば示すような他の実施形態では、トラッカ18は、能動トラッカであり、赤外線などの光を光学センサSに送る発光ダイオード(LED)などの3つ、4つ、またはそれ以上のマーカMを有することができる。受信した光信号に基づき、既知の三角測量技術を採用することにより、ナビゲーションコントローラ48は、ローカライザ16に対するトラッカ18の相対的な位置及び向きを示すデータを生成する。ローカライザ16及びトラッカ18が、光学追跡技術を利用するものとして上述されているが、代替的に、または追加で、電磁追跡、高周波追跡、超音波追跡、慣性追跡、それらの組み合わせなど、他の追跡モダリティを利用してオブジェクトを追跡することができることを理解されたい。追加的に、または代替的に、ナビゲーションシステム14は、オブジェクトを識別し、位置を判定し、動きを追跡し、それらの組み合わせを行うなどを目的として、光ファイバー、マシンビジョン、ビデオカメラなどを使用することができる。
【0062】
ナビゲーションコントローラ48は、切断ガイド38のガイド部分44及び/または切断工具40の作業端の、除去される組織に対する相対位置を示す画像信号を生成する。これらの画像信号はディスプレイ20に印加される。ディスプレイ20は、これらの信号に基づいて、ユーザ及びスタッフが手術部位に対する切断ガイド38及び/または切断工具40の相対位置を見ることを可能にする画像を生成する。
【0063】
本明細書に記載のシステム及び方法では、仮想オブジェクトを使用して、切断ガイド38及び/または切断工具40の移動、配置、または操作を所望の方法で制御(例えば、限定、制限、防止など)することができる。これらのオブジェクトは、点、線、平面、容積などによって定義することができ、1次元、2次元、または3次元にすることができる。このようなオブジェクトはモデルとして定義でき、ソリッドモデル(例えば、構造的ソリッドジオメトリ、ボクセルなどで構築)、サーフェスモデル(例えば、サーフェスメッシュなど)、または任意の適切な形式の1次元、2次元、または3次元モデルであり得る。仮想オブジェクトは、患者12の生体構造の仮想モデル内で定義され得るか、または生体構造の仮想モデルとは別に定義され得る。仮想オブジェクトは、術前または術中に、よく知られている登録手法を使用して患者の実際の生体構造にマッピングされる、患者の生体構造の画像/モデル(例えば、CTスキャン、X線画像、MRI画像、3次元モデルなど)に登録され得る。これらの仮想オブジェクトは、ロボット手術システム10の制御システムの(例えば、ナビゲーションコントローラ48及び/またはマニピュレータコントローラ34内の)メモリに格納される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の仮想オブジェクトの位置は、仮想オブジェクトに対する切断ガイド38の移動または配置を制御するため、及び/または切断工具40の移動、配置、及び/または操作を制御するために、ロボット手術システム10が患者12から所望の材料を除去することを可能にする方法で患者の生体構造にマッピングされる。例えば、以下でさらに説明するように、切断ガイド38の配置は、切断工具40が、切断工具40によって除去される患者12の組織を定義する、ユーザによって設定された1つまたは複数の仮想境界内に留まるように制御される。仮想オブジェクトまたは境界への応答は、追加的または代替的に、ロボットの制限された動作、音のフィードバック、振動のフィードバック、視覚的フィードバック、他のタイプのフィードバック、及びそれらの任意の組み合わせなどの、ただしこれらに限定されない、任意の種類の触覚応答であり得る。
【0064】
ロボットマニピュレータ22は、以下のうちの1つまたは複数で動作する能力を有し、それらは、(1)ユーザがエンドエフェクタ36を把持して、切断ガイド38の動きを(例えば、直接、ロボットマニピュレータ22の能動的駆動を引き起こす力/トルクセンサ60での力/トルクセンサ測定を介して、受動的に、または他の方法で)引き起こす、フリーモード、(2)ユーザがロボットマニピュレータ22のエンドエフェクタ36を把持してフリーモードのように動きを引き起こすが、ロボット手術システム10に格納された1つまたは複数の仮想オブジェクトによって定義される1つまたは複数の仮想境界によって動きが制限される、触覚モード、(3)切断ガイド38がロボットマニピュレータ22によって所望の位置及び/または向きに、及び/または所望の経路に沿って自律的に移動される(例えば、ロボットアーム24の能動ジョイントが動作させられて、エンドエフェクタ36へのユーザからの力/トルクを必要とせずに切断ガイド38を動かす)半自律モード、(4)ロボットマニピュレータ22がサービスを可能にするために事前にプログラムされた自動化された動きを実行するサービスモード、または(5)例えばドレープなどに使用するためのロボットマニピュレータ22の準備を容易にする他のモード、である。触覚モード及び半自律モードでの動作の例は、2011年8月30日に発行された「Haptic Guidance System and Method」と題された米国特許第8,010,180号、及び2015年9月1日に発行された「Surgical Manipulator Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」と題された米国特許第9,119,655号に記載されており、それら両方の開示全体は参照により本明細書に援用される。
【0065】
触覚モードでの動作中、ユーザは、ロボットマニピュレータ22を手動で操作して(例えば、手動で移動するか、または手動で移動させ)、切断ガイド38を動かし、最終的に切断工具40を所望の位置及び/または向きに配置して、鋸引き、穴あけ、リーミング、切除などの外科手術を患者に行う。例えば、ユーザは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,119,655号に記載される方法で、エンドエフェクタ36を手動で把持して、力/トルクセンサ60からのフィードバックを介して外科用マニピュレータ22を操作することができる。
【0066】
ユーザがロボットマニピュレータ22を操作して切断ガイド38の動きを引き起こすと、ナビゲーションシステム14は、対象の生体構造に対する切断ガイド38の位置を追跡し、触覚フィードバック(例えば、力フィードバック)をユーザに提供して、患者の生体構造に登録(マッピング)された1つまたは複数の事前定義された仮想境界を超えて切断ガイド38を手動で操作する(例えば、移動するかまたは移動させる)ユーザの能力を制限し、これにより、鋸引き、穴あけ、リーミング、切除などのための非常に正確で繰り返し可能な位置決めがもたらされる。この触覚フィードバックは、外科手術に関連付けられた1つまたは複数の事前定義された仮想境界を超えて、ユーザが切断ガイド38を手動で操作することを制約または抑止するのに役立つ。触覚境界とも呼ばれる、そのような仮想境界を定義する仮想オブジェクトは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,010,180号に記載されている。仮想オブジェクトまたは境界への応答は、追加的または代替的に、ロボットの制限された動作、音のフィードバック、振動のフィードバック、視覚的フィードバック、他のタイプのフィードバック、及びそれらの任意の組み合わせなどの、ただしこれらに限定されない、任意の種類の触覚応答であり得る。
【0067】
ある実施例において、触覚モードでは、マニピュレータコントローラ34は、エンドエフェクタ36にユーザによって加えられ、力/トルクセンサ60によって測定される力及びトルクに基づいて、切断ガイド38が移動されるべき所望の位置を決定する。この実施例では、ほとんどのユーザは、ロボットマニピュレータ22を実際にかなりの量だけ動かして所望の位置に到達することが物理的にできないが、ロボットマニピュレータ22は、力/トルクセンサ60を介して加えられた力及びトルクを感知することによって、ユーザの所望の位置決めをエミュレートし、ジョイント上の作動中のモータが動きを実行しているにもかかわらず、ユーザが実際に切断ガイド38を動かしているという印象をユーザに与える方法で反応する。例えば、ユーザが移動したい所望の位置の決定、及び切断ガイド38の現在の位置(例えば、姿勢)に関する情報に基づいて、マニピュレータコントローラ34は、複数のリンク30のそれぞれが切断ガイド38を現在の位置から所望の位置に再位置決めするために移動する必要がある範囲を決定する。複数のリンク30が位置決めされる場所に関するデータは、ロボットアーム24の作動しているジョイントを制御して複数のリンク30を移動させ、かつそれにより、切断ガイド38を現在の位置から所望の位置に移動させるジョイントモータコントローラ(図示せず)(例えば、各モータを制御用に1つ)に転送される。
【0068】
触覚モードはまた、ロボットマニピュレータ22の手動位置決めに基づいてユーザに反力を提供することを含む他の方法で実施することができ、例えば、ロボットマニピュレータ22のリンク30の1つまたは複数の受動的な動きに応じて1つまたは複数のジョイントモータを起動して切断ガイド38を位置決めする。追加的に、または代替的に、他の受動デバイスを使用して、触覚フィードバックを提供することによって切断ガイド38の位置決めを制御するのを助けることができ、そのような受動デバイスの位置は、マニピュレータコントローラ34またはナビゲーションコントローラ48によって制御される。そのような受動デバイスには、ばね、磁石などが含まれ得る。
【0069】
制御システムはまた、力/トルクセンサ60によって測定された1つまたは複数の力及びトルクが所定の限界を超えることに応じて、ロボットマニピュレータ22の動作を触覚モードからフリーモードに切り替えるように構成され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,119,655号を参照されたい。
【0070】
いくつかの実施形態では、半自律モードにおいて、ロボットマニピュレータ22は、事前定義された経路、事前定義された位置/向き、及び/または事前定義された動きに基づいて自律的に動作し、切断ガイド38を動かす。このような経路/位置/向き/動きは、外科手術の間に、及び/または外科手術の前に、定義することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ペンダントを介するなどの半自律モードでロボットマニピュレータ22を制御するための入力を提供して、切断ガイド38を所望の位置及び/または向きに自律的に移動させるか、またはその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第9,566,122号に記載されているように、所望の経路/移動に従う。
【0071】
ユーザインタフェースUIを使用して、半自律モードでマニピュレータコントローラ34とインタフェースし、かつ/またはフリーモード、触覚モード、半自律モード、サービスモード、及び/または他のモードの間で切り替えることができる。ユーザインタフェースUIは、別個のコントローラを含み得、かつ/またはマニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び/または工具コントローラ62に入力を提供し得る。ユーザインタフェースUIは、ユーザインタフェースUI上の入力を作動させることから生じる信号をコントローラ34、48、62のうちの1つまたは複数に送信するための様々な形態の入力デバイス(例えば、スイッチ、センサ、タッチスクリーンなど)を含み得る。ユーザが切断ガイド38の自律前進を開始する準備ができているとき、例えば、半自律モードでは、ユーザは、ユーザインタフェースUIの関連する入力を作動させる(例えば、ボタンを押す)ことができる(そして、自律動作を続行するためにボタンを押し続けることを求められる)。いくつかの実施例では、1つまたは複数の入力の作動に基づいて、ある位置/向きから次の位置/向きに移動するときの切断ガイド38の送りレート(例えば、速度)を制御することができる。
【0072】
図3を参照すると、術前撮像及び/または術中撮像を用いて、患者の膝関節などの治療が必要な患者の生体構造、または治療が必要な患者の他の生体構造を視覚化することができる。例えば、ユーザは、画像に関して、及び/または画像から作成された1つまたは複数の3次元モデル、例えば、CTスキャンデータやMRIデータなどから作成された大腿骨Fと脛骨Tの3次元モデルに関して、大腿骨構成要素66及び脛骨構成要素68を含む膝インプラント64をどこに配置するかを計画する。このようなモデルは、患者固有の生体構造に類似するように変形された一般的な骨モデルに基づいていてもよい。この計画は、例えば、画像及び/または適切な3次元モデル内のインプラント構成要素の所望の姿勢を識別することによって、膝インプラント64の各インプラント構成要素の姿勢を、それらが配置されている特定の骨に対して決定することを含む。これは、患者の生体構造の3次元モデルに関してインプラント構成要素の別個の3次元モデルを作成する、または位置決めすることを含んでもよい。計画が設定されると、この計画を実行のためにロボット手術システム10に転送する。3次元モデルは、メッシュサーフェス、空間領域構成法(CSG)、ボクセルを含むことができ、あるいは他の3次元モデリング手法を使用して表現することができる。
【0073】
仮想オブジェクトを作成して、ロボットマニピュレータ22の動き、配置、または動作を制御することができ、それによって、切断工具40の作業端(例えば、鋸、ドリル、バー、リーマ、ナイフ、RF工具、超音波工具など)が所望の位置及び/または向きに配置されるように切断ガイド38の動きまたは配置を制御することができる。これは、外科手術中に、切断ガイド38及び/または切断工具40が、インプラントを受けるために除去される材料の境界を描く事前定義された仮想境界に対して所望の位置及び/または向きに留まるようにするのを確実にすることを含み得る。これは、例えば、外科手術中に、切断工具40(例えば、バーまたはドリル)の軌道が、仮想軌道によって定義されるペグ穴の所望の姿勢とアライメントされること、切断工具40(例えば、バーまたはドリル)の軌道が、仮想軌道によって定義される固定ねじのためのパイロット穴の所望の姿勢とアライメントされること、などを確実にすることを含み得る。これは、切断ガイド38と切断工具40(例えば、矢状鋸刃)とが、仮想切断面によって定義される所望の切除/切断面とアライメントされたままであること、ならびに/または切断ガイド38及び/もしくは切断工具40が、仮想ガイド容積または仮想工具容積によって定義される所望の容積内に留まること、を確実にすることをさらに含み得る。これはまた、切断工具40が、仮想深度ストップによって定義される所望の深度までしか組織に侵入することができないように、切断ガイド38が組織から適切に離間されることを確実にすることを含み得る。
【0074】
ロボット手術システム10及び/またはユーザは、所望の切断容積、軌道、平面切断、切断の深さなどに関連付けられた仮想オブジェクトを術前に定義することができる。所望の切断容積は、単に、使用されているインプラントの形状に対応することができる。さらに、これらの切断容積は、ユーザが生体構造の3次元モデル(例えば、大腿骨F及び脛骨T)に対してインプラントの位置を計画し、インプラントの3次元モデルを、手術中の実際の生体構造に対する3次元モデルと共に登録することにより、仮想的に定義され、生体構造に登録され得る。カスタマイズされた仮想境界は、患者固有の生体構造に基づいて作成することもできる。言い換えれば、使用されているインプラントの形状に基づいて切断容積を定義する代わりに、使用されているインプラントの形状及び患者12の組織に関連付けられた仮想モデルに基づいて、切断容積が患者に合わせてカスタマイズされる。次に、ナビゲーションシステム14は、切断ガイド38及び/または切断工具40に関連付けられたトラッカ18を介して、カスタマイズされた仮想境界に対する切断ガイド38及び/もしくは切断工具40の位置ならびに/または向きを追跡する。この場合、制御システム(例えば、マニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び/または工具コントローラ62)は、切断工具40が切断ガイド38と連携して組織を切断するとき、切断工具40とカスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じて、切断工具40の動作を制御することができる。そのようなカスタマイズされた、患者固有の仮想オブジェクトの作成及び使用は、米国特許第8,977,021号及び第9,588,587号に詳細に記載されており、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。仮想オブジェクトまたは境界への応答は、追加的または代替的に、ロボットの制限された動作、音のフィードバック、振動のフィードバック、視覚的フィードバック、他のタイプのフィードバック、及びそれらの任意の組み合わせなどの、ただしこれらに限定されない、任意の種類の触覚応答であり得る。
【0075】
ロボット手術システム10及び/またはユーザはまた、所望の切断容積、軌道、平面切断、切断の深さなどに関連付けられた仮想オブジェクトを術中に定義することができ、または術前に定義された仮想オブジェクトを術中に調整することができる。例えば、フリーモードでは、ユーザは、対象の生体構造、例えば大腿骨Fに対して所望の入口点に切断ガイド38を位置決めし、切断ガイド38の軌道(例えば、その中心軸)が所望の向きにあることをディスプレイ20が示すまで切断ガイド38を配向することができる。ユーザがこの軌道に達すると、ユーザは、この軌道を手術中に維持される所望の軌道として設定する入力をロボット手術システム10に提供する。入力は、ナビゲーションコントローラ48またはマニピュレータコントローラ34に結合されたマウス、キーボード、タッチスクリーン、押しボタン、フットペダルなどの入力デバイスを介して提供することができる。これと同じ手順に従って、ユーザは目的の平面切断などを設定できる。切断容積、所望の軌道、所望の平面切断などを定義する仮想オブジェクトの仮想1次元、2次元、または3次元モデルは、外科手術中に検索できるようにメモリに格納される。
【0076】
ロボット手術システム10によって使用される1つまたは複数の仮想オブジェクトは、ナビゲーションポインタPで対象の生体構造に触れ、ナビゲーションシステム14で生体構造上の関連するポイントを捕捉することによって、ナビゲーションポインタPによって定義され得る。例えば、ナビゲーションポインタP(
図1)を使用して、仮想境界の輪郭を描くことができる。追加的に、または代替的に、ナビゲーションポインタPを使用して、切断工具40によって回避されるべき軟組織または他の敏感な生体構造を描写することができる。これらのポイントは、例えば、ロボット手術システム10にロードされて、切断工具40がこれらのエリアを回避するように、切断ガイド38の位置/向きを調整することができる。他の方法を使用して、対象の生体構造を、例えば、除去されるべき生体構造、回避されるべき生体構造などとして描写及び/または定義することができる。
【0077】
図3は、切断工具40の1つまたは複数が所望の方法で組織を除去/治療するようにロボット手術システム10によって使用され得る、複数の仮想オブジェクトを示す。これらの仮想オブジェクトは、例えば、ロボット手術システム10が、(1)所望の位置及び/または向きに対する切断ガイド38及び/または切断工具40の位置及び/または向きの視覚的表示を提供すること、(2)所望の位置及び/または向きに対する切断ガイド38の位置及び/または向きの触覚的表示を提供するために、触覚フィードバックをユーザに提供すること、及び/または、(3)切断ガイド38の自律的な動きをガイドすること、を行うことを可能にする。例えば、ライン触覚オブジェクトLHが作成され、ロボット手術システム10に格納されて、切断ガイド38aの動きを制限して、所望の軌道に沿ったままにすることができる。平面触覚オブジェクトPHは、切断ガイド38の動きを拘束して所望の切断面に沿ったままにするために作成することができる。平面触覚オブジェクトPHは厚さなしで示されているが、それらはまた、切断工具40及び/またはガイド部分44の厚さにほぼ対応する厚さを有する容積であってもよい。他の仮想オブジェクトの形状、サイズなどもまた企図される。触覚オブジェクト以外の他の形態の仮想オブジェクトを使用して、切断ガイド38及び/または切断工具40の境界を確立することができることも理解されたい。そのような境界は、ディスプレイ20の1つまたは複数の上に表して、切断ガイド38のガイド部分(複数可)及び/または切断工具40の作業端がそのような境界に近づいている、到達している、かつ/または超えているときを、ユーザに示すことができる。
【0078】
動作中、
図4A及び4Bを参照すると、切断ガイド38は、最初にロボットマニピュレータ22に結合される。いくつかの場合では、ロボットアーム24上の異なるエンドエフェクタを切り替えるときに無菌性を維持するために、無菌バリア72をエンドエフェクタ36とロボットアーム24との間に配置することができる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2016年2月19日に出願された「Sterile Barrier Assembly, Mounting System, and Method for Coupling Surgical Components」と題する米国特許出願公開第2016/0242861号に記載されている方法で、レバー70を使用して、エンドエフェクタ36をロボットアーム24にクランプすることができる。切断ガイド38がロボットマニピュレータ22に固定されると、切断ガイド38を使用して、切断工具40を受け取り、その動きをガイドすることができる。
【0079】
図5Aから
図5Fは、制御システムにおいて仮想切断面として定義される所望の切断面74に対する切断ガイド38の動き及び配置のシーケンスを示す。膝全体の手術中などのいくつかの手術では、組織にいくつかの切断が行われ、これらの切断のいずれも、本明細書に記載の方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、所定の最終深さに達したときに切断が終了するように、切断は、組織を完全に貫通してもよく、組織を部分的にのみ侵入してもよい。切断面74は、組織の術前画像を使用して作成された組織の仮想3次元モデル上に所望の平面切断を定義することによってなど、ユーザによって術前に定義され得る。所望の平面切断はまた、インプラント構成要素の形状及びインプラント構成要素の3次元モデルによって定義され得る。切断面74は、術中にユーザによって定義されてもよく、または制御システムによって自動的に定義されてもよい。切断面74の位置及び向きは、組織に取り付けられたトラッカ18及び組織へのトラッカ18の位置合わせによって、外科手術中に組織が移動するときに、ナビゲーションシステム14によって追跡され得る。切断面74の位置は、切断面74を含む3次元モデルにマッピングされることによって追跡することができる。ロボットマニピュレータ22は、切断面74の動きに対応し、必要な場合に組織に対して切断面74上に留まるなど、組織との所望の関係を維持するために必要に応じてそれ自体の位置を自律的に調整することができる。そのような制御は、例えば、すべて参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,010,180号、米国特許第9,119,655号、または米国特許出願公開第2014/0180290号に記載されているロボット制御を使用して、達成することができる。
【0080】
制御システムは、ロボットマニピュレータ22を介して切断ガイド38の動き及び配置を制御するように構成されている。切断ガイド38がロボットマニピュレータ22に結合され、ユーザが切断ガイド38を移動/配置する準備ができて、ガイド部分44が所望の切断面74上で切断工具40を受け入れるように配置されると、制御システムはロボットアーム24にコマンドを送信して、そのジョイントモータを制御して、切断ガイド38を動かし、その結果切断工具40は、切断ガイド38と連携して配置されたとき(例えば、切断ガイド38のガイドスロットに配置されたとき)、切断面74上に配置される(例えば、アライメントされる)。ユーザは、切断工具40が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2014/0180290号に記載されている方法で、所望の位置及び/または向きで切断面74と自動的にアライメントされるように、ロボット手術システム10を操作して、切断ガイド38を自律的に位置決めすることができる。切断工具40は、切断面74と同じ一般的な向きであり、切断面74が切断工具40を通過するか、またはそれに隣接することによって、切断面74とアライメントされる。いくつかのステップにおいて、ユーザは、本明細書に記載されるような触覚ガイダンスによって、切断ガイド38を所望の位置及び/または向きに位置決めすることができる。
【0081】
ロボット手術システム10は、ナビゲーションシステム14及び関連するトラッカ18、52、54によって、かつ/またはロボットアーム24のジョイントのエンコーダによって、必要に応じて切断工具40を配置するために、切断面74に対して切断ガイド38の切断の位置及び向きを決定することができる。切断ガイド38及び/または切断工具40の現在の位置/向き、及び/または患者の生体構造に対する切断ガイド38及び/または切断工具40の所望の位置/向きを、ディスプレイ20に表示してリアルタイムで更新できるので、ユーザは、切断ガイド38及び/または切断工具40が所望の位置/向き(例えば、切断面74上)にあるときを視覚化することができる。
【0082】
図5Aでは、切断面74は、骨などの組織の外面を横切って配置されて示されている。ここで、制御システムは、切断工具40が切断ガイド38のガイド部分44と連携して位置決めされたときに切断工具40が所望の切断面74とアライメントするように、切断ガイド38を組織に対する初期ターゲット位置及び/または向きに自律的に位置決めしている。制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させて、切断ガイド38を組織から離間した開始距離D1の初期ターゲット位置及び/または向きに自律的に位置決めし、切断工具40が切断ガイド38を介して組織に接触できないようにすることができる。開始距離D1は、ガイド部分44の中心(例えば、切断ガイド38の下側のスロットの中心)から切断面74内の組織の最も近い表面までの距離として定義され得る。開始距離D1はまた、他の方法でも定義され得る。
【0083】
組織の外面は弧状または湾曲しており、切断面74は通常、外面から非垂直に延びるので、組織に近接及び/または隣接することなく、単に切断ガイド38を組織に近づけるだけで、湾曲した外面に沿った切断工具40のスカイビングが生じる可能性がある。この目的のために、
図5Bを参照すると、切断ガイド38は、最初に、組織に隣接する初期ガイド位置GL1に配置されて、そのようなスカイビングを制限する。初期ガイド位置GL1において、切断ガイド38は、組織に近接して配置され、組織に隣接していてもよい。初期ガイド位置GL1は、ナビゲーションシステム14からのデータに基づいて、ナビゲーションコントローラ48によって決定され得る。初期ガイド位置GL1は、ローカライザ16のローカライザ座標系LCLZ内の切断ガイド38のガイド座標系GCSの位置及び向きであり得て、これは、外科手術中の様々なオブジェクトの相対的な位置及び向きを追跡する目的で共通の座標系として機能し得る(他の座標系は、従来の座標変換技術を使用してオブジェクトが変換される共通の座標系として使用することができる)。したがって、初期ガイド位置GL1は、切断ガイド38の表面が組織に隣接する切断ガイド38の位置として決定することができ、切断ガイド38がターゲットの向きであるときに、組織はまた、ローカライザ座標系LCLZで追跡される。
【0084】
制御システムは、ロボットマニピュレータ22を自律的に動作させて切断ガイド38を初期ガイド位置GL1に移動させるか、またはロボットマニピュレータ22の手動操作を制御して、触覚モードなどで切断ガイド38を移動させることができる。触覚モードでは、制御システムは、ユーザが切断ガイド38をターゲットの向きから(例えば、所望の平面74から)外れて移動することを防止し、一方、ユーザが、切断ガイド38を、仮想平面境界などの1つまたは複数の仮想オブジェクトを介してターゲットの向きの任意の所望の位置に動かすことを可能にする。より具体的には、制御システムは、ユーザがエンドエフェクタ36を手動で操作して、切断ガイド38が初期ガイド位置GL1でターゲットの向きに留まるように切断ガイド38を骨に向かって組織に隣接する初期ガイド位置GL1に移動させるときに、切断ガイド38の動きを制限する。この目的のために、制御システムは、ディスプレイ20上に指示INS1を生成して(
図5Aを参照)、切断ガイド38を動かすようにユーザに指示することができる。本明細書に記載の指示とは、ディスプレイ20上の制御システムによって生成される視覚的指示を指すが、そのような指示、及び本明細書に記載される他の任意の指示は、聴覚指示または触覚指示であってもよい。
【0085】
いくつかの場合では、制御システムは、切断ガイド38がターゲットの向きは同じままでありながら、所望の軌道76に沿って初期ターゲット位置/向きから初期ガイド位置GL1にのみ並行移動できるように、切断ガイド38の動きを制限することができる(
図5Aと5Bを比較)。この場合、仮想線などの別の仮想境界をアクティブにして、所望の軌道76を定義することができる。したがって、ユーザは、切断ガイド38の向きを変えることができず、切断ガイド38を、例えば、所望の軌道76に沿って、大腿骨Fに向かって一方向にのみ動かすことができる。いくつかの実施例では、切断ガイド38の初期ガイド位置は、組織に隣接していてもよいが、必ずしも所望の軌道76またはターゲットの向きとアライメントされているとは限らない。代わりに、初期ガイド位置は、潜在的なスカイビング効果(例えば、偏り)をさらに制限するために、切断工具40が組織に対して垂直に配置される結果となる向きで定義され得る。ナビゲーションシステム14は、切断が開始されると切断工具40の深さを監視し、その後、組織への指定された侵入深さが達成されると、切断ガイド38を所望の軌道/向きに自動的にアライメントすることができる。
【0086】
図5Bから5Eを参照すると、制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させて、組織に対して初期ガイド位置GL1で切断ガイド38を効果的にロックし、切断ガイド38が組織に隣接して配置されている間に、ユーザが切断工具40で所望の切断面74に沿って初期切断を行うことができるようにする。これは、切断工具40のスカイビングを防ぐのに役立つ。組織に対して所望の位置/向きになり、ロックされると、ユーザは、切断工具40を使用して、組織に初期切断を行うことができる。これは、切断工具40を切断ガイド38のガイド部分44に挿入し、別個のユーザインタフェースUIを介して手術器具42の動作を開始することを含み得る(
図2を参照)。あるいは、制御システムは、手術器具42のモータMTを自動的に操作して、切断工具40の振動を開始し、組織の外面への初期切断を始めることができる。切断はまた、ユーザ入力(トリガーなど)に応じたものであってもよい。制御システムは、モータMTの動作を制御して、切断工具40が仮想境界に達するか超えるときなどに、切断を容易にし、かつ/または切断を停止することができる。
【0087】
図5D及び5Eを参照して、モータMTが作動すると、次に、切断工具40は、切断面74に沿って組織に向かって移動し、ノッチ80などの組織への初期切断を行う(
図5Eを参照)。1つまたは複数の仮想境界(例えば、仮想ストップ)をアクティブにして、ユーザが必要な初期ノッチ80を超えて切断するのを防ぐことができる(例えば、仮想境界は、切断面74に沿った深さの限界であり得る)。例えば、(振動に対応するために)切断工具40よりわずかに大きい横方向の幅及び初期ノッチ80の所望の深さでの深さを有する仮想境界(例えば、仮想平面)を制御システムにプログラムすることができるので、ユーザが切断工具40を初期ノッチ80よりも深くフリーハンドで動かそうとすると、工具コントローラ62がモータMTを停止するか、さもなければ切断工具40を制御して切断工具40がそれ以上組織に侵入できないようになる。
【0088】
所定の深さに到達し、初期ノッチ80が形成されると、切断工具40が切断ガイド38から引き抜かれ、切断ガイドは間隔を置いたガイド位置GL2に移動される(
図5E)。制御システムは、ユーザが所望の切断面74に沿って切断工具40を用いて組織に初期切断を行った後、初期ガイド位置GL1から間隔を置いたガイド位置GL2への切断ガイド38の引き抜きを容易にする。この切断ガイド38は、間隔を置いたガイド位置GL2でターゲットの向きに留まり、間隔を置いたガイド位置GL2は、切断工具40が所望の切断面74に沿って組織を切断し続けるのに適している。一実施例では、制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させることによって、切断ガイド38を組織から自律的に引き抜き、切断ガイド38を初期ガイド位置GL1から、間隔を置いたガイド位置GL2に移動させることによって、引き抜きを容易にする。追加的または代替的に、制御システムは、切断ガイド38が初期ガイド位置GL1にある間に、ユーザが切断工具40を用いて組織に初期切断を行うための指示INS2をディスプレイ20上に生成し(
図5B)、初期切断が行われた後、ユーザが組織から切断ガイド38を引き抜くための指示INS3を生成する。この場合、制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させて、ユーザがエンドエフェクタ36を手動で動作させて、初期切断が行われた後切断ガイド38を組織から引き抜くときに、触覚モードでの触覚フィードバックを介するなどして、切断ガイド38の動きを制限する。
【0089】
間隔を置いたガイド位置GL2は、所望の切断面74において、及び所望の軌道76に沿って定義された、別の仮想ストップなどの仮想オブジェクトによって定義され得る。間隔を置いたガイド位置GL2はまた、間隔を置いたガイド位置GL2が異なる切断工具40に対して異なるように、切断工具40に関連付けられた1つまたは複数のパラメータに基づいて決定することができる。1つまたは複数のパラメータは、切断工具40の長さ、切断工具40の幅、切断工具40が切断ガイド38を介して組織に切り込むことができる最大の深さ、及び切断工具40の追跡位置、のうちの少なくとも1つを含む。
図5Eのディスプレイ20に示されるように、ナビゲーションシステム14は、切断ガイド38が間隔を置いたガイド位置GL2にあるときに切断工具40が到達することができるエリアの領域R1の視覚的表現を生成する。これは、切断工具40の到達範囲を理解し、切断工具40が切断されることを意図されていない繊細な構造と接触することができる場所を視覚化するのに役立ち得る。間隔を置いたガイド位置GL2はまた、ローカライザ座標系LCLZにおける切断ガイド38のガイド座標系GCSの位置及び向きであり得る。
【0090】
切断ガイド38が間隔を置いたガイド位置GL2に移動されると、ユーザは、所望の切断面74に沿って組織への平面切断を行うのを終了することができる。
図5Eの指示INS4も参照されたい。
図5Fは、切断工具40を使用した切除が完了した後の組織の完成した平面FPSを示す。
【0091】
図6Aから
図8Bを参照すると、切断ガイド38は、所望の切断面74とアライメントされたターゲットの向きに留まりながら、所望の軌道76に対して異なる向きに配置されることが望ましい場合がある。切断ガイド38のそのような向きの変更は、切断工具40の到達範囲を変える。したがって、切断工具40によって切断することができる組織の領域が変化する。例えば、
図6Aに示されるように、切断ガイド38の中心軸CAが所望の軌道76(組織に対する第1のガイド角度を表す)に沿って配向される場合、切断ガイド38とフリーハンド手術器具42との物理的制約/干渉によって制限される切断工具40は、所望の切断面74内の第1のエリア/領域R1に到達することができる(
図6Bを参照)。したがって、第1の領域R1に位置する繊細な生体構造DAS(例えば、靭帯、腱、神経など)が、切断工具40で不注意に切断される可能性がある。しかしながら、切断ガイド38が、
図7Aに示されるように、その中心軸CAが所望の軌道76(組織に対する第2のガイド角度を表す)に対して鋭角になるように向きを変えられる場合、第2のエリア/領域R2は、切断工具40によってアクセス可能であり、ここで、繊細な生体構造DASは、第2の領域R2の外側にあり、切断工具40によって到達することができない(
図6B及び7Bを比較)。ロボットマニピュレータ22は、切断工具40が所望の切断面74とアライメントされたままであるように切断ガイド38の向きが変えられるように制御される。
図8A及び
図8Bに示されるように、制御システムは、切断ガイド38の向きの変更が、どのように所望の切断面74内の潜在的な組織に影響を与えるかをユーザが視覚化できるように、切断ガイド38の向きが変えられるときに切断工具40が到達できる領域R1、R2の視覚的表現を変更するように構成されている。
【0092】
図8Cから
図8Eを参照すると、両方とも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,977,021号及び第9,588,587号に記載された方法で作成された、患者固有の切断境界PSCBを有する所望の切断面74が示されている。前述のように、カスタマイズされた仮想境界は、患者固有の生体構造に基づいて作成できる。この場合、患者固有の切断境界PSCBは、例えば、術前画像化、術中画像化、及び/または外科的ナビゲーションなどによって決定されるように、患者の生体構造に基づいて、所望の切断面74における患者の大腿骨Fの切断の所望の限界を示す。患者固有の切断境界PSCBによって課せられる切断制限は、骨の特定の部分の切断を回避すること、骨を超えて切断することを回避すること、靭帯を切断することを回避すること、他の軟組織を回避することなどであり得る。患者固有の切断境界PSCBは、患者の生体構造の画像及び/またはモデルに関して定義することができ、したがって、生体構造トラッカ18を介して、または他の追跡方法を介して、共通の座標系で追跡することができる。
【0093】
一実施例では、ナビゲーションシステム14は、患者固有の切断境界PSCBに対する切断ガイド38及び/または切断工具40の、位置及び/または向きを追跡する。いくつかの場合では、制御システム(例えば、マニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び/または工具コントローラ62)は、切断工具40が切断ガイド38と連携して組織を切断するとき、切断工具40と患者固有の切断境界PSCBとの間の相互作用に応じて、切断工具40の動作を制御することができる。例えば、制御システムは、患者固有の切断境界PSCBに対する、または他の事前定義された境界に対する、切断工具40の作業端の位置及び/または向きに基づいて、切断工具40への電力を制御することができる。
【0094】
ナビゲーションコントローラ48は、以下のような、切断ガイド38及び/または切断工具40の1つまたは複数の現在の状態を判定することができ、例えば、(1)切断工具40が患者固有の切断境界PSCB内にあるかどうか(例えば、患者固有の切断境界PSCBを侵害しているかどうか)、(2)切断ガイド38及び/または切断工具40が、外科手術の特定のステップに対して正しいゾーン(例えば、容積)にあるかどうか、(3)切断工具40が患者の生体構造において所望の深さに到達したかどうか、及び/または(4)切断ガイド38及び/または切断工具40が所望の平面または軸上で動作しているかどうか、などである。そのような条件は、切断工具40に動作可能に結合されたモータMTに電力を印加することができるかどうか/いつできるかを示す。ナビゲーションコントローラ48は、現在の状態に基づいて、1つまたは複数の制御信号をマニピュレータコントローラ34及び/または工具コントローラ62に送信することができる。いくつかの実施例では、工具コントローラ62によって受信された制御信号(複数可)が、現在の状態がモータMTに電力を供給するのに適切であることを示している場合、工具コントローラ62は、モータMTに電力を印加し得る。もちろん、切断を開始するためにモータMTに電力を印加する前に、複数の条件を満たす必要がある場合がある。制御システムは、条件のうちの1つまたは複数が満たされない場合、例えば、患者固有の切断境界PSCBに到達または超過した場合、切断ガイド38及び/または切断工具40が正しいゾーンの外側にある場合、切断工具40が所望の深さにある場合、及び/または、切断工具40が所望の平面/軸を切断している場合に、切断工具40の動作を調整または停止することができる。
【0095】
制御システムは、切断ガイド38及び/または切断工具40の動作を制御し、かつ/または、切断工具40の動作を調整及び/または停止する以外の他の方法で、それらの状態に基づいてフィードバックを提供することができる。例えば、ナビゲーションコントローラ48は、1つまたは複数の制御信号をマニピュレータコントローラ34及び/または工具コントローラ62に送信して、マニピュレータ22、切断ガイド38、及び/または切断工具40を振動させて切断ガイド38及び/または切断工具40の状態のいずれかを示すことができる。例えば、偏心モータ(図示せず)、圧電素子(図示せず)などが、手術器具42内に配置され、工具コントローラ62に結合されて、そのような振動を引き起こし得る。いくつかの実施例では、ナビゲーションコントローラ48は、信号を工具コントローラ62に送信して、偏心モータ/圧電素子を動作させて、条件のうちの1つまたは複数が満たされたときに手術器具42の手持ち部分の振動を引き起こすことができる。そのような条件は、本明細書に開示される条件のいずれかを含むことができ、条件には、(1)切断工具40が患者固有の切断境界PSCBの一部の所定の距離内にあること、(2)切断工具40が患者固有の切断境界PSCBの外側にあること、(3)切断ガイド38が骨に対して所望の位置にあること、(4)切断ガイド38及び/または切断工具40が所望の平面/軸から外れていること、及び/または(5)切断ガイド38及び/または切断工具40が所望の平面/軸上にあること、などを含むがこれらに限定されない。同様のフィードバックは、追加的に、または代替的に、ユーザ及び/または他の人員が着用するリストバンド(図示せず)に送信され得る。そのようなリストバンドは、それ自体の偏心モータ、圧電素子などを含んで、振動を引き起こすことができる。リストバンドは、Bluetooth、Zigbee、または他の通信プロトコルを介してナビゲーションコントローラ48と無線通信するコントローラをさらに含み得る。振動はまた、切断ガイド38上で、及び/またはマニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び/または工具コントローラ62に動作可能に結合されたマニピュレータ22を介して(例えば、別個の偏心モータ/圧電素子を介して)生成され得る。マニピュレータ22のジョイントモータはまた、それらの転流などを介して振動を生成するように操作することができる。
【0096】
追加的に、または代替的に、制御システムは、切断ガイド38の位置決めを動的に制御して、切断工具40が患者固有の切断境界PSCBを超えて組織を切断することができないようにすることができる。例えば、
図8Cを参照すると、制御システムは、1つまたは複数の自由度で切断ガイド38の位置決めを自律的に制御することができる。例えば、
図8Cの矢印によって示される切断ガイド38の3つの可能な移動自由度を参照されたい。これは、患者固有の切断境界PSCBに対する切断工具40の配置を制御するために制御システムによって調整され得るが、切断工具40を所望の切断面74上に維持する。そのような調整に加えて、制御システムはまた、マニピュレータ22を操作して、大腿骨Fが移動するときに切断ガイド38を自動的に動かして、切断ガイド38と大腿骨Fとの間の所望の関係を維持し、例えば、所望の切断面74上で、かつ患者固有の切断境界PSCBに対して所望の配置で、切断工具40を維持することができる。
【0097】
切断ガイド38の位置及び/または向きの自律制御は、ユーザが切断ガイド38を1つまたは複数の自由度で手動で動かす(または手動で動くようにさせる)マニピュレータ22の手動操作と連携することができる。例えば、ユーザが切断ガイド38を手動で操作して1自由度、例えば垂直方向に移動するとき、制御システムは、切断ガイド38を横方向に自律的に動かして、切断ガイド38が常に、切断工具40は患者固有の切断境界PSCBを超えて侵入することができないように、配置されるようにすることができる。一実施形態では、力/トルクセンサ60が採用されていると、ユーザは、要望を示す入力の力を実質的に垂直方向に適用して切断ガイド38を大腿骨Fに向かって下方に移動させることができる。しかしながら、単にユーザの所望の動きをエミュレートし、それに応じて切断ガイド38を垂直方向にのみ動かす代わりに、制御システムは、切断ガイド38を横方向及び垂直方向に動かすことによって制御システムがユーザの操作に反応するように、ユーザの加えた垂直方向の力に横方向の力を加えて、患者固有の切断境界PSCBを超えて組織を切断するのを回避することができる(例えば、
図8Cと8Dを比較されたい)。
【0098】
いくつかの実施例では、ガイド44は、切断工具40がガイド44に対して横方向または傾斜した動きから実質的に制限されるようなサイズになっている。切断工具40の長さ、切断工具40の幅、ガイド44の長さ、及びガイド44の幅に関するデータは、(例えば、ナビゲーションコントローラ48内の)制御システムのメモリに入力して、切断ガイド38に完全に挿入されたときの切断ガイド38の位置及び/または向きを、切断工具40の位置及び/または向きに相関させることができる。切断工具40の位置及び/または向きはまた、患者固有の切断境界PSCBに対する切断工具40の作業端の位置及び/または向きを決定するために、本明細書に記載の技術を使用して測定することができる。
図8Cから
図8Eは、切断工具40が患者固有の切断境界PSCBを超えて侵入するのを防ぎながら、ユーザが所望の切断面74に沿って大腿骨Fを切断することを可能にする切断ガイド38の手動及び/または自律移動のシーケンスを示す。
【0099】
前述のように、一部の外科手術では、複数の平面切断、複数のペグ/パイロット穴など、組織に多くの異なる切断を行う必要がある場合がある。したがって、外科手術は、しばしば、そのような切断の所望のシーケンスで実行される。シーケンスは、制御システムによって後で検索されて、ロボットマニピュレータ22の動作を制御して、所望のシーケンスで切断を実行するために、制御システム内のメモリに格納され得る。例えば、制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させて、切断工具40が複数の所望の切断面/軸とアライメントして複数の切断を所望のシーケンスで行うように、切断ガイド38を自律的に位置決めすることができる。追加的に、または代替的に、制御システムは、メモリに格納された所望のシーケンスを参照して、ユーザに対してディスプレイ20に表示されるステップのワークフローを制御し、ユーザによって所望のシーケンスで切断が行われるようにすることができる。切断ガイド38(または複数の異なる切断ガイド)の所望の位置決めのシーケンスは、手術のタイプに基づくデフォルト設定によって確立され得るか、または、ユーザ選好、所望の切断面/軸間の距離、所望の切断面/軸に対する切断ガイド38の現在のアライメント、及び、所望の切断面/軸に到達するための切断ガイド38の必要な動き、などの所定の基準に基づくことができる。
図9は、入力デバイスの1つを介してディスプレイ20上の「1」及び「2」をトグルすることによって、ユーザが平面切断の所望のシーケンスを選択するように促される指示INS5の一例を示す。選択されると、制御システムは、切断ガイド38を所定の位置に移動する準備ができた状態になり、その結果、切断工具40は、第1の平面切断のための第1の所望の切断面とアライメントする(例えば、半自律モード、触覚モードなどでの操作を介して)。第1の平面切断が完了すると、制御システムは、切断工具40が第2の平面切断のための第2の所望の切断面とアライメントするように、切断ガイド38を位置決めする準備ができる(例えば、半自律モード、触覚モードなどでの操作を介して)など、必要なすべての切断が行われるまで、このような作業を繰り返す。他の実施例では、ロボットマニピュレータ22は、例えば、ボタン、タッチスクリーン、ハンドジェスチャなどを介して、ユーザ入力に基づいて、次の位置(例えば、第2の所望の切断面)に移動するように指示される。追加的に、または代替的に、ユーザ入力は、次の位置を移動したいという要望を示すために、そのような方向及び/または大きさである、切断ガイド38、ロボットマニピュレータ22、または他の場所にユーザによって加えられる力を含み得る。
【0100】
いくつかの実施例では、骨に行われる所望の切断は、切断工具40を所望の切断位置またはその近くに物理的に位置決めし、対応する入力を所望の切断位置で(例えば、押しボタン、タッチスクリーン、フットペダル、ジェスチャーなどを介して)、切断ガイド38を使用せずに一度ナビゲーションコントローラ48に提供することによって示され得る。そのような配置中に、ナビゲーションシステム14は、骨に対する切断工具40の姿勢を追跡して、切断のシーケンスのどの切断が識別されているか(例えば、入力が受信されたときにユーザの配置に最も近いもの)を判定する。ナビゲーションコントローラ48は、ディスプレイ20上で切断を自動的に識別し、切断を確認する入力をユーザに促すことができる。所望の切断が確認されると、ナビゲーションコントローラ48は、対応する入力信号をマニピュレータコントローラ34に送信し、マニピュレータコントローラ34は、次に、所望の切断に関連付けられた初期ガイド位置に切断ガイド38を自動的に配置することができる。ナビゲーションポインタPは、ユーザが次の切断を行いたい骨上の位置を指すために同様の方法で使用することができ、ナビゲーションコントローラ48は、上記のように応答することができる。
【0101】
図10を参照すると、ナビゲーションシステム14は、治療される組織の速度または加速度のうちの1つまたは複数を判定するように構成されている。例えば、トラッカ18を介した組織の追跡により、ナビゲーションシステム14は、ローカライザ座標系LCLZの軸の周り及び軸に沿った位置及び速度の変化を含む、組織の位置/速度の経時変化を監視することができる。したがって、速度及び/または加速度の限界を設定することができ、監視された速度及び/または加速度をそれらの限界と比較して、それらの限界をいつ超えるかを確認することができる。
図10に示すように、関連する警告をディスプレイ20に表示することもできる。
【0102】
いくつかの場合では、組織は、ロボットマニピュレータ22が効果的に応答し、依然として、切断ガイド38と所望の切断面または所望の切断軌道/軸とのアライメントを維持できるよりも速くかつ/またはより大きな加速度で移動し得る。限界は、そのような状況及び組織の望ましくない切断の可能性を防ぐために設定することができる。一実施形態では、制御システムは、所定の限界の1つを超える組織の速度及び加速度のうちの1つまたは複数に応じて、ロボットマニピュレータ22をフリーモードに(例えば、半自律モードまたは触覚モードから)切り替える。結果として、切断ガイド38及び/または切断工具40は、所望の切断面または所望の切断軌道/軸からロック解除され、組織に対して自由に動くことができる。さらに、工具コントローラ62を介するなどの制御システムは、切断工具40を駆動するモータMTの動作を中止することができる。ナビゲーションシステム14は、フリーモードに切り替えた後、組織の速度/加速度を継続的に監視し、制御システムは、半自律モード、触覚モードなどを介して、切断ガイド38を再位置決めする(または切断ガイド38の再位置決めを可能にする)ことができ、その結果、速度及び加速度のうちの1つまたは複数が所定の限界(複数可)以下である状態を再開したと判断したナビゲーションシステム14に応じて、切断工具40が所望の切断面または所望の切断軌道/軸と再アライメントされる。
【0103】
図11を参照すると、前述のように、ローカライザ16のセンサSは、トラッカ18への視線に依存して、能動または受動の追跡要素またはマーカMから光を受け取ることができる。時には、マーカMの1つまたは複数は、ローカライザ16のセンサSの1つまたは複数の視界から遮断され得る。その結果、トラッカ18及びトラッカ18が取り付けられている関連オブジェクトの位置及び向きの信頼できる追跡が停止する。ナビゲーションシステム14は、センサSからのフィードバックに基づいて、マーカMの1つまたは複数が、ローカライザ16の視界から遮断されているかどうかを判定することができる。例えば、ナビゲーションコントローラ48は、一方のセンサSのみがマーカMからの光を受信し、もう一方のセンサSはマーカMからの光を受信していないため、マーカMの位置を三角測量することができない。マーカMの1つが視界から遮断されていると判断することに応じて、制御システムは
図11に示されるように、組織からの切断ガイド38の引き抜きを容易にする。そのような引き抜きは、自律的であり得るか、またはフリーモードまたは触覚モードなどで、切断ガイド38を引き抜くためのディスプレイ20上のユーザへの指示INS6の形態であり得る。制御システムは、本明細書に記載されるように、遮断状態の場合にロボットマニピュレータ22の動作を自動的にフリーモードまたは触覚モードに切り替え、移動のために切断ガイド38のロックを解除し、かつ/または切断工具40のモータMTの動作を中止することができる。例えば、組織の追跡は、トラッカ18が遮断されているためにもはや信頼できないので、制御システムは、ロボットマニピュレータ22を動作させて、マーカMの1つまたは複数が視界から遮断される前に、ナビゲーションコントローラ48及び/またはマニピュレータコントローラ34に格納された切断ガイド38の向き/軸に沿って組織から切断ガイド38を引き抜くように構成され得る。ナビゲーションシステム14は、ブロックされた状態を継続的に監視し、マーカMがローカライザ16の視界からもはや遮断されていないことに応じて、制御システムは、半自律モード、触覚モードなどを介して、切断ガイド38を再位置決めする(または切断ガイド38の再位置決めを可能にする)ことができ、その結果、切断工具40は、所望の切断面または所望の切断軌道/軸と再アライメントされる。
【0104】
図12及び
図13を参照すると、制御システムは、切断工具40によって切断ガイド38に加えられた荷重を感知するため、及び/または切断工具40の偏りを感知するために、切断ガイド38に結合された1つまたは複数の工具荷重センサ82(
図13を参照)を備える。工具荷重センサ82は、1つまたは複数のロードセル、圧力センサ、光学センサ、ホール効果センサ、超音波センサなど、及び/または切断工具40によって切断ガイド38に加えられた荷重、及び/または切断工具40の関連する偏りを測定/検出するための他の任意の適切なセンサを含み得る。
図13に示される実施例では、工具荷重センサ82は、ガイド部分44(例えば、スロット)に露出されるように切断ガイド38の本体に固定された圧力センサを備え、作業端Wにある切断工具40上にかけられた任意の偏り荷重(隠れ線を参照)が圧力センサによって感知され、関連する入力信号が生成されるようにする。
【0105】
工具荷重センサ82は、マニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び工具コントローラ62(
図2を参照)に結合され、必要に応じてこれらのコントローラ34、48、62のいずれかに入力信号を提供する。工具荷重センサ82からの測定値は、例えば、測定値が所定の限界を超える場合に、切断工具40が望ましくない方法で偏向していることの指標を提供し得る。したがって、制御システム(例えば、工具コントローラ62)は、所定の限界の1つを超える切断工具40によって切断ガイド38に加えられた荷重に応じて、切断工具40のモータMTの動作を停止して、切断工具40による切断を中止することができる。追加的に、または代替的に、制御システムは、ロボットマニピュレータ22に、そのような荷重/偏りを補償するために切断ガイド38を動かすように指示することによって、そのような荷重/偏りに対処することができる。一部のユーザは、もともと、そうすることを望まずに小さな偏向荷重を加える傾向があり得るが、制御システムはそのような傾向に対処することができる。例えば、検出された荷重が5度の偏りと同等である場合、制御システムは、ロボットマニピュレータ22に、切断ガイド38を反対方向に約5度回転させるように指示することができる。その結果、偏りの正味の効果は、切断工具40が所望の軌道/平面に沿って操作されるなどの結果をもたらす。いくつかの実施例では、測定された荷重が第1の閾値荷重よりも大きいが第2の閾値荷重未満である場合、このような補償を使用することができる。いくつかの実施例では、ユーザが切断工具40に力を加えて、測定された荷重が第2の閾値を超える場合、これは、ユーザが切断ガイド38を次の位置、例えば、次の所望の切断面に対して向きを変えるのを望んでいるという徴候の可能性がある。したがって、制御システムは、そのような荷重が加えられたことを検出することに応じて、切断ガイド38を次の所望の切断面に自動的にアライメントすることができる。これは、切断工具40も組織から特定の距離だけ引き抜かれることを検出することと組み合わせて、途中で他の組織と係合することなくそのような向きの変更を可能にすることができる。
【0106】
制御システムはまた、
図12に示されるように、切断ガイド38上に配置された1つまたは複数の視覚インジケータなどの工具荷重インジケータ84を備え得る。工具荷重インジケータ84は、切断工具40によって切断ガイド38に加えられた所定の限界を超える荷重に応じて、制御システム(例えば、マニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び/または工具コントローラ62)によって起動され得る。
図12に示される工具荷重インジケータ84は、マニピュレータコントローラ34によって制御される発光ダイオード(LED)などの1つまたは複数のライトを含み、色付きの光を連続的に放出することができるが、所望の周波数で動作してフラッシュ/点滅してもよいし、及び/または複数の色の光を発してもよい。工具荷重インジケータ84は、1つまたは複数の視覚インジケータ、触覚インジケータ、及び聴覚インジケータを含み得る。
図12に示すように、別個の視覚インジケータは、ディスプレイ20上の関連するメッセージであり得る。
【0107】
図14及び
図15を参照すると、制御システムは、切断ガイド38に対する切断工具40の位置を感知するために、切断ガイド38に結合された1つまたは複数の工具位置センサ86(
図15を参照)を備える。より具体的には、位置センサ86は、制御システムが、切断ガイド38及びその関連ガイド部分44の位置及び向きを監視するナビゲーションシステム14と、切断ガイド38内の切断工具40の位置を検出する工具位置センサ86との組み合わせを介して、患者12の組織に対する切断工具40の作業端Wの位置を判定できるように、切断工具40の作業端W(例えば、先端、遠位端など)の位置を特定するのを支援する。したがって、工具位置センサ86は、それ自体の座標系を有するか、またはガイド座標系GCS内の既知の位置に配置され得、その結果、位置センサ86から得られる測定は、ガイド座標系GCSに対しても行われることができ、これが共通の座標系、例えばローカライザ座標系LCLZに変換され得る。位置センサ86は、トラッカ18を切断工具40及び/またはそれが取り付けられているフリーハンド手術器具42上に配置する代わりに、またはそれに加えて使用することができる。
【0108】
工具位置センサ86は、1つまたは複数の光学センサ、ホール効果センサ、超音波センサなど、または切断ガイド38内の切断工具40の位置を測定/検出するための他の任意の適切なセンサを含み得る。
図13に示される実施例では、工具位置センサ86は、切断ガイド38の本体に固定され、ガイド部分44(例えば、スロット)に露出される、CCDまたはCMOSなどの1つまたは複数の光学センサを備え、切断工具40上のマーキング88が光学センサに見えるようにする。光学センサは、ガイド部分44の反対側に間隔を置いて位置決めすることができ、及び/または2つ以上の光学センサは、ガイド部分44の同じ側に間隔を置いて配置することができ、その結果、ガイド部分44における切断工具40の任意の傾斜を検出することができ、または単一の光学センサを使用することもできる。いずれの場合も、光学センサは、切断工具40上のマーキング88を読み取り、切断ガイド38に対する切断工具40の深さを判定する。この目的のために、各深さでのマーキング88は異なっていてもよく、またはマーキングM間の間隔は、マーキング88の画像を生成する光学センサによって深さが判定され得るようなものであってもよい。一実施例では、光学センサは、光学リニアエンコーダと同様に動作することができる。
【0109】
工具位置センサ86は、マニピュレータコントローラ34、ナビゲーションコントローラ48、及び工具コントローラ62に結合され、必要に応じてこれらのコントローラ34、48、62のいずれかに入力信号を提供する。工具位置センサ86からの測定値は、ローカライザ座標系LCLZ内の切断ガイド38の位置及び向きに関するナビゲーションデータと組み合わせて、切断される組織の位置と向きに対してローカライザ座標系LCLZにおける切断工具40(例えば、作業端)の位置及び/または向きを判定することができる。したがって、制御システムは、次に、切断ガイド38、切断工具40、及び/または組織の画像をディスプレイ20上、または他の場所に生成し、画像をリアルタイムで更新することができるので、ユーザは切断ガイド38、切断工具40、及び/または組織の間の相対的な動きをディスプレイ20上で見ることができる。さらに、切断工具40の位置及び/または向きを知ることによって、制御システムは、仮想切断境界などの任意の仮想オブジェクトに対するその動きを追跡し、それに応じて、例えば、切断工具40の作業端Wが境界を超えたことを制御システムが検出した場合にモータMTへの電力を遮断することによって反応することができる。同様に、制御システムは、切断工具40が切断ガイド38内にあることを制御システムが検出すると、モータMTへの電力が切断工具40の動き(例えば、回転、並進、振動など)を引き起こすことを可能にし得る。したがって、いくつかの場合では、切断工具40は、切断ガイド38の外側では動作不能であり、動力がモータMTに分配されるように、少なくとも部分的に切断ガイド38内に配置されなければならない。
【0110】
追加的に、または代替的に、ナビゲーションシステム14はまた、切断ガイド38に対する切断工具40の位置を追跡して、切断工具40が切断ガイド38内にあるか、そうでなければ切断ガイド38と係合しているかを判定し、すなわち、切断ガイド38に対する切断工具40の係合状態を判定することができる。次に、マニピュレータコントローラ34は、この情報を利用して、切断ガイド38を動かすためにマニピュレータ22を操作することが適切であるかどうか/適切である場合を判定する。例えば、ナビゲーションコントローラ48は、切断工具40が切断ガイド38のガイド44(例えば、スロット)の1つに配置されていることを示す正の係合状態信号をマニピュレータコントローラ34に送信することができる。それに応じて、マニピュレータコントローラ34は、ユーザが切断工具40を切断ガイド38から取り外すまで、切断ガイド38を動かす操作を無効化/防止することができる。逆に、いくつかの場合では、マニピュレータコントローラ34は、切断工具40が切断ガイド38内に存在する場合に特定の操作のみを許可し得る。
【0111】
いくつかの実施例では、ナビゲーションコントローラ48は、切断ガイド38の3次元モデルなど、切断ガイド38に関連付けられた幾何学的データ(例えば、メモリに格納されている)を備えており、これはガイド座標系GCSで初めに定義されて、次に、ローカライザ座標系LCLZを含む任意の適切な座標系に(例えば、座標変換などを介して)変換することができる。切断ガイドモデルは、ソリッドボディモデル、三角分割メッシュ、及び/または他の形態の表面または容積モデルなどを含み得る。この幾何学的データは、ナビゲーションコントローラ48のガイド部分44(例えば、スロット)の座標/位置を定義する。さらに、ナビゲーションコントローラ48は、切断工具40の3次元モデルなど、切断工具40に関連付けられた幾何学的データ(例えば、メモリに格納されている)を備えており、これは工具座標系で初めに定義されて、次に、ローカライザ座標系LCLZを含む任意の適切な座標系に変換することができる。切断工具は、ソリッドボディモデル、三角分割メッシュ、及び/または他の形態の表面または容積モデルなどを含み得る。上記のトラッカ及び/または他の追跡モダリティのおかげで、ナビゲーションコントローラ48は、切断ガイド38のガイド部分44に対する切断工具40の姿勢を追跡することができる。さらに、ナビゲーションコントローラ48は、それによって、切断工具40がガイド部分44の1つに存在するかどうかを検出することができる(例えば、同じ座標系におけるそれらの現在の座標を比較することによって)。いくつかの実施例では、切断工具40がガイド部分44の1つにあるとナビゲーションコントローラ48によって検出されたとき、例えば、正の係合状態信号のとき、工具コントローラ62は、切断工具40のモータMTに電力を供給することができる。例えば、ナビゲーションコントローラ48は、対応する信号を工具コントローラ62に送信することができる。逆に、工具コントローラ62は、切断工具40がガイド部分44のいずれにも存在しないことをナビゲーションコントローラ48が検出し、対応する負の係合状態信号を工具コントローラ62に送信するときに、モータMTへの電力を停止または無効化することができる。
【0112】
追加的に、または代替的に、切断ガイド38は、ガイド部分44内の切断工具40の存在/不在を検出する切断ガイド38に結合されたセンサを有し得る。これらのセンサは、近接センサ、リミットスイッチ、超音波センサ、モーションセンサ、光学センサ、それらの組み合わせなどであり得、これらは、工具コントローラ62によって使用されて、モータMTへの電力を、ガイド部分44のいずれかにおける切断工具40の存在/不在に基づいて制御することができる。いくつかの実施形態では、センサは、有線または無線(例えば、Bluetooth、Zigbee、赤外線など)を介して工具コントローラ62と直接通信して、ガイド部分44内の切断工具40の有無に基づいてモータMTへの電力を制御する。切断工具40は、有線または無線通信方式のいずれかを使用する任意の適切な通信手段を使用して制御することができる。
【0113】
図15A及び
図15Bを参照すると、1つまたは複数の識別デバイス87を使用して、切断ガイド38及び/または切断工具40を識別することもできる。識別デバイス87は、光学センサ、RFセンサなどのような1つまたは複数のセンサ、または切断ガイド38及び/または切断工具40を識別するための他の任意の適切なセンサを備え得る。
図15Aに示される実施例では、識別デバイス87は、切断工具40上の1つまたは複数のマーキング/タグ91を読み取るためのスキャナ/リーダ89を備えることができる。例えば、スキャナ/リーダ89は、バーコードスキャナ、QRコード(登録商標)スキャナ、RFIDリーダなどであり得、マーキング/タグ91は、バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDタグ、または任意の他の適切な形態の識別子であり得る。スキャナ/リーダ89は、別個の携帯型電子デバイスであってもよく、マニピュレータ22に取り付けられてもよく、切断ガイド38に取り付けられるなどしてもよい。
【0114】
識別デバイス87は、追加的に、または代替的に、マシンビジョン技術を使用する1つまたは複数のカメラ93(例えば1つまたは複数のCCDまたはCMOSセンサを有する)及び関連するマシンビジョンコントローラを備え、切断ガイド38及び/または切断工具40の画像を取得し、切断ガイド及び/または切断工具40ついて撮影された画像を格納された画像のライブラリと照合することによって、切断ガイド38及び/または切断工具40の形状、サイズ及び/または構成を検出して、以下に説明するように、識別に使用されるパターン認識または他の画像処理アルゴリズムを使用して切断ガイド38及び/または切断工具40を識別する。マシンビジョンコントローラは、切断ガイド38及び/または切断工具40の画像を取得するために、アナログまたはデジタルインタフェースのいずれかを使用するフレームグラバーを備えることができる。追加的に、または代替的に、カメラ93は、マシンビジョンコントローラに直接接続することができるデジタルカメラを含み得る。2次元/3次元イメージング、マルチスペクトルイメージング、飛行時間型カメラ及びイメージング、グリッドアレイベースのイメージング、及び/または立体視/イメージングなどを使用することができる。
【0115】
カメラ93によって画像が取得された後、それらは処理される。処理の複数の段階を使用して、画像から切断ガイド38及び/または切断工具40を抽出することができる(例えば、画像に関連付けられた画像データを、マシンビジョンコントローラまたはマシンビジョンコントローラに結合されているナビゲーションコントローラ48に格納されたオブジェクトデータと比較することによる)。使用できるマシンビジョン画像処理方法には、スティッチング/レジストレーション、フィルタリング、閾値処理、ピクセルカウント、セグメンテーション、エッジ検出、カラー分析、ブロブの検出と抽出、パターン認識/テンプレートマッチング、2次元バーコード読み取り、及び/もしくは光学式文字認識の方法、ならびに/または識別の目的で画像を処理するための他の適切な方法が含まれる。
【0116】
図15Bに示される実施例では、識別デバイス87は、切断ガイド38の本体に固定され、ガイド部分44(例えば、スロット)に露出されるCCDまたはCMOSなどの1つまたは複数の光学センサ95を備え、切断工具40上のタグが光学センサ95に見えるようにする。いくつかの場合では、切断ガイド38の識別は、ユーザインタフェース上でユーザによって選択された結果として、または切断ガイド38をマニピュレータ22に取り付けるときに、例えば、RFIDタグ/リーダなどを介して切断ガイド38を別個に識別することによって、ナビゲーションコントローラ48のメモリにすでに格納されていてもよい。
【0117】
識別デバイス87は、ナビゲーションコントローラ48に結合されて、画像データ、コードデータなどのデータをナビゲーションコントローラ48に送信し、ナビゲーションコントローラ48が切断ガイド38及び/または切断工具40を識別できるようにすることができる。例えば、特定の切断ガイド38及び/または切断工具40は、スキャンされたバーコード、QRコード(登録商標)、RFIDデータなどを、様々な既知の切断ガイド及び/または切断工具に関連付けられた識別子のルックアップテーブルにリストされ、ナビゲーションコントローラ48のメモリに格納されている識別子と、比較及び照合することによって識別され得る。ルックアップテーブルはまた、各切断工具を、特定の切断工具での使用に適した1つまたは複数の許容可能な切断ガイドと関連付けることができる。結果として、ナビゲーションコントローラ48は、どの切断ガイド38が使用されているか、どの切断工具40が使用されているのか、及びその特定の切断工具がその特定の切断ガイド38と共に使用するのに適切であるかどうかを判定することができる。切断工具40が切断ガイド38と共に使用するのに適切でない場合、工具コントローラ62はモータMTの動作を無効化/防止することができ、マニピュレータコントローラ34は切断ガイド38の動きを無効化/防止することができ、制御システムはディスプレイ20を介してユーザ通知して続行するためのユーザからの確認を促すことができ、及び/または制御システムは、他の適切な応答をトリガーすることができる。逆に、切断工具40がナビゲーションコントローラ48によって切断ガイド38と共に使用するのに適していると判定された場合、動作は正常に進行し得る。
図16を参照すると、関節リンケージ90は、エンドエフェクタ36のベース92と切断ガイド38とを相互接続して、切断ガイド38の動きをエンドエフェクタ36のベース92に対して単一の平面SP1に制限する。関節リンケージ90は、能動的、受動的、またはそれらの組み合わせであり得る。示されるように、関節リンケージ90は、複数のリンク94、96、98、100を備える。多かれ少なかれリンクは他の実施例でも可能である。ここで、第1のリンク94は、一端でエンドエフェクタ36のベース92に固定され、ベース92から第1の回転ジョイント102まで延びる。第2のリンク96は、第1の回転ジョイント102で第1のリンク94に枢動可能に接続され、第1の回転ジョイント102から第2の回転ジョイント104まで延びる。第3のリンク98は、第2の回転ジョイント104で第2のリンク96に枢動可能に接続され、第2の回転ジョイント104から第3の回転ジョイント106まで延びる。第4のリンク100は、第3の回転ジョイント106で第3のリンク98に枢動可能に接続され、第3の回転ジョイント106から切断ガイド38まで延び、すなわち、切断ガイド38は、第4のリンク100の一端に固定される。
【0118】
リンク94、96、98、100及びジョイント102、104、106の構成の結果として、切断ガイド38は、
図16の矢印によって示されるように、3つの自由度で動くことができる。他の構成も可能である。追加的に、または代替的に、並進ジョイント、または他のジョイントタイプも使用することができる。ジョイント102、104、106は、1つまたは複数のロックデバイス108、例えば、クランプ、ファスナ(例えば、締め付けボルト/ナット)、ブレーキなどによって、切断ガイド38を所望の位置に保持するようにロック可能であり得る。ジョイントの周りの回転を制限するために、ジョイントストップ(図示せず)を使用することもできる。ジョイントストップは手動で設定することも、自動化して制御システムで設定することもできる。回転エンコーダ、ポテンショメータ、または他のタイプのセンサなどのアーム位置センサ110を、ジョイント102、104、106のそれぞれに配置して、リンク96、98、100の現在の回転位置を判定し、エンドエフェクタ36のベース92に対する切断ガイド38の位置及び向きを判定することができる。追加的に、または代替的に、別個のトラッカ18を切断ガイド38上に配置し、切断ガイド38に較正/登録して、共通の座標系(例えば、ローカライザ座標系LCLZ)における切断ガイド38の位置及び向きを追跡することができ、その結果、組織に対する切断ガイド38の位置が判定され、制御システムによって使用されて、本明細書に記載の機能及び方法を実施することができる。
【0119】
図16Aは、エンドエフェクタ36のベース122と切断ガイド38とを相互接続して、ベース122に対する切断ガイド38の移動を容易にする別の関節リンケージ120を示す。この例では、関節リンケージ120は、ベース122と切断ガイド38とを相互接続する可撓性工具124を備える。可撓性工具124は、ベース122から切断ガイド38まで延びる導管125を備えることができる。導管125は、近位領域と、近位領域に対して屈曲することができる遠位領域DRとを有する。導管125は、プラスチック、金属、それらの組み合わせで形成することができ、いくつかの場合では弾性または半弾性であり得る。導管125は、近位領域では比較的剛性であり、遠位領域DRでは可撓性であり得、その結果、遠位領域DRは、近位領域に対して屈曲することができる。
【0120】
示される例では、可撓性工具124は、遠位領域の動きを制御するための1つまたは複数の制御ワイヤ128を備える。2つの制御ワイヤ128のみが示されているが、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の制御ワイヤを使用することができ、導管125の壁の内側の可撓性工具124の長さに沿って延在するか、または導管125の管腔内に延在することができる。2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の制御ワイヤ128が使用される場合、それらは、その長さに沿って導管125の中心の周りに円周方向に等間隔に配置され得る。制御ワイヤ128は、導管125の遠位端で導管125に固定され得る。
【0121】
制御デバイス126は、制御ワイヤ128の張力を制御するために可撓性工具124に取り付けられている。制御ワイヤの張力は、概して張力をかけられた制御ワイヤの方向に遠位領域DRの偏りを引き起こす。制御デバイス126は、制御ワイヤ128の張力を制御するために制御ワイヤ128に動作可能に結合されたハンドル130及びアクチュエータ132を備える。示される実施例では、アクチュエータ132は、レバー136の動きに応じて回転するドラム134を備える。制御ワイヤ128は、導管125の遠位端からドラム134まで延在し、そしてドラム134に固定され、それにより、ドラム134が第1の方向に回転するとき、第1の制御ワイヤ128aに張力がかけられ、それと同時に第2の制御ワイヤ128bは弛緩され、ドラム134が反対方向に回転すると、第2の制御ワイヤ128bは張力がかけられ、それと同時に第1の制御ワイヤ128aは弛緩される。アクチュエータ132の動作は、導管125の遠位領域DRの所望の偏り、及び導管125の遠位端に固定されている切断ガイド38の対応する動きを引き起こす。3つ以上の制御ワイヤが使用される実施形態では、追加のハンドル/アクチュエータを使用して、追加の制御ワイヤを操作することができる。ノブ、ダイヤル、モータなどの他の形式のアクチュエータを使用して、制御ワイヤに張力をかけることができる。参照により本明細書に組み込まれる「Surgical Instrument with Articulating Region」と題された米国特許出願公開第2018/0242962号に示されているものなど、他の関節リンケージも使用することができる。
【0122】
図16Bは、組織に対して切断ガイド38を位置決めするためにベース142と切断ガイド38との間に使用することができる関節リンケージ140の別の実施例を示す。この実施例では、関節リンケージ140は、切断ガイド38の位置を制御するための蛇状のロボットマニピュレータを備える。
【0123】
いくつかの実施形態では、切断ガイド38を動かして所望の軌道/平面に沿って組織とアライメントさせることに加えて、患者の組織を動かして、切断ガイド38との所望のアライメントを提供することができる。これは、手動で、または患者に結合された1つまたは複数のマニピュレータを使用して実行できる。患者の組織を動かすために使用することができるそのような配置は、例えば、「Motorized Joint Positioner」と題された米国特許出願公開第2014/0188129号に示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0124】
図17を参照すると、組織に対して切断ガイド38を配置するために制御システムによって実行されるステップの一例が示されている。ステップ200において、切断ガイド38は、
図5Aに示され、そして上記に説明されるように、切断される組織に対して初期ターゲット位置及び/または向きに最初に自律的に位置決めされる。ステップ202において、切断ガイド38が初期ターゲット位置及び/または向きに配置されると、制御システムは、ユーザが切断ガイド38を
図5Bに示される初期ガイド位置GL1に移動するかまたは移動させる準備ができている。制御システムは、ユーザがエンドエフェクタ36を手動で操作して、切断ガイド38が初期ガイド位置GL1でターゲットの向きに留まるように切断ガイド38を組織に向かって組織に隣接する初期ガイド位置GL1に移動させるときに、切断ガイド38の動きを制限する。ステップ204において、切断工具40が初期ガイド位置GL1で切断ガイド38に挿入されて初期切断を行った後、制御システムは、前述の方法で初期ガイド位置GL1か間隔を置いたガイド位置GL2への切断ガイド38の引き抜きを容易にする。
【0125】
図18を参照すると、いくつかの実施例では、切断ガイド38が追跡されることに加えて、切断工具40がナビゲーションシステム14または別個のナビゲーションシステムによって追跡されるときに、様々な制御方法を採用することができ、その結果、制御システム(例えば、工具コントローラ62)は、患者の組織に対する切断工具40の位置に基づいて、切断工具40の動作を制御することができる。そのような制御は、モータMTの動作の中止、モータMTの速度の変更などを含み得る。
【0126】
同様に、RF工具、超音波工具、レーザーなどの他のタイプの切断工具の場合、制御システムは、組織に加えられる関連するRFエネルギーを制御する(例えば、シャットダウンする、変化させるなど)、超音波チップの振動を制御する(例えば、シャットダウンする、変化させるなど)、電力を制御する(例えば、シャットダウンする、変化させるなど)などができてもよい。
図18は、1つの方法で実行され得る手順を示す。ステップ300において、切断ガイド38は、最初に、組織に対して所望の位置にロボットで配置される。そのようなロボット制御は、フリーモード、触覚モード、半自律モードなどでのロボットマニピュレータ22の制御を含み得る。ステップ302において、切断工具40の位置及び/または向きは、上記のように、組織に関連付けられたカスタマイズされた仮想境界などの仮想オブジェクトに対して追跡される。ステップ304において、切断工具40の動作は、例えば、前述のように、切断工具40が切断されることを意図されていない組織を切断するのを防ぐために、切断工具40とカスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じて制御される。
【0127】
図19は、外科手術を実行するために制御システムによって実行されるステップ400の詳細な実施例を示す。
図19に示されているステップは単なる例示であり、これらのバリエーションが企図されていることを理解されたい。さらに、制御システムへの入力を提供するための、様々な形式のユーザ入力について以下に説明する。しかしながら、他の形式のユーザ入力も企図されている。本明細書に記載の入力機能を実行する際に利用できる適切なユーザ入力デバイスには、手術器具42、切断ガイド38、マニピュレータ22、及び/または他の場所にあるプッシュボタンと、ジェスチャー制御デバイスと、タッチスクリーン(例えば、ディスプレイ20に関連付けられている)と、センサと、スイッチと、フットペダルと、ナビゲーションポインタPと、切断工具40、マニピュレータ22、または他のデバイスの指定された動き/操作と、力/トルクセンサ60からの入力、などが含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
最初に、マニピュレータは制御システムによって、現在の位置と向きにロックされ、保持される。これは、重力の影響に対抗することによって、切断ガイド38に加えられたいかなる力/トルクにも反応しないことによって、など、マニピュレータコントローラ34がジョイントモータに能動的に電力を供給して、現在の位置及び向きを維持することによって達成され得る。ステップ402において、ユーザが、マニピュレータコントローラ34及び/またはナビゲーションコントローラ48に動作可能に結合された第1のユーザ入力を作動させて、対応する入力(例えば、切断ガイド38上に配置されたボタン)を提供する。これは、ユーザ入力を押すこと、及びユーザ入力を作動状態に保持すること(例えば、ボタンを連続的に押し下げること)を含み得る。結果として、制御システムは、ステップ404でマニピュレータ22をフリーモードにし、ステップ406においてユーザが切断ガイド38に力及びトルクを加えて切断ガイド38を動かし、切断ガイド38を所望の切断面にアライメントすることを可能にする。このような入力は、ユーザ入力を切り替えることによっても、または他の形式のユーザ入力によっても実行できる。
【0129】
ディスプレイ20は、所望の切断面の現在の位置及び向きに関して、切断ガイド38の現在の位置及び向きのリアルタイムの更新を示すことができる。結果として、ユーザは、切断ガイド38は所望の姿勢またはその近くにあることをディスプレイ20が示すまでディスプレイ20を監視することによって、ステップ406で切断ガイド38の手動アライメントを実行することができる。ディスプレイ20上での切断ガイド38及び/または所望の切断面の視覚的表現は、(まだ挿入されていなくても、切断ガイド38内にすでに存在するかのように)切断ガイド38の2次元もしくは3次元表現及び/または切断工具40の表現とすることができ、これにより、ユーザは、切断ガイド38を所望の切断面に視覚的にアライメントすることができる。聴覚、触覚、または他のフィードバックを使用して、ユーザが切断ガイド38を所望の切断面上に、または所望の切断面に関連付けられた仮想境界に対して手動でアライメントするのを助けることもできる。
【0130】
ステップ408において、ユーザは、第1のユーザ入力を解除するか、第1のユーザ入力を別の状態に切り替えるか、そうでなければ、ユーザが手動アライメントを完了したことを示す入力を提供する。それに応じて、制御システムは、切断ガイド38を、患者12の骨に対するその現在の位置及び向きにロック及び保持する。これは、重力の影響に対抗することによって、切断ガイド38に加えられたいかなる力/トルクにも反応しないことによって、など、マニピュレータコントローラ34がジョイントモータに能動的に電力を供給して、現在の相対的位置及び向きを維持することによって達成され得る。また、ナビゲーションコントローラ48は、あらゆる動きを検出するために能動的に骨を監視し、更新されたナビゲーションデータをマニピュレータコントローラ34に連続的に送信し、その結果マニピュレータコントローラ34は、それに応じてマニピュレータ22を移動させて切断ガイド38と骨の間の関係を維持することができる。
【0131】
いくつかの場合では、ユーザによって実行される手動のアライメントは、切断ガイド38を骨に対して所望の姿勢に配置するのに十分である。いくつかの場合では、フリーモードでは実行が難しい、追加のより正確な動きが必要になることがある。ステップ410において、例えば、ユーザは第2のユーザ入力(例えば、マニピュレータコントローラ34及び/またはナビゲーションコントローラ48に動作可能に接続されたフットペダル)を作動させて、制御システムへの入力を提供して、(例えば、仮想境界に所望の姿勢で切断ガイドを配置するために)切断ガイド38をその現在の姿勢から所望の切断面との正確なアライメントに移動させることができる。そのような入力に応じて、マニピュレータコントローラ34は、上記のステップ412で説明した自律アライメントモードで動作し、切断ガイド38を、骨から所定の距離、例えば骨から100mm離れた所望の切断面に配置する。自律的アライメントが完了すると、ユーザは、ステップ414で第2のユーザ入力を解除し、切断ガイド38は、骨に対してその現在の姿勢でロックされる。
【0132】
ステップ416において、第1のユーザ入力(または別のユーザ入力)が作動されて触覚モードに入り、マニピュレータ22が6-DOF(自由度)に保持されることから切り替わり、そこで切断ガイド38の姿勢は、3自由度で移動できるように、すなわち、ユーザは、切断ガイド38の姿勢が所望の切断面上に保持されている限り、任意の方法で切断ガイド38を移動することができるように、骨に対して維持/保持される。言い換えれば、マニピュレータコントローラ34は、触覚モードでユーザが加えた力及びトルクに応答して、所望の切断面内を移動するが、切断面からは離れない。そのため、ユーザが加えた力やトルクによって、平面が傾いたり、平面から離れたりする可能性のあるものは無視される。これは、そのような望ましくない動きをもたらす可能性のある、力/トルクセンサ60によって測定された、ユーザが加えた力及びトルクをゼロにすることにより、及び、所望の切断面におけるそれらの力及びトルクの成分、すなわち、平面の方向と平面内の回転に応答することのみによって、達成することができる。触覚モードで操作することにより、ユーザは、切断ガイド38を初期ガイド位置または骨に近い他の同様の位置に移動させることができる。ユーザが第1のユーザ入力(または他の入力)を解除すると、マニピュレータ22は、ステップ418において、骨に対して再び保持される。ステップ420において、ユーザは、次に、例えば、
図5C及び
図5Dに示されるように、切断ガイド38に対して切断工具40を配置することによって、切断工具40を用いて骨に初期切断を行うことができる。
【0133】
一部の実施例では、切断全体を初期ガイド位置で行うことができる。他の実施例では、切断ガイド38は、平面切断を継続するために骨から離れて再位置決めされる。例えば、ステップ422において、ユーザは、第1のユーザ入力を作動させて、再び触覚モード及び関連する3自由度の動きに入り、
図5Eに示されるように、間隔を置いたガイド位置に切断ガイド38を移動させることができる。第1のユーザ入力が解除されると、マニピュレータ22は、ステップ424において、骨に対して6自由度で切断ガイド38を再び保持する。次に、ステップ426において、ユーザは、骨に必要な切断を行うことを終了することができる。
【0134】
いくつかの実施例では、切断ガイド38は、ユーザが切断ガイド38を横方向及び中間の切断ガイド位置から所望の切断平面内で横方向に動かす必要があるようなサイズ(例えば、比較的小さいもの)とすることができ(例えば、
図8D、
図8Eを比較)、そのため切断工具40が、除去される骨の全容積に到達できる。これは、第1のユーザ入力を介して触覚モードに移行して、所望の切断面内で(例えば、
図8Dから
図8Eに示される位置から)切断ガイド38の横方向の動きを可能にすることによって達成され得る。仮想境界は、上記で説明されているように、切断ガイド38が所望の切断平面内で横方向に移動できるが、事前定義された限界内であるように(例えば、切断工具40が患者固有の切断境界PSCBを超えて伸びないように)サイズ設定され得る。
【0135】
切断が完了すると、第1のユーザ入力を再び作動させて、ステップ428で触覚モードに移行することができ、その結果、ユーザは、切断ガイド38が、所望の切断面に関連付けられた仮想境界を出る出口点に到達するまで、切断ガイド38を骨から離して戻すことができる。追加的に、または代替的に、ユーザが骨から少なくとも所定の距離、例えば150mmだけ切断ガイド38を後退させると、仮想境界を無効にすることができ、マニピュレータコントローラ34は、ステップ430のように、自動的にフリーモードに入ることができ、次に、ユーザは、ステップ432で、切断ガイド38を次に所望の切断面に手動でアライメントすることができる。
【0136】
前述の説明では、いくつかの実施形態について説明してきた。しかしながら、本明細書で論じられる実施形態は、網羅的であること、または本発明をいずれかの特定の形態に限定することを意図するものではない。使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉の性質にあることを意図するものである。上記の教示に照らして多くの修正形態及び変形形態が可能であり、本発明は、具体的に記載されている以外のもので実施されることができる。
なお、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
鋸刃を有する手術用鋸で使用するためのロボット手術システムであって、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタであって、前記切断ガイドは、前記鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断するように、前記鋸刃をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
前記ロボットマニピュレータに結合された制御システムであって、前記骨に対する前記切断ガイドの位置を、
前記鋸刃が前記切断ガイドと連携するときに前記鋸刃が前記所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを前記骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めすることと、
ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して、前記切断ガイドが初期ガイド位置で前記ターゲットの向きに留まるように、前記骨に隣接する前記初期ガイド位置に前記切断ガイドを前記骨に向かって移動させるときに、前記切断ガイドの動きを制限することと、
によって制御する、前記制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、前記ユーザが前記所望の切断面に沿って前記鋸刃で前記骨に初期切断を行った後、前記初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への前記切断ガイドの引き抜きを容易にするように構成されており、
前記切断ガイドは、前記間隔を置いたガイド位置で前記ターゲットの向きに留まり、前記間隔を置いたガイド位置は、前記鋸刃が前記所望の切断面に沿って前記骨を切断し続けるのに適している、
前記ロボット手術システム。
[請求項2]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドを前記骨から自律的に引き抜き、前記切断ガイドを前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置に移動するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項3]
前記制御システムは、前記切断ガイドが前記初期ガイド位置にある間に、前記ユーザが前記鋸刃で前記骨に前記初期切断を行うための指示を生成し、かつ前記初期切断が行われた後に、前記ユーザが前記切断ガイドを前記骨から引き抜くための指示を生成するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項4]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記ユーザが前記切断ガイドを手動で操作して前記切断ガイドを前記骨から引き抜くときに、前記切断ガイドの動きを制限するように構成されている、請求項3に記載のロボット手術システム。
[請求項5]
前記制御システムは、前記鋸刃に関連付けられた1つまたは複数のパラメータに基づいて、前記切断ガイドの前記間隔を置いたガイド位置を決定するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項6]
前記1つまたは複数のパラメータは、前記鋸刃の長さ、前記鋸刃の幅、前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に切り込むことができる最大の深さ、及び前記鋸刃の追跡位置、のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のロボット手術システム。
[請求項7]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドが前記骨に隣接して配置されている間に、前記ユーザが前記所望の切断面に沿って前記鋸刃で前記初期切断を行うことができるように、前記切断ガイドを前記骨に対して前記初期ガイド位置にロックするように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項8]
前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数を追跡するためのナビゲーションシステムを備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数の視覚的表現を提示するためのディスプレイを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項9]
前記ナビゲーションシステムは、前記骨に対する前記切断ガイドの位置及び向きを追跡するように構成されており、
前記ナビゲーションシステムは、前記切断ガイドが前記間隔を置いたガイド位置にあるときに前記鋸刃が到達できる前記骨の領域の視覚的表現を生成するように構成されている、請求項8に記載のロボット手術システム。
[請求項10]
前記ナビゲーションシステムは、前記骨の切断を追跡し、前記骨の前記切断の視覚的表現を生成するように構成されている、請求項9に記載のロボット手術システム。
[請求項11]
前記ナビゲーションシステムは、前記切断ガイドの、前記骨に対する第1のガイド角度から前記骨に対する第2のガイド角度への向きの変更を追跡するように構成されており、
前記鋸刃は、前記ガイド角度の両方で前記所望の切断面とアライメントされたままであり、
前記制御システムは、前記切断ガイドの向きの変更が前記所望の切断面内の潜在的な骨の切断にどのように影響するかを前記ユーザが視覚化できるように、前記切断ガイドが前記第1のガイド角度から前記第2のガイド角度に向きを変えられるときに、前記鋸刃が到達できる前記骨の前記領域の前記視覚的表現を変更するように構成されている、請求項9に記載のロボット手術システム。
[請求項12]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して、前記骨の一部が切除された後、前記骨から前記切断ガイドを引き抜く間、前記切断ガイドの動きを制限するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項13]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記ユーザに触覚フィードバックを提供することによって、前記切断ガイドの動きを制限するように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項14]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記切断ガイドが開始距離にあるときに前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に接触することができないように、前記切断ガイドを、前記骨から離間した前記開始距離で前記ターゲットの向きに自律的に位置決めするように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項15]
前記制御システムは、自律モード、触覚モード、及びフリーモードのうちの1つで前記ロボットマニピュレータを動作させるように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項16]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項17]
前記所望の切断面は、第1の所望の切断面としてさらに定義され、前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、ユーザ入力に応じて前記鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項18]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記鋸刃が複数の所望の切断面とアライメントして複数の平面切断を行うように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されており、
前記制御システムは、所定の基準に基づいて前記平面切断を行うために、前記切断ガイドの位置決めのシーケンスを決定する、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項19]
前記所定の基準は、ユーザ選好、前記所望の切断面間の距離、前記所望の切断面に対する前記切断ガイドの現在のアライメント、及び、前記所望の切断面に到達するための前記切断ガイドの必要な動き、のうちの1つまたは複数を含む、請求項18に記載のロボット手術システム。
[請求項20]
前記所望の切断面は仮想オブジェクトによって定義されている、請求項19に記載のロボット手術システム。
[請求項21]
前記骨、前記鋸刃及び前記切断ガイドのうちの1つまたは複数を追跡するためのナビゲーションシステムを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項22]
前記ナビゲーションシステムは、前記切断ガイドの位置及び向きを追跡するための第1のトラッカと、前記骨の位置及び向きを追跡するための第2のトラッカと、前記鋸刃の位置及び向きを追跡するための第3のトラッカとを備える、請求項21に記載のロボット手術システム。
[請求項23]
前記切断ガイドの前記初期ガイド位置及び前記間隔を置いたガイド位置は、前記ナビゲーションシステムからのデータに基づいて決定される、請求項22に記載のロボット手術システム。
[請求項24]
前記ナビゲーションシステムは、前記骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数を判定するように構成されており、
前記制御システムは、所定の限界を超えている前記骨の前記速度または加速度のうちの1つまたは複数に応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されている、請求項21に記載のロボット手術システム。
[請求項25]
前記制御システムは、前記ナビゲーションシステムが、前記速度または加速度のうちの前記1つまたは複数は前記所定の限界以下であると判定することに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項24に記載のロボット手術システム。
[請求項26]
前記ナビゲーションシステムは、複数の追跡要素から光を受信するためのローカライザを備え、
前記ナビゲーションシステムは、前記追跡要素の1つまたは複数が前記ローカライザの視界から遮断されているかどうかを判定するように構成されている、請求項21に記載のロボット手術システム。
[請求項27]
前記制御システムは、前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が視界から遮断されていることに応じて、前記骨からの前記切断ガイドの引き抜きを容易にするように構成されている、請求項26に記載のロボット手術システム。
[請求項28]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が視界から遮断される前に格納された前記切断ガイドの向きに沿って、前記切断ガイドを前記骨から引き抜くように構成されている、請求項27に記載のロボット手術システム。
[請求項29]
前記制御システムは、前記ロボットマニピュレータを動作させて、前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が前記ローカライザの視界からもはや遮断されていないことに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めするように構成されている、請求項27に記載のロボット手術システム。
[請求項30]
前記ロボット手術システムは、前記エンドエフェクタ及び前記ロボットマニピュレータのうちの1つまたは複数に前記ユーザによって加えられる1つまたは複数の力及びトルクを測定するための1つまたは複数のセンサを含み、
前記制御システムは、所定の限界を超える前記1つまたは複数の力及びトルクに応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させるように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項31]
前記制御システムは、前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた荷重を感知するために、前記切断ガイドに結合された1つまたは複数のセンサを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項32]
前記制御システムは、前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた前記荷重が所定の限界を超えていることに応じて起動されるインジケータを備える、請求項31に記載のロボット手術システム。
[請求項33]
前記インジケータは、視覚インジケータ、触覚インジケータ及び聴覚インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載のロボット手術システム。
[請求項34]
前記制御システムは、前記手術用鋸のモータと通信するように構成されており、
前記制御システムは、前記モータの動作を停止して、所定の限界を超えている前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた前記荷重に応じて、前記鋸刃による切断を中止するように構成されている、請求項31に記載のロボット手術システム。
[請求項35]
前記制御システムは、前記切断ガイドに対する前記鋸刃の相対位置を判定するために前記切断ガイドに結合された、1つまたは複数のセンサを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項36]
前記制御システムは、前記ユーザインタフェースを備え、
前記ユーザインタフェースは、前記切断ガイドの位置及び向きのうちの少なくとも1つを調整するために前記ユーザからの入力を受け取るように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項37]
前記切断ガイドは、1つまたは複数の刃受容スロットを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項38]
前記エンドエフェクタのベースと前記切断ガイドとを相互接続して、前記切断ガイドの動きを前記エンドエフェクタの前記ベースに対して単一の平面に制限する受動リンケージを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項39]
前記骨の動きを限定するために前記骨に結合される関節アームを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項40]
前記制御システムは、1つまたは複数のコントローラを備える、請求項1に記載のロボット手術システム。
[請求項41]
鋸刃が所望の切断面に沿って骨を切断するように、手術用鋸の前記鋸刃を、ガイドするように構成された切断ガイドの配置を制御する方法であって、前記切断ガイドは、ロボットマニピュレータに結合されたエンドエフェクタの一部を形成し、
前記方法は、
前記鋸刃が前記切断ガイドと連携するときに前記鋸刃が前記所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを前記骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めするステップと、
ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して、前記切断ガイドが前記初期ガイド位置で前記ターゲットの向きに留まるように、前記骨に隣接する初期ガイド位置に前記切断ガイドを前記骨に向かって移動させるときに、前記切断ガイドの動きを制限するステップと、
前記切断ガイドが間隔を置いたガイド位置で、前記ターゲットの向きに留まるように、前記ユーザが前記所望の切断面に沿って前記鋸刃で前記骨に初期切断を行った後、前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置への前記切断ガイドの引き抜きを容易にするステップであって、前記間隔を置いたガイド位置は、前記鋸刃が前記所望の切断面に沿って前記骨を切断し続けるのに適している、前記容易にするステップと、
を含む、前記方法。
[請求項42]
前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置への前記切断ガイドの引き抜きを容易にすることは、
前記切断ガイドを前記骨から自律的に引き抜くことと、
前記切断ガイドを前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置に移動させることと、
を含む、請求項41に記載の方法。
[請求項43]
前記初期ガイド位置から前記間隔を置いたガイド位置への前記切断ガイドの引き抜きを容易にすることは、
前記切断ガイドが前記初期ガイド位置にある間に、前記ユーザが前記鋸刃で前記骨に前記初期切断を行うための指示を生成することと、
前記初期切断が行われた後に、前記ユーザが前記切断ガイドを前記骨から引き抜くための指示を生成することと、
を含む、請求項41に記載の方法。
[請求項44]
前記ユーザが前記切断ガイドを手動で操作して前記切断ガイドを前記骨から引き抜くときに、前記切断ガイドの動きを制限することを含む、請求項43に記載の方法。
[請求項45]
前記鋸刃に関連付けられた1つまたは複数のパラメータに基づいて、前記切断ガイドの前記間隔を置いたガイド位置を決定することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項46]
前記1つまたは複数のパラメータは、前記鋸刃の長さ、前記鋸刃の幅、前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に切り込むことができる最大の深さ、及び前記鋸刃の追跡位置、のうちの少なくとも1つを含む、請求項45に記載の方法。
[請求項47]
前記切断ガイドが前記骨に隣接して配置されている間に、前記ユーザが前記所望の切断面に沿って前記鋸刃で前記初期切断を行うことができるように、前記切断ガイドを前記骨に対して前記初期ガイド位置にロックすることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項48]
前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数を、ナビゲーションシステムを用いて追跡することを含み、
前記ナビゲーションシステムは、前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数の視覚的表現を提示するためのディスプレイを備える、請求項41に記載の方法。
[請求項49]
前記骨に対する前記切断ガイドの位置及び向きを追跡することと、
前記切断ガイドが前記間隔を置いたガイド位置にあるときに前記鋸刃が到達できる前記骨の領域の視覚的表現を生成することと、
を含む、請求項48に記載の方法。
[請求項50]
前記骨の切断を追跡することと、前記骨の前記切断の視覚的表現を生成することと、を含む、請求項49に記載の方法。
[請求項51]
前記切断ガイドの、前記骨に対する第1のガイド角度から前記骨に対する第2のガイド角度への向きの変更を追跡することであって、前記鋸刃は、前記ガイド角度の両方で前記所望の切断面とアライメントされたままである、前記追跡することと、
前記切断ガイドが前記第1のガイド角度から前記第2のガイド角度に向きを変えられるときに、前記鋸刃が到達できる前記骨の前記領域の前記視覚的表現を変更することであって、前記ユーザは、前記切断ガイドの向きの変更が前記所望の切断面内の潜在的な骨の切断にどのように影響するかを視覚化できる、前記変更することと、
を含む、請求項49に記載の方法。
[請求項52]
前記ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して、前記骨の一部が切除された後、前記骨から前記切断ガイドを引き抜く間、前記切断ガイドの動きを制限することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項53]
前記ユーザに触覚フィードバックを提供することによって、前記切断ガイドの動きを制限することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項54]
前記切断ガイドが前記開始距離にあるときに前記鋸刃が前記切断ガイドを介して前記骨に接触することができないように、前記切断ガイドを、前記骨から離間した開始距離で前記ターゲットの向きに自律的に位置決めすることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項55]
自律モード、触覚モード、及びフリーモードのうちの1つで前記ロボットマニピュレータを動作させることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項56]
前記鋸刃が第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めすることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項57]
ユーザ入力に応じて前記鋸刃が前記第2の所望の切断面とアライメントするように、前記切断ガイドを自律的に位置決めすることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項58]
前記鋸刃が複数の所望の切断面とアライメントして複数の平面切断を行うように、前記切断ガイドを自律的に位置決めすることと、
所定の基準に基づいて前記平面切断を行うための前記切断ガイドの位置決めのシーケンスを決定することと、
を含む、請求項41に記載の方法。
[請求項59]
前記所定の基準は、ユーザ選好、前記所望の切断面間の距離、前記所望の切断面に対する前記切断ガイドの現在のアライメント、及び、前記所望の切断面に到達するための前記切断ガイドの必要な動き、のうちの1つまたは複数を含む、請求項58に記載の方法。
[請求項60]
前記所望の切断面は仮想オブジェクトによって定義されている、請求項59に記載の方法。
[請求項61]
前記骨と、前記鋸刃と、前記切断ガイドとのうちの1つまたは複数を、ナビゲーションシステムを用いて追跡することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項62]
前記切断ガイドの位置及び向きを追跡することと、
前記骨の位置及び向きを追跡することと、
前記鋸刃の位置及び向きを追跡することと、
を含む、請求項61に記載の方法。
[請求項63]
前記ナビゲーションシステムからのデータに基づいて、前記切断ガイドの前記初期ガイド位置及び前記間隔を置いたガイド位置を決定することを含む、請求項62に記載の方法。
[請求項64]
前記骨の速度または加速度のうちの1つまたは複数を判定することと、
所定の限界を超えている前記骨の前記速度または加速度のうちの1つまたは複数に応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させることと、
を含む、請求項61に記載の方法。
[請求項65]
前記ナビゲーションシステムが、前記速度または加速度のうちの前記1つまたは複数は前記所定の限界以下であると判定することに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めすることを含む、請求項64に記載の方法。
[請求項66]
追跡要素のうちの1つまたは複数が、前記ナビゲーションシステムのローカライザの視界から遮断されているかどうかを判定することを含む、請求項61に記載の方法。
[請求項67]
前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が視界から遮断されていることに応じて、前記骨からの前記切断ガイドの引き抜きを容易にすることを含む、請求項66に記載の方法。
[請求項68]
前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が視界から遮断される前に格納された前記切断ガイドの向きに沿って、前記切断ガイドを前記骨から引き抜くことを含む、請求項67に記載の方法。
[請求項69]
前記追跡要素のうちの前記1つまたは複数が前記ローカライザの視界からもはや遮断されていないことに応じて、前記鋸刃が前記所望の切断面と再アライメントされるように、前記切断ガイドを自律的に位置決めすることを含む、請求項67に記載の方法。
[請求項70]
前記エンドエフェクタ及び前記ロボットマニピュレータのうちの1つまたは複数に前記ユーザによって加えられる1つまたは複数の力及びトルクを測定することと、
所定の限界を超えている前記1つまたは複数の力及びトルクに応じて前記ロボットマニピュレータをフリーモードで動作させることと、
を含む、請求項41に記載の方法。
[請求項71]
前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた荷重を感知することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項72]
前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた前記荷重が所定の限界を超えていることに応じて、インジケータを起動することを含む、請求項71に記載の方法。
[請求項73]
前記インジケータは、視覚インジケータ、触覚インジケータ及び聴覚インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項72に記載の方法。
[請求項74]
前記鋸刃によって前記切断ガイドに加えられた前記荷重が所定の限界を超えていることに応じて、モータの動作を停止して前記鋸刃による切断を中止することを含む、請求項71に記載の方法。
[請求項75]
前記切断ガイドに対する前記鋸刃の相対位置を判定する、請求項41に記載の方法。
[請求項76]
前記切断ガイドの位置及び向きのうちの少なくとも1つを調整するために前記ユーザから入力を受け取ることを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項77]
前記切断ガイドは、1つまたは複数の刃受容スロットを備える、請求項41に記載の方法。
[請求項78]
前記切断ガイドの動きを前記エンドエフェクタに対して単一の平面に制限することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項79]
前記骨に結合された関節アームを用いて前記骨の動きを限定することを含む、請求項41に記載の方法。
[請求項80]
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合されるガイドを含むエンドエフェクタであって、前記ガイドは、手術工具が所望の平面または軸に沿って移動して骨から材料を除去するように、前記手術工具をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
前記ロボットマニピュレータに結合された制御システムであって、前記骨に対する前記ガイドの位置を、
前記手術工具が前記ガイド内に配置されているときに前記手術工具が前記所望の平面または軸とアライメントするように、前記ガイドを前記骨に対してターゲットの向きに自律的に位置決めすることと、
ユーザが前記エンドエフェクタを手動で操作して、前記ガイドが初期ガイド位置で前記ターゲットの向きに留まるように、前記ガイドを前記骨に向かって前記骨に隣接する前記初期ガイド位置に移動させるときに、前記ガイドの動きを制限することと、
によって制御する、前記制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、前記ユーザが前記所望の平面または軸に沿って前記手術工具を用いて前記骨から初期量の材料を除去した後、前記初期ガイド位置から間隔を置いたガイド位置への前記ガイドの引き抜きを容易にするように構成されており、
前記ガイドは、前記間隔を置いたガイド位置で前記ターゲットの向きに留まり、前記間隔を置いたガイド位置は、前記手術工具が前記所望の平面または軸に沿って前記骨から材料を除去し続けるのに適している、
ロボット手術システム。
[請求項81]
患者に外科手術を実行するために切断工具と共に使用するためのロボット手術システムであって、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタであって、前記切断ガイドは、前記切断工具が前記患者の組織を切断するように、前記切断工具をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
前記ロボットマニピュレータに結合されて、前記組織に対する前記切断ガイドの位置を制御する制御システムと、
前記組織に関連付けられたカスタマイズされた仮想境界に対する前記切断工具の位置及び向きを追跡するための工具トラッカを含むナビゲーションシステムであって、前記カスタマイズされた仮想境界は、前記患者の前記組織に関連付けられた仮想モデルに基づいて前記患者に合わせてカスタマイズされる、前記ナビゲーションシステムと、
を備え、
前記制御システムは、前記切断工具が前記切断ガイドと連携して前記組織を切断するときに、前記切断工具と前記カスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じてフィードバックを生成するように構成されている、
前記ロボット手術システム。
[請求項82]
前記制御システムは、前記カスタマイズされた仮想境界に対する前記切断工具の位置に基づいて前記切断工具を制御することによってフィードバックを提供するように構成されている、請求項81に記載のロボット手術システム。
[請求項83]
ロボットマニピュレータと、切断工具と共に使用される切断ガイドとを用いて組織を治療するための方法であって、
前記組織に対する前記切断ガイドの位置をロボットで制御するステップと、
前記組織に関連付けられたカスタマイズされた仮想境界に対する前記切断工具の位置及び向きを追跡するステップであって、前記カスタマイズされた仮想境界は、患者の前記組織に関連付けられた仮想モデルに基づいて前記患者に合わせてカスタマイズされている、前記追跡するステップと、
前記切断工具が前記切断ガイドと連携して前記組織を切断するときに、前記切断工具と前記カスタマイズされた仮想境界との間の相互作用に応じてフィードバックを生成するステップと、
を含む、前記方法。
[請求項84]
前記フィードバックを生成することは、前記カスタマイズされた仮想境界に対する前記切断工具の位置に基づいて前記切断工具を制御することを含む、請求項83に記載の方法。
[請求項85]
患者に外科手術を実行するために切断工具と共に使用するためのロボット手術システムであって、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに結合される切断ガイドを含むエンドエフェクタであって、前記切断工具が前記患者の組織を切断するように、前記切断ガイドが前記切断工具をガイドするように構成されている、前記エンドエフェクタと、
前記ロボットマニピュレータに結合されて、前記組織に対する前記切断ガイドの位置を制御する制御システムと、
前記組織に関連付けられた患者固有の切断境界に対する前記切断ガイドの位置及び向きを追跡するためのナビゲーションシステムであって、前記患者固有の切断境界は、前記患者の組織に基づいて前記患者に合わせてカスタマイズされる、前記ナビゲーションシステムと、
を含み、
前記制御システムは、前記切断工具が前記患者固有の切断境界を超えて組織を切断するのを防ぐ方法で前記切断ガイドが配置されるように、前記エンドエフェクタの手動操作に応じて前記切断ガイドを1つまたは複数の自由度で自律的に動かすように構成されている、
前記ロボット手術システム。
[請求項86]
切断工具を有する手術器具と、
前記切断工具をガイドするように構成されている切断ガイドと、
前記切断ガイドとの前記切断工具の現在の係合状態を判定し、前記係合状態に基づいて前記手術器具の動作を制御するように構成されている制御システムと、
を備える手術システム。
[請求項87]
切断ガイドと共に使用するための切断工具を有する手術器具の動作を制御する方法であって、
前記切断ガイドとの前記切断工具の現在の係合状態を判定するステップと、
前記係合状態に基づいて前記手術器具の動作を制御するステップと、
を含む方法。
[請求項88]
ロボットマニピュレータと、
切断工具をガイドするために前記ロボットマニピュレータに結合されるように構成されている切断ガイドと、
前記切断ガイドとの前記切断工具の現在の係合状態を判定し、前記係合状態に基づいて前記ロボットマニピュレータの動作を制御するように構成されている制御システムと、
を備える手術システム。
[請求項89]
ロボットマニピュレータの動作と、前記ロボットマニピュレータに結合された切断ガイドの動作とを制御する方法であって、前記切断ガイドは切断工具と共に使用され、前記方法は、
前記切断ガイドとの前記切断工具の現在の係合状態を判定するステップと、
前記係合状態に基づいて前記ロボットマニピュレータの動作を制御するステップと、
を含む、前記方法。