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特許7530401オープンフェイス型ピストンを備えるピストンアセンブリを備える機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】オープンフェイス型ピストンを備えるピストンアセンブリを備える機械
(51)【国際特許分類】
   F02F 3/00 20060101AFI20240731BHJP
   F16J 1/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
F02F3/00 Q
F02F3/00 S
F16J1/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022070018
(22)【出願日】2022-04-21
(62)【分割の表示】P 2019519680の分割
【原出願日】2017-10-13
(65)【公開番号】P2022097543
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】15/294,438
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513127423
【氏名又は名称】メインスプリング エナジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マット スヴルツェク
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-214894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 3/00- 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンであって、前記ピストンは、
ピストンリングアセンブリを収容する円周方向の溝を備え、
前記円周方向の溝の一側の面積の半分よりも多くが前記ピストンの面に開放している、ピストン。
【請求項2】
前記一側は、半径方向内向き側である、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
ピストン面をさらに備え、前記円周方向の溝の前記一側は、前記ピストン面から前記円周方向の溝までガス経路を形成する、請求項1に記載のピストン。
【請求項4】
前記ガス経路に沿った最小開口は、前記ピストンと接触する燃焼区分の酸化剤および燃料の混合物の急冷距離よりも大きく、前記急冷距離は、燃焼反応が前記燃焼区分の中に伝搬することを可能にするために前記燃焼区分内の表面間で必要とされる最小距離である、請求項3に記載のピストン。
【請求項5】
前記急冷距離は、1ミリメートルである、請求項4に記載のピストン。
【請求項6】
前記円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、前記第1の円周方向の溝の背後に配列される第2の円周方向の溝をさらに備える、請求項1に記載のピストン。
【請求項7】
前記円周方向の溝は、少なくとも部分的に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する、請求項1に記載のピストン。
【請求項8】
前記円周方向の溝は、完全に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する、請求項1に記載のピストン。
【請求項9】
前記円周方向の溝の前記一側は、構造的なウェブを備える、請求項1に記載のピストン。
【請求項10】
ピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、
ピストンであって、前記ピストンは、
円周方向の溝と、
前記円周方向の溝の一側と
を備え、前記一側の面積の半分よりも多くが前記ピストンの面に開放している、ピストンと、
前記円周方向の溝内に配列されるピストンリングアセンブリと
を備える、ピストンアセンブリ。
【請求項11】
前記一側は、半径方向内向き側である、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項12】
ピストン面をさらに備え、前記円周方向の溝の前記一側は、前記ピストン面から前記円周方向の溝までガス経路を形成する、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項13】
前記ガス経路に沿った最小開口は、前記ピストンと接触する燃焼区分の酸化剤および燃料の混合物の急冷距離よりも大きく、前記急冷距離は、燃焼反応が前記燃焼区分の中に伝搬することを可能にするために前記燃焼区分内の表面間で必要とされる最小距離である、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
【請求項14】
前記急冷距離は、1ミリメートルである、請求項13に記載のピストンアセンブリ。
【請求項15】
前記円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、前記第1の円周方向の溝の背後に配列される第2の円周方向の溝をさらに備える、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項16】
前記円周方向の溝は、少なくとも部分的に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項17】
前記円周方向の溝は、完全に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項18】
前記円周方向の溝の前記一側は、構造的なウェブを備える、請求項10に記載のピストンアセンブリ。
【請求項19】
機械であって、前記機械は、
燃焼区分を備えるシリンダと、
前記シリンダ内に配列されるピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、オープンフェイス型ピストンを備え、前記オープンフェイス型ピストンは、
ピストン面と、
ピストンリングアセンブリを収容する円周方向の溝と、
前記円周方向の溝の一側と
を備え、前記一側の面積の半分よりも多くが前記ピストン面に開放している、ピストンアセンブリと
を備える、機械。
【請求項20】
前記一側は、半径方向内向き側である、請求項19に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ピストンを対象とし、より具体的には、本開示は、未燃炭化水素の排出を低減させるためのオープンフェイスを有する、ピストンアセンブリを対象とする。
【背景技術】
【0002】
従来の燃焼機関では、ピストンは、シリンダの内側で往復運動し、ガス混合物を圧縮および膨張させる。あるタイプの機関では、圧縮ガスは、燃料および空気の混合物である。これは、燃料および空気の混合物が、「隙間容積」と称される、ピストンとシリンダとの間、およびピストン表面とピストンのリングとの間の容積を占める、具体的な問題をもたらす。これらの空間の表面積と容積の比率が高いため、隙間容積内の燃料および空気の混合物は、燃焼段階の間に、全ての意図される化学反応が生じず、燃料が燃焼されないように、十分な低温まで冷却される。この未燃燃料は、次いで、機関から排出され、炭化水素排出および低減された効率をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリは、ピストンと、ピストンリングアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリは、例えば、自由ピストンである。いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリは、さらなる実施例では、オイルレス操作のために構成される。ピストンは、少なくとも部分的に、ピストンの外部表面の周囲に延在する、円周方向の溝と、円周方向の溝に沿って位置する、複数の開口部とを備える。いくつかの実施形態では、ピストンリングアセンブリは、例えば、固形の潤滑材料を備える。ピストンリングアセンブリは、円周方向の溝内に配列され、複数の開口部は、燃焼反応が、ピストンリングアセンブリの内部表面とピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、複数の開口部はそれぞれ、各開口部とピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも、容積内の酸化剤および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる。いくつかの実施形態では、急冷距離は、例えば、約1ミリメートルである。いくつかの実施形態では、ピストンの外部表面とピストンリングアセンブリの内部表面との間の距離は、1ミリメートルを上回る。いくつかの実施形態では、ピストンはさらに、前方ランドと、ピストン面と、前方ランドをピストン面に取り付ける、少なくとも1つの構造的なウェブとを備える。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、相互から実質的に等距離にある、円周方向の溝に沿った複数の離間される開口部を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、相互に実質的に均等な幾何学形状である、円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、少なくとも、容積内の酸化剤および燃料の混合物の大部分が反応することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、円周方向の溝の底部の表面積の大部分を含む円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む。いくつかの実施例では、円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、ピストンアセンブリはさらに、第1の円周方向の溝に平行にかつその背後に配列される、第2の円周方向の溝を備える。いくつかの実施形態では、燃焼反応は、ピストンアセンブリが平行移動するように構成される、機関の燃焼区分から伝搬する。
【0004】
いくつかの実施形態では、機関は、少なくとも1つのシリンダと、シリンダ内に配列される、少なくとも1つのピストンアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリンダは、燃焼区分と、内部シリンダ表面とを備える。いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリは、ピストンと、ピストンリングアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、ピストンは、少なくとも部分的にピストンの外部表面の周囲に延在する、円周方向の溝と、円周方向の溝に沿って位置する、複数の開口部とを備える。いくつかの実施形態では、ピストンリングアセンブリは、円周方向の溝内に配列され、複数の開口部は、燃焼反応が、燃焼区分から、ピストンリングアセンブリの内部表面とピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、酸化剤および燃料の混合物は、燃焼区分から、ピストンリングアセンブリの内部表面とピストンとの間に画定される、容積の中に通過することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンアセンブリは、オープンフェイス型ピストンと、ピストンリングアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンアセンブリは、例えば、自由ピストンアセンブリである。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンアセンブリは、例えば、オイルレス操作のために構成される。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンは、前方ランドと、少なくとも部分的にオープンフェイス型ピストンの外部表面の周囲に延在する、円周方向の溝と、前方ランドによって画定される正面を備える、円周方向の溝と、ピストン面と、円周方向の溝に沿って位置する、および前方ランドとピストン面との間における、複数の開口部とを備える。ピストンリングアセンブリは、円周方向の溝内に配列され、複数の開口部はそれぞれ、各開口部とピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも酸化剤および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる。いくつかの実施形態では、ピストンリングアセンブリは、例えば、固形の潤滑材料を備える。複数の開口部は、容積内に位置する、微量を上回る量の酸化剤および燃料の混合物が反応されるように、燃焼反応が、ピストンリングアセンブリの内部表面とオープンフェイス型ピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、急冷距離は、例えば、約1ミリメートルである。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンアセンブリの外部表面とピストンリングアセンブリの内部表面との間の距離は、例えば、1ミリメートルを上回る。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、相互から実質的に等距離にある、円周方向の溝に沿った複数の離間される開口部を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、相互に実質的に均等な幾何学形状である、円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、少なくとも、容積内の酸化剤および燃料の混合物の大部分が反応することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、円周方向の溝の底部の表面積の大部分を含む円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンはさらに、前方ランドおよびオープンフェイス型ピストンに取り付けられる、少なくとも1つの構造的なウェブを備える。いくつかの実施形態では、円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、オープンフェイス型ピストンアセンブリはさらに、第1の円周方向の溝に平行にかつその背後に配列される、第2の円周方向の溝を備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、機関は、少なくとも1つのシリンダと、シリンダ内に配列される、少なくとも1つのオープンフェイス型ピストンアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシリンダは、燃焼区分と、内部シリンダ表面とを備える。少なくとも1つのオープンフェイス型ピストンアセンブリは、オープンフェイス型ピストンと、ピストンリングアセンブリとを備える。いくつかの実施形態では、オープンフェイス型ピストンは、前方ランドと、少なくとも部分的にオープンフェイス型ピストンの外部表面の周囲に延在する、円周方向の溝と、前方ランドによって画定される正面を備える、円周方向の溝と、ピストン面と、円周方向の溝に沿って位置する、および前方ランドとピストン面との間における、複数の開口部とを備える。ピストンリングアセンブリは、円周方向の溝内に配列され、複数の開口部はそれぞれ、各開口部とピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも酸化剤および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、容積内に位置する、微量を上回る量の酸化剤および燃料の混合物が反応されるように、燃焼反応が、ピストンリングアセンブリの内部表面とオープンフェイス型ピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、酸化剤および燃料の混合物は、燃焼区分から、前方ランドと内部シリンダ壁との間、およびピストンリングアセンブリと溝との間の領域の中に通過することができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ピストンアセンブリであって、
ピストンであって、前記ピストンは、
少なくとも部分的に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する円周方向の溝と、
前記円周方向の溝に沿って位置する複数の開口部と
を備える、ピストンと、
前記円周方向の溝内に配列されるピストンリングアセンブリと
を備え、前記複数の開口部は、燃焼反応が、前記ピストンリングアセンブリの内部表面と前記ピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される、ピストンアセンブリ。
(項目2)
前記複数の開口部はそれぞれ、各開口部と前記ピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも、前記容積内の酸化剤および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目3)
前記急冷距離は、約1ミリメートルである、項目2に記載のピストンアセンブリ。
(項目4)
前記ピストンの外部表面と前記ピストンリングアセンブリの内部表面との間の前記距離は、1ミリメートルを上回る、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目5)
前記ピストンはさらに、
前方ランドと、
ピストン面と、
前記前方ランドを前記ピストン面に取り付ける少なくとも1つの構造的なウェブと
を備える、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目6)
前記複数の開口部は、相互から実質的に等距離にある前記円周方向の溝に沿った複数の離間される開口部を含む、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目7)
前記複数の開口部は、相互に実質的に均等な幾何学形状である前記円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目8)
前記複数の開口部は、少なくとも、前記容積内の酸化剤および燃料の混合物の大部分が反応することを可能にするように構成される、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目9)
前記複数の開口部は、前記円周方向の溝の底部の表面積の大部分を含む前記円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目10)
前記ピストンアセンブリは、自由ピストンアセンブリである、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目11)
前記ピストンアセンブリは、オイルレス操作のために構成される、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目12)
前記ピストンリングアセンブリは、固形の潤滑材料を備える、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目13)
前記円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、前記ピストンアセンブリはさらに、前記第1の円周方向の溝に平行にかつその背後に配列される第2の円周方向の溝を備える、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目14)
前記燃焼反応は、前記ピストンアセンブリが平行移動するように構成される機関の燃焼区分から伝搬する、項目1に記載のピストンアセンブリ。
(項目15)
機関であって、
少なくとも1つのシリンダであって、前記少なくとも1つのシリンダは、
燃焼区分と、
内部シリンダ表面と
を備える、少なくとも1つのシリンダと、
前記シリンダ内に配列される少なくとも1つのピストンアセンブリであって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリは、
ピストンであって、前記ピストンは、
少なくとも部分的に前記ピストンの外部表面の周囲に延在する円周方向の溝と、
前記円周方向の溝に沿って位置する複数の開口部と
を備える、ピストンと、
前記円周方向の溝内に配列されるピストンリングアセンブリであって、前記複数の開口部は、燃焼反応が、前記燃焼区分から、前記ピストンリングアセンブリの内部表面と前記ピストンとの間に画定される容積の中に伝搬することを可能にするように構成される、ピストンリングアセンブリと
を備える、少なくとも1つのピストンアセンブリと
を備える、機関。
(項目16)
酸化剤および燃料の混合物は、前記燃焼区分から前記ピストンリングアセンブリの内部表面と前記ピストンとの間に画定される前記容積の中に通過し得る、項目15に記載の機関。
(項目17)
前記複数の開口部はそれぞれ、各開口部と前記ピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも酸化剤および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる、項目15に記載の機関。
(項目18)
前記急冷距離は、約1ミリメートルである、項目17に記載の機関。
(項目19)
前記ピストンの外部表面と前記ピストンリングアセンブリの内部表面との間の前記距離は、1ミリメートルを上回る、項目15に記載の機関。
(項目20)
前記ピストンはさらに、
前方ランドと、
ピストン面と、
前記前方ランドを前記ピストン面に取り付ける少なくとも1つの構造的なウェブと
を備える、項目15に記載の機関。
(項目21)
前記複数の開口部は、相互から実質的に等距離にある前記円周方向の溝に沿った複数の離間される開口部を含む、項目15に記載の機関。
(項目22)
前記複数の開口部は、実質的に均等な幾何学形状である前記円周方向の溝に沿った複数の離間された開口部を含む、項目15に記載の機関。
(項目23)
前記複数の開口部は、少なくとも、前記容積内の酸化剤および燃料の混合物の大部分が反応することを可能にするように構成される、項目15に記載の機関。
(項目24)
前記ピストンアセンブリは、自由ピストンアセンブリである、項目15に記載の機関。
(項目25)
前記ピストンアセンブリは、オイルレス操作のために構成される、項目15に記載の機関。
(項目26)
前記複数の開口部は、前記円周方向の溝の底部の表面積の大部分を含む複数の離間された開口部を含む、項目15に記載の機関。
(項目27)
前記ピストンリングアセンブリは、固形の潤滑材料を備える、項目15に記載の機関。
(項目28)
前記円周方向の溝は、第1の円周方向の溝であり、前記ピストンはさらに、前記第1の円周方向の溝に平行にかつその背後に配列される第2の円周方向の溝を備える、項目15に記載の機関。
【図面の簡単な説明】
【0007】
1つ以上の種々の実施形態による本開示が、以下の図を参照して詳細に説明される。図面は、例証のためのみに提供され、単に、典型的または例示的実施形態を描写する。これらの図面は、本明細書に開示される概念の理解を促進するために提供され、これらの概念の範疇、範囲、または適応性を限定するものと見なされてはならない。例証の明確化および容易さのために、これらの図面は、必ずしも、縮尺通りに作製されていないことに留意されたい。
【0008】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的機関の一部の断面斜視図を示す。
【0009】
図2図2は、図1の例証的機関の一部の拡大断面立面図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的なピストンおよびリング構成における隙間容積の場所を示す、例証的機関の立面断面図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的なピストンおよびリング構成における隙間容積の場所を示す、別の例証的機関の立面断面図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的オープンフェイス型ピストンの正面部分の斜視図を示す。
図6図6は、図5のオープンフェイス型ピストンの立面側面図を示す。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、図5および6のオープンフェイス型ピストンを含む、オープンフェイス型ピストンアセンブリの一部の断面斜視図を示す。
図8図8は、図7のオープンフェイス型ピストンアセンブリの立面側面図を示す。
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態による、オープンフェイス型ピストンアセンブリを使用する機関の一部の簡略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、任意のタイプの燃焼機関と、燃料および酸化剤の混合物を伴うシリンダを有する、圧縮器またはポンプと、シリンダ内で往復運動する、ピストンと、リングの背面における低圧力からリングの正面における高圧力を分離する、ピストンリングとに適用可能である。簡潔化および明確化のために、本開示は、燃焼機関に照らして本明細書に説明されるであろう。しかしながら、本明細書に開示される特徴が、例えば、圧縮器またはポンプを含む、任意の他の好適なデバイスと関連して実装され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、本開示は、典型的には、潜在的なピストンとシリンダとの、および/またはピストンリングとシリンダとの接触点を潤滑するためのオイルに依存する、クランク軸ベースの機関において実装され得るが、本開示は、オイルが使用されないクランク軸ベースの機関においても実装され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のピストンがいかなる機械的連結もなく1つ以上のシリンダ内で往復運動する、線形自由ピストン機関等の自由ピストン機関において実装され得る。自由ピストン機関は、潤滑のためのオイルの有無にかかわらず動作され得る。自由ピストン機関のいくつかの実施例が、本発明の譲受人に譲渡された、2014年3月4日に発行された米国特許第8,662,029号および2015年1月15日に出願された米国特許出願公開第2016/0208686A1号(その両方は、参照することによって全体として本明細書によって組み込まれる)に示される。限定ではなく例証のために、上記に参照される燃料および酸化剤の混合物中に使用される酸化剤が、空気として説明されるであろう。任意の他の好適な酸化剤が、空気に加え、またはその代わりに、任意の好適なガス、任意の他の好適な流体、またはその任意の組み合わせを含む混合物中に使用されることができることを理解されたい。
【0011】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的機関100の一部の断面斜視図を示す。シリンダ102内にあるものは、ピストン104の円周方向の溝内に配列される(シールリングとも称される)ピストンリング106を含む、往復運動ピストン104である。図2は、ピストン104の前方ランド202とシリンダ102の内部表面の間における、およびピストンリング106の内部表面とピストン104の外部表面との間における容積204を示す、機関100の一部の拡大断面立面図である。前方ランド202は、ピストン104の正面向き部分であり、ピストンリング106が配列される円周方向の溝の正面212を画定する。円周方向の溝はさらに、図示される底面208および背面210によって画定される。容積204は、燃料および空気の混合物206がその中に進行する、個別の隙間容積を構成する。
機関100等の燃焼機関では、燃焼反応が隙間容積204を通して等、小さい容積を通して伝搬するよう試みるとき、高温ガスから出て、シリンダ、ピストン表面、およびリングの中に入る熱の伝達が、燃料および空気の混合物を冷却する。表面への熱伝達を介した冷却率が、反応からのエネルギー放出率より急速である場合、反応は、収まり、停止するであろう。反応が伝搬している容積が物理的により小さくなるにつれて、表面積と反応容積の比率は、より大きくなり、より大きい相対的冷却をもたらす。表面間の距離がある距離を下回る場合、反応が個別の容積を通して伝搬することは、全く不可能である。この限定距離は、本明細書では急冷距離と称される。急冷距離は、例えば、燃料および空気の混合物の温度、圧力、燃料のタイプ、混合比率、およびそれが接触している混合物および材料の熱伝導率を含む、いくつかの因子の関数である。内部燃焼機関において被られる条件に関して、急冷距離は、例えば、約1ミリメートル(10ミクロン)の規模であり得る。比較すると、ピストン外部表面202(すなわち、前方ランドにおける表面)とシリンダ102の内部表面との間、およびピストンリング106の前面214(すなわち、ピストンの円周方向の溝の正面212の正面に向いている表面)と円周方向の溝の正面212との間における距離は、典型的には、約10ミクロン~10ミクロンの規模である。したがって、燃焼反応は、典型的には、例えば、ピストンリング106の正面(すなわち、シリンダ102の内部表面と前方ランド202の上部との間)およびピストンリングの内部表面の下方(すなわち、ピストンリング106の内部表面とピストン104の表面との間)に画定される容積の中に伝搬することはできず、そこに位置する燃料の少なくとも一部は、燃焼されない。図2を含む、図のある側面は、円周方向の溝正面側212とピストンリング前面214との間の距離等の明確化のために、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0012】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的なピストンおよびリング構成における隙間容積の場所を示す、例証的機関の立面断面図である。図示されるように、陰影が付けられた容積302および304によって示される隙間容積は、2つの場所、すなわち、それぞれ、上部ランドとシリンダの内部表面との間と、ピストンリングとピストンリングが配列される円周方向の溝との間とに分割される。続く議論は、この後者の容積、すなわち、ピストンリングと円周方向の溝との間の容積304に関する。
従来の機関では、シールリングと円周方向の溝との間の隙間容積(例えば、容積304)は、有意な炭化水素排出の源であり得る。オイルレスピストンリング設計に適用可能なある設計選択肢は、この課題をさらに悪化させ得る。2つの実施例が、本開示のいくつかの実施形態による、特定のピストンリング設計を示す、図4に図示される。最初に、オイルレス自由ピストン機関等のオイルフリー機関の設計において、軸方向により厚いピストンリングを設計することが、望ましくあり得る。これは、ピストンリングと円周方向の溝との間の隙間容積を増加させるであろう。例えば、図3および図4に示されるピストンリングを比較すると、図4に示される設計において使用されるピストンリングの、図3のそれと比較して増加される軸上の幅に起因して、図4の隙間容積404は、図3の隙間容積304と比較してより大きいことが明白である。次に、ピストンリングのために使用されるある材料(例えば、カーボングラファイト、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン(登録商標))、および二硫化モリブデン(MoS2))は、比較的に高率で摩耗する場合がある。これは、特に、例えば、典型的には、(例えば、典型的に表面硬化された油潤滑ピストンリングと比較されると)比較的に急速に摩耗するピストンリングのための材料を使用するであろう、オイルレス自由ピストン機関等のオイルレス機関を設計するとき、関連し得る。材料が本摩耗に起因してピストンリングから除去されるにつれて、リングと溝との間の付加的な隙間容積402が、かつてリング材料が存在していた場所に開放する。これは、付加的な隙間容積に取って代わられているピストンリングの擦り減った部分を示す、図4の破線によって図示される。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態では、ピストン面が、ピストンリングと円周方向の溝との間の容積をシリンダ容積に開放するために修正される。燃焼反応がリングの内部表面と円周方向の溝との間の容積に到達することを可能にする、ピストン面とピストンリングが配列される円周方向の溝との間の開口部が、もたらされる。これらの連通する開口部は、反応が、(例えば、隙間容積が開口部にない場合)標的容積の中に伝搬し、そこに位置する燃料を燃焼させることを可能にするために、冷却距離より大きい特性長を有する。例えば、急冷距離が1ミリメートルであるとき、これらの開口部の特性長は、1ミリメートルを上回るであろう。
【0014】
いくつかの実施形態では、前方ランドは、ピストン上のピストンリングを摩擦および加速負荷の影響下に含有するために必要であって、そうでなければ、ピストンリングは、ピストン上のリング着座面積から外れ得る。したがって、前方ランドとピストン面との間の通路を可能な限り開放したままにし、ピストンリングとピストンとの間に位置する燃料の完全燃焼を可能にすることが望ましいが、前方ランドを十分な強度でピストンに機械的に取り付けることもまた必要であるという点において、設計トレードオフが、生じる。いくつかの実施形態では、これは、図5および6に図示されるような設計を使用して達成されることができる。
【0015】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的オープンフェイス型ピストン500の正面部分の斜視図を示す。図6は、図5のオープンフェイス型ピストンの立面側面図を示す。従来のピストン設計では、ピストン面の表面が、前方ランドの縁に完全に半径方向に外向きに延在するのに対し、図5および6に図示される設計では、ピストン面508は、部分的にのみ半径方向に外向きに延在し、開口部504をそれ自体とランド502との間に残す。加えて、図示される設計では、離間される開口部506が、ピストンリングが配列されるであろう円周方向の溝512に沿って提供される。
【0016】
前方ランドを円周方向の溝512の背面側に取り付けるための構造的なウェブ510が、提供される。構造的なウェブ510はまた、円周方向の溝512の底面側を部分的に画定する役割も果たす。より具体的には、円周方向の溝512の底面側が、構造的なウェブ510によって、および離間される開口部506によって画定される。開口部504および506は、各開口部とピストンリングアセンブリの内部表面との間のガス経路に沿った最小の開口部が、少なくとも空気および燃料の混合物の急冷距離であるようなサイズおよび配列にされる。例えば、開口部は、1ミリメートル~10ミリメートルまたはさらにより大きく(すなわち、急冷距離が1ミリメートルを下回る)ようなサイズにされることができる。他の実施例では、開口部は、開口部の寸法が依然として空気および燃料の混合物の急冷距離を上回る限り、1ミリメートルを下回るようなサイズにされ得る。図示される設計は、例示的にすぎないことを理解されたい。燃焼反応が、ピストンリングの内部表面と円周方向の溝の底部との間に画定される隙間容積の中に伝搬することを可能にするための開口部を提供する、任意の他の好適な設計が、本開示の原理に従って使用されてもよい。
例えば、図5および6は、幾何学形状および間隔の観点から相互に実質的に均等であるような開口部506を示すが、それらは、そうである必要はない。開口部506は、任意の好適なサイズおよび形状であってもよい。それらは、実質的に均等であり得る、または代替として、開口部506のうちの1つ以上のものは、サイズ、形状、または両方において、残りの開口部506のうちの1つ以上のものと比較して異なっていてもよい。開口部506の間の構造的なウェブ510のサイズおよび形状(すなわち、間隔および設計)は、相互に実質的に均等であり得る、または代替として、構造的なウェブ510のうちの1つ以上のものは、サイズ、形状、または両方において、残りの構造的なウェブ510のうちの1つ以上のものと比較して異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、開口部506は、円周方向の溝512の底部の大部分を被覆してもよい。
【0017】
開口部504は、単一の対称的な開口部として図示されるが、いくつかの実施形態では、任意の好適な幾何学形状性質を有する、2つ以上の開口部として実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、前方ランド502の正面は、半径方向に内向きに延在し、ピストン面508に接続し、図示される構造的なウェブ510に対して実質的に直交の配向の付加的な構造的なウェブを作成してもよい。これらの付加的な構造的なウェブは、図示される構造的なウェブ510に対して(すなわち、正面502に対するピストン面508の場所に応じて)実質的に直交である必要はないことを理解されたい。本付加的な構造支持を用いて、これらの実施形態は、開口部506が数、サイズ、または両方においてより大きくあることを可能にする場合がある。1つの好適なアプローチでは、円周方向の溝の底部が完全に開放するように、複数の開口部506の代わりに、単一の開口部が、使用されてもよい。本アプローチでは、ランド502とピストン面508との間にあるか、円周方向の溝512の底部を軸方向に横断しているかのいずれか一方である、またはその両方である、少なくとも1つの構造的なウェブが、前方ランド502をピストン500の残部に取り付けるために必要とされるであろう。
【0018】
図7および8は、本開示のいくつかの実施形態による、図5および6のオープンフェイス型ピストンと、ピストンリングアセンブリ702とを含む、オープンフェイス型ピストンアセンブリの一部の、それぞれ、断面斜視図および側面立面図を示す。ピストンリング内部表面704を有するピストンリングアセンブリ702が、円周方向の溝内に配列され、溝の正面を画定する前方ランド502によって、溝内に物理的に含有される。同時に、ピストンリング内部表面704が、少なくともその円周および軸上の幅の大部分にわたって、シリンダ内の空気および燃料の混合物に暴露される。燃焼の間、反応が、ピストンリング内部表面704の少なくとも一部を通して伝搬し、ピストンリング内部表面とピストン面508との間に画定される容積に位置する燃料および空気の混合物を少なくとも部分的に反応させる。本少なくとも部分的な反応は、本容積内の少なくとも微量を上回る量の燃料および空気の混合物を反応させる。いくつかの実施形態では、反応される本容積内の燃料および空気の混合物の量は、少なくとも燃料および空気の混合物の大部分である。いくつかの実施形態では、反応される本容積内の燃料および空気の混合物の量は、少なくとも燃料および空気の混合物の実質的に全てである。
【0019】
ピストンリングアセンブリ702は、任意の好適な材料および寸法から作製される、単一の連続的なピストンリングを含み得る。いくつかの実施形態では、ピストンリングアセンブリ702は、結合される、相互から独立して移動可能である(例えば、半径方向または軸方向に)、または両方である、ピストンリングの2つ以上の部分を含み得る。図示されるように、ピストンリングアセンブリ702は、単一の連続的なリングである。ピストン面508と前方ランド502との間の開口部の最小範囲は、1ミリメートルを上回り、ピストンリング内部表面704とピストン500との間に位置する燃料および空気の混合物が、急冷距離が1ミリメートルまたはそれを下回るとき、反応されることを確実にする。構造的なウェブの幾何学形状は、前方ランド502を前方に押動するピストンリング702からの周期的な加速負荷にもかかわらず、前方ランドがピストンに取り付けられたままであることを確実にする。いくつかの実施形態では、ピストンリングアセンブリ702は、開口部504および506の利点のため、増加する隙間容積の懸念を伴うことなく、例えば、図4に図示される様式で、少なくとも部分的に固形の潤滑材料から作製され、使用され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、円周方向の溝512が、ピストン500の円周の全体の周囲に延在する。いくつかの実施形態では、円周方向の溝512は、部分的にのみ、ピストン500の円周の周囲に延在する。円周方向の溝512は、単一の連続的な溝であってもよい、またはピストン500の円周の周囲に連続的に配列される、2つ以上の離散した溝(すなわち、それぞれは、それ自体の個別のピストンリング部分を有する)であってもよい。円周方向の溝512が1つを上回る溝を含むとき、複数の溝は、いくつかの実施形態では、ピストン500の円周の周囲に完全に回り込み、各個別の対向端部から任意の好適な距離で分離されてもよい。本開示は、単一の円周方向の溝512が存在する実施形態を説明するが、いくつかの実施形態では、それぞれ、個別のピストンリングアセンブリを収容するピストン500の長さに沿って平行に軸方向に配列される、複数の円周方向の溝が、存在してもよいことを理解されたい。例えば、図5-8に図示されるように、付加的ピストンリング(図示せず)を収容するように構成される付加的な円周方向の溝514が、提供される。円周方向の溝514は、円周方向の溝512と平行に配列され、円周方向の溝512の背後に位置する。
【0021】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、オープンフェイス型ピストンアセンブリを使用する機関900の一部の簡略断面図を示す。ピストンアセンブリ912は、シリンダ902内で往復運動する。シリンダ902の燃焼区分から生じる燃焼反応914は、開口部910を通してリング906の内部表面とピストン904との間に画定される容積の中に伝搬し、反応することができる。したがって、本開示の特徴は、本容積の中に伝搬する燃焼反応を提供することを理解されたい。燃焼反応は、リング906の内部表面とピストン904との間に画定される容積の中に伝搬するが、必ずしもその容積内の燃料および空気の混合物の全てが反応されるわけではなく、少なくとも混合物の僅かな部分を上回る部分(例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも混合物の大部分または少なくとも混合物の実質的に全て)が、反応されることをさらに理解されたい。前方ランド908が、構造的なウェブ(図9に示さず)によってピストン904に取り付けられ、リング906を定位置に保持し得る。
機関900が、任意の好適な配列を使用して実装され得ることを理解されたい。例えば、本開示の特徴を使用して、1つを上回るシリンダが、使用されてもよい、1つ以上のシリンダ内の1つを上回るピストンが、使用されてもよい、または任意の他の好適な配列が、実装されてもよい。
【0022】
前述のものは、本開示の原理を例証するにすぎず、種々の修正が、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって成され得る。上記に説明される実施形態は、限定ではなく、例証のために提示されている。本開示はまた、本明細書に明示的に説明されるもの以外の多くの形態を呈し得る。故に、本開示は、明示的に開示される方法、システム、および装置に限定されず、以下の請求項の精神の範囲内であるそれらの変形および修正を含むことが意図されることが強調される。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図9