(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/24 20140101AFI20240731BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20240731BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20240731BHJP
【FI】
A63F13/24
A63F13/98
G06F3/0487
(21)【出願番号】P 2022073901
(22)【出願日】2022-04-27
【審査請求日】2022-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】椎名 恵
【合議体】
【審判長】小林 俊久
【審判官】北川 創
【審判官】蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3055961(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向への押圧操作を受ける入力部を少なくとも一方の面に備える被操作装置を着脱可能に装着する操作装置であって、
前記被操作装置を保持する保持部と、
前記保持部に接続され、ユーザによって回転操作が行われる回転操作部と、
前記回転操作部への前記回転操作に応じて、前記入力部を押圧する第1状態及び前記入力部を押圧しない第2状態に切り替える押圧部と、を備え、
前記押圧部は、前記第1状態において前記押圧部に前記第1方向とは反対の第2方向へ閾値を超える力が加わる第3状態になったことに応じて、前記入力部を押圧する力を軽減する軽減手段を有する、操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記軽減手段は、前記押圧部
が前記第3状態となったことに応じて
当該押圧部を前記第2方向へ移動
させる、操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置において、
前記押圧部は、前記第1方向への回転移動を含んで回転する第1回転軸を有し、
前記第1回転軸を軸支する軸支部をさらに備え、
前記押圧部は、前記軸支部が前記第2方向へ移動することに応じて当該第2方向に移動する、操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の操作装置において、
前記軸支部を前記第1方向に付勢する付勢部をさらに備え、
前記第3状態において前記軸支部は前記付勢部の付勢に抗して当該第2方向に移動する、操作装置。
【請求項5】
請求項3に記載の操作装置において、
前記回転操作部は、第2回転軸を有し、ユーザによる前記回転操作に応じて、前記第2回転軸で回転する、操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載の操作装置において、
前記第2回転軸は、前記第1状態において前記押圧部の一方の端部に接するカムを有し、
前記カムは、前記回転操作部へのユーザによる前記回転操作に応じて回転し、
前記カムの回転に応じて、前記押圧部は、前記第1回転軸で回転する、操作装置。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の操作装置において、
前記保持部に着脱可能に装着される回転操作部本体を備え、
前記回転操作部本体は、前記回転操作部と、前記押圧部とを含み、
前記押圧部は、前記回転操作部本体の前記保持部への装着位置を変更することに応じて異なる位置の前記入力部を押圧可能である、操作装置。
【請求項8】
請求項7に記載の操作装置において、
前記被操作装置は、前記保持部への保持状態に応じて前記入力部の入力位置が異なる第1被操作装置と第2被操作装置とを含み、
前記回転操作部本体は、当該第1被操作装置の前記入力部を前記押圧部で押圧可能な第1装着位置と、当該第2被操作装置の前記入力部を当該押圧部で押圧可能な第2装着位置とを取り得る、操作装置。
【請求項9】
請求項8に記載の操作装置において、
前記保持部は、前記第1装着位置と前記第2装着位置とに対応する位置に第1溝部及び第2溝部を有し、
前記回転操作部本体の一部が前記第1溝部と前記第2溝部とに挿入されることにより、前記回転操作部本体は前記第1装着位置と前記第2装着位置とに位置決めされる、操作装置。
【請求項10】
請求項9に記載の操作装置において、
前記保持部は、前記第1装着位置には前記第1被操作装置を表す第1指標を有し、前記第2装着位置には前記第2被操作装置を表す第2指標を有する、操作装置。
【請求項11】
請求項10に記載の操作装置において、
前記第1指標および前記第2指標は、前記保持部への前記回転操作部本体の装着に応じて視認不可能な位置に配置される、操作装置。
【請求項12】
請求項10に記載の操作装置において、
前記第1指標および前記第2指標は、それぞれ前記第1溝部および前記第2溝部に配置される、操作装置。
【請求項13】
請求項7に記載の操作装置において、
前記保持部は、前記被操作装置を収容する収容部と、前記収容部に対して開閉可能な蓋部とを有し、
前記回転操作部本体は、凹部を有し、当該凹部内に前記収容部の一部および前記蓋部の一部を配置した状態で前記保持部へ装着されることで、前記蓋部が前記収容部に対して開放不可能になるように構成される、操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム装置に取り付け可能な周辺装置が知られている。特許文献1には、表示部及び回転検出子を備えるゲーム装置に取り付け可能な周辺装置が記載されている。特許文献1の周辺装置は、回転操作可能な操作部を有する。この操作部が回転操作されると、ゲーム装置の回転検出子が回転操作を検出し、回転情報を伝達する。これによりゲーム装置が有する表示部に表示されるゲーム要素が操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ゲーム装置に設けられた入力部を周辺装置を介して押圧操作するものではない。また、取り付け可能な別の操作装置を操作することにより入力部を押圧操作する場合には、確実に入力部を押圧するために押圧時に強い力を加える必要があるが、力が加わり過ぎると入力部が損傷する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様による操作装置は、第1方向への押圧操作を受ける入力部を少なくとも一方の面に備える被操作装置を着脱可能に装着する。操作装置は、前記被操作装置を保持する保持部と、前記保持部に接続され、ユーザによって操作が行われる操作部と、前記操作部への操作に応じて、前記入力部を押圧する第1状態及び前記入力部を押圧しない第2状態と切り替える押圧部と、を備える。前記押圧部は、前記第1状態において前記押圧部に前記第1方向とは反対の第2方向へ閾値を超える力が加わる第3状態になったことに応じて、前記入力部を押圧する力を軽減する。また、本発明の他の態様による操作装置は、第1方向への押圧操作を受ける入力部を少なくとも一方の面に備える被操作装置を着脱可能に装着する。操作装置は、前記被操作装置を保持する保持部と、前記保持部に接続され、ユーザによって回転操作が行われる回転操作部と、前記回転操作部への前記回転操作に応じて、前記入力部を押圧する第1状態及び前記入力部を押圧しない第2状態と切り替える押圧部と、を備える。前記押圧部は、前記第1状態において前記押圧部に前記第1方向とは反対の第2方向へ閾値を超える力が加わる第3状態になったことに応じて、前記入力部を押圧する力を軽減する軽減手段を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、入力部に操作装置の押圧部から一定以上の力が加わらないため、入力部の損傷を抑制または防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の操作装置と、操作装置が取り付けられるゲーム装置の被操作装置との外観斜視図である。
【
図2】
図2(A),(B)は被操作装置に操作装置が取り付けられた状態の操作装置と被操作装置との外観斜視図である。
【
図3】
図3(A)は保持部及び把持部の外観平面図であり、
図3(B)は保持部及び把持部の外観側面図である。
【
図4】
図4(A)は操作部本体の外観斜視図であり、
図4(B)は操作部本体の内部斜視図である。
【
図5】
図5(A),
図5(B),
図5(C)は、操作装置及びコントローラの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照しながら、実施の形態の操作装置について説明を行う。
【0009】
図1,
図2は、操作装置1と、ゲーム装置が有する被操作装置であるコントローラ2との外観斜視図である。
図2(A),
図2(B)は、操作装置1がコントローラ2に装着された状態を示している。
【0010】
<コントローラ2>
コントローラ2は、第1コントローラ(第1被操作装置)2aと第2コントローラ(第2被操作装置)2bとを有する。第1コントローラ2a及び第2コントローラ2bは、例えば直方体状に形成され、複数の面を有する。複数の面のうち少なくとも1つの面を操作面21と呼ぶ。尚、以下の説明においては、
図1,
図2に示されるコントローラ2の操作面21の短辺に沿ったx軸と、長辺に沿ったy軸と、x軸及びy軸に直交するz軸とからなる直交座標系を設定する。
【0011】
第1コントローラ2aの操作面21には、入力部22aが設けられる。入力部22aは、第1コントローラ2aの操作面21の中心に対してy軸+側かつx軸+側に偏心した位置に設けられる。第2コントローラ2bの操作面21には、入力部22bが設けられる。入力部22bは、第2コントローラ2bの操作面21の中心に対してy軸-側かつx軸+側に偏心した位置に設けられる。
【0012】
尚、以下の説明においては、第1コントローラ2aの入力部22aと第2コントローラ2bの入力部22bとを総称する場合に、入力部22と呼ぶ。また、以下の説明では、第1コントローラ2aと第2コントローラ2bとを総称する場合には、コントローラ2と呼ぶ。入力部22は、z軸-側へ向けた押圧方向(第1方向)への押圧操作を受け付けると、操作信号を出力する入力操作部材である。入力部22から出力される操作信号に応じて、ゲーム装置が有する表示部(不図示)に表示されるゲーム要素が操作される。
【0013】
<操作装置1>
操作装置1は、保持部11と、把持部12と、操作部本体13とを有する。操作部本体13は、保持部11に着脱可能に取り付けられる。操作部本体13は、詳細を後述するように、ユーザの操作に応じて、保持部11に保持されたコントローラ2の入力部22を押圧する。
【0014】
<保持部11>
図3(A)は保持部11及び把持部12の外観平面図であり、
図3(B)は保持部11及び把持部12のx軸+側の側面図である。
【0015】
保持部11は、コントローラ2が収容される収容部111と、収容部111に対してz軸+側に設けられる蓋部112とを有する。コントローラ2が収容される保持部11の短辺はx軸に沿って伸び、長辺はy軸に沿って伸びる。
【0016】
収容部111の内部に第1コントローラ2a又は第2コントローラ2bが収容されることにより、保持部11は第1コントローラ2a又は第2コントローラ2bを保持する。
図2(A)は収容部111に第1コントローラ2aが収容された場合を示し、
図2(B)は収容部111に第2コントローラ2bが収容された場合を示す。第1コントローラ2aと第2コントローラ2bとは、保持部11に保持されると、保持部11に対するそれぞれの入力部22の位置(入力位置)が異なる。換言すると、コントローラ2は、保持部11への保持状態に応じて、入力部22の入力位置が異なる第1コントローラ2aと第2コントローラ2bとを含む。
【0017】
収容部111と蓋部112とは、x軸-側の端部に設けられたヒンジ部113によって接続される。この場合、蓋部112は、ヒンジ部113にてy軸に沿った回転軸Bで回転することにより開閉可能に収容部111に取り付けられる。
図3(A),(B)は、蓋部112が閉じた状態(閉状態)を示す。この閉状態から蓋部112が回転軸Bの周りに矢印Cに回転すると、蓋部112が開いた状態(開状態)となり、収容部111内へのコントローラ2の出し入れが可能となる。
【0018】
開状態の蓋部112が回転軸Bの周りに矢印Cと反対回りに回転すると、
図3(A),(B)に示されるように、蓋部112は閉状態に戻る。尚、後述するように操作部本体13を保持部11から取り外した状態のとき、蓋部112をヒンジ部113により回転させることができる。蓋部112には中央部に開口112aが設けられ、これにより、収容されたコントローラ2の操作面21が外部に露出し、入力部22に対する外部からの押圧操作が可能となる。
【0019】
蓋部112のx軸+側の端部には、y軸+側に第1溝部114とy軸-側に第2溝部115とが形成される。第1溝部114と第2溝部115とは、蓋部112の他の部分と比較して、z軸方向の長さ(厚さ)が小さい。収容部111のx軸+側の端部には、y軸+側に第3溝部116とy軸-側に第4溝部117とが形成される。第3溝部116と第4溝部117とは、収容部111の他の部分と比較して、z軸方向の長さ(厚さ)が小さい。蓋部112が閉状態のときに、第1溝部114と第3溝部116とはz軸方向に沿って並び、第2溝部115と第4溝部117とはz軸方向に沿って並ぶ。尚、上記の第1溝部114,第2溝部115,第3溝部116及び第4溝部117を総称する場合には、溝部118と呼ぶ。
【0020】
溝部118には、詳細を後述する操作部本体13の一部が挿入されることにより、操作部本体13が保持部11に装着される。第1コントローラ2aが保持部11に保持されている場合には、操作部本体13の一部は、第1溝部114及び第3溝部116に挿入される。第2コントローラ2bが保持部11に保持されている場合には、操作部本体13の一部は、第2溝部115及び第4溝部117に挿入される。
【0021】
尚、以下の説明においては、第1溝部114及び第3溝部116が形成される位置に対応する位置を第1装着位置P1と呼び、第2溝部115及び第4溝部117が形成される位置に対応する位置を第2装着位置P2と呼ぶ。したがって、操作部本体13は、第1装着位置P1(
図2(B)参照)と第2装着位置P2(
図2(A)参照)とのうちの何れか一方にて保持部11に装着(位置決め)される。具体的には、第1コントローラ2aが保持部11に保持されているときには、操作部本体13は第1装着位置P1に装着され(
図2(A)参照)、第2コントローラ2bが保持部11に保持されているときには、操作部本体13は第2装着位置P2に装着される(
図2(B)参照)。換言すると、操作部本体13は、第1コントローラ2aの入力部22を押圧可能な第1装着位置P1と、第2コントローラ2bの入力部22を押圧可能な第2装着位置P2とを取り得る。別の見方をすると、操作部本体13の保持部11への装着位置を変更することに応じて、異なる位置の入力部22への押圧が可能となる。
【0022】
第1溝部114には第1指標S1が配置され、第2溝部115には第2指標S2が配置される。換言すると、保持部11は、第1装着位置P1に第1指標S1を有し、第2装着位置P2に第2指標S2を有する。第1指標S1は、第1コントローラ2aが収容部111に収容されることを示す。具体的には、第1指標S1は、第1コントローラ2aの操作面21の状態(入力部22がy軸+側に位置する状態)を、例えば刻印や印刷等によって模式的に示している。
図2(A)に示されるように、第1指標S1は、第1装着位置P1に操作部本体13が装着されると、視認不可能な位置に配置されている。換言すると、第1指標S1は、第1装着位置P1に操作部本体13が装着されると、操作部本体13に被覆される位置に配置されている。第2指標S2は、第2コントローラ2bが収容部111に収容されることを示す。具体的には、第2指標S2は、第2コントローラ2bの操作面21の状態(入力部22がy軸-側に位置する状態)を、例えば刻印や印刷等によって模式的に描いている。
図2(B)に示されるように、第2指標S2は、第2装着位置P2に操作部本体13が装着されると、視認不可能な位置に配置されている。換言すると、第2指標S2は、第2装着位置P2に操作部本体13が装着されると、操作部本体13に被覆される位置に配置されている。なお、第1溝部114および第2溝部115溝部に配置される指標としては、操作部本体13の保持部11への装着の向きを示す指標を含んでもよい。
【0023】
<把持部12>
把持部12は、保持部11の収容部111のy軸-側の端部に形成される。把持部12は、例えば円柱状に形成され、収容部111のy軸-側の端部から、y軸-方向に向けて伸びる。把持部12は、操作装置1を両手で把持する際に、ユーザの左右の手のうち一方の手で把持される。尚、把持部12の形状は円柱状であるものに限定されず、角柱状であってもよいし、ユーザの手による把持が容易となるあらゆる形状とすることができる
【0024】
<操作部本体13>
図4(A)は操作部本体13の外観斜視図であり、
図4(B)は操作部本体13の内部斜視図である。
図5は、
図2(A)のA-A線における操作装置1(保持部11、操作部本体13)及びコントローラ2の部分断面図である。
図1~
図5に示されるように、操作部本体13は、操作部130と、押圧部131と、回転軸132と、軸支部133と、付勢部134とを有する。押圧部131と、回転軸132と、軸支部133と、付勢部134とは、操作部本体13の筐体14内に収容される。
【0025】
筐体14のx軸-側の面(以下、装着面)15は、保持部11に操作部本体13が装着された際に、保持部11と接触する。装着面15には、x軸-側に向けて突出する一対の突部151,152との間に凹部153が形成される。突部151は装着面15のz軸+側に形成され、突部152は装着面15のz軸-側に形成される。一対の突部151,152がx軸+側からスライドさせられて溝部118に挿入されることにより、操作部本体13は保持部11のx軸+側に装着される。操作部本体13が第1装着位置P1に装着される際には、突部151は蓋部112の第1溝部114に挿入され、突部152は収容部111の第3溝部116に挿入される。操作部本体13が第2装着位置P2に装着される際には、突部151は蓋部112の第2溝部115に挿入され、突部152は収容部111の第4溝部117に挿入される。換言すると、操作部本体13の凹部153内に収容部111の一部と蓋部112の一部が配置されることにより、操作部本体13が保持部11へ装着される。保持部11が操作部本体13の凹部153内に配置されると、突部152によって蓋部112のz軸+側への移動が規制される。その結果、閉状態の蓋部112が開放不可能となる。
【0026】
操作部130は、x軸平行な回転軸(第2回転軸)140に取り付けられた操作軸135と、ユーザが操作部130を操作する際に把持する操作把持部136とを有する。回転軸140と操作部130とは一体回転可能に設けられる。操作軸135は、回転軸140が伸びる方向(x軸方向)に直交する方向に伸びるロッド状の部材である。操作把持部136は、ロッド状の操作軸135の両端に設けられる。ユーザは、操作装置1を操作する際に、左右の手の一方で上述した把持部12を把持し、他の一方の手で操作把持部136を把持する。ユーザが操作把持部136を把持して操作部130を操作すると、回転軸140で操作軸135が回転する。すなわち、ユーザの操作に応じて、回転軸140で操作部130が回転する。
【0027】
回転軸140のx軸-側の端部にはカム141が設けられる。カム141は詳細を後述する押圧部131のx軸+側の端部131Aに対してz軸-側に位置する。カム141は、ユーザによる操作部130への操作に応じて、回転軸140とともに回転し、押圧部131の端部131Aをz軸方向に沿って変位させる。
【0028】
<押圧部131>
押圧部131は、x軸方向に沿って伸びる部材であり、y軸方向に沿って伸びる回転軸(第1回転軸)132を有する。回転軸132は、z軸-側への回転移動を含んで回転可能に設けられる。押圧部131のx軸+側の端部131Aは、上記の回転軸140に対してz軸+側に配置される。押圧部131は、カム141の回転に応じて、回転軸132で回転可能に設けられる。
【0029】
押圧部131のx軸-側の端部131Bには、押圧操作部142と突部143とが設けられる。押圧操作部142は、端部131Bのz軸+側に設けられる。押圧操作部142は、筐体14に設けられた開口144を介して筐体14の外部(z軸+側)に突出する。押圧操作部142は、ユーザによるz軸-側へ向けた押圧操作を受け付ける。
【0030】
突部143は、端部131Bのz軸-側に設けられ、z軸-側に向けて突出する。操作部本体13が保持部11に装着されると、押圧部131の突部143は、コントローラ2の入力部22に対してz軸+側に位置する。具体的には、第1コントローラ2aが保持部11に保持されると、突部143は入力部22aに対してz軸+側に位置する。第2コントローラ2bが保持部11に保持されると、突部143は入力部22bに対してz軸+側に位置する。押圧部131は、詳細を後述するように、操作部130の操作に応じて回転軸132で回転することにより、突部143が入力部22を押圧する第1状態と、突部143が入力部22を押圧しない第2状態とを切り替える。
【0031】
<軸支部133>
軸支部133は、xy平面に平行な第1面133aと、zx平面に平行な第2面133b及び第3面133cとを有する。第2面133bは第1面133aのy軸+側の端部に接続し、第3面133cは第1面133aのy軸-側の端部に接続する。第2面133b及び第3面133cは、それぞれz軸-側の端部からz軸+側に向けて延在するガイド穴が形成されている。このガイド穴のx軸方向の幅は、回転軸132の直径と略等しい。
【0032】
軸支部133の第1面133a,第2面133b及び第3面133cに囲まれる空間に押圧部131の一部が収容される。このとき、第2面133b及び第3面133cに形成されたガイド穴に回転軸132が収容される。すなわち、軸支部133は、押圧部131と回転軸132とに対してz軸+側に配置される。換言すると、軸支部133は、回転軸132をz軸+側から軸支する。軸支部133の第2面133b及び第3面133cに形成されたガイド穴は、上述したようにz軸+側に延在し、x軸方向の幅が回転軸132の直径と略等しい。このため、回転軸132は軸支部133に対してx軸方向に移動することが規制されるとともに、軸支部133に対してz軸方向に変位することが規制される。
【0033】
<付勢部134>
付勢部134は、例えばバネ等の弾性部材であり、軸支部133の第1面133aと筐体14との間の空間、すなわち軸支部133に対してz軸+側に配置される。付勢部134は、付勢力(例えば2[N])にて、軸支部133をz軸-方向に付勢する。これにより、回転軸132及び回転軸132を有する押圧部131はz軸-方向に付勢される。この付勢力の値は、詳細を後述するように、入力部22を押圧する力を軽減する際に、押圧部131にz軸+側へ向けて加わる力の閾値となる。このため、付勢力の値、すなわち閾値は、シミュレーション等の結果に基づいて、入力部22への押圧が確実に行われるとともに、入力部22を破損しない程度に高い値に設定されている。
【0034】
<操作部本体13の動作>
図5を参照して、操作部本体13の動作を説明する。
図5(A)は、操作部130に対してユーザによる回転操作が行われていない状態を示している。具体的には、
図5(A)には、押圧部131が入力部22を押圧しない第2状態が示されている。尚、以下の説明においては、上述したz軸-側への押圧方向である第1方向に対して、z軸+側へ向かう方向を第2方向と呼ぶことがある。図に示されるように、カム141と押圧部131のx軸+側の端部131Aとが接していないため、端部131Aにはカム141からz軸方向の力が作用しない。このため、押圧部131は回転軸132で回転しない。すなわち、押圧部131の端部131Bはz軸-側に移動しないため、端部131Bに設けられた突部143は、コントローラ2の入力部22と接触しない。換言すると、押圧部131は、入力部22を押圧可能な押圧方向に向けた回転を行わない。
【0035】
図5(B)は、操作部130に対してユーザによる回転操作が行われた状態を示している。具体的には、
図5(B)には、押圧部131が回転することにより、押圧部131が入力部22を押圧する第1状態が示されている。操作部130に対する操作に伴って、回転軸140が回転する。回転軸140が回転することにより、カム141が押圧部131の端部131Aのz軸-側に接触する。これにより、端部131Aはz軸+側の方向(第2方向)に力を受けるので、押圧部131は回転軸132で
図5(B)において反時計回りに回転する。この回転により、押圧部131の端部131Bは第1方向に移動し、突部143がコントローラ2の入力部22に接触する。すなわち、押圧部131は、入力部22を押圧可能な第1方向に向けて回転軸132で回転する。この結果、入力部22は第1方向に押圧される。
【0036】
さらに操作部130に対する回転操作が行われ、カム141によって端部131Aが第2方向へ押し上げられる量が大きくなると、突部143の第1方向への移動量も、
図5(B)に示される状態よりも大きくなる。しかし、コントローラ2の入力部22がz軸方向に沿って移動可能な範囲には制限(移動制限)があるため、突部143のz軸-側への移動量が増加しても、入力部22はz軸-側へ移動制限を超えた移動を行うことができない。この場合、入力部22には、突部143から加わる第1方向への力が増加する。このため、突部143がコントローラ2の入力部22から受ける反力(第2方向への力)も増加するとともに、突部143が受ける反力と同じ力が回転軸132にも加わる。回転軸132に第2方向への反力が加わることにより、回転軸132を介して軸支部133にも第2方向への力が加わる。
【0037】
図5(C)は、第1状態のときに、入力部22に第1方向へ向けて突部143から閾値(付勢部134の付勢力である2[N])を超える力が作用した状態(第3状態)を示す。このとき、突部143と回転軸132に閾値を超える反力が第2方向へ作用する。第2方向への反力は付勢部134の付勢力である閾値を超えているため、軸支部133が付勢力に抗して第2方向に移動する。これにより、回転軸132と押圧部131とが第2方向へ移動する。すなわち、軸支部133が第2方向へ移動することに応じて、押圧部131も第2方向へ移動する。この結果、押圧部131の端部131Bに形成された突部143が入力部22を第1方向へ押圧する力が軽減され、入力部22に過剰な力が加わることが抑制される。換言すると、第1状態において押圧部131に閾値を超える反力が加わる第3状態となったことに応じて、押圧部131は第2方向へ移動し、入力部22を押圧する力を軽減する。
【0038】
尚、上記では、ユーザが操作部130を回転操作させた場合の動作について説明したが、ユーザが押圧部131の端部131Bに形成された押圧操作部142を押圧操作した場合も同様である。ユーザが押圧操作部142を第1方向へ押圧操作すると、押圧部131は、回転軸132で回転し、押圧部131の端部131Bに形成された突部143が入力部22を押圧する。押圧操作部142を押圧する操作量が増加し、突部143から入力部22に加わる力が増大し、閾値を超えると、操作部130の回転操作にて説明した場合と同様に、回転軸132と軸支部133とが第2方向へ移動する。この移動に伴い、押圧部131全体もz軸+側へ移動する。この結果、押圧操作部142への押圧操作によって突部143が入力部22を押圧する力が軽減され、入力部22に過剰な力が加わることが抑制される。
以上で説明した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0039】
(1)操作装置1は、被操作装置であるコントローラ2を保持する保持部11と、保持部11に接続され、ユーザによって操作が行われる操作部130と、操作部130への操作に応じて、コントローラ2が有する入力部22を押圧する第1状態及び入力部22を押圧しない第2状態と切り替える押圧部131と、を備える。押圧部131は、第1状態において押圧部131に第1方向(z軸-側への方向)とは反対の第2方向(z軸+側への方向)へ閾値を超える力が加わる第3状態になったことに応じて、入力部22を押圧する力を軽減する。具体的には、第3状態となったことに応じて押圧部131が第2方向へ移動する。これにより、コントローラ2の入力部22に過度の力が加わることが抑制されるため、入力部22の損傷を抑制又は防止することができる。
【0040】
(2)押圧部131は、第3状態となると、軸支部133が第2方向へ移動することに応じて第2方向へ移動する。具体的には、回転軸132を軸支する軸支部133と、軸支部133を第1方向に付勢する付勢部134と、が設けられる。操作部130の回転に応じて、第3状態となると、軸支部133は付勢部134の付勢に抗して第2方向に変位する。これにより、押圧部131も第2方向へ移動するため、押圧部131が閾値を超える力にて入力部22を押圧することができなくなる。この結果、入力部22に閾値を超える力が加わることが抑制され、入力部22の損傷を抑止又は防止することができる。
【0041】
(3)操作部130は、ユーザによる操作に応じて、回転軸(第2回転軸)140で回転する。これにより、ユーザは、コントローラ2の入力部22を直接押圧操作する場合よりもゲーム要素の内容に応じた操作感を得ることができるので、興趣性が向上する。
【0042】
(4)第2回転軸である回転軸140にはカム141が形成され、第1状態において押圧部131の一方の端部である端部131Aに接する。カム141は、ユーザによる操作部130への操作に応じて回転し、カム141の回転に応じて押圧部13は第1回転軸である回転軸132で回転する。これにより、ユーザが入力部22を直接操作することなく、操作部130を回転操作することにより入力部22への操作を行うことができる
【0043】
(5)押圧部131は、ユーザの第1方向への押圧操作を受け付けて入力部22を押圧する押圧操作部142を有する。これにより、操作装置1をコントローラ2に装着した場合であっても、ユーザの押圧操作により、押圧操作部142を介して入力部22を操作することができる。操作部130の回転操作による入力部22への操作が入力部22への連続操作をする場合に適しているのに対して、ユーザの押圧操作による押圧操作部142を介した入力部22への操作は入力部22への1回あるいは所望の回数の操作をする場合に適しており、ユーザは、2つの操作方法から適する操作方法を選択して操作することができる。
【0044】
(6)保持部11に着脱可能に装着される操作部本体13は、保持部11への装着位置を変更することに応じて、異なる位置の入力部22を押圧可能である。具体的には、保持部11は、保持状態に応じて入力部22の入力位置が異なる第1コントローラ2aと第2コントローラ2bとを保持可能である。そして、操作部本体13は、第1コントローラ2aの入力部22aを押圧可能な第1装着位置P1と、第2コントローラ2bの入力部22bを押圧可能な第2装着位置P2とを取り得る。これにより、保持部11に保持されたコントローラ2が第1コントローラ2aであるか第2コントローラ2bであるかに依らず、ユーザは操作部130を操作することによりゲーム要素を操作することができる。
【0045】
(7)保持部11は、第1装着位置P1と第2装着位置P2とに対応する位置に第1溝部114及び第2溝部115を有する。操作部本体13の一部が第1溝部114と第2溝部115とに挿入されることにより、操作部本体13は第1装着位置P1と第2装着位置P2とに位置決めされる。これにより、簡単な構成により、操作部本体13を保持部11に対して着脱可能に装着させることができる。
【0046】
(8)保持部11は、第1装着位置P1に第1コントローラ2aを表す第1指標S1を有し、第2装着位置P2に第2コントローラ2bを表す第2指標S2を有する。具体的には、第1指標S1は第1溝部114に配置され、第2指標S2は第2溝部115に配置される。これにより、ユーザは、保持部11に保持されているコントローラ2が第1コントローラ2aであるか第2コントローラ2bであるかに応じて、どの位置に操作部本体13を装着するのかが容易に判断できるので、利便性が向上する。
【0047】
(9)操作部本体13の凹部153内に収容部111の一部と蓋部112の一部とが配置された状態で、操作部本体13が保持部11に装着されることにより、蓋部112が収容部111に対して開放不可能となる。これにより、操作部130を操作中に蓋部112が開状態となりコントローラ2が保持部11から脱落する等の不具合が生じることを抑制できる。
【0048】
上記では、種々の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0049】
<変形例>
操作装置1は、実施形態にて説明したようには、ゲーム装置のコントローラ2に装着されるものに限定されない。
【0050】
図6は、変形例の操作装置90の外観斜視図である。操作装置90の本体901は、ユーザによる回転操作可能な操作部本体902と、被操作装置903を着脱可能に装着可能な装着部904とを有する。本体901にはベルト905が設けられ、操作装置90は例えばユーザの腰部に装着可能に構成される。操作装置90は、複数種類の被操作装置903ごとに異なる演出を出力する玩具である。
【0051】
被操作装置903は、内部に演出に関する情報が記憶されている。演出の内容は、被操作装置903ごとに異なる。被操作装置903は、
図6の矢印Dで示される挿入方向に沿って本体901の装着部904に挿入されて、装着される。尚、
図6においては、2個の被操作装置903が装着部904に着脱可能な場合を示しているが、1個の被操作装置903が着脱可能であってもよいし、3個以上の被操作装置903が着脱可能であってもよい。
【0052】
操作部本体902は上述した実施形態の操作部本体13と同様の構成を有する。ユーザが把持部906を軸Eの周りに回転操作することにより、装着部904に装着された被操作装置903の入力部913が装着方向Dに対して逆方向(押圧方向、すなわち実施形態における第1方向)に押圧される。入力部913が押圧されると、被操作装置903は演出に関する情報を本体901へ出力する。
【0053】
本体901に設けられた演出出力部910は、被操作装置903から出力された演出に関する情報に応じた演出を行う。演出出力部910は、例えばスピーカやLED等の光源を有し、演出として、例えば音声出力、発光出力等を行う。ユーザは、装着部904に装着する被操作装置903を変更することにより、演出出力部910が行う演出を変更させることができる。
【0054】
本変形例の操作部本体902は実施形態の操作部本体13と同様の構成を有する。これにより、ユーザによる把持部906の回転操作によって、操作部本体902が有する押圧部に対して被操作装置903の入力部913への押圧方向とは反対方向(実施形態における第2方向)に閾値を超える力が加わると、入力部913を第1方向へ押圧する力が軽減される。この結果、被操作装置903の入力部913の損傷を抑制又は防止することができる。
【0055】
尚、閾値は、入力部913への押圧が確実に行われることを目的として、入力部913を破損しない程度に高い値に設定されるとよい。
【符号の説明】
【0056】
1,90 操作装置、2 コントローラ、11 保持部、12 把持部、13,902 操作部本体、2a 第1コントローラ、2b 第2コントローラ、22,22a,22b 入力部、111 収容部、112 蓋部、114 第1溝部、115 第2溝部、16 第3溝部、117 第4溝部、118 溝部、130 操作部、131 押圧部、132 回転軸、133 軸支部、134 付勢部、140 回転軸、141 カム、142 押圧操作部、153 凹部、903 被操作装置、904 装着部、913 入力部、P1 第1装着位置、P2 第2装着位置、S1 第1指標、S2 第2指標