(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240731BHJP
【FI】
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2022087844
(22)【出願日】2022-05-30
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 真之介
(72)【発明者】
【氏名】増田 奈央
(72)【発明者】
【氏名】前田 文子
(72)【発明者】
【氏名】横井 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩由
(72)【発明者】
【氏名】古川 穂南
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0136083(US,A1)
【文献】特開2021-196654(JP,A)
【文献】特開2021-189675(JP,A)
【文献】特開2020-154878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の1の企業にゲストとして一時的に所属する外部の人物である対象者に対して前記1の企業に導入される所定のサービスの利用
を許可するための情報である対象者情報の登録を、前記対象者を管理する管理者であって前記1の企業に常勤する管理者が前記1の企業において属する所定の組織単位で受け付ける受付部と、
前記組織単位で登録された前記対象者情報を
組織ごとに管理する処理として、前記対象者情報を登録した前記管理者が属する前記組織ごとに区別して、当該組織に属する前記管理者が登録した前記対象者情報を管理する管理部と
を有する管理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記所定のサービスとして、SaaS(Software as a Service)上で提供されるサービスの利用を前記対象者に対して許可するための情報である前記対象者情報の登録を組織単位で受け付ける
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理部は、
前記組織ごとに区別して管理される前記対象者情報を、当該組織とは異なる他の組織が閲覧または編集可能なように組織の間で共有させる
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記管理部は、異なる組織の間で前記対象者が共通する前記対象者情報が登録された場合には、双方の前記対象者情報をマージした状態で管理する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記対象者情報として、当該対象者情報を登録
した前記管理者が属する前記組織に前記対象者が所属することを許可する期間である第1の有効期間と、前記第1の有効期間に含まれる期間であって前記対象者に対して前記所定のサービスの利用を許可する期間である第2の有効期間との登録を受け付ける
請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記管理部は、異なる組織の間で前記対象者が共通する前記第1の有効期間が登録された場合には、双方の前記第1の有効期間をマージした状態で管理する
請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記管理部は、異なる組織の間で前記対象者が共通する前記第2の有効期間が登録された場合には、双方の前記第2の有効期間をマージした状態で管理する
請求項5に記載の管理装置。
【請求項8】
前記受付部は、組織単位で登録された前記対象者情報を、当該組織とは異なる他の組織には共有させない設定を組織単位でさらに受け付ける
請求項1に記載の管理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する
管理方法であって、
所定の1の企業にゲストとして一時的に所属する外部の人物である対象者に対して前記1の企業に導入される所定のサービスの利用
を許可するための情報である対象者情報の登録を、前記対象者を管理する管理者であって前記1の企業に常勤する管理者が前記1の企業において属する所定の組織単位で受け付ける受付工程と、
前記組織単位で登録された前記対象者情報を
組織ごとに管理する処理として、前記対象者情報を登録した前記管理者が属する前記組織ごとに区別して、当該組織に属する前記管理者が登録した前記対象者情報を管理する管理工程と
を含む管理方法。
【請求項10】
所定の1の企業にゲストとして一時的に所属する外部の人物である対象者に対して前記1の企業に導入される所定のサービスの利用
を許可するための情報である対象者情報の登録を、前記対象者を管理する管理者であって前記1の企業に常勤する管理者が前記1の企業において属する所定の組織単位で受け付ける受付手順と、
前記組織単位で登録された前記対象者情報を
組織ごとに管理する処理として、前記対象者情報を登録した前記管理者が属する前記組織ごとに区別して、当該組織に属する前記管理者が登録した前記対象者情報を管理する管理手順と
をコンピュータに実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドにあるソフトウェアを、インターネット経由して利用者に提供するサービスが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、テナントに登録されているユーザにサービスを提供するクラウドシステムとして、テナントに対応づけてユーザを登録するための通信先をテナントごとに発行し、各通信先に接続したユーザをそれぞれの通信先を発行したテナントへ登録するクラウドシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、クラウドサービスの利用権限を契約主が管理するうえでの煩雑さを解消することができるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る管理装置は、受付部と、管理部とを有してよい。受付部は、所定のサービスの利用を許可する対象者に関して指定する対象者情報の登録を、前記対象者を管理する管理者が属する所定の組織単位で受け付けてよい。管理部は、組織ごとに当該組織単位で登録された対象者情報を管理してよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る管理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る管理処理の概要を説明する説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る管理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る登録画面の一例(1)を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る登録画面の一例(2)を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る登録画面の一例(3)を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る登録画面の一例(4)を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るリスト情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るマージ手法の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る管理処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る管理装置、管理方法および管理プログラムを実施するための一形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について適宜図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願に係る管理装置、管理方法および管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。また、以下の説明において、計算等により位置情報を取得することを「測位」と称する場合がある。
【0009】
[実施形態]
〔1.はじめに〕
クラウドシステムが提供するサービスを企業が法人契約することで社員がサービスを利用して業務を行う場合がある。このようなサービスの代表的なものとしては、企業内のネットワークを活用した情報共有のためのソフトウェア(グループウェア)が知られており、その提供形態は、SaaS(Software as a Service)と呼ばれている。
【0010】
このようにSaaS上で提供されるソフトウェアを企業で利用する場合、社員以外の特定の人物(例えば、企業に一時的に雇われる契約社員、あるいは、外部から企業に訪問する訪問者)にもこのソフトウェアの利用を許可しなければならない場合がある。
【0011】
このような場合、利用を許可するための初期設定や権限割当等の作業工程が発生することがあるが、このような作業工程は、手作業で行われることが多く、例えば、これを担当する部門にとっては本来の業務の妨げになり煩雑である。
【0012】
そこで、発明者らは、企業内において上記のような特定の人物を実際に招き入れる組織単位で、特定の人物を管理できるプロセスを仕組み化すれば、企業が特定の人物を管理するうえでの煩雑さが解消される点に着目した。
【0013】
以下では、仕組み化されたプロセスを実施形態として、図面を用いて詳細に説明する。なお、SaaS上で提供されるソフトウェア(所定のサービスの一例)を法人契約している企業を対象として、この企業内の特定の組織に一時的に所属する人物(以下、「ゲストユーザ」と表記する)も係るソフトウェアが利用できるよう組織単位で管理できるよう制御する場面を例に実施形態を説明する。また、係る例では、ゲストユーザは、SaaS上で提供されるソフトウェアの利用を許可される対象者に相当する。
【0014】
〔2.システム構成〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る管理システムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る管理システムの一例を示す図である。
図1には、実施形態に係る管理システムの一例として、管理システム1が示される。
【0015】
図1に示すように、管理システム1は、組織装置10と、管理装置100とを含んでよい。また、組織装置10と、管理装置100とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。
【0016】
組織装置10は、ゲストユーザを管理する管理者が属する組織で扱われている情報処理端末であってよい。このような情報処理端末としては、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等が挙げられる。
【0017】
例えば、組織装置10には、管理装置100との間で情報の送受信を実現する所定のアプリケーションソフトウェアが導入されてよい。また、係るアプリケーションソフトウェアは、ウェブブラウザ等の汎用的なアプリケーションソフトウェアであってもよいし、実施形態に係る管理処理に対応する専用のアプリケーションソフトウェアとして実装されてもよい。
【0018】
ここで、実施形態に係る組織とは、1つの会社(企業)を構成する部門(部署)単位であってもよいし、1つの部門において作られているチーム単位であってもよい。部門の一例としては、営業部やシステム部等が挙げられ、チームの一例としては、営業部におけるプロジェクトAチームやプロジェクトBチーム等が挙げられる。以下の実施形態では、組織として前者の例を用いて説明する。
【0019】
管理装置100は、実施形態に係る管理処理を行う情報処理装置であってよい。例えば、管理装置100は、SaaS上で提供されるソフトウェアを法人契約している企業の組織装置10を含む管理システム1において、実施形態に係る管理処理を実現してよい。例えば、管理装置100は、SaaS上で提供されるソフトウェアの利用を許可するゲストユーザに関して指定するゲスト情報(対象者情報の一例)の登録を、係る企業を構成する部門であって、ゲストユーザを一時的に所属させる部門単位で受け付けてよい。また、管理装置100は、部門ごとに当該部門単位で登録されたゲスト情報を管理してよい。
【0020】
ここで、管理システム1によれば、組織装置10は、ゲストユーザを管理する管理者(例えば、ゲストユーザを一時的に所属させる部門に属する正規社員)の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータといえる。一方で、管理装置100は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。
【0021】
〔3.実施形態に係る管理処理の概要〕
次に、
図2を用いて、管理システム1で実現される管理処理の概要を説明する。
図2は、実施形態に係る管理処理の概要を説明する説明図である。
図2では、ゲストユーザ管理グループG11(以下、「グループG11」と略す)の組織装置10-11と、ゲストユーザ管理グループG12(以下、「グループG12」と略す)の組織装置10-12と、管理装置100とを含む管理システム1を一例に用いて、実施形態に係る管理処理の概要を説明する。
【0022】
図2の例によれば、グループG11およびG12は、会社T1を構成する組織の1つであり、例えば、グループG11は営業部であってよく、また、グループG12はシステム部であってよい。また、
図2の例では、グループG11およびG12の双方が、人物U1を自身の部署で管理するゲストユーザとして登録するために、人物U1に関して指定するゲスト情報の登録を行う一場面が示される。例えば、グループG11およびG12は、人物U1をゲストユーザとして特定の期間自身の部署に所属させるにあたって、特定の期間、アプリAP1の利用権限を与えるため各種登録を管理装置100に対して行うことができる。
【0023】
アプリAP1は、会社T1によって予め法人契約されているソフトウェアであって、SaaS上で提供されるソフトウェアであってよい。例えば、アプリAP1は、スケジュール管理機能を有するグループウェアであってよい。
【0024】
なお、グループG11が行うものとして説明する登録作業は、実際には、グループG11に所属し、人物U1を管理する役割を有する管理者が組織装置10-11を操作することで行う。
図2には、係る管理者の一例として、管理者A111、管理者A112および管理者A113が示される。
【0025】
また、グループG12が行うものとして説明する登録作業は、実際には、グループG12に所属し、人物U1を管理する役割を有する管理者が組織装置10-12を操作することで行う。
図2には、係る管理者の一例として、管理者A121、管理者A122および管理者A123が示される。
【0026】
ここで、
図2の例によれば、グループG11は、組織装置10-11を介して、アプリAP1の利用を許可する人物U1に関してグループ単位で指定するゲスト情報UIF11を管理装置100に登録している。また、グループG12は、組織装置10-12を介して、アプリAP1の利用を許可する人物U1に関してグループ単位で指定するゲスト情報UIF12を管理装置100に登録している。なお、このような情報登録は、管理装置100から提供される所定の画面内で行うことができるが、係る画面を用いた情報登録の一例については後に詳述する。
【0027】
また、
図2に示すように、管理装置100は、管理処理の機能として、機能F1~機能F4という4つの機能を有してよく、ゲスト情報UIF11およびゲスト情報UIF12が登録された場合を例にこれらの機能を説明する。
【0028】
機能F1は、ゲストユーザに関して指定するゲスト情報の登録を組織単位で受け付けることで、組織ごとに当該組織単位で登録されたゲスト情報を管理する機能であってよい。
図2の例によれば、管理装置100は、人物U1に関して指定するゲスト情報の登録をグループ単位で受け付けてよい。
【0029】
図2には、管理装置100が、機能F1に応じて、人物U1に関してグループG11によって指定された内容を含むゲスト情報UIF11の登録をグループG11から受け付けた例が示される。また、
図2には、管理装置100が、機能F1に応じて、人物U1に関してグループG12によって指定された内容を含むゲスト情報UIF12の登録をグループG12から受け付けた例が示される。
【0030】
また、管理装置100は、ゲスト情報UIF11と、ゲスト情報UIF12とをグループ単位で個々に区別した状態で管理してよい。例えば、管理装置100は、
図2に示すように、グループG11を識別する識別情報とゲスト情報UIF11とを紐付けた状態で個別に管理し、また、グループG12を識別する識別情報とゲスト情報UIF12とを紐付けた状態で個別に管理してよい。
【0031】
機能F2は、ゲストユーザごとに当該ゲストユーザに対して利用を許可するソフトウェア(SaaS上で提供されるソフトウェア)を管理する機能であってよい。
図2には、管理装置100が、機能F2に応じて、人物U1に対して利用を許可するソフトウェアとしてアプリAP1を指定するゲスト情報UIF11の登録をグループG11から受け付けた例が示される。また、
図2には、管理装置100が、機能F2に応じて、人物U1に対して利用を許可するソフトウェアとしてアプリAP1を指定するゲスト情報UIF12の登録をグループG12から受け付けた例が示される。
【0032】
機能F3は、ゲストユーザを登録するグループにゲストユーザが所属することを許可する期間である所属有効期間(第1の有効期間の一例)と、ゲストユーザに対してソフトウェア(SaaS上で提供されるソフトウェア)の利用を許可する期間であるサービス利用有効期間(第2の有効期間の一例)とをゲストユーザごとに管理する機能であってよい。
【0033】
図2には、管理装置100が、機能F3に応じて、グループG11に人物U1が所属することを許可する所属有効期間を指定するゲスト情報UIF11の登録をグループG11から受け付けた例が示される。また、
図2には、管理装置100が、機能F3に応じて、人物U1に対してアプリAP1の利用を許可するサービス利用有効期間を指定するゲスト情報UIF11の登録をグループG11から受け付けた例が示される。
【0034】
図2には、管理装置100が、機能F3に応じて、グループG12に人物U1が所属することを許可する所属有効期間を指定するゲスト情報UIF12の登録をグループG12から受け付けた例が示される。また、
図2には、管理装置100が、機能F3に応じて、人物U1に対してアプリAP1の利用を許可するサービス利用有効期間を指定するゲスト情報UIF12の登録をグループG12から受け付けた例が示される。
【0035】
ここで、
図2の例によれば、グループG11およびG12ともに、ゲストユーザとして同一の人物U1に関して指定するゲスト情報を登録している。すなわち、グループG11およびG12という互いに異なる組織の間で、アプリAP1の利用を許可するゲストユーザが共通している。このように、異なる組織の間でゲストユーザが共通するゲスト情報が登録された場合、双方のゲスト情報を融合した状態で管理できればより煩雑さを解消できると考えられる。
【0036】
そこで、機能F4は、異なる組織の間でゲストユーザが共通するゲスト情報が登録された場合、双方のゲスト情報を融合すなわちマージした状態で管理する機能であってよい。
図2の例によれば、管理装置100は、機能F4に応じて、ゲスト情報UIF11で指定される所属有効期間と、ゲスト情報UIF12で指定される所属有効期間とをマージした状態で管理してよい。また、
図2の例によれば、管理装置100は、機能F4に応じて、ゲスト情報UIF11で指定されるサービス利用有効期間と、ゲスト情報UIF12で指定されるサービス利用有効期間とをマージした状態で管理してよい。
【0037】
なお、上記例によれば、機能F3と機能F4とを合わせて、SaaS上で提供される任意のソフトウェアの利用権限をゲストユーザごとに管理する機能ということができる。したがって、所属有効期間とサービス利用有効期間を含むゲスト情報UIF11は、グループG11が人物U1にアプリAP1の利用権限を与えるための権限情報に相当する。また、所属有効期間とサービス利用有効期間を含むゲスト情報UIF12は、グループG12が人物U1にアプリAP1の利用権限を与えるための権限情報に相当する。
【0038】
また、
図2では、SaaS上で提供されるソフトウェアの一例としてアプリAP1が例示されているが、組織が指定できるソフトウェアは、アプリAP1だけのように1つのソフトウェアに限定されない。例えば、グループG11およびG12は、会社T1が法人契約しているソフトウェアであれば、任意のソフトウェアを複数個指定することができる。例えば、グループG12は、ゲストユーザとして登録された人物U1に対して利用を許可するソフトウェアとしてアプリAP1だけでなく、ライブラリ機能を有するアプリAP2を指定することもできる。
【0039】
〔4.管理装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る管理装置100について説明する。
図3は、実施形態に係る管理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0040】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、通信部110は、ネットワークNと無線で接続され、例えば、組織装置10との間で情報の送受信を行う。
【0041】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、組織情報記憶部121と、登録情報記憶部122とを有する。
【0042】
(組織情報記憶部121について)
組織情報記憶部121は、会社ごとに当該会社に属する各部門の情報を記憶してよい。また、組織情報記憶部121は、部門ごとに当該部門内で結成されている各チームの情報も記憶してよい。なお、ここでいう部門やチームは、組織の一例である。
【0043】
(登録情報記憶部122について)
登録情報記憶部122は、組織単位で登録された対象者情報を、登録元の組織ごとに区別して記憶してよい。
【0044】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る管理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0045】
図3に示すように、制御部130は、要求受付部131は、提供部132と、登録受付部133と、管理部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0046】
(要求受付部131について)
要求受付部131は、組織装置10から送信された要求を受け付けてよい。例えば、要求受付部131は、組織装置10に予めインストールされているアプリケーションであって、管理装置100との通信を実現するアプリケーションを介して、要求を受け付けてよい。例えば、要求受付部131は、対象者情報の登録に用いられる画面の配信要求を受け付けてよい。
【0047】
(提供部132について)
提供部132は、要求に応じた情報を組織側に提供してよい。例えば、提供部132は、要求受付部131により要求が受け付けられた場合に、その要求に応じた画面を要求元の組織装置10に配信してよい。
【0048】
(登録受付部133について)
登録受付部133は、所定のサービスの利用を許可する対象者に関して指定する対象者情報の登録を、対象者を管理する管理者が属する所定の組織単位で受け付けてよい。例えば、登録受付部133は、所定のサービスとして、SaaS上で提供されるサービス(ソフトウェア)の利用を許可する対象者に関して指定する対象者情報の登録を組織単位で受け付けてよい。例えば、登録受付部133は、提供部132により提供された画面を介して対象者情報の登録を受け付けてよい。
【0049】
また、登録受付部133は、組織単位で登録された対象者情報を、当該組織とは異なる他の組織には共有させない設定を組織単位でさらに受け付けてもよい。
【0050】
(管理部134について)
管理部134は、組織ごとに当該組織単位で登録された対象者情報を管理してよい。例えば、管理部134は、組織単位で登録された対象者情報を、当該組織とは異なる他の組織が閲覧または編集可能なように組織の間で共有させてよい。
【0051】
また、管理部134は、異なる組織の間で対象者が共通する対象者情報が登録された場合には、双方の対象者情報をマージした状態で管理してよい。
【0052】
ここで、登録受付部133は、対象者情報として、当該対象者情報を登録する組織に対象者が所属することを許可する期間である第1の有効期間(所属有効期間)の登録を受け付けてもよい。この結果、異なる組織の間で対象者が共通する第1の有効期間が登録された場合には、管理部134は、双方の第1の有効期間をマージした状態で管理してよい。
【0053】
また、登録受付部133は、対象者情報として、対象者に対してSaaS上で提供されるサービスの利用を許可する期間である第2の有効期間(サービス利用有効期間)の登録も受け付けてよい。この結果、異なる組織の間で対象者が共通する第2の有効期間が登録された場合には、管理部134は、双方の第2の有効期間をマージした状態で管理してよい。
【0054】
〔5.登録手法の一例〕
続いて、組織単位で行うことのできる各種情報登録の手法ついて、管理装置100から提供される画面例を用いて説明する。
図4~
図8それぞれには、管理装置100の提供部132によって提供されてよい画面の一例が示される。以下では、
図4~
図8を用いて登録手法を説明する。なお、
図4~
図8の説明には、
図2に示した会社T1に対応する管理システム1の例を用いることにする。
【0055】
まず、
図4を用いて、ゲスト情報の新規登録の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る登録画面の一例(1)を示す図である。例えば、グループG11に所属する管理者が組織装置10-11を操作して、管理装置100に対して新規登録画面の配信要求を送信したとする。係る場合、提供部132は、要求受付部131により配信要求が受け付けられたことに応じて、新規登録画面を組織装置10-11に配信する。
図4には、管理装置100から提供された新規登録画面の一例として新規登録画面C11が組織装置10-11に表示されている場面が示される。
【0056】
図4の例によれば、新規登録画面C11は、人物ごとに個別にゲストユーザとして登録する画面に切り替える個別登録ボタンBT11と、複数の人物について一括でゲストユーザとして登録する画面に切り替える一括登録ボタンBT12とを有してよい。
【0057】
ここで、新規登録画面C11は、以下に説明する入力欄等に入力された情報(ゲストユーザに関して指定するゲスト情報)を組織単位で受け付けるため、その組織を指定させる機能を有してよい。そして、この機能が選択ボタンBT13に対応していてよい。例えば、新規登録画面C11を用いて登録操作を行う組織(
図4の例では、グループG11)は、選択ボタンBT13を押下することで提供された選択画面から自身の組織を選択することができる。
【0058】
例えば、提供部132は、選択ボタンBT13が押下されたことで要求受付部131により配信要求が受け付けられた場合には、選択画面を組織装置10-11に配信してよい。
図5には、管理装置100から提供された選択画面の一例として管理グループ選択画面C12が組織装置10-11に表示されている場面が示される。
図5は、実施形態に係る登録画面の一例(2)を示す図である。
【0059】
図5の例によれば、管理グループ選択画面C12は、管理グループを検索するためのキーワードを入力する入力領域AR40と、検索の実行を命令する検索ボタンBT41とを有してよい。例えば、提供部132は、キーワードが入力された状態で検索ボタンBT41が押下された場合には、
図4に示すように、キーワードに対応する情報であって管理グループに関する情報を、組織の候補を示す組織情報として、管理グループ選択画面C12が有する領域AR42内に表示させてよい。
【0060】
図5には、組織情報CA421と、組織情報CA422とが領域AR42内に表示された例が示される。例えば、グループG11の名称が「〇〇グループ」であり、今回登録操作を行っている管理者A111の氏名が「〇×次郎」であれば、管理者A111は、組織情報CA421を選択した状態で決定ボタンBT43を押下すればよい。これにより、管理者A111は、グループG11単位での情報登録であることを指定することができる。一方、管理者A111は、管理グループの選択をキャンセルし、例えば、新規登録画面C11に戻りたい場合には、キャンセルボタンBT44を押下すればよい。
【0061】
図4の説明に戻る。
図4の例によれば、新規登録画面C11は、領域AR14を有してよく、決定ボタンBT43が押下された場合には、管理グループ選択画面C12で選択された組織の組織名(管理グループ名)がここに表示されてよい。また、新規登録画面C11は、領域AR15を有してよく、管理グループ選択画面C12で選択された組織に所属する管理者を示す情報がここに表示されてよい。
【0062】
ここで、管理部134は、新規登録画面C11を介して登録されたゲスト情報を、通常は、このゲスト情報を登録した組織とは異なる他の組織が閲覧または編集可能なように組織間で共有させてよい。例えば、管理部134は、グループG11によって登録されたゲスト情報UIF11を、会社T1における他の組織であるグループG12も閲覧あるいは編集できるようにグループG11およびG12間で共有させてよい。
【0063】
しかし、このように共有されることを望まない組織もある。そこで、新規登録画面C11は、
図4に示すように、他の組織にはゲスト情報を共有させない設定を受け付けるためのチェックボックスCK16を有してよい。例えば、グループG11は、新規登録画面C11を用いて今回登録したゲスト情報UIF11をグループG12等の他の組織に見られたり、編集を加えたりされたくない場合には、チェックボックスCK16にチェックマークを入力すればよい。
【0064】
また、
図4の例によれば、新規登録画面C11は、ゲストユーザの一括登録に用いるテンプレート情報を呼び出すためのボタンBT17と、ゲストユーザに対して利用を許可するサービスの一括登録に用いるテンプレート情報を呼び出すためのボタンBT18とを有してよい。
【0065】
また、
図4の例によれば、新規登録画面C11は、入力欄IF19と、入力欄IF20と、入力欄IF21と、入力欄IF22と、入力欄IF23とを有してよい。
【0066】
入力欄IF19は、ゲストユーザとして指定する対象人物(すなわち、利用権限を与えるべくゲストユーザの新規登録対象となった人物)の氏名を入力する入力欄であり、
図4には、対象人物の氏名「ゲスト 花子」が入力された例が示される。入力欄IF20は、対象人物の氏名の読みをカタカナで入力する入力欄であり、
図4には、対象人物のカタカナ読み「ゲスト ハナコ」が入力された例が示される。入力欄IF21は、対象人物の氏名の読みをローマ字で入力する入力欄であり、
図4には、対象人物のローマ字読み「gesto hanako」が入力された例が示される。
【0067】
また、
図4の例によれば、新規登録画面C11は、入力欄IF22と、入力欄IF23とを有してよい。
【0068】
入力欄IF22は、対象人物に対して、新規登録画面C11を用いて登録操作を行っている組織(
図4の例では、グループG11)に所属することを許可する所属有効期間を入力する入力欄であり、
図4には、所属有効期間「2021年10月1日~2021年12月31日」が入力された例が示される。入力欄IF23は、対象人物に割り当てるメールアドレスを入力する入力欄であり、
図4には、メールアドレス「hanako gest@aa-a.co.jp」が入力された例が示される。
【0069】
なお、入力欄IF23を用いて割り当てられたメールアドレスは、対象人物をゲストユーザとして識別するためのユニークな情報(例えば、ログインID等)に用いられてもよい。
【0070】
また、新規登録画面C11は、対象人物が正規に所属している会社を指定させる機能を有してよい。そして、この機能が選択ボタンBT24に対応していてよい。例えば、新規登録画面C11を用いて登録操作を行う組織(
図4の例では、グループG11)は、選択ボタンBT24を押下することで提供された検索画面から所属会社を選択することができる。
【0071】
例えば、提供部132は、選択ボタンBT24が押下されたことで要求受付部131により配信要求が受け付けられた場合には、検索画面を組織装置10-11に配信してよい。
図6には、管理装置100から提供された検索画面の一例として検索画面C13が組織装置10-11に表示されている場面が示される。
図6は、実施形態に係る登録画面の一例(3)を示す図である。
【0072】
図6の例によれば、検索画面C13は、所属会社を検索するためのキーワードを入力する入力領域AR50と、検索の実行を命令する検索ボタンBT51とを有してよい。例えば、提供部132は、キーワードが入力された状態で検索ボタンBT51が押下された場合には、
図6に示すように、キーワードに対応する情報であって所属会社に関する情報を、所属会社の候補を示す会社情報として、検索画面C13が有する領域AR52内に表示させてよい。例えば、提供部132は、会社T1と取引実績のある会社の中から、キーワードに対応する会社を検索してよい。
【0073】
図6には、会社情報CA521と、会社情報CA522と、会社情報CA523とが領域AR52に表示された例が示される。例えば、グループG11がゲストユーザとして登録したい対象人物が正規に所属する会社が「A株式会社」であれば、グループG11の管理者A111等は、会社情報CA521を選択した状態で決定ボタンBT53を押下すればよい。一方、管理者A111等は、所属会社の選択をキャンセルし、例えば、新規登録画面C11に戻りたい場合には、キャンセルボタンBT54を押下すればよい。
【0074】
図4の説明に戻る。
図4の例によれば、新規登録画面C11は、領域AR25を有してよく、決定ボタンBT53が押下された場合には、検索画面C13で選択された所属会社の会社名がここに表示されてよい。
【0075】
また、新規登録画面C11は、SaaS上で提供されるサービスのうち、ゲストユーザとして指定された対象人物に対して利用を許可するサービス(ソフトウェア)に関して指定させる機能をさらに有してよい。そして、この機能が選択ボタンBT26に対応していてよい。例えば、新規登録画面C11を用いて登録操作を行う組織(
図4の例では、グループG11)は、選択ボタンBT26を押下することで提供された選択画面から利用を許可するサービスを選択することができる。
【0076】
例えば、提供部132は、選択ボタンBT26が押下されたことで要求受付部131により配信要求が受け付けられた場合には、選択画面を組織装置10-11に配信してよい。
図7には、管理装置100から提供された選択画面の一例として利用サービス選択画面C14が組織装置10-11に表示されている場面が示される。
図7は、実施形態に係る登録画面の一例(4)を示す図である。
【0077】
図7の例によれば、利用サービス選択画面C14は、領域AR60を有してよく、SaaS上で提供されるソフトウェアのうち、会社T1として法人契約されている各ソフトウェアを示すサービス情報がここに表示されてよい。
図7の例では、提供部132が、会社T1として法人契約されているソフトウェアを検索し、検索にヒットしたソフトウェアそれぞれについて、当該ソフトウェアを示すサービス情報が領域AR60内に表示されるような利用サービス選択画面C14を提供している例が示される。例えば、提供部132は、会社T1がアプリAP1とアプリAP2とを法人契約している場合には、
図7に示すように、アプリAP1を示すサービス情報CA601と、アプリAP2を示すサービス情報CA602とが領域AR60内に表示されるような利用サービス選択画面C14を提供してよい。
【0078】
また、サービス情報には、対応するサービスを識別する識別情報(例えば、サービス名や、アイコン等)が表示される表示枠AR61を有してよく、サービス情報CA601が有する表示枠AR61には「アプリAP1」が表示され、サービス情報CA602が有する表示枠AR61には「アプリAP2」が表示されてよい。
【0079】
また、サービス情報には、ゲストユーザとして指定された対象人物に対して利用を許可するソフトウェアを選択させるボタンBT62が設けられてよい。例えば、グループG11は、ゲストユーザに対してアプリAP1の利用を許可したい場合には、グループG11の管理者A111等は、サービス情報CA601に設けられるボタンBT62をONに操作すればよい。また、グループG11は、ゲストユーザに対してアプリAP2の利用を許可したい場合には、グループG11の管理者A111等は、サービス情報CA602に設けられるボタンBT62をONに操作すればよい。
【0080】
また、サービス情報には、ボタンBT62の操作で選択されたソフトウェアについて、当該ソフトウェアの利用を許可するサービス利用有効期間を入力する入力欄IF63が設けられてよい。例えば、グループG11は、ゲストユーザに対して「2021年10月1日~2021年12月31日」の間のみアプリAP1の利用を許可したい場合には、グループG11の管理者A111等は、サービス情報CA601に設けられる入力欄IF63に「2021年10月1日」と「2021年12月31日」を入力すればよい。また、グループG11は、ゲストユーザに対して「2021年10月1日~2021年12月31日」の間のみアプリAP1の利用を許可したい場合には、グループG11の管理者A111等は、サービス情報CA602に設けられる入力欄IF63に「2021年10月1日」と「2021年12月31日」を入力すればよい。
【0081】
また、
図7の例によれば、利用サービス選択画面C14は、入力された情報を確定させる決定ボタンBT64を有してよい。
【0082】
図4の説明に戻る。
図4の例によれば、新規登録画面C11は、領域AR27を有してよく、決定ボタンBT64が押下された場合には、利用サービス選択画面C14において、利用を許可するサービスについて選択済みであることがここに表示されてよい。
【0083】
また、新規登録画面C11は、新規登録画面C11を介して選択または入力された情報をクリアするボタンBT28と、新規登録画面C11を介して選択または入力された情報をリストに追加するボタンBT29とを有してよい。
【0084】
例えば、ボタンBT29が押下された場合には、ゲストユーザに関して指定されたゲスト情報が1つのリスト情報としてゲストユーザごとに領域AR30に表示されてよい。
図4の例には、グループG11が、
図2の人物U1(ゲスト花子)をゲストユーザとして登録するためのゲスト情報UIF11を設定した例が示されるが、係る例を用いて、領域AR30に表示されるリスト情報の一例を説明する。
図8は、実施形態に係るリスト情報の一例を示す図である。
【0085】
図8には、ゲスト情報UIF11に対応するリスト情報LT11が領域AR30に表示されている例が示される。
図8の例によれば、リスト情報LT11には、ゲストユーザとして登録された対象人物U1の氏名、カタカナ読み、ローマ字読み、メールアドレス、正規所属会社、所属有効期間、利用権限が与えられたサービス、サービス利用有効期間で構成されるゲスト情報UIF11が含まれる。
【0086】
図4の説明に戻る。
図4の例によれば、新規登録画面C11は、これまでに選択または入力された情報をゲスト情報として実際に管理装置100申請(登録)するボタンBT31を有してよい。
【0087】
例えば、
図4の例では、登録受付部133は、ボタンBT31が押下された場合には、対象人物U1(ゲスト花子)を1人のゲストユーザと定めるゲスト情報UIF11を、グループG11単位での登録情報として受け付ける。また、管理部134は、グループG11を識別する識別情報とゲスト情報UIF11とを紐付けた状態で、例えば、登録情報記憶部122において個別に管理してよい。
【0088】
なお、
図8で説明したリスト情報LT11は、対象人物U1とは異なる他の対象人物をさらにゲストユーザとして新規登録するために、新たに新規登録画面C11が要求された場合に、この新規登録画面C11が有する領域AR30に表示されてよい。
【0089】
また、
図4では、不図示であるが、新規登録画面C11は、ゲスト情報を検索する機能も有してよい。例えば、チェックボックスCK16にチェックマークが入力されていない状態でゲスト情報UIF11が申請された場合には、グループG11とは異なる他の組織として例えばグループG12は、この機能を活用して、ゲスト情報UIF11を含むリスト情報LT11を取得することができる。また、
図8の例によれば、ゲスト情報UIF11を含むリスト情報LT11には、「編集」、「コピー」、「削除」といったボタンが設けられているが、例えば、グループG12は、これらのボタンを使って、ゲスト情報UIF11の編集やコピー等を行うことができる。
【0090】
一方、例えば、チェックボックスCK16にチェックマークが入力された状態でゲスト情報UIF11が申請された場合には、ゲスト情報UIF11を含むリスト情報LT11は公開されず、グループG11に所属する管理者だけが、ゲスト情報UIF11の編集やコピー等を行うことができる。
【0091】
〔6.ゲスト情報のマージ〕
上述したように、管理部134は、異なる組織の間で対象者が共通する対象者情報が登録された場合には、双方の対象者情報をマージした状態で管理してよい。マージ手法について
図9を用いて説明する。
図9は、実施形態に係るマージ手法の一例を示す図である。
【0092】
図9には、グループG11が、人物U1に対してサービスの利用権限を与えるためのゲスト情報として、所属有効期間「2021年1月1日~2021年3月1日」を指定し、アプリAP1の利用有効期限「2021年1月1日~2021年2月1日」を指定するゲスト情報を登録することで、人物U1をグループG11におけるゲストユーザとして登録した例が示される。
【0093】
また、
図9には、グループG12が、人物U1に対してサービスの利用権限を与えるためのゲスト情報として、所属有効期間「2021年2月1日~2021年4月1日」を指定し、アプリAP1の利用有効期限「2021年3月1日~2021年4月1日」を指定し、また、アプリAP2の利用有効期限「2021年2月1日~2021年4月1日」を指定するゲスト情報を登録することで、人物U1をグループG12におけるゲストユーザとして登録した例が示される。
【0094】
このように、
図9の例によれば、グループG11およびG12ともに、ゲストユーザとして同一の人物U1に関して指定するゲスト情報を登録している。つまり、
図9の例では、異なる組織の間で対象者が共通する対象者情報が登録されている。
【0095】
このような場合、管理部134は、グループG11に対応する所属有効期間「2021年1月1日~2021年3月1日」と、グループG12に対応する所属有効期間「2021年2月1日~2021年4月1日」とをマージすることで、
図9に示すように、人物U1の会社T1での所属有効期間「2021年1月1日~2021年4月1日」を定めてよい。また、管理部134は、マージ後の所属有効期間をグループG11に対して新たに紐付けて管理するとともに、マージ後の所属有効期間をグループG12に対しても新たに紐付けて管理してよい。この結果、グループG11の管理者は、人物U1が自身の部署以外に、どの部署にどれくらいの期間所属することになっているかを把握することができるようになるため、例えば、人物U1のスケジューリング等の管理をより行いやすくなる。グループG12の管理者についても同様である。
【0096】
また、管理部134は、グループG11側のアプリAP1に対応する利用有効期間「2021年1月1日~2021年2月1日」と、グループG12側のアプリAP1に対応する利用有効期間「2021年3月1日~2021年4月1日」とをマージすることで、
図9に示すように、アプリAP1という1つのサービスまとまりでの利用有効期限「2021年1月1日~2021年2月1日/2021年3月1日~2021年4月1日」を定めてよい。
【0097】
また、管理部134は、グループG12側のみのアプリAP2に対応する利用有効期間「2021年2月1日~2021年4月1日」を用いて、
図9に示すように、アプリAP2という1つのサービスまとまりでの利用有効期限「2021年2月1日~2021年4月1日」を定めてよい。
【0098】
このように、1つのサービスについて、サービス利用有効期間が組織間で異なる状況では期限管理が面倒な場合があるが、
図9に示すようにマージされることで、期限管理における煩雑さが解消される。
【0099】
また、管理部134は、マージ後の利用有効期間をグループG11に対して新たに紐付けて管理するとともに、マージ後の利用有効期間をグループG12に対しても新たに紐付けて管理してよい。
【0100】
〔7.処理手順〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る管理処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る管理処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
まず、要求受付部131は、任意の人物をゲストユーザとして新規登録するための新規登録画面の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS1001)。要求受付部131は、新規登録画面の要求を受け付けていない間は(ステップS1001;No)、要求を受け付けたと判定できるまで待機する。
【0102】
一方、提供部132は、新規登録画面の要求が受け付けられた場合には(ステップS1001;Yes)、要求元の組織に新規登録画面を提供する(ステップS1002)。すなわち、提供部132は、要求を送信した組織装置10に新規登録画面を配信する。
【0103】
登録受付部133は、新規登録画面を介して、ゲストユーザに関して組織単位で指定するゲスト情報の登録を受け付けたか否かを判定する(ステップS1003)。登録受付部133は、ゲスト情報の登録を受け付けていない間は(ステップS1003;No)、登録を受け付けたと判定できるまで待機する。
【0104】
管理部134は、組織単位でのゲスト情報が登録された場合には(ステップS1003;Yes)、この組織とゲスト情報とを紐付けた状態で個別に管理する(ステップS1004)。
【0105】
また、管理部134は、他の組織も同一人物をゲストユーザとして定めるゲスト情報を登録しているか否かを判定する(ステップS1005)。具体的には、管理部134は、ステップS1003のゲスト情報を登録した組織とは異なる他の組織も、このゲスト情報でゲストユーザと定められた人物と同一の人物をゲストユーザと定めるゲスト情報を登録しているか否かを判定する。
【0106】
管理部134は、同一人物をゲストユーザとして定めるゲスト情報を登録している他の組織が存在する場合には(ステップS1005;Yes)、双方の組織のゲスト情報をマージし、マージ後のゲスト情報を組織ごとに管理する(ステップS1006)。
【0107】
一方、管理部134は、同一人物をゲストユーザとして定めるゲスト情報を登録している他の組織が存在しない場合には(ステップS1005;No)、処理を終了する。
【0108】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態に係る管理装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、管理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0109】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0110】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0111】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0112】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0113】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラム(例えば、実施形態に係る管理プログラム)を実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0114】
〔9.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0115】
〔10.まとめ〕
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 管理システム
10 組織装置
100 管理装置
120 記憶部
121 組織情報記憶部
122 登録情報記憶部
130 制御部
131 要求受付部
132 提供部
133 登録受付部
134 管理部