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  • 特許-タッチスクリーン 図1
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  • 特許-タッチスクリーン 図5B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】タッチスクリーン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240731BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20240731BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20240731BHJP
【FI】
G06F3/041 500
G06F3/03 400Z
G06F3/0354 453
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022112103
(22)【出願日】2022-07-13
(65)【公開番号】P2023058424
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2022-07-13
(31)【優先権主張番号】17/500,647
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507033211
【氏名又は名称】奇景光電股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】蘇俊仁
(72)【発明者】
【氏名】莊竣凱
(72)【発明者】
【氏名】蔡政宏
(72)【発明者】
【氏名】黄柏軒
(72)【発明者】
【氏名】劉立林
(72)【発明者】
【氏名】陳恒孝
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-34014(JP,A)
【文献】特開2013-114269(JP,A)
【文献】特開2015-53034(JP,A)
【文献】国際公開第2020/079729(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0073492(US,A1)
【文献】特許第6419314(JP,B2)
【文献】国際公開第2021/030828(WO,A1)
【文献】特許第6627085(JP,B2)
【文献】特許第6403921(JP,B1)
【文献】特表2020-514875(JP,A)
【文献】国際公開第2021/150699(WO,A1)
【文献】特開2021-120782(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173976(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03 - 3/047
H01H 25/00 - 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタッチブロックを含むタッチパネルと、
前記タッチパネルの上面に設置され、タッチに感応し、且つ回転可能であるノブと、を備え、
前記ノブに被覆されていない領域を第一領域と定義し、前記ノブに被覆されている領域を第二領域と定義し、且つ前記第一領域と前記第二領域の両方に属しているタッチブロックを重なり合うブロックと定義し、
前記重なり合うブロックに関連する検知信号のみが抑制されて、前記複数のタッチブロックのみに基づいて、前記ノブ上のタッチ位置を決定することを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項2】
前記ノブの中央軸と指によりノブをタッチする位置との間の距離を決定することで前記ノブのタッチ位置を識別し、或いは前記ノブの中央軸とノブを斜めにタッチする指によるタッチ作用線との間の角度を決定することで前記ノブのタッチ位置を識別していることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記重なり合うブロックに関連する検知信号は重み付けすることで抑制し、前記重なり合うブロックに関連する検知信号の重みは前記第二領域内のタッチ領域の重みより低いことを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記重なり合うブロックに関連する検知信号の重みは0~50%の間の範囲であり、或いは前記第二領域内のタッチブロックに関連する検知信号の重みは100%超であり、または前記第一領域内のタッチブロックに関連する検知信号の重みは0~100%の間の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
抑制された前記検知信号は正規化することで補償することを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンに関し、より詳しくは、ノブを有するタッチスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは車載用(in-vehicle)に普遍的に適用され、マンマシンインタフェース(humane-machine interface)としてドライバーによる運転を補助している。タッチスクリーンのタッチパネルは車載装置の入力インタフェースとして従来の車載用入力インタフェースを徐々に代替している。例えば、回転コントローラー、ハンドルコントローラー、及びタッチパネルがある。
【0003】
多様性及び普及性を有し、タッチスクリーンは本質的に視覚に注力しているため、運転操作及び車両の制御に悪影響を及ぼし、ドライバー及び道路の利用者に危険が及んだ。この状況を改善するため、回転コントローラーのような従来の車載用の入力装置を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、改善したタッチスクリーンは干渉を受けたり、不精確になりやすく、特にシングルチップドライバ(即ち、タッチディスプレー駆動IC(TDDI))により制御されるタッチスクリーンではそれが顕著であった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、ノブ以外からのタッチに関連する検知信号による干渉を効果的に低減させるタッチスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のタッチスクリーンは、タッチパネル及びノブを備えている。タッチパネルは複数のタッチブロックを含む。ノブはタッチパネルの上面に設置され、且つタッチに感応し、回転可能である。ノブに被覆されていない領域を第一領域と定義し、ノブに被覆されている領域を第二領域と定義し、第一領域に既に属していると共に第二領域に属しているタッチブロックを重なり合うブロックと定義している。重なり合うブロックに関連する検知信号が抑制されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ノブ以外からのタッチに関連する検知信号による干渉を効果的に低減させる。
【0009】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略側面図である。
図2A】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略側面図である。
図2B】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略側面図である。
図3】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略上面図である。
図4A】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略上面図である。
図4B】本発明に係るタッチスクリーンの一実施例を示す概略上面図である。
図5A】本発明に係るタッチスクリーンを例示するシーンを示す概略側面図である。
図5B図5Aのノブのタッチ、3つのタッチブロック及び関連する感知信号の概略簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は本発明に係るタッチスクリーン100の一実施例を示す概略側面図である。タッチスクリーン100は(限定するものではないが)車載用に適用可能であり、マンマシン(humane-machine)入出力インターフェースとしてドライバーによる運転を補助する。
【0013】
タッチスクリーン100はユーザーによるタッチを検出するためのタッチパネル11(入力インタフェースとする)を備えている。特に図示しないが、表示パネル(図示省略)及びタッチパネル11を組み合わせて操作することで、出力インターフェースとするタッチスクリーン100を形成している。本実施例では、タッチパネル11及び対応する表示パネルはシングルチップドライバにより制御され、即ち、タッチディスプレー駆動IC(touch and display driver integration, TDDI)により制御されている。
【0014】
タッチパネル11は複数のタッチブロック(または検出器、電極、画素)を備え、ユーザーのタッチをそれぞれ検出してタッチ座標を決定している。本実施例に係るタッチスクリーン100はタッチパネル11の上面に設置されているノブ12を含み、タッチに感応し(touch-sensitive)、且つ回転可能(rotatable)/押圧可能(pushable)である。一実施例では、ノブ12は車内の音量/温度を調整するために用いられ、例えば、ノブ12を時計回りまたは反時計回りの回転または押圧することで機能を選択可能である。
【0015】
図2Aは本発明に係るタッチスクリーン100の一実施例を示す概略側面図である。ノブ12が指13によりタッチされている。ノブ12の中央軸とタッチとの間の距離dを決定することでタッチ位置を識別している。図2Bにはタッチスクリーン100の他の概略側面図を例示し、ノブ12が指13によりタッチされている。ノブ12の中央軸とタッチの貫通線(即ち、指13を貫通する中央線)との間の角度aを決定することでタッチ位置を識別している。
【0016】
図3は本発明に係るタッチスクリーン100の一実施例を示す概略上面図である。図3に示す如く、ノブ12により被覆されていない領域を第一領域と定義し、ノブ12により被覆されている領域を第二領域と定義している。
【0017】
図4Aは本発明に係るタッチスクリーン100の一実施例を示す概略上面図である。図4Aにはタッチパネル11の部分的なタッチブロック111及びノブ12の(物理的)タッチ131を更に図示する。本実施例では、第一領域に既に属していると共に第二領域に属しているタッチブロック111を重なり合うブロック112(斜線で示す)と定義している。換言すれば、ノブ12の辺縁により被覆されているタッチブロック111を重なり合うブロック112として決定している。
【0018】
本実施例の特徴によれば、重なり合うブロック112に関連する検知信号を抑制(suppressまたはde-emphasize)している。本実施例では、重なり合うブロック112に関連する検知信号を重み付け(weighting)することにより抑制している。一例を挙げると、重なり合うブロック112に関連する検知信号の重みが第二領域内(または第二領域にのみ属している)のタッチ領域111の重みよりも低い。好ましい実施例では、重なり合うブロック112に関連する検知信号の重みは0~50%の間の範囲であり、第二領域内(または第二領域にのみ属している)のタッチブロック111に関連する検知信号の重みは100%超である。ここで留意すべき点は、ある特定の応用では、第一領域内(または第一領域にのみ属している)のタッチブロック111に関連する検知信号の重みが0~100%の間の範囲でもよい点である。
【0019】
一実施例では、重なり合うブロック112に関連する検知信号の抑制(且つ他のタッチブロック111に関連する検知信号に対し重み付けを行う)は重み表(weighting table)により実行し、これを(デジタル)重み付けフィルターとして重なり合うブロック112に関連する検知信号を抑制している。
【0020】
図4Aに示す如く、(物理的)タッチ131が隣接する重なり合うブロック112を部分的に占有している。重なり合うブロック112に関連する検知信号が抑制されることで、図4Bに示すような有効タッチ131Aが発生し、隣接する重なり合うブロック112を占有しない。
【0021】
図5Aは本発明に係るタッチスクリーン100を例示するシーンを示す概略側面図である。指13Aがノブ12をタッチすると共に他の指13Bがノブ12に近接するタッチパネル11をタッチしている。図5Bには図5Aのノブ12のタッチ131、3つのタッチブロック111、及び関連する検知信号A~Cの概略簡略図を図示する。(指13Aの)タッチ位置を決定すると、タッチ131に関連する検知信号が重なり合うブロック112(即ち、タッチブロックB)に関連する検知信号Bによる干渉の影響を受け、指13A及び指13Bが共同で重なり合うブロック112に関連する検知信号を提供する。換言すれば、指13Aに関連する検知信号は指13Bに関連する検知信号と区別することができない。上述の実施例に基づくと、重なり合うブロック112に関連する検知信号Bが抑制され、例えば、低い重みを使用している。これにより、干渉を大幅に減少させ、且つ指13Aに関連する検知信号と指13Bに関連する検知信号とを区別している。
【0022】
図5Bに示す如く、重なり合うブロック112が抑制されると、(指13Aの)タッチ131に関連する検知信号も同時に減少する。そこで、一実施例では、正規化(normalization)することで補償している。第二領域内(即ち、図3に示す如く第二領域にのみ属している)のタッチブロック111に関連する検知信号を全面的に利得することで(その値はピーク値/最大信号レベルに基づいている)正規化し、即ち、ピーク値の正規化(peak normalization)である。一実施例では、ピーク値信号レベル及びそれに隣接する(例えば、隣接する8つの)信号レベルに基づいて利得を獲得している。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0024】
100 タッチスクリーン
11 タッチパネル
111 タッチブロック
112 重なり合うブロック
12 ノブ
13 指
13A 指
13B 指
131 タッチ
131A 有効タッチ
d 距離
a 角度
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B