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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】蜂巣炎を治療するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A61H15/00 310D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022529451
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2019060061
(87)【国際公開番号】W WO2021099823
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】522196962
【氏名又は名称】フェルディ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】トリッジャネーゼ ドリアーノ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/019190(WO,A1)
【文献】特開2019-97606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0289454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの弧状支持体(12、14)を含み、前記2つの弧状支持体(12、14)は、その凹部が互いに向き合うように、一端にてヒンジで連結され、
前記2つの弧状支持体(12、14)は、複数の隣接するローラ(30)を含み、前記複数のローラの各ローラ(30)は、特定の位置で前記2つの弧状支持体(12、14)の1つに拘束され、前記特定の位置で前記2つの弧状支持体(12、14)の輪郭に対する接平面に実質的に平行な平面に属する回転軸の周りを回転するように更に適合され、
前記複数のローラの各ローラ(30)の前記回転軸は、前記2つの弧状支持体(12、14)の放射状平面に対して傾斜しており、傾きをもって前記2つの弧状支持体(12、14)の前記放射状平面に対して交差しており、前記2つの弧状支持体(12、14)の放射状平面に対する隣接するローラ同士の前記回転軸の前記傾きが異なっていることにより、前記隣接するローラ同士が互いに収束的又は発散的である、ことを特徴とする、マッサージ装置(10)。
【請求項2】
前記2つの弧状支持体(12、14)がハンドル(16、18)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記ローラ(30)が、その外面に可撓性材料で製造された複数のピン(32)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記ローラ(30)がその外面に複数の溝(302、312、322)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記ローラ(30)の直径が10mm~80mmであることを特徴とする、請求項1~4の1つ以上に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記ピン(32)が、プラスチック材料、天然ゴム、合成ゴム、軽金属材料、を含む群から選択される材料で製造されることを特徴とする、請求項3に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記ローラ(30)は、プラスチック材料、天然ゴム、合成ゴム、軽金属材料を含む群から選択される材料で製造されることを特徴とする、請求項1~6の1つ以上に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
前記2つの弧状支持体(12、14)が、プラスチック材料及び軽金属材料を含む群から選択される材料で製造されることを特徴とする、請求項1~7の1つ以上に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蜂巣炎を治療するための装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、蜂巣炎の存在によって影響を受ける身体部分をマッサージするように操作者又は治療の対象が使用できる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
蜂巣炎(浮腫性線維硬化皮下脂肪層炎)は、皮下脂肪組織(皮下脂肪と呼ばれる)の変性疾患であり、皮膚上の目に見える凹みや穴、いわゆる「ミカン肌」の外観を伴う。血液とリンパの循環が適切に働かないと、組織脂肪細胞は、機能不全に陥って壊れる傾向があるため、細胞間の空間にそれらの内容物を注ぎ、過剰な水分を回収し、それは、最終的に蜂巣炎の影響を受けた皮膚の「ミカン肌」表面変形を引き起こす。
【0004】
蜂巣炎の存在による欠陥に対処するために、操作者又は治療の対象が使用できる蜂巣炎治療装置は知られている。
【0005】
既知のタイプのそのような装置は、マッサージ効果を発揮することにより治療される部分上を摺動するように適合されたローラが装着されたフレームを有する。
【0006】
時には、ローラは、それらの外面にレリーフ要素が設けられた形状を有し、上記レリーフ要素は、治療される部分と接触し、特定の適切に局所化された圧力を加えるように適合される。
【0007】
ローラは、並置されたローラのグループに配置することができ、ローラの各グループに属するローラの回転軸は、上記ローラが、治療される部分に必要な圧力を加えるように協働できるように配向される。
【0008】
例えば、ローラは、それらが摺動する部分の表面に実質的に垂直な圧力を加えるように、湾曲した又は屈曲可能な支持体に配置することができる。
【0009】
これらの湾曲した支持体は、治療を必要とする様々な身体部分に適合されるように、様々なサイズにすることも、柔軟かつ構成可能にすることもできる。
【0010】
本発明の目的は、蜂巣炎を従来技術の同様の装置よりも完全かつ効果的に治療することを可能にする、蜂巣炎を治療するための装置を提案することである。
【発明の概要】
【0011】
そのような目的は、蜂巣炎を治療するための装置によって達成され、その蜂巣炎を治療するための装置は、治療される部分に必要な圧力を加えるように協働し、そして、「つまみ」効果を伴って治療される部分を適切に引き締めるように構成され、組織に保持された過剰な水分の排出を促進するため、蜂巣炎を治療するのに非常に有益である複数のマッサージローラを含む。
【0012】
好ましい実施形態では、本明細書に係るマッサージ装置は、1つ又は2つの弧状支持体を含み、前記2つの支持体が、凹状輪郭が互いに向き合うように、一端にてヒンジで連結される。前記支持体の各々は、複数の隣接するローラを含み、前記複数のローラの各ローラは、順に、決定された位置で前記2つの支持体のうちの1つに、例えば、前記支持体に固定された2つの支持体によって拘束され、対応するローラの回転軸の端部を収容するように適合される。したがって、各ローラは、ローラが配置される位置で、支持体の輪郭に対する接平面に実質的に平行な面に属する軸の周りを回転するように適合され、更に、前記複数のローラの各ローラは、直接隣接するローラに対して収束的又は発散的であるように配置される。これにより、マッサージローラは、治療される部分に必要な圧力を加えるように協働し、更に、「つまみ」効果を伴って治療される部分を適切に引き締めるように構成されることにより、蜂巣炎の最終的な原因である組織に保持された過剰な水分の排出を促進するのに非常に有益である。
【0013】
したがって、この実施形態の利点は、装置のローラが、皮下脂肪蓄積、過剰な水分の排出、及び血液循環の刺激の有益な圧迫効果を伴って、治療される部分の皮膚を持ち上げ、解放し、そして伸ばすように作動することである。
【0014】
実際には、ローラは、装置の摺動方向と平行に回転しないが、その間で収束的又は発散的に回転して、皮膚を異なる交互方式で移動させる。
【0015】
例えば、収束的な相互傾斜角で配置されたローラは、治療される部分の皮膚に「つまみ」圧力を印加する傾向があるマッサージを可能にするようなものであるのに対し、装置のいくつかの対のローラに属するローラは、発散的な相互傾斜角で配置され、治療される部分の皮膚を伸ばす傾向があるマッサージを可能にするようなものである。
【0016】
したがって、治療される皮膚を「つまむ」ように圧縮するマッサージと、治療される部分において装置を摺動させて治療される皮膚を伸ばすマッサージとの両方を同時に実現することができる。
【0017】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に示される図を参照しながら、非限定的な例として提供される以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る、蜂巣炎を治療するための装置の平面図を示す。
図2】本発明の別の実施形態に係る、蜂巣炎を治療するための装置の平面図を示す。
図3図2に示す装置の側面図を示す。
図4図2に示す装置の背面図を示す。
図5図2に示す装置の正面図を示す。
図6図2に示す装置の異なる図を示す。
図7図2に示す装置の異なる図を示す。
図8】本発明に係る装置の更なる変形例を示す。
図9】本発明に係る装置の更なる変形例を示す。
図10】本発明に係る装置に適用可能なローラの更なる異なる変形例を示す。
図11】本発明に係る装置に適用可能なローラの更なる異なる変形例を示す。
図12】本発明に係る装置に適用可能なローラの更なる異なる変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の例示的な実施形態の説明は、添付図面を参照している。異なる図面における同じ参照番号は、同じ構成要素又は同様の構成要素を識別する。以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0020】
蜂巣炎を治療するために使用されるマッサージ装置は、一般に、支持体に固定された複数のローラを備え、それは、支持体が移動して治療される部分に押し付けられるときにそれら自身の軸の周りを自由に回転する。
【0021】
これらの装置では、ローラは、並置されたローラのグループに構成することができ、ローラの回転軸は、上記ローラが、治療される部分に必要な圧力を加えることに協働できるように配向される。ローラは、それらが摺動する部分の表面に実質的に垂直な圧力を加えるように、湾曲した又は屈曲可能な支持体に固定されることが多い。これらの湾曲した支持体は、治療を必要とする様々な身体部分に適合されるように、様々なサイズにすることも、柔軟かつ構成可能にすることもできる。このような装置は、1種類の圧力しか加えることができず、治療される部分に1種類の作用及び圧力を加えることにのみ有効である。本明細書に係る装置は、提供される治療をより完全で、効果的かつ有益にする、タイプの異なる圧力を加えることができる。
【0022】
添付された図1及び図2は、本発明の実施形態に係る、蜂巣炎を治療するための装置の平面図を示し、装置は、参照番号10で全体的に示される。
【0023】
図2による本発明の蜂巣炎を治療するための装置10は、治療される皮膚上を摺動するように適合されたローラ30が取り付けられたフレームを有する。この好ましい実施形態では、フレームは、2つの弧状支持体12、14を含み、上記2つの支持体の凹状輪郭が互いに向き合うように、一端にてヒンジで連結され、本明細書の他の実施形態では、治療される様々な解剖学的部分に適合するために、1つの弧状で適度に柔軟な支持体のみが存在することができる。
【0024】
上記支持体12、14の各々は、複数の隣接するローラ30を含み、上記複数のローラの各ローラ30は、順に、所定の位置で上記支持体のうちの1つに、例えば、上記支持体に固定された2つの支持体33によって結合され、対応するローラの回転軸の端部を収容するように適合される。
【0025】
各ローラ30は、上記ローラが配置される位置で、支持体の輪郭12、14に対する接平面に実質的に平行な面に属する軸の周りを回転するように適合され、更に、上記複数のローラの各ローラ30は、直接隣接するローラに対して収束的又は発散的であるように配置される。
【0026】
図2に示す装置10では、フレームは、上記2つの支持体の凹状輪郭が互いに向き合うように、一端にてヒンジで連結された2つの弧状支持体に分割される。2つの支持体12、14を接続するヒンジ20は、それらの相互接近又は取り外しを可能にし、腕、脚、臀部、大殿筋のような治療される様々な解剖学的部分に装置を適合させる可能性を提供する。
【0027】
有利には、支持体12、14はそれぞれ、それらを容易かつ快適に把持することを可能にするハンドル16、18を含む。
【0028】
図3図4及び図5はそれぞれ、図2に示す装置の側面図、背面図及び正面図を示し、図5及び図6は、図2に示す装置の2つの異なる不等角図を示す。
【0029】
図1~7に示す好ましい実施形態では、前述したローラ30の各々は、それらの外面に複数のピン32を含む。ピンは、用途に応じて、硬度の異なる材料で製造することができる。ローラ30及びそのピン32に一般的に使用される材料は、プラスチック材料又は天然ゴム又は合成ゴム又は軽金属材料を含むことができる。支持体12、14は、プラスチック又は軽金属材料で製造することができる。
【0030】
図1及び2に示す例では、図示された支持体12、14はそれぞれ、7つのローラを含み、使用中に、治療される部分に対して6つの複合動作を行い、そのうち、3つは圧縮で、3つは伸ばしである。
【0031】
これらの動作に、対向するハーフフレームに配置されたローラによる動作を加えて、装置10によって実行される合計12個の動作が取得される。
【0032】
図1及び図2に示す本明細書に係る装置の例は、ユーザによって与えられた特定の圧力で回転する2つの収束的に隣接するローラが、それらの収束的回転中に、それらの接触面の端部が約2.5cmだけ互いに離間される場合、上記ローラは、ゴムピン32によって、治療される部分の皮膚と係合し始めることを示す。ローラ30とそのピン32が皮膚を解放する場合、それらの接触面の端部は、約1cmだけ互いに離間される。
【0033】
このプロセスにより、治療される皮膚がローラの接合部に向かって移動して、揉み、押し付け又は捏ねタイプのマッサージを行う。
【0034】
代わりに、他の対の発散的に隣接するローラは、上述したものとは逆の効果を引き起こし、すなわち、それらは、治療される部分の皮膚を広げたり伸ばしたりする傾向があり、これは、ローラの表面に配置されたゴムピン32が皮膚と係合し始めると、それらの接触面の端部が、約1cmだけ互いに離間され、発散方向に回転し、ローラの接触面の端部間の距離が約2.5cmになる際に解放が発生するまで、下にある皮膚を引きずって、その牽引又は伸ばしを引き起こすからである。
【0035】
隣接するローラ30間の収束又は発散が大きいほど、つまみ効果(又は捏ね又は伸ばし効果)が高くなり、逆に、収束又は発散が小さいと、皮膚への影響が少なくなる。
【0036】
更に、2つのローラのベースの間の角度が一定であるにもかかわらず、ローラの直径が大きいほど、捏ね又は伸ばしマッサージの効果が高くなる。
【0037】
好ましくは、ローラ30の直径は、10mm~80mmの範囲内にある。
【0038】
明らかに、ローラの直径が大きいほど、装置に挿入できるローラが少なくなり、同時の動作の数が減少する。
【0039】
好ましい実施形態では、装置10において、支持体12、14はそれぞれ、弧状の形状を有する。
【0040】
閉じられた装置10の楕円形は、膝の真上の脚の部分と臀筋の下に到達する部分との両方を容易にマッサージするように設計される。
【0041】
ヒンジ20が存在するため、装置10は、2つの臀筋においても同時に、使用し、開くことができる。
【0042】
図7及び図8は、本発明に係る装置の2つの更なる変形例を示し、円筒形で表面にピンがないローラ30’の存在についても図1~5の変形例とは異なる。
【0043】
図9~11は、前述したピン32の代わりに、上記ピン32と同様の作用を発揮する表面溝302、312、322が存在する、本発明に係る装置に適用可能なローラの更なる異なる変形例を示す。
【0044】
これらの変形例は、滑らかな円筒形ローラに適用される取り外し可能なカバーによって作成することができる。
【0045】
これらの変形例は、略円筒形312、略楕円形302又は略球形322の形状を有することができる。
【0046】
明らかに、本発明の範囲から逸脱することなく、偶発的又は特定の必要性に応じて決定される変更又は改良を記載された本発明に加えることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12