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特許7530440超音波カテーテル、デバイス、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】超音波カテーテル、デバイス、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240731BHJP
【FI】
A61B17/00 700
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022564211
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020029198
(87)【国際公開番号】W WO2021216052
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】シン,アシーム
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-510573(JP,A)
【文献】国際公開第2019/094028(WO,A1)
【文献】特開平1-94841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースと、
前記長尺可撓性カテーテルシースの前記内腔内で長手方向に延在する超音波伝達部材であって、近位部分および遠位部分を有し、前記近位部分が、振動エネルギーを受け取るように構成されている、超音波伝達部材と、
前記長尺可撓性カテーテルシースに結合されたカテーテル本体であって、流体吸込口、および、前記流体吸込口と流体連通している内側空洞を有し、前記流体吸込口が、前記内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成されている、カテーテル本体と、
前記超音波伝達部材の前記近位部分の周りに配置され、かつ、前記近位部分に接触する、複数のOリング部材と、
前記カテーテル本体の前記内側空洞内に配置されたOリングハウジングであって、外側表面、内部表面、および、前記内部表面によって画定されたOリング空洞を有し、前記Oリング空洞が、前記複数のOリング部材を収容するように構成され、前記超音波伝達部材が、前記Oリングハウジングの全体を通って延在する、Oリングハウジングと、
前記Oリングハウジングの前記外側表面と前記カテーテル本体との間に画定された周辺流体チャネルであって、前記Oリングハウジングが、前記熱放散流体が前記複数のOリング部材から熱を放散するように前記周辺流体チャネルに流入しかつ前記Oリングハウジングの前記外側表面を横切って流れるように構成される、周辺流体チャネルと、
を備え
前記周辺流体チャネルが、断面において三日月形である、超音波カテーテル。
【請求項2】
前記Oリングハウジングは、前記熱放散流体が前記Oリング空洞に流入しかつ前記Oリングハウジングの前記内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように構成される、請求項1に記載の超音波カテーテル。
【請求項3】
前記複数のOリング部材が、前記超音波伝達部材と前記Oリングハウジングの前記内部表面との間で前記Oリングハウジングの前記Oリング空洞内に流体シールを形成するように構成される、請求項1または2に記載の超音波カテーテル。
【請求項4】
前記Oリングハウジングが、ボアを有する円筒として構成され、前記ボアが、前記Oリング空洞を画定する前記Oリングハウジングの前記内部表面を画定するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項5】
前記Oリングハウジングが、遠位開口端部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項6】
前記周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するように前記カテーテル本体の第1の後部から前記Oリングハウジングの第2の後部まで延在するように構成された端壁を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波カテーテル。
【請求項7】
超音波デバイスであって、
超音波変換器、および
超音波カテーテル
を備え、前記超音波カテーテルが、
内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースと、
前記長尺可撓性カテーテルシースの前記内腔内で長手方向に延在する超音波伝達部材であって、近位部分および遠位部分を有し、前記近位部分が、前記超音波変換器に接続されるように構成されている、超音波伝達部材と、
前記長尺可撓性カテーテルシースに結合されたカテーテル本体であって、流体吸込口、および、前記流体吸込口と流体連通している内側空洞を有し、前記流体吸込口が、前記内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成されている、カテーテル本体と、
前記超音波伝達部材の前記近位部分の周りに配置され、かつ、前記近位部分に接触する、複数のOリング部材と、
前記カテーテル本体の前記内側空洞内に配置されたOリングハウジングであって、外側表面、内部表面、および、前記内部表面によって画定されたOリング空洞を有し、前記Oリング空洞が、前記複数のOリング部材を収容するように構成され、前記超音波伝達部材が、前記Oリングハウジングの全体を通って延在する、Oリングハウジングと、
前記Oリングハウジングの前記外側表面と前記カテーテル本体との間に画定された周辺流体チャネルであって、前記Oリングハウジングが、前記熱放散流体が前記複数のOリング部材から熱を放散するように前記流体吸込口から前記周辺流体チャネルに流入しかつ前記Oリングハウジングの前記外側表面を横切って流れるように構成される、周辺流体チャネルと、
を備え
前記周辺流体チャネルが、断面において三日月形である、超音波デバイス。
【請求項8】
前記Oリングハウジングは、前記熱放散流体が前記流体吸込口から前記Oリング空洞に流入しかつ前記Oリングハウジングの前記内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように構成される、請求項に記載の超音波デバイス。
【請求項9】
前記複数のOリング部材が、前記超音波伝達部材と前記Oリングハウジングの前記内部表面との間で前記Oリングハウジングの前記Oリング空洞内に流体シールを形成するように構成される、請求項7または8に記載の超音波デバイス。
【請求項10】
前記Oリングハウジングが、ボアを有する円筒として構成され、前記ボアが、前記Oリング空洞を画定する前記Oリングハウジングの前記内部表面を画定するように構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項11】
前記Oリングハウジングが、遠位開口端部を有する、請求項7から10のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項12】
前記周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するように前記カテーテル本体の第1の後部から前記Oリングハウジングの第2の後部まで延在するように構成された端壁を備える、請求項7から11のいずれか一項に記載の超音波デバイス。
【請求項13】
熱放散流体を供給するように構成された流体源と、
超音波励起信号を生成するように構成された超音波信号発生器と、
前記超音波信号発生器に電気的に接続された超音波変換器であって、前記超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーを生成するように構成された超音波変換器と、
超音波カテーテルと、
を備える、超音波システムであって、前記超音波カテーテルが、
内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースと、
前記長尺可撓性カテーテルシースの前記内腔内で長手方向に延在する超音波伝達部材であって、近位部分および遠位部分を有し、前記近位部分が、前記超音波振動エネルギーを受け取るために前記超音波変換器に機械的に接続される、超音波伝達部材と、
前記長尺可撓性カテーテルシースに結合されたカテーテル本体であって、流体吸込口、および、前記流体吸込口と流体連通している内側空洞を有し、前記流体吸込口が、前記流体源と流体連通して接続されており、前記流体吸込口が、前記内側空洞内への前記熱放散流体の通過を促進するように構成されている、カテーテル本体と、
前記超音波伝達部材の前記近位部分の周りに配置されかつ前記近位部分に接触する、複数のOリング部材と、
前記カテーテル本体の前記内側空洞内に配置されたOリングハウジングであって、外側表面、内部表面、および、前記内部表面によって画定されたOリング空洞を有し、前記Oリング空洞が、前記複数のOリング部材を収容するように構成され、前記超音波伝達部材が、前記Oリングハウジングの全体を通って延在する、Oリングハウジングと、
前記Oリングハウジングの前記外側表面と前記カテーテル本体との間に画定された周辺流体チャネルであって、前記Oリングハウジングが、前記熱放散流体が前記複数のOリング部材から熱を放散するように前記流体吸込口から前記周辺流体チャネルに流入しかつ前記Oリングハウジングの前記外側表面を横切って流れるように構成される、周辺流体チャネルと、
を備え
前記周辺流体チャネルが、断面において三日月形である、超音波システム。
【請求項14】
前記Oリングハウジングは、前記熱放散流体が前記流体吸込口から前記Oリング空洞に流入しかつ前記Oリングハウジングの前記内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように構成される、請求項13に記載の超音波システム。
【請求項15】
前記複数のOリング部材が、前記超音波伝達部材と前記Oリングハウジングの前記内部表面との間で前記Oリングハウジングの前記Oリング空洞内に流体シールを形成するように構成される、請求項13または14に記載の超音波システム。
【請求項16】
前記Oリングハウジングが、ボアを有する円筒として構成され、前記ボアが、前記Oリング空洞を画定する前記Oリングハウジングの前記内部表面を画定するように構成される、請求項13から15のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項17】
前記Oリングハウジングが、遠位開口端部を有する、請求項13から16のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項18】
前記周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するように前記カテーテル本体の第1の後部から前記Oリングハウジングの第2の後部まで延在するように構成された端壁を備える、請求項13から17のいずれか一項に記載の超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]なし。
[0002]本発明は、超音波システムに関し、より詳細には、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムであって、超音波カテーテルが、超音波カテーテルの超音波伝達部材を取り囲む複数のOリングすなわち振動吸収部材の近傍などの超音波伝達部材に近接近した領域における熱を放散するように構成される、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]超音波デバイスが超音波振動の生成中に望ましくない水準の熱を発生させる場合があることが、よく知られている。超音波カテーテルなどの一部のデバイスは、本体、例えばハウジングを含む場合があり、このハウジングは、ハウジングの外側表面の全表面積を増大させるための1つまたは複数の表面特徴を含み得る。この表面積の増大は、超音波カテーテル本体内の超音波ガイド(心線などの超音波伝達部材と呼ばれることもある)によって生じた熱を放散するハウジングの能力を高める。そのような表面特徴は、適切なサイズまたは形状の隆起、鋭い角、うねり、溝、などを有し得る。さらに、超音波カテーテル本体は、アルミニウム、ステンレス鋼、任意の他の伝導性金属、もしくは任意の適切な非金属の伝導性材料などの、1種または複数種の熱放散材料で作られ得る。それでもやはり、超音波カテーテル本体での発熱は、超音波伝達部材の近傍で起こる可能性があり、これは、超音波伝達部材および/または超音波伝達部材に近接近している構成要素の構造疲労をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]当技術分野において必要とされているのは、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムであって、超音波カテーテルが、超音波カテーテルの超音波伝達部材を取り囲む複数のOリングすなわち振動吸収部材の近傍などの超音波伝達部材に近接近した領域における熱を放散するように構成される、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本発明は、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムであって、超音波カテーテルが、超音波カテーテルの超音波伝達部材を取り囲む複数のOリングすなわち振動吸収部材の近傍などの超音波伝達部材に近接近した領域における熱を放散するように構成される、超音波カテーテル、デバイス、およびシステムを提供する。
【0005】
[0006]1つの形態における本発明は、長尺可撓性カテーテルシースと、超音波伝達部材と、カテーテル本体とを含む、超音波カテーテルを対象とする。長尺可撓性カテーテルシースは、内腔を有する。超音波伝達部材は、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内で長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有し、前記近位部分は、振動エネルギーを受け取るように構成される。カテーテル本体は、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の近位部分の周りに配置され、かつ、近位部分に接触する。Oリングハウジングが、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成される。超音波伝達部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在する。周辺流体チャネルが、Oリングハウジングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジングは、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように周辺流体チャネルに流入しかつOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0006】
[0007]別の形態における本発明は、超音波変換器と超音波カテーテルとを含む超音波デバイスを対象とする。超音波カテーテルは、内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースを含む。超音波伝達部材が、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内を長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、超音波変換器に接続するように構成される。カテーテル本体が、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の近位部分の周りに配置され、かつ、近位部分に接触する。Oリングハウジングが、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成され、超音波伝達部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在する。周辺流体チャネルが、Oリングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジングは、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように流体吸込口から周辺流体チャネルに流入しかつOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0007】
[0008]別の形態における本発明は、超音波システムを対象とする。超音波システムは、流体源、超音波信号発生器、超音波変換器、および超音波カテーテルを含む。流体源は、熱放散流体を供給するように構成される。超音波信号発生器は、超音波励起信号を生成するように構成される。超音波変換器は、超音波信号発生器に電気的に接続される。超音波変換器は、超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーを生成するように構成される。超音波カテーテルは、内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースを含む。超音波伝達部材が、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内で長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、超音波振動エネルギーを受け取るために超音波変換器に機械的に接続される。カテーテル本体が、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、流体源と流体連通して接続される。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の近位部分の周りに配置され、かつ、近位部分に接触する。Oリングハウジングが、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成される。超音波伝達部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在する。周辺流体チャネルが、Oリングハウジングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジングは、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように流体吸込口から周辺流体チャネルに流入しかつOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0008】
[0009]本発明の一実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することにより、本発明の上記およびその他の特徴および利点、ならびにそれらを実現する態様はより明らかになるであろうし、本発明はより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0010]操作卓と超音波カテーテルを含む超音波デバイスとを具備する本発明の一実施形態による超音波システムの概略図である。
図2】[0011]超音波伝達部材がカテーテル本体の端壁において分割されている、図1の超音波カテーテルの端面図である。
図3】[0012]図2の線3-3に沿った、図1および2の超音波カテーテルの断面図である。
図4】[0013]図1の線4-4に沿った、図1~3の超音波カテーテルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]いくつかの図にわたって、対応する参照文字は、対応する部品を示す。本明細書に提示された各例示は、本発明の少なくとも1つの実施形態を示すものであり、そのような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
[0015]ここで図面を、またより具体的には図1を参照すると、本発明の一実施形態による超音波システム10が示されている。超音波システム10は一般に、操作卓12および超音波デバイス14を含む。超音波デバイス14は、例えば、介入性の血管閉塞処置または腫瘍処置のために使用され得る。
【0012】
[0016]操作卓12は、電気ケーブル16、例えば多心ケーブルを介して、超音波デバイス14と電気連通して接続される。操作卓12は、流体導管18、例えば可撓性チューブまたはホースを介して、超音波デバイス14と流体連通して接続される。操作卓12は、単一のハウジングユニット内または別々のハウジングユニット内に複数の構成要素を含み得る。この実施形態では、操作卓12は、ユーザインターフェース20、制御装置22、超音波信号発生器24、および流体源26を含み得る。
【0013】
[0017]ユーザインターフェース20は、電気的な通信相互接続を提供するために、導電体12-1、例えばマルチワイヤケーブルまたはUSBを介して制御装置22に接続される。あるいは、ユーザインターフェース20は、制御装置22に通信可能に結合される無線リンク、例えばブルートゥース(登録商標)であってもよい。ユーザインターフェース20は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、ならびに関連する入力および出力処理回路を含み得る。タッチスクリーンディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイを含み得る。あるいは、ユーザインターフェース20は、ラップトップコンピュータまたはタブレットの形態であってもよい。ユーザインターフェース20は、ユーザ入力に基づいて制御信号を生成するように構成される。例えば、ユーザは、超音波信号発生器24の動作を開始および/もしくは終了させるために、ならびに/または流体源26の流体供給量を選択的に開始、停止、もしくは制御するために、制御装置22に制御信号を提供するようにユーザインターフェース20を操作することができる。
【0014】
[0018]制御装置22は、導電体12-1、例えばマルチワイヤケーブルまたはUSBを介して、ユーザインターフェース20に電気的に接続されかつ通信可能に結合される。また、制御装置22は、導電体12-2、例えばマルチワイヤケーブルまたはUSBを介して、超音波信号発生器24に電気的に接続されかつ通信可能に結合され、制御装置22は、導電体12-3、例えばマルチワイヤケーブルまたはUSBを介して、流体源26に電気的に接続されかつ通信可能に結合される。導電体12-2、12-3のそれぞれは、それぞれの出力制御信号を運ぶように構成される。
【0015】
[0019]制御装置22は、プロセッサ回路22-1、インターフェース回路22-2、および電子メモリ回路22-3を含む。制御装置22は、ユーザインターフェース20から受信した信号を処理するプログラム命令を実行し、超音波信号発生器24の動作を制御するためにインターフェース回路22-2を介して超音波信号発生器24に出力制御信号を提供するプログラム命令を実行し、かつ、流体源26の動作を制御するためにインターフェース回路22-2を介して流体源26に出力制御信号を提供するプログラム命令を実行する。
【0016】
[0020]制御装置22のプロセッサ回路22-1は、1つまたは複数のプログラム可能なマイクロプロセッサと、入力/出力インターフェース、クロック、バッファ、メモリ、などの関連する回路とを含み得る。プロセッサ回路22-1は、例えば電子メモリ回路22-3に格納されたソフトウェアまたはファームウェアを通じて、受信した入力データを処理するプログラム命令を実行するように、また、出力データを生成して超音波信号発生器24および/または流体源26に送信するように、プログラムされ得る。
【0017】
[0021]インターフェース回路22-2は、ユーザインターフェース20、超音波信号発生器24、および流体源26との電気的接続およびデータ転送を促進するための入力および出力回路を含む。
【0018】
[0022]電子メモリ回路22-3は、当技術分野においてよく知られているように、複数のデータ格納位置を有する、電子的な一時的でないメモリである。電子メモリ回路22-3は、例えば、操作卓12の制御装置22のプロセッサ回路22-1によって実行されるべきプログラム命令を格納するために使用され得る。
【0019】
[0023]超音波信号発生器24は、技術分野において知られている超音波信号発生器の典型的なものであり、かつ、例えば20kHz~40kHzの周波数範囲内の超音波励起信号の形態で超音波電気信号を作り出すために、ユーザインターフェース20および制御装置22を介して制御され得る。
【0020】
[0024]流体源26は、例えば、生理的食塩水注入器であってよく、かつ、例えば無菌生理的食塩水といった熱放散流体28を超音波デバイス14に供給するように構成されたポンプ26-1を含む。熱放散流体28の二次的な用途は、医療処置中に患者の処置領域を洗浄することであり得る。図1および3では、熱放散流体28は、流れおよび流れ方向を示す矢印を有する破線によって表されている。
【0021】
[0025]図1に示されるように、超音波デバイス14は、ハンドル30および超音波カテーテル32を含む。ハンドル30は、ハウジング34を含み、ハウジング34は、ハウジング34の内部に取り付けられた超音波変換器36を収容する。ハウジング34は、例えば血管閉塞または腫瘍学に関連する処置などの医療処置中にオペレータによって握られるのを促進する外側形状およびサイズを有する。
【0022】
[0026]超音波変換器36は、例えば、圧電型の変換器であってよい。ハンドル30の超音波変換器36は、電気ケーブル16により超音波信号発生器24に電気的に接続され、かつ、超音波信号発生器24によって生成された超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーに変換するように構成され、この超音波振動エネルギーは、超音波信号発生器24によって生成された超音波励起信号の周波数範囲に一致する周波数範囲内にあり得る。例えば、超音波信号発生器24によって生成されて超音波変換器36に供給される超音波励起信号の周波数が20kHzである場合、超音波変換器36の出力の振動周波数は、相応に20kHzであり得る。
【0023】
[0027]超音波カテーテル32は、超音波デバイス14のハンドル30のハウジング34に機械的に接続される。ハンドル30のハウジング34への超音波カテーテル32の接続は、取外し可能な接続(すなわち、一時的)であってよく、あるいは、固定された接続(すなわち、恒久的)であってよい。超音波デバイス14が完全に使い捨てであるように意図されている場合、超音波カテーテル32は、例えばオーバモールド、溶着、または接着剤により、ハンドル30に恒久的に付着され得る。しかし、超音波デバイス14のハンドル30が再利用可能であることが望まれている場合、超音波カテーテル32は、例えばねじ結合またはスナップ接続により、ハンドル30に取外し可能に付着可能であるように作られ得る。
【0024】
[0028]図2~4も参照すると、超音波カテーテル32は、カテーテル本体38、長尺可撓性カテーテルシース40、および超音波伝達部材42を含む。長尺可撓性カテーテルシース40は、カテーテル本体38から遠位に延在する。長尺可撓性カテーテルシース40は、超音波伝達部材42の一部分を担持する、長手方向に延在する細長い内腔40-1を含む。場合により、また別法として、超音波伝達部材42は、ハンドル30の構成要素であってよい。
【0025】
[0029]超音波伝達部材42は、カテーテル本体38および長尺可撓性カテーテルシース40内に配置され、かつ、カテーテル本体38を通ってまた長尺可撓性カテーテルシース40の内腔40-1内で(例えば、これを通って)長手方向に延在する。超音波伝達部材42は、近位部分42-1、および、近位部分42-1から長手方向に離間された遠位部分42-2を有する。この実施形態では、超音波伝達部材42の近位部分42-1は、ハウジング34およびカテーテル本体38内に存在する超音波伝達部材42の部分である。超音波伝達部材42の遠位部分42-2は、例えばカテーテル本体38に対して遠位の、例えば長尺可撓性カテーテルシース40内に存在する近位部分42-1に対して遠位の超音波伝達部材42の部分である。
【0026】
[0030]超音波伝達部材42の近位部分42-1は、超音波変換器36から振動エネルギーを受け取るように構成される。例えば、超音波伝達部材42の近位部分42-1は、超音波変換器36から振動エネルギーを受け取って超音波伝達部材42の振動運動を作り出すために、例えば音響コネクタ(sonic connector)により超音波変換器36に機械的に接続され得る。したがって、超音波変換器36は、超音波信号発生器24によって生成される超音波励起信号の電気エネルギー出力レベルに相応する振動エネルギーレベルにおいて、振動エネルギーを生成する。超音波伝達部材42は、例えばニチノールワイヤといった細長い可撓性の金属ワイヤの形態であってよく、これは、当技術分野では、心線と呼ばれることもある。
【0027】
[0031]この実施形態では、例えば、カテーテル本体38は、プラスチックまたは他のポリマーなどの剛体(rigid)または半剛体の材料から作られ得るが、場合により、カテーテル本体38は、全体的にまたは部分的に金属を含み得る。長尺可撓性カテーテルシース40は、可撓性ポリマーなどの可撓性の生体適合性材料から作られてよく、これは、場合により、長尺金属コイルなどの構造補強材を含み得る。カテーテル本体38は、単一部品の単体構造を形成するために、例えばオーバモールド、溶着、または接着剤を介して長尺可撓性カテーテルシース40に結合され、例えば固定して接続される。
【0028】
[0032]カテーテル本体38は、長尺可撓性カテーテルシース40に対して近位にあり、かつ、長尺可撓性カテーテルシース40に接続される。カテーテル本体38は、端壁44、Yコネクタチューブ46、流体吸込口48、内側空洞50、および内側表面52を含む。図2に示されるように、カテーテル本体38の端壁44は、超音波伝達部材42に接触することなしに超音波伝達部材42を受け入れるサイズとされた開口部54を含む。
【0029】
[0033]図1~3を参照すると、この実施形態では、流体吸込口48は、カテーテル本体38のYコネクタチューブ46によって画定される。流体吸込口48は、内側空洞50と流体連通して結合され、内側空洞50は、長尺可撓性カテーテルシース40の内腔40-1と流体連通して結合される。Yコネクタチューブ46および流体入力口38-2が、流体導管18により流体源26のポンプ26-1に接続されるように、例えばルアー型コネクタを有して構成される。また、流体吸込口48は、カテーテル本体38の内側空洞50内への熱放散流体28の通過を促進するように、例えば円筒形の空隙として構成される。
【0030】
[0034]図3および4を参照すると、カテーテル本体38内には、Oリングハウジング56が配置される。より具体的には、Oリングハウジング56は、カテーテル本体38の内側空洞50内に配置される。図4に示されるように、この実施形態では、カテーテル本体38は、内側表面52における内径を有する円筒として形成され、Oリングハウジング56は、Oリングハウジング56の外側表面60における外径を有する第2の円筒として形成され、Oリングハウジング56の外径は、カテーテル本体38の内径よりも小さい。また、この実施形態では、カテーテル本体38およびOリングハウジング56は、非同心の円筒として配置されてよく、この場合、Oリングハウジング56の外側表面60の長手方向部分58が、例えば成形、溶着、または接着剤により、カテーテル本体38の内側表面52に接合される。
【0031】
[0035]Oリングハウジング56は、内部表面62、および、内部表面62によって画定されたOリング空洞64をさらに含む。この実施形態では、Oリングハウジング56は、ボア(換言すれば、穴)を有する円筒として構成され、ボアは、Oリングハウジング56の内部表面62を画定するように構成される。また、Oリングハウジング56は、遠位開口端部66、および、遠位開口端部66に対して近位の遠位内側周辺(perimetrical)部分68を有する。
【0032】
[0036]Oリング空洞64は、複数のOリング部材70を受け入れかつ収容するように構成され、複数のOリング部材は、この実施形態では、Oリング部材70-1、Oリング部材70-2、Oリング部材70-3、およびOリング部材70-4として個別に識別される。この実施形態では、用語「Oリング」は、振動を吸収するように構成された環状部材であり、その定義は、従来のOリング構造および細長い環状スリーブの両方を含む。例えば、複数のOリング部材70のそれぞれは、ゴムなどのエラストマ材料から作られ得る。この実施形態の代替形態として、複数のOリング部材70のうちのいくつかまたは全てが、互いに結合(fused)され得るか、または1つもしくは複数のスリーブ様の環状部材に置き換えられ得ることが、意図されている。
【0033】
[0037]図2~4を参照すると、超音波伝達部材42は、Oリングハウジング56の全体を通って延在し、より具体的には、Oリングハウジング56のOリング空洞64内に位置決めされた複数のOリング部材70の中心を通って延在する。したがって、複数のOリング部材70は、超音波伝達部材42の近位部分42-1の周りに配置され、かつ、近位部分42-1に接触する。複数のOリング部材70は、カテーテル本体38の端壁44の開口部54(図2参照)から熱放散流体28が漏出しないように、超音波伝達部材42とOリングハウジング56の内部表面62との間でOリングハウジング56のOリング空洞64内に流体シールを形成するように構成される。
【0034】
[0038]図3および4を参照すると、周辺流体チャネル72が、Oリングハウジング56の外側表面60とカテーテル本体38の内側表面52との間に画定される。カテーテル本体38およびOリングハウジング56が非同心の円筒として配置されているこの実施形態では、周辺流体チャネル72は、Oリングハウジング56の長さ(図3も参照)を長手方向に延長する三日月形の断面(図4参照)を有する半環状の流体チャネルを形成するように、Oリングハウジング56を実質的に取り囲む。カテーテル本体38の端壁44は、周辺流体チャネル72の閉じられた近位端部78を画定するために、カテーテル本体38の後部74からOリングハウジング56の後部76まで延在するように構成される。
【0035】
[0039]この実施形態では、カテーテル本体38およびOリングハウジング56は、接合された非同心の円筒として配置されているが、代替的な配置では、Oリングハウジング56は、周辺流体チャネル72がOリングハウジング56の全周囲を取り囲む環状チャネルを形成するように、カテーテル本体38から径方向に間隔を空けられ得る。
【0036】
[0040]本発明によれば、カテーテル本体38の流体吸込口48は、流体源26から熱放散流体28を受け入れるように構成される。流体吸込口48によって受け入れられた熱放散流体28の流れは、カテーテル本体38の内側空洞50内に供給される。Oリングハウジング56は、超音波伝達部材42が超音波振動中に熱を発生させたときにOリングハウジング56、Oリングハウジング56内に収容された複数のOリング部材70、および超音波伝達部材42の近位部分42-1から熱を放散する(すなわち、冷却する)ために、カテーテル本体38の内側空洞50に流入する熱放散流体28の少なくとも一部分が周辺流体チャネル72の開口遠位端部80に流入しかつOリングハウジング56の外側表面60を横切って(across)流れるように、構成される。
【0037】
[0041]また、Oリングハウジング56は、超音波伝達部材42が超音波振動中に熱を発生させたときにOリングハウジング56、Oリングハウジング56内に収容された複数のOリング部材70、および超音波伝達部材42の近位部分42-1から熱を放散するために、カテーテル本体38の内側空洞50に流入する熱放散流体28の少なくとも一部分がOリング空洞64に流入しかつOリングハウジング56の内部表面62の遠位内側周辺部分68を横切って流れかつOリング部材70-4に直接ぶつかるように、構成される。
【0038】
[0042]図1および2を参照すると、周辺流体チャネル72の開口遠位端部80に流入してOリングハウジング56の外側表面60を横切って流れる熱放散流体28の少なくとも一部分、およびOリング空洞64に流入して内部表面62の遠位内側周辺部分68を横切って流れる熱放散流体28の少なくとも一部分は、カテーテル本体38の内側空洞50内を循環し、次いで長尺可撓性カテーテルシース40の遠位端部分40-2から放出され得る。例えば、カテーテル本体38はまた、カテーテル本体38の内側空洞50に流入する流体源26によって供給された熱放散流体28の少なくとも一部分が、超音波伝達部材42の遠位部分42-2の冷却を実現するために長尺可撓性カテーテルシース40の内腔40-1に流入し、次いで長尺可撓性カテーテルシース40の遠位端部分40-2から超音波カテーテル32を出て行くように、構成される。
【0039】
[0043]以下の項目もまた、本発明に関連する。
【0040】
[0044]1つの形態では、本発明は、長尺可撓性カテーテルシースと、超音波伝達部材と、カテーテル本体とを含む、超音波カテーテルに関する。長尺可撓性カテーテルシースは、内腔を有する。超音波伝達部材は、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内で長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有し、近位部分は、(超音波)振動エネルギーを受け取るように構成される。カテーテル本体は、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の近位部分の周りに配置され、かつ、近位部分に接触し、また、超音波伝達部材からの振動エネルギーを吸収するように構成され得る。Oリングハウジングが、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成される(収容する)。超音波伝達部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在し得る。周辺流体チャネル(これは、少なくとも部分的にカテーテル本体の周囲に沿って延在する流体チャネルと見なされ得る)が、Oリングハウジングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように周辺流体チャネルに流入しかつ/またはOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0041】
[0045]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体がOリング空洞に流入しかつOリングハウジングの内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように、さらに構成され得る。
【0042】
[0046]実施形態のいずれかによれば、複数のOリング部材は、超音波伝達部材とOリングハウジングの内部表面との間でOリングハウジングのOリング空洞内に流体シールを形成するように構成される。
【0043】
[0047]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、場合により、ボアを有する円筒として構成されてよく、この場合、ボアは、Oリング空洞を画定するOリングハウジングの内部表面を画定するように構成され、また、周辺流体チャネルは、半環状の流体チャネルである。
【0044】
[0048]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、遠位開口端部を有し得る。
【0045】
[0049]いくつかの実施形態によれば、超音波カテーテルは、周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するようにカテーテル本体の(第1の)後部からOリングハウジングの(第2の)後部まで延在するように構成された端壁をさらに備え得る。
【0046】
[0050]いくつかの実施形態によれば、場合により、周辺流体チャネル(また、半環状の流体チャネル)は、断面が三日月形であり得る。
【0047】
[0051]別の形態では、本発明は、超音波変換器および超音波カテーテルを含み得る超音波デバイスに関する。場合により、超音波カテーテルは、前述の段落[0040]から[0046]のいずれかの超音波カテーテルであってよい。超音波カテーテルは、内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースを含む。超音波伝達部材が、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内で長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、((超音波)振動エネルギーを受け取るために)超音波変換器に接続するように構成される(接続される)。カテーテル本体は、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の周りに配置され、かつ、近位部分に接触し、また、超音波伝達部材からの振動エネルギーを吸収するように構成され得る。Oリングハウジングは、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成され(収容し)、超音波伝達部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在し得る。周辺流体チャネル(これは、少なくとも部分的にカテーテル本体の周囲に沿って延在する流体チャネルと見なされ得る)が、Oリングハウジングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように流体吸込口から周辺流体チャネルに流入しかつ/またはOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0048】
[0052]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体が流体吸込口からOリング空洞に流入しかつOリングハウジングの内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように、さらに構成され得る。
【0049】
[0053]実施形態のいずれかによれば、複数のOリング部材は、超音波伝達部材とOリングハウジングの内部表面との間でOリングハウジングのOリング空洞内に流体シールを形成するように構成される。
【0050】
[0054]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、場合により、ボアを有する円筒として構成されてよく、この場合、ボアは、Oリング空洞を画定するOリングハウジングの内部表面を画定するように構成され得る。
【0051】
[0055]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、遠位開口端部を有し得る。
【0052】
[0056]いくつかの実施形態によれば、超音波カテーテルは、周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するためにカテーテル本体の(第1の)後部からOリングハウジングの(第2の)後部まで延在するように構成された端壁をさらに備え得る。
【0053】
[0057]場合により、周辺流体チャネル(また、半環状の流体チャネル)は、断面が三日月形であり得る。
【0054】
[0058]別の形態では、本発明は、超音波システムに関する。超音波システムは、流体源、超音波信号発生器、超音波変換器、および超音波カテーテルを含み得る。場合により、超音波カテーテルは、前述の段落[0040]から[0046]のいずれかの超音波カテーテルであり得る。前述の段落[0047]から[0053]のいずれかの超音波デバイスは、超音波システムに含まれ得る。流体源は、熱放散流体を供給するように構成される。超音波信号発生器は、超音波励起信号を生成するように構成される。超音波変換器は、超音波信号発生器に電気的に接続される。超音波変換器は、超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーを生成するように構成される。超音波カテーテルは、内腔を有する長尺可撓性カテーテルシースを含む。超音波伝達部材が、長尺可撓性カテーテルシースの内腔内で長手方向に延在する。超音波伝達部材は、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、超音波変換器に機械的に接続され(るように構成され)、かつ、超音波振動エネルギーを受け取る(ように構成される)。カテーテル本体が、長尺可撓性カテーテルシースに結合される。カテーテル本体は、流体吸込口、および、流体吸込口と流体連通している内側空洞を有する。流体吸込口は、流体源と流体連通して接続される。流体吸込口は、内側空洞内への熱放散流体の通過を促進するように構成される。複数のOリング部材が、超音波伝達部材の近位部分の周りに配置され、かつ、近位部分に接触し、また、超音波伝達部材からの振動エネルギーを吸収するように構成され得る。Oリングハウジングが、カテーテル本体の内側空洞内に配置される。Oリングハウジングは、外側表面、内部表面、および、内部表面によって画定されたOリング空洞を有する。Oリング空洞は、複数のOリング部材を収容するように構成される(収容する)。超音波変換部材は、Oリングハウジングの全体を通って延在し得る。周辺流体チャネル(これは、少なくとも部分的にカテーテル本体の周囲に沿って延在する流体チャネルと見なされ得る)が、Oリングハウジングの外側表面とカテーテル本体との間に画定される。Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体が複数のOリング部材から熱を放散するように流体吸込口から周辺流体チャネルに流入しかつ/またはOリングハウジングの外側表面を横切って流れるように構成される。
【0055】
[0059]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジング(超音波カテーテル)は、熱放散流体が流体吸込口からOリング空洞に流入しかつOリングハウジングの内部表面の遠位内側周辺部分を横切って流れるように、さらに構成され得る。
【0056】
[0060]実施形態のいずれかによれば、複数のOリング部材は、超音波伝達部材とOリングハウジングの内部表面との間でOリングハウジングのOリング空洞内に流体シールを形成するように構成される。
【0057】
[0061]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、場合により、ボアを有する円筒として構成されてよく、この場合、ボアは、Oリング空洞を画定するOリングハウジングの内部表面を画定するように構成される。
【0058】
[0062]いくつかの実施形態によれば、Oリングハウジングは、遠位開口端部を有し得る。
【0059】
[0063]いくつかの実施形態によれば、超音波カテーテルは、周辺流体チャネルの閉じられた近位端部を画定するためにカテーテル本体の(第1の)後部からOリングハウジングの(第2の)後部まで延在するように構成された端壁をさらに備え得る。
【0060】
[0064]いくつかの実施形態によれば、場合により、周辺流体チャネルは、三日月形の断面を有する半環状の流体チャネルであり得る。
【0061】
[0065]本明細書において、実質的になどの程度に関するいずれの用語も、そのように修飾される特性からの許容可能な変形を示すように意図された相対的な修飾語である。そのような用語は、その用語が修飾する特性の絶対値に限定されることを意図されておらず、むしろ、反意語よりも物理的なまたは機能上の特性の多くを有することを意図されている。
【0062】
[0066]本発明は少なくとも1つの実施形態に関して説明されたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに変更され得る。したがって、本出願は、その一般原理を使用する本発明のいかなる変形、使用、または適用をもカバーすることが意図されている。さらに、本出願は、本発明が関連しまた添付の特許請求の範囲の限界に含まれる当技術分野における既知のまたは慣例的な実践に入る本開示からの逸脱をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4