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特許7530444圧縮成形によって物体を製造する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】圧縮成形によって物体を製造する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/06 20060101AFI20240731BHJP
   B29C 43/36 20060101ALI20240731BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20240731BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20240731BHJP
   B29C 43/52 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
B29C33/06
B29C43/36
B29C33/02
B29C43/34
B29C43/52
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022567430
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2021053859
(87)【国際公開番号】W WO2021224860
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】102020000010039
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509238432
【氏名又は名称】サチミ、コオペラティバ、メッカニーチ、イモラ、ソチエタ、コオペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI COOPERATIVA MECCANICI IMOLA SOCIETA’ COOPERATIVA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ プッチ
(72)【発明者】
【氏名】フィオレンツォ パリネッロ
【審査官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-001407(JP,A)
【文献】特開2014-138993(JP,A)
【文献】特開2013-035151(JP,A)
【文献】特開2009-249251(JP,A)
【文献】特開2006-224648(JP,A)
【文献】特表2005-528245(JP,A)
【文献】特開2005-144794(JP,A)
【文献】特開平10-264119(JP,A)
【文献】特開平06-304926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 43/00-43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を形成する装置であって、
ポリマー材料の連続押出物を供給する押出機と、
前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する少なくとも1つの分離部と、
第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型と、
前記単位分量を前記連続押出物から前記金型へ運搬する閉ループ形態の軌道に沿って移動可能な搬送部を備え、
前記第1金型部分と前記第2金型部分は、成形方向に沿って互いに位置合わせされ、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に載置される開位置と、前記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置との間で相互に移動可能で、
当該装置はさらに熱調節装置を備え、
前記熱調節装置は、前記受け部上に載置している前記単位分量の載置部分とは異なる前記単位分量の少なくとも1つの表面部分の熱を調節することによって、前記単位分量が前記少なくとも1つの金型部分内へ放出された後で、かつ、前記閉位置が実現される前で、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に存在する間に前記単位分量に作用するように適合されることを特徴とする、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記熱調節装置は、前記少なくとも1つの金型の経路に沿った、前記受け部が前記単位分量を受ける前記経路の一の地点と、前記少なくとも1つの金型が前記閉位置を実現する前記経路の他の地点との間の位置に設けられる、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記熱調節装置は、前記受け部が前記単位分量を受ける前記一の地点から前記少なくとも1つの金型が前記閉位置を実現する前記他の地点まで延びる、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記熱調節装置は、前記受け部が前記単位分量を受ける前記少なくとも1つの金型の経路の一の地点と、前記少なくとも1つの金型が前記閉位置を実現する前記経路の他の地点との間の位置に設けられる前記経路内の位置で作用するように適合される、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、前記熱調節装置は、前記受け部の外部に設けられる、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記熱調節装置は、前記単位分量の前記表面部分へ導かれるように意図されたレーザービームを放出するレーザー源を備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記レーザー源は、前記単位分量の前記表面部分の複数の地点を走査するように前記レーザービームを動かすように構成される、装置。
【請求項8】
請求項6に記載の装置であって、
前記レーザー源は固定された位置に設けられ、
前記少なくとも1つの金型は前記レーザー源に対して移動可能である、
装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記熱調節装置は、前記金型が移動する際に沿う経路に沿って設けられる熱源を備え、
前記熱源は、前記開位置が実現可能な前記経路の一の地点と、前記閉位置が実現可能な前記経路の他の地点との間に存在する、
装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記熱源は、熱風源、火炎処理ユニット、赤外線ランプ、プラズマ装置を含む群から選択される、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、経路に沿って前記金型を変位させる運動装置をさらに備え、
前記熱調節装置は閉じ込め構造を備え、前記閉じ込め構造は、前記開位置が実現可能な前記経路の一の地点と、前記閉位置が実現可能な前記経路の他の地点との間に存在することで前記閉じ込め構造の外部への放熱を制限する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記閉じ込め構造内部の大気を加熱する加熱部をさらに備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記加熱部は、前記閉じ込め構造内部に設けられる少なくとも1つの赤外線ランプと、前記単位分量の前記表面部分へ向かうように赤外線を導く前記閉じ込め構造の壁に支持される少なくとも1つのミラーを備える、装置。
【請求項14】
物体を形成する方法であって、
ポリマー材料の連続押出物を供給する押出機を提供する段階と、
前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する段階と、
成形方向に互いに位置合わせされる第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型を提供する段階と、
閉ループ形態の軌道に沿って移動可能な搬送部を用いて前記単位分量を前記連続押出物から前記金型へ運搬する段階と、
前記第1金型部分と前記第2金型部分が互いに離間している間に前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に前記単位分量を載置する段階と、
記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置が実現されるまで前記第1金型部分と前記第2金型部分を相互に移動させる段階と、を有し、
前記閉位置が実現される前に、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に存在して、かつ前記受け部上に載置している間に前記単位分量の載置部分とは異なる前記単位分量の少なくとも1つの表面部分を熱調節することを特徴とする、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、熱調節される前記単位分量の前記表面部分は、前記連続押出物を切断して前記連続押出物から前記単位分量を分離する段階中に分離部と相互作用する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、熱調節される前記単位分量の前記表面部分は、前記連続押出物を切断する段階後に前記金型へ向かうように前記単位分量を運搬する前記搬送部と相互作用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー材料の圧縮成形によって、目的、例えば、容器、キャップ、容器用のプリフォーム、又は他の目的を製造するための装置及び方法に関する。
【0002】
ポリマー材料の圧縮成形によって物体を製造するための装置が知られている。公知の装置は、ポリマー材料の連続押出物を供給するための押出機と、複数の搬送部を支持する輸送用回転式コンベヤとを備える。各搬送部は、押出機から出てくる連続押出物と相互作用するのに適した刃先を有する。より具体的には、搬送部が押出機の近くを通過するとき、刃先は、溶融状態のポリマー材料の単位分量を連続押出物から分離する。次いで、単位分量は、搬送部によって収集され、金型の近くに到達するまで、搬送部によって搬送される。この時点で、搬送部は、所望の物体を形成するために、金型の雄部分と雌部分との間で成形され得るように、金型内に単位分量を放出する。
【0003】
単位分量が搬送部によって搬送される間、搬送部と接触する単位分量の部分は、単位分量の残りの部分よりも冷却される。搬送部との接触に起因して、より急速に冷却される単位分量の部分は、金型成形された物体が周辺領域と比較して異なる審美的及び光学的特性を有するスポットを成形された物体上に生じさせる。このスポットは、成形された物体の外観を悪化させるので、はっきりと見え、望ましくない。
【0004】
成形された物体上では、押出機から出てくる連続押出物から単位分量を分離させる刃先と相互作用するポリマー材料の部分にも欠陥が生じることがある。刃先は、その刃先が作用するポリマー材料の部分を冷却することに加えて、ポリマー材料がほとんど存在しない単位分量縁部を作り出す。これらの縁部は、ほとんど固化するまで急速に冷却し、単位分量が金型の雄部分と雌部分との間で圧縮されるとき、ポリマー材料の挙動において均一性の欠如を作り出す。その結果、成形された物体には、均質性に欠ける面積が存在する。
【0005】
単位分量の切断及び/又は搬送中に時期尚早に冷却されたポリマー材料の部分は、その部分が相対的に低い温度のために、ポリマー材料が周囲のポリマー材料に弱く接合される成形物体領域(「低温密封領域」として知られる)を引き起こす可能性がある。これらの領域は、成形された物体がさらされる後続のプロセスの間、又は物体自体の寿命の間、破断起点を構成する恐れがある。例えば、成形された物体がプリフォームである場合、プリフォームがボトルに変換されるブロー成形プロセス中に、又はボトルの偶発的な衝撃又は落下の場合に、破断が起こり得る。
【0006】
少なくとも部分的にポリマー材料で作られた物体を製造するための従来技術の装置の実施例は、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2003/0198708号公報
【文献】米国特許第5401154号公報
【文献】米国特許出願公開第2016/0001510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ポリマー材料の圧縮成形によって物体を製造する装置及び方法を改善することである。
【0009】
さらなる目的は、可能な限り均質な特性を有する圧縮成形体を得ることを可能にする装置及び方法を提供することである。
【0010】
別の目的は、高分子材料の圧縮成形によって、その外観に関してさえ、良好な品質の物体を作製することを可能にする装置及び方法を提供することである。
【0011】
さらなる目的は、ポリマー材料を圧縮成形することによって、成形金型に挿入される前にポリマー材料に施した処理中でのポリマー材料の不均一な冷却に起因する欠陥-たとえば目に見えるスポット又は低温密封領域-を実質的に含まない物体を形成する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1態様では、物体を形成する装置が供される。当該装置は、ポリマー材料の連続押出物を供給する押出機と、前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する少なくとも1つの分離部と、第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型部分を備える。前記第1金型部分と前記第2金型部分は、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に載置される開位置と、前記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置との間で相互に移動可能である。当該装置はさらに、前記受け部上に載置している前記単位分量の載置部分とは異なる前記単位分量の少なくとも1つの表面部分の熱を調節することによって、前記単位分量が前記少なくとも1つの金型部分内に位置する間で、かつ、前記閉位置が実現される前に前記単位分量に作用するように構成される熱調節装置を備える。
【0013】
前記熱調節装置は、前記単位分量が前記連続押出物から分離される間及び/又は前記単位分量が前記金型部分へ向けて運搬される間に冷却される前記単位分量の表面部分に作用し得る。それにより前記単位分量の前記表面部分の温度は、前記ポリマー材料の前記単位分量の他の部分での温度に近い値に戻されることが可能となる。これにより、前記単位分量内での温度分布は相対的に均一となり得る。その結果前記の形成される物体の品質は改善される。特に、切断及び/又は運搬中での前記単位分量の表面部分の時期尚早な冷却に起因する前記形成された物体上でのスポットの存在を防止し、あるいは少なくとも従来技術よりもそのようなスポットを視認しにくくすることが可能である。
【0014】
後に破断起点を構成する前記金型成形された物体上での低温密封領域の存在を防止又は少なくとも制限することも可能である。
【0015】
前記熱調節装置によって前記単位分量の前記表面部分へ伝わる熱によって、前記単位分量が(ほとんど)溶けるまでに前記単位分量の局所的な軟化が可能となる。このようにして、前記単位分量が前記連続押出物から分離される間及び/又は前記金型部分へ向けて運搬される間に固化される前記単位分量の任意の部分は、隣接部分と同様の粘性条件に戻され得る。これにより、前記単位分量は、前記の所望の物体を形成する前記形成キャビティ内を均一に流れることが可能となる。その結果、前記単位分量を圧縮成形によって形成される前記物体は、相対的に均一な特性を有する。
【0016】
前記熱調節装置は、前記受け部の外部に配置される。これにより、前記受け部上に載置されていない前記単位分量の前記表面部分-すなわち前記単位分量が前記受け部上に載置されているときに大気に曝露される部分-の加熱を主として行うことが可能となる。前記表面部分は大抵、前記単位分量が前記連続押出物から分離される間及び/又は前記金型部分へ向けて運搬される間に大半が冷却する部分である。なぜなら前記表面部分は、前記単位分量が解放されて前記受け部へ向かう前に当該装置の機械部品と接触するからである。
【0017】
一の実施形態では、当該装置は、経路に沿って前記金型部分を変位させる運動装置を備える。前記閉位置は、前記経路に沿って前記開位置の下流で前記金型部分によって実現可能である。
【0018】
前記金型部分の前記経路は閉じたループ-たとえば環状-であってよい。
【0019】
代替実施形態では、前記金型部分の前記経路は線状-たとえば直線状-であってよい。
【0020】
一の実施形態では、前記熱調節装置は、前記外部への放熱を制限するため、前記開位置と前記閉位置との間に介在する前記金型部分の前記経路の領域内に配置される閉じ込め構造を備える。
【0021】
前記閉じ込め構造のおかげで、前記金型部分が前記開状態にある間、前記熱は前記金型部分付近に閉じ込められる。これにより、前記金型部分の前記受け部へ向けて解放される前記単位分量の冷却の回避が可能となり、その後すぐに前記第1金型部分と前記第2金型部分との間で成形される。
【0022】
一の実施形態では、前記閉じ込め構造は、前記金型部分及び前記閉じ込め構造を通過する前記単位分量によって放出される熱によってのみ加熱可能である。前記閉じ込め構造を加熱するのに特別な部材は供されない。そのため受動的熱調節装置が定められる。
【0023】
この場合、前記熱調節装置は特に単純で、前記熱調節装置のエネルギー消費は非常に小さい。
【0024】
一の実施形態では、前記熱調節装置は、前記閉じ込め構造内部で前記大気を加熱する加熱部を備える。
【0025】
前記加熱部材は、熱い空気を放出する熱源、レーザー源、プラズマ源、又は1つ以上の赤外ランプであってよい。これにより、前記金型部分及び前記閉じ込め構造の内部を通過する前記単位分量によって放出される熱が十分ではない場合に、前記閉じ込め構造の熱実効性を増大させることが可能となる。
【0026】
一の実施形態では、前記熱調節装置は前記単位分量の前記表面部分を加熱するために熱を放出するように構成される加熱装置である。前記加熱装置は、前記単位分量の所定の表面部分の実効的な加熱を可能にする。
【0027】
前記加熱装置は、前記単位分量の前記表面部分の厳密な位置へ熱エネルギーを導くように構成され得る。
【0028】
この種類の加熱装置は、切断及び/又は運搬中に前記単位分量が最も冷却される位置を良好な精度で知っていることで、前記位置へ前記エネルギーを導くことが可能であるときには有用である。
【0029】
一の実施形態では、前記加熱装置は、前記表面部分を加熱するために前記表面部分に沿って変位可能なレーザービームを放出するように構成されるレーザー源を備えてよい。これにより、前記単位分量の形状、及び、前記金型部分の前記受け部上に載置される前に前記単位分量が接触する当該装置の構成要素によって前記単位分量上に生成されるインプリントを考慮するように、任意の所望の形状を有する表面部分に沿って前記レーザービームを動かすことが可能となる。
【0030】
一の実施形態では、前記第1金型部分は雄型部分を含んでよい。前記第2金型部分は雌型部分を含んでよい。
【0031】
本発明の第2態様では、物体を形成する方法が供される。当該方法は、
ポリマー材料の連続押出物を供給する段階と、
前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する段階と、
第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型部分を提供する段階と、
前記第1金型部分と前記第2金型部分が互い離間している間に前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に前記単位分量を載置する段階と、
前記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置が実現されるまで前記第1金型部分と前記第2金型部分を相互に移動させる段階と、
を有する。当該方法では、前記閉位置が実現される前に、前記受け部上に載置している前記単位分量の載置部分とは異なる前記単位分量の少なくとも1つの表面部分の熱が調節される。
【0032】
本発明の第2態様によって供される方法は、本発明の第1態様による装置について前述した利点を得ることを可能にする。
【0033】
一の実施形態では、熱調節された前記単位分量の前記表面部分は、前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から前記単位分量を分離する段階中に分離部と相互作用する部分である。
【0034】
一の実施形態では、熱調節された前記単位分量の前記表面部分は、前記連続押出物を切断する段階後であって前記単位分量を前記金型部分へ向けて運搬する段階中に搬送部と相互作用する部分である。
【0035】
本発明の第3態様では、物体を形成する装置が供される。当該装置は、を備える。ポリマー材料の連続押出物を供給する押出機と、前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する少なくとも1つの分離部と、第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型部分を備える。前記第1金型部分と前記第2金型部分は、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に載置される開位置と、前記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置との間で相互に移動可能である。当該装置はさらに、前記単位分量が前記第1金型部分と前記第2金型部分との間で変形する前に、熱エネルギーを前記単位分量の選ばれた部分へ導く局所熱源を備える。
【0036】
本発明の第3態様のため、前記単位分量内部での温度分布をより均一にすることが可能である。
【0037】
一の実施形態では、当該装置は、前記単位分量を前記金型部分へ運搬するため、軌道に沿って移動可能な少なくとも1つの搬送部を備える。
【0038】
前記局所熱源は前記軌道のある地点に設けられる。これにより前記単位分量が前記金型部分へ運搬される間に前記単位分量へ熱を伝えることが可能となる。
【0039】
一の実施形態では、前記局所熱源は、前記単位分量が前記受け部へ落ちる間に前記単位分量へ熱を伝えるように設けられる。
【0040】
本発明の第4態様では、物体を形成する方法が供される。当該方法は、
ポリマー材料の連続押出物を供給する段階と、
前記連続押出物を切断することで前記連続押出物から単位分量のポリマー材料を分離する段階と、
第1金型部分と第2金型部分を含む少なくとも1つの金型部分を提供する段階と、
前記第1金型部分と前記第2金型部分が互いにある距離に位置している間に前記第1金型部分と前記第2金型部分から選ばれる受け部上に前記単位分量を載置する段階と、
前記物体に対応する形状を有する形成チャンバが前記第1金型部分と前記第2金型部分との間に画定される閉位置が実現されるまで前記第1金型部分と前記第2金型部分を相互に移動させる段階と、を有する。当該方法では、前記閉位置が実現される前に、局所熱源によって放出される熱エネルギーが前記単位分量の表面部分へ導かれる。
【0041】
本発明の第4態様によって供される方法は、本発明の第3態様による装置について前述した利点を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明は、そのいくつかの例示的、非限定的な実施形態を示す添付図面を参照することにより、よりよく理解され、実施され得る。
【0043】
図1】圧縮成形によって物体を作製するための装置の一部を示す概略上面図である。
図2図1の装置の雌型部品を閉じ込め構造の内部に示す概略断面図である;
図3図1の装置の代替的な実施形態において、搬送部が一回分のポリマー材料を放出している雄型部品を示す概略図である;
図4図3と同様の概略図であり、単位分量を加熱するための発熱体を示す;
図5図4と同様の概略図であり、代替的な実施形態による発熱体を示す;
図6図5と同様の概略図であり、別の代替実施形態による発熱体を示している;
図7図1の装置の代替的な実施形態の雌型部分を示す概略図であり、発熱体が設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、ポリマー材料の圧縮成形によって物体を作製するための装置1を示す。装置1が得ることができる物体は、容器、容器用キャップ、容器用プリフォーム、コーヒー又は他の粉末物質用カプセル、又は他のタイプの物体などの凹部物体であってもよい。
装置1は、ポリマー材料の連続押出物を供給するのに適した押出装置2を備える。図示の例では、ポリマー材料は、上から下への実質的に垂直な送出方向に沿って押出装置2から出てくるが、他の送出方向も可能である。例えば、ポリマー材料は、実質的に垂直な送出方向に沿って、底部から上方に、又は垂直に対して傾斜した送出方向に沿って、押出装置2から出てくることができる。
【0045】
押出装置2は、単一層構造を有する、すなわち単一のポリマー材料で作られた連続押出物を供給するために、又は代替的に、多層押出物を供給するために、すなわち、互いに異なるポリマー材料の少なくとも2つの層を含むように構成されてもよい。
【0046】
装置1は、押出装置2の出口付近を周期的に通過し、押出出口から出てくる連続押出物を切断するように配置された、図では詳細を視認できない少なくとも1つの分離部をさらに備える。このようにして、分離部は、連続押出物から、高分子材料の単位分量6、すなわち、圧縮成形によって物体を得ることが可能な所定の質量の高分子材料を分離する。
【0047】
図1に示される実施例では、単位分量6は、略球形、平行六面体、又は円筒形の形状を有し得る。しかしながら、単位分量6には他の形状も可能である。
【0048】
装置1は、単位分量6を搬送するための少なくとも1つの搬送部4を含む搬送装置3をさらに備える。図示の例では、複数の搬送部4が設けられており、その一部のみが図1に概略的に示されている。 したがって、輸送装置3は、輸送回転式コンベヤを備えることができる。
【0049】
搬送部4は、図示の例では円形である軌道Tに沿って移動可能である。しかしながら、この条件は必要ではなく、軌道Tは、少なくとも1つの非円形に延びる閉ループの形態の一般的な軌道であってよい。
【0050】
図示の例では、各搬送部4は、例えば「C」又は「U」のような凹形状を有し、凹部は、搬送部4の前進方向Fに対して前方を向いている。
【0051】
各搬送部4は、図示の例では搬送部4の上縁に刃先を有する。押出装置2の出口付近を通過するとき、刃先は、連続押出物から単位分量6を分離する。したがって、この場合、搬送部4の刃先は、連続押出物から単位分量6を分離するための分離部のように作用する。次いで、単位分量6は、搬送部4の凹部内に受けられる。この凹面の内側は輸送表面によって画定される。輸送表面には、依然として溶融状態にある単位分量6がその粘性のために付着することができる。
【0052】
装置1は、さらに、単位分量6を圧縮成形するための少なくとも1つの金型5を備え、圧縮成形によってそれから所望の物体を作製する。図示の例では、たとえこの条件が必要でなくても、成形回転式コンベヤ7の周辺領域に取り付けられた複数の金型5が設けられている。図1は、成形回転式コンベヤ7の一部のみを概略的に示す。
【0053】
各金型5は、第1金型部分又は雄型部分9と、第2金型部分又は雌型部分8とを備え、これらは、図示の例では垂直である成形方向に沿って互いに位置合わせされる。雌部8は空洞10を有し、一方、雄部9はパンチを備える。
【0054】
雌部8と雄部9とは、図示しないアクチュエータ装置によって、開位置P1と閉位置P2との間で相対移動可能である。開位置P1では、雌部8及び雄部9は互いに距離をおいており、その結果、例えば搬送部4によって運ばれる単位分量6を金型5に挿入することが可能である。閉位置P2では、雌部8と雄部9とが近接することにより、成金型チャンバが形成され、成金型室は、得られる物体に対応する形状を有する。
【0055】
図1に示す例では、雌部8は、雄部9の下方に位置している。単位分量6は、搬送部4が金型5と垂直に位置合わせされるときに、搬送部4によって放出される。したがって、単位分量6は、雌部分8の下にある空洞10内に落ちる。
【0056】
したがって、この実施例では、雌部分8は、受け部分、すなわち、成形すべき単位分量6を受ける金型の部分である。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、受け部は雄部9であってもよいので、この条件は必須ではない。
【0057】
金型5が開位置P1にある間に、単位分量6は金型5に挿入される。次いで、雌部分8及び雄部分9は、互いに向かって移動し始め、単位分量6は、閉位置P2に達するまで、雌部分8と雄部分9との間で成形され、単位分量6は、所望の形状に成形される。成形金型5は、成形された物体を損傷することなく取り扱うことができる温度に達するまで、成形された物体を冷却するために、所定の期間、閉位置P2に留まる。このとき、雌部8と雄部9とは、再び開位置P1に到達するまで互いに離れるように移動する。開位置P1では、成形サイクルを繰り返すように、成形された物体を金型5から取り出し、新しい単位分量6を金型5に挿入することが可能である。
【0058】
装置1は、経路Pに沿って金型5を移動させるための移動装置をさらに備える。図示の例では、環状だがこれは必須ではない。各金型5は、経路Pの所定の点で開位置P1に到達する。各金型5は、さらに、経路Pに沿った金型5の移動方向Mに対して開位置P1に到達する点の下流側に配置された経路Pのさらに所定地点で閉位置P2に到達する。
【0059】
装置1は、単位分量6が金型5に挿入された後、より正確には単位分量6が金型5の受け部に載置されている間に、すなわち、図1及び2に示される実施例では、単位分量6が雌部分8に載置されている間に、単位分量6を熱的に調整するように構成された熱調節装置11をさらに備える。
【0060】
熱調節装置11は、特に、単位分量6に作用するように構成され、単位分量6が挿入される金型5は、開位置P1が実現される経路Pの一の点と、閉位置P2が実現される経路Pの他の点との間にある。換言すれば、熱調節装置11は、金型5が閉位置P2を実現する前に、単位分量6を熱調整するように構成される。
【0061】
考慮される実施例では、図2により詳細に示されるように、熱調節装置11は、単位分量6、すなわち、空洞10が生成される少なくとも雌部分8を運ぶ金型5の少なくとも受け部分を少なくとも部分的に囲む閉じ込め構造12を備える。
【0062】
閉じ込め構造12は、経路Pに沿って移動することによって、雌部分8が単位分量6を移動させる熱調整空間13を画定する複数の壁を備える。例えば、図2に示される実施形態では、閉じ込め構造12は、空洞10の下に配置された下壁14と、雌部分8の上に配置された上壁15と、下壁14と上壁15との間に介在された2つの側壁16とを備える。したがって、閉じ込め構造12は、金型5の経路Pの少なくとも一部を囲む筒状形状を有することができる。図示の例では、経路Pが円形であり、平面視において、閉じ込め構造12は、円弧の形状を有する。
【0063】
閉じ込め構造12は、入口開口部を有し、それを通って、金型の雌部品8が、各雌部品8が単位分量6を受ける地点の近くで閉じ込め構造12に入ることができる。閉じ込め構造12は、さらに、閉位置P2に到達する経路Pの地点付近で雌部品8が閉じ込め構造12から出ることができる出口開口を有する。
【0064】
図2に示されるように、閉じ込め構造12は、金型5の雌部分8を支持する棒19が通過できる通路18を有する。
【0065】
閉じ込め構造12は、単位分量6がすでに金型5内に放出され、まだ完全に成形されていない経路Pの長さに沿って相対的に高い温度を維持する機能を有する。これは、閉じ込め構造12が、それ自体の外部への放熱を防止するか、又はいずれの場合も制限するために起こる。閉じ込め構造12内に存在する空気は、閉じ込め構造12の内部を通過する対応する雌部分8上に載置された単位分量6から伝達される加熱によって、相対的に高温に保たれる。
【0066】
一実施形態では、金型5の雌部品8は、相対的に高い温度を有するように熱的に調整される。この場合、閉じ込め構造12内に存在する空気は、経路Pの長さに沿って閉じ込め構造12の内部を通過する金型5の雌部8によっても連続的に加熱される。
【0067】
別の実施形態では、金型5の雌部品8は、相対的に低い温度を有するように熱的に調整することができる。この場合、封じ込め構造12内に存在する空気を加熱するために金型5の雌部分8が与える寄与は無視できる。
【0068】
図示されていない代替の実施形態では、閉じ込め構造12は、図2に示されている例よりも少ない数の壁を備えてもよい。閉じ込め構造12は、例えば、上壁15がなくてもよく、その場合、閉じ込め構造12は、非常に単純な構造であるが、外側への放熱を制限する。
【0069】
図1及び図2に示す実施例では、加熱調節装置11は、受動的タイプのものである。すなわち加熱調節装置11は、単位分量6及び(もしあれば)装置1のいくつかの構成要素-例えば雌型部品8-によって放出される加熱を利用して閉じ込め構造12内の温度を相対的に高く保つ。また、閉じ込め構造12の内部の空気を能動的に加熱するために、発熱体が設けられてもよい。能動発熱体は、例えば、熱風源、又はレーザ源、又はプラズマ金型発熱体、又は他のものを含むことができる。能動的加熱部は、閉じ込め構造12の内部に配置された1つ又は複数の赤外線ランプを備えることができる。赤外線を単位分量6に向けるために、閉じ込め構造12の壁に1つ以上の反射ミラーを設けることができる。
【0070】
動作中、押出装置2は、ポリマー材料の連続押出物を供給する。各搬送部4は、押出装置2の出口付近を通過し、連続押出物を切断し、それから単位分量6を分離する。搬送部4は、搬送部4が金型5の雌部分8と雄部分9との間に介在する位置に到達するまで、軌道Tに沿って単位分量6を移動させる。この時点で、単位分量6は、搬送部4によって放出され、雌部分8の下にある空洞10内に落ちる。このようにして、単位分量6は、雌部分8上の単位分量6の載置部分17に載置される。対応する金型5は開位置P1にある。
【0071】
空洞10内に単位分量6が堆積された雌型部品8は、経路Pに沿って移動され、それによって閉じ込め構造12を通過する。閉じ込め構造12内に存在する空気は、単位分量6を相対的に高温に保ち、単位分量6の冷却又は単位分量6の表面温度の上昇を防止する。特に、閉じ込め構造12内に存在する空気は、雌部分8上に載置されている単位分量6の静止部分17とは異なる単位分量6の表層部20、すなわち空気に曝露された単位分量6の表層部20に作用する。
【0072】
これは、例えば、単位分量6を押出機2から分けた搬送部4の単位分量6と刃先との間の相互作用、又は、単位分量6を金型5に近づけた間に単位分量6が接触する搬送部4の単位分量6と輸送面との間の相互作用によって、単位分量6が金型5内に堆積される前に冷却された単位分量6の表面の任意の部分を加熱する。
【0073】
その結果、金型5が閉位置P2にされ、単位分量6が雌部分8と雄部分9との間で押圧されると、単位分量6は相対的に均一な温度を有する。これは、単位分量6を構成するポリマー材料が、雌部分8と雄部分9との間を容易に流れることを可能にし、それによって、良好な品質の成形された物体を生じさせる。
【0074】
特にこれは、成形された物体の表面上のスポット又は破断起点の形成-刃先及び/又は搬送部4の輸送表面と接触する単位分量6の部分の早期冷却によって引き起こされる-を回避する。実際、単位分量6の切断及び/又は搬送中に時期尚早に冷却された単位分量6の部分は、単位分量6が閉じ込め構造12を通過する間に再び加熱され、これにより、単位分量6の表面上、ならびに単位分量6の表面とその表面よりも自然に高温である単位分量6のコアとの間の相対的に均一な温度分布を得ることが可能になる。
【0075】
図3及び図4は、代替実施形態による、圧縮成形によって物体を生成するための装置の金型105を概略的に図示する。
【0076】
図3及び図4に示される金型105は、主に、雌型部品108の下に配置された雄型部品109を備えるため、図1及び図2に示される金型5とは異なる。雄部109は、図示の例では垂直である成形方向に沿って雌部108と位置合わせされる。したがって、この実施形態では、雄部分109は、単位分量106が堆積される受け部分として作用する。
【0077】
より具体的には、雄部分109は、その側領域において、単位分量106が載置されることが意図される受け面21によって画定される。より詳細には、単位分量106は、単位分量106の載置部分117において雄部分109上に置かれることが意図される。図示の例では、受け面21は実質的に平坦であるが、受け面21には他の形状も可能である。
【0078】
金型105が含まれる装置は、図1及び図2に示される装置1を参照して既に説明したように、単一材料又は多層で作製され得る連続構造を供給するように配置された押出機を含む。押出機は、長方形の出口を有し、その結果、連続構造は、実質的に平行六面体又は立方体である単位分量106を分離することが可能である薄板の形状を有する。図3及び図4に見られるように、単位分量106は、それぞれが長方形又は正方形であり得る、一対のより大きな面によって画定される。2つのより大きな面のうちの一方は、受け面21上に載置されることが意図され、他方のより大きな面は、受け面21上に載置されることが意図されるものとは反対側に、押出機から金型105に向かって単位分量106を運ぶ機能を有する搬送部104と接触するように配置される。
【0079】
単位分量106のより大きな面間の距離は、単位分量106の厚さを画定する。図示の例では、単位分量106の厚さは、2つのより大きな面の線寸法よりも小さい。
【0080】
図3及び図4に示される装置の搬送部104は、図1及び図2に示される装置1の搬送部4とは異なる構造を有する。各搬送部104は、受け面21と接触するように意図されたものとは反対側の単位分量106のより大きな面が付着する平坦な輸送面22によって画定される。
【0081】
各搬送部104は、軌道Tに沿って移動可能であることに加えて、図1を参照して前述したように、搬送部104が接続されるアーム23の軸Rを中心に回転可能である。このようにして、搬送部104は、押出機から金型105に向かって単位分量106を運ぶことに加えて、単位分量106が押出機出口で有し、垂直方向に対して実質的に垂直であっても、又は傾斜していてもよい初期構成から、単位分量106が金型105の雄部分109上に放出される実質的に水平である最終構成まで、単位分量106を回転させることができる。
【0082】
搬送部104は、搬送部104が出口付近を通過するときに、押出機から出てくる連続押出物を切断して、そこから単位分量106を分離することができる刃先部24を有する。したがって、刃先24は、押出機から出てくるポリマー材料から単位分量106を分離するための分離部の機能を有する。
【0083】
搬送部104は、金型105が開位置にあるときに、金型105の受け部、すなわち雄部109上に単位分量106を堆積させるように配置される。簡単にするために、雌部品108は図3に示されていない。
【0084】
単位分量106が雄部分109上に放出された後、搬送部104は、軌道Tに沿って移動することによって、金型105から離れるように移動する。雄部分109及び雌部分108は、それらが閉位置になるまで、互いに対して移動し、そこで、所望の物体が、雄部分109と雌部分108との間に形成される。
【0085】
雄部109及び雌部108は、図示の例では成形回転式コンベヤ7の本体である支持構造25によって支持される。
【0086】
装置は、単位分量106が受け部、すなわち雄部109上に置かれた後、金型105が閉位置に達する前に、単位分量106を熱的に調整するための熱調節装置111をさらに備える。
【0087】
熱調節装置111は、図示の例では、適切な波長を有するレーザビーム27を放射するのに適したレーザ源26を含む発熱体を備える。
【0088】
さらに、レーザビーム27を単位分量106上に向けるようにそれを方向転換するために、ミラー28のシステムが設けられる。図示の例では、ミラー28のシステムは、レーザ源26の外側に配置されているように示されているが、この条件は必要ではない。ミラー28のシステムは、レーザ源26に含まれてもよい。
【0089】
レーザビーム27は、単位分量106の表層部120上に向けられるように配置され、表層部120は、単位分量106が金型105の雄部分109上に載っている静止部分117とは別個である。
【0090】
図示の例では、表層部120は、単位分量106の縁部の近くにあり、その上で搬送部104の刃先24が、連続押出物から単位分量106を分離するように作用する。刃先24との接触により、単位分量106を形成するポリマー材料が冷却される。いくつかの場合において、刃先24が作用するエッジの近くで非常に薄い、単位分量106が構成されるポリマー材料は、局所的に固化する点までも硬化していてもよい。
【0091】
レーザビーム27は、単位分量106が刃先24が作用するエッジ付近、又はそのエッジで構成されるポリマー材料の加熱を可能にする。このようにして、先に硬化されたポリマー材料を軟化させることが可能であり、その結果、材料が結晶化するか、又はいずれにせよ、成形された目的に欠陥を生じさせる可能性がある鋳金型105においてあまりに早く凝固することを回避する。
【0092】
上記に代えて、又は上記に加えて、レーザビーム27が加熱を可能にする表層部120は、雄部分109の受け面21と接触する面とは反対側の単位分量106の面、すなわち、搬送中に搬送部104の搬送面22と接触した単位分量106の面に位置してもよい。実際、単位分量106のこの面はまた、搬送部104との接触のために冷却されていてもよい。
【0093】
図3及び図4に示す装置では、搬送部104及び/又は刃先24と相互作用する単位分量106の表面部分を正確に識別することが可能である。
【0094】
その結果、レーザビーム27は、単位分量106の切断及び/又は搬送中に実際に冷却される単位分量106の表面部分に正確に向けられ、これらの部分を効果的に加熱することができる。
【0095】
すなわち、レーザビーム27は、以前に最も冷却されたことで、金型105の充填中に不均一に流れる恐れがあるか、あるいは形成された物体上に表面欠陥を引き起こす恐れがある単位分量の表面部分に、局所的かつ目標を定めて熱を伝達することができる。
【0096】
図示の実施例では、単位分量106が金型105の受け部上に置かれた後、単位分量106が経路Pに沿って移動する。また、金型105を開位置から閉位置にするために、単位分量106が置かれている受け部(すなわち、図示の実施例では雄部109)が金型105の他の部分(すなわち、図示の実施例では雌部108)に向かって移動することも起こり得る。
【0097】
図示の例では、レーザ源26は、金型105を支持する支持構造25上に取り付けられる。支持構造25は、経路Pに沿ってレーザ源26も移動するように構成される。
【0098】
ミラー28のシステムは、単位分量が雄部109によって雌部108に向けて持ち込まれたときに、レーザー光線27が単位分量106の動きに従うように、レーザー光線27を変位させるように構成される。ミラー28のシステムはさらに、レーザービーム27がドット状ではなく所定の表面範囲を有する表層部120を加熱するように、レーザービーム27を単位分量106の表層部120に沿って変位させるように構成される。したがって、レーザビーム27は、刃先24及び/又は輸送表面22と接触した単位分量106の表層部120を「ブラッシング」し得るようにされる。
【0099】
動作中、金型105の開位置において金型105の雄部分109上に単位分量106が放出された後、レーザ源26は、レーザビーム27を放出するように作動される。レーザビーム27は、金型105が閉位置に達する前に、金型105の受け部に載っている単位分量106と相互作用する。特に、レーザビーム27は、切断中及び/又は搬送中に最も冷却された単位分量106の表層部120を加熱するように、単位分量106が連続押出物から分離された単位分量106の縁部上、及び/又は載置表面117の反対側の単位分量106の面上に向けられる。
【0100】
金型105の形状は、単位分量106の表面部分を加熱するためのレーザビーム27の利用を特に容易にする。実際、単位分量106は雄型部分109上に載っているので、単位分量106が雌型部分の空洞内に受容された場合に起こり得るようなこととは対照的に、レーザービーム27を妨害し得る受け部分の部分は存在しない。
【0101】
図5は、別の実施形態による金型205を部分的に示し、これは、金型205の雄部分209に対して固定位置に配置されたレーザ源226を備える熱調節装置211に関連するため、図3及び図4に示される実施形態とは異なる。
【0102】
特に、支持部29が設けられ、これは、雄部分209に対して固定され、レーザ源226を支持し、必要に応じて、レーザ源226によって放射されたレーザビーム227を単位分量106に向かって方向転換させるためのミラー228のシステムも支持する。
【0103】
雄部分209が、対応する雌部分から離れるように、又はそれに向かって移動するために、成形方向に沿って移動可能である場合、レーザ源226は、雄部分209と一緒に移動する。したがって、レーザ光227は、熱が伝達される単位分量106の表層部120の所望の点に到達するように移動されればよい。言い換えれば、図5の実施形態では、レーザビーム227は、加熱される単位分量106の表層部120の点を走査する移動を行うだけである。対照的に、雄部209が対応する雌部に向かって移動する間、雄部に追従する移動を提供する必要はない。
【0104】
図6は、別の実施形態による金型305を部分的に示し、これは、金型305が属する装置上の固定位置に配置されたレーザ源326を備える熱調節装置311に関連するため、図3及び図4に示される金型とは異なる。
【0105】
レーザ源326は、以下の3回の移動に従ってレーザ光327を変位させるように構成されている。3回の移動とはつまり、
- 単位分量106が金型305の移動する経路Pに沿って運ばれる間に単位分量106が追随する移動
- 単位分量106が雄部309によって雌型部に向かって移動される間に単位分量106が追随する他の移動
- 加熱されるべき単位分量106の表層部120の全ての地点に熱を伝達する走査運動
である。
【0106】
図5及び図6にそれぞれ示される加熱調節装置211、311は、図3及び図4を参照して先に説明したのと同じ方法で動作し、特に、単位分量106が連続押出物から分離されるための分離部と相互作用する単位分量106の縁部に、又は搬送部と接触した単位分量106の表面に、加熱が伝達されることを可能にする。
【0107】
図3図4、及び図5に示される解決策は、各金型に対してレーザ源を使用し、一方、図6に示される解決策は、全ての金型に対して、又は一群の金型に対して単一のレーザ源を使用する。したがって、図6に示される解決策は、図3~5に示される解決策と比較して、より少ない数の構成要素及びより少ない数のレーザ源を必要とする。しかしながら、図3図5に示される解決策では、レーザビームの移動を制御することがより容易である。
【0108】
図7は、別の実施形態による金型405を部分的に示す。金型405は、図1及び図2に示される金型5と同様であり、雄部分の下方に配置された雌部分508を備え、雌部分508は、上方を向く空洞10を備える。
【0109】
空洞10内には、例えば図1に示されるタイプの搬送部によって堆積された単位分量6があり、単位分量6は、単位分量の載置部分17において雌部分508上に載置されている。
【0110】
さらに、単位分量6の表層部20を熱的に調整するように構成された熱風源30を備える熱調節装置411が提供される。表層部20は、雌部分508と接触するように配置された載置部分17とは別個である。金型405が開位置にあるとき、表層部20は空気に曝される。
【0111】
熱風源30は、金型405の経路Pに沿って、単位分量6が空洞10内に既に堆積されているが、金型405がまだ閉位置に達していない経路の領域に配置される。
【0112】
熱風源30は、特に、単位分量6が分離部及び/又は搬送部と相互作用する地点において、単位分量6の表層部20の加熱を可能にする熱風を放出する。これは、全単位分量-特に単位分量の表面-における温度分布をより均一にすることを可能にし、その結果、形成された物体の品質を改善する。
【0113】
熱風源30の代わりに、火炎処理ユニット、1つ以上の赤外線ランプ、プラズマ装置、又は他の熱源を設けることが可能である。
【0114】
図1図7を参照して上述された実施形態の特徴は、明示的に言及されたものとは異なるように組み合わせることもできる。例えば、図1及び図2を参照して説明した閉じ込め構造12、又は図7を参照して説明した熱風源30は、雄型部品が雌型部品の下に配置される装置にも使用することができる。同様に、図4図6に示されるレーザ源は、雌部品が雄部品の下に配置される金型と組み合わせて使用されてもよい。
【0115】
熱調節装置は、図1及び7の例のように、静的タイプであってもよく、その場合、熱調節装置は、固定位置に配置され、金型の経路の所定の領域を加熱する。あるいは、熱調節装置は、図4図6の例のように、動的な金型であってもよく、熱調節装置は、単位分量の様々な点を順番に加熱することを可能にする。
【0116】
上記の説明では、成形回転式コンベヤの周縁領域に取り付けられた複数の金型を備える装置が参照され、成形回転式コンベヤは、その軸を中心に回転可能である。
【0117】
しかしながら、熱調節装置及び金型内の単位分量の加熱に関して上述したことは、複数の金型ではなく、1つの金型のみを備える装置にも当てはまり得る。
【0118】
さらに、(複数の)金型は、必ずしも円形ではない経路、例えば、ループ又は直線経路で閉じられた一般的な経路に沿って移動可能であってもよい。
【0119】
押出機から金型に単位分量をもたらす搬送部を含む搬送装置は必須ではないが、上述のものとは異なる押出機及び金型の配置が採用された場合、不要であり得る。
【0120】
単位分量は、搬送部上に取り付けられた分離部によってだけでなく、任意の搬送部とは異なる分離部、例えば、押出機と輸送装置との間に介在するブレード又はレーザビームによっても、連続押出物から分離され得る。
【0121】
雌型部分及び雄型部分は、一般的な第1金型部分及び一般的な第2金型部分、すなわち、得られる物体が凹形状を有さない場合、パンチ及び/又は空洞を有さない金型部分によって置換されてもよい。
【0122】
上記の説明では、金型の経路に沿って配置された熱調節装置を常に参照した。
【0123】
より具体的には、熱調節装置は、金型の経路に沿った位置に設けられてもよい。この位置は、金型の受け部が単位分量を受ける経路の点と、金型が閉位置に達する経路のさらなる点との間に置かれてもよい。これは、例えば、図7に示される熱調節装置の場合である。
【0124】
上述の状況の特定の場合として、熱調節装置の位置は、図1及び図2に示されるように、金型の受容部が単位分量を受容する経路の点から、金型が閉位置に達する経路のさらなる点まで延在してもよい。
【0125】
また熱調節装置は、その位置とは無関係に、金型が、金型の受け部が単位分量を受ける点と、金型が閉位置に達する経路のさらなる点との間に介在する経路の一部にあるときに作動されることもあり得る。これは、例えば、図3図4及び図5に示されるように、熱調節装置が金型又はその一部と共に金型の経路に沿って移動可能である場合、又は図6の実施形態で起こり得るように、熱調節装置が載置位置に位置する場合に起こり得る。
【0126】
熱調節装置の活性化は、例えば、レーザビームを生成することによって、又は熱調節装置に含まれる任意の他の熱源による発熱を活性化することによって、行われ得る。
【0127】
これらは、単位分量が金型内に配置されている間、かつ閉位置に到達する前に、熱調節装置が単位分量に作用するように構成される場合の例である。
【0128】
上述したことに加えて、又はその代わりに、金型の上流に配置され、金型が金型の受け部に載置される前に単位分量に作用する熱調節装置を提供することが可能である。
【0129】
この場合、熱調節装置は、単位分量の選択された表層部上に熱エネルギーを導くのに適した局所熱源を備えてもよい。
【0130】
局所熱源は、レーザ源、赤外線ランプ、火炎処理ユニット、又はプラズマ装置などであってもよい。
【0131】
例えば、図1に示されるように、搬送部4の軌道Tに沿った所定地点に配置されたレーザ源511を含む局所熱源を提供することが可能である。
【0132】
レーザ源511は、レーザビームを、空気に曝露される、すなわち、対応する搬送部4に付着しない単位分量6の表面部分に向けるように配置される。レーザビームは、単位分量の表層部の所定の領域を加熱するように走査運動を伴って移動されてもよい。
【0133】
このようにして、熱的により均一であり、良好な品質の物体を得ることを可能にする、単位分量の加熱を生成することが可能である。
【0134】
局所熱源はまた、図1に示されるものとは異なる搬送部、例えば図3に示されるタイプの搬送部、又は図1に示されるものとは異なる雌型部分及び雄型の相互配置、例えば雄型部分が雌型部分の下に配置される搬送部と組み合わせて使用されてもよい。
【0135】
また、局所熱源を、単位分量の経路の異なる地点-例えば単位分量が金型の受け部上に放出される領域に配置することも可能である。例えば、局所熱源は、熱エネルギーを単位分量に向けるように構成され得、一方、単位分量は、金型の受容部分に向かって下降する。
【0136】
より一般的には、熱調節装置は、したがって、単位分量が連続押出物から切断された瞬間から開始して、単位分量が挿入された金型が閉位置に達する瞬間まで、単位分量がたどる経路の任意の点に配置され得る。
【0137】
要約すると、物体を形成するための方法は:
ポリマー材料の連続押出物を供給し、
連続押出物を切断し、そこからポリマー材料の単位分量(6; 106)を分離し、
第1金型部品(9; 109; 209; 309)及び第2金型部品(8; 108、508)を含む少なくとも1つの金型(5; 105; 205; 305; 405)を提供すること;
第1金型部分(9; 109; 209; 309)及び第2金型部分(8; 108; 508)から選択される受け部分上に単位分量(6; 106)を配置し、一方、第1の金型部分(9; 109; 209; 309)及び第2の金型部分(8; 108; 508)は互いに距離を置く;
第1金型部品(9; 109; 209; 309)及び第2金型部品(8; 108; 508)を、第1金型部品(9; 109; 209; 309)と第2金型部品(8; 108; 508)との間に形成室が画定される閉位置に達するまで互いに対して移動させ、形成室が、前記物体に対応する形状を有する。
ここで、閉位置に達する前に、局所熱源(511)によって放出された熱エネルギーを単位分量(6; 106)の表面部分に向けることが提供される。
【0138】
一実施形態では、単位分量(6; 106)の表面部分(20; 120)は、単位分量(6; 106)をそこから分離するために連続押出物を切断する工程中に分離部と熱的に調整される。
【0139】
物体を形成するための装置は、ポリマー材料の連続押出物を供給するための押出装置(2)と、連続押出物をそこから分離するための少なくとも1つの分離部と、少なくとも1つの金型(5; 105; 205; 305; 405)とを備える。この金型は、第1金型部分(9; 109; 209; 309)と、第2金型部分(8; 108; 508)とを備える。これらの金型部分は、単位分量(6; 106)が第1金型部品(9; 109; 209; 309)及び第2金型部品(8; 108; 508)から選択される受け部品上に載置される開位置と、第1金型部品(9; 109; 209; 309)と第2金型部品(8; 108; 508)との間に形成チャンバが画定される閉位置との間で互いに対して移動可能である。この形成チャンバは、前記対象物に対応する形状を有する。装置は、単位分量が第1金型部分(9; 109; 209; 309)と第2金型部分(8; 108; 508)との間で変形される前に熱エネルギーを前記単位分量の選択された部分(6: 106)に向けるための局所熱源(511)をさらに備える。
【0140】
一の実施形態では、装置は、単位分量(6; 106)を前記少なくとも1つの金型(5; 105; 205; 305; 405)に向かって運ぶための軌道(T)に沿って移動可能な少なくとも1つの搬送部(4; 104)をさらに備える。局所熱源(511)は、単位分量(6; 106)が搬送部(4; 104)に支持されている間に搬送部(4; 104)と接触していない単位分量(6; 106)の一部分に熱を向けるように軌道(T)の地点に設けられる。
【0141】
一の実施形態では、局所熱源(511)は、単位分量(6; 106)が受け部上に下降している間に、熱を単位分量(6; 106)に伝達するように配置される。
【0142】
一の実施形態では、局所熱源(511)は、レーザ源、火炎処理ユニット、赤外線ランプ、プラズマ装置を含む群から選択される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7