(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】転写ピンおよび転写装置
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20240731BHJP
B05C 1/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
H05K3/34 505F
B05C1/02 101
(21)【出願番号】P 2022569422
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 JP2020047142
(87)【国際公開番号】W WO2022130564
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井村 仁哉
(72)【発明者】
【氏名】宮島 崇
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-066911(JP,A)
【文献】特開平04-338257(JP,A)
【文献】特開2002-028568(JP,A)
【文献】特開2003-301840(JP,A)
【文献】特開2011-210953(JP,A)
【文献】特開2006-088042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
B05C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部の先端側に形成され、はんだボールを含むはんだペーストをディップおよび基板の部品の装着部位に転写するときに前記はんだペーストを前記本体部の先端部から逃す逃し部と、
を備え、
前記本体部が基端部から前記先端部に向かって先細りに前記先端部と一体に形成されてい
る転写ピン
。
【請求項2】
本体部と、
前記本体部の先端側に形成され、はんだボールを含むはんだペーストをディップおよび基板の部品の装着部位に転写するときに前記はんだペーストを前記本体部の先端部から逃す逃し部と、
を備え、
前記先端部には、ダイヤモンド・ライク・カーボンの被膜が形成されてい
る転写ピン。
【請求項3】
前記逃し部は、半球形状に形成されている前記先端部である請求項1
または請求項2に記載の転写ピン。
【請求項4】
前記先端部は、突起状の山部と、前記逃し部である谷部とが一定のピッチでコブ状に形成されている請求項1
または請求項2に記載の転写ピン。
【請求項5】
前記本体部が基端部から前記先端部に向かって先細りに前記先端部と一体に形成されている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の転写ピンと、
収容器に収容されている前記はんだペーストの膜厚が一定の場合に、転写する前記はんだペーストの転写径が大きくなるほど、前記本体部のテーパー角度が大きい前記転写ピンを選択する選択部と、
を備える転写装置。
【請求項6】
前記選択部は、一の前記転写ピンにおいてディップおよび転写が複数回、繰り返される場合に、転写する前記はんだペーストの転写径が初回から一定になるように前記本体部の前記テーパー角度が設定されている前記転写ピンを選択する請求項5に記載の転写装置。
【請求項7】
台座部に設けられている少なくとも一つの前記転写ピンを用いて、複数の前記装着部位に同時に前記はんだペーストを転写する制御部を備える請求項5
または請求項
6に記載の転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、転写ピンおよび転写装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の転写ピンの先端部分には、山型の突起が複数設けられている。また、特許文献1には、転写ピンの先端部分に設けられる突起の形状は、山型に限らず、半球型、平面型、台形型、凹部型などの種々の形状が採用可能であることが記載されている。特許文献1に記載の発明は、転写ピンの形状および大きさを変えることにより、液体の付着量およびワークへの塗布量を調整しようとしている。
【0003】
特許文献2には、転写ピンの先端角度を30°~180°に変化させた場合の高粘性材料の塗布状態の比較結果が記載されている。また、特許文献2には、先端部を角錐状または円錐状に尖らせた転写ピンが記載されている。特許文献3には、先端側を小径にした転写ピン、先端部の曲率を変化させた転写ピン、先端部を平面状にした転写ピン、先端部を球面の一部とした転写ピンなどが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-066911号公報
【文献】特開2005-000776号公報
【文献】特開2002-134896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
はんだペーストに含まれるはんだボールは、非常に柔らかく、はんだペーストのディップ時および転写時に潰れて、はんだペーストが転写ピンに堆積する可能性がある。転写ピンにはんだペーストが堆積すると、基板の部品の装着部位にはんだペーストが転写されたときに、はんだペーストの転写形状がばらつく可能性がある。この場合、転写ピンを頻繁に清掃する必要があり、長時間の連続転写が困難になる可能性がある。
【0006】
また、はんだボールの潰れを抑制するために、はんだペーストのディップ時および転写時に、転写ピンの位置制御(高さ制御)の精度を向上させることも考えられる。しかしながら、はんだボールの潰れを抑制するためには、はんだペーストのディップ時および転写時に、10μmレベルの位置制御(高さ制御)が必要であり、転写ピンの位置制御(高さ制御)が高度化、複雑化する可能性がある。
【0007】
このような事情に鑑みて、本明細書は、はんだペーストのディップ時および転写時におけるはんだボールの潰れを抑制可能な転写ピンおよび転写装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、本体部と、前記本体部の先端側に形成され、はんだボールを含むはんだペーストをディップおよび基板の部品の装着部位に転写するときに前記はんだペーストを前記本体部の先端部から逃す逃し部と、を備える転写ピンを開示する。
【0009】
また、本明細書は、前記本体部が基端部から前記先端部に向かって先細りに前記先端部と一体に形成されている前記転写ピンと、収容器に収容されている前記はんだペーストの膜厚が一定の場合に、転写する前記はんだペーストの転写径が大きくなるほど、前記本体部のテーパー角度が大きい前記転写ピンを選択する選択部と、を備える転写装置を開示する。
【0010】
さらに、本明細書は、前記本体部が基端部から前記先端部に向かって先細りに前記先端部と一体に形成されている前記転写ピンと、前記本体部のテーパー角度が一定の場合に、転写する前記はんだペーストの転写径が大きくなるほど、収容器に収容されている前記はんだペーストの膜厚を厚く設定する設定部と、を備える転写装置を開示する。
【発明の効果】
【0011】
上記の転写ピンによれば、逃し部を備えるので、はんだペーストのディップ時および転写時に、はんだペーストを本体部の先端部から逃すことができ、はんだペーストのディップ時および転写時におけるはんだボールの潰れを抑制することができる。転写ピンについて上述されていることは、転写ピンを備える転写装置についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】収容器、装着ヘッドおよび転写ピンの位置関係の一例を示す側面図である。
【
図3】参考形態の転写ピンの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図3の転写ピンに堆積したはんだペーストの一例を示す模式図である。
【
図7】
図6の矢印VII方向視の転写ピンを示す側面図である。
【
図8】
図6の矢印VIII方向視の転写ピンを示す平面図である。
【
図9】転写ピンの先端部の形状と装着部位の形状との関係の一例を示す模式図である。
【
図10】転写ピンの先端部の形状と装着部位の形状との関係の他の一例を示す模式図である。
【
図11】転写装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図12A】転写ピンの本体部のテーパー角度が20°のときの先端部に保持されるはんだペーストの形状の一例を示す模式図である。
【
図12B】転写ピンの本体部のテーパー角度が100°のときの先端部に保持されるはんだペーストの形状の一例を示す模式図である。
【
図13】転写ピンの本体部のテーパー角度と、先端部にディップされるはんだペーストの直径との関係の一例を示す模式図である。
【
図14A】本体部のテーパー角度が15°の転写ピンの一例を示す斜視図である。
【
図14B】本体部のテーパー角度が60°の転写ピンの一例を示す斜視図である。
【
図14C】本体部のテーパー角度が100°の転写ピンの一例を示す斜視図である。
【
図15A】ディップおよび転写の回数と、はんだペーストの転写径との関係の一例を示す分布図である。
【
図15B】ディップおよび転写の回数と、はんだペーストの転写径との関係の他の一例を示す分布図である。
【
図16A】はんだペーストの膜厚が60μmのときに、先端部に保持されるはんだペーストの形状の一例を示す模式図である。
【
図16B】はんだペーストの膜厚が200μmのときに、先端部に保持されるはんだペーストの形状の一例を示す模式図である。
【
図17A】はんだペーストの膜厚と、先端部にディップされるはんだペーストの直径との関係の一例を示す模式図である。
【
図17B】はんだペーストの膜厚と、先端部にディップされるはんだペーストの直径との関係の他の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態
1-1.部品装着機10の構成例
部品装着機10は、基板90に複数の部品80を装着する。
図1に示すように、本実施形態の部品装着機10は、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15、側方カメラ16および制御装置17を備えている。
【0014】
基板搬送装置11は、例えば、ベルトコンベアなどによって構成され、基板90を搬送方向(X軸方向)に搬送する。基板90は、回路基板であり、電子回路、電気回路、磁気回路などの種々の回路が形成される。基板搬送装置11は、部品装着機10の機内に基板90を搬入して、機内の所定位置に基板90を位置決めしクランプする。基板搬送装置11は、部品装着機10による複数の部品80の装着処理が終了した後に、基板90をアンクランプし、基板90を部品装着機10の機外に搬出する。
【0015】
部品供給装置12は、基板90に装着される複数の部品80を供給する。部品供給装置12は、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる複数のフィーダ12aを備えている。複数のフィーダ12aの各々は、複数の部品80が収納されているキャリアテープをピッチ送りさせて、フィーダ12aの先端側に位置する供給位置において部品80を採取可能に供給する。また、部品供給装置12は、チップ部品などと比べて比較的大型の電子部品(例えば、リード部品など)を、トレイ上に配置した状態で供給することもできる。複数のフィーダ12aおよびトレイは、パレット部材DP0において着脱可能(交換可能)に設けられる。
【0016】
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置13aおよび移動台13bを備えている。ヘッド駆動装置13aは、直動機構によって移動台13bを、X軸方向およびY軸方向(水平面においてX軸方向と直交する方向)に移動可能に構成されている。移動台13bには、クランプ部材によって装着ヘッド20が着脱可能(交換可能)に設けられている。装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材30を用いて、部品供給装置12によって供給される部品80を採取し保持して、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90に部品80を装着する。保持部材30は、例えば、吸着ノズル、チャックなどを用いることができる。
【0017】
部品カメラ14、基板カメラ15および側方カメラ16は、公知の撮像装置を用いることができる。部品カメラ14は、光軸が鉛直方向(X軸方向およびY軸方向と直交するZ軸方向)の上向きになるように、部品装着機10の基台に固定されている。部品カメラ14は、保持部材30に保持されている部品80を下方から撮像することができる。基板カメラ15は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の下向きになるように、部品移載装置13の移動台13bに設けられている。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像することができる。
【0018】
側方カメラ16は、光軸が水平方向になるように、装着ヘッド20に設けられている。側方カメラ16は、保持部材30に保持されている部品80などを側方(水平方向)から撮像することができる。部品カメラ14、基板カメラ15および側方カメラ16は、制御装置17から送出される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14、基板カメラ15および側方カメラ16によって撮像された画像の画像データは、制御装置17に送信される。
【0019】
制御装置17は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置17には、部品装着機10に設けられる各種センサから出力される情報、画像データなどが入力される。制御装置17は、制御プログラムおよび予め設定されている所定の装着条件などに基づいて、各装置に対して制御信号を送出する。
【0020】
例えば、制御装置17は、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90を基板カメラ15に撮像させる。制御装置17は、基板カメラ15によって撮像された画像を画像処理して、基板90の位置決め状態を認識する。また、制御装置17は、部品供給装置12によって供給された部品80を保持部材30に採取させ保持させて、保持部材30に保持されている部品80を部品カメラ14および側方カメラ16に撮像させる。制御装置17は、部品カメラ14および側方カメラ16によって撮像された画像を画像処理して、部品80の保持姿勢を認識する。
【0021】
制御装置17は、制御プログラムなどによって予め設定される装着予定位置の上方に向かって、保持部材30を移動させる。また、制御装置17は、基板90の位置決め状態、部品80の保持姿勢などに基づいて、装着予定位置を補正して、実際に部品80を装着する装着位置を設定する。装着予定位置および装着位置は、位置(X軸座標およびY軸座標)の他に回転角度を含む。
【0022】
制御装置17は、装着位置に合わせて、保持部材30の目標位置(X軸座標およびY軸座標)および回転角度を補正する。制御装置17は、補正された目標位置において補正された回転角度で保持部材30を下降させて、基板90に部品80を装着する。制御装置17は、上記のピックアンドプレースサイクルを繰り返すことによって、基板90に複数の部品80を装着する装着処理を実行する。
【0023】
1-2.はんだペースト40pのディップおよび転写
印刷機は、基板90の部品80の装着部位91に、はんだペースト40pを塗布する。装着部位91は、部品80の電極と電気的に接続される部位をいい、パッドともいう。しかしながら、印刷機では、例えば、部品80が既に装着されている領域に、はんだペースト40pを塗布することが困難な場合がある。また、印刷機では、基板90の凹凸が大きくなるほど、基板90にはんだペースト40pを塗布することが困難になる。
【0024】
さらに、印刷機では、一の基板90に複数種類のはんだペースト40pを塗布することが困難な場合がある。なお、はんだペースト40pは、ディスペンサによって、塗布することもできる。しかしながら、ディスペンサの最小塗布量を下回る微少量のはんだペースト40pを塗布することは困難である。そこで、本実施形態の部品装着機10には、ディップユニット40および転写ピン50が設けられている。
【0025】
図1および
図2に示すように、ディップユニット40は、収容器41と、貯留槽42とを備えている。収容器41は、はんだペースト40pを収容する。本実施形態の収容器41は、有底円筒状に形成されている。ディップユニット40は、収容器41においてはんだペースト40pが局所的に減少しないように、収容器41を定期的に回転させる。また、ディップユニット40は、収容器41が回転しているときに、はんだペースト40pの残量を検出する。ディップユニット40は、はんだペースト40pの残量が所定量以下になると、はんだペースト40pが貯留されている貯留槽42から収容器41にはんだペースト40pを補給する。また、ディップユニット40は、はんだペースト40pの膜厚40hを調整することもできる。
【0026】
ディップユニット40は、パレット部材DP0において着脱可能(交換可能)に設けられている。
図1に示すように、パレット部材DP0は、複数のフィーダ12aと、ディップユニット40とを同時に装備することもできる。パレット部材DP0は、トレイと、ディップユニット40とを同時に装備することもできる。このように、本実施形態では、収容器41を備えるディップユニット40は、部品80を供給する部品供給装置12と交換可能に設けられる。そのため、収容器41の設置スペースを別途設ける場合と比べて、部品装着機10を小型化し易い。また、収容器41のメンテナンスが容易である。
【0027】
図2に示すように、装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材30が転写ピン50と交換されている。装着ヘッド20に設けられる転写ピン50は、保持部材30と同様にして、装着ヘッド20によって水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動され、鉛直方向(Z軸方向)に昇降される。なお、既述したように、基板90は、基板搬送装置11によって位置決めされる。装着ヘッド20に設けられる転写ピン50は、収容器41と、位置決めされた基板90との間で、水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動され、鉛直方向(Z軸方向)に昇降される。
【0028】
制御装置17は、装着ヘッド20を駆動制御して、装着ヘッド20に設けられる転写ピン50を、収容器41に収容されているはんだペースト40pにディップする。次に、制御装置17は、装着ヘッド20を駆動制御して、基板90の部品80の装着部位91に転写ピン50を移動させる。そして、制御装置17は、装着ヘッド20を駆動制御して、転写ピン50に保持されているはんだペースト40pを、装着部位91に転写する。制御装置17は、上記の装着ヘッド20の駆動制御を繰り返すことによって、複数の装着部位91にはんだペースト40pを塗布することができる。
【0029】
例えば、
図3に示すように、先端部52が平面状(同図では、一辺が50μmの正方形)の転写ピン50sを想定する。平面状の先端部52は、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、はんだペースト40pに含まれるはんだボールと面接触する。はんだボールは、非常に柔らかいので、
図3に示す転写ピン50sでは、はんだペースト40pのディップ時および転写時にはんだボールが潰れて、
図4に示すように、はんだペースト40pが転写ピン50sに堆積する可能性がある。
【0030】
図4は、3000回の転写後の転写ピン50sの状態の一例を示している。このように、はんだペースト40pの転写が繰り返されて、転写ピン50sにはんだペースト40pが堆積すると、基板90の部品80の装着部位91にはんだペースト40pが転写されたときに、はんだペースト40pの転写形状がばらつく可能性がある。この場合、転写ピン50sを頻繁に清掃する必要があり、長時間の連続転写が困難になる可能性がある。
【0031】
また、はんだボールの潰れを抑制するために、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、転写ピン50sの位置制御(高さ制御)の精度を向上させることも考えられる。しかしながら、はんだボールの潰れを抑制するためには、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、10μmレベルの位置制御(高さ制御)が必要であり、転写ピン50sの位置制御(高さ制御)が高度化、複雑化する可能性がある。そこで、本実施形態では、転写ピン50が用いられる。
【0032】
1-3.転写ピン50の構成例
本実施形態の転写ピン50は、本体部51と、逃し部53とを備える。逃し部53は、本体部51の先端側に形成され、はんだボールを含むはんだペースト40pをディップおよび基板90の部品80の装着部位91に転写するときに、はんだペースト40pを本体部51の先端部52から逃す。
【0033】
逃し部53は、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、はんだペースト40pを本体部51の先端部52から逃すことができれば良く、種々の形態をとり得る。
図5に示す逃し部53は、半球52a形状に形成されている先端部52である。半球52a形状の先端部52は、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、はんだペースト40pに含まれるはんだボールと点接触する。
【0034】
そのため、半球52a形状の先端部52は、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、平面状の先端部52と比べて、はんだペースト40pを本体部51の先端部52から容易に逃すことができ、はんだボールの潰れを抑制することができる。なお、ピン転写での使用に適したはんだペースト40pの粒径は、概ね1μm~25μmが一般的である。そのため、半球52aの半径は、50μm以下に設定すると良い。
【0035】
図5に示す先端部52は、半球52a形状であるので、はんだペースト40pの転写形状は、円形になる。そのため、
図5に示す転写ピン50は、装着部位91の形状が円形または正方形の場合に適する。しかしながら、装着部位91の形状は、円形または正方形に限定されない。
【0036】
図6に示す先端部52は、突起状の山部52b1と、逃し部53である谷部52b2とが一定のピッチでコブ52b状に形成されている。コブ52b状の先端部52は、突起状の山部52b1が、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、はんだペースト40pに含まれるはんだボールと点接触する。また、コブ52b状の先端部52は、逃し部53である谷部52b2を備えている。そのため、コブ52b状の先端部52は、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、平面状の先端部52と比べて、はんだペースト40pを本体部51の先端部52から容易に逃すことができ、はんだボールの潰れを抑制することができる。
【0037】
コブ52b状の先端部52は、公知の方法で形成することができる。例えば、コブ52b状の先端部52は、ワイヤー放電加工、レーザー加工、研削加工などによって形成することができる。
図7に示すように、ワイヤー放電加工では、加工材料が加工液(純水)中に浸漬された状態で、電極であるワイヤーが曲線L1に沿って移動する。このとき、非接触の加工材料とワイヤーとの間に放電が生じ、加工材料は、溶融されて、曲線L1に沿って切断される。
【0038】
次に、
図8に示すように、加工材料が加工液(純水)中に浸漬された状態で、電極であるワイヤーが曲線L2に沿って移動する。このとき、非接触の加工材料とワイヤーとの間に放電が生じ、加工材料は、溶融されて、曲線L2に沿って切断される。これらにより、
図6に示すコブ52b状の先端部52が形成される。
図6に示す転写ピン50は、山部52b1および谷部52b2の数および配置を、装着部位91の形状に合わせて設定することにより、装着部位91の種々の形状に対応することができる。
【0039】
図9は、転写ピン50の先端部52の形状と装着部位91の形状との関係の一例を示している。同図に示す転写ピン50の先端部52は、コブ52b状の領域が長方形状である。具体的には、3つの山部52b1と、2つの谷部52b2が直線状に形成されている。そのため、同図に示す転写ピン50は、装着部位91の形状が長方形の場合に適する。なお、
図9では、一の台座部50aに複数(同図では、2つ)の転写ピン50が設けられている。複数(2つ)の転写ピン50の間隔は、複数(2つ)の装着部位91の間隔に合わせて設定されている。そのため、破線の矢印で示すように、同図に示す転写ピン50は、複数(2つ)の装着部位91に同時にはんだペースト40pを転写することができる。
【0040】
図10は、転写ピン50の先端部52の形状と装着部位91の形状との関係の他の一例を示している。同図に示す転写ピン50の先端部52は、隣接する複数(2つ)の装着部位91に合わせて、コブ52b状の領域が形成されている。具体的には、複数(2つ)の装着部位91の各々は、円形である。また、同図に示す転写ピン50の先端部52は、2つの山部52b1と、一つの谷部52b2が直線状に形成されている。2つの山部52b1の間隔は、複数(2つ)の装着部位91の間隔に合わせて設定されている。そのため、破線の矢印で示すように、同図に示す転写ピン50は、複数(2つ)の装着部位91に同時にはんだペースト40pを転写することができる。
【0041】
なお、
図10に示す谷部52b2から山部52b1までの高さ(コブ52b状の先端部52の深さ)は、
図9に示す複数(2つ)の転写ピン50の各々の谷部52b2から山部52b1までの高さ(コブ52b状の先端部52の深さ)と比べて、高く設定されている。これにより、
図10に示す転写ピン50では、隣接する複数(2つ)の装着部位91の間の短絡が抑制されている。
【0042】
転写ピン50の先端部52は、はんだペースト40pのディップ時に、収容器41の底部に当接し、はんだペースト40pの転写時に、基板90の部品80の装着部位91に当接する。そのため、転写ピン50の先端部52は、摩耗し易い。転写ピン50の先端部52が摩耗すると、はんだペースト40pの転写形状がばらつく可能性がある。この場合、転写ピン50をメンテナンスする必要があり、長時間の連続転写が困難になる可能性がある。
【0043】
そこで、既述されているいずれの転写ピン50においても、先端部52には、ダイヤモンド・ライク・カーボンの被膜52cが形成されていると良い。先端部52にダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC:Diamond Like Carbon)の被膜52cが形成されていることにより、先端部52の硬度が向上し、転写ピン50の先端部52の摩耗が軽減される。なお、被膜52cの厚みは、概ね1μmに設定することができる。
【0044】
1-4.転写装置60の構成例
転写装置60は、転写ピン50と、選択部61とを備える。また、転写装置60は、転写ピン50と、設定部62とを備えることもできる。さらに、転写装置60は、制御部63を備えることもできる。選択部61、設定部62および制御部63は、種々の制御装置、管理装置に設けることができる。選択部61、設定部62および制御部63は、クラウド上に形成することもできる。
図11に示すように、本実施形態では、選択部61、設定部62および制御部63は、部品装着機10の制御装置17に設けられている。
【0045】
転写ピン50は、既述されているいずれの形態であっても良い。既述されている転写ピン50は、本体部51が基端部51aから先端部52に向かって先細りに先端部52と一体に形成されている。具体的には、
図5に示す転写ピン50の本体部51は、円錐台状に形成されている。
図6、
図9および
図10に示す転写ピン50の本体部51は、四角錐台状に形成されている。上記の本体部51を備える転写ピン50にはんだペースト40pがディップされる場合、本体部51のテーパー角度51tによって、先端部52に保持されるはんだペースト40pの形状が異なる。
【0046】
図12Aおよび
図12Bに示すように、先端部52のはんだペースト40pは、表面張力によって雫状に保持される。例えば、
図12Aに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが20°に設定されている。
図12Bに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが100°に設定されている。
図12Bに示す転写ピン50は、
図12Aに示す転写ピン50と比べて、雫の径が大きく、転写するはんだペースト40pの転写径が大きくなる。
【0047】
図13は、転写ピン50の本体部51のテーパー角度51tと、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0との関係の一例を示している。なお、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hは、125μmで一定である。また、転写ピン50の先端部52は、半球52a形状に形成されており、半球52aの半径は、50μmである。
【0048】
同図の左側の転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが15°に設定されている。上記の転写ピン50の先端部52が収容器41の底面に当接して、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0は、121μmであった。上記はんだペースト40pが装着部位91に転写されると、はんだペースト40pの転写径(直径)は、概ね目標の180μmであった。
【0049】
同図の中央の転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが60°に設定されている。上記の転写ピン50の先端部52が収容器41の底面に当接して、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0は、202μmであった。上記はんだペースト40pが装着部位91に転写されると、はんだペースト40pの転写径(直径)は、概ね目標の220μmであった。
【0050】
同図の右側の転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが100°に設定されている。上記の転写ピン50の先端部52が収容器41の底面に当接して、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0は、334μmであった。上記はんだペースト40pが装着部位91に転写されると、はんだペースト40pの転写径(直径)は、概ね目標の350μmであった。
【0051】
このように、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hが一定の場合に、本体部51のテーパー角度51tが大きくなるほど、先端部52に保持されるはんだペースト40pは、雫の径が大きくなる。その結果、転写するはんだペースト40pの転写径が大きくなる。そこで、選択部61は、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hが一定の場合に、転写するはんだペースト40pの転写径が大きくなるほど、本体部51のテーパー角度51tが大きい転写ピン50を選択する。
【0052】
図14Aに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが15°に設定されている。
図14Bに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが60°に設定されている。
図14Cに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが100°に設定されている。例えば、はんだペースト40pの転写径(直径)の目標が180μmの場合、選択部61は、本体部51のテーパー角度51tが15°に設定されている
図14Aに示す転写ピン50を選択する。
【0053】
はんだペースト40pの転写径(直径)の目標が220μmの場合、選択部61は、本体部51のテーパー角度51tが60°に設定されている
図14Bに示す転写ピン50を選択する。はんだペースト40pの転写径(直径)の目標が350μmの場合、選択部61は、本体部51のテーパー角度51tが100°に設定されている
図14Cに示す転写ピン50を選択する。
【0054】
これらにより、選択部61は、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hが一定の場合に、転写するはんだペースト40pの転写径に応じて、適切な転写ピン50を選択することができる。なお、本体部51のテーパー角度51tと、はんだペースト40pの転写径(直径)との関係は、予めシミュレーション、実機による検証などによって導出しておくと良い。
【0055】
図15Aに示すように、一の転写ピン50においてディップおよび転写が複数回、繰り返される場合に、転写するはんだペースト40pの転写径が初回から一定にならない場合がある。
図15Aは、ディップおよび転写の回数と、はんだペースト40pの転写径との関係の一例を示している。同図の横軸は、ディップおよび転写の回数を示し、縦軸は、はんだペースト40pの転写径(直径)を示している。丸印は、測定結果を示している。
【0056】
同図に示すように、ディップおよび転写の回数が少ないときに、はんだペースト40pの転写径(直径)は、目標値G0より小さくなっている。ディップおよび転写の回数が増加するにつれて、はんだペースト40pの転写径(直径)は増加し、目標値G0に到達して目標値G0で一定になる。この現象は、
図12Aに示す転写ピン50のように、本体部51のテーパー角度51tが小さくなるほど生じ易い。本体部51のテーパー角度51tが比較的小さい転写ピン50は、ディップおよび転写の回数が少ないときには、転写ピン50の先端部52に、はんだペースト40pが残存し易く、転写すべき、はんだペースト40pがすべて転写されない場合がある。
【0057】
これに対して、
図15Bに示すように、一の転写ピン50においてディップおよび転写が複数回、繰り返される場合に、転写するはんだペースト40pの転写径が初回から一定になる場合がある。
図15Bは、ディップおよび転写の回数と、はんだペースト40pの転写径との関係の他の一例を示している。同図の横軸は、ディップおよび転写の回数を示し、縦軸は、はんだペースト40pの転写径(直径)を示している。丸印は、測定結果を示している。
【0058】
同図に示すように、はんだペースト40pの転写径(直径)は、初回から目標値G0で一定になっている。この現象は、
図12Bに示す転写ピン50のように、本体部51のテーパー角度51tが大きくなるほど生じ易い。本体部51のテーパー角度51tが比較的大きい転写ピン50は、ディップおよび転写の回数が少ないときに、転写ピン50の先端部52に、はんだペースト40pが残存し難く、転写すべき、はんだペースト40pがすべて転写され易い。
【0059】
そこで、選択部61は、一の転写ピン50においてディップおよび転写が複数回、繰り返される場合に、転写するはんだペースト40pの転写径が初回から一定になるように本体部51のテーパー角度51tが設定されている転写ピン50を選択すると良い。例えば、本体部51のテーパー角度51tが15°~20°のときに、はんだペースト40pの転写径(直径)が、概ね目標の180μmになる場合を想定する。また、本体部51のテーパー角度51tが15°のときに、はんだペースト40pの転写径が初回から一定にならず、本体部51のテーパー角度51tが20°のときに、はんだペースト40pの転写径が初回から一定になると仮定する。
【0060】
この場合、選択部61は、本体部51のテーパー角度51tが20°に設定されている転写ピン50を選択する。これにより、選択部61は、はんだペースト40pの転写径(直径)が初回から一定になる適切な転写ピン50を選択することができ、転写ピン50は、初回から目標の転写径で、はんだペースト40pを転写することができる。なお、上述されていることは、他のテーパー角度51tについても、同様に言える。また、ディップおよび転写の回数と、はんだペースト40pの転写径(直径)と、本体部51のテーパー角度51tとの関係は、予めシミュレーション、実機による検証などによって導出しておくと良い。
【0061】
また、基端部51aから先端部52に向かって先細りに先端部52と一体に形成されている本体部51を備える転写ピン50にはんだペースト40pがディップされる場合、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hによって、先端部52に保持されるはんだペースト40pの形状が異なる。但し、本体部51のテーパー角度51tは、一定とする。
【0062】
例えば、
図16Aおよび
図16Bに示す転写ピン50は、本体部51のテーパー角度51tが100°に設定されている。
図16Aおよび
図16Bに示す転写ピン50の先端部52は、半球52a形状に形成されており、半球52aの半径は、50μmである。
図16Aに示す転写ピン50は、膜厚40hが60μmのはんだペースト40pにディップされた状態を示している。
図16Bに示す転写ピン50は、膜厚40hが150μmのはんだペースト40pにディップされた状態を示している。
【0063】
図17Aは、はんだペースト40pの膜厚40hと、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径との関係の一例を示している。
図16Aおよび
図17Aに示す転写ピン50では、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0は、179μmであった。上記はんだペースト40pが装着部位91に転写されると、はんだペースト40pの転写径(直径)は、概ね目標の200μmであった。
【0064】
図17Bは、はんだペースト40pの膜厚40hと、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径との関係の他の一例を示している。
図16Bおよび
図17Bに示す転写ピン50では、先端部52にディップされるはんだペースト40pの直径D0は、394μmであった。上記はんだペースト40pが装着部位91に転写されると、はんだペースト40pの転写径(直径)は、概ね目標の400μmであった。
【0065】
このように、本体部51のテーパー角度51tが一定の場合に、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hが厚くなるほど、先端部52に保持されるはんだペースト40pは、雫の径が大きくなる。その結果、転写するはんだペースト40pの転写径が大きくなる。そこで、設定部62は、本体部51のテーパー角度51tが一定の場合に、転写するはんだペースト40pの転写径が大きくなるほど、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hを厚く設定する。
【0066】
例えば、はんだペースト40pの転写径(直径)の目標が200μmの場合、設定部62は、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hを60μmに設定する。また、はんだペースト40pの転写径(直径)の目標が400μmの場合、設定部62は、収容器41に収容されているはんだペースト40pの膜厚40hを150μmに設定する。
【0067】
これらにより、設定部62は、本体部51のテーパー角度51tが一定の場合に、転写するはんだペースト40pの転写径に応じて、適切なはんだペースト40pの膜厚40hを設定することができる。なお、はんだペースト40pの膜厚40hと、はんだペースト40pの転写径(直径)との関係は、予めシミュレーション、実機による検証などによって導出しておくと良い。
【0068】
制御部63は、台座部50aに設けられている少なくとも一つの転写ピン50を用いて、複数の装着部位91に同時にはんだペースト40pを転写する。これにより、部品装着機10は、複数の装着部位91の各々に順にはんだペースト40pを転写する場合と比べて、基板製品の生産時間を短縮することができる。例えば、
図9では、一の台座部50aに複数(同図では、2つ)の転写ピン50が設けられている。複数(2つ)の転写ピン50の間隔は、複数(2つ)の装着部位91の間隔に合わせて設定されている。この場合、制御部63は、複数(2つ)の転写ピン50を用いて、複数(2つ)の装着部位91に同時にはんだペースト40pを転写することができる。
【0069】
また、
図10に示す転写ピン50の先端部52は、隣接する複数(2つ)の装着部位91に合わせて、コブ52b状の領域が形成されている。具体的には、複数(2つ)の装着部位91の各々は、円形である。また、同図に示す転写ピン50の先端部52は、2つの山部52b1と、一つの谷部52b2が直線状に形成されている。2つの山部52b1の間隔は、複数(2つ)の装着部位91の間隔に合わせて設定されている。この場合、制御部63は、一つの転写ピン50を用いて、複数(2つ)の装着部位91に同時にはんだペースト40pを転写することができる。
【0070】
いずれの場合も、制御部63は、装着ヘッド20を駆動制御して、装着ヘッド20に設けられる転写ピン50を、収容器41に収容されているはんだペースト40pにディップする。次に、制御部63は、装着ヘッド20を駆動制御して、複数(2つ)の装着部位91に転写ピン50を移動させる。そして、制御部63は、装着ヘッド20を駆動制御して、転写ピン50に保持されているはんだペースト40pを、複数(2つ)の装着部位91に転写する。
【0071】
2.実施形態の効果の一例
転写ピン50によれば、逃し部53を備えるので、はんだペースト40pのディップ時および転写時に、はんだペースト40pを本体部51の先端部52から逃すことができ、はんだペースト40pのディップ時および転写時におけるはんだボールの潰れを抑制することができる。転写ピン50について上述されていることは、転写ピン50を備える転写装置60についても同様に言える。
【符号の説明】
【0072】
40p:はんだペースト、40h:膜厚、41:収容器、
50:転写ピン、50a:台座部、51:本体部、51a:基端部、
51t:テーパー角度、52:先端部、52a:半球、52b:コブ、
52b1:山部、52b2:谷部、52c:被膜、53:逃し部、
60:転写装置、61:選択部、62:設定部、63:制御部、
80:部品、90:基板、91:装着部位。