(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20240731BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20240731BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
E04H9/02
E04B1/26 E
E04G23/02 C
(21)【出願番号】P 2022573694
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2022072057
(87)【国際公開番号】W WO2022135611
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】202110197224.6
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120389042.4
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】高 潮
(72)【発明者】
【氏名】王 志偉
(72)【発明者】
【氏名】于 潔
(72)【発明者】
【氏名】董 彦同
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209538748(CN,U)
【文献】特開平10-018598(JP,A)
【文献】特開昭64-017944(JP,A)
【文献】特開平04-106224(JP,A)
【文献】特開2007-063844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/02
E04B 1/26
E04G 23/02
E02D 27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基部(1)とモニタリングシステム(2)と復位機構(3)とを備え、前記モニタリングシステム(2)は、前記支持基部(1)の取付板(12)
と底板(13)との間の下部空間内に位置し、前記復位機構(3)は、前記取付板(12)
と支持板(14)との間の上部空間内に位置し、前記モニタリングシステム(2)の組合モニタリング部材は、前
記底板(13)と固定接続し、前記組合モニタリング部材は、
前記底板(13)の上部に位置する前記取付板(12)及び
前記取付板(12)の上部に位置する前記支持板(14)の中央に位置するモニタリング孔を貫通し、前記復位機構(3)の複数の駆動輪(32)は、前記支持板(14)上の複数の輪孔(15)と協動して、前記駆動輪(32)が回転している際に前記輪孔(15)の外側に突き出たり前記輪孔(15)の内側に落ち込んだり
し、
前記支持基部(1)は、台座(11)の内側に位置する前記取付板(12)と、前記台座(11)の下端に接続されて前記取付板(12)の下側に位置する底板(13)と、前記台座(11)の上端に接続されて前記取付板(12)の上側に位置する支持板(14)と、を備える、
ことを特徴とする偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項2】
円筒構造の前記台座(11)を
径方向に貫通する排水孔及び受け口が前
記下部空間に設けられ、貫通する配線孔が前記底板(13)に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項3】
前記取付板(12)のモニタリング孔の
径方向外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機取付孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項4】
前記支持板(14)のモニタリング孔の
径方向外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の
矩形状の輪孔(15)が設けられ、前記輪孔(15)の
前記駆動輪(32)の軸線は、前記モニタリング孔の
中心から各前記駆動輪(32)に向けて径方向に延びる直線と垂直
である、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項5】
前記支持板(14)のモニタリング孔の
径方向外側には、それと同心円状に配置された複数の断続的な円弧環孔(16)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項6】
前記モニタリングシステム(2)は、処理モジュール(21)に接続された組合モニタリング部材を有し、前記組合モニタリング部材は、負荷センサー(22)と応力センサー(23)と含水率計(24)とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項7】
前記復位機構(3)は、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機(31)と、前記電機(31)に接続された駆動輪(32)とを備え、制御ボックス(33)を前記電機(31)及び前記モニタリングシステム(2)と電気的接続し、前記制御ボックス(33)は、前記取付板(12)の下部の空間内に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【請求項8】
前記電機(31)は外回転子電機であり、前記駆動輪(32)は偏心輪であり、前記駆動輪(32)の偏心フランジは前記電機(31)の外回転子と協動し、電機の台座を前記取付板(12)と固定接続し、前記駆動輪(32)は電
機取付孔及び前記支持板(14)の輪孔(15)の内側に位置して回転する、
ことを特徴とする請求項
7に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造工事の技術分野に属し、偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の伝統的な建築は、世界の建築史にみずから一派を成すが、それは中国の土地に根ざし、近隣諸国や地域に拡散し影響を与えている。伝統的な木造建築は、特別な構造により「壁が倒れて屋が崩れない」という特性の具備から恩恵を受けて、中国の土地で何千年も続き、まだ多くの名声天下に伝わる古代建築の遺存がある。その間、伝統的な様式に従って建てられた擬古建築は、広く普及し、各地に多く応用されている。中国の伝統的な木造建築は、最も基本的な特徴の1つがその独特な構造形態であり、3つの構成要素、すなわち、土台、木骨及び屋根で構成されるものである。そのうち、木骨は、耐荷重構造の中核であり、建物全体の骨組みとなり、一般的に柱や梁や母屋桁や貫や垂木やトキヨウなどの構造部品で構成され、建物全体を安定させて屋根の重量に耐えるという機能を果たす。顕著な特徴の1つとして「太い梁、大きい柱、弱い連結点」である木骨は、個々の構造部品の強度が高い冗長性を有し、構造部品間の接続が弱くて木骨体系において最も薄弱な部分である。
【0003】
木製柱は、木骨体系の様々な木製構造部品の中で最も核心的に力を受ける部材の1つである。木製柱はほとんど浮遊の形で礎石の上に立ち、両者には効果的な機械的接続がない。礎石は、質量が大きくて重心が低いため、地震作用でそれ自体にはほとんど位置変化が見られないが、木製柱は、質量が少なくて重心が高いため、地震発生時に揺れたり滑ったりすることにより、木製柱の底面は礎石の上面と相対的に偏移する。礎石と木製柱との間の界面におけるある程度の範囲内の相対運動は、入力地震エネルギーが散逸し放出することであり、構造耐震性に有益であるが、相対偏移は、一旦礎石の上面を超えて木製柱が倒れたら、建物全体が崩壊する原因となりやすい。礎石の上面は、木製柱が基礎から外れるのを妨げるように、多くの場合で柱体の断面よりも大きくされる。偏移した木製柱は、木製柱の偏位による二次事故を避けるように、更に復位手段を適時に行うことで礎石の中心に戻される必要がある。また、木製柱の状態は、構造全体の安全状態に対して決定的な効果を持っている。木製柱の健康監視と状態調査は、様々な検知装置に頼ることになる。センサーは、多くの場合で柱体の外側のファサードに位置し、美しさに影響を与えるだけでなく、センサーの取り付け及び固定により柱体に対して局所的な損傷を必然的に引き起こす。
【0004】
既存の木製柱の復位手段は、多くの場合で他の上昇装置に頼り、大規模な機械にさえも頼るため、複雑な操作及びプロセスを必要とする。開示された装置の一部は、木製柱の耐震性や礎石の防振効果を備えるが、その残りの問題は、一方では装置機能が単一であり、他方では従来の木造建築物にあるべき耐震機構をほとんど壊すことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、構造が簡単で、偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、支持基部の取付板の下部空間に設けられたモニタリングシステムの組合モニタリング部材と、取付板の上部空間に設けられた復位機構とを備え、平坦な柱体底部が支持基部の支持板に接触し、組合モニタリング部材の検知端が取付板及び支持板のモニタリング孔を貫通して柱体底部に接触し、複数の偏心構造となる駆動輪が柱体底部の周囲の輪孔内に位置し、モニタリングシステムは柱体底部の偏移量を実時間監視制御し、復位機構は柱体底部を逆方向に駆動させて復位させる。本発明は、良好な耐震性能や実時間監視制御及び早期警告や迅速かつ正確な復位などの利点を備え、復位時、元の支持柱を取り外す必要がないため、操作が簡単で便利である。
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明で採用される技術手段は、
偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置は、支持基部とモニタリングシステムと復位機構とを備え、前記モニタリングシステムは、前記支持基部の取付板の下部空間内に位置し、前記復位機構は、前記取付板の上部空間内に位置し、前記モニタリングシステムの組合モニタリング部材は、前記支持基部の底板と固定接続し、前記組合モニタリング部材は、前記取付板及び支持板の中央に位置するモニタリング孔を貫通し、前記復位機構の複数の駆動輪は、前記支持板上の複数の輪孔と協動して、前記駆動輪が回転している際に前記輪孔の外側に突き出たり前記輪孔の内側に落ち込んだりする。
【0008】
前記支持基部は、台座の内側に位置する取付板と、前記台座の両端に接続されて前記取付板の両側に位置する底板と支持板とを備える。
【0009】
前記台座を横に貫通する排水孔及び受け口が前記取付板の下部空間に設けられ、貫通する配線孔が前記底板に設けられる。
【0010】
前記取付板のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機取付孔が設けられる。
【0011】
前記支持板のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の輪孔が設けられ、前記輪孔の軸線は、前記モニタリング孔の横方向と垂直になる。
【0012】
前記支持板のモニタリング孔の外側には、それと同心円状に配置された複数の断続的な円弧環孔が設けられる。
【0013】
前記モニタリングシステムは、処理モジュールに接続された組合モニタリング部材を有し、前記組合モニタリング部材は、負荷センサーと応力センサーと含水率計とを備える。
【0014】
前記復位機構は、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機と、前記電機に接続された駆動輪とを備え、制御ボックスを前記電機及び前記モニタリングシステムと電気的接続し、前記制御ボックスは、前記取付板の下部の空間内に位置する。
【0015】
前記電機は外回転子電機であり、前記駆動輪は偏心輪であり、前記駆動輪の偏心フランジは前記電機の外回転子と協動し、電機の台座を前記取付板と固定接続し、前記駆動輪は電機の取付孔及び前記支持板の輪孔の内側に位置して回転する。
【0017】
偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置は、支持基部とモニタリングシステムと復位機構とを備え、モニタリングシステムは、支持基部の取付板の下部空間内に位置し、復位機構は、取付板の上部空間内に位置し、モニタリングシステムの組合モニタリング部材は、支持基部の底板と固定接続し、組合モニタリング部材は、取付板及び支持板の中央に位置するモニタリング孔を貫通し、復位機構の複数の駆動輪は、支持板上の複数の輪孔と協動して、駆動輪が回転している際に輪孔の外側に突き出たり輪孔の内側に落ち込んだりする。構造が簡単なその装置は、モニタリングシステムの組合モニタリング部材を支持基部の取付板の下部空間に設け、復位機構を取付板の上部空間に配置することにより、平坦な柱体底部が支持基部の支持板に接触し、組合モニタリング部材の検知端が取付板及び支持板のモニタリング孔を貫通して柱体底部に接触し、複数の偏心結構となる駆動輪が柱体底部の周囲の輪孔の内側に位置し、モニタリングシステムは柱体底部の偏移量を実時間監視制御し、復位機構は柱体底部を逆方向に駆動させて復位させる。その装置は、良好な耐震性能や実時間監視制御及び早期警告や迅速かつ正確な復位などの利点を備え、復位時、元の支持柱を取り外す必要がないため、操作が簡単で便利である。
【0018】
好ましい実施例において、支持基部は、台座の内側に位置する取付板と、台座の両端に接続されて取付板の両側に位置する底板と支持板とを備える。構造が簡単なその装置は、使用時、底板が地面に接触し、柱体底部が支持板に接触し、柱体が支持板と垂直になり、取付板と底板と支持板は台座を上下2つの空間に区切る。
【0019】
好ましい実施状態においては、台座を横に貫通する排水孔及び受け口が取付板の下部空間に設けられ、貫通する配線孔が底板に設けられる。構造が簡単なその装置は、使用時、台座の側面に設けられた排水孔は、柱体から台座の内側に流入する水を排出するのに用いられ、受け口は、モニタリングシステムと電気的接続されるようにケーブルを引き出すのに用いられる。底板に位置する配線孔は、電力ケーブルや信号線が通過するのに用いられる。
【0020】
好ましい実施状態においては、取付板のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機取付孔が設けられる。構造が簡単なその装置は、取り付け時、電機の台脚は取付板に固定接続され、電機に接続された駆動輪は電機取付孔の内側に位置し、回転時、取付板に接触しない。
【0021】
好ましい実施状態においては、支持板のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の輪孔が設けられ、輪孔の軸線は、モニタリング孔の横方向と垂直になる。構造が簡単なその装置は、使用時、支持板を貫通する複数の輪孔は、支持板の中心のモニタリング孔の横方向と垂直になり、駆動輪は、輪孔の内側に位置し、回転時、支持板に接触せずにその回転方向が始終モニタリング孔の中心を向く。
【0022】
好ましい実施状態においては、支持板のモニタリング孔の外側には、それと同心円状に配置された複数の断続的な円弧環孔が設けられる。構造が簡単なその装置は、使用時、柱体底部がずれた後、片側へ滑って断続的な円弧環孔を覆う場合、反対側の断続的な円弧環孔が柱体底部から遠ざかる。従って、複数の断続的な円弧環孔の間の固定距離により、その偏移量を直観可能に予測する。
【0023】
好ましい実施状態においては、モニタリングシステムは、処理モジュールに接続された組合モニタリング部材を有し、組合モニタリング部材は、負荷センサーと応力センサーと含水率計とを備える。構造が簡単なその装置は、使用時、柱体の荷重を検知するのに負荷センサーを用い、柱体の偏移時に発生する応力変化を検知するのに応力センサーを用い、柱体底部の湿度が過大な場合に復位することを避けるように柱体底部の湿度を測定するのに含水率計を用いる。
【0024】
好ましい実施状態においては、復位機構は、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機と、電機に接続された駆動輪とを備え、制御ボックスは、電機及びモニタリングシステムと電気的接続し、制御ボックスは、取付板の下部の空間内に位置する。構造が簡単なその装置は、使用時、2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機は、柱体底部がずれた後、柱体底部の被覆区域の電機を起動し、柱体を復位させる。制御ボックスは、取付板の下部の空間内に位置し、コンパクトな配置と小さい占有空間という利点を備える。
【0025】
好ましい実施状態においては、電機は外回転子電機であり、駆動輪は偏心輪であり、駆動輪の偏心フランジは電機の外回転子と協動し、電機の台座は取付板と固定接続し、駆動輪は電機の取付孔及び支持板の輪孔の内側に位置して回転する。構造が簡単なその装置は、復位前、輪孔の下部に偏心構造の駆動輪が位置し、復位時、電機の外回転子は、旋回して駆動輪を一定角度1回転させた後、駆動輪を輪孔の上部に突き出させて柱体底部に転接させ、柱体を復位させ、駆動輪は、回転を続けた後、再び輪孔の内側に落ち込み、柱体底部を支持板に接触させる。
【0028】
偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置は、支持基部とモニタリングシステムと復位機構とを備え、モニタリングシステムの組合モニタリング部材を支持基部の取付板の下部空間に設け、復位機構を取付板の上部空間に設けることにより、平坦な柱体底部が支持基部の支持板に接触し、組合モニタリング部材の検知端が取付板及び支持板のモニタリング孔を貫通して柱体底部に接触し、複数の偏心構造となる駆動輪が柱体底部の周囲の輪孔内に位置し、モニタリングシステムは柱体底部の偏移量を実時間監視制御し、復位機構は柱体底部を逆方向に駆動させて復位させる。構造が簡単な本発明の復位装置は、良好な耐震性能や実時間監視制御及び早期警告や迅速かつ正確な復位などの利点を備え、復位時、元の支持柱を取り外す必要がないため、操作が簡単で便利である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明は、次に図面及び実施例に基づいて更に説明される。
【0030】
【
図1】本発明により駆動輪が輪孔の内側に落ち込む構造を示す概略図である。
【
図2】本発明により駆動輪が輪孔の外側に突き出る構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1~
図9に示されたように、偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置は、支持基部1とモニタリングシステム2と復位機構3とを備え、モニタリングシステム2は、支持基部1の取付板12の下部空間内に位置し、復位機構3は、取付板12の上部空間内に位置し、モニタリングシステム2の組合モニタリング部材は、支持基部1の底板13と固定接続し、組合モニタリング部材は、取付板12及び支持板14の中央に位置するモニタリング孔を貫通し、復位機構3の複数の駆動輪32は、支持板14上の複数の輪孔15と協動して、駆動輪32が回転している際に輪孔15の外側に突き出たり輪孔15の内側に落ち込んだりする。構造が簡単なその装置は、モニタリングシステム2の組合モニタリング部材を支持基部1の取付板12の下部空間に設け、復位機構3を取付板12の上部空間に配置することにより、平坦な柱体底部が支持基部1の支持板4に接触し、組合モニタリング部材の検知端が取付板12及び支持板14のモニタリング孔を貫通して柱体底部に接触し、複数の偏心構造となる駆動輪32が柱体底部の周囲の輪孔15の内側に位置し、モニタリングシステム2は柱体底部の偏移量を実時間監視制御し、復位機構3は柱体底部を逆方向に駆動させて復位させる。その装置は、良好な耐震性能や実時間監視制御及び早期警告や迅速かつ正確な復位などの利点を備え、復位時、元の支持柱を取り外す必要がないため、操作が簡単で便利である。
【0032】
好ましい実施例において、支持基部1は、台座11の内側に位置する取付板12と、台座11の両端に接続されて取付板12の両側に位置する底板13と支持板14とを備える。構造が簡単なその装置は、使用時、底板13が地面に接触し、柱体底部が支持板14に接触し、柱体が支持板14と垂直になり、取付板12と底板13と支持板14は台座11を上下2つの空間に区切る。
【0033】
好ましくは、台座11は円筒構造となり、取付板12は円筒の内側に位置し、その中部が筒壁に固定接続される。
【0034】
好ましくは、取付板12は、円形の平板となり、その中心にモニタリング孔が設けられ、そのモニタリング孔はモニタリング部材の通過に用いられる。
【0035】
好ましくは、底板13は、円形の平板となり、その平板の縁に設けられた延在辺が台座11の筒体下端のノッチに留まる。
【0036】
好ましくは、支持板14は、円形の平板となり、縁に設けられた延在辺に位置して台座11の筒体上端のノッチに留まり、モニタリング部材の通過に用いられたモニタリング孔がその中心に設けられる。
【0037】
好ましい実施状態においては、台座11を横に貫通する排水孔及び受け口が取付板12の下部空間に設けられ、貫通する配線孔が底板13に設けられる。構造が簡単なその装置は、使用時、台座11の側面に設けられた排水孔は、柱体から台座11の内側に流入する水を排出するのに用いられ、受け口は、モニタリングシステムと電気的接続されるようにケーブルを引き出すのに用いられる。底板13に位置する配線孔は、電力ケーブルや信号線が通過するのに用いられる。
【0038】
好ましくは、台座11の側面には、台座11の内側の部材を点検するのに用いられた点検孔も設けられる。
【0039】
好ましい実施状態においては、取付板12のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機取付孔が設けられる。構造が簡単なその装置は、取り付け時、電機31の台脚は取付板12に固定接続され、電機31に接続された駆動輪32は電機取付孔の内側に位置し、回転時、取付板12に接触しない。
【0040】
好ましい実施状態においては、支持板14のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の輪孔15が設けられ、輪孔15の軸線は、モニタリング孔の横方向と垂直になる。構造が簡単なその装置は、使用時、支持板14を貫通する複数の輪孔15は、支持板14の中心のモニタリング孔の横方向と垂直になり、駆動輪32は、輪孔15の内側に位置し、回転時、支持板14に接触せずにその回転方向が始終モニタリング孔の中心を向く。
【0041】
好ましくは、柱体底部がずれた後、片側へ滑って輪孔15を覆う場合、反対側の輪孔15が柱体底部から遠ざかる。従って、柱体底部がずれているか否かを直感的に判断することができる。
【0042】
好ましい実施状態においては、支持板14のモニタリング孔の外側には、それと同心円状に配置された複数の断続的な円弧環孔16が設けられる。構造が簡単なその装置は、使用時、柱体底部がずれた後、片側へ滑って断続的な円弧環孔16を覆う場合、反対側の断続的な円弧環孔16が柱体底部から遠ざかる。従って、複数の断続的な円弧環孔16の間の固定距離により、その偏移量を直観可能に予測する。
【0043】
好ましい実施状態においては、モニタリングシステム2は、処理モジュール21に接続された組合モニタリング部材を有し、組合モニタリング部材は、負荷センサー22と応力センサー23と含水率計24とを備える。構造が簡単なその装置は、使用時、柱体の荷重を検知するのに負荷センサー22を用い、柱体の偏移時に発生する応力変化を検知するのに応力センサー23を用い、柱体底部の湿度が過大な場合に復位することを避けるように柱体底部の湿度を測定するのに含水率計24を用いる。
【0044】
好ましい実施状態においては、復位機構3は、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機31と、電機31に接続された駆動輪32とを備え、制御ボックス33は、電機31及びモニタリングシステム2と電気的接続し、制御ボックス33は、取付板12の下部の空間内に位置する。構造が簡単なその装置は、使用時、2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機31は、柱体底部がずれた後、柱体底部の被覆区域の電機31を起動し、柱体を復位させる。制御ボックス33は、取付板12の下部の空間内に位置し、コンパクトな配置と小さい占有空間という利点を備える。
【0045】
好ましくは、制御ボックス33は、PLC制御システムを備え、PLC制御システムによって電機31の起動及び停止を制御する。
【0046】
好ましくは、制御ボックス33の電力は、内蔵の蓄電電源又は商用電源によって供給される。
【0047】
好ましくは、複数の電機31に対して予め符号化を行い、PLC制御システムは、コードを入力されて、柱体の偏位方向に従って対応する電機31を順次起動する。
【0048】
好ましい実施状態においては、電機31は外回転子電機であり、駆動輪32は偏心輪であり、駆動輪32の偏心フランジは電機31の外回転子と協動し、電機の台座は取付板12と固定接続し、駆動輪32は電機の取付孔及び支持板14の輪孔15の内側に位置して回転する。構造が簡単なその装置は、復位前、輪孔15の下部に偏心構造の駆動輪32が位置し、復位時、電機31の外回転子は、旋回して駆動輪32を一定角度1回転させた後、駆動輪32を輪孔15の上部に突き出させて柱体底部に転接させ、柱体を復位させ、駆動輪32は、回転を続けた後、再び輪孔15の内側に落ち込み、柱体底部を支持板14に接触させる。
【0049】
好ましくは、駆動輪32の偏心フランジの外側はゴム層で被覆し、ゴム層は柱体底部に接触し、復位時に柱体底部に損傷を与えにくい。
【0050】
好ましい実施状態においては、上記のように偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置の復位方法は、次のステップを含む。
S1、平坦な柱体底部が支持板14の中心に配置され、それと垂直になり、負荷センサー22、応力センサー23及び含水率計24の検知端が柱体底部に接触している際に、駆動輪32が支持板14の輪孔15の内側に落ち込んで柱体底部に接触しないという取り付け工程;
S2、柱体底部が支持板14の中心からずれた後、支持板14の片側へ滑ると、滑り量が大きくなれば、柱体底部に覆われた片側の輪孔15の面積が大きいほど、反対側の輪孔15と柱体底部との間の距離が大きくなるという偏移量を判断する工程;
S3、柱体底部がずれる過程において、負荷センサー22及び応力センサー23が検知されたデータを処理モジュール21に送信し、処理モジュール21がデータを受け取ってモニタリングシステム2に送信し、モニタリングシステム2がデータ変化を実時間監視制御し、柱体底部の偏移量が設定値に達した場合、モニタリングシステム2が警告を適時に発出するという偏移量のモニタリングと、
柱体底部が水浸しにされ、湿潤空気によって侵入されたりする場合、含水率計24が起動し、測定されたデータを処理モジュール21に送信し、処理モジュール21がデータを受け取ってモニタリングシステム2に送信し、湿度値がモニタリングシステム2の設定値より大きい場合、モニタリングシステム2が警告を適時に発出するという湿度のモニタリングからなるモニタリング工程;
S4、柱体底部の湿度が設定値範囲内に入る場合に復位を行うという復位工程。
復位工程は、次の内容を含む。
S4-1、モニタリングシステム2が、負荷データ及び偏移データを即時に得て当該負荷データ及び偏移データを事前設定値と処理モジュール21に返送するという偏移量を得る工程;
S4-2、処理モジュール21が負荷データ及び偏移データを事前設定値と比較して計算し、実際の偏移量と偏移方向を算出するという実際の偏移数値を算出する工程;
S4-3、処理モジュール21が算出された偏移量及び偏移方向を制御ボックス33のPLC制御システムに伝送し、駆動輪32の運動方向が柱体底部の偏移方向と逆になるように柱体底部の被覆区域に対応する電機31のパラメータを設定するという復位プログラムを設定する工程;
S4-4、PLC制御システムがそれぞれ1つ又は複数の電機31の単独起動又は同期起動を制御し、電機31が旋回して駆動輪32を回転させて柱体底部に接触させ、柱体底部をずれさせ;モニタリングシステム2に表示された負荷数値及び偏移数値が事前設定値に近づいて電機31が停止している際に、柱体底部から輪孔15までの距離が一致する傾向にあり、駆動輪32が輪孔15の内側に落ち込むという復位工程。
【0051】
この方法は、操作が簡単で便利であり、柱体の変位と湿度を実時間モニタリングし、偏移量が設定値に達した時に早期警報及び喚起を適時に行い、柱体の支持部材を取り外さずに迅速に復位する。
【0052】
偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置及び方法は、上記のように、取り付けと使用時、モニタリングシステム2の組合モニタリング部材を支持基部1の取付板12の下部空間に設け、復位機構3を取付板12の上部空間に配置することにより、平坦な柱体底部が支持基部1の支持板4に接触し、組合モニタリング部材の検知端が取付板12及び支持板14のモニタリング孔を貫通して柱体底部に接触し、複数の偏心構造となる駆動輪32が柱体底部の周囲の輪孔15の内側に位置し、モニタリングシステム2は柱体底部の偏移量を実時間監視制御し、復位機構3は柱体底部を逆方向に駆動させて復位させる。この装置及び方法は、良好な耐震性能や実時間監視制御及び早期警告や迅速かつ正確な復位などの利点を備え、復位時、元の支持柱を取り外す必要がないため、操作が簡単で便利である。
【0053】
この装置及び方法は、使用時、底板13が地面に接触し、柱体底部が支持板14に接触し、柱体が支持板14と垂直になり、取付板12と底板13と支持板14は台座11を上下2つの空間に区切る。
【0054】
この装置及び方法は、使用時、台座11の側面に設けられた排水孔は、柱体から台座11の内側に流入する水を排出するのに用いられ、受け口は、モニタリングシステムと電気的接続されるようにケーブルを引き出すのに用いられる。底板13に位置する配線孔は、電力ケーブルや信号線が通過するのに用いられる。
【0055】
この装置は、取り付け時、電機31の台脚は取付板12に固定接続され、電機31に接続された駆動輪32は電機取付孔の内側に位置し、回転時、取付板12に接触しない。
【0056】
この装置及び方法は、使用時、支持板14を貫通する複数の輪孔15は、支持板14の中心のモニタリング孔の横方向と垂直になり、駆動輪32は、輪孔15の内側に位置し、回転時、支持板14に接触せずにその回転方向が始終モニタリング孔の中心を向く。
【0057】
この装置及び方法は、使用時、柱体底部がずれた後、片側へ滑って断続的な円弧環孔16を覆う場合、反対側の断続的な円弧環孔16が柱体底部から遠ざかる。従って、複数の断続的な円弧環孔16の間の固定距離により、その偏移量を直観可能に予測する。
【0058】
この装置及び方法は、使用時、柱体の荷重を検知するのに負荷センサー22を用い、柱体の偏移時に発生する応力変化を検知するのに応力センサー23を用い、柱体底部の湿度が過大な場合に復位することを避けるように柱体底部の湿度を測定するのに含水率計24を用いる。
【0059】
この装置及びは、使用時、2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機31は、柱体底部がずれた後、柱体底部の被覆区域の電機31を起動し、柱体を復位させる。制御ボックス33は、取付板12の下部の空間内に位置し、コンパクトな配置と小さい占有空間という利点を備える。
【0060】
この装置及び方法は、復位前、輪孔15の下部に偏心構造の駆動輪32が位置し、復位時、電機31の外回転子は、旋回して駆動輪32を一定角度1回転させた後、駆動輪32を輪孔15の上部に突き出させて柱体底部に転接させ、柱体を復位させ、駆動輪32は、回転を続けた後、再び輪孔15の内側に落ち込み、柱体底部を支持板14に接触させる。
【0061】
上記実施例はただ本発明の好ましい技術手段であり、本発明を限定するものと見なしてはならず、本願における実施例及び実施例における特徴は矛盾しない限り、互いに任意に組み合わせることが可能である。本発明の保護範囲は、請求の範囲に記載の技術手段に加えて、請求の範囲に記載の技術手段における技術特徴の同等な取替手段をも保護範囲とすべきである。即ち、この範囲で行われる同等な取替改良も本発明の保護範囲に含まれるものである。
【0062】
(付記)
(付記1)
支持基部(1)とモニタリングシステム(2)と復位機構(3)とを備え、前記モニタリングシステム(2)は、前記支持基部(1)の取付板(12)の下部空間内に位置し、前記復位機構(3)は、前記取付板(12)の上部空間内に位置し、前記モニタリングシステム(2)の組合モニタリング部材は、前記支持基部(1)の底板(13)と固定接続し、前記組合モニタリング部材は、前記取付板(12)及び支持板(14)の中央に位置するモニタリング孔を貫通し、前記復位機構(3)の複数の駆動輪(32)は、前記支持板(14)上の複数の輪孔(15)と協動して、前記駆動輪(32)が回転している際に前記輪孔(15)の外側に突き出たり前記輪孔(15)の内側に落ち込んだりする、
ことを特徴とする偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0063】
(付記2)
前記支持基部(1)は、台座(11)の内側に位置する取付板(12)と、前記台座(11)の両端に接続されて前記取付板(12)の両側に位置する底板(13)と支持板(14)とを備える、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0064】
(付記3)
前記台座(11)を横に貫通する排水孔及び受け口が前記取付板(12)の下部空間に設けられ、貫通する配線孔が前記底板(13)に設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0065】
(付記4)
前記取付板(12)のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機取付孔が設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0066】
(付記5)
前記支持板(14)のモニタリング孔の外側には、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の輪孔(15)が設けられ、前記輪孔(15)の軸線は、前記モニタリング孔の横方向と垂直になる、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0067】
(付記6)
前記支持板(14)のモニタリング孔の外側には、それと同心円状に配置された複数の断続的な円弧環孔(16)が設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0068】
(付記7)
前記モニタリングシステム(2)は、処理モジュール(21)に接続された組合モニタリング部材を有し、前記組合モニタリング部材は、負荷センサー(22)と応力センサー(23)と含水率計(24)とを備える、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0069】
(付記8)
前記復位機構(3)は、少なくとも2つの同心円環内に均等に交互配置された複数の電機(31)と、前記電機(31)に接続された駆動輪(32)とを備え、制御ボックス(33)を前記電機(31)及び前記モニタリングシステム(2)と電気的接続し、前記制御ボックス(33)は、前記取付板(12)の下部の空間内に位置する、
ことを特徴とする付記1に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0070】
(付記9)
前記電機(31)は外回転子電機であり、前記駆動輪(32)は偏心輪であり、前記駆動輪(32)の偏心フランジは前記電機(31)の外回転子と協動し、電機の台座を前記取付板(12)と固定接続し、前記駆動輪(32)は電機の取付孔及び前記支持板(14)の輪孔(15)の内側に位置して回転する、
ことを特徴とする付記8に記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置。
【0071】
(付記10)
ステップS1:平坦な柱体底部が前記支持板(14)の中心に配置され、それと垂直になり、前記負荷センサー(22)、前記応力センサー(23)及び前記含水率計(24)の検知端が前記柱体底部に接触している際に、前記駆動輪(32)が前記支持板(14)の輪孔(15)の内側に落ち込んで前記柱体底部に接触しないという取り付け工程と;
ステップS2:前記柱体底部が前記支持板(14)の中心からずれた後、前記支持板(14)の片側へ滑ると、滑り量が大きくなれば、前記柱体底部に覆われた片側の輪孔(15)の面積が大きいほど、反対側の輪孔(15)と前記柱体底部との間の距離が大きくなるという偏移量を判断する工程と;
ステップS3:前記柱体底部がずれる過程において、前記負荷センサー(22)及び前記応力センサー(23)が検知したデータを前記処理モジュール(21)に送信し、前記処理モジュール(21)がデータを受け取って前記モニタリングシステム(2)に送信し、前記モニタリングシステム(2)がデータ変化を実時間監視制御し、前記柱体底部の偏移量が設定値に達した場合、前記モニタリングシステム(2)が警告を適時に発出するという偏移量のモニタリングと、
前記柱体底部が水浸しにされ、湿潤空気によって侵入されたりする場合、前記含水率計(24)が起動し、測定されたデータを前記処理モジュール(21)に送信し、前記処理モジュール(21)がデータを受け取って前記モニタリングシステム(2)に送信し、湿度値が前記モニタリングシステム(2)の設定値より大きい場合、前記モニタリングシステム(2)が警告を適時に発出するという湿度のモニタリングからなるモニタリング工程と;
ステップS4:S4-1、前記モニタリングシステム(2)が、負荷データ及び偏移データを即時に得て当該負荷データ及び偏移データを事前設定値と前記処理モジュール(21)に返送するという偏移量の獲得と、
S4-2、前記処理モジュール(21)が負荷データ及び偏移データを事前設定値と比較して計算し、実際の偏移量と偏移方向を算出するという実際の偏移数値の算出と、
S4-3、前記処理モジュール(21)が算出された偏移量及び偏移方向を前記制御ボックス(33)のPLC制御システムに伝送し、前記駆動輪(32)の運動方向が前記柱体底部の偏移方向と逆になるように前記柱体底部の被覆区域に対応する電機(31)のパラメータを設定するという復位プログラムの設定と、
S4-4、前記PLC制御システムがそれぞれ1つ又は複数の電機(31)の単独起動又は同期起動を制御し、前記電機(31)が旋回して前記駆動輪(32)を回転させて前記柱体底部に接触させ、前記柱体底部をずれさせ;前記モニタリングシステム(2)に表示された負荷数値及び偏移数値が事前設定値に近づいて前記電機(31)が停止している際に、前記柱体底部から前記輪孔(15)までの距離が一致する傾向にあり、前記駆動輪(32)が前記輪孔(15)の内側に落ち込むという復位
からなる、柱体底部の湿度が設定値範囲内に入る場合に復位を行うという復位工程とを含む、
ことを特徴とする付記1~9のいずれか1つに記載の偏移量をモニタリングするとともに柱体を支えるための復位装置の復位方法。
【符号の説明】
【0072】
1-支持基部、11-台座、12-取付板、13-底板、14-支持板、15-輪孔、16-断続的な円弧環孔、2-モニタリングシステム、21-処理モジュール、22-負荷センサー、23-応力センサー、24-含水率計、3-復位機構、31-電機、32-駆動輪、33-制御ボックス。