(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】動作玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 3/00 20060101AFI20240731BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20240731BHJP
A63H 3/38 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A63H3/00 Z
A63H5/00 A
A63H3/38 Z
(21)【出願番号】P 2023145736
(22)【出願日】2023-09-08
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 順子
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-086599(JP,U)
【文献】米国特許第08911275(US,B2)
【文献】実開昭62-074878(JP,U)
【文献】実開昭60-184598(JP,U)
【文献】実開昭60-171496(JP,U)
【文献】特開2003-029989(JP,A)
【文献】実開昭50-133290(JP,U)
【文献】実開昭51-018690(JP,U)
【文献】実公昭48-020635(JP,Y1)
【文献】実開昭50-138197(JP,U)
【文献】特開2023-092026(JP,A)
【文献】特開2003-038864(JP,A)
【文献】実開平04-083389(JP,U)
【文献】特開昭61-279275(JP,A)
【文献】特開2002-126362(JP,A)
【文献】特開2017-153878(JP,A)
【文献】特開2006-247240(JP,A)
【文献】登録実用新案第3104307(JP,U)
【文献】特開2004-041329(JP,A)
【文献】実開平04-027990(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/00
A63H 5/00
A63H 3/38-3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板と、
ベース板に立設されたロッドと、
前記ロッドに載置され、中央部分を前記ロッドに対して揺動且つ回転可能に支持された回転動作体と、
前記ベース板を振動させる
スピーカから構成される振動装置と、
を備え、
前記回転動作体の下面中央部には、下方に向けて拡径する軸対称形の凹面が形成され、
前記回転動作体は、前記ロッドが前記凹面の一部に当接することで、上下方向に揺動可能に軸支されている、
ことを特徴とする動作玩具。
【請求項2】
前記凹面は、前記ロッドの上端部に覆い被さるような半球状凹面となっている、ことを特徴とする
請求項1に記載の動作玩具。
【請求項3】
前記回転動作体はロッドキャップ状に構成され、前記回転動作体には下端に開口し上部が前記半球状凹面である穴が形成され、前記穴には前記ロッドが緩く嵌合されている、ことを特徴とする
請求項2に記載の動作玩具。
【請求項4】
前記ロッドの上面には、面ファスナの一方を構成するテープが貼られている、ことを特徴とする
請求項2に記載の動作玩具。
【請求項5】
前記振動装置は、入力される信号の周波数特性に応じて、振動、音、又は、振動及び音の双方を生成する、ことを特徴とする
請求項1に記載の動作玩具。
【請求項6】
前記ロッドが前記ベース板に所定間隔で2本以上立設されているとともに、各ロッドには前記回転動作体が1個ずつ載置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の動作玩具。
【請求項7】
前記動作玩具は、生命体の姿態を呈しており、前記ロッドは、前記生命体の目に対応して2本立設されているとともに、各ロッドには前記回転動作体が1個ずつ載置され、前記生命体の目に相当する部分に開口が設けられ、前記開口から前記回転動作体の外周の絵柄が視認できるように構成されている、ことを特徴とする
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の動作玩具。
【請求項8】
前記回転動作体の外周には、回転に伴って変化するように占いに用いる絵柄が表示されたフィルムが設けられている、ことを特徴とする
請求項7に記載の動作玩具。
【請求項9】
前記フィルムにおいて前記絵柄の背景は黒色透明であり、前記回転動作体は透光性であり、前記ロッドに埋設された発光部によって前記フィルムが照らされる、ことを特徴とする
請求項8に記載の動作玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカの振動を利用して回転動作体を回転させる動作玩具が知られている(特許文献1)。
この動作玩具では、回転動作体に毛パッドが設けられ、ベース板の振動を毛パッドを介して回転動作体の振動に変換している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の動作玩具によれば、回転動作体の外周部が略全周に亘って毛パッドを介して支持されるため、回転動作体は、毛パッドが回転動作体の回転に伴って変形するため、多少の浮沈はあるものの、概ね水平面内で回転するだけであり、回転動作体の動きが単調である。
本発明は、斯かる事情に鑑みなされたものであり、回転動作体が複雑に揺動しながら回転する動作玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
ベース板と、
ベース板に立設されたロッドと、
前記ロッドに載置され、中央部分を前記ロッドに対して揺動且つ回転可能に支持された回転動作体と、
前記ベース板を振動させるスピーカから構成される振動装置と、
を備え、
前記回転動作体の下面中央部には、下方に向けて拡径する軸対称形の凹面が形成され、
前記回転動作体は、前記ロッドが前記凹面の一部に当接することで、上下方向に揺動可能に軸支されている、
ことを特徴とする動作玩具である。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、前記凹面は、前記ロッドの上端部に覆い被さるような半球状凹面となっている、ことを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段であって、前記回転動作体はロッドキャップ状に構成され、前記回転動作体には下端に開口し上部が前記半球状凹面である穴が形成され、前記穴には前記ロッドが緩く嵌合されている、ことを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第2の手段であって、前記ロッドの上面には、面ファスナの一方を構成するテープが貼られている、ことを特徴とする。
【0011】
第5の手段は、第1の手段であって、前記振動装置は、入力される信号の周波数特性に応じて、振動、音、又は、振動及び音の双方を生成する、ことを特徴とする。
【0012】
第6の手段は、第1の手段であって、前記ロッドが前記ベース板に所定間隔で2本以上立設されているとともに、各ロッドには前記回転動作体が1個ずつ載置されている、ことを特徴とする。
【0013】
第7の手段は、第1~第6のいずれかの手段であって、
前記動作玩具は、生命体の姿態を呈しており、前記ロッドは、前記生命体の目に対応して2本立設されているとともに、各ロッドには前記回転動作体が1個ずつ載置され、前記生命体の目に相当する部分に開口が設けられ、前記開口から前記回転動作体の外周の絵柄が視認できるように構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
第8の手段は、第7の手段であって、前記回転動作体の外周には、回転に伴って変化するように占いに用いる絵柄が表示されたフィルムが設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
第9の手段は、第8の手段であって、前記フィルムにおいて前記絵柄の背景は黒色透明であり、前記回転動作体は透光性であり、前記ロッドに埋設された発光部によって前記フィルムが照らされる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の手段によれば、回転動作体が中央部分をロッドに対して揺動且つ回転可能に支持されているため、ベース板の振動によって、回転動作体が大きく揺れ動きながら回転するので、動きが複雑となり、飽きのこない動作玩具が実現できる。また、第1の手段によれば、振動装置がスピーカであるので、揺動装置の動作に伴う機械音の発生を抑制することができる。
【0017】
また、第1の手段によれば、回転動作体の下面中央部には、下方に向けて拡径する軸対称形の凹面が形成され、前記回転動作体は、前記ロッドが前記凹面の一部に当接することで、上下方向に揺動可能に軸支されているため、回転動作体が円滑に揺れ動きながら回転することになる。
【0018】
第2の手段によれば、回転動作体のロッドとの当接面が半球状の凹面となっているため、回転動作体がロッドの上で円滑に揺れ動きながら回転することになる。
【0019】
第3の手段によれば、回転動作体がロッドキャップ状に構成され、回転動作体には下端に開口し上部が半球状凹面である穴が形成され、穴にはロッドが緩く嵌合されているため、ロッドから回転動作体が脱落しにくいものとなる。
【0020】
第4の手段によれば、ロッドの上面には、面ファスナの一方を構成するテープが貼られているため、回転動作体がロッドの上で揺れ動きながら回転する際に、回転動作体とロッドとのぶつかりによって生じる音を抑制することができる。
【0022】
第5の手段によれば、スピーカが、振動、音、又は、振動及び音の双方を生成するため、変化に富む動作玩具を実現することができる。
【0023】
第6の手段によれば、ロッドがベース板に2本以上立設され、各ロッドに対応して回転動作体が1つずつ設けられているため、持つ場所によって、互いの回転動作体の動作態様を変化させることができる。
【0024】
第7の手段によれば、回転動作体が揺動・回転することにより、生命体の目に相当する開口から視認できる絵柄が動作するので、面白みのある動作玩具が実現できる。
【0025】
第8の手段によれば、回転動作体の外周には、回転に伴って変化するように占いに用いる絵柄が表示されたフィルムが設けられているため、これを利用して占いをすることができる。
【0026】
第9の手段によれば、発光部によってフィルムが回転動作体の内側から照らされるため、絵柄が効果的に照らされることになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】外郭となるぬいぐるみと本体とを分離して示した斜視図である。
【
図3】動物玩具の上部構造体、中部構造体及び下部構造体を分離して示した斜視図である。
【
図7】中部構造体を下方から見た分解斜視図である。
【
図8】ロッドへのLEDの取付け構造を説明するための斜視図である。
【
図9】ロッドへのLEDの取付け構造を説明するための斜視図である。
【
図10】ロッドへの回転動作体の載置構造を説明するための正面図である。
【
図11】回転動作体に設けられるフィルムの展開図である。
【
図13】下部構造体の筐体部と蓋とを分離して示した、下方から見た斜視図である。
【
図15】回転動作体の揺れ具合を説明するための正面図である。
【
図16】回転動作体の揺れ具合を説明するための正面図である。
【
図17】回転動作体の揺れ具合を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る動作玩具を説明する。
【0029】
《構成の概略》
図1は、実施形態に係る動作玩具100の正面図、
図2は、動作玩具100の本体10及びぬいぐるみ50を分離して示した斜視図である。
動作玩具100は、本体10(
図2)にぬいぐるみ50を被せたもので、生命体の一例である動物の姿態を呈している。
この動作玩具100では、ぬいぐるみ50の2つの目に相当する部分は開口されており、その開口からは本体10の内部の動作部(
図7の回転動作体12c参照)が視認可能となっている。
【0030】
《本体10》
図3は、本体10の上部構造体11、中部構造体12及び下部構造体13を分離して示した斜視図である。
本体10は、上部構造体11、中部構造体12及び下部構造体13から構成されている。
【0031】
(上部構造体11)
図4は、上部構造体11の分解斜視図、
図5は、上部構造体11を下方から見た斜視図である。
上部構造体11は、動物の頭部を構成するドーム状の筐体部(カバー体)11aを備える。筐体部11aは中空となっており、中空部分は下方に開口している。この筐体部11aには、動物の2つの目に相当する部分に円形の開口11bが1つずつ形成されている。
なお、この開口11bはレンズや透明板によって塞がれていてもよい。この場合、開口11bから回転動作体12cの外周だけが視認でき、余分な周辺部分が視認できないようにレンズとすることが好ましい。
【0032】
また、筐体部11aの左右方向中央には、動物の前頭部から後頭部までに亘って溝11cが形成されている。この溝11c内には、スイッチSW1が設けられるとともに、当該スイッチSW1を操作するための操作子11dが設けられている。
スイッチSW1は、動作玩具100の動作のトリガとなるモーメンタリスイッチである。操作子11dは、軸11eを中心に上下に回動するように溝11c内に設けられている。操作子11dの先端部分は、常態では、筐体部11aの外側に突出しており、本体10に被せたぬいぐるみ50の外からでも操作することができる。動作玩具100の外からスイッチSW1を操作できる構造であれば、スイッチSW1の位置はどこであってもよいし、また、操作子11dはどのような構造であってもよい。
【0033】
なお、筐体部11aにはねじ挿通孔11fが3個形成されている。このねじ挿通孔11fは、上部構造体11、中部構造体12及び下部構造体13を結合させるためのものである。
【0034】
(中部構造体12)
図6は、中部構造体12の分解斜視図、
図7は、中部構造体12を下方から見た分解斜視図である。
中部構造体12は、短円筒状の筐体部12aを備えている。この筐体部12aには、楕円状のベース板12b、回転動作体12c及びスピーカ12dが組み付けられている。
筐体部12aの上面には、ベース板12bと略同形の開口12eが形成されている。この開口12eの縁部には、嵌合孔12fが2個、切欠き12gが1個形成されている。この嵌合孔12f及び切欠き12gは、ベース板12bを取り付けるためのものである。切欠き12gの下には座部12hが形成されている。座部12hには、ねじ挿通孔12iが形成されている。このねじ挿通孔12iはベース板12bを固定するためのものである。
また、開口12eの外側には、上記ねじ挿通孔11fに対応するねじ挿通孔12jが3個形成されている。このねじ挿通孔12jは、上部構造体11、中部構造体12及び下部構造体13を結合させるためのものである。
【0035】
ベース板12bの上面左右には、円柱状のロッド12kが所定間隔で1本ずつ立設されている。
ロッド12kの上下方向中間部には前後方向に貫通する丸孔12lが形成されている(
図8)。各丸孔12lには、後方から発光部であるLED12mが挿入されている(
図9)。LED12mは、後述の回転動作体12cを内側から照らすものである。このように、回転動作体12cを内側から照らす構造とすることにより、効果的に回転動作体12cを照らすことができる。
さらに、各ロッド12kの上端面には、面ファスナを構成する雄テープ又は雌テープの一方のテープ12nが貼られている。
【0036】
図10は、ロッド12kに回転動作体12cを載置した状態を示す正面図である。
各ロッド12kには回転動作体12cが被せられている。そして、回転動作体12cはロッド12kに揺動且つ回転可能に支持されている。
回転動作体12cは透光性でロッドキャップ状乃至は釣鐘状に形成されている。回転動作体12cは、筒状部12оと丸頭部12pとを有し、内部が中空となっている。中空部分は、筒状部12оに対応する箇所が回転動作体12cの下端の開口する円形の穴12qとなっており、丸頭部12pに対応する箇所が上記円形の穴12qと同径の半球状の凹面12rとなっている。ここで、当該穴12q及当該凹面12rの径はロッド径の5倍程度となっていて、各回転動作体12cは対応するロッド12kに対して揺動且つ回転可能となっている。このように、ロッド12kと当接する部分を半球状の凹面12rとすることで、回転動作体12cは円滑に揺動・回転することになる。また、回転動作体12cをロッドキャップ状乃至は釣鐘状とすることで、動作玩具100の組立時等において、回転動作体12cのロッド12kからの脱落を極力防ぐことができる。
図11は、回転動作体12cの外周に設けられるフィルム12sを展開した状態を示す図であり、同図(A)は左の回転動作体12cに対応するフィルム12sを、同図(B)は右の回転動作体12cに対応するフィルム12sを示している。
各回転動作体12cの外周には、背景が黒透明の絵柄が入ったフィルム12sが貼られている。絵柄としては、例えば、占いに使用される星の絵柄が表示されている。この場合、特に制限はされないが、左右のフィルム12sの絵柄は左右対称となっている。
なお、絵柄は、回転動作体12cの外周に描かれていてもよい。
【0037】
また、ベース板12bの下面には、壁によって区画された円形凹部12tが形成されている。円形凹部12tにはスピーカ12dのコーンが嵌め込まれている。なお、スピーカ12dにおけるベース板12bに接する部分はスピーカ12dの他の部分であってもよい。すなわち、スピーカ12dの振動によってベース板12bを揺らすことができる部位であればよい。
また、ベース板12bの下面には、雌ねじ付きのボス12uが3個形成されている。ボス12uは、上記嵌合孔12f及び切欠き12gに嵌合され、下方からボス12uの雌ねじに雄ねじ(図示せず)が螺合されることで、ベース板12bが筐体部12aに取り付けられる。
【0038】
(下部構造体13)
図12は、下部構造体13の斜視図、
図13は、下部構造体13の筐体部13aと蓋13cとを分離して示した、下方から見た斜視図である。
下部構造体13は、碗型の筐体部13aを備えている。この筐体部13aに電池ボックス13b、蓋13c、基板(図示せず)、電源スイッチSW2及び摘まみ13eを組み付けて構成されている。
【0039】
電池ボックス13bは、筐体部13aの上方から筐体部13aに取り付けられている。電池ボックス13bの電池入出口は下方に位置している。電池入出口は、筐体部13aの下面の開口から露出している。筐体部13aの下面には、電池入出口を開閉する蓋13cが設けられている。そして、この蓋13cの着脱によって電池入出口を開閉することで、電池ボックス13bに電池を着脱可能となっている。
上記基板(図示せず)は電池ボックス13bの上に取り付けられている。基板には各種電子回路部品及び各種電気回路部品が取り付けられている。
電源スイッチSW2は電源をON/OFFするためのものである。この電源スイッチSW2は上記基板の下面に取り付けられている。
また、摘まみ13eは電源スイッチSW2を操作するためのものである。摘まみ13eは、筐体部13aの下面の凹部13gに設けられたスライド式の摘まみであり、動作玩具100の外側から操作可能となっている。
なお、筐体部13aには、雌ねじ13hが3個形成されている。この雌ねじ13hには、筐体部11aのねじ挿通孔11fと、筐体部12aのねじ挿通孔12jとに上方から通された雄ねじ(図示せず)が螺合されることで、上部構造体11、中部構造体12及び下部構造体13が結合される。
【0040】
《機能構成》
図14は、動作玩具100が備える制御構成を示すブロック図である。
動作玩具100は、処理制御部90と、記憶部91と、検出部92と、LED駆動部93と、スピーカ駆動部94とを備えている。検出部92は、スイッチSW1が押圧されたかどうかを検出するためのものである。また、LED駆動部93は、処理制御部90からの信号によってLED12mを点灯・消灯させるためのものである。また、スピーカ駆動部94は、スピーカ12dを振動させるためのものである。また、処理制御部90は、様々なプログラムを実行することにより、実施形態の動作玩具100としての機能を実現するものである。
【0041】
記憶部91には、動作玩具100の機能実現のために利用される様々な情報データが記憶されている。この情報データには処理制御部90が実行するプログラムが含まれている。また、情報データには、スピーカ12dに入力される電磁信号を生じさせるための各種振動データが含まれている。スピーカ12dは、各種振動データに基づいて生成される信号の周波数特性に応じて、振動、音、又は、振動及び音の双方を生成する。
【0042】
(遊び方)
この動作玩具100は手に持った状態で使用される。
先ず、摘まみ13eにより電源スイッチSW2を操作して電源をONにする。
次に、動作玩具100の頭部に遊戯者が自分の頭を当てる。これにより、操作子11dが操作されスイッチSW1が入る。
すると、プログラムに従って処理制御部90から振動データに基づく信号がスピーカ駆動部94に送られ、スピーカ12dのコーンが振動し、その振動がベース板12bに伝えられ、ロッド12kが振動する。また、これと同時にLED12mが点灯する。
そして、ロッド12kの振動が生じると、回転動作体12cを静止させていた力の平衡が崩れ、回転動作体12cが揺動しながら回転する。この回転は所定時間継続し、停止する。この停止後、暫くした後に、LED12mが消灯する。
遊戯者は、回転動作体12cが停止した状態の星の数で運勢などを占う。
なお、処理制御部90からの信号によって回転動作体12cを振動させながら回転させるようにしたが、これと同時に、スピーカ12dから効果音を出力させるようにしてもよい。また、スピーカ12dの振動によって回転動作体90を動作させずに音だけを出力させるようにしてもよい。
【0043】
図15~
図17は、左右のロッド12kの振動の大きさを説明するための図である。ここで、同図においてAは左側のロッド12kの頂点、Bは右側のロッド12kの頂点、Cは重さを受け止める面を指すものとする。
図15に示すように、動作玩具100の左側だけ持った場合には、CAの距離よりもCBの距離の方が長いため、左のロッド12kの振動よりも右のロッド12kの振動が大きくなる。一方、
図16に示すように、動作玩具100の右側だけ持った場合には、CAの距離の方がCBの距離よりも長いため、右のロッド12kの振動よりも左のロッド12kの振動が大きくなる。
また、
図17に示すように、遊戯者が動作玩具100を左右均一に水平に支えることも考えられるが、左右均一に支えることは困難であり、通常は、左右のいずれかに偏った状態で動作玩具100が支えられることとなるため、左右のロッド12kの振動の大きさは互いに異なることになる。
その上、左右のロッド12kの初期の傾き方向や、遊んでいる最中において動作玩具100の傾きや持ち位置が変化するため、左右で異なる回転速度や回転具合、回転方向が生まれ、占いの結果にランダム性を持たせることができる。
【0044】
《変形例》
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0045】
例えば、上記実施形態では、回転動作体12cをロッドキャップ状乃至は釣鐘状に形成したが、その他の形状であってもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、回転動作体12cにおけるロッド12kが当接する凹面を半球状の凹面12rとしたが、回転動作体12cをロッド12kで支持でき、ロッド12kの振動を通じて、回転動作体12cが揺動しつつ回転できるものあるならば、他の形状の凹面であってもよい。例えば、凹面は、回転動作体12cの下面中央部に設けられ下方に向けて拡径する軸対称形の凹面であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、振動装置としてスピーカ12dを用いたが、モータ等の振動を利用して回転動作体12cを動作させるものであってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、筐体部11aに開口11bを設けて、開口11bを通して回転動作体12cを視認するようにしたが、筐体部11aを透明とし、筐体部11aの外側から視認できるようにしてもよい。さらには、回転動作体12cを覆う筐体部11aを設けずに置物等として用いてもよい。この場合には、遊戯者が、回転動作体12cを例えば形態が異なる他の回転動作体と交換するなどして楽しむこともできる。
【0049】
また、上記実施形態では、ロッド12kを2本設けたが1本或いは3本以上設けてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、フィルム12sの絵柄として、占いに使用される星の絵柄を表示したが、フィルム12sの絵柄は、これに限定されず、表情変化や絵柄が動くこと自体を楽しめるようなものであってもよい。
【0051】
また、上記実施形態のフィルム12sに代えてプラスチックシート、薄紙、又は部分的に光を通す孔の空いた厚紙であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 本体
11 上部構造体
11a 筐体部
11b 開口
11c 溝
11d 操作子
11e 軸
11f 挿通孔
12 中部構造体
12u ボス
12a 筐体部
12b ベース板
12c 回転動作体
12d スピーカ
12e 開口
12f 嵌合孔
12g 切欠き
12h 座部
12i 挿通孔
12j 挿通孔
12k ロッド
12l 丸孔
12m LED
12n テープ
12о 筒状部
12p 丸頭部
12q 穴
12r 凹面
12s フィルム
12t 円形凹部
13 下部構造体
13a 筐体部
13b 電池ボックス
13c 蓋
13g 凹部
90 処理制御部
91 記憶部
92 検出部
93 LED駆動部
94 スピーカ駆動部
100 動作玩具
SW1 スイッチ
SW2 電源スイッチ
【要約】
【課題】回転動作体が複雑に揺動しながら回転する動作玩具を提供すること。
【手段】ベース板12bと、ベース板12bに立設されたロッド12kと、前記ロッド12kに載置され、中央部分を前記ロッド12kに対して揺動且つ回転可能に支持された回転動作体12cと、前記ベース板12bを振動させる振動装置(12d)と、を備えている。このような構成とすることによって、回転動作体12cを複雑に揺動させながら回転させることができる。
【選択図】
図6