(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】換気療法用装置及び換気療法の方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/08 20060101AFI20240731BHJP
A61M 16/20 20060101ALI20240731BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
A61M16/08 330
A61M16/20 Z
F16L55/00 M
(21)【出願番号】P 2023203726
(22)【出願日】2023-12-01
(62)【分割の表示】P 2022540491の分割
【原出願日】2020-12-31
【審査請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】201911413191.3
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521286466
【氏名又は名称】北京怡和嘉▲業▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BMC MEDICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄 志
(72)【発明者】
【氏名】周 明▲チャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 二亮
【審査官】山田 裕介
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/08
A61M 16/20
F16L 55/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チューブ(31)と第2チューブ(32)を含むチューブアセンブリ(30)であって、
前記チューブアセンブリ(30)は、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)とが同軸に差し込まれた接続状態と、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)とが互いに分離した分離状態とを有し、前記第1チューブ(31)は、気体源に接続するための入口端と、前記第2チューブ(32)に接続するための出口端とを有し、
前記第1チューブ(31)は、前記接続状態では閉鎖することで、前記気体源からの気体が前記第2チューブ(32)に入ることを可能とし、前記分離状態では開放することで、前記気体源からの気体が前記排出孔(311)から外部へ排出されることを可能とするように構成された排出孔(311)を有し、
前記チューブアセンブリ(30)は、前記接続状態では前記第1チューブ(31)の出口端を開放することで、前記気体源からの気体が前記第2チューブ(32)に入ることを可能とし、前記分離状態では前記出口端を閉鎖することで、前記気体源からの気体が前記排出孔(311)から外部へ排出されることを可能とするように構成された弁構造をさらに含む、ことを特徴とするチューブアセンブリ(30)。
【請求項2】
前記排出孔(311)の孔面積が前記第1チューブ(31)の出口端の面積よりも小さい請求項1に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項3】
前記弁構造は、前記第1チューブ(31)内に回動可能に設けられる弁片(33)を含み、前記弁片(33)の回転軸線が前記第1チューブ(31)の軸方向に垂直であり、前記弁片(33)は、前記排出孔(311)を閉鎖するとともに前記第1チューブ(31)の出口端を開放する第1位置と、前記排出孔(311)を開放するとともに前記第1チューブ(31)の出口端を閉鎖する第2位置との間で回動可能である請求項1~2のいずれか1項に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項4】
前記弁片(33)は、前記第2位置では前記弁片(33)のエッジが前記第1チューブ(31)の内壁面に当接するように構成され、前記弁片(33)は前記出口端を完全に塞ぎ、前記排出孔(311)は前記第1チューブ(31)の管壁に開けられる請求項3に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項5】
前記弁片(33)は、前記第2位置では前記弁片(33)のエッジが前記第1チューブ(31)の内壁面に当接するように構成され、前記弁片(33)は前記出口端を完全に塞ぎ、前記排出孔(311)は前記弁片(33)に開けられる請求項3に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項6】
前記弁片(33)は、前記第2位置では前記弁片(33)のエッジと前記第1チューブ(31)の内壁面との間に隙間を有するように構成され、この隙間は前記排出孔(311)となる請求項3に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項7】
前記弁片(33)は前記第1チューブ(31)の管壁の一方側に接続され、前記排出孔(311)は前記第1チューブ(31)の管壁の対向側に開けられ、前記第2チューブ(32)は、前記第1チューブ(31)に挿入されると、前記弁片(33)を前記第1位置に押して、前記第1チューブ(31)の出口端を開放し、また、前記第2チューブ(32)の管壁により前記排出孔(311)が塞がれる請求項4に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項8】
前記弁構造は、前記第1チューブ(31)の軸方向に沿って移動可能に前記第1チューブ(31)内に設けられた弁芯(34)を含み、前記排出孔(311)は前記第1チューブ(31)の管壁に開けられ、前記第2チューブ(32)には気体流路(321)が開けられ、
前記チューブアセンブリ(30)は、前記接続状態では前記弁芯(34)が前記排出孔(311)の気体流動方向の上流に移動して、前記第2チューブ(32)のうち前記第1チューブ(31)に入り込んだ部分が前記弁芯(34)とともに前記弁構造を構成して、前記排出孔(311)を閉鎖し、前記第1チューブ(31)が前記気体流路(321)を介して前記第2チューブ(32)に連通し、前記気体流動方向が前記第1チューブ(31)から前記第2チューブ(32)への方向であり、
前記分離状態では、前記弁芯(34)が前記排出孔(311)の前記気体流動方向の下流に移動して、前記第1チューブ(31)の出口端を閉鎖するように構成されている請求項1~2のいずれか1項に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項9】
前記弁芯(34)は円筒状体又は球状体である請求項8に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項10】
前記弁芯(34)が、前記第2位置では前記出口端を塞ぎ、前記第1位置に移動したときに前記第1チューブ(31)の内壁面と隙間を形成するために、前記第1チューブ(31)は、変径構造として構成される請求項9に記載のチューブアセンブリ(30)請求項9に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項11】
前記弁芯(34)が前記第1位置では移動し続けるか又は反転することを回避するために、前記弁構造は、前記第1チューブ(31)内に設けられた弁芯規制部材(37)をさらに含む請求項10に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項12】
前記弁芯規制部材(37)は前記第1チューブ(31)の内壁に設けられる環状ボスであり、前記弁芯(34)が前記第1位置にある場合、前記弁芯(34)は前記環状ボスに当接して、前記弁芯(34)が前記第1位置では移動し続けるか又は反転することを回避する請求項11に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項13】
前記弁構造は、前記第1チューブ(31)内に設けられた弁芯規制部材(37)をさらに含み、前記弁芯規制部材(37)は前記第1チューブ(31)の内壁に設けられる環状ボスであり、前記弁芯(34)が前記第1位置にある場合、前記弁芯(34)と前記環状ボスのとの間に間隔を有し、この間隔は前記弁芯(34)の軸方向の長さ又は前記弁芯(34)の最大径よりも小さく、前記弁芯(34)が前記第1位置では反転することを回避する請求項10に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項14】
前記接続状態にある前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)が互いに分離することを防止するように、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)を接続する接続構造をさらに含む請求項1~13のいずれか1項に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項15】
前記接続構造は、係合スナップ(312)と係合溝(322)を含み、前記係合スナップ(312)は前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの一方に設けられ、前記係合溝(322)は前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの他方に設けられる請求項14に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項16】
前記接続構造はカラー(35)を含み、前記カラー(35)は前記第1チューブ(31)に回転可能に接続され、前記カラー(35)の内壁面には雌ネジが設けられ、前記第2チューブ(32)の外壁面には雄ネジが設けられ、前記カラー(35)を回動することにより、雌ネジと雄ネジが互いにロックされて、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)が接続される請求項14に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項17】
前記係合溝(322)は前記第2チューブ(32)の管壁に開けられたL字形溝であり、前記L字形溝は、軸方向部分と径方向部分を含み、前記係合スナップ(312)は、前記第1チューブ(31)の管壁に突設されたカラムであり、前記カラムは前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)が差し込まれる際に前記軸方向部分に入り、前記径方向部分まで移動して係合を実現する請求項15に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項18】
前記接続構造は、互いに適合する第1凸起部(314)と第2凸起部(324)を含み、前記第1凸起部(314)は前記第1チューブ(31)の内壁面又は外壁面に設けられ、前記第2凸起部(324)は前記第2チューブ(32)の外壁面又は内壁面に設けられ、前記第1凸起部(314)及び前記第2凸起部(324)は、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)が互いに相対回転することにより係合又は分離するように構成される請求項14に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項19】
前記接続構造は、極が反対な第1磁石と第2磁石を含み、前記第1磁石は前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの一方に設けられ、前記第2磁石は前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの他方に設けられ、前記第1チューブ(31)と前記第2チューブ(32)が差し込まれた後、前記第1磁石及び前記第2磁石による吸着作用によって接続が図られる請求項14に記載のチューブアセンブリ(30)。
【請求項20】
前記接続構造は、互いに適合する第1ネジ及び第2ネジを含み、前記第1ネジは前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの一方に設けられ、前記第2ネジは前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)のうちの他方に設けられ、前記第1チューブ(31)及び前記第2チューブ(32)は内壁面又は外壁面に設けられる前記第1ネジ及び前記第2ネジを介して互いに接続される請求項14に記載のチューブアセンブリ(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年12月31日に中国特許庁に提出された、出願番号が201911413191.3、名称が「換気療法用装置及び換気療法の方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は換気療法の技術分野に関し、具体的には、換気療法用装置及び換気療法の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の換気療法用装置は、通常、治療用気体を発生させる本体と、患者インターフェースデバイスと、本体と患者インターフェースデバイスを接続する換気管路とを含み、患者インターフェースデバイスは、通常、鼻マスク、口鼻マスク、鼻枕マスクやフルフェイスマスクなどのタイプの呼吸マスクを有する。呼吸マスクの代表的な構造にはフレーム、ライナー、湾曲管及びヘッドストラップが含まれ、ライナーはフレームに固定され、フレームとともに呼吸室を構成し、湾曲管の一端は換気管路に接続され、他端はフレームに接続されて、本体からの治療用気体を呼吸室に送り、ヘッドストラップは患者の頭部に着用されて呼吸マスクを患者の頭部に固定する。ライナーは、使用する際には、患者の顔部に接触し、顔部に密着し、患者の口及び/又は鼻は呼吸室内にある。
【0004】
しかしながら、上記の換気療法用装置では、以下の問題が存在する。夜間の治療中、睡眠状態にある患者のいくつかの無意識の動作(例えば寝返り、頭の回転)が換気療法の信頼性に影響を与え、また、患者が治療を中断する必要がある場合、本体を停止し、呼吸マスクを取り外したり換気管路を本体から分離したりしないと、装置から気体漏れによる大きな騒音が発生してベッドパートナーに迷惑をかけ、患者が治療を再開する必要がある場合、呼吸マスクを着用したり換気管路を本体に接続したりし、本体を起動させる必要がり、このプロセスは、操作が複雑であり、患者の治療の全体的な快適さに影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、上記問題を解決するために、換気療法用装置及び換気療法の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成させるために、本開示の一態様は、
第1チャンバーと、前記第1チャンバーに連通している給気口及び第1換気孔とを含み、前記給気口は、気体源からの気体が前記第1チャンバーに入るためのものであり、前記第1換気孔に前記第1換気孔を開閉する第1弁アセンブリが設けられる頭支えと、
呼吸室を有するボディと、前記ボディに接続されたヘッドストラップとを有し、前記ヘッドストラップが第2チャンバーと、前記第2チャンバーに連通している呼気口及び第2換気孔とを含み、前記呼気口が前記第2チャンバー及び前記呼吸室を連通し、前記第2換気孔に前記第2換気孔を開閉する第2弁アセンブリが設けられる患者インターフェースデバイスとを含み、
前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触すると、前記第1換気孔及び前記第2換気孔が開放し、前記第1チャンバーと前記第2チャンバーが連通し、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが分離すると、前記第1換気孔及び前記第2換気孔が閉鎖されるように構成された換気療法用装置を提供する。
【0007】
好ましくは、前記第1弁アセンブリは第1弁体を含み、前記第1弁体は前記第1換気孔に貫設され、前記第1換気孔に対して前記第1換気孔の軸方向に往復移動して、前記第1換気孔を開放する第1開位置と前記第1換気孔を閉鎖する第1閉位置との間で切り替わり、
前記第2弁アセンブリは第2弁体を含み、前記第2弁体は前記第2換気孔に貫設され、前記第2換気孔に対して前記第2換気孔の軸方向に往復移動して、前記第2換気孔を開放する第2開位置と前記第2換気孔を閉鎖する第2閉位置との間で切り替わり、
前記第1弁体と前記第2弁体が接触すると、前記第1弁体及び前記第2弁体はそれぞれ前記第1開位置及び前記第2開位置に移動し、前記第1弁体と前記第2弁体が分離すると、前記第1弁体及び前記第2弁体はそれぞれ前記第1閉位置及び前記第2閉位置に移動する。
【0008】
好ましくは、前記第1弁アセンブリは、前記第1弁体と前記第2弁体が接触すると、前記第1弁体を制御して前記第1開位置に移動させ、前記第1弁体と前記第2弁体が分離すると、前記第1弁体を制御して前記第1閉位置に移動させるように構成された第1電気駆動部材を含み、
前記第2弁アセンブリは、前記第2弁体と前記第1弁体が接触すると、前記第2弁体を制御して前記第2開位置に移動させ、前記第2弁体と前記第1弁体が分離すると、前記第2弁体を制御して前記第2閉位置に移動させるように構成された第2電気駆動部材を含む。
【0009】
好ましくは、前記第1弁アセンブリは、前記第1弁体が押圧力を受けると圧縮されて前記第1弁体が前記第1開位置に移動することを可能とし、前記第1弁体が前記押圧力を失うと回復して前記第1弁体を前記第1閉位置に移動させるように構成された第1弾性部材を含み、
前記第2弁アセンブリは、前記第2弁体が押圧力を受けると圧縮されて前記第2弁体が前記第2開位置に移動することを可能とし、前記第2弁体が前記押圧力を失うと回復して前記第2弁体を前記第2閉位置に移動させるように構成された第2弾性部材を含む。
【0010】
好ましくは、前記第1弁体は、第1貫設部と、それぞれ前記第1貫設部の両端に接続された第1遮蔽部及び第1止め部とを含み、前記第1貫設部は、前記第1換気孔との間に径方向隙間を形成するように前記第1換気孔に貫設され、前記第1遮蔽部及び前記第1止め部はそれぞれ前記第1換気孔の内側及び外側に位置し、前記第1遮蔽部は前記径方向隙間を遮蔽又は開放するものであり、前記第1弾性部材は前記第1貫設部に套設される圧縮バネであり、前記第1弾性部材は前記第1止め部と前記第1換気孔の周縁部の間に接続され、
前記第2弁体は、第2貫設部と、それぞれ前記第2貫設部の両端に接続された第2遮蔽部及び第2止め部とを含み、前記第2貫設部は、前記第2換気孔との間に径方向隙間を形成するように前記第2換気孔に貫設され、前記第2遮蔽部及び前記第2止め部はそれぞれ前記第2換気孔の内側及び外側に位置し、前記第2遮蔽部は前記径方向隙間を遮蔽又は開放するものであり、前記第2弾性部材は前記第2貫設部に套設される圧縮バネであり、前記第2弾性部材は前記第2止め部と前記第2換気孔の周縁部の間に接続される。
【0011】
好ましくは、前記換気療法用装置は、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリを案内して接触させる案内構造を含み、及び/又は
前記換気療法用装置は、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触する時、前記第1換気孔と前記第2換気孔との連通をシールするシール部材を含む。
【0012】
好ましくは、前記案内構造は、前記第1換気孔の周辺に設けられた第1磁石と、前記第2換気孔の周辺に設けられた第2磁石とを含み、前記第1磁石及び前記第2磁石は、磁極が反対し、かつ対応して設けられる。
【0013】
好ましくは、前記頭支えに凸起部が設けられ、前記凸起部の頂部に溝が設けられ、前記第1換気孔は前記溝に設けられ、前記第1磁石は前記溝の開口の周方向に延設され、前記第2磁石は前記第2換気孔の外周に延設され、前記溝の開口は、前記第1磁石及び前記第2磁石による吸着作用により前記ヘッドストラップに対してシール可能であり、又は
前記ヘッドストラップに凸起部が設けられ、前記凸起部の頂部に溝が設けられ、前記第2換気孔は前記溝に設けられ、前記第2磁石は前記溝の開口の周方向に延設され、前記第1磁石は前記第1換気孔の外周に延設され、前記溝の開口は、前記第1磁石及び前記第2磁石による吸着作用により前記頭支えに対してシール可能である。
【0014】
好ましくは、前記案内構造は、互いに適合する凸起部と凹陥部を含み、前記凸起部は前記頭支え及び前記ヘッドストラップのうちの一方に設けられ、前記凹陥部は前記頭支え及び前記ヘッドストラップのうちの他方に設けられ、前記第1換気孔は前記凸起部及び前記凹陥部のうちの一方に設けられ、前記第2換気孔は前記凸起部及び前記凹陥部のうちの他方に設けられる。
【0015】
好ましくは、前記シール部材は、前記凸起部外又は前記凹陥部内に套設されて、前記凸起部が前記凹陥部に嵌設されたときに前記凸起部と前記凹陥部との間の径方向隙間をシールするシールリングである。
【0016】
好ましくは、前記頭支えには複数の前記第1換気孔が設けられ、前記ヘッドストラップには複数の前記第2換気孔が設けられ、前記ヘッドストラップと前記頭支えが接触すると、前記第2換気孔の一部が、前記第1換気孔の一部に選択的に1対1で対応して連通し、及び/又は
前記換気療法用装置は、前記ボディに接続されて前記呼吸室と前記気体源を連通させるチューブアセンブリを含む。
【0017】
好ましくは、前記チューブアセンブリは、第1チューブと第2チューブを含み、前記チューブアセンブリは、前記第1チューブと前記第2チューブとが同軸に差し込まれた接続状態と、前記第1チューブと前記第2チューブとが互いに分離した分離状態とを有し、前記第1チューブは、前記気体源に接続するための入口端と、前記第2チューブに接続するための出口端とを有し、
前記第1チューブは、前記接続状態では閉鎖することで、前記気体源からの気体が前記第2チューブに入ることを可能とし、前記分離状態では開放することで、前記気体源からの気体が前記排出孔から外部へ排出されることを可能とするように構成された排出孔を有し、
前記チューブアセンブリは、前記接続状態では前記第1チューブの前記出口端を開放することで、前記気体源からの気体が前記第2チューブに入ることを可能とし、前記分離状態では前記出口端を閉鎖することで、前記気体源からの気体が前記排出孔から外部へ排出されることを可能とするように構成された弁構造を含む。
【0018】
本開示の別の態様は、
前記換気療法用装置を制御する制御方法であって、前記換気療法用装置は、前記気体源として機能する本体をさらに含み、
前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触すると、第1信号を生成し、前記第1信号に基づいて前記本体を制御して起動させるか、又は換気量を増大させるステップ、及び/又は
前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが分離すると、第2信号を生成し、前記第2信号に基づいて前記本体を制御して停止させるか、又は換気量を減少させるステップを含む、制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
上記技術的解決手段によれば、本開示の換気療法用装置が使用される際に、ヘッドストラップと頭支えが接触すると、第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが接触し、第1換気孔及び第2換気孔が開放し、第1チャンバーと第2チャンバーが連通し、これにより、気体源から第1チャンバーに入った気体が第2チャンバーに入り、患者インターフェースデバイスの呼吸室に入って患者により吸入され、ヘッドストラップと頭支えが分離すると、第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが分離し、第1換気孔及び第2換気孔が閉鎖され、これにより、第1チャンバー及び第2チャンバー内の気体がそれぞれ第1換気孔及び第2換気孔を通って流出することを阻止する。これにより、治療を中断する場合に本体、患者インターフェースデバイス及び換気管路への操作を省略し、いつでも使用・停止が可能になり、操作や使用が容易であり、しかも、換気療法の信頼性及び治療中の患者の快適性も向上する。
【0020】
本開示の他の特徴及び利点は、下記の発明を実施するための形態の部分において詳細に説明される。
【0021】
上記説明は、本開示の技術的解決手段の概要に過ぎず、明細書の内容に従って実施できるように本開示の技術手段をより明確に理解し、また、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点をより理解しやすくするために、以下、特に本開示の特定の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図面は本開示をさらに理解するために提供されるものであり、明細書の一部となり、以下の発明を実施するための形態とともに本開示を解釈するが、本開示を限定するものではない。
【0023】
【
図1】本開示におけるヘッドストラップと頭支えが分離状態にある換気療法用装置の一実施形態の概略図である。
【
図2】本開示における第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが分離すると第1換気孔及び第2換気孔が閉鎖された一実施形態の概略図である。
【
図3】
図2における第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが接触すると第1換気孔及び第2換気孔が開放した場合の概略図である。
【
図4】本開示における第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが分離すると第1換気孔及び第2換気孔が閉鎖された別の実施形態の概略図である。
【
図5】
図4における第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが接触すると第1換気孔及び第2換気孔が開放した場合の概略図である。
【
図6】本開示における第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが分離すると第1換気孔及び第2換気孔が閉鎖されたさらなる実施形態の概略図である。
【
図7】
図1における患者インターフェースデバイスのボディの接続チューブアセンブリの概略図である。
【
図8】本開示における患者インターフェースデバイスの別の実施形態の概略図である。
【
図9】本開示における患者インターフェースデバイスのさらなる実施形態の概略図である。
【
図10】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第1実施形態の断面図である。
【
図11】
図10におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の概略図である。
【
図12】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第2実施形態の断面図である。
【
図13】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第3実施形態の断面図である。
【
図14】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第4実施形態の断面図である。
【
図16】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第5実施形態の構造概略図である。
【
図18】
図17におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の概略図である。
【
図19】本開示における分離状態にあるチューブアセンブリの第6実施形態の断面図である。
【
図20】
図19におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の概略図である。
【
図21】
図18におけるチューブアセンブリに弁芯規制部材が設けられた場合の概略図である。
【
図22】
図18におけるチューブアセンブリに異なる構造の弁芯が設けられた場合の概略図である。
【
図23】本開示における第1実施形態の接続構造が分離状態にあるチューブアセンブリに設けられた場合の概略図である。
【
図24】
図23におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の断面図である。
【
図25】本開示における第2実施形態の接続構造が分離状態にあるチューブアセンブリに設置された場合の概略図である。
【
図26】
図25におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の断面図である。
【
図27】本開示における第3実施形態の接続構造が分離状態にあるチューブアセンブリに設けられた概略図であり、第1チューブ外にはカラーが套設されている。
【
図29】
図28におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の概略図である。
【
図30】本開示における第4実施形態の接続構造が接続状態にあるチューブアセンブリに設けられた場合の断面図である。
【
図31】本開示における第5実施形態の接続構造が分離状態にあるチューブアセンブリに設けられた場合の概略図である。
【
図33】
図31におけるチューブアセンブリが接続状態にある場合の断面図である。
【
図34】本開示における第6実施形態の接続構造の第1凸起部が第1チューブに設けられた場合の概略図である。
【
図35】本開示における第6実施形態の接続構造の第2凸起部が第2チューブに設けられた場合の概略図である。
【
図36】
図34における第1チューブと
図35における第2チューブが接続された場合の断面図であり、第2チューブの第1チューブから離れた一端に湾曲管が接続されている。
【
図37】本開示におけるチューブアセンブリと呼吸マスク及び換気管路との組み立ての概略図である。
【
図38】
図37におけるチューブアセンブリが呼吸マスク及び換気管路に接続された場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本開示の特定実施形態を詳細に説明する。なお、ここで説明する特定実施形態は本開示を説明、解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0025】
本開示では、反対の説明がない限り、使用される方位語、例えば「上、下、頂、底」は、通常、
図2に示す方位を参照するものである。「内、外」は、各部品自体の輪郭に対する内、外である。
【0026】
本開示の一態様では、
第1チャンバー11と、第1チャンバー11に連通している給気口及び第1換気孔12とを含み、前記給気口が、気体源からの気体が第1チャンバー11に入るためのものであり、第1換気孔12に第1換気孔12を開閉する第1弁アセンブリが設けられる頭支え10と、
呼吸室を有するボディ21と、ボディ21に接続されたヘッドストラップ22とを有し、ヘッドストラップ22が、第2チャンバー221と、第2チャンバー221に連通している呼気口及び第2換気孔222とを含み、前記呼気口が第2チャンバー221及び前記呼吸室を連通し、第2換気孔222に第2換気孔222を開閉する第2弁アセンブリが設けられる患者インターフェースデバイス20とを含む、換気療法用装置を提供する。
【0027】
前記換気療法用装置は、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触すると、第1換気孔12及び第2換気孔222が開放し、第1チャンバー11と第2チャンバー221が連通し、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが分離すると、第1換気孔12及び第2換気孔222が閉鎖されるように構成される。
【0028】
上記技術的解決手段によれば、本開示の換気療法用装置が使用される際に、ヘッドストラップ22と頭支え10が接触すると、第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが接触し、第1換気孔12及び第2換気孔222が開放し、第1チャンバー11と第2チャンバー221が連通し、これにより、気体源から第1チャンバー11に入った気体が第2チャンバー221に入り、患者インターフェースデバイス20の呼吸室に入って患者により吸入され、ヘッドストラップ22と頭支え10が分離すると、第1弁アセンブリと第2弁アセンブリが分離し、第1換気孔12及び第2換気孔222が閉鎖され、これにより、第1チャンバー11及び第2チャンバー221内の気体がそれぞれ第1換気孔12及び第2換気孔222を通って流出することを阻止する。これにより、治療を中断する場合に本体、患者インターフェースデバイス及び換気管路への操作を省略し、いつでも使用・停止が可能になり、操作や使用が容易であり、しかも、換気療法の信頼性及び治療中の患者の快適性も向上する。
【0029】
以上では、第1弁アセンブリ及び第2弁アセンブリは、換気孔開閉機能を達成させ得る任意の構造であってもよい。
【0030】
本開示の一実施形態によれば、前記第1弁アセンブリは第1弁体13を含んでもよく、第1弁体13は第1換気孔12に貫設され、第1換気孔12に対して第1換気孔12の軸方向に往復移動して、第1換気孔12を開放する第1開位置と第1換気孔12を閉鎖する第1閉位置との間で切り替わり、前記第2弁アセンブリは第2弁体23を含んでもよく、第2弁体23は第2換気孔222に貫設され、第2換気孔222に対して第2換気孔222の軸方向に往復移動して、第2換気孔222を開放する第2開位置と第2換気孔222を閉鎖する第2閉位置との間で切り替わる。第1弁体13と第2弁体23が接触すると、第1弁体13及び第2弁体23はそれぞれ前記第1開位置及び前記第2開位置に移動し、第1弁体13及び第2弁体23が分離すると、第1弁体13及び第2弁体23はそれぞれ前記第1閉位置及び前記第2閉位置に移動する。
【0031】
以上では、第1弁体13及び第2弁体23は、押圧力駆動、電気駆動又は他の任意の適切な方式によって移動してもよい。
【0032】
具体的には、本開示の一実施形態によれば、前記第1弁アセンブリは、第1弁体13と第2弁体23が接触すると、第1弁体13を制御して前記第1開位置に移動させ、第1弁体13と第2弁体23が分離すると、第1弁体13を制御して前記第1閉位置に移動させるように構成された第1電気駆動部材を含んでもよく、前記第2弁アセンブリは、第2弁体23と第1弁体13が接触すると、第2弁体23を制御して前記第2開位置に移動させ、第2弁体23と第1弁体13が分離すると、第2弁体23を制御して前記第2閉位置に移動させるように構成された第2電気駆動部材を含んでもよい。つまり、本実施形態では、第1弁体13及び第2弁体23は電気駆動によって移動し、第1弁体13及び第2弁体23は電動弁であってもよい。
【0033】
本開示の別の実施形態によれば、頭支え10とヘッドストラップ22が接触すると(例えば患者の頭部の重量による作用の下)互いに押し合い、第1弁体13及び第2弁体23は押し合いによる作用を受けて移動する。つまり、本実施形態では、第1弁体13及び第2弁体23は押圧力によって駆動される。ここで、前記第1弁アセンブリは、第1弁体13が押圧力を受けると圧縮されて第1弁体13が前記第1開位置に移動することを可能とし、第1弁体13が前記押圧力を失うと回復して第1弁体13を前記第1閉位置に移動させるように構成された第1弾性部材14を含んでもよく、前記第2弁アセンブリは、第2弁体23が押圧力を受けると圧縮されて第2弁体23が前記第2開位置に移動することを可能とし、第2弁体23が前記押圧力を失うと回復して第2弁体23を前記第2閉位置に移動させるように構成された第2弾性部材24を含んでもよい。
【0034】
本開示では、第1弁体13及び第2弁体23は任意の適切な構造を有してもよい。本開示の一実施形態によれば、
図2~
図5に示すように、第1弁体13は、第1貫設部131と、それぞれ第1貫設部131の両端に接続された第1遮蔽部132及び第1止め部133とを含み、第1貫設部131は、第1換気孔12との間に径方向隙間を形成するように第1換気孔12に貫設され、第1遮蔽部132及び第1止め部133はそれぞれ第1換気孔12の内側及び外側に位置し、第1遮蔽部132は前記径方向隙間を遮蔽又は開放するものであり、第1止め部133は第1弁体13が第1換気孔12から抜けることを防止し、第2弁体23は、第2貫設部231と、それぞれ第2貫設部231の両端に接続された第2遮蔽部232及び第2止め部233とを含み、第2貫設部231は第2換気孔222との間に径方向隙間を形成するように第2換気孔222に貫設され、第2遮蔽部232及び第2止め部233はそれぞれ第2換気孔222の内側及び外側に位置し、第2遮蔽部232は前記径方向隙間を遮蔽又は開放するものであり、第2止め部233は第2弁体23が第2換気孔222から抜けることを防止する。
【0035】
上記実施形態では、第1弾性部材14は第1貫設部131に套設される圧縮バネであってもよく、第1弾性部材14は第1止め部133と第1換気孔12の周縁部との間に接続されてもよく、第1弾性部材14は、一端が第1貫設部131に接続され、他端が第1換気孔12の周縁部に接続されるように構成されてもよく(
図2を参照)、このような場合、第1弁体13は第1貫設部131と第1遮蔽部132だけを含んでもよく(
図6を参照)、第2弾性部材24は第2貫設部231に套設される圧縮バネであってもよく、第2弾性部材24は第2止め部233と第2換気孔222の周縁部との間に接続されてもよく、第2弾性部材24は、一端が第2貫設部231に接続され、他端が第2換気孔222の周縁部に接続されるように構成されてもよく(
図2を参照)、このような場合、第2弁体23は第2貫設部231と第2遮蔽部232だけを含んでもよい(
図6を参照)。
【0036】
使用に際して、第1弁体13と第2弁体23が接触して押し合うと、
図3に示すように、第1弁体13は上向きの力を受けて第1換気孔12に対して上方へ移動し、これにより、第1遮蔽部132は第1換気孔12から離れて、第1貫設部131と第1換気孔12との間の径方向隙間を開放し、第1弾性部材14はさらに圧縮され、第2弁体23は下向きの力を受けて第2換気孔222に対して下方へ移動し、これにより、第2遮蔽部232は第2換気孔222から離れて、第2貫設部231と第2換気孔222との間の径方向隙間を開放し、第2弾性部材24はさらに圧縮され、このとき、
図3の矢印で示されるように、第1チャンバー11内の気体が、2つの径方向隙間に沿って第2チャンバー221に入る。もちろん、第2チャンバー221内の気体が、2つの径方向隙間に沿って第1チャンバー11に入ってもよい。第1弁体13と第2弁体23が互いに分離すると、
図2に示すように、第1弁体13は、第1弾性部材14による回復作用の下で第1換気孔12に対して下方へ移動し、これにより、第1遮蔽部132は第1換気孔12に接近して第1貫設部131と第1換気孔12との間の径方向隙間を遮蔽し、第2弁体23は、第2弾性部材24の回復作用の下で第2換気孔222に対して上方へ移動し、これにより、第2遮蔽部232は第2換気孔222に接近して第2貫設部231と第2換気孔222との間の径方向隙間を遮蔽する。
【0037】
本開示では、前記換気療法用装置は、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリを案内して接触させる案内構造をさらに含んでもよい。
【0038】
本開示における案内構造の一実施形態によれば、前記案内構造は、第1換気孔12の周辺に設けられた第1磁石15と、第2換気孔222の周辺に設けられた第2磁石25とを含んでもよく、第1磁石15及び第2磁石25は、磁極が反対し、かつ対応して設けられる。頭支え10とヘッドストラップ22が接触すると、第1磁石15と第2磁石25が吸着して、第1弁アセンブリと第2弁アセンブリを合わせて接触させる。また、吸着した第1磁石15と第2磁石25は、第1換気孔12と第2換気孔222との連通をシールしてもよい。なお、第1磁石15は第1換気孔12の周辺の内側又は外側に設けられてもよいし、第2磁石25は第2換気孔222の周辺の内側又は外側に設けられてもよい。好ましくは、
図2に示すように、第1磁石15は第1換気孔12の周辺の内側に設けられ、第2磁石25は第2換気孔222の周辺の内側に設けられ、このようにして、頭支え10及びヘッドストラップ22が長期間にわたって使用されて摩擦されることにより第1磁石15及び第2磁石25が壊れたり離脱したりすることを防止することができる。
【0039】
さらに、
図2及び
図3に示すように、ヘッドストラップ22に凸起部223が設けられ、凸起部223の頂部に溝224が設けられ、第2換気孔222は溝224に設けられ、第2磁石25は溝224の開口の周方向に延設され、第1磁石15は第1換気孔12の外周に延設され、溝224の開口は、第1磁石15及び第2磁石25による吸着作用により頭支え10に対してシール可能である。上記した構成により、第1換気孔12と第2換気孔222との連通に対するシール性がさらに向上する。また、理解できるものとして、他の実施形態では、凸起部223は頭支え10に設けられてもよく、このような場合、第1磁石15は溝224の開口の周方向に延設され、第2磁石25は第2換気孔222の外周に延設され、溝224の開口は、第1磁石15及び第2磁石25による吸着作用によりヘッドストラップ22に対してシール可能である。
【0040】
上記実施形態では、前記第1電気駆動部材及び前記第2電気駆動部材は、第1磁石15と第2磁石25が吸着すると第1弁体13及び第2弁体23を制御して開位置に移動させ、第1磁石15と第2磁石25が分離すると第1弁体13及び第2弁体23を制御して閉位置に制御させるように構成されてもよい。
【0041】
本開示における案内構造の別の実施形態によれば、
図4及び
図5に示すように、前記案内構造は、互いに適合する凸起部223と凹陥部16を含んでもよく、凸起部223は頭支え10及びヘッドストラップ22のうちの一方に設けられ、凹陥部16は頭支え10及びヘッドストラップ22のうちの他方に設けられ、第1換気孔12は凸起部223及び凹陥部16のうちの一方に設けられ、第2換気孔222は凸起部223及び凹陥部16のうちの他方に設けられる。なお、凸起部223の頂部に溝224が設けられてもよく、第1換気孔12又は第2換気孔222は溝224に設けられる。頭支え10とヘッドストラップ22が接触すると、凸起部223は凹陥部16に嵌入されて第1弁アセンブリと第2弁アセンブリを合わせて接触させてもよい。また、互いに嵌設された凸起部223及び凹陥部16は第1換気孔12と第2換気孔222との連通に対するシール性をさらに向上できる。もちろん、凸起部223及び凹陥部16には、それぞれ第1磁石15及び第2磁石25が設けられてもよい。
【0042】
本開示では、第1換気孔12と第2換気孔222との連通に対するシール性を確保するために、前記換気療法用装置は、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触する時、第1換気孔12と第2換気孔222との連通をシールするシール部材を含んでもよい。具体的には、
図1及び
図2に示す実施形態では、前記シール部材は、第1磁石15と第2磁石25から構成されてもよく、凸起部223外に套設されかつ凸起部223の上端面を越えて延在するシールリングから構成されてもよく、前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触する時、シールリングは第1換気孔12の周辺に接触して押されてシールを行ってもよく、
図3及び
図4に示す実施形態では、前記シール部材は、凸起部223外又は凹陥部16内に套設されて、凸起部223が凹陥部16に嵌設されたときに凸起部223と凹陥部16との間の径方向隙間をシールするシールリング17であってもよい。ここで、シールリング17はシリコーン部材としてもよく、凸起部223が凹陥部16に嵌設されたときに、シールリング17は適切に押されてシール機能を発揮する。また、
図4及び
図5に示すシールリング構造では、シールリング17は凸起部223を案内して凹陥部16に嵌設させる役割もある。
【0043】
上記実施形態では、第1弁体13及び第2弁体23の移動に対する電気駆動方式は、凸起部223が凹陥部16に嵌入されると通電回路が形成するか、接触スイッチがトリガーされ、第1弁体13及び第2弁体23が制御されて開位置に移動され、凸起部223と凹陥部16が分離すると通電回路が切るか、又は接触スイッチがトリガーされ、第1弁体13及び第2弁体23が制御されて閉位置に移動されることであってもよい。
【0044】
本開示では、頭支え10には複数の第1換気孔12が設けられてもよく、ヘッドストラップ22には複数の第2換気孔222が設けられてもよく、ヘッドストラップ22と頭支え10が接触すると、第2換気孔222の一部が、第1換気孔12の一部に選択的に1対1で対応して連通することができる。つまり、頭支え10とヘッドストラップ22が部分的に接触するか、完全に接触するかにかかわらず、両方が接触している限り、対応する接触部分にある第1換気孔12及び第2換気孔222は互いに連通して、頭支え10内の気体がヘッドストラップ22に入り、接触していない領域にある第1換気孔12及び第2換気孔222は閉鎖され、空気が漏れることはない。よって、本開示の換気療法用装置は、夜間の治療中、患者が寝返りを打ったり、頭部を回転させたり、他の動作を行ったりしても、ヘッドストラップ22が頭支え10に接触している限り換気療法を行うことができ、これにより、換気療法の信頼性が効果的に確保され、換気療法用装置の使用の柔軟性が向上する。
【0045】
本開示では、患者インターフェースデバイス20は鼻マスク、口鼻マスク、鼻枕マスクやフェイスマスクなどのタイプの呼吸マスクであってもよい。例えば
図1及び
図8~
図9に示すように、患者インターフェースデバイス20のボディ21は、フレーム211とライナー212を含んでもよく、ライナー212はフレーム211に取り付けられ、フレーム211とともに呼吸室を画定し、ヘッドストラップ22はフレーム211に接続される。ここで、ヘッドストラップ22は、ヘッドストラップボディと、ヘッドストラップボディをフレーム211に接続する接続バンドとを含み、ヘッドストラップボディは患者の後頭部及び両側を覆い、第2チャンバー221はヘッドストラップボディにより画定され、接続バンド内には第2チャンバー221と呼吸室を連通するための連通キャビティが形成されている。
図7に示すように、フレーム211には、接続バンドが接続されかつ呼吸室及び連通キャビティを連通する接続口214が設けられる。
【0046】
さらに、前記接続バンドは、上側バンド225と下側バンド226を含んでもよく、上側バンド225及び下側バンド226はいずれもフレーム211に接続されてもよく(
図8を参照)、上側バンド225及び下側バンド226のうち少なくとも一方は前記連通キャビティを有する。
【0047】
また、
図1に示す実施形態では、ボディ21はフレーム211に接続された前額部ホルダ213をさらに含んでもよく、上側バンド225は前額部ホルダ213に接続され、下側バンド226はフレーム211に接続される。このような場合、上側バンド225に前記連通キャビティを設けることが望まれる場合、前額部ホルダ213は前記連通キャビティと前記呼吸室を連通させる中空構造としてもよい。
【0048】
本開示では、頭支え10とヘッドストラップ22が押しつぶされて換気できないことを回避するために、頭支え10及びヘッドストラップ22内にハニカム構造や他の支持構造が設けられてもよい。このように、頭部の快適さ向上にも有利である。
【0049】
本開示では、
図1に示すように、前記換気療法用装置は、前記気体源として機能する本体40と、本体40と頭支え10を連通させる換気管路50とをさらに含んでもよい。
【0050】
また、
図7に示すように、前記換気療法用装置は、ボディ21に接続されて前記呼吸室と前記気体源を連通させるチューブアセンブリ30をさらに含んでもよい。具体的には、チューブアセンブリ30の一端はフレーム211に接続され、他端は換気管路50に接続されてもよい。このような場合、前記換気療法用装置は、頭支え10とヘッドストラップ22を介して換気する方式と、チューブアセンブリ30を介して換気する方式との2つの方式を取られる。使用に際して、実際の状況に応じて適切な換気方式を決定してもよい。なお、頭支え10とヘッドストラップ22を用いて換気する場合、チューブアセンブリ30と換気管路50を切断し、チューブアセンブリ30をプラグで塞いでもよい。もちろん、チューブアセンブリ30をフレーム211から取り外し、フレーム211のうちチューブアセンブリ30に接続する開口をプラグで塞いでもよい。チューブアセンブリ30を介して換気する場合、チューブアセンブリ30及び換気管路50のうちの一方に第1弁アセンブリを設け、チューブアセンブリ30及び換気管路50のうちの他方に第2弁アセンブリを設けてもよい。使用に際して、チューブアセンブリ30と換気管路50が接続されると、第1換気孔12及び第2換気孔222は開放し、チューブアセンブリ30と換気管路50が切断されると、第1換気孔12及び第2換気孔222は閉鎖される。
【0051】
従来の換気療法用装置を使用する場合、患者が治療を中断するために直接呼吸マスクと換気管路を分離したときに、本体が作動状態のままであるため、換気管路のポートで気体漏洩による騒音が大きく、しかも、過大の気体漏洩量により装置が警報を出すこともある。上記した問題を解決するために、本開示は新しいチューブアセンブリ30を提供し、チューブアセンブリ30は、第1チューブ31と第2チューブ32を含んでもよく、チューブアセンブリ30は、第1チューブ31と第2チューブ32が同軸に差し込まれた接続状態と、第1チューブ31と第2チューブ32とが互いに分離した分離状態とを有し、第1チューブ31は、気体源に接続するための入口端と、第2チューブ32に接続するための出口端とを有し、第1チューブ31は、前記接続状態では閉鎖することで、気体源からの気体が第2チューブ32に入ることを可能とし、前記分離状態では開放することで、気体源からの気体が排出孔311から外部へ排出されることを可能とするように構成された排出孔311を有し、チューブアセンブリ30は、前記接続状態では第1チューブ31の出口端を開放することで、気体源からの気体が第2チューブ32に入ることを可能とし、前記分離状態では前記出口端を閉鎖することで、気体源からの気体が排出孔311から外部へ排出されることを可能とするように構成された弁構造をさらに含む。
【0052】
以上では、なお、排出孔311の孔面積が第1チューブ31の出口端の面積よりも小さく、つまり、排出孔311の換気量が出口端の換気量よりも小さい。使用に際して、排出孔311の孔径及び数を設計することにより、排出孔311から排出される気体の流量を制御することができ、このようにして、第1チューブ31と第2チューブ32が互いに分離すると、気体は第1チューブ31の出口端から流出できず、排出孔311を介して所望のより低い流量でのみ流出することができる。
【0053】
使用に際して、患者が治療を中断することを望む場合(例えばトイレに行く場合)、第1チューブ31と第2チューブ32を分離すればよく、このとき、第1チューブ31の出口端は閉鎖され、排出孔311は開放し、第1チューブ31は制御可能な流量で気体を排出し、換気療法用装置は正常に作動することができ、気体漏洩や管路の抜けにより警報を出すことはなく、このため、ベッドパートナーに迷惑をかけることはない。また、前記換気療法用装置はいつでも使用・停止可能であり、患者の他の活動に影響を及ぼすことがなく、操作や使用が簡単であり、安全性や衛生性に優れる。
【0054】
本開示のチューブアセンブリ30として上記技術的解決手段が使用されることによって、第1チューブ31と第2チューブ32が差し込まれると、弁構造は第1チューブ31の出口端を開放することで、気体が第1チューブ31から第2チューブ32に流れることを可能とし、また、排出孔311は閉鎖されることで気体が排出孔311から流出することを阻止し、これにより、気体は第1チューブ31から第2チューブ32に流れるしかできず、第1チューブ31と第2チューブ32が互いに分離すると、弁構造は第1チューブ31の出口端を閉鎖することで、気体が出口端を通って流出することを阻止し、また、排出孔311は開放することで気体が排出孔311から低流量で外部へ排出されるようにする。これによって、本開示のチューブアセンブリは、気体が効果的に流動することを確保するとともに、第1チューブ31と第2チューブ32が互いに分離すると気体が低流量で外部へ排出されるようにし、このように、気体漏洩による騒音の発生を回避する。
【0055】
本開示における弁構造の一実施形態によれば、前記弁構造は、第1チューブ31内に回動可能に設けられる弁片33を含み、弁片33の回転軸線が第1チューブ31の軸方向に垂直であり、弁片33は、排出孔311を閉鎖するとともに第1チューブ31の出口端を開放する第1位置(
図11を参照)と、排出孔311を開放するとともに第1チューブ31の出口端を閉鎖する第2位置(
図10を参照)との間で回動可能である。このような場合、弁片33は、以下の2種の配置形態をとってもよく、1つの形態では、弁片33は、前記第2位置では弁片33のエッジが第1チューブ31の内壁面に当接し、つまり、弁片33は前記出口端を完全に塞ぐように構成され、このとき、排出孔311は第1チューブ31の管壁に開けられてもよいし(
図10及び
図11参を照)、弁片33に開けられてもよく(
図12を参照)、もう1つの形態では、弁片33は、前記第2位置では弁片33のエッジと第1チューブ31の内壁面との間に隙間を有するように構成され、この隙間は排出孔311となる(
図14及び
図15を参照)。
【0056】
つまり、上記形態では、排出孔311の開閉及び第1チューブ31の出口端の開閉は全て弁片33によって行われる。もちろん、第1チューブ31の管壁での排出孔311の位置によって、弁片33は第2チューブ32と嵌合して前記弁構造の機能を発揮してもよい。
図13に示すように、弁片33は第1チューブ31の管壁の頂部に接続され、排出孔311は第1チューブ31の管壁の底部に開けられ、このような場合、第2チューブ32は、第1チューブ31に挿入されると、弁片33を前記第1位置に押して、第1チューブ31の出口端を開放し、また、第2チューブ32の管壁により排出孔311が塞がれる。なお、第2チューブ32が第1チューブ31に挿入されると、第2チューブ32の外壁面は弁片33の側面、第1チューブ31の内壁面に密着して、気体漏洩を防止する。
【0057】
本開示における弁構造の別の実施形態によれば、
図16~
図20に示すように、前記弁構造は、第1チューブ31の軸方向に沿って移動可能に第1チューブ31内に設けられた弁芯34を含み、排出孔311は第1チューブ31の管壁に開けられ、第2チューブ32には気体流路321が開けられ、チューブアセンブリ30は、前記接続状態では弁芯34が排出孔311の気体流動方向(即ち第1チューブ31から第2チューブ32への方向)の上流に移動して、第2チューブ32のうち第1チューブ31に入り込んだ部分が弁芯34とともに前記弁構造を構成して、排出孔311を閉鎖し、第1チューブ31が気体流路321を介して第2チューブ32に連通し(
図18及び
図20を参照)、前記分離状態では、弁芯34が排出孔311の気体流動方向の下流に移動して、第1チューブ31の出口端を閉鎖する(
図17及び
図19を参照)ように構成されている。
【0058】
以上では、弁芯34は、第1チューブ31内を移動し第1チューブ31の出口端を塞げる任意の部品であってもよく、例えば、弁芯34は円筒状体又は球状体であってもよい。使用に際して、例えば
図17及び
図18に示すように、第2チューブ32は、第1チューブ31に挿入されると、前記第2位置(
図17を参照)にある弁芯34を押して前記第1位置(
図18を参照)まで移動させ、このとき、排出孔311は第2チューブ32の管壁で遮蔽されることで閉鎖され、第1チューブ31内の気体が、弁芯34と第1チューブ31の内壁面との間の隙間及び気体流路321を介して第2チューブ32に入り、第2チューブ32と第1チューブ31が分離すると、弁芯34は気体の流動による力の作用で前記第1位置から前記第2位置に戻り、前記出口端を塞ぎ、気体を排出孔311から排出させる。
【0059】
理解できるものとして、弁芯34が、前記第2位置では前記出口端を塞ぎ、前記第1位置に移動したときに第1チューブ31の内壁面と隙間を形成するために、第1チューブ31は、
図17~
図20に示すように変径構造として構成される。
【0060】
弁芯34が前記第1位置では右へ移動し続けるか又は反転することで、弁芯34の使用に影響を与えたり、さらに装置の故障を招いたりすることを回避するために、前記弁構造は、第1チューブ31内に設けられた弁芯規制部材37をさらに含んでもよく、弁芯規制部材37は、弁芯34の位置を規制できるように構成される。具体的には、例えば
図21に示すように、弁芯規制部材37は第1チューブ31の内壁に設けられる環状ボスであってもよく、弁芯34が前記第1位置にある場合、弁芯34の右側面が環状ボスの左側面に当接し、このように、弁芯34は、右に移動し続けることも、反転することもできない。もちろん、弁芯34の右側面と環状ボスの左側面との間に間隔を有してもよく、また、この間隔は弁芯34の軸方向の長さよりも小さく、これにより、弁芯34の水平方向の反転(即ち左右反転)が阻止され、さらに、弁芯34の右側面と環状ボスの左側面との間隔は、最も好ましくは、弁芯34の最大径よりも小さくし、この場合、弁芯34の垂直方向の反転(即ち上下反転)が阻止される。また、例えば
図22に示すように、弁芯34自体の構造をより強固なものとすることもでき、
図21における弁芯34よりも、
図22における弁芯34の重心が右側にあり、このように、弁芯34の第1位置での安定性が高まる。さらに、
図22を参照すると、aはcの3分の1~3分の2の間であってもよいし、a
2+b
2=c
2であってもよく、このようにして、弁芯34の反転を防ぐことができる。もちろん、本開示はこれらに限定されるものではなく、弁芯規制部材37は弁芯34を上記のように位置規制できる任意の部品又は構造としてもよい。
【0061】
本開示では、チューブアセンブリ30が前記接続状態である場合、第1チューブ31及び第2チューブ32は、相対的に回転可能にしてもよいし、回転不能にしてもよい。また、チューブアセンブリ30は、第1チューブ31と第2チューブ32を接続する接続構造をさらに含んでもよく、前記接続構造は、前記接続状態にある第1チューブ31と第2チューブ32が互いに分離することを防止できるように構成される。これによって、第1チューブ31と第2チューブ32が不意図に分離して気体の流通に悪影響を与えることを回避できる。
【0062】
本開示における接続構造の一実施形態によれば、前記接続構造は、互いに適合する係合スナップ312と係合溝322を含み、係合スナップ312は第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの一方に設けられ、係合溝322は第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの他方に設けられる。
【0063】
上記実施形態では、係合スナップ312及び係合溝322の配置形態がさまざまである。例えば、
図23及び
図24に示すように、係合スナップ312は第2チューブ32の外壁面に設けられ、係合溝322は第1チューブ31の内壁面に設けられるようにしてもよく、ここで、第1チューブ31と第2チューブ32の分離が必要となる場合、強い力で係合スナップ312と係合溝322を分離してもよい。
【0064】
例えば、
図25及び
図26に示すように、係合溝322は第2チューブ32の外壁面に設けられてもよく、係合スナップ312は第1チューブ31の外壁面に回動可能に接続されてもよく、係合スナップ312は、第1チューブ31の径方向に沿って揺動して係合溝322に係合し又は係合溝322から分離するように構成される。ここで、係合溝322は第2チューブ32の周方向に延在している円弧形又は環状としてもよく、その延在長さが係合スナップ312と係合する長さよりも大きい、このような場合、1つの係合溝322は複数の係合スナップ312に係合されてもよい。また、このような配置形態では、係合溝322に係合された係合スナップ312が係合溝322から抜けないように、係合スナップ312は、係合溝322に係合された係合状態と、係合溝322から分離した分離状態とを有し、力を受ける場合にのみ係合状態から分離状態に揺動し、自然状態では常に係合状態を維持するように構成されてもよく、
図25に示すように、係合スナップ312を係合溝322に係合する必要がある場合、係合スナップ312の右端を押して、係合スナップ312を分離状態となるまで揺動させ、係合溝322と係合させる。係合スナップ312の右端の外側面には、滑り止め部313が設けられてもよい。
【0065】
もちろん、係合溝322に係合された係合スナップ312が係合溝322から抜けないように、他の部品も利用され得る。つまり、チューブアセンブリ30は制限部材を含んでもよく、前記制限部材は係合溝322に係合された係合スナップ312が係合溝322から抜けないようにするものである。例えば
図27~
図29に示すように、前記制限部材は、第1チューブ31の軸方向に沿って移動可能に第1チューブ31又は第2チューブ32外に套設されたカラー35である。係合スナップ312が係合溝322に係合されると、係合スナップ312をカバーするまでカラー35を左へ移動させ、係合スナップ312の回転を止めることができる。第1チューブ31と第2チューブ32を分離することが必要となる場合、まず、係合スナップ312を露出させるまでカラー35を右へ移動させてから、係合スナップ312を係合溝322と分離するまで回動させる。
【0066】
ただし、他の実施形態では、
図30に示すように、前記接続構造はカラー35だけを含んでもよく、カラー35は第1チューブ31に回転可能に接続され、カラー35の内壁面には雌ネジが設けられてもよく、このような場合、第2チューブ32の外壁面には雄ネジが設けられてもよく、カラー35を回動することにより、雌ネジと雄ネジが互いにロックされ、第1チューブ31と第2チューブ32が接続され、第1チューブ31と第2チューブ32を分離することが必要となる場合、カラー35を逆方向に回転させて螺出し、このように、分離を完了する。
【0067】
例えば、
図31~
図33に示すように、係合溝322は第2チューブ32の管壁に開けられたL字形溝であり、前記L字形溝は、軸方向部分と径方向部分を含み、係合スナップ312は、第1チューブ31の管壁に突設されたカラムであり、前記カラムは第1チューブ31と第2チューブ32が差し込まれる際に前記軸方向部分に入り、前記径方向部分まで移動して係合を実現する。このような場合、係合溝322に係合された係合スナップ312が係合溝322から抜けないように、
図32に示すように、前記制限部材は前記径方向部分内に設けられたバンプ323であってもよく、バンプ323は前記カラムを解放可能に止める。使用に際して、第1チューブ31又は第2チューブ32を回転させることにより、前記カラムはバンプ323を越えてバンプ323の左側に移動し、位置規制を行ってもよい。第1チューブ31と第2チューブ32を分離することが必要となる場合、第1チューブ31又は第2チューブ32を逆方向に回転させることによって、前記カラムはバンプ323を越えてバンプ323の右側に移動し、係合溝322から抜ける。
【0068】
なお、以上では、係合スナップ312及び係合溝322の配置位置が互いに交換することができる。また、係合スナップ312及び係合溝322は上記の構造に限定されるものではなく、当該機能を実現できる他の構造も本開示の保護範囲に含まれる。
【0069】
本開示における接続構造の別の実施形態によれば、
図34~
図36に示すように、前記接続構造は、互いに適合する第1凸起部314と第2凸起部324を含み、第1凸起部314は第1チューブ31の内壁面又は外壁面に設けられ、第2凸起部324は第2チューブ32の外壁面又は内壁面に設けられ、第1凸起部314及び第2凸起部324は、第1チューブ31と第2チューブ32が互いに相対回転することにより係合又は分離するように構成される。具体的には、
図34に示すように、第1凸起部314はT字形であってもよく、
図35に示すように、第2凸起部324は、第2チューブ32の周方向に間隔を空けて設けられた2つの凸部を含んでもよく、第2チューブ32が第1チューブ31に差し込まれる際に、第1凸起部314と第2凸起部324が互いに避けられ、差し込まれた後、第1チューブ31又は第2チューブ32を回転させることにより、第1凸起部314及び第2凸起部324は軸方向において係合され、このとき、第1凸起部314の軸方向部分は2つの凸部の間に係止されて回転が制限される。もちろん、第1凸起部314及び第2凸起部324は
図34及び
図35に示す構造に限定されるものではなく、回転係合を実現し得る他の構造も本開示の保護範囲に含まれる。
【0070】
なお、上記接続構造の実施形態では、前記接続構造は複数の係合スナップ312と複数の係合溝322を含んでもよい。複数の係合スナップ312及び複数の係合溝322はそれぞれ1チューブ31及び第2チューブ32の周方向に間隔を空けて設けられてもよい。
【0071】
本開示における接続構造のさらなる実施形態によれば、前記接続構造は、極が反対な第1磁石と第2磁石を含んでもよく、第1磁石は第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの一方に設けられ、第2磁石は第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの他方に設けられる。第1チューブ31と第2チューブ32が差し込まれた後、第1磁石及び第2磁石による吸着作用によってさらなる接続が図られる。
【0072】
本開示における接続構造のさらなる実施形態によれば、前記接続構造は、互いに適合する第1ネジ及び第2ネジを含んでもよく、第1ネジは第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの一方に設けられ、第2ネジは第1チューブ31及び第2チューブ32のうちの他方に設けられる。つまり、第1チューブ31及び第2チューブ32は内壁面又は外壁面に設けられるネジを介して互いに接続されてもよい。
【0073】
本開示の接続構造は上記実施形態に限定されるものではなく、他の形態を取ってもよい。例えば、第2チューブ32に磁気吸引可能な金属(例えば鉄)が付設され、第1チューブ31に電磁石装置及びスイッチが設けられるか、又は、第1チューブ31及び第2チューブ32のそれぞれには電気バックル及びバックルスロットが対応して設けられるようにしてもよい。第2チューブ32が第1チューブ31に挿入されると、スイッチがオンされて、回路が形成され、電磁石は通電されると磁性を有するようになり、第2チューブ32における金属を吸引し、これにより、第1チューブ31と第2チューブ32が容易に分離されない。又は、回路が形成されると、電気バックルが動作し、第2チューブ32のバックルスロットに係着される。第1チューブ31と第2チューブ32を分離する際に、スイッチを操作して電源を切ると、電磁石は磁性を失い、又は電源を切ると電気バックルは回復し、このようにして、第1チューブ31と第2チューブ32を簡便に分離できる。
【0074】
本開示では、チューブアセンブリ30は湾曲管36をさらに含んでもよく、湾曲管36は第2チューブ32の第1チューブ31から離れた一端に接続される。湾曲管36及び第2チューブ32は、相対的に回転可能に構成されてもよいし、回転不能に構成されてもよい。湾曲管36及び第2チューブ32は一体として形成されてもよい。湾曲管36内には、気体の一方向流動を確保するために窒息防止弁片361が設けられてもよい。このような場合、チューブアセンブリ30は湾曲管36を介してフレーム211に接続される。
【0075】
本開示では、第1チューブ31の出口端の開閉及び排出孔311の開閉は自動的に制御されてもよい。例えば、第1チューブ31と第2チューブ32が接続されると、電気信号が(例えば回路導通、センサ、タッチスイッチなどによって)生成され、この信号は第1チューブ31の出口端を開放制御するとともに、排出孔311を閉鎖制御し、第1チューブ31と第2チューブ32が分離すると、第1チューブ31及び第2チューブ32は接続を切断し、電気信号が生成されず、このとき、第1チューブ31の出口端は閉鎖され、排出孔311は開放し、これにより、気体が流量制御可能に排出される。
【0076】
本開示では、排出孔311のパラメータ(例えば数、直径、厚さ、孔のインナーコーン、アウターコーン、疎水性材料など)について特別な設計を行うことにより、流量がさらに制御され、騒音が低減する。例えば排出孔311が第1チューブ31の管壁に設けられる場合、該管壁の内壁面及び外壁面のうち、一方の壁面は疎水性材料又は親水性材料で形成されるか、又は疎水性材料又は親水性材料が塗布されているものとしてもよい。他方の壁面は疎水性材料及び親水性材料のうちの他方で形成されるか、又は当該材料が塗布されているものとしてもよい。排出孔311は、両端の換気面積が異なる構造、例えば台形又は砂時計状に構成されてもよい。具体的には、チューブアセンブリ30が呼吸マスクに適用される場合、排出孔311の構造はマスクの矢状面(人体を左部分と右部分に切断すると、左右切断面は矢状面となる)方向の深さに応じて設定されてもよく、深さが小さい場合、患者の顔部が排出孔311に近いことが示されており、気流が交差して騒音を増大することを回避するために、近位端の排出孔の面積を遠位端の排出孔の面積よりも大きくしてもよく、深さが大きい場合、患者の顔部が排出孔311から離れることが示されており、排出された気体を分散させやすくするために、近位端の排出孔の面積を遠位端の排出孔の面積よりも大きくしてもよい。また、近位端の構造から遠位端の構造までの間には、気体排出による騒音を低減させるために、スポイラー構造(例えばスポイラーシート)が設けられてもよい。
【0077】
本開示では、排出孔311の数、寸法、間隔及び全体としてのレイアウトについては、さまざまな形態がある。例えば、排出孔311の直径の範囲は0.4mm~1.5mmであってもよく、好ましくは0.6mm~0.8mmである。排出孔311の配置位置の厚さは1mm~20mmであってもよい。
【0078】
本開示の別の態様は、前記の換気療法用装置を使用することによって実施される換気療法の方法を提供し、前記方法は、
前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが接触すると、第1信号を生成し、前記第1信号に基づいて本体40を制御して起動させるか、又は換気量を増大させる(即ち、本体40から換気管路50へ導入する気流量を増大させる)ステップ、及び/又は
前記第1弁アセンブリと前記第2弁アセンブリが分離すると、第2信号を生成し、前記第2信号に基づいて前記本体40を制御して停止させるか、又は換気量を減少させる(即ち本体40から換気管路50へ導入する気流量を減少させる)ステップを含む。
【0079】
本開示では、本体40の動作は、好ましくは、第1弁体13及び第2弁体23の動作の後に行われる。また、前記方法は、本体40が起動した場合、ヘッドストラップ22と頭支え10が離脱すると、換気療法用装置が警報を鳴らすステップと、前記第1信号に基づいて第1弁体13及び第2弁体23を制御して開位置に移動させるステップと、前記第2信号に基づいて第1弁体13及び第2弁体23を制御して閉位置に移動させるステップとをさらに含んでもよい。
【0080】
本開示では、前記第1信号及び前記第2信号を生成するために、頭支え10には、熱検知装置又は押圧力検出装置が設けられてもよい。使用に際して、熱検知装置は、特定の距離の範囲で熱を検知する、又は押圧力検出装置は、患者の頭部による押圧力を検出すると、前記第1信号を生成し、熱検知装置は、特定の距離の範囲で熱を検知していない、又は押圧力検出装置は、患者の頭部による押圧力を検出していないと、前記第2信号を生成する。理解できるものとして、熱検知装置又は押圧力検出装置は、他の任意の適切な位置、例えばマットレスに設けられてもよい。
【0081】
本開示の一実施形態によれば、頭支え10の表面に押圧力検出装置が設けられ、患者が横になって治療を受けようとするときに、ヘッドストラップ22と頭支え10は接触し、第1弁体13及び第2弁体23は頭部による押圧力の作用で自動的に開位置に移動し、換気チャネルが形成され、このとき、押圧力検出装置は押圧力を検出して第1信号を生成し、本体40は第1信号に基づいて制御されて作動し始め、患者が起き上がるときに、ヘッドストラップ22と頭支え10は分離し、第1弁体13及び第2弁体23は自動的に閉位置に移動し、このとき、押圧力検出装置は、押圧力を検出しておらず、第2信号を生成し、本体40は第2信号に基づいて制御されて作動を停止する。
【0082】
以上、換気療法用装置の自動換気療法の方法が説明された。なお、使用に際して、患者は必要に応じて手動治療又は自動治療を選択してもよい。ここで、手動治療とは、本体40の動作(例えば起動、停止)が手動で制御されることを意味する。
【0083】
以上、図面を参照して本開示の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本開示は上記実施形態の詳細に限定されるものではなく、本開示の技術的構想の範囲内で、本開示の技術的解決手段について各種の簡単な変形を加えてもよく、これらの簡単な変形は全て本開示の保護範囲に属する。
【0084】
また、なお、上記特定実施形態において説明されるそれぞれの特定の技術的特徴は、矛盾しない限り、任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。不要な重複をしないように、本開示では、可能な各種の組み合わせ方式については説明しない。
【0085】
さらに、本開示の様々な実施形態は、任意に組み合わせることができ、本開示の構想に反しない限り、これらの組み合わせは本開示に開示されているものとみなすことができる。
【0086】
以上で説明された装置の実施例は、単に例示的なものであり、ここで、分離された構成要素として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもよいし、そうでなくてもよいし、ユニットとして示された構成要素は、物理的なユニットであってもよいし、そうでなくてもよく、1つの場所に配置されていてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の解決手段の目的を達成するために選択されてもよい。当業者は、創造的な努力を必要とせずに、解決手段を理解して実施することができる。
【0087】
本明細書に記載の「一実施例」、「実施例」、又は「1つ又は複数の実施例」とは、実施例を参照して説明された特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。なお、ここで「一実施例において」という表現の例は、必ずしも全て同じ実施例を指すわけではない。
【0088】
本明細書には、多くの詳細が記載されている。しかしながら、本開示の実施例は、これらの詳細なしに実施されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの例では、本明細書の理解を不明瞭にしないために、公知の方法、構造、及び技術が詳細に示されていない。
【0089】
請求項において、括弧の間にある参照記号は、請求項を何ら限定するものではない。「含む」という用語は、請求項に記載されていない要素又はステップの存在を除外しない。要素の前に「一」又は「1つ」という用語がある場合、そのような要素が複数存在することを除外しない。本開示は、いくつかの異なる要素を含むハードウェアや適切にプログラムされたコンピュータによって実現することができる。いくつかの装置が列挙されているユニットの請求項において、これらの装置のいくつかは、同じハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。第1、第2、及び第3などの用語の使用は、順序を表すものではない。これらの用語は名前として解釈できる。
【0090】
なお、上記の実施例は、本開示の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それを限定するものではなく、前述の実施例を参照して本開示について詳細に説明したが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術的解決手段を修正したり、その一部の技術的特徴を均等に置換したりすることができることを理解すべきであり、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本開示の各実施例の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱させるものではない。