(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240731BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240731BHJP
G06Q 20/36 20120101ALI20240731BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
G06Q50/10
G06Q20/36 310
(21)【出願番号】P 2023222971
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩文
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-061082(JP,A)
【文献】特表2018-521437(JP,A)
【文献】特表2022-550924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品に関する所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける受付部と、
前記トークン発行依頼情報に基づいて、前記所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン上に発行する発行部と、
発行された前記トークン情報の売買を可能な状態で所定のマーケットに公開する公開部と、
前記トークン情報と、前記トークン情報の対象となる前記製品である対象製品を識別する識別情報と、前記トークン情報の保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理する管理部と、
を備え、
前記受付部は、前記トークン発行依頼情報として、生産者の製品を前記生産者から受け取ることができる権利である第1所有権のトークン化を依頼する第1発行依頼情報を前記生産者から受け付け、
前記発行部は、前記第1発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記第1所有権をトークン化した第1所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、
前記公開部は、前記第1所有権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開し、
前記管理部は、前記第1所有権トークンが売買されることに応じて、前記第1所有権トークンと、前記第1所有権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記第1所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理し、
前記受付部は、前記第1所有権トークンを前記対象製品に交換する第1交換依頼情報を前記保有者から受け付け、
前記発行部は、前記第1交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った前記保有者の前記保有者情報を含む前記紐付情報から前記第1所有権トークンを削除する
ことで前記交換依頼を行った保有者が前記第1所有権トークンを売買できない状態に制御する一方で
、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った前記保有者が前記対象製品の
実物を利用でき、かつ、前記第1所有権トークンが削除された代わりとなる所定のサービスを受けることができる消費者となったことを証明する消費者証明トークンを前記ブロックチェーン上に発行する
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1のマーケットにおいては、前記製品には、前記製品の偽造防止のためのラベルとして、真贋判定システムで読み取られる第1証明情報が記録された偽造防止ラベルが前記生産者によって付与され、
前記管理部は、前記対象製品を識別する前記識別情報として、前記第1証明情報を含む前記識別情報を紐付けて管理し、
前記発行部は、前記第1発行依頼情報に基づいて、前記対象製品の前記識別情報に前記第1証明情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には前記対象製品の前記第1所有権をトークン化した前記第1所有権トークンを発行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記生産者の生産物が前記製品として完成していない段階では、前記トークン発行依頼情報として、前記生産者の製造物が前記製品として完成した場合には完成した当該製品を受け取ることができるよう予め予約できる予約権のトークン化を依頼する予約発行依頼情報を前記生産者から受け付け、
前記発行部は、前記予約発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記予約権をトークン化した予約権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、
前記公開部は、前記予約権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開し、
前記管理部は、前記予約権トークンが売買されることに応じて、前記予約権トークンと、前記予約権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記予約権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行部は、前記生産者の生産物が前記製品として完成した場合には、前記第1所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行する処理として、動的、または、前記予約権トークンの保有者による指示に応じて、前記予約権トークンを前記第1所有権トークンに変更する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記第1交換依頼情報に応じて前記保有者に渡った前記製品が第2のマーケットにおいて販売された場合、前記第2のマーケットで前記製品を販売した二次流通者から当該製品を受け取ることができる権利である第2所有権のトークン化を依頼する第2発行依頼情報を前記二次流通者から受け付け、
前記発行部は、前記第2発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記第2所有権をトークン化した第2所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、
前記公開部は、前記第2所有権トークンを売買可能な状態で前記第2のマーケットに公開し、
前記管理部は、前記第2所有権トークンが売買されることに応じて、前記第2所有権トークンと、前記第2所有権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記第2所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理し、
前記受付部は、前記第2所有権トークンを前記対象製品に交換する第2交換依頼情報を前記保有者から受け付け、
前記発行部は、前記第2交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った前記保有者の前記保有者情報を含む前記紐付情報から前記第2所有権トークンを削除する一方で、削除した前記第2所有権トークンの代わりに、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った前記保有者が前記対象製品の消費者となったことを証明する消費者証明トークンを前記ブロックチェーン上に発行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2のマーケットにおいては、前記製品には、前記製品の偽造防止のためのラベルとして、真贋判定システムで読み取られる第2証明情報が記録された偽造防止ラベルが前記二次流通者によって付与され、
前記管理部は、前記対象製品を識別する前記識別情報として、前記第2証明情報を含む前記識別情報を紐付けて管理し、
前記発行部は、前記第2発行依頼情報に基づいて、前記対象製品の前記識別情報に前記第2証明情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には前記対象製品の前記第2所有権をトークン化した前記第2所有権トークンを発行する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生産者と、顧客との間での情報のやり取りを可能とするコミュニティ型プラットフォームを制御するコミュニティ制御部を
さらに備え、
前記公開部は、前記第1のマーケットに前記コミュニティ型プラットフォームを公開することで、前記生産者および前記顧客に対してコミュニティ型プラットフォームへの参加を誘導する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記コミュニティ制御部は、前記生産者の単位、または、前記生産者の製品の単位で、前記コミュニティ型プラットフォームを制御する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
製品に関する所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける受付工程と、
前記トークン発行依頼情報に基づいて、前記所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン上に発行する発行工程と、
発行された前記トークン情報を売買可能な状態で所定のマーケットに公開する公開工程と、
前記トークン情報と、前記トークン情報の対象となる前記製品である対象製品を識別する識別情報と、前記トークン情報の保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理する管理工程と、
を含み、
前記受付工程は、前記トークン発行依頼情報として、生産者の製品を前記生産者から受け取ることができる権利である第1所有権のトークン化を依頼する第1発行依頼情報を前記生産者から受け付け、
前記発行工程は、前記第1発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記第1所有権をトークン化した第1所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、
前記公開工程は、前記第1所有権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開し、
前記管理工程は、前記第1所有権トークンが売買されることに応じて、前記第1所有権トークンと、前記第1所有権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記第1所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理し、
前記受付工程は、前記第1所有権トークンを前記対象製品に交換する第1交換依頼情報を前記保有者から受け付け、
前記発行工程は、前記第1交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った前記保有者の前記保有者情報を含む前記紐付情報から前記第1所有権トークンを削除する
ことで前記交換依頼を行った保有者が前記第1所有権トークンを売買できない状態に制御する一方で
、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った前記保有者が前記対象製品の
実物を利用でき、かつ、前記第1所有権トークンが削除された代わりとなる所定のサービスを受けることができる消費者となったことを証明する消費者証明トークンを前記ブロックチェーン上に発行する
情報処理方法。
【請求項10】
製品に関する所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける受付手順と、
前記トークン発行依頼情報に基づいて、前記所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン上に発行する発行手順と、
発行された前記トークン情報を売買可能な状態で所定のマーケットに公開する公開手順と、
前記トークン情報と、前記トークン情報の対象となる前記製品である対象製品を識別する識別情報と、前記トークン情報の保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理する管理手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記受付手順は、前記トークン発行依頼情報として、生産者の製品を前記生産者から受け取ることができる権利である第1所有権のトークン化を依頼する第1発行依頼情報を前記生産者から受け付け、
前記発行手順は、前記第1発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記第1所有権をトークン化した第1所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、
前記公開手順は、前記第1所有権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開し、
前記管理手順は、前記第1所有権トークンが売買されることに応じて、前記第1所有権トークンと、前記第1所有権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記第1所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理し、
前記受付手順は、前記第1所有権トークンを前記対象製品に交換する第1交換依頼情報を前記保有者から受け付け、
前記発行手順は、前記第1交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った前記保有者の前記保有者情報を含む前記紐付情報から前記第1所有権トークンを削除する
ことで前記交換依頼を行った保有者が前記第1所有権トークンを売買できない状態に制御する一方で
、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った前記保有者が前記対象製品の
実物を利用でき、かつ、前記第1所有権トークンが削除された代わりとなる所定のサービスを受けることができる消費者となったことを証明する消費者証明トークンを前記ブロックチェーン上に発行する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売製品のための暗号化デジタル資産を供給する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、資産のデジタル所有権の流通を活性化させることができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、小売製品に関連付けられる暗号化デジタル資産を生成し、生成した暗号化デジタル資産をユニークな所有者IDコードにリンクし、ユニークなデジタルシューズIDコード及びユニークな所有者IDコードをトランザクションブロックに記録のために分散ブロックチェーン元帳に送信することが記載されている。
【0006】
この結果、上記の従来技術では、ユーザはトークンの所有権を自由に移転することが可能となるが、ユーザがトークンの所有権を移転するだけでは、その流通には限界があると考えられる。よって、上記の従来技術では、資産のデジタル所有権の流通を活性化させる点において改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、資産のデジタル所有権の流通を活性化させることができる情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る一形態の情報処理装置は、製品に関する所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける受付部と、前記トークン発行依頼情報に基づいて、前記所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン上に発行する発行部と、発行された前記トークン情報を売買可能な状態で所定のマーケットに公開する公開部と、前記トークン情報と、前記トークン情報の対象となる前記製品である対象製品を識別する識別情報と、前記トークン情報の保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理する管理部と、を備え、前記受付部は、前記トークン発行依頼情報として、生産者の製品を前記生産者から受け取ることができる権利である第1所有権のトークン化を依頼する第1発行依頼情報を前記生産者から受け付け、前記発行部は、前記第1発行依頼情報に基づいて、前記トークン情報として、前記第1所有権をトークン化した第1所有権トークンを前記ブロックチェーン上に発行し、前記公開部は、前記第1所有権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開し、前記管理部は、前記第1所有権トークンが売買されることに応じて、前記第1所有権トークンと、前記第1所有権トークンの対象となる前記対象製品を識別する前記識別情報と、前記第1所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた前記紐付情報を前記ブロックチェーン上で管理し、前記受付部は、前記第1所有権トークンを前記対象製品に交換する第1交換依頼情報を前記保有者から受け付け、前記発行部は、前記第1交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った前記保有者の前記保有者情報を含む前記紐付情報から前記第1所有権トークンを削除する一方で、削除した前記第1所有権トークンの代わりに、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った前記保有者が前記対象製品の消費者となったことを証明する消費者証明トークンを前記ブロックチェーン上に発行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、資産のデジタル所有権の流通を活性化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図(1)である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図(2)である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、プラットフォームPL1と、プラットフォームPL2との関係性を示す図である。
【
図6】
図6は、予約権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、所有権トークンの発行に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、所有権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、所有権トークンと製品との交換に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、所有権トークンの発行に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、所有権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
以下に説明される1または複数の実施形態(実施例、変形例、適用例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0013】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
近年、RWA(Real World Assets)すなわち現実の資産をブロックチェーン上でデジタルトークンとして表現する動きが高まってきている。ここでいう現実の資産とは、仮想通貨に関連しない従来の資産を指し示し、物理的な資産、金融資産、不動産、株式、商品、債券、企業の株式等が挙げられる。
【0014】
例えば、RWAのトークン化は、ブロックチェーンを基にして行われる。具体的には、RWAに関わる様々な権利は、ブロックチェーン上のトークンに変換された状態で発行され、ブロックチェーンネットワークで管理される。また、トークン化されたRWAの取引履歴もブロックチェーン上に透明かつ永続的に記録される。
【0015】
このようなことから、現実資産を裏付けとするトークンであれば投資家を含めて幅広い層の投資対象になりやすい。よって、暗号資産市場への投資家の参入が期待されている。
【0016】
本発明では、上記のような背景を基に、暗号資産市場への投資家等の参入を促進することで、RTAがトークン化されたRTAトークンの暗号資産市場での活性化を目指す。
【0017】
〔2.本発明の概要〕
本発明の発明者らは、現実資産とトークンとを紐づけることで、流動性やグローバルアクセスの向上とともに、投資家層の流入を目指して、RTAトークンをトレンド化する点に着目した。ただし、こういったトレンド化の動きは上述した通り世の中に広まりつつあるため、本発明の発明者らは、差別化の要素として、本物(正規)であることを証明された資産に対してのみトークンとして発行できる仕組みに着目した。
【0018】
具体的には、本発明は、実在する本物であることを証明する複製が不可能なタグ(ラベル)が付された製品に関する権利(例えば、予約権や所有権)を非代替性トークン(NFT:Non Fungible Token)として販売し、国産純正品のRTAトークンを供給し、国産純正品を世界中に浸透させようとするものである。
【0019】
例えば、我が国日本が誇るコンテンツ、知的財産、伝統、食、ポップカルチャー、観光体験等の中には、海外や国内にも正確に伝わっておらず、グローバル基準よりも安価で取引されているものがある。このように、メイドインジャパン製品の中には、趣味性と実益を兼ねた投資対象となるポテンシャルを秘めた製品が数多くある。このため、メイドインジャパン製品と、メイドインジャパン製品にまつわるストーリーを、web3の技術を活用してデジタルの世界に持ち込めば、世界中にその価値を適正価格で届けることが可能になると考えられる。したがって、本発明の一例は、web3技術とコミュニティの力とを活用し、メイドインジャパン製品を適正価格で世界のファンや投資家へ販売し、その流通を活性化させるというものである。
【0020】
なお、Web3とは、次世代の新たなインターネット形態であり、分散型インターネットと呼ばれている。すなわち、Web3は、分散型台帳システム(ブロックチェーンネットワーク)の技術によってデータを分散させることを目指したインターネット概念である。Web3の特徴は、ブロックチェーン技術によってデジタル上でデータの改ざんや虚偽ができないようにすることが可能な点である。
【0021】
〔3.システム構成〕
図1は、実施形態に係るシステムの一例を示す図である。
図1には、実施形態に係るシステムの一例として、システム1が示される。本発明の提案技術は、システム1において実現される。
【0022】
図1に示すように、システム1は、生産者装置30と、顧客装置40と、事業者装置50と、分散台帳システム60と、情報処理装置100とを備える。なお、分散台帳システム60は、ブロックチェーンシステム60、あるいは、ブロックチェーン60とも言い換えることができる。生産者装置30と、顧客装置40と、事業者装置50と、分散台帳システム60と、情報処理装置100とは、ネットワーク(例えば、インターネットまたはイントラネット)Nを介して接続される。
【0023】
生産者装置30は、製品を生産する生産者によって利用される情報処理端末の一例である。つまり、生産者とは、新製品を卸業者や小売業者等の企業が消費者に販売するという一次流通において起点となる製品メーカーを指し示す。
【0024】
生産者装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、パーソナルコンピュータであってよい。生産者は、生産者装置30を用いて、情報処理装置100が提供するプラットフォームにアクセスすることで、自社新製品のトークン発行等に関わる指令を情報処理装置100に入力することができる。
【0025】
なお、本実施形態において、製品(生産物)とは、有形の物品だけでなく、サービス・権利・義務等といった無形のものも含む。すなわち、製品とは、物理的な資産、金融資産、不動産、株式、商品、債券、企業の株式等のいずれであってもよい。ただし、以下の実施形態では、製品の一例として、投資対象となるポテンシャルを秘めたメイドインジャパン製品を例に用いる。このようなメイドインジャパン製品には、期間によって価値が変動する酒類(例えば、ウイスキー)、コレクター対象の製品(例えば、特定のキャラクターのカード)、手作業のため大量生産が不可能かつ希少性の高い伝統工芸物あるいは絵画等が挙げられる。
【0026】
顧客装置40は、情報処理装置100が提供するプラットフォームを活用して、トークンの購入あるいはトークンの販売を行う顧客によって利用される情報処理端末の一例である。顧客装置40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、パーソナルコンピュータであってよい。顧客は、顧客装置40を用いて、情報処理装置100が提供するプラットフォームにアクセスすることで、トークンを購入したり、あるいは、トークンを販売したりすることができる。
【0027】
なお、本実施形態において、顧客とは、製品の値上がりを期待する投資家や、製品を欲するファン等を指し示す。
【0028】
事業者装置50は、一度販売された中古品を取り扱う業者によって利用される情報処理端末の一例である。ここでいう業者とは、二次流通において起点となる中古品業者であり、例えば、フリーマーケットやネットオークション等に出品したり、所定の中古品サイトにおいて販売を行ったりする企業あるいは個人である。このような二次流通者は、古物商許可を取得した信頼のおける業者であり、かつ、適切な鑑定能力を有していることが好ましい。
【0029】
事業者装置50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、パーソナルコンピュータであってよい。二次流通者は、事業者装置50を用いて、情報処理装置100が提供するプラットフォームにアクセスすることで、中古製品のトークン発行等に関わる指令を情報処理装置100に入力することができる。
【0030】
分散型台帳システム60は、分散型台帳を管理する。一例として、分散型台帳システム60は、NFTの移転に関する取引の履歴を管理する。分散型台帳は、例えばブロックチェーンである。ここでいうブロックチェーンは、イーサリアムによるブロックチェーンであってよく、さらに、パブリック型およびプライベート型のいずれであってもよい。分散型台帳システム60は、相互に接続された複数のコンピュータを含む。
【0031】
また、分散型台帳システム60は、P2Pネットワーク(Peer to Peer)によって互いに接続された複数のノードコンピュータ61を備える。
【0032】
ノードコンピュータ61は、例えば、ブロックチェーン技術を用いて分散型台帳を管理する。具体的には、いずれかのノードコンピュータ61は、記録すべき暗号資産またはNFTのトランザクションに関するデータを取得する。ノードコンピュータ61は、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。ノードコンピュータ61は、追加したブロックの情報を他のノードコンピュータ61へ送信する。他のノードコンピュータ61は、受信したブロックの正しさを検証し、検証に成功すると、ブロックチェーンに当該ブロックを追加する。ノードコンピュータ61は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する。これにより、分散型台帳システム60を構成する複数のノードコンピュータ61にわたって、同一の分散型台帳が保存されることになる。なお、保存されるデータは、適宜に暗号化される。
【0033】
なお、
図1において、ノードコンピュータ61と、生産者装置30、顧客装置40および事業者装置50とは異なる装置として記載されているが、生産者装置30、顧客装置40および事業者装置50の一部または全部がノードコンピュータ61として機能してもよい。
【0034】
情報処理装置100は、本発明の提案技術を実現するための情報処理(以下、「実施形態に係る情報処理」として説明)を行う中心的な装置であり、クラウド側のサーバ装置として実装され得る。情報処理装置100は、トークンの取引および流通に関するプラットフォームPL1を生産者、顧客、二次流通者に提供する。
【0035】
例えば、情報処理装置100は、所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける受付部と、トークン発行依頼情に基づいて、所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン60上に発行する発行部とを備える。また、情報処理装置100は、発行したトークン情報を購入または転売可能な状態で所定のマーケットに公開する公開部と、トークン情報の対象となる製品である対象製品を識別する識別情報と、トークンの保有者を示す保有者情報と、トークン情報とを紐付けた紐付情報をブロックチェーン60で管理する管理部とを備える。これらの処理部は、実施形態に係る情報処理プログラムによって実現される。
【0036】
〔4.実施形態の全体像〕
次に、現実製品およびトークンの組合せと、この組合せにまつわるイベントとの観点から、本実施形態の全体像を説明する。
図2および
図3には、実施形態に係る情報処理の全体像が示される。
【0037】
図2は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図(1)である。
図2には、一次流通(例えば、新製品の出荷から販売まで)の場面が示され、生産者Pと顧客Uという登場人物が存在する。また、顧客Uには、製品PDを欲するファンFと、製品PDの値上がりを期待する投資家Vとが含まれる。さらに、
図2では(
図3も同様)、生産者Pの製品PDは、日本産のウイスキーであるものとして説明する。
【0038】
図2の例によれば、製品PDの一次流通は、企画・製造の段階、販売・流通の段階、消費の段階で構成される。
【0039】
まず、企画・製造の段階を示す
図2(a)について説明する。企画・製造の段階とは、製品PDが完成していない段階(例えば、製品PDの熟成期間)に相当し、製品PDとしての実物が存在しない。この段階では、生産者Pは、プラットフォームPL1を介して、予約権のトークン化を依頼する予約権トークン発行依頼を情報処理装置100に対して行うことができる。
【0040】
情報処理装置100は、生産者Pの予約権トークン発行依頼に応じて、予約権をトークン化した予約権トークンBTKをブロックチェーン60上に発行する。ここでいう予約権とは、製品PDが完成した場合には完成した製品PDを優先的に受け取ることができるよう予め予約できる権利である。
【0041】
ここで、情報処理装置100は、顧客Uが予約権トークンBTKを売買(購入・転売)できるよう、一次流通のマーケット(第1のマーケット)に予約権トークンBTKを公開する。しかし、単に公開するだけでは、顧客Uが予約権トークンBTKを売買するとは限らず、予約権トークンBTKを適切に流通させることができない場合がある。
【0042】
そこで、情報処理装置100は、一次流通のマーケットの場において、予約権トークンBTKの流通を活性化させるためのイベントを制御してよい。例えば、情報処理装置100は、生産者Pと顧客Uとの間で情報交換することができるコミュニティ型プラットフォームPL2を提供してよい。
【0043】
この結果、プラットフォームPL2を利用し、特定のコミュニティ(例えば、製品PDのコミュニティ)に参加した生産者Pは、同じコミュニティに参加する顧客Uに対して、ナラティブ(例えば、製品PDの物語・こだわり・戦略)を伝えることができ、先行販売する予約権トークンBTKの魅力を向上させることができる。したがって、コミュニティに参加するファンFや投資家Vは、予約権トークンBTKの購入意欲を高められる。例えば、ファンFは純粋に予約権トークンBTKの購入意欲を高められるし、投資家Vは製品PDに投資対象としての魅力を高められる。
【0044】
次に、販売・流通の段階を示す
図2(b)について説明する。販売・流通の段階とは、完成した製品PDを実際に販売する段階に相当し、製品PDとしての実物が存在している。この場合、生産者Pは、製品PDが実在する本物であることを証明する複製が不可能なタグTg1を、完成した製品PDに付与した状態で出荷する。つまり、生産者Pは、タグTg1によってオリジナルであることを証明された証明情報付の製品PDを出荷する。
【0045】
また、この段階では、生産者Pは、プラットフォームPL1を介して、所有権のトークン化を依頼する所有権トークン発行依頼を情報処理装置100に対して行うことができる。ここでいう所有権とは、生産者Pの製品PDを生産者Pから受け取ることができる権利であり第1所有権に対応する。
【0046】
情報処理装置100は、生産者Pの所有権トークン発行依頼に応じて、所有権をトークン化した所有権トークンOTK1をブロックチェーン60上に発行する。具体的には、情報処理装置100は、製品PDがオリジナルであることを証明する証明情報と1対1で紐付けられた所有権トークンOTK1をブロックチェーン60上に発行する。また、情報処理装置100は、一次流通のマーケット(第1のマーケット)に所有権トークンOTK1を公開する。
【0047】
また、
図2(b)に示すように、所有権トークンOTK1を購入した顧客U、あるいは、予約権トークンBTKを保有することで所有権トークンOTK1を優先的に入手した顧客Uが、自身の保有する所有権トークンOTK1と製品PDとを交換する引き換えイベントが発生する。
図2(b)に示すように、所有権トークンOTK1を保有している顧客U(ファンF、投資家Vのいずれか)は、オリジナルの製品PDを入手したい場合には、自身の所有権トークンOTK1と製品PDとを交換すればよい。交換のための情報処理(例えば、顧客Uによる交換依頼の送信)もプラットフォームPL1で行われる。
【0048】
次に、消費の段階を示す
図2(c)について説明する。消費の段階とは、製品PDが顧客Uの手元に渡り新品から中古品に変わった段階に相当する。より具体的には、消費の段階とは、所有権トークンOTK1との引き換えで入手した製品PDを使用(開封)する段階に相当し、製品PDが未開封の新品ではなく中古品となった段階に相当する。この段階では、生産者Pは、プラットフォームPL1を介して、消費者証明トークン発行依頼を情報処理装置100に対して行うことができる。
【0049】
情報処理装置100は、生産者Pの消費者証明トークン発行依頼に応じて、消費者証明証明トークンFTKをブロックチェーン60上に発行する。消費者証明証明トークンFTKとは、所有権トークンOTK1と製品PDとを交換した顧客Uに対して発行されるトークンであり、顧客Uが製品PDの消費者となったことを証明するためのトークンである。また、消費者証明トークンFTKは、譲渡不可能なトークンであり転売することができないものである。
【0050】
なお、情報処理装置100は、消費者証明トークン発行依頼の有無に拘わらず、交換依頼を行った顧客Uの所有権トークンOTK1をブロックチェーン60から削除する一方で、削除した所有権トークンOTK1の代わりに、消費者証明トークンFTKをブロックチェーン60上に発行してよい。また、情報処理装置100は、交換依頼を行った顧客Uのウォレットに消費者証明トークンFTKを送信してよい。
【0051】
ここで、消費者証明トークンFTKを保有する顧客Uは、製品PDに関する様々な特典(例えば、特別予約権)を受けることができる。例えば、顧客Uは、消費者証明トークンFTKを保有していることで、製品PDの関連製品を入手する機会が増えたり、より希少性の高い関連製品の情報を得たりすることができるようになる。
【0052】
このように、消費者証明トークンFTKという貴重なトークンを入手するには、所有権トークンOTK1を購入し、かつ、交換により消費者となる必要がある。消費者証明トークンFTKを保有する顧客Uは、製品PDのファンである可能性が高いため、消費者証明トークンFTKを入手すべく所有権トークンOTK1を購入しようとする。よって、消費者証明トークンFTKの入手経路によれば、所有権トークンOTK1の流通が活性化される。
【0053】
図3は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図(2)である。
図3には、市場に出回って中古となった製品PDの二次流通以降の場面が示され、二次流通者Qと顧客Uという登場人物が存在する。また、顧客Uには、製品を欲するファンFと、製品の値上がりを期待する投資家Vとが含まれる。
【0054】
図3の例によれば、製品PDの二次流通は、鑑定の段階、販売・流通の段階、再交換の段階で構成される。
【0055】
まず、鑑定の段階を示す
図3(a)について説明する。鑑定の段階とは、例えば、消費者の顧客Uによって持ち込まれた中古の製品PDを二次流通者Qが鑑定する段階に相当し、現時点では製品PDに対応する所有権トークンは存在しない(交換によって削除されているため)。
【0056】
また、タグTg1は、例えば、封入シールあるいはパッケージと一体化された状態で付される場合があるため、開封されることにより多くの場合では消失してしまっている。したがって、鑑定の段階ではタグTg1は基本的には消失してしまっている。
【0057】
二次流通者Qは、このような状態の製品PDの本物鑑定を実施する。
【0058】
次に、販売・流通の段階を示す
図3(b)について説明する。販売・流通の段階とは、鑑定済の製品PDを実際に販売する段階に相当し、中古品としての製品PDが実際に存在している。
【0059】
例えば、二次流通者Qは、顧客Uによって持ち込まれた製品PDの本物鑑定を行う。そして、二次流通者Qは、本物であることを証明できた場合にのみ、製品PDが実在する本物であることを証明する複製が不可能なタグTg2を、現在の製品PDに付与した状態で保管する。なお、タグTg2には、製品PDが本物であることに応じた適正価格の情報も含まれてよい。
【0060】
また、この段階では、二次流通者Qは、プラットフォームPL1を介して、所有権のトークン化を依頼する所有権トークン発行依頼を情報処理装置100に対して行うことができる。ここでいう所有権とは、本物であることを証明された製品PDを二次流通者Qから受け取ることができる権利であり第2所有権に対応する。
【0061】
情報処理装置100は、二次流通者Qの所有権トークン発行依頼に応じて、所有権をトークン化した所有権トークンOTK2をブロックチェーン60上に発行する。具体的には、情報処理装置100は、製品PDが本物中古品であることを証明する証明情報と1対1で紐付けられた所有権トークンOTK2をブロックチェーン60上に発行する。
【0062】
また、情報処理装置100は、二次流通のマーケット(第2のマーケット)に所有権トークンOTK2を公開する。このように、製品PDの代替として所有権トークンOTK2が公開されるため、顧客Uの間で所有権トークンOTK2の売買が開始される。例えば、ファンF同士の間で所有権トークンOTK2の売買が行われる場合もあれば、ファンFと投資家Vとの間で所有権トークンOTK2の売買が行われる場合もある。このようにして、二次流通のマーケットの場において所有権トークンOTK2が流通される。
【0063】
次に、再交換の段階を示す
図3(c)について説明する。再交換の段階とは、所有権トークンOTK2と、本物中古品であることを証明された製品PDとを交換する段階に相当する。この段階でも二次流通者Qは、プラットフォームPL1を介して、所有権トークンOTK2の発行依頼を情報処理装置100に対して行うことができる。
【0064】
情報処理装置100は、二次流通者Qの所有権トークン発行依頼に応じて、本物中古品であることを証明された製品PDの所有権をトークン化した所有権トークンOTK2をブロックチェーン60上に発行するとともに、発行した所有権トークンOTK2を二次流通のマーケットに公開する。
【0065】
この結果、所有権トークンOTK2を購入した顧客Uが、自身の保有する所有権トークンOTK2と製品PDとを交換する引き換えイベントが発生する。
図3(c)に示すように、所有権トークンOTK2を購入した顧客U(ファンF、投資家Vのいずれか)は、本物中古品であることを証明された製品PDを入手したい場合には、自身の所有権トークンOTK2と製品PDとを交換すればよい。交換のための情報処理(例えば、顧客Uによる交換依頼の送信)もプラットフォームPL1で行われる。
【0066】
また、
図3では不図示であるが、情報処理装置100は、
図2で説明した一次流通の段階だけでなく、二次流通の段階でも消費者証明トークンFTKを発行してよい。例えば、情報処理装置100は、消費者証明トークン発行依頼の有無に拘わらず、交換依頼を行った顧客Uの所有権トークンOTK2をブロックチェーン60から削除する一方で、削除した所有権トークンOTK2の代わりに、消費者証明トークンFTKをブロックチェーン60上に発行してよい。また、情報処理装置100は、交換依頼を行った顧客Uのウォレットに消費者証明トークンFTKを送信してよい。
【0067】
〔5.情報処理装置の構成〕
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0068】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、生産者装置30、顧客装置40、事業者装置50、ブロックチェーン60との間で情報の送受信を行う。
【0069】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、例えば、実施形態に係る情報処理に関するデータやプログラムを記憶してよい。
【0070】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0071】
図4に示すように、制御部33は、受付部131と、発行部132と、公開部133と、管理部134と、コミュニティ制御部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0072】
受付部131は、製品に関する所定の権利のトークン化を依頼するトークン発行依頼情報を受け付ける。発行部132は、トークン発行依頼情報に基づいて、所定の権利をトークン化したトークン情報をブロックチェーン60上に発行する。公開部133は、トークン情報を売買可能な状態で所定のマーケットに公開する。管理部134は、トークン情報と、トークン情報の対象となる製品である対象製品を識別する識別情報と、トークン情報の保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報をブロックチェーン60上で管理する。
【0073】
(一次流通の場合)
受付部131は、トークン発行依頼情報として、生産者の製品を生産者から受け取ることができる権利である第1所有権のトークン化を依頼する第1発行依頼情報を生産者から受け付ける。発行部132は、第1発行依頼情報に基づいて、トークン情報として、第1所有権をトークン化した第1所有権トークンをブロックチェーン60上に発行する。公開部133は、第1所有権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開する。管理部134は、第1所有権トークンが売買されることに応じて、第1所有権トークンと、第1所有権トークンの対象となる対象製品を識別する識別情報と、第1所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報を前記ブロックチェーン60上で管理する。
【0074】
図2で説明したように、第1所有権トークンを保有している顧客は、自身の第1所有権トークンと製品とを交換することができるようになる。このため受付部131は、第1所有権トークンを対象製品に交換する第1交換依頼情報を保有者から受け付ける場合がある。発行部132は、第1交換依頼情報が受け付けられた場合には、第1交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った保有者の保有者情報を含む紐付情報から第1所有権トークンを削除する一方で、削除した第1所有権トークンの代わりに、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った保有者が対象製品の消費者となったことを証明する消費者証明トークンをブロックチェーン60上に発行する。
【0075】
また、
図2で説明したように、第1のマーケットにおいては、製品には、製品の偽造防止のためのラベルとして、真贋判定システムで読み取られる第1証明情報が記録された偽造防止ラベル(
図2の例ではタグTg1)が生産者によって付与される。そこで、管理部134は、対象製品を識別する識別情報として、第1証明情報を含む識別情報を紐付けて管理する。このような管理に応じて、発行部132は、第1発行依頼情報に基づいて、対象製品の識別情報に第1証明情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には対象製品の第1所有権をトークン化した第1所有権トークンを発行する。
【0076】
なお、受付部131は、生産者の生産物が製品として完成していない段階では、トークン発行依頼情報として、生産者の製造物が前記製品として完成した場合には完成した当該製品を受け取ることができるよう予め予約できる予約権のトークン化を依頼する予約発行依頼情報を生産者から受け付ける。この場合、発行部132は、予約発行依頼情報に基づいて、トークン情報として、予約権をトークン化した予約権トークンをブロックチェーン60上に発行する。そして、公開部133は、予約権トークンを売買可能な状態で第1のマーケットに公開する。管理部134は、予約権トークンが売買されることに応じて、予約権トークンと、予約権トークンの対象となる対象製品を識別する識別情報と、予約権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報をブロックチェーン60上で管理する。
【0077】
また、発行部132は、生産者の生産物が製品として完成した場合には、第1所有権トークンをブロックチェーン60上に発行する処理として、動的、または、予約権トークンの保有者による指示に応じて、予約権トークンを第1所有権トークンに変更する。
【0078】
(二次流通の場合)
受付部131は、第1交換依頼情報に応じて保有者に渡った製品が第2のマーケットにおいて販売された場合、前記第2のマーケットで前記製品を販売した二次流通者から当該製品を受け取ることができる権利である第2所有権のトークン化を依頼する第2発行依頼情報を二次流通者から受け付ける。発行部132は、第2発行依頼情報に基づいて、トークン情報として、第2所有権をトークン化した第2所有権トークンをブロックチェーン60上に発行する。公開部133は、第2所有権トークンを売買可能な状態で第2のマーケットに公開する。管理部134は、第2所有権トークンが売買されることに応じて、第2所有権トークンと、第2所有権トークンの対象となる対象製品を識別する識別情報と、第2所有権トークンの保有者を示す保有者情報とを紐付けた紐付情報をブロックチェーン60上で管理する。
【0079】
図3で説明したように、第2所有権トークンを保有している顧客は、自身の第2所有権トークンと製品とを交換することができるようになる。このため受付部131は、第2所有権トークンを対象製品に交換する第2交換依頼情報を保有者から受け付ける場合がある。発行部132は、第2交換依頼情報が受け付けられた場合には、第2交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った保有者の保有者情報を含む紐付情報から第2所有権トークンを削除する一方で、削除した第2所有権トークンの代わりに、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った保有者が対象製品の消費者となったことを証明する消費者証明トークンをブロックチェーン上に発行する。
【0080】
また、
図3で説明したように、第2のマーケットにおいては、製品には、製品の偽造防止のためのラベルとして、真贋判定システムで読み取られる第2証明情報が記録された偽造防止ラベル(
図3の例ではタグTg2)が二次流通者によって付与される。そこで、管理部134は、対象製品を識別する識別情報として、第2証明情報を含む識別情報を紐付けて管理する。このような管理に応じて、発行部132は、第2発行依頼情報に基づいて、対象製品の識別情報に第2証明情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には対象製品の第2所有権をトークン化した第2所有権トークンを発行する。
【0081】
(コミュニティ制御部135について)
コミュニティ制御部135は、生産者と顧客との間での情報のやり取りを可能とするコミュニティ型プラットフォームを制御する。例えば、コミュニティ制御部135は、生産者の単位、または、生産者の製品の単位で、コミュニティ型プラットフォームを制御する。公開部133は、第1のマーケットにコミュニティ型プラットフォームを公開することで、生産者および顧客に対してコミュニティ型プラットフォームへの参加を誘導する。
【0082】
図2で説明したように、情報処理装置100は、トークンの取引および流通に関するプラットフォームPL1を生産者、顧客、二次流通者に提供する。また、情報処理装置100は、生産者と顧客との間で情報交換することができるコミュニティ型プラットフォームPL2を提供する。
図5は、プラットフォームPL1と、プラットフォームPL2との関係性を示す図である。
【0083】
図5には、一次流通のマーケット(第1のマーケット)において、プラットフォームPL1およびプラットフォームPL2が活用される場面が示される。例えば、生産者Pは、プラットフォームPL1を介して、トークンの発行依頼を情報処理装置100に入力することができる。
図5では不図示であるが、二次流通者Qも、プラットフォームPL1を介して、トークンの発行依頼を情報処理装置100に入力することができる。
【0084】
また、顧客Uは、プラットフォームPL1を介して、トークンの売買を行ったり、トークンと現実資産とを交換する交換依頼を情報処理装置100に入力したりすることができる。
【0085】
また、生産者Pは、プラットフォームPL2を介して、自社の単位、あるいは、自社の製品PDの単位でコミュニティを形成することができる。このコミュニティは、例えばm、公開部133によって一次流通のマーケットに公開されてよい。この結果、ファンFや投資家Vは、プラットフォームPL2を介して、生産者Pが形成したコミュニティに参加できるようになる。コミュニティ内では、生産者Pは、ファンFおよび投資家Vに対して、ナラティブ(例えば、製品PDの物語・こだわり・戦略)を伝えることができる。
【0086】
〔6.情報処理手順〕
ここからは、
図6~
図11を用いて、実施形態に係る情報処理の手順を説明する。実施形態に係る情報処理が実行される場面は、一次流通と二次流通の場面に分けられる。
図6~
図9には一次流通の場面での情報処理手順が示され、
図10~
図11には二次流通の場面での情報処理手順が示される。なお、
図6~
図11には、生産者P1の製品PD1(例えば、ウイスキー)に対応するトークンが流通される場面が示され、また、中古品となった製品PD1の二次流通を請け負う事業者として二次流通者Q1を例示する。
【0087】
〔6-1.一次流通での情報処理手順〕
(6-1-1.予約権トークンの流通に関する処理手順)
図6は、予約権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。一次流通の場では、生産者P1の操作に応じて予約権トークンが発行される。予約権トークンが発行される段階(例えば、企画・製造の段階)では、製品PD1は未完成の状態である。
【0088】
このような状態において、生産者装置30は、生産者P1の操作に応じて、予約権トークン発行依頼情報を情報処理装置100に送信する(ステップS701)。なお、生産者装置30は、製品PD1の生産予定数の最大値以下の個数の予約権トークンを発行するよう条件付ける予約権トークン発行依頼情報を送信してよい。
【0089】
情報処理装置100の受付部131は、予約権トークン発行依頼情報を受け付ける(ステップS702)。
【0090】
発行部132は、予約発行依頼情報に基づいて、予約権をトークン化した予約権トークンBTKを生成し、生成した予約権トークンBTKをブロックチェーン60上に発行する(ステップS703)。予約権トークンBTKは、製品PD1ごとに個別に発行される。例えば、予約権トークンBTKのぞれぞれは、製品PD1を識別する製品識別情報に紐付けられた状態でブロックチェーン60上に発行される。つまり、この時点で、ブロックチェーン60上には、予約権トークンBTKと製品識別情報とが紐付けられた紐付情報が存在する。なお、ここでいう予約権とは、製品PD1が完成した場合には完成した製品PD1を優先的に受け取ることができるよう予め予約できる権利である。
【0091】
また、公開部133は、予約権トークンBTKを売買可能な状態で一次流通のマーケットMK1に公開する(ステップS704)。この結果、一次流通のマーケットMK1において、予約権トークンBTKの購入や転売が発生する。例えば、生産者P1から予約権トークンBTKを購入した顧客Uは、この予約権トークンBTKを他の顧客Uに転売することができる。例えば、ファンF同士の間で予約権トークンBTKの売買が行われる場合もあれば、ファンFと投資家Vとの間で予約権トークンBTKの売買が行われる場合もある。このようにして、一次流通のマーケットMK1の場において予約権トークンBTKが流通される。
【0092】
ここで、
図6に示すように、顧客U1が予約権トークンBTKを購入した場合を例に挙げる。係る場合、管理部134は、顧客U1が予約権トークンBTKを購入したことを示すトークン流通情報を、顧客U1の顧客装置40から取得する(ステップS705)。
【0093】
そして、管理部134は、トークン流通情報に基づいて、紐付情報を生成する(ステップS706)。例えば、管理部134は、顧客U1が購入した予約権トークンBTKと、製品PD1のうち当該予約権トークンBTKに対応する対象製品(以下、「対象製品PD11」と表記する)を識別する製品識別情報と、顧客U1が当該予約権トークンBTKの保有者であることを示す保有者情報とを紐付けた紐付情報L1_PD11を生成してよい。例えば、管理部134は、予約権トークンBTKと製品識別情報とが紐付けられた紐付情報のうち、対象製品PD11を識別する製品識別情報を含む紐付情報に対して、顧客U1の保有者情報を新たに追加することで紐付情報L1_PD11を生成する。
【0094】
なお、対象製品PD11の製品識別情報には、対象製品PD11の製品名、対象製品PD11固有のシリアル番号、対象製品PD11のカテゴリ、対象製品PD11の製造開始年月等が含まれる。
【0095】
また、管理部134は、紐付情報L1_PD11をブロックチェーン60に登録し、ブロックチェーン60上で紐付情報L1_PD11を管理する(ステップS707)。
【0096】
(6-1-2.所有権トークンの発行に関する処理手順)
図7は、所有権トークンの発行に関する処理手順を示すシーケンス図である。一次流通の場では、生産者P1の操作に応じて所有権トークンが発行される。所有権トークンが発行される段階では、製品PD1が完成し、その実物が存在している。
【0097】
このような状態では、まず、生産者P1は、製品PD1が実在する本物であることを証明する複製が不可能なタグTg1を製品PD1それぞれに付与する。より具体的には、生産者P1は、製品PD1は生産者P1を生産元とするオリジナル製品であることを証明する第1証明情報CF1(真贋判定システムで読み取られる証明情報)がICチップに記録された複製が不可能なタグTg1を製品PD1それぞれに付与する。
【0098】
製品PD1のそれぞれは、同一製品名ではあるが、互いに識別可能な固有製品である。このため、製品PD1のそれぞれに付与されるタグTg1も互いに識別可能な固有ラベル(偽造防止ラベル)である。
図7には、顧客U1が入手予定の対象製品PD11にはタグTg11が付与された例が示される。
【0099】
また、生産者P1は、真贋判定システムで用いられる専用の読取デバイスDVに、製品PD1それぞれに付与した第1証明情報CF1を読み取らせる作業を行う。この結果、読取デバイスDVは、第1証明情報CF1を読み取り(ステップS801)、読み取った第1証明情報CF1をブロックチェーン60上に登録する。
図7の例によれば、読取デバイスDVは、第1証明情報CF1として、製品PD1を識別する製品識別情報を含む第1証明情報CF1_PD1をブロックチェーン60上に登録してよい(ステップS802)。
【0100】
なお、読取デバイスDVには、自装置を識別する固有IDが登録されている。このため、真贋判定システム側では、読取デバイスDVの固有IDと、この固有IDで識別される読取デバイスDVが貸し出された貸出先の情報とを対応付けた情報が管理される。例えば、
図7の例では、生産者P1を示す生産者情報と、生産者P1に貸し出された読取デバイスDVの固有IDとが対応付けられた状態で真贋判定システムによって管理される。このため、第1証明情報CF1_PD1には、生産者P1を示す生産者情報、および、生産者P1に貸し出された読取デバイスDVの固有IDがさらに含まれてよい。この結果、第1証明情報CF1_PD1は、生産者P1を証明の裏付けとする信頼性の高いものとなるため、顧客Uに安心感を与えることができるようになる。
【0101】
このような状態において、生産者装置30は、生産者P1の操作に応じて、所有権トークン発行依頼情報を情報処理装置100に送信する(ステップS803)。なお、生産者装置30は、実在する製品PD1の個数と、予約権トークBTKとの差分に応じた数の所有権トークンを発行するよう条件付ける所有権トークン発行依頼情報を送信してよい。
【0102】
受付部131は、所有権トークン発行依頼情報を受け付ける(ステップS804)。
【0103】
そして、発行部132は、所有権トークン発行依頼情報に基づいて、所有権をトークン化した所有権トークンOTK1を生成する(ステップS805)。例えば、発行部132は、ブロックチェーン60上に登録される第1証明情報CF1_PD1を参照し、第1証明情報CF1が紐付けられている製品PD1それぞれに対して、個別の所有権トークンOTK1を生成する。ここでいう所有権とは、生産者P1の製品PD1を生産者P1から受け取ることができる権利であり第1所有権に対応する。
【0104】
そして、発行部132は、生成した所有権トークンOTK1をブロックチェーン60上に発行する(ステップS806)。
【0105】
(6-1-3.所有権トークンの流通に関する処理手順)
図8は、所有権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。
図8には、
図7で説明した手順で発行された所有権トークンOTK1が一次流通される場面が示される。
【0106】
所有権トークンOTK1が発行された場合、情報処理装置100は、まず、予約権トークンBTKの保有者に対して優先的に所有権トークンOTK1を配布する処理を行ってよい。
図8の例によれば、発行部132は、予約権トークンBTKの保有者が存在するか否かの有無判定を行ってよい(ステップS901)。
【0107】
図6の例を用いると、この時点でブロックチェーン60上には、顧客U1が製品PD1の1つである製品P11の予約権トークンBTKを購入したことによる紐付情報L1_PD11が登録されている。係る例では、発行部132は、紐付情報L1_PD11を参照することで、ステップS901では、予約権トークンBTKの保有者として顧客U1が存在すると判定する。
【0108】
予約権トークンBTKの保有者として顧客U1が存在すると判定した場合、発行部132は、所有権トークンOTK1を1つ取得し、紐付情報L1_PD11に含まれる予約権トークンBTKを所有権トークンOTK1に変更する(ステップS902)。例えば、発行部132は、ブロックチェーン60上に登録される第1証明情報CF1_PD1のうち対象製品PD11に対応するものを取得する。そして、発行部132は、紐付情報L1_PD11に含まれる予約権トークンBTKを、第1証明情報CF1_PD1に含まれる所有権トークンOTK1に変更する。この結果、顧客Uは、予約権トークンBTKを失う代わりに、対象製品PD11と交換することのできる所有権トークンOTK1を得ることができる。
【0109】
図8では、発行部132が、予約権トークンBTKを所有権トークンOTK1へと動的に変更する例を示したが、顧客U1の指示に応じて予約権トークンBTKを所有権トークンOTK1に変更してもよい。また、発行部132は、顧客U1のウォレットに所有権トークンOTK1を送信してよい。
【0110】
また、公開部133は、所有権トークンOTK1を売買可能な状態で一次流通のマーケットMK1に公開する(ステップS903)。この結果、一次流通のマーケットMK1において、所有権トークンOTK1の購入や転売が発生する。例えば、生産者P1から所有権トークンOTK1を購入した顧客Uは、この所有権トークンOTK1を他の顧客Uに転売することができる。例えば、ファンF同士の間で所有権トークンOTK1の売買が行われる場合もあれば、ファンFと投資家Vとの間で所有権トークンOTK1の売買が行われる場合もある。このようにして、一次流通のマーケットMK1の場において所有権トークンOTK1が流通される。
【0111】
ここで、
図8に示すように、顧客U2が、製品P12に紐付く所有権トークンOTK1を購入した場合を例に挙げる。係る場合、管理部134は、顧客U2が所有権トークンOTK1を購入したことを示すトークン流通情報を、顧客U2の顧客装置40から取得する(ステップS904)。
【0112】
そして、管理部134は、トークン流通情報に基づいて、紐付情報を生成する(ステップS905)。例えば、管理部134は、顧客U2が購入した所有権トークンOTK1と、製品PD1のうち当該所有権トークンOTK1に対応する対象製品(以下、「対象製品PD12」と表記する)を識別する製品識別情報と、顧客U2が当該所有権トークンOTK1の保有者であることを示す保有者情報とを紐付けた紐付情報L1_PD12を生成してよい。また、管理部134は、ブロックチェーン60上に登録される第1証明情報CF1_PD1のうち対象製品PD12に対応するものを取得する。そして、管理部134は、取得した第1証明情報CF1_PD1を紐付情報L1_PD12に含めてよい。
【0113】
また、管理部134は、紐付情報L1_PD12をブロックチェーン60に登録し、ブロックチェーン60上で紐付情報L1_PD12を管理する(ステップS906)。
【0114】
(6-1-4.所有権トークンと現実資産との交換に関する処理手順)
図9は、所有権トークンOTK1と製品PD1との交換に関する処理手順を示すシーケンス図である。
図9には、現時点において製品PD11と交換することのできる所有権トークンOTK1を保有する顧客U1の操作に応じて、製品P11と所有権トークンOTK1を交換する引き換えイベントの場面が示される。
【0115】
例えば、顧客装置40は、顧客U1の操作に応じて、所有権トークンOTK1を対象製品PD11に交換する交換依頼情報を情報処理装置100に送信する(ステップS1001)。
【0116】
受付部131は、交換依頼情報を受け付ける(ステップS1002)。そして、発行部132は、対象製品PD11に対応する紐付情報L1_PD11を参照し、紐付情報L1_PD11に含まれる所有権トークンOTK1を削除する(ステップS1003)。
【0117】
また、発行部132は、この段階で顧客U1が対象製品PD11の消費者であることを認識する(ステップS1004)。
【0118】
そして、発行部132は、消費者証明証明トークンFTKを生成し、生成した消費者証明証明トークンFTKをブロックチェーン60上に発行する(ステップS1005)。例えば、発行部132は、紐付情報L1_PD11から所有権トークンOTK1を削除した代わりに、消費者証明証明トークンFTKを紐付情報L1_PD11に含めてよい。ここでいう消費者証明証明トークンFTKとは、所有権トークンOTK1と対象製品PD11とを交換した顧客U1に対して発行されるトークンであり、顧客U1が対象製品PD11の消費者となったことを証明するためのトークンである。また、消費者証明トークンFTKは、譲渡不可能なトークンであり転売することができない。
【0119】
また、情報処理装置100は、対象製品PD11を顧客U1の元に配送する配送処理も行ってよい(ステップS1006)。なお、情報処理装置100には、顧客Uから製品PD1の配送依頼を受け付ける構成が採用されてもよい。
図9の例では、情報処理装置100は、顧客U1から対象製品PD11の配送依頼を受け付けてよい。また、係る例では、生産者P1は、配送依頼が受け付けられた場合には、対象製品PD11に付与されたタグTg11に読取デバイスDVを近接させ、タグTg11に記録される第1証明情報CF1を読み取らせる作業を再度行ってよい。読取デバイスDVは、第1証明情報CF1を読み取り、読み取られた第1証明情報CF1はブロックチェーン60上に登録される。この結果、顧客U1に発行された消費者証明トークンFTKと対応する対象製品PD11が発送されたことが証明されるため、透明性のある取引を実現することができるようになる。
【0120】
図9の例によれば、顧客U1が保有する所有権トークンOTK1と、対象製品PD11との引き換えが成立する。また、消費者証明トークンFTKを保有する顧客Uは、製品PD1のファンである可能性が高いため、消費者証明トークンFTKを入手すべく所有権トークンOTK1を購入しようとする。このため、所有権トークンOTK1の流通が活性化される。また、予約権トークンBTKの流通も活性化される。
【0121】
〔6-2.二次流通での情報処理手順〕
(6-2-1.所有権トークンの発行に関する処理手順)
図10は、所有権トークンの発行に関する処理手順を示すシーケンス図である。二次流通の場では、二次流通者Q1の操作に応じて所有権トークンが発行される。二次流通者Qは、所有権トークンを発行するにあたって、顧客Uによって持ち込まれた中古の製品PD1の鑑定を行う。
【0122】
図10には、顧客U1によって持ち込まれた製品PD11に対して二次流通者Q1が本物鑑定を行う場面が示される。顧客U1は、製品PD11を実際に消費することはしていないが開封済である。よって、製品PD11が持ち込まれた時点では、封入シールあるいはパッケージとともに付されていたタグTg11は消失してしまっている。
【0123】
このような状態において、二次流通者Q1は、顧客U1が持ち込んだ製品PD11の本物鑑定を実施する。そして、二次流通者Q1は、製品PD11が本物であることを証明できた場合にのみ、製品PD11が実在する本物であることを証明する複製が不可能なタグTg2を、現在の製品PD11に付与する。より具体的には、二次流通者Q1は、二次流通者Q1によって本物であると鑑定されたオリジナル製品であることを証明する第2証明情報CF2(真贋判定システムで読み取られる証明情報)がICチップに記録された複製が不可能なタグTg2を製品PD11に付与する。
【0124】
タグTg2は、製品PD11だけでなく本物であると鑑定されたオリジナル製品それぞれに付与されるため、タグTg2も互いに識別可能な固有ラベル(偽造防止ラベル)である。
図10には、本物であることを証明された製品PD11には、タグTg2のうちの1つであるタグTg21が付与された例が示される。以下の実施形態では、製品PD1のうち、二次流通者Q1により本物であることを証明され、かつ、タグTg2が付与された製品PD1を「製品PD1´」として説明する。
【0125】
ここで、二次流通者Q1は、真贋判定システムで用いられる専用の読取デバイスDVに、製品PD1´それぞれに付与した第2証明情報CF2を読み取らせる作業を行う。この結果、読取デバイスDVは、第2証明情報CF2を読み取り(ステップS1101)、読み取った第2証明情報CF2をブロックチェーン60上に登録する。
図10の例によれば、読取デバイスDVは、第2証明情報CF2として、製品PD1´を識別する製品識別情報と、二次流通者情報とを含む第2証明情報CF2_製品PD1´をブロックチェーン60上に登録してよい(ステップS1102)。二次流通者情報とは、二次流通者Q1を識別する識別情報である。
【0126】
図7で説明したように、読取デバイスDVには、自装置を識別する固有IDが登録されている。このため、
図10の例では、二次流通者Q1を示す二次流通者情報と、二次流通者Q1に貸し出された読取デバイスDVの固有IDとが対応付けられた状態で真贋判定システムによって管理される。したがって、第2証明情報CF2_製品PD1´には、二次流通者Q1を示す二次流通者情報、および、二次流通者Q1に貸し出された読取デバイスDVの固有IDがさらに含まれてよい。この結果、第2証明情報CF2_製品PD1´は、二次流通者Q1を証明の裏付けとする信頼性の高いものとなるため、顧客Uに安心感を与えることができるようになる。
【0127】
このような状態において、事業者装置50は、二次流通者Q1の操作に応じて、所有権トークン発行依頼情報を情報処理装置100に送信する(ステップS1103)。なお、二次流通者Q1は、現時点で本物であると鑑定されたオリジナル製品すなわち製品PD1´の個数に応じた数の所有権トークンを発行するよう条件付ける所有権トークン発行依頼情報を送信してよい。
【0128】
受付部131は、所有権トークン発行依頼情報を受け付ける(ステップS1104)。
【0129】
そして、発行部132は、所有権トークン発行依頼情報に基づいて、所有権をトークン化した所有権トークンOTK2を生成する(ステップS1105)。例えば、発行部132は、ブロックチェーン60上に登録される第2証明情報CF2_PD1´を参照し、第2証明情報CF2が紐付けられている製品P1´それぞれに対して、個別の所有権トークンOTK2を生成する。ここでいう所有権とは、二次流通者Q1により本物であることを証明された製品P1´を二次流通者Q1から受け取ることができる権利であり第2所有権に対応する。
【0130】
(6-2-2.所有権トークンの発行に関する処理手順)
図11は、所有権トークンの流通に関する処理手順を示すシーケンス図である。
図11には、
図10で説明した手順で発行された所有権トークンOTK2が二次流通される場面が示される。
図10の手順によって、製品PD1´それぞれに対して個別の所有権トークンOTK2が発行されている。
【0131】
そこで、公開部133は、所有権トークンOTK2を売買可能な状態で二次流通のマーケットMK2に公開する(ステップS1201)。この結果、二次流通のマーケットMK2において、所有権トークンOTK2の購入や転売が発生する。例えば、二次流通者Q1から所有権トークンOTK2を購入した顧客Uは、この所有権トークンOTK2を他の顧客Uに転売することができる。例えば、ファンF同士の間で所有権トークンOTK2の売買が行われる場合もあれば、ファンFと投資家Vとの間で所有権トークンOTK2の売買が行われる場合もある。このようにして、二次流通のマーケットMK2の場において所有権トークンOTK2が流通される。
【0132】
ここで、
図11に示すように、顧客U3が、本物であることを証明された製品P13に紐付く所有権トークンOTK2を購入した場合を例に挙げる。係る場合、管理部134は、顧客U3が所有権トークンOTK2を購入したことを示すトークン流通情報を、顧客U3の顧客装置40から取得する(ステップS1202)。
【0133】
そして、管理部134は、トークン流通情報に基づいて、紐付情報を生成する(ステップS1203)。例えば、管理部134は、顧客U3が購入した所有権トークンOTK2と、製品PD1´のうち当該所有権トークンOTK2に対応する対象製品(以下、「対象製品PD13」と表記する)を識別する製品識別情報と、顧客U3が当該所有権トークンOTK2の保有者であることを示す保有者情報とを紐付けた紐付情報L2_PD13を生成してよい。また、管理部134は、ブロックチェーン60上に登録される第2証明情報CF2_PD1´のうち対象製品PD13に対応するものを取得する。そして、管理部134は、取得した第2証明情報CF2_PD1´を紐付情報L2_PD13に含めてよい。
【0134】
〔7.その他の実施形態〕
図3(c)で説明したように、情報処理装置100は、所有権トークンOTK2と製品PDとの交換に応じた消費者証明トークンを発行する処理を二次流通の場でも行ってよい。
【0135】
例えば、
図11の例を用いると、顧客装置40は、顧客U3の操作に応じて、所有権トークンOTK2を対象製品PD13に交換する交換依頼情報を情報処理装置100に送信することができる。発行部132は、交換依頼情報を受け付けられると、対象製品PD13に対応する紐付情報L2_PD1´を参照し、紐付情報L2_PD1´に含まれる所有権トークンOTK2を削除する。
【0136】
一方で、発行部132は、この段階で顧客U3が対象製品PD13の消費者であることを認識し、消費者証明証明トークンFTKを生成する。そして、発行部132は、生成した消費者証明証明トークンFTKをブロックチェーン60上に発行する。例えば、発行部132は、対象製品PD13に対応する紐付情報L2_PD1´から所有権トークンOTK2を削除した代わりに、消費者証明証明トークンFTKをこの紐付情報L2_PD1´に含めてよい。
【0137】
〔8.ハードウェア構成〕
次に、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図12は、実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図12を参照すると、各装置は、例えば、プロセッサ801と、ROM802と、RAM803と、ホストバス804と、ブリッジ805と、外部バス806と、インターフェース807と、入力装置808と、出力装置809と、ストレージ810と、ドライブ811と、接続ポート812と、通信装置813と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0138】
(プロセッサ801)
プロセッサ801は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM802、RAM803、ストレージ810、またはリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般またはその一部を制御する。
【0139】
(ROM802、RAM803)
ROM802は、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータなどを格納する手段である。RAM803には、例えば、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータなどが一時的または永続的に格納される。
【0140】
(ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807)
プロセッサ801、ROM802、RAM803は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス804を介して相互に接続される。一方、ホストバス804は、例えば、ブリッジ805を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス806に接続される。また、外部バス806は、インターフェース807を介して種々の構成要素と接続される。
【0141】
(入力装置808)
入力装置808には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、およびレバーなどが用いられる。さらに、入力装置808としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置808には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
【0142】
(出力装置809)
出力装置809は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、または有機ELなどのディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホンなどのオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、またはファクシミリなど、取得した情報を利用者に対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本実施形態に係る出力装置809は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。また、出力装置809は、AIスピーカやウェアラブルデバイスを含んでもよい。
【0143】
(ストレージ810)
ストレージ810は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ810としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどが用いられる。
【0144】
(ドライブ811)
ドライブ811は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0145】
(接続ポート812)
接続ポート812は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子などのような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0146】
(通信装置813)
通信装置813は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデムなどである。
【0147】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディアなどである。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器などであってもよい。
【0148】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダなどである。
【0149】
〔9.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0150】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0151】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 システム
30 生産者装置
40 顧客装置
50 事業者装置
60 分散台帳システム
100 情報処理装置
130 制御部
131 受付部
132 発行部
133 公開部
134 管理部
135 コミュニティ制御部
【要約】 (修正有)
【課題】資産のデジタル所有権の流通を活性化させることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、受付部と、発行部と、公開部と、管理部とを備える。受付部は、発行依頼情報を生産者から受け付ける。発行部は、発行依頼情報に基づいて、所有権をトークン化した所有権トークンをブロックチェーン上に発行する。公開部は、所有権トークンを売買可能な状態でマーケットに公開する。また、受付部は、所有権トークンを対象製品に交換する交換依頼情報を保有者から受け付ける。発行部は、交換依頼情報に基づいて、交換依頼を行った保有者の保有者情報を含む紐付情報から所有権トークンを削除する一方で、削除した所有権トークンの代わりに、譲渡不可能なトークンであって交換依頼を行った保有者が対象製品の消費者となったことを証明する消費者証明トークンをブロックチェーン上に発行する。
【選択図】
図4