(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】接着固定具を含む体液採取装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20240731BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01N1/10 V
G01N33/48 S
(21)【出願番号】P 2023507609
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 IB2021057173
(87)【国際公開番号】W WO2022029662
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス キャスリーン
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/212951(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/212956(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0228642(US,A1)
【文献】国際公開第2020/000994(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/226826(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/00- 6/24
G01N 1/00- 1/44
33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、流体不透過障壁に沿って長手方向に伸長して使用者の尿道の少なくとも近傍に配置されるべく構成された開口部と、導管とを受容すべく構成された挿入口と、を少なくとも部分的に画定する流体不透過障壁と、
前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置され、前記開口部の少なくとも一部を横断して伸長して前記開口部から体液を吸い出すべく構成された流体透過本体と、
前記挿入口を通って延びる導管であって、前記導管の第1の部分が前記チャンバ内に配置され、前記導管の第2の部分が前記チャンバの外側に配置される導管と、
前記流体不透
過障壁、又は、前記導管の第2の部分の周囲に嵌合するリングと、
前記リングに固定された、接着面を含む1本以上のアームであって、前記流体不透過障壁の前記開口部が前記使用者の尿道に少なくとも近接して配置された場合に前記1本以上のアームが前記使用者の腹部、陰部、骨盤領域のうち少なくとも一つに接続すべく配置された1本以上のアームと、
を備えることを特徴とする体液採取装置。
【請求項2】
前記1本以上のアームが横方向に並んだ2本のアームを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の体液採取装置。
【請求項3】
前記2本のアームが互いに接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の体液採取装置。
【請求項4】
前記2本のアームの各々が少なくとも約2.5cmの幅を含んでいる、請求項2~3のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項5】
前記2本のアームの各々が少なくとも約5.1cmの幅を含んでいる、
ことを特徴とする請求項2~3のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項6】
前記2本のアームの各々の幅が、前記体液採取装置又は前記導管に向かって先細りになっている、
ことを特徴とする請求項4~5のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項7】
前記2本のアームの各々が粘着面の反対側に非粘着面を含んでいる、
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項8】
前記2本のアームの各々の前記接着面に着脱可能なカバーを更に含んでいる、
ことを特徴とする請求項7に記載の体液採取装置。
【請求項9】
前記リングが前記体液採取装置に摩擦嵌合されている、
ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項10】
前記2本のアームの各々が前記流体不透過障壁から少なくとも約2.5cm伸長する、
ことを特徴とする請求項9に記載の体液採取装置。
【請求項11】
前記2本のアームの各々が流体不透過障壁から少なくとも約5.1cm伸長する、
ことを特徴とする請求項9に記載の体液採取装置。
【請求項12】
前記2本のアームが前記流体不透過障壁の前記挿入口から約7.6cm以下の距離に配置されている、
ことを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項13】
前記2本のアームが前記流体不透過障壁の挿入口から約5.1cm以下の距離に配置されている、
ことを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項14】
前記2本のアームが前記流体不透過障壁の挿入口から約2.5cm以下の距離に配置されている、
ことを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項15】
前記リングが前記導管の前記第2の部分に摩擦嵌合されている、
ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の体液採取装置。
【請求項16】
前記2本のアームの各々が前記導管の前記第2の部分から少なくとも約2.5cm伸長する、
ことを特徴とする請求項15に記載の体液採取装置。
【請求項17】
前記2本のアームの各々が前記導管の前記第2の部分から少なくとも約5.1cm伸長する、
ことを特徴とする請求項15に記載の体液採取装置。
【請求項18】
使用者から体液を採取する方法であって、
体液採取装置の流体不透
過障壁又は体液採取装置の導管にリングを取り付けるステップと、
使用者の尿道を覆うように前記体液採取装置の流体透過本体を配置するステップと、
前記体液採取装置を前記使用者に効果的に固定すべく、前記リングに固定された1本以上の接着アームを、前記使用者の陰部、骨盤領域、又は腹部のうち少なくとも一つに適用するステップと、
前記尿道から排出された体液を前記体液採取装置のチャンバに受容するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記体液採取装置を前記使用者に効果的に固定すべく前記使用者の陰部、骨盤領域、又は腹部のうち少なくとも一つに1個以上の接着アームを適用するステップが、前記1個以上の接着アームを前記使用者の骨盤領域に適用するステップを含み、
前記リングが、前記尿道からの体液が貫通して採取される前記流体不透過障壁の開口部の遠位側の前記流体不透過障壁に固定されている、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記体液採取装置を前記使用者に効果的に固定すべく前記使用者の陰部、骨盤領域、又は腹部のうち少なくとも一つに1個以上の接着アームを適用するステップが、前記1個以上の接着アームが、前記チャンバと流体連通する導管に固定された状態で、前記1個以上の接着アームを前記使用者の腹部に適用するステップを含んでいる、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は2020年8月5日出願の米国仮特許出願第63/061,244号の優先権を主張するものであり、その開示内容の全文を本明細書に引用している。
【背景技術】
【0002】
通常の排尿行為が困難又は不可能な程度に移動が制限又は阻害される人がいる。例えば、移動を阻害する外科手術又は障害を当人が受けている場合がある。別の例において、当人は、パイロット、運転手、危険区域での労働者等が経験するように移動が制限される場合がある。また、モニタリング目的又は臨床検査のため当人からの体液採取が必要な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国仮特許出願第63/061,244号明細書
【文献】米国特許出願第15/612,325号明細書
【文献】米国特許出願第15/260,103号明細書
【文献】米国特許出願第15/611,587号明細書
【文献】国際特許出願第PCT/US19/29608号明細書
【文献】米国特許第6,117,163号明細書
【文献】米国特許第6,123,398号明細書
【文献】米国特許第8,211,063号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況に対応すべく差込便器及びフォーリーカテーテル等の尿道カテーテルを用いることができる。しかし、差込便器及び尿道カテーテルはいくつかの問題を伴う。例えば、差込便器は不快感、褥瘡漏出、及び他の衛生上の問題を引き起こしやすい恐れがある。尿道カテーテルは不快感や痛みを伴い、尿路感染症を発生させる恐れがある。
【0005】
従って、体液採取装置の使用者及び製造業者は、尿を採取する新規の改良された装置、システム、及び方法を求め続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示す実施形態は、体液採取装置、体液採取装置の組み立て方法、及び体液の採取方法である。一実施形態において、体液採取装置は、流体不透過障壁、流体透過本体、及び1本以上のアーム又はウイングを含んでいる。流体不透過障壁は、チャンバ、流体不透過障壁に沿って長手方向まで伸長して尿道に隣接して配置されるべく構成された開口部、及び導管を貫通させて受容すべく構成された挿入口を少なくとも部分的に画定する。流体透過本体は、チャンバ内に少なくとも部分的に配置されて開口部の少なくとも一部にわたり伸長し、開口部から体液を吸い出すべく構成されている。1本以上のアームは、流体不透過障壁に向けられた接着面を含んでいる。1本以上のアームは、流体不透過障壁の開口部が使用者の尿道に少なくとも近接して配置された場合に使用者の腹部、陰部、又は骨盤領域のうち少なくとも一つに接続すべく体液採取装置に配置されている。
【0007】
一実施形態において、使用者から体液を採取する方法は、体液採取装置の流体透過本体を使用者の尿道を覆うように配置するステップを含んでいる。本方法はまた、体液採取装置を使用者に効果的に固定すべく1本以上の粘着アームを使用者の陰部、骨盤領域、又は腹部のうち少なくとも一つに適用するステップを含んでいる。1本以上の接着アームは、体液採取装置の流体不透過障壁又は導管の少なくとも一方に固定されている。本方法はまた、尿道から排出された体液を体液採取装置のチャンバに受容するステップを含んでいる。
【0008】
開示するいずれの実施形態からの特徴も非限定的に互いに組み合わせて用いることができる。更に、当業者には本開示の他の特徴及び利点も以下の詳細な説明及び添付図面の考察を通じて明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
複数の図面に本開示のいくつかの実施形態を示しており、同一の参照符号は当該図面に示す異なる視点又は実施形態における同一又は同様の要素又は特徴を示す。
【0010】
【
図1A】一実施形態による接着固定具を有する体液採取装置の等角図である。
【
図1B】
図1Aの体液採取装置を女性使用者が装着した状態での女性使用者の正面図である。
【
図1D】線1-1に沿って切った
図1Aの体液採取装置の断面図である。
【
図1F】一実施形態による接着固定具が取り付けられた体液採取装置の等角図である。
【
図1G】女性使用者が体液採取装置を装着した状態での正面図である。
【
図2A】一実施形態による接着固定具が導管に取り付けられた体液採取装置の等角図である。
【
図2B】
図2Aの体液採取装置を女性使用者が装着した状態での正面図である。
【
図2D】一実施形態による体液採取装置の導管の正面図である。
【
図3】一実施形態による体液採取装置の組み立て方法のフロー図である。
【
図4】一実施形態による体液採取方法のフロー図である。
【
図5】一実施形態による体液採取システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示する複数の実施形態は、体液採取装置、体液採取装置の組み立て方法、及び体液の採取方法である。体液採取装置は、使用者から体液、例えば尿、膣分泌物、陰茎分泌物、生殖液、血液、汗、その他の体液の採取に用いられる。本明細書に記載の体液採取装置は、体液採取装置が使用者の尿道に少なくとも近接して(例:隣接して)保持された場合に使用者から体液を効果的かつ効率的に採取する。本明細書に開示す体液採取の複数の実施形態は、体液採取装置の開口部が使用者の尿道に近接した状態で体液採取装置を所望の位置に固定するために使用者に接続すべく構成された1個以上の接着固定具を含んでいる。1個以上の接着固定具は、体液採取装置の流体不透過障壁又は導管の少なくとも一方に配置されていてよく、その結果1個以上の接着固定具を使用者の腹部、陰部、又は骨盤領域に取り付ける技術的効果が得られる。使用者に取り付けられた場合、1個以上の粘着性固定具はまた、体液採取装置が使用者の所望の位置から外れるのを防止する技術的効果をもたらす。
【0012】
一実施形態において、体液採取装置は、流体不透過障壁、流体透過本体、及び各々が接着面を有する1本以上のアームを含んでいる。流体不透過障壁は、チャンバ、流体不透過障壁に沿って長手方向まで伸長して女性の尿道に隣接して配置されるべく構成された開口部、導管を受容すべく構成された挿入口を少なくとも部分的に画定する。本明細書に記述する体液採取装置は、埋没陰茎を有する男性の尿道開口部を覆うように配置、又は男性の尿道を挿入する(例:陰茎を受容する)のに適した形状及び大きさであってよい。流体透過本体は、開口部の少なくとも一部にわたり伸長すべくチャンバ内に少なくとも部分的に配置され、開口部から体液を吸い出すべく構成されている。1本以上のアーム又はウイングの各々の接着面は、アクリル接着剤、シリコン接着剤、ハイドロゲル接着剤、使用者の身体への接触に適した他の接着剤、又はこれらを任意に組み合わせた接着剤等を含む材料を含んでいてよい。
【0013】
本明細書に記述する体液採取装置は、体液採取システム及び方法に用いられてよい。体液採取システムは、体液採取装置、体液貯蔵容器、及び携帯真空源を含んでいてよい。体液採取装置内に採取された体液(例:尿その他の体液)は、体液採取装置の内部領域内に突き出た導管を介して体液採取装置から排出されてよい。例えば、導管の第1の開放端が体液採取装置内の貯液槽まで伸長できる。導管の第2の開放端が体液採取装置又は携帯真空源の内部まで伸長できる。導管の第2の終端で印加された吸引(例:真空)力に応答して導管の第1の開放終端を介して体液採取装置の内部領域へ吸引力を導入できる。吸引力は携帯真空源により直接又は間接的に導管の第2の開放端に印加されてよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、携帯真空源は体液採取装置の内部又は上部に配置されていてよい。そのような実施形態において、導管が体液採取装置から伸長して携帯真空源内の第1の点に接続できる。追加的な導管が携帯真空源の第2の点に接続してから体液採取装置の外部まで伸長して体液貯蔵容器に接続できる。従って、体液貯蔵容器を介して体液採取装置を貫通して真空力(例:吸引力)を誘引できる。携帯真空源を用いて尿などの体液を体液採取装置から排出されてよい。
【0015】
図1Aは、一実施形態による、接着固定具が固定された体液採取装置100の等角図である。体液採取装置100は、女性又は埋没陰茎を有する男性から体液を受容すべく構成された体液採取装置100の一例である。体液採取装置100は、第1の終端領域125及び第2の終端領域127を有する流体不透過障壁102を含んでいる。流体不透過障壁102は、チャンバ104(例:
図1Eに示す内部領域)を少なくとも部分的に画定し、開口部106を画定する内向き境界又は縁129を含んでいる。流体不透過障壁102は、第1の終端領域125と第2の終端領域127の間で実質的に円筒形である。他の実施形態において、流体不透過障壁102は他の形状、例えば1個以上の実質的に平坦な表面、三角形、又は他の適切な形状を含んでいてよい。開口部106は、流体不透過障壁102内に形成され、流体不透過障壁102を貫通して長手方向まで伸長することにより、体液採取装置100の外側からチャンバ104内に体液が流入できるようにする。開口部106は、少なくとも女性の尿道の開口部に近接して(例:隣接して)、又は埋没陰茎を有する男性の尿道の開口部を覆うように配置されるべく構成されていてよい。
【0016】
体液採取装置100は、尿道の開口部に少なくとも近接して配置されてもよく、尿は、開口部106を介して体液採取装置100の内部領域に流入できる。体液採取装置100は、開口部106を介してチャンバ104に体液を受容すべく構成されている。例えば、開口部106は、尿道開口部下方の第1の位置(例:肛門又は膣口、或いはその近傍)から尿道開口部上方の第2の位置(例:陰核又は陰毛、或いはその近傍)まで伸長すべく構成された細長い形状をとり得る。開口部106は、女性が脚を閉じている場合は脚同士の間隔が比較的狭いため細長い形状をとり得ることにより、体液は開口部106の細長い形状に対応する経路に沿って流れる以外にない。例えば、開口部は、流体不透過障壁に沿って長手方向に伸長できる。流体不透過障壁102の開口部106は、長手方向を横切る方向に測定された幅を有し、体液採取装置100の周長の少なくとも約10%、例えば体液採取装置100の周長の約25%~約50%、約40%~約60%、約50%~約75%、約65%~約85%、又は約75%~約100%であってよい。開口部106は、導管108を通る真空力(例:吸引力)が体液を導管108内に誘引するため、体液採取装置100の周長の50%以上の幅を有してよい。いくつかの実施形態において、開口部106は垂直方向を向いて(例:装置100の長手方向軸に平行な長軸を有して)いてよい。いくつかの実施形態(図示せず)において、開口部106は、水平方向を向いて(例:デバイス100の長手方向軸に垂直な長軸を有して)いてよい。いくつかの実施形態において、流体不透過障壁102の内向き境界又は縁129が開口部106を画定する。縁部129は2個の対向する弧状部分を含んでいてよく、当該弧状部分は略円筒形の流体不透過障壁102の外周又は周縁に沿っている。
【0017】
流体不透過障壁102はまた、チャンバ104内の体液を一時的に貯蔵できる。例えば、流体不透過障壁102は、流体不透過性ポリマー(例:シリコン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)、ポリウレタンフィルム、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、熱可塑性ポリウレタン、別の適当な材料、又はこれらの組み合わせ等、任意の適当な流体不透過性材料で形成されていてよい。このように、流体不透過障壁102は、開口部106から間隔を空けたチャンバ104の部分から体液が流出することを実質的に防止する。流体不透過障壁102は可撓性であるため、体液採取装置100が着用者の身体に合わせて配置された際に屈曲又は湾曲可能にする。例示的な流体不透過障壁として、Versaflex CL 2000X TPE、Dynaflex G6713 TPE、又はSilpuran6000/05A/Bシリコンのうち少なくとも一つを含む流体不透過障壁が含まれてよいが、これらに限定されない。
【0018】
一実施形態において、流体不透過障壁102は空気透過性であってよい。そのような実施形態において、流体不透過障壁102は複数の細孔を画定する疎水性材料で形成されていてよい。一実施形態において、流体不透過障壁102の少なくとも外面の1個以上の部分は柔らかい及び/又は滑らかな材料で形成されていてよいため、擦れを低減できる。流体不透過障壁102は、着用者に装置100を配置する際に使用者を補助する1個以上のマーキング等、複数のマーキングを含んでいてよい。例えば、流体不透過障壁102上の(例:開口部106の反対側の)1本の線により、医療従事者が開口部106を着用者の尿道を覆うように配置できるようになる。複数の例において、マーキングはストライプ又はハッシュ等、1個以上の配置ガイド又は方向指示器を含んでいてよい。このようなマーキング装置100は恥骨等、1個以上の解剖学的特徴に沿わせるべく配置されていてよい。
【0019】
一実施形態において、体液採取装置100は、流体不透過障壁102に固定され、又は固定可能であって、体液採取装置100を個人に取り付けるべく構成された接着性固定具部を含んでいる。1個以上の接着性固定具部は、流体不透過障壁又は体液採取装置の導管の少なくとも一方に配置されていてよく、1個以上の接着性固定具部を使用者の腹部、陰部、又は骨盤領域に取り付ける技術的効果が得られる。使用者に取り付けられた場合に1個以上の接着性固定具部はまた、使用者に装着した所望の位置からの体液採取装置が外れるのを防止する技術的効果をもたらすことができる。例えば、
図1Aに示す体液採取装置100は、体液採取装置100を個人に取り付けるか又は固定すべく構成された1本以上(例:2本)のアーム140又はウイングを含んでいる。アーム140は各々、開口部106に向けられた、又は開口部106が向く方向と略同じ方に向けられた接着面142を含んでいてよい。接着面142は、膠、接触接着剤、エポキシ、ハイドロゲル接着剤、テープ、アクリル接着剤、シリコン接着剤、ハイドロゲル接着剤、使用者の身体又は使用者が着用する布地への接着に適した他の接着剤、又はそれらの任意の組み合わせ等の接着材料を含んでいてよい。例えば、接着剤は、アクリレート(例:メタクリレート又はエポキシジアクリレート)又は包帯への使用に適した他の任意の接着剤を含んでいてよい。アーム140はまた、使用者に接着剤層を固定する前に取り外せる接着剤層142に固定された着脱可能なカバーを含んでいてよい。
【0020】
図1Bは、体液採取装置100が女性使用者150に固定された状態での女性使用者150の正面図である。使用に際して、体液採取装置の流体透過本体120は使用者150の尿道に隣接して配置されている。流体透過本体120は、体液採取装置100の流体不透過障壁102の(
図1Dに示す)チャンバ104内に配置され、体液採取装置100の開口106を貫通して使用者150の尿道に露出される。尿道から体液採取装置100のチャンバ104内に受容された体液は導管108を介して排出されてよい。
【0021】
各々のアーム140の接着面142は体液採取装置100を使用者150に取り付けることができ、アーム140は接着面142の反対側又は遠位側に非接着面144を含んでいてよい。接着面142は、使用者150の皮膚に直接取り付けられても、又は下着等、使用者150が着用する布に接触してもよい。以下により詳細に説明するように、アーム140は、体液採取装置100を使用者150の身体の所定の領域、例えば使用者150の腹部領域、恥骨領域、骨盤領域、下腹部(又は胃下)領域、脚(大腿部を含む)、又はそれらの任意の組み合わせに直接固定すべく体液採取装置100の様々な領域に配置されていてよい。
図1Bにおいて、アーム140は体液採取装置100に配置されていて各々のアームの接着面142を使用者150の骨盤領域152に取り付ける技術的効果が得られる。骨盤領域152は、使用者150の腹部と恥骨又は陰唇の間の領域を含んでいてよい。
【0022】
図1Cを参照するに、体液採取装置100の背面図を示しており、いくつかの実施形態において、2本のアーム140は、流体不透過障壁102の背面又は裏面で開口部106から一般に遠位側の体液採取装置100に配置されている。2本のアーム140は、流体不透過障壁102の背面又は裏面の様々な位置に配置されていてよい。例えば、
図1Cに示す体液採取装置100において、2本のアームは、第1の終端領域127に近接して、且つ挿入口124から約5.1cm以下の距離に、流体不透過障壁102の背面又は裏面に配置されていて、2本のアーム140を使用者150の骨盤又は下腹部に取り付ける技術的効果が得られる。他の実施形態において、アーム140は、以下に示すように、2本のアーム140を使用者150の身体の他の領域に取り付ける技術的効果が得られるよう流体不透過障壁102の背面又は裏面の他の場所に配置されていてよい。各種の実施形態において、アーム140は、背面又は裏面に、挿入口124から約15.2cm以下、挿入口124から約12.7cm以下、挿入口124から約10.2cm以下、開口部から約7.6cm以下、挿入口124から約5.1cm以下、挿入口124から約2.5cm以下、挿入口124から約1.3cm以下、挿入口124から約2.5cm以上、挿入口124から約5.1cm以上、挿入口124から約7.6cm以上、挿入口124から約10.2cm以上、挿入口124から約12.7cm以上、挿入口124から約15.2cm以上、挿入口124から約17.8cm以上、挿入口124から約20.3cm以上、挿入口124から約1.3cm~約3.8cm、挿入口124から約2.5cm~約5.1cm、挿入口124から約5.1cm~約7.6cm、挿入口124から約7.6cm~約10.2cm、挿入口124から約10.2cm~約12.7cm、挿入口124から約12.7cm~約15.2cm、挿入口124から約15.2cm~約17.8cm、挿入口124から約17.8cm~約20.3cm、挿入口124から約20.3cm~約22.9cm、挿入口124から約1.3cm、挿入口124から約2.5cm、挿入口124から約3.8cm、挿入口124から約5.1cm、挿入口124から約6.4cm、挿入口124から約7.6cm、挿入口124から約8.9cm、挿入口124から約10.2cm、挿入口124から約11.4cm、挿入口124から約12.7cm、挿入口124から約14cm、挿入口124から約15.2cm、挿入口124から約16.5cm、挿入口124から約17.8cm、挿入口124から約19.1cm、挿入口124から約20.3cm、挿入口124から約21.6cm、又は挿入口124から約22.9cmの距離に配置されていてよい。
【0023】
いくつかの実施形態(図示せず)において、2本のアーム140は体液採取装置に、流体不透過障壁102の前面、例えば開口部106と挿入口124の間の第1の終端領域125、又は開口部と流体不透過障壁102の遠位端の間の第2の終端領域127に配置されていてよい。
【0024】
2本のアーム140は、当該2本のアームが使用者150の骨盤領域152に選択的に接続したままである技術的効果が得られるような大きさであってよい。
図1Cに示すように、2本のアーム140は、流体不透過障壁102上で横方向に並んでいてよい。更に、いくつかの実施形態において、2本のアームは、互いに同延であっても、接続されていても、又は一体化されていてもよい。接着面142は2本のアーム140を横断して連続的に又は途切れることなく伸長できる。代替的に、各アーム140の接着面142は、2本のアーム140の接着面142同士に隙間ができるように各アーム140の一部のみを覆っていてよい。接着面142自体は2本のアーム142との関係で以下に記述する寸法のいずれを含んでいてもよい。例えば、接着面142は、流体不透過障壁142からの2本のアーム140の各々の伸長に関連して以下に記述する任意の寸法だけ流体不透過障壁102から伸長できる。更に、接着面142は、2本のアーム140の各々の最大幅Wに関連して以下に記述する任意の幅を含んでいてよい。
【0025】
2本のアーム140の各々は流体不透過障壁102から所定の距離伸長できる。例えば、各アーム140は、流体不透過障壁102から少なくとも約2.5cm、流体不透過障壁102から少なくとも約3.8cm、流体不透過障壁102から少なくとも約5.1cm、流体不透過障壁102から少なくとも約6.4cm、流体不透過障壁102から少なくとも約7.6cm、流体不透過障壁102から少なくとも約8.9cm、流体不透過障壁102から少なくとも約10.2cm、流体不透過障壁102から少なくとも約11.4cm、流体不透過障壁102から少なくとも約12.7cm、流体不透過障壁102から少なくとも約15.2cm、流体不透過障壁102から約2.5cm以下、流体不透過障壁102から約5.1cm以下、流体不透過障壁102から約7.6cm以下、流体不透過障壁102から約10.2cm以下、流体不透過障壁102から約12.7cm以下、流体不透過障壁102から約15.2cm以下、流体不透過障壁102から約0.64cm~約2.5cm、流体不透過障壁102から約2.5cm~約5.1cm、流体不透過障壁102から約5.1cm~7.6cm、流体不透過障壁102から7.6cm~約10.2cm、流体不透過障壁102から約10.2cm~約12.7cm、流体不透過障壁102から約12.7cm~約15.2cm、流体不透過障壁102から約0.64cm~約5.1cm、流体不透過障壁102から約5.1cm~約10.2cm、又は流体不透過障壁102から約10.2cm~約15.2cm伸長できる。
【0026】
各々のアーム140はまた、導管108及び/又は流体不透過障壁102の長手方向軸に平行な線又は平面で測定された幅Wを含んでいてよい。幅Wは、アーム140が流体不透過障壁102に近づくに従い各アーム140上で先細り又は狭まる場合がある。各々のアーム140の最大幅Wは少なくとも約1.3cm、少なくとも約2.5cm、少なくとも約3.8cm、少なくとも約5.1cm、少なくとも約6.4cm、少なくとも約7.6cm、少なくとも約8.9cm、少なくとも約10.2cm、約15.2cm以下、約12.7cm以下、約10.2cm、約7.6cm以下、約5.1cm以下、約2.5cm以下、約1.3cm以下、約1.3cm~約2.5cm、約2.5cm~約5.1cm、約5.1cm~約7.6cm、約7.6cm~約10.2cm、約10.2cm~約12.7cm、又は約12.7cm~約15.2cmであってよい。
【0027】
アーム140は、業務用接着剤、超音波結合又は溶接、流体不透過障壁102への成形、機械的取り付け、ストラップ、フック、ループファスナー、ボタン、スナップ、クリップ、磁石、リング、又はこれらの任意の組み合わせ等、任意の適当な固定具により流体不透過障壁102に固定されていてよい。
【0028】
図1Dは、
図1Aの線1-1に沿って切った体液採取装置100の断面図である。体液採取装置100は、チャンバ104内に配置された流体透過本体120又は層を含んでいてよい。流体透過本体120は、開口部106の少なくとも一部(例:全て)を覆うか又は横断して伸長できる。流体透過本体120は、残留体液を開口部106から吸い出すべく構成されていてよいため、チャンバ104から体液が漏れるのを防止できる。流体透過本体120はまた、以下でより詳細に議論するように、略チャンバ104の内部に向かって体液を吸い出すことができる。流体透過本体120の一部は、体液採取装置100の外面の一部を画定していてよい。具体的には、体液採取装置100の外面の一部を画定する流体透過本体120の部分が、使用者に接触する流体不透過障壁102により画定された開口部106により露出された流体透過本体120の部分であってよい。更に、体液採取装置100の外面の一部を画定する流体透過装置の部分は、開口部がガーゼその他の吸湿素材で覆われていなくてよい。
【0029】
流体透過本体120は、体液を吸い出し得る任意の材料を含んでいてよい。本明細書で言及する透過性は、吸い出し、毛細管現象、拡散、又は他の同様の特性或いは過程であってよく、本明細書では「透過性」及び/又は「吸い出し」と称する。このような「吸い出し」は吸湿素材への吸収を除外してよい。流体透過本体120は、一方向の流体移動生地を含んでいてよい。このように、流体透過本体120は女性の尿道周辺の領域から体液を排出することにより尿道を乾燥した状態に保つことができる。流体透過本体120は、チャンバ104内に形成された空隙の貯液槽122に略向かって体液が流れるようにできる。例えば、流体透過本体120は、親水性ポリオレフィン等の多孔質又は繊維状材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、流体透過本体120は、親水性ポリオレフィン等の多孔質又は繊維状材料を含むか又は不可欠に含んでいる。流体透過本体120に利用できるポリオレフィンの例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、又はこれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。多孔質又は繊維状材料は、流体不透過障壁102のチャンバ104内に沿うように略円筒形の形状に押し出されていてよい。流体透過本体120は、様々な密度又は寸法を含んでいてよい。更に、流体透過本体120は、成形、押出成形、又は焼結等、各種の製造方法に従い製造されてよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、流体透過本体120は単体としての多孔体を含んでいる。すなわち、流体透過本体120は使用中、導管108から伸長して流体不透過障壁102と開口部106の界面を形成する。いくつかの実施形態において、流体透過本体120の(
図1Eに示す)外面109の大部分は、流体不透過障壁106の(
図1Eに示す)内面103との界面を形成している。単体としての流体透過本体120は、体液採取装置100の要素数を減らし、体液採取装置100の組み立て時間を短縮し、単一の要素だけ使用期限データを必要とし、ラテックスを含まない単体要素を提供するため、典型的にはリブ付き布圧縮包帯で覆われたエアレイド不織パッドを要する従来のシステムに有利な場合がある。いくつかの実施形態において、流体透過本体120の単体としての多孔質材料の少なくとも一部が開口部106と貯液槽122の間で連続的に伸長して残留体液を開口部106から直接貯液槽122に吸い出す。更に、流体不透過障壁102は可撓性であって、流体透過本体120は装置本体から体液を吸収して装置本体に隣接して保持するのではなく装置本体から体液を吸い出して逃がすべく構成されているため、体液採取装置100はいくつかの実施形態において、開口部106を画定する内向きの縁129にシール又はクッションリングを有していない。これら及び他の実施形態において、流体透過本体120は外面及び、開口部106と流体透過本体120内に配置された導管108の間に単層又は単一種類の材料を含んでいる。
【0031】
他の実施形態において、流体透過本体120は、2層以上の流体透過材料を含み、開口部106と流体透過本体120内に配置された導管108の間には高々2層しか(又は1層も)材料を含んでいない。例えば、体液採取装置100は、流体透過本体の少なくとも一部を覆うか又は包む流体透過膜を含んでいてよく、流体透過膜及び流体透過本体の両方がチャンバ104内に配置されている。流体透過膜は、開口部106の少なくとも一部(例:全部)を覆うか又は横断して伸長していてよい。流体透過膜は、残留体液を開口部106から吸い出すべく構成されているため、体液がチャンバ104から漏出するのを防止できる。本明細書で言及する透過性は、吸い出し、毛細管現象、拡散、又は他の同様の特性或いは過程であってよく、本明細書では「透過性」及び/又は「吸い出し」と称する。いくつかの実施形態において、流体透過膜又は流体透過支持体の少なくとも一方が、開口部106から体液を吸い出すべく構成されたナイロンを含んでいる。流体透過膜及び流体透過支持体の材料はまた天然繊維を含んでいてよい。このような例において、材料は、撥水コーティングのような、材料への体液の吸収を防止又は制限するコーティングを有していてよい。このような「吸い出し」は、吸湿素材内への吸収を含んでいない場合がある。換言すれば、材料が一定時間体液に浸されて体液から取り出された後で材料への体液の吸収が実質的に行われない場合がある。吸収は望まれていないが、用語「実質的に吸収が無い」は吸湿素材内への名目量の体液の吸収(例:吸収性)、例えば吸湿素材の乾燥重量の約30wt%、約20wt%、約10wt%、約7wt%、約5wt%、約3wt%、約2wt%、約1wt%、又は約0.5wt%等が可能である。
【0032】
流体透過膜はまた、以下でより詳細に議論するように、略チャンバ104の内部に向けて体液を吸い出すことができる。流体透過膜は体液を吸い出し得る任意の材料を含んでいてよい。例えば、流体透過膜は、ガーゼ(例:絹、麻、ポリエステル等のポリマー系材料、又は綿ガーゼ)、別の柔らかい布(例:ジャージニット布等)、又は別の滑らかな布(例:レーヨン、サテン等)のような布を含んでいてよい。ガーゼ、柔らかい布、及び/又は滑らかな布から流体透過膜を形成することにより、体液採取装置100により生じる擦れを減らすことできる。流体透過膜、流体透過支持体、チャンバ、及びそれらの形状及び構成の他の実施形態が2017年6月2日出願の米国特許出願第15/612,325号、2016年9月8日出願の米国特許出願第15/260,103号、2017年6月1日出願の米国特許出願第15/611,587号、2019年4月29日出願のPCT特許出願第PCT/US19/29608号に開示されており、各々の開示内容の全文を本明細書に引用している。多くの実施形態において、流体透過本体120は、多孔質ナイロン構造(例:スパンナイロン繊維)を含む流体透過支持体、及び多孔質ナイロン構造を包むか又は覆うガーゼを含む流体透過膜を含んでいる。
【0033】
体液採取装置100はまた、チャンバ104内に少なくとも部分的に配置された導管108を含んでいる。導管108(例:チューブ)は、流体不透過障壁102の第2の終端領域127に取入口110、及び当該取入口110から下流に配置された流体不透過障壁102の第1の終端領域125に排出口112を含んでいる。導管108は、チャンバ104の内部領域と体液貯蔵容器(図示せず)又は携帯真空源(図示せず)の間を流体連通させる。例えば、導管108は、チャンバ104の内部領域及び/又は貯液槽122を体液貯蔵容器又は携帯真空源と直接又は間接的に流体結合させることができる。
【0034】
図示する実施形態において、流体透過本体120は、流体透過本体120の第1の本体終端121から、第1の本体終端120から遠位側の流体透過本体120の第2の本体終端123まで流体透過本体120を貫通して伸長するボア孔202を画定する。他の実施形態において、ボア孔202は、流体透過本体120の第1の本体終端121から流体透過本体内に部分的にのみ伸長する。
【0035】
図示する実施形態において、導管108は、チャンバ104内に少なくとも部分的に配置されていて流体透過本体120のボア孔202の少なくとも一部との界面を形成している。例えば、導管108は、(例えば排出口112に近接した)第1の終端領域125から流体不透過障壁102の内部まで伸長し、且つボア孔202を貫通して(例えば第1の終端領域125の反対側の)第2の終端領域127内の貯液槽122に近接する点まで伸長することにより取入口110を貯液槽122と流体連通させることができる。例えば、図示する実施形態において、取入口110は貯液槽122内に配置されている。しかし、他の実施形態において、取入口110は、貯液槽122を部分的に画定する流体透過本体120の終端と同一平面又はその背後に配置されていてよい。体液採取装置100に採取された体液は、導管108を介してチャンバ104の内部領域から排出されてよい。導管108は、プラスチックチューブ(例:医療用チューブ)等の可撓性材料を含んでいてよい。このようなプラスチックチューブは、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のチューブを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、導管108はシリコン又はラテックスを含んでいてよい。
【0036】
流体不透過障壁102は内蔵する貯液槽122に体液を貯蔵できる。貯液槽122は、チャンバ104の未占有部分であって他の物質は存在しない。いくつかの実施形態において、貯液槽122は、流体透過本体120及び流体不透過障壁102により少なくとも部分的に画定される。例えば、一実施形態において、貯液槽122が取入口110に最も近いチャンバ104の部分(例:第2の終端領域)に配置されていてよい。従って、
図1Dの実施形態において、貯液槽122は流体透過本体120の第2の本体終端123及び流体不透過障壁122の第2の端領域127により画定される。しかし、貯液槽122がチャンバ104内の異なる位置に配置されていてよい。例えば、貯液槽122が排出口112に最も近いチャンバ104の終端に配置されていてよい。これら及び他の実施形態において、導管108は、流体透過本体120を貫通して伸長することなく、流体不透過障壁102の第1の終端領域125を貫通して貯液槽122まで伸長できる。従って、これら及び他の実施形態において、流体透過本体120にはボア孔が無くてよい。別の実施形態において、体液採取装置100は複数の貯液槽、例えば取入口110に最も近いチャンバ104の部分(例:第2の終端領域)に位置する第1貯液槽、及びチャンバ104のうち排出口112に最も近い部分(例:第1の終端領域)に位置する第2貯液槽を含んでいてよい。別の例において、流体透過本体120は、導管108の少なくとも一部から間隔を空けられており、貯液槽122が流体透過本体120と導管108の間隔であってよい。貯液槽、流体不透過障壁、流体透過膜、流体透過本体、チャンバ、及びそれらの形状及び構成の他の実施形態が2017年6月2日出願の米国特許出願第15/612,325号、2016年9月8日出願の米国特許出願第15/260,103号、及び2017年6月1日出願の米国特許出願第15/611,587号に開示されており、各々の開示内容の全文を本明細書に引用している。
【0037】
流体不透過障壁102及び流体透過本体120は、チャンバ104内に導管108が少なくとも部分的に配置されるべく構成されていてよい。例えば、流体透過本体120は、導管108を収容するボア孔202等の空間を形成すべく構成されていてよい。別の例において、流体不透過障壁102は、導管108(例:少なくとも1本のチューブ)を受容できる大きさの挿入口124を画定していてよい。少なくとも1個の導管108が挿入口124を介してチャンバ104内に配置されていてよい。挿入口124は、導管108又は少なくとも1個のチューブに対して少なくとも実質的に液密のシールを形成すべく構成されていてよく、これにより体液がチャンバ104から漏出するのを実質的に防止できる。
【0038】
いくつかの実施形態において、導管108は
図1Dに示すように、流体透過本体120を貫通して少なくとも部分的に貯液槽122の内部まで伸長できる。いくつかの実施形態において、導管108が貯液槽122の内部まで伸長しない(又は貯液槽122に導管108が存在しない)ように導管108が流体透過本体120を貫通して伸長して流体透過本体120の第2の本体終端123で、又はその手前で終端してよい。他の実施形態において、導管108の終端は、流体透過本体120の第2の本体終端123から後退していてよい。導管108の終端はまた、貯液槽122内に部分的に伸長する状態と、流体透過本体の第2の本体終端123から後退しているか又は同一平面にある状態との間を選択的に遷移可能であってよい。
【0039】
体液採取装置100に固定されている場合、導管108は、1個以上の体液貯蔵容器(図示せず)と携帯真空源(図示せず)を流体連通させてその間を少なくとも部分的に伸長すべく構成されている。例えば、導管108は、1個以上の体液貯蔵容器と携帯真空源を流体結合させてその間を少なくとも部分的に伸長すべく構成されていてよい。一実施形態において、導管108は携帯真空源(図示せず)に直接接続されるべく構成されている。このような例において、導管108は、流体不透過障壁102から少なくとも1フィート(30.48cm)、少なくとも2フィート(60.96cm)、少なくとも3フィート(91.44cm)、又は少なくとも6フィート(182.88cm)伸長できる。別の例において、導管108は、体液貯蔵容器(図示せず)又は携帯真空源(図示せず)の少なくとも一方に間接的に接続されるべく構成されている。いくつかの例において、導管は、内部の体液を覆い隠すべく艶消し又は不透明(例:黒)であってよい。いくつかの実施形態において、導管はC.R.Bard,Inc.から入手可能なSTATLOCK(登録商標)カテーテル固定具等、各々の開示内容の全文を本明細書に引用している米国特許第6,117,163号、第6,123,398号、及び第8,211,063号に開示されたものを含むがこれらに限らないカテーテル固定具により装着者の皮膚に固定されている。
【0040】
取入口110及び排出口112は、携帯真空源(図示せず)とチャンバ104(例:貯液槽122)の間を(例えば直接又は間接的に)流体連通させるべく構成されている。例えば、導管108の取入口110及び排出口112は、携帯真空源を貯液槽122に直接又は間接的に流体連通させるべく構成されていてよい。一実施形態において、取入口110及び/又は排出口112は、雄コネクタを形成していてよい。別の例において、取入口110及び/又は排出口112は、雌コネクタを形成していてよい。一実施形態において、取入口110及び/又は排出口112は、確実な結合を実現すべく構成されたリブを含んでいてよい。一実施形態において、取入口110及び/又は排出口112は先細形状をなしていてよい。一実施形態において、取入口110及び/又は排出口112は剛性又は可撓性材料を含んでいてよい。
【0041】
取入口110をチャンバ104の重量測定的に低い点又はその近傍に配置することにより、導管は、取入口110を他の場所に配置した場合よりも多くの体液を受容できるようになり、滞留(例:体液の滞留は微生物の増殖や悪臭の原因になり得る)の可能性を低下させることができる。例えば、流体透過本体120内の体液は毛細管力により任意の方向に流れることができる。しかし、体液は、特に流体透過本体120の少なくとも一部が体液で飽和している場合、重力の方向に流れ易いことを示す場合がある。
【0042】
携帯真空源が導管108内に真空力/吸引力を印加するに従い、チャンバ104内(例えば、第1の終端領域125、第2の終端領域127、又はチャンバ104内の他の中間位置に配置された貯液槽122内)の(複数種類の)体液を導管108を介して取入口110に誘引して体液採取装置100から排出することができる。
【0043】
一実施形態において、導管108は、チャンバ104内に少なくとも挿入可能であるべく構成されている。そのような実施形態において、導管108は自身の外部に、チャンバ104内への導管108の挿入を容易にすべく構成された1個以上のマーカー131(
図1Aに示す)を含んでいてよい。例えば、導管108は、例えば導管108が貯液槽122に又はこれに隣接して配置されるべく構成された取入口110を画定する場合等において、導管108の過剰又は不充分な挿入を防止すべく構成された1個以上のマーキングを含んでいてよい。別の実施形態において、導管108は、チャンバ104に相対的な導管108の正確な回転を可能にすべく構成された1個以上のマーキングを含んでいてよい。一実施形態において、1個以上のマーキングは、線、点、ステッカー、又は他の任意の適当なマーキングを含んでいてよい。複数の例において、導管108は、(例えば排出口112に近接している)第1の終端領域から流体不透過障壁102の内部まで伸長し、且つ(例えば第1の終端領域の反対側の)第2の終端領域内の貯液槽122に近接する点まで伸長することにより取入口110を貯液槽122と流体連通させることができる。いくつかの実施形態(図示せず)において、導管108が第2の終端領域に進入することができ、取入口110が第2の終端領域内(例:貯液槽122内)に配置されていてよい。体液採取装置100に採取された体液は導管108を介してチャンバ104の内部領域から排出されてよい。導管108は、本明細書に開示すようなプラスチックチューブ(例:医療用チューブ)等の可撓性材料を含んでいてよい。いくつかの例において、導管108は、導管が可撓性を有するようにできる1個以上の直径又は壁厚を有する等、弾力性を有する1個以上の部分を含んでいてよい。
【0044】
一実施形態において、体液採取装置100の1個以上の要素は、体液採取装置が着用者又は着用者の体液に接触し得る場所に抗菌材料等の抗微生物材料を含んでいてよい。抗微生物材料は、ニトロフラゾン又は銀コーティング等の抗微生物コーティングを含んでいてよい。抗微生物材料は、体液の滞留又は停滞による微生物の増殖等、微生物の増殖を抑制できる。一実施形態において、体液採取装置100の1個以上の要素(例:不透過障壁102、導管108等)は、シクロデキストリン含有材料又は熱可塑性エラストマー(TPE)ポリマー等の臭気遮断又は吸収材料を含んでいてよい。
【0045】
本明細書に開示する複数の実施形態のいずれかにおいて、導管108は、当該導管内の体液の流れを測定する流量計(図示せず)、導管108を本明細書に開示するシステム又は装置(例:携帯真空源又は体液貯蔵容器)の1個以上の要素に固定する1個以上の固定装置(例:図示しないStatLock固定装置)又は嵌合具、或いは本明細書のシステム及び装置内の体液の流れを制御する1個以上のバルブを含むか又は当該流量計に動作可能に結合されていてよい。一実施形態において、本明細書の体液採取装置又はシステムの導管108の少なくとも1個の部分は、当該導管内に存在する体液を覆い隠すべく少なくとも部分的に不透明な材料で形成されていてよい。例えば、本明細書に開示する導管108の第1の区間は不透明な材料又は半透明な材料で形成されていてよいのに対し、導管108の第2の区間は透明な材料又は半透明な材料で形成されていてよい。いくつかの実施形態において、第1の区間は透明又は半透明な材料を含んでいてよい。不透明な材料又はほぼ不透明な材料とは異なり、半透明な材料は、本明細書の装置及びシステムの使用者が、導管108内の体液の流れを阻害している体液又は要因を視覚的に識別できるようにする。
【0046】
本明細書に開示する複数の例、システム又は装置のいずれにおいても、体液採取装置のシステムは体液採取装置のチャンバの内部に配置された水分センサ(図示せず)を含んでいてよい。このような例において、水分センサは、コントローラに動作可能に結合、又は携帯真空源に直接結合されていてよく、チャンバの1個以上の部分において水分が検出された、又は検出されなかったことを示す電気信号を提供できる。水分センサ(群)が水分の存在を示唆し、これに応答してコントローラ又は携帯真空装置がチャンバから体液を排出すべく吸引の開始をチャンバに指示してよい。適当な水分センサとして、静電容量センサ、容積測定センサ、電位センサ、抵抗センサ、周波数領域反射率測定センサ、時間領域反射率測定センサ、又は他の任意の適当な水分センサを含んでいてよい。実際には、水分センサはチャンバ内の水分を検出して携帯吸引装置を動作させる信号をコントローラ又は携帯真空源に提供できる。
【0047】
図1Fは、流体不透過障壁102、流体透過本体120、導管108、及び接着面142aを有する2本のアーム140aを有する体液採取装置100aの等角図である。別途注記しない限り、体液採取装置100aは、流体不透過障壁102、流体透過本体120、導管108、貯液槽122等を含む体液採取装置100に関して上で述べた特徴、要素、組成、配置、寸法等のいずれを含んでいてもよい。更に、2本のアーム140a及び当該2本のアーム140aの各々の接着面142aは、2本のアーム140及び当該2本の各々のアーム140の接着面142に関して上で述べた特徴、要素、組成、配置、寸法等のいずれを含んでいてもよい。
【0048】
各々が接着面142aを有する2本のアーム140aに加え、体液採取装置100aの接着固定具は、流体不透過障壁102の少なくとも一部までスライドする、及び/又は周囲に沿うべく構成されたリング148又はストラップを含んでいてよい。例えば、
図1Fにおいて、リング148は開口部106と挿入口124の間の流体不透過障壁102及び当該流体不透過障壁102の第1の終端領域125の周囲に配置されている。使用に際して、リング148が流体不透過障壁の第1の終端領域125の少なくとも一部の周囲に配置された状態で、体液採取装置100aは
図1Bに示すものと同様に使用者150に配置されていてよい。他の実施形態において、リング148は、流体不透過障壁102の開口部106と遠位端の間の第2の終端領域127を含む流体不透過障壁102の他の領域の周囲に配置されていてよい。
【0049】
リング148は、体液採取装置100aの流体不透過障壁102に着脱可能に固定された1個以上の接着固定具(例:接着面142aを各々有する2本のアーム140a)の技術的効果が得られる。従って、リング148及び2本のアーム140aは、使用者150又は介護者が必要又は有用であると判断した場合にのみ流体不透過障壁102に固定され得る。リング148はまた、使用者150又は介護者が、使用者150に最も適した流体不透過障壁の選択された好適な位置に2本のアーム140aを配置可能にする技術的効果が得られる。多くの実施形態において、アーム140aはリング148に取り付けられていて、リング148は当初は流体不透過障壁102から分離しているため、使用者150又は介護者がリング148及びアーム140aを、第1の終端領域125又は第2の終端領域127等、流体不透過障壁102の好適な、又は使用者が決めた領域にスライド又は別途移動させることができる。リング148は、アーム140aを流体不透過障壁102の好適な領域にスライド又は移動させ、次いで流体不透過障壁102の所定の位置に留まってアーム140aの接着面142aにより体液採取装置100aを使用者150に固定する大きさであってよい。従って、リング148は、流体不透過障壁102の外径又は周長と略等しい内径又は周長を有していてよい。リング148は、流体不透過障壁102と同様又は同一の材料、例えば流体不透過性ポリマー(例:シリコン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)、ポリウレタンフィルム、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、熱可塑性ポリウレタン、別の適当な材料、又はこれらの組み合わせを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、リング148は、リング148が流体不透過障壁102の周囲に沿うように引き伸ばされて、使用者150又は介護者により配置された場合に流体不透過障壁102の所定の位置に留まるように一般に弾性材料を含んでいてよい。アーム140aは、業務用接着剤、超音波結合又は溶接、流体不透過障壁102への成形、機械的取り付け、ストラップ、フック、ループファスナー、ボタン、スナップ、クリップ、磁石、リング、又はこれらの任意の組み合わせ等、任意の適当な固定具によりリング148に取り付けられていてよい。リング148もまた、尿採取装置100の製造のコスト低減及び効率向上を可能にする。
【0050】
図1Gは、体液採取装置100bが女性使用者150に固定された状態での女性使用者150の正面図である。別途注記しない限り、体液採取装置100bは、流体不透過障壁102、流体透過本体120、導管108、貯液槽122など、体液採取装置100に関連して上で述べた特徴、要素、組成、配置、寸法等のいずれを含んでいてもよい。更に、2本のアーム140a及び2本のアーム140aの各々の接着面142aは、2本のアーム140及び当該2本のアーム140の各々の接着面142に関連して上で述べた特徴、要素、組成、配置、及び/又は寸法等のいずれを含んでいてもよい。
【0051】
上述のように、リング148は、流体不透過障壁102の開口部106と遠位端の間の第2の終端領域127を含む、流体不透過障壁102の他の領域の周囲に配置されていてよい。
図1Gに、リング148が流体不透過障壁102の第2の終端領域127の周囲に配置された場合に使用者150に配置された体液採取装置100bを示す。リング148が流体不透過障壁102の第2の終端領域127の周囲に配置されたとき、アーム140aの接着面142aは使用者150の内腿156に接続できる。更に、
図1Gに、アーム140が第2の終端領域127に近接して流体透過障壁102に配置される場合の体液採取装置100の例示的な取り付けを示す。
【0052】
いくつかの実施形態において、接着固定具を体液採取装置の流体不透過障壁に配置することに加えて又は代えて、接着固定具を体液採取装置の導管に配置できる。導管に接着固定具を配置することは、体毛が少ない、及び/又は接着固定具が使用者に接続したままである可能性がより高い使用者の下腹部領域で体液採取装置を使用者に固定する技術的効果をもたらし得る。導管に粘着性固定具を配置することもまた尿採取装置の製造のコスト低減及び効率向上を可能にする。
【0053】
図2Aは、流体不透過障壁102、流体透過本体120、導管208、及び導管208に配置された2本のアーム240を有し、アーム240の各々が接着剤表面242を有する体液採取装置200の等角図である。別途注記しない限り、体液採取装置200は、流体不透過障壁102、流体透過本体120、貯液槽122等を含む、体液採取装置100、100a、又は100bに関連して上で述べた特徴、要素、組成、配置、寸法等のいずれを含んでいてもよい。別途注記しない限り、導管208は、上述の導管108の特徴、要素、組成、配置、寸法等のいずれを含んでいてもよい。更に、2本のアーム240及び当該2本のアーム240の各々の接着面242は、2本のアーム140及び当該2本の各々のアーム140の接着面142に関連して上で述べた特徴、要素、組成、配置、及び/又は寸法のいずれを含んでいてもよい。更に、
図2Aには示されていないが、アーム240に加え、体液採取装置200はまた、体液採取装置100、100a、及び100bに関連して上で述べたように、流体不透過障壁102に配置された1本以上のアーム140を含んでいてよい。
【0054】
一実施形態において、体液採取装置200は、導管208に固定済み又は固定可能であって体液採取装置200を人体に取り付けるべく構成された接着固定具を含んでいる。例えば、
図2Aに示す体液採取装置200は、体液採取装置200を人体に取り付ける又は固定すべく構成された1本以上(例:2本)のアーム240又はウイングを含んでいる。アーム240は各々、開口部106が向いている方向と略同一方向を向いている接着面242を含んでいてよい。接着面242は、接着剤、接触接着剤、エポキシ、ハイドロゲル接着剤、テープ、アクリル接着剤、シリコン接着剤、ハイドロゲル接着剤、使用者の身体又は使用者が着用する布地に配置するのに適した他の接着剤、又はそれらの任意の組み合わせである接着材料を含んでいてよい。例えば、接着剤は、アクリレート(例:メタクリレート又はエポキシジアクリレート)又は包帯に用いるのに適した他の任意の接着剤を含んでいてよい。アーム240はまた、接着剤層を使用者に固定する前に取り外すことができる接着剤層242に固定された着脱可能なカバーを含んでいてよい。
【0055】
図2Bは、体液採取装置200が女性使用者150に固定された状態での女性使用者150の正面図である。使用に際して、体液採取装置の流体透過本体120は、使用者150の尿道に隣接して配置されている。流体透過本体120は、体液採取装置100の流体不透過障壁102の(
図1Dに示す)チャンバ104内に配置され、体液採取装置100の開口106を貫通して使用者150の尿道に露出される。尿道から体液採取装置100のチャンバ104内に受容された体液は導管108を介して排出されてよい。
【0056】
各々のアーム240の接着面242は体液採取装置200を使用者150に取り付けることができ、アーム240は接着面242の反対側又は遠位側に非接着面244を含んでいてよい。接着面242は、使用者150の皮膚に直接取り付けられても、又は下着等、使用者150が着用する布に接触してもよい。アーム240は、体液採取装置200を使用者の身体の所定領域、例えば腹部領域、陰部領域、骨盤領域、下腹部(又は胃下)領域等に直接固定すべく導管208の様々な領域に配置されていてよい。
図2Bにおいて、アーム240は、アーム240の各々の粘着面242を使用者150の下腹部領域154に効果的に接続可能にすべく導管208に配置されている。
【0057】
図2Cを参照するに、体液採取装置200の正面図を示している。いくつかの実施形態において、2本のアーム240は、導管208の背面又は裏面で開口部106から一般に遠位側の導管208に配置されている。この位置において、導管208は、体液採取装置200が使用者150に取り付けられた場合にアーム240と使用者150の間に配置される。他の実施形態において、アーム240は、体液採取装置200が使用者150に取り付けられた場合にアーム208の少なくとも一部が導管208と使用者150の間に配置されるように導管208の前面に配置されている。
【0058】
アーム240は、使用者150の身体の他の領域にアーム240を効果的に取り付け可能にすべく、流体不透過障壁102のチャンバ104内に配置された導管208の取入口210に相対的な導管208の様々な位置に配置されていてよい。例えば、各種の実施形態において、アーム240は、取入口210から約30.5cm以下、取入口210から約27.9cm以下、取入口210から約25.4cm以下、取入口210から約22.9cm以下、取入口210から約20.3cm以下、取入口210から約17.8cm以下、取入口210から約15.2cm以下、取入口210から約15.2cm以上、取入口210から約17.8cm以上、取入口210から約20.3cm以上、取入口210から約22.9cm以上、取入口210から約25.4cm以上、取入口210から約27.9cm以上、取入口210から約30.5cm以上、取入口210から約33.0cm、取入口210から15.2cm~約17.8cm、取入口210から約17.8cm~約20.3cm、取入口210から約20.3cm~約22.9cm、取入口210から約22.9cm~約25.4cm、取入口210から約25.4cm~約27.9cm、取入口210から約27.9cm~約30.5cm、挿入口124から約30.5cm~約33.0cm、取入口210から約33.0cm~約35.6cm、取入口210から約35.6cm~約38.1cm、取入口210から約15.2cm~約22.9cm、取入口210から約22.9cm~約30.5cm、挿入口124から約30.5cm~約38.1cm、取入口210から約15.2cm~約30.5cm、取入口210から約15.2cm、取入口210から約17.8cm、取入口210から約20.3cm、取入口210から約22.9cm、取入口210から約25.4cm、取入口210から約27.9cm、取入口210から約30.5cm、取入口210から約33.0cm、取入口210から約35.6cm、又は取入口210から約38.1cmの距離に配置されていてよい。多くの実施形態において、導管208は、アーム240が取入口210に対して効果的に調節可能にすべく流体不透過障壁102の開口124及びチャンバ104内でスライド可能である。
【0059】
図2Cに示すように、2本のアーム240は、導管208上で横方向に並んでいてよい。更に、いくつかの実施形態において、2本のアーム240は、互いに同延であっても、接続されていても、又は一体化されていてもよい。接着面242は2本のアーム240を横断して連続的又は途切れることなく伸長できる。代替的に、各アーム240の接着面242は、2本のアーム240の接着面242の間に隙間ができるように各アーム240の一部のみを覆っていてよい。2本のアーム240の各々は導管208から所定の距離伸長できる。例えば、各アーム240は、導管208から少なくとも約2.5cm、導管208から少なくとも約3.8cm、導管208から少なくとも約5.1cm、導管208から少なくとも約6.4cm、導管208から少なくとも約7.6cm、導管208から少なくとも約8.9cm、導管208から少なくとも約10.2cm、導管208から少なくとも約11.4cm、導管208から少なくとも約12.7cm、導管208から少なくとも約15.2cm、導管208からから約2.5cm以下、導管208から約5.1cm以下、導管208から約7.6cm以下、導管208から約10.2cm以下、導管208から約12.7cm以下、導管208から約15.2cm以下、導管208から約0.64cm~約2.5cm、導管208から約2.5cm~約5.1cm、導管208から約5.1cm~約7.6cm、導管208から約7.6cm~約10.2cm、導管208から約10.2cm~約12.7cm、導管208から約12.7cm~約15.2cm、導管208から約0.64cm~約5.1cm、導管208から約5.1cm~約10.2cm、又は導管208から約10.2cm~約15.2cm伸長できる。アーム240の各々はまた、流体不透過障壁102の軸に平行な線又は平面上で測定される幅を含んでいてよい。幅Wは、アーム240が導管208に近づくに従い各アーム240上で先細り又は狭まる場合がある。アーム240の各々は、アーム140に関連して上で述べた幅Wのうちいずれかの最大幅を含んでいてよい。
【0060】
アーム240は、業務用接着剤、超音波結合又は溶接、流体不透過障壁102への成形、機械的取り付け、ストラップ、フック、ループファスナー、ボタン、スナップ、クリップ、磁石、リング、又はこれらの任意の組み合わせ等、任意の適当な固定具により導管208に固定されていてよい。
図2Dを参照するに、いくつかの実施形態において、アーム240は、リング248又はストラップで導管208に固定されていてよい。リング248又はストラップは、導管208の少なくとも一部までスライドして導管208の周囲に沿うべく構成されていてよい。多くの実施形態において、リング248は当初は導管208から分離しているため、使用者150又は介護者がリング248を、導管208の好適な、又は使用者が決めた領域までスライドさせることができる。リング248は、使用者又は介護者が導管208上の好適な領域にスライドさせ、次いで導管208の所定の位置に留まってアーム240aの接着面242aにより体液採取装置100を使用者150に固定する技術的効果が得られる大きさであってよい。従って、リング248は、導管208の外径又は周長と略等しい内径又は周長を有していてよい。リング248は、導管208と同様又は同一の材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、リング248は、リング248が導管208の周囲に沿うように引き伸ばされて、使用者150又は介護者により配置された場合に導管208の所定の位置に留まる技術的効果が得られるように一般に弾性材料を含んでいてよい。リング248もまた、尿採取装置200の製造のコスト低減及び効率向上を可能にする技術的効果をもたらす。
【0061】
図3は、一実施形態による、本明細書に開示する体液採取装置及び/又は体液採取システムの組み立て方法300のフロー図である。方法300は、体液採取装置の「導管又は流体不透過障壁の少なくとも一方に1個以上の接着アームを接続する」動作305を含んでいてよい。動作305に続いて「流体不透過障壁に流体透過本体を挿入する」動作310が実行されてよい。動作310に続いて「導管の取入口に流体不透過体を挿入する」動作315が実行されてよい。動作315に続いて「導管の取入口を流体透過本体のボア孔内に少なくとも部分的に挿入する」動作320が実行されてよい。
【0062】
方法300の動作305、310、315及び320は例示目的である。例えば、方法300の動作305、310、315及び320は、異なる順序で実行され、複数の動作に分割され、修正され、補足され、又は組み合わされてもよい。一例として、方法300の動作305、310、315及び320のうち1個以上を方法300から除外できる。例えば、方法300は動作305を含んでいなくてよい。動作305、310、315及び320のいずれも本明細書に開示する体液採取装置、接着固定具、真空源、体液貯蔵容器、システム、又はこれらの要素のいずれを用いてもよい。例えば、体液採取装置は、接着面を有する1本以上のアームを含んでいてよい。体液採取装置は、チャンバを少なくとも部分的に画定する流体不透過障壁を含んでいてよく、流体不透過障壁もまた、自身を貫通して伸長する開口部を画定し、当該開口部は女性の尿道に隣接して配置、又は男性の尿道を挿入すべく構成されている。体液採取装置は、チャンバと共に配置された吸湿素材、及び吸湿素材内に配置された導管を含んでいてよく、当該導管は体液採取装置内に配置された取入口と、排出口とを含んでいる。
【0063】
動作305は体液採取装置の「導管又は流体不透過障壁の少なくとも一方に1個以上の粘着性アームを取り付ける」ステップである。導管又は流体不透過障壁の少なくとも一方に1個以上の接着性アームを取り付けるステップは、接着面を有する2本のアームを各々体液採取装置の導管又は流体不透過障壁の少なくとも一方に取り付けるステップを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、2本のアームを取り付けるステップは、2本のアームがリングに固定された状態で、導管にリング又はストラップを嵌め合わせるステップを含んでいる。いくつかの実施形態において、2本のアームを取り付けるステップは、体液採取装置の流体不透過障壁の第1の終端領域又は第2の終端領域にリング又はストラップを嵌め合わせるステップを含んでいる。体液採取装置の流体不透過障壁は、チャンバ及び当該チャンバを貫通して伸長する開口部を少なくとも部分的に画定する。開口部は、女性の尿道に隣接して配置、又は男性の尿道を挿入すべく構成されている。流体透過本体は、略円筒形の形状に成形、押出成形、又は焼結等、単体としての多孔質親水性ポリオレフィン材料を含んでいてよい。
【0064】
動作310は「流体不透過障壁に流体透過本体を挿入する」ステップである。動作310は、略円筒形の流体透過本体を流体不透過障壁のチャンバに挿入するステップを含んでいてよい。流体透過本体が流体不透過障壁のチャンバに挿入された場合、流体透過本体は流体不透過障壁の少なくとも一部との界面を形成して開口部の少なくとも一部を覆う。流体透過本体は、略円筒形であって残留体液を開口部から吸い出すべく構成された単体としての多孔質材料を含んでいる。いくつかの実施形態において、動作310は、流体透過本体の第1の本体終端から遠位側の第2の本体終端及び開口部から遠位側の流体不透過障壁の第2の終端領域により貯液槽がチャンバ内に画定されるように、流体不透過障壁のチャンバ内に流体透過本体を挿入するステップを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、動作310は、流体透過本体及び導管がチャンバを略満杯にすべく略円筒形の流体透過本体を流体不透過障壁のチャンバ内に挿入するステップを含んでいてよい。
【0065】
動作315は「導管の取入口を流体不透過体に挿入する」ステップである。導管は、流体不透過障壁の第1の終端領域で流体不透過障壁により画定された開口部を貫通して流体不透過体に挿入されてよい。いくつかの実施形態において、動作315は、導管の取入口を第1の本体終端のボア孔内に挿入し、流体透過本体のボア孔及び流体透過本体の第2の本体終端を貫通して貯液槽内まで挿入することにより、導管を貯液槽から流体透過本体及び挿入口を貫通して流体不透過障壁の外部まで伸長させるステップを含んでいてよい。
【0066】
動作320は「導管の取入口を流体透過本体のボア孔内に少なくとも部分的に挿入する」ステップである。ボア孔は、流体透過本体を少なくとも部分的に貫通して伸長し、流体透過本体により画定される。導管は流体透過本体の少なくとも一部との界面を形成する。
【0067】
図4は、一実施形態による、体液の採取方法400のフロー図である。方法400は、「体液採取装置の流体透過本体を使用者の尿道に隣接して配置する」動作410を含んでいてよい。動作410に続いて「体液採取装置を使用者に固定する」動作420が実行されてよい。動作420に続いて「尿道からの体液を体液採取装置のチャンバに受容する」動作430が実行されてよい。
【0068】
方法400の動作410、420、430は例示目的である。例えば、方法400の動作410、420、430は、異なる順序で実行され、複数の動作に分割され、修正され、補足され、又は組み合わされてもよい。一例として、方法400の動作410、420、430のうちのうち1個以上を方法400から除外できる。例えば、方法400は動作410を含んでいなくてよい。動作410、420、及び430のいずれも本明細書に開示する体液採取装置、接着固定具、真空源、体液貯蔵容器、システム、又はこれらの要素のいずれを用いてもよい。例えば、体液採取装置は、接着面を有する1本以上のアームを含んでいてよい。体液採取装置は、チャンバを少なくとも部分的に画定する流体不透過障壁を含んでいてよく、流体不透過障壁もまた自身を貫通して伸長する開口部を画定し、当該開口部は女性の尿道に隣接して配置、又は男性の尿道を挿入すべく構成されている。体液採取装置は、チャンバと共に配置された吸湿素材、及び吸湿素材内に配置された導管を含んでいてよく、当該導管は体液採取装置内に配置された取入口と、排出口とを含んでいる。
【0069】
動作410は「体液採取装置の流体透過本体を使用者の尿道に隣接して配置する」ステップである。流体透過本体は、体液採取装置の流体不透過障壁のチャンバの内側に配置されていて、流体不透過障壁により画定される体液採取装置の開口部を貫通して使用者の女性の尿道に露出される。体液採取装置は、女性用体液採取装置又は男性用体液採取装置であってよい。
【0070】
動作420は「体液採取装置を使用者に固定する」ステップである。体液採取装置を使用者に固定するステップは、体液採取装置を使用者に効果的に固定すべく使用者の陰部、骨盤領域、又は腹部のうち少なくとも一つに体液採取装置の1本以上のアームの接着面を適用するステップを含んでいてよい。1個以上の接着性アームは、体液採取装置の流体不透過障壁又は導管の少なくとも一方に固定されていてよい。いくつかの実施形態において、方法400はまた、体液採取装置を使用者に固定する前に、各々が粘着面を有する2本のアームを体液採取装置の導管又は流体不透過障壁の少なくとも一方に取り付けるステップを含んでいてよい。2本のアームを取り付けるステップは、2本のアームはリングに固定された状態で、導管にリング又はストラップを嵌め合わせるステップを含んでいてよい。2本のアームを取り付けるステップは、体液採取装置の流体不透過障壁の第1の終端領域又は第2の終端領域にリング又はストラップを嵌め合わせるステップを含んでいてよい。
【0071】
動作430は「尿道から体液採取装置のチャンバに体液を受容する」ステップである。例えば、動作430は、吸湿素材(例:流体透過膜及び流体透過支持体)を用いて、開口部を介して尿道から体液を吸い出すステップを含んでいてよい。いくつかの例において、動作430は、体液採取装置のチャンバに体液を受容するステップを含んでいてよい。いずれの例においても、動作430は、真空源と流体連通する導管の取入口と流体連通するチャンバの部分に向かって体液を流すステップを含んでいてよい。例えば、動作430は体液を、チャンバの実質的に占有されていない部分(例:貯液槽)、チャンバの重量的に低い点等へ流すステップを含んでいてよい。
【0072】
方法400は、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから効果的に体液を吸引する真空源により吸引を行うステップを含んでいてよい。複数の例において、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから体液を効果的に吸引する真空源により吸引を行うステップは、本明細書に開示する任意の真空源を用いるステップを含んでいてよい。一例において、吸引を適用するステップは、体液採取装置内の導管の取入口と流体連通する真空源(例:吸引装置)を動作させるステップを含んでいてよい。複数の例において、体液採取装置内の導管の取入口と流体連通する真空源を起動するステップは、オン/オフスイッチを反転する、ボタンを押下する、真空源を電源コンセントに差し込む、真空源に電池を挿入する等の一つ以上により真空源に電力を供給するステップを含んでいてよい。複数の例において、真空源は、手動真空ポンプを含んでいてよく、真空源により吸引を行うステップは、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから体液を効果的に吸引する手動真空ポンプを手動で操作するステップを含んでいてよい。
【0073】
複数の例において、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから体液を効果的に吸引する真空源により吸引を行うステップは、体液採取装置のチャンバ(例:内部領域)から体液(例:尿)の少なくとも一部を効果的に排出させることができる。複数の例において、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから体液を効果的に吸引する真空源により吸引を行うステップは、体液採取装置のチャンバから、真空源及び体液採取装置と流体連通する体液貯蔵容器(例:瓶又は袋)へ体液の少なくとも一部を効果的に移送できる。複数の例において、真空源は体液採取装置から間隔を空けて配置されていてよい。
【0074】
複数の例において、チャンバの内側に配置されていて真空源と流体連通する導管を介してチャンバから体液を効果的に吸引する真空源により吸引を行うステップは、チャンバ内の水分を(例えば1個以上の水分センサを介して)検出するステップ、及び当該ステップに応答して、真空源を動作させてチャンバへの吸引を行うステップを含んでいてよい。水分又はその閾値レベルがチャンバ内に存在することを示す信号に応答する真空源の制御はコントローラ等を介して自動的に行うことも、又は単に体液採取装置のチャンバからの体液の排出が必要なレベルの水分が存在すること指示することもできる。後者の場合、使用者は当該指示を受信して真空ポンプを動作させることができる。
【0075】
一例において、方法400は、体液採取装置から排出された体液を、例えば導管と流体連通する体液採取装置から間隔を空けて配置されている体液貯蔵容器に採取するステップを含んでいてよい。体液貯蔵容器は、本明細書に開示する体液貯蔵容器のいずれを含んでいてもよい。
【0076】
本明細書に記述する装置及び方法は、男性の尿道(例:陰茎)を受容できる形状及び大きさの体液採取装置を有する等、男性使用者から尿を採取すべく構成されていてよい。複数の例において、方法400は男性尿道の周囲に男性用体液採取装置の容器を、男性尿道が当該容器内に配置されるように配置するステップを含んでいてよい。
【0077】
図5は、一実施形態による、体液採取用のシステム10のブロック図である。システム10は、体液採取装置12、体液貯蔵容器14、及び真空源16を含んでいる。体液採取装置12は、体液採取装置100、100a、100b、又は200等、本明細書に記述する体液採取装置のいずれを含んでいてもよい。体液採取装置12、体液貯蔵容器14、及び真空源16は、1個以上の導管17を介して互いに流体結合されていてよい。導管17は、導管108又は導管208等、本明細書に記述する導管のいずれを含んでいてもよい。体液採取装置12は、導管17を介して、体液貯蔵容器14又は携帯真空源の1個以上に動作可能に結合されていてよい。体液採取装置12に採取された体液(例:尿その他の体液)は、体液採取装置12の内部領域内に突き出た導管17を介して体液採取装置12から排出されてよい。例えば、導管17の第1の開放端は、体液採取装置12内の貯液槽まで伸長できる。導管17の第2の開放端は、体液貯蔵容器14又は真空源16の内部まで伸長できる。吸引力は、導管17の第2の終端で印加された吸引(例:真空)力に応答して導管17の第1の開放終端を介して体液採取装置12の内部領域内へ導入できる。吸引力は、真空源16により直接又は間接的に導管17の第2の開放端に印加されてよい。
【0078】
吸引力は、体液貯蔵容器14を介して間接的に印加されてよい。例えば、導管17の第2の開放端は体液貯蔵容器14内に配置されていてよく、追加的な導管17が体液貯蔵容器14から真空源16まで伸長できる。従って、真空源16は、体液貯蔵容器14を介して体液採取装置12に吸引力を印加できる。吸引力は、体液貯蔵容器14を介して直接印加されてよい。例えば、導管17の第2の開放端は真空源16内に配置されていてよい。追加的な導管17は、真空源16から体液貯蔵容器14等の体液採取装置12の外部の場所まで伸長できる。このような複数の例において、真空源16は、体液採取装置12と体液貯蔵容器14の間に配置されていてよい。
【0079】
体液採取装置12は、女性の尿道に隣接して配置される形状及び大きさであってよい。体液採取装置12の体液採取部材は、体液採取装置12のチャンバ(例:体液採取装置部材の内部領域)を少なくとも部分的に画定する流体不透過障壁を含んでいてよい。上でより詳細に述べたように、体液採取装置12は、従来の体液採取装置よりも柔らかく、より薄い流体不透過障壁を含んでいてよい。流体不透過障壁はまた、外部環境から自身を貫通して伸長する開口部を画定する。開口部は、女性の尿道に隣接して並ぶように体液採取部材に配置されていてよい。体液採取装置12の体液採取部材は、流体不透過障壁内に配置された流体透過本体を含んでいてよい。流体透過本体は、流体透過膜、及び当該流体透過膜内に配置された流体透過支持体を含んでいてよい。導管17は、第1の終端領域の体液採取装置12内へ伸長し、流体不透過障壁、流体透過膜、又は流体透過支持体のうちのうち1個以上を貫通して体液採取装置12の体液採取部材の第2の終端領域まで伸長できる。本明細書のシステム及び方法と共に用いる例示的な体液採取装置について以下により詳細に述べる。
【0080】
いくつかの実施形態において、体液貯蔵容器14は、袋(例:排液袋)、瓶又はカップ(例:採取ジャー)、或いは尿などの体液を貯蔵する他の任意の密閉容器を含んでいてよい。複数の例において、導管17は、体液採取装置12から伸長して体液貯蔵容器14の第1の点に接続できる。追加的な導管17が体液貯蔵容器14の第2の点に接続してから真空源16まで伸長して接続できる。例えば、体液貯蔵容器14は、同じく体液採取装置12の体液採取部材に流体結合された第1の導管区間に流体結合されている容器を含んでいてよい。当該容器は、同じく携帯真空源に流体結合されている導管17の第2の区間に流体結合できる。このような例において、携帯真空源16は容器を貫通して体液採取部材に真空力/吸引力を提供して体液採取部材のチャンバ内に吸引を提供することができる。従って、真空力(例:吸引力)は、体液貯蔵容器14を介して体液採取装置12を貫通して誘引できる。体液がチャンバから排出されるに従い、体液が導管の第1の区間を貫通して体液貯蔵容器に移動して保持されてよい。尿などの体液は携帯真空源16を用いて体液採取装置12から排出されてよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、真空源16は、体液採取装置12の内部又は上部に配置されていてよい。そのような複数の例において、導管17が体液採取装置から伸長して真空源16内の第1の点に接続できる。追加的な導管17が真空源16の第2の点に接続してから体液採取装置12の外部まで伸長して体液貯蔵容器14に接続できる。従って、体液貯蔵容器14を介して体液採取装置12を貫通して真空力(例:吸引力)を誘引できる。
【0082】
真空源16は携帯可能であってよく、手動真空ポンプ及び電気真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプ、置換ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、又は真空を生成すべく構成された任意のポンプのうち1個以上を含んでいてよい。真空源16は、体液採取装置12の体液採取部材から体液を排出すべく真空力又は吸引力を提供できる。いくつかの実施形態において、真空源16は、(例えば電源ソケットに接続される)電源コード、1個以上の電池、更には人力(例えば手で操作する真空ポンプ)のうちの1個以上により電力を供給できる。一例において、真空源16は、体液採取装置12の外側、上部、又は内部に嵌合すべく大きさ及び形状が決められていてよい。例えば、真空源16は、1個以上の小型ポンプ又は1個以上のマイクロポンプを含んでいてよい。本明細書に開示する携帯真空源16は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、又は真空源16の起動に適した他の1個以上の任意の機器を含んでいてよい。本明細書に開示する真空源16は、真空ラインが病室に配管されているか又は大容量(例:患者が簡単に運べない程度の大きさ又は重さの)真空源が配置された病院又は介護施設環境の外部で本明細書の装置及びシステムを使用可能にする吸引力又は真空力を提供する携帯手段を提供し得ることを理解されたい。例えば、携帯真空源は、使用者の移動中に使用者(例:患者)又は補助者(例:看護師)が持ち運びできる程度に小型且つ軽量であってよい。
【0083】
本明細書で用いる用語「約」又は「略」は、「約」により修飾用語の±10%又は±5%の許容可能な変動を指す。更に、用語「~より小さい」、「~以下」、「~より大きい」、「~より多い」、又は「~以上」は、用語「~より小さい」、「~以下」、「~より大きい」、「~より多い」、又は「~以上」により修飾された値を終端値として含んでいる。
【0084】
本明細書において各種の態様及び実施形態を開示してきたが、他の態様及び実施形態も考えられる。本明細書に開示する各種の態様及び実施形態は例示目的に過ぎず、限定を意図するものではない。