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特許7530511干渉防止制御装置及びその方法、端末機器、読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】干渉防止制御装置及びその方法、端末機器、読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 15/00 20060101AFI20240731BHJP
   H04B 17/309 20150101ALI20240731BHJP
【FI】
H04B15/00
H04B17/309
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023515656
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 CN2021110920
(87)【国際公開番号】W WO2022062714
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】202011043478.4
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沈 少 武
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-073242(JP,A)
【文献】特開2010-147519(JP,A)
【文献】特開2015-046713(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109407088(CN,A)
【文献】特開2020-041845(JP,A)
【文献】特開2008-113136(JP,A)
【文献】特開2018-100929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 15/00
H04B 17/309
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリ波アンテナモジュールを含む端末機器に設けられる干渉防止制御装置であって、
前記ミリ波アンテナモジュールに接続され、前記ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータに基づいて、前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを判定するように構成される干渉検出部と、
前記干渉検出部に接続され、前記干渉検出部が前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源の位置情報を取得するように構成される干渉源検出部と、
前記干渉源検出部に接続され、前記干渉源検出部からの前記位置情報に基づいて、前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行するように構成される制御部と、を含み、
前記干渉源検出部は、放射体と、前記放射体に接続された放射信号検出部材と、を含み、
前記干渉検出部が、前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定したことに応答して、前記放射信号検出部材は、前記放射体を介して放射信号を放射し、前記放射体から前記放射信号が干渉源で反射されたフィードバック信号を取得した場合、前記フィードバック信号に基づいて干渉源の位置情報を決定する干渉防止制御装置。
【請求項2】
前記ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータが第1チャネル品質パラメータ閾値よりも大きいことに応答して、前記干渉検出部は前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定する請求項1に記載の干渉防止制御装置。
【請求項3】
前記端末機器は、前記制御部に接続された情報提示部材をさらに含み、
前記制御部が前記干渉源検出部からの前記位置情報を取得したことに応答して、前記制御部は、前記位置情報に基づいて把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を決定し、前記情報提示部材を介してユーザに前記把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を提示する請求項1又は2に記載の干渉防止制御装置。
【請求項4】
前記端末機器は、前記ミリ波アンテナモジュールと前記制御部とにそれぞれ接続された駆動部をさらに含み、
前記制御部が前記干渉源検出部からの前記位置情報を取得したことに応答して、前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記駆動部を制御して前記端末機器における前記ミリ波アンテナモジュールの位置を調整する請求項1又は2に記載の干渉防止制御装置。
【請求項5】
ミリ波アンテナモジュールを含む端末機器に設けられる干渉防止制御装置に適用される干渉防止制御方法であって、前記干渉防止制御装置は干渉検出部と干渉源検出部とを含み、前記ミリ波アンテナモジュール、前記干渉検出部及び前記干渉源検出部は順次接続され、前記干渉源検出部は、放射体と、前記放射体に接続された放射信号検出部材と、を含み、
前記干渉防止制御方法は、
前記干渉検出部を制御して、前記ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータを取得するステップと、
前記干渉検出部が、前記チャネル品質パラメータに基づいて前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定したことに応答して、前記干渉源検出部を制御して干渉源の位置情報を取得するステップと、
前記干渉源検出部からの前記位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行するステップと、を含み、
前記干渉源検出部を制御して干渉源の位置情報を取得する前記ステップは、
前記放射信号検出部材を制御して、前記放射体を介して放射信号を放射するステップと、
前記放射信号検出部材が前記放射体からのフィードバック信号を取得したことに応答して、前記放射信号検出部材を制御して、前記放射信号が干渉源で反射された前記フィードバック信号に基づいて干渉源の位置情報を決定するステップと、を含む干渉防止制御方法。
【請求項6】
前記端末機器は情報提示部材をさらに含み、
前記位置情報に基づいて前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行する前記ステップは、
前記位置情報に基づいて把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を決定し、前記情報提示部材を介してユーザに前記把持姿勢調整案内情報及び/又は前記3次元ビーム情報を提示するステップを含む請求項5に記載の干渉防止制御方法。
【請求項7】
前記端末機器は前記ミリ波アンテナモジュールに接続された駆動部をさらに含み、
前記位置情報に基づいて前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行する前記ステップは、
前記位置情報に基づいて、前記駆動部を制御して前記端末機器における前記ミリ波アンテナモジュールの位置を調整するステップを含む請求項5に記載の干渉防止制御方法。
【請求項8】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項のいずれか1項に記載の干渉防止制御方法を実現する干渉防止制御装置。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の干渉防止制御装置、又は請求項に記載の干渉防止制御装置を含む端末機器。
【請求項10】
請求項のいずれか1項に記載の干渉防止制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202011043478.4、出願日が2020年09月28日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参照として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、通信技術の分野に関するが、これに限定されるものではなく、特に、干渉防止制御装置及びその方法、端末機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
5G通信技術の発展に伴い、一部の端末では、ミリ波による通信が始まっているが、従来技術の通信手段に比べて、ミリ波の方は通信効果が高いが、ミリ波は波長が短いためこれに対応する回折能力が強くないため、透過能力が弱く、外部物体による通信干渉を受けやすく、よって、どのように干渉を防止するかが現在の5Gミリ波技術の重要な課題となっている。現在、ミリ波通信機器を用いて通信を行うときに、ミリ波アンテナ又は基地局側のビーム管理を行うことで、干渉防止操作を実現することができる場合があるが、この調整手段は単一かつ限定的なものであり、ミリ波通信機器にとっては、実際にはあまり効果が期待できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は本明細書で詳細に説明されている主題の概要である。本概要は、特許請求の範囲の特許範囲を限定するものではない。
【0005】
本願の実施例は、干渉防止制御装置及びその方法、端末機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、
ミリ波アンテナモジュールを含む端末機器に設けられる干渉防止制御装置であって、
前記ミリ波アンテナモジュールに接続され、前記ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータに基づいて、前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを判定するように構成される干渉検出部と、
前記干渉検出部に接続され、前記干渉検出部が前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源の位置情報を検出するように構成される干渉源検出部と、
前記干渉源検出部に接続され、前記干渉源検出部からの前記位置情報に基づいて、前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行するように構成される制御部と、を含む干渉防止制御装置を提供する。
【0007】
第2態様では、本願の実施例はまた、
ミリ波アンテナモジュールを含む端末機器に設けられる干渉防止制御装置に適用される干渉防止制御方法であって、前記干渉防止制御装置は干渉検出部と干渉源検出部とを含み、前記ミリ波アンテナモジュール、前記干渉検出部及び前記干渉源検出部は順次接続され、
前記干渉防止制御方法は、
前記干渉検出部を制御して、前記ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータを取得するステップと、
前記干渉検出部が、前記チャネル品質パラメータに基づいて前記ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定したことに応答して、前記干渉源検出部を制御して干渉源の位置情報を取得するステップと、
前記干渉源検出部からの前記位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて前記位置情報に対応する干渉防止処理を実行するステップと、を含む干渉防止制御方法を提供する。
【0008】
第3態様では、本願の実施例はまた、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記第2態様に記載の干渉防止制御方法を実現する干渉防止制御装置を提供する。
【0009】
第4態様では、本願の実施例はまた、上記第1態様に記載の干渉防止制御装置、又は上記第3態様に記載の干渉防止制御装置を含む端末機器を提供する。
【0010】
第5態様では、本願の実施例はまた、上記第2態様に記載の干渉防止制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0011】
本願の他の特徴及び利点は、後の明細書で説明され、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本明細書を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び図面において特に指摘された構造によって達成され得る。
【0012】
図面は本願の技術案をさらに理解するために提供され、明細書の一部となり、本願の実施例とともに本願の技術案を説明するために使用され、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願の一実施例による干渉防止制御装置の概略図である。
図2】本願の一実施例による端末機器の概略図である。
図3】本願の一実施例による、干渉防止制御装置による干渉源の位置情報取得の概略図である。
図4】本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による干渉源の位置情報取得の概略図である。
図5】本願の一実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
図6】本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
図7】本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
図8】本願の他の実施例による干渉防止制御装置の概略図である。
図9】本願の一実施例による干渉防止制御方法のフローチャートである。
図10】本願の他の実施例による干渉防止制御方法のフローチャートである。
図11】本願の他の実施例による干渉防止制御方法のフローチャートである。
図12】本願の他の実施例による干渉防止制御方法のフローチャートである。
図13】本願の他の実施例による干渉防止制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を限定するものではない。
【0015】
なお、機能モジュール分割は装置の概略図に示され、論理的順序はフローチャートに示されているが、示された又は説明されたステップは、場合によっては、装置のモジュール分割又はフローチャートに示された順序とは異なるもので実行されてもよい。明細書、特許請求の範囲、又は上記の図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0016】
本願の実施例は、干渉防止制御装置及びその方法、端末機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。干渉防止制御装置は、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを干渉検出部によって判定することができ、これによって、現在の状況でミリ波アンテナモジュールに対する干渉を正確に判断でき、これにより、ミリ波アンテナモジュールが干渉防止処理を行う必要があるか否かを判定することができ、また、ミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源検出部によって干渉源の位置情報を検出することができ、ミリ波信号が干渉を受ける原因をユーザが容易に知ることができ、さらに、制御部によってこの位置情報に対応する干渉防止処理を実行することができ、すなわち、実際のシナリオや適用環境に応じて対応する干渉防止調整を行うことで、この干渉源によるミリ波信号への干渉を解決することができ、このため、ミリ波アンテナモジュールの干渉防止能力の向上に寄与し、ひいては端末のスループット性能をより向上させることができる。
【0017】
以下、図面を参照して、本願の実施例についてさらに説明する。
図1に示すように、図1は、本願の一実施例による干渉防止制御装置110の概略図である。
【0018】
図1の例では、該干渉防止制御装置110は、ミリ波アンテナモジュール114を含む端末機器100に設けられ、該干渉防止制御装置110は、
ミリ波アンテナモジュール114に接続され、ミリ波アンテナモジュール114からのチャネル品質パラメータに基づいて、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを判定するように構成される干渉検出部111と、
干渉検出部111に接続され、干渉検出部111がミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源の位置情報を取得するように構成される干渉源検出部112と、
干渉源検出部112に接続され、干渉源検出部112からの位置情報に基づいて、位置情報に対応する干渉防止処理を実行するように構成される制御部113と、を含む。
【0019】
一実施例では、干渉防止制御装置110は、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを干渉検出部111によって判定することができ、これによって、現在の状況でミリ波アンテナモジュール114に対する干渉を正確に判断でき、これにより、ミリ波アンテナモジュール114が干渉防止処理を行う必要があるか否かを判定することができ、また、ミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源検出部112によって干渉源の位置情報を検出することができ、ミリ波信号が干渉を受ける原因をユーザが容易に知ることができ、さらに、制御部113に基づいてこの位置情報に対応する干渉防止処理を実行することができ、すなわち、実際のシナリオや適用環境に応じて干渉防止調整を行うことで、この干渉源によるミリ波信号への干渉を解決することができ、このため、ミリ波アンテナモジュール114の干渉防止能力の向上に寄与し、ひいては端末のスループット性能をより向上させることができる。
【0020】
一実施例では、制御部113は、リアルタイムにフィードバックされた位置情報に基づいて閉ループ調整を行うことができ、すなわち、制御部113は、干渉防止処理を受けたミリ波アンテナモジュール114に関する情報の監視を継続し、干渉源がまだミリ波アンテナモジュール114に影響を与えている場合、すなわち、干渉検出部111がまだ、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、制御部113は、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けなくなるまで、位置情報に対応する干渉防止処理を継続する。
【0021】
一実施例では、干渉検出部111は、ミリ波アンテナモジュール114からのチャネル品質パラメータを取得した後、チャネル品質パラメータに基づいてミリ波アンテナモジュール114の信号干渉状態及び無線伝送干渉状態を検出することができ、ここでは、信号干渉状態は、主に、アンテナ信号の送信中にミリ波アンテナモジュール114が受ける干渉の影響を表すことに使用され、無線伝送干渉状態は、主に、アンテナ信号の伝送中にミリ波アンテナモジュール114が受ける干渉の影響を表すことに使用され、これらの両方の干渉状態は、チャネル品質パラメータによって決定され得る。
【0022】
一実施例では、チャネル品質パラメータは、基準信号受信電力(RSRP:Reference Signal Receiving Power)、ブロック誤り率(BLER:Block Error Ratio)、信号雑音比(SNR:SIGNAL NOISE RATIO)、受信信号強度表示(RSSI:Received Signal Strength Indication)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。上記の具体的な指標は当業者に周知であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0023】
一実施例では、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号の被干渉状態は予め設定された第1チャネル品質パラメータ閾値によって決定されることができ、すなわち、ミリ波アンテナモジュール114からのチャネル品質パラメータが第1チャネル品質パラメータ閾値よりも大きいことに応答して、干渉検出部111はミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定することができ、このことから、ミリ波信号の被干渉結果を数値比較によって容易かつ効率的に取得でき、一方、ミリ波アンテナモジュール114のチャネル品質パラメータが第1チャネル品質パラメータ閾値以下である場合、干渉検出部111は、ミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号が干渉を受けていないと判定できることが分かり、したがって、ミリ波信号が干渉を受けていない場合、後で干渉源検出部112及び制御部113は、対応する操作を行う必要がない。
【0024】
一実施例では、ミリ波アンテナモジュール114は、別個のミリ波アンテナであってもよく、ミリ波アンテナとRFフロントエンドデバイスとを組み合わせたアンテナモジュールであってもよく、端末機器100の上部、ベゼル、又は角領域に配置されていてもよい。ミリ波アンテナモジュール114がアレーアンテナである場合、その数は、4組、8組、又は他の任意の数のアンテナアレイの組み合わせであってもよく、異なる形態の直交偏波放射を実現することができる。
【0025】
一実施例では、ミリ波アンテナモジュール114が複数である場合、異なるミリ波アンテナモジュール114によって送信されるミリ波信号間で干渉が生じることがあり、すなわち、両者のビーム方向に干渉オフセットが生じることがあり、このような場合、干渉検出部111は、いずれかのミリ波信号に対するビーム干渉を検出するように構成されていてもよい。同様に、ミリ波アンテナモジュール114が1つしか設けられていないが、放射空間範囲内に他のビームが存在し得る場合(複数の端末機器100が存在する場合など)、干渉検出部111は、放射空間範囲内の他のビームがミリ波アンテナモジュール114によって送信されたミリ波信号に干渉を与えているか否かを検出するように構成されていてもよい。
【0026】
一実施例では、干渉源は、ユーザ(ユーザの身体の一部、例えば、指、胴体などを含む)、障害物、又は他の干渉ビームなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。なお、ユーザ、障害物又は他の干渉ビームのいずれであっても、ミリ波アンテナモジュール114がミリ波信号を送信している間に、又は、ミリ波アンテナモジュール114が伝送を行っている間に干渉を生じることがある(例えば、ユーザ又は障害物がミリ波アンテナモジュール114と基地局との間を遮る)。
【0027】
一実施例では、干渉源検出部112によって取得される位置情報は、ユーザ(ユーザの身体の一部を含む)又は障害物の物理座標情報であってもよく、干渉の原因となっているビームの出射方向情報などであってもよく、本実施例では限定されない。
【0028】
一実施例では、端末機器100には、ミリ波アンテナモジュール114に接続され、ミリ波信号の送信、受信、及び変復調処理を可能とするミリ波変復調モジュールが設けられているが、ミリ波変復調モジュールはミリ波RFチップモジュール、ミリ波デジタル信号処理ユニットなどに限定されるものではない。
【0029】
さらに、本願の別の実施例はまた、干渉防止制御装置を提供し、干渉防止制御装置において、干渉源検出部は、放射体と、放射体に接続された放射信号検出部材とを含み、干渉検出部が、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定したことに応答して、放射信号検出部材は、放射体を介して放射信号を放射し、放射体から放射信号が干渉源で反射されたフィードバック信号を取得した場合、フィードバック信号に基づいて干渉源の位置情報を決定する。
【0030】
一実施例では、放射信号が反射され得るので、放射体が放射信号を放射することにより、干渉源で反射されたフィードバック信号を取得することができ、放射信号とフィードバック信号との2組の信号を決定することができ、2組の信号の間の差を比較することによって、干渉源の位置が対応する信号に及ぼす影響を決定し、さらに干渉源の位置情報を決定することができ、このことから、この過程では、ミリ波アンテナモジュールに基づく干渉源の位置情報の取得を行わずに検出精度を向上させることができるとともに、複雑なアルゴリズムを介さずに情報の相互作用のみで測定を行えることが分かり、このため、検出がより容易かつ効率的である。
【0031】
一実施例では、干渉源検出部は撮像部をさらに含み、撮像部は、端末機器の周囲に対して画像検出を行い、ユーザや障害物の位置情報の決定を容易にすることができる。ここでは、撮像部は、制限されない数のカメラや類似の撮像装置を含んでもよく、例えば、端末機器の前面と背面にカメラを1つずつ設置し、前面カメラはユーザによる遮断の状況を検出するためのものであり、背面カメラは端末機器の背面以降の障害物による遮断の状況を検出するためのものであり、すなわち、干渉源の位置情報の取得も可能である。以下、具体例を示して上記の実施例の動作原理を説明する。
【0032】
例1
図2に示す端末機器100では、ミリ波アンテナモジュールに加えて、主アンテナ200(2G、3G、又は4Gのセルラーアンテナなどとすることができる)、ブルートゥース(登録商標)無線通信アンテナ300、全地球測位システム受信アンテナ400、及び近距離通信誘導アンテナ500などのような、放射信号を放射するための放射体とすることができる他のタイプのアンテナも含まれ、これらのうちのいずれか1つ又は複数のアンテナは放射体とし、或いは、例えば、図2に示すように、端末機器100の金属ベゼル600、又は端末機器100内のPVBマザーボード上の金属コイル700など、端末機器100の任意の1つ又は複数の金属ユニットも放射体として機能することもできる。また、放射信号検出部材は、比吸収率(アンテナから人体への電磁放射を測定する指標)を低下させるための検出チップであってもよく、図2に示すように、このチップ内には、干渉源の位置情報を決定するための電荷誘導回路800が設けられており、この電荷誘導回路800はいずれの放射体とも接続可能である。
【0033】
各アンテナ及び金属ユニットは、一定の幅と長さのシールド保護同軸ケーブルやマイクロストリップラインを介して接続することができ、接続線は、電荷誘導回路800の各チャネルの位置に設けられている。上記の各ユニットは、対応する角度で接触対象物との間に一定の垂直投影領域を形成するので、この方向の投影領域上の誘導電荷と接触対象物上の誘導電荷との間の反射収集から、どの面や角が接触対象物に接触しているかを判断することができる。すなわち、検出チップは、端末機器100に対応する各アンテナ及び金属ユニットを基準平面とし(すなわち、これをプローブアレイとする)、一方、端末機器100が接触する平面、例えば人体や物体などは誘導平面として機能し、2つの平面間の電荷の値のわずかな変化を測定することで、端末機器100に対応する領域が誘導平面から外れているか否かを判断することができる。その原理は次のとおりである。図3に示すように、端末機器100の放射体内の電荷ロッド回路は微量電荷信号を外部に常時放射することができ、放射された電荷信号が障害物やユーザ(すなわち干渉源)に遭遇するとその一部が反射されて戻ってきて、反射されてきた電荷量の値は干渉源の距離及び投影面積(すなわち、図3に示す端末機器100における破線領域部分)の影響を受ける。干渉源の距離は、図3に示すように、端末機器100を干渉源に近づけたり、干渉源から遠ざけたりすることによって調整することができる。最後、電荷誘導回路800は、反射された電荷量を再び収集し、アナログ/デジタル変換器(ADC:Analog To Digital Converter)はアナログ/デジタル変換を行い、対応するデジタル信号値に変換し、対応するレジスタに記憶する。ここでは、誘導電荷量と検知可能な距離は感度ゲインパラメータによって制御され、またテスト距離に反比例し、誘導投影面積に比例しており、したがって、電荷量変化を比較することにより、両者間のテスト距離と投影面積を決定し、これらのテスト距離と投影面積から干渉源の位置情報を取得することができる。
【0034】
なお、障害物によって導電率や誘電率が異なり、例えば、接触する材質は金属素材、木製品、ガラス素材、革製品、布地、人の手、プラスチック又は異なる温度や湿度の空気などである可能性があり、このため、障害物と端末機器が各アンテナ又は金属ユニットに対応して誘導区間を形成した後、微量電荷の反射値も異なる。そのため、検出に先立って、電荷反射モデルの典型値を予め設定し、それに合わせて対応する変動範囲を設定し、この典型値を閾値として記憶しておくことができる。このように、いずれの材質の障害物に対しても、検出された誘導電荷量の違いから、放射体とその材質の障害物との距離関係を判断し、すなわち干渉源の位置情報を取得することができる。
【0035】
図4に示すように、図4は本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による干渉源の位置情報取得の概略図である。
【0036】
図4の例では、上記の実施例と同じ原理に基づいて、ユーザが位置1から位置2に移動すると、アンテナ走査は角度1から角度2に切り替わり、電荷誘導回路は反射信号を検知し、それにより、その方向にユーザが存在することを検知することができることが分かる。
【0037】
さらに、本願の別の実施例はまた、干渉防止制御装置を提供し、干渉防止制御装置において、端末機器は、制御部に接続された情報提示部材をさらに含み、制御部が干渉源検出部からの位置情報を取得したことに応答して、制御部は、位置情報に基づいて把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を決定し、情報提示部材を介してユーザに把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を提示する。
【0038】
本実施例では、干渉源検出部からの位置情報を取得した後、すなわち、この時点で干渉源の位置情報を決定した後、制御部は、この位置情報に基づいて、対応する把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を提供し、ユーザが案内に従って対応する調整を行うことができるように、情報提示部材を介してユーザに提示し、これによって、干渉源によって引き起こされる干渉を解消又は低減させることができる。なお、把持姿勢調整と3次元ビーム調整とは異なる基準から設定されており、すなわち、実際には、どちらか一方の方式のみで調整してもよいし、両方の方式で調整してもよいが、それぞれの調整に基づいて得られる干渉防止効果は同じであるので、本実施例では、上記の「及び/又は」に係る説明を採用する。
【0039】
一実施例では、情報提示部材は、スピーカであってもよく、ディスプレイであってもよい。スピーカである場合、把持姿勢調整案内情報及び3次元ビーム情報を音声で再生し、ディスプレイである場合、ユーザによる把持姿勢調整をビデオ又は画像で案内する。
【0040】
一実施例では、把持姿勢調整案内情報は、主にユーザが端末機器を把持することによる干渉の場合に適しており、この場合、把持姿勢を調整することで干渉を回避できることをユーザに通知するものであり、以下、具体例を示して本実施例の動作原理を説明する。図5に示すように、図5は本実施例の一実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
【0041】
例2
図5に示すように、端末機器100の使用中には、ユーザの指や手のひらが携帯電話のベゼルに対応する位置に接触すると一定の遮断作用があるため、ミリ波信号の大部分が遮断されたり減衰したりし、例えば、携帯電話の縁部の特定領域が指や手で把持され、把持位置がミリ波アンテナモジュール114の位置のちょうど近傍である場合、このような把持姿勢は干渉を引き起こす(図5に示すように、指による遮断により単一のミリ波アンテナモジュール114の放射信号の一部が遮蔽され、すなわち、一部の方向にのみ放射される)。制御部はこの把持姿勢情報を取得すると、その把持姿勢に応じて、それに対応する把持姿勢調整情報を決定し、情報提示部材に提示する。例えば、表示の形態で提示することができ、例えば、接触の位置が異なると、さまざまな色やパターンで表示され、ここでは、赤色であれば信号が悪い接触点、黒色であれば信号が影響を受けない接触点、緑色であれば信号が強調された接触点のように、固定された色で表示することができるので、情報提示部材は、端末機器100上の異なる色の接触点を表示することにより、ユーザに把持指示の提示を行うことができる。
【0042】
さらに、端末機器の現在の無線信号が良好でない場合、アンテナ信号の伝送が妨害される可能性があり、このとき、現在のユーザの把持姿勢と現在の端末機器の無線モードが一致しないと検出し、同様に、情報提示部材も現在の接触点の色の状態を表示し、最適な接触点位置を提示し、ユーザはこれを見ると把持姿勢や指の接触点を変えることで、現在のアンテナ信号が受ける干渉を低減し、アンテナ信号の通信品質を向上させることができる。
【0043】
一実施例では、端末機器には、ビーム走査範囲、ビーム間隔、ビーム全方向累積分布関数値、及びいずれかのビームの有効放射電力などに関するミリ波アンテナモジュールのビーム情報の記憶及び管理を可能にするように構成されるビーム記憶管理モジュールも設けられている。ここでは、ビームは、ミリ波アンテナモジュールが動作している状態であり、ミリ波アンテナモジュールは、ビームを基本単位として無線接続されるものであり、それぞれのビームが一定の電力を放射する。ミリ波アンテナモジュールには、いくつかのビームを含むことができ、また、これらのビームは、異なる種類のものであってもよく、空間的には異なる位置に分割されてもよく、さらに、ビームは、異なるミリ波アンテナモジュールにそれぞれ対応するV偏波条件のものとH偏波条件のものの2つに大別されてもよい。このように、ビーム記憶管理モジュールによれば、予めテストされた上記ミリ波アンテナモジュールのビーム情報をパラメータテーブルの形式でいずれかのビーム情報のIDに対応させて、対応するモジュールに記憶することができ、異なる領域が異なるミリ波放射区間範囲に対応するようにこのようなモジュールを異なる領域に分割することができ、これによって、制御部による比較や呼び出しを容易にする。
【0044】
一実施例では、3次元ビーム情報は、このときのミリ波アンテナモジュールのビーム出射、すなわち、このときの出射ビームの受ける障害物による影響を表すことに使用され、この障害物による出射ビームの干渉を回避するために端末機器の位置を調整することを案内する。以下、具体例を示して本実施例の動作原理を説明するが、図6に示すように、図6は、本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
【0045】
例3
図6に示すように、情報提示部材120は視覚化操作案内インタフェースを採用しており、これにより、ユーザに対して視覚化方向角度切り替え案内を提供することができ、情報提示部材120のオン・オフは端末機器100のUIにおける関連する設定により、対応するウィンドウを呼び出すことにより行われてもよく、どのビームが走査されているか、対応するビームの走査角度範囲など、現在の3次元ビームの走査状態をフィードバックすることができる。異なる方向のビームは異なる色又はパターンで表示され、例えば、緑色の走査領域はアンテナ信号がより強いことを示し、赤色の走査領域はアンテナ信号がより弱いことを示し、又は、アンテナ信号の強弱を数値によって直接計算して、対応する位置案内(例えば、図6に示す端末機器100の位置案内)を行うことができる。このように、図4に示すように、現在のユーザの位置又は操作方式と基地局との間に角度の不一致が生じたり、障害物に遭遇したりする場合、ビームの走査範囲を超えており、ビーム走査の死角領域に入ってしまい、その結果として、通信がうまくできず、ミリ波通信のスループットが低下し、このため、3次元ビーム調整操作が必要となり、例えば、ユーザが案内インタフェースを操作して自身の方向や位置を調整することにより、水平方向の360度の回転調整や垂直方向の360度の縦調整を行い、これにより、3次元ビーム調整を行って、干渉源による干渉を解消又は低減させる。
【0046】
さらに、本願の別の実施例はまた、干渉防止制御装置を提供し、干渉防止制御装置において、端末機器は、ミリ波アンテナモジュールと制御部とにそれぞれ接続された駆動部をさらに含み、制御部が干渉源検出部からの位置情報を取得したことに応答して、制御部は、位置情報に基づいて、駆動部を制御して端末機器におけるミリ波アンテナモジュールの位置を調整する。
【0047】
一実施例では、駆動部によって端末機器におけるミリ波アンテナモジュールの位置を直接調整することができ、すなわち、ミリ波アンテナモジュールの干渉防止調整はミリ波アンテナモジュールと干渉源との間の相対的な位置を変化させることによって達成され得る。
【0048】
一実施例では、駆動部は任意のタイプの駆動部であってもよく、例えば、モータ、発電機などであってもよく、当業者が実際の状況に応じて選択することができ、これらに限定されるものではない。
【0049】
以下、具体例を示して上記の実施例の動作原理を説明するが、図7に示すように、図7は本願の他の実施例による、干渉防止制御装置による位置情報に対応する干渉防止処理実行の概略図である。
【0050】
例4
端末機器の方向やユーザの位置の調整が実施されにくい場合や、現在のミリ波アンテナモジュールの数が少なく、全方向の強い信号範囲で広い面積をカバーすることができず、また、ビームがミリ波放射の死角領域内にある場合、駆動部によってミリ波アンテナモジュールの位置を調整し、これにより、ミリ波アンテナモジュールをミリ波放射の死角領域内に切り替えて動作させることが可能となる。例えば、あるミリ波アンテナモジュールのメインローブ放射範囲が90°であると仮定して、1つの端末機器で基地局とは360度の死角なし通信を実現しようとすると、そのミリ波アンテナモジュールを4方向に切り替えて調整する必要がある。
【0051】
図7に示すように、現在のミリ波アンテナモジュール114は位置の向きが方向Aであって、ユーザの指によって遮断されており、そして、回転モータ130はミリ波アンテナモジュール114に接続されており、この場合、ミリ波アンテナモジュール114の方向は方向B、方向C、及び方向Dにそれぞれ調整されるように制御を行うことができる。ここで、方向A、方向B、方向C及び方向Dの間隔は順に90度であり、この回転モータ130は、端末機器100の振動モータを共用することができ、非振動の動作状態では、時計回り又は反時計回りに回転することができ、ミリ波アンテナモジュール114のミリ波放射範囲が放射の死角領域をカバーするようにミリ波アンテナモジュール114を方向調整することができ、すなわち、干渉源による干渉を解消又は低減させることができる。
【0052】
図8に示すように、図8は本願の他の実施例による干渉防止制御装置110の概略図である。
【0053】
図8に示すように、該干渉防止制御装置110は、1つ又は複数の制御プロセッサ115と、メモリ116と、を含み、図8では、1つの制御プロセッサ115及び1つのメモリ116が例示されている。
【0054】
制御プロセッサ115及びメモリ116はバス又は他の方式を介して接続されてもよく、図8では、バスを介した接続が例示されている。
【0055】
メモリ116は非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム及び非一時的なコンピュータ実行可能プログラムを記憶するために使用され得る。さらに、メモリ116は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ記憶デバイス、又は他の非一時的なソリッドステート記憶デバイスのような非一時的なメモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ116は、制御プロセッサ115に対してリモートに配置されたリモートメモリを含んでもよく、このようなリモートメモリはネットワークを介して該制御プロセッサ115に接続され得る。上記のネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本願の実施例に記載された干渉防止制御装置110及び適用シナリオは、本願の実施例の技術案をより明確に説明するためのものであり、本願の実施例による技術案を限定するものではなく、当業者にとって自明なように、干渉防止制御装置110の進化と新たな適用シナリオの出現に伴い、本願の実施例による技術案は類似の技術的課題に対しても適用され得る。
【0057】
当業者であれば、図8に示す干渉防止制御装置110は本願の実施例を限定するものではなく、図示よりも多く又は少ない部材を含んだり、一部の部材を組み合わせたり、又は異なる部材の配置を取ったりすることができることが理解され得る。
【0058】
図8に示す干渉防止制御装置110において、制御プロセッサ115は、メモリ116に記憶された命令によって、その命令に基づいて、対応する干渉防止制御方法を実行することができる。
【0059】
上記の干渉防止制御装置110の構成に基づいて、本願の干渉防止制御方法の各実施例が提案されている。
【0060】
図9に示すように、図9は、本願の実施例による干渉防止制御方法のフローチャートであり、図1又は図8に示す実施例による干渉防止制御装置に適用可能であり、この干渉防止制御方法はステップS100~S300を含むが、これらに限定されるものではない。
【0061】
ステップS100:干渉検出部を制御して、ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータを取得する。
【0062】
ステップS200:干渉検出部が、チャネル品質パラメータに基づいてミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定したことに応答して、干渉源検出部を制御して干渉源の位置情報を取得する。
【0063】
ステップS300:干渉源検出部からの位置情報を取得し、位置情報に基づいて位置情報に対応する干渉防止処理を実行する。
【0064】
一実施例では、干渉検出部によってミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータを取得し、ミリ波アンテナモジュールが干渉を受けているか否かを容易に判定することができ、そして、ミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源検出部によって干渉源の位置情報を検出し、ミリ波信号が干渉を受ける原因をユーザが容易に知ることができ、さらに、制御部によってこの位置情報に対応する干渉防止処理を実行することができ、すなわち、実際のシナリオや適用環境に応じて対応する干渉防止調整を行い、この干渉源によるミリ波信号への干渉を解決することができるので、ミリ波アンテナモジュールの干渉防止能力の向上に寄与し、ひいては端末のスループット性能をより向上させることができる。
【0065】
なお、本実施例における干渉防止制御方法は、上記の実施例における干渉防止制御装置と同一の発明構想であるため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態は、上記の実施例における干渉防止制御装置の具体的な実施例を参照することができるが、簡潔さのため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0066】
図10に示すように、図10は本願の一実施例による干渉防止制御方法のフローチャートであり、「チャネル品質パラメータに基づいてミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定する」ステップS200は、ステップS210を含むが、これらに限定されるものではない。
【0067】
ステップS210:ミリ波アンテナモジュールのチャネル品質パラメータが第1チャネル品質パラメータ閾値よりも大きい場合、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定する。
【0068】
一実施例では、干渉検出部が予め設定された第1チャネル品質パラメータ閾値と現在のミリ波アンテナモジュールのチャネル品質パラメータとを比較した結果、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号の被干渉状態を判定することができ、よって、ミリ波信号の被干渉結果を数値比較により容易かつ効率的に取得することができ、一方、ミリ波アンテナモジュールのチャネル品質パラメータが第1チャネル品質パラメータ閾値以下である場合、干渉検出部はミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていないと判定することができ、すなわち、ミリ波信号が干渉を受けていない場合、後で干渉源検出部及び制御部は、対応する操作を実行する必要がない。
【0069】
なお、本実施例における干渉防止制御方法は、上記の実施例における干渉防止制御装置と同一の発明構想であるため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態は、上記の実施例における干渉防止制御装置の具体的な実施例を参照することができるが、簡潔さのため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0070】
図11に示すように、図11は本願の一実施例による干渉防止制御方法のフローチャートであり、ここでは、該干渉防止制御方法は図4に示すような干渉防止制御装置にも適用可能であり、すなわち、干渉源検出部は、放射体と、放射体に接続された放射信号検出部材とを含み、「干渉源検出部を制御して干渉源の位置情報を取得する」ステップS200は、ステップS220~S230を含むが、これらに限定されるものではない。
【0071】
ステップS220:放射信号検出部材を制御して、放射体を介して放射信号を放射する。
【0072】
ステップS230:放射信号検出部材が放射体からのフィードバック信号を取得したことに応答して、放射信号検出部材を制御して、放射信号が干渉源で反射されたフィードバック信号に基づいて干渉源の位置情報を決定する。
【0073】
一実施例では、放射信号が反射され得るので、放射体が放射信号を放射することにより、干渉源で反射されたフィードバック信号を取得することができ、放射信号とフィードバック信号との2組の信号を決定することができ、2組の信号の間の差を比較することによって、干渉源の位置が対応する信号に及ぼす影響を決定し、さらに干渉源の位置情報を決定することができ、このことから、この過程では、ミリ波アンテナモジュールに基づく干渉源の位置情報の取得を行わずに検出精度を向上させることができるとともに、複雑なアルゴリズムを介さずに情報の相互作用のみで測定を行えることが分かり、このため、検出がより容易かつ効率的である。
【0074】
なお、本実施例における干渉防止制御方法は、上記の実施例における干渉防止制御装置と同一の発明構想であるため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態は、上記の実施例における干渉防止制御装置の具体的な実施例を参照することができるが、簡潔さのため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0075】
図12に示すように、図12は本願の一実施例による干渉防止制御方法のフローチャートであり、該干渉防止制御方法は図5又は図6に示す干渉防止制御装置にも適用可能であり、「位置情報に基づいて位置情報に対応する干渉防止処理を実行する」ステップS300は、ステップS310を含むが、これらに限定されるものではない。
【0076】
ステップS310:位置情報に基づいて把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を決定し、情報提示部材を介してユーザに把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を提示する。
【0077】
一実施例では、干渉源検出部からの位置情報を取得した後、すなわち、この時点で干渉源の位置情報を決定した後、この位置情報に基づいて、対応する把持姿勢調整案内情報及び/又は3次元ビーム情報を提供し、ユーザが案内に従って対応する調整を行うことができるように、情報提示部材を介してユーザに提示し、これによって、干渉源によって引き起こされる干渉を解消又は低減させることができる。
【0078】
なお、本実例における干渉防止制御方法は、上記の実施例における干渉防止制御装置と同一の発明構想であるため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態は、上記の実施例における干渉防止制御装置の具体的な実施例を参照することができるが、簡潔さのため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0079】
図13に示すように、図13は本願の一実施例による干渉防止制御方法のフローチャートであり、該干渉防止制御方法は図7に示す干渉防止制御装置にも適用可能であり、「位置情報に基づいて位置情報に対応する干渉防止処理を実行する」ステップS300は、ステップS320をさらに含むが、これらに限定されるものではない。
【0080】
ステップS320:位置情報に基づいて、駆動部を制御して端末機器におけるミリ波アンテナモジュールの位置を調整する。
【0081】
一実施例では、駆動部によって端末機器におけるミリ波アンテナモジュールの位置を直接調整することができ、すなわち、ミリ波アンテナモジュールの干渉防止調整はミリ波アンテナモジュールと干渉源との間の相対的な位置を変化させることによって達成され得る。
【0082】
なお、本実施例における干渉防止制御方法は、上記の実施例における干渉防止制御装置と同一の発明構想であるため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態は、上記の実施例における干渉防止制御装置の具体的な実施例を参照することができるが、簡潔さのため、本実施例における干渉防止制御方法の具体的な実施形態については、ここでは詳しく説明しない。
【0083】
また、本願の一実施例はまた、図1に示す実施例における干渉防止制御装置、又は図8に示す実施例における干渉防止制御装置を含む端末機器を提供する。
【0084】
ここでは、上記の実施例の干渉防止制御方法を実現するために必要な非一時的なソフトウェアプログラム及び命令は、メモリに記憶されており、プロセッサによって実行されると、上記の実施例の干渉防止制御方法、例えば、上記の図9の方法ステップS100~S300、図10の方法ステップS210、図11の方法ステップS220~S230、図12の方法ステップS310、又は図13の方法ステップS320を実行する。
【0085】
なお、本実施例における端末機器は、図1に示す実施例における干渉防止制御装置又は図8に示す干渉防止制御装置に適用可能であり、これらの実施例はいずれも同一の発明構想であるので、これらの実施例は同一の実現原理及び技術的効果を有しており、ここでは詳しく説明しない。
【0086】
上記で説明された装置の実施例は単に概略的なものであり、分離された構成要素として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもよいし、そうでなくてもよく、すなわち、1つの場所に配置されていてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の目的を達成するために選択されてもよい。
【0087】
さらに、本願の一実施例はまた、プロセッサ又はコントローラによって実行される、例えば、上記の実施例のプロセッサによって実行されると、上記の実施例の干渉防止制御方法、例えば、上記の図9の方法ステップS100~S300、図10の方法ステップS210、図11の方法ステップS220~S230、図12の方法ステップS310、又は図13の方法ステップS320を前記プロセッサに実行させることができるコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0088】
当業者であれば、上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよいことを理解する。物理的構成要素の一部又は全ては、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含むことができるコンピュータ読み取り可能な媒体上に配置されてもよい。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えばコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶機器、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波や他の伝送機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者には周知である。
【0089】
本願の実施例は、ミリ波アンテナモジュールに接続された干渉検出部と、干渉検出部に接続された干渉源検出部と、干渉源検出部に接続された制御部と、を含む干渉防止制御装置を含み、干渉検出部は、ミリ波アンテナモジュールからのチャネル品質パラメータに基づいて、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを判定するように構成され、干渉源検出部は、干渉検出部がミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源の位置情報を検出するように構成され、制御部は、干渉源検出部からの位置情報に基づいて、位置情報に対応する干渉防止処理を実行するように構成され、ここでは、端末機器はミリ波アンテナモジュールを含む。干渉防止制御装置は、ミリ波アンテナモジュールによって送信されたミリ波信号が干渉を受けているか否かを干渉検出部によって判定することができ、これによって、現在の状況でミリ波アンテナモジュールに対する干渉を正確に判断でき、これにより、ミリ波アンテナモジュールが干渉防止処理を行う必要があるか否かを判定することができ、また、ミリ波信号が干渉を受けていると判定した場合、干渉源検出部によって干渉源の位置情報を検出することができ、ミリ波信号が干渉を受ける原因をユーザが容易に知ることができ、さらに、制御部によってこの位置情報に対応する干渉防止処理を実行することができ、すなわち、実際のシナリオや適用環境に応じて対応する干渉防止調整を行うことで、この干渉源によるミリ波信号への干渉を解決することができ、このため、ミリ波アンテナモジュールの干渉防止能力の向上に寄与し、ひいては端末のスループット性能をより向上させることができる。
【0090】
以上は本願の好ましい実施例を具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者は本願の精神に反しないことなく様々な均等な変形や置換を行うことができ、これらの均等な変形や置換はいずれも本願の請求項によって定められる範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図9
図10
図11
図12
図13