(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】アッセイ装置およびアッセイ装置と共に使用するための手持ち式の1回使用のアッセイデバイスを有するアッセイシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20240731BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20240731BHJP
G01N 1/04 20060101ALI20240731BHJP
【FI】
G01N1/28 W
G01N35/00 Z
G01N1/04 G
(21)【出願番号】P 2023518151
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 IL2020051116
(87)【国際公開番号】W WO2021084528
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519454899
【氏名又は名称】ジンツールズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】レブ,ニムロド
(72)【発明者】
【氏名】レブ-サジー,メナケム
(72)【発明者】
【氏名】シュロモビツ,タル
(72)【発明者】
【氏名】ホロウィツ・リモル,ゾハル
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-524812(JP,A)
【文献】特表2013-524230(JP,A)
【文献】特開平1-105167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンク、ハンドル、および身体標本を担持するための標本収集先端部を有する手持ち式の標本収集ツールと共に使用するための手持ち式のアッセイデバイスであって、前記アッセイデバイスは、前記身体標本の電磁放射線(EMR)検査を少なくとも1つの所定のEMR波長で可能にし、前記アッセイデバイスは、長手方向のアッセイデバイスセンターラインを有し、前記アッセイデバイスは、
(a)カートリッジハウジング頂面、前記カートリッジハウジング頂面の反対側にあるカートリッジハウジング底面、および、カートリッジハウジング内部を画定するための、前記カートリッジハウジング頂面と前記カートリッジハウジング底面との間にあるカートリッジハウジング周囲面を含むカートリッジハウジングであって、
前記カートリッジハウジング底面が、前記カートリッジハウジング内部へのアクセスを提供するための少なくとも1つの貫通アパーチャを含み、
前記カートリッジハウジング周囲面が、前記長手方向のアッセイデバイスセンターラインと同じ方向である対向する対の主側面、および、前記長手方向のアッセイデバイスセンターラインに対して横向きである対向する対の副端面を含み、前記対向する対の副端面が、前縁側副端面および後縁側副端面を含み、
前記カートリッジハウジング周囲面が、前記標本収集先端部につながる前記カートリッジハウジング内部へのアクセスを提供するための標本収集先端部貫通アパーチャを含む、
カートリッジハウジングと、
(b)前記カートリッジハウジング内部にぴったり合うように受け入れられて、未使用のアッセイデバイス内の最も下側の初期標本導入位置から使用済みのアッセイデバイス内の最も上側の最終標本検査位置まで摺動的に配備可能である、標本スライドであって、対応して、前記最も下側の初期標本導入位置が前記カートリッジハウジング頂面から遠隔の位置にあり、前記最も上側の最終標本検査位置が前記カートリッジハウジング頂面に隣接し、
前記カートリッジハウジング頂面および前記標本スライドが、対応して、前記アッセイデバイスを通る検査ラインを画定するために位置合わせされた、少なくとも1つのカートリッジハウジング頂面パネルおよび少なくとも1つの標本スライドパネルを有し、前記少なくとも1つのカートリッジハウジング頂面パネルおよび前記少なくとも1つの標本スライドパネルが、前記少なくとも1つの所定のEMR波長のEMR波長において透過性であり、
前記標本スライドが、前記アッセイデバイスの前記作動状態において前記カートリッジハウジング頂面パネルに対して密接に並置される、
標本スライドと、
(c)前記少なくとも1つの標本スライドパネルの上に液体試薬を計量分配するための内蔵式の液体試薬計量分配構成であって、前記内蔵式の液体試薬計量分配構成が、前記長手方向のアッセイデバイスセンターラインの横に位置する少なくとも1つの長手方向を向くバレルを含み、
各前記バレルが、前記前縁側副端面の方を向く露出する前縁側シール、および、前記後縁側副端面の方を向くように配設された後縁側シール部材を含み、
各前記バレルが、前記前縁側シールと前記後縁側シール部材との間に液体試薬を含み、
各前記バレルが、前記少なくとも1つの標本スライドパネルの対応する標本スライドの上に液体試薬を計量分配するための液体試薬計量分配ポートを有し、
前記前縁側シールおよび前記後縁側シール部材が、未使用のアッセイデバイス内の初期の液体試薬計量分配前の位置、および、液体試薬計量分配位置を有し、
前記前縁側シールが、前記バレルに沿って、前記初期の液体試薬計量分配前の位置から前記液体試薬計量分配位置まで付勢される、
内蔵式の液体試薬計量分配構成と、
を備え、
前記アッセイデバイスが、未使用のアッセイデバイス内の前記標本スライド上に身体標本を塗り付けるために前記標本収集先端部貫通アパーチャを通して使用者が前記標本収集先端部を操作し、その後、前記内蔵式の液体試薬計量分配構成が、前記身体標本と反応させるために前記身体標本の上に液体試薬を計量分配するために作動され、前記標本スライドが、前記カートリッジハウジング底面内の前記少なくとも1つの貫通アパーチャを介して、その最も下側の初期標本導入位置からその最も上側の最終標本検査位置まで上昇させられ、それにより、使用済のアッセイデバイスが前記身体標本の検査を行う準備が整うようになる、手持ち式のアッセイデバイス。
【請求項2】
前記標本スライドが、その上での焦点調節を可能にするための少なくとも1つの視角的に識別可能なターゲットを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記標本スライドを前記最も上側の最終標本検査位置で固定するための標本スライド固定構成をさらに備え、前記標本スライド固定構成が、前記最も下側の初期標本導入位置から前記最も上側の最終標本検査位置までの不可逆的な変位を可能にする、請求項1または2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記後縁側シール部材が、前記バレルに沿って、前記初期の液体試薬計量分配前の位置において前記液体試薬計量分配ポートの前方から変位させられて、前記液体試薬計量分配位置において前記前縁側副端面を基準として前記液体試薬計量分配ポートを通過する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記前縁側シールおよび前記後縁側シールのうちの少なくとも一方が、そこに沿うその位置の決定を可能にするために前記カートリッジハウジング内で高度に視覚的に区別可能である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記後縁側シール部材が、前記液体試薬計量分配ポートにおいて高級的に配備され、液体試薬を計量分配するために、前記初期の液体試薬計量分配前の位置における閉位置から、前記液体試薬計量分配位置における開位置まで回転するように付勢されるストップコックである、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記前縁側シールが、そこに沿うその位置を決定するのを可能にするために、前記カートリッジハウジング内で高度に視覚的に区別可能である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記アッセイデバイスが、前記手持ち式の標本収集ツールと共に予め組み立てられ、前記前縁側副端面および前記後縁側副端面の各々が、中央貫通アパーチャを含み、その結果、前記手持ち式の標本収集ツールの標本収集先端部が、前記前縁側副端面を越えて延在し、前記手持ち式の標本収集ツールのハンドルが、前記後縁側副端面を越えて延在し、前記アッセイデバイスおよび前記手持ち式の標本収集ツールが、使用前の予め組み立てられた状態において前記アッセイデバイスおよび前記手持ち式の標本収集ツールを一体に締め付け固定するための手動式のクランプ構成を含み、それにより前記アッセイデバイスに対しての前記手持ち式の標本収集ツールの相対的移動を排除する、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カートリッジハウジング頂面が、前記標本スライド上に身体標本を塗り付けることを目的として前記手持ち式の標本収集ツールを前記手持ち式のアッセイデバイスから摺動的に後退させるのを案内するための、前記カートリッジハウジング内部の中へ下向きに吊着された案内部材を含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記前縁側副端面および前記カートリッジハウジング頂面を保護するための取り外し可能な保護ホイルをさらに備え、前記保護ホイルが、前記手持ち式の標本収集ツールを前記アッセイデバイスから摺動的に後退させた後に手動で取り外される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
身体標本の診断目的のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の手持ち式のアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ装置であって、前記アッセイ装置は、
(a)装置ハウジングであって、
(i)アッセイデバイスを交換可能にぴったり合うように受け取るためのトレイポケットを有するトレイ、および、
(ii)アッセイデバイスを交換するための前記装置ハウジングに対しての最も外側の位置と前記装置ハウジングに対しての最も内側の位置との間での前記トレイの線形往復動のための電動式の構成
を含む、装置ハウジングと、
(b)身体標本の上に液体試薬を計量分配するために、アッセイデバイスのバレルの中に挿入されるためのプランジャと、
(c)その最も下側の初期標本導入位置からその最も上側の最終標本検査位置までその標本スライドを付勢するために、アッセイデバイスの下側の貫通アパーチャを通して挿入されるための標本スライド昇降部材と、
(d)アッセイデバイス内に収容される少なくとも1つの身体標本のデジタル画像を得るためのデジタル画像取得構成と、
(e)少なくとも前記電動式の構成および前記デジタル画像取得構成を制御するための制御装置と、
を備える、アッセイ装置。
【請求項12】
前記最も外側の位置から前記最も内側の位置までの前記トレイの内側への移動が、前記トレイが前記最も内側の位置に到達する前のアッセイデバイスのバレルの中への前記プランジャの挿入を引き起こす、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記最も外側の位置から前記最も内側の位置までの前記トレイの内側への移動が、アッセイデバイスの下側の貫通アパーチャを通しての前記標本スライド昇降部材の挿入を引き起こして、前記トレイが前記最も内側の位置に到達する前にアッセイデバイスの標本スライドをその最も上側の最終標本検査位置まで付勢する、請求項11または12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記最も外側の位置から前記最も内側の位置までの前記トレイの内側への移動が、前記デジタル画像取得構成による、アッセイデバイス内に収容される少なくとも1つの身体標本のデジタル画像の取得を引き起こす、請求項11から10までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記トレイが、
i)前記トレイポケットを有する外部トレイ部材と、
ii)前記最も外側の位置における前記トレイポケット内のアッセイデバイスのアッセイデバイス挿入/取り出し位置と前記トレイポケット内のアッセイデバイスのアッセイデバイス作動位置との間で長手方向に摺動的に往復動する内部トレイ部材と、
iii)前記外部トレイ部材に対しての前記内部トレイ部材の移動を選択的に制限するための制限機構と、
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記内部トレイ部材が、前記プランジャおよび貫通スリットを含み、前記外部トレイ部材が、ばね式の標本スライド昇降部材を含み、前記構成が、前記アッセイデバイス挿入/取り出し位置において、前記プランジャが前記アッセイデバイスのバレルの中に挿入されず、前記内部トレイ部材が前記ばね式の標本スライド昇降部材をブロックするようになり、前記アッセイデバイス作動位置において、前記プランジャが前記アッセイデバイスのバレルの中に挿入され、前記ばね式の標本スライド昇降部材が前記スリットを通って外に出て前記アッセイデバイスの下側の貫通アパーチャに入り、その標本スライドをその最も下側の初期標本導入位置からその最も上側の最終標本検査位置に付勢するようになる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記デジタル画像取得構成が、身体標本の第1の光路画像を取得するための第1の光路と、身体標本の第2の光路画像を取得するための第2の光路とを有する単一のデジタル画像カメラを含み、前記デジタル画像取得構成が、前記第1の光路または前記第2の光路のいずれかに沿った画像を瞬時に取得するように動作する、請求項11から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
診断目的のための前記アッセイ装置のオペレーションの前に前記トレイポケットの中に新たに挿入されたアッセイデバイスが未使用のアッセイデバイスであるかどうかを決定するための使用済みアッセイデバイス検出装置をさらに備える、請求項11から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記使用済みアッセイデバイス検出装置が、未使用のアッセイデバイスのためのベンチマーク位置と比較して、新たに挿入されたアッセイデバイスのシールの位置を光学的に検出して、前記新たに挿入されたアッセイデバイスが未使用のアッセイデバイスであるかどうかを決定する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記使用済みアッセイデバイス検出装置が、ベンチマークの電気モータ消費電力と比較して、アッセイデバイスの前縁側シールを初期に変位させるための電気モータ消費電力を決定して、前記新たに挿入されたアッセイデバイスが未使用のアッセイデバイスであるかどうかを決定する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記装置ハウジングが、前記初期の液体試薬計量分配前の位置における閉位置から、液体試薬を計量分配するための前記液体試薬計量分配位置における開位置までストップコックを回転させるためのストップコックアクチュエータを含み、前記最も外側の位置から前記最も内側の位置までの前記トレイの内側への移動が、前記トレイが前記最も内側の位置に到達する前のアッセイデバイスのバレルの中への前記プランジャの挿入を引き起こす、請求項6に記載のアッセイデバイスと共に使用するための請求項11から20のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイ装置とこのアッセイ装置と共に使用するための手持ち式のアッセイデバイスとを有するアッセイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCT国際公開第WO2018/235073A1として公開されている、Assay Devices and Assay Apparatus for Use Therewithと題される、本出願人によるPCT国際出願第PCT/IL2018/050671は、アッセイデバイスを通る1つまたは複数の検査ラインに沿った標本のEMR検査のためのアッセイデバイスを開示している。アッセイデバイスは、身体標本をその上に配置するための標本スライドを有するハウジングを含む。標本スライドは、最も下側の標本導入位置から最も上側の標本検査位置まで付勢されるように設計され、最も上側の標本検査位置において標本スライドがハウジング頂面の下側に対して身体標本を押圧する。身体標本を、検査前に標本スライド上に配置した後、好適には、例えば塩水、水酸化カリウムなどの、1つまたは複数の液体試薬と反応させる。さらに、診断目的のためのpH読み取りを実現するために、好適には、pH検出表面に身体標本が塗り付けられる。
身体標本の診断目的のためのアッセイシステムが求められる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、身体標本の診断目的のためのアッセイシステムを対象とする。アッセイシステムは、診断目的のために各々が身体標本を用意するための1回使用の手持ち式のアッセイデバイスと、診断目的のために身体標本の診断情報を取得するための、交換可能であるアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ装置と、を有する。手持ち式のアッセイデバイスの各々が、ハンドル、および、身体開口部または露出する身体表面から身体標本を得るための標本収集先端部、を有する1回使用の標本ツールと共に使用されることを意図される。身体開口部には、とりわけ、顔面開口部、尿道、直腸、および膣が含まれる。露出する身体表面には、とりわけ、皮疹、皮膚発疹、開放創、唇、および目などが含まれる。手持ち式のアッセイデバイスが手持ち式の標本収集ツールと共に予め組み立てられ得るか、または別法として、手持ち式の標本収集ツールが個別に提供され得る。
【0004】
アッセイデバイスが、長手方向のアッセイデバイスセンターラインと、長手方向のアッセイデバイスセンターラインに沿って配設された好適には2つ以上の空間的に分離する作業面を備える標本スライドを有する概略箱形状のカートリッジハウジングと、を有する。好適には、アッセイデバイスを通して標本収集ツールを摺動的に後退させるときに、作業面に身体標本が塗り付けられる。作業面が、好適には、pH読み取りを実現するためのpH検出表面を有する。
【0005】
アッセイデバイスは、作業面の上に塗り付けられた身体標本の上に少なくとも1つの液体試薬を計量分配するための内蔵式の液体試薬計量分配構成を有する。内蔵式の液体試薬計量分配構成は、バレルと、前縁側シールと、後縁側シール部材と、前縁側シールと後縁側シール部材との間にある液体試薬と、作業表面ごとに液体試薬を計量分配するための液体試薬計量分配ポートと、を有する。前縁側シールは、液体試薬計量分配前の位置から液体試薬計量分配位置まで、プランジャによりそのバレルに沿って変位させられる。内蔵式の液体試薬計量分配構成は、異なる後縁側シール部材を有し得る。1つの後縁側シール部材は、その液体試薬計量分配ポートの前方のその液体試薬計量分配前の位置から、その液体試薬計量分配ポートを越えて、液体試薬計量分配位置まで、バレルに沿って変位させられることを意図される。別の後縁側シール部材は、その液体試薬計量分配ポートにおいて恒久に配設されたストップコックであり、閉位置から計量分配の目的のための開位置まで回転させられることを意図される。内蔵式の液体試薬計量分配構成は、2つ以上の空間的に分離する作業面の上に塗り付けられた身体標本の上に異なる液体試薬を計量分配するように設計され得、その結果、液体試薬が交差反応することがない。内蔵式の液体試薬計量分配構成は、前縁側シール部材と後縁側シール部材との間の距離を調整するかまたはプランジャの長さを調整することにより、多様な量の液体試薬を計量分配するように設計され得る。
【0006】
アッセイデバイスは、以下のように診断目的のためのそれらの身体標本の検査の準備を整えるために、身体標本を塗り付けた後で2つの作動を受けることが必要とされる。最初に、それらの内蔵式の液体試薬計量分配構成が作動される。次いで、それらの標本スライドが、それらの最も下側の標本導入位置からそれらの最も上側の標本検査位置まで線形的に上昇させられる。標本スライドを上昇させることは、液体試薬計量分配が標本スライドの上昇の終了前に終了することを条件として、液体試薬計量分配と同時に行われてもまたは液体試薬計量分配の後に行われてもよい。
【0007】
アッセイ装置は、アッセイデバイスを交換可能に受け取るためのトレイポケットを備えるトレイを有し、ここでは、身体標本が好適にはその標本スライドの上に塗り付けられている。アッセイ装置は、手持ち式のアッセイデバイスの内蔵式の液体試薬計量分配構成を作動させるための1つまたは複数のプランジャと、そのカートリッジハウジング底面を通してその最も下側の標本導入位置からその最も上側の標本検査位置まで手持ち式のアッセイデバイスの標本スライドを上昇させるための1つまたは複数の標本スライド昇降部材と、を有する。アッセイ装置は、好適には、アッセイデバイスの内蔵式の液体試薬計量分配構成を作動させるためのおよびその標本スライドを上昇させるための機械的構成を備える単一の電気モータを有する。別法として、アッセイ装置は、アッセイデバイスの内蔵式の液体試薬計量分配構成を作動させるためのおよびその標本スライドを上昇させるための、例えば小型電気モータおよびソレノイドなどの電磁手段を有し得る。アッセイ装置は、好適には、新たに挿入されるアッセイデバイスがそのトレイポケットの中に正確に挿入されるのを保証するための1つまたは複数のマイクロスイッチを有する。アッセイ装置は、好適には、以前に使用されたアッセイデバイスを拒絶することを目的として、以前に使用されたアッセイデバイスを検出するための使用済みアッセイデバイス検出装置を有する。
【0008】
アッセイ装置は、好適には、以下のような異なる倍率を有する2つ以上の光路を有する:倍率を有さない第1の光路およびX10からX1000の倍率を有する第2の光路。第1の光路は、例えばターゲット画像およびpH読み取り画像などの、低解像度画像を取得するのに使用され得る。第2の光路は、好適には線形である走査路に沿う、例えば身体標本の高解像度の顕微鏡画像を取得するのに使用され得る。アッセイ装置は、身体標本上に正確に焦点調節するために、第2の光路に沿う焦点調節を含む。アッセイ装置は最初に、第1の光路に沿って、次いで第2の光路に沿って、またはその逆で、画像を取得する。別法として、アッセイ装置は、第1の光路および第2の光路の両方に沿って画像を同時に取得し得る。
【0009】
アッセイ装置は、第1の光路画像および第2の光路画像を取得するための2つのデジタル画像カメラを有し得る。別法として、アッセイ装置は、好適には、第1の光路画像および第2の光路画像を取得するための単一のデジタル画像カメラを有し得る。後者の事例では、アッセイ装置は、第1の光路画像を取得するために第1の光路を選択的に開閉するためのおよび対応して第2の光路画像を取得するために第2の光路を選択的に開閉するためのシャッター構成を有する二重光路ストラクチャを必ず必要とし、その結果、単一のデジタル画像カメラは、第1の光路を開けて第2の光路を閉じるときに第1の光路画像を取得し、第1の光路を閉じて第2の光路を開けるときに第2の光路画像を取得する。
【0010】
1つまたは複数のデジタル画像カメラは、とりわけ、可視スペクトル、IRスペクトル、およびUVスペクトルなどを含めた多様なEMRスペクトルで動作し得る。したがって、アッセイ装置は、多様な所定のEMRスペクトルでアッセイデバイスを照光するための多様な照明光源を有し得る。照明光源は、異なる方向からアッセイデバイスを照光し得る。照明光源は、1つまたは複数の特定の光路に関連付けられ得る。例えばpH読み取りの、いくつかのデジタル画像は、必然的に、可視スペクトルのカラー画像となる。さらに、いくつかの顕微鏡画像も、好適には、可視スペクトルのカラー画像となる。身体標本の顕微鏡画像および/またはビデオスキャンは、好適には、モーション中のカメラのボケを回避するために、30フレーム毎秒(FPS)から60フレーム毎秒で取得されるか、またはアッセイ装置内でアッセイデバイスが低速で移動させられる場合により低いレートで取得される。
【0011】
本発明を理解できるようにするために、および実際に本発明がいかにして実行され得るかを認識できるようにするために、次に、同様の部分に同様の符号を付している添付図面を参照して、単に非限定的な例として好適な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】WO2018/235073A1の
図11に対応する図である。
【
図2】WO2018/235073A1の
図12に対応する図である。
【
図3】WO2018/235073A1の
図18に対応する図である。
【
図4】WO2018/235073A1の
図19に対応する図である。
【
図5】アッセイ装置と、予め組み立てられた手持ち式の標本収集ツールを備える手持ち式のアッセイデバイスとを含むアッセイシステムの透視図である。
【
図6】内蔵式の液体試薬計量分配構成を備える手持ち式のアッセイデバイスの上面斜視図である。
【
図7】
図6のアッセイデバイスの底面斜視図である。
【
図8】手持ち式の標本収集ツールを
図6にアッセイデバイスに締め付け固定するための手動式のクランプ構成を示す拡大図である。
【
図10】
図6のアッセイデバイスの左側面図である。
【
図11】
図6のアッセイデバイスの右側面図である。
【
図12】
図6のアッセイデバイスのカバーの底面斜視図である。
【
図13】
図6のアッセイデバイスの標本スライドの底面斜視図である。
【
図14】
図14Aは、液体試薬を計量分配する前の
図6のアッセイデバイスの上面平面図である。
図14Bは、液体試薬の計量分配中の
図6のアッセイデバイスの上面平面図である。
【
図15】
図15Aは、その標本スライドが
図6の線A-Aに沿ったその最も下側の初期標本導入位置にある状態の
図6のアッセイデバイスの長手方向断面図である。
図15Bは、その標本スライドが
図6の線A-Aに沿ったその最も上側の最終標本検査位置にある状態の
図6のアッセイデバイスの長手方向断面図である。
【
図16】
図16Aは、ストップコックを含む内蔵式の液体試薬計量分配構成を備える手持ち式のアッセイデバイスの右上面斜視図である。
図16Bは、
図16のアッセイデバイスの左上面斜視図である。
【
図17】
図17Aは、そのストップコックアクチュエータによる作動前の
図16のアッセイデバイスの右側ストップコックの概略図である。
図17Bは、そのストップコックアクチュエータによる作動後の右側ストップコックの概略図である。
【
図18】
図18Aは、液体試薬を計量分配する前の
図16のアッセイデバイスの上面平面図である。
図18Bは、液体試薬を計量分配する前の
図18Aの段差のある線B-Bに沿った
図16のアッセイデバイスの横方向断面図である。
【
図20】
図6のアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ装置の組み合わせの斜視図およびブロック図である。
【
図21】
図21Aは、その完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、
図20の線C-Cに沿ったアッセイ装置の概略長手方向断面図である。
図21Bは、その完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、
図20の線D-Dに沿ったアッセイ装置の概略横方向断面図である。
【
図22】
図22Aは、その完全なトレイがその最も内側の位置にある状態の、
図20の線C-Cに沿ったアッセイ装置の概略長手方向断面図である。
図22Bは、その完全なトレイがその最も内側の位置にある状態の、
図20の線D-Dに沿ったアッセイ装置の概略横方向断面図である。
【
図24】
図24Aは、その内部トレイ部材がその外部トレイ部材に対してのその挿入/取り出し位置にある状態の、アッセイ組立体のトレイの正面斜視図である。
図24Bは、その内部トレイ部材がその外部トレイ部材に対してのその作動位置にある状態の、アッセイ組立体のトレイの正面斜視図である。
【
図25】
図25Aは、アッセイデバイスを中に挿入する前の、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図25Bは、アッセイデバイスを中に挿入する前の、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図26】
図26Aは、アッセイデバイスを中に挿入した後の、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図26Bは、アッセイデバイスを中に挿入した後の、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図27】
図27Aは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の初期の内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図27Bは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の初期の内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図28】
図28Aは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図28Bは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図29】
図29Aは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図29Bは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図30】
図30Aは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図30Bは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図31】
図31Aは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図31Bは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図32】
図32Aは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図32Bは、その最も内側の位置に向かうアッセイ装置の完全なトレイの連続的な内側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図33】
図33Aは、その最も内側の位置にあるアッセイ装置の完全なトレイを示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図33Bは、その最も内側の位置にあるアッセイ装置の完全なトレイを示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図34】
図34Aは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の外側への移動の開始までのアッセイ装置の完全なトレイの外側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図34Bは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の外側への移動の開始までのアッセイ装置の完全なトレイの外側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図35】
図35Aは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の外側への移動を示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図35Bは、その静止している内部トレイ部材に対してのアッセイ装置の外部トレイ部材の外側への移動を示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図36】
図36Aは、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図36Bは、アッセイ装置の完全なトレイがその最も外側の位置にある状態の、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図37】
図37Aは、その完全なトレイの最も外側に位置における、アッセイ装置のトレイポケットからのアッセイデバイスの取り出しを示している、アッセイシステムの概略長手方向断面図である。
図37Bは、その完全なトレイの最も外側に位置における、アッセイ装置のトレイポケットからのアッセイデバイスの取り出しを示している、アッセイシステムの概略横方向断面図である。
【
図38】
図16のアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ装置の組み合わせの斜視図およびブロック図である。
【
図39】
図16の内蔵式の液体試薬計量分配構成と共に使用するための図のアッセイ組立体のトレイの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
WO2018/235073のアッセイデバイスおよびこのアッセイデバイス共に使用するためのアッセイ装置
従来技術の
図1から従来技術の
図4は、本出願人によるWO2018/235073A1の
図11、
図12、
図18、および
図19に対応する。従来技術の
図1から従来技術の
図4は、WO2018/235073の参照符号を示す。
【0014】
図1および
図2は、アッセイデバイス10Cおよび標本取り扱いツール100を開示する。アッセイデバイス10Cは、ハウジング底面16およびハウジング頂面18を有する箱状ハウジング12を有する。ハウジング底面16は、透明ハウジング底面パネル22を有する。ハウジング頂面18は、透明ハウジング底面パネル22に位置合わせされた透明ハウジング頂面パネル23を有する。透明ハウジング頂面パネル23は、サブパネル23Aおよび23Bを有する。アッセイデバイス10Cは、身体標本のpH値を示すためのpH検出表面54を有する前縁側作業面51、中央作業面52、および後縁側作業面53、である3つの作業面を有する標本スライド21を有する。前縁側作業面51、中央作業面52、および後縁側作業面53は、相互汚染を回避するために空間的に分離している。
【0015】
標本取り扱いツール100は、前縁側標本収集端部101、シャンク102、スワブ端部103、および後縁側ハンドル104を有する。標本取り扱いツール100が箱状ハウジング12より長く、その結果、その前縁側スワブ端部103が一方向において箱状ハウジング12を超えて延在し、そのハンドル104が反対方向において箱状ハウジング12を超えて延在する。アッセイデバイス10Cは、好適には、標本取り扱いツール100と共に予め組み立てられており、その結果、その前縁側スワブ端部103上で身体標本を得ることに従って、アッセイデバイス10Cを通して標本取り扱いツール100を引くことにより、身体標本が3つの作業面51、52、および53上に塗り付けられる。
【0016】
アッセイデバイス10Cは、標本スライド21をその最も下側の標本導入位置からその最も上側の標本検査位置まで上昇させるための手動式の標本スライド昇降構成26を有し、標本検査位置において作業面51、52、および53がハウジング頂面パネル23の下側に対して並置する。アッセイデバイス10Cは、中央液体試薬リザーバ57および後縁側液体試薬リザーバ59を備える一体型の液体試薬ポンプ構成56を有する。一体型の液体試薬ポンプ構成56は、標本スライド昇降構成26の手動オペレーションにより、中央作業面52の身体標本および後縁側作業面53の身体標本に、対応して、中央液体試薬リザーバ57および後縁側液体試薬リザーバ59から液体試薬を自動的に計量分配する。
【0017】
透明ハウジング底面パネル22、透明ハウジング頂面パネル23、および標本スライド21は、とりわけ、可視スペクトル、IRスペクトル、およびUVスペクトルなどを含めた1つまたは複数の所定のEMRスペクトルにおいて透過性である。したがって、最も上側の標本検査位置では、アッセイデバイス10Cは、pH検出表面54を検査するための検査ラインと、中央作業面52および後縁側作業面53上の身体標本を検査するための2つの検査ラインと、を有する。
【0018】
図3および
図4は、通常はデジタル顕微鏡の形態であるアッセイ装置200と共に使用するためのアッセイデバイス10Dを開示する。アッセイデバイス10Dは、長手方向のアッセイデバイスセンターライン34および前縁側副端面38を有する。アッセイデバイス10Dは、その作業面上に液体試薬を手動で射出するための、そのハウジング頂面18内にある液体試薬射出ポートペア64を有する。前縁側副端面38は、その幅に跨って離間され、その最も下側の初期標本導入位置においてその標本スライド21の下にある、スロットペア62を有する。
【0019】
アッセイ装置200は、WO2018/235073の
図18のアッセイデバイスアクセス位置とWO2018/235073の
図21のアッセイデバイス検査位置との間で往復動するアッセイデバイストレイ202を有する。アッセイデバイストレイ202は、液体試薬の射出後、その最も下側の標本導入位置からその最も上側の標本検査位置までその標本スライド21を付勢するための、その長手方向のアッセイデバイスセンターライン34に沿ってスロットペア62を通してアッセイデバイス10Dの中まで摺動的に挿入するための標本スライド昇降部材203を有する。標本スライド昇降部材203は、好適には、アッセイデバイス10Dを通した検査ラインを遮らない、離間された昇降突起部204を備えるフォーク形状である。アッセイ装置200は、身体標本を検査するための内蔵式の情報収集・診断能力を有する独立型のデバイスであってよい。別法として、アッセイ装置200は、身体標本からの取得画像および他の情報を遠隔処理のために伝達し得る。
【0020】
アッセイシステム
図5は、身体標本の診断目的のためのアッセイシステム10を示す。アッセイシステム10は、外来診療所などに配備されるのに適するデスクトップアッセイ装置200内で使用するための手持ち式のアッセイデバイス100を有する。アッセイ装置200は、幹線給電および再充電バッテリーなどによって電力供給され得る。上で言及したWO2018/235073のアッセイ装置200と同様に、アッセイ装置200は、診断目的のための内蔵式の診断能力を有する独立型のデバイスであってよく、および/または、取得画像および他の情報を遠隔処理のために伝達し得る。
【0021】
アッセイデバイス100は、使用を容易にするために、標本収集ツール50と共に予め組み立てられている。アッセイデバイス100および標本収集ツール50は、好適には、移送中でのおよびさらには身体標本を得る中でのそれらの間の相対移動を防止することを目的として、初期状態において標本収集ツール50をアッセイデバイス100に締め付け固定するための手動式のクランプ構成107を有する。手動式のクランプ構成107は、身体標本を得た後に、および、診断目的のためのアッセイ装置200の中へのアッセイデバイス100の挿入前に、標本収集ツール50をアッセイデバイス100から摺動的に取り外すことを可能にするために、解放される。別法として、アッセイデバイス100および標本収集ツール50は、別個のアイテムとして提供され得る。
【0022】
アッセイ装置200は、最も外側の位置と最も内側の位置との間で往復動するトレイ202を有する装置ハウジング201を有する。トレイ202は、長手方向のトレイセンターライン202Aと、アッセイデバイス100を交換可能に受け取るための、そこに沿って中央に配置された長手方向のトレイポケット203と、を有する。トレイ202は、診断情報のために処理した後でトレイポケット203からアッセイデバイス100を取り出すための取り出しボタン204Aを備える手動式の取り出し機構204を有する。トレイポケット203は、好適には、アッセイデバイス100が適切に挿入されるのを保証するための1つまたは複数のマイクロスイッチ205を有する。トレイ200は、後で説明されるように較正目的のためのカラーターゲット206を有する。アッセイ装置200は、アッセイデバイス100が認証されたアッセイデバイスであることを決定するためのアッセイデバイスのバーコードを読み取るためのバーコード読取装置を有し得る。
【0023】
標本収集ツールを有するアッセイデバイス
図6から
図15は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101を有し、最も下側の初期標本導入位置から最も上側の最終標本検査位置まで摺動的に上昇する標本スライド104をぴったり合うように受け入れるカートリッジハウジング内部103を備える概略箱形状のカートリッジハウジング102を含む、アッセイデバイス100を示す。カートリッジハウジング102は、好適には、例えばポリカーボネートなどの、透明プラスチック材料から形成される。アッセイデバイス100は、その最も上側の最終標本検査位置で標本スライド104を固定するための標本スライド固定構成105を有する。アッセイデバイス100は、その最も下側の初期標本導入位置で標本スライド104上に塗り付けられた身体標本上に液体試薬を計量分配するための内蔵式の液体試薬計量分配構成106を有する。
【0024】
カートリッジハウジング102は、カートリッジハウジング頂面108と、カートリッジハウジング頂面108の反対側にあるカートリッジハウジング底面109と、カートリッジハウジング周囲面111と、を有する。カートリッジハウジング周囲面111は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101と同じ方向である対向する対の主側壁112および主側壁113と、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に対して横向きである前縁側副端面114と、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に対して横向きであって前縁側副端面114の反対側にある後縁側副端面116と、を有する。説明を目的として、前縁側副端面114を見る側の視点を基準として、主側壁112が本明細書の以下では右側主側壁と称され、主側壁113が本明細書の以下では左側主側壁と称される。追加の部分も同様に、本明細書の以下では、前縁側副端面114を見る側の視点を基準として、右側および左側と称される。
【0025】
前縁側副端面114が前縁側貫通アパーチャ117を有し、後縁側副端面116が後縁側貫通アパーチャ118を有し、これらの両方は、そこを通して標本収集ツール50を通過させるのを可能にするために長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿って配備される。カートリッジハウジング頂面108は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101の両側で後縁側副端面116に隣接する、離間された対の切欠部119を有する。後縁側副端面116は、後縁側貫通アパーチャ118の両側にある離間された対の後縁側止まり穴121を有する。
【0026】
標本収集ツール50は、ブラシおよびスワブなどの形態の前縁側標本収集先端部52を有する細長いシャフト51と、後縁側端部53と、を有する。後縁側端部53は、ハンドグリップ周囲部分58に柔軟に接続された手動で押し下げ可能である解除ボタン57を形成するための、シャフト51と同じ方向である離間された対の長手方向スリット56を有する半楕円形状の平坦ハンドグリップ54を有する。解除ボタン57は、アッセイデバイス100および標本収集ツール50の組み立て状態において、アッセイデバイスの離間された対の切欠部119にスナップ式に嵌め込まれるための離間された前縁側クリップ59を有する。ハンドグリップ周囲部分58は、アッセイデバイス100および標本収集ツール50の組み立て状態において、アッセイデバイスの離間された対の後縁側止まり穴121の中に挿入されるための離間された対の円形突出部61を有する。
【0027】
図5は、アッセイデバイス100がカートリッジハウジング頂面108および前縁側副端面114を覆う保護ホイル122を有する、ことを示す。保護ホイル122は身体サンプル(bodily sampling)を得る間に定位置で維持され、診断目的のためにアッセイデバイス100をアッセイ装置200の中に挿入する前に、取り外される。保護ホイル122は、アッセイ装置200による撮像を劣化させ得るカートリッジハウジング頂面108上の指紋を防止する。保護ホイル122は、それ以外の場合でアッセイデバイス100から標本収集ツール50を摺動的に取り外すときに残ってアッセイ装置200の内部を汚す可能性があるいかなる身体標本も、前縁側副端面114により、存在させないようにするのを保証する。
【0028】
カートリッジハウジング102は、基部123および基部123上に設置されるためのカバー124である、二重構成要素構造を有する。基部123は、カートリッジハウジング底面109と、後縁側副端面116と、離間された対の切欠部119を備えるカートリッジハウジング頂面108の後縁側セクションと、を有する。カートリッジハウジング底面109は、カートリッジハウジング内部103へのアクセスを提供するために長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿って共に配備された、前縁側貫通アパーチャ126および後縁側貫通アパーチャ127を有するように形成される。基部123は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101の横に位置して対応して内蔵式の液体試薬計量分配構成106の右側長手方向バレル131および左側長手方向バレル132を有するように形成された、対向する対の右側主側壁128および左側主側壁129を有する。
【0029】
カバー124は、カートリッジハウジング頂面108および前縁側副端面114を有する。前縁側副端面114は、離間された対の右側長手方向バレル131および左側長手方向バレル132に位置合わせされた離間された対の前縁側貫通アパーチャ133および134を有するように形成される。カートリッジハウジング頂面108は、所定のEMRスペクトルに対して透過性である3つのパネルの長手方向構成を有する。これらの3つのパネルは、前縁側副端面114に隣接する概略正方形の前縁側カートリッジハウジング頂面パネル136と、前縁側副端面114と後縁側副端面116との間の中間にある概略長方形の中間カートリッジハウジング頂面パネル137と、後縁側副端面116に隣接する概略長方形の後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138と、を有する。中間カートリッジハウジング頂面パネル137は、前縁側貫通アパーチャ126の上に重なる。後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138は、後縁側貫通アパーチャ127の上に重なる。別法として、前縁側カートリッジハウジング頂面パネル136、中間カートリッジハウジング頂面パネル137、および後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138は、単一パネルとして形成される。
【0030】
カートリッジハウジング頂面108は、使用者が未使用のアッセイデバイス100をアッセイ装置200内に正確に配置するのを支援するための、前縁側副端面114の方向を指している、前縁側副端面114の方を向く離間された対の矢印139を有する。
図12は、カートリッジハウジング頂面108が、標本スライド104上に身体標本を塗り付けることを目的として手持ち式の標本収集ツール50をアッセイデバイス100から摺動的に後退させるのを案内するための、カートリッジハウジング内部103の中へ下向きに吊着(depend)された前縁側案内部材141および後縁側案内部材142を有する、ことを示す。前縁側案内部材141および後縁側案内部材142は、対応して、手持ち式の標本収集ツール50を通過させるための、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿う中央アパーチャ141Aおよび142Aを有する。
【0031】
標本スライド104は、以下のような、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿う3つの空間的に分離する作業面を有する:身体標本のpH値を示すpH検出表面144を備える前縁側作業面143、中央作業面146、および後縁側作業面147。pH検出表面144は、リトマス試験紙または他のpH感応材料であってよい。中央作業面146は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿う長手方向を向く概略長方形形状の標本スライドパネル148と、その前縁側端部の方を向くターゲット148Aと、を有する。後縁側作業面147は、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101に沿う長手方向を向く概略長方形形状の標本スライドパネル151と、その前縁側端部の方を向くターゲット151Aと、を有する。前縁側作業面143が前縁側カートリッジハウジング頂面パネル136に位置合わせされ、標本スライドパネル148およびターゲット148Aが中間カートリッジハウジング頂面パネル137に位置合わせされ、標本スライドパネル151およびフォーカスターゲット151Aが後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138に位置合わせされる。標本スライドパネル148および標本スライドパネル151は、中間カートリッジハウジング頂面パネル137および後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138と同じEMR波長に対して透過性である。
【0032】
対向する対の右側長手方向バレル131および左側長手方向バレル132は、対応して、標本スライドの中央作業面146および後縁側作業面147に関連付けられる。右側バレル131および左側バレル132は、同様の構造を有し、それらの対応する構成要素がAおよびBで示される。右側バレル131および左側バレル132は、前縁側副端面114の方を向く前縁側シール152Aおよび152Bを有する。前縁側シール152Aおよび152Bは、前縁側貫通アパーチャ133および134を通して露出している。右側バレル131および左側バレル132は、後縁側副端面116の方を向く後縁側シール部材153Aおよび153Bを有する。右側バレル131および左側バレル132が液体試薬154Aおよび154Bを収容する。前縁側シール152および後縁側シール部材153は、好適には、アッセイ装置200を参照して本明細書の以下において説明されるようにアッセイデバイスが使用されているかどうかを決定するために、カートリッジハウジング102内で高度に視覚的に区別可能である。右側バレル131および左側バレル132は、液体試薬154Aおよび154Bをその上に計量分配するための、対応して、中央作業面146および後縁側作業面147に沿って中間にある液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bを有する。
【0033】
図14Aは、初期の液体試薬計量分配前の位置にあるアッセイデバイス100を示しており、ここでは、その前縁側シール152Aおよび152Bが前縁側副端面114に隣接して配設され、その後縁側シール部材153Aおよび153Bの両方が、前縁側副端面114を基準として、それらのそれぞれの液体試薬計量分配ポート156Aおよび158Bに隣接してそれらの前方に配設される。
図14Aはさらに、アッセイ組立体200のプランジャ157Aおよび157Bが右側バレル131および左側バレル132の中にまだ挿入されていない、ことを示す。
【0034】
図14Bは、プランジャ157Aを右側バレル131の中に摺動的に挿入することにより、後縁側シール部材153Aが液体試薬計量分配ポート156Aを通過するまで、前縁側シール152A、液体試薬154A、および後縁側シール部材153Aを右側バレル131に沿って付勢し、それにより液体試薬計量分配ポート156Aを通して中央作業面146および標本スライドパネル148の上に液体試薬154Aを計量分配するのを可能にする、ことを示す。
【0035】
図14Bは、同様に、プランジャ157Bを左側バレル132の中に摺動的に挿入することにより、後縁側シール部材153Bが液体試薬計量分配ポート156Bを通過するまで、前縁側シール152B、液体試薬154B、および後縁側シール部材153Bを左側バレル132に沿って付勢し、それにより液体試薬計量分配ポート156Bを通して後縁側作業面147および標本スライドパネル151の上に液体試薬154Bを計量分配するのを可能にする、ことを示す。
【0036】
図14Bは、ほぼ空である右側バレル131および左側バレル132によって明示されるように、液体試薬154Aおよび154Bの計量分配の終了に向かっているアッセイデバイス100を示す。右側バレル131および左側バレル132の中に挿入されたプランジャ157Aおよび157Bの長さに応じて、前縁側シール152Aおよび152Bがさらに液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bを通過するように付勢され得る。
【0037】
標本スライド104は、対応して中央作業面146および後縁側作業面147から下方に吊着され、対応して前縁側貫通アパーチャ126および後縁側貫通アパーチャ127に位置合わせされた、長手方向を向く細長い中央昇降支持体158および長手方向を向く細長い後縁側昇降支持体159を有する。中央昇降支持体158および後縁側昇降支持体159は、アッセイデバイス100を通るEMR透過を排除しないようにするために、ならびに、標本スライドパネル148および標本スライドパネル151に沿って走査を行うようにするために、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101の横に位置する。
【0038】
中央昇降支持体158および後縁側昇降支持体159は、アッセイ組立体200の前縁側昇降部材161および後縁側昇降部材162によって上方に付勢され、標本スライド104をその最も下側の標本導入位置(
図15Aを参照)からその最も上側の標本検査位置(
図15Bを参照)まで上昇させる。標本スライド104は、対応して、最も下側の初期標本導入位置ではカートリッジハウジング頂面108から遠隔の位置にあり、最も上側の最終標本検査位置ではカートリッジハウジング頂面108に隣接する。最も上側の最終標本検査位置では、中央作業面146上で液体試薬154Aと反応した身体標本が中間カートリッジハウジング頂面パネル137の下側に対して圧縮され、後縁側作業面147上で液体試薬154Bと反応した身体標本が後縁側カートリッジハウジング頂面パネル138の下側に対して圧縮される。
【0039】
その最も上側の最終標本検査位置で標本スライド104を固定するための標本スライド固定構成105は、好適には、アッセイデバイス100の再使用を防止するために、最も下側の初期標本導入位置から最も上側の最終標本検査位置までの不可逆的な1回の変位を可能にする。標本スライド固定構成105の実装形態は
図9で最も良好に見られ得る:基部123の右側主側壁128が、離間された対の内側を向く突出部163(視界からは遮断されている)を有し、その左側主側壁129が、離間された対の内側を向く突出部163の反対側にある離間された対の内側を向く突出部164を有する。標本スライド104は、離間された対の内側を向く突出部163に位置合わせされた離間された対の外側に付勢されるクリップ166を有する。標本スライド104は、離間された対の内側を向く突出部164に位置合わせされた離間された対の外側に付勢されるクリップ167(視界からは遮断されている)を有する。標本スライド104がその最も下側の初期標本導入位置からその最も上側の最終標本検査位置まで上方に変位すると、離間された対の外側に付勢されるクリップ166が離間された対の内側を向く突出部163を不可逆的に通過し、離間された対の外側に付勢されるクリップ167が離間された対の内側を向く突出部164を不可逆的に通過する。
【0040】
アッセイデバイス100は、代替の内蔵式の液体試薬計量分配構成106’を備えることもでき、ここでは、右側バレル131に右側ストップコック168Aが備え付けられ、左側バレル132に左側ストップコック168Bが備え付けられる。右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bは、後縁側シール部材として機能する。代替の内蔵式の液体試薬計量分配構成106’の構造は、大部分は、構成106に類似し、したがって同様の部分には同様の符号が付される。
【0041】
図16Aから19Bは、右側バレル131および左側バレル132がそれらの液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bにおいてストップコック168Aおよび168Bを回転可能に受け取る、ことを示す。右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bは、それらの対応する液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bに恒久的に配備される。右側バレル131および左側バレル132は、それらの液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bの反対側にあるストップコック溝169Aおよび169Bを対応して有するように形成される。ストップコック168Aおよび168Bは、ストップコック溝169Aおよび169Bを通って突出するストップコック作動タブ171Aおよび171Bを有する(
図18Bおよび19Bを参照)。アッセイ組立体200は、右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bの方へのその前方への変位時に、液体試薬計量分配前の位置における初期の閉位置から、液体試薬の計量分配を目的とした開位置まで、右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bを対応して回転させるための右側ストップコックアクチュエータ190Aおよび左側ストップコックアクチュエータ190Bを有する。
【0042】
図16Aは、そのストップコック作動タブ171Aの実線で示されるその閉位置から破線で示されるその開位置までの位置の変化によって明示されるように、その初期の閉位置からその開位置までの約45°の反時計回り方向の右側ストップコック168Aの回転を示す。
図16Bは、同様に、そのストップコック作動タブ171Bの実線で示されるその閉位置から破線で示されるその開位置までの位置の変化によって明示されるように、その初期の閉位置からその開位置までの約45°の時計回り方向の左側ストップコック168Bの回転を示す。
【0043】
図17Aおよび17Bは、右側ストップコック168Aが、右側バレル131と同軸である回転軸173を有する円筒形ボディ172を有し、ここでは、前縁側ストップコック面174が前縁側副端面114の方を向いており、後縁側ストップコック面176が前縁側副端面114から離れる方を向いており、ストップコック周囲面177が前縁側ストップコック面174と後縁側ストップコック面176との間を延在する、ことを示す。右側ストップコック168Aは、そのストップコック前面174Aからそのストップコック周囲面177Aまで延在するL形チャンネル178Aを有する。L形チャンネル178Aは、右側バレル131に流体連通された、ストップコック前面174A内にあるL形チャンネル入口179Aと、液体試薬計量分配ポート156Aに選択的に流体連通されるための、ストップコック周囲面177A内にあるL形チャンネル出口181Aと、を有する。
【0044】
図17Aおよび17Bは、右側ストップコックアクチュエータ190Aが、ストップコック作動タブ171Aの方を向く前縁側ストップコックアクチュエータテーパ191Aを有する、ことを示す。前縁側ストップコックテーパ191Aは、最も前方側かつ最も内側の先端部192Aから最も後方側かつ最も外側の縁部193Aまで、先細になっている。ストップコックアクチュエータ190Aは、初期状態において、その最も前方側かつ最も内側の先端部192Aのところでストップコック作動タブ171Aに接触する。次いで、矢印Aによって示されるようにストップコックアクチュエータ190Aおよび右側ストップコック168Aが接近すると、前縁側ストップコックアクチュエータテーパ191Aが右側ストップコック作動タブ171Aの下で移動するとき、ストップコックアクチュエータ190Aが、矢印Bによって示されるようにその液体試薬計量分配位置まで右側ストップコック168Aを反時計回り方向に段階的に回転させる。
【0045】
左側ストップコック168Bは、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101を基準とした右側ストップコック168Aの鏡像である。同様に、左側ストップコックアクチュエータ190Bは、長手方向のアッセイデバイスセンターライン101を基準とした右側ストップコックアクチュエータ190Aの鏡像である。
【0046】
図18Aおよび18Bは、その初期の液体試薬計量分配前の位置にある右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bを示しており、ここでは、それらのストップコック作動タブ171Aおよび171Bが右側主側壁112および左側主側壁113に隣接して下方を向いており、それらのL形チャンネル出口181Aおよび181Bがそれらの対応するバレル131および132の内部表面に対して密閉されている。アッセイ組立体200のプランジャ157Aおよび157Bは、右側バレル131および左側バレル132の中にまだ挿入されていない。右側ストップコックアクチュエータ190Aおよび左側ストップコックアクチュエータ190Bは、対応して、右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bの前方にある。
【0047】
図19Aおよび19Bは、プランジャ157Aおよび157Bが右側バレル131および左側バレル132の中に挿入されており、右側ストップコックアクチュエータ190Aおよび左側ストップコックアクチュエータ190Bが対応して右側ストップコック168Aおよび左側ストップコック168Bをそれらの液体試薬計量分配位置まで回転させた状態である(それらのそれぞれの右側主側壁112および左側主側壁113を基準として外側に突出するそれらのストップコック作動タブ171Aおよび171Bによって明示されるように)ことを示す。L形チャンネル出口181Aおよび181Bは、それらのそれぞれの液体試薬計量分配ポート156Aおよび156Bに対して位置を合わせられる。液体試薬計量分配構成106’は、液体試薬154Aを液体試薬計量分配ポート156Aを通して標本スライドパネル148上に計量分配し、液体試薬154Bを液体試薬計量分配ポート156Bを通して標本スライドパネル151上に計量分配する。
【0048】
アッセイ装置
次いで、
図20から
図24を参照して、内蔵式の液体試薬計量分配構成106を有するアッセイデバイス100と共に使用するためのアッセイ装置200を説明する。
図21Aおよび
図22Aは、修正を行わない場合では長手方向断面線C-Cに沿う長手方向断面に示されないような構成要素を示すように修正された、アッセイ装置200の長手方向概略断面図である。
図21Aおよび22Aは、
図23に示される段差のある長手方向断面線E-Eに沿う構成要素を含む。
図21Bおよび
図22Bは、修正を行わない場合では横方向断面線D-Dに沿う横方向断面に示されないような構成要素を示すように修正された、アッセイ装置200の横方向概略断面図である。
【0049】
図5を参照して本明細書において上で説明したように、アッセイ装置200は、最も外側の位置(
図21Aおよび21Bを参照)と最も内側の位置(
図22Aおよび
図22B)との間で往復動する、長手方向のトレイセンターライン202Aを有するトレイ202を有する装置ハウジング201を有する。トレイ202は、アッセイデバイス100を交換可能に受け取るためのトレイポケット203を有し、その結果、その長手方向のアッセイデバイスセンターライン101が長手方向のトレイセンターライン202と同じ方向となる。トレイ202は、診断情報のために処理した後でアッセイデバイス100を取り出すための取り出しボタン204Aを有する手動式の取り出し機構204を有する。トレイ202は、アッセイデバイス100のpHの色読み取りを正確に決定するための較正を目的としたカラーターゲット206を有する。アッセイ装置200は、アッセイデバイス100が不正確に挿入された場合にトレイ202をその最も外側の位置で停止させ、使用者に警告を出すための音響警報または視覚警報を発する。
【0050】
アッセイ装置200は、臨床手技に関する情報を入力するための同じユーザーインターフェース208の動作を制御するための制御装置207と、始動ボタン209と、を有する。アッセイ装置200は、トレイ202をその最も外側の位置とその最も内側の位置との間で往復動させることを目的として、ねじ切りされた駆動シャフト213を駆動するためのモータ212を有する電動式の構成211を有する。駆動シャフト213が時計回り方向に回転するとトレイ202がその最も外側の位置からその最も内側の位置まで付勢され、逆に駆動シャフト213が反時計回り方向に回転するとトレイ202がその最も内側の位置からその最も外側の位置まで付勢される。
【0051】
アッセイ装置200は、光学軸217および二重光路(トレイ202のカラーターゲット206のカラーターゲット画像およびアッセイデバイスのpH検出表面144の色のついたpH読み取り画像を取得するための第1の光路218(
図21Aを参照)、ならびに、対応して液体試薬154Aおよび液体試薬154Bと反応した後のアッセイデバイスの中央作業面146および後縁側作業面147から身体標本の顕微鏡画像を得るための第2の光路219(
図22Aを参照)を有する単一のカラーカメラ216を有するデジタル式の色取得構成214を有する。カラーカメラ216は、例えば、任意の市販の4個から25個のメガピクセルCMOSイメージセンサである。アッセイ装置200は、好適には、トレイ202のその最も外側の位置からその最も内側の位置までの単一の連続的な内側への移動中に、カラーターゲット画像、色のついたpH読み取り画像、およびアッセイデバイス100のための顕微鏡画像を取得する。
【0052】
デジタル式の色取得構成214は、光学軸217に対して45°で傾斜している、光学軸217に沿う2つの鏡(カラーカメラ216の近傍にある半反射鏡221およびカラーカメラ216の遠位側にある全反射鏡222)を有する。したがって、第1の光路218は、半反射鏡221および全反射鏡222を有する。デジタル式の色取得構成214は、顕微鏡画像を取得するためのX10からX1000の倍率のレンズシステム224を有する。したがって、第2の光路219は、半反射鏡222、およびX10からX1000レンズシステム224を有する。デジタル式の色取得構成214は、好適には、第2の光路219に沿う自動焦点能力をさらに有する。
【0053】
第1の光路218に沿う画像取得中に使用されるために、デジタル式の色取得構成214は、上方からアッセイデバイス100に照光するためのトレイ202の上方に配設された第1の照明光源226と、第1の光路218を選択的に開閉するための第1の光路シャッター227と、を有する。第1の光路219に沿う画像取得中に使用されるために、デジタル式の色取得構成214は、トレイ202を通してアッセイデバイス100に背後から光を当てるための、トレイ202の下方に配設された第2の照明光源228と、第2の光路219を選択的に開閉するための、トレイ202から内側に延在する第2の光路シャッター229と、を有する。第1の光路シャッター227および第2の光路シャッター229は、第1の光路218を選択的に開閉するために、および対応して第2の光路219を開閉するために、シャッター構成231を構成するように協調して機能する。したがって、デジタル式の色取得構成214は、照明光源226のみをオンに切り換えて、第1の光路218を開けて、第2の光路219を閉じることにより、カラーターゲット画像およびpH読み取り画像を取得する。さらに、デジタル式の色取得構成214は、照明光源228のみをオンに切り換えて、第1の光路218を閉じて、第2の光路219を開けることにより、顕微鏡画像を取得する。
【0054】
図23および24は、以下の構成要素:トレイポケット203を備える外部トレイ部材232、および取り出しボタン204A、を有する。外部トレイ部材232内でトレイポケット203内のアッセイデバイス100のアッセイデバイス挿入/取り出し位置(
図24Aを参照)とトレイポケット203内のアッセイデバイス100のアッセイデバイス作動位置(
図24Bを参照)との間を長手方向に摺動的に往復動する。さらに、制限機構234が、外部トレイ部材232に対しての内部トレイ部材233の移動を選択的に制限する。制限機構234を有効にすると、内部トレイ部材233がそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置とそのアッセイデバイス作動位置との間で変位可能となる。制限機構234を無効にすると、内部トレイ部材233が外部トレイ232に連結され、その結果、内部トレイ部材233が、駆動シャフト213によって駆動されるときに外部トレイ部材232と協働的に移動する。
【0055】
外部トレイ部材232は、長手方向のトレイセンターライン202Aに対して傾斜する前縁側副カム面237を各々有する対向する長手方向表面236と、それに対して平行である後縁側主表面238と、を有する。制限機構234は、対向する長手方向表面236に対して作用する対向する対の制限部材239によって構築される。制限機構239は、好適には、外部トレイ部材233に対しての内部トレイ部材233の移動を制限するための、制限機構234の有効状態における非圧縮長さL1(
図21Bを参照)と、外部トレイ部材232との協調的な内部トレイ部材233の移動を可能にするための、制限機構234の無効状態における完全な圧縮長さL2(<L1)(
図22Bを参照)と、を有する一対の圧縮ばね241によってばね付勢される。
【0056】
外部トレイ部材232は、外部トレイ部材主構成要素242と、外部トレイ部材主構成要素242上に固定的に設置された外部トレイ部材副構成要素243と、を有する。外部トレイ部材主構成要素242は、駆動シャフト213上に固定的に設置される。外部トレイ部材副構成要素243は、トレイポケット203を有する。内部トレイ部材233は、外部トレイ部材主構成要素242と外部トレイ部材副構成要素243との間で長手方向に摺動的に往復動する。
【0057】
外部トレイ部材主構成要素242は、アッセイデバイス100に背後から光を当てるための空隙内部を有する。外部トレイ部材主構成要素242は、前縁側標本スライド昇降部材246を収容する長手方向の前縁側コンパートメント244と、後縁側標本スライド昇降部材248を収容する長手方向の後縁側コンパートメント247と、を有する。前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248は、
図15Aおよび
図15Bに示される前縁側標本スライド昇降部材161および標本スライド昇降部材162として、上で説明されている。前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248は、好適には、ばね付勢されるが、別法として、例えば小型電気モータおよびソレノイドなどの電磁手段によって変位させられもよい。前縁側標本スライド昇降部材246は、前縁側水平面249Aおよび後縁側傾斜面249Bを備える前縁側標本スライド昇降部材頂部表面249を有する。後縁側標本スライド昇降部材248は、前縁側水平面251Aおよび後縁側傾斜面251Bを備える後縁側標本スライド昇降部材頂部表面251を有する。
【0058】
コンパートメント244および247が長手方向のトレイセンターライン202Aの両側にあり、それにより長手方向のトレイセンターライン202Aを、それに沿う走査において、ブロックされないようにする。前縁側標本スライド昇降部材246は、アッセイデバイスの中央昇降支持体158を付勢するように配備される。後縁側標本スライド昇降部材248は、アッセイデバイスの後縁側昇降支持体159を付勢するように配備される。前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248が一体に、アッセイデバイスの標本スライド104をその最も下側の初期標本導入位置からその最も上側の最終標本検査位置まで付勢する。前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248はさらに、内部トレイ部材233を外部トレイ部材232に連結し、その結果、内部トレイ部材233は、駆動シャフト213によって駆動されるとき、外部トレイ部材232と協働的に移動する。
【0059】
内部トレイ部材233は、前縁側ヘッドピース252および細長い後縁側プレート253を有する概略L形の構造を有する。前縁側ヘッドピース252は、カラーターゲット206と、第2の光路219の方に向かって内側に延在する第2の光路シャッター229と、を有する。ヘッドピース252は、内部トレイ部材233のアッセイデバイス作動位置において身体標本と反応するために液体試薬をそこから計量分配すること目的として、対応して、アッセイデバイスの右側バレル131および左側バレル32の中に摺動的に挿入されるための、細長い後縁側プレート253の方向である右側プランジャ254および左側プランジャ256を有する。プランジャ254および256は、
図14Aおよび14Bに示されるプランジャ157Aおよび157Bとして、上で説明されている。
【0060】
細長い後縁側プレート253は、第2の光路219に沿う走査目的のためにそこを通してのバックライト照光を可能にするために、長手方向のトレイセンターライン202Aに沿う長手方向の細長い主スロット257を有する。細長い後縁側プレート253は、前縁側標本スライド昇降部材246に関連付けられた長手方向の前縁側スロット258と、後縁側標本スライド昇降部材248に関連付けられた長手方向の後縁側スロット259と、を有する。内部トレイ部材のアッセイデバイス挿入/取り出し位置では、前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248は、プレート253の下のブロック位置にある。内部トレイ部材のアッセイデバイス作動位置では、前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248は、対応して、前縁側スロット258および後縁側スロット259を通って外に出る。
【0061】
内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に対してそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置からそのアッセイデバイス作動位置まで摺動的に変位させられると、後縁側傾斜面249Bがプレート253に対して作用し、それにより前縁側スロット258を通して前縁側標本スライド246を徐々に外に出すのを可能にする。より重要なこととして、内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に対してそのアッセイデバイス作動位置からそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置まで摺動的に変位させられると、後縁側傾斜面249Bがプレート253に対して作用し、それにより前縁側標本スライド昇降部材246を徐々に押圧し、それによりプレート253の下で内部トレイ部材233のアッセイデバイス挿入/取り出し位置におけるそのブロック位置まで徐々に移動させるのを可能にする。
【0062】
同様に、内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に対してそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置からそのアッセイデバイス作動位置まで摺動的に変位させられると、後縁側傾斜面251Bがプレート253に対して作用し、それにより後縁側スロット259を通して後縁側標本スライド昇降部材248を徐々に外に出すのを可能にする。より重要なこととして、内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に対してそのアッセイデバイス作動位置からそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置まで摺動的に変位させられると、後縁側傾斜面251Bがプレート253に対して作用し、それにより後縁側標本スライド昇降部材248を徐々に押圧し、それによりプレート253の下で内部トレイ部材233のアッセイデバイス挿入/取り出し位置におけるそのブロック位置まで徐々に移動させるのを可能にする。
【0063】
アッセイ装置200は、診断情報を取得することを目的としてアッセイ装置200の動作前に、好適には、トレイポケット203の中に新たに挿入されるアッセイデバイスが未使用のアッセイデバイスであるかどうかを決定するための使用済みアッセイデバイス検出装置261を有する。このような検出は、好適には、新たに挿入されたアッセイデバイスの内蔵式の液体試薬計量分配構成が既に作動されたかどうかを決定することを伴う。このような検出は、好適には、未使用のアッセイデバイスのためのベンチマークパラメータに対して、新たに挿入されるアッセイデバイスの1つまたは複数のパラメータを比較する。1つのこのようなベンチマークパラメータは、アッセイデバイスの前縁側シールを最初に変位させるときの電気モータ電力消費である。その理由は、このような変位がバレルに沿ってシールを付勢するために摩擦力に打ち勝つことを必要とするからである。未使用のアッセイデバイスは、使用済みのアッセイデバイスより多い電気モータ消費電力を必要とする。別の手法は、新たに挿入されるアッセイデバイスの前縁側シールおよび/または後縁側シールの位置を光学的に検出することである。未使用のアッセイデバイスの前縁側シールおよび/または後縁側シールは、未使用のアッセイデバイスの前縁側シールおよび/または後縁側シールより長くバレルに沿う。
【0064】
アッセイ装置200は、好適には、装置ハウジング201内のバクテリアを殺すためのUV光源262を有する。
【0065】
アッセイシステムの使用
次に、
図25から
図37を参照して、アッセイデバイス100から診断情報を取得するための、アッセイシステム10の使用を説明する。
図25から
図37は、新しいアッセイデバイス100の挿入から、そこから診断情報を取得した後のその取り出しまでの、アッセイ装置200のオペレーションの完全なサイクルを示す。使用したアッセイデバイス100を取り出した後、アッセイ装置200は、新しいアッセイデバイス100を挿入するために完全にリセットされる。
【0066】
図25Aから37Aは
図21Aおよび
図22Aと同様の概略長手方向断面図であり、修正を行わない場合では長手方向断面線B-Bに沿う長手方向断面に示されないような構成要素を示すように同様に修正されている。
図25Bから37Bは
図21Bおよび
図22Bと同様の概略横方向断面図であり、修正を行わない場合では横方向断面線C-Cに沿う横方向断面に示されないような構成要素を示すように同様に修正されている。
【0067】
図25Aおよび
図25Bはアッセイシステム10を示しており、アッセイ装置200は、新しいアッセイデバイス100をそのトレイポケット203の中に挿入する準備の整ったその最も外側の位置にあるそのトレイ202を有する。アッセイデバイス100は、身体標本をその標本スライド104の上に塗り付けて次いでその保護ホイル122を取り外すために、そこを通してその標本収集ツール50を最初に摺動的に後退させることにより、適切に準備を整えられる。使用者は、例えば患者の詳細などの、臨床手技に関する情報を手動でユーザーインターフェース208に入力する。患者の詳細には、とりわけ、名前、ID番号、および年齢が含まれる。
【0068】
トレイ202の最も外側の位置では、アッセイ装置200が以下のようにセットアップされる:内部トレイ部材233が、外部トレイ部材232に対してのそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置にある。内部トレイ部材233が前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248をブロックする。トレイのカラーターゲット206が第1の光路218に沿って配設される。第1の光路シャッター227が開けられる。トレイの第2の光路シャッター229が第2の光路219を閉じる。外部トレイ部材232に対しての内部トレイ部材233の移動を制限するためにそれらの完全な非圧縮長さL1にある圧縮ばねによって明示されるように、制限機構234が有効になっており、その結果、外部トレイ部材232が内側に変位させられ得、対して内部トレイ部材233が静止状態を維持する。
【0069】
図26Aおよび
図26Bは、トレイポケット203の中にぴったり合うように挿入されたアッセイデバイス100を示しており、アッセイデバイス100が正確に挿入されている場合にマイクロスイッチ205を起動する。使用者が始動ボタン209を押圧し、アッセイ装置200がトレイポケット203の中にアッセイデバイス100が正確に挿入されたかどうかを調べ、アッセイデバイス100が不正確に挿入されている場合には、オペレーションを停止する。アッセイデバイス100が不正確に挿入されている場合、アッセイ装置200は使用者に警告を出す。使用済みアッセイデバイス検出装置261は、アッセイデバイス100が未使用であるかを調べ、アッセイデバイス100が以前に使用されたアッセイデバイスである場合に、警報を発する。制御装置207は、トレイのカラーターゲット206を照光するための照明光源226をオンに切り換え、デジタルカラーカメラ216が第1の光路218に沿うカラーターゲット画像を取得する。デジタルカラーカメラ216が色のついたpH読み取り画像を取得するまで、照明光源226がオンに切り換えられた状態を維持する。
【0070】
図27Aおよび
図27Bは、静止している内部トレイ部材233に対しての外部トレイ部材232の初期の内側への移動を示しており、それにより以下の同時のアクションが引き起こされる:プランジャ254および256が対応してバレル131および132に入り、それにより中央作業面146上に液体試薬154Aを計量分配し、後縁側作業面147上に液体試薬154Bを計量分配する。前縁側昇降部材246がスロット258に接近する。後縁側昇降部材248がスロット259に接近する。圧縮ばね241が圧縮され始める。
【0071】
図28Aおよび
図28Bは、静止している内部トレイ部材233に対しての外部トレイ部材232の連続的な内側への移動を示しており、それにより以下の同時のアクションが引き起こされる:プランジャ254および256が継続して液体試薬154Aおよび液体試薬154Bを計量分配する。前縁側標本スライド昇降部材246が、前縁側スロット258を通って上方に向かって外に出始めてトレイポケット203に入る。後縁側標本スライド昇降部材248が、後縁側スロット259を通って上方に向かって外に出始めてトレイポケット203に入る。圧縮ばね241がさらに圧縮されて制限機構234を無効にする方に向かう。
【0072】
図29Aおよび29Bは、その完全な圧縮長さL2まで圧縮ばね241を圧縮することによって明示されるように制限機構234を無効にする直前の、静止している内部トレイ部材233に対しての外部トレイ部材232の連続的な内側への移動を示している。制限機構234が無効にされることにより内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に連結されることが可能となり、それにより完全なトレイ202を連続的に内側に移動させ、つまり外部トレイ部材232および内部トレイ部材233の両方を協働的に連続的に内側に移動させる。前縁側標本スライド昇降部材246が前縁側スロット258を通って上方に向かってさらに外に出て、後縁側標本スライド昇降部材248が後縁側スロット259を通って上方に向かってさらに外に出て、トレイポケット203の中に入る限りにおいて、内部トレイ部材233が外部トレイ部材233に対してのそのアッセイデバイス作動位置にあり、それにより内部トレイ部材233が外部トレイ部材232に掛合され、それによりそれらの組み合わせの連続的な内側への移動を可能にし、アッセイデバイスの標本スライド104をその最も上側の最終標本検査位置に向かって上方に付勢する。
【0073】
図30Aおよび
図30Bは、完全なトレイ202の連続的な内側への移動を示しており、それにより前縁側標本スライド昇降部材246が前縁側スロット258を通って完全に外に出て、後縁側標本スライド昇降部材248が後縁側スロット259を通って完全に外に出て、トレイポケット203に入り、それによりアッセイデバイスの標本スライド104を完全に上方に付勢してその最も上側の最終標本検査位置に入れる。
【0074】
図31Aおよび
図31Bは、アッセイデバイス100のpH検出表面144が第1の光路218に沿って配設されるまでの、完全なトレイ202の連続的な内側への移動を示す。デジタルカラーカメラ216が色のついたpH読み取り画像を取得する。制御装置207が照明光源226をオフに切り換える。
【0075】
図32Aおよび
図32Bは、アッセイデバイス100のターゲット148Aが第2の光路219に沿って配設されるまでの、アッセイ装置の完全なトレイ202の連続的な内側への移動を示す。このように連続的に内側に移動することにより以下の同時のアクションが引き起こされる:制御装置207が、アッセイデバイス100に背後から光を当てるために照明光源228をオンに切り換える。第1の光路シャッター227が、第1の光路218を介してカラーカメラ216に到達する照光を排除するために、第1の光路218を閉じる。デジタル式の色取得構成214が、標本スライドパネル148上の液体試薬154Aと反応した身体標本の顕微鏡画像を取得するのを開始する準備の整った状態で、照明光源228により背後から光を当てられるターゲット148Aに合わせるように、カラーカメラ216の焦点を調節する。
【0076】
図33Aおよび
図3Bは、その最も内側の位置にあるトレイ202を示す。最も内側の位置までの完全なトレイ202の連続的な内側への移動中、以下のアクションが行われる:標本スライドパネル148が第2の光路219の下に沿って通過するとき、カラーカメラ216が、標本スライドパネル148上の液体試薬154Aと反応した身体標本の一連の顕微鏡画像を取得する。標本スライドパネル148上の身体標本が、外部トレイ部材主構成要素242および長手方向スロット257を通って通過する照明光源228からの照光によって背後から光を当てられる。
【0077】
アッセイデバイス100のターゲット151Aが第2の光路219に沿って配設されることにより、デジタル式の色取得構成214が、標本スライドパネル151上の液体試薬154Bと反応した身体標本の顕微鏡画像を取得するのを開始する準備の整った状態で、ターゲット151Aに合わせるように、カラーカメラ216の焦点を調節する。
【0078】
標本スライドパネル151が第2の光路219の下に沿って通過するとき、カラーカメラ216が、標本スライドパネル151上の液体試薬154Bと反応した身体標本の一連の顕微鏡画像を取得する。標本スライドパネル151上の身体標本が、外部トレイ部材主構成要素242および長手方向スロット257を通って通過する照明光源228からの照光によって背後から光を当てられる。
照明光源228がオフに切り換えられる。
【0079】
図34Aおよび
図34Bは、内部トレイ部材233に対しての外部トレイ部材232の連続的な外側への移動を可能にするための外部トレイ部材232からの内部トレイ部材233の切り離しの開始までの、完全なトレイ202の外側への移動を示しており、その結果、内部トレイ部材233は、そのアッセイデバイス挿入/取り出し位置にリセットされ得る。第1の光路シャッター277が開けられる。
【0080】
図35Aおよび
図35Bは、静止している内部トレイ部材233に対しての外部トレイ部材232の外側への移動を示す。制限機構234は、それらの完全な圧縮長さL2から伸び始めた圧縮ばね241によって明示されるように、始動して有効となる。内部トレイ部材233がその下にある前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本摺動昇降部材248を押し下げ始める。プランジャ254および256がバレル131および132から離れ始める。アッセイデバイスの標本スライド104は、その標本スライド固定構成105によりその最も上側の最終標本検査位置に留まり、それによりその再使用を排除する。
【0081】
図36Aおよび
図36Bは、
図25Aおよび
図25Bに示されるものと同じである最も外側の位置のところにあるトレイ202を備えるアッセイシステム10を示し、それによりアッセイデバイス100から診断情報を得るためのアッセイ装置200のオペレーションの完全なサイクルを完了する。制限機構234は、その完全な非圧縮長さL1にある圧縮ばね241によって明示されるように、完全に有効となっている。前縁側標本スライド昇降部材246および後縁側標本スライド昇降部材248は、プレート253によってブロックされる。トレイの最も外側の位置では、内部トレイ部材233が、外部トレイ部材232に対してのそのアッセイデバイス挿入/取り出し位置にある。
【0082】
図37Aおよび
図37Bは、取り出しボタン204Aを手動で押し下げるときのトレイポケット203からのアッセイデバイス100の取り出しを示す。使用されたアッセイデバイス100が安全に廃棄され得る。アッセイ装置200は、そのトレイポケット203の中で新しいアッセイデバイス100をぴったり合うように受け取るようにリセットされる。
【0083】
図38および
図39は、内蔵式の液体試薬計量分配構成106’を有するアッセイデバイス100と共に使用するためのアッセイ装置200’を示す。アッセイ装置200’は、アッセイ装置200と同様の構造を有し、したがって同様の部分には同様の符号が付される。アッセイ装置200’は、以下のように2つの点でアッセイ装置200とは異なる:一つ目として、内部トレイ部材233が、アッセイデバイスのストップコック168Aおよび168Bを作動させるための、ストップコックアクチュエータ190Aおよび190B(
図16から
図19Bを参照)として本明細書の上で説明された一対のストップコックアクチュエータ263Aおよび263Bを有する。二つ目として、外部トレイ部材副構成要素243が、ストップコック168Aおよび168Bをそれらの液体試薬計量分配位置まで作動させた後に、対応して、アッセイデバイスのストップコック作動タブ171Aおよび171Bを受け取るための一対の切欠部264Aおよび264Bを有する。アッセイ装置200’は、液体試薬計量分配の目的のためにそのストップコックアクチュエータ263Aおよび263Bがアッセイデバイスのストップコック168Aおよび168Bを開けることを除いて、アッセイ装置200と同じオペレーションを有する。
【0084】
限定される数の実施形態に関連させて本発明を説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲内で本発明の多くの変形形態、修正形態、および他の適用が作られ得ることが認識されよう。