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特許7530541シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関
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  • 特許-シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関 図1
  • 特許-シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関 図2
  • 特許-シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関 図3
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  • 特許-シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】シリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/03 20060101AFI20240801BHJP
   F01M 5/00 20060101ALI20240801BHJP
   F01P 3/20 20060101ALI20240801BHJP
   F01P 11/08 20060101ALI20240801BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F01M11/03 C
F01M11/03 Z
F01M5/00 H
F01P3/20 P
F01P11/08 B
F01P11/08 E
F02F7/00 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022508577
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2020000158
(87)【国際公開番号】W WO2021058124
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】102019006664.2
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592007771
【氏名又は名称】ドイツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】スリワ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】クロスターベルク,ヨハネス
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02180158(EP,A1)
【文献】特開2012-097948(JP,A)
【文献】特開平06-193419(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014008361(DE,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0680337(KR,B1)
【文献】特開平8-319830(JP,A)
【文献】特開2019-108807(JP,A)
【文献】実開昭56-156922(JP,U)
【文献】実開昭63-042812(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 11/03
F01M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース(1)とシリンダヘッドとを備えた内燃機関であって、少なくとも1つのシリンダブロックと、クランクケース(1)に組み込まれたクランクケースポケット(3)と、このクランクケースポケット(3)に収納された一体型オイル通路を有するオイルクーラー(5)と、クランクケースポケット(3)を囲む平らなフランジ面と、クランクケースポケット(3)を密閉するオイルクーラーカバー(2)と上記オイルクーラー(5)が配置されるフランジを有するオイルクーラー(5)へのオイル入口(8)およびオイル出口(9)と、クランクケース(1)に鋳造された、クランクケースポケット(3)に開口したオイルクーラー(5)への冷却剤入口(10)とオイルクーラー(5)からの冷却剤出口(11)とを有する内部冷却断面部とを有する内燃機関において
上記クランクケース(1)は鋳造リブ(7)を有し、上記オイルクーラーカバー(2)は冷却水ガイドリブ(6)を有し、上記の鋳造リブ(7)および冷却水ガイドリブ(6)とオイルクーラー(5)との間に隙間が形成されることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
上記の平らなフランジ面が、オイルクーラー(5)をクランクケース(1)の長手方向に収容するように配置されている請求項1に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明はシリンダクランクケース内に一体化されたオイルクーラと冷却水制御装置とを備えた内燃機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[特許文献1](ドイツ出願公開第DE102005040635A1号公報)では、クランクケース冷却室に沿って延在したオイルクーラライン(図示せず)中に一定量の水が圧送され、内燃機関と一体化されたオイルクーに供給される。水はオイルクーラからシリンダヘッド冷却室を介して冷却水サーモスタットに供給される。
【0003】
[特許文献2](ドイツ出願公開第DE4322030A1号公報)には冷却フィン付きオイルパンが開示されており、別体のオイルクーラを省略することができる。
【0004】
[特許文献3](欧州特許第EP2375025B1号公報)はシリンダヘッドの下流側に複数の熱交換器を配置することを開示している。この特許の欠点はオイルクーラが存在しないことにあり、そのためオイルの冷却能力が低すぎるか、外部に配置したオイルクーラのラインパスが長くなり過ぎ、高価になる点にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ドイツ出願公開第DE102005040635A1号公報
【文献】ドイツ出願公開第DE4322030A1号公報
【文献】欧州特許第EP2375025B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点を解決し、可能な限りパイプの数を少なくして、オイルクーラに油および水または冷却媒体を確実かつ効果的に供給することができるストリーム(流れ)ラインのオイルクーラ(油冷器)(stromungsgunstigen Olkuhler)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は請求項1に記載の内燃機関および請求項9に記載の内燃機関の運転方法によって達成できる。
【0008】
本発明の解決方法を採用することによって、漏れ損失(リークロス)を最小限に抑えることができ、オイルクーラ(5)への冷却効果が大幅に向上するか、向上させることができる。本発明ではクランクケースに任意の時点で機械加工して適応できるのでオイルクーラの設計変更を任意の時期に行うことができる。
本発明のさらに有利な利点は従属請求項によって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】クランクケースに取付けたオイルクーラを示す図。
図2】オイルクーラを収容するためのポケットを有するクランクケースの図。
図3】内側ガイドリブを備えたオイルクーラカバーの図。
図4】オイルクーラの図。
図5図2のC-C断面図で、断面内にオイルクーラが設置されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、2つの例示的な実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。
[図1]に示すオイルクーラはクランクケース1のクランクケースポケット3の輪郭に沿ったオイルクーラカバー2によって水密に覆われている。冷却水はオイルクーラ5の周囲から流れ、オイルクーラ5を貫通して戻る。
【0011】
[図2]に示すクランクケース1はオイルクーラ5を収容するためのクランクケースポケット3を有している。クランクケースポケット3はクランクケース1中に一体で作られており、オイルクーラカバー2を水密に受けるためのフランジを有している。クランクケースポケット3はさらに、2つの鋳造リブ7と、フランジのオイル入口8およびオイル出口9を有しいる。さらに、冷却水入口10と冷却水出口11を有し、これらはクランクケース1に鋳造で作られ、クランクケースポケット3中で開口している。オイルクーラ5のエリアでの冷却水の回路はオイルクーラカバー2によって密閉される。
【0012】
図3]は2つの内側案内リブ6を有するオイルクーラカバー2を示している。内側冷却水案内リブ6は組み立てた状態で、[図5]の断面図に示すように、鋳造リブ7と対向する空間位置に配置される。
【0013】
図4]はクーラフィン4を有するオイルクーラ5を示し、オイル入口8およびオイル出口9のフランジにオイルクーラ5をネジ止めするためのスクリュープレートを有している。
【0014】
図5]は[図2]のC-C断面図で、内部にオイルクーラ5が配置されている。
【0015】
図2]および[図5]に示すように、内側冷却水案内リブ6はクランクケースポケット3内でオイルクーラカバー2に取り付けられる。[図5]に示すように、クランクケース1の鋳造リブ7とオイルクーラカバーの冷却水案内リブ6とによってわずかな間隙(ギャップ)が残される。このようにして、リーク断面は残りのギャップが小さくなる。ギャップ幅の許容差を小さくし、絞り効果のばらつきを少なくするためにクランクケースを機械加工するが、この場合、リブの幅が小さいため、機械加工する材料の量が少なく、クランクケース1の機械加工時間はほとんど増加しない。オイルクーラカバー2上の冷却水案内リブ6の鋳造公差は既に十分に小さいので、冷却水案内リブ6の加工は必ずしもする必要がない。[図2]に示すように、オイルクーラ5はエンジンのクランクケースポケット3中に直接に収容されており、それ自体のハウジングはなく、[図1]でも見られように流れはエンジンのクランクケース1を長手方向に流れる。オイルクーラ5を長手方向に流れることによってオイルから水に十分なエネルギーが放出される。この配置は冷却効果および水の圧力損失に関して理想的である
【符号の説明】
【0016】
1 クランクケース
2 オイルクーラカバー
3 クランクケースポケット
4 ラジエータフィン
5 オイルクーラ
6 冷却水案内リブ
7 鋳造リブ
8 オイル入口
9 オイル出口
10 クーラント入口
11 クーラント出口
[de]
図1
図2
図3
図4
図5