(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
B65B57/00 Z
(21)【出願番号】P 2020092335
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 孝輔
(72)【発明者】
【氏名】山下 耕作
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096486(JP,A)
【文献】特開2014-151940(JP,A)
【文献】特開2013-245005(JP,A)
【文献】特開昭62-260637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装部に被包装物を搬入する搬入部と、
前記搬入部から搬入された前記被包装物を包装する前記包装部と、
前記搬入部と前記包装部を連動状態又は非連動状態に切り替える切替部と、
前記搬入部と前記包装部の連動状態を判定する判定部と、を有し、
前記切替部は、前記搬入部と前記包装部を連動状態から非連動状態に切り替える場合に、連動状態における前記包装部による包装処理のトリガーを無効とし、
前記包装部は、前記搬入部と前記包装部が非連動状態にあると判定された場合には、前記包装部に直接、投入された被包装物を包装し、
前記包装部に被包装物を搬入又は投入するための開口部において、搬入又は投入される被包装物の上方を覆う開閉可能なカバーと、
前記カバーの開閉状態を検知する開閉状態検知部と、
前記包装部で包装される被包装物の横幅を検出する横幅検出部と、
前記搬入部と前記包装部が連動状態にあると判定されると共に、前記カバーが開放されていると検知された場合に、前記搬入部による前記被包装物の前記包装部への搬入を規制する規制部と、をさらに有し、
前記横幅検出部は、前記カバーに備えられ、前記開閉状態検知部で前記カバーが閉状態である場合に、前記包装部で包装される被包装物の横幅を検出する、
包装装置。
【請求項2】
前記搬入部と前記包装部が
非連動状態にあると判定されると共に、前記カバーが開放されていると検知された場合に、前記被包装物の横幅にかかる情報の入力を要求して取得する寸法情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
前記搬入部と前記包装部が連動状態にあると判定される
場合において、前記カバーが開放されていると検知された場合に、
前記カバーが開放されていることを報知する報知部、をさらに有する、
請求項
1または2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記切替部に対して、前記搬入部と前記包装部を連動状態又は非連動状態に切り替えさせる操作部、をさらに有する、
請求項
1乃至3いずれかの項に記載の包装装置。
【請求項5】
前記搬入部により前記包装部に搬入された被包装物、又は前記包装部に直接投入された被包装物を計量する計量部、をさらに有する、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入部と包装部を備えた包装装置について、包装部のみを単体として使用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、操作者の安全性を確保しつつ、ヒートシールを行う包装装置のメンテナンス性等を向上させた包装装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、包装装置と搬送装置を一体化させた装置が提供されているが、状況に応じて包装装置を単独で使用できると便利である。
しかし、そのような包装装置は、搬送装置と一体的に使用することが前提になっているため、単独での使用を可能とするためには安全性を確保しておく必要がある。
【0005】
そこで本発明は、包装部と搬入部を備えた装置において、包装部を安全に単独使用できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る包装装置は、包装部に被包装物を搬入する搬入部と、前記搬入部から搬入された前記被包装物を包装する前記包装部と、前記搬入部と前記包装部を連動状態又は非連動状態に切り替える切替部と、前記搬入部と前記包装部の連動状態を判定する判定部と、を有し、前記切替部は、前記搬入部と前記包装部を連動状態から非連動状態に切り替える場合に、連動状態における前記包装部による包装処理のトリガーを無効とし、前記包装部は、前記搬入部と前記包装部が非連動状態にあると判定された場合には、前記包装部に直接、投入された被包装物を包装する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る包装装置を示す概略斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る包装装置について、包装部と搬入部の接続部分を示す部分拡大斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る包装装置について、包装部と搬入部の接続部分を示す部分拡大斜視図であって、横幅検出部が作動している状態を示す。
【
図4】本実施形態に係る包装装置について、包装部と搬入部の接続部分を示す部分拡大斜視図であって、カバーを開放させた状態を示す。
【
図5】本実施形態に係る包装装置について、搬入部の制限部を示す部分拡大斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る包装装置が備える機能を示す機能ブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る包装装置の操作と処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る包装装置の操作と処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図9】本実施形態に係る包装装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図10】本実施形態に係る包装装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図11】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図12】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図13】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図14】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図15】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図16】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図17】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図18】本実施形態に係る包装装置の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●包装装置1の概要
以下、本発明の実施形態に係る包装装置について、図を参照して説明する。
図1に示されるように、包装装置1は、包装部2と搬入部3によって構成され、搬入部3の下流方向に包装部2が接続している。搬入部3によって搬送された被包装物は、接続部分に設けられている開口部2aから包装部2内に搬入され、包装部2によって包装される。
この包装部2と搬入部3は適宜の操作により、連動状態に設定又は解除することができる。連動状態に設定されている場合、被包装物は搬入部3から包装部2に被包装物が搬入されて、包装部2内で包装される。一方、連動状態が解除されているときは、搬入部3は停止状態にあり、被包装物は包装部2に直接、投入されて、包装部2内で包装される。
【0009】
なお、以降の説明において、被包装物の搬送方向を+Y方向、包装装置1の幅方向であって、被包装物の搬送方向に直交する方向を+X方向、鉛直方向を+Z方向とする。また、被包装物は上流から下流へ搬送されるものとし、-Y方向を上流側、+Y方向を下流側ともいう。
また、以降の説明において、包装部2と搬入部3が連動している状態を連動状態又は連動が設定されている状態と称し、包装部2と搬入部3が連動してない状態を非連動状態は又は連動が解除されている状態と称することがある。
【0010】
ここで、被包装物は、例えば上方が開口するトレー上に肉や魚等の食材が載置されてなる商品であって、包装装置1によって包装する対象となるものである。ただし、被包装物の態様はこれに限られない。
【0011】
●包装部2
包装部2では、搬入部3から搬入、又は直接投入された被包装物が包装される。
この包装部2は、タッチパネル式ディスプレイ等の入出力部21、物理的な操作ボタンや操作スイッチ等で構成された操作部22、被包装物たる商品に関する情報を印字したラベルを発行するラベル発行装置23、包装された被包装物にラベルを貼付するラベル貼付装置(不図示但し、
図6において「ラベル貼付装置24」とする)、被包装物を計量する計量部25、搬入部3から搬送されてきた被包装物を計量部25上へ搬送する第一搬送路26、被包装物をストレッチフィルム等で包装する包装機構(
図1において不図示。但し、
図6において「包装機構27」とする)、被包装物の横幅を検出する横幅検出部28、カバー201の開閉状態を検知する開閉状態検知部(
図1において不図示。但し、
図6において「開閉状態検知部29」とする)を有する。
【0012】
●操作部(入出力部21、操作部22)
入出力部21はタッチパネル式ディスプレイ等であり、各種の情報を入出力することができる。
操作部22は、物理的な操作ボタンや操作スイッチ等であり、直接、押下することによって所定の操作の実行を要求することができる。
ここで、入出力部21は単独で、あるいは操作部22と共に、本発明における操作部を構成しており、包装部2と搬入部3を連動状態又は非連動状態に切り替える切替操作をユーザから受け付ける。なお、後述する入出力部21の画面例では、入出力部21上から切替操作を実行可能にしているが、これにかかわらず、入出力部21上での操作と操作部22による操作の両方の操作によって、切替操作が受け付けられるようになっていてもよい。
【0013】
●計量部25
計量部25は、上面に載置された被包装物を計量する。
この計量部25は、
図2に示されるように、搬送方向(Y方向)に細長い板状の計量板を複数、備える。計量板は、それぞれ柱(不図示)により支持され、当該複数の柱の下方には、複数の柱を支える1個の重量センサが配設されている。この構成により、計量板のいずれかに載置される被包装物の重量を1個の重量センサにより計測することができる。柱は、例えば1個の計量板につき、搬送方向前後に2箇所設けられている。なお、各計量板が別の重量センサにより支持され、複数の重量センサの計測値を合計することで被包装物の重量を算出する構成になっていてもよい。また、計量板は、計量皿ともいう。
【0014】
計量部25を構成する計量板の上面は、第二搬送路32の搬送面よりも鉛直方向(Z方向)上方に位置している。被包装物は、計量板上で一度静止し、静止時に横幅検出部28は第二搬送路32の搬送面上方をX軸方向に移動する。ここで、横幅検出部28は、複数種類の被包装物、特に様々な高さの被包装物の横幅を検出するために、高さの低い被包装物にも対応できるよう、被包装物の下部をセンシングすることが望ましい。一方で、横幅検出部28の下端を下げると、第二搬送路32の搬送面と接触してしまう。計量板の上面が第二搬送路32の搬送面よりも鉛直方向上方に位置している構成によれば、被包装物を横幅検出部28に対して上方に移動させることで、高さの低い被包装物の横幅検出が可能である。
【0015】
この計量部25はまた、包装部2と搬入部3が非連動状態にあるときには、被包装物が包装部2内に直接、投入されたことを検知する役割を果たすこともできる。即ち、包装部2は、計量部25による被包装物の重量検知によって、被包装物が投入されたことを検知する。これにより、非連動状態では、計量部25によって被包装物の重量を検知したことを契機として、被包装物の包装処理を実行することができる。
【0016】
また、包装部2内に被包装物が投入されたことを検知するセンサを計量部25とは別に、あるいは計量部25と共に設けることもできる。この場合、包装部2と搬入部3が非連動状態にあるときには、包装部2内の載置部に被包装物が置かれたことを当該センサで検知して包装処理を作動させてもよいし、センサが載置部上の被包装物を検知したことを受けて、操作部に所定の操作の実行を要求するような処理制御をしてもよい。
【0017】
なお、計量板には、上流側の端部に、搬送面から下面に貫通する略矩形の切欠部25aが形成されている。切欠部25aは、第二搬送路32に設けられているツメ321よりも大きく、本実施形態においては、ツメ321に対応する大きさである。ツメ321は、第二搬送路32の下端から、切欠部25aを介して搬送面下側へ入り込む。
【0018】
また、第二搬送路32の搬送方向下流側には、被包装物を第二搬送路32から離間させる受渡部261が複数、配設されている。受渡部261は、本実施形態においては平板状の部材であり、搬送面において下流方向に向かって次第に突出する斜面を有する。受渡部261によれば、被包装物を第二搬送路32から上方に離間させ、第二搬送路32の搬送面よりも上方の計量部25上に、滑らかに案内することができる。
【0019】
●第一搬送路26
図2に示されるように、包装装置1は、上流を向いて開口する開口部2aを備えており、当該開口部2aの内側底面には、被包装物を計量部25に案内する第一搬送路26を備えている。第一搬送路26は、幅方向に一定間隔ごとに並設された複数のベルトコンベアにより構成されており、駆動ローラによって回動する。
【0020】
●横幅検出部28
図2及び
図3に示されるように、第一搬送路26の上流には、一対の横幅検出部28が配設されている。横幅検出部28は、第一搬送路26から計量部25上に搬送された被包装物の横幅、すなわちX軸方向の大きさを検出する。
【0021】
一対の横幅検出部28は、それぞれ開口部2aのZ軸方向に渡って伸びる長尺状の部材である。横幅検出部28は、それぞれ+Y方向に向かって検出域を有する。横幅検出部28は、例えば+Y方向に向かって光線を照射し、被包装物からの反射を受光することで、照射地点における被包装物の有無を検出する。
【0022】
一対の横幅検出部28はそれぞれ、開口部2aをX軸方向に沿って外側から略中央付近まで往復し、被包装物のX軸方向における両端の位置を検出する。このX軸方向における被包装物の両端の位置に基づいて、被包装物のX軸方向の大きさ、即ち被包装物の横幅を算出することができる。
【0023】
なお、本実施形態において、横幅検出部28は、包装部2と搬入部3が連動状態にある場合であって、包装装置1が被包装物の横幅に係る情報を所定の記憶部等に保持していないときに被包装物の横幅を検出する。一方、連動状態にあっても所定の記憶部に被包装物の横幅情報を保持している場合や、非連動状態の場合には、横幅検出部28による被包装部の横幅の検出処理は実行されないようになっている。
【0024】
●開閉状態検知部29
開閉状態検知部29は、後述するカバー201の開閉状態を検知する。カバー201の開閉状態を検知するための具体的な機構は特に限定されず、各種の態様によることができるが、例えば、カバー201の開閉に応じて導通する電気回路や、開閉動作する部位に設けた開閉識別用のセンサ等により構成することができる。
【0025】
●カバー201
包装部2は、
図2に示されるように、第一搬送路26及び計量部25の側面及び上方を覆う筐体20を有している。筐体20は、少なくともその上流側が開口しており、当該開口している部分は、包装部2に被包装物を搬入又は投入するための開口部2aを構成している。
【0026】
このような筐体20の開口部2a近傍は、第一搬送路26及び計量部25の上流側の上方、及び計量部25上に載置された被包装物の少なくとも一部の上方を開閉可能なカバー201を構成している。
このカバー201は、閉じた状態においては、開口部2a近傍において、第一搬送路26及び計量部25の上方を覆っている。ただし、この状態でも、開口部2aは閉塞しておらず、搬入部3から被包装物を搬入させられる。
なお、後述のとおり、包装部2と搬入部3を連動させて使用する場合には、カバー201を閉じた状態とする。
【0027】
一方、カバー201は
図4に示されるように、上方に跳ね上げるように開放させることができる。カバー201を開放させた状態においては、第一搬送路26及び計量部25の上方が開いており、包装部2内に直接、被包装物を投入し易くなっている。
本実施形態では、横幅検出部28はカバー201に設けられており、カバー201を上方に跳ね上げると、横幅検出部28も上方に持ち上げられる。
なお、後述のとおり、包装部2と搬入部3の連動状態を解除し、包装部2を独立して使用する場合には、カバー201を開放させた状態とする。
【0028】
このように構成される包装部2は、搬入部3により搬入、又は直接投入された被包装物の重量や寸法に基づいて、包装に用いるフィルム等の量、折込量および張力を調整する。そして、包装機構27により被包装物をフィルム等で包装する。
また、ラベル発行装置23は、商品に関する情報(例えば計量された商品の質量情報、商品名、値段、賞味期限など)を印字したラベルを発行し、当該発行されたラベルはラベル発行装置23により、包装された被包装物の上面等に貼付される。
この包装部2による一連の動作は自動的に行われる。なお、値段は商品の質量に応じて算出される。
【0029】
また、本実施形態では、包装装置1は包装された商品を、包装装置1前面側に設けられた排出コンベヤにより、搬送方向下流側に設けられたラベル下貼り装置(不図示)に搬送する。ラベル下貼り装置は複数の駆動ローラを備え、可動ローラにより搬送される商品の底面に、商品上面側に貼付されたラベルに表示しきれない項目を印字した下貼り用ラベルを貼付し、商品搬送方向の下流側に配置された搬送装置に搬送する。
尚、包装装置1にラベル下貼り装置を設けなくともよい。また、排出コンベヤの下流に搬送装置を設け、排出コンベヤにより商品を搬送装置に搬送してもよい。
【0030】
●搬入部3
搬入部3は、
図1及び
図2に示されるように、上流側に設けられた第四搬送路34と、下流側に設けられた第三搬送路33、第二搬送路32、及び制限部31によって構成される。本実施形態では、搬入部3は、包装部2の第一搬送路26に連続して配置され、搬入部3により搬送される被包装物が、第一搬送路26を経て計量部25に案内されるようになっている。
この搬入部3は、包装部2と連動状態に設定されているときは動作し、包装部2に被包装物を搬入するが、連動状態が解除されているときには動作せず、停止している。
【0031】
●第四搬送路34
第四搬送路34は、
図1に示されるように、帯状の無限循環帯のベルトによって実現される。第四搬送路34の上面は被包装物が載置される搬送面となっていて、被包装物は第三搬送路33に向かって搬送される。本実施形態において第四搬送路34は1個の無限循環帯により構成されているが、互いに分離した複数の無限循環帯により構成されていてもよい。
【0032】
第四搬送路34の両側方には搬送ガイド35が配設されている。搬送ガイド35は第四搬送路34のY方向に沿って配設される長尺状の部材である。搬送ガイド35は一か所が屈曲されていて、一対の搬送ガイド35の上流側は下流に向かって次第に互いに近づくように配置されている。搬送ガイド35の下流側は、第四搬送路34の側面と略平行に配置されている。
【0033】
●第三搬送路33
第三搬送路33は、
図2に示すように、第四搬送路34から搬送される被包装物を第二搬送路32上に搬送する。
第三搬送路33は、幅方向に一定間隔をおいて並設された複数のベルトであり、これらのベルトはそれぞれ、駆動ローラにより回動する無限循環帯である。
【0034】
●第二搬送路32
第二搬送路32は、
図2に示すように、第三搬送路33から搬送される被包装物を包装部2の第一搬送路26上に搬送する。
第二搬送路32は第三搬送路33と同様、幅方向に一定間隔をおいて並設された複数のベルトであり、これらのベルトはそれぞれ、駆動ローラにより回動する無限循環帯である。
【0035】
第二搬送路32は、搬送面に突出するツメ321を各ベルトに備えている。本実施形態において、ツメ321は、第二搬送路32を構成するベルトの幅に対応する高さを有する三角柱状の部材であるが、形状は任意である。ツメ321の下流側を向く面は、搬送面に対して略直交して起立している。ツメ321は、第二搬送路32の回動に伴って、Y方向における位置が互いに略同等となるように移動する。
【0036】
第二搬送路32の搬送面は、第一搬送路26の搬送面よりも低い位置にある。一方、ツメ321は、第一搬送路26の搬送面よりも上方に突出している。また、第二搬送路32の回動速度は、第一搬送路26よりも速く、被包装物が第一搬送路26に搬送されているときに、ツメ321が上流から被包装物に追いつき、被包装物を下流側へ押しやる。被包装物の上流側端辺が複数のツメ321に当接して搬送面上で回転させられることで、被包装物を、ツメ321の下流側の面が構成する仮想平面に沿わせる向きに調整することができる。第二搬送路32により被包装物の向きを調整する構成によれば、包装部2に搬入される被包装物の向きを一定に保つことができる。ひいては、被包装物が大きく傾いて包装装置1に搬入されることによる包装不良を減らすことができる。また、横幅検出部28により被包装物の横幅を正確に計測し、包装を適切に行うことができる。
【0037】
●制限部31
制限部31は、
図1及び
図5に示すように、第四搬送路34と、その下流側の第二搬送路32及び第三搬送路33の間に設けられており、第四搬送路34から搬送される被包装物が第二搬送路32及び第三搬送路33に至るのを制限する。
この制限部31は、搬送面の幅方向、すなわちX方向に渡って配設される部材であり、本実施形態においては、板状の部材である。制限部31は、電気的な制御により第四搬送路34の搬送面から上方に突出して被包装物の移動を制限する態様と、被包装物の移動を制限しない態様とに上下動する。
【0038】
被包装物の移動を制限する態様においては、制限部31が搬送面の上方に突出する。この態様においては、被包装物は制限部31に当接し、第二搬送路32及び第三搬送路33に搬送されない。
被包装物の移動を制限しない態様においては、制限部31が搬送面の下方に引っ込む。この態様においては、被包装物は制限部31に当接することなく、第二搬送路32及び第三搬送路33に搬送される。
【0039】
ここで、搬入部3には、第四搬送路34上の被包装物を検出する検出部36が設けられている。検出部36は、例えば第四搬送路34の下流端に互いに対向して設けられる発光部と受光部により構成されている。そして、第四搬送路34の下流端に被包装物が検出され、かつ検出部36の検出域より下流に配置される他のセンサ(例えば、横幅検出部28であってもよい)により別の被包装物が検出されるとき、制限部31を上方に突出させる。この構成によれば、被包装物が包装部2に過剰に流入するのを防ぎ、包装処理をスムースに行うことができる。
【0040】
また、検出部36は包装部2と搬入部3が連動状態にあるときには、被包装物を検知し、包装部2が被包装物の包装処理を実行するトリガーの役割を果たすこともできる。即ち、包装部2は、検出部36による検知によって、上流から被包装物が搬入されたことを検知する。連動状態では、この検出部36による被包装物の検知をトリガーとして、被包装物の包装処理を開始することができる。
仮に、包装部2と搬入部3が連動状態にあって検出部36で被包装物を検知ができない場合には被包装物の包装処理を開始することができない。検出部36で検知せずに計量部25で被包装物の重量を検知した場合にはエラーを通知する。
【0041】
なお、搬入部3の上流には、傾斜台4が配置されている。傾斜台4は、上流から下流に向かって鉛直方向下方に傾斜する台であり、商品を上流から下流に向かって滑らせて移動させる。傾斜台4のX方向左右側方には一対のガイド41がそれぞれ配置されている。ガイド41は傾斜台4のY方向に伸びる棒状の部材であり、傾斜台4を滑る商品が落下するのを防ぎ、商品を搬入部3の上流へ案内する。作業者は、前工程の作業が終わると、傾斜台4の適宜の位置に被包装物を載置する。傾斜台4の構成によれば、包装装置1において処理をすべき被包装物を、複数並べて待機させておくことができる。傾斜台4は下流に向かって傾斜しているので、包装装置1の処理が進むと、待機する被包装物は適宜下流へ搬送される。
【0042】
●包装装置1の機能構成
図6に示されるように、包装装置1の制御部100は、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置を備え、インターフェース回路104を介して、搬入部3、入出力部21、操作部22、ラベル発行装置23、ラベル貼付装置24、計量部25、第一搬送路26、包装機構27、横幅検出部28、開閉状態検知部29に接続されている。
また、包装装置1は、ソフトウェア資源として少なくとも、切替部、判定部、報知部、寸法情報取得部、及び規制部からなる機能ブロックを構成する。
【0043】
なお、制御部100によって実行されるコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0044】
切替部は、搬入部3と包装部2を連動状態又は非連動状態に切り替える処理を実行する。この切替部は、搬入部3と包装部2を連動状態から非連動状態に切り替える場合に、連動状態における包装部2による包装処理のトリガーを無効とする。即ち、連動状態では、検出部36によって被包装物を検知したことをトリガーとして、包装部2が包装処理を実行するところ、非連動状態に切り替わると、このトリガーが無効とされる一方、計量部25による被包装物の重量検知をトリガーとして、被包装物の包装処理が実行される。
また逆に、搬入部3と包装部2を非連動状態から連動状態に切り替える場合には、連動状態における包装部2による包装処理のトリガーを有効とする。即ち、計量部25による被包装物の重量検知に基づくトリガーが無効とされる一方、検出部36が被包装物を検知したことをトリガーとして包装部2による包装処理が実行される。
なお、ここで、検出部36に基づくトリガー又は計量部25に基づくトリガーを無効にすることには、検知動作自体を実行しないこと、検知動作は実行するが、検知情報をトリガーとして処理しないことのいずれも含まれる。
【0045】
判定部は、包装部2と搬入部3が連動状態又は非連動状態のいずれの状態にあるかを判定する。
ここで、包装部2と搬入部3が連動している状態では、被包装物は搬入部3から包装部2に搬入され、包装部2は当該搬入部3から搬入された被包装物を包装する。
一方、包装部2と搬入部3の連動が解除された状態では、搬入部3は停止した状態になっており、被包装物は包装部2に直接、投入され、包装部2は当該直接投入された被包装物を包装する。
なお、包装部2と搬入部3が連動状態にあるか否かは例えば、ユーザにより連動状態の設定又は解除を行う操作が実行されたときに、当該操作に応じた連動状態の設定又は解除のフラグを立て、これを参照することによって判定できる。
【0046】
報知部は、包装装置1における処理のエラーやステータス、必要な操作の実行要求等をユーザに対して報知する機能部であり、具体的には、入出力部21を介して、エラー内容等を表示したり、当該エラー内容等を解消するための操作の実行を要求したりする。
本実施形態では例えば、包装部2と搬入部3が連動状態にある場合において、開閉状態検知部29によってカバー201の開放が検知されたときには、ユーザに対して、カバー201が開放されていることと共に、カバー201を閉じるよう報知する。
また、包装部2と搬入部3が非連動状態にある場合において、開閉状態検知部29によってカバー201が閉じられていることが検知されたときには、ユーザに対して、カバー201が閉じられていることと共に、カバー201を開放するよう報知する。
【0047】
寸法情報取得部は、被包装物の寸法情報、特に、奥行、高さおよび幅を取得する機能部である。
この寸法取得部は、例えば入出力部21を介して被包装物の奥行、高さおよび幅に係る情報の入力を要求して受け付け、これらの情報を取得する。
なお、本実施形態において、被包装物の寸法のうち、横幅以外は、所定の既定値等に自動的に設定することができる。そのため、少なくとも、被包装物の包装のためには寸法情報として横幅の情報が必要である。横幅検出部28によって被包装物の横幅を検出できるときは、横幅検出部28によって被包装物の横幅を検出するが、横幅検出部28によって被包装物の横幅を検出できないとき、即ち、包装部2と搬入部3の連動状態が解除されていると判定されると共に、カバー201が開放されていると検知された場合には、寸法情報取得部によって被包装物の寸法情報として横幅に係る情報を取得する。
【0048】
規制部は、包装部2と搬入部3の連動状態とカバー201の開閉状態に応じて、包装装置1による被包装物の包装処理を規制し、これにより包装部2への被包装物の搬入又は投入を規制する。即ち、包装部2と搬入部3が連動状態にあると判定されると共に、カバー201が開放されていると検知された場合には、包装装置1による包装処理の実行を停止させることにより、搬入部3から被包装物を搬入させる動作を規制する。また、包装部2と搬入部3が非連動状態にある場合において、カバー201が閉じているときには、包装部2による包装処理の実行を停止させることにより、包装部2への被包装物の直接投入を規制する。
【0049】
●連動状態の切り替え
包装部2と搬入部3の連動状態を切り替える際の操作と処理について説明する。
図7は、包装部2と搬入部3を連動状態から非連動状態に切り替える場合の操作と処理の流れを示している。
ユーザは、包装装置1に対して、連動状態の解除を要求する(S101)。具体的には、入出力部21に、
図11に示される画面を展開させ、連動状態を切り替えるための切替ボタンG1を押下する。
なお、切替ボタンG1は、押下時の状態が連動状態のときは押下に応じて非連動状態に切り替え、押下時の状態が非連動状態のときは押下に応じて連動状態に切り替える。
【0050】
ユーザからの連動状態の解除要求に応じて、包装装置1は切替部により連動状態を解除する(S102)。即ち、搬入部3の動作を停止させ、包装部2内に直接、投入された被包装物を包装するように待機する。このとき、包装処理を実行するトリガーは、検出部36による被包装物の検知から計量部25による被包装物の重量検知に切り替わる。
【0051】
ユーザは、包装装置1に被包装物を包装させる際の設定情報を入力する(S103)。
設定情報は例えば、
図12に示される画面上から入力することができる。この画面上からは、ラベルや包装モード、搬入部3による搬入速度等、被包装物の一連の包装処理において必要とされる設定情報を入力することができる。なお、包装部2と搬入部3の連動又は非連動の状態に応じて、入力可能な項目は異なるものであってもよい。
ここで、入力された設定情報は包装装置1に保持され、包装処理の実行の際に参照される。
【0052】
包装装置1は、
図13に示される画面を展開させ、ユーザに対してカバー201の開放を指示すると共に、被包装物の包装部2に直接、投入するよう要求する(S104)。
これに応じて、ユーザはカバー201を開放し(S105)、包装部2に被包装物を直接、投入する(S106)。投入の際には、計量部25上に被包装物を載置するようにする。
以降、包装部2は、計量部25によって被包装物が載置されたことを検知すると、設定情報に基づいて被包装物を包装し、ラベルを貼付する。
【0053】
図8は、包装部2と搬入部3を非連動状態から連動状態に切り替える場合の操作と処理の流れを示している。
ユーザは、包装装置1に対して、連動状態の設定を要求する(S201)。具体的には、入出力部21に、
図14に示される画面を展開させ、連動状態を切り替えるための切替ボタンG1を押下する。
【0054】
ユーザからの連動状態の設定要求に応じて、包装装置1は切替部により連動状態を設定する(S202)。即ち、搬入部3を動作させ、搬入部3から被包装物を包装部2に搬送させるように待機する。このとき、包装処理を実行するトリガーは、計量部25による被包装物の重量検知から検出部36による被包装物の検知に切り替わる。
【0055】
ユーザは、包装装置1に被包装物を包装させる際の設定情報を入力する(S203)。
設定情報の入力は、
図12を参照して上述したのと同様に行われ、入力された設定情報は包装装置1に保持され、包装処理の実行の際に参照される。
【0056】
包装装置1は、
図15に示される画面を展開させ、ユーザに対してカバー201を閉じるよう指示すると共に、搬入部3から被包装物を搬送させるよう要求する(S204)。
これに応じて、ユーザはカバー201を閉じ(S205)、搬入部3から被包装物を搬送させる(S206)。
以降、包装部2は、搬入部3から被包装物が搬入されてくると、設定情報に基づいて当該被包装物を包装し、ラベルを貼付する。
【0057】
●包装処理
次に、包装装置1により被包装物を包装する処理について、包装部2と搬入部3を連動させているときと、連動状態を解除しているときに分けて説明する。
図9は、包装部2と搬入部3を連動させているときの包装処理の流れを示している。
包装装置1は、検出部36によって被包装物を検知したことをトリガーとして包装処理を開始する。まず、判定部により連動状態を判定し(S301)、連動状態にないときは、後述する非連動状態の場合の処理S402以降の処理を実行する。
【0058】
連動状態にある場合には、開閉状態検知部29によりカバー201が開放状態にあるかどうかを検知する(S302)。カバー201が開放状態にある場合には、ユーザに対し、カバー201が開放状態にあることを報知部により報知し、カバー201を閉じるよう要求する(S303)。なお、このようにカバー201が開放状態では、規制部により包装処理の実行が規制されている。
ここで、カバー201が開放状態にあることを報知し、カバー201を閉じることをユーザに要求する場合には、
図16に示されるような画面を入出力部21に出力させる。この画面では、カバー201が開放状態にある包装部2のイメージ図と共に、カバー201を閉じることを要求する表示がなされている。
【0059】
カバー201が閉じている場合、あるいは開放されていたカバー201が閉じられた場合には、包装装置1は、搬入部3、第一搬送路26、横幅検出部28、計量部25、ラベル発行装置23、及びラベル貼付装置24を通常動作させ、搬入部3に置かれた被包装物を包装部2に搬送する(S304)。
【0060】
包装部2は、被包装物が搬入され、計量部25上に被包装物を検知すると(S305)、当該被包装物の横幅情報が所定の記憶部に保持されている場合には、当該所定の記憶部から横幅情報を抽出する(S307)。
一方、横幅情報を保持していない場合には、横幅検出部28により被包装物の横幅を計測する(S308)。
また、計量部25は、被包装物を計量する(S309)。
【0061】
被包装物の寸法と重量に係る情報が整うと、設定情報に基づき、包装機構27により被包装物を包装する(S310)。さらに、ラベル発行装置23によってラベルを発行すると共に(S311)、ラベル貼付装置24によりラベルを包装された被包装物に貼付する(S312)。
以上の処理により、被包装部の包装処理が完了する。
【0062】
図10は、包装部2と搬入部3の連動状態を解除し、包装部2を単独で使用するときの包装処理の流れを示している。
包装装置1は、計量部25によって被包装物を検知したことをトリガーとして包装処理を開始する。まず、判定部により連動状態を判定し(S401)、連動状態にあるときは、前述した連動状態の場合の処理S302以降の処理を実行する。
【0063】
連動状態が解除されている場合には、開閉状態検知部29によりカバー201が開放状態にあるかどうかを検知し(S402)、カバー201が閉じている場合には、ユーザに対し、カバー201が閉じた状態にあることを報知部により報知し、カバー201を開放することを要求する(S403)。なお、このようにカバー201が閉じている状態では、規制部により包装処理の実行が規制されている。
【0064】
カバー201が開放されていた場合、あるいは閉じられていたカバー201が開放された場合には、計量部25、ラベル発行装置23、及びラベル貼付装置24を通常動作させ、被包装物が包装部2内に直接、投入され、計量部25上に当該被包装物が載置されるのを検知可能に待機する。
【0065】
包装部2は、被包装物が直接投入され、計量部25上に被包装物を検知すると(S404)、当該被包装物の横幅情報が所定の記憶部に保持されている場合には、当該所定の記憶部から横幅情報を抽出する(S406)。
【0066】
一方、横幅情報を保持していない場合には、寸法情報取得部により、ユーザに対して横幅情報の入力を要求し(S407)、横幅情報の入力を受け付ける(S408)。
ここで、ユーザに対して被包装物の横幅情報の入力を要求する場合には、
図17に示されるような画面を入出力部21に出力させる。この画面上からは、被包装物たるトレーの情報の設定入力が可能になっている。この画面上には、被包装物の識別情報を表示する被包装物名称ウィンドウG21、被包装物の種別を表示する被包装物種別ウィンドウG22、被包装物の奥行を表示する奥行ウィンドウG23、被包装物の高さを表示する高さウィンドウG24、被包装物の幅を表示する幅ウィンドウG25、被包装物を包装するフィルムの張りの強さを設定する張力設定ウィンドウG26等が設けられている。各ウィンドウG21乃至G26は、当該ウィンドウ又は対応する領域をタップ又は選択することで、各表示内容が編集可能になっている。
【0067】
計量部25は、被包装物を計量する(S409)。
被包装物の寸法と重量に係る情報が整うと、設定情報に基づき、包装機構27により被包装物を包装する(S410)。さらに、ラベル発行装置23によってラベルを発行すると共に(S411)、ラベル貼付装置24によりラベルを包装された被包装物に貼付する(S412)。
以上の処理により、被包装部の包装処理が完了する。
【0068】
以上の本実施形態に係る包装装置1によれば、入出力部21上からの一の操作で、包装部2と搬入部3の連動状態を任意に設定又は解除して使用することができる。これにより例えば、被包装物たるトレーの種類や包装物の中身により、被包装物を搬入部3で搬入することが難しい場合や、搬入部3が故障等で稼働しない場合にも、包装部2を単独使用できる。
また、非連動状態においては、カバー201が跳ね上げられて、被包装物を直接、包装部2に投入し易いし、開口部2a近傍に設けられた横幅検出部28の動作が無効になると共に、搬入部3は動作を停止した状態になるので、ユーザの操作時の安全性が確保されている。
【0069】
なお、以上の本実施形態では、包装部2と搬入部3の連動状態の設定又は解除は、入出力部21上からの操作に基づいて切替部が切り替えていたが、これにかかわらず、開閉状態検知部29によってカバー201が開放されたのを検知すると切替部が自動的に連動状態を解除し、カバー201が閉じたのを検知すると切替部が自動的に連動状態に設定するようになっていてもよい。
【0070】
また、作業者が被包装物たる商品を入出力部11上で設定する際、内容物とトレーの種類の選択に応じて包装部2と搬入部3の連動又は非連動の切替操作を行うよう、当該作業員に通知してもよい。
例えば、商品やトレーの種類ごとに、連動状態又は非連動状態とする設定を商品マスタ等にもたせておく。そして、入出力部11上において、被包装物として、第一乃至第四の搬送路26、32、33、34上を搬送させると搬送中に内容物がこぼれそうな種類の商品やトレーが選択されたときには、
図18に示されるように、「非連動に切り替えてください」などのメッセージ画面をポップアップ表示する。ここで、作業者が「はい」のボタンを押下すると非連動状態となり、上述した
図13に示される画面が展開され、ユーザに対してカバー201の開放を指示すると共に、被包装物の包装部2に直接、投入するよう要求する。
このように、作業者に非連動状態にするよう促す、あるいは連動状態での処理を規制することで、内容物が搬送中にこぼれたりする事態を未然に防ぐことができる。
【0071】
●実施形態総括
本発明は、搬入部と包装部を備えた包装装置について、包装部のみを単体として使用する技術に関する。
【0072】
操作者の安全性を確保しつつ、ヒートシールを行う包装装置のメンテナンス性等を向上させた包装装置が提案されている(特開2000-168733号公報)。
【0073】
ところで、従来、包装装置と搬送装置を一体化させた装置が提供されているが、状況に応じて包装装置を単独で使用できると便利である。
しかし、そのような包装装置は、搬送装置と一体的に使用することが前提になっているため、単独での使用を可能とするためには安全性を確保しておく必要がある。
【0074】
そこで本発明は、包装部と搬入部を備えた装置において、包装部を安全に単独使用できるようにすることを目的の一つとする。
【0075】
上記目的を達成するため、本発明に係る包装装置は、包装部に被包装物を搬入する搬入部と、前記搬入部から搬入された前記被包装物を包装する前記包装部と、前記搬入部と前記包装部を連動状態又は非連動状態に切り替える切替部と、前記搬入部と前記包装部の連動状態を判定する判定部と、を有し、前記切替部は、前記搬入部と前記包装部を連動状態から非連動状態に切り替える場合に、連動状態における前記包装部による包装処理のトリガーを無効とし、前記包装部は、前記搬入部と前記包装部が非連動状態にあると判定された場合には、前記包装部に直接、投入された被包装物を包装する。
【0076】
また、前記包装部に被包装物を搬入又は投入するための開口部において、搬入又は投入される被包装物の上方を覆う開閉可能なカバーと、前記カバーの開閉状態を検知する開閉状態検知部と、前記搬入部と前記包装部が連動状態にあると判定されると共に、前記カバーが開放されていると検知された場合に、前記搬入部による前記被包装物の前記包装部への搬入を規制する規制部と、をさらに有するものとしてもよい。
【0077】
前記搬入部と前記包装部が非連動状態にあると判定されると共に、前記カバーが開放されていると検知された場合に、前記被包装物の横幅にかかる情報の入力を要求して取得する寸法情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0078】
また、前記搬入部と前記包装部が連動状態にあると判定される場合において、前記カバーが開放されていると検知された場合に、前記カバーが開放されていることを報知する報知部、をさらに有するものとしてもよい。
【0079】
また、前記搬入部と前記包装部の連動状態を設定又は解除する操作部、をさらに有するものとしてもよい。
【0080】
前記搬入部により前記包装部に搬入された被包装物、又は前記包装部に直接投入された被包装物を計量する計量部、をさらに有するものとしてもよい。
【0081】
本発明によれば、簡単な操作一つで包装部と搬入部の連動状態を設定又は解除し、包装部のみで単独使用したり、包装部と搬入部を合わせて使用したりできる。
また、連動状態又は非連動状態のいずれの状態においても適宜、それぞれの状態に応じて、エラーやユーザに要求される操作が報知されるため、ユーザは安全且つ適切に包装装置1を使用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 :包装装置
2 :包装部
2a :開口部
20 :筐体
201 :カバー
21 :入出力部
22 :操作部
23 :ラベル発行装置
24 :ラベル貼付装置
25 :計量部
26 :第一搬送路
27 :包装機構
28 :横幅検出部
29 :開閉状態検知部
3 :搬入部
32 :第二搬送路
33 :第三搬送路
34 :第四搬送路