埋立処分場の運営と管理では、廃棄物処理の安全性と有効性を確保するために、環境規制
と技術基準を厳格に遵守する必要がある。また、固形廃棄物埋立処分場には、住所選択の
問題、廃棄物漏洩問題、ガス排出問題、土地利用問題など、固形廃棄物に関するさまざま
なリスクが存在する。
上記の問題を解決するために、本実施例は、
固形廃棄物埋立処分場の現地探査を行って、現地探査の結果に基づいて固形廃棄物埋立処
分場を分割して、測定エリアを得て、さらに測定エリア内を分割して測定ラインを得て、
さらに測定ラインを分割して測定点を得るステップと、
過渡電磁法又は密度電気法によって測定エリア内の測定ラインを探知し、測定ライン上に
固形廃棄物埋立が存在すると探知した場合、さらに地中レーダー法によって固形廃棄物埋
立が存在する測定ライン上の測定点を探知し、測定点に固形廃棄物埋立が存在すると探知
した場合、インフィルドリリングによって固形廃棄物埋立が存在する測定点の固形廃棄物
埋立範囲を画定するステップと、
ビジュアル地質モデリングソフトウェアによって固形廃棄物埋立範囲の3次元マップを作
成し、3次元マップに応じて固形廃棄物埋立量を算出し、最後に、固形廃棄物埋立範囲内
の固形廃棄物危険性を特定し、危険性特定結果を得て、固形廃棄物埋立処分場内の全ての
測定点の固形廃棄物埋立範囲、固形廃棄物埋立量、及び危険性特定結果を固形廃棄物埋立
処分場の調査結果とするステップと、を含む、固形廃棄物埋立処分場の調査方法を記載し
ている。
固形廃棄物埋立処分場の現地探査を行う方法において、固形廃棄物埋立処分場の埋立履歴
データ及び現地踏査の結果に応じて、固形廃棄物埋立が存在する区域を決定し、固形廃棄
物埋立の存在が決定された区域を固形廃棄物埋立処分場の測定エリアとし、さらに測定エ
リアにおいて等距離分割を行い、測定ラインを得て、最後に、測定ライン上で等距離分割
を行い、測定点を得る。
上記の過程において、測定ラインと測定点を分割する方法は、この分野では一般的な方法
である。測定ライン間の距離は通常2m、測定点間の距離は通常1.5mである。
具体的には、本実施例では、ある郡のある町にある廃止された化学工場及びそのすぐ隣の
エリア内における固形廃棄物のリスクをさらに調査し、残存固形廃棄物がまだ存在するか
否かを確認し、固形廃棄物の平面分布範囲及び埋立の深さを正確に特定し、固形廃棄物埋
立量を決定する。
上記の埋立物質のタイプには、化学工業廃液、家庭ゴミ及び/又はスラグ、又はその他の
タイプの埋立物質が含まれる。埋立物質の具体的なタイプは、固形廃棄物埋立処分場の過
去の埋立状況に応じて決定される。
現地探査の結果に基づいて固形廃棄物埋立処分場を分割する上記の方法において、固形廃
棄物埋立処分場の埋立履歴データ及び現地踏査の結果に応じて、固形廃棄物埋立がvする
エリアの位置及び面積を推定し、推定した固形廃棄物埋立のエリアの位置及び面積に応じ
て、まず、固形廃棄物埋立処分場を測定エリアに分割し、さらに測定エリア内で測定ライ
ンを分割し、最後に、測定ライン上で測定点を分割する。
具体的には、本実施例では、ある郡のある町にある廃止された化学工場内の合計7つの測
定エリアを探知し(埋立履歴データの収集と現地踏査)、固形廃棄物埋立が存在するある
7つのエリアを取得した。固形廃棄物埋立が存在する7つのエリアを、固形廃棄物埋立処
分場の7つの測定エリアとする。7つの測定エリアは、A1測定エリア、A2測定エリア
、A3測定エリア、A4測定エリア、A5測定エリア、A6測定エリア、及びA7測定エ
リアであり、7つの測定エリアの分布位置は
図1に示される。過渡電磁法によって50個
のプロファイルを探知し、合計2936個の測定点を使用する。そのうち、2つの実験探
知プロファイルには合計120の検査点があり、48個のプロファイルには、合計276
1個の測定点があり、また、55個の固形廃棄物反応実験測定点もある。2つの高密度探
知プロファイルと192個の測定点を完成した。このうち、プロファイルとは、1つの測
定ラインについて地下まで探知を行うことにより形成される探知面を指す。
上記の地球物理的探知方法は、過渡電磁法、地中レーダー法、及び高密度電気法を含み、
そのうち、過渡電磁法又は高密度電気法は、測定ラインの探知に用いられ、地中レーダー
法は、測定点の探知に用いられる。
本実施例では、過渡電磁法を実現する探知装置は、DCDTEM-2S牽引式高分解能過
渡電磁システムであり、
図2に示すように、このDCDTEM-2S牽引式高分解能過渡
電磁システムは、過渡電磁ホスト、牽引式送受信コイル、データ処理及びイメージングソ
フトウェアで構成され、技術指標には、送信電流:10A、送信磁気モーメント:400
Am
2、オフ遅延<0.8μs(純粋な抵抗)、受信コイル有効面積:24m
2、A/D
変換:24ビット、サンプリングレート:2.5MHz、動的収集範囲:250dB;測
定モード:点測定、牽引式;収集;USB3.0制御及び収集が含まれる。
本実施例では、高密度電気法を実現する探知装置は、高密度電気法装置であり、
図3に示
すように、高密度電気法装置は、EDGMD-1A集中型高密度電気法測定システムを採
用している。
本実施例では、地中レーダー法を実現する探知装置はジオレーダーであり、
図4に示すよ
うに、ジオレーダーはEKKO PRO多機能ジオレーダーを使用する。EKKO PR
O多機能ジオレーダーは、ホストコンピュータ、送信機、受信機、ラップトップコンピュ
ータ、光ケーブル、アンテナなどで構成されている。
上記の地球物理的探知法によって測定ライン・測定点における固形廃棄物埋立の疑いを判
断する方法において、過渡電磁法によって測定ラインを探知し、高抵抗率異常を探知した
場合、測定ラインに固形廃棄物埋立の疑いがあると判断し、地中レーダー法によって測定
点を探知し、探知の結果界面反射信号が強く、典型的な分離体位相特性を示す場合、その
測定点に固形廃棄物埋立の疑いがあると判断し、高密度電気法によって測定ラインを探知
し、探知の結果が高抵抗率の場合、その測定ラインに固形廃棄物埋立の疑いがあると判断
する。
本実施例では、過渡電磁法による高抵抗率異常の判断基準は以下の通りである。高抵抗率
異常とは、地下のあるエリアにおいて抵抗率異常値が高く、周囲に比べて正常な抵抗率分
布から大きく逸脱していることを指す。高抵抗率異常は、高抵抗率物質(固形廃棄物埋立
処分場の地下に残っている固形廃棄物である可能性がある)を含むこと、地下水含有量が
低いこと、空隙率が小さいことなど、地下の特殊な地質構造によって引き起こされる可能
性がある。高抵抗率異常の探知は、鉱物探査や地下水資源評価などにとって非常に重要な
地下構造に関する情報を提供することができる。
本実施例では、地中レーダー法によって、界面反射信号が強く、典型的な分離体位相特性
を示すと判断する基準は以下の通りである。界面反射信号が強いとは、地中レーダー法に
おいて、電磁波が異なる地下媒体間の界面に遭遇すると、反射信号が生成され、界面の反
射係数が大きい場合、又は媒体間の抵抗率の差が大きい場合、反射信号が比較的強くなる
ことを意味する。これらの界面反射信号は、GPRプロファイル図において典型的な分離
体位相特性を示し、つまり、プロファイル図においてより明確で独立した波形として表示
される。非破壊検査では、強力な界面反射信号と分離体位相特性は、地下構造を特定し、
隠れたターゲットを探知するのに役立つ。
本実施例では、高密度電気法によって高抵抗率を判断する基準は以下の通りである。高抵
抗率とは、地下のあるエリアにおいて抵抗率の値が大きく、つまり、このエリアの岩石、
土壌や地下水の導電率が低いことを意味する。高抵抗率の特性は、低抵抗率に対応し、低
抵抗率は、通常、より優れた導電率のエリアを表し、高抵抗率のエリアは、地中に高抵抗
率の物質、つまり固形廃棄物埋立処分場の地下に残っている固形廃棄物が存在することが
原因である可能性がある。
具体的には、本実施例では、高密度電気法によって固形廃棄物の空間分布の把握を支援す
る。この目的で、本実施例では、高密度電気法に基づいて、
図7に示すように、G1測定
ラインとG2測定ラインの探知プロファイルが設計されており、測定ラインの両方はA2
測定エリア内に位置し、そのうち、G1測定ラインは過渡電磁A2L1測定ラインと重な
り、G2測定ラインは過渡電磁A2L4測定ラインと重なる。
高密度電気法により得られた測定ラインG1及びG2の二次元反転抵抗率プロファイルを
図8及び
図9に示す。
図8及び
図9から、G1測定ラインとG2測定ラインの全体的な電
気分布は類似しており、過渡電磁探知プロファイルによく対応していることがわかった。
A2測定エリア内の電気的特性は、垂直方向に低くなる傾向を示し、サイトの地質資料に
よると、サイトの浅い部分は、土壌が緩く抵抗率が高く盛土層であり、抵抗率プロファイ
ルから、高抵抗率は、4mの浅い範囲内にあり、不均一に分布しており、厚さと電気的特
性に大きな変化があり、ドリリングによって明らかにされた実際の資料によれば、この層
の上部は、盛土層であり、抵抗率の値がすべて30Ω・mを超えている。G1測定ライン
プロファイルの50mと80mにドリリング孔S126とS128があり、汚染深さはそ
れぞれ0.8m~1.7m(厚さ0.9m)と3.8m~4.2m(厚さ0.4m)であ
ることが判明した。これに基づいて、高密度電気法の結果をもってG2測定ラインについ
て解釈する。直流法の体積効果により、固形廃棄物の厚さは実際の厚さよりも厚く解釈さ
れるが、5m以下の地層の物性は比較的均一であり、元の地層であると推定される。
具体的には、本実施例では、浅い部分(主に5m以内)の構造把握を支援するために地中
レーダー法を用い、A1測定エリア、A2測定エリア、A3測定エリア、A4測定エリア
、A5測定エリア、A6測定エリア、及びA7測定エリアを地中レーダー法で探知する。
A2測定エリアでは、A2-1プロファイルから1箇所の異常を特定し、YC01と命名
し、A2-1ジオレーダプロファイル画像を
図10に示し、A3測定エリアでは、A3-
1プロファイルから3箇所の異常を特定し、YC02-YC04と命名し、A3-2プロ
ファイルから3箇所の異常を特定し、YC05-YC07と命名し、A3-3プロファイ
ルから1箇所の異常を特定し、YC08と命名し、A3-4プロファイルから1箇所の異
常を特定し、YC09と命名し、A3-5プロファイルから1箇所の異常を特定し、YC
10と命名し、A5測定エリアにおいて、A5-2プロファイルから1箇所の異常を特定
し、異常YC11と命名し、A5-6プロファイルから1箇所の異常を特定し、YC12
と命名し、A5-7プロファイルから1箇所の異常を特定し、YC14-YC15と命名
し、A6測定エリアにおいて、A6-1プロファイルから2箇所の異常を特定し、YC1
4-YC15と命名し、A6-2プロファイルから2箇所の異常を特定し、異常YC16
-YC17と命名し、合計17か所のジオレーダー異常を特定し、すべての異常は、反射
信号が強く、典型的な分離体位相特性を示す。
3種類の電磁探知データの解析結果に基づいて、このエリア内の異常分布や固形廃棄物の
分布状況を全体的に把握することができる。本実施例の調査タスクがカバーする測定エリ
ア内では、異常分布は次の2つの特徴を示す。第1に、異常は「量が少ないが、数が多く
、分散して分布している」ような特徴を持ち、第2に、固形廃棄物の異常、元の工場エリ
アの建物基礎残渣、汚染土壌、穴や亀裂や家庭ゴミなどによる異常など、多くの種類の異
常が存在する。これは、データ処理及び解釈技術に大きな課題をもたらす。
本実施例の探知エリアには、垂直方向に多数のドリリング孔があり、ドリリングにより得
られるコアや地質資料によれば、測定エリア内の地層は、主に3層に分かれており、その
うち、表層は、空隙率が高く、土壌が緩い盛土層であり、水分飽和度が低い場合、抵抗率
は主に高抵抗率として現れる。2番目の層は、有機物を含有し、水分飽和度が高い粘土層
である。3番目の層は、鉄マンガンノジュールや錆斑を含む粘土層である。測定ラインの
付近やその近隣のドリリング資料を比較すると、本実施例では、探知結果が、ドリリング
資料における地層の実際の電気的特性と基本的に一致しており、地下のプロファイルの層
分離状態がドリリングによるコアの岩石学的界面と非常に一致しているため、したがって
、本実施例の探知結果は垂直方向において正確であることが分かった。
平面においては、過渡電磁探知データによる解釈結果、高密度電気法による解釈結果、地
中レーダー法による地質学的解釈結果によると、異常エリアは、主にA2、A3、A5、
及びA6の測定エリアに存在し、このうち、A2測定エリアとA4測定エリアでは、探知
過程で多くの化学固形廃棄物の凝集が探知され、高密度法や過渡電磁法による測定ライン
の結果を比較すると、両者は良好な対応関係を示し、2つの方法の異常分布に基づいて、
固形廃棄物は主にA2測定エリアにあると推測される。A4測定エリアには過渡電磁探知
データのみが存在し、A2測定エリアの一般的なルールによれば、A4測定エリアには固
形廃棄物埋立物と疑われるものが少量含まれている可能性があると推測される。A3及び
A5測定エリアで特定される異常は、主に地中レーダーに基づいて判断され、地中レーダ
ーによる異常特性の解析によれば、異常は、主に疎な地盤構造と建物の残骸が主であり、
現場の状況と併せて、建物の残骸は、主に硬化したコンクリート片、石材片、鉄筋等であ
ると推定される。A6測定エリアでは、異常暴露は少ないが、ドリリングによるコアの結
果によれば、A6測定エリアの汚染物が地層土壌に混入していることが分かり、異常は、
主に汚染土壌層であるため、汚染物が混入している混合地層が効果的な反射を形成するこ
とは困難である。このような地域では、主に過渡電磁法による解釈が行われており、A6
測定エリアの異常が主に汚染土壌であると推測される。
以上のように、異常のタイプや各測定エリアの異常特徴を解析した後、調査エリア内の固
形廃棄物の異常が存在する位置を大まかに特定することができる(
図11を参照)。この
うち、固形廃棄物の異常は、主にA2測定エリアに集中しており、「数が多く、量が少な
い」ような特徴を示しており、A4測定エリアでは、地面に固形廃棄物が少量認められて
おり、固形廃棄物埋立物が少量存在する疑いがある。
測定エリア内の測定ラインの探知には、上記の過渡電磁法や密度電気法が用いられ、測定
ライン上に固形廃棄物埋立が存在すると探知した場合、さらに地中レーダー法によって固
形廃棄物埋立が存在する測定ライン上の測定点を探知する方法は次のとおりである。
過渡電磁法又は高密度電気法によって測定エリア内の測定ラインを探知し、探知の結果、
高抵抗率異常があるか、界面反射信号が強く、典型的な分離体位相特性を示す場合、測定
ライン内の固形廃棄物埋立が存在すると判断し、
測定ライン内に固形廃棄物埋立が存在すると判断した場合、地中レーダー法によって測定
ライン上の測定点を探知し、探知結果が高抵抗率の場合、測定点に固形廃棄物埋立が存在
すると判断する。
上記のように測定点に固形廃棄物埋立が存在すると探知した場合、ドリリング装置を用い
たドリリング法を使用して、測定点に固形廃棄物埋立が存在するかどうかを確認し、確認
方法は、以下の通りである。ドリリング装置を使用して測定点をドリリングし、ドリリン
グによって得られたコアのプロフィールの構造が一致していない場合、測定点に固形廃棄
物埋立が存在することを示し、ここで、ドリリング深さは4.5~7.5mである。
具体的には、本実施例では、
図5に示すように、環境に優しいGeoprobeドリリン
グ装置を使用して、淮河化学工場及び淮峡化学工場の敷地でドリリング及びサンプリング
作業を実行する。敷地内の土壌や地下水の調査地点の分布と汚染土壌修復・掘削区域の分
布を総合的に考慮して、予備作業資料によれば、調査段階では、土壌・地下水調査地点及
び汚染土壌修復エリアにおいて固形廃棄物は探知されなかった。したがって、上記の地点
又はエリアについて箇所を選択して検証することはしない。本実施例におけるドリリング
装置のドリリング地点の分布を
図6に示す。ドリリング作業現場の実際の状況によれば、
合計136個の地点の土壌ドリリング作業が完了し、ドリリング深さは4.5~7.5m
であった。
具体的には、本実施例では、鳳台県淮河化学工場と淮峡化学工場やそのすぐ周辺エリアで
、合計136個の地点でドリリング及びサンプリング作業が実施された。コアプロファイ
ルの質感、色、匂いなどに基づいて、合計9つのドリリング地点に固形廃棄物埋立が存在
することが判明した。これらのドリリング地点は、3つのエリア、すなわち、淮河化学工
場のそのすぐ周辺の法面保護エリア、淮河化学工場の南西隅、淮峡化学工場の東側に集中
している。
ここで、固形廃棄物埋立層のマーク情報は、固形廃棄物埋立平面分布範囲情報、固形廃棄
物埋立厚さ情報、及び固形廃棄物埋立の垂向分布の固形廃棄物性状を含み、固形廃棄物性
状は、色、状態、及び匂いを含み、状態は、固体状態と液体状態を含む。固形廃棄物埋立
平面分布範囲情報とは、固形廃棄物埋立平面分布の経度及び緯度を指し、固形廃棄物埋立
厚さ情報とは、固形廃棄物埋立の垂直方向の開始深さと終了深さを指し。固形廃棄物埋立
の垂直方向の分布情報とは、固形廃棄物埋立の垂直方向に対応する固形廃棄物の種類を指
す。
ビジュアル地質モデリングソフトウェアによって固形廃棄物埋立範囲の3次元マップを作
成する上記方法において、固形廃棄物埋立情報及び固形廃棄物埋立層のマーク情報に基づ
いて、ビジュアル地質モデリングソフトウェアによって固形廃棄物埋立3次元マップを作
成し、固形廃棄物埋立情報は、固形廃棄物埋立範囲の緯度・経度及び地面標高の情報を含
む。
具体的には、本実施例では、地球物理学的探知結果の解析及び要約に基づいて、A2、A
4、及びA6測定エリアで固形廃棄物埋立の疑いがあることを発見した。この2つの測定
エリアに固形廃棄物埋立が存在するか否かをさらに確認し、固形廃棄物埋立が存在する場
合、固形廃棄物埋立範囲及び量をさらに決定する。理学的探知により見つけられた異常固
形廃棄物埋立エリアや地点に対して、Geoprobeドリリング装置を使用してドリリ
ング検証作業を実施し、合計12箇所の検証地点を配置した。
ドリリング検証の結果、A4及びA6測定エリアのドリリングによるコアのプロフィール
では、固形廃棄物は確認されなかったが、A2測定エリアのドリリングによるコアのプロ
フィールでは、地表から1.2m~3.2mまで混合盛土に壊れた石積みが含まれており
、一部の地点は黒色の中間層を有し、無臭であるが、当該測定エリアの上層の混合盛土の
性状は、隣接する淮河化学工場のそのすぐ周辺の法面保護エリアで発見されたスラグ、建
設スラグや混合土(固形廃棄物)と類似している。したがって、A2測定エリアは固形廃
棄物埋立が存在すると判断され、その性状に関しては、スラグ、建設スラグや混合土であ
る。
インフィルドリリングによって固形廃棄物埋立が存在する測定点内の固形廃棄物埋立範囲
を画定する上記方法において、測定点に固形廃棄物埋立が存在すると探知した場合、イン
フィルドリリング地点よりも下に埋立がなくなるまで、測定点から1m離れたところで東
西南北の4方向にインフィルドリリングを行うことで、測定点内の固形廃棄物埋立範囲を
確かめ、固形廃棄物埋立層をマークして、固形廃棄物埋立層のマーク情報を得る。このう
ち、インフィルドリリングよりも下に埋立がないことは、コアプロファイル構造が一致し
ているかどうかによって判断され、コアプロファイル構造が一致している場合、コアプロ
ファイルの性状が単一であることを示し、コアプロファイルには土壌のみが含まれ、固形
廃棄物が含まれていないことを意味し、つまり、インフィルドリリング地点よりも下に埋
立がない。コアプロファイル構造が一致していない場合、コアプロファイルの性状が単一
ではないことを示し、コアプロファイルには土壌だけでなく固形廃棄物も含まれる可能性
があることを意味し、つまり、インフィルドリリング地点よりも下に埋立が存在するため
、ドリリングを続行する必要がある。上記のインフィルドリリングは、この技術分野にお
いては一般的な技術手段であることが理解できる。
具体的には、本実施例では、上記のドリリング検証結果に基づいて、ドリリング検証結果
から得られた地点の周囲に点を密に分布させて、固形廃棄物の埋立範囲及び埋立量をさら
に計算する。
具体的には、本実施例では、ビジュアル地質モデリングソフトウェアによって固形廃棄物
埋立範囲の3次元マップを作成し、3次元マップに応じて固形廃棄物埋立量を算出する方
法は以下のとおりである。
図12に示すように、ビジュアル地質モデリングソフトウェア
(EVS:Earth Volumetric Studio)を使用して、ドリリング
結果、地面標高、固形廃棄物埋立層マークについて3次元マップを作成する。ビジュアル
地質モデリングソフトウェアによる3次元マップから、ある県のある町にある廃止された
化学工場の固形廃棄物埋立は、主に、淮河化学工場のそのすぐ周辺の法面保護エリア、淮
河化学工場の南西隅、淮峡化学工場の東側のエリアに集中しており、ビジュアル地質モデ
リングソフトウェアによって算出された3次元マップでは、固形廃棄物の総埋立量は26
6.9m
3(287.2t)であり、各エリアの埋立状況は表2に示すとおりである。上
記のビジュアル地質モデリングソフトウェアによって3次元マップにおける固形廃棄物の
総埋立量を計算することは、この技術分野における固形廃棄物の総埋立量を計算する一般
的な方法である。