IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公益財団法人河川財団の特許一覧 ▶ 株式会社プロドローンの特許一覧 ▶ 株式会社ニュージェックの特許一覧

<>
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図1
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図2
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図3
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図4
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図5
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図6
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図7
  • 特許-測量システム及び河川測量方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】測量システム及び河川測量方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/24 20060101AFI20240801BHJP
   G01P 5/18 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G01P5/24 A
G01P5/18 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024063518
(22)【出願日】2024-04-10
【審査請求日】2024-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593201615
【氏名又は名称】公益財団法人河川財団
(73)【特許権者】
【識別番号】715001390
【氏名又は名称】株式会社プロドローン
(73)【特許権者】
【識別番号】593152122
【氏名又は名称】株式会社ニュージェック
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒沼 尚史
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-321314(JP,A)
【文献】特開2008-216010(JP,A)
【文献】特開2011-112393(JP,A)
【文献】特開2001-004649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0003531(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111487439(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112113625(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00 ~ 5/26
G01F 1/00 ~ 1/90
G01C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面上を移動可能な移動体と、
前記移動体の下方の流速を計測する第1計測手段と、
前記移動体周辺の水面流速を計測する第2計測手段と、
前記移動体の移動速度を計測する第3計測手段と、を備える、
測量システム。
【請求項2】
前記第1計測手段は、前記移動体に搭載された超音波ドップラー流速計を含む、
請求項1に記載の測量システム。
【請求項3】
前記第2計測手段は、前記移動体に搭載され、該移動体周辺の水面を撮影する撮影手段を含む、
請求項1に記載の測量システム。
【請求項4】
前記第2計測手段は、前記移動体の進行方向を前方としたときに、少なくとも該移動体の左右方向を含む範囲を撮影する、一又は複数台の前記撮影手段を含む、
請求項3に記載の測量システム。
【請求項5】
前記移動体は、該移動体との相対位置が固定された被写体である標定部を有し、
前記標定部は、前記撮影手段で撮影された画像に映り込む位置に配置されている、
請求項3に記載の測量システム。
【請求項6】
解析手段をさらに備え、該解析手段は、
前記第1計測手段で取得した流速、及び前記第2計測手段で取得した流速に、前記第3計測手段で取得した前記移動体の移動速度を加味して、実際の流速を算出する、
請求項3に記載の測量システム。
【請求項7】
解析手段をさらに備え、
前記第2計測手段により取得した前記移動体周辺の水面流速から、その水域の深さ方向における流速分布の平均値を求める校正係数を表面流速係数というときに、
前記解析手段は、前記第1計測手段により取得した前記移動体の下方の流速に基づき、前記表面流速係数を変更する、
請求項1に記載の測量システム。
【請求項8】
前記移動体は、水中の地形データを取得するスキャナー装置をさらに備え、
前記解析手段は、前記第1計測手段により取得した前記移動体の下方の流速と、前記スキャナー装置により取得した水中の地形データと、に基づき、前記表面流速係数を変更する、
請求項7に記載の測量システム。
【請求項9】
前記移動体は無人航空機である、
請求項1に記載の測量システム。
【請求項10】
前記第2計測手段は、前記移動体に搭載され、該移動体周辺の水面を撮影する撮影手段を含み、
前記移動体は、浮遊物が所定の距離まで機体に接近したことが撮影されたときに、自動的に離水してその浮遊物を回避する、衝突回避手段を備える、
請求項9に記載の測量システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の移動体を、河川の上流から下流に向けて、該河川の水流に乗せて流す工程を含む、
河川測量方法。
【請求項12】
複数の前記移動体を、河川の川幅方向における位置をずらして配置し、河川の上流から下流に向けて、該河川の水流に乗せて流す工程を含む、
請求項11に記載の河川測量方法。
【請求項13】
前記移動体は無人航空機であり、
前記移動体が前記河川を所定の位置まで下ったときに、自動的に離水および飛行して、その位置よりもさらに下流の他の位置に着水する工程を含む、
請求項11に記載の河川測量方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川等の流速分布や流量の計測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、水面を撮影するカメラとドップラー流速計が搭載された船舶の現在位置を、その上空を飛行する飛行船により特定する位置測定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-300700
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地球温暖化による水害の激甚化や、防災に関する法制度の強化に伴い、これに劣後しない新たな治水システム・河川管理手法が求められている。一方、管理の対象である河川は、それぞれが地理的・空間的な個性を有するとともに、洪水により刻々と状態が変化するという予測困難性を有している。河川が将来にわたってその備えるべき安全性を維持し続けるためには、河道変化や、構造物等が破壊されるメカニズム等を解明し、降雨や洪水の水理的影響を定量的に予測できるようにする必要がある。とりわけ、平水時・洪水時の河川流量やその変化を把握することは河川を管理する上で重要である。しかし、洪水時の河川の縦横断面の流速分布やその流量を長距離にわたって実測可能な方法は存在せず、実験で得られた理論値や経験則に基づいてこれらを見積もっているのが現状である。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、河川等の水域の縦横断面の流速分布やその流量をより実態に即して計測可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の測量システムは、水面上を移動可能な移動体と、前記移動体の下方の流速を計測する第1計測手段と、前記移動体周辺の水面流速を計測する第2計測手段と、前記移動体の移動速度を計測する第3計測手段と、を備えることを要旨とする。
【0007】
移動体下方の流速とその周辺の水面流速を取得することにより、移動体周辺の水域の流速分布を実測値に基づいて見積もることが可能となる。また、移動体自体の移動速度も併せて取得することで、移動体を水面上で移動させながら、より広範な水域の流速分布を連続的に取得することが可能となる。
【0008】
このとき、前記第1計測手段は、前記移動体に搭載された超音波ドップラー流速計を含むことが好ましい。超音波ドップラー流速計(ADCP:Acoustic Doppler Current Profiler)は、水中に音波を発し、水流とともに移動する散乱体(懸濁物質等)のドップラーシフトを計測することにより流速を取得する装置である。移動体下方の流速を超音波ドップラー流速計により多層的に取得することで、移動体周辺の流速分布をより正確に算出することが可能となる。尚、超音波ドップラー流速計は水底のドップラーシフトを計測することで、移動体自体の移動速度も計測できる。つまり超音波ドップラー流速計は第3計測手段として利用することもできる。
【0009】
また、本発明の測量システムにおいて、前記第2計測手段は、前記移動体に搭載され、該移動体周辺の水面を撮影する撮影手段を含んでもよい。移動体自体が撮影手段を備えることにより、例えば測量対象の水域の周りに予め固定カメラを設置したり、カメラを搭載したドローンで別途上空から水面を撮影したりすることなく、より簡便に測量を行うことが可能となる。
【0010】
このとき、前記第2計測手段は、前記移動体の進行方向を前方としたときに、少なくとも該移動体の左右方向を含む範囲を撮影する、一又は複数台の前記撮影手段を含むことが好ましい。これにより、その水域の縦横断面の流速分布を、移動体の移動方向(「縦」方向)に沿って連続的に計測することが可能となる。
【0011】
またこのとき、前記移動体は、該移動体との相対位置が固定された被写体である標定部を有し、前記標定部は、前記撮影手段で撮影された画像に映り込む位置に配置されていることが好ましい。例えば時空間画像流速計測(STIV:Space-Time Image Velocimetry)では、斜め上から撮影された水面画像を真上からみた画像に幾何補正するため、撮影水域の手前側(カメラ側)の岸とその対岸に、実空間における位置座標が既知の標定点が設置される。移動体に固定された標定部、つまり移動体が備える撮影手段の位置に対する相対的な位置座標が既知の標定部を設け、これを撮影手段の画角に含めることで、これをカメラ側の標定点とすることができる。
【0012】
また、本発明の測量システムは、解析手段をさらに備え、該解析手段は、前記第1計測手段で取得した流速、及び前記第2計測手段で取得した流速に、前記第3計測手段で取得した前記移動体の移動速度を加味して、実際の流速を算出することが好ましい。これにより、移動体自体が移動することによる流速の誤差を解消させ、より広範な水域の流速分布を連続的に取得することが可能となる。
【0013】
また、本発明の測量システムは、解析手段をさらに備え、前記第2計測手段により取得した前記移動体周辺の水面流速から、その水域の深さ方向における流速分布の平均値を求める校正係数を表面流速係数というときに、前記解析手段は、前記第1計測手段により取得した前記移動体の下方の流速に基づき、前記表面流速係数を変更することが好ましい。一般に河川の表面流速係数には0.85という固定値が使用される。しかし、流況や河川形状によっては、この表面流速係数による計算結果が実態から乖離することがある。移動体下方の実測した流速に基づいてこの表面流速係数を調節することで、より実態に即した計算結果を得ることができる。
【0014】
ここで、前記移動体は、水中の地形データを取得するスキャナー装置をさらに備え、前記解析手段は、前記第1計測手段により取得した前記移動体の下方の流速と、前記スキャナー装置により取得した水中の地形データと、に基づき、前記表面流速係数を変更することがより好ましい。測量水域の地形データも同時に取得することで、より正確な計算結果を得ることができる。
【0015】
また、本発明の測量システムは、前記移動体が無人航空機であってもよい。移動体が3次元空間を自在に移動できることで、例えば、危険な水域への移動や着水を人手を介さず安全に行うことができるようになる。また、水面上では迂回・回避することのできない構造物や浮遊物等を、飛行して迂回・回避することができるようになる。
【0016】
このとき、前記第2計測手段は、前記移動体に搭載され、該移動体周辺の水面を撮影する撮影手段を含み、前記移動体は、浮遊物が所定の距離まで機体に接近したことが撮影されたときに、自動的に離水してその浮遊物を回避する、衝突回避手段を備えることが好ましい。例えば洪水時の河川では、流木などとの衝突により移動体が損傷するおそれがある。移動体を無人航空機とし、撮影手段によって機体周辺の浮遊物を監視することで、浮遊物との衝突を自動的に回避することが可能となる。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明の河川測量方法は、本発明の移動体を河川の上流から下流に向けて、該河川の水流に乗せて流す工程を含むことを要旨とする。これにより、河川の縦横断面の流速分布を、実測値に基づいて連続的に計測することができる。
【0018】
また、本発明の河川測量方法は、複数の前記移動体を、河川の川幅方向における位置をずらして配置し、河川の上流から下流に向けて、該河川の水流に乗せて流す工程を含んでもよい。これにより、大規模河川の測量に要する時間を短縮することができる。
【0019】
また、本発明の河川測量方法は、前記移動体が無人航空機であり、前記移動体が前記河川を所定の位置まで下ったときに、自動的に離水および飛行して、その位置よりもさらに下流の他の位置に着水する工程を含むことが好ましい。これにより、操縦者の立会の必要性や、操縦者に要求される操縦スキルが緩和され、河川の測量をより安全かつ容易に実施することができる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明の測量システム及び河川測量方法によれば、河川等の水域の縦横断面の流速分布やその流量をより実態に即して計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】マルチコプター12の斜視図である。
図2】測量システム10の全体構成を示すブロック図である。
図3】FC/BC20が備える自動操縦機能を示すブロック図である。
図4】測量システム10により河川の縦横断面の流速分布とその流量を算出する方法を説明する模式図である。
図5】本形態における水面流速の画像解析手法の具体例を示す模式図である。
図6】撮影手段の他の例を示す模式図である。
図7】マルチコプター12が河川の水流に乗って河川を下る様子を示す模式図である。
図8】複数機のマルチコプター12が河川の水流に乗って河川を下る様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する測量システム10、及び河川測量方法は、無人航空機であるマルチコプター12を河川の水流に乗せて流し、機体下方の層別の流速分布、機体周辺の水面流速、及び河道形状を実測し、これらの実測値を基に、河川の縦横断面の流速分布・平均流速と流量とを算出することをその主たる特徴としている。以下、この特徴とこれに付随する他の特徴について実施形態を通して説明する。尚、以下の説明における「測量」とは、流速や、河道形状(地形)、流量、又は水位等を計測することをいい、測量法に定義される「測量」が意味する範囲には限られない。また、以下の説明においては、静止画像だけでなく、「動画」や「映像」、つまり連続した静止画像のことも「画像」という。
【0023】
<測量システム概要>
図1はマルチコプター12の斜視図、図2は測量システム10の全体構成を示すブロック図である。以下、図1及び図2を参照して測量システム10の概要について説明する。
【0024】
図1に示すように、本形態のマルチコプター12は、平面視放射状に延びる6本のアームと、これらの先端に固定されたロータ12とを備える、いわゆるヘキサコプタである。マルチコプター12は、その機体を水面に浮かべる一対の浮き舟型のフロート50を備えており、各フロート50には、水面上でマルチコプター12を移動させるための一対のスラスタ42が固定されている。また、マルチコプター12の胴体の下には、着水後に機体下方の流速分布を取得する超音波ドップラー流速計であるADCPユニット70と、河道の地形(河道の断面形状)を取得するスキャナー装置であるソナーユニット80が取り付けられている。また、マルチコプター12の機外には2基のGNSS(Global Navigation Satellite System)装置であるGPSレシーバ31(以下、単に「GPS31」という。)が配置されている。
【0025】
図2に示すように、本形態の測量システム10は、主に、解析装置11とマルチコプター12により構成されている。解析装置11とマルチコプター12とはインターネットを介して接続されている。また、本形態では測量システム10のオペレータ端末19もインターネットを介して各装置に接続されている。
【0026】
(マルチコプター)
本形態のマルチコプター12は、制御装置であるフライトコントローラ/ボートコントローラ20(以下「FC/BC20」という。)、FC/BC20に接続されたGPS31、RTKレシーバ32、ロータ41、スラスタ42、及び撮影手段である全方位カメラ60(以下、単に「カメラ60」という。)、並びに、ADCPユニット70、ソナーユニット80、そしてフロート50により構成されている。本形態のFC/BC20は、IMU(Inertial Measurement Unit)や、気圧センサ、方位センサ(電子コンパス)等を含んでいる。
【0027】
FC/BC20は、後述する種々の自動操縦プログラムや、オペレータ端末19からの指示に応じてロータ41及びスラスタ42を駆動し、マルチコプター12を飛行・航行させる。本形態の測量システム10では、マルチコプター12がスラスタ42を備えていることにより、マルチコプター12を用いた河川測量の自由度や柔軟性、安全性が高められている。尚、ここでいう「航行」とは、マルチコプター12が水面上を移動することを意味している。本形態のマルチコプター12は、空中を移動するための推力源である6基のロータ41と、水面上を移動するための推力源である2基のスラスタ42とを備えており、FC/BC20は、ロータ41で空中を移動する「飛行モード」と、スラスタ42により水面上を移動する「航行モード」とを自動で、又はオペレータ端末19からの指示により切り替えることができる。オペレータは、マルチコプター12が有視界内にあれば目視で、目視外ではカメラ60から転送された画像を頼りに、マルチコプター12を遠隔操縦することができる。
【0028】
RTKレシーバ32は、GPS31が取得した経緯度値や高度値の補正情報を取得するRTK装置である。本形態のRTKレシーバ32は、LTE(Long Term Evolution)回線を通して、インターネット上のサービスとして提供されている補正情報を取得する。これにより本形態の測量システム10では、RTK基地局(固定局)を測量地点の周囲に都度設置する手間がなく、また、RTKレシーバ32と各RTK基地局との距離の制約も緩やかとなり、より迅速・簡便かつ広範な測量を実施することができる。尚、RTKレシーバ32は、LTE回線のほか、5Gや3G、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)など、他の移動体通信網を利用してもよい。また、本形態ではGNSS装置としてGPSを採用しているが、これは、例えばGLONASSやGalileo、みちびき(準天頂衛星システム)、又はCOMPASS(北斗衛星測位システム)等の受信器であってもよい。
【0029】
ここで、本形態のFC/BC20は、例えばマルチコプター12が着水した後など、ロータ41が停止した後も、GPS31とRTKレシーバ32を作動させ続ける。水面上のマルチコプター12の移動速度はGPS31の経緯度情報から算出することができる。
【0030】
カメラ60は、マルチコプター12の機体上方に支持され、機体の側方と上方とを半球形状に撮影する、いわゆる360°カメラ・天球カメラである。カメラ60の撮影画像は解析装置11やオペレータ端末19に送信されるとともに、FC/BC20(後述する画像解析プログラム231)にも入力される。
【0031】
ADCPユニット70は、水中に音波を発し、水流とともに移動する散乱体(懸濁物質等)のドップラーシフト量を計測することで、水深に応じた各層の流速分布を取得する装置である。ADCPユニット70は独自の電子コンパスやIMUを備えることもある。
【0032】
本形態のADCPユニット70は配向角度の異なる3つ以上の探触子を備えている。ADCPユニット70は、これら探触子の配置角度に基づき三角法を適用することで、探触子で計測された一次元流速を三次元流速に変換する。また、本形態のADCPユニット70は、DVL(Doppler Velocity Log)として使用することもできる。すなわち、マルチコプター12から水底に向けて音波を発し、水底からの反射波のドップラーシフト量から、マルチコプター12の対地速度を計測することもできる。つまり水面上のマルチコプター12の移動速度を取得することもできる。
【0033】
ソナーユニット80は、マルチビーム音響測深装置(いわゆるマルチビームソナー)であり、異なる周波数の音波ビームを水中に扇状に送信し、それらの反射波を受信することで河川の地形データを取得する。
【0034】
ソナーユニット80は、複数のソナーが配列された送信部、反射波を受信する受信部、専用のIMU、及び表層音速度計等を備えるユニットである。超音波による計測は、光学カメラやグリーンレーザーに比べて濁度による影響を受けにくく、困難な条件下でもより精度の高い地形データを得ることができる。尚、マルチコプター12に搭載するスキャナー装置は、マルチコプター12の着水後に水中の地形データを取得できるものであればよく、ソナーユニット80には限られない。例えば透明度が高く静止した水域のみを測量するのであれば、光学カメラやレーザーを用いたスキャナー装置であっても地形データは取得できると考えられる。
【0035】
(解析装置)
本形態の解析装置11は、サーバコンピュータやPC、又は専用のコンピュータ装置である。解析装置11は1台の装置であってもよく、複数台の装置を組み合わせたものであってもよい。また、オペレータ端末19の操縦端末に解析装置11の機能をもたせてもよい。
【0036】
本形態の解析装置11は、ADCPユニット70からマルチコプター12下方の流速分布(又はその元となるデータ)を、カメラ60から機体周辺の水面画像を、ソナーユニット80から地形データを取得する。また、本形態の解析装置11は、GPS31の出力情報をRTKレシーバ32の補正情報で補正した経緯度値・標高値も取得している
【0037】
そして、詳しくは後述するが、解析装置11は、マルチコプター12から受信した種々の実測値を基に、マルチコプター12が移動した流域における縦横断面の流速分布と流量とを算出する。本形態の測量システム10は、マルチコプター12やその搭載機器が取得したデータを収集・解析・統合することに特化した構成(解析装置11)を備えていることにより、測量システム10の負荷や機能がシステム全体において適切に分散されている。また、解析装置11には測量結果が蓄積され、蓄積された情報は河川事業者や研究者等と広く共有される。尚、測量システム10にとって独立した解析装置11は必須ではなく、解析装置11が有する機能をマルチコプター12にもたせてもよい。
【0038】
(自動操縦機能)
図3は、FC/BC20が備える自動操縦機能を示すブロック図である。本形態のマルチコプター12は、その自動操縦機能として、自律飛行プログラム21、自律航行プログラム22、衝突回避プログラム23、画像解析プログラム231、ヘディング制御プログラム24、及び飛行迂回プログラム25を備えている。以下、FC/BC20が備える各自動操縦機能について説明する。
【0039】
自律飛行プログラム21は、事前に用意されたフライトプラン(飛行計画)に沿ってマルチコプター12を自動的に飛行させる機能である。フライトプランは、地図データ上で指定された離陸(離水)地点、着陸(着水)地点、飛行ルートを構成する一又は複数の経由地点(ウェイポイント)、各ウェイポイントにおける飛行高度、各ウェイポイント間の飛行速度等のパラメータを含むデータである。
【0040】
自律航行プログラム22は、事前に用意されたクルーズプラン(航行計画)に沿ってマルチコプター12を水面上で自動的に移動させる機能である。クルーズプランは、地図データ上で指定された始点、終点、航行ルートを構成する一又は複数のウェイポイントを含むデータである。自律航行プログラム22は、河川の水流に乗って河川を下るマルチコプター12が、航行ルートに沿って移動するよう、スラスタ42を自動的に操作する。
【0041】
衝突回避プログラム23及び画像解析プログラム231は、航行モードにおいて、マルチコプター12が水面上の浮遊物や周辺物に衝突することを防止する機能である。画像解析プログラム231はカメラ60の撮影画像を基に、マルチコプター12の機体とその周辺物との位置関係を特定する。衝突回避プログラム23は、画像解析プログラム231の解析結果を基に、マルチコプター12とその周辺物との距離が所定の間隔以下にならないよう、また航行ルートからできるだけ逸脱しないよう、スラスタ42を自動的に操作する。そして、例えば流木などの浮遊物が所定の距離まで機体に接近したことが撮影されたときには、自動的に離水してその浮遊物を回避する。尚、衝突回避プログラム23は、マルチコプター12の機体からその側方(水平方向)に向けられた測距センサ、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)や、一又は複数の超音波測距センサ、レーザー測距センサ、ステレオカメラ、深度カメラ、ミリ波レーダー等をさらに用いることもできる。カメラ60のみでは周辺物との距離がつかめないときは、これらのセンサを併用してもよい。
【0042】
ヘディング制御プログラム24は、FC/BC20が備える電子コンパスにより、機体のヘディング(機首)方向、すなわちソナーユニット80の向きを制御する機能である。本形態のヘディング制御プログラム24は、クルーズプランの航行ルートに沿って、ソナーユニット80のソナー配列方向を、進行方向に対して交差(できるだけ直交)する向きに維持するよう、スラスタ42を自動的に操作する。
【0043】
飛行迂回プログラム25は、河川の水流に乗って河川を下るマルチコプター12が、例えば取水堰や堰堤など、すり抜けることができない構造物を飛行して迂回する機能である。飛行迂回プログラム25は、マルチコプター12が河川を所定の位置まで下ったときに、マルチコプター12を自動的に離水および飛行させて、その位置よりもさらに下流の他の位置に着水させる。本形態では、飛行迂回プログラム25の離水点や着水点、これら2点間の飛行高度等は、クルーズプランのウェイポイントに指定する。
【0044】
このように、本形態の測量システム10は種々の自動操縦機能を備えており、経験の浅いオペレータ端末19や、目視外における測量であっても、一定水準以上の品質の測量を行うことができる。
【0045】
<流速分布および流量の算出方法>
図4は、測量システム10により河川の縦横断面の流速分布とその流量を算出する方法を説明する模式図である。
【0046】
これまでに述べたように、測量システム10は、マルチコプター12の機体下方の流速分布を計測する手段である第1計測手段、機体周辺の水面流速を計測する手段である第2計測手段、及び、機体の移動速度を計測する手段である第3計測手段を備えている。そして、本形態の測量システム10は、これらに河川の地形データを組み合わせて、河川の縦横断面の流速分布とその流量を算出する。
【0047】
(第1計測手段)
測量システム10では、図4(a)に示すように、マルチコプター12の機体下方(図示A)の、深さに応じた層別の流速分布がADCPユニット70(及び解析装置11)により実測される。
【0048】
(第2計測手段)
マルチコプター12のカメラ60は、機体の側方と上方を半球形状(図示C)に撮影しており、その画角には河川の水面SFも含まれている。マルチコプター12は、カメラ60で撮影した画像の全て、又はそこから水面部分のみを切り出して解析装置11に送信する。解析装置11は、受信した画像に基づいて機体周辺の水面流速を算出する。
【0049】
尚、本形態における水面流速の画像解析には、STIVを応用した手法が用いられている。図5は、その具体例を示す模式図である。図5(a)は、解析装置11に送信された画像の一部を切り抜いた模式図、図5(b)はSTIVによる流速計算の概要を説明する図である。以下、図5を参照して本形態における水面流速の解析方法について説明する。
【0050】
まず、カメラ60が撮影した半球範囲の画像は、公知の手段によりその一部を平面画像として切り出すことができる。図5(a)の模式図はその切り出された画像の一例である。STIVによる流速計算では、一般に、斜め上から撮影された水面画像を真上からみた画像に補正するため、撮影水域の手前側(カメラ側)の岸とその対岸に、実空間における位置座標が既知の標定点Pが設置される。本形態では河川の両岸に標定点Pが設置されている(図4(a)参照)。
【0051】
そして、本形態のマルチコプター12には、この標定点に適したマークが表示された標定部71が機体に固定されており、この標定部71は被写体として撮影画像の中に映り込んでいる。マルチコプター12に固定された標定部71、つまりカメラ60の位置に対する相対的な位置座標が既知の標定部71を設け、これをその撮影画像の中に含めることで、標定部71をカメラ側の標定点とすることができる。尚、標定部71は本形態のものには限られず、マルチコプター12の機体との相対位置が固定され、撮影画像に映り込む位置にあるものであれば、例えばマルチコプター12のフロート50の端など、任意の部位でこれを代替することもできる。
【0052】
そして、図5(a)の一点鎖線で囲んだ枠はSTIVにおける検査線の例であり、枠内の黒い丸は波紋等の輝度値の特徴である。図5(b)に示すように、STIVでは、輝度値の特徴部分の位置変化を時系列に並べ、その位置の推移を直線として表したときの勾配θから表面流速を算出する。
【0053】
尚、本形態では水面の撮影手段としてカメラ60が採用されているが、これは、マルチコプター12から岸側の標定点Pを撮影する一又は複数台のビデオカメラ等であってもよい。
【0054】
図6は、撮影手段の他の例を示す模式図である。本形態では水面を撮影するためのカメラ60をマルチコプター12自体に搭載されているが、撮影手段の態様はこれに限られない。例えば図6に示すように、測量対象の水域に沿って予め固定カメラ91を設置しておき、この固定カメラ91の画像からマルチコプター12周辺の水面流速を計測していもよい。固定カメラ91を用いたSTIVにはすでに多くの実績や知見があり、水面流速の計測精度をより高めることができる。或いは、カメラを搭載したいわゆるドローン92で、別途上空から水面を撮影してもよい。測量対象の水域を真上から撮影することで、撮影画像の平面化における画像の劣化や誤差が減少し、水面流速の計測精度をより高めることができる。さらには、本発明の第2計測手段は、マルチコプター12周辺の水面流速を計測できるものであればよく、画像解析を用いたものには限られない。例えば電波を用いて表面流速を計測する手法を採用することも考えられる。
【0055】
(第3計測手段)
上でも述べたように、マルチコプター12の水面上の移動速度を計測する方法としては、GPS31の経緯度情報を用いた方法と、ADCPユニット70を用いた方法とがある。これはどちらが採用されてもよい。
【0056】
(地形データ取得手段)
図4に戻って地形データの取得方法について説明する。本形態のマルチコプター12はソナーユニット80を備えており、ソナーユニット80により河川の地形データを取得することができる。図4(b)に示すように、ソナーユニット80は、設定されたスワス幅Sにわたって扇状に音波ビームを送信し、河道TPの地形を表す点群データを取得する。ソナーユニット80のスワス幅Sを180°以上に設定すれば、川幅方向の全体にわたる断面形状を取得することもできる。
【0057】
(算出方法)
解析装置11は、マルチコプター12から種々の実測データ(以下、「実測データセット」ともいう。)を取得し、リアルタイムで解析・算出を行う。より具体的には、解析装置11は、まず、マルチコプター12の機体下方の層別の流速分布を実測し、機体周辺の水面流速を実測する。そして、これにマルチコプター12の移動速度を加味して、つまり実測した流速にマルチコプター12の移動速度を足したり、或いは引いたりして、実際の流速を算出する。
【0058】
そして、上記流速と河道の地形データとに基づき、マルチコプター12周辺の水域の深さ方向における流速分布を求める。より具体的には、上記実測データセットの取得位置における河川横断面の流速分布を算出する。さらに具体的には、その横断面の川幅方向における各水域の水面流速から、その各水域の深さ方向における平均流速を求める校正係数を表面流速係数というときに、解析手段11は、上記実測データセットに基づいて、この表面流速係数を調節する。そして、この表面流速係数を調節しながら、マルチコプター12の移動方向に沿って連続的に横断面の平均流速を求めることで、河川の縦断方向の流速分布を特定する。
【0059】
一般に、河川の表面流速係数には0.85が使用される。しかし、流況や河川形状によっては、この表面流速係数による計算結果が実態と乖離することがある。本形態の測量システム10では、マルチコプター12により実測されたデータセットに基づいてこの表面流速係数を調節することで、より実態に即した計算結果を得ることができる。すなわち、本形態の測量システム10では、マルチコプター12周辺の水域の水面流速に対して、固定値(0.85)ではない、つまり変動値である表面流速係数を適用して、平均流速を求めるということである。河川の横断面における平均流速が求められたら、以下の式により流量を計算することができる。

流量Q(m/s)=流速V(m/s)×断面積A(m

本形態でいう「流量」とは、所定の単位時間に河川のある横断面を流過する水の体積を意味している。河川の流量は、流速と横断面の断面積とを掛け合わせることで算出される。測定単位は、立方メートル毎秒(m/s)である。
【0060】
上でも述べたように、本形態の解析装置11には測量結果が蓄積され、その測量結果は広く河川事業者や研究者等に共有される。測量システム12が様々な流況、河川形状において繰り返し使用され、その測量結果が蓄積されていくことで、実測値と算出結果の齟齬等から、河川の流速分布に影響を与える要因が次第に詳らかになっていく。またそれら要因の程度に応じた影響度も次第に定量化されていく。すなわち、測量システム12が使用され続けていくことで、河川の長距離にわたる流速分布と流量の算出精度が向上していく。現時点で予想される表面流速係数の調節パラメータとしては、例えば、機体下方の流速分布と水深、機体周辺の水面流速と風向・風速、河川縦横断面の連続した地形変化・水底の粗度、機体の移動速度などが考えられる。また、現時点で予想される表面流速係数の調整アルゴリズムとしては、機体下方の流速分布と地形とに基づき、上記各パラメータの値から水面流速と水中平均流速との差を予測し、差が小さいようであれば係数を大きく、差が大きいようでれあれば係数を小さくすること考えられる。つまり、表面流速係数を調整する具体的なパラメータや変数、アルゴリズム等は、現時点では最良とはいえず、使用を重ねるにつれて改良されていく。
【0061】
尚、本形態ではマルチコプター12により地形データが取得されているが、仮に地形データが取得できなかったとしても、つまり、第1-第3計測手段のみによる場合でも、従来の表面流速係数(0.85)を単に適用するよりも、実態に即した流速分布と流量を求めることができる。
【0062】
<河川測量方法>
図7及び図8は、マルチコプター12が河川の水流に乗って河川を下る様子を示す模式図である。図7及び図8を参照して測量システム10による河川測量方法について説明する。
【0063】
測量システム10で河川を測量する際には、まず、図7に示すように、マルチコプター12を河川の水面に浮かべる。クルーズプランの始点までは、飛行して移動してもよく、航行して移動してもよい。マルチコプター12が水面に浮かべられると、FC/BC20はマルチコプター12を飛行モードから航行モードへ切り替える。上でも述べたように、FC/BC20はマルチコプター12を航行モードへ切り替えた後(ロータ41を停止した後)も、GPS31やRTKレシーバ32を稼働させ続ける。航行モードに切り替えられたマルチコプター12はADCPユニット70やソナーユニット80による水中のスキャンを開始する。
【0064】
河川に浮かべられたマルチコプター12は、河川の水流に乗って河川を下っていく。自律航行プログラム22はマルチコプター12がクルーズプランの航行ルートR1に沿って河川を下るよう、スラスタ42を自動的に操作する。マルチコプター12が航行ルートR1から逸脱した場合には、河川を下りながら徐々に航行ルートR1に復帰する(R3)。このときも、ヘディング制御プログラム24は、ソナーユニット80のソナー配列方向が航行ルートR1の進行方向に対して交差した状態を極力維持するようヘディング方向を制御する。航行ルートR1の途中にあるすり抜け不能な構造物である取水堰B1は、マルチコプター12がその所定の位置まで河川を下ったときに、飛行迂回プログラム25により飛行して迂回する(R2)。航行ルートR1の途中にある橋脚B2は、画像解析プログラム231がこれを検知し、衝突回避プログラム23がこれを必要最小限の逸脱ですり抜ける(R4)。
【0065】
ここで、河川はその川幅方向の位置によって流速が異なることがある。例えば、河川が直線状に流れているところでも、水深の深い区域では、川幅方向に並んだ2本のらせん流の影響で、河川中央の流速が両岸側の流速よりも早くなる。また、河川の水かさが増えていくときには、河川中央の水位が高くなり、水面上に中央から両岸側に向かう流れが生じる。河川の水かさが減っていくときには、逆に、河川中央の水位が低くなり、水面上に両岸側から中央に向かう流れが生じる。また、河川が曲がっている区域では、その曲線部分の外側の流速が内側の流速よりも早くなる。そして、水深のある浮遊物体は、流速が最も早くなる方向を向いていればおのずと流速が早い方へ誘導される。そのため、河川における最も流速の早いコースに沿ってマルチコプター12を流せば良い場合、自動操縦機能に指定する経緯度値は、橋梁などの障害物を迂回するのに十分な精度があれば足りると考えられる。
【0066】
図8に示すように、川幅の大きな河川の場合には、複数のマルチコプター12を川幅方向における位置をずらして配置し、それぞれを河川の水流に乗せて流してもよい。これにより、大規模河川の測量に要する時間を短縮することができる。また、一基のソナーユニット80のスワス幅を広く設定するよりも、スワス幅を狭めた二基のソナーユニット80で地形をスキャンした方が、いわゆるオクルージョン領域やシャドウ領域のような、ビームの届かない遮蔽領域を減らすことができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では水面上を移動可能な移動体として無人航空機が採用されているが、移動体は無人ボートであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
10:測量システム,11:解析装置(解析手段),12:マルチコプター(無人航空機,移動体),19:オペレータ,20:フライトコントローラ/ボートコントローラ,21:自律飛行プログラム,22:自律航行プログラム,23:衝突回避プログラム(衝突回避手段),231:画像解析プログラム,24:ヘディング制御プログラム,25:飛行迂回プログラム,31:GPSレシーバ,32:RTKレシーバ,41:ロータ,42:スラスタ,50:フロート,60:全方位カメラ(撮影手段),70:ADCPユニット(超音波ドップラー流速計),71:標定部,80:ソナーユニット(スキャナー装置),91:固定カメラ,92:ドローン,TP:河道,SF:水面,B1:橋脚,B2:取水堰,R1:指定ルート,R2:飛行迂回ルート,R3:復帰ルート,R4:衝突防止ルート,P:標定点
【要約】
【課題】河川等の水域の縦横断面の流速分布やその流量をより実態に即して計測可能とする。
【解決手段】水面上を移動可能な移動体と、前記移動体の下方の流速を計測する第1計測手段と、前記移動体周辺の水面流速を計測する第2計測手段と、前記移動体の移動速度を計測する第3計測手段と、を備える測量システム、及び、本発明の移動体を、河川の上流から下流に向けて、該河川の水流に乗せて流す工程を含む河川測量方法によりこれを解決する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8