(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】データ処理システム、データ処理方法、データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240801BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240801BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240801BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2022023286
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2021025855
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】元垣内 広毅
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205326(JP,A)
【文献】特開2017-068708(JP,A)
【文献】特開2018-124899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G07C 5/00
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した合成結果を出力する出力部と、
を備え、
前記合成方法特定部は、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定し、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定する。
【請求項2】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した結果を出力する出力部と、
を備え、
前記合成方法特定部は、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定し、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定する。
【請求項3】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した合成結果を出力する出力部と、
を備え、
前記移動体情報特定部は、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定し、
前記合成方法特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて、合成方法を特定し、
前記移動体情報特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定する。
【請求項4】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した結果を出力する出力部と、
を備え、
前記移動体情報特定部は、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定し、
前記合成方法特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて、合成方法を特定し、
前記移動体情報特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定する。
【請求項5】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した合成結果を出力する出力部と、
を備え、
前記合成方法特定部は、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定し、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定し、
前記移動体情報特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定し、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定する。
【請求項6】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した結果を出力する出力部と、
を備え、
前記合成方法特定部は、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定し、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定し、
前記移動体情報特定部は、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定し、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定する。
【請求項7】
請求項
1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理システムは、
前記少なくとも一つの合成方法の候補を含む、複数の合成方法の候補を表示する表示部と、
前記表示された複数の合成方法の候補から一つを選択する前記ユーザ入力を受け付ける入力受付部と、
を備え、
前記表示部は、前記少なくとも一つの合成方法の候補を、他の合成方法の候補とは異なる態様で表示する。
【請求項8】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した合成結果を出力する出力部と、
を備え、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択する選択部を更に備え、
前記移動体情報特定部は、前記選択された区分に基づいて、分析処理に関する移動体情報を特定し、
前記出力部は、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力する。
【請求項9】
データ処理システムであって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積する記憶部と、
合成方法を特定する合成方法特定部と、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得する取得部と、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、及び、
前記取得した結果を出力する出力部と、
を備え、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択する選択部を更に備え、
前記移動体情報特定部は、前記選択された区分に基づいて、分析処理に関する移動体情報を特定し、
前記出力部は、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力する。
【請求項10】
請求項
8又は9に記載のデータ処理システムであって、
前記移動体情報は、位置情報を含み、
前記分析結果は、前記分析処理に関する移動体情報に含まれる位置情報に基づいて算出される、天気に関する傾向の情報を含む。
【請求項11】
請求項
8又は9に記載のデータ処理システムであって、
前記移動体情報は、積載量情報を含み、
前記分析結果は、前記分析処理に関する移動体情報に含まれる積載量情報に基づいて算出される、積載量に関する傾向の情報を含む。
【請求項12】
請求項
8又は9に記載のデータ処理システムであって、
前記分析結果は、前記分析処理に関する移動体情報に含まれる時間情報に基づいて算出される、連続運転時間に関する傾向の情報を含む。
【請求項13】
請求項
8又は9に記載のデータ処理システムであって、
前記分析結果は、前記分析処理に関する移動体情報が取得された時間帯に関する傾向の情報を含む。
【請求項14】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記合成方法を特定することは、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することと、を含む。
【請求項15】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記合成方法を特定することは、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することと、を含む。
【請求項16】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記移動体情報を特定することは、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定することを含み、
前記合成方法を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて行われ、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定することを含む。
【請求項17】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記移動体情報を特定することは、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定することを含み、
前記合成方法を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて行われ、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定することを含む。
【請求項18】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記合成方法を特定することは、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することを含み、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定することを含む。
【請求項19】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を含み、
前記合成方法を特定することは、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することを含み、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定することを含む。
【請求項20】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択することと、
を含み、
前記移動体情報を特定することは、前記選択された区分に基づいて行われ、
前記出力することは、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力することを含む。
【請求項21】
データ処理システムにおけるデータ処理方法であって、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択することと、
を含み、
前記移動体情報を特定することは、前記選択された区分に基づいて行われ、
前記出力することは、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力することを含む。
【請求項22】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記合成方法を特定することは、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することと、を含む。
【請求項23】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記合成方法を特定することは、
前記特定された合成処理に関する複数の移動体情報に基づいて、少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、
前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することと、を含む。
【請求項24】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記移動体情報を特定することは、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定することを含み、
前記合成方法を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて行われ、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定することを含む。
【請求項25】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記移動体情報を特定することは、前記合成処理に関する複数の移動体情報の一部を特定することを含み、
前記合成方法を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部に基づいて行われ、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報を特定することを含む。
【請求項26】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記合成方法を特定することは、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することを含み、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定することを含む。
【請求項27】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記合成方法を特定することは、前記合成処理に関する少なくとも一つの合成方法の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの合成方法の候補の中から、ユーザ入力により選定された合成方法の候補を前記合成処理に関する合成方法として特定することを含み、
前記移動体情報を特定することは、前記特定された複数の移動体情報の一部と、前記特定された合成方法に基づいて、前記合成処理に関する複数の移動体情報における残りの移動体情報の少なくとも一つの残りの移動体情報の候補を特定することと、前記特定された少なくとも一つの残りの移動体情報の候補の中から、ユーザ入力により選定された残りの移動体情報の候補を、前記合成処理に関する複数の移動体情報の残りの移動体情報として特定することを含む。
【請求項28】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた加速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる加速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記加速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の加速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記移動体情報を特定することは、前記選択された区分に基づいて行われ、
前記出力することは、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力することを含む。
【請求項29】
データ処理システムに、
時間情報と紐づけられた速度情報を含む移動体情報を蓄積することと、
合成方法を特定することと、
前記蓄積された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる速度情報を、所定の区分に基づいて割り当てることと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎における前記速度情報の頻度を取得することと、
前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について取得された、前記所定の区分毎の速度情報の頻度に対し、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得することと、及び、
前記取得した合成結果を出力することと、
前記出力部により出力された内容に対し、少なくとも1つの区分を選択することと、
を実行させる、プログラムであって、
前記移動体情報を特定することは、前記選択された区分に基づいて行われ、
前記出力することは、前記分析処理に関する移動体情報の分析結果を出力することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の情報の分析に関するデータ処理システム、データ処理方法、データ処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが利用する移動体(特に限定されないが、例として、自動車、自転車、飛行機、ヘリコプター、ドローン、船舶等の機器のほか、概念として徒歩も含む)についての情報、例えば、加速度、速度、位置情報、角速度等を取得して、何らかの分析に用いたいという需要がある。例えば、これら情報に基づいての移動体の運転評価や、移動体が通過する道路の評価等をしたいという社会的需要があり、特許文献1には、車両に設置された各種センサ類からカーナビゲーション装置を介して収集された車両の挙動データとして、加速度に関する時系列情報を元に統計情報を生成する運転診断システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、運転内容等の評価を行うにあたっては、十分に簡便なツールが提案されておらず、移動体の利用者または管理者自身がその分析の一部または全部を行う必要があった。特に、分析対象となる移動体が複数ある場合、それら複数の移動体を一体としてまたは組み合わせて分析することは専門家でなければ困難であった。
【0005】
本発明の目的は、移動体に関する分析情報を簡易に取得可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、時系列的に取得される移動体情報を時間情報と紐づけて記憶する記憶部と、合成方法を特定する合成方法特定部と、前記記憶された移動体情報から、合成処理に関する複数の移動体情報を特定する移動体情報特定部と、前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々に含まれる特徴量情報を、所定の区分に基づいて割り当てる割当部と、前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々について、前記所定の区分毎の前記特徴量情報の頻度又は発生確率を取得する取得部と、前記合成処理に関する複数の移動体情報の各々における、前記取得された所定の区分毎の特徴量情報の頻度又は発生確率に対して、前記特定された合成方法を適用した合成結果を取得する合成結果取得部と、前記取得した合成結果を出力する出力部と、を備える、データ処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体に関する分析情報を簡易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態にかかるデータ処理装置を備える車両、及び車両の走行に伴い生じる加速度の収集結果を示す図である。
【
図2】本実施形態にかかるデータ処理装置とサーバとの間の通信の説明図である。
【
図3】本実施形態におけるデータ処理のフローチャートである。
【
図6】サーバに記憶されたデータの分析結果の表示に用いられるインタフェースの一例である。
【
図7】サーバに記憶されたデータの分析結果の表示に用いられるインタフェースの別の一例である。
【
図8】
図7における領域406の拡大図であり、一移動体についての加速度情報を分析した結果の表示例である。
【
図9】
図7における領域501に対応する加速度が取得された状況を選択可能な態様でリスト表示したものである。
【
図10】領域501に対応する加速度が取得された状況のうちの一つにつき詳細表示したものである。
【
図11】本実施形態における加速度分布の合成処理のフローチャートである。
【
図12】合成対象の一部、及び合成方法を特定することで、残りの合成対象を特定する場合において、合成対象の一部を特定する際に表示されるインターフェースの一例である。
【
図13】合成対象の一部、及び合成方法を特定することで、残りの合成対象を特定する場合において、合成対象の一部を特定した後に合成方法を特定する際に表示されるインターフェースの一例である。
【
図14】合成対象の一部、及び合成方法を特定することで、残りの合成対象を特定する場合において、合成対象の一部及び合成方法を特定した後に表示されるインターフェースの一例である。
【
図16】複数の移動体についての加速度情報を分析した結果の表示例である。
【
図17】複数の移動体についての加速度情報のうち、一条件下で限定し分析した結果の表示例である。
【
図18】表示された加速度分布に対しての選択領域パターンを示した例である。
【
図19】
図18において選択されたある領域に対応する加速度が取得された状況を選択可能な態様でリスト表示し、その右側に及びそれらの傾向や共通点を表示した例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0010】
本実施形態の概要について説明する。
図1は、移動体情報の収集対象である車両と、当該車両の走行に伴い生じる加速度情報を本実施形態におけるデータ処理装置によって収集し図示化した結果を示す図である。
【0011】
図1は、車両(「移動体」の一例)を上方から見たときの平面図、及び車両の走行に伴い生じる加速度情報の収集結果を累積的に示したものである。
図1上部の各符号の定義は、以下のとおりである。
・「FR」は、車両の進行方向(FR-RR方向)に沿って前方を示している。
・「RR」は、車両の進行方向(FR-RR方向)に沿って後方を示している。
・「LS」は、車両の進行方向(FR-RR方向)を基準として左側を示している。
・「RS」は、車両の進行方向(FR-RR方向)を基準として右側を示している。
・「RP」は、車両の進行方向(FR-RR方向)と、車両の進行方向(FR-RR方向)に直交する横方向(LS-RS方向)と、によって規定される平面(以下「基準平面」という)を示している。
【0012】
図1下部は、基準平面RP内の加速度の大きさを、原点からの距離を用いて表している。
基準平面RP内の方向を、予め定めた方向(たとえば進行方向(FR-RR方向))からの角度を用いて表している。
基準平面RP内のプロット数又は密度を、濃淡を用いて表している。
【0013】
本実施形態では、このように収集された加速度情報などのセンシングデータに対して、データ内容に応じた処理を施してから、データ処理装置210と接続されているサーバ230に送信する。
【0014】
本実施形態のデータ処理装置210とサーバ230との間の通信について説明する。
図2は、本実施形態にかかるデータ処理装置210とサーバ230との間の通信の説明図である。
【0015】
データ処理装置210は、たとえば自動車のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、自動車の車両内に固定することができる。電気供給用ソケット又は接続用ソケットは、たとえばUSB(Universal Serial Bus)をサポートするソケットである。無論、データ処理装置210はかかるものに限定されず、例えば、ドライブレコーダーや、その他任意のIoT機器などであってよく、それらが単体で、または複数の機器を組み合わせることで、後述するデータ処理装置210の各構成要素を備えていれば、どのような態様で車両に備えられてもよい。データ処理装置210は、携帯端末220を介して、または直接にサーバ230と接続される。なお、データ処理装置210はスマートフォン等の機器であってもよい。この場合、例えば、後述する携帯端末220にデータ処理装置210の機能が含まれていてもよい。この場合、例えば、加速度情報は後述する位置情報取得部212によって取得される位置情報から算出されることとしてもよい。
データ処理装置210は、
図1の車両に関するデータである移動体情報を収集するように構成される。
【0016】
携帯端末220は、車両に乗車するユーザ(例えば、運転者)により保持される等により、車両の内部または近傍に存在する機器である。携帯端末220は、データ処理装置210とサーバ230との間の通信を制御するように構成される。携帯端末220は、たとえばスマートフォン又はタブレットである。前述したように、データ処理装置210は、携帯端末220を介さずに、サーバ230と通信を行うこととしてもよい。
【0017】
サーバ230は、少なくとも1つのデータ処理装置210によって収集されたデータを記憶し処理する。さらに、記憶したデータに基づくデータ処理の結果を外部の装置、例えば車両管理者が利用する装置に提供するように構成される。
【0018】
本実施形態のデータ処理装置210の構成を説明する。
【0019】
図2に示すように、データ処理装置210は、例えば、加速度情報取得部211と、位置情報取得部212と、時間情報取得部213と、処理部214と、通信部215を備え、データ処理装置210が備えられた車両に関する情報である移動体情報を取得するよう構成される。
加速度情報取得部211は、車両の加速度を取得するものであり、例えば、圧電型加速度センサによって加速度を取得するように構成される。なお、後述する位置情報取得部212によって取得される位置情報や、不図示の速度情報取得部によって取得される速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよく、かかる場合には、加速度情報取得部211は備えなくともよい。
位置情報取得部212は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいてデータ処理装置210の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、データ処理装置210が設置された車両の位置情報を取得することができる。
時間情報取得部213は、内蔵された時計または外部の時刻情報提供サーバから得られる時刻に関する情報に基づき、加速度センサ212及び位置情報取得部212から得られた情報に対応する収集期間Pcを示す情報に基づいて生成された時間情報(例えば、タイムスタンプ)を取得するように構成される。
処理部214は、加速度情報取得部211による取得値、位置情報取得部212による取得値、及び時間情報取得部による取得値に対し、所定のデータ処理を施すことにより、車両に関する情報である移動体情報を生成するように構成される。処理部214は、たとえばマイコンである。処理部214は、所定のプログラム(たとえば、マイコン内のメモリに記憶されたプログラム)を実行することによって、データ処理装置210の機能を実現する。
通信部215は、処理部214の処理結果である移動体情報を外部へ送信するように構成される。通信部215は、たとえば通信インタフェースである。
【0020】
本実施形態のサーバ230の構成を説明する。
【0021】
図2に示すように、サーバ230は、通信部231と、記憶部232と、処理部233と、を備える。
通信部231は、サーバ230と、サーバ230と直接または間接的に(例えばインターネット等のネットワークを通じて)接続された装置(たとえば携帯端末220、またはデータ処理装置210)との間の通信を制御するように構成される。通信部231は、たとえば通信インタフェースである。
記憶部232は、種々のデータを記憶するように構成され、例えば、通信部231により受信したデータと、サーバ230の機能(たとえば、後述のサーバ230の各処理を実行する機能)を実現するためのプログラムと、を記憶する。
処理部233は、記憶部232に記憶されたデータを処理するように構成される。処理部233は、たとえばプロセッサ(一例として、CPU(Central Processing Unit)である。処理部233は、記憶部232に記憶されたプログラムを実行することによって、サーバ230の機能を実現する。
【0022】
例えば、処理部233は、記憶された移動体情報のうち、合成処理に関する移動体情報として特定された複数単位の移動体情報のそれぞれに含まれる加速度情報について、所定の区分に基づいて各区分での発生頻度を抽出し、その頻度抽出内容を合成した結果を取得する。
別の例として、処理部233は、記憶部232に記憶された運転スコア算出モデルに基づき、移動体に関して取得された加速度情報を用いて、運転スコアを算出する。運転スコアは、限定ではなく例として、車両における走行品質をスコア化したものが挙げられる。本実施形態においては、スカラ値が大きい加速度が取得されると運転スコアが低下する傾向を持つロジックを前提として説明するが、そのロジック内容は特に限定されない。
【0023】
本実施形態のデータ取得からデータ記憶までの内容を説明する。
図3は、本実施形態に係るデータ取得からデータ記憶までの処理のフローチャートである。
図5は、
図3の時間情報の付加の説明図である。
【0024】
図3に示すように、データ処理装置210は、加速度情報及び位置情報の取得(S100)を実行する。本実施形態においては、加速度情報に加えて位置情報を取得することとして説明するが、取得する情報は少なくとも位置情報を含んでいればよい。位置情報のみを取得する場合には、前述したように、取得した位置情報に基づいて加速度情報を算出すればよく、その算出はデータ処理装置210またはサーバ230などにおいて行われてもよい。また例えば、これら情報に加えて、例えば、車両の識別情報、速度情報、ハンドル情報、アクセル情報、ブレーキ情報、残燃料またはバッテリー残容量、および積載量情報の少なくとも1つを合わせて取得し、加速度情報送信と同じタイミング、または別途のタイミングで適宜サーバ230に送信することとしてもよい。
【0025】
加速度情報の取得については、具体的には、加速度情報取得部211が、車両の走行に伴い生じる加速度を所定の頻度Tm(例えば、0.2秒ごと)で取得する。
【0026】
処理部212は、加速度情報取得部211による取得値に対して、加速度情報取得部211の軸方向と車両の軸方向(例えば、進行方向(FR-RR方向))とを一致させるための座標変換を行う。処理部212は、座標変換後の値を記憶装置(たとえば、マイコン内のメモリ、又は、マイコンに接続された記憶装置)に記憶する。
【0027】
同様に、位置情報取得部214は、車両の走行に伴い変化する位置情報を所定の頻度Tn(例えば、0.5秒ごと)に取得する。ここで、TmとTnの周期は同一であっていてもよく、また、同期または非同期を問わず、その周期の内容は特に限定されない。
【0028】
処理部212は、位置情報取得部214から取得した位置情報を記憶装置に記憶する。これにより、記憶装置には、これら複数の取得した情報が記憶される。
【0029】
ステップS100の後、データ処理装置210は、加速度情報に対して圧縮処理(S101)を実行する。
【0030】
ステップS101における圧縮処理は、具体的には、処理部212は、ステップS100で得られた各取得値を、
図4に示すように、基準平面RPを離散的に区分した各区分に割り当てる。
図4に示す例では、加速度の大きさについては、0から7の8段階(任意単位)で表し、方向については、車両の進行方向xを基準として時計回りに0から31の32段階(任意単位)で360度を表す極座標により区分している。
処理部212は、各区分内に位置する取得点を、当該区分のいずれかの頂点によって近似することにより、取得値を一定のデータ形式に変換する。たとえば、
図4の取得値v1は、当該取得値に対応する取得点が含まれる区分の頂点のうち最も近接する頂点(r:5,d:29)に変換される。
【0031】
なお、例えば、取得された加速度情報におけるスカラー値が、所定の閾値未満であれば、対応する加速度情報は全て0として圧縮することとしてもよい。また、この圧縮方法はデータ取り扱い効率化のために容量を小さくする一例であり、圧縮方法の内容は特に限定されない。また、データを圧縮せずに、取得したデータを保持したままステップ102の処理に移行してもよい。
【0032】
ステップS101の後、データ処理装置210は、時間情報の付加(S102)を実行する。
時間情報の付加にあたっては、例えば
図5に示すように、処理部212は、1つの収集期間Pc(例えば1000ミリ秒)内に収集された複数の加速度情報及び位置情報の組合せに対して、各収集期間Pcに固有の時間情報を付加する。
時間情報は、たとえば、各収集期間Pcを示す情報(たとえば、収集期間Pcの開始時刻及び/又は終了時刻を表す情報)、又は、各収集期間Pcを示す情報に基づいて生成されたコードである。
時間情報の付加はこれに限られず、適宜な方法で可能であり、例えば、タイムスタンプ1つにつき少なくとも1つの加速度情報または位置情報を付加することとしてもよいし、所定時間(例えば、5秒)ごとに1つの加速度情報または1つの位置情報を付加することとしてもよい。すなわち、後にこれら情報を分析に用いる際において、十分な頻度での加速度情報または位置情報が取得できていればその方法は特に限定されない。
【0033】
ステップS102の後、データ処理装置210は、送信処理(S103)を実行する。
具体的には、通信部213は、所定の送信間隔(たとえば1.0秒)毎に、生成されたデータ(つまり、圧縮処理が施された加速度情報及び位置情報に時間情報が付加されたもの)をサーバ230に送信する。
【0034】
ここで、時間情報を紐づけるタイミングは、データ処理装置210内部の記憶装置へ移動体情報を記憶するタイミングに限られず、データ処理装置210から移動体情報を外部へ送信する際にその時点の時間情報と紐づけることとしてもよいし、送信された移動体情報をサーバ230にて受信し、サーバ230内部の記憶部232に記憶する際にその時点の時間情報と紐づけることとしてもよい。
【0035】
なお、データ処理装置210は、データ処理装置210が備えられた車両の利用者を識別する識別子及びデータ処理装置210の識別子の少なくとも1つを取得し、サーバ230に送信することが好ましい。このデータ送信は、S104の送信処理が行われるごとにそれらのデータと関連づけて行われてもよいし、別途のタイミングで行われてもよく、この場合、サーバ230は、S104においてデータ処理装置210から送信されたデータを、利用者の識別子及びデータ処理装置210の識別子の少なくとも1つと関連付けて記憶する。
【0036】
ユーザが、たとえば携帯端末220を介して、データ処理装置210の識別子及び利用者の識別子の少なくとも1つと、抽出の対象となるデータの情報(たとえば、時刻又は期間)と、を指定すると、サーバ230は、利用者の指定に対応するデータを抽出する機能を有する。この機能は、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)として外部に提供することが可能である。
【0037】
サーバ230は、時間情報により決定される時間毎にスナップショットで圧縮された加速度値及び位置情報を保持する。したがって、サーバ230は、任意の時間のデータを移動体ごとに抽出すること、及び、所定の期間にわたる累積的なデータを抽出することができる。
【0038】
なお、サーバ230の記憶部232に記憶される移動体情報に含まれるものは、加速度情報、時間情報、及び位置情報に限られず、移動体に関する任意の情報を紐づけて記憶することとしてもよい。例えば、運転者情報、同乗者情報、関連人物(例えば、オーナー、管理者等)情報、所属(グループ、企業等)情報、残燃料情報、積載量情報、残電力量情報、天候情報(天気、温度、湿度等)、運転スコア(運転品質を示すスコアであり、例えば、加速度等の情報を元に算出される)、などが挙げられる。これら情報は、移動体に備えられた別途の装置などから取得したり、携帯端末220を通じてユーザ入力によって取得したり、移動体を管理する人物が操作する不図示の管理者端末を通じて取得したり、または一般的な情報(例えば、天候情報)であればインターネット経由で適宜それらの情報を提供しているサイトから取得したりすることとしてもよい。
【0039】
以下、データ処理装置210から取得し記憶したデータを分析し、その分析結果を表示する例を示す。
【0040】
図6は、サーバに記憶されたデータの分析結果の表示に用いられるインタフェースの一例を示す図である。
図7も同様に、記憶されたデータの分析結果の表示に用いられるインタフェースの別の一例を示す図である。
図8は、
図7に含まれる加速度の分布図の拡大図である。
図9は、
図8で示される分布
図406において501を選択した際に表示される図であり、領域501に対応する加速度が取得された状況をリスト表示したものである。
【0041】
図6に示すインタフェースは、以下の各領域から構成されている。
・領域401:分析結果の種類など、領域402乃至領域404において表示される内容の項目を示したものであり、ユーザ入力により項目を選択できるようになっている。選択された項目(
図6においては「日報」)に対応した内容が領域402乃至領域404に表示される。
・領域402:分析の対象となる車両または個人(運転者)及び日付の情報を表示するものである。対象となる日付の他、運転者の氏名、運転者の識別子、車両ナンバー、電話番号などが表示されており、ユーザ入力により車両または個人、及び日付の指定が可能となっている。
・領域403:領域402で指定された車両または個人、及び日付の情報に対応する運転内容における、総走行時間、総走行距離、目的地及び目的地間の距離並びに運転時間などが表示される。
・領域404:領域402で指定された車両または個人、及び日付の情報に対応する運転内容における地理的観点での情報を、地図上に示したものである。運転内容に対応した経路が示されており、目的地として定義された位置については番号付きの丸で示され、領域403における各目的地の番号と対応している。
【0042】
図7に示すインタフェースは、以下の各領域から構成されている。
・領域401:
図6における領域401と同様であり、ユーザ入力により「走行履歴」が選択された状態となっている。選択された「走行履歴」に対応した内容が、領域402、領域404乃至領域407に表示されている。
・領域402:
図6における領域402と同様であり、分析の対象となる車両または個人(運転者)及び日付の情報を表示するものである。なお、分析対象は複数の対象であってもよく、例えば、管理する全車両などを指定し、それら車両群に関する表示がなされていてもよい。
・領域405:領域402において特定されている車両または個人、日付及び時間帯に対応する運転スコアが示されており、総合スコア、ハンドリングに関するスコア、加速に関するスコア、及び減速に関するスコアが示されている。
・領域406:領域402において特定されている車両または個人、日付及び時間帯において取得された加速度をマップ化したものが表示されている。詳細は後述する。
・領域407:領域402で指定された車両または個人、及び日付の情報に対応する運転内容における地理的観点での情報を、地図上に示したものであり、
図6における領域404と略同様であるが、差異部分として、目的地として定義された位置を番号付きの丸で示す表示はなく、特定の運転内容が検知された位置につきその運転内容に対応するマーク(ハンドリング、加速、減速のいずれか)が付されている。即ち、ハンドリングに関して特定の運転内容(例えば、左右方向に所定値以上のスカラー値を有する加速度が発生)が取得された位置にはハンドリングのマークが、同様に加速、減速に関して特定の運転内容(前方向、後方向に所定の値以上の加速度が発生)が取得された位置にはそれぞれ加速、減速のマークが表示されている。さらに、表示されたマークの近接部分にはチェックボックスが表示され、ユーザ入力によりチェックボックスを選択することができるようになっている。
【0043】
図7に示すインタフェースでは、特定の運転内容が検知された位置に設けられているチェックボックスに対し、ユーザ入力によりチェックがなされると、チェックされた位置において観測された運転情報が運転スコアに反映しない形(例えば、運転スコア算出ロジックに入力する情報から、かかる特定の運転内容に関する運転情報を削除して再計算する形が挙げられるが、これに限られず、適宜の形でよい)で、運転スコアが再計算される。即ち、かかる特定の運転がなされなかった場合を想定した運転スコアを把握することができる。
【0044】
図8は、
図7に示されたインタフェースにおける領域406を拡大して表示したものである。領域406は、データ処理装置から取得した加速度情報をマップ化したもの(以降、加速度分布という)であり、本実施形態においては、一車両に備えられたデータ処理装置210から取得した加速度情報について、所定の区分ごとにその発生頻度をカウントし、そのカウント値に基づいた表示を各区分の領域について行ったものである。ここで、所定の区分とは、データ処理装置210によるステップS101の圧縮処理における区分と同一であることが好ましいが、複数の移動体から移動体情報を取得する都合上、異なる種類のデータ処理装置210またはそれに相当する機器が用いられることにより、必ずしも共通の区分に基づいて加速度情報が生成されているとは限らない。そのため、加速度分布を生成する際に、サーバ230において各加速度情報を統一した区分に割り当てることが好ましい。
【0045】
図8の例では、中心からの距離が大きい領域であるほどに大きな加速度であることを示し、また、中心からみた領域の方向は取得された加速度の方向を示す。また、領域の表示がないものは、対応する加速度を取得していないこと、すなわち、対応する加速度が観測されなかったことを示す。また、取得した頻度に応じて対応する領域の濃度を変化させて表現している。例えば、領域501は、大きい加速度が減速方向について取得された場合に対応するものであり、やや大きい加速度が加速方向について取得された場合に対応する領域503に比べて、濃く表現されている。即ち、領域501に対応する加速度の発生頻度は、領域503のそれよりも高いということになる。同様に、領域502は、左方向のハンドリングについてやや大きい加速度が取得されたことを示すものである。
【0046】
ここで、ユーザ入力により第1の領域501が選択されると、
図9に示す画面が表示される。この画面は、具体的には、地図上に第1の領域501に対応する加速度が取得された状況における、位置近辺の地図及びその地図上における運転経路の情報が表示される。更に、本実施形態においては、第1の領域501に対応する加速度が取得された状況が複数あるとして、対応する複数の状況に関する情報が選択可能な態様でリスト表示される。表示順は取得された時刻が現在時刻に近い順としているが、特に限定されない。複数表示された状況のうち、ユーザ入力により一つが選択されると、
図10に示す、選択された状況の詳細を示す画面が表示される。
【0047】
図10においては、かかる加速度が取得された位置の近傍領域(例えば、1キロ四方の領域)が拡大して表示され、どのような形状の道路であったかが把握できるようになっている。また、車両の経路に沿って、どのような加速度が取得されたか分かるようになっている。具体的には、
図10中の円は加速度の大きさを示しており、また円中の矢印は加速度の方向を示している。ここで、加速度の大きさが小さい時は矢印の表示を省略している。さらには、円表示そのものを省略してもよい。加えて、
図10に示すように、本実施形態では、運転者情報、位置に関する情報、表示範囲に関する情報、日付時刻情報、残燃料情報、運転時間情報、速度情報、天候情報(天気、温度、湿度等)、運転スコアが表示される。もちろん、これら情報には限定されず、データ処理装置210から取得可能なものや取得した情報から推測可能なもの、さらにはサーバ230がインターネットなどを通じて取得可能な情報であればよく、例えば以下のような情報を表示することとしてもよい。
・当該位置近辺に関する情報(渋滞、近辺の工事有無など)
・移動体のステータス(搭載重量、電気自動車の充電量、タイヤの摩耗度など)
・同様の時刻に当該位置近辺を通過した別の移動体に関する情報
・過去一定期間における車両(またはその運転者)による近辺の位置における運転内容(加速度の内容など)
【0048】
更に、領域406に示されるインターフェースは、特定のドライバー又は移動体を単位とした加速度分布に関するマップを示すのみでなく、複数の単位の加速度分布を合成した内容を表示することもできる。この場合、合成対象である移動体情報の内容は特に限定されないが、略同一の期間に関する移動体情報を合成することが好ましい。例えば、合成対象の一つが一ヶ月分の移動体情報であれば、他の合成対象も一ヶ月分であることが好ましい。なお、一ヶ月連続して蓄積されたものであってもなくてもよく、一ヶ月分の量を非連続な別々の時間帯から抽出し合計したものであってもよい。
また、合成方法は、加法、減法、乗法及び除法のうちのいずれか1つや、またこれらを適宜組み合わせたものでもよく、またこれらに特に限定されない。
【0049】
例えば、以下のような合成内容が挙げられる。
<例1>一移動体に関して、異なる期間(例えば、前月と今月)における加速度分布の差分の結果を求める。
<例2>二つの移動体に関して、同一期間(例えば、前月)における加速度分布の差異を求める。
<例3>複数の移動体に関して、同一期間(例えば、今月第一週)における加速度分布を加算した結果を求める。
<例4>複数の移動体に関して、一定条件の期間(例えば、今月の勤務日の昼休憩後の2時間)における加速度分布を加算した結果を求める。
<例5>一部門が管理する複数の移動体に関して、第一条件の期間における加速度分布の加算結果と、他の部門が管理する複数の移動体に関して、第二条件の期間における加速度分布の加算結果との差分の結果を求める。
<例6>一移動体に関して、異なる期間(例えば、前月と今月)における加速度分布の変化率(割合)を求める。
<例7>ある地域において運転を行っている移動体に関して、ある期間における加速度分布のOR演算を行い、発生していない加速度の傾向を求める。
<例8>一移動体に関して、異なる期間(例えば、一年前の月と今月)における加速度分布のXOR演算を行い、差異がある加速度の傾向を求める。
【0050】
以下、本実施形態において、複数の加速度分布を合成し、合成結果から任意の加速度領域を選択した場合に生成され表示される分析結果の内容を説明する。
図11は、本実施形態に係る複数の加速度分布の合成から分析結果表示までの処理のフローチャートである。
【0051】
以下フローチャートによって行われる処理は、一定の移動体データが蓄積された前提下において、限定ではなく例として、以下のような事項をトリガーとして開始される。 ・安全運転診断サービスにおいて、分析タイミングとなった(例えば、1ヶ月毎に設定)
・ユーザによる分析依頼を受理した
・所定の内容の移動体情報が探知された(例えば、対象の移動体において、3日連続して所定の閾値以上の加速度値が取得された、衝突事故が発生した、等)
【0052】
図11に示すように、サーバ230は、どのような合成を行うかを特定する(S1100)。具体的には、例えば、サーバ230とネットワークを通じて接続された端末から、ユーザが合成方法を直接指定する入力を行うこととしてもよいし、ユーザが例えば以下の所定の合成処理のいずれかを指定する入力を行うことにより、合成方法が特定されることとしてもよい。
・1つの移動体における異なる期間に取得された2つの加速度分布の差異を求める
→2つの加速度分布に対する減法
・1つの移動体における異なる期間に取得された複数の加速度分布の加算を求める
→複数の加速度分布に対する加法
・2つの移動体における同一期間に取得された2つの加速度分布の差異を求める
→2つの加速度分布に対する減法
・複数移動体における同一期間に取得された加速度分布の加算を求める
→複数の加速度分布に対する加法
・複数移動体における異なる期間に取得された加速度分布の加算を求める
→複数の加速度分布に対する加法
・1つの移動体における異なる2つの期間に取得された加速度分布の割合を求める
→2つの加速度分布に対する除法
なお、合成方法はこれらに限定されず、適宜の演算が適用可能である。
【0053】
次に、サーバ230は、合成処理に関する移動体情報の特定可能な情報を特定する(S1101)。特定にあたっては、具体的には、例えば、サーバ230と接続された端末から、ユーザが移動体情報を特定可能な情報の入力を行うことにより、対応する移動体情報が特定され、その特定された移動体情報に含まれる加速度分布が特定される。
ここで、合成処理に関する移動体情報を特定するために指定される情報は、少なくとも移動体及び期間を含んでいればよく、他の情報も含んでいてもよい。例えば、位置(地域)、運転者、天気、積載量(例えば、対最大積載量比80%以上の場合に限定する等)といった情報のいずれか1つまたは複数を含んでもよい。
【0054】
S1101における移動体および期間の特定は、S1100において特定された合成方法に基づき行われることが好ましい。例えば、S1100において特定された合成方法が「1つの移動体における異なる期間に取得された2つの加速度分布の差異」である場合は、サーバ230は対象となる移動体を1つ、そして期間を複数指定する入力をユーザに行わせるようなインターフェースを出力する。インターフェースの例については後述する。
【0055】
なお、S1100とS1101の順番は特に限定されず、逆であってもよい。すなわち、合成対象となる移動体情報における移動体および期間を先に特定し、その後に合成方法を特定することとしてもよい。
または、まずは合成対象の一部である移動体情報に係る移動体及び期間を特定し、その後に合成方法を特定してから、残りの合成対象である移動体情報を特定することとしてもよい。即ち、合成処理の軸となる合成対象の一部を最初に特定し、その後に合成方法の特定がなされた後に、残りの合成対象を特定することとしてもよい。
この際、合成処理の軸となる移動体情報を少なくとも1つ特定し、合成方法を特定すると、サーバ230は、残りの合成対象の候補に関する情報を提示して、ユーザに選択させることで残りの合成対象を特定することが好ましい。
【0056】
例えば、ある移動体における先月分の移動体情報における加速度情報を合成対象の1つとしてまず特定し、合成方法として減法が特定された場合は、減法による合成対象としては略同一の期間に係る移動体情報とすることが好ましいこと、および、時間、移動体、地域などが比較観点として考えられることに鑑み、例えば、以下のような移動体情報を残りの合成対象の候補として抽出し、ユーザに優先的に提示することで選択を推奨する、または残りの合成対象として特定することとしてもよい。ここで、優先的に提示するとは、例えば、特定された合成対象の一部の移動体情報と特定された合成方法に基づいて抽出された一つのまたは複数の残りの合成対象の候補を、他の候補とは異なる態様で表示する手法などが挙げられる。
・同一の移動体の過去の一か月(例えば、先々月分、または一年前の同月分など)分の移動体情報
・別の移動体の先月分の移動体情報。この別の移動体は、例えば、ユーザによる選択、対象の移動体と同様の地域を走行する移動体、同一者の管理下にある別の移動体、運転者と運転歴や運転品質が類似する別の運転者による移動体、同車種の移動体、ランダムに選定された移動体、などが挙げられる。
・先月における所定範囲(例えば、同一地域、同一都道府県、全国など)の平均の移動体情報
すなわち、移動体が同一でも別のものでもよいし、地域が同一での別のものでもよいし、管理者が同一でも別のものでもよいし、運転歴や運転品質が同一でも別のものでもよく、様々な選定方法を特に限定なく適用可能である。
【0057】
更なる例として、ある移動体における先月分の加速度分布を合成対象の1つとしてまず特定し、合成方法として加法が特定された場合は、加法による合成対象としては略同一の期間に係る移動体情報とすることが好ましいこと、また、時間、組織、地域などが比較観点として考えられることに鑑み、例えば、以下のような移動体情報を残りの合成対象の候補として抽出し、ユーザに優先的に提示することで選択を推奨する、または残りの合成対象として特定する。
・同一の移動体の過去の複数月分(例えば、先々月及びそれ以前の数ヶ月分)の移動体情報
・対象の移動体が属するグループにおける一部または全部の移動体の同一月の移動体情報
【0058】
更なる例として、更なる例として、ある移動体における先月分の加速度分布を合成対象の1つとして特定した場合は、例えば、以下のような移動体情報と合成方法との組を候補として抽出し、ユーザに優先的に提示することで選択を推奨する、または残りの合成対象及び合成方法として特定する。
・同一の移動体の過去の複数月分(例えば、先々月及びそれ以前の数ヶ月分)の移動体情報、及び、減法
・同一の移動体の過去の複数月分(例えば、先々月及びそれ以前の数ヶ月分)の移動体情報、及び、加法
・別の移動体の先月分の移動体情報、及び、減法
・先月における所定範囲(例えば、同一地域、同一都道府県、全国など)の平均の移動体情報、及び、減法
・対象の移動体が属するグループにおける一部または全部の移動体の同一月の移動体情報、及び、加法
【0059】
ここで、合成対象の1つとして特定されたある移動体情報に基づいて、残りの合成対象となる移動体情報、及び、合成方法を特定等する場合においては、例えば、特定された移動体情報に基づいて特定された残りの合成対象となる移動体情報の候補をユーザに提示し、ユーザに選択させることで残りの合成対象となる移動体情報を決定し、その後に、特定された全ての合成対象となる移動体情報に基づいて、合成方法を特定または候補を提示してユーザに決定させることとしてもよい。
特定された移動体情報に対応する移動体情報に基づいて残りの合成対象となる移動体情報の候補を抽出するにあたっては、例えば、これら移動体情報に含まれる位置情報や、その他、移動体情報に含まれる運転者情報、同乗者情報、関連人物(例えば、オーナー、管理者等)情報、所属(グループ、企業等)情報、残燃料情報、積載量情報、残電力量情報、天候情報、運転スコア等を用いてもよい。
【0060】
同様に、例えば、特定された移動体情報に基づいて特定された合成方法の候補をユーザに提示し、ユーザに選択させることで合成方法を決定し、その後に、特定された移動体情報及び特定された合成方法に基づいて、残りの合成対象となる移動体情報を特定または候補を提示してユーザに決定させることとしてもよい。
さらに同様に、例えば、合成対象の1つとして特定された移動体情報に基づいて、1つ以上の合成方法の候補を特定し、合成対象の1つとして特定された移動体情報とそれら合成方法の候補のそれぞれとに基づいて、残りの合成対象となる移動体情報の候補を特定し、合成方法の候補と対応する残りの合成対象の候補の組み合わせを提示して、ユーザに決定させることとしてもよい。
【0061】
すなわち、合成対象の全部、又は、合成対象の一部と合成方法を特定することで、特定された合成対象に対応する移動体情報の内容及び/又は合成方法に基づいて、残りの合成対象や合成方法を優先的に提示したり、推奨したり、または決定したりすることとしてもよい。
【0062】
図12、
図13、
図14に、合成対象の一部、及び合成方法を特定することで、残りの合成対象を特定するためのインターフェースの一例を示す。
インターフェースは、例えば、管理者端末などの表示部や入力部において設けられる。各図に示すように、インターフェースは、領域A1、領域A2、領域A3によって構成されており、領域A1は合成対象の一部を特定するための領域であり、領域A2は合成方法を特定するための領域であり、領域A3は合成対象の残りを特定するための領域である。
【0063】
図12は、合成対象の一部を特定する際に表示されるインターフェースの例を示しており、対応する領域である領域A1は、合成対象の一部についての加速度分布を示したオブジェクトA11、及び合成対象の一部を特定するための情報を設定する領域であるオブジェクトA12を含んで構成されている。オブジェクトA12においては、合成対象の一部を特定するための情報として、例えば、運転者、運転期間、運転地域、及び天候を設定することとしているが、オブジェクトA12において設定される情報は合成対象の一部を特定するための情報であれば特に限定されない。また、
図12においては、運転者や運転期間の開始日及び終了日、天候についてはプルダウン式によって決定し、運転地域は直接入力することを前提としたインターフェースとしているが、入力方式は特にこれらに限られず、チェックボックス、ラジオボタンといったものや、運転地域であれば地図上の意図する領域を選択する操作等、任意の入力方式を適用可能である。
図12に示すインターフェースは、運転者をAAA、運転期間を2022年1月1日から2022年1月31日まで、運転地域を東京23区、三鷹市、武蔵野市、狛江市、調布市、及び西東京市とし、天候についてはプルダウン方式にて指定なし、晴れ、雨のうちから一つを選択しようとしている時点のものである。
なお、領域A2においては、まだ合成方法を指定していないため何らの情報は表示されておらず、領域A3についても合成対象の一部と合成方法が特定されていないことから、まだ合成対象の残りを特定することができず、同様に何らの情報は表示されていない。
【0064】
図13は、合成対象の一部が特定された後において合成方法を特定する際に表示されるインターフェースの例を示しており、対応する領域である領域A2は、合成方法の候補「加法(+)」「減法(―)」「除法(÷)」「乗法(×)」をプルダウン方式で示したオブジェクトA21を含んで構成されている。
なお、合成対象の一部を特定するための領域A1においては、すでに、合成対象の一部を特定するための情報である運転者、運転期間、運転地域及び天候が設定されこれ以上の変更ができないよう固定状態を示す灰色の色が付されている。ここで、領域A1における設定が完了すると、領域A1の内容を固定した状態で領域A2における設定を可能とすることとしてもよいし、領域A1と領域A2の両方を順序関係なく設定できるようにしてもよい。
また、領域A3においては、合成対象の一部が特定されてはいるものの合成方法まだが特定されていないことから、残りの合成対象を特定することができず、何らの情報は表示されていない。
【0065】
図14は、合成対象の一部及び合成方法が特定された後において、これら特定された合成対象の一部及び合成方法に基づいて、残りの合成対象の候補の情報を表示するインターフェースの例を示している。対応する領域である領域A3は、残りの合成対象の候補の1つ目である候補1についての情報として、その加速度分布を示したオブジェクトA311、候補1を特定するための情報を示したオブジェクトA312、及び、候補1を残りの合成対象として決定するためのチェックボックスを示したオブジェクトA313と、残りの合成対象の候補の2つ目である候補2についての情報として、その加速度分布を示したオブジェクトA321、候補2を特定するための情報を示したオブジェクトA322、及び、候補2を残りの合成対象として決定するためのチェックボックスを示したオブジェクトA313を含んで構成されている。
なお、合成対象の一部を特定するための領域A1においては、すでに、合成対象の一部を特定するための情報である運転者、運転期間、運転地域及び天候が設定され灰色となっており、また、領域A2においても、すでに、合成方法は「減法」として特定され灰色となっている。
【0066】
図14に示すように、合成対象の一部を、運転者を「AAA」、運転期間を2022年1月1日から2022年1月31日までの1ヶ月(31日)間、運転地域を東京23区、三鷹市、武蔵野市、狛江市、調布市、及び西東京市とし、並びに天候を「指定なし」(すなわち、天候は問わない)であるものとして特定し、合成方法を「減法(―)」として特定していることから、残る合成対象としては、合成対象の一部と同程度の分量を有する比較対象となるものを抽出することが好ましく、従って、候補1としては運転手、運転地域(なお、情報量が表示可能量を上回っていることから、表示しきれない部分は「…」として表示を省略されている)、天候及び運転期間長(1ヶ月;31日間)が同一でありつつ、運転期間時期が異なる(2021年12月1日から2021年12月31日まで)もの、または、候補2としては運転手が異なりつつ(運転手は「BBB」)、運転期間長及び時期、運転地域並びに天候が同様であるものが抽出されている。
そして、ユーザは候補2のオブジェクトA323のチェックボックスにチェックを入れていることから、候補2が残りの合成対象として特定されている。
【0067】
また、特定された全ての合成対象に基づいて、合成方法を特定する場合の具体例についても以下説明する。
例えば、ある移動体における先月分の移動体情報と、別の移動体の先月分の移動体情報とが合成対象として特定された場合は、異なる移動体の略同一分量の移動体情報であることから、比較する目的を想定し合成方法は例えば減法が好ましいとし、合成方法として減法をユーザに提示するか、推奨する(例えば、他の候補とは表示態様を変えることで優先的に提示する)か、または減法を合成方法として決定する。また、比較する目的が想定される場合は、減法ではなく除法を合成方法として提示、(例えば優先的に提示することにより)推奨、又は決定することとしてもよい。逆に、異なる分量の移動体情報が合成対象として特定された場合は、減法や除法は好ましくないと思われることから、例えば加法を推奨することとしてもよい。
更に例えば、ある複数の移動体における先月分の移動体情報と、同じオーナーの別の複数の移動体における先々月分の移動体情報とが合成対象として特定された場合は、同じオーナーの移動体情報であることから、累積結果を参照する目的で合成方法は例えば加法が好ましいとし、合成方法として加法をユーザに優先的に提示するか、(例えば優先的に提示することにより)推奨するか、または加法を合成方法として決定する。
【0068】
なお、上記説明においては、2つの移動体情報を合成対象として特定し、その2つの合成対象の合成方法として1つの合成方法を特定することについて説明したが、合成対象の数、及び、合成方法の数はこれに限られず、任意の数を適用可能である。
例えば、A、B、C、及びDの4つの移動体情報を合成対象として特定し、これら特定された合成対象について、AとBの加法(A+B)、CとDの加法(C+D)、及び、A+BとC+Dの減法((A+B)―(C+D))と合成することを想定する。この場合、まず例えば、Aを特定すると、特定されたAに基づいて、残りの合成対象であるB、C、及びDの特定と、合成方法である加法と減法の組み合わせを特定してもよく、またはこれらの候補を特定し、ユーザに提示して選択させることとしてもよい。これは、一例として、Aがある移動体におけるある地域(地域1)での先月分の移動体情報であった場合においては、Bは同じ月の同一の移動体による別の地域(地域2)での移動体情報、Cは別の月の同一の移動体による地域1での移動体情報、DはCと同じ月の同一の移動体による地域2での移動体情報として特定してもよい。すなわち、例えば、ある移動体に関しての地域1のみでなく地域2における先月と別の月との運転状況の比較をしたい場合などが該当する。
同様に、例えば、B及びCを合成対象として特定し、合成方法として同様の((○+B)―(C+○))といったものを特定した場合(○は合成対象が特定されていないことを示す)には、残りの合成対象をB及びC及び上記の合成方法に基づいてA及びDが特定または候補として提示してもよい。
【0069】
なお、ここでいう合成対象とは、上記のように移動体情報を一定の区間で区切った集合である移動体情報集合を単位として解釈してもよいし、取得された一つ一つの移動体情報を単位として解釈してもよい。すなわち、前者であれば、ある基準による集合を単位として加法、減法等による合成を行うという理解になるし、後者であれば、ある集合になるまで加法により合成し、加法合成により集合となったものに対してさらに加法、減法等による合成を行うということになる。
【0070】
次に、サーバ230は、S1101において特定された移動体及び期間の情報に基づき、合成対象となる移動体情報を特定する(S1102)。具体的には、サーバ230の記憶部232に記憶された情報から、特定された移動体及び期間の情報に対応する移動体情報を特定する。
【0071】
次に、サーバ230は、特定された移動体情報に対応する加速度分布について、特定された合成方法で合成する(S1103)。具体的には、サーバ230は、所定の区分ごとに、特定された移動体情報それぞれにおける頻度に対して、特定された合成方法を適用する。例えば、特定された合成方法が「1つの移動体における異なる期間に取得された2つの加速度分布の差異」である場合は、所定の区分ごとに、その2つの頻度の値の差異値を求める。
【0072】
その後、サーバ230は合成結果を出力し(S1104)、例えばユーザ端末の表示部において合成結果が表示される。この際、頻度の値が大きい等の注目すべき区分を他の区分とは区別可能な態様で表示することとしてもよい。このようにすることで、ユーザに対し、値が大きい区分を容易に識別可能とし、分析処理に関する区分として選択するよう促すことができる。
なお、注目すべき区分であることは、値が所定の閾値より大きい場合に特に限られない。他の例として、全区分において値が上位10%以内の区分である場合、当該区分における頻度の値のバラツキが大きい(例えば、分散値が所定の閾値より大きい)場合、及び、周囲の区分よりも際立って大きい(例えば、隣接する4区分の平均値または最大値の所定倍数以上である)場合、などが挙げられる。
【0073】
図15に上述の<例1>を例として言及した二つの移動体に関する加速度分布の差異を表現した例を示す。
図15は、あるドライバーによる車両の運転に関し、ある月の分とその前月分との加速度分布を比較した例である。
図15に示すように、それぞれの領域が差異値の大きさに対応する濃度で表されている他、比較対象の二つのうち、どちらの発生頻度が高かったかを認識可能な態様となっている。例えば、領域601は縦線かつ高濃度で示されているが、これは、この領域に対応する加速度について、前月に比べてその月の頻度がかなり高く発生したことを示す。反面、領域602は斜線かつ高濃度で示されているが、これは、この領域に対応する加速度について、前月に比べてその月の方の頻度がかなり低くなったことを示す。
このように加速度分布を比較した結果を示すことにより、時間的、地域的、人物的等の観点から、相対的な運転の評価を行うことができる。
【0074】
また、
図16は、上述の<例3>を例として言及した、複数の移動体に関する加速度分布を加算した例を示す。
図13は、ある部門により管理されている複数の移動体におけるある週における運転に関し、それらの加速度分布を加算したものである。
図16は
図8と同様に、それぞれの領域が合算された加算値の大きさに対応する濃度で表されている。すなわち、濃度が濃いほどその領域に対応する加速度について頻度が高く発生したことを示す。
【0075】
さらに、
図15や
図16に表示された内容に対し、ユーザが限定条件を指定し、対応した限定を適用した場合の結果を表示してもよい(S1105)。
図17は、限定条件として、運転スコアが上位20%である移動体に限定し、更に、対象領域をXX市YY付近に限定した場合の加速度の分布図である。
図17に示す分布図においては、運転スコアが上位の移動体に関する集合であることを背景に、急ハンドル、急加速、急減速に対応する加速度の取得頻度が
図16に比べて低いことが把握できる。また、領域801及びその周辺の区分の濃度が高いままであることから、運転スコアが上位の移動体の集合であっても、本対象地域においては領域801に対応する加速度が多く発生しており、何らかの背景(例えば、見通しの悪い道があり、急ブレーキが発生しやすい、等)があることが推定される。従って、注目すべき区分であるとして他の区分と区別可能な態様での表示となっている。
【0076】
その後、ユーザは分析処理に関する移動体情報を特定すべく、分析対象となる任意の区分を指定することができる。分析処理とは、詳細は後述するが、特定された一群の移動体情報に関して、例えばそれらの傾向、共通点等の相関が無いかどうか、ある場合はその傾向、共通点等はどのようなものであるかを導出するものである。
区分の指定にあたっては、一つまたは複数の区分を含む任意の範囲を選択することが可能であり、例えば、
図18に示すような領域指定をすることができる。
図18Aは、全方位における加速度のスカラー値が所定値より大きい区分を指定するものである。
図18Bは、全区分において、値が最も大きい区分を指定するものである。前述したように、注目すべき区分として、他の区分とは異なる態様で表示されていてもよい。
図18Cは、前方方向における加速度のスカラー値が所定値より大きい区分を指定するものである。
図18Dは、加速度のスカラー値の大小を問わず、前方方向における区分を指定するものである。
図18Eは、加速度のスカラー値が所定値より大きい区分において、値の大きさが上位10%以内である区分を指定するものである。注目すべき区分として、他の区分とは異なる態様で表示されていてもよい。
図18Fは、ユーザ操作により任意に指定された領域である。例えば、タブレットやスマートフォン上において指で塗りつぶす操作により指定される。これによって指定される区分は、この領域と共通するピクセルが1つでもある区分としてもよいし、所定以上(例えば、区分の大きさの50%以上)のピクセルがこの領域と共通する区分であってもよく、領域と区分との関係は特に限定されない。
【0077】
これにより、サーバ230はユーザにより指定された区分領域の特定を行う(S1106)。例えば、
図17の例において領域803が指定された場合、サーバ230は、領域803に対応する加速度が取得された位置近傍の地図情報及び経路情報が表示されることに加えて、サーバ230は、かかる加速度が取得された状況を分析し、傾向、共通点等を導出し出力する(S1107)。
【0078】
図19は、ある加速度領域を選択する出力されユーザ端末に表示される画面例である。
図19に示すように、以下を例とする項目について、傾向に関する情報が出力される。
・時間帯
例えば、早朝(4時から8時)、午前(8時から12時)、午後(12時から16時)、夕方(16時から20時)、夜間(20時から24時)、深夜(24時から4時)などと区別し、かかる加速度が取得されたある時間帯における頻度が所定値より多いとき(例えば、全体のうちの30%以上。ここでは、全体に対するかかる加速度が取得された頻度の割合を、傾向度と呼ぶこととする)は、その時間帯において傾向度が大きいとして表示対象とする。
・天気
ある天気における頻度が所定値より高いときは、傾向度が大きいとして表示対象とする。なお、雨や雪などの一部の天候においては運転が困難となりやすいと思われることから、それら天候において傾向度が大きい場合に限って傾向度についての情報を表示することとしてもよい。
・積載量(対最大積載量比)
積載量情報は、移動体またはデータ処理装置210に備えられた積載量取得部(不図示)から、またはユーザが例えば各運転単位について入力することによって取得される。積載量情報は、
図19においては最大積載量に対する積載量の比率を示しているが、積載量(キログラム単位など)を対象としてもよい。これら取得された積載量情報及び対応する加速度情報に基づいて、傾向度が高い積載量についての情報が表示される。ここで、天気の場合と同様に、最大積載量比または積載量が大きいことで運転が困難になりやすいと思われることから、所定の積載量比または積載量以上の場合に限って傾向度についての情報を表示することとしてもよい。
・連続運転時間
その状況が発生した時刻と、最後に休憩をした時刻との差分の時間量において、選択された加速度との傾向が大きい時間量があったときは、傾向度が大きいとして表示対象とする。
・車種・車格
特定の車種または車格について、選択された加速度が発生する傾向が高いときは、傾向度が大きいとして表示対象とする。
【0079】
これらの情報のうち、時間帯及び連続運転時間についての情報は、対応する時間情報から算出することができ、天気についての情報は、対応する時間情報及び位置情報に基づいて、サーバ230においてインターネット経由等で取得される。積載量についての情報や、車種・車格に関する情報は、ユーザ端末においてユーザが入力することによって取得される。
【0080】
傾向に関する情報の内容は、例えば、
図19に示すように、最も頻度が高い要素と、その頻度頻度が占める割合に関する情報である。しかしながら、傾向に関する情報の内容はこれに限られず、傾向を何らかの形態で確認できる情報であれば特に限定されない。
【0081】
同様に、限定条件を適用する前の
図16の例における領域701や
図15の例における領域601を選択することにより、
図19の例と同様に傾向が算出され出力されてもよい。
なお、2つの加速度分布を比較した結果においてある領域を選択した場合、2つの比較対象の両方に関する状況について表示してもよいし、頻度が高い方のみ、又は頻度が低い方のみの状況について表示することとしてもよい。または、頻度が高い方と頻度が低い方とを区別する態様で(例えば、左側に頻度が高い方、右側に頻度が低い方を配置して)表示することとしてもよい。
【0082】
[変形例]
上述の実施形態の変形例について説明する。
図1下部では、基準平面RP内の加速度の収集結果を示しているが、基準平面RPに垂直な方向(つまり、進行方向(FR-RR方向)及び横方向(LS-RS方向)の両方に直交する垂直方向(たとえば車両の上下方向))についても加速度を取得した場合、この垂直方向からの角度も用いて、極座標又は球座標における位置をプロットしてもよい。
【0083】
加速度の大きさは垂直方向も含めて三次元で算出し、且つ、プロットは二次元平面である基準平面RP内で行ってもよい。
【0084】
データ処理装置210は、所定時間分または所定距離走行分の取得した移動体情報を記憶部232に記憶しておき、走行中に所定の通信が可能になった場合(例えば、道路脇に設置されており、所定の通信プロトコルで移動体とのデータ通信が可能な路側機の近傍を通過した場合)にそれら記憶した移動体情報の全てまたは一部をサーバ230に、または一時的なデータ蓄積を行う一時データ蓄積サーバ(不図示)に送信し記憶することとしてもよい。このように、一時データ蓄積サーバに移動体情報が蓄積される場合は、サーバ230が一時データ蓄積サーバに適宜(例えば、1時間毎に)アクセスし、移動体情報を抽出し記憶部232に記憶する。
【0085】
上述の説明では、データ処理装置210において加速度情報と位置情報を取得し、これらに時間情報を紐づけて移動体情報として送信し記憶する例を説明したが、移動体情報の構成はこれに限られない。
例えば、加速度情報の代わりに、速度情報を用いてもよい。この場合、速度情報に位置情報と時間情報を紐づけたものを移動体情報としてサーバ230に送信し記憶され、加速度情報の場合と同様の処理が行われる。またこの場合、データ処理装置210は車両の速度情報を取得する速度情報取得部を備える。または、加速度情報の代わりに、角速度情報を用いてもよい。この場合も同様に、角速度情報に位置情報と時間情報を紐づけたものを移動体情報としてサーバ230に送信し記憶され、加速度情報の場合と同様の処理が行われる。またこの場合、データ処理装置210は車両の角速度情報を取得する角速度情報取得部を備える。
また例えば、移動体情報は以下に挙げるもののうち少なくとも1つを更に含んでもよい。
・積載量に関する情報
・電気自動車における充電量に関する情報(例えば、残容量、SOC、SOHなど)
・温度管理車における荷室の温度に関する情報
・エンジン回転数に関する情報
・走行におけるギアに関する情報
この場合、データ処理装置210において対応する手段(それぞれ、積載量情報取得部、充電量情報取得部、温度情報取得部、エンジン回転数情報取得部、ギア情報取得部)を備え、取得された情報がサーバ230に送信され記憶される。
【0086】
上述の説明では、データ処理装置210を自動車のソケットに挿入する例を説明したが、本実施形態はこれに限られるものではない。本実施形態は、データ処理装置210を、シガーソケット以外の接続端子を介して車両と接続する場合、車両と一体に構成する場合、または、車両と固定的には接続せず単に車内のダッシュボード等に配置する場合などにも、適用可能である。
【0087】
上述の説明では、データ処理装置210が加速度情報取得部211及び位置情報取得部214を備えることとしているが、その態様に限られない。例えば、加速度情報取得部211はデータ処理装置210とは異なる装置に備えられ、取得した加速度情報をデータ処理装置210に送信し、データ処理装置210において加速度情報と位置情報が紐づけられることとしてもよい。逆に、位置情報取得部214がデータ処理装置210とは異なる装置に備えられ、取得した位置情報をデータ処理装置210に送信し、データ処理装置210において加速度情報と位置情報が紐づけられることとしてもよい。このように、データ処理装置210の各要素は一体として構成されていなくともよく、別々の装置が要素を備えつつ、取得した情報をデータ処理装置210に送信し集約して紐づけることとしてもよい。または、サーバ230に集約して紐づけることとしてもよい。
【0088】
上述の説明では、移動体として車両を例示したが、本願発明が適用可能な範囲は、車両に限られない。例えば、二輪自動車、自転車、飛行機、ヘリコプター、ドローン、船舶など、あらゆる移動体に適用可能である。
【0089】
上述の説明では、一移動体に関する加速度分布において特定した加速度に関連する状況の情報を表示する態様を示したが、この態様に限られない。例えば、地図情報上で任意の領域を指定して、その領域における車両の加速度情報を表示することとしてもよい。この場合、例えば、
図10において「当該領域における加速度分布を表示」のボタンを押下すると、かかる領域を通過した車両の加速度情報を収集して
図8のような加速度分布を表示する。
【0090】
上述の説明では、合成方法として加法、減法、除法、乗法を例として示したが、合成方法はこれらに限られず、任意の合成方法を適用可能である。例えば、これらを組み合わせた形での合成方法としてもよく、移動体情報集合のAとBを合成するにあたって、Aについては各区分における頻度値を3倍、Bについては各区分における頻度値を4倍にして、それらの差分を算出する(すなわち、3×A―4×B)こととしてもよい。これは例えば、移動体情報集合Aが4ヶ月分の情報量であり、移動体情報集合Bが3ヶ月分の情報量であった場合であって、双方の年間の情報量を想定した上での差分を得るといった場合において有効である。
更には、任意の数による倍数や任意の数を除数として計算した加速度分布を出力することとしてもよい。
【0091】
更に、別の合成方法の例として、比較演算や論理演算を行うこととしてもよい。例えば、区分ごとに値を比較し、最初の値が2番目の値より小さければ真として1、逆に最初の値が2番目の値以上であれば偽として0を出力する演算を行なうこととしてもよい。同様に、最初の値が2番目の値以下であるかどうか、最初の値が2番目の値よりも大きいかどうか、最初の値が2番目の値以上であるかどうか、最初の値が2番目の値と等しいかどうか(この場合、幅を持たせて所定の範囲内にあるかどうか、という判断でもよい)、最初の値が2番目の値と等しくないかどうか、最初の値と2番目の値との両方が1(又は所定の値)以上であるか、最初の値と2番目の値のいずれかが1(又は所定の値)以上であるか、最初の値と2番目の値とが異なるか(又は差異値が所定の値以上であるか)、最初の値と2番目の値のいずれか一方が1(又は所定の値)以上でありかつ両方が1以上ではないか、といった基準に従って1か0(又は任意の数値)を出力する演算を行うこととしてもよい。
【0092】
上述の説明では、合成対象である移動体情報集合を運転手、運転期間、運転地域、天候などの情報に基づいて特定されるものとしたが、特定方法はこれに限られない。例えば、複数の運転手を対象とした移動体集合に対応する加速度分布の平均を合成対象としたり、更には一定期間において収集されたある領域での全移動体情報の平均を領域平均として合成対象としたりしてもよい。
なおこの場合、これらの平均加速度分布を、ステップS1100からステップS1104までの処理によって取得することしてもよい。この際、重み付け平均を算出するような手法も適用可能である。
【0093】
上述の説明では、移動体情報に含まれる加速度情報又は速度情報について合成処理を行うこととしているが、合成処理を行う対象はこれらに限られない。合成処理を行う対象は、移動体の移動に関する任意の特徴量情報でよく、例えば、加加速度、角速度、角加速度等であってもよい。
また、合成対象である複数の移動体情報のそれぞれについて、複数の種類の特徴量情報の分布を用意し、それらを特定された合成方法によって合成することとしてもよい。例えば、合成対象である複数の移動体情報それぞれにつき、第1区分に基づく加速度分布と、第2区分に基づく速度分布を用意し、複数の加速度分布に対して特定された合成方法で合成処理を行い、及び、複数の速度分布に対して同一の合成方法で合成処理を行って、それぞれについて出力することとしてもよい。
【0094】
また、上述の説明では、合成対象である複数の移動体情報を2次元の区分に割り当てて、当該2次元の区分に基づいて合成処理を行うこととしているが、割り当てる区分はこの態様に限られない。割り当てる区分は1次元によるものでもよく、または3次元以上によるものでもよく、特に次元数は限定されない。また、区分のあり方も特に限定されず、例えば、特定方向(例えば、右方向)に発生する加速度の分析を細かく行う等の目的で、特定方向における区分をそれ以外の方向における区分よりも細かくするような態様であってもよい。
なお、合成対象である複数の移動体情報を割り当てる区分をユーザに選択させることとしてもよい。この場合、デフォルトで表示される区分そのものをかかる区分に変更することとしてもよいし、デフォルトはそのままで出力のみをその区分で行うこととして、例えば、合成方法を選択する前後においてユーザに選択させることとしてもよい。
【0095】
上述の説明では、移動体情報を所定の区分に割り当てて、各区分における頻度を取得して合成対象としているが、所定の区分において合成対象として取得される情報は頻度に限られない。例えば、各区分における頻度に基づいて算出される発生確率を取得し、合成対象としてもよい。
この場合、合成対象となる複数の移動体情報の分量に差異があっても比較が容易となるという効果を有する。また、この背景から、減法や除法などの合成方法が推奨されることが好ましい。
【0096】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0097】
210 データ処理装置
211 加速度情報取得部
212 処理部
213 通信部
214 位置情報取得部
220 携帯端末
230 サーバ
231 通信部
232 記憶部
233 処理部