(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】情報通信システム及び情報通信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/04 20220101AFI20240801BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240801BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H04L51/04
G06Q50/00 300
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2020039423
(22)【出願日】2020-03-08
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519462207
【氏名又は名称】株式会社エーテルスミス
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】小黒 泰洋
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524952(JP,A)
【文献】特開2018-146999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0149282(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/04
G06Q 50/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの端末の間での情報通信を確立するコミュニケーションサービスを前記端末に提供する情報通信システムにおいて、
前記コミュニケーションサービスは、
前記ユーザの有する複数の人的な交流関係ごとに構成されて前記
複数のユーザの
うちの一のユーザによる前記端末
を介した任意の情報の発信及び発信された前記情報に対する
前記一のユーザあるいは前記複数のユーザのうちの他のユーザによる前記端末を介した応答が可能なパブリックチャンネルと、
該パブリックチャンネルごとに構成されて前記パブリックチャンネルを構成する前記交流関係に属する全ての前記ユーザの前記端末とのチャット通信が可能なグループチャンネルと、
該グループチャンネルごとに構成されて前記パブリックチャンネルに対応する前記交流関係に属する任意の前記ユーザの前記端末との個別のチャット通信が可能なプライベートチャンネルと、
を提供することを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
異なる複数の前記交流関係ごとにそれぞれ構成された複数の前記パブリックチャンネルの間において一の前記パブリックチャンネルでの情報通信から他の前記パブリックチャンネルでの情報通信に遷移する際に予め設定された認証情報の入力が要求され、
異なる複数の前記パブリックチャンネルごとにそれぞれ構成された複数の前記グループチャンネルの間において一の前記グループチャンネルでのチャット通信から他の前記グループチャンネルでのチャット通信に遷移する際に予め設定された前記認証情報の入力が要求され、
異なる複数の前記グループチャンネルごとにそれぞれ構成された複数の前記プライベートチャンネルの間において一の前記プライベートチャンネルでのチャット通信から他の前記プライベートチャンネルでのチャット通信に遷移する際に予め設定された前記認証情報の入力が要求される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記認証情報が電子決済手段に格納されることを特徴とする請求項2に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記認証情報が前記端末の操作のロック状態を解除する際に前記端末に入力される暗証情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報通信システム。
【請求項5】
任意の業務を処理する業務処理プログラムが前記コミュニケーションサービスに関連づけられることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項6】
前記グループチャンネルにおいて確立される前記チャット通信及び前記プライベートチャンネルにおいて確立される前記チャット通信が会話型のインターフェースにおいて実現されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項7】
前記コミュニケーションサービスでの情報通信に任意の重みづけに基づいたスコアが付与されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項8】
複数のユーザの端末の間での情報通信を確立するコミュニケーションサービスを前記端末に提供する情報通信プログラムにおいて、
前記コミュニケーションサービスは、
前記ユーザの有する複数の人的な交流関係ごとに構成されて前記
複数のユーザの
うちの一のユーザによる前記端末
を介した任意の情報の発信及び発信された前記情報に対する
前記一のユーザあるいは前記複数のユーザのうちの他のユーザによる前記端末を介した応答が可能なパブリックチャンネルと、
該パブリックチャンネルごとに構成されて前記パブリックチャンネルに対応する前記交流関係に属する全ての前記ユーザの前記端末とのチャット通信が可能なグループチャンネルと、
該グループチャンネルごとに構成されて前記パブリックチャンネルを構成する前記交流関係に属する任意の前記ユーザの前記端末との個別のチャット通信が可能なプライベートチャンネルと、
を提供することを特徴とする情報通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システム及び情報通信プログラム、特に、複数のユーザの端末の間での情報通信を確立するコミュニケーションサービスを端末に提供する情報通信システム及び情報通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してソーシャルネットワークサービスやチャットサービス等(以下、「コミュニケーションサービス」という。)をユーザに提供する技術が、広く利用されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
この種の技術で提供されるコミュニケーションサービスでは、そのコミュニケーションサービスに登録したユーザが投稿した投稿内容を閲覧したり、登録したユーザの間でメッセージの交換をしたりすることによって、ユーザの間で交流を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種のコミュニケーションサービスでは、一のユーザがもつ複数の人的な交流関係(例えばビジネスの交流関係とプライベートの交流関係)における交流が、一のコミュニケーションサービスを利用して行われることがある。
【0006】
一方で、例えば公私を区別するという観点から、一のコミュニケーションサービスにおいて、複数の交流関係における交流をそれぞれ区別して交流を行いたいという要望をもつユーザも存在する。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の人的な交流関係を有するユーザの利用に便宜なコミュニケーションサービスを提供することができる情報通信システム及び情報通信プログラムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る情報通信システムは、複数のユーザの端末の間での情報通信を確立するコミュニケーションサービスを端末に提供する情報通信システムにおいて、コミュニケーションサービスは、ユーザの有する複数の人的な交流関係ごとに構成されてユーザの端末において任意の情報の発信及び発信された情報に対する応答が可能なパブリックチャンネルと、パブリックチャンネルごとに構成されてパブリックチャンネルを構成する交流関係に属する全てのユーザの端末とのチャット通信が可能なグループチャンネルと、グループチャンネルごとに構成されてパブリックチャンネルに対応する交流関係に属する任意のユーザの端末との個別のチャット通信が可能なプライベートチャンネルと、を提供することを特徴とするものである。
【0009】
これによれば、異なる複数の人的な交流関係ごとにパブリックチャンネル、グループチャンネル及びプライベートチャンネルがそれぞれ構成されることから、これら各チャンネルにおいて、ユーザが異なる複数の人的な交流関係における情報通信をそれぞれ区別して情報通信を行うことができるコミュニケーションサービスを提供することができる。
【0010】
したがって、異なる複数の人的な交流関係を有するユーザにとって、コミュニケーションサービスを利用する便宜が向上する。
【0011】
さらに、情報通信システムでは、異なる複数の交流関係ごとにそれぞれ構成された複数のパブリックチャンネルの間において一のパブリックチャンネルでの情報通信から他のパブリックチャンネルでの情報通信に遷移する際に予め設定された認証情報の入力が要求され、異なる複数のパブリックチャンネルごとにそれぞれ構成された複数のグループチャンネルの間において一のグループチャンネルでのチャット通信から他のグループチャンネルでのチャット通信に遷移する際に予め設定された認証情報の入力が要求され、異なる複数のグループチャンネルごとにそれぞれ構成された複数のプライベートチャンネルの間において一のプライベートチャンネルでのチャット通信から他のプライベートチャンネルでのチャット通信に遷移する際に予め設定された認証情報の入力が要求される、ことを特徴とするものである。
【0012】
ところで、情報通信システムでは、認証情報が電子決済手段に格納されるものであってもよいし、認証情報が端末の操作のロック状態を解除する際に端末に入力される暗証情報であってもよい。
【0013】
この情報通信システムは、任意の業務を処理する業務処理プログラムがコミュニケーションサービスに関連づけられることを特徴とするものである。
【0014】
さらに、情報通信システムでは、グループチャンネルにおいて確立されるチャット通信及びプライベートチャンネルにおいて確立されるチャット通信が会話型のインターフェースにおいて実現されることを特徴とするものである。
【0015】
しかも、情報通信システムでは、コミュニケーションサービスでの情報通信に任意の重みづけに基づいたスコアが付与されることを特徴とするものである。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る情報通信プログラムは、複数のユーザの端末の間での情報通信を確立するコミュニケーションサービスを端末に提供する情報通信プログラムにおいて、コミュニケーションサービスは、ユーザの有する複数の人的な交流関係ごとに構成されてユーザの端末において任意の情報の発信及び発信された情報に対する応答が可能なパブリックチャンネルと、パブリックチャンネルごとに構成されてパブリックチャンネルを構成する交流関係に属する全てのユーザの端末とのチャット通信が可能なグループチャンネルと、グループチャンネルごとに構成されてパブリックチャンネルに対応する交流関係に属する任意のユーザの端末との個別のチャット通信が可能なプライベートチャンネルと、を提供することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、異なる複数の人的な交流関係を有するユーザにとって、コミュニケーションサービスを利用する便宜が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報通信システムの構成の概略を説明するブロック図である
【
図2】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムのユーザ端末の構成の概略を説明するブロック図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムのクラウドサーバの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムのクラウドサーバのストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで処理されるユーザ属性情報の概略を説明するブロック図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで使用されるパターンロックの概略を説明するブロック図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスの概略を説明するブロック図である。
【
図8】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスのパブリックチャンネルでの情報通信の概略を説明する図である。
【
図9】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスのグループチャンネルでのチャット通信の概略を説明する図である。
【
図10】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスのグループチャンネルでのチャット通信の概略を説明する図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスのグループチャンネルでのチャット通信の概略を説明するフローチャートである。
【
図12】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムのチャット通信の画面インターフェースの一例を説明する図である。
【
図13】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムで提供するコミュニケーションサービスの処理の概略を説明する図である。
【
図14】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムの情報通信プログラムの処理モジュールによる処理の概略を説明する図である。
【
図15】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムの情報通信プログラムの処理モジュールによる処理の概略を説明する図である。
【
図16】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムの情報通信プログラムの処理モジュールによる処理の概略を説明する図である。
【
図17】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムの情報通信プログラムの処理モジュールによる処理の概略を説明する図である。
【
図18】同じく、本実施の形態に係る情報通信システムの情報通信プログラムの処理モジュールによる処理の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、
図1~
図18に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報通信システムについて説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る情報通信システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報通信システム10は、端末である複数のユーザ端末20a~20n及びクラウドサーバ30を主要構成として備え、これらがインターネット網200を介して互いにアクセス可能に接続される。
【0021】
本実施の形態では、ユーザ端末20a~20nは、複数のユーザ1a~1nに保有され、クラウドサーバ20は、任意の事業を営む事業者2が管理するクラウド環境で実装されるサーバである。
【0022】
なお、本実施の形態では、複数のユーザ1a~1nには、事業者2の従業者とそれ以外の者とが含まれることから、必要に応じて明示するものとする。
【0023】
ユーザ端末20a~20nは、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンあるいはタブレット型のコンピュータによって実装される。
【0024】
図2は、ユーザ端末20a~20nの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ端末20a~20nは、制御部21及びディスプレイ22を主要構成として備える。
【0025】
制御部21は、例えばディスプレイ22等や図示しないカメラ等のユーザ端末20a~20nの各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0026】
ディスプレイ22は、ユーザ端末20a~20nに格納されるアプリケーションプログラムのインターフェース等が表示される。このディスプレイ22は、本実施の形態では、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるものであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0027】
クラウドサーバ30は、本実施の形態ではコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0028】
図3は、クラウドサーバ30の構成の概略を説明するブロック図である。
【0029】
図示のように、クラウドサーバ30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34、及び入出力部35を主要構成として備え、これらが互いにバス36を介して電気的に接続される。
【0030】
プロセッサ31は、クラウドサーバ30の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0031】
このプロセッサ31は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ33に格納されてメモリ22に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0032】
メモリ32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0033】
このメモリ32は、プロセッサ31の作業領域として使用される一方、クラウドサーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0034】
ストレージ33は、アプリケーションプログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0035】
送受信部34は、クラウドサーバ30をインターネット網200に接続する。この送受信部34は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0036】
入出力部35には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0037】
バス36は、接続したプロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34及び入出力部35の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0038】
図4は、クラウドサーバ30のストレージ33の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ33は、ストレージ33の記憶領域によって実現されるデータベース41、及び情報通信プログラム42を備える。
【0039】
データベース41には、本実施の形態では、ユーザ属性情報D1が格納される。
【0040】
図5は、ユーザ属性情報D1の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ属性情報D1は、ユーザ1a~1nによって予め設定された氏名データd1、生年月日データd2、IDデータd3、認証情報である個人認証データd4等といったユーザ1a~1nの各種の属性に関する情報によって構成される。
【0041】
このうち、個人認証データd4は、本実施の形態では、電子決済手段である電子マネーに格納された認証情報、及びユーザ端末20a~20nの操作のロック状態を解除するパターンロックを使用する際に入力される暗証情報である任意のパターンによって構成される。
【0042】
図6は、パターンロックの概略を説明するブロック図である。図示のように、パターンロックは、ユーザ端末20a~20nのディスプレイ22に接触して、ディスプレイ22に表示される複数のピンをなぞって予め設定された任意のパターンPがディスプレイ22に仮想的に描画されることによって、ユーザ端末20a~20nの操作のロック状態が解除される技術である。
【0043】
図4で示す情報通信プログラム42は、本実施の形態では、コミュニケーションサービスをユーザ端末20a~20nに提供するプログラムである。この情報通信プログラム42の説明に先立って、コミュニケーションサービスの概略を説明する。
【0044】
図7は、コミュニケーションサービスの概略を説明するブロック図である。図示のように、コミュニケーションサービス100は、ユーザ属性情報D1を入力して登録したユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nの間での情報通信を確立するものであって、パブリックチャンネル110、グループチャンネル120及びプライベートチャンネル130を提供する。
【0045】
パブリックチャンネル110は、ユーザ1a~1nの有する異なる複数の人的な交流関係ごとに構成されるチャンネルであって、本実施の形態では、そのパブリックチャンネル110ごとに付与されるペルソナと結びついて管理される。
【0046】
本実施の形態では、パブリックチャンネル110は、ユーザ1aが従業者として従事する事業者2(企業)内での人的な交流関係である交流関係Aに基づいた「太平電器さん」公式チャンネル111、及びユーザ1aの趣味の交流関係である交流関係Bに基づいた家電ヲタ公式チャンネル112によって構成され、「太平電器さん」公式チャンネル111は太平電器ペルソナと結びついて管理され、家電ヲタ公式チャンネル112は家電ヲタペルソナと結びついて管理される。
【0047】
パブリックチャンネル110では、ユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nにおいて、任意の情報の発信及び発信された情報に対する応答といった情報通信を行うことができる。
【0048】
図8は、パブリックチャンネル110での情報通信の概略を説明する図である。図示のように、例えば「太平電器さん」公式チャンネル111では、事業者2の従業者であるユーザ1aが「太平電器株式会社(太平電器さん)」として情報Iを発信し、情報Iに対する応答Rを、「太平電器さん」公式チャンネル111を閲覧する、事業者2の従業者ではないユーザ1bが発信する。
【0049】
家電ヲタ公式チャンネル112においても、同様の情報通信を行うことができる。
【0050】
図7で示すように、グループチャンネル120は、異なる複数のパブリックチャンネル110ごとにそれぞれ構成されるチャンネルであって、そのパブリックチャンネル110を構成する交流関係に属する全てのユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nとチャット通信を行うことができる。
【0051】
このグループチャンネル120は、本実施の形態では、例えば「太平電器さん」公式チャンネル111に対応する太平電器広報部チャンネル121、及び家電ヲタ公式チャンネル112に対応する家電ヲタチャンネル122によって構成される。
【0052】
図9~
図12は、グループチャンネル120でのチャット通信の概略を説明する図である。
図9で示すように、例えば太平電器広報部チャンネル121には、「太平電器さん」公式チャンネル用サブジェクト121a、太平電器広報部求人サブジェクト121b等の複数のサブジェクトがあり、これら各サブジェクトでは、サブジェクトに応じたスレッドでチャット通信が行われる。
【0053】
本実施の形態では、例えば「太平電器さん」公式チャンネル用サブジェクト121aにおいて、パブリックチャンネル110である「太平電器さん」公式チャンネル111で発信する情報Iの内容を検討するチャット通信が行われる。
【0054】
図10で示すように、「太平電器さん」公式チャンネル用サブジェクト121aには、家電フェア告知用スレッドT1、今日のひとこと家電メモ用スレッドT2、気になる新製品紹介用スレッドT3等の複数のスレッドがある。
【0055】
例えば、家電フェア告知用スレッドT1では、家電フェアに出展する製品に関する情報Iを「太平電器さん」公式チャンネル111で発信する際に、情報Iの内容を検討するためのチャット通信を交流関係Aに属する全てのユーザ1a~1nの間で行うことが可能である。
【0056】
例えば、事業者2の従業者であるユーザ1aが「太平電器さん」公式チャンネル111で情報Iの発信を担当する担当者である場合であって、家電フェアの告知に関する情報Iの発信を行う場合は、家電フェア告知用スレッドT1でチャット通信を行う。
【0057】
図11で示すように、ユーザ1aは、ステップS1において、「太平電器さん」公式チャンネル111で発信する情報I(テキスト)の起案を行い、家電フェア告知用スレッドT1に投稿する。
【0058】
続くステップS2において、ユーザ1aが起案して投稿したテキストについて、ユーザ1aの上司が修正コメントを投稿して修正を指示し、その指示に基づいてユーザ1aがテキストの修正を行い、修正したテキストを投稿する。
【0059】
なお、ユーザ1aが起案したテキストに対する修正の指示がない場合や、修正したテキストに対する再度の修正の指示がなされる場合(複数回に亘る修正の指示がなされる場合も含む。)もあることが想定される。
【0060】
その後、ステップS3において、ユーザ1aが修正したテキストについて上司がその修正を承認すると、そのテキストが「太平電器さん」公式チャンネル111で情報Iとして発信される。
【0061】
図12で示すように、グループチャンネル120では、ユーザ端末20a~20nのディスプレイ22に表示されてユーザ端末20a~20nで情報の入力が可能な会話型の画面インターフェースIF1によってチャット通信が実現される。
【0062】
家電ヲタチャンネル122においても、同様の情報通信を行うことができる。
【0063】
図7で示すように、プライベートチャンネル130は、異なる複数のグループチャンネル120ごとにそれぞれ構成されるチャンネルであって、そのグループチャンネル120を構成するパブリックチャンネル110に対応する交流関係に属する全てのユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nとの間で、個別のチャット通信を行うことができる。
【0064】
このプライベートチャンネル130は、本実施の形態では、例えば太平電器広報部チャンネル121に対応する交流関係Aに属する全てのユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nと個別のチャット通信を行うことができる交流関係Aチャンネル131、及び家電ヲタチャンネル122に対応する交流関係Bに属する全てのユーザ1a~1nのユーザ端末20a~20nと個別のチャット通信を行うことができる交流関係Bチャンネル132によって構成される。
【0065】
プライベートチャンネル130では、グループチャンネル120と同様に、
図12で示すような会話型の画面インターフェースIF1によってチャット通信が実現される。
【0066】
図7で示すように、コミュニケーションサービス100には、経費申請や稟議申請、あるいは休日申請等の各種の業務処理を実行する業務処理プログラム140が関連づけられる。本実施の形態では、例えばプライベートチャンネル130の交流関係Aチャンネル131と関連づけられている。
【0067】
本実施の形態では、交流関係Aチャンネル131を介して業務処理プログラム140に各種の必要な情報やデータ等を入力することが可能であり、例えば、ユーザ1aが交流関係Aチャンネル131を介して上司に経費申請を行った場合、上司は、交流関係Aチャンネル131を介して承認あるいは非承認の処理を行う。
【0068】
これらパブリックチャンネル110、グループチャンネル120及びプライベートチャンネル130を提供するコミュニケーションサービス100では、任意の重みづけが予め設定されたスコアが、コミュニケーションサービス100で行われる情報通信に付与される。
【0069】
例えば、
図13で示すように、グループチャンネル120では、新たなサブジェクトを作成すると、20ポイントの重みづけが設定されたスコアが付与され、新たなスレッドを作成すると、1ポイントの重みづけが設定されたスコアが付与され、チャット通信が行われると、1~100ポイントの範囲で重みづけが設定されたスコアがチャット通信の重要度に応じて付与される。
【0070】
次に、情報通信プログラム42の概略を説明する。
【0071】
情報通信プログラム42は、ユーザ端末20a~20nのディスプレイ22に表示されてユーザ端末20a~20nで情報の入出力が可能なコミュニケーションサービス100の画面インターフェースによって実装される。
【0072】
図4で示すように、情報通信プログラム42は、本実施の形態では、入力モジュール42a、処理モジュール42b及び出力モジュール42cを備える。
【0073】
入力モジュール42aは、ユーザ端末20a~20nのディスプレイ22やセンサを介して、ユーザ属性情報D1、文字情報、あるいはフリック・スワイプ・タップ等の操作によるコマンド等の各種の情報が入力されるモジュールである。
【0074】
処理モジュール42bは、入力モジュール42aに入力された各種の情報に基づいて、コミュニケーションサービス100上での処理を実行するモジュールである。
【0075】
図14~
図18は、処理モジュール42bによる処理の概略を説明する図である。
【0076】
図14で示すように、例えばコミュニケーションサービス100のメニュー選択に関する画面インターフェースIF2がユーザ端末20a~20nのディスプレイ22に表示されている場合において、矢線Rで示す方向にフリックあるいはスワイプがなされて入力モジュール42aにコマンドが入力されると、処理モジュール42bは、入力されたコマンドに基づく処理を実行する。
【0077】
本実施の形態では、画面インターフェースIF2が表示されている場合において、「Channel select」をフリックあるいはスワイプすると「Channel select」が選択されて、
図15で示す選択されたメニューに関する画面インターフェースIF3に遷移する。
【0078】
一方、
図16で示すメニュー選択に関する画面インターフェースIF4が表示されている場合において、矢線Rで示す方向に「Persona switch」をフリックあるいはスワイプすると「Persona switch」が選択される。
【0079】
この「Persona switch」は、異なる複数の人的な交流関係にそれぞれ基づいて構成される複数のパブリックチャンネル110の間において、一のパブリックチャンネル110での情報通信から他のパブリックチャンネル110での情報通信に遷移するメニューである。
【0080】
同じく、「Persona switch」は、異なる複数のパブリックチャンネル110ごとにそれぞれ構成された複数のグループチャンネル120の間において、一のグループチャンネル120でのチャット通信から他のグループチャンネル120でのチャット通信に遷移するメニューでもある。
【0081】
さらに同じく、「Persona switch」は、異なる複数のグループチャンネル120ごとにそれぞれ構成された複数のプライベートチャンネル130の間において、一のプライベートチャンネル130でのチャット通信から他のプライベートチャンネル130でのチャット通信に遷移するメニューでもある。
【0082】
本実施の形態では、フリックあるいはスワイプによって「Persona switch」が選択されると、個人認証データd4として予め設定された電子マネーに格納された認証情報、及びパターンロックを使用する際の任意のパターンの入力が要求され、これらが入力モジュール42aに入力されると、処理モジュール42bは、ディスプレイ22に表示される画面インターフェースIF4を、
図17で示すペルソナの選択に関する画面インターフェースIF5に遷移させる。
【0083】
一方、
図18で示すように、例えばコミュニケーションサービス100の文字入力に関する画面インターフェースIF6がユーザ端末20a~20nのディスプレイ22に表示されている場合において、入力モジュール42aに文字情報が入力されると、処理モジュール42bは、コミュニケーションサービス100において入力された文字情報を処理する。
【0084】
図4で示す出力モジュール42cは、処理モジュール42bでの処理の結果をユーザ端末20a~20nに出力するモジュールである。
【0085】
次に、本実施の形態に係る情報通信システム10の運用について説明する。
【0086】
なお、本実施の形態では、情報通信システム10が、事業者2(太平電器株式会社)とその従業者であるユーザ1aとの間で運用される場合であって、ユーザ1aが太平電器ペルソナと家電ヲタペルソナとを用いる場合について説明する。
【0087】
まず、ユーザ1aは、交流関係Aに基づいた「太平電器さん」公式チャンネル111に太平電器ペルソナを関連づけて参加するとともに、交流関係Bに基づいた家電ヲタ公式チャンネル112に家電ヲタペルソナを関連づけて参加する。
【0088】
これによって、ユーザ1aは、「太平電器さん」公式チャンネル111に対応する太平電器広報部チャンネル121及び家電ヲタチャンネル122でのグループでのチャット通信と、太平電器広報部チャンネル121に対応する交流関係Aチャンネル131及び家電ヲタチャンネル122に対応する交流関係Bチャンネル132での個別のチャット通信とが可能になる。
【0089】
本実施の形態では、ユーザ1aは、「太平電器さん」公式チャンネル111で情報Iの発信を担当する担当者であり、「太平電器さん」公式チャンネル111で発信する情報Iの起案を行い、太平電器ペルソナで太平電器広報部チャンネル121の家電フェア告知用スレッドT1に投稿する。
【0090】
これに対して、ユーザ1aの上司が修正コメントを家電フェア告知用スレッドT1に投稿して修正を指示し、その指示に基づいてユーザ1aがテキストの修正を行い、修正したテキストを投稿する。
【0091】
修正したテキストを上司が承認すると、そのテキストが「太平電器さん」公式チャンネル111で情報Iとして発信され、この情報Iに対して、「太平電器さん」公式チャンネル111を閲覧する、事業者2の従業者ではないユーザ1bが応答Rを発信する(事業者2の従業者である任意のユーザであってもよい。)。
【0092】
これら太平電器広報部チャンネル121でのチャット通信及び「太平電器さん」公式チャンネル111での情報の発信がなされると、任意の重みづけが予め設定されたスコアがこれらの情報通信に付与される。
【0093】
一方、本実施の形態では、プライベートチャンネル130の交流関係Aチャンネル131には、経費申請等を実行する業務処理プログラム140が関連づけられていることから、ユーザ1aは、例えば、交流関係Aチャンネル131を介して上司に経費申請を行い、上司は交流関係Aチャンネル131を介して承認あるいは非承認の処理を行う。
【0094】
ところで、ユーザ1aが、太平電器ペルソナによる「太平電器さん」公式チャンネル111における情報通信から、家電ヲタペルソナによる家電ヲタ公式チャンネル112における情報通信に遷移する場合は、例えば
図16で示した画面インターフェースIF4で「Persona switch」をフリックあるいはスワイプする。
【0095】
これにより、「Persona switch」が選択され、電子マネーに格納された認証情報及びパターンロックを使用する際の任意のパターンの入力が要求され、これらを入力すると、例えば
図17で示した画面インターフェースIF5に遷移して、家電ヲタ公式チャンネル112に相当するメニューを選択する(例えば、
図17における「hobby」がこれに相当する。)。
【0096】
太平電器ペルソナによる太平電器広報部チャンネル121におけるチャット通信から家電ヲタペルソナによる家電ヲタチャンネル122におけるチャット通信に遷移する場合、及び太平電器ペルソナによる交流関係Aチャンネルにおけるチャット通信から家電ヲタペルソナによる交流関係Bチャンネルにおけるチャット通信に遷移する場合も、上記と同様である。
【0097】
このように、異なる複数の人的な交流関係ごとにパブリックチャンネル110、グループチャンネル120及びプライベートチャンネル130がそれぞれ構成されることから、これら各チャンネルにおいて、ユーザ1a~1nが異なる複数の人的な交流関係における情報通信をそれぞれ区別して情報通信を行うことができるコミュニケーションサービス100を提供することができる。
【0098】
したがって、異なる複数の人的な交流関係を有するユーザ1a~1nにとって、コミュニケーションサービス100を利用する便宜が向上する。
【0099】
しかも、本実施の形態では、複数のパブリックチャンネル110の間での情報通信を遷移する場合、複数のグループチャンネル120の間でのチャット通信を遷移する場合、及び複数のプライベートチャンネル130の間でのチャット通信を遷移する場合に、電子マネーに格納された認証情報及びパターンロックを使用する際の任意のパターンの入力が要求されることから、情報Iの誤発信やチャット通信における誤送信が抑制される。
【0100】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0101】
上記実施の形態では、複数のパブリックチャンネル110の間での情報通信を遷移する場合等に、電子マネーに格納された認証情報及びパターンロックを使用する際の任意のパターンの双方の入力が要求される場合を説明したが、いずれか一方のみの入力が要求されるように構成してもよい。
【0102】
上記実施の形態では、業務処理プログラム140がプライベートチャンネル130に関連づけされている場合を説明したが、グループチャンネル120に関連づけされるものであってもよい。
【0103】
さらに、コミュニケーションサービス100は、既存のSNS(Social Network Service)を搭載することによって実装されるものであってもよく、この場合において、複数のSNSを組み合わせて搭載するものであってもよい。
【0104】
上記実施の形態では、情報通信システム10は、事業者2が管理するクラウド環境で実装されるクラウドサーバ30を備えることを説明したが、例えば、事業者2以外の第三者が運営及び管理するクラウド環境で実装されるクラウドサーバであってもよいし、事業者2に配備されるサーバであってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1a~1n ユーザ
10 情報通信システム
20a~20n ユーザ端末(端末)
30 クラウドサーバ
41 データベース
42 情報通信プログラム
100 コミュニケーションサービス
110 パブリックチャンネル
120 グループチャンネル
130 プライベートチャンネル
140 業務処理プログラム