IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社マリントラベラーの特許一覧

<>
  • 特許-浮遊物除去装置 図1
  • 特許-浮遊物除去装置 図2
  • 特許-浮遊物除去装置 図3
  • 特許-浮遊物除去装置 図4
  • 特許-浮遊物除去装置 図5
  • 特許-浮遊物除去装置 図6
  • 特許-浮遊物除去装置 図7
  • 特許-浮遊物除去装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】浮遊物除去装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/32 20060101AFI20240801BHJP
   C02F 1/40 20230101ALI20240801BHJP
   E02B 15/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B63B35/32 C
C02F1/40 J
E02B15/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020170179
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061913
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-09-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年8月26日及び同年8月27日に、埼玉県戸田市戸田公園8番22号の戸田ボートレース場において、特許出願に係る発明品を用いて発明内容を実演し関係者に説明した。
(73)【特許権者】
【識別番号】518404710
【氏名又は名称】有限会社マリントラベラー
(74)【代理人】
【識別番号】100109368
【弁理士】
【氏名又は名称】稲村 悦男
(72)【発明者】
【氏名】岩田 一三
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-291522(JP,A)
【文献】実開平01-160200(JP,U)
【文献】国際公開第2020/099713(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/32
C02F 1/40
E02B 15/00 - 15/10
F04F 5/00 - 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湖沼に浮遊する浮遊物を除去する浮遊物除去装置において、
第1の浮きの浮力により前記湖沼に浮く台座に固定され前記湖沼の水を吸い込んで吐出させるポンプと、
該ポンプに一端部を接続して他端部から前記湖沼の水を吸い込むもので吸込み開口が開設された吸込みヘッドと該吸込みヘッドに一端部が連結され他端部が前記ポンプに接続される吸込み用ホースとから成り前記吸込み開口から前記湖沼の水を吸いこめるように前記湖沼に浮く量が第2の浮きにより調整された吸込み部材と、
一端部の吸込み用入口から前記湖沼の水及び前記湖沼に浮遊する前記浮遊物を吸い込んで他端部の吐出用出口から吐出して回収装置に前記浮遊物を回収させるためのもので前記湖沼に入った作業者が手に持って前進しながら前記浮遊物の回収作業を行うための吸込み及び回収部材と、
前記吸込み部材の前記吸込みヘッドを介して前記ポンプに吸い込まれた前記湖沼の水を該ポンプから吐出するための吐出ホースと、
前記吸込み及び回収部材の前記吸込み用入口と前記吐出用出口との中間位置において前記吐出ホースと前記吸込み及び回収部材とを連結して前記吐出ホースからの前記湖沼の水と前記吸込み及び回収部材からの前記湖沼の水及び前記浮遊物とを合流させるためのもので前記吐出用出口に向けて流れる水流を作る合流部材とを備え、
前記湖沼に入った作業者が前記吸込み及び回収部材を手に持って前方ヘ進行しながら前記浮遊物の回収作業を行うもので、前記ポンプの駆動により前記吸込み部材から前記湖沼の水を吸い込んで前記ポンプから吐出する前記湖沼の水を前記吐出ホースと前記合流部材を介して前記吸込み及び回収部材内に導入して後方の前記吐出用出口に向けて流れる水流を作って、このときの前記水の圧力を利用して前記吸込み及び回収部材から前記湖沼の水及び前記浮遊物を吸い込むと共に前記合流部材により前記吐出ホースからの前記湖沼の水と合流させて前記吸込み及び回収部材で吸い込んで前記前方から後方へと搬送された前記浮遊物を前記吐出用出口から吐出して前記回収装置に回収するようにしたことを特徴とする浮遊物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湖沼に浮遊する浮遊物を除去する浮遊物除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湖沼の水中に網袋を投入し、この網袋内に前記湖沼の水をポンプによって吸水パイプを介して吸込むと共に注入パイプを介して送り出し、この水に浮遊する緑藻類を前記網袋で回収する技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-66114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術によれば、対象物の回収能力は、ポンプの吸込み及び吐出能力に影響を受ける。このため、特に回収能力を上げるには、より大きな能力を有するポンプを選定しなければならない。また、一般に吸込み時に水と一緒に他の浮遊物も吸込むことになるために、ときにポンプを詰まらせてしまうことになり、水を吸込まなくなり回収作業効率が悪化するという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、湖沼の水の吸込みと湖沼に浮遊する浮遊物の吸込みを分けて吸込むことにより、ポンプの詰まりを極力減らし、回収作業効率の向上が図れる浮遊物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明は、湖沼に浮遊する浮遊物を除去する浮遊物除去装置において、
第1の浮きの浮力により前記湖沼に浮く台座に固定され前記湖沼の水を吸い込んで吐出させるポンプと、
該ポンプに一端部を接続して他端部から前記湖沼の水を吸い込むもので吸込み開口が開設された吸込みヘッドと該吸込みヘッドに一端部が連結され他端部が前記ポンプに接続される吸込み用ホースとから成り前記吸込み開口から前記湖沼の水を吸いこめるように前記湖沼に浮く量が第2の浮きにより調整された吸込み部材と、
一端部の吸込み用入口から前記湖沼の水及び前記湖沼に浮遊する前記浮遊物を吸い込んで他端部の吐出用出口から吐出して回収装置に前記浮遊物を回収させるためのもので前記湖沼に入った作業者が手に持って前進しながら前記浮遊物の回収作業を行うための吸込み及び回収部材と、
前記吸込み部材の前記吸込みヘッドを介して前記ポンプに吸い込まれた前記湖沼の水を該ポンプから吐出するための吐出ホースと、
前記吸込み及び回収部材の前記吸込み用入口と前記吐出用出口との中間位置において前記吐出ホースと前記吸込み及び回収部材とを連結して前記吐出ホースからの前記湖沼の水と前記吸込み及び回収部材からの前記湖沼の水及び前記浮遊物とを合流させるためのもので前記吐出用出口に向けて流れる水流を作る合流部材とを備え、
前記湖沼に入った作業者が前記吸込み及び回収部材を手に持って前方ヘ進行しながら前記浮遊物の回収作業を行うもので、前記ポンプの駆動により前記吸込み部材から前記湖沼の水を吸い込んで前記ポンプから吐出する前記湖沼の水を前記吐出ホースと前記合流部材を介して前記吸込み及び回収部材内に導入して後方の前記吐出用出口に向けて流れる水流を作って、このときの前記水の圧力を利用して前記吸込み及び回収部材から前記湖沼の水及び前記浮遊物を吸い込むと共に前記合流部材により前記吐出ホースからの前記湖沼の水と合流させて前記吸込み及び回収部材で吸い込んで前記前方から後方へと搬送された前記浮遊物を前記吐出用出口から吐出して前記回収装置に回収するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、湖沼の水の吸込みと湖沼に浮遊する浮遊物の吸込みを分けて吸込むことにより、ポンプの詰まりを極力減らし、回収作業効率の向上が図れる浮遊物除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】上方から見た本発明に係る浮遊物除去装置の斜視図である。
図2】下方から見た本発明に係る浮遊物除去装置の斜視図である。
図3】合流装置の第1の実施形態を示すための吸込み及び回収部材と合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る要部縦断面図である。
図4】合流装置の第1の実施形態を示すための合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る要部横断平面図である。
図5】合流装置の第2の実施形態を示すための合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る横断平面図である。
図6】合流装置の第3の実施形態を示すための合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る要部縦断面図である。
図7】合流装置の第3実施形態を示すための合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る横断平面図である。
図8】合流装置の第4の実施形態を示すための合流装置の第2連結部材の中心軸線を通る要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、湖沼に浮遊する浮遊物を除去する浮遊物除去装置1、及び前記湖沼に浮遊する前記浮遊物を除去する浮遊物除去方法の実施形態について説明する。ここで、前記浮遊物とは、例えば前記湖沼の水面に浮かんで生育する浮草であるホテイアオイ等の水草や、前記湖沼の底に生えていた水草を切断して前記湖沼の水面に浮かんでいる水草や、同じく前記湖沼に浮遊するゴミや、死んで固まって前記湖沼に浮遊する藻類、その他前記湖沼の水面や水面の近くに浮遊する浮遊物などである。
【0013】
先ず、図1及び図2に示すように、2は前記湖沼の水を吸い込んで取水し加圧して吐出させるポンプとしてのジェットポンプで、この吐出圧が大きいジェットポンプ2は保護枠体3に固定された状態で、台座4上に固定される。そして、前記台座4の一方の対向する各側面の夫々に、他方の対向する各側面の近くに夫々配設される浮き5を支持するための例えば木製の支持枠6、6が固定される。
【0014】
従って、前記浮き5の浮力により、前記台座4と共に前記ジェットポンプ2は前記湖沼に浮くことになる。なお、前記浮き5は前述した他方の対向する各側面の近くに夫々2個配設されるようにしたが、その数に限定されるものではなく、夫々1個でもよい。
【0015】
そして、前記ジェットポンプ2は前記湖沼の水を吸い込んで吐出させるが、吸込みのために吸込み部材7が接続される。この吸込み部材7は前記ジェットポンプ2に一端部が接続し、他端部から前記湖沼の水を吸い込むもので、入口と出口を開口した中空状を呈し前記湖沼の水を吸い込むための横長の長方形状の吸込み開口8が形成された平面視T字形状を呈する吸込みヘッド9と、一端部がこの吸込みヘッド9の中空円筒状の縦部分9A(前記吸込み開口8に連通する。)に嵌合して連結すると共に他端部が前記ジェットポンプ2に接続される可撓性(「折り曲げ変形できる意。」、以下同じ。)の中空円筒状を呈する蛇腹状の吸込み用ホース10とから構成される。
【0016】
なお、前記吸込みヘッド9の横長の長手方向の両端部には浮く量が予め調整された浮き11が設けられており、この浮き11により前記吸込みヘッド9は前記湖沼の水に浮かぶこととなるが、前記吸込み開口8の短手方向の距離(長さ)は前記吸込みヘッド9の前記縦部分9A及び前記吸込み用ホース10の内径と同程度であり、前記吸込み開口8の上下方向の中心付近より僅か上方位置に水面レベルが位置するように、前述したように、前記吸込みヘッド9の浮く量が予め調整される。また、望まない浮遊物を極力吸い込まないように、前記吸込みヘッド9の前記吸込み開口8を覆うように、保護網を被せてもよい。
【0017】
従って、後述するように、前記ジェットポンプ2が駆動すると、このジェットポンプ2は前記吸込み部材7の前記吸込みヘッド9の吸込み開口8から前記湖沼の水を吸い込んで取水し始め、前記吸込み用ホース10を介して自身に導入した後、前記湖沼の水を吐出ホース12を介して吐出する。前記吐出ホース12は可撓性の中空円筒状を呈する蛇腹状であるが、該吐出ホース12と前記吸込み用ホース10(前記吸込みヘッド9の前記縦部分9Aも)は共に内径が例えば50mm程度である。
【0018】
13は吸込み及び回収部材で、吸込み用入口と吐出用出口を両端部に開口した中空状を呈し、前記湖沼の水と共に前記湖沼に浮遊する前記浮遊物を吸い込むための横長の長方形状の前記吸込み用入口としての吸込み開口14が形成された平面視T字形状を呈する吸込みヘッド15と、一端部がこの吸込みヘッド15の中空円筒状の縦部分15A(前記吸込み開口14に連通する。)に嵌合して連結する可撓性の中空円筒状を呈する蛇腹状の吸込み及び回収用ホース16と、硬質の合成樹脂材料で構成される中空円筒状の吸込み及び回収用筒体17とを備え、前記吐出ホース12と前記吸込み及び回収部材13とを中空状の合流部材21を介して連結する。
【0019】
即ち、前記吸込み及び回収部材13の前記吸込み用入口と前記吐出用出口との中間位置において、前記吐出ホース12と前記吸込み及び回収部材13とを前記合流部材21を介して連結して、前記ジェットポンプ2から吐出する前記湖沼の水を前記吐出ホース12を介して前記合流部材21により前記吸込み及び回収部材13内に導入するように構成する。
【0020】
なお、前記吸込み及び回収用筒体17は、前記台座4の下面に設けられた夫々一対の支持部材18に両端部が固定されるU字形状の保持部材19により吊り上げられるように支持される。そして、前記吸込み開口14の短手方向の距離(長さ)は前記吸込みヘッド15の前記縦部分15Aや前記回収用ホース16の内径と同程度であり、前記吸込み開口8の上下方向の中心付近より僅か上方位置に水面レベルが位置するように、作業者が前記吸込み及び回収部材13を握りながら、前記浮遊物及び水の吸込み作業を行う。
【0021】
また、前記吸込み部材7に前記吸込みヘッド9を、また前記吸込み及び回収部材13に前記吸込みヘッド15を、必ずしも設けなくとも、前記浮遊物を除去できる場合もあり、その場合には前記吸込みヘッド9や15を取り付けずに作業してもよい。ただ、前記吸込み部材7が前記湖沼の水を安定して吸込めるように、前記吸込みヘッド9には前記吸込みヘッド9を設けるのが良い。
【0022】
次に、図3及び図4に基づいて、第1の実施形態の前記合流部材21について説明する。先ず、この合流部材21は前記吐出ホース12に一端部が嵌合して連結する中空状の第1連結部材22と、この第1連結部材22の他端部が例えば接着剤26(他の手段でもよい。)により固定され内径が例えばほぼ100mmの前記吸込み及び回収用筒体17と同じく内径がほぼ100mmの前記吸込み及び回収用ホース16とに嵌合して連結して固定用の粘着テープ23にて固定される中空状の第2連結部材24とから構成される。なお、図4において、前記接着剤26は、便宜上省略している。
【0023】
従って、前記吸込み用ホース10及び前記吐出ホース12の内径よりも、前記吸込み及び回収用筒体17及び前記吸込み及び回収用ホース16の内径が大きく、前記吸込みヘッド9や前記吸込み用ホース10を介して吸い込む水の量に比して、前記吸込みヘッド15や前記吸込み及び回収用ホース16を介して水及び前記浮遊物の量を多く吸い込むことができる。
【0024】
なお、前記第2連結部材24の下部に開設した取付穴(符号を省略。)に前記第1連結部材22の上端部を挿通させた後、前記取付穴の周囲を前記接着剤26などで埋めて隙間の無いようにしながら、前記第1連結部材22と前記第2連結部材24とは固定され、前記合流部材21は作製される。なお、前記接着剤26で前記第1連結部材22と前記第2連結部材24とを固定するのに限らず、他の手段により固定してもよい。
【0025】
そして、前記第1連結部材22は内径がほぼ同径の前記吐出ホース12に連結して粘着テープ27にて固定されるほぼ90度に曲げられた第1部分28と、この第1部分28の上部に連なる流れる水の圧力を高めるための外形が概ね円錐台形状(上方に向かうに従って小径となる。)の絞り部分29と、この絞り部分29に連なり垂直方向から水平方向へとほぼ90度に曲げられた噴出部分30とから構成される。内径が前記第2連結部分24より小径の前記噴出部分30の前述した水平方向に下流方向(図3の左方向)へ向けて曲げられた部分31は、前記吸込み及び回収用筒体17と前記第2連結部材24の中心軸線と平行に且つ第2連結部材24の下部における壁面とは少し離れて前記第2連結部分24内に配設される(図3及び図4参照。)。
【0026】
前記絞り部分29は、上方に向かうに従って内径が例えば50mm程度から13mm程度に絞って小径とされ、通過する水を高圧となるようにして、同じく内径が例えば13mm程度の前記噴出部分30の前記部分31の先端開口から内径が例えばほぼ100mm弱程度の前記第2連結部材24内に強く噴射させることができ、前記吸込み及び回収部材13内で強い水流を作ることができる。
【0027】
なお、前記粘着テープ23、27を剥がすことにより、前記合流部材21を前記吸込み及び回収部材13から外すことができ、着脱自在となる。また、前記合流部材21を前記吐出ホース12からも外すことができ、着脱自在となる。
【0028】
以上のように構成することにより、先ず前記浮遊物を除去して回収するために、前記浮遊物除去装置1を前記湖沼に浮かばせた状態において、作業者が前記湖沼に入り、前記ジェットポンプ2を駆動させて、前記吸込み及び回収部材13を持ちながら前方へ進行しながら作業を始めるが、必要な場合には前記浮遊物除去装置1の進行方向(図1の右方向)側の作業者のほかに、もう一人を前記浮遊物除去装置1の後ろ、即ち図1の左側に配置して前記浮遊物除去装置1を後押しするようにしてもよい。
【0029】
備えた前記浮き5の浮力により前記湖沼に浮く前記台座4に固定された前記ジェットポンプ2を駆動させて、作業者は前記吸込み及び回収部材13を持ちながら前方へ進行して前記浮遊物除去装置1を移動させる。このとき、前記ジェットポンプ2の駆動により前記吸込み部材7の前記吸込みヘッド9の前記吸込み開口8から前記湖沼の水を吸い込んで加圧して、前記ジェットポンプ2から吐出する前記湖沼の水を前記吐出ホース12を介して前記吸込み及び回収部材13内に前記合流部材21を介して導入して後方の前記吐出用出口に向けて流れる水流を作る。このときの前記水の圧力を利用して前記吸込み及び回収部材13の前記吸込みヘッド15の前記吸込み開口14から前記湖沼の水及び前記浮遊物を吸い込むと共に前記吐出ホース12からの前記湖沼の水と合流させる。すると、前記吸込み及び回収部材13で一端部から吸い込んだ前記浮遊物は下流へ搬送され、他端部から吐出されて、回収装置としての回収網32に回収されることとなる。
【0030】
このとき、前記吸込み及び回収部材13の前記吸込み及び回収用筒体17の後端開口部から前記回収網32へと噴射された前記湖沼の水と前記浮遊物の勢いにより、反作用によって前記浮遊物除去装置1は前進することになり、作業者一人で前記吸込み及び回収部材13を持ちながら前記浮遊物の回収作業を前進しながら進めることができるが、前述したように、必要な場合には他の作業者が前記浮遊物除去装置1を後押しすることもできる。
【0031】
次に、図5に基づいて、前記合流部材21の第2の実施形態について説明するが、特に先の実施形態と異なる点についてのみ説明する。即ち、第1の実施形態は図4に示すように、下流方向へ向けて水平方向に曲げられた前記部分31は、前記吸込み及び回収用筒体17と前記第2連結部材24の中心軸線と平行に配設されたが、図5に示す第2の実施形態は中心軸線に対して例えば15度以上20度以下の範囲の角度分ずらして配設する。なお、図5において、前記噴出部分30を固定する前記接着剤26は、便宜上省略している。
【0032】
このように構成すると、前記部分31から斜め上方に向けて前記湖沼の水を噴射すると、前記第2連結部材24及び前記吸込み及び回収用筒体17内において、水流は渦を巻きながら進行することになり、この水と共に前記浮遊物も進行が速まり、作業効率が向上する。
【0033】
次に、図6及び図7に基づいて、前記合流部材21の第3の実施形態について説明するが、特に前述した実施形態と異なる点についてのみ説明する。即ち、この実施形態は前記合流部材21の前記絞り部分29に連なる噴出部分30Aを、二股に分岐させた形状とすると共に、下流方向へ向けて曲げられた部分31A、31Aは、前記第2連結部材24の下部における壁面とは少し離れて配設し且つ前記第2連結部材24の中心軸線に対して例えば15度以上20度以下の範囲の角度分ずらして前記第2連結部材24内に配設されて、前記接着剤26により前記噴出部分30Aは前記第2連結部材24に固定される。なお、図7において、前記噴出部分30Aを固定する前記接着剤26は、便宜上省略している。
【0034】
なお、前述したように、前記絞り部分29は、上方に向かうに従って内径が例えば50mm程度から13mm程度に絞って小径とされ、同じく内径が例えば13mm程度で前記第2連結部分24より小径の前記噴出部分30Aの前記部分31A、31Aを前記第2連結部分24内に配設させ、前記部分31A、31Aの先端開口から前記第2連結部材24内に強く噴射させ、前記吸込み及び回収部材13内で強い水流を作ることが可能となる。
【0035】
このように前記噴出部分30Aを二股に分岐させて、下流方向へ向けて水平方向に曲げられた部分31Aを2つとすると、前記第2連結部材24と前記吸込み及び回収用筒体17への水の噴射流量を多くでき、前記吸込みヘッド15の前記吸込み開口14から吸い込む水及び前記浮遊物の量の向上が図れ、また前記部分31Aから前記湖沼の水を斜め上方に向けて噴射すると、前記第2連結部材24及び前記吸込み及び回収用筒体17内において、水流は渦を巻きながら進行することになり、この水と共に前記浮遊物も進行が速まり、両者相俟って作業効率が向上する。
【0036】
次に、図8に基づいて、前記合流部材21の第4の実施形態について説明するが、特に前述した実施形態と異なる点についてのみ説明する。即ち、第1の実施形態は図4に示すように、前記合流部材21の前記第1連結部材22は前記吐出ホース12に連結されるほぼ90度に曲げられた第1部分28と、この第1部分28の上部に連なる流れる水の圧力を高めるための外形が概ね円錐台形状の絞り部分29と、この絞り部分29に連なり垂直方向から水平方向へとほぼ90度に曲げられた噴出部分30とから構成したが、この第4の実施形態は前記絞り部分29に連なる噴出部分30Bを曲げることなく前記絞り部分29をそのまま直線状に延長するような形状とする。即ち、前記絞り部分29と前記噴出部分30Bとの中心軸線は同じ中心軸線であり、前記絞り部分29の上端部分(最も細い部分)の内径と前記噴出部分30Bの内径とは同じ大きさである。
【0037】
詳述すると、前述したように、前記絞り部分29は、上方に向かうに従って内径が例えば50mm程度から13mm程度に絞って小径とされ、同じく内径が例えば13mm程度で前記第2連結部分24より小径の前記噴出部分30Bの少なくとも一部を前記第2連結部分24内に配設させ、前記噴出部分30Bの先端開口から前記第2連結部材24内に強く噴射させ、前記吸込み及び回収部材13内で強い水流を作ることが可能となる。
【0038】
この場合、前記第2連結部材24の下部に開設した取付穴(符号を省略。)に前記第1連結部材22の前記噴出部分30Bを下流の斜め上方に向けて挿通させた後、前記取付穴の周囲を例えば接着剤33(他の手段でもよい。)などで埋めて隙間の無いようにしながら、前記第1連結部材22と前記第2連結部材24とは固定され、前記合流部材21の第4の実施形態は作製される。
【0039】
そして、このように作成された第4の実施形態の前記合流部材21にあっては、前記第1連結部材22の前記噴出部分30Bが固定された前記第2連結部材24は、前記吸込み及び回収用筒体17と前記吸込み及び回収用ホース16とに嵌合して連結して前記粘着テープ23にて固定される。
【0040】
このように構成すると、前記第2連結部材24内に配設された前記噴出部分30Bから前記湖沼の水を斜め上方に向けて前記第2連結部材24内に噴射すると、前記第2連結部材24及び前記吸込み及び回収用筒体17内において、水流は渦を巻きながら進行することになり、この水と共に前記浮遊物も進行が速まり、作業効率が向上する。
【0041】
なお、以上の実施形態において、前記吸込みヘッド9の前記縦部分9Aと前記吸込み用ホース10との連結、前記吸込みヘッド15の前記縦部分15Aと前記吸込み及び回収用ホース16との連結、前記吐出ホース12と前記第1連結部材22との連結、前記第2連結部材24と前記吸込み及び回収用筒体17や前記吸込み及び回収用ホース16との連結などに関して、その連結及び固定の方法や構造については種々の方法、手段があり、その方法、手段を問わないものとする。
【0042】
以上の実施形態によれば、吸込み及び吐出能力の高いポンプを使用することもなく、作業効率を向上させることができる。また、湖沼の水の吸込みと湖沼に浮遊する浮遊物の吸込みを分けて吸込むことにより、ポンプの詰まりを極力減らし、回収作業効率の向上が図れる浮遊物除去装置及び浮遊物除去方法を提供することができる。
【0043】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0044】
1 浮遊物除去装置
2 ジェットポンプ
7 吸込み部材
8 吸込み開口
9 吸込みヘッド
10 吸込み用ホース
12 吐出ホース
13 吸込み及び回収部材
14 吸込み開口
15 吸込みヘッド
21 合流部材
22 第1連結部材
24 第2連結部分
29 絞り部分
30 噴出部分
30A 噴出部分
32 回収網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8