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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】非燃焼加熱式装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/06 20060101AFI20240801BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240801BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240801BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240801BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240801BHJP
【FI】
A61M15/06 C
A24F40/70
A24F40/465
A24F40/42
A24F40/50
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2022558002
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020040779
(87)【国際公開番号】W WO2021194541
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/000,456
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520233320
【氏名又は名称】シーキューイーエヌエス テクノロジーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン,アレクサンダー,チンハク
(72)【発明者】
【氏名】バートコウスキー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】クロスビー,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シュダル,ジェラード
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-537960(JP,A)
【文献】特表2018-525978(JP,A)
【文献】特表2018-512141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/06
A24F 40/70
A24F 40/465
A24F 40/42
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置で使用するための消耗品含有包装体を製造する方法であって、該方法は、
a)消耗品含有ユニットを形成するために、サセプタと消耗品を組み合わせる工程と、
b)前記消耗品含有ユニットにコーティングを施す工程と、
c)前記コーティングを加熱して硬化させ、前記消耗品含有ユニットの周りの内包とする工程であって、前記内包は多孔性である、工程と
を含み、それによって、前記消耗品含有包装体が生成される、方法。
【請求項2】
前記コーティングは、デンプンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記消耗品含有ユニットを形成するために、前記サセプタと共に前記消耗品を押し出す工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
押し出された前記サセプタと前記消耗品を丸めて、横断面に沿って見ると螺旋状のパターンの円筒を形成する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記消耗品含有ユニットを形成するために、前記消耗品を媒体内に取り込む工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
エアロゾル生成装置で使用するための消耗品含有包装体を製造する方法であって、該方法は、
a)1片のスチールウールを平らにする工程であって、厚さが0.1インチ(2.54mm)未満のサセプタにする、工程と、
b)消耗品含有ユニットを形成するために、前記サセプタと消耗品を共押し出しする工程と、
c)前記消耗品含有ユニットを内包内に置く工程と
を含み、それによって、前記消耗品含有包装体が生成される、方法。
【請求項7】
前記サセプタと前記消耗品を共押し出しする工程中に、前記1片のスチールウールを平らにする工程が生じる、前記サセプタを押し出す工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サセプタに添加物を加える工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
押し出された前記サセプタと前記消耗品を丸めて、横断面に沿って見ると螺旋状のパターンの円筒を形成する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記消耗品含有ユニットを形成するために、前記消耗品を媒体内に取り込む工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
エアロゾルを発生させるための装置であって、
a)消耗品含有ユニットと、
b)前記消耗品含有ユニットと組み合わされるサセプタと、
c)消耗品含有包装体を形成するために、前記消耗品含有ユニットおよび前記サセプタを受容する筐体と、
d)前記消耗品含有包装体を受容する主開口部を定める近位端、および遠位開口部を定める遠位端を有する受容部であって、ここで、前記受容部の前記主開口部内に前記消耗品含有包装体が挿入される、受容部と、
e)前記消耗品含有包装体に接続される、前記主開口部内のマウスピースと、
f)前記消耗品含有包装体と前記受容部の前記主開口部の間に気密シールを作るために前記受容部の前記近位端に取り付けられるシールであって、前記シールは、前記消耗品含有包装体の一部を囲む、シールと
を含む、装置。
【請求項12】
前記シールは、前記消耗品含有包装体を囲み、受容部の内壁に対して付勢力を生じさせる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記シールは、リング形状である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
押圧子をさらに含み、前記押圧子が作動すると、前記筐体の周りにある前記シールに径方向の圧力が生じる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記消耗品含有包装体と前記筐体の間に、前記マウスピースへの気流通路を維持するスペーサをさらに含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記受容部の前記遠位端に気流制御部をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記気流制御部は、制御バルブおよび圧力センサを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記圧力センサは、システム制御部に動作可能に接続され、前記システム制御部は、前記制御バルブに動作可能に接続される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
エアロゾル生成装置によって消耗品をエアロゾル化するための方法であって、該方法は、
a)加熱要素を用いて、装置が前記消耗品に囲まれたサセプタを、室温を上回るがエアロゾル温度を下回る中温まで予熱する工程と、
b)前記加熱要素を用いて、装置が前記サセプタを、中温からエアロゾル温度まで加熱する工程と
を含み、それによって、前記消耗品がエアロゾル化される、方法。
【請求項20】
前記サセプタをエアロゾル温度まで加熱する工程の後に、装置が前記サセプタを中温まで下げて戻す工程をさらに含み、前記サセプタの予熱および前記サセプタの加熱用の前記加熱要素は、前記サセプタの周りに巻かれたコイルである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サセプタをエアロゾル温度まで加熱する工程の後に、装置が前記サセプタを、エアロゾル温度より低いが中温より高い中間温度まで下げて戻す工程と、前記加熱要素を用いて、前記サセプタを中間温度に維持する工程とをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記エアロゾル生成装置内に消耗品含有包装体が差し込まれたとき、装置が前記サセプタを予熱する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
圧力センサが、前記エアロゾル生成装置内部における圧力の低下を検知したとき、装置が、前記サセプタをエアロゾル温度まで加熱する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
エアロゾルを発生させるための装置であって、
a)消耗品、前記消耗品を囲むサセプタ、および標識を含む消耗品含有包装体と、
b)前記消耗品含有包装体を含有するように構成されたエアロゾル生成装置であって、前記エアロゾル生成装置は、前記サセプタを誘導加熱する加熱要素、および前記消耗品含有包装体が前記エアロゾル生成装置の内部に含有されたときに前記消耗品含有包装体にある標識を判読するように構成された認識システムと含む、エアロゾル生成装置と、
c)前記認識システムと前記加熱要素に動作可能に接続されたシステム制御部であって、前記認識システムで受け取られた情報は、前記加熱要素を制御するために使用される、システム制御部と
を含む、装置。
【請求項25】
前記認識システムは、光学センサを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記光学センサは、前記標識から反射された光を検知する光センサを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記光学センサは、前記標識に向かって光スペクトルを放出するように構成された光源をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記システム制御部は、前記標識に関連付けられた消耗品に固有の服用プロトコールを実施する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
消耗品をエアロゾル化するための服用プロトコールを実施する方法であって、該方法は、
a)光学センサを用いて、前記消耗品を含有している消耗品含有包装体にある標識を判読する工程と、
b)システム制御部を用いて、前記標識に関連付けられた消耗品に関する前記服用プロトコールを特定する工程と、
c)前記服用プロトコールを実施する工程と
を含み、それによって、前記消耗品がエアロゾル化される、方法。
【請求項30】
前記光学センサが、前記標識上のパターンを検知する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記光学センサが、前記標識から反射された光の波長を検知する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
光源が、前記標識に向かって光スペクトルを放出する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記システム制御部によって、無効化の応答を実施して、前記消耗品を使用できないようにする工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温非点火誘導加熱法によって医薬品をエアロゾル化するための方法、製剤および装置、ならびに、それらの使用に関する。本発明はさらに、同様の方法を使用して、タバコおよび/または他の非医薬物質からエアロゾルを生成するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患状態、障害、不調、通常の身体的な破壊などの身体的な不快感を生じさせる疾病に直面した際に、ほとんどの人は、原因疾病から生じる症状を直ちに緩和させるために、薬物、サプリメント、薬草などの医薬品に目を向ける。よく見られる様々な疾病に対して使用されると有益な効果を奏する、特定の合法かつ広く普及している市販薬(OTC)薬物およびサプリメントが存在している。また、様々なより重度の疾病に対しては、医師が処方する、特定の規制がかかった麻薬および医薬品も存在している。
【0003】
これらのOTCや処方薬の最も一般的な投与経路の1つとして、経口投与がある。しかし、薬物のいずれの経口送達においても、薬物が消化管を通過しなければならない。経口投与には、多数の欠点が存在している。例えば、薬物が消化器系を通過しなければならないため、薬物の活性化の開始が遅れる。加えて、消化管で、薬物が不活性化されたり破壊されたりして、それによって、その作用強度や効力が失われてしまう恐れがある。また、薬物自体によって、消化管の問題や、食欲不振、下痢、酸味感などの副作用が生じてしまう恐れがある。さらに、患者は、丸剤の形の経口薬を飲み込むことに抵抗があるか、または飲み込むことができない場合がある。
【0004】
特定の医薬品は、脳や脳の作用または活性に影響を及ぼすことが意図されているが、許容可能な摂取方法、すなわち、消化管、静脈内または筋肉内での摂取方法を考慮すると、これらの医薬品は、摂取または注射の性質上、不快感を伴った様々な副作用も有する恐れがある。これには、限定されないが、消化管合併症、消化器障害、高血圧および/または頭痛、ならびに、注射による医薬品の自己投与に対する使用者の抵抗が挙げられる。
【0005】
他の送達経路としては、皮内注射、パッチ貼付、吸入などが存在している。これらはそれぞれ、それ自体の利点や欠点を有している。したがって、依然として、医薬品の投与経路を改善する余地が存在している。
【0006】
例えば、消化管、静脈内または筋肉内送達ではなく、医薬品またはその活性成分を含有する気体、蒸気、霧および任意の他の吸入薬などのエアロゾルの吸入によって摂取が行われると安全性と効力の両方に関してより安全、より効果的、かつ、より効率的である、様々な医薬品が存在している。
【0007】
加えて、これらの医薬品をエアロゾル化して送達する特定の方法、特に、医薬品の分子構造もしくは化学構造を変化させながら医薬品自体をエアロゾル化する方法、または高温でエアロゾル化し得る方法は、欠点も有しており、これには、加熱時間が延びることや、活性成分の分子構造もしくは化学構造を変化させるリスクが増えることが挙げられる。現在のエアロゾル化技法の他の欠点としては、これらの医薬品のうちの特定のものがカートリッジに入れられて輸送、保管および販売されることが挙げられ、このようなカートリッジは、漏れが生じやすく、多くの場合、プラスチックおよび他の生分解性でない材料を含む、環境に優しくないカートリッジ材料で設計され構築されている。
【0008】
医薬品が高温非点火誘導法によって損なわれることなく送達されることを確実とするために、エアロゾル化方法は、医薬品または医薬品を構成する他の材料の化学構造または本質的な分子構造を変化させないか、あるいはそのような変化が生じた場合に医薬品の効力を妨げないか、および/または、これを向上することが好ましい。
【0009】
したがって、依然として、医薬品の投与経路を改善する必要性が存在している。特に、エネルギー効率の悪化や加熱時間の延長の結果、活性成分が破壊されることも、エアロゾルに他の化学物質が加わることもなく、吸入器の正確な用量を計量、監視および測定するという付加的な利益をさらにもたらすような、医薬品を吸入するためにエアロゾル化する方法を改善する必要性が依然として存在している。また、生分解性であり、かつ、環境に優しい廃棄処理に合わない材料を含有していない、消耗品の実施形態に対する必要性も存在している。
【0010】
医薬品送達システムに加えて、非燃焼加熱式(HNB)装置は、点火を起こしてニコチンおよび他のタバコ成分を含有するエアロゾルを生じる温度よりも低い温度でタバコを加熱するために一般的に使用される装置の一種であり、これは、装置の使用者が入手可能なものである。いくつかの実施形態では、加熱要素またはサセプタは、固体状態のタバコ製品内部に置かれており、サセプタが誘導機構によって加熱するように、タバコ製品およびサセプタの周りにコイルが巻かれる。従来の巻きタバコと異なり、目的はタバコを燃焼することではなく、むしろ、エアロゾルを生成することによってニコチンおよび他の成分を放出するのに十分な程度にタバコを加熱することである。巻きタバコに点火して燃焼させると、望ましくない毒素を生じるが、HNB装置を使用することでこれを回避することができる。しかし、エアロゾルの形でタバコの構成成分を効果的に放出させるのに十分な熱をもたらすことと、タバコを燃焼させたり、点火したりしないこととの間には、微妙なバランスが存在している。現在市販されているHNB装置は、そのバランスを見出しておらず、十分な量のエアロゾルを生成することができない温度でタバコを加熱しているか、またはタバコを加熱し過ぎて、好ましくない、あるいは「焦げた」風味プロファイルを生成しているかのいずれかである。加えて、現在の方法では、燃焼中のタバコの副産物や偶発的な点火の副産物によって、従来のHNB装置の内部構成要素は汚れてしまう。
【0011】
さらに、高温非点火誘導加熱によって、急速かつエネルギー効率のよい方法で、確実に固体状態または液体状態からエアロゾル状態に状態変化させるために、製剤は、当該製剤と誘導システムのサセプタとの間の空気流を排除するように構成されなければならない。
【0012】
前述の理由から、使用者が装置の電力を制御できるようにする装置、方法および製剤に対する必要性が存在しており、これらによって、点火に十分な温度であったとしても点火のリスクを減らすために、誘導方法によってタバコが加熱される温度に影響が及ぼすと同時に、生成されるエアロゾルの効率および風味プロファイルを向上する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、製剤設計および構成の実施形態をエアロゾル化するために高温非点火誘導加熱法を使用して、吸入投与および摂取用にエアロゾル状態の消耗品を送達するための装置、方法および製剤に向けられる。
【0014】
特に、本発明は、2020年3月26日出願の米国仮出願第63/000,456号に記載されているものなどの非燃焼加熱式装置におけるさらなる改善に向けられ、当該出願の全体は、その参照により本明細書に組み込まれる。概して、非燃焼加熱式装置は、消耗品を、その構成成分の特定のものを含有するエアロゾルに変えるが、ほとんどの場合に点火に関連付けられる副産物、例えば、煙、灰、タールおよび特定の他の潜在的に有害な化学物質を制限するための装置である。これは、内包(encasement)内部に内部サセプタを含有する消耗品を包装することによって消耗品を燃焼することなく、高温を使用することによって行われる。本発明は、誘導発熱要素によって生成された磁界を使用してサセプタを加熱するために、消耗品含有包装体の周りに巻かれた誘導発熱要素を使用して、消耗品のタバコ成分に沿って熱を配置しかつ徐々に進行させることを含んでもよい。
【0015】
本発明の目的は、消耗品のタバコ成分を加熱するために使用するための誘導加熱源が設けられている、装置である。
【0016】
本発明の別の目的は、消耗品のタバコ調整物および誘導加熱源を含有する、いくつかの密閉された、個々の、気密にコーティングされた内包で構成されている、消耗品のタバコ成分である。内包は、予め設定された開口部を備えたアルミニウムの殻であってもよい。内包は、誘導加熱工程によってゲルを溶融して開口部を空けるまでは開口部を密閉するゲルでコーティングされていてもよい。いくつかの実施形態では、ゲルは、タバコのエアロゾルに風味をつけたり、または風味を向上させたりすることができる香味料を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数の内包が、紙管内部に間に隙間を空けて積み重ねられ、この隙間は、エアロゾルが生成されるように、各内包の底端および一方の側のチャネルの余分なアルミニウム包装によって形成される。誘導加熱源が起動すると、予め既定された開口部が空けられ、風味がエアロゾルと組み合わされて、管を通って移動し、装置の使用者に利用可能になる。
【0018】
これらの方法および機器を使用することで、本装置は、加熱する必要がある質量を減らし、直ちに加熱して、早く冷却することで電力を節約することができ、再充電時間までの間により長く使用することができる。このことは、既知の、現行の市販の非燃焼加熱式装置とは対照的である。
【0019】
本発明の別の目的は、いくつかの密閉された、個々の、気密にコーティングされた内包と、誘導加熱源とで構成された、タバコ含有消耗品の構成要素である。内包は、誘導加熱工程によってゲルを溶融して開口部を空けることができるまでは開口部を密閉するゲルでコーティングされる。いくつかの実施形態では、ゲルは、消耗品のタバコ成分に風味をつけたり、または風味を向上させたりすることができる香味料を含んでもよい。
【0020】
本発明の別の目的は、取り替えが容易であり、かつ、ケースの掃除の手間を減らすために使用中のケース内部の付着物を最小限に抑える、消耗品含有包装体を作ることである。
【0021】
本発明の別の目的は、他のセグメントから独立して消耗品のセグメントを加熱するために、サセプタまたは消耗品に対して加熱要素を移動させることである。
【0022】
本発明の別の目的は、エアロゾルを発生させるための装置においてエネルギー利用効率を最大にすることである。
【0023】
本発明の別の目的は、消耗品とサセプタの間のあらゆる空気の流れを排除するような形で、サセプタの周りに圧縮されることができる消耗品をエアロゾル化することである。例えば、消耗品含有ユニットは、ある形の消耗品と混合されてサセプタの周りに緊密に圧縮される不活性な非反応性化合物を含有してもよい。製剤は、消耗品の実施形態用に構成された手持ち式高温誘導加熱装置を使用して、エアロゾル化されることができる。
【0024】
本発明は、効率的に加熱されかつ容易に製造されることによってコストを削減する、金属ウール製の非常に薄いサセプタを利用することによって、非燃焼加熱式装置をさらに改善する。
【0025】
いくつかの実施形態では、取り付けやすい内包によって、効率を改善する。
【0026】
いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体内部で生じる気圧差を制御するためにバルブを使用して、効率を改善する。
【0027】
いくつかの実施形態では、点火を生じさせることなく、消耗品の実施形態に含有され構成された消耗品をエアロゾル化するように設計された高温非点火誘導法において、消耗品含有包装体と受容部の間にある空間を密閉する特殊な密閉構成を用いて、装置の効率を改善する。
【0028】
いくつかの実施形態では、認識システムを用いて、装置の効率を改善する。認識システムは、消耗品の特定の特性および特徴を特定し、消耗品のプロファイルに基づいて消耗品がどのように服用されるかを制御するために、システム制御部と通信することができる。例えば、消耗品は、装置のセンサによって判読できる、インクまたは染料(可視または不可視)などのマーカーで処理されてもよい。センサによってマーカーの特性が判断されると、装置は、認識するようにプログラムされた様々な特性を認識し、風味に合うように消耗品を最適に加熱するために温度、加熱時間および用量の数値を調整し、消費者体験を向上させることができる。加えて、認識システムは、特にプログラムされたパフ回数にわたって使用された後に、消耗品の色を変化させ、消耗品が完全に消耗されたことを示すことができる。その後、このような表示によって、消耗品をそれ以上装置内で使用できないようにする。最後に、認識システムは、無効化の応答を生じさせて消耗品を使用できないようにするために、使用することができる。例えば、瞬発力を生じさせて、消耗品に穴を開け、それ以上消耗品を使用できないようにすることができる。
【0029】
したがって、本発明の装置、方法および製剤は、様々な消耗品、好ましくは医薬品をエアロゾル化するために使用することができる。例えば、これらの医薬品には、限定されないが、気管支の効率を上げたり、タバコおよびニコチンの禁煙を補助したり、リラックスするのを補助したり、不安を和らげたり、破壊念慮を妨げたり、疼痛に対処したり、集中力を上げたり、快適な眠りを補助したり、性行為を補助したり、エネルギーや目覚めを向上したり、特定の他の医薬品の過剰服用による有害作用を弱めたりするように構成されたものが挙げられる。加えて、これらの消耗品には、タバコ、大麻、または消費者が吸入することによって摂取できる他の物質が含まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明のある実施形態の内部の側面図を示す。
図2A】実施形態の内部を示すために一部を取り除いた、本発明のある実施形態の斜視図を示す。
図2B】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、および/または、取り除いた、図2Aに示される実施形態の斜視図を示す。
図2C】2C-2C線で切断した、図2Aに示される実施形態の断面図を示す。
図2D図2Aに示される実施形態の分解図を示す。
図2E】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、および/または、取り除いた、本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図2F】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、および/または、取り除いた、本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図3A】本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図3B図3Aに示される実施形態の部分分解図を示す。
図3C】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、および/または、取り除いた、図3Aに示される実施形態の斜視図を示す。
図3D図3Aに示される消耗品含有ユニットの拡大斜視図を示す。
図4A】消耗品含有包装体の実施形態の分解図を示す。
図4B】消耗品含有包装体の実施形態の分解図を示す。
図4C】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、または取り除いた、消耗品含有包装体の別の実施形態の斜視図を示す。
図4D】消耗品含有包装体の実施形態の断面図を示す。
図4E】内部構成要素を明らかにするために一部を切り欠いた、または取り除いた、消耗品含有包装体の別の実施形態の斜視図を示す。
図5A】本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図5B】5B-5B線に沿った、図5Aに示される実施形態の断面図を示す。
図5C図5Aに示される実施形態の消耗品含有包装体の斜視図を示す。
図6A】本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図6B図6Aに示される実施形態の分解図を示す。
図7A】本発明の他の実施形態の斜視図を示す。
図7B】本発明の他の実施形態の斜視図を示す。
図7C】消耗品含有包装体の別の実施形態を示す。
図7D図7Cに示される実施形態の分解図を示す。
図8A】発熱要素のある実施形態の側面図を示す。
図8B図8Aに示される発熱要素の正面図を示す。
図9A】エアロゾル生成装置のある実施形態の側面図を示す。
図9B】エアロゾル生成装置の上面図を示す。
図9C】制御部の実施形態と、本発明の他の構成要素へのその接続の概略図を示す。
図10A】制御部の実施形態と、本発明の他の構成要素へのその接続の概略図を示す。
図10B】制御部の実施形態と、本発明の他の構成要素へのその接続の概略図を示す。
図11A】可動式加熱要素と、認識システムとの実施形態の斜視図を示す。
図11B】認識システムの別の実施形態を示す。
図11C】認識システムの別の実施形態を示す。
図11D】認識システムの別の実施形態を示す。
図11E】認識システムの別の実施形態を示す。
図12A図12A図12Dは、整列するために磁石を使用した、本発明のある実施形態の分解図、断面図および斜視図を示す。
図12B図12A図12Dは、整列するために磁石を使用した、本発明のある実施形態の分解図、断面図および斜視図を示す。
図12C図12A図12Dは、整列するために磁石を使用した、本発明のある実施形態の分解図、断面図および斜視図を示す。
図12D図12A図12Dは、整列するために磁石を使用した、本発明のある実施形態の分解図、断面図および斜視図を示す。
図12E】整列機構の別の実施形態の斜視図を示す。
図13A】複数のプロングを備えたサセプタの斜視図を示す。
図13B】複数のプロングを備えたサセプタの斜視図を示す。
図13C】長手軸に沿って切り取られた、図13Aの実施形態の断面側面図を示し、複数のプロングを備えたサセプタが消耗品含有包装体から取り外されている状態を示す。
図13D】長手軸に沿って切り取られた、図13Bの実施形態の断面側面図を示し、複数のプロングを備えたサセプタが消耗品含有包装体内に差し込まれている状態を示す。
図14A】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図14B】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図14C】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図15A】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、3つのプロングを備えた別のサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図15B】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、3つのプロングを備えた別のサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図15C】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、3つのプロングを備えた別のサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図16A】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、4つのプロングを備えたサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図16B】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、4つのプロングを備えたサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図16C】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、4つのプロングを備えたサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図16D】加熱要素が消耗品含有包装体を中心として回転する、4つのプロングを備えたサセプタを有する消耗品含有包装体の実施形態の端面図を示す。
図17A】消耗品含有包装体を中心として偏心経路に沿って加熱要素を回転させるための機構の実施形態の斜視図を示す。
図17B】消耗品含有包装体を中心として偏心経路に沿って加熱要素を回転させるための機構の実施形態の斜視図を示す。
図18A】消耗品含有包装体を中心として偏心経路に沿って加熱要素を回転させるための機構の図17Aの実施形態の端面図を示す。
図18B】消耗品含有包装体を中心として偏心経路に沿って加熱要素を回転させるための機構の図17Bの実施形態の端面図を示す。
図19】偏心経路に沿って加熱要素を回転させ、かつ、消耗品含有包装体に沿って加熱要素を並行移動させるための機構の実施形態の斜視図を示す。
図20】消耗品含有包装体に対して加熱要素を移動させるための機構の実施形態の斜視図を示す。
図21】制御部の実施形態と、本発明の他の構成要素へのその接続の概略図を示す。
図22】加熱要素に取り付けられたヒートシンクの実施形態を示し、加熱要素を示すためにヒートシンクの一部は取り外されている。
図23A】消耗品含有包装体に取り付けられた気流制御部の断面図を示す。
図23B】受容部に取り付けられた気流制御部の別の実施形態を示す。
図23C】シールの様々な実施形態を示す。
図23D】シールの様々な実施形態を示す。
図23E】シールの様々な実施形態を示す。
図23F】シールの様々な実施形態を示す。
図23G】シールの様々な実施形態を示す。
図23H】シールの様々な実施形態を示す。
図23I】シールの様々な実施形態を示す。
図23J】シールの様々な実施形態を示す。
図24A】本発明の別の実施形態の分解斜視図を示す。
図24B図24Aの実施形態の端面図を示す。
図24C図24Bに示される24C-24C線での断面図を示す。
図25A】中空プロングを備えたサセプタを使用する消耗品含有包装体内部の構成を示すために、サセプタが取り外された状態の視点の消耗品含有包装体の部分切取図を示す。
図25B】中空プロングを備えたサセプタを使用する消耗品含有包装体内部の構成を示すために、サセプタが取り外された状態の視点の消耗品含有包装体の部分切取図を示す。
図25C】中空プロングを備えたサセプタが消耗品含有包装体に埋設されている、図25Aの実施形態の部分切取図を示す。
図25D】中空プロングを備えたサセプタが消耗品含有包装体に埋設されている、図25Bの実施形態の部分切取図を示す。
図25E】使用中の空気流を示すために、長手軸に沿って切り取られた、図25A図25Dに示される実施形態の断面図を示す。
図26A】サセプタが差し込まれる前の消耗品含有包装体の別の実施形態の斜視図を示す。
図26B】サセプタが差し込まれる前の内部構成要素の関係を示すために、図26Aに示される実施形態の部分切取図を示す。
図26C】サセプタが差し込まれる前の内部構成要素の関係を示すために、図26Aに示される実施形態の部分切取図を示す。
図26D】長手軸に沿って切り取られた、図26A図26Cに示される消耗品含有包装体の実施形態の断面図を示す。
図26E】サセプタが差し込まれた後の、図26Aに示される実施形態の部分切取図を示す。
図26F】加熱要素が消耗品含有包装体の周りに巻かれた、図26Eに示される部分切取図を示す。
図26G】長手軸に沿って切り取られた、図26Fに示される消耗品含有包装体の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付の図面に関連して以下に述べる詳細な説明は、本発明の現在の好ましい実施形態を説明するものとして意図されており、本発明を構築し利用することのできる唯一の形態を表すものとして意図されていない。説明は、図示されている実施形態に関連して本発明を構築し作動するための機能および一連の工程について述べる。しかし、同一または同等の機能および一連の工程は、本発明の精神および範囲内に包含されることが意図されている異なる実施形態によって達成することができることを理解されるべきである。
【0032】
本願発明は、消耗品含有製品の燃焼を最小にしつつ比較的高い熱を用いて、吸入するために消耗品含有製品からエアロゾルを発生させるための装置である。本出願を目的のために、「消耗品」という用語は、消耗品が疾病または疾患を治療するために使用されるか、栄養のためのものであるか、サプリメントであるか、あるいは娯楽のために使用されるかにかかわらず、あらゆる種類の薬剤、薬物、化学化合物、活性剤、構成成分、任意の他の医薬品などを包含するように広く解釈されるべきである。ほんの一例として、消耗品には、タバコ、大麻、ヘンプ、ラベンダー、カバ、コーヒー、カフェイン、ロベリア、フーディア、メラトニン、イカリソウ、ガラナ、ジンセンなどが挙げられるが、これらに限定されない、薬剤、栄養サプリメント、および市販の医薬品が含まれてもよい。
【0033】
図1図2Eを参照すると、装置(100)は、消耗品含有包装体(102)およびエアロゾル生成装置(200)を含む。装置(100)は、非燃焼加熱工程を通してエアロゾルを発生させ、この工程において、消耗品含有包装体(102)内の消耗品含有ユニット(104)を燃焼しないが、消耗品を、吸入可能なエアロゾル生成物の形で消耗品含有ユニット(104)から放出する温度まで、消耗品含有ユニット(104)が加熱される。よって、消耗品含有ユニット(104)は、適切な温度まで加熱されると、エアロゾルの形で放出可能な消耗品を含有している、任意の製品である。タバコ製品などの特定の用途に関する本発明のあらゆる記載は、具体的な例としてのみ提示されており、限定を意図していない。したがって、本発明は、タバコ製品と共に使用される場合のみに限定されるものではない。
【0034】
消耗品含有包装体
【0035】
図2A図6Bを参照すると、消耗品含有包装体(102)は、加熱されて消耗品をエアロゾルの形で放出する構成要素である。消耗品含有包装体(102)は、消耗品含有ユニット(104)と、誘導加熱システムを通して消耗品含有ユニット(104)を内側から外側に加熱するために消耗品含有ユニット(104)を囲む金属(サセプタとも称される)(106)とを含む。いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)は、消耗品含有ユニット(104)およびサセプタ(106)を含有する内包(108)を有してもよい。消耗品含有包装体(102)がどの程度まで加熱されるかは、製品の一貫性に左右される。製品の一貫性は、消耗品含有ユニット(104)の位置、形状、向き、構成および他の特性などの様々な要因を考慮したものである。消耗品含有ユニット(104)の他の特性には、ユニット内に含有される酸素量を限定することが含まれてもよい。製造工程においてこれらの要因のそれぞれの一貫性を保つことによって製品の一貫性を最大にすることが目標である。
【0036】
内包(108)は、エアロゾルが筐体(108)から流出することができるように、エアロゾルに対して浸透性であるように構成される。消耗品含有ユニット(104)は、筐体(150)内部に置かれてもよい。筐体(150)は、エアロゾルに対して浸透性が乏しいか、あるいは不浸透性である。筐体(150)は、巻きタバコを模倣したものであってもよい。したがって、筐体(150)は、第1の端部(152)および第1の端部(152)と対向する第2の端部(156)を有する細長い構造であってもよい。消耗品含有ユニット(104)がサセプタ(106)によって加熱されると、消耗品を含有するエアロゾルが生じる。使用者が、例えば、第2の端部(156)を吸うことによって筐体(150)を引き寄せると、エアロゾルが内包(108)から流出するが、筐体(150)からは流出しない。第2の端部(156)を吸うことによって生じる負圧に起因して、エアロゾルは、消耗品含有ユニット(104)と筐体(150)との間の何らかの空間を通って第2の端部(156)に向かって引き寄せられる。いくつかの実施形態では、スペーサ(135)(図3A図3Bを参照)によって内包(108)が囲まれ、筐体(150)と内包(108)を分けてもよい。このような実施形態では、エアロゾルは、スペーサ(135)によって作られた空間に沿って移動することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ(135)は、フィルタ(140)(図2C図2Dを参照)であってもよい。エアロゾル生成装置(200)は、サセプタ(106)を加熱するのに適切な位置に筐体(150)を保持するための構成要素を備えて構成される。
【0037】
消耗品含有ユニット(104)の形がサセプタ(106)に直接物理的に接触し、その間の接触領域が最大である場合に、サセプタ(106)に誘導される熱エネルギーの大部分が消耗品含有ユニット(104)に伝達されるであろうことが推測できる。したがって、サセプタ(106)に対する消耗品含有ユニット(104)の形状や配置は、重要な要因となる。いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、概して円筒形状である。したがって、消耗品含有ユニット(104)は、円形状または楕円形状の断面を有してもよい。
【0038】
消耗品含有ユニット
【0039】
消耗品含有ユニット(104)の設計は、消耗品含有ユニット(104)がさらされる空気の量を最小にするためのものである。これによって、保管中または加熱工程中の酸化や点火のリスクを排除または軽減する。結果として、特定の設定では、より多くの空気にさらす従来の装置で使用されると点火を引き起こすであろう温度まで、消耗品含有ユニット(104)を加熱することが可能である。
【0040】
したがって、いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、硬い圧縮ペレットまたはロッドに圧縮された粉末形態の消耗品でできている。消耗品の圧縮によって、消耗品含有ユニット(104)内部に閉じ込められた酸素を減らし、加熱中に消耗品含有ユニット(104)への酸素の移動を限定する。
【0041】
例えば、消耗品含有ユニット(104)は、図2A図2Eに示されるように、ロッドまたはスティックの形で長手軸Lを定める1つの細長いユニットであってもよい。消耗品含有ユニット(104)は、円形の横断面、楕円形の横断面、長方形の横断面などを有する細長い円筒または管であってもよい。いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、図3A図4Bに示すように、上下に積み重ねられた複数の円筒状の錠剤またはペレットであってもよい。したがって、消耗品含有ユニット(104)は、2つの対向する端部(105、107)ならびにそれらの間にある側壁(109)によって定められ、第1の端部(105)から第2の端部(107)まで延在し、消耗品含有ユニット(104)の長さを定める。
【0042】
サセプタ(106)は、同様に細長く延び、消耗品含有ユニット(104)に埋設されていてもよく、好ましくは、長手軸Lに沿って埋設され、消耗品含有ユニット(104)の長さおよび幅(すなわち直径)に実質的に延在する。楕円形の断面を有する消耗品含有ユニット(104)では、直径は、楕円の長軸を定める外径を指す。
【0043】
いくつかの実施形態では、図4Cに示されるように、消耗品含有ユニット(104)は、球状、卵形、楕円形、さらには非晶質などの任意の他の形状をなしてもよい。概して、サセプタ(106)と消耗品含有ユニット(104)の間の表面領域の接触を最大にするために、サセプタ(106)は、消耗品含有ユニット(104)の形状をパターニングしてもよい。しかし、サセプタ(106)は、他の形状をなしてもよく、これには、消耗品含有ユニット(104)内に点在して配置される複数のサセプタ(106)が含まれる。
【0044】
代替実施形態では、消耗品には、装置(100)の機能を妨害しないが、消耗品の隙間空間に空気を押し退けるか、および/または、消耗品を囲み、空気と隔離する物質が混合されてもよい。例えば、消耗品含有ユニット(104)は、保湿剤、香味剤、酸素を置換するための充填剤、または蒸気発生物質などの添加剤をさらに含んでもよい。添加剤はさらに、熱エネルギーの吸収および伝達ならびに消耗品含有ユニット(104)からの酸素の排除を補助するものであってもよい。
【0045】
さらに別の代替実施形態では、消耗品は、小さなペレット、粒体、粉体、あるいは消耗品が使用できる空気をさらに減らすために封入可能な他の形に形成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、消耗品の根底原料を含んでもよく、消耗品は、粉体の形にされて、その後、サセプタ(106)の周りに緊密に圧縮することによってサセプタ(106)と組み合わされる。ほんの一例として、消耗品の原料は、植物、種子、花、根、葉、植物成分、あるいは消耗品を抽出することができる任意の他の原料であってもよい。これらの成分は、乾燥され、粉砕され、サセプタ(106)の周りに圧縮してサセプタ(106)の周りにペレット、錠剤またはロッドを形成するために、ペレットおよび錠剤を作るとして知られている他の成分と混合されてもよい。圧縮されたペレット、錠剤またはロッドは、内包(108)の内部に包み込まれて、消耗品含有包装体(102)を形成することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、消耗品は、その原料から抽出され、図4Dに示されるように消耗品を運ぶための新たな媒体(105)に取り込まれてもよい。本実施形態は、例えば、消耗品が植物系材料でないか、その天然原料から抽出されているか、合成されていたか、あるいは圧縮固体として使用するのに導電性でない場合に、使用することができる。消耗品を含有している媒体(105)は、消耗品含有ユニット(104)を形成している。例えば、媒体(105)は、綿、ガラス繊維、織物、紙、パルプ、線維状材料などであってもよい。消耗品含有ユニット(104)を形成するために、消耗品は、媒体(105)と組み合わされ、その後、サセプタ(106)に緊密に圧接されてもよい。消耗品含有包装体(102)を作るために、圧縮された形を維持するために、媒体(105)は、圧縮された形で、内包(108)の内部に結合されてもよい。消耗品は、液剤、ゲル剤、樹脂剤、半固形剤などの既知の担体によって媒体(105)に取り込まれてもよい。例えば、天然成分と、他の非反応性天然生薬材料または特定の他の生分解性非反応性材料、例えば、紙、パルプ、綿などから構成されていてもよい、いずれかの形態の結合媒体とを結合するために、消耗品用の製剤は、アルギン酸プロピレングリコール、グリセリン、アルコール、水、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレン、ポリソルベートなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、消耗品は、例えば、粉体、粒体、顆粒体などの他のぼそぼそした固体として媒体(105)に取り込まれてもよい。いくつかの実施形態では、これらのぼそぼそした固体の消耗品は、サセプタ(106)に施され、そして、内包(108)内に封入されてもよい。いくつかの実施形態では、媒体(105)は、保湿剤、香味剤、酸素を置換するための充填剤、または蒸気発生物質などの添加剤をさらに含んでもよい。添加剤はさらに、熱エネルギーの吸収および伝達ならびに消耗品含有ユニット(104)からの酸素の排除を補助するものであってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、消耗品は、樹脂状、ぼそぼそした固体状、ペレット状、パルプ状、ペースト状、および押出成形機によって押し出すのに適切な他の形に形成されてもよい。これらの形では、押出成形機は、押し出し中に層の間にサセプタ(106)を中心位置出しするように、サセプタ(106)の複数の側面に押し出すことができるように設計されていてもよい。
【0049】
サセプタ
【0050】
サセプタ(106)は、誘導法によって加熱されて消耗品含有ユニット(104)を内側から外側に加熱する構成要素である。したがって、サセプタ(106)は、鉄金属など、誘導法によって加熱できる金属でできている。
【0051】
サセプタ(106)は、押し出し加工されてもよい。押し出されると、消耗品含有ユニット(104)は、サセプタ(106)の長さに沿って、サセプタ(106)の周りに圧縮することによってサセプタ(106)と組み合わされることができる。代わりに、サセプタ(106)の周りに消耗品含有ユニット(104)が取り付けられる前に、サセプタ(106)は、平らな金属材料(metal stock)からプレス加工されるか、あるいは任意の他の適切な製造方法が用いられてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、図2Eに示されるように、サセプタ(106)は、スチールウールでできていてもよい。例えば、サセプタ(106)は、パッドの形に束ねられたスチールウールの細径のフィラメントで構成されていてもよい。したがって、スチールウールパッドは、多数の細いエッジを含む。いくつかの実施形態では、スチールウールパッドは、保湿剤、香味剤、蒸気発生物質、スチールウールの酸化(錆)を遅らせる物質、および/または、スチールウールフィラメントの間の空気を排除する充填剤などの添加剤がかけられたり、浸されたり、あるいは完全に充填されたりしてもよい。図2Eに示されるように、以下に説明するように、消耗品含有ユニット(104)を個別のセグメントに分割して個々に加熱するために、スチールウールパッドに沿って切り欠きや溝(112)があってもよい。代わりに、スチールウールの個々のパッドは、空間および/または消耗品によって分離されて使用されてもよく、それによって、パッドはそれぞれ、使用中に個々に加熱されることができる。
【0053】
スチールウールは、低炭素スチールでできていてもよい。スチールウールの利点は、加熱されるとすぐに酸化し始め、それによって、砕けやすくかつ劣化しやすく、危険な鋭いエッジを備えることがないという点で、環境面から易廃棄性があることを含むが、これに限定されない。また、鉄および炭素で構成された金属は、比較的毒性のないものである。また、炭素は、剛性を増加させる。
【0054】
好ましくは、サセプタ(106)は、非常に薄くなるまで平らにされる。したがって、特にスチールウールなどの平らなサセプタ(106)の厚さTは、0.1インチ(2.54mm)未満であってもよい。好ましくは、サセプタ(106)の厚さは、0.05インチ(1.27mm)未満であってもよい。より好ましくは、サセプタ(106)の厚さは、0.025インチ(0.635mm)未満であるか、あるいは0.01インチ(0.254mm)未満でさえあってもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、0.0039インチ(0.099mm)まで薄くてもよい。サセプタ(106)は、長さが約0.5インチ(12.7mm)から約1.25インチ(31.75mm)の範囲でもよい。好ましくは、サセプタは、長さが約0.75インチ(19.05mm)である。
【0055】
薄く平らなスチールウール帯を達成するために、所望の厚さTが達成されるまで、1片のスチールウールを一連の延伸や圧縮にかけてもよい。これは、必要な形状や質感を得るために、圧延圧着の後にプレス加工によって達成されてもよい。
【0056】
所望の厚さが達成されると、サセプタ(106)を所望の形状や寸法に切断することができる。スチールウールを使用し、かつ、スチールウールを薄くすることによって、現在市販されている従来の金属やより厚いサセプタと比較すると、スチールウールを切断する刃がより長持ちすることができるので、容易でかつ長期間にわたり切断することが可能になる。さらに、スチールウールを使用することによって、製造がより安価になり、かつ、加熱するのに必要なエネルギーが減る。いくつかの実施形態では、スチールウールではない他のサセプタと同一の温度を達成するのに必要なエネルギーが、およそ3分の1に減る。
【0057】
いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、サセプタ(106)の層の表面および底面に消耗品含有ユニット(104)の層を作るために、サセプタ(106)と共に共押し出しすることによってサセプタ(106)と組み合わされるか、またはサセプタ(106)に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニットの2つの層(104a、104b)は、消耗品含有ユニットの2つの層(104a、104b)の間に圧縮できるサセプタ(106)の周りに挟み込みを生じさせるために、サセプタ(106)と共に間に共押し出しされてもよい。
【0058】
消耗品含有ユニット(104)が消耗品を含有する媒体(105)を含む、いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、媒体(105)に封入されるか、あるいは媒体(105)に囲まれ、その後、媒体(105)とサセプタ(106)は、共に圧縮されて内包(108)内部に置かれる(図4Dを参照)。
【0059】
いくつかの実施形態では、同様の寸法を有する消耗品含有ユニット(104)とサセプタ(106)は、重ねて置かれてもよい。例えば、これは、共押出工程によって行われてもよい。その後、図4Eに示されるように、寝袋が丸められるように、消耗品含有ユニット(104)とサセプタ(106)が第1の端部(111)から第2の端部(113)に向かって丸められてもよい。好ましくは、丸め加工中に、サセプタ(106)が上にある。結果として、サセプタ(106)と消耗品含有ユニットは、長手軸Lを定める円柱形状を形成し、これは、横断面に沿って見ると螺旋状のパターンである。サセプタ(106)は、消耗品含有ユニット(104)の内側に留まる。横断面は、長手軸に対して垂直な、円柱の直径に沿った切り取りである。さらに、この構成によって、サセプタ(106)と消耗品含有ユニット(104)の間の表面領域の露出が大きくなる。サセプタ(106)は、エアロゾルが流出できるように複数の孔(110)を有してもよい。
【0060】
サセプタ(106)がスチールウールであるか、あるいはスチールウールの多孔性を有する他の金属である、いくつかの実施形態では、消耗品は、例えば、液体(例えば、液体、半液体、粘性物質など)またはぼそぼそした固体(例えば、粉体、粒体、顆粒体など)の形でサセプタ(106)内に直接取り込まれてもよく、この場合に、サセプタ(106)は、加熱要素と消耗品含有ユニット(104)の2つの機能を有することになる。したがって、消耗品含有ユニット(104)は、消耗品が中に取り込まれて組み合わされたサセプタ(106)であってもよい。
【0061】
サセプタ(106)は、誘導加熱の場合のように変動する磁界にさらされると発熱する任意の金属材料でできていてもよい。好ましくは、金属は、鉄金属を含む。消耗品含有ユニット(104)の効率的な加熱を最大にするために、サセプタ(106)は概して、消耗品含有ユニット(104)がサセプタ(106)と接触する表面領域を最大にするように、消耗品含有ユニット(104)の最も大きな断面領域の形状と一致しているが、他の構成も使用されてもよい。消耗品含有ユニット(104)が細長い円筒である実施形態では、最も大きな断面領域は、細長い円筒をその外径に沿って長手軸Lで二分にし、長方形の断面領域を作ることによって定められてもよい。したがって、サセプタ(106)も、細長い円筒の断面領域の寸法と実質的に同様の寸法を有した長方形になるであろう。
【0062】
いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、金属プレートであってもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、メッシュスクリーンのように、図2Bに示されるように複数の開口部(110)を有する金属プレートであってもよい。誘導加熱は、サセプタ(106)のエッジにおいて最も効果的かつ効率的であると思われる。メッシュスクリーンは、消耗品含有ユニット(104)と接触することができるサセプタ(106)により多くのエッジを作るが、これは、エッジが開口部(110)を定めるからである。
【0063】
図2Dに示されるように、効率的な誘導加熱工程で利用できるエッジの量を増やすために、サセプタ(106)は、小さな開口部(110)の配列でパターン化された帯状(strip)であってもよく、小さな開口部(110)の配列の後には、誘導加熱ができない、あるいは少なくとも誘導加熱を弱めるか、および/または、セグメントが加熱される伝導を弱める長さのサセプタ(106)にすることができるように大きな間隙(112)が続く。この構成によって、別個のセグメントで加熱される消耗品含有包装体(102)が可能になる。細長いサセプタ(106)は、長手方向を有する細長い金属プレートであってもよく、細長い金属プレートは、複数のセットの開口部(110a、110b)および複数のセットの間隙(112a、112b)を含み、ここで、複数のセットの開口部(110a、110b)は、それぞれのセットの開口部(110a、110b)が間隙(112a、112b)の1つと隣接するように、細長い金属プレートの長手方向に沿って、複数のセットの間隙(112a、112b)と交互に直列に並ぶ。したがって、サセプタ(106)の一方の端部から対向する端部に移動すると、第1のセットの開口部(110a)、その後に第1の間隙(112a)、その後に第2のセットの開口部(110b)、その後に第2の間隙(112b)などがある。間隙(112)の領域では、金属材料はほとんどなく、したがって、伝熱は最小になる。したがって、消耗品含有ユニット(104)が単一ユニットであっても、依然として、別個のセクションで加熱されることができる。その後、消耗品含有ユニット(104)とサセプタ(106)は巻かれ、サセプタ(106)は内包(108)内に置かれてもよい。
【0064】
内包
【0065】
いくつかの実施形態では、内包(108)は金属でできていてもよい。したがって、内包は、成形されたものであっても、あるいは手で製作され工具で細工されてもよい。好ましい金属としては、開口部(120)があらかじめパンチ加工されたアルミニウムであってもよい。いくつかの実施形態では、アルミニウムは、多孔性の紙、あるいはエアロゾルが内包(108)から流出できるように通気孔を備えた無孔性の紙で裏打ちされていてもよい。
【0066】
消耗品含有ユニット(104)は、サセプタ(106)によって発生した熱を封じ込めるために、内包(108)内部に置かれる。内包(108)の開口部(120)によって、加熱されると、消耗品エアロゾルが流出できる。開口部(120)は、空気が内包(108)に進入して消耗品含有ユニット(104)にさらされることができる通路を作るので、開口部(120)は、コーティングを使用して一時的に密閉されてもよい。コーティングは、好ましくは、消耗品エアロゾルを生じる温度で溶融する組成でできている。したがって、サセプタ(106)が加熱されると、内包(108)内部の空気が不足することによって、消耗品含有ユニット(104)は、点火することなく、非常に高い温度まで上昇することができる。サセプタ(106)が高い温度に達すると、形成し始めた消耗品エアロゾルは、流出することができなくなる。コーティングが溶融してなくなり、開口部(120)をさらすと、消耗品エアロゾルが内包(108)から流出して、吸入されることができる。好ましい実施形態では、コーティングは、アルギン酸プロピレングリコール(「PGA」)ゲルであってもよい。コーティングは、香味料を含んでもよい。したがって、コーティングが溶融してなくなり、消耗品エアロゾルが放出されると、消耗品エアロゾルと共に香味料も放出される。いくつかの実施形態では、香味料は、添加剤と共に混合されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、開口部(120)は、複数の孔またはスリットであってもよい。開口部(120)は、内包(108)の側壁(122)の長さに沿って形成されるか、側壁(122)の周りに径方向に配置されるか、側壁(122)全体にわたって無秩序に配置されるか、または一様に配置されるかなどであってもよい。いくつかの実施形態では、開口部(120)は、内包(108)の対向する端部(124、126)に沿った複数の孔であってもよい。細長い消耗品含有ユニット(104)を備えたいくつかの実施形態では、内包(108)も細長く、開口部(120)は、長手軸Lに平行な内包の長さにわたって横断する1つ以上の細長いスリットの形であり、それによって継ぎ目を作ってもよい。その継ぎ目は、折り込まれるか、またはかしめられてもよいが、依然として、その全長に沿ってまたは別個の領域においてのいずれかで、消耗品エアロゾルが移動することができる間隙を残してもよい。上述の開口部(120)のように、継ぎ目は、コーティングで密閉されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、第1の内包セクション(108a)および第2の内包セクション(108b)を有する2ピース型のユニットでできていてもよい。消耗品含有ユニット(104)は、第1の内包セクション(108a)に差し込まれることができ、第2の内包セクション(108b)は、消耗品含有ユニット(104)を覆うように第1の内包セクション(108a)の上に置かれてもよい。消耗品含有ユニット(104)が封入される前に、内包(108)の中にあらかじめ設定された開口部(120)が形成されてもよい。
【0069】
消耗品含有包装体(102)に関する通常の原則が確立されてから、同一の目的を達成する変形形態も検討された。例えば、いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、2つの細長いセクション(104a、104b)を含んでもよい。消耗品含有ユニット(104)の2つの細長いセクション(104a、104b)は、直径に沿って長手軸Lを通って切断された、長手軸Lに平行な平面によって定められてもよい。したがって、2つの細長いセクション(104a、104b)は、共に嵌合されると完全な円柱状の消耗品含有ユニット(104)を形成する、半円柱状のセクションであってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、図3A図4Bに示されるように、消耗品含有ユニット(104)は、ペレットまたはタブレットの形であってもよい。側壁(109)の長さが直径よりもはるかに長い、細長い円筒状または管状である消耗品含有ユニット(104)とは異なり、タブレットの実施形態では、タブレットは、長手軸Lを定める短い円筒であってもよく、ここで、側壁(109)の長さは、直径の大きさにより近いか、または直径より短いものである。サセプタ(106)は、長手軸Lに垂直に、横断方向に切断されると、タブレットの断面形状と一致するように平らな円形をしていてもよい。消耗品含有ユニット(104)は、サセプタ(106)の周りに圧縮されてもよい。巻きタバコを模倣するために、複数の消耗品含有ユニット(104)が、長手軸Lに沿って端から端まで積み重ねられて細長い円筒を形成してもよい。したがって、個々の消耗品含有ユニット(104)はそれぞれ、別々に加熱されることができ、細長い管状の本体を有する消耗品含有ユニット(104)のセグメントを効果的に模倣することができる。
【0071】
正方形や長方形などの他の形状も使用されることができ、サセプタ(106)は対応する形状を有するものとする。しかし、実際の巻きタバコの形状を模倣した形状に沿えるには、円筒形が容易な場合もある。
【0072】
いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)は、図4Aおよび図4Bに示されるように、共に組み合わされると一つのものを構成する、消耗品含有ユニット(104)の2つのセクション(104a、104b)から形成されていてもよい。2つのセクション(104a、104b)は、消耗品含有ユニット(104)を、長手軸Lに対して垂直な平面に沿って横断方向に2つ割りすることによって定められる。サセプタ(106)は、2つのセクション(104a、104b)の間にはさまれていてもよい。サセプタ(106)が2つの消耗品含有セクション(104a、104b)の間にはさまれたまま、消耗品含有ユニット(104)が内包(108)に封入されてもよい。この工程が繰り返され、各々が個別にそれぞれの内包(108)に含有されている、それぞれのサセプタ(106)をはさむ複数の個別の消耗品含有ユニット(104)が作られてもよい。複数の消耗品含有ユニット(104)は、上下に積み重ねられ、それぞれの個別の消耗品含有ユニット(104)が一度に1つずつ、個別に加熱させられることができる消耗品含有包装体(102)を作ってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、消耗品含有ユニット(104)の周りに巻かれたアルミニウムであってもよい。アルミニウムは、図3Dに示されるように、対向する端部に余分な折り目(130、132)を有してもよい。これらの余分な折り目(130、132)は、互いに上下に積み重ねられると、隣接する消耗品含有ユニット(104)の間に間隙を作る。
【0074】
いくつかの実施形態では、図4Aおよび4Bに示されるように、内包(108)は、第1の内包セクション(108a)と、第1の内包セクション(108a)内部に消耗品含有ユニット(104)を封入するためにカバーまたはキャップとして機能する第2の内包セクション(108b)とを有する、2ピースであってもよい。前に説明したように、内包(108)にある開口部(120)は、側壁(122)に沿ってあるか、あるいは端部(124、126)にあってもよい。前に説明したように、サセプタ(106)は、図4Bに示されるように、スチールウールを含む、誘導加熱にかけられる任意の種類の金属であってもよい。好ましい実施形態では、複数の孔(110)が作られることによって、あるいは共に圧縮されたスチールウールフィラメントが使用されることによって、サセプタ(106)に多数のエッジが作られる。スチールウールフィラメントは、細いものから中程度のものであってもよい。上述したように、スチールウールパッドは、添加剤、香味剤、保護剤および/または充填剤に浸されたり、コーティングされたり、または充填されたりしてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、図5A図6Bに示されるように、複数の消耗品含有ユニット(104)が、単一の細長い内包(108)内に含有されてもよい。内包(108)は、個々の消耗品含有ユニット(104)をそれぞれ受容するために区画(111)を備えるように成形されていてもよい。いくつかの実施形態では、個別の区画(111)は、ブリッジ(121)によって互いに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、ブリッジ(121)は、ある区画(111)から別の区画への流体連通を可能にするチャネル(125)を定めてもよい。いくつかの実施形態では、ブリッジ(121)は、ブリッジ(121)を通してある区画(111)と別の区画との間の流体連通を防ぐために圧着されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い内包(108)は、図6A図6Bに示されるように、長手軸Lに沿って横断方向に割られた2ピース型の組立体であってもよい。消耗品含有ユニット(104)は、内包セクションのうちの1つ(108a)の区画(111)に据え付けられてもよい。その後、第2の内包セクション(108b)は、第1の内包セクション(108a)に嵌合され、消耗品含有ユニット(104)を覆うことができる。第1の内包セクション(108a)と第2の内包セクション(108b)の間の割れ目は、開口部(120)として使用されてもよい。代わりに、内包セクション(108a、108b)のうちの一方または両方に、予め設定された開口部(120)が形成されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、図7A図7Dに示されるように、内包(108)は、内包(108)がサセプタとして機能することができる材料からできていてもよい。例えば、内包(108)は、スチールでできていてもよく、あるいは鉄金属、または誘導加熱を使用して加熱できる任意の他の金属を含んでもよい。このような実施形態では、内部サセプタ(106)は、消耗品含有ユニット(104)内に埋設されている必要がなくてもよい。内包(108)は依然として、複数の孔(120)を含んでもよく、PGAなどの添加剤および/またはシーラントで覆われていてもよい。このような実施形態は、図7Aに示されるような細長い管、あるいは図7Bに示されるようなタブレットまたはディスクにされてもよい。内包(108)は、上述のように、第1の内包セクション(108a)および第2の内包セクション(108b)を有する2ピース型の内包であってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、図7Cおよび図7Dに示されるように、概して長手軸Lに垂直に、内包(108)を横断方向に横切って横断方向のスリット(123)を有してもよい。スリット(123)は、1回の作動につき、消耗品含有ユニット(104)の一部の小さなセグメントのみが加熱されるように、内包(108)に分節を作る。横断方向のスリット(123)は、貫通孔であってもよく、それによって、その下にある消耗品含有ユニット(104)をさらす。このような実施形態では、セグメントは、永久的に孔を密閉するコーティングまたは何らかの他のプラグによって埋められているか、あるいは加熱されると溶融し、スリット(123)を通ってエアロゾルが流出できる物質によって埋められていてもよい。いくつかの実施形態では、プラグは、ヒートシンクとして機能することができる材料および/または誘導によって加熱されにくい物質からできていてもよく、それによって、横断方向のスリット(123)における加熱効果を低下させる。いくつかの実施形態では、横断方向のスリット(123)は、内包(108)の凹部または凸部であってもよい。すなわち、横断方向のスリット(123)は、内包(108)の薄くなっている部分であってもよい。したがって、横断方向のスリット(123)によって、くぼみを定めてもよい。くぼみは、ヒートシンクとして機能することができるプラグおよび/または誘導によって加熱されにくい物質によって埋められていてもよく、それによって、横断方向のスリット(123)に沿った熱伝導を低下させる。
【0078】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、消耗品含有包装体(102)に構造的一体性をもたらすために、固い殻であってもよい。いくつかの実施形態では、内包(108)は、柔軟性のある巻紙であってもよく、内包(108)内部に消耗品含有ユニット(104)とサセプタ(106)が巻かれていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、周りにコットンで巻かれたウールの平らなシートであってもよく、その中に、消耗品が液体またはぼそぼそした固体の形で取り込まれていてもよい。ウールおよびコットンは、複数の孔(120)を含むアルミニウム箔で巻かれていてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、図4Cに示されるように多孔性の材料でできていてもよい。例えば、内包(108)は、多孔性の巻紙または他の同様の材料であってもよい。したがって、細孔は、加熱されると消耗品含有ユニット(104)のエアロゾルが流出できるようにすることによって開口部(120)として機能し得る。さらに、消耗品含有ユニット(104)は、酸素を排除するように圧縮されるので、使用温度や、消耗品含有ユニット(104)が高温にさらされる短い時間で点火する可能性は依然として低い。内包(108)と筐体(150)の間のチャネルに沿って内包(108)の外部が酸素にさらされても、誘導加熱によって急速に消耗品が内側から外側に加熱されるので、内包(108)の外部は点火温度に達することがない。例えば、摂氏350度を超える温度や摂氏400度より高い温度でさえ、本発明において点火は生じなかった。反対に、他の装置はぼそぼそしたタバコ(または消耗品材料)を使用するか、または外側から内側に消耗品を加熱するので、これらの装置は消耗品を燃焼しやすい。加えて、他の加熱式タバコ製品は、刃/ロッドを用いて、または消耗品を囲む「オーブン」を介してのいずれかでタバコを一度にすべて内側から外側に加熱する。これによって、わずか3回のパフの後に飽きのくる焦げた味を引き起こす。加えて、ほとんどの他の現在の加熱式タバコ技術は、タバコを通して気流を送り、それによって、点火温度を下げる。対照的に、本発明では、熱源はサセプタ(106)であり、これが、圧縮された消耗品含有ユニット(104)に包まれることで、酸素がない環境または酸素が制限された環境をもたらし、加熱によって生成された消耗品のエアロゾルが、その環境から、内包(108)と筐体(150)の間の周辺チャネル内に放出される。
【0080】
内包(108)が多孔性材料である実施形態では、内包(108)は薄くてもよく、それによって、エアロゾルが内包の細孔を通って横断方向または径方向外向きに内包(108)を出ていくことができる。これによって、エアロゾルが、筐体(150)と内包(108)の間に作られたチャネルに入ることができる。いくつかの実施形態では、内包(108)はより厚くてもよく、エアロゾルが内包(108)の長さに沿って縦方向に細孔を通って移動することを可能にするのに十分な多孔性を有してもよい。このような実施形態では、筐体(150)と内包(108)の間にチャネルが必要とされなくてもよい。このような多孔性の材料には、巻きタバコ用巻紙、セルロースもしくは他のフィルタ材料、またはこの目的用の任意の適切な材料が含まれてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、内包(108)は、コーティング(115)を含んでもよい。本明細書で使用される場合、コーティング(115)は、液体、半液体、あるいは硬化して殻になる粘性物質などの流体、特に、取り扱われている際にその形状を維持することができる剛性多孔性の殻である。コーティング(115)の一例は、デンプンでできたバッターである。デンプンは、コーンスターチ、ポテトスターチ、あるいはサゴ、小麦、大麦、米、タピオカ、キャッサバなどの任意の他の植物源のデンプンであってもよく、いくつかの実施形態では、紙パルプなどの他の繊維状材料と組み合わされてもよい。デンプンが水などの流体と混合されると、バッターは液体、半液体のバッター、または粘性になる。加熱および/または時間とともに、バッターは硬化することができる。これは、揚げ物の調理において使用されている一般的な技術である。同様に、流体の形のコーティング(115)は、消耗品含有ユニット(104)に施されることができる。例えば、流体の形で、バッターが消耗品含有ユニット(104)に吹き付けや塗り付けされてもよく、あるいは消耗品含有ユニット(104)がバッター中に漬けられてもよい。コーティング済みの消耗品含有ユニット(104)には、熱が適用されてもよい。その後、コーティングは、消耗品含有ユニット(104)の周りに硬化したが多孔性である殻を作って、内包(108)を形成する。別の実施形態では、デンプンとパルプの組み合わせを使用して、殻状の内包が成形されてもよい。しかし、消耗品とサセプタ(106)の間では、依然として、酸素の大部分が除去される。
【0082】
このような実施形態では、内包(108)が多孔性であることに起因して内包(108)に細孔(120)を空ける必要がない。使用中に内包(108)が加熱されと、多孔性が生じるか、および/または、これが増えてもよい。加えて、デンプンは、高引火点を可能にし、風味をつけることがない。さらに、デンプンを用いることで、漏出のリスクがほとんどなくなり、かつ、デンプンは長い保存期間を有することができる。
【0083】
その後、消耗品含有ユニット(104)を含有する内包(108)が筐体(150)内に差し込まれ、消耗品含有包装体(102)が形成されてもよい。サセプタ(106)が加熱されると、消耗品がエアロゾル化して、多孔性の内包(108)内に流出する。使用者が マウスピース(158)を引き寄せると、筐体(150)内部で生じる負圧によって、マウスピース(158)の方向に気流が生じ、エアロゾル化した消耗品が内包の細孔を通ってマウスピースに向かって移動し、ここで、消耗品が使用者に吸入されることができる。
【0084】
図2A図2Eに示される実施形態のように、多孔性の殻の形の内包(108)は、筒またはロッドなどの1つの細長いユニットであってもよい。いくつかの実施形態では、図3A図3Dに示されるように、多孔性の殻は、個別の短い円筒状ユニットであるか、あるいは積み重ね可能なブロックユニットであってもよい。いくつかの実施形態では、図4Cに示されるように、多孔性の殻は球状であってもよい。
【0085】
ほんの一例として、デンプン粉体を、サセプタの周りにある活性成分の製剤に吹き付けて、多孔性の内包を形成してもよく、あるいはデンプン粉体に水を加えてハチミツ程度の粘度にすることによってバッターが形成されてもよく、その後、そのバッターに活性成分とサセプタを漬け、乾燥させ、多孔性の内包を形成してもよい。
【0086】
したがって、エアロゾル生成装置(200)で使用するための消耗品含有包装体(102)を製造する方法は、消耗品含有ユニット(104)を形成するために、サセプタ(106)と消耗品を組み合わせる工程と、消耗品含有ユニット(104)にコーティングを施す工程と、コーティングを加熱して、消耗品含有ユニット(104)の周りに内包(108)を作る工程であって、内包(108)は多孔性である、工程とを含み、それによって、消耗品含有包装体(102)が生成される。好ましくは、コーティングはデンプンを含む。方法は、消耗品含有ユニット(104)を形成するために、サセプタ(106)と共に消耗品を押し出す工程をさらに含んでもよい。方法は、押し出されたサセプタ(106)と消耗品を丸めて、横断面に沿って見ると螺旋状のパターンの円筒を形成する工程をさらに含んでもよい。方法は、消耗品含有ユニット(102)を形成するために、消耗品を媒体(105)内に取り込む工程をさらに含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置(200)で使用するための消耗品含有包装体(102)を製造する方法は、1片のスチールウールを平らにして、厚さが0.1インチ(0.254mm)未満のサセプタ(106)にする工程と、消耗品含有ユニット(104)を形成するために、サセプタ(106)と消耗品を組み合わせる工程と、消耗品含有ユニット(104)を内包(108)内に配置する工程とを含み、それによって、消耗品含有包装体(102)が生成される。方法は、1片のスチールウールを平らにするために、サセプタ(106)を用いて消耗品を押し出す工程をさらに含んでもよい。方法は、サセプタ(106)と消耗品を組み合わせるために、消耗品と共にサセプタ(106)を押し出す工程をさらに含んでもよい。方法は、押し出されたサセプタ(106)と消耗品を丸めて、横断面に沿って見ると螺旋状のパターンの円筒を形成する工程をさらに含んでもよい。方法は、消耗品含有ユニット(104)を形成するために、消耗品を媒体(105)内に取り込む工程をさらに含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、内包(108)が完全に除去されてもよく、消耗品含有ユニット(104)は単に筐体(150)に囲まれている。このような実施形態では、エアロゾルは、消耗品含有ユニット(104)から、消耗品含有ユニット(104)と筐体(150)の間にあるチャネル内に直接放出される。内包のある実施形態のように、内部から外部への急速な誘導加熱に起因して、消耗品含有ユニット(104)の外部は点火温度に達することがない。
【0089】
内包(108)が多孔性であるか、あるいは内包(108)が存在しない実施形態では、気密な包装を使用することによって消耗品の鮮度が維持されてもよく、酸化を防ぐために、包装は窒素または他の不活性ガスで充填されてもよい。このような包装は、例えば、毎日複数の消耗品含有包装体(102)が使用され得るタバコ製品において、消耗品含有包装体(102)の大きな包装のために使用されてもよい。あるいは、消耗品が単に定期的に使用される場合は、個装は、医薬品を含有している消耗品含有包装体(102)に使用されてもよい。
【0090】
スペーサ
【0091】
消耗品含有包装体(102)は、筐体(150)と消耗品含有ユニット(104)の間に間隔を作るためにスペーサ(135)を含んでもよい。筐体(150)と消耗品含有ユニット(104)の間にある間隔は、気流がエアロゾル化された形の消耗品を、吸入のためにマウスピース(158)まで運ぶための通路を作る。
【0092】
いくつかの実施形態では、スペーサ(135)は、図2Cおよび図2Dに示されるように、消耗品含有ユニット(104)、サセプタ(106)および内包(108)を封入するフィルタ管(140)であってもよい。すなわち、フィルタ管(140)の多孔性によって、マウスピースへの気流の通路が作られる。任意の適切なフィルタ材料が使用されてもよいが、ほんの一例として、フィルタ管(140)はセルロースまたは酢酸セルロースでできていてもよい。
【0093】
内包の加熱によって放出される消耗品エアロゾルがフィルタを横断方向に通過する間、望ましくないいかなる異物も捕捉するために、フィルタ管(140)は、フィルタ材料でできていてもよい。フィルタ管(140)は内包(108)を囲み、さらに、コーティング済みの開口部(120)を覆ってもよい。フィルタ管(140)はフィルタ材料でできていてもよいので、フィルタ管(140)を通って消耗品エアロゾルが移動することができる。任意の適切なフィルタ材料が使用されてもよいが、ほんの一例として、フィルタ管はセルロースまたは酢酸セルロースでできていてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、図3Aおよび図3Bに示されるように、スペーサ(135)は、内包(108)からマウスピース(158)までの気流の通路を作りつつ内包(108)と筐体(150)の間の間隔を維持することができる、任意の剛性構造であってもよい。例えば、スペーサ(135)は、内包(108)に取り付けられた枠組み、波付け材、ロッド、リングであってもよく、内包(108)は、リング、その他の壁部を貫通する横断方向の細孔を備えている。
【0095】
いくつかの実施形態では、スペーサは任意選択であってもよい。例えば、内包が剛性であるが多孔性の材料でできている実施形態では、スペーサ(135)が必要でなく、これは、内包(108)の多孔性によって、消耗品が消耗品含有ユニット(104)からマウスピース(158)まで移動するための気流の通路が作られるからである。
【0096】
いくつかの実施形態では、スペーサ(135)が必要でなくてもよい。消耗品含有ユニット(104)および/または内包(108)が筐体(150)とは異なる形状である場合は、自然に生じるチャネルが形成される。例えば、消耗品含有ユニット(104)および/または内包(108)が三角形または四角形の断面を有する場合は、これらを円筒状の筐体(108)に配置することによって、それぞれ3つおよび4つのチャネルを作る。円筒状の筐体(150)の場合、任意の多角形の断面を有する消耗品含有ユニット(104)および/または内包(108)、あるいは楕円形の断面を有するものでさえ、エアロゾルのためのチャネルが作られ、スペーサ(135)の必要がない。1つ以上チャネルを作る断面であればいずれも、スペーサ(135)の必要を排除することができる。代わりに、消耗品含有ユニット(104)および/または内包(108)が円筒状であり、筐体(150)が多角形であっても、あるいは正方形でさえあっても、チャネルを作ることができ、スペーサ(135)の必要がない。
【0097】
筐体
【0098】
消耗品含有包装体(102)は、内包(108)と、スペーサ(135)がある場合はスペーサ(135)とを封入する筐体(150)をさらに含んでもよい。好ましい実施形態では、筐体(150)は、概して巻きタバコを模倣したものである。したがって、筐体(150)は概して、第1の開口部(153)を備えた第1の端部(152)、および第1の端部(152)に対向し、第2の開口部(157)を有する第2の端部(156)を有する管状である。したがって、筐体(150)は、使用者が第2の端部(156)を引き寄せることができ、それによって、空気を第1の端部(152)にある第1の開口部(153)を通って下流の第2の端部(156)にある第2の開口部(157)に向かって流れさせるように構成された中空管であってもよい。例えば、筐体(150)は、長さが約1.5インチ(38.10mm)から約3.25インチ(82.55mm)であってもよい。
【0099】
筐体(150)は、紙、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、木材、炭素繊維、圧縮処理デンプン紙などの、消耗品エアロゾルが通過しにくい材料を含む。これによって、消耗品エアロゾルは、筐体(150)の第1の端部(152)から筐体(150)の第2の端部(156)の方向に、使用者の口に向かって吸入経路に沿って進むことができる。
【0100】
筐体(150)は、第1の端部(152)がエンドキャップ(154)で覆われていてもよい。エンドキャップ(154)は、一種のフィルタ材料で構成されていてもよい。空気が第1の端部(152)から第2の端部(156)に向かって流れると、エンドキャップ(154)がプレフィルタとして機能する。筐体(150)にあるエンドキャップ(154)の別の機能は、気流絞りとして機能することであり、エンドキャップ(154)を通して空気が引き寄せられると、消耗品の内部で負圧が生じる。
【0101】
筐体(150)の対向する端部(156)にマウスピース(158)が存在し、使用者がこれを吸うと、加熱された消耗品エアロゾルが内包(108)から出て筐体(150)に沿ってマウスピース(158)に向かい、そして使用者の口の中へと引き寄せられる。したがって、マウスピース(158)は、エンドキャップ(154)のものと同様に一種のフィルタを含んでもよい。エンドキャップ(154)およびマウスピース(158)として、任意の種類のフィルタが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、エンドキャップ(154)および/またはマウスピース(158)は、図2Fに示されるように、横断面に沿って見ると内部に螺旋を作るように第1の端部から第2の端部に向かって丸められた1枚のフィルタ材料、紙、または任意の他の適切な材料であってもよい。
【0102】
内包(108)は、第1の開口部(153)または第2の開口部(157)を通して筐体(150)内に滑り込まされてもよい。内包(108)が第1の開口部(153)から滑り込まされる場合は、マウスピース(158)は、内包(108)が外に滑り出るのを防ぐ位置に配置されてもよい。同様に、内包(108)が第2の開口部(157)から筐体(150)内に滑り込まされる場合は、エンドキャップ(154)は、内包(108)が第1の開口部(153)の外に滑り出るのを防ぐ位置に配置されてもよい。したがって、マウスピース(158)およびエンドキャップ(154)は、内包(108)を筐体(150)内部に維持している。
【0103】
フィルタ管(140)の周りに巻かれた筐体(150)によって、フィルタ管(140)を通る長手方向のチャネルを作り、消耗品エアロゾルは、フィルタ管(140)から径方向に外に流出するのではなく、このチャネルを通って移動する。これによって、消耗品エアロゾルが使用者の口に向かって吸入経路に沿って進むことができる。筐体(150)の一方の端部(152)は、エンドキャップ(154)で覆われていてもよい。エンドキャップ(154)は、一種のフィルタ材料で構成されていてもよい。筐体(150)の対向する端部(156)にマウスピース(158)が存在し、使用者がこれを吸うと、加熱された消耗品エアロゾルが内包(108)からフィルタ管(140)に沿ってマウスピース(158)に向かい、そして使用者の口の中へと引き寄せられる。したがって、マウスピース(158)は、エンドキャップ(154)のものと同様に一種のフィルタであってもよい。消耗品含有包装体(102)が、消耗品エアロゾルが移動するチャネルを含み、そのチャネルが、消耗品含有包装体(102)の一部でもあるマウスピース(158)に直接通じており、受容部(151)および/またはケース(202)から隔てられている場合は、受容部(151)および/またはケース(202)は、装置が作動している間に形成される残留物や副産物が一切ない状態を保つ。この構成では、受容部(151)および/またはケース(202)はきれいなままであり、使用者が定期的に受容部(151)および/またはケース(202)を掃除する必要がない。
【0104】
誘導加熱
【0105】
消耗品含有ユニット(104)の加熱は、誘導加熱工程によって達成され、この工程では、図8A図8Bに示されるように、誘導加熱要素(160)によって発生した変動磁界の存在下に金属を配置することによって、金属、好ましくは鉄金属に非接触加熱をもたらす。好ましい実施形態では、誘導加熱要素(160)は、電流がコイルを通過すると磁界を発生させるコイルの周りに巻かれる導電体(162)である。金属製サセプタ(106)は、磁界内にあるように、導電体(162)の十分付近に置かれる。好ましい実施形態では、導電体(162)は、中央空洞部(164)を定めるように巻かれる。これによって、消耗品含有包装体(102)が空洞(164)内に差し込まれ、導電体(162)がサセプタ(106)に接触することなくサセプタ(106)を囲むことができる。導電体(162)を通過する電流は交流であり、急速に交番する磁界を生じる。交番磁界は、サセプタ(106)に渦電流を生じさせてもよく、それによって、サセプタ(106)内が発熱してもよい。したがって、消耗品含有包装体(102)は概して、内側から外側に加熱される。内包(108)がサセプタとしても機能する実施形態では、消耗品含有包装体(102)は、外側から内側に加熱される。いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)の個別のユニットを加熱するために、複数の個別の導電体(162a~f)が直列に配列されてもよい。
【0106】
好ましい実施形態において、加熱は、非常に急速であり、短い時間のものである。これは、装置を「準備」し始め、コイルに電力を供給する準備が整うまでにおよそ10秒未満しかかからず、その後、ほぼその直後にサセプタを加熱して消耗品エアロゾルをもたらす。好ましくは、準備時間は、約1秒から約7秒、あるいは約3秒から約6秒である。最も好ましくは、準備時間は、およそ2から3秒である。短期間の強い加熱によって、消耗品含有ユニット(104)を内側から外側に加熱し、好ましくは、消耗品含有ユニット(104)または(そのように備えつけられている場合は)内包(108)の外部を点火温度まで上昇させない。例えば、強い加熱の時間は、およそ0.5からおよそ5秒であってもよい。好ましくは、加熱は、およそ0.5からおよそ3秒である。最も好ましくは、加熱は、およそ1からおよそ2秒である。加熱は、消耗品エアロゾルを生じて消耗品含有ユニット(104)から放出させるのに十分なものである。
【0107】
好ましい実施形態では、消耗品含有包装体(102)のセグメントは、個々に加熱されるものとする。したがって、図8Aに示されるように、導電体(162)も個々のセットのコイル状導電体(162a~f)として設けられてもよい。導電体コイル(162a~f)はそれぞれ、制御部(166)に取り付けられてもよく、これは、一度に1つの導電体コイル(162a~f)を起動するように制御可能である。図8Aには6つの導電体コイル(162a~f)が示されているが、これより多いまたは少ないコイルが使用されてもよい。代替実施形態では、消耗品含有包装体(102)に沿ってコイルを平行移動させて消耗品含有包装体(102)のセグメントをそれぞれ個々に加熱する機械的機構と共に、単一の導電体コイル(162)が使用されてもよい。
【0108】
個々の導体コイル(162a~f)は、以上で説明し、かつ、図3A図6Bに示されるように、消耗品含有包装体(102)の別個のセグメントと一致していてもよい。代わりに、導電体コイル(162a~f)はそれぞれ、図2A図2D図7Aおよび図7Dに示されるようになど、連続した消耗品含有包装体(102)の特定の長さに対応し、その特定の長さのみを加熱することができる。このような実施形態の予備試験では、消耗品含有包装体(102)の個別の長さに沿って加熱することは、消耗品含有包装体(102)の隣接部分を感知できるほどに加熱することはなく、これは、加熱されない隣接した消耗品が絶縁体としての役割を果たすと思われるからである。したがって、熱伝達を限定するような構造は本明細書で議論されており、有用なものであってもよいが、このような構造は必要でなくてもよい。
【0109】
サセプタ(106)における電力から温熱への変換効率は、本明細書では「変換効率」と呼ばれ、金属のバルク抵抗、金属の誘電率、金属の形状および熱損失、電源の一貫性および効率、コイルの形状、ならびに、作動喪失および作動総頻度などの様々な要因に基づくものであり、これらの要因のいくつかを特定する。装置(100)は、変換効率を最大にするように設計および構成されている。
【0110】
加熱工程の効率をさらに改善するために、予熱技法が使用されてもよい。好ましくは、温度センサによって測定された場合に中温になるまで、サセプタ(106)が予熱され、その後、使用者が吸入する準備が整うと、サセプタ(106)は電力の上昇を受け、温度を急速により高いエアロゾル温度まで上昇させる。例えば、消耗品含有包装体(102)が装置(100)内に差し込まれると、加熱システム(160)の起動を引き起こすことができ、これによって、サセプタ(160)をおよそ中温(すなわち、室内温度を上回るがエアロゾル温度を下回る)、例えば、摂取200℃まで加熱する。その後、使用者がマウスピースを吸い始めると、圧力センサ(426)によって、消耗品含有包装体(102)内部で生じる気圧差が検知され、システム制御部によって、電力の上昇が発生し、温度を迅速により高いエアロゾル温度、例えば、350℃まで上昇させる。
【0111】
いくつかの実施形態では、外部アクチュエータが使用されてもよく、ここで、使用者が吸入する準備を行っている際に、外部アクチュエータを起動して、中温まで予熱工程を開始することができる。その後、使用者が吸入する準備ができると、第2の外部アクチュエータが起動されてもよく、あるいは吸引動作によって内部で生じる真空が、圧力センサ(426)または他の装置によって検知されてもよく、これが、加熱システム(160)に合図を送り、電力の上昇を発生させ、エアロゾル温度まで急速に温度を上昇させることができる。使用者が蒸気を吸入し終えた後に、温度は、中温まで下がって戻るか、または中温とエアロゾル温度の間の中間温度まで下がって戻ってもよい。したがって、使用者が次の用量を摂取する準備ができると、加熱システムがプライミングされる。
【0112】
例えば、最初に消耗品含有包装体(102)がエアロゾル生成装置(200)内に係合され、エアロゾル生成装置(200)が、活性成分に基づいて約100℃から約250℃のいずれかまでサセプタを加熱する。その後、パフが行われると、エアロゾル生成装置(200)は、約400℃以上まで温度を上昇させ、パフを作る。この上昇は、約0.01秒の速さであってもよい。パフが行われると、エアロゾル生成装置(200)は、時間曲線によって温度の低下を予測し始め、次のパフ前の温度を算出する。エアロゾル生成装置(200)は、チップのうちの1つに恒温器を有しているので、装置環境の開始温度がわかる。経時的な温度変化曲線を予測することによって、次のパフが行われる時間に基づいて、エアロゾル生成装置(200)は、次のパフで400℃に達するのにどれだけの電力が必要とされるかを正確に算出する。これは、各パフの後に何度も行われる。したがって、1回目のパフから5秒以内、または1回目のパフ後の30秒以内にパフが行われる場合は、ファジィ理論処理によって、次のパフは、2回目/次のパフの温度が400℃(または任意の設定温度)にされる。温度を測定するために、システム制御部(166)は、温度センサに動作可能に接続されてもよい。このシステムは、一貫したパフを作るためにコイルを移動させた場合と同様のパフの一貫性を築く。したがって、この特徴は、加熱コイルが移動していない、好ましい実施形態であってもよい。
【0113】
したがって、エアロゾル生成装置(200)によって消耗品をエアロゾル化する方法に関する好ましい実施形態は、消耗品に囲まれたサセプタ(106)を、室温を上回るがエアロゾル温度を下回る中温まで予熱する工程と、サセプタ(106)を、中温からエアロゾル温度まで加熱する工程を含み、それによって、消耗品がエアロゾル化される。サセプタ(106)をエアロゾル温度まで加熱する工程の後に、サセプタを、中温まで下げて戻してもよい。代わりに、サセプタ(106)をエアロゾル温度まで加熱する工程の後に、サセプタ(106)を、エアロゾル温度より低いが中温より高い温度まで下げて戻してもよい。好ましくは、サセプタ(106)を予熱する工程は、エアロゾル生成装置(200)内に消耗品含有包装体(102)を差し込むと生じる。加えて、サセプタ(106)をエアロゾル温度まで加熱する工程は、圧力センサ(426)が、受容部(151)などのエアロゾル生成装置(200)内部における圧力の低下を検知したときに生じる。
【0114】
エアロゾル生成装置
【0115】
消耗品の加熱およびエアロゾルへの変換を実施するために、消耗品含有包装体(102)は、図1および図9A図9Cに示されるように、エアロゾル生成装置(200)の内側に置かれる。エアロゾル生成装置(200)は、消耗品含有包装体(102)を含有する受容部(151)、サセプタ(106)を加熱する誘導加熱要素(160)、および誘導加熱要素(160)を制御するシステム制御部(166)を含む。ケース(202)は、人間工学に基づいて使用されるように設計される。命名を容易にするために、ケース(202)は、正面、背面、側面、上面および底面などの用語を使用して説明される。これらの用語は、限定することを意図しておらず、むしろ、様々な構成要素の互いに対する位置を説明するために使用される。本発明の説明を目的として、正面(210)は、本明細書に説明されるように意図して使用される場合、使用者に面するケース(202)の部分である。意図されているように、使用者が使用のためにケース(202)を掴む際に、使用者の指は装置(100)の背面(212)に回り、親指は正面(210)に回る。ケース(202)は、装置(100)の構成要素が含有されている空洞(214)(図1を参照)を定める。したがって、ケース(202)は、消耗品含有包装体(102)の実質的な部分、制御部(166)、誘導加熱要素(160)および電源(220)を含有するように設計されている。好ましい実施形態では、ケース(202)の上正面部分は、開口(216)を定める。消耗品含有包装体(102)のマウスピース部分(158)は、使用者が消耗品含有包装体(102)を利用できるように、開口(216)から外に突出している。マウスピース(158)は、使用者がマウスピース(158)の周りに唇を置いて、消耗品エアロゾルを吸入することができるように、ケース(202)から外に十分に突出している。
【0116】
ケース(202)は、使い勝手が良くかつ携帯が容易なように意図されている。好ましい実施形態では、ケース(202)は、高さおよそ85mm(3.35インチ)(上面(222)から底面(224)まで測定された場合)、奥行44mm(1.73インチ)(正面(210)から背面(212)まで測定された場合)、幅22mm(0.87インチ)(側面(226)から側面(228)まで測定された場合)の寸法を有してもよい。これは、より高品質/より頑丈なプラスチック部品のために、原型成形(proto-molding)によって製造されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)は、保管や移動のために消耗品含有包装体(102)をケース(202)内部に引き込む引込部に保持されていてもよい。消耗品含有包装体(102)の構成に起因して、受容部(151)および/またはケース(202)は、何らかの点火が依然として横行していることで点火により副生成残物を生じる他の装置のように貫通孔を掃除する必要がない。消耗品含有包装体(102)が使用者用マウスピース(158)およびフィルタ管(140)を含む実施形態では、作動中に何らかの副産物が生じると、これらは使い捨て可能な消耗品含有包装体(102)に留まり、使用者が新たな消耗品含有包装体(102)および必要に応じてフィルタ管(140)を受容部(151)および/またはケース(202)内に差し込む際に交換される。したがって、作動中に受容部(151)および/またはケース(202)の内部はきれいなままである。
【0118】
好ましい実施形態では、ケース(202)の上面(222)は、ユーザインターフェース(230)を含む。ケース(202)の上面(222)にユーザインターフェース(230)を置くことで、使用者は、使用前に装置(100)の状態を容易に確認することができる。使用者は、吸入中でさえ、潜在的にユーザインターフェース(230)を見ることができる。ユーザインターフェース(230)は、使用中に装置の状態を表示するためのマルチカラーLED(RGB)ディスプレイであってもよい。このディスプレイに広角な視認性をもたらすために、導波管が使用されてもよい。ほんの一例として、ユーザインターフェース(230)は、フォーマット128x32およびI2C(またはSPI)インターフェースを備えた0.96インチ(対角)OLEDディスプレイを有する。ユーザインターフェース(230)は、触覚フィードバック(234)(振動)および聴覚フィードバック(250)(圧電トランスデューサ)が可能である。いくつかの実施形態では、OLEDガラスの上に透明なプラスチック(PCまたはABS)カバーが置かれて、損傷/傷から保護されてもよい。
【0119】
ケースの背面(212)は、トリガ(232)を含み、これは、装置を電源オンにする/「パフ」を開始するために、指で起動される(押し)ボタンである。好ましくは、トリガ(232)は、上面(212)と隣接している。この構成では、使用者は、起動を便利にするために、トリガ(232)の上またはその付近に人差し指を置き、意図されているようにケース(202)を保持することができる。いくつかの実施形態では、機械的にまたは電気的インターロックによってトリガ(232)の上に係止機構が設けられていてもよく、これは、トリガ(232)が電気的に起動される前にケース(202)が開かれる必要がある。いくつかの実施形態では、作動中の使用者による触覚フィードバックの認識を改善するために、触覚フィードバックモータ(234)がトリガ(232)に機械的に連結されてもよい。トリガ(232)が起動されることで、誘導加熱要素(160)に電力供給され、サセプタ(106)が加熱される。
【0120】
装置(100)は、バッテリ(220)によって電力供給される。好ましくは、バッテリ(220)は、デュアルセルリチウムイオンバッテリパック(直列接続)であり、連続電流引き込み能力は4Aかつ定格容量は650~750mAhである。デュアルセルパックは、保護回路を含んでもよい。バッテリ(220)は、USBタイプ「C」コネクタ(236)を使用して充電し得る。USBタイプ「C」コネクタ(236)は、通信用にも使用されることができる。制御部(166)はまた、充電/放電に関するバッテリ状態を表示するために、バッテリ電圧監視部(238)が設けられてもよい。
【0121】
トリガ(232)は、制御部(166)を介して誘導コイルドライバ(240)に動作可能に接続される。誘導コイルドライバ(240)によって誘導加熱要素(160)を起動して、サセプタ(106)を加熱する。本発明では、従来技術のモータ駆動コイルの設計を省略している。誘導コイルドライバ(240)は、複数のコイルに対する駆動/多重化をもたらすことができる。例えば、誘導コイルドライバ(240)は、6つ以上のコイルに対して駆動/多重化をもたらしてもよい。各コイルは、消耗品含有包装体(102)の1つのセグメントの周りに巻かれ、少なくとも1回以上起動されることができる。したがって、消耗品含有包装体(102)の1つのセグメントは、例えば2回加熱されることができる。6つのコイルを有する装置(100)では、使用者は、装置(100)から12回「パフ」を抽出することができる。
【0122】
好ましい実施形態では誘導コイル駆動回路は、マイクロプロセッサコントローラ(166)によって直接制御されてもよい。このプロセッサにおける特殊な周辺装置(数値制御発振器)によって、CPU処理のオーバーヘッドを最小限に抑えた駆動波形周波数を発生することができる。誘導コイル回路は、1つ以上の並列接続のコンデンサを有し、並列共振回路になっていてもよい。
【0123】
駆動回路は、プロセッサにおけるアナログ入力にフィードバックする「ピーク検知器」を備えた電流監視を含んでもよい。ピーク検知器の機能は、駆動回路の任意の電圧サイクルの最大電流値を捕捉することであり、これは、アナログ-デジタルコンバータ(マイクロプロセッサチップの一部)によって変換され、その後、誘導コイル駆動アルゴリズムで使用されるように、安定した出力電圧を提供する。
【0124】
誘導コイル駆動アルゴリズムは、マイクロプロセッサで稼働するファームウェアに実装される。誘導コイルとコンデンサの共振周波数は、以下のとおり、設計によって合理的な精度を有することがわかるであろう。
【0125】
共振周波数(ヘルツ)=1/(2*π*SQRT{L*C})
【0126】
ここで、π=3.1415…であり、
【0127】
SQRTは括弧{…}内の内容の平方根を示し、
【0128】
L=誘導コイルの測定インダクタンスであり、
【0129】
C=並列接続のコンデンサの既知の容量である。
【0130】
(上から)LとCの値に対しては製造公差があり、これによって、実際の共振周波数と、上記の公式を使用して計算された共振周波数とにおいて何らかのばらつきが生じる。加えて、このコイルの内部に位置しているものに基づいて、誘導コイルのインダクタンスにばらつきが存在する。特に、このコイルの内部(または直近)に鉄金属が存在すると、インダクタンスにいくらかの変化をもたらし、その結果、L-C回路の共振周波数に小さな変化をもたらす。
【0131】
誘導コイルを駆動するためのファームウェアのアルゴリズムは、最大予想周波数範囲を超える作動周波数をスイープし、同時に、電流を監視して、電流引き込みが最小である周波数を探し出す。この最小値が、共振周波数で発生する。この「中心周波数」が見出されると、アルゴリズムは、中心周波数のいずれか一方の側の周波数をわずかにスイープし続け、最小電流値を維持するために必要とされる中心周波数の値を調整する。
【0132】
電子機器は、制御部(166)に接続される。制御部(166)は、サセプタ(106)の加熱を最適化するために、プロセッサに基づいて周波数を制御することができる。周波数と温度の関係は、直接的に相関しているのは稀であり、これは主に、周波数、時間および消耗品含有包装体(102)が構成される方法の結果が温度であるという事実に起因している。制御部(166)はまた、電力供給を判断するための電流監視や、共振を確立するための誘導コイル全体にわたるピーク電圧監視をもたらしてもよい。ほんの一例として、制御部は、1秒でサセプタ(106)の温度を摂氏400度以上にするために、3秒の予熱サイクルでおよそ400kHzからおよそ500kHz、好ましくは440kHzの周波数をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)の温度は、1秒で摂氏550度以上まで上昇されてもよい。いくつかの実施形態では、温度は、摂氏800度の高さまで上昇されてもよい。したがって、本発明は、摂氏400度~800度の有効範囲を有する。従来技術の装置では、このような温度で消耗品が点火するので、従来技術の装置は、これらの温度では効果がない。本発明では、エアロゾルの生成効率を改善し、より短い加熱時間を可能にするために、このような高温が使用されてもよい。
【0133】
装置(100)はまた、通信システム(242)を含んでもよい。好ましい実施形態では、周辺装置と通信するために、Bluetooth低エネルギー無線機が使用されてもよい。通信システム(242)は、メインプロセッサとシリアルインターフェイスし、例えば、電話と情報通信してもよい。市販のRFモジュール(認証済み:FCC、IC、CE、MIC)も使用されることができる。一例では、Laird BL652モジュールを利用しているが、これは、SmartBasicサポートによって高速アプリケーション展開が可能になるからである。通信システム(242)は、周波数および3段階のデューティサイクル、具体的には、誘導加熱要素(160)の予熱段階、加熱段階および緩和段階を制御することによって、エアロゾル密度、放出される風味量などに関する個人の好みに合うように、使用者が装置(100)をプログラムすることができる。通信システム(242)は、1つ以上のUSBポート(236)を有してもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、バッテリのバックアップを備えたRTC(リアルタイムクロック/カレンダ)を使用して、使用情報を監視してもよい。RTCは、スマートフォンなどの周辺装置にダウンロードされた外部アプリと共に使用される関連ユーザデータを測定して保管することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、マイクロUSBコネクタ(またはUSBタイプCコネクタまたは他の適切なコネクタ)が、ケース(202)の底面に位置していてもよい。ケーブルの力に起因したコネクタへの負荷を減らすために、全ての側面にプラスチックのサポートコネクタが設けられてもよい。
【0136】
ほんの一例として、装置(100)は、以下のように使用されてもよい。装置用の電力は、トリガ(232)の瞬時の起動によって電源オンになってもよい。例えば、トリガの短押し(<1.5秒)によって、装置(100)が電源オンになってもよいが、加熱サイクルが開始させることはない。この間に、トリガ(232)に2回目の短押し(<1秒)を行うと、長時間にわたって装置(100)がオンのまま維持され、電話との(結合されている)Bluetooth接続が現在アクティブ状態にない場合は、Bluetooth通知が開始される。トリガ(232)の長押し(>1.5秒)によって、加熱サイクルが開始される。装置(100)用の電力は、各加熱サイクル後に短時間(例えば5秒)にわたってオンのままであってもよく、電源オフ前にOLEDユーザインターフェース(230)にユニットの更新状態を表示してもよい。いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)がケース(202)から展開されると、装置(100)が電源オンになってもよい。いくつかの実施形態では、装置の電源オン・オフのために、別の電源スイッチ(246)が使用されてもよい。
【0137】
スマートフォンとのアクティブ接続が確認され、カスタムアプリケーションがスマートフォンで稼働している際には、装置(100)は、最長2分間電源オンのままであり、その後電源オフになる。バッテリレベルが低すぎて作動できないときは、ユーザインターフェイスディスプレイ(230)が数回点滅し(バッテリアイコンが「0%」レベルであることを示し)、その後ユニットが電源オフになる。
【0138】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(230)は、どのセグメントが残っているか(塗りつぶし)とどのセグメントが使用済みか(外点線)を示した、セグメント化された巻きタバコを表示してもよく、これは、どの程度の消耗品含有包装体(102)が依然として放出可能な消耗品製品を含有しているかに関する指標となる。ユーザインターフェース(230)はまた、現在のバッテリ状況が更新されているバッテリアイコン、装置が電源に繋がれているときには充電アイコン(稲妻)、およびスマートフォンとのアクティブ接続があるときにはBluetoothアイコンを表示してもよい。接続が存在しないが、装置(100)が通知を出しているときには、ユーザインターフェース(230)は、Bluetoothアイコンを示してゆっくり点滅してもよい。
【0139】
装置はまた、使用者に電力状況を知らせるインジケータ(248)を有してもよい。インジケータ(248)は、RGB LEDであってもよい。ほんの一例として、RGB LEDは、装置が最初に電源オンになったときには緑色LEDがオンになり、予熱時間中には赤色LEDが点滅し、「吸引」時間中には赤色LEDがオン(点灯)になり、充電中には青色LEDが点滅することを示してもよい。点滅のデューティサイクルは、バッテリの相対充電率(20~100%)を20%刻みで示す(青色が点灯している場合は、フル充電を意味する)。アクティブ状態のBluetooth接続が検知される(電話が装置に接続されており、電話上のカスタムアプリが稼働している)と、青色LEDが高速点滅してもよい。
【0140】
触覚フィードバックは、使用中に使用者にさらなる情報をもたらすことができる。例えば、(指でのトリガボタンによって)電源がオンにされると、直ちに2つの短パルスが信号化されることができる。予熱サイクルの終わりには、伸長パルス信号が信号化され、装置が吸入(HNBの「吸入」サイクルの開始)に移ることを示すことができる。USB電源が最初に接続されたり、取り外されたりしたときに、短パルスが信号化されることができる。アクティブ状態のBluetooth接続が確立され、スマートフォン上でアクティブ状態のフォンアプリケーションが稼働しているときは、短パルスが信号化されることができる。
【0141】
指でグリップボタンが短押し(<1.5秒)され、電源がオンになった後に、Bluetooth接続が開始されてもよい。BLE(Bluetooth低エネルギー)による「ボンディング」接続が存在しない場合は、装置を電源オンにする最初の短押しが検知された後に次の短押しが検知されると、装置はゆっくりと通知(「ペアリング」モード)し始めてもよい。スマートフォンアプリケーションとの接続が確立されると、ユーザインターフェイスディスプレイ(230)上のBluetoothアイコンが点滅を止め、青色LEDが電源オンになる(点灯)。装置(100)が電源オンになって、スマートフォンと「ボンディング」接続すると、その後、通知を開始して、電源オフになるまで、電話とこの接続を再度確立しようとしてもよい。このスマートフォンと再度接続が確立される場合は、ユニットは、最長2分間電源オンのままであり、その後電源オフになってもよい。ボンディング接続を解除するには、使用者は、短押しし、続いて、もう一度短押しすることによって装置を電源オンにすることができる。BLEアイコンが点滅している間は、装置(100)が振動してBluetoothアイコンが消えるまで、使用者は、トリガ(232)を押し続けてもよい。
【0142】
したがって、前述の変換効率に関する要因や製品の一貫性に関する要因を厳格に制御することによって、消耗品含有ユニット(104)に、制御された熱量供給を行うことが可能である。この制御された熱量供給は、誘導加熱システム(160)を監視するためのマイクロプロセッサコントローラ(166)を含み、これによって、制御された時間間隔にわたって、サセプタ(106)への様々なレベルの電力供給を維持する。これらの特質によって、使用者による制御機能が可能になり、それによって、消耗品エアロゾルが生成される温度によって判断されるような消耗品の特定の風味を選択することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、誘導加熱システムの周波数および電力供給を制御するために、マイクロプロセッサまたは構成可能論理ブロック(configurable logic block)が使用されてもよい。図10Aに示されるように、誘導加熱システム(160)は、自己共振発振器とやり取りする1つ以上のコンデンサ(260)と並列のワイヤコイル(162)を含んでもよい。コイル(162)のインダクタンスは、コンデンサ(260)の容量と組み合わされると、回路が作動する共振周波数の大部分を定める。しかし、この実施形態では、電源スイッチを駆動するために、したがって、回路の発振周波数を制御するために、マイクロプロセッサ/マイクロコントローラ(166)が代わりに使用されてもよい。この手法では、マイクロプロセッサ制御プログラムが閉同調をもたらして共振を探すことができるように、ピーク電圧および電流がフィードバックとして使用される。この手法の利点は、マイクロプロセッサ(166)制御プログラムの制御下で同期して回路の発振のオンとオフを切り替えることによって、サセプタに供給される電力を効率的に制御することができ、かつ、誘導コイルシステムを駆動する電力制御要素のオン/オフを最適に切り替えることである。
【0144】
これらの概念に基づいて、発明者によって多数の変形形態が検討されてきた。したがって、上述したように、本発明は、消耗品含有ユニット(104)と、消耗品含有ユニット(104)内に埋設されたサセプタ(106)と、消耗品含有ユニット(104)を少なくとも部分的に囲むように構成された加熱要素(160)と、加熱要素(160)を制御する制御部(166)と、消耗品含有ユニット(104)、サセプタ(106)、加熱要素(160)および制御部(166)を含有する受容部(151)および/またはケース(202)とを含む。好ましくは、消耗品含有ユニット(104)は、サセプタ(106)と共に、消耗品含有包装体(102)内に含有される。それによって、消耗品含有包装体(102)と本発明の他の構成要素の間の関係に関するいずれの説明も、消耗品含有ユニット(104)に適用されてもよく、これは、いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)の包装が必ずしも必要でなくてもよいからである。
【0145】
いくつかの実施形態では、図10Aに示されるように、装置は、誘導加熱要素(160)を制御するための自己共振発振器を含む。自己共振発振器は、誘導加熱要素(160)と並列に動作可能に接続されたコンデンサ(260)を含む。いくつかの実施形態では、図10Bに示されるように、複数の加熱要素(160)は、それぞれのコンデンサ(260a、260b)と並列に接続されてもよい。好ましくは、加熱要素は、コイル状のワイヤ(162a、162b)の形である。
【0146】
単一の消耗品含有包装体(102)が複数回にわたってエアロゾルを発生することができるように、複数の加熱要素(160)および/または可動式加熱要素(160)が使用されてもよい。したがって、加熱要素(160)は、複数のコイル状のワイヤ(162a、162b)を含み、コイル状の各ワイヤは、他のコイル状のワイヤから独立して起動するように、制御部(166)に動作可能に接続されていてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、加熱要素(160)は、可動式であってもよい。このような実施形態では、消耗品含有包装体(102)は、第1の長手軸Lを定める細長い部材であってもよく、加熱要素(162)は、第1の長手軸Lに沿って軸方向に移動するように構成されていてもよい。例えば、図11A図11Eに示されるように、加熱要素(160)は、搬送体(270)に取り付けられてもよい。加熱要素(160)が消耗品含有包装体(102)の周りにコイル状をなしたまま、搬送体(270)が消耗品含有包装体(102)の長さに沿って移動するように受容部(151)に動作可能に接続されてもよい。コイルのスパンS(コイルの最初の巻き(272)から、コイルの最後の巻き(274)までの直線距離として測定される)は、消耗品含有包装体(102)のセグメントの1つのみを覆うのに十分な短さであってもよい。そのセグメントで加熱要素(160)が起動されると、搬送体(270)は、消耗品含有包装体(102)に沿って、その長手軸Lに沿って、消耗品含有包装体(102)の別のセグメントまで前進する。搬送体(270)の移動距離は、コイルの最初の巻き(272)がコイルの最後の巻き(274)が前に存在していた場所に隣接して止まるような距離である。したがって、前に加熱されたセグメントと等しい大きさの新たなセグメントが加熱される準備ができる。これは、搬送体(270)が消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)から対向する端部(107)に移動するまで続いてもよい。代わりに、コイルは、静止していてもよく、消耗品含有包装体(102)は、セグメントに対して同様の加温を達成するために移動させられてもよい。このような実施形態では、受容部(151)は、消耗品含有包装体(102)の移動に対応するようなより長い長さのものでなければならない場合もあり、搬送体(270)は、コイルではなく消耗品含有包装体(102)を移動させるように適合されなければならない場合もある。
【0148】
消耗品含有包装体(102)が複数の消耗品含有ユニット(104)を含有する実施形態では、コイルのスパンSは、消耗品含有ユニット(104)の長さとおよそ同一の大きさであってもよい。コイルが消耗品含有ユニット(104)全体を加熱できるように、搬送体(270)は、コイルと消耗品含有ユニット(104)を整列させるように構成されていてもよい。搬送体(270)は、コイルをある消耗品含有ユニット(104)から次のものに移動するように構成されてもよく、それによって、この場合もやはり、単一の消耗品含有包装体(102)が複数回にわたって加熱され、毎回エアロゾルを放出させることができる。
【0149】
認識システム
【0150】
いくつかの実施形態では、消耗品含有ユニット(104)またはその一部が加熱されたか否かを検知することができることが望ましい。消耗品含有ユニット(104)が既に加熱されている場合は、加熱要素(160)は、消耗品含有ユニット(104)の使用済みの部分にエネルギーを無駄にすることがないように次の消耗品含有ユニット(104)または消耗品含有ユニット(104)の次のセグメントを加熱することができる。したがって、いくつかの実施形態では、図11Aに示されるように、装置に設けられて使用された消耗品含有包装体(102)のセグメントを検知するために、認識システム(500)が使用され、それによって、装置は、使用可能である未使用の次のセグメントを自律的に判断することができる。例えば、装置は、感知された消耗品含有包装体(102)の一部が既定の温度を越えて加熱されたか否かを検知するために光学センサ(320)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学センサ(320)は、加熱を示す、消耗品含有包装体(102)の視覚的変化を検知してもよい。いくつかの実施形態では、光学センサ(320)は、加熱を示す、消耗品含有包装体(102)の熱変化を検知してもよい。いくつかの実施形態では、光学センサ(320)は、加熱を示す、消耗品含有包装体(102)の質感変化(すなわち、質感における変化)を検知してもよい。いくつかの実施形態では、光学センサ(320)は、加熱要素(160)が消耗品含有包装体(102)に沿ったどこにあるかと、加熱要素(160)が消耗品含有包装体(102)に沿った移動と相対的にいつ加熱されたかとを記録する制御部であってもよい。例えば、制御部は、既定の温度まで加熱された消耗品含有包装体(102)の部分の位置を記憶するためのメモリを含んでもよい。
【0151】
好ましい実施形態では、光学センサ(320)は、反射型光学センサである。反射型光学センサは、消耗品含有包装体(102)が著しい発熱(すなわち、一日の通常の温度を超えるもの)にさらされたときの状態と比較して、元の状態から、消耗品含有包装体(102)の変化を検知するように構成されてもよい。より好ましくは、消耗品含有包装体(102)は、既定の温度まで加熱されたときに色を変化させる感熱染料で構成されていてもよい。このような色の変化は、反射型光学センサによって検知されてもよい。感熱染料は、消耗品含有包装体(102)の外面の周りに印刷されていてもよい。消耗品含有包装体(102)のあるセグメントが加熱されると、加熱されたセグメントに最も近接した筋(322)の色が変化する。例えば、筋(322)は、白色から黒色に変化してもよい。移動している加熱要素(160)の全範囲にわたって消耗品含有包装体(102)の側面を提供するために、加熱要素(160)が取り付けられた光学センサ(320)は、加熱要素の真上または真下に焦点を合わせた光学系(324)を有する。
【0152】
いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)の一方の端部(105)にリミットスイッチ(326)も設置され、消耗品含有包装体(102)が装置からいつ取り外されたり再度差し込まれたりするかを検知するために使用される。消耗品含有包装体(102)が再度差し込まれると、装置は、電動加熱要素組立体を起動し、それを全移動範囲にわたって移動させ、それによって、光学センサ(320)は、感熱染料の黒色の筋(322)を検出することによって、既に加熱されているセグメントがあるかを検知することができる。したがって、装置はさらに、新たな消耗品含有包装体(102)が筐体内に差し込まれるとメモリをリセットするリミットスイッチ(326)を含んでもよい。
【0153】
さらに、消耗品の消費のために設計された服用プロトコールを実施するようにエアロゾル生成装置(200)を構成するために、認識システム(500)は、センシング技術を利用して消耗品の有無、種類および他の情報を特定する。本システムによって使用できる様々な異なる消耗品は、消耗品が最適化され適切な用量が放出されるように特定の温度および時間にわたって熱にさらされてもよい。一部の状況では、使用者が一定時間に摂取できる用量の数値に制限があってもよい。したがって、認識システム(500)は、ある消耗品に関しては最適であり得るが他の消耗品に関してはそうではない単一の温度および時間、あるいはすべてのあり得る消耗品のエアロゾル化に十分な最高許容温度および最高許容時間であり得るものが用いられるのではなく、消耗品やいずれかの処方指示に基づいて、温度および時間を自動的にカスタマイズし、ならびに、消耗品が存在するか否か、消耗品か使用済みであるか否か、使用者が一定時間に使用できる回数を超えているか否かを判断することなどの他の機能を実行する。
【0154】
例えば、図11B図11Eを参照すると、いくつかの実施形態では、認識システム(500)は、光学センサ(320)を含んでもよい。光学センサ(320)は、消耗品含有包装体(102)にある標識(504)を判読し、その標識(504)と、消耗品含有包装体(102)に含有されている消耗品に対してエアロゾル生成装置(200)がどのように挙動すべきかに関する指示一式を相関させるように構成されていてもよい。例えば、標識(504)は、バーコード、QRコードなどで見られるような特定のパターンであってもよく、あるいは特定の光スペクトル、色の並び、特定のパターンニングまたはそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、光学センサ(320)は、消耗品含有包装体(102)の少なくとも一部分を照らすために、狭い帯域または広い帯域の可視光または不可視(紫外線または赤外線)光スペクトルのいずれかにわたる光源(506)を含んでもよい。光学センサ(320)は、消耗品含有包装体(102)のこの部分からの反射光/光スペクトルを感知する目的で、光センサ(508)をさらに含んでもよい。
【0155】
光源(506)と同一のスペクトル範囲において感度のある光センサ(508)は、消耗品含有包装体の外周から外れた光源(506)からの反射光を最適に検知するように配置される。光センサ(508)は、可視光または不可視光スペクトルの1つ以上の範囲における光度を検知することができるか、あるいは反射光の光度および波長(色)の両方を検知できるかのいずれであってもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、標識(504)は、消耗品含有包装体(102)にカラー、グレースケールおよび/または不可視(紫外線感応)インクで印刷された1つ以上の筋であってもよく、好ましくは、消耗品含有包装体(102)の外周にあってもよい。好ましくは、標識(504)は、消耗品含有包装体(102)の第1の端部(152)の付近にあり、それによって、消耗品含有包装体(102)がエアロゾル生成装置(200)内に完全に差し込まれた際に、あるいは消耗品含有包装体(102)がエアロゾル生成装置(200)内に差し込まれている最中に、標識(504)が検出されることができる。
【0157】
エアロゾル生成装置(200)に位置している電子回路およびシステム制御部(166)は、光源(506)を制御し、が存在しているか否かについて光センサ(508)を監視し、この消耗品含有包装体(102)の適切な服用プロトコール内に保つために1つ以上の特性を特定する目的で、光センサ(508)によって受け取られたデータを処理する。
【0158】
したがって、消耗品含有包装体(102)がエアロゾル生成装置(200)内に差し込まれている最中に、あるいは適切に据え付けられた後に、光センサ(508)が標識を判読することができてもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、認識システム(500)は、所望の光を所望の領域に向かって導光、屈折、集光および選択する光学調整部(512)をさらに含んでもよい。例えば、光学調整部(512)は、光導波路(導波管)、反射面、光開口、プリズム、レンズ、フィルタ、偏光子、ビームスプリッタ、光ファイバなどであってもよい。同様に、消耗品含有包装体(102)から反射された光を光センサ(508)のアクティブ領域に戻すように配置された光学調整部(512)が存在してもよい。
【0160】
異なる種類の光源(506)および光センサ(508)を使用することで、複数のモードの検知が可能になる。例えば、色光源/検知器と共に、不可視UV光源/検知器が使用されてもよく、それによって、装置は、使用可能な正当な製品に対する偽造品を潜在的に検知することができる。すなわち、偽造品は、不可視光を感知しないので、偽造消耗品含有包装体(102)にそのような筋(510)を配置することはなく、また、装置(100)は作動しない。
【0161】
ほんの一例として、光源(506)は、すべてのスペクトルの可視光ならびに赤外線および紫外線などの一部の不可視光を放出してもよい。ある消耗品含有包装体(102)は、青色スペクトルの光を反射する筋(510)を有してもよい。したがって、光センサ(508)は、青色を検知する。青色は、ニコチンを含有する消耗品含有包装体に対応していてもよい。したがって、エアロゾルを含有する装置(200)は、消耗品含有包装体(102)からニコチンを放出するために適切な時間にわたって適切な温度まで加熱するように加熱システムを構成している。一方、消耗品含有包装体(102)が赤色スペクトルを反射する筋(510)を含有していた場合は、光センサは、赤色を検知する。赤色は、大麻を含有する消耗品含有包装体に対応していてもよい。したがって、エアロゾルを含有する装置(200)は、消耗品含有包装体(102)から大麻を放出するために適切な時間にわたって適切な温度まで加熱するように加熱システムを構成している。多数の異なる消耗品をコード化するために、多数の異なる色や色の組み合わせまたはパターンが使用されてもよい。
【0162】
加えて、認識システム(500)は、通知機能を提供してもよい。例えば、具体的にプログラムされたパフ回数にわたって使用されると、消耗品含有包装体(102)の色が変化し、消耗品が完全に消耗されたときを示すことができる。その後、このような表示によって、それ以上装置内で消耗品含有包装体(102)を使用できないようにする。
【0163】
さらに、認識システム(500)は、無効化の応答を引き起こして消耗品を使用できないようにするために、使用することができる。例えば、瞬発力を生じさせて、消耗品含有包装体(103)に穴を開け、それ以上消耗品を使用できないようにすることができる。
【0164】
したがって、好ましい実施形態では、エアロゾルを発生させるための装置(100)は、消耗品、消耗品を囲むサセプタ(106)、および標識(504)を含む消耗品含有包装体(102)と、サセプタを誘導加熱する加熱要素(160)、および標識(504)を判読するように構成された認識システム(500)を含むエアロゾル生成装置(200)と、認識システム(500)と加熱要素(160)に動作可能に接続されたシステム制御部(166)であって、 認識システム(500)で受け取られた情報は、加熱要素(160)を制御するために使用される、システム制御部(160)とを含んでもよい。認識システム(500)は、光学センサ(320)を含む。光学センサ(320)は、標識(504)から反射された光、具体的には光の波長を検知する光センサ(508)を含む。光学センサ(320)は、標識(504)に向かって光スペクトルを放出するように構成された光源(506)をさらに含んでもよい。その後、システム制御部(166)は、標識(504)に関連付けられた消耗品に固有の服用プロトコールを実施してもよい。
【0165】
次いで、使用において、消耗品をエアロゾル化するための服用プロトコールを実施する方法は、光学センサ(320)を用いて、消耗品を含有している消耗品含有包装体(102)にある標識(504)を判読する工程と、システム制御部(166)を用いて、標識(504)に関連付けられた消耗品に関する服用プロトコールを特定する工程と、服用プロトコールを実施する工程とを含み、それによって、消耗品がエアロゾル化される。方法は、光センサ(508)を使用して、標識(504)上のパターンを検知する工程、または標識(504)から反射された光の波長を検知する工程をさらに含んでもよい。標識(504)が特定の波長の光をセンサ(508)に反射して戻すために、方法は、光源(106)によって、標識(504)に向かって光スペクトルを放出する工程をさらに含んでもよい。方法は、システム制御部(166)によって、無効化の応答を実施して、消耗品を使用できないようにする工程をさらに含んでもよい。
【0166】
アライナ
【0167】
図12A図12Eに示されるように、消耗品含有包装体(102)の周りに加熱要素(160)を適切に整列しやすくするために、装置(200)は、包装体用アライナを含んでもよい。例えば、包装体用アライナは、磁石(280)であってもよい。好ましくは、磁石(280)は、第2の長手軸Mを定める円筒状の磁石である。消耗品含有包装体(102)の周りに巻かれた円筒状のコイルが加熱要素(160)である実施形態では、円筒状のコイルは、第3の長手軸Cを定める。円筒状の磁石(280)と加熱要素(160)は、第2の長手軸Mと第3の長手軸Cを同一線上に整列して維持するように構成される。好ましくは、円筒状の磁石(280)は、丸いリング状の磁石であり、中心は、空気流用の経路である。好ましくは、いずれの磁石(280)も希土類ネオジム系である。これは、軸方向に着磁される。
【0168】
整列するために磁石(280)を使用する実施形態では、消耗品含有包装体(102)の一方の端部(105)は、磁着要素(281)を含んでもよい。好ましくは、磁着要素(281)は、消耗品含有包装体(102)の一方の端部(105)内に製造される、プレス加工された鉄金属シートの構成要素である。円筒状の磁石(280)は、エアロゾル生成装置(200)の一部であってもよく、消耗品含有包装体(102)は、エアロゾル生成装置(200)に取り付けられた磁石(280)に消耗品含有包装体(102)が引き寄せられるように、端部(105)に磁着要素(281)またはワッシャを取り付けられてもよい。所望の整列を達成するために、様々な位置にある磁石(280)と磁着要素(281)の他の組み合わせが使用されてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、好ましくは、フィルタ管(140)および筐体(150)を備えた消耗品含有包装体(102)を使用する実施形態では、図12Eに示されるように、包装体用アライナは、消耗品含有包装体(102)を整列するのに使用され得る密嵌した円筒(筐体(150)が円筒状である場合)などの受容部(151)であってもよく、コイル(162)は、受容部(151)の外側に配置されてもよい。受容部(151)は、装置(200)に固定され、コイル(162)と適切に整列されていてもよく、それによって、消耗品含有包装体(102)がコイル(162)に差し込まれると、サセプタ(106)がコイル(162)と適切に整列される。
【0170】
いくつかの実施形態では、筐体(150)は、受容部として機能してもよい。したがって、別個の受容部ではなく筐体(150)が、以上で説明した性質を有してもよく、コイル(162)に差し込まれると整列工程として機能してもよく、あるいは筐体が、コイル(162)内に固定され、消耗品含有ユニット(104)およびサセプタ(106)を含有するフィルタ管(140)が、筐体(150)内に差し込まれてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態では、単一の消耗品含有包装体に対する複数の起動は、図13A図13Dに示されるように、複数のプロング(290)を有するサセプタ(106)を用いることで達成できる。複数のプロングを備えたサセプタは、2つ以上のプロング(290)を備えたサセプタ(106)である。いくつかの実施形態では、サセプタは、3つのプロング(290a、290b、290c)を有してもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、4つのプロングを有してもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)は、4つを超えるプロングを有してもよい。好ましい実施形態では、複数のプロングを備えたサセプタ(106)は、3つまたは4つのプロングを有する。
【0172】
複数のプロングを備えたサセプタ(106)の複数のプロング(290a、290b、290c)は概して、図13Cおよび図13Dに示されるように、互いに平行である。複数のプロングを備えたサセプタ(106)は、各プロング(290a、290b、290c)が消耗品含有包装体(102)の長手軸Lに平行であり、かつ、長手軸Lから等間隔に離れ、かつ、仮想円の外周に沿って互いに等間隔に離れるように構成され、消耗品含有包装体(102)内に埋設されていてもよい。したがって、図14A図14Cに示されるように、断面図で見ると、サセプタのプロング(290a、290b、290c)は、消耗品含有包装体(102)の円形状の面の周りに互いに等間隔に離れている。このような配置によって、各プロング(290a、290b、290c)が最大限まで起動すると、各プロングは、各プロングに対して重複していない最大の加熱領域を有することができる。すなわち、サセプタのプロング(290a、290b、290c)は、加熱されると、サセプタのプロング(290a、290b、290c)から径方向に熱を放射し、中心にサセプタのプロング(290a、290b、290c)がある円形状の加熱領域を作る。サセプタの各プロング(290a、290b、290c)は、いくらか重複することは避けられない可能性があるが、それぞれの円形状の領域を加熱する。まとまると、消耗品含有ユニット(104)の断面領域全体が加熱され、一度に1つの断面のセグメントが加熱されることができる。
【0173】
加熱要素(160)がサセプタ(106)の周りに巻きつけられた円筒状のコイルである場合は、最大量のエネルギーが円筒状のコイルの中心に伝達される。したがって、サセプタ(106)が円筒状のコイルの中心と整列している場合は、サセプタ(106)は、コイルを通過する電気から最大量のエネルギーを受け取る。すなわち、サセプタのプロング(290a、290b、290c)が円筒状のコイルと同一線上にある場合は、サセプタのプロング(290a、290b、290c)は、円筒状のコイルから最大量のエネルギーを受け取る。したがって、サセプタの各プロング(290a、290b、290c)を独立して加熱するためには、コイルの中心がサセプタのプロング(290a、290b、290c)のうちの1つと順番に整列するように、サセプタのプロング(290a、290b、290c)とコイルの中心が互いに対して移動しなければならない。これは、コイルに対してサセプタのプロングを移動させることによって、またはサセプタのプロングに対してコイルを移動させることによって、またはその両方によって達成できる。
【0174】
移動する加熱要素
【0175】
好ましい実施形態では、加熱要素(160)は、サセプタ(106)に対して移動する。例えば、図14A図16Dに示されるように、円筒状のコイルは、消耗品含有包装体(102)の周りに巻かれ、円筒状のコイルが一回回転する間に、各プロング(290a、290b、290c)が異なるタイミングでコイルの中心と整列するように、偏心経路に沿って回転するように構成されてもよい。消耗品含有包装体(102)は、第1の長手軸Lを定める細長い部材であってもよく、加熱要素(160)は、第2の長手軸Cを定める円筒を形成するために消耗品含有包装体(102)の周りに巻かれたコイルであり、加熱要素(160)は、加熱要素が消耗品含有包装体(102)の周りを移動している間のいずれかの時点で、第2の長手軸Cが複数のプロングを備えたサセプタの各プロング(290a、290b、290c)と同一線上に整列するように、偏心経路上で消耗品含有包装体(102)の周りを回転するように構成される。したがって、複数のプロングを備えたサセプタ(106)は静止しており、回転中にコイルの中心がサセプタの各プロング(290a、290b、290c)の直線軸と順番に整列するように、コイルが偏心経路上で回転移動する。偏心経路上で回転するコイルの設計にエネルギーを供給するのは、電気スリップリングであってもよい。
【0176】
加熱要素(160)の回転は、モータ(302)に動作可能に接続された一連のギア(300a、300b)によって達成されてもよい。例えば、図17A図17Bに示されるように、加熱要素(160)が第1のギア(300a)と共に回転できるように、加熱要素(160)は、第1のギア(300a)に取り付けられてもよい。第2のギア(300b)の回転が第1のギア(300a)の回転を生じさせるように、第2のギア(300b)は、第1のギア(300a)に動作可能に接続されてもよい。第2のギア(300b)を回転させるために、第2のギア(300b)は、モータ(302)に動作可能に接続されてもよい。第1のギア(300a)の回転によって、加熱要素が固定されて移動しない中心の周りを回転するのではなく、加熱要素(160)の長手軸Cが偏心経路に沿って移動するように、加熱要素(160)は、第1のギア(300a)に取り付けられる。したがって、加熱要素(160)の中心は移動して、異なるプロング(290a、290b、290c)と整列することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、加熱要素(160)、ギア(300a、300b)およびモータ(302)は、図19に示されるように、搬送体(270)に取り付けられてもよい。搬送体(270)によって、加熱要素、ギア(300a、300b)およびモータ(302)は、消耗品含有包装体(102)の長さに沿って軸方向に移動することができる。搬送体(270)は、ドライバ(306)に動作可能に接続されてもよく、ドライバ(306)は、第2のモータ(304)に動作可能に接続される。例えば、ドライバ(306)は、ねじ切削が施されていてもよい。搬送体(270)は、ドライバ(306)が差し込まれるねじ付きの孔(276)を有してもよい。第2のモータ(304)が起動すると、ドライバ(306)が回転する。ドライバ(306)が回転すると、図19の二重矢印によって示されるように、搬送体(270)がドライバ(306)に沿って移動する。
【0178】
いくつかの実施形態では、加熱要素(160)は、偏心経路に沿って回転させられるのではなく、断面で見るとX-Y軸に沿って並行移動させられてもよい。したがって、消耗品含有包装体(102)は、長手軸Lを定める細長い部材であってもよく、円筒状のコイル状加熱要素(160)の中心と、複数のプロングを備えたサセプタ(106)の各プロング(290a、290b、290c)を順番に整列させるために、加熱要素(160)は、断面で見ると長手軸Lに対して径方向に移動するように構成される。X-Y軸の配置シナリオでは、コイルのエネルギーは、可撓性を有する導電体を介して供給されるか、または電気接点を移動させることによって供給されてもよい。
【0179】
例えば、加熱要素(160)は、図20に示されるように、1対の平行プレート(310、312)に動作可能に取り付けられてもよい。具体的には、加熱要素(160)は、第1の平行プレート(310)に直接取り付けられてもよく、第1の平行プレート(310)は、第2の平行プレート(312)に取り付けられてもよい。それぞれ、第1の平行プレート(310)は、X方向またはY方向に移動するように構成されてもよく、第2の平行プレート(312)は、Y方向またはX方向に移動するように構成されてもよい。図20に示される例では、第1の平行プレート(310)は、X方向に移動するように構成され、一方、第2の平行プレート(312)は、Y方向に移動するように構成されている。この構成は、第1の平行プレート(310)がY方向に移動するように構成され、第2の平行プレート(312)がX方向に移動するように構成されるように切り替えられることができる。平行プレートを適切な方向に移動させるために、第1の平行プレートおよび第2の平行プレート(310、312)は、例えば、ギアを介して、それぞれのモータに動作可能に接続されてもよい。2つの平行プレート(310、312)の間に加熱要素(160)が移動されてもよく、それによって、その長手軸Cがプロング(290a、290b、290c)のいずれかと同一線上に整列することができる。
【0180】
他の配置では、コイル組立体は、上述したように、回転または非回転移動機構から独立して、サセプタの直線軸に沿って移動してもよい。したがって、3つのプロングを備えたサセプタによって、装置は、直線上の次の位置に移動する前に、3つの異なるタイミングで3つの異なるプロング(290a、290b、290c)を加熱することによって、直線上の同じ位置で消耗品含有包装体(102)を3回加熱することができ、直線上の次の位置で、再び3回加熱することができる。直線上に4つの位置を有する消耗品含有包装体(102)では、1つの消耗品含有包装体は、プロング3つ掛ける消耗品含有包装体(102)の長さに沿った位置4つ、の12の別個の「パフ」をもたらすことができるはずである。
【0181】
いくつかの実施形態では、加熱要素(160)が消耗品含有包装体(102)に対して移動させられるのではなく、消耗品含有包装体(102)が加熱要素に対して移動させられてもよい。したがって、消耗品含有包装体(102)は、消耗品含有包装体(102)が加熱要素(160)内で回転している間のいずれかの時点で、コイルによって定められた第2の長手軸Cが複数のプロングを備えたサセプタの各プロング(290a、290b、290c)と同一線上に整列するように、偏心経路上で加熱要素(160)内を回転するように構成される。代わりに、消耗品含有包装体(102)は、消耗品含有包装体(102)が加熱要素(160)内を移動している間のいずれかの時点で、第2の長手軸Cが複数のプロングを備えたサセプタの各プロングと同一線上に整列するように、加熱要素(160)内を径方向に移動するように構成される。いくつかの実施形態では、消耗品含有包装体(102)と加熱要素(160)の両方が移動してもよい。例えば、加熱要素(160)は、消耗品含有包装体(102)の長手軸に沿って直線に移動してもよく、消耗品含有包装体(102)は、サセプタ(106)を加熱要素(106)に対する位置に移動させるために、偏心経路または径方向経路上で移動してもよく、それによって、使用者が個々のパフを行うにしたがって、消耗品がすべて順番に加熱される。移動に関する他の変形形態が使用されてもよい。
【0182】
以上で説明した移動機構は、単なる例である。X-Y-Z移動シナリオにおける機構は、モータ、リニアアクチュエータ、ギア、ベルト、カム、ソレノイドなどの様々な組み合わせを使用して達成されてもよい。
【0183】
図21を参照すると、誘導加熱システムの閉ループ制御は、誘導加熱システムによって生じる磁束密度の感知に基づいていてもよい。誘導加熱システムは、誘導コイル加熱要素の内部に、集中交番磁界を生じることに基づき作動する。この磁界は、サセプタ材料で生じる渦電流および磁束反転(鉄系材料の受容部を想定した場合)に基づき、金属製サセプタの加熱効果を生成する。誘導加熱は概して、「開ループ」であり、作動中に誘導コイルの内部にあるサセプタの温度を監視する手段が限定される。制御条件下では、コイルの内部の磁束強度を判断するために、コイルに合理的に近接した、誘導コイルの外側の磁界が使用されてもよい。例えば、小型コイル(310)は、誘導コイルタイプの加熱要素(160)に合理的に近接して置かれていてもよく、その軸は、小型コイル(310)を通過する磁束磁力線とおよそ並列であり、小型コイル(310)を通過する交番磁束によって小型コイル(310)全体にわたって誘導される電圧に基づいて存在する誘導コイルタイプの加熱要素の磁束の大きさを検知する手段となる。その後、この外部磁束の大きさは、加熱要素(160)の内部の磁束密度と相関するように較正されることができ、サセプタ(106)を加熱する限りにおいて一貫した性能を確保するために、誘導システムの閉ループを制御する手段として使用されてもよい。磁束は、誘導コイルの軸の周りに対称的に存在する。誘導コイルの付近のいずれかの場所における磁束密度の測定値は、各位置(誘導コイルの内部および寄生感知コイルの内部)における磁束の相対的な大きさの特性に基づいて、加熱要素の内部の磁束密度を推定するために使用されてもよい。実際のところは、これを定量化する必要はなく、それは、磁界に存在しているサセプタ(106)に生じる熱の割合を推測するために、磁束感知が代わりに使用されるからである。したがって、このように構成された小型コイル(310)は、磁束センサとして機能する。
【0184】
したがって、いくつかの実施形態では、装置は、磁束センサをさらに含んでもよく、磁束センサは、誘導加熱要素(160)に隣接し、誘導加熱要素(160)によって生じる磁束を測定するように構成される。磁束センサは、磁束センサからのフィードバックに基づいて誘導加熱要素(160)の起動を制御するために、制御部(166)に動作可能に接続されてもよい。
【0185】
ヒートシンク
【0186】
いくつかの実施形態では、加熱要素(160)からの放熱を扱うために、装置は、誘導加熱要素(160)に動作可能に接続されたヒートシンク(330)をさらに含んでもよい。誘導加熱は、誘導コイルの高電流を還流することを含み、その結果、コイルを形成するために使用されたワイヤに抵抗加熱をもたらす。この放熱には、ヒートシンク(330)を形成している、電気的絶縁性を有する熱伝導性の高い材料の利点が生かされている。好ましくは、ヒートシンク(330)は、射出成形またはポッティング加工工程のいずれかによって形成されてもよい。好ましい実施形態は、加熱要素(160)として円筒状のコイルを利用するので、ヒートシンク(330)もまた、円筒状であってもよく、図22に示されるようにコイルを封入するように、誘導コイルの周りに形成されてもよい。加熱要素(160)を封入する円筒状のヒートシンク(330)は、ケース(202)内部の垂直な空洞内に存在し、内部で空気対流が生じる、一種の「煙突」を形成する。煙突は、気流を補助するために、上部に通気が必要である。また、この方法によって、電磁界のフリンジングが排除され、消耗品含有包装体(102)の各セグメントに非常に集中した加熱方法が可能になる。このように集中させることによって、消耗品含有包装体(102)内部で非導電性フォイルまたは他の同様の材料で消耗品含有ユニット(104)を巻く必要がなくなり、紙または同様の材料で十分になる。
【0187】
好ましい実施形態では、ヒートシンク(330)は、誘導加熱要素(160)を取り囲むフィン付きの円筒である。フィン付きの円筒は、その外面(334)から横方向に離れるように突出したフィン(332)を備えた、円筒形状のヒートシンクである。好ましくは、各フィン(332)は、実質的に円筒の長さに延在し、加熱要素(160)からの熱が放散できる実質的な表面領域が設けられる。ヒートシンク(330)の熱伝導性材料は、ポリマーであってよい。熱伝導性ポリマーは、熱硬化性、熱可塑性の成形用または注封用化合物であってよい。ヒートシンク(330)は、これらの材料から機械加工、成形または形成されてもよい。材料は、剛性または弾性を有してもよい。熱伝導性ポリマーで使用される熱伝導性化合物のいくつかの例として、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭素、グラファイトおよびセラミックスが挙げられる。好ましい実施形態では、加熱要素(160)は、コイルの周りに成形された熱伝導性ポリマーのフィン付きの円筒内に巻かれた誘導コイルであり、中央が空いており、煙突のような効果を生じさせることによって通気がもたらされる。
【0188】
圧力制御部
【0189】
消耗品含有ユニット(104)からのエアロゾルの抽出は、筐体(150)内に生じる負圧によって補助される。この負圧によって果たされる目的が複数存在している。第1に、内包内にあるサセプタ(106)の誘導加熱の結果として、ならびに、サセプタ(106)と、タバコまたはカンナビノイドなどのほとんどが植物系である物質との間の接触の最大化の結果として、消耗品含有ユニット(104)内部でエアロゾルが生成され、加熱されて膨張するが、負圧は、そのエアロゾルを抽出するのを容易にし、加速する。
【0190】
第2に、エアロゾル生成装置(200)と一体化されたシステム制御部(166)によって監視される圧力センサを使用することによって、筐体(150)内部における負圧は、いつ使用者が筐体(150)を通して空気を引き寄せているかを検知する手段をもたらし、これが、その後、消耗品含有ユニット(104)を加熱するために使用される回路の制御において変更を開始するために使用される。
【0191】
第3に、使用者による制御が可能なまたは自動の空気開口の制御を設けることによって使用者体験を変化させるために、筐体(150)内部における負圧は、エアロゾル生成量を制御する手段をもたらす。
【0192】
筐体(150)内部における負圧は、使用者がマウスピース(158)から空気を引き込む間にエンドキャップ(154)によって生じる気流を制限することのみによって生じさせることができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、図23Aに示されるように、装置は、消耗品含有包装体(102)を通して引き込まれる気流を制御することによって消耗品含有ユニット(104)の風味の堅牢性を調整するための手段をもたらすために、気流制御部(340)をさらに含んでもよい。消耗品含有包装体(102)の設計は、気流通路にもたらされる蒸気/風味の量が、誘導加熱の時間および強度と、消耗品含有包装体(102)を通る空気通路間の空気圧差との関数であるようになっている。例えば、気流制御部(340)は、ニードルバルブ、バタフライバルブ、ボールバルブまたは調整可能な開口などの、調整可能な流量制御バルブ(342)を含んでもよい。調整可能な流量制御バルブによって、使用者は、使用中でさえ気流を制御することができる。しかし、気流制御部(340)は、多孔性または繊維状の膜または要素などの、固定された開口を備えた膜(344)であってもよい。膜(344)は、吸気粒子フィルタとしての役目も果たしてもよい。したがって、流量制御機構は、使用者によって調整可能であっても、そうでなくてもよい。膜(344)の実施形態では、異なる大きさの開口を備えた複数の膜(344)が設けられてもよい。したがって、使用者は、所望の開口の大きさを選択して、装置の第1の端部(105)にその膜(344)を施すことができる。より多いまたはより少ない気流を好む場合は、使用者は、それぞれ、より大きいまたはより小さい開口を備えた別の膜(344)を選択することができる。いくつかの実施形態では、気流制御部(340)は、制御バルブ(342)および膜(344)の両方を使用してもよい。例えば、膜(344)は、制御バルブ(342)の前で気流を制御して粒子をフィルタリングするように、制御バルブ(342)の前に置かれていてもよく、その後、制御バルブ(342)は、気流の微調整のために、気流をさらに制御することができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、加熱された消耗品エアロゾルを内包(108)から引き出す効率をより良く制御するために、図23Bに示されるように受容部(151)が設けられてもよい。受容部(151)は、主開口部(404)を備えた近位端(402)、および遠位開口部(408)を備えた遠位端(406)を有する。消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)は、受容部(151)の主開口部(404)を通して差し込まれ、遠位端(406)に、遠位開口部(408)に隣接して据え付けられてもよい。したがって、主開口部(404)は、大きさおよび形状に関して、消耗品含有包装体(102)の外面(例えば、筐体(150)の外形寸法)と実質的に同様である。受容部(151)の遠位開口部(408)は、主開口部(404)や、筐体(150)の第1および第2の開口部(153、157)より小さい。筐体(150)の開口部(153、157)に対して小さい大きさの遠位開口部(408)によって、受容部(151)内に入る気流を制限し、それによって、受容部(151)および筐体(150)内部における圧力が下がる。
【0195】
好ましくは、受容部(151)は、誘導加熱を回避するために、ホウケイ酸セラミック、プラスチック、木材、炭素繊維、ガラス、石英ガラス、パイロセラムガラス、Robaxガラス、Vespel、Torlon、ポリイミド、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの高温プラスチック、または他の適切な材料などの、非伝導性材料でできていてもよい。代わりに、受容部(151)は、消耗品含有包装体(102)内のサセプタ(106)よりも低い抵抗性を有する導電性材料でできていてもよく、導電性材料によって、受容部(151)の誘導加熱の一部が可能になるが、サセプタ(106)ほどではない。他の材料が使用されてもよいが、サセプタ(106)が鉄、鋼、錫、カーボンまたはタングステンなどの高抵抗材料でできている場合は、低抵抗材料の例として、銅、アルミニウムおよび真鍮が挙げられてもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ(106)以上の抵抗を有する受容部(151)が使用されてもよく、この場合は、誘導によって受容部(151)が熱くなるにつれて、消耗品含有包装体(102)の外側が熱くなる。受容部(151)は、装置(200)に固定され、受容部(151)の周りに巻かれたコイル(162)と適切に整列されていてもよく、それによって、消耗品含有包装体(102)が受容部(151)内に差し込まれると、サセプタ(106)がコイル(162)と適切に整列される。
【0196】
誘導加熱するが、燃焼することはない特定の方法では、消耗品含有包装体(102)に含有される消耗品は、使用者によって受容部(151)内に差し込まれる。その際に、消耗品含有包装体(102)と受容部(151)の間に間隙がある場合がある。このような隙間は、3つの大きな問題の原因になる恐れがある。第1に、バルブ(342)を備えた実施形態では、隙間は、特定の状況において、受容部(151)の外側から上面から底面に向かって気流を招き、それによって、バルブ(342)は非効率的に作動し、結果として、不満足な消費者体験をもたらす。第2に、使用者は、唇がマウスピース(158)にくっつく、唇のくっつきを体験し、したがって、消耗品含有包装体が消費者の唇にくっつき、他の方法が用いられた通常の使用中は消耗品含有包装体(102)を固定したままにするシールが存在しないので、活性成分を吸入した後に、受容部(151)から消耗品含有包装体(102)を偶発的に引き外してしまう。そして、第3に、消耗品が丸剤の形状であり、かつ、サセプタ(106)の周りに圧縮されている消耗品の特定の実施形態では、マウスピースと消耗品の間の隙間によって、加熱された受容部(151)内に入る空気の適切な量が複雑になる。
【0197】
いくつかの実施形態では、受容部(151)の近位端(402)にシール(420)が設けられる。シール(420)は、筐体(150)の周りに気密シールを作るために、筐体(150)を囲んでいてもよい。例えば、シール(420)は、受容部(151)の近位端(402)で筐体(150)の周りに置かれたリングであってもよい。好ましい実施形態では、シール(420)は、コレット、ガスケット、Oリング、グランド、あるいは密閉構造を説明する他の同様の用語として説明されることができる、保形密閉構造である。シール(420)は、シリコーン、ゴム、プラスチックまたは他の材料(熱硬化性または熱可塑性プラスチック)などの可塑性(弾性)ポリマーでできている。
【0198】
ほんの一例として、シール(420)の設計は、直角縁および中心貫通穴(421)が設けられた円柱であってもよい(図23C図23Dを参照)。いくつかの実施形態では、シール(420)は、丸縁および中心貫通穴(421)が設けられたトロイダル形状または「ドーナツ形状」であってもよい(図23E図23Fを参照)。いくつかの実施形態では、シール(420)は、斜壁および中心貫通穴(421)が設けられた円錐の形状であってもよい(図23G図23Hを参照)。いくつかの実施形態では、シール(420)は、多接点の密閉面を有してもよい(図23I図23Jを参照)。
【0199】
装置(100)の使用前に、消耗品含有包装体(102)は、近位端(402)にある受容部(151)の主開口部(404)内に差し込まれる。シール(420)は、受容部(151)内部の主開口部(404)の上流に、消耗品含有ユニット(102)の外周または外面を囲むように配置される。いくつかの実施形態では、シール(420)は、受容部(151)の内壁および消耗品含有包装体(102)の外壁に対して付勢力を生じさせるように構成され、それによって、消耗品含有ユニット(102)は受容部(151)に対して密閉される。
【0200】
いくつかの実施形態では、押圧子(422)によって、シール(420)が解除状態から作用状態に作動することができる。解除状態では、消耗品含有包装体(102)が受容部(151)の内外に自由に移動することができる。作用状態では、押圧子(422)は、消耗品含有包装体(102)に対してシール(420)を径方向に圧縮する。例えば、いくつかの実施形態では、押圧子(422)は、シールを軸方向に圧縮してもよい。弾力性があるシール(420)は、軸方向に圧縮されると、径方向に広がり、それによって、その内径が小さくなるので、圧縮して消耗品含有ユニット(102)の外周壁の周りを密閉する。この種の圧縮は、手持ち式装置(100)内の押圧子(422)の回転運動または直線運動によって達成できる。このような圧縮や消耗品含有ユニット(102)との接触は、作動中に装置(100)内部に消耗品含有ユニット(102)を保持して、消耗品含有ユニット(102)が手持ち式装置(100)から外されやすくなったり、早まって取り外されたりするのを防ぐ機能を果たすことができるか、あるいは消耗品含有ユニット(104)の外周の周りにシールを保持して設ける機能を果たすことができるかのいずれかである。したがって、押圧子(422)は、ボタン、ノブ、スライド、タッチスクリーン、スイッチ、ダイヤルなど、またはそれらの任意の組み合わせなどのアクチュエータ(424)が起動することによってシール(420)を圧縮するために、機械的または電気機械的機構であってもよい。
【0201】
受容部(151)は、シール(420)と組み合わされることで、消耗品含有包装体(102)を通って引き込まれるすべての気流の供給を、遠位開口部(408)を介して供給されるように制限する。この正確な気流の制御は、消耗品含有包装体(102)の内部で発生する負圧の制御に直接つながる。装置(100)の受容部(151)内に消耗品含有包装体(102)を差し込んで、シール(420)を作動させた後に、使用者は、むき出しになっている(フィルタ付き)マウスピース(158)を通して消耗品含有ユニット(102)を吸入する。すると、遠位開口部(408)を通して空気の流れが引き込まれ、消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)および消耗品含有ユニット(104)の内側において圧力損失が生じる。消耗品含有包装体(012)の第1の端部(105)におけるこの圧力損失(真空)は、消耗品含有包装体(102)の内部にある医薬品または蒸気生成成分の加熱を開始して制御するために、システム制御部(166)に動作可能に接続された圧力センサ(426)によって感知されることができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、シール(420)と気流制御部(340)が共に使用されてもよい。好ましくは、気流制御部(340)は、第1の端部(105)において消耗品含有包装体(102)に接続される。消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)の遠位にあるのは、遠位開口部(343)を有する気流制御部(340)の遠位端(345)である。気流制御部(340)の遠位開口部(343)と消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)との間には、制御バルブ(342)が存在する。制御バルブ(342)は、ニードルバルブ、バタフライバルブ、ボールバルブ、チェックバルブまたは任意の他の調整可能な流量バルブもしくは調整可能な開口であってもよい。制御バルブ(342)によって、使用者は、使用中でさえ気流を制御することができる。筐体(150)の第1の端部(152)を通る気流に対して制限を設け、遠位開口部(343)またはバルブ(342)を通る空気の流れを絞ることによって気流の機能として制御された圧力損失をもたらすために、遠位開口部(343)は、筐体(150)の第1の端部(152)にある開口部(153)よりも小さくてもよい。制御バルブ(342)は、バルブ(342)を開閉するために、システム制御部(166)に動作可能に接続されてもよい。
【0203】
気流制御部(340)は、エンドキャップ(154)の代わりに、またはエンドキャップ(154)の補助として使用されてもよい。エンドキャップ(154)と共に気流制御部(340)が使用される場合は、気流制御部は、筐体(150)上のエンドキャップ(154)に隣接して置かれてもよい。いくつかの実施形態では、筐体(150)上にエンドキャップ(154)があるのではなく、気流制御部(340)内の、制御バルブ(342)の上流または下流に置かれてもよい。エンドキャップ(154)がある場合もない場合も、気流制御部(340)は、消耗品含有包装体(102)を通って上流または下流に引き込まれる気流や、筐体(150)の内部で生じる真空または空気圧差を制御するための手段をもたらす。この気圧差によって、消耗品含有包装体(102)から蒸気を引き出し、気流に引き込む。消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)内に入る気流が制御できる場合は、この気圧差は、変化させることができ、それによって、より多い(またはより少ない)蒸気を気流にもたらし、風味の堅牢性を効果的に変えることができる。この蒸気を生成するのは、消耗品の温度の上昇であるため、風味の堅牢性を変えるこの能力は、消耗品含有包装体(102)の加熱と緊密に一体化する。加熱工程(時間および割合)および消耗品含有包装体(102)の第1の端部(105)を通る気流を正確に制御することによって、幅広い風味の堅牢性の体験を生じさせることができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、気流制御部(340)は、受容部(151)の一部であってもよい。例えば、気流制御部(340)は、受容部(151)の遠位端(406)に取り付けられるか、または遠位端(406)と一体的に形成されてもよい。したがって、気流制御部(340)は、受容部(151)の拡張を生み出す。筐体(150)の第1の端部(152)が制御バルブ(342)内へと落ちていくのを防ぐために、制御バルブ(342)の下流に向かってではなく受容部(151)の遠位端(406)に向かって、止め具(428)が置かれてもよい。例えば、止め具(428)は、筐体(150)の第1の端部(152)に当接するように、内壁から径方向内側に突出する突起、壁、突条などであってもよく、これによって、筐体が気流制御部(340)に移動するのを防ぐことができる。
【0205】
消耗品含有包装体(102)を通して使用者が空気を引き込む際に、制御バルブ(342)は、筐体(150)の第1の端部(152)への気流を制御する機能を果たす。この気流を制限することによって、筐体(150)の第1の端部(152)および筐体(150)の内側において負圧(真空)が発達する。好ましい実施形態では、このバルブ(342)を通る気流は、装置(100)と一体化された機械的または電気機械的手段のいずれかを介して制御されてもよい。制御バルブ(342)、圧力センサ(426)およびシール(420)の作用は、消耗品含有包装体(102)内部に蓄積される正確な気圧差を扱うために、システム制御(166)によって調整されることができる。
【0206】
制御バルブ(342)と共にシール(420)を使用すると、シール(420)が、気流用に具体的に設計された開口部(408、343)以外には、空気が装置(100)内に漏れ出すことができるマウスピース(158)の上面や任意の他の領域から空気流が入ってこないことを確実にするので、制御バルブ(342)は、より良好な制御が可能となるので、制御バルブ(342)は、より良好に作動する。したがって、バルブ(342)の機能は、シール(420)によって向上する。
【0207】
また、シール(420)は、別の利点ももたらす。本発明などの装置を使用すると、唇がマウスピースにくっつく傾向がある場合がある。これが起きると、くっついた唇によって、エアロゾル生成装置(200)から消耗品含有包装体(102)を引き出してしまう場合がある。通常の巻きタバコは単一構造であるので、この現象は生じないが、しかし、消耗品含有包装体(102)がエアロゾル生成装置(200)(104)と別個である装置に関しては、エアロゾル生成装置(200)は、消耗品含有包装体(102)を保持しなければならない。本発明のシール(420)は、特に望まない限り、くっついた唇がエアロゾル生成装置(200)から消耗品含有包装体を引き出すことを不可能にしている。
【0208】
受容部(151)を利用する実施形態では、受容部(151)が本質的に筐体(150)として機能しているので、筐体(150)は任意選択となる。したがって、消耗品含有ユニット(104)は、受容部(151)内に直接差し込まれることができ、この場合は、受容部(151)が筐体(150)となる。マウスピース(158)は、シール(420)を備えた受容部(151)の主開口部(404)内に差し込まれて密閉されてもよい。このような場合は、受容部(151)とマウスピース(158)の間にあるシール(420)が、その作動上必要不可欠になり、入ることができる空気は、遠位開口部(408)またはバルブ(342)を通って入ってくるもののみとなる。
【0209】
したがっていくつかの実施形態では、エアロゾルを発生させるための装置(100)は、消耗品含有ユニット(104)と、消耗品含有ユニット(104)と組み合わされるサセプタ(106)と、消耗品含有ユニット(104)を受容する主開口部(404)を定める近位端(402)および遠位開口部(408)を定める遠位端(406)を有する受容部(151)と、受容部(151)の主開口部(404)内に差し込まれるマウスピースと、マウスピース(158)と受容部(151)の主開口部(404)の間に気密シールを作るシール(420)とを含む。装置(100)は、消耗品含有包装体(102)を形成するために、消耗品含有ユニット(104)とサセプタ(106)を封入する内包(108)をさらに含んでもよい。装置(100)は、消耗品含有包装体(102)を受容する筐体(150)をさらに含んでもよい。このような実施形態では、マウスピース(158)は、筐体(150)に組み込まれる。装置(100)は、消耗品含有包装体(102)と筐体(150)の間に、前記マウスピース(158)への気流通路を維持するスペーサ(135)をさらに含んでもよい。受容部(151)の外部に対して受容部(151)内部における気圧差を制御するために、装置(100)は、受容部(151)の遠位端(406)に気流制御部(340)をさらに含んでもよい。気流制御部(340)は、制御バルブ(342)および圧力センサ(426)を含む。受容部(151)の外部に対して受容部(151)内部における気圧差を制御して消耗品のエアロゾル化および気流を最適化するために、圧力センサ(426)は、システム制御部(166)に動作可能に接続され、システム制御部(166)は、制御バルブ(342)に動作可能に接続される。
【0210】
中空サセプタ
【0211】
いくつかの実施形態では、エアロゾルが消耗品収容ユニット(104)から内包(108)の開口部(120)を通ってフィルタ管(140)内に流れてマウスピース(158)に向かうのではなく、図25A図25Eに示されるように、空気がサセプタ(106)内に流れ、消耗品収容ユニット(104)から活性を引き出し、サセプタ(106)を通ってマウスピース(158)に向かって流れるエアロゾルを生じる。このような実施形態では、サセプタ(106)は、各プロング(350)の長さに沿った少なくとも1つの入口(352)および少なくとも1つの出口(354)を備える1つ以上の中空プロングを有してもよい。プロング(350)は、サセプタ台(358)に動作可能に接続された接続端(356)およびサセプタ台(358)に対向する自由端(360)を含む。中空プロング(350)は、接続端(356)においてサセプタ台(358)に接続される。中空プロング(350)の出口(354)は、自由端(360)に向かって位置している。例えば、出口が自由端(360)の先端(362)にあってもよく、あるいは複数の出口(354)が自由端(360)側の中空プロング(350)の外周面の周りに角度的に間隔をあけて配置されてもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、自由端(360)の先端(362)は、消耗品収容ユニット(104)内に通すのを容易にするために、尖っていても鋭くてもよい。粒子サイズ、密度、結合剤、充填剤または消耗品収容ユニット(104)に使用されるいずれの成分も、消耗品収容ユニット(104)の過度の圧縮または密度の変化を引き起こすことなく、サセプタのプロング(290、350)および/または穿孔針を通すことができるように操作されていてもよい。消耗品収容ユニット(104)の圧縮「包装」からの密度の変化は、消耗品収容ユニット(104)を通る空気または蒸気の流れに悪影響をもたらす場合がある。
【0213】
サセプタ(106)が通された後に、内包(108)に押し込まれ得る消耗品の粒子はいずれも、消耗品収容ユニット(104)とマウスピース(158)の間の空洞(368)に捕らえられたままとなる。プロング(290、350)の先端(362)が鋭いので、消耗品が内包(108)から排出される可能性は低い。
【0214】
いくつかの実施形態では、出口(354)および/または入口(352)は、加熱温度で溶融してなくなるコーティングで覆われていてもよい。好ましい実施形態では、消耗品収容ユニット(104)は、出口(354)を除く中空プロング(350)全体を覆うのに十分な長さである。
【0215】
サセプタ台(358)は、中空プロング(350)に対応する開口部(364)を含んでもよい。複数の中空プロング(350a~d)を備えた実施形態では、各中空プロング(350a~d)は、独自の対応する開口部(364)を有している。
【0216】
いくつかの実施形態では、複数の中空プロング(350a~d)が存在していてもよい。中空プロング(350a~d)は、移動している加熱要素(160)または移動している消耗品収容包装体(102)に対応するように、環状に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ台(358)の中心に置かれた単一の中空プロング(350)が存在していてもよい。いくつかの実施形態では、複数の中空サセプタ(350a~d)に囲まれて、中心中空プロング(350)が存在していてもよい。他の中空プロング(350)の配置が使用されてもよい。
【0217】
各中空プロング(350)は、少なくとも1つの入口(352)および少なくとも1つの出口(354)を有してもよい。好ましくは、中空プロング(350)は、複数の入口(352)および複数の出口(354)を含む。入口(352)は、中空プロング(350)の長さに沿って連続して配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、入口(352)は、中空プロング(350)の外周の周りに、環状に配置されていてもよい。中空プロング(350)にある入口(352)の数を増えると、生成されたエアロゾルが消耗品収容ユニット(104)から流出して消耗品収容包装体(102)の外に出る場所の数が増える。同様に、自由端(360)側のプロング(350)の外周の周りには、環状に配置された複数の出口(354)が存在していてもよい。
【0218】
いくつかの実施形態では、消耗品収容ユニット(104)は、消耗品収容包装体(102)の1つの端部(105)からマウスピース(158)に向かって延在していなくてもよい。これに伴い、消耗品収容ユニット(104)とマウスピース(158)の間に空洞(368)が存在している。この空洞(368)は、熱伝導性材料、香味料などで充填されていてもよい。
【0219】
図25Eの断面図に示されるように、使用において、サセプタ(106)は、消耗品収容ユニット(104)に埋設されている。サセプタ(106)が加熱要素(160)によって誘導加熱によって加熱されると、消耗品収容ユニットは、エアロゾルを放出する。使用者がマウスピース(158)を吸うと、消耗品収容包装体(102)内部における気圧差によって、エアロゾルが、入口(352)を通って中空プロング(350)内に入り、出口(354)を通って出ていく(気流を示す矢印を参照されたい)。その後、エアロゾルは、消耗品収容包装体(102)の空洞(368)に入り、使用者が吸入できるように、マウスピース(158)を通してフィルタリングされる。そのため、内包(108)は、開口部(120)を一切有する必要がない。
【0220】
いくつかの実施形態では、図26A図26Gに示されるように、サセプタ台(358)の中心に単一の中空プロング(350)が配置され、その中空プロング(350)を囲んで複数のプロング(290a~d)が存在していてもよい。このような実施形態では、中空プロング(350)は、誘導加熱によって加熱することができてもよいが、できる必要はない。この実施形態では、消耗品収容ユニット(104)は、中心穴(366)を有してもよく、これを通して、中空プロング(350)が差し込まれて緊密に嵌合する。
【0221】
図26Gに示されるように、使用において、サセプタのプロング(290)が加熱されると、発生されるエアロゾルが、気流の矢印によって示されるように、中空プロング(350)の入口(352)を通って入り、出口(354)を通って出て、そしてマウスピース(158)内に入る。
【0222】
本明細書で説明された方法および装置によって生成されたエアロゾルは、効率的であり、かつ、従来の巻きタバコや他の非燃焼加熱式装置で見られる毒性副産物の量を減らすものである。
【0223】
【実施例
【0224】
図24A図24Cに示されるように、保湿剤およびPGAを混合した粉末状のタバコをサセプタ(106)の周りに圧縮して消耗品ユニット(104)を形成し、内包(108)としてフォイルカバーに包み、3つの側面に空気チャネルとして開口部(120)が存在するようにフィルタ管(140)内に差し込み、筐体(150)として標準的な巻きタバコ用巻紙で覆い、マウスピース(158)として一方の端部を高流量の近位フィルタで覆い、エンドキャップ(154)として他方の端部を遠位フィルタの先端で覆い、このようにして準備した消耗品収容包装体(102)に対して試験を実施した。サセプタ(106)は、螺旋状に巻き付けられた金属シートの形である。消耗品収容ユニット(104)および内包(108)は、三角形の断面を有する。フィルタ管(140)は、螺旋状の紙管である。
【0225】
ノースカロライナ州ダーラムでの試験は、試験工程で使用した電力の較正によってサセプタを611℃(摂氏温度)まで加熱したことが確認されたプロトタイプ装置を使用して行われた。
【0226】
ダーラムでの試験は、20のポートを備えた線形解析喫煙装置SM459を使用して実施され、機器やあらゆる関連付属品に精通している技術者によって実施された。技術者によって、喫煙装置に3つの消耗品収容包装体(102)が配置された。その後、消耗品収容包装体(102)はそれぞれ、6回「パフ」が行われ、合計18回のパフが行われた。その後に生じるエアロゾルがフィルタパッドに集められた。「喫煙」レジメンは、パフ時間2秒、釣鐘曲線のプロファイルを使用して集められた体積55mLで30秒毎にパフが行われた。集められたエアロゾルの解析によって、点火は350℃を超える温度で生じると一般的に想定されているという事実にもかかわらず、点火が生じると想定されるレベルを大きく下回っていても、各消耗品スティックのエアロゾルに0.570mgの一酸化炭素(CO)が存在していることが確認された。
【0227】
2回目の試験セットは、ヴァージニア州リッチモンドで実施された。リッチモンドでの試験は、同様に構成された消耗品収容包装体(102)と、275℃、350℃、425℃の3つの別々の設定でサセプタ(106)が加熱されるように較正されたプロトタイプ装置を使用して行われた。COデータは、Enthalpy Analytical(EA)LLC(米国ヴァージニア州リッチモンド)によってEA法AM-007に基づいて生成された。消耗品収容包装体(102)は、カナダで定められている強喫煙方法(Intense smoking procedure)に従って、解析喫煙装置を使用して喫煙された。要望するパフパラメータ向けに構成された喫煙装置に取り付けられたガス採取用袋に、煙の蒸気相(すなわちエアロゾル)が集められた。蒸気相中のCO濃度を体積パーセント(体積パーセント)で測定するために、非分散赤外線吸収法(NDIR)が使用される。COパーセントは、消耗品収容包装体(102)の数、パフ回数、パフ体積および環境条件を使用して、消耗品収容包装体当たりのミリグラム(mg/タバコ)に換算された。
【0228】
較正された温度設定では、点火は350℃を超える温度で生じると一般的に想定されているという事実にもかかわらず、各設定で生成されたエアロゾル中にはCOが見出されないことが確認された。
【0229】
実施された試験は、業界標準試験である。同様の業界標準試験では、市販の非燃焼加熱式製品は、CO 0.436mg/タバコであることが報告されている。一般的な燃焼式巻きタバコは、CO 30.2mg/タバコであることが報告されている。
【0230】
本発明の好ましい実施形態に関する前述の記載は、例示および説明の目的のために提示されたものである。これは、網羅的であることを意図せず、あるいは本発明を開示された正確な形態に限定することを意図しない。上記の教示に照らして、多くの修正例および変形例が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲および特許請求の範囲の均等物によって限定されることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図23F
図23G
図23H
図23I
図23J
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図26F
図26G