(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】容器接続モジュール、ディスペンサユニットおよび冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
B67D 3/04 20060101AFI20240801BHJP
F25D 25/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B67D3/04 Z
F25D25/00 J
(21)【出願番号】P 2023121084
(22)【出願日】2023-07-25
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2022127790
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】小松 肇
(72)【発明者】
【氏名】加藤 直樹
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-007981(JP,A)
【文献】特開2021-160821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/04
F25D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、
前記飲み口部に接続される容器接続部と、
前記液体が外部に吐出される吐出口と、
前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、
前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、
前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、
前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、
前記カバー部は、内側に向かって突出する突出部を有し、
前記空気導入部は、外側に向かって鍔状に突出する第1鍔部を有し、
前記逆止弁は、外側に向かって鍔状に突出する第2鍔部を有し、
前記逆止弁の前記第2鍔部は、前記空気導入部の前記第1鍔部と、前記カバー部の前記突出部とにより、挟まれることを特徴とする容器接続モジュール。
【請求項2】
液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、
前記飲み口部に接続される容器接続部と、
前記液体が外部に吐出される吐出口と、
前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、
前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、
前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、
前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、
前記空気導入部は、第1空気導入部と、第2空気導入部と、を有し、
前記第1空気導入部は、一端が外部に開口すると共に、他端が前記第2空気導入部と連通し、且つ、前記カバー部の軸方向に対して略直角に伸び、
前記第2空気導入部は、一端が前記第1空気導入部と連通し、他端が前記カバー部の内部に配置され、且つ前記カバー部の軸方向に対して略平行に伸びることを特徴とする容器接続モジュール。
【請求項3】
液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、
前記飲み口部に接続される容器接続部と、
前記液体が外部に吐出される吐出口と、
前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、
前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、
前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、
前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、
第1筒状部材と、第2筒状部材と、を更に具備し、
前記第1筒状部材には、前記空気導入部が形成され、
前記空気導入部の外側端部は、前記第1筒状部材と前記第2筒状部材とが螺合される領域の近傍であって、前記第2筒状部材に覆われない部分に配設されることを特徴とする容器接続モジュール。
【請求項4】
前記連通部は、略筒状を呈する前記カバー部の、軸方向に沿って伸びるスリットであり、
前記スリットの一部は、前記逆止弁が前記空気導入部に取り付けられる取付部よりも、前記吐出口の側に形成されることを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の容器接続モジュール。
【請求項5】
前記突出部は、前記カバー部の内側において、周方向に沿って複数が形成されることを特徴とする
請求項1に記載の容器接続モジュール。
【請求項6】
前記連通部の一部は、前記吐出口から離れる側の前記カバー部の底部に形成されることを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の容器接続モジュール。
【請求項7】
前記連通部の幅は、前記逆止弁の幅よりも短いことを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の容器接続モジュール。
【請求項8】
前記連通部は、略筒状を呈する前記カバー部の側面を部分的に開口した連通穴であることを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の容器接続モジュール。
【請求項9】
請求項1から請求項
3の何れかに記載の前記容器接続モジュールと、
前記飲料容器に接続された状態の前記容器接続モジュールが、前記吐出口を下方にして設置されるディスペンサ本体部と、を具備することを特徴とするディスペンサユニット。
【請求項10】
請求項
9に記載された前記ディスペンサユニットと、
前記ディスペンサユニットが設置されるポケット部と、を具備することを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器接続モジュール、ディスペンサユニットおよび冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されたような、給水機構を備えた冷蔵庫が知られている。この冷蔵庫では、先ず、断熱箱体の上段に形成された冷蔵室を塞ぐ断熱扉の内側に、飲料水が貯留される給水タンクが配設される。更に、断熱扉の外側面に空洞である給水室が形成され、給水室の内部に注水レバーが配置されている。また、給水室の上部奥側には、給水タンクと連通する注水部が配置されている。かかる構成の冷蔵庫の給水室に於いて、ユーザーがコップを注水レバーに押しつけることで、給水タンクから注水部を経由して、冷却された飲料水がコップに供給される。
【0003】
特許文献2には、冷蔵庫に貯蔵された容器を、給水装置として用いることができる容器接続モジュール等が記載されている。かかる容器接続モジュールは、容器の飲み口部に接続される容器接続部と、流出調整部と、を具備する。流出調整部は、容器からの飲料の流出を阻止しつつ、ユーザーが操作している間は容器から飲料を流出させる。また、容器接続部は、容器の側に向かって外径が細くなる形状を呈している。よって、容器の飲み口部の内壁に、容器接続部の外側面が接触することで、容器接続部と飲み口部との間隙が封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-36061号公報
【文献】特開2021-160821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した給水機構や接続モジュール等では、給水の容易性や、容器との接続性の観点等から改善の余地があった。
【0006】
具体的には、特許文献1に記載された発明では、給水を、冷蔵室の内部に固定された給水タンクに対して行う必要性があったため、給水作業が煩雑である課題があった。また、特許文献2に記載された発明では、逆止弁が容器の内部に配設されるが、当該逆止弁が容器接続モジュールから外れ、容器の内部に残存する恐れもあった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、飲料容器を給水装置として用いる際に、逆止弁の離脱を防止しつつ、容器からスムーズに給水することができる容器接続モジュール、ディスペンサユニットおよび冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態にかかる容器接続モジュールは、液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、前記飲み口部に接続される容器接続部と、前記液体が外部に吐出される吐出口と、前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、前記カバー部は、内側に向かって突出する突出部を有し、前記空気導入部は、外側に向かって鍔状に突出する第1鍔部を有し、前記逆止弁は、外側に向かって鍔状に突出する第2鍔部を有し、前記逆止弁の前記第2鍔部は、前記空気導入部の前記第1鍔部と、前記カバー部の前記突出部とにより、挟まれることを特徴とする。
【0009】
本発明の実施形態にかかる容器接続モジュールは、液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、前記飲み口部に接続される容器接続部と、前記液体が外部に吐出される吐出口と、前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、前記空気導入部は、第1空気導入部と、第2空気導入部と、を有し、前記第1空気導入部は、一端が外部に開口すると共に、他端が前記第2空気導入部と連通し、且つ、前記カバー部の軸方向に対して略直角に伸び、前記第2空気導入部は、一端が前記第1空気導入部と連通し、他端が前記カバー部の内部に配置され、且つ前記カバー部の軸方向に対して略平行に伸びることを特徴とする。
【0010】
本発明の実施形態にかかる容器接続モジュールは、液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられる容器接続モジュールであって、前記飲み口部に接続される容器接続部と、前記液体が外部に吐出される吐出口と、前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成され、第1筒状部材と、第2筒状部材と、を更に具備し、前記第1筒状部材には、前記空気導入部が形成され、前記空気導入部の外側端部は、前記第1筒状部材と前記第2筒状部材とが螺合される領域の近傍であって、前記第2筒状部材に覆われない部分に配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態に掛かる容器接続モジュール、ディスペンサユニットおよび冷蔵庫によれば、飲料容器を給水装置として用いる際に、逆止弁の離脱を防止しつつ、容器からスムーズに給水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールの接続構成を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールを示す図であり、左方側に斜視図を示し、右方側に分解斜視図を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールを示す図であり、左方側に切断斜視図を示し、右方側に分解された状態の切断斜視図を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールのカバー部等を示す図であり、分解された状態の切断斜視図を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールのカバー部等を示す図であり、右方側に分解された状態の切断斜視図を示し、左方側に切断斜視図を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係る容器接続モジュールのカバー部等を示す切断斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットおよびポケット部を示す斜視図である。
【
図10A】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットの容器設置部を示す斜視図である。
【
図10B】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットの容器設置部を示す分解斜視図である。
【
図11A】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットの容器設置部を示す斜視図である。
【
図11B】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットの容器設置部を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るディスペンサユニット等を示す切断斜視図である。
【
図13A】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットにおいて、液体が導出される状態の容器接続モジュールおよびレバーを示す斜視図である。
【
図13B】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットにおいて、液体が導出される状態の容器接続モジュールおよびレバーを示す断面図である。
【
図14A】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットにおいて、空気が導入される状態の容器接続モジュールおよびレバーを示す斜視図である。
【
図14B】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットにおいて、空気が導入される状態の容器接続モジュールおよびレバーを示す断面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るディスペンサユニットにおいて、他形態に係るカバー部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る容器接続モジュール30、ディスペンサユニット61および冷蔵庫10を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。更に、上下前後左右の各方向は、第1断熱扉14等の各扉が閉状態である際の方向である。また、本実施形態では、冷蔵庫10として冷蔵室12および冷凍室13を有するものを例示するが、冷蔵庫10は、冷蔵室のみを有するものでも良い。以下の説明において、特許請求の範囲に記載された第1筒状部材の一例は、容器接続部33である。また、第2筒状部材の一例は、胴部材43である。
【0022】
【0023】
冷蔵庫10は、本体としての断熱箱体11を備え、断熱箱体11の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室を形成している。この貯蔵室としては、上段が冷蔵室12であり、下段が冷凍室13である。
【0024】
断熱箱体11の前面は開口しており、前記各貯蔵室に対応した開口には、第1断熱扉14ないし第3断熱扉16が開閉自在に設けられている。第1断熱扉14は、冷蔵室12の左方部分を塞ぎ、左方側端部が断熱箱体11に対して回転可能に接続される。第2断熱扉15は、冷蔵室12の右方部分を塞ぎ、右方側端部が断熱箱体11に対して回転可能に接続される。第3断熱扉16は、冷凍室13の左方部分を塞ぎ、左方側端部が断熱箱体11に対して回転可能に接続される。第4断熱扉17は、冷凍室13の右方部分を塞ぎ、右方側端部が断熱箱体11に対して回転可能に接続される。ここでは、第1断熱扉14のみが開状態であり、第1断熱扉14の内側に飲料容器32およびディスペンサユニット61が配設されている。ディスペンサユニット61の構成等は、
図3以降の図を参照して後述する。
【0025】
【0026】
第1断熱扉14の内側面には、上方から、第1ポケット部181、第2ポケット部182および第3ポケット部183が取り付けられている。第1ポケット部181、第2ポケット部182および第3ポケット部183は、ここでは図示しない係合構造により、第1断熱扉14の内側面に係合される。第1ポケット部181および第2ポケット部182は、例えば、調味料や卵等を収納するために用いられる。第3ポケット部183には、ディスペンサユニット61および飲料容器32が取り付けられている。また、ディスペンサユニット61には、レバー38が設置されている。
【0027】
ディスペンサユニット61および飲料容器32が第3ポケット部183に設置されることで、後述する様に、飲料容器32をウォーターディスペンサとして利用することができる。よって、ユーザーは、容易に飲料を得ることができる。具体的には、ユーザーは、第1断熱扉14を開け、ディスペンサユニット61のレバー38に、図示しないコップ等の容器を押し当てることにより、冷蔵室12により冷却された飲料容器32の内部の飲料を、容器に移し替えることができる。ディスペンサユニット61等の詳細は、
図3以降の図を参照して後述する。
【0028】
図3は、容器接続モジュール30の接続構成を示す斜視図である。
【0029】
ディスペンサユニット61は、ディスペンサ本体部62と、容器接続モジュール30と、を有する。ディスペンサユニット61は、飲料容器32を、液体31を供給可能な状態で、前述した第3ポケット部183に設置するための機器である。
【0030】
飲料容器32は、例えば、液体31が貯留されるペットボトルである。ここでは、飲料容器32として、2リットルの容量を有するペットボトルを図示している。飲料容器32は、飲み口部321を下側にして、ディスペンサユニット61に設置される。飲料容器32に貯留される液体31としては、水、お茶、清涼飲料水等を採用できる。
【0031】
容器接続モジュール30は、液体31が貯留される飲料容器32の、飲み口部321に取りつけられ、飲料容器32とディスペンサユニット61とをつなぐ機器である。容器接続モジュール30の構成は、
図4以降の図を参照して後述する。
【0032】
ディスペンサ本体部62は、第3ポケット部183に設置され、飲料容器32を支える機器である。ディスペンサ本体部62は、上方側から、容器設置部63と、供給領域65と、を有する。容器設置部63は、飲料容器32が設置される部位である。供給領域65は、その内部にレバー38が配設され、容器接続モジュール30の下端から、容器に液体31が供給される領域である。ディスペンサ本体部62は、例えば、射出成形された板状の合成樹脂から成る。
【0033】
飲料容器32をディスペンサユニット61に設置して使用する方法は、次の通りである。先ず、ユーザーは、飲料容器32の飲み口部321に、容器接続モジュール30を接続する。次に、ユーザーは、容器接続モジュール30を下側にして、ディスペンサ本体部62の容器設置部63に、飲料容器32を設置する。このようにすることで、ユーザーが、前方に向かって容器をレバー38に押し当てている間は、飲料容器32および容器接続モジュール30を経由して、液体31が容器に供給される。ディスペンサユニット61の具体的構成は、
図9等を参照して後述する。
【0034】
図4は、容器接続モジュール30を示す図であり、左方側に斜視図を示し、右方側に分解斜視図を示す。
図5は、容器接続モジュール30および容器接続部33を示す図であり、左方側に切断斜視図を示し、右方側に分解された状態の切断斜視図を示す。
【0035】
図4および
図5を参照して、容器接続モジュール30は、容器接続部33と、吐出口34と、空気導入部334と、逆止弁36と、カバー部37と、を主要に有する。更に、容器接続モジュール30は、上方側から、第1Oリング39、第2Oリング40、弁部材41、弁体42、胴部材43、バネ44および吐出口形成部45を有する。容器接続モジュール30を構成する各部位は、鋼材から成るバネ44を除外して、射出成形された合成樹脂から成る。また、容器接続モジュール30を構成する各部材は、ネジ構造や係合構造により接続されているため、各部材同士は容易に分離できる。よって、容器接続モジュール30を構成する各部材は、分解した後に容易に洗浄することができ、清浄性を容易に保つことができる。
【0036】
前述した様に、容器接続モジュール30は、飲料容器32の飲み口部321に取り付けられる機器であり、前述したレバー38と連動して飲料容器32から液体31を流出させる。更に、容器接続モジュール30は、液体31の流出に伴い、空気を飲料容器32の内部に導入する。
【0037】
容器接続モジュール30を構成する各部材を、上方に配置されるものから、以下に説明する。
【0038】
カバー部37は、逆止弁36を覆う略筒状を呈する部材である。カバー部37は、下面が開放状態とされている、略円筒状の部材である。カバー部37の下端は、
図5に示す、容器接続部33の貫通孔339に、係合構造により取り付けられる。カバー部37は、逆止弁36が空気導入部334から離脱することを防止する。
【0039】
連通部371は、カバー部37の内部と外部とを連通させる部位である。換言すると、連通部371は、カバー部37の肉厚部分を貫通する部位である。連通部371は、例えば、カバー部37の軸方向である上下方向に沿って細長く伸びるスリット372である。スリット372は、カバー部37の上端から、カバー部37の上下方向における中間部まで、連続して伸びる。また、連通部371は、スリット372の上面中央にも形成される。
【0040】
逆止弁36は、後述する空気導入部334の、飲料容器32側の端部、即ち上端に取り付けられた部材である。逆止弁36としては、例えば、ダックビルバルブを採用できる。ダックビルバルブは、シリコン樹脂等の柔軟性に優れた材料から成り、その上端にスリットが形成される。係る構成により、逆止弁36は、上方から下方への液体31の流通を阻む一方、下方から上方への空気の流通を許容する。逆止弁36の下端を半径方向外側に向かって突出させることで、第2鍔部361が形成される。後述する様に、第2鍔部361は、カバー部37の内部における逆止弁36の位置決めに用いられる。
【0041】
第1Oリング39は、ゴムや合成樹脂等から成る略リング状の部材である。第1Oリング39は、後述する容器接続部33の中間壁部3310の上面に設置される。第1Oリング39は、前述した飲料容器32の飲み口部321の下端と、容器接続部33との間を封止する。これにより、飲料容器32と容器接続モジュール30との接続部から、液体31が流出することを防止できる。
【0042】
容器接続部33は、前述した飲料容器32の飲み口部321に接続される部材である。容器接続部33は、全体としては、略円筒状を呈する部材である。
【0043】
容器接続部33は、第1筒状部333と、第2筒状部3311と、を有する。第1筒状部333は、容器接続部33の上方部分を構成する略筒状の部位である。第2筒状部3311は、容器接続部33の下方部分を構成する、第1筒状部333よりも直径が小さい略筒状の部位である。第1筒状部333の上端に、上方を向く開口である第1開口部331が形成される。第2筒状部3311の下端に、下方を向く開口である第2開口部332が形成される。第1開口部331の内側面に、螺旋状にネジ溝が形成される。また、第2筒状部3311の外側面に、螺旋状にネジ山が形成される。
【0044】
第1筒状部333の下端と、第2筒状部3311の上端との間には中間壁部3310が形成される。中間壁部3310は、略リング状を呈する板状の部位である。中間壁部3310の上面に、前述した第1Oリング39が載置される。
【0045】
中間壁部3310の内部に、略円形の貫通孔339が形成される。貫通孔339は、第1開口部331と第2開口部332とを連通させる開口である。
【0046】
空気導入部334は、第2筒状部3311の上端部から、容器接続部33の内部を通過して上方に向かって伸びる略管状の部位である。空気導入部334は、液体31の吐出に伴い、飲料容器32に導入される空気が流通する部位である。空気導入部334の上端近傍に第1鍔部337が形成される。空気導入部334の構成は、
図6を参照して後述する。
【0047】
周縁部338は、第1筒状部333の上端部を、半径方向外側に向かって鍔状に突出させた部位である。周縁部338は、前述した容器設置部63に、容器接続モジュール30を固定するための部材である。かかる固定構造は、
図12を参照して後述する。
【0048】
第2Oリング40は、ゴムや合成樹脂等から成る略リング状の部材である。第2Oリング40は、後述する胴部材43の中間壁部433の上面に設置される。第2Oリング40は、前述した容器接続部33の下端と、胴部材43との間を封止する。これにより、容器接続部33と胴部材43との間から、液体31が流出することを防止できる。
【0049】
弁部材41は、
図5の組図に示す様に、後述する胴部材43の内部に配置され、液体31の外部への流出を司る部材である。弁部材41は、先端部411と、弁体412と、整流部413と、を有する。先端部411は、弁体412の下端部であり、ネジ山が形成される。先端部411は、後述する吐出口形成部45の弁部材接続部451に螺入される。弁体412は、弁部材41の本体部であり、上下方向に沿って伸びる略棒状の部材である。弁体42の途中部分を半径方向外側に向かって突出させることで、第3鍔部414が形成される。第3鍔部414は、後述する弁体42の上下方向における位置を規制する部位である。整流部413は、弁体412の上端部分に取り付けられた略羽根形状を呈する部材である。整流部413は、弁体412の周囲に、所定の角度間隔により複数が配設される。整流部413は、容器接続モジュール30の内部における液体31の流れを整流する機能を有する。
【0050】
弁体42は、ゴムや合成樹脂等の柔軟性に優れた材料から成り、略円筒形状を呈する部材である。弁体42には、弁部材41の弁体412が挿入される。弁体42の上端が第3鍔部414に当接することで、弁部材41に対する弁体42の位置が固定される。後述する様に、弁体42が、吐出口形成部45の弁座434に当接することで、液体31が外部に流出しない。一方、弁体42が、吐出口形成部45の弁座434から離れることで、液体31が外部に流出する。
【0051】
胴部材43は、前述した容器接続部33の下端に接続される略筒状の部材である。胴部材43は、外周壁431と、内側壁432と、弁座434と、を主要に具備する。外周壁431は、胴部材43の最外周部に配設され、略筒状を呈する部位である。外周壁431の内面の上端部に、螺旋状にネジ溝が形成される。前述した容器接続部33の第2筒状部3311の外周部に形成されたネジ山を、胴部材43の外周壁431の内周部に形成されたネジ溝に螺入することで、容器接続部33と胴部材43とが一体化される。内側壁432は、外周壁431の内部に離間して配設され、略円筒状を呈する部位である。内側壁432の上端部と、外周壁431の中間部とは、中間壁部433により連続する。中間壁部433は、略リング状を呈する部位である。前述した第2Oリング40は、中間壁部433の上面に配置される。弁座434は、内側壁432の下端と連続し、下方に向かって半径方向内側に傾斜する傾斜面である。前述した弁体42は、弁座434の上面に当接する。弁座434の中心を開口することで下端開口435が形成される。
【0052】
図5の切断斜視図を参照して、胴部材43の弁座434の上面は、水平方向に沿って伸びる略平坦面とすることもできる。このようにすることで、略平坦面である弁座434の上面に、安定的に弁体42の下面が当接することになり、弁座434の上面と弁体42の下面とが良好に密着し、両者の間から液体31が流出することを抑止できる。
【0053】
バネ44は、上下方向に沿う巻回軸を有するコイルバネである。バネ44は、胴部材43の、外周壁431と内側壁432との間に収納される。バネ44の上端は、前述した胴部材43の中間壁部433の下面に当接する。バネ44の下端は、後述する吐出口形成部45の中間壁部452の上面に当接する。
【0054】
吐出口形成部45は、前述した外周壁431に内蔵される、略筒状の部材である。吐出口形成部45の直径は、上部よりも下部が段階的に小さくなる。吐出口形成部45の中間部には、中間壁部452および段差部453が形成される。中間壁部452および段差部453は、上方から見た場合、リング状の面を有する部位である。中間壁部452の上面には、バネ44の下端が当接する。段差部453は、後述するレバー38により押し上げられる。
【0055】
吐出口形成部45の下端の開口は、吐出口34である。吐出口34は、液体31が外部に吐出される部位である。
【0056】
吐出口形成部45の下端の中央部には、弁部材接続部451が配設される。弁部材接続部451は、その内部にネジ穴が形成され、吐出口形成部45の内壁と連続する部位である。前述した弁部材41の先端部411は、弁部材接続部451のネジ穴に螺入される。このようにすることで、吐出口形成部45と弁部材41とが機械的に接続され、両者が連動するようになる。
【0057】
図5の左側上部に示された組図を参照して、容器接続モジュール30において、逆止弁36の上下方向における位置は、飲料容器32に効果的に空気を導入できる位置とされる。具体的には、胴部材43の弁座434の上面から逆止弁36の上端までの長さL20は、60mm以上100mm以下が好適な範囲であり、70mm以上90mm以下が更に好適な範囲であり、一例として約80mmである。ここで、弁座434の上面は、
図13Bに示す様に、飲料容器32に貯留された液体31の水圧が作用する領域の最下部である。L20を60mm以上にすることで、逆止弁36に作用する水圧を一定以下に設定でき、逆止弁36を経由して、飲料容器32の内部に効果的に空気を導入することができる。この結果、飲料容器32の内部圧力が一定以上とされ、飲料容器32の液体31を、容器接続モジュール30を経由して良好に吐出できる。また、L20を100mm以下とすることで、カバー部37を短く設定でき、容器接続モジュール30をコンパクトにすることができる。
【0058】
図5の組図を参照して、容器接続モジュール30は、第1筒状部材である容器接続部33と、第2筒状部材である胴部材43と、を有する。前述した空気導入部334は、第1筒状部材である容器接続部33に形成される。胴部材43の上端部は、容器接続部33の下端部に、外側から螺合する。空気導入部334の外側端部の開口は、第1筒状部材と第2筒状部材とが螺合される領域の近傍であって、第2筒状部材に覆われない部分に配設される。このようにすることで、空気導入部334の開口が胴部材43により覆われることを防止できる。
【0059】
図6は、カバー部37、逆止弁36および容器接続部33の切断斜視図を示す。
図6では、カバー部37、逆止弁36および容器接続部33を、上下方向に分解して示す。
【0060】
容器接続部33には、前述した空気導入部334が一体的に形成される。空気導入部334は、第1空気導入部335と、第2空気導入部336と、を有する。第1空気導入部335と第2空気導入部336とは、連続した導管を構成する。
【0061】
第1空気導入部335の一端は、外部である第2筒状部3311の外面に開口する。更に、第1空気導入部335の他端は、後述する第2空気導入部336の下端部と連通する。また、第1空気導入部335は、カバー部37の軸方向に対して略直角である水平方向に沿って伸びる。第1空気導入部335の外側端部は、第2筒状部3311の上端近傍に配置される。よって、
図4に示す様に、容器接続部33と胴部材43とを互いに接続した場合であっても、第1空気導入部335の端部は、容器接続部33の第1筒状部333の下端と、胴部材43の上端の間から外部に臨む。よって、第1空気導入部335が胴部材43により覆われて閉塞されることはない。前述した飲料容器32の内部に、空気導入部334を経由して空気が導入される事項は、
図14Bを参照して後述する。
【0062】
第2空気導入部336の一端である下端は、前述した第1空気導入部335と連通する。また、第2空気導入部336の他端である上端は、カバー部37の内部に配置される。更に、第2空気導入部336は、カバー部37の軸方向に対して略平行に伸びる。第2空気導入部336は、上方から見て、容器接続部33の略中心に配置される。また、中間壁部3310の内端部と第2空気導入部336との間には間隙が形成される。液体31は、当該間隙を経由して下方に流通する。
【0063】
前述したように、カバー部37にはスリット372が形成される。ここで、スリット372の幅L10は、逆止弁36の幅L11よりも短く設定される。また、スリット372の幅L10は、逆止弁36の高さL12よりも短く設定される。このようにすることで、逆止弁36が、スリット372を経由してカバー部37の外部に移動してしまうことを抑止できる。よって、逆止弁36が、カバー部37の外部、即ち
図2に示す飲料容器32に移動することがなく、逆止弁36が誤飲されてしまうことを防止できる。更に、カバー部37の上端には底部が形成され、連通部371の一部は、底部の略中央部に形成される。
【0064】
図7は、カバー部37の内部において逆止弁36が固定される構造を示す切断斜視図である。
図7では、右方側に分解斜視図を示し、左方側に組図を示す。また、要所を点線で囲んで拡大して示す。
【0065】
突出部373は、カバー部37の内壁を、半径方向内側に向かって突出させた部位である。具体的には、突出部373は、カバー部37の上端から、上下方向におけるカバー部37の中間部まで連続して壁状に伸びる壁状部位である。突出部373は、カバー部37の内側において、周方向に沿って複数が形成される。
【0066】
このような構成を有する突出部373は、カバー部37の内部において逆止弁36を固定する機能を有する。具体的には、逆止弁36は第2空気導入部336の上端に接続され、カバー部37は容器接続部33に組み込まれる。よって、逆止弁36の第2鍔部361の下面は、第1鍔部337の上面に当接する。更に、逆止弁36の第2鍔部361の上面は、突出部373により上方から押圧される。換言すると、第2鍔部361は、第1鍔部337および突出部373により、上下方向において挟持される。係る構成により、逆止弁36は、第2空気導入部336の上端に固定され、離脱することが防止される。更に、第2鍔部361と第1鍔部337の間から、第2空気導入部336の内部に、液体31が進入することを抑止できる。また、前述した様に、突出部373は、カバー部37の周方向に沿って複数が形成されることから、複数の突出部373により第2鍔部361を上方から固定することができる。
【0067】
図8は、カバー部37および容器接続部33を示す切断斜視図である。
図8では、スリット372の下端近傍を点線で囲み拡大して示す。
【0068】
前述したように、第2空気導入部336の上端に逆止弁36は挿入される。そして、逆止弁36の第2鍔部361の下面は、第2空気導入部336の第1鍔部337の上面に当接する。また、第2鍔部361および第1鍔部337の周縁部は、カバー部37の内壁に、当接または接近している。よって、第2鍔部361の周縁部とカバー部37の内壁との間隙を経由して、多くの液体31が流通することは期待できない。
【0069】
点線で囲む拡大図を参照して、スリット372の一部である下端は、逆止弁36が空気導入部334に取り付けられる取付部よりも、前述した吐出口34の側である下方側に形成される。具体的には、スリット372の下端は、第1鍔部337の下面よりも、下方に配置される。係る構成により、スリット372の下端と第1鍔部337との間に、間隙50が形成される。よって、容器接続モジュール30の使用状況下において、前述した飲料容器32の内部に貯留された液体31は、間隙50を介して、カバー部37の内部に流れ込む。ここでは、液体31の流れを一点鎖線で示す。その後、カバー部37の内部に導入された液体31は、
図5に示した容器接続部33、胴部材43、吐出口形成部45および吐出口34をこの順番で経由して外部に吐出され、例えば図示しないコップ等の容器に供給される。
【0070】
図9は、ディスペンサユニット61および第3ポケット部183を示す斜視図である。
図9では、ディスペンサユニット61を、第3ポケット部183から離した上方に示す。
【0071】
前述したように、第3ポケット部183は、
図2に示した第1断熱扉14の内面部に取り付けられる容器である。第3ポケット部183は、容器収納部64と、ユニット設置部74と、を有する。
【0072】
容器収納部64は、前側面部、後側面部、左側面部および右側面部により囲まれる部位である。容器収納部64は、例えば、容積が2リットルのペットボトルを収納できる大きさとされる。
【0073】
ユニット設置部74は、前側面部、左側面部および右側面部を有する部位であり、後方および上方に向かって開口する領域である。ユニット設置部74の右側面および左側面にはスライド溝部66が形成される。スライド溝部66は上下方向に沿って連続して伸びる溝状の部位である。上方から見た場合、ユニット設置部74の内縁部の大きさは、ディスペンサユニット61の外縁部の大きさと同等程度とされる。
【0074】
ディスペンサユニット61は、下方側部分であるディスペンサ本体部62と、上方側部分である容器設置部63と、を有する。ディスペンサユニット61は、全体として略四角柱形状を呈する機器である。ディスペンサユニット61は、前述した飲料容器32および容器接続モジュール30を支える機器である。
【0075】
ディスペンサ本体部62は、第3ポケット部183のユニット設置部74に収納される。ディスペンサ本体部62の下部には、前方に向かって開口する供給領域65が形成される。供給領域65の奥側には、レバー38が配設される。ディスペンサ本体部62の右方外面および左方外面には、スライド壁部46が形成される。スライド壁部46は、上下方向に沿って連続して直線状に伸びる壁状の部位である。ディスペンサユニット61をユニット設置部74に組み込むと、ディスペンサユニット61のスライド壁部46が、ユニット設置部74のスライド溝部66に挿入される。このようにすることで、ユニット設置部74の内部においてディスペンサユニット61を位置決めすることができる。
【0076】
容器設置部63は、ディスペンサ本体部62の上方部分である。容器設置部63には、上方に向かって開放され、前述した容器接続モジュール30が取り付けられた飲料容器32が、容器接続モジュール30を下方にした状態で組み込まれる。
【0077】
図10Aは、ディスペンサユニット61の容器設置部63を示す斜視図である。
図10Bは、ディスペンサユニット61の容器設置部63を示す分解斜視図である。
【0078】
容器設置部63は、前方、後方、左方および右方に形成された壁状部位により囲まれる部位である。上方から見た場合、容器設置部63の形状および大きさは、例えば2リットルのペットボトルを収納できる程度とされる。
【0079】
容器設置部63の内部に、中間壁部69が形成される。中間壁部69は、上下方向において容器設置部63の中間部に配設され、上下方向を向く最大面を有する部位である。
【0080】
モジュール設置部68は、中間壁部69の中央部を、下方に向かって略円筒状に突出させた部位である。容器設置部63には、前述した容器接続モジュール30が挿入される。
【0081】
側方開口部72は、容器設置部63の後方側壁を略矩形状に開口した部位である。
【0082】
容器設置部63には、固定部材67が前後方向に沿ってスライド可能に設置される。固定部材67は、
図5に示した容器接続モジュール30の周縁部338を、ディスペンサユニット61に固定するための部位である。かかる固定構造は、
図12を参照して後述する。
【0083】
図10Bを参照して、固定部材67の前方側辺は、
図3に示す飲料容器32の飲み口部321の形状に即した湾曲辺とされる。
【0084】
スライド領域70は、固定部材67が挿入される領域である。スライド領域70は、モジュール設置部68の後方端部から、ディスペンサユニット61の後端に至るまで、中間壁部69を下方に向かって窪ませた領域である。スライド領域70の深さは、固定部材67の厚みと同程度とされる。スライド領域70の左端部および右端部には、庇部73が形成される。庇部73は、スライド領域70の、左右側両端部において、中間壁部69を左右方向内側に向かって庇状に突出させた部位である。
【0085】
係止部71は、スライド領域70の底面を上方に向かって隆起させた部位である。係止部71は、前方および左右方向から、スリットにより他の部分と分離される。よって、係止部71は、その後方部分のみで容器設置部63と繋がることにより、弾性変形可能とされる。これにより、係止部71が下方に向かって弾性変形し、固定部材67はスライド領域70に挿入できる。また、
図10Aに示す様に、係止部71が固定部材67の後端よりも後方側に配置されることで、固定部材67がスライド領域70から離脱することを抑制できる。
【0086】
図11Aは、ディスペンサユニット61の容器設置部63を、下方から示す斜視図である。
図11Bは、ディスペンサユニット61の容器設置部63を示す分解斜視図である。ディスペンサユニット61を構成する各部位は、射出成形等により成形された合成樹脂から成る。
【0087】
図11Bを参照して、モジュール設置部68は、中間壁部69の中心から下方に向かって、略円筒状に伸びる部位である。
【0088】
回動軸部47は、ディスペンサユニット61の内部に配設され、レバー38が回動可能に接続される部位である。具体的には、回動軸部47は、ディスペンサユニット61の左方壁部および右方壁部の内面から、幅方向内側に向かって伸びる。回動軸部47は、幅方向に沿って伸びる中心軸を有する略円筒形状を呈する。
【0089】
レバー38は、容器設置部63の回動軸部47に回動可能に接続される部材である。
【0090】
当接部381は、レバー38の下端に形成された略板状の部位である。下方から見た場合、当接部381はその中央部が前方に向かって湾曲する湾曲形状を呈する。係る形状により、コップ等の容器を安定的に当接部381に押し当てることができる。
【0091】
回動孔部382は、レバー38の後方上端部において、左側面および右側面から形成された孔である。夫々の回動孔部382には、容器設置部63の回動軸部47が挿入される。
【0092】
開口部383は、レバー38の上方部分を開口した部位である。前方から見た場合、開口部383の形状および大きさは、モジュール設置部68よりも若干大きい程度とされる。このようにすることで、モジュール設置部68が開口部383に収納される形となり、レバー38の回動動作をモジュール設置部68が阻害することはない。
【0093】
当接部384は、開口部383の右方側下端および左方側下端に形成された壁状部位である。後方から見た場合、左方側の当接部384は左右反転されたL字形状を呈し、右方側の当接部384はL字形状を呈する。後述するように、レバー38の回動に伴い、当接部384は、
図4に示した吐出口形成部45を上方に押圧する。
【0094】
図12は、ディスペンサユニット61を示す切断斜視図である。
【0095】
飲料容器32は、容器接続モジュール30が装着された状態で、容器設置部63に設置される。容器接続モジュール30は、容器設置部63のモジュール設置部68に挿入される。ここで、容器接続モジュール30の周縁部338は、モジュール設置部68の周囲において、中間壁部69の上面に当接する。係る構成により、上下方向において、飲料容器32および容器接続モジュール30と容器設置部63との位置関係が規定される。
【0096】
固定部材67は、スライド領域70の内部において、前端まで押し込まれた状態となっている。固定部材67の後端には、係止部71が当接している。これにより、前後方向における固定部材67の位置が固定される。係る状態に於いて、固定部材67の前方端部は、容器接続モジュール30の周縁部338を上方側に配置されている。係る構成により、上下方向における、容器接続モジュール30の位置が固定される。よって、使用状況下において、レバー38が吐出口形成部45を上方に押した際に、容器接続モジュール30および飲料容器32が全体的に上方に持ち上がってしまうことを防止できる。
【0097】
次に、前述した構成を有する容器接続モジュール30等において、飲料容器32から飲料である液体31を外部に導出する動作、および、飲料容器32に空気を導入する動作を説明する。
【0098】
図13Aは、液体31が導出される状態の容器接続モジュール30およびレバー38を示す斜視図である。
図13Bは、液体31が導出される状態の容器接続モジュール30およびレバー38を示す断面図である。
図13Bでは、飲料容器32および容器接続モジュール30の内部における、液体31の液体導出経路49を、一点鎖線で示す。
【0099】
先ず、
図1を参照して、ミネラルウォータ等の飲料を得る場合、ユーザーはコップ等の容器を用意して第1断熱扉14を開ける。次に、
図13Aを参照して、ユーザーは、容器を当接部381に前方に向かって押し付ける。これにより、レバー38は、回動孔部382を回動中心として、左方から見て反時計回りに回転する。そうすると、レバー38の当接部384は、容器接続モジュール30の下端部に位置する部材(
図13Bに示す、吐出口形成部45の段差部453)を、上方に向かって押し上げる。
【0100】
図13Bを参照して、レバー38の当接部384は、容器接続モジュール30の吐出口形成部45の段差部453に対して、上方に向かって押し上げる押圧力を加える。そうすると、吐出口形成部45は、バネ44の付勢力に対抗しつつ、上昇する。これに伴い、吐出口形成部45と連結されている弁部材41も、弁体42と共に上昇する。そうすると、弁体42の下端は弁座434の上面から離れ、両者の間には間隙が形成される。
【0101】
その結果、容器接続モジュール30の内部には、飲料容器32の内部の液体31が外部に導出する経路である液体導出経路49が形成される。具体的には、液体導出経路49は、飲料容器32、スリット372、カバー部37、胴部材43、吐出口形成部45および吐出口34を液体31が流通する経路である。また、液体導出経路49は、
図8に示した間隙50も通過する。
【0102】
液体導出経路49を経由して、ここでは図示しない容器に対して、液体31が十分に供給されたら、ユーザーはレバー38から容器を離す。このようにすると、当接部381は、吐出口形成部45の段差部453を上方に向かって押さないようになり、吐出口形成部45は下降する。同時に弁部材41および弁体42も下降し、弁体42の下端は弁座434の上面に当接する。これにより、弁座434と弁体42との間は封止され、液体導出経路49は遮断される。即ち、容器接続モジュール30の内部の状況は、
図14Bに示す状態になる。
【0103】
図14Aは、空気が導入される状態の容器接続モジュール30およびレバー38を示す斜視図である。
図14Bは、空気が導入される状態の容器接続モジュール30およびレバー38を示す断面図である。また、
図14Aおよび
図14は、レバー38が操作されないことにより液体31が供給されていない状態を示す図でもある。
【0104】
前述した様に、飲料容器32の液体31が容器接続モジュール30を経由して外部に供給されると、供給された液体31の量に応じて飲料容器32の内部圧力が低下する。かかる圧力低下に対して何ら対策を施さなければ、飲料容器32の内部圧力が大気圧よりも遙かに小さくなり、レバー38を操作したとしても、吐出口34から液体31がスムーズに吐出されないようになる。
【0105】
そこで本実施形態では、飲料容器32の内部圧力が過度に低下することを抑制するために、空気導入部334を有している。空気導入部334の動作を以下に説明する。
【0106】
図14Bを参照して、飲料容器32の内部圧力と大気圧との圧力差が一定値以上になると、逆止弁36の内部に圧力が作用することで、逆止弁36は開状態と成る。逆止弁36が開状態となると、空気導入経路48を経由して、外部からの空気が飲料容器32に供給される。具体的には、外部からの空気は、第1空気導入部335、第2空気導入部336、逆止弁36およびカバー部37の連通部371を経由して、飲料容器32に導入される。即ち、カバー部37の内部に導入された空気は、カバー部37の上端面の略中央に形成された連通部371を経由して、飲料容器32に導入される。ここでは、掛かる経路を、空気導入経路48として一点鎖線で示す。また、
図13Bに示した液体31が吐出される状態であっても、空気導入経路48を経由して空気を飲料容器32に導入し、飲料容器32の内部圧力を略一定とすることができる。
【0107】
かかる空気導入に伴い、飲料容器32の圧力が高まり、飲料容器32の内部圧力と大気圧との圧力差が所定値以下となれは、逆止弁36は閉状態となる。逆止弁36が閉状態となると、空気導入経路48を経由した空気の導入は停止される。
【0108】
このように、飲料容器32の内部圧力に応じて、空気導入部334を経由して飲料容器32の内部に空気を導入することで、飲料容器32の内部圧力を一定以上に保つことができる。よって、ユーザーが再度レバー38を操作することで、スムーズに吐出口34から液体31を供給することができる。
【0109】
図15を参照して、他形態に係るカバー部37の構成を説明する。ここでは、略筒状を呈するカバー部37の側面を、部分的に開口することで、連通部371としての連通穴374が形成される。カバー部37を側方から見た場合、連通穴374は略円形を呈する貫通孔である。連通穴374は、カバー部37の軸方向に沿って列状に複数個が配設される。列状の連通穴374は、カバー部37の円周方向に沿って、複数個が略等間隔に配設される。最下部に配置される連通穴374の下端は、
図8に示した第1鍔部337の下面よりも下方に配置される。このようにすることで、最下部に配置される連通穴374と、
図8に示す第1鍔部337との間に間隙50が形成される。よって、使用状況下において、間隙50を経由して液体31がカバー部37の内部に進入する。
【0110】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、上記した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
前述した実施形態から把握できる発明をその効果と共に下記する。
本発明の実施形態に係る容器接続モジュールは、液体が貯留される飲料容器の飲み口部に取りつけられ、前記飲み口部に接続される容器接続部と、前記液体が外部に吐出される吐出口と、前記液体の吐出に伴い、前記飲料容器に導入される空気が流通する空気導入部と、前記空気導入部の前記飲料容器側の端部に取り付けられる逆止弁と、前記逆止弁を覆うカバー部と、を具備し、前記カバー部には、前記カバー部の内部と外部とを連通させる連通部が形成されることを特徴とする。本発明の第1態様に係る容器接続モジュールによれば、容器を給水装置として用いる際に、逆止弁の離脱を防止しつつ、容器からスムーズに給水することができる。更に、逆止弁を覆うカバー部に連通部が形成されることにより、空気導入部および逆止弁を介して導入された空気が、連通部を介して容器の内部に良好に進行することができる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記連通部は、略筒状を呈する前記カバー部の、軸方向に沿って伸びるスリットであり、前記スリットの一部は、前記逆止弁が前記空気導入部に取り付けられる取付部よりも、前記吐出口の側に形成されることを特徴とする。本発明の第2態様に係る容器接続モジュールによれば、連通部であるスリットの一部が、取付部よりも吐出口の側に形成されることにより、スリットの一部を液体が導出される経路として用いるとこができる。よって、当該経路を経由して、液体を良好に外部に吐出させることができる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記カバー部は、内側に向かって突出する突出部を有し、前記空気導入部は、外側に向かって鍔状に突出する第1鍔部を有し、前記逆止弁は、外側に向かって鍔状に突出する第2鍔部を有し、前記逆止弁の前記第2鍔部は、前記空気導入部の前記第1鍔部と、前記カバー部の前記突出部により、挟まれることを特徴とする。本発明の第3態様に係る容器接続モジュールによれば、逆止弁の第2鍔部が、空気導入部の第1鍔部と、カバー部の突出部により挟まれることで、逆止弁が空気導入部から離脱することを抑止できる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記突出部は、前記カバー部の内側において、周方向に沿って複数が形成されることを特徴とする。本発明の第4態様に係る容器接続モジュールによれば、複数の突出部により、逆止弁の第2鍔部を安定して保持することができる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記空気導入部は、第1空気導入部と、第2空気導入部と、を有し、前記第1空気導入部は、一端が外部に開口すると共に、他端が前記第2空気導入部と連通し、且つ、前記カバー部の軸方向に対して略直角に伸び、前記第2空気導入部は、一端が前記第1空気導入部と連通し、他端が前記カバー部の内部に配置され、且つ前記カバー部の軸方向に対して略平行に伸びることを特徴とする。本発明の第5態様に係る容器接続モジュールによれば、空気導入部の外部開口を、容器接続モジュールの側面に配設し、空気導入部から空気を良好に取り込むことができる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、第1筒状部材と、第2筒状部材と、を更に具備し、前記第1筒状部材には、前記空気導入部が形成され、前記空気導入部の外側端部は、前記第1筒状部材と前記第2筒状部材とが螺合される領域の近傍であって、前記第2筒状部材に覆われない部分に配設されることを特徴とする。本発明の第6態様に係る容器接続モジュールによれば、空気導入部の外側端部が螺合部分に干渉されることを抑制できる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記連通部の一部は、前記吐出口から離れる側の前記カバー部の底部に形成されることを特徴とする。本発明の第7態様に係る容器接続モジュールによれば、飲料容器に導入される空気を、カバー部から良好に飲料容器の側に移動させることができる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記連通部の幅は、前記逆止弁の幅よりも短いことを特徴とする。本発明の第8態様に係る接続モジュールによれば、逆止弁がカバー部から飲料容器の側に不用意に移動することを防止できる。
また、本発明の実施形態に係る容器接続モジュールでは、前記連通部は、略筒状を呈する前記カバー部の側面を部分的に開口した連通穴であることを特徴とする。本発明の第9態様に係る容器接続モジュールによれば、連通穴を介して、液体を飲料容器側からカバー部の内部に流動させることができる。
また、本発明の実施形態に係るディスペンサユニットは、前記容器接続モジュールと、前記飲料容器に接続された状態の前記容器接続モジュールが、前記吐出口を下方にして設置されるディスペンサ本体部と、を具備することを特徴とする。本発明の第10態様に係るディスペンサユニットによれば、容器接続モジュールにより、良好に液体をコップ等の容器に供給できる。
また、本発明の実施形態に係る冷蔵庫は、ディスペンサユニットと、前記ディスペンサユニットが設置されるポケット部と、を具備することを特徴とする。本発明の第11態様に係る冷蔵庫によれば、冷蔵室で冷却された容器の内部の液体を、ユーザーに対して効果的に供給できる。
【符号の説明】
【0111】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 第1断熱扉
15 第2断熱扉
16 第3断熱扉
17 第4断熱扉
181 第1ポケット部
182 第2ポケット部
183 第3ポケット部
30 容器接続モジュール
31 液体
32 飲料容器
321 飲み口部
33 容器接続部
331 第1開口部
332 第2開口部
333 第1筒状部
334 空気導入部
335 第1空気導入部
336 第2空気導入部
337 第1鍔部
338 周縁部
339 貫通孔
3310 中間壁部
3311 第2筒状部
34 吐出口
36 逆止弁
361 第2鍔部
37 カバー部
371 連通部
372 スリット
373 突出部
38 レバー
381 当接部
382 回動孔部
383 開口部
384 当接部
39 第1Oリング
40 第2Oリング
41 弁部材
411 先端部
412 弁体
413 整流部
414 第3鍔部
42 弁体
43 胴部材
431 外周壁
432 内側壁
433 中間壁部
434 弁座
435 下端開口
44 バネ
45 吐出口形成部
451 弁部材接続部
452 中間壁部
453 段差部
46 スライド壁部
47 回動軸部
48 空気導入経路
49 液体導出経路
50 間隙
61 ディスペンサユニット
62 ディスペンサ本体部
63 容器設置部
64 容器収納部
65 供給領域
66 スライド溝部
67 固定部材
68 モジュール設置部
69 中間壁部
70 スライド領域
71 係止部
72 側方開口部
73 庇部
74 ユニット設置部