(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】準最適保管密度の保管用消耗品を有する自動試料保管システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240801BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/00 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017007509
(22)【出願日】2017-01-19
【審査請求日】2020-01-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-02
(32)【優先日】2016-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】アゼンタ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AZENTA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エチエンヌ クロケット
(72)【発明者】
【氏名】ロビン グリムウッド
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド アンドリュー ハーディング
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1348485(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N35/02-35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動試料検体保管システムであって、
前記自動試料検体保管システムが、管保持マイクロプレートおよび自動保管および取り出しシステムを備え、
前記管保持マイクロプレートが、
プレートフレームと、
前記プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、前記管保持容器の所定のアレイの単位面積当たりの前記管保持容器の密度が、標準フォーマットのSBSマイクロプレートであって、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレート
における容器が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートにとって最適である従来の容積容量を
画定する、標準フォーマットのSBSマイクロプレートにおけ
る容器の単位面積当たりの密度と同じ準最適密度であるように、前記管保持容器の所定のアレイの隣接する管保持容器が、SBS標準ピッチと同じ、前記隣接する管保持容器間の中心間の間隔を有し、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持容器の所定のアレイとは別で異なる試料保管および搬送管を内部に保持するように構成され、それぞれの管保持容器が、前記自動試料検体保管システムの所定の所与の形状因子の試料保管
および搬送管アレイで
保持される試料保管および搬送管に試料検体を収容し、前記試料保管および搬送管を用いて前記試料保管
および搬送管アレイから、前記自動試料検体保管システムの外部に配置されたワークステーションへの前記試料検体の送達をもたらすように配置され、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持マイクロプレートの容積容量を画定し、前記管保持容器の所定のアレイ内の前記管保持容器のそれぞれが、前記試料保管および搬送管の壁と係合して、前記試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形され、前記所定のアレイの前記管保持容器は、前記管保持容器の所定のアレイによって画定される前記管保持マイクロプレートの容積容量が前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートの前記従来の容積容量よりも小さい最適未満の容積容量になるように、寸法決めされ、互いに離間する、管保持容器の所定のアレイと、を含み、
前記自動保管および取り出しシステムが、所定のスループット量で、前記所定の所与の形状因子と共通する形状因子およびより高い保管密度を有する試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイまで、前記試料保管および搬送管を自動で保管し、取り出すように構成され、
前記試料保管
および搬送管アレイは、前記所定のアレイの前記準最適密度が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、前記試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイへの前記試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、前記自動保管および取り出しシステムの前記所定のスループット量と釣り合う、
自動試料検体保管システム。
【請求項2】
前記所定のアレイの前記管保持容器の構成が、標準SBSマイクロプレートの標準ピッチの密度に対して、準最適密度である、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項3】
前記管保持容器の所定のアレイが、前記試料保管および搬送管のための、前記自動試料検体保管システム内の前記試料保管
および搬送管アレイを画定する、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項4】
前記試料保管
および搬送管アレイおよび前記自動保管および取り出しシステムは、前記所定のアレイの前記準最適密度が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、前記自動保管および取り出しシステムの前記試料保管
および搬送管アレイへの所定の移送動作についての、前記試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイへの前記試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように釣り合う、請求項3記載の自動試料検体保管システム。
【請求項5】
前記自動試料検体保管システムが、
前記試料保管および搬送管を保管するように構成される保管区域と、
前記保管区域と前記試料保管
および搬送管アレイとの間に配置される、前記自動保管および取り出しシステムの試料セレクタモジュールとをさらに備え、
前記試料セレクタモジュールが、前記保管区域と前記試料保管
および搬送管アレイとの間に、試料搬送および取り出し通路の一部を形成する、
請求項4記載の自動試料検体保管システム。
【請求項6】
前記試料保管
および搬送管アレイが、前記自動試料検体保管システムの前記試料保管部から分離し、別個である、請求項3記載の自動試料検体保管システム。
【請求項7】
前記試料保管部内の管の分配および配置は、前記試料保管部が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、前記試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイへの前記試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらす試料保管および搬送管容量を有するように、前記試料保管
および搬送管アレイと釣り合う、請求項6記載の自動試料検体保管システム。
【請求項8】
前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートよりも多くの試料保管および搬送管を受け取るように、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートよりも高い密度で配置される管保持容器のアレイを含む高容量試料保管トレーであって、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートの密度に対して、前記高容量試料保管トレーの高い密度が、前記高容量試料保管トレーにおいて有効分配で保持される前記試料保管および搬送管の中から所定の試料保管および搬送管を見つけ出すことができる最大確率を画定する、高容量試料保管トレーと、
前記高容量試料保管トレーにおいて前記所定の試料保管および搬送管を見つけ出すことができる最大確率をもたらすように前記試料保管および搬送管を分配する前記有効分配で、前記高容量試料保管トレー内における前記試料保管および搬送管の保管をもたらすように構成される制御装置と、
をさらに備える、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記試料保管および搬送管の分配、ならびに前記高容量試料保管トレーの容量が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する高容量トレーおよび保管領域の標準の容量に対して、試料保管および搬送管の取り出しにおける取り出し率の増加をもたらすように構成される、請求項8記載の自動試料検体保管システム。
【請求項10】
前記プレートフレームの実装面積および前記SBS標準ピッチが、前記試料保管および搬送管の直径に依存しない、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項11】
密閉された内部を有するハウジングをさらに備え、
前記管保持マイクロプレートが、前記管保持マイクロプレートに保持される前記試料保管および搬送管の、前記密閉された内部と前記ワークステーションとの間での移送をもたらすために、前記密閉された内部へ、および前記密閉された内部から移送するように構成される、
請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項12】
前記試料保管および搬送管のそれぞれが、約6mmの直径を有する、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項13】
前記所定のアレイに対応するSBS標準ピッチが、約9mmのピッチである、請求項1記載の自動試料検体保管システム。
【請求項14】
試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法であって、
前記方法が、
管保持マイクロプレートを設けることを含み、
前記管保持マイクロプレートが、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイを含み、前記管保持容器の所定のアレイの単位面積当たりの前記管保持容器の密度が、標準フォーマットのSBSマイクロプレートであって、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレート
における容器が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートにとって最適である従来の容積容量を
画定する、標準フォーマットのSBSマイクロプレートにおけ
る容器の単位面積当たりの密度と同じ準最適密度であるように、前記所定のアレイの隣接する管保持容器が、SBS標準ピッチと同じ、前記隣接する管保持容器間の中心間の間隔を有し、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持容器の所定のアレイとは別で異なる試料保管および搬送管を内部に保持するように構成され、それぞれの管保持容器が、前記自動試料検体保管システムの所定の所与の形状因子の試料保管
および搬送管アレイで
保持される試料保管および搬送管に試料検体を収容し、前記試料保管および搬送管を用いて前記試料保管
および搬送管アレイから、前記自動試料検体保管システムの外部に配置されたワークステーションへの前記試料検体の送達をもたらすように配置され、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持マイクロプレートの容積容量を画定し、前記管保持容器のそれぞれが、試料保管および搬送管の壁と係合して、前記試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形され、前記所定のアレイの前記管保持容器は、前記管保持容器の所定のアレイによって画定される前記管保持マイクロプレートの容積容量が前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートの前記従来の容積容量よりも小さい最適未満の容積容量になるように、寸法決めされ、互いに離間し、
前記方法が、
前記自動試料検体保管システム内において、および前記自動試料検体保管システムと前記ワークステーションとの間で前記自動試料検体保管システム内外への搬送のために、前記最適未満の容積容量の管保持マイクロプレート内の前記試料保管および搬送管内に検体を保管することと、
所定のスループット量で、前記所定の所与の形状因子と共通する形状因子およびより高い保管密度を有する試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイまで、前記試料保管および搬送管を自動で保管し、取り出すように構成される自動保管および取り出しシステムを設けることと、
前記試料保管
および搬送管アレイを、前記所定のアレイの前記準最適密度が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、前記試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイへの前記試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、前記自動保管および取り出しシステムの前記所定のスループット量と釣り合わせることと、を含む、
方法。
【請求項15】
保管区域と前記管保持マイクロプレートにより形成される保管領域との間の通路に沿って配置される試料セレクタモジュールによって、前記保管区域と前記管保持マイクロプレートとの間で前記試料保管および搬送管を移送することをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートよりも多くの試料保管および搬送管を受け取るように、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートよりも高い密度で配置される管保持容器のアレイを含む高容量試料保管トレーを設けることをさらに含み、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートの密度に対して、前記高容量試料保管トレーの高い密度が、前記高容量試料保管トレーにおいて有効分配で保持される前記試料保管および搬送管の中から所定の試料保管および搬送管を見つけ出すことができる最大確率を画定し、前記試料保管および搬送管が、前記高容量試料保管トレーにおいて前記所定の試料保管および搬送管を見つけ出すことができる最大確率をもたらすように前記試料保管および搬送管を分配する前記有効分配で、前記高容量試料保管トレー内に配置される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
自動試料検体保管システムにおいて試料検体を移送するための方法であって、
前記方法が、
自動保管システムの高密度保管トレーから、前記自動保管システムとインターフェース接続する管保持マイクロプレートへ、試料保管および搬送管を移送することであって、前記管保持マイクロプレートが、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイを有し、前記管保持容器の所定のアレイの単位面積当たりの前記管保持容器の密度が、標準フォーマットのSBSマイクロプレートであって、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレート
における容器が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートにとって最適である従来の容積容量を
画定する、標準フォーマットのSBSマイクロプレートにおけ
る容器の単位面積当たりの密度と同じ準最適密度であるように、前記所定のアレイの隣接する管保持容器が、前記所定のアレイに対応するSBS標準ピッチと同じ、前記隣接する管保持容器間の中心間の間隔を有し、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持容器の所定のアレイとは別で異なる前記試料保管および搬送管を内部に保持するように構成され、それぞれの管保持容器が、前記試料保管および搬送管を用いて、前記自動保管システムの所定の所与の形状因子の試料保管
および搬送管アレイから、前記自動保管システムの外部に配置されたワークステーションへの試料検体の送達をもたらすために、前記試料保管
および搬送管アレイで
保持される試料保管および搬送管に前記試料検体を収容するように配置され、前記管保持容器の所定のアレイが、前記管保持マイクロプレートの容積容量を画定し、前記管保持容器のそれぞれが、前記試料保管および搬送管の壁と係合して、前記試料保管および搬送管を保持するように成形され、前記所定のアレイの前記管保持容器は、前記管保持容器の所定のアレイによって画定される前記管保持マイクロプレートの容積容量が前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートの前記従来の容積容量よりも小さい最適未満の容積容量になるように、寸法決めされ、互いに離間する、試料保管および搬送管を移送することと、
前記最適未満の容積容量の管保持マイクロプレートで保管された管を、前記自動保管システムと前記ワークステーションとの間で、前記自動保管システムの内外に搬送することと、を含み、
前記自動保管システムの前記試料保管
および搬送管アレイは、前記所定のアレイの前記準最適密度が、前記標準フォーマットのSBSマイクロプレートと同じ容積容量を有する最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、前記自動保管システムの、前記所定の所与の形状因子と共通する形状因子およびより高い保管密度を有する試料保管部から前記試料保管
および搬送管アレイへの前記試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、前記自動保管システムの所定のスループット量と釣り合う、
方法。
【請求項18】
前記自動保管システムの保管区域と前記管保持マイクロプレートにより形成される保管領域との間の通路に沿って配置される試料セレクタモジュールによって、前記高密度保管トレーと前記管保持マイクロプレートとの間で前記試料保管および搬送管を移送することをさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記試料保管および搬送管が、前記高密度保管トレーの容量のための最適分配で、前記高密度保管トレー内に配置される、請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的実施形態は、概して、自動試料保管庫に関し、特に、試料保管庫から入力および出力される管ラックを使用する自動試料保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料または化学試料などの試料の保管は、場合によっては、保管ハウジングまたはモジュール内外への試料の搬送、および保管ハウジングまたはモジュール内における試料の搬送をもたらするために自動化されてもよい保管ハウジングまたはモジュールなどの区画化された保管所に保管されてもよい。
【0003】
一般的には、試料は、SBS(Society for Biomolecular Screening)形式を有する試料トレーまたはマイクロプレートなどの工業標準のトレーに保管される。たとえば、
図2Bを参照すると、96ウェルのSBS試料マイクロプレート200Pは、9mmのピッチXを有して配列される試料管保持容器210Pの8×12のアレイを有する(共に、全てが参照により本明細書に組み込まれる、(以前のANSI/SBS 4-2004として認められる)ANSI SLAS 4-2004 (R2012)および(以前のANSI/SBS 1-2004として認められる)ANSI SLAS 1-2004 (R2012)を参照)。一般的に、標準形式のSBS試料マイクロプレート200Pは、約85.48mmの幅Wおよび約127.76mmの長さLを有する。標準形式のSBS試料マイクロプレート内に位置決めされる管保持容器210Pの中心間のピッチまたは距離Xは、マルチチップピペット、試料管キャップ取外し/交換装置、2次元コード読取り装置、試料管密封/穿孔装置などの工業標準の装置に適合するように、約9mmである。
【0004】
一般的に、標準形式のSBS試料トレーの制約内で試料管を可能な限り大きくすることによって、試料トレー内に保管される試料管は、試料管内の保管容積を(したがって試料トレーの保管密度も)最大化する。たとえば、従来の試料管は、一般的に、9mm直下の外径を有し(たとえば、本明細書において、9mm試料管と呼称される)、最適容積容量を有する管容器を備える標準SBSマイクロプレートに適合する(たとえば、9mm試料管の外径は、管容器間のピッチと略同じである)。
【発明の概要】
【0005】
標準SBS実装面積(footprint)、および自動保管システムの取り出しスループットの増加をもたらす準最適試料保管密度を有する試料管容器を備える試料トレーを有することは有利となる。
【0006】
開示される実施形態の、前述の態様および他の特徴を、以下の記載において、添付の図面との関連において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】開示される実施形態の態様による試料保管設備の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様による試料保管設備の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様による試料保管設備の一部の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様による試料保管設備の一部の概略図である。
【
図1E】開示される実施形態の態様による試料セレクタモジュールの一部の概略図である。
【
図1F】開示される実施形態の態様による、
図1Eの試料セレクタモジュールの一部の概略図である。
【
図1G】開示される実施形態の態様による試料保管設備の一部の概略図である。
【
図1H】開示される実施形態の態様による試料セレクタモジュールの一部の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による準最適マイクロプレートの概略図である。
【
図2B】先行技術のマイクロプレートの概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による試料保管および搬送管の概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様による、
図2Cの試料保管および搬送管の一部の概略図である。
【
図2E】開示される実施形態の態様による、
図2Cの試料保管および搬送管の一部の概略図である。
【
図2F】開示される実施形態の態様による、
図2Cの試料保管および搬送管の一部の概略図である。
【
図3】開示される実施形態の態様による高密度試料保管トレーの概略図である。
【
図4A】開示される実施形態の態様によるグラフである。
【
図4B】開示される実施形態の態様によるグラフである。
【
図5】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図6】開示される実施形態の態様によるフローチャートである。
【
図7】開示される実施形態の態様による試料分配の概略図である。
【
図8】開示される実施形態の態様によるフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示される実施形態の態様は、自動試料検体保管システム100、100’(本明細書では試料保管設備または低温倉庫とも呼称される)の取り出しスループットの増加を提供し、自動保管システムの試料保管および搬送管250(
図2C参照、試料管とも呼称される)が、本明細書において説明されるように、標準SBSマイクロプレートのピッチを有する標準SBSマイクロプレートの密度に対して準最適密度の管容器を有するトレーに保存される。試料管250を試料保管設備100、100’に入力する、および試料管250を試料保管設備100、100’から出力するために使用される、準最適または最適未満の容積容量のマイクロプレートまたはトレー200(
図2参照、本明細書において説明され、マイクロプレート200とも呼称される)の工業標準の形式を維持しながらも、本明細書において説明されるように、試料保管設備100、100’からの試料管250の取り出しスループットの増加が提供される。
図1Aは、開示される実施形態の態様による、自動試料検体保管システム/設備または低温倉庫100(また、本明細書において試料保管設備とも呼称される)を図示する。開示される実施形態の態様が、図面に関連して説明されるが、開示される実施形態の態様は、さまざまな形態で具体化され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の適切な寸法、形状、または種類の要素または材料が使用され得る。
【0009】
試料保管設備100は、互いに接続されてもよい任意の適切な数の環境区域または領域を含んでもよい。いくつかの態様では、区域は異なる環境を有してもよく、そして隔離されてもよく、そうでなければ、区域は共有の雰囲気を有してもよい。
図1に示される例の保管設備100は典型例であり、他の態様では、保管設備は、任意の適切な構成を有してもよい。たとえば、試料保管設備100は、1つまたは複数の保管区域/領域110A、110B(本明細書において保管アレイ110A、110Bとも呼称される)、搬送区域145、および環境制御副室150を含んでもよい。他の態様では、試料保管設備100は、試料が保管および/または搬送され、保管設備の人員が立ち入ることができる、任意の適切な数および種類の区域/領域を有してもよい。一態様では、1つまたは複数のパネル/壁100Wが、試料保管設備100の保管容量を拡大するために取外し可能であってもよい。一態様では、保管区域110Aや搬送区域145などの試料保管設備100の内部部分は、室温と超低温との間の任意の適切な温度であってもよい(「超低温」という用語は、-50℃未満を意味し、それ以上の温度は通常、低温と考えられる)。一態様では、保管区域110A、110Bおよび搬送区域145は、約-20℃と約室温との間の温度であってもよい。他の態様では、
図1Gに図示されるように、試料保管設備100は、Brooks Life Science Systemsから入手可能であるSampleStore(商標)IIなどの任意の適切な試料保管部(その特徴は参照により本明細書に組み込まれる)であってもよく、保管区域110A、110Bは、各保管場所が搬送区域145に対し開放するように、閉鎖部を有しなくてもよい。
【0010】
一態様では、搬送区域145は、入力/出力モジュール130、搬送シャトル112、および1つまたは複数の試料セレクタモジュール190を含んでもよく、試料セレクタモジュールは、以下において説明されるように、少なくとも部分的に搬送区域145内に配置される。入力/出力モジュール130は、搬送区域145内の所定の温度を維持しながらも、試料および/または試料トレーの試料保管設備100への、および試料保管設備100からの移送を可能にしてもよい。一態様では、入力/出力モジュール130は、試料保管設備100の保管領域140(本明細書では保管アレイ140とも呼称される)と連絡していてもよく、保管領域140は、標準SBSの実装面積、および本明細書において説明される管保持容器間の標準SBSの間隔を有する、準最適もしくは最適未満の容積容量のマイクロプレートまたはトレー200(
図2参照)によって形成/画定される。他の態様では、本明細書において説明されるように、準最適マイクロプレート200が保管領域またはアレイ110A、110B内に配置されるときなどに、保管領域またはアレイ110A、110Bの少なくとも一部が、準最適もしくは最適未満の容積容量のマイクロプレートまたはトレー200によって形成/画定されてもよい。試料セレクタモジュール190は、試料/試料保持部250を準最適マイクロプレート200および/または高密度/高容量(HD)の試料ラック/トレー370の中または間を移動させるための仕分け能力を提供してもよい。試料セレクタモジュール190は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月28日に出願された米国特許出願第14/229,077号明細書に記載されるものと実質的に類似であってもよい。一態様では、試料セレクタモジュール190は、保管区域110A、110Bと、本明細書に記載される準最適マイクロプレート200によって形成される試料保管領域140との間で(たとえば、保管区域110A、110Bへ、または保管区域110A、110Bから)試料搬送/取り出しチェーンまたは通路の一部を形成する。
【0011】
搬送区域145は、搬送シャトル112および/または他の自動操作が、保管区域110A、110Bと、試料セレクタモジュール190と、入力/出力モジュール130との間で試料トレー200、370を移送するために動作し得る、約-20℃から約室温までなどの任意の適切な低温で維持されてもよい。一態様では、搬送シャトル112は、タイル壁115と相互作用してもよく、それぞれのタイル161A、161B、161Cによって密閉される、それぞれの密閉可能または閉鎖可能の入力/出力開口部を通して、(任意の適切な方法で)保管領域110A、110Bから、試料トレー370および/または試料トレー200などの試料トレーを取り外すために、(たとえばタイル161A、161B、161Cなどの)各タイルが、たとえば、保管区域110A、110Bの、ロボットに適応する断熱閉鎖部を作るように配置される。一態様では、試料トレー370および試料トレー200の両方は、保管領域110A、110Bの1つまたは複数に保管されるが、他の態様では、試料トレー370または試料トレー200のみが保管領域110A、110Bの1つまたは複数に保管される。たとえば、一態様では、試料トレー200のみが保管領域110A、110Bの1つまたは複数に保管されるように、試料トレー370は使用されなくてもよい。試料トレー200が保管領域110A、110Bに保管される場合、保管トレー200は、頻繁に必要となる試料への、(試料トレー370の中の試料へのアクセスと比較して)より迅速なアクセスを提供してもよく、および/または試料の一時保管(一晩の一時保管または任意の適切な期間の一時保管)を提供してもよい。摺動タイル閉鎖部の適切な例は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,635,246号、第7,648,321号、および第7,793,842号明細書、ならびに2012年8月27日に出願された米国特許出願第13/595,817号明細書、および2011年12月22日に出願された米国特許出願第13/334,619号明細書に見ることができる。一態様では、タイル161A、161B、161Cは、たとえば、ロボットに適応した断熱閉鎖部を作るように配置されるフォームブリックまたはブロックであってもよい。他の態様では、タイル161A、161B、161Cは、任意の適切な材料で構築されてもよく、それぞれの入力/出力開口部を任意の適切な方法で開放および閉鎖するために、任意の適切な自動操作および/または人員と相互作用してもよい。一態様では、タイル161A、161B、161Cは、重力によって、または他の任意の適切な方法で、所定の位置(たとえば閉鎖位置)に保持されてもよい。それぞれのタイルの各側面上のガイドレールは、タイルの横方向移動を抑制し、同時に、それぞれの入力/出力開口部を開放および閉鎖するために、矢印299の方向で自由に上下摺動することを可能にする。一態様では、搬送シャトル112などの、試料保管設備100の任意の適切な自動移送機構が、自動移送機構を望ましい開口部の前のタイル161A、161B、161Cと揃えることによって、入力/出力開口部を通して、高密度トレー370(
図3)などの試料トレーを隔離環境制御保管区域110A、110Bに挿入、または隔離環境制御保管区域110A、110Bから取り出してもよい。他の態様では、保管区域110A、110Bは、トレー370に保管される試料を任意の適切な所定の温度で維持するために、(1つまたは複数の)任意の適切な閉鎖部を有してもよい。上記のように、他の態様では、保管区画と他の区画との間に閉鎖部が設けられなくてもよい。
【0012】
次に、
図1E、
図1F、および
図1Hを参照すると、(例示目的のために典型的な構成が示される)搬送シャトル112は、試料トレー370および/または試料トレー200を保管区域110A、110Bと、試料保管設備の他の任意の構成要素との間で搬送するように構成されてもよく、限定されないが、試料トレー370および/または試料トレー200の、試料セレクタモジュール190、190’への、および試料セレクタモジュール190、190’からの搬送を含んでもよい。一態様では、各試料セレクタモジュール190、190’は、試料選択のための隔離または密閉環境を提供する典型的な構成を有し、フレーム710F、フレーム710Fに接続される駆動部701、701’を有する少なくとも1つの移送装置またはユニット701A、701B、701C、および駆動部701、701’に移動可能に接続される少なくとも1つの移送アーム部400A、400A’を含む。フレーム710Fは、カバー部710Cおよび基部710Bを含んでもよく、または、内部に少なくとも1つの隔離もしくは密閉環境を保持するように構成されるハウジング190Hを形成する、任意の適切な数のパネル/壁(もしくは単一型/一体型パネル)を含んでもよい。一態様では、ハウジング190Hは、縦方向軸LONおよび横方向軸LATを含んでもよく、他の区域/領域に分割されてもよい。一態様では、基部710Bは、隔離環境制御チャンバまたは区域723を形成するために、側壁710LTA、710LTB、縦壁710LNA、710LNB、底壁710BW、および底壁710BWの反対側に配置され、底壁710BWから離間する隔離部材763を含む(「底」という用語は、本明細書において、例示目的のみのために使用され、他の態様では、任意の適切な空間識別子が、壁710BWに関連付けされてもよい)。一態様では、隔離環境制御チャンバ723は、本明細書において説明されるような任意の適切な温度で維持されてもよい。一態様では、隔離環境制御チャンバ723は、能動的に冷却されてもよいが、一方で、他の態様では、隔離環境制御チャンバ723は、任意の適切な方法で冷却されてもよい。1つまたは複数の蒸発器EVAPが、隔離環境制御チャンバ723内に配置されてもよく、たとえば、隔離環境制御チャンバ723内における均一な温度分布を維持するように構成されてもよい。一態様では、1つまたは複数の蒸発器が、隔離環境制御チャンバ723の内部壁を形成する隔離部材763の表面上に(たとえばチャンバの天井の上に)配置されてもよい。他の態様では、1つまたは複数の蒸発器EVAPは、隔離環境制御チャンバ723内の任意の適切な場所に配置されてもよい。隔離部材763も、駆動部701構成要素の動作に適した、任意の適切な所定の温度に維持されてもよい駆動部チャンバ724を形成するように配置されてもよい(
図1C参照)。縦壁710LNA、710LNBおよび側壁710LTA、710LTBの少なくとも1つは、試料トレー200、370が、隔離環境制御区域723への挿入および隔離環境制御区域723からの取り出しのために通過する、1つまたは複数の入力/出力開口部またはアパチャ760A、760B、760Cを含んでもよい。別の態様では、(
図1Hに示される典型的な例において図示される)各試料セレクタモジュール190’は、内部の環境が保管環境と共通であるように、開放型の構成を有してもよい。類似の特徴には、類似の番号が付されている。
【0013】
理解できるように、試料保管および搬送管250(本明細書においては、試料管250と呼称される)が、試料トレー200、370の間で、本明細書において説明される少なくとも1つの移送アーム部400A(少なくとも1つの移送アーム部は、たとえば試料管250を、本明細書において説明される搬送把持部接合部253などによる、任意の適切な方法で把持するように構成される試料管把持部400Gを含む)によって移送されるように、試料トレー/マイクロプレート200、370は、試料セレクタモジュール190、190’のフレーム710F内に、任意の適切な方法で保持される。一態様では、試料管250が、試料保管設備100での保管および試料保管設備100からの移送のために、準最適マイクロプレート200内に設置されるときなどに、試料が、準最適マイクロプレート200と、両方の高密度トレー370との間で移送されてもよいように、高密度トレー370は、(保持場所300B内に配置される)準最適マイクロプレート200の側面上の保持場所300A、300Cに位置する。他の態様では、試料管250が保管区域110A、110B内に保管されるときなどに、試料管250が、両方の準最適マイクロプレート200と高密度トレー370との間で移送されてもよいように、準最適マイクロプレート200は、保持場所300A、300Cに位置してもよく、一方で、高密度トレー370は、保持場所300Bに位置してもよい。さらに他の態様では、準最適マイクロプレートおよび高密度トレー370は、試料セレクタモジュール190の任意の適切な保持領域に設置されてもよい。たとえば、
図1Hに図示されるように、高密度トレー370は、場所300A’において保持されてもよく、一方で、準最適マイクロプレートは、場所300A’に隣接する領域300B’に保持されてもよい。さらに、一態様では、3つの保持場所300A、300B、300Cが図示される一方で、他の態様では、試料セレクタモジュールは、3つよりも多い、または少ない(一態様では準最適マイクロプレート200および高密度トレー370の任意の組み合わせを、または他の態様では準最適マイクロプレート200を保持するように構成される)保持場所、および対応する数の移送アーム部400Aを有してもよい。再度
図1Hを参照すると、一態様では、駆動部701’は、移送アーム部または取り出しヘッド400A’に、方向297、298、299における運動を提供するガントリ駆動システムである。
【0014】
各(1つまたは複数の)入力/出力開口部760A、760B、760Cは、上記のものに実質的に類似の、それぞれの摺動タイル761A、761B、761Cによって密閉または閉鎖される、密閉可能または閉鎖可能な開口部であってもよく、一方で他の態様では、(1つまたは複数の)入力/出力開口部は、任意の適切な方法で密閉/閉鎖可能であってもよく、または開放されていてもよい(
図1H参照)。
【0015】
一態様では、副室150は環境制御され、少なくとも搬送領域145、および/または少なくとも一部が副室150内に配置されてもよい試料セレクタモジュール190(たとえば、試料セレクタモジュール190は、副室150を搬送区域145から分離している壁を通過して取り付けられてもよい)への人員によるアクセスを提供するためのドア150D1、150D2を含んでもよい。理解できるように、副室150は、人が副室150に入ることを可能にする任意の適切な温度に維持されてもよい。
【0016】
試料保管設備100は、試料保管設備100の様々な区域内のそれぞれの所定の温度を維持するための任意の適切な(1つまたは複数の)冷却システム125および/または(1つまたは複数の)除湿システム120を含んでもよい。一態様では、試料保管設備100の搬送区域145、搬送シャトル112、タイル壁115、保管区域110A、110B、搬送区域145、および入力/出力モジュールは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2009年12月22日に発行された米国特許第7,635,246号明細書、2010年1月19日に発行された米国特許第7,648,321号明細書、2010年9月14日に発行された米国特許第7,793,842号明細書、2012年8月28日に発行された米国特許第8,252,232号明細書、ならびに2012年8月27日に出願された米国特許出願第13/595,817号明細書、2011年12月22日に出願された米国特許出願第13/334,619号明細書に記載されるものと実質的に類似であってもよい。
【0017】
図1Bは、開示される実施形態の態様による試料保管設備100’を図示する。試料保管設備100’は、上記の試料保管設備100に類似であってもよく、互いから隔離された、任意の適切な数の環境保管区域または領域110A、110B、145を含んでもよい。ここで、1つまたは複数の試料セレクタモジュール190は、副室150を搬送区域145、または試料保管設備100の他の任意の適切な区域から分離/隔離する壁ではなく、試料保管設備100’の外部壁を通過して取り付けられてもよい。
【0018】
図1Cは、試料セレクタモジュール190の概略図である(他の態様では、試料セレクタモジュール190’が同様に配置されてもよい)。理解できるように、任意の適切な数の試料セレクタモジュール(
図1Cには2つが示されている)が、
図1B、
図1Cに示されるように、上下に積み重ねられてもよく、または
図1Aに図示されるように横並びに配置されてもよい。各試料セレクタモジュール190は、試料セレクタ190の(ハウジング190Hによって形成される)内部の少なくとも一部を、本明細書において説明される、または、たとえば、他の態様において、(既に参照により組み込まれている)2014年3月28日に出願された米国特許出願第14/229,077号明細書に記載される、所定の温度に維持するように構成される任意の適切な冷却もしくは環境制御システム190Rに接続されてもよい、または、冷却もしくは環境制御システム190Rを含んでもよい。一態様では、各試料セレクタモジュール190が、それぞれの環境制御システム190Rを有してもよいが、一方で、他の態様では、共通環境制御システムが、2つまたはそれ以上の試料セレクタモジュール190のために設けられてもよく、または(1つまたは複数の)試料セレクタモジュールが、共通環境制御システムを、試料保管設備100、100’の(保管区域110A、110Bなどの)他の構成要素と共有してもよい。他の態様では、冷却または環境制御システムが設けられなくてもよい。
【0019】
図1Dも参照すると、1つまたは複数の試料セレクタ190、190’が搬送シャトル112と共に一体となって移動するように、1つまたは複数の試料セレクタモジュール190、190’は(および、一部の場合では、それぞれの冷却システム190Rも)、たとえば、搬送シャトル112に取り付けられてもよい。ここで、搬送シャトル112は、試料トレー370を保管区域110A、110B(または試料保管設備100、100’の他の任意の適切な場所)から取り出し、搬送シャトル112上に配置される1つまたは複数の試料セレクタモジュール190内に試料トレー370を設置するように構成される移送アーム112Aを含んでもよい。試料トレー370からの1つまたは複数の試料は、仕分けされてもよく、および/または、移送元トレーを保管区域110A、110Bに戻るように設置させる試料セレクタモジュール190、190’内で、移送元トレーと移送先トレーとの間などの、別のトレーに移送されてもよい。一態様では、移送元および/または移送先トレーは、準最適マイクロプレート200であってもよい。理解できるように、試料保管区域が、搬送シャトル112が動作する同じ温度である態様では、試料セレクタモジュール190、190’は、温度制御環境を有しなくてもよいが、搬送シャトル動作環境に対し開放されていてもよい。
【0020】
任意の適切な制御装置170が、有線または無線接続などの任意の適切な方法で試料保管設備100、100’に接続されてもよい。制御装置170は、本明細書において説明される方法で、試料保管設備100、100’の動作を制御するように構成されてもよい。たとえば、制御装置170は、任意の適切な記憶装置および処理装置を含んでもよく、どの試料が、試料保管設備100、100’に挿入されるか、および/または試料保管設備100、100’から取り出されるか、ならびに試料保管設備100、100’内での各試料の場所を追跡するように構成されてもよい。制御装置170は、また、試料保管設備内の自動作業を制御するように構成されてもよく、自動作業は、限定されないが、本明細書において説明されるように試料を移送する搬送シャトル112および試料セレクタモジュール190を含む。一態様では、制御装置170は、高密度試料保管トレー370の容量に対して有効/最適分配で、高密度試料保管トレー370内における試料保管および搬送管250の保管をもたらすように構成される。
【0021】
図2A、
図2C、および
図3を参照すると、開示される実施形態の態様によれば、試料保管設備100、100’は、9mm未満の直径を有する、すなわち標準形式のSBS試料トレーの試料保持領域または容器の間のピッチの、従来の9mm試料管2000(
図7参照)よりも小さい試料管250を保管および搬送するように構成される。開示される実施形態の態様によると、試料管250のそれぞれは、試料保持部251と、任意の適切な材料で作製されてもよいキャップ252とを有する。一態様では、キャップ252は、任意の適切なプラスチック、ガラスが充填されたプラスチック複合材、ゴム、または他の任意の適切な材料で作製されてもよい。試料保持部251は、中心軸または縦方向軸CXに沿って縦方向に延在する少なくとも1つの周壁251Wを含んでもよく、少なくとも1つの周壁251Wは、開口部256、および開口部256に連絡可能に接続される空洞部251Cを形成する。少なくとも1つの周壁251Wは、空洞部251Cが内部に(1つまたは複数の)試料を保持するように、試料保持部251の一方の端部において、空洞部251Cを閉鎖してもよい。理解できるように、試料保持部251は、円筒形または試験管構成などの任意の適切な形状を有してもよいが、他の態様では、試料保持部251は、任意の適切な数の周壁を備える任意の適切な構成を有してもよい。キャップ252は、試料保持部251と係合し、開口部256を閉鎖するための任意の適切な構成を有してもよい。一態様では、キャップ252は、キャップ252の外部周縁部または側部252Eを形成し、内側でキャップ252が(したがって試料管250も)、たとえば搬送シャトル112および試料セレクタモジュールのうちの1つまたは複数によって把持される範囲を画定する少なくとも1つの周壁を有する円筒形本体を有してもよい。一態様では、キャップ252および/または試料保持部251は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月27日に出願された米国特許出願第14/671,423号明細書に記載されるものと実質的に類似であってもよい。たとえば、
図2D~2Fも参照すると、キャップ252は、
図2Eに示されるように、キャップ252内に凹部253Rを形成してもよい搬送把持部接合部253を有してもよい。凹部253Rが設けられる場合、搬送シャトル112および/または試料セレクタモジュール190の把持部/搬送部は、キャップ252を(したがって試料管250も)把持するために、凹部253Rへ挿入するように構成されてもよく、その場合の把持力は径方向外側への把持力である。他の態様では、搬送把持部接合部253は、
図2Fに図示されるように、突出部253Pを形成してもよく、搬送シャトル112および試料セレクタモジュール190の把持部/搬送部が、キャップ252を(したがって試料管250も)突出部253Pで把持するように構成されてもよく、把持力は径方向内側への把持力である。他の態様では、把持部接合部253は、搬送シャトル112および試料セレクタモジュール190の磁気把持部と接合するように構成される磁気接合部を含んでもよい。さらに他の態様では、搬送把持部接合部253は、搬送シャトル112および試料セレクタモジュール190の把持部と接合するために構成される任意の適切な接合部であってもよい。
【0022】
本明細書において説明されるように、標準形式のSBSマイクロプレートは、共に既に参照により本明細書に組み込まれている(以前のANSI/SBS 4-2004として認められる)ANSI SLAS 4-2004 (R2012)および(以前のANSI/SBS 1-2004として認められる)ANSI SLAS 1-2004 (R2012)において特定されている。本明細書において説明されるように、(1つまたは複数の)試料管250が保持/保管される準最適マイクロプレート200が、以下においてより詳細に説明される標準SBSの試料トレーの実装面積およびピッチに適合するように構成される。準最適マイクロプレート200は、また、標準の96ウェルのSBSマイクロプレートまたはトレーのための標準の中心間ピッチである、試料管保持領域または容器210間の約9mmの中心間の距離またはピッチXを有してもよい。しかし、準最適マイクロプレート200が、標準SBSの実装面積、および標準SBSの中心間試料管保持領域のピッチXを有する一方で、準最適マイクロプレート200のアレイ201の管保持容器210の構成は、SBS標準の実装面積の寸法を有するマイクロプレートの密度、および(9mm管を保持する標準SBSトレーなどの)最適アレイの容積容量のための保持容器とウェブ壁の厚さとの比率に対して、準最適密度である。たとえば、少なくとも保管領域において、最適の試料密度をもたらす従来の9mm試料管の保管、および保管ラック370の、保管および搬送軸の所定の長さあたりの保管と比較したとき、準最適マイクロプレート200は、上記のように、準最適容積のアレイを提供する準最適試料管保持領域または容器210を有する(たとえば、準最適マイクロプレート200の準最適容積のアレイは、試料密度のために最適化される)。たとえば、開示される実施形態の態様によると、準最適(容積)マイクロプレート200の実装面積(たとえば長さLおよび幅W)およびピッチXが、試料管250の直径Dから(したがって管保持容器210の直径からも)切り離されるように、準最適マイクロプレート200の試料管保持領域または容器210の間のウェブ壁WBの厚さは、標準SBSマイクロプレート200Pの試料管保持領域または容器210Pの間のウェブ壁WB1(
図2B参照)と比較すると、(以下においてより詳細に説明されるように)より大きい。理解できるように、約9mmの直径の試料管を保持するように構成される管保持容器210Pを有する、従来の96ウェルのSBSマイクロプレートの管保持容器210Pのサイズおよび形状と比較すると、開示される実施形態の態様による管保持容器210のサイズおよび形状は、(容積に関して)準最適である。一態様では、試料管250のキャップ252および試料保持部251のそれぞれは、たとえば、標準形式の96ウェルのSBSマイクロプレートまたはトレーの試料管保持領域または容器間の約9mmのピッチよりも実質的に小さい直径Dを有する。一態様では、試料管250は、たとえば、円形断面、正方形断面、または(たとえば、同じ管内で)円形および正方形の組み合わせの断面を有する、任意の適切な幾何学形状を有してもよい。一態様では、試料管250は、管作業容積が約0.1mlである、約6.0mmの外径Dを有する(本明細書においては6mm管と呼称される)が、一方で、他の態様では、試料管250の直径Dは、作業容積が約0.1mlより大きい、または小さい、約6.0mmより大きい、または小さくてもよい(たとえば、5.8mmなど)。一態様では、試料管250は、任意の適切な高さHを有してもよい。一態様では、試料管250は、約0.26mlの容量を有するように延長されてもよい。一態様では、細い直径の管が、準最適または最適未満容積のマイクロプレート200、および高密度保管トレー/ラック370が組み合わされて、保管およびセレクタモジュールの保管空間の所定の長さまたは面積に対し、より多くの数の利用可能な管を取り出し装置に提供することによって、スループットの増加を提供する。一態様では、約6.8mmの直径を有する管は、約2.2mmのウェブの厚さWBを有する準最適容積のマイクロプレート内で保持されてもよく、他の態様では、以下においてより詳細に説明されるように、8mmより小さい直径を有する管は、1mmより大きいウェブの厚さWBを有する準最適容積のマイクロプレート内に保持されてもよい。理解できるように、高密度トレー/ラック370(
図3)は、約1600個の6.8mmの直径の管を保持してもよく、その結果、(容積容量について)最適化されたトレー保持9mm直径管と比較して、スループットが約1.6倍に増加する。例として、試料管250が、(たとえば、試料保持領域または容器210の間に約9mmのピッチXを有する)準最適容積のマイクロプレート200に保管されるとき、準最適マイクロプレート200に保管される試料の容積は、(たとえば、試料管250と同じまたは類似の高さHを有する)従来の9mm試料管を有する、標準の96ウェルのSBSマイクロプレートに保管される容積よりも小さい。たとえば、9mm管は、約6.83mmの内径を有してもよく、一方で、管250の内径は、約3.59mmであってもよい(他の態様では、内径は3.59mmより大きくても小さくてもよい)。したがって、同じ高さを有する管において、保管される試料の容積は、面積の比率、すなわち、1対3.62だけ、従来の試料管が大きい(たとえば、μl/試料における保管密度は、たとえば96個の管保持容器210を有する準最適マイクロプレート200に保管される試料管250のμl/試料における保管密度と比較すると、標準の96ウェル/容器のSBSマイクロプレートに保管される従来の9mm試料管がより大きい)。
【0023】
しかし、開示される実施形態の態様では、試料管250が、試料保管設備100、100’の保管区域110A、110Bに設置されるとき、試料管250が高密度/容量(HD)トレー構成内に保管されるように、高密度保管トレー/ラック370は、(たとえば、上記の従来の試料搬送および検査装置との適合性のため)試料間の標準SBSのピッチによって境界決めされない。たとえば、試料トレー370は、(たとえば、試料保持容器310間のウェブの厚さWB2が最小となるように)試料保持容器310間の最適中心間ピッチX1、X2を有し、マイクロプレート200の最適未満の容積容量に関連する容量を有する管/試料保持領域または容器310のアレイ370Aを含み、試料トレーがそれぞれ(同じ実装面積を有し、従来の9mm試料管を保持する高密度試料トレーの約2倍の保管容量であってもよい)約2000個の試料管250を保持する。理解できるように、より小さい試料管250は、(従来の9mm試料管の保管と比較すると)同じ保管サイズに対し、より多くの数の試料管250を提供する。このように試料保管設備100、100’内の試料管250数が増加すると、試料保管設備100、100’内の試料の設置/総数および試料の分配が増加する。試料の設置/総数および試料の分配の増加により、結果として、搬送システムの所定の搬送取り出し/設置動作(たとえば、搬送シャトル112および/または試料セレクタモジュール190の取り出し/設置動作など)に対する要求された試料管の「的中」または取り出しの可能性が上昇する(たとえば、試料「的中率」の上昇)。たとえば、試料トレー370上/内の試料の分配および数を増加させることにより、要求された試料が、別の試料が以前に取り出された試料トレー370(たとえば、共通トレー370)内にある可能性が上昇する。理解できるように、より多くの、保管内に設置される試料の「複製」があり、それによって、要求された試料が、取り出された試料トレー370内で利用可能である可能性が上昇する。他の態様では、所定の試料トレー370内の取り出される試料がより多くなっても、共通トレーからの取り出しがより多く提供され(たとえば、搬送シャトル112および/または試料セレクタモジュール190の試料管250取り出し装置のための中断時間が短くなり)、それによって、試料保管設備100、100’の取り出しスループットが増加する。典型的な「的中率」(たとえば、管をトレーから取り出すときに選択される管の割合)は、0.1%~2%の範囲である。0.1%では、約1000個の管を有するトレー内で取り出され得る管の数は、平均で1であり、0.2%では、トレーごとに2つの管が平均であり、以下、同様である。理解できるように、試料トレー370内の試料の数および分配が増加すると、共通トレー370から取得される試料管250の的中率が上昇し、所定の期間における共通試料トレー370からのより多くの取り出しをもたらす。一態様では、制御装置170は、試料保管および搬送管250の分配、および高密度試料保管トレー370の容量が、(たとえば、約9mmの直径の試料管を保持するための)最適容積容量配列の管保持容器を有する高容量トレーおよび保管領域の標準容量に対し、試料保管および搬送管の取り出しにおける取り出し率の上昇をもたらすように構成される。開示される実施形態の態様によると、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域は、保管のための最適試料容積容量を提供するように構成される管保持容器間の標準SBSのピッチを有する保管領域である。
【0024】
なお、今日の創薬技術は、開示される実施形態の態様により提供されるような、(従来の9mm試料管の取り出しと比較して)管取り出しスループットが増加することから利益を得る、より多くの試料のカスタムセットを組み立てることに注目している。
図4Aおよび
図4Bを参照すると、試料管直径/試料トレー容量と、一年あたりに取り出される管との関係のグラフ図が、4つの作業量シナリオに対して提供される。
図4Aおよび
図4Bのグラフは、(たとえば、様々なサイズおよび応答時間の要件の複数命令の)現実の命令シナリオ、ならびに
図1Aおよび
図1Bに図示される通路の狭い保管構造をモデルとする。
図4Aおよび
図4Bに見られるように、(たとえば、約6mmの直径を有する)小型の試料管250は、開示される実施形態の態様によると、取り出される試料において、従来の9mm試料管に対し約70%の増加を提供することが可能であり、各試料トレーに約1000個保管される従来の9mm試料管と比較して、各試料トレー370に約2000個の試料管250が保管される。
【0025】
さらに、上記のように、試料保管設備100、100’は、また、準最適マイクロプレート200によって形成される保管アレイ140を含む(上に説明されたように、保管領域/アレイ110A、110Bの一部も、準最適マイクロプレート200によって形成されてもよい)。一態様では、保管アレイ140は、試料保管設備100、100’からの試料の充填および取り出しに関連するバッファリングまたは設置などのために、試料保管設備100、100’中の適切な場所または(固定もしくは可動の)ステーションに設置される、または位置する1つまたは複数の準最適マイクロプレート200によって形成されてもよい。保管アレイ140は、また、外部の適した設備内における試料の搬送または移送に関連して、試料保管設備100、100’内の中間保管領域を画定してもよい。一態様では、保管アレイ140は、試料保管設備100、100’の保管区域110A、110Bから分離し、別個であり、たとえば、設備間搬送のためのバッファ場所または設置場所である。一態様では、(1つまたは複数の)マイクロプレート200の試料管保持容器または領域210は、試料保管設備100、100’内の試料管250のための保管アレイ140を画定する。また、上記のように、準最適(容積)マイクロプレート200は、共に既に参照によりその全体が本明細書に組み込まれている(以前のANSI/SBS 4-2004として認められる)ANSI SLAS 4-2004 (R2012)および(以前のANSI/SBS 1-2004として認められる)ANSI SLAS 1-2004 (R2012)に記載される標準SBS試料トレーの実装面積およびピッチに適合するように構成される。たとえば、準最適マイクロプレート200は、約127.76mmの長さL、および約85.48mmの幅を有してもよい。準最適マイクロプレート200は、また、標準の96ウェルのSBSマイクロプレートまたはトレーのための標準の中心間ピッチである、約9mmの、試料管保持領域または容器210の間の中心間の距離またはピッチXを有してもよい。しかし、準最適マイクロプレート200が、標準SBS実装面積、および標準SBSの中心間の試料管保持領域のピッチXを有する一方で、たとえば、少なくとも保管領域において、最適の試料密度をもたらす従来の9mm試料管の保管、および保管ラック370の、保管および搬送軸の所定の長さあたりの保管と比較したとき、準最適マイクロプレート200は、上記のように、準最適容積密度を提供する準最適試料管保持領域または容器210を有する(たとえば、準最適マイクロプレート200の準最適容積のアレイは、試料密度のために最適化される)。たとえば、開示される実施形態の態様によると、準最適マイクロプレート200の実装面積(たとえば長さLおよび幅W)およびピッチXが、試料管250の直径Dには(したがって管保持容器210の直径にも)依存しないように、最適マイクロプレート200の試料管保持領域または容器210の間のウェブ壁WBの厚さは、標準SBSマイクロプレート200P(上記のANSI SLAS 4-2004 (R2012)およびANSI SLAS 1-2004 (R2012)参照)の試料管保持領域または容器210Pの間のウェブ壁WB1(
図2B参照)と比較すると、より大きい。一態様では、準最適マイクロプレートは、約8mm~約10mmの間のピッチX、および、少なくとも約1mmより大きく、一態様では、約1mm~約3mmよりも大きいウェブ壁の厚さWBを有してもよい。一態様では、(1つまたは複数の)マイクロプレート200の試料管保持容器または領域210が、容器210の中心間ピッチX、および容器210間のウェブ壁の厚さWBを有し、ウェブ壁の厚さは、少なくともピッチXの約10%よりも大きい。他の態様では、ウェブ壁の厚さWBは、少なくともピッチXの約20%であり、一方で、さらに他の態様では、ウェブ壁の厚さWBは、ピッチXの約10%~約25%よりも大きい。さらに、本明細書において(1つまたは複数の)96ウェルのマイクロプレートを説明するが、開示される実施形態の態様は、たとえば、384ウェルの管ラックなど、他の保管ラック容量に適応可能であることが理解されるべきである。たとえば、384ウェルの管ラックは、約4.5mmのSBSの標準のピッチを有し、管は、概してピッチよりも若干小さい。いくつかの態様では、384ウェルのマイクロプレート用の管は、約3mm~約4mmの直径を有してもよく、384ウェルのマイクロプレートのウェブ壁の厚さは、少なくとも約0.5mm、一態様では約0.5mm~約1.5mmとなる。いくつかの場合において、384ウェルのマイクロプレートのウェブ壁の厚さは、少なくともピッチの約10%よりも大きい。他の態様では、384ウェルのマイクロプレートのウェブ壁の厚さは、ピッチの約20%よりも大きく、一方で、さらに別の態様では、ウェブ壁の厚さは、ピッチの約10%~約25%よりも大きい。なお、
図2Bに示される最適マイクロプレートは、ピッチの10%よりも小さいウェブ壁の厚さWB1を有する。一態様では、ウェブ壁の厚さに対する上記のピッチは、上に説明された、約6.8mmの直径、および約8mmの直径の管にも適用される。上記のように、管保持容器210のサイズおよび形状は、開示される実施形態の態様によると、約9mmの直径の試料管を保持するように構成される管保持容器210Pを有する従来の96ウェルのSBSマイクロプレートの管保持容器210Pのサイズおよび形状と比較すると、準最適である。
【0026】
一態様では、各準最適マイクロプレート200は、プレートフレーム200F、およびフレーム200F内に形成される管保持領域または容器210の所定のアレイ201を含む。上記のように、所定のアレイ201の管保持容器210は、所定のアレイ201に対応するSBS標準のピッチXを有して配列される。所定のアレイ201の管保持容器210のそれぞれは、試料管250を保持するように構成される準最適サイズおよび形状を有し、試料管250は、試料保管設備100、100’の保管領域140内の保管部において、(1つまたは複数の)試料検体を含むように配置される。一態様では、準最適管保持容器210は、所定のアレイ201によって画定される試料容積容量が最適未満の容積容量であるように所定のアレイ201の管保持容器210が配列されるフレーム200F内で、試料管250を保持するために、試料管250の壁251Wと係合するように成形される。一態様では、準最適管保持容器210は、フレーム200F内で試料管250を保持するために、試料管250の壁251Wと適合して係合するように成形される。たとえば、準最適マイクロプレート200内の試料管250のアレイ210内に保持される試料の容積は、従来の9mmの試料管を備える標準の96ウェルのSBSマイクロプレートのアレイ201P(
図2B参照)内に保持される試料の容積より小さい。一態様では、所定のアレイ201内の管保持容器210の構成は、標準SBSのピッチXを有する標準SBSマイクロプレート200Pに対し、準最適密度を提供する。たとえば、上記のように、管保持容器210間のウェブWBの厚さは、従来の9mm試料管を保持するように最適化される標準の96ウェルのSBSマイクロプレート200Pと比較すると増加し、標準SBSマイクロプレート200Pは、(たとえば、9mm試料管を保持するために)管保持容器210P間のウェブWB1の厚さを最小化し、管保持容器210Pのサイズを最大化する、管保持容器210Pのアレイ201Pを有して最適化される。理解できるように、管保持容器210間のウェブWBが増加するため、管保持容器210によって保持される試料管250のサイズもまた、準最適である。理解できるように、および開示される実施形態の態様に反して、試料トレーの実装面積(たとえば、長さLおよび幅W)、試料保持容器210P間のピッチX、および試料管のサイズは、9mmの試料管を保持するために最適化される標準型式の96ウェルのSBSマイクロプレート200Pのために、密接に関連付けられる/結び付けられる。
【0027】
開示される実施形態の態様によると、試料処理/調製モジュール(たとえば、ワークステーション)163、または限定しないが、反応調製モジュール、マルチチップピペットステーション、自動キャップ取外しおよび交換ステーション、(たとえば、試料管250上の2次元コードを読むための)コード読取りステーション、管密閉ステーション、および管穿孔ステーションを含む他の任意の適切な実験室の場所への試料管250の搬送などのため、マイクロプレート200は、試料保管設備100、100’内の保管領域140(および/または保管区域110A、110Bの少なくとも一部)、ならびに試料保管設備100、100’の外部の試料管250のための搬送キャリッジの両方を形成する。一態様では、試料管250は、試料処理/調製モジュールに配置される音響分注装置、または他の任意の適切な分注装置と相互作用するように構成される。たとえば、上記のように、試料保管設備100、100’は、一態様では、搬送シャトル112および/または試料セレクタモジュール190を含む自動保管および取り出しシステムを含む。一態様では、試料セレクタモジュール190は、マイクロプレート200によって形成される保管領域140内における設置および保管のために、高密度保管トレー370から1つまたは複数の試料管250を取り出し、1つまたは複数の試料管250をマイクロプレート200へと移送する。他の態様では、試料セレクタモジュール190は、保管区域110A、110B内における設置および保管のために、マイクロプレート200から1つまたは複数の試料管250を取り出し、1つまたは複数の試料管250を高密度保管トレー370へと移送する。一態様では、試料保管設備100、100’内の保管領域またはアレイ140は、マイクロプレート200の管保持容器210の所定のアレイ201によって形成される(たとえば画定される)。本明細書において説明されるように、自動保管および取り出しシステムは、所定のスループット容量で、試料保管区域110A、110Bから保管アレイ140へ、試料保管および搬送管を自動で保管および取り出すように構成される。一態様では、所定のアレイ201の管保持容器250の準最適密度が、(高密度トレー370中などの管保持容器310に類似の)最適容積容量配列の試料管容器を有する(保管区域110A、110Bと類似であるが、9mm試料管を保持するように構成される)保管領域に対し、試料保管区域110A、110Bから保管アレイ140への試料保管および搬送管250のスループットの増加をもたらすように、保管アレイ140は、自動保管および取り出しシステムの(またはその少なくとも一部の)所定のスループット容量と釣り合う。一態様では、所定のアレイ201の管保持容器250の準最適密度が、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対し、自動保管および取り出しシステムの、保管アレイへの所定の移送動作についての、試料保管区域110A、110Bから保管アレイ140への試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、保管アレイ140と自動保管および取り出しシステムとは釣り合う。
【0028】
一態様では、(1つまたは複数の)マイクロプレート200の所定のアレイ201の管保持容器250の準最適密度は、試料保管設備100、100’、自動保管および取り出しシステムまたは少なくともその一部の特徴と適合し、または釣り合い、自動保管および取り出しシステムは、シャトル112および/または試料セレクタモジュール190を含む。たとえば、マイクロプレート200(および/または高密度トレー370)の試料管保持容器210内など、試料保管設備100、100’内における試料管250の分配は、スループットのために最適化される。一態様では、試料保管区域110A、110B内における管の分配および設置は、試料保管区域110A、110Bが、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対し、試料保管区域110A、110Bから保管アレイ140への、試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらす試料保管および搬送管容量を有するように、保管アレイ140と釣り合う。一態様では、高密度トレー370の保管容量は2倍になり(たとえば、従来の9mm試料管を保持するトレーと比較して、トレー370あたりに約2000個の試料管250)、試料管250は、高密度トレー370内に有効/最適分配で配置される。有効/最適分配は、例示目的のため、疑似ランダム分配、規則に基づく重み付け分配、または、所定の高密度トレー370内で所定の試料管250を見つけ出す確率が最大となる他の任意の分配などの、任意の適切な分配であってもよい。ここで、試料管250の保管密度および/または有効分配の増加は、与えられた保管空間に対する的中率、および搬送動作(たとえば、試料セレクタモジュール190の、高密度トレー370からマイクロプレート200までの取り出し配置動作)の最適化をもたらす。一態様では、再度
図4Aおよび
図4Bを参照すると、高密度トレー370の容量および/または有効分配を2倍にすることで、たとえば9mm試料管を使用する保管システムと比較すると、約2倍の取り出しの効率、および約2倍の自動保管および取り出しシステムのスループットが提供される。たとえば、
図4Aおよび
図4Bに図示されるように、9mm試料管を使用するシステムにおいて取り出される管の数は、トレーあたり約1000個の試料管の保管トレー容量で表されてもよく、一方で、開示される実施形態の態様による試料保管設備100、100’は、トレー370あたり約2000個の試料管250の保管トレー容量で表される。上記のように、開示される実施形態の態様は、従来の9mm試料管に対して、取り出される試料の約70%の増加を提供してもよく、
図4Aおよび
図4Bに図示されるように、各試料トレー上に保管される約1000個の従来の9mm試料管と比較して、約2000個の試料管250が各試料トレー370上に保管される。
【0029】
一態様では、試料管370の有効分配の最適化は、試料保管設備100、100’に接続される任意の適切な制御装置170によって提供されてもよい。一態様では、有効分配の最適化は、試料管250を試料トレー370内の関連する位置に設置するように構成される、任意の適切な規則に基づく重み付けまたはバイアスアルゴリズムを利用してもよい。一態様では、関連する位置は、試料管250中に保持される試料に対して行われる試験の頻度、試料管250中に保持される試料に対して行われる試験の種類、試料管250中に保持される試料の種類、試料管250内の試料/検体間の相互関係、または他の任意の適切な基準などの試料管250の所定の特徴と関連してもよい。たとえば、一態様では、基準は、共通トレー370を使用してグループ化されてもよい、出力のための命令を含むが、一方で他の態様では、基準は、取り出し装置への最も良い送達時間を提供することになる、試料保管システム100中に位置するトレーを含んでもよい。さらに他の態様では、共に取り出される見込みのある試料が共通のトレー内に共に保管されるように、試料は保管部内で整理されてもよい。いくつかの実施形態では、制御装置170は、共に取り出される見込みのある試料が共通のトレー上に共に保管されるように、たとえば、入力/出力の中断時間の間に、保管部内における試料の再整理を指示してもよい。いくつかの実施形態では、制御装置は、以後の試料の取り出しを予測するため、および保管部内のトレー上における試料の効率的な整理を決定し、もたらすために、取り出し履歴データを使用してもよい。他の態様では、制御装置170は、大規模な命令に対しては、試料取り出しシーケンスにおいて先読みし、トレーへのアクセスがより効率的となるように、任意の適切な命令において、試料に対応するトレーを取り出すように構成されてもよい。
【0030】
マイクロプレート200中で試料管250が位置付けられると、試料管250は、マイクロプレート200から試料管250のどのような追加の受け渡しもなく(たとえば、試料管250は、試料保管設備100、100’を出入りする間、マイクロプレート200内に留まる)、たとえば、入力/出力モジュール130によって保管部140から取り出され、たとえば、試料処理/調製モジュール163(または、たとえば、本明細書において説明されるものなどの実験室内の他の任意の適切な場所)へと移送される。そのようにして、準最適アレイ201の密度(たとえば、最適未満の容積容量)のマイクロプレート200は、試料保管設備100、100’内/外へ入力/出力され、試料保管設備100、100’内の試料保管領域140と、試料処理/調製モジュール163などの任意の適切な試料処理モジュールとの間で移送される搬送キャリッジを提供する、または形成する。
【0031】
次に
図1A~1F、
図2A、
図2C、および
図5を参照して、試料保管設備100、100’の例示的動作を説明する。一態様では、搬送シャトル112は、1つまたは複数の高密度トレー370を、保管区域110A、110Bのうちの1つまたは複数から取得する、または取り出す(
図5、ブロック1500)。搬送シャトル112は、1つまたは複数の高密度トレー370を試料セレクタモジュール190に移送し、1つまたは複数の高密度トレー370を試料セレクタモジュール190の1つまたは複数の保持領域300A~300C内に挿入する(
図5、ブロック1505)。搬送シャトル112は、また、準最適試料管保持マイクロプレート200を、試料セレクタモジュール190の1つまたは複数の保持領域300A~300Cに設置してもよい(
図5、ブロック1510)が、その一方で、他の態様では、マイクロプレート200は、任意の適切な方法で試料セレクタモジュール内に設置されてもよい。一態様では、少なくとも1つの移送アーム部400Aは、たとえば、1つまたは複数の試料管250を自動試料保管設備100、100’の高密度保管トレー370から、試料保管設備100、100’の準最適試料管保持マイクロプレート200に移送してもよい(
図5、ブロック1515)。
【0032】
上記のように、準最適試料管保持マイクロプレート200が、プレートフレーム200F内に形成される管保持容器210の所定のアレイ201を有し、所定のアレイ201の管保持容器210は、所定のアレイ201に対応するSBS標準のピッチXを有し、保管部内で試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管250を内部に保持し、試料保管および搬送管250の、試料処理/調製モジュール163への送達をもたらすように構成され、管保持容器210の所定のアレイ201は、管保持マイクロプレート200の容積容量を画定し、管保持容器210のそれぞれは、試料保管および搬送管250の壁251Wと適合するように係合して、試料保管および搬送管250を保持するように成形され、所定のアレイ201の管保持容器210は、管保持容器210の所定のアレイ201によって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量であるように配列される。
【0033】
一態様では、追加の試料管250をマイクロプレート200に移送するために、高密度トレー370は、試料セレクタモジュール190から取り出され、別の高密度トレー370と取り換えられてもよい。他の態様では、追加の試料管250を準最適マイクロプレートに移送するために、マイクロプレート200が、試料セレクタモジュール190から取り出され、別の試料セレクタモジュール190に移送されてもよい。一態様では、(1つまたは複数の)試料セレクタモジュール130が、保管区域110A、110Bと、準最適マイクロプレート200によって形成される試料保管領域140との間で(たとえば、保管区域110A、110Bへ、または保管区域110A、110Bから)試料搬送/取り出しチェーンまたは通路の一部を形成するように、搬送シャトル112は、マイクロプレート200を試料セレクタモジュール190から取り出し、マイクロプレートを保管領域140に移送する。他の態様では、マイクロプレート200は、搬送シャトル112によって、試料セレクタモジュール130から入力/出力モジュール130に移送されてもよい。
【0034】
一態様では、最適未満の容積容量の管保持マイクロプレート200内に保管される試料管250が、たとえば、保管領域140から自動試料保管設備100、100’内外に移送される(
図5、ブロック1520)。たとえば、一態様では、搬送シャトル112は、マイクロプレート200を試料セレクタモジュール190から取り出し、試料セレクタモジュール190を入力/出力モジュール130に移送してもよい(
図5、ブロック1525)。一態様では、搬送シャトル112は、マイクロプレート200の入力/出力モジュール130への移送の前に、マイクロプレート200を保管領域140に移送する。マイクロプレート200は、本明細書において説明されるものなどの試料処理/調製モジュール163などの任意の適切な処理モジュールへのマイクロプレート200の搬送のための任意の適切な自動操作で、または人員によってなどの任意の適切な方法で、試料保管設備100、100’から、入力/出力モジュール130によって取り出されてもよい。
【0035】
図6も参照すると、試料管250は、上記のものと実質的に反対の方法で試料保管設備100、100’に入力されてもよい。たとえば、試料を含む試料管250が、(1つまたは複数の)マイクロプレート200に設置される、または(1つまたは複数の)マイクロプレート200中に事前に配置される。1つまたは複数のマイクロプレート200は、自動搬送で、または人員による搬送によって、などの任意の適切な方法で、入力/出力モジュール130に移送される(
図6、ブロック1600)。搬送シャトル112は、(1つまたは複数の)マイクロプレート200を入力/出力モジュール130から取り出してもよく、一態様では、マイクロプレート200を保管領域140に移送してもよい(
図6、ブロック1605)。搬送シャトル112は、マイクロプレートを保管領域140から試料セレクタモジュール190に搬送してもよく、上記のように、試料セレクタモジュール190は、準最適マイクロプレート200によって形成される試料保管領域140と保管区域110A、110Bとの間で(たとえば、試料保管領域140へ、または試料保管領域140から)試料搬送/取り出しチェーンまたは通路の一部を形成する(
図6、ブロック1610)。他の態様では、搬送シャトル112は、マイクロプレート200を、入力/出力モジュール130から試料セレクタモジュール190に移送する(
図6、ブロック1615)。
【0036】
一態様では、搬送シャトル112は、1つまたは複数の高密度トレー370を試料セレクタモジュール190の保持領域300A~300C内に入力し(
図6、ブロック1620)、試料管250は、マイクロプレート200から、有効分配などで、上記のような高密度トレー370の1つまたは複数に移送される(
図6、ブロック1625)。高密度トレー370は、搬送シャトル112によって試料セレクタモジュール190から取り出され、保管区域110A、110Bに移送される(
図6、ブロック1630)。
【0037】
一態様では、
図7および8を参照すると、各試料管250が、試料検体容積2000Vのうちそれぞれの所定の量または部分2000VA、2000VB、2000VCを保持し、それによって、管2000内に保持される試料の任意の適切な数の複製が、保管部内での設置のために作製されるように、従来の9mm試料管2000中に保持される、または従来の9mm試料管2000に対応する所定の試料検体容積2000Vが、2つ以上の試料保管および搬送管250に分配される(
図8、ブロック8000)。一態様では、2つ以上の試料管250(たとえば、試料管2000から得られる試料の複製)が、保管区域110A、110Bなどの保管部に搬送されるために、1つまたは複数の高密度トレー370に設置される(
図8、ブロック8001)。一態様では、試料管250は、関連する試料管250の最適分配、または規則に基づく重み付き分配、または本明細書に記載される他の適切な基準を基にして、(たとえば、1つまたは複数の試料セレクタモジュール190、190’によって)1つまたは複数の高密度トレー370内に分配される(
図8、ブロック8002)。また、本明細書において説明されるように、共通の管2000からの試料を含む管がより多く取り出し装置に提供されるように、共通の管2000から得られる試料の複数の複製が、共通の高容量トレー370内に設置されてもよい。高容量トレー370は、たとえば1つまたは複数の試料セレクタモジュール190、190’から、搬送部112によって取り出され、任意の適切な方法で、保管のため、保管区域110A、110Bのうちの1つまたは複数に搬送される(
図8、ブロック8003)。別の態様では、2つ以上の試料管250(たとえば、試料管2000から得られる試料の複製)が、試料保管区域110A、110Bなどの保管部に搬送されるために、1つまたは複数の準最適容積のトレー200に設置される(
図8、ブロック8005)。一態様では、試料管250は、高容量トレー370に関する上記のものと実質的に類似の方法で、関連する試料管250の最適分配、または規則に基づく重み付き分配、または他の適切な基準を基にして、(たとえば、1つまたは複数の試料セレクタモジュール190、190’によって)1つまたは複数の準最適容積のトレー200内に分配される(
図8、ブロック8006)。また、本明細書において説明されるように、共通の管2000からの試料を含む管がより多く取り出し装置に提供されるように、共通の管2000から得られる試料の複数の複製が、共通の準最適容積のトレー200内に設置されてもよい。準最適容積のトレー200は、たとえば、1つまたは複数の試料セレクタモジュール190、190’から、搬送部112によって取り出され、任意の適切な方法で、保管のため、保管区域110A、110Bのうちの1つまたは複数に搬送される(
図8、ブロック8007)。上記のように、一態様では、高容量トレー370および準最適容積のトレー200の両方が、保管区域110A、110B内に保管されるが、その一方で、他の態様では、高容量トレー370または準最適容積のトレー200のうちの1つが保管区域110A、110B内に保管される。さらに他の態様では、高容量トレー370は、保管区域110A、110Bの一方に保管されてもよく、その一方で、準最適容積のトレー200は、保管区域110A、110Bの他方に保管されてもよい。
【0038】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムが、管保持マイクロプレートを備え、管保持マイクロプレートが、プレートフレームと、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、所定のアレイに対応するSBS標準ピッチを有し、自動試料検体保管システムの試料保管部内でそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持し、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすように構成され、管保持容器の所定のアレイが、管保持マイクロプレートの容積容量を画定する、管保持容器の所定のアレイと、試料保管および搬送管の壁と係合し、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される管保持容器のそれぞれであって、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される、管保持容器のそれぞれと、を含む。
【0039】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、所定のアレイの管保持容器の構成が、標準SBSマイクロプレートの標準ピッチの密度に対して、準最適密度である。
【0040】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、管保持容器の所定のアレイが、試料保管および搬送管のための、自動試料検体保管システム内の保管アレイを画定する。
【0041】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムは、自動保管および取り出しシステムをさらに備え、自動保管および取り出しシステムが、所定のスループット容量で、試料保管部から保管アレイまで、試料保管および搬送管を自動で保管し、取り出すように構成され、保管アレイは、所定のアレイの準最適密度が、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、試料保管部から保管アレイへの試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、自動保管および取り出しシステムの所定のスループット容量と釣り合う。
【0042】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、保管アレイならびに自動保管および取り出しシステムは、所定のアレイの準最適密度が、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、自動保管および取り出しシステムの保管アレイへの所定の移送動作についての、試料保管部から保管アレイへの試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらすように、釣り合う。
【0043】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムが、試料保管および搬送管を保管するように構成される保管区域と、保管区域と保管アレイとの間に配置される試料セレクタモジュールとを備え、試料セレクタモジュールが、保管区域と保管アレイとの間に、試料搬送および取り出し通路の一部を形成する。
【0044】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、保管アレイが、自動試料検体保管システムの試料保管部から分離し、別個である。
【0045】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管部内の管の分配および配置は、試料保管部が、最適容積容量配列の管保持容器を有する保管領域に対して、試料保管部から保管アレイへの試料保管および搬送管のスループットの増加をもたらす試料保管および搬送管容量を有するように、保管アレイと釣り合う。
【0046】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムが、管保持容器間で最適中心間ピッチを有し、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に関連する容量を有する管保持容器のアレイを含む高容量試料保管トレーと、高容量試料保管トレーの容量に対して有効分配で、高密度試料保管トレー内における試料保管および搬送管の保管をもたらすように構成される制御装置と、をさらに備える。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、制御装置は、試料保管および搬送管の分配、ならびに高密度試料保管トレーの容量が、最適容積容量配列の管保持容器を有する高容量トレーおよび保管領域の標準の容量に対して、試料保管および搬送管の取り出しにおける取り出し率の増加をもたらすように構成される。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、プレートフレームの実装面積およびSBS標準ピッチが、試料保管および搬送管の直径から切り離されている。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムは、密閉された内部を有するハウジングをさらに備え、管保持マイクロプレートが、管保持マイクロプレートに保持される試料保管および搬送管の、密閉された内部とワークステーションとの間での移送をもたらすために、密閉された内部へ、および密閉された内部から移送するように構成される。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管のそれぞれが、約6mmの直径を有する。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、所定のアレイに対応するSBS標準ピッチが、約9mmのピッチである。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、管保持マイクロプレートを設けることを含み、管保持マイクロプレートは、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、所定のアレイに対応するSBS標準ピッチを有し、自動試料検体保管システムの試料保管部内で試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持し、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすように構成され、管保持容器の所定のアレイが、管保持マイクロプレートの容積容量を画定する、管保持容器の所定のアレイと、試料保管および搬送管の壁と係合し、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される管保持容器のそれぞれであって、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される、管保持容器のそれぞれと、を含み、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、自動試料検体保管システム内において、および自動試料検体保管システム内外への搬送のために、最適未満の容積容量の管保持マイクロプレート内の試料保管および搬送管内に検体を保管することを含む。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法が、管保持マイクロプレートによって形成される保管区域と保管領域との間の通路に沿って配置される試料セレクタモジュールによって、保管区域と管保持マイクロプレートとの間で試料保管および搬送管を移送することをさらに含む。
【0054】
方法が、管保持容器間で最適中心間ピッチを有し、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に関連する容量を有する管保持容器のアレイを含む高容量試料保管トレーを設けることをさらに含み、試料保管および搬送管は、高容量試料保管トレーの容量のための最適分配で、高容量試料保管トレー内に配置される。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法が、試料セレクタモジュールを用いて、管保持マイクロプレートと、1つまたは複数の高容量試料保管トレーとの間で、試料保管および搬送管を移送することをさらに含む。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、1つまたは複数の高容量試料保管トレー内の関連する位置に試料保管および搬送管を設置するために、高容量試料保管トレー内における管保管分配を重み付けまたはバイアスする規則に基づいて、1つまたは複数の高容量試料保管トレー内に配置される。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、試料保管および搬送管を高容量試料保管トレーから取り出すための取り出し率が、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に基づいて、自動試料検体保管システムの試料保管部の所与の保管空間のために最適化されるように、1つまたは複数の高容量試料保管トレー内に配置される。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、試料保管および搬送管を高容量保管トレーから取り出すための取り出し率が、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に基づいて、試料保管および搬送管を自動試料検体保管システム内で移動させる、自動保管および取り出しシステムの所与の搬送運動のために最適化されるように、1つまたは複数の高容量保管トレー内に配置される。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法が、試料保管および搬送管を、自動保管システムの高容量試料保管トレーから自動保管システムと相互作用する管保持マイクロプレートに移送することを含み、マイクロプレートは、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、所定のアレイに対応するSBS標準ピッチを有し、自動試料検体保管システムの試料保管部内にそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持し、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすように構成され、管保持容器の所定のアレイが、管保持マイクロプレートの容積容量を画定する、管保持容器の所定のアレイと、試料保管および搬送管の壁と係合し、試料保管および搬送管を保持するように成形される管保持容器のそれぞれであって、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される、管保持容器のそれぞれと、を含み、方法が、最適未満の容積容量の管保持マイクロプレート内に保管される管を、自動保管システム内外に搬送することを含む。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、方法が、自動保管システムの保管区域と、管保持マイクロプレートによって形成される保管領域との間の通路に沿って配置される試料セレクタモジュールによって、高容量保管トレーと管保持マイクロプレートとの間で試料保管および搬送管を移送することをさらに含む。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、高容量保管トレーの容量のための最適分配で、高容量保管トレー内に配置される
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、1つまたは複数の高容量保管トレー内の関連する位置に試料保管および搬送管を設置するために、高容量保管トレー内における管保管分配を重み付けまたはバイアスする規則に基づいて、高容量保管トレー内に配置される。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、試料保管および搬送管を高容量保管トレーから取り出すための取り出し率が、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に基づいて、自動保管システムの試料保管部の所与の保管空間のために最適化されるように、1つまたは複数の高容量保管トレー内に配置される。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料保管および搬送管は、試料保管および搬送管を高容量保管トレーから取り出すための取り出し率が、管保持マイクロプレートの最適未満の容積容量に基づいて、試料保管および搬送管を自動保管システム内で移動させる、自動保管および取り出しシステムの所与の搬送動作のために最適化されるように、高容量保管トレー内に配置される。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、9mmの直径の試料管に対応する所定の試料検体容積が、2つ以上の試料保管および搬送管に分配され、最適分配、または関連する試料保管および搬送管の、規則に基づく重み付け分配に基づいて、試料保管部内に分配される。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムが、管保持マイクロプレートを備え、管保持マイクロプレートが、プレートフレームと、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、約8mmから約10mmまでのピッチ、および少なくとも約1mmのウェブ壁の厚さを有し、自動試料検体保管システムの試料保管部内でそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持し、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすように構成され、管保持容器の所定のアレイが、管保持マイクロプレートの容積容量を画定する、管保持容器の所定のアレイと、試料保管および搬送管の壁と係合し、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される管保持容器のそれぞれであって、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される、管保持容器のそれぞれと、を含む。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、所定のアレイの管保持容器の構成が、SBS標準の実装面積の寸法を有するマイクロプレートの密度、および最適アレイ容積容量のための保持容器とウェブ壁の厚さとの比率に対して、準最適密度である。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェブ壁の厚さが約1mm~約3mmよりも大きい。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、自動試料検体保管システムが、管保持マイクロプレートを備え、管保持マイクロプレートが、プレートフレームと、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、管保持容器の中心間のピッチ、および容器間のウェブ壁の厚さを有し、ウェブ壁の厚さが、少なくともピッチの約10%よりも大きく、自動試料検体保管システムの試料保管部内でそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持し、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすように構成され、管保持容器の所定のアレイが、管保持マイクロプレートの容積容量を画定する、管保持容器の所定のアレイと、試料保管および搬送管の壁と係合し、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される管保持容器のそれぞれであって、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される、管保持容器のそれぞれと、を含む。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、管保持マイクロプレートを設けることを含み、管保持マイクロプレートは、プレートフレームと、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、約8mmから約10mmまでのピッチ、および少なくとも約1mmのウェブ壁の厚さを有し、自動試料検体保管システムの試料保管部内でそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持するように構成され、管保持容器のそれぞれは、試料保管および搬送管の壁と係合して、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される、管保持容器の所定のアレイと、を含み、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすことを含み、管保持容器の所定のアレイは、管保持マイクロプレートの容積容量を画定し、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、所定のアレイの管保持容器の構成が、SBS標準の実装面積の寸法を有するマイクロプレートの密度、および最適アレイ容積容量のための保持容器とウェブ壁の厚さとの比率に対して、準最適密度である。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、ウェブ壁の厚さが約1mm~約3mmよりも大きい。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によると、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、管保持マイクロプレートを設けることを含み、管保持マイクロプレートは、プレートフレームと、プレートフレーム内に形成される管保持容器の所定のアレイであって、所定のアレイの管保持容器が、管保持容器の中心間のピッチ、および容器間のウェブ壁の厚さを有し、ウェブ壁の厚さが、少なくともピッチの約10%よりも大きく、自動試料検体保管システムの試料保管部内でそれぞれが試料検体を含むように配置された試料保管および搬送管を内部に保持するように構成され、管保持容器のそれぞれは、試料保管および搬送管の壁と係合して、試料保管および搬送管のそれぞれの1つを保持するように成形される、管保持容器の所定のアレイと、を含み、試料検体を自動試料検体保管システム内に保管するための方法が、試料保管および搬送管を用いて試料保管部からワークステーションへの送達をもたらすことを含み、管保持容器の所定のアレイは、管保持マイクロプレートの容積容量を画定し、所定のアレイの管保持容器は、管保持容器の所定のアレイによって画定される管保持マイクロプレートの容積容量が最適未満の容積容量になるように配列される。
【0074】
上記の記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことを理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、相互に異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することが出来ないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。