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特許7530706レセプト請求ファイル作成方法、レセプト請求ファイル作成システムおよびレセプト請求ファイル作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】レセプト請求ファイル作成方法、レセプト請求ファイル作成システムおよびレセプト請求ファイル作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240801BHJP
【FI】
G16H40/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019091738
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020187552
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.[集会名] 新製品発表記者会見(「共通基盤システム」発表会) [開催場所] 東京都中央区京橋1丁目10番7号 KPR八重洲ビル11階Oルーム [開催日] 平成30年11月14日 2.[発行者名] 株式会社薬事日報社 [刊行物名] 薬事日報 平成30年11月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599020519
【氏名又は名称】株式会社イーエムシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】國光 宏昌
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-099978(JP,A)
【文献】特開2016-027466(JP,A)
【文献】特開2015-153344(JP,A)
【文献】特開2004-240524(JP,A)
【文献】特開2015-090550(JP,A)
【文献】特開2011-118538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えてレセプト審査機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルの作成を新レセプト請求ファイル作成システムが行うレセプト請求ファイル作成方法であって、
前記レセプト請求ファイル作成方法は、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを月中に行った場合においても、入れ替え後の前記新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト請求ファイルの作成を行うことを可能とするレセプト請求ファイル作成方法であり、
前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された前記レセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込む読み込みステップと、
前記読み込まれた前記旧レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って前記データベースに格納する第1の格納ステップと、
システム入れ替え後にカルテ情報または調剤情報が格納された前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、前記新レセプト請求ファイルに含まれることになる新レセプト請求用データを作成する第1の作成ステップと、
前記作成された新レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って前記データベースに格納する第2の格納ステップと、
前記データベースから、前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データに含まれている患者特定情報を少なくとも用いて特定して読み出して、読み出した前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを用いて、新レセプト請求ファイルを作成する第2の作成ステップとを有することを特徴とするレセプト請求ファイル作成方法。
【請求項2】
前記第1の作成ステップでは、
前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出すとともに、前記データベースから前記旧レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報と、読み出した前記旧レセプト請求用データとを用いて、前記新レセプト請求用データを作成することを特徴とする請求項1に記載のレセプト請求ファイル作成方法。
【請求項3】
前記第1の作成ステップでは、
前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出すとともに、前記データベースから前記新レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報と、読み出した前記新レセプト請求用データとを用いて、前記新レセプト請求用データを作成することを特徴とする請求項1に記載のレセプト請求ファイル作成方法。
【請求項4】
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えてレセプト審査機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルの作成を新レセプト請求ファイル作成システムが行うレセプト請求ファイル作成方法であって、
前記レセプト請求ファイル作成方法は、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを月中に行った場合においても、入れ替え後の前記新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト請求ファイルの作成を行うことを可能とするレセプト請求ファイル作成方法であり、
前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された前記レセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルを読み込む読み込みステップと、
前記読み込まれた前記旧レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って前記データベースに格納する第1の格納ステップと、
システム入れ替え後にカルテ情報または調剤情報が格納された前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、前記レセプト審査支払機関に提出する形式の前記新レセプト請求ファイルを作成する作成ステップと、
前記作成された新レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って前記データベースに格納する第2の格納ステップと、
前記データベースから、前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルを前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルに含まれている患者特定情報を少なくとも用いて特定して読み出して、読み出した前記旧レセプト請求ファイルと前記新レセプト請求ファイルとを統合して新レセプト請求ファイルとする統合ステップとを有することを特徴とするレセプト請求ファイル作成方法。
【請求項5】
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えてレセプト審査支払機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムであって、
前記レセプト請求ファイル作成システムは、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを月中に行った場合においても、入れ替え後の前記新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト請求ファイルの作成を行うことを可能とするレセプト請求ファイル作成システムであり、
前記クライアントは、前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された前記レセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込み、
前記データベースは、前記読み込まれた前記旧レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、システム入れ替え後にカルテ情報または調剤情報が格納された前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、前記新レセプト請求ファイルに含まれることとなる新レセプト請求用データを作成し、
前記データベースは、前記作成された新レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、前記データベースから、前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データに含まれている患者特定情報を少なくとも用いて特定して読み出して、読み出した前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを用いて、前記新レセプト請求ファイルを作成することを特徴とするレセプト請求ファイル作成システム。
【請求項6】
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えてレセプト審査支払機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムであって、
前記レセプト請求ファイル作成システムは、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを月中に行った場合においても、入れ替え後の前記新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト請求ファイルの作成を行うことを可能とするレセプト請求ファイル作成システムであり、
前記クライアントは、前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された前記レセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルを読み込み、
前記データベースは、前記読み込まれた前記旧レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、システム入れ替え後にカルテ情報または調剤情報が格納された前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、前記レセプト審査支払機関に提出する形式の前記新レセプト請求ファイルを作成し、
前記データベースは、前記作成された新レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、前記データベースから、前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルを前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルに含まれている患者特定情報を少なくとも用いて特定して読み出して、読み出した前記旧レセプト請求ファイルと前記新レセプト請求ファイルとを統合して新レセプト請求ファイルとすることを特徴とするレセプト請求ファイル作成システム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のレセプト請求ファイル作成方法を、コンピュータに実
行させることを特徴とするレセプト請求ファイル作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レセプト請求ファイル作成方法、レセプト請求ファイル作成システムおよびレセプト請求ファイル作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、厚生労働大臣が定める記録形式により電子的に記録されたレセプト請求ファイルを用いた、オンラインによるレセプト請求が普及している。レセプト請求ファイルは、保険医療機関または保険薬局が、患者に対して行った医療行為または調剤行為について、患者の自己負担分以外の料金(医療保険負担分の料金)を、保険医療機関または保険薬局が保険者に対して請求するために、国民健康保険団体連合会または社会保険診療報酬支払基金(以下、これらをまとめて「レセプト審査支払機関」という。)に提出するものである。
【0003】
レセプト請求ファイルに関する技術として、たとえば特許文献1には、広く普及しているレセプト請求ファイルを自動的にDPC(Diagnosis Procedure Combination)データに準拠したデータ形式に変換する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-118538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、たとえば月中にレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムを別のレセプト請求ファイル作成システムへ入れ替えた場合、入れ替え前のレセプト請求ファイル作成システム(以下、「旧レセプト請求ファイル作成システム」という。)で出力された、レセプト請求ファイル(以下、「旧レセプト請求ファイル」という場合がある)は、保険医療機関または保険薬局が患者に対して行った医療行為または調剤行為についての月初から月中までのものであるため、不完全なものである。また、入れ替え後のレセプト請求ファイル作成システム(以下、「新レセプト請求ファイル作成システム」という。)で出力された、レセプト請求ファイル(以下、「新レセプト請求ファイル」という場合がある)は、保険医療機関または保険薬局が患者に対して行った医療行為または調剤行為についての月中から月末までのものであるため、不完全なものである。このため、レセプト請求ファイル作成システムを入れ替える際には、旧レセプト請求ファイル作成システムにて月初に前月分のレセプト請求ファイルを作成して出力し、新レセプト請求ファイル作成システムを月初から稼働させる必要があった。すなわち、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えは月初に行う必要があった。このため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えは月初に行う必要があるため、新レセプト請求ファイル作成システムへ迅速に入れ替えることができないという課題があるとともに、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要があるため、ベンダ等の負担になっているという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えを可能とさせるとともに、ベンダ等の負担を軽減させることができるレセプト請求ファイル作成方法、レセプト請求ファイル作成システムおよびレセプト請求ファイル作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明のレセプト請求ファイル作成方法は、
旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えて新レセプト請求ファイル作成システムでレセプト審査支払機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成方法であって、
前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込む読み込みステップと、
前記読み込まれた旧レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納する第1の格納ステップと、
カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求用データを作成する第1の作成ステップと、
前記作成された新レセプト請求用データを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納する第2の格納ステップと、
前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データが格納されているデータベースから前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを用いて、前記新レセプト請求ファイルを作成する第2の作成ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
本発明のレセプト請求ファイル作成方法によれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込み、読み込まれた旧レセプト請求用データを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求用データを作成し、作成された新レセプト請求用データを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データが格納されているデータベースから旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データを読み出して、読み出した旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データを用いて、新レセプト請求ファイルを作成する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎の新レセプト請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0009】
[2]本発明のレセプト請求ファイル作成方法においては、
前記第1の作成ステップでは、
前記カルテ情報または前記調剤情報が格納されているデータベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出すとともに、前記旧レセプト請求用データが格納されているデータベースから前記旧レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報と、読み出した前記旧レセプト請求用データとを用いて、前記新レセプト請求用データを作成するものとすることができる。
【0010】
このように、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出すとともに、旧レセプト請求用データが格納されているデータベースから旧レセプト請求用データを読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報と、読み出した旧レセプト請求用データとを用いて、新レセプト請求用データを作成すると、新レセプト請求ファイル作成システム移行後に初めて来院した所定の再診患者であって、例えば、難病法に基づく特定医療費の自己負担上限額(月額)が決まっている所定の再診患者の新レセプト請求用データを作成する場合においても、当該所定の再診患者の自己負担上限額(月額)を考慮した新レセプト請求用データの作成を行うことが可能となる。所定の再診患者とは、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを行った月に来院した患者であって、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを行う前に来院した患者のことをいう。
【0011】
[3]本発明のレセプト請求ファイル作成方法においては、
前記第1の作成ステップでは、
前記カルテ情報または前記調剤情報が格納されているデータベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出すとともに、前記新レセプト請求用データが格納されているデータベースから前記新レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報と、読み出した前記新レセプト請求用データとを用いて、前記新レセプト請求用データを作成するものとすることができる。
【0012】
このように、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出すとともに、新レセプト請求用データが格納されているデータベースから新レセプト請求用データを読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報と、読み出した新レセプト請求用データとを用いて、新レセプト請求用データを作成(更新)すると、新レセプト請求ファイル作成システム移行後に再来院した再診患者であって、例えば、難病法に基づく特定医療費の自己負担上限額(月額)が決まっている再診患者の新レセプト請求用データを作成(更新)する場合においても、当該再診患者の自己負担上限額(月額)を考慮した新レセプト請求用データの作成(更新)を行うことが可能となる。
【0013】
[4]本発明のレセプト請求ファイル作成方法は、
旧レセプト請求ファイル作成システムを入れ替えて新レセプト請求ファイル作成システムでレセプト審査支払機関に提出する形式のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成方法であって、
前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルを読み込む読み込みステップと、
前記読み込まれた旧レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納する第1の格納ステップと、
カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、レセプト審査支払機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルを作成する作成ステップと、
前記作成された新レセプト請求ファイルを前記新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納する第2の格納ステップと、
前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルが格納されているデータベースから前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルを読み出して、読み出した前記旧レセプト請求ファイルと前記新レセプト請求ファイルとを統合する統合ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明のレセプト請求ファイル作成方法によれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された旧レセプト請求ファイルを読み込み、読み込まれた旧レセプト請求ファイルを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求ファイルを作成し、作成された新レセプト請求ファイルを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、旧レセプト請求ファイルおよび新レセプト請求ファイルが格納されているデータベースから旧レセプト請求ファイルおよび新レセプト請求ファイルを読み出して、読み出した旧レセプト請求ファイルと新レセプト請求ファイルとを統合する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト電算請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト電算請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0015】
[5]本発明のレセプト請求ファイル作成システムは、
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、レセプト審査支払機関に提出する形式のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムであって、
前記クライアントは、
旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込み、
前記データベースは、
前記読み込まれた旧レセプト請求用データを前記レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、
カルテ情報または調剤情報が格納されている前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求用データを作成し、
前記データベースは、
前記作成された新レセプト請求用データを前記レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、
前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データが格納されている前記データベースから前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを読み出して、読み出した前記旧レセプト請求用データおよび前記新レセプト請求用データを用いて、前記レセプト請求ファイルを作成することを特徴とする。
【0016】
本発明のレセプト請求ファイル作成システムによれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルに含まれる旧レセプト請求用データを読み込み、読み込まれた旧レセプト請求用データを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求用データを作成し、作成された新レセプト請求用データを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データが格納されているデータベースから旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データを読み出して、読み出した旧レセプト請求用データおよび新レセプト請求用データを用いて、新レセプト請求ファイルを作成する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎の新レセプト請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0017】
[6]本発明のレセプト請求ファイル作成システムは、
クライアントと、サーバと、データベースとを備え、レセプト審査支払機関に提出する形式のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムであって、
前記クライアントは、
前記旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイルを読み込み、
前記データベースは、
前記読み込まれた旧レセプト請求ファイルを前記レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、
カルテ情報または調剤情報が格納されている前記データベースから前記カルテ情報または前記調剤情報を読み出して、読み出した前記カルテ情報または前記調剤情報を少なくとも用いて、レセプト審査支払機関に提出する形式の新レセプト請求ファイルを作成し、
前記データベースは、
前記作成された新レセプト請求ファイルを前記レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿って格納し、
前記サーバは、
前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルが格納されている前記データベースから前記旧レセプト請求ファイルおよび前記新レセプト請求ファイルを読み出して、読み出した前記旧レセプト請求ファイルと前記新レセプト請求ファイルとを統合することを特徴とする
【0018】
本発明のレセプト請求ファイル作成システムによれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された旧レセプト請求ファイルを読み込み、読み込まれた旧レセプト請求ファイルを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、カルテ情報または調剤情報が格納されているデータベースからカルテ情報または調剤情報を読み出して、読み出したカルテ情報または調剤情報を少なくとも用いて、新レセプト請求ファイルを作成し、作成された新レセプト請求ファイルを新レセプト請求ファイル作成システムの仕様に沿ってデータベースに格納し、旧レセプト請求ファイルおよび新レセプト請求ファイルが格納されているデータベースから旧レセプト請求ファイルおよび新レセプト請求ファイルを読み出して、読み出した旧レセプト請求ファイルと新レセプト請求ファイルとを統合する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト電算請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト電算請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0019】
[7]本発明のレセプト請求ファイル作成プログラムは、本発明のレセプト請求ファイル作成方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明のレセプト請求ファイル作成プログラムによれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎の新レセプト請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システムへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関または保険薬局は、新レセプト請求ファイル作成システムへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システムの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システムの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1の構成を概略的に示す図である。
図2】実施形態1に係る旧レセプト請求ファイル作成システム7の構成の一例を概略的に示す図である。
図3】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1におけるクライアント20、サーバ30およびデータベース40,50のハードウェアの構成を説明するための図である。
図4】実施形態1に係る医科用のレセプト請求ファイルの構成を説明するための図である。
図5】実施形態1に係るレセプト情報の構成を説明するための図である。
図6】実施形態1に係る摘要情報の構成を説明するための図である。
図7】実施形態1に係る臓器提供者レセプト情報の構成を説明するための図である。
図8】実施形態1に係るレセプト共通レコードの構成を説明するための図である。
図9】実施形態1に係る保険者レコードの構成を説明するための図である。
図10】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する旧レセプト請求用データの読み込みおよび格納処理を説明するためのシーケンス図である。
図11】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後の初診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。
図12】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後に初めて来院した所定の再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。
図13】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後に再来院した再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。
図14】実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイルの作成および出力処理のシーケンス図である。
図15】実施形態2に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Aの構成を概略的に示す図である。
図16】実施形態2に係る調剤用のレセプト請求ファイルの構成を説明するための図である。
図17】実施形態2に係るレセプト情報の構成を説明するための図である。
図18】実施形態2に係る処方情報の構成を説明するための図である。
図19】実施形態2に係るレセプト共通レコードの構成を説明するための図である。
図20】実施形態2に係る保険者レコードの構成を説明するための図である。
図21】実施形態3に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Bの構成を概略的に示す図である。
図22】実施形態4に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Cの構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のレセプト請求ファイル作成方法、レセプト請求ファイル作成システムおよびレセプト請求ファイル作成プログラムについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造、外観などを厳密に反映したものではない。
【0023】
[本発明の概要]
本発明は、各保険医療機関または各保険薬局においてレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、入れ替え後のレセプト請求ファイル作成システムにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト請求ファイルの作成を行うことを可能とさせるものである。以下では、入れ替え前のレセプト請求ファイル作成システムを旧レセプト請求ファイル作成システムというものとし、入れ替え後のレセプト請求ファイル作成システムを新レセプト請求ファイル作成システムというものとする。また、旧レセプト請求ファイル作成システムで作成されたレセプトファイルを旧レセプト請求ファイルという場合があるものとし、新レセプト請求ファイル作成システムで作成されたレセプトファイルを新レセプト請求ファイルという場合があるものとする。本発明は、新レセプト請求ファイル作成システムに係るものである。
【0024】
[実施形態1]
[新レセプト請求ファイル作成システムの概要]
図1は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1の構成を概略的に示す図である。以下ではオンラインによるレセプト請求で用いられる医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムを中心に説明し、DPC用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システム、および歯科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの説明は一部省略する。また、以下の説明は、レセプト請求ファイル作成方法についての説明も含むものとする。
【0025】
実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1は、図1に示すように、クライアント20と、サーバ30と、データベース40,50とを備える。クライアント20は、保険医療機関に設置された端末である。クライアント20には、新レセプト請求ファイル作成システム1の機能を実現させるアプリケーションがインストールされている。サーバ30は、新レセプト請求ファイル作成システム1の機能を提供するベンダが所有するサーバである。データベース40,50は、新レセプト請求ファイル作成システム1の機能を提供するベンダが所有するデータベースである。クライアント20と、サーバ30とは、ネットワーク6を介して接続されている。データベース40,50は、それぞれサーバ30と接続されている。
【0026】
クライアント20は、入力部21と、出力部22とを有する。入力部21および出力部22の機能の説明は、後述する図10から図14の説明において行う。サーバ30は、入力部31と、出力部32と、レセプト請求用データ作成部33と、レセプト請求ファイル作成部34とを有する。入力部31、出力部32、レセプト請求用データ作成部33およびレセプト請求ファイル作成部34の機能の説明は、後述する図10から図14の説明において行う。
【0027】
データベース40には、カルテ情報41が格納可能である。カルテ情報41は、保険医療機関の医師等によって作成された電子カルテの情報である。データベース50には、旧レセプト請求用データ51と、新レセプト請求用データ52とが格納可能である。旧レセプト請求用データ51および新レセプト請求用データ52の説明は、後述する図4から図14の説明において行う。
【0028】
[旧レセプト請求ファイル作成システムの概要]
図2は、実施形態1に係る旧レセプト請求ファイル作成システム7の構成の一例を概略的に示す図である。旧レセプト請求ファイル作成システム7は、図2に示すように、レセプト請求ファイル作成装置80を備える。レセプト請求ファイル作成装置80は、レセプト請求ファイル100の作成を行う。レセプト請求ファイル100の説明は、後述する図4から図9の説明において行う。レセプト請求ファイル作成装置80は、作成部81と、出力部82とを有する。作成部81および出力部82の機能の説明は、後述する図10の説明において行う。
【0029】
[ハードウェアの構成]
図3は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1におけるクライアント20、サーバ30およびデータベース40,50のハードウェアの構成を説明するための図である。
【0030】
クライアント20は、図3に示すように、入出力インタフェース201と、CPU(Central Prosessing Unit)202と、メモリ203とを備える。入力部21および出力部22の機能は、入出力インタフェース201、CPU202およびメモリ203によって実現される。
【0031】
サーバ30は、図3に示すように、入出力インタフェース301と、CPU302と、メモリ303とを備える。入力部31および出力部32の機能は、入出力インタフェース301、CPU302およびメモリ303によって実現される。レセプト請求用データ作成部33およびレセプト請求ファイル作成部34の機能は、CPU302およびメモリ303によって実現される。
【0032】
データベース40は、図3に示すように、入出力インタフェース401と、CPU402と、メモリ403とを備える。メモリ403には、カルテ情報41が格納可能である。データベース50は、図3に示すように、入出力インタフェース501と、CPU502と、メモリ503とを備える。メモリ503には、旧レセプト請求用データ51と、新レセプト請求用データ52とが格納可能である。
【0033】
[医科用のレセプト請求ファイルの構成]
図4は、実施形態1に係る医科用のレセプト請求ファイルの構成を説明するための図である。図5は、実施形態1に係るレセプト情報の構成を説明するための図である。図6は、実施形態1に係る摘要情報の構成を説明するための図である。図7は、実施形態1に係る臓器提供者レセプト情報の構成を説明するための図である。図8は、実施形態1に係るレセプト共通レコードの構成を説明するための図である。図9は、実施形態1に係る保険者レコードの構成を説明するための図である。
【0034】
医科用のレセプト請求ファイル100(100A)は、図4に示すように、医療機関情報101、レセプト102(102A,…)および診療報酬請求書情報103により構成される。医科用のレセプト請求ファイル100(100A)の記録形式は、厚生労働大臣によって定められたものであり、CSV(Comma-Separated Values)形式である。
【0035】
医療機関情報101は、医療機関情報レコードIRにより構成される。レセプト102(102A,…)は、レセプト共通レコードRE、レセプト情報104、傷病者レコードSY、摘要情報105、症状詳記レコードSJおよび臓器提供者レセプト情報106により構成される。診療報酬請求書情報103は、診療報酬請求者レコードGOにより構成される。
【0036】
レセプト情報104は、図5に示すように、保険者レコードHO、公費レコードKOおよび包括評価対象外理由レコードGRにより構成される。摘要情報105は、図6に示すように、診療行為レコードSI、医薬品レコードIY、特定器材レコードTOおよびコメントレコードCOにより構成される。臓器提供者レセプト情報106は、図7に示すように、臓器提供医療機関情報レコードTI、臓器提供者レセプト情報レコードTR、臓器提供者請求情報レコードTS、傷病者レコードSY、摘要情報105および症状詳記レコードSJにより構成される。
【0037】
レセプト共通レコードREは、図8に示すように、レコード識別情報REA、レセプト番号REB、レセプト種別REC、診療年月RED、氏名REE、男女区分REF、生年月日REG、…の項目の順に記録される。保険者レコードHOは、図9に示すように、レコード識別情報HOA、保険者番号HOB、被保険者証(手帳)等の記号HOC、被保険者証(手帳)等の番号HOD、…の項目の順に記録される。
【0038】
[旧レセプト請求用データの読み込みおよび格納処理]
図10は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する旧レセプト請求用データの読み込みおよび格納処理を説明するためのシーケンス図である。図10に示す処理は、旧レセプト請求ファイル作成システム7から新レセプト請求ファイル作成システム1への入れ替えをたとえば月中に行った場合における当該入れ替えの際に実行される処理である。
【0039】
まず、旧レセプト請求ファイル作成システム7のレセプト請求ファイル作成装置80の作成部81は、旧レセプト請求ファイル作成システム7の図示しないデータベースに格納されているレセプト請求ファイル100を作成するためのデータを読み出して、旧レセプト請求ファイル100を作成する(ステップS101)。ステップS101で作成された旧レセプト請求ファイル100は、保険医療機関が患者に対して行った医療行為についての月初からたとえば月中までのものであるため、不完全なものである。
【0040】
次いで、レセプト請求ファイル作成装置80の出力部82は、ステップS101で作成された旧レセプト請求ファイル100を出力する(ステップS102)。
【0041】
次いで、新レセプト請求ファイル作成システム1のクライアント20の入力部21は、ステップS102で出力された旧レセプト請求ファイル100に含まれる旧レセプト請求用データ51の読み込みを行う(ステップS103)。ステップS103では、旧レセプト請求用データ51として旧レセプト請求ファイル100のレセプト102(102A,…)の読み込みを行う。
【0042】
次いで、クライアント20の出力部22は、ステップS103で読み込まれた旧レセプト請求用データ51を、ネットワーク6を介して、新レセプト請求ファイル作成システム1のサーバ30へ送信(アップロード)する(ステップS104)。
【0043】
次いで、サーバ30の入力部31は、ステップS104で送信された旧レセプト請求用データ51を受信し、サーバ30の出力部32は、旧レセプト請求用データ51を新レセプト請求ファイル作成システム1のデータベース50へ送信する(ステップS105)。
【0044】
次いで、データベース50は、ステップS105で送信された旧レセプト請求用データ51を受信し(ステップS106)、旧レセプト請求用データ51をデータベース50の仕様に沿って格納する(ステップS107)。
【0045】
[新レセプト請求ファイル作成システム移行後の初診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理]
図11は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後の初診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。図11に示す処理は、新レセプト請求ファイル作成システム1へ移行後の初診患者への診療行為が行われた後に実行される処理である。新レセプト請求ファイル作成システム1のデータベース40には、当該初診患者のカルテ情報41が格納される。
【0046】
まず、サーバ30の入力部31は、データベース40に格納されている上記初診患者のカルテ情報41を読み出す(ステップS201)。
【0047】
次いで、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33は、ステップS201で読み出された上記初診患者のカルテ情報41を用いて、上記初診患者の新レセプト請求用データ52を作成する(ステップS202)。上記初診患者の新レセプト請求用データ52は、新レセプト請求ファイル100Aの上記初診患者のレセプト102(102A,…)となるデータである。
【0048】
次いで、サーバ30の出力部32は、ステップS202で作成された上記初診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50へ送信する(ステップS203)。
【0049】
次いで、データベース50は、ステップS203で送信された上記初診患者の新レセプト請求用データ52を受信し(ステップS204)、上記初診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50の仕様に沿って格納する(ステップS205)。
【0050】
[新レセプト請求ファイル作成システム移行後に初めて来院した所定の再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理]
図12は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後に初めて来院した所定の再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。図12に示す処理は、新レセプト請求ファイル作成システム1へ移行後に初めて来院した所定の再診患者への診療行為が行われた後に実行される処理である。新レセプト請求ファイル作成システム1のデータベース40には、当該所定の再診患者のカルテ情報41が格納される。所定の再診患者とは、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを行った月に来院した患者であって、レセプト請求ファイル作成システムの入れ替えを行う前に来院した患者のことをいう。
【0051】
まず、サーバ30の入力部31は、データベース40に格納されている上記所定の再診患者のカルテ情報41を読み出す(ステップS301)。
【0052】
次いで、サーバ30の入力部31は、データベース50に格納されている上記所定の再診患者の旧レセプト請求用データ51を読み出す(ステップS302)。
【0053】
次いで、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33は、ステップS301で読み出された上記所定の再診患者のカルテ情報41と、ステップS302で読み出された上記所定の再診患者の旧レセプト請求用データ51とを用いて、上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52を作成する(ステップS303)。上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52は、新レセプト請求ファイル100Aの上記所定の再診患者のレセプト102(102A,…)となるデータである。
【0054】
次いで、サーバ30の出力部32は、ステップS303で作成された上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50へ送信する(ステップS304)。
【0055】
次いで、データベース50は、ステップS304で送信された上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52を受信し(ステップS305)、上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50の仕様に沿って格納する(ステップS306)。
【0056】
ステップS302で読み出された上記所定の再診患者の旧レセプト請求用データ51は、上記所定の再診患者の新レセプト請求用データ52がデータベース50に格納された後に、データベース50から削除されることが好ましい。
【0057】
[新レセプト請求ファイル作成システム移行後に再来院した再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理]
図13は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイル作成システム移行後に再来院した再診患者の新レセプト請求用データの作成および格納処理のシーケンス図である。図13に示す処理は、新レセプト請求ファイル作成システム1へ移行後に再来院した再診患者への診療行為が行われた後に実行される処理である。新レセプト請求ファイル作成システム1のデータベース40には、当該再診患者のカルテ情報41が格納される。
【0058】
まず、サーバ30の入力部31は、データベース40に格納されている上記再診患者のカルテ情報41を読み出す(ステップS401)。
【0059】
次いで、サーバ30の入力部31は、データベース50に格納されている上記再診患者の新レセプト請求用データ52を読み出す(ステップS402)。
【0060】
次いで、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33は、ステップS401で読み出された上記再診患者のカルテ情報41と、ステップS402で読み出された上記再診患者の新レセプト請求用データ52とを用いて、上記再診患者の新レセプト請求用データ52を作成(更新)する(ステップS403)。上記再診患者の新レセプト請求用データ52は、新レセプト請求ファイル100Aの上記再診患者のレセプト102(102A,…)となるデータである。
【0061】
次いで、サーバ30の出力部32は、ステップS403で作成(更新)された上記再診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50へ送信する(ステップS404)。
【0062】
次いで、データベース50は、ステップS404で送信された上記再診患者の新レセプト請求用データ52を受信し(ステップS405)、上記再診患者の新レセプト請求用データ52をデータベース50の仕様に沿って格納する(ステップS406)。
【0063】
ステップS402で読み出された上記再診患者の更新前の新レセプト請求用データ52は、上記再診患者の更新後の新レセプト請求用データ52がデータベース50に格納された後に、データベース50から削除されることが好ましい。
【0064】
[新レセプト請求ファイルの作成および出力処理]
図14は、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1が実行する新レセプト請求ファイルの作成および出力処理のシーケンス図である。図14に示す処理は、旧レセプト請求ファイル作成システム7から新レセプト請求ファイル作成システム1への入れ替えを前月のたとえば月中に行った場合における、図10から図13に示す処理の後の月初以降に実行される処理である。図14に示す処理は、サーバ30がクライアント20から受信したレセプト請求ファイルの作成要求をトリガーとして実行されるものであってもよく、サーバ30が自発的に処理を始めるものであってもよい。
【0065】
まず、サーバ30の入力部31は、データベース50に格納されている旧レセプト請求用データ51と新レセプト請求用データ52とを読み出す(ステップS501)。
【0066】
次いで、サーバ30のレセプト請求ファイル作成部34は、ステップS301で読み出された旧レセプト請求用データ51と新レセプト請求用データ52とを用いて、新レセプト請求ファイル100Aを作成する(ステップS502)。ステップS502で作成された新レセプト請求ファイル100Aは、保険医療機関が患者に対して行った医療行為についての前月の月初から月末までのものとなるため、完全なものとなる。
【0067】
次いで、サーバ30の出力部32は、ステップS502で作成された新レセプト請求ファイル100Aを、ネットワーク6を介して、クライアント20へ送信(転送)し(ステップS503)、クライアント20の入力部21は、ステップS503で送信(転送)された新レセプト請求ファイル100Aを受信する(ステップS504)。ステップS503およびステップS504の処理は、クライアント20からの指示で実行されるものであってもよく、サーバ30からの指示で実行されるものであってもよい。
【0068】
次いで、クライアント20の出力部22は、新レセプト請求ファイル100Aを出力する(ステップS505)。各保険医療機関は、ステップS505で出力された新レセプト請求ファイル100Aを用いて、オンラインによるレセプト請求を行うことが可能となる。
【0069】
実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1によれば、旧レセプト請求ファイル作成システム7から出力されたレセプト審査支払機関に提出する形式の旧レセプト請求ファイル100に含まれる旧レセプト請求用データ51を読み込み、読み込まれた旧レセプト請求用データ51を新レセプト請求ファイル作成システム1の仕様に沿ってデータベース50に格納し、カルテ情報41が格納されているデータベース40からカルテ情報41を読み出して、読み出したカルテ情報41を少なくとも用いて、新レセプト請求用データ52を作成し、作成された新レセプト請求用データ52を新レセプト請求ファイル作成システム1の仕様に沿ってデータベース50に格納し、旧レセプト請求用データ51および新レセプト請求用データ52が格納されているデータベース50から旧レセプト請求用データ51および新レセプト請求用データ52を読み出して、読み出した旧レセプト請求用データ51および新レセプト請求用データ52を用いて、新レセプト請求ファイル100Aを作成する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システム7から新レセプト請求ファイル作成システム1への入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト請求ファイル作成システム1にて入れ替えを行った月を含む月毎の新レセプト請求ファイル100Aを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システム1への入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関は、新レセプト請求ファイル作成システム1への、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システム1の機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システム1の稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0070】
また、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1のように、カルテ情報41が格納されているデータベース40からカルテ情報41を読み出すとともに、旧レセプト請求用データ51が格納されているデータベース50から旧レセプト請求用データ51を読み出して、読み出したカルテ情報41と、読み出した旧レセプト請求用データ51とを用いて、新レセプト請求用データ52を作成すると、新レセプト請求ファイル作成システム移行後に初めて来院した所定の再診患者であって、例えば、難病法に基づく特定医療費の自己負担上限額(月額)が決まっている所定の再診患者の新レセプト請求用データ52を作成する場合においても、当該所定の再診患者の自己負担上限額(月額)を考慮した新レセプト請求用データ52の作成を行うことが可能となる。
【0071】
また、実施形態1に係る新レセプト請求ファイル作成システム1のように、カルテ情報41が格納されているデータベース40からカルテ情報41を読み出すとともに、新レセプト請求用データ52が格納されているデータベース50から新レセプト請求用データ52を読み出して、読み出したカルテ情報41と、読み出した新レセプト請求用データ52とを用いて、新レセプト請求用データ52を作成(更新)すると、新レセプト請求ファイル作成システム移行後に再来院した再診患者であって、例えば、難病法に基づく特定医療費の自己負担上限額(月額)が決まっている再診患者の新レセプト請求用データ52を作成(更新)する場合においても、当該再診患者の自己負担上限額(月額)を考慮した新レセプト請求用データ52の作成(更新)を行うことが可能となる。
【0072】
上述した実施形態1では、医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えについての説明が中心であったが、DPC用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えにおいても同様の処理を実行することにより、上述した実施形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0073】
上述した実施形態1では、医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えについての説明が中心であったが、歯科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えにおいても同様の処理を実行することにより、上述した実施形態1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0074】
[実施形態2]
[新レセプト請求ファイル作成システムの概要]
図15は、実施形態2に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Aの構成を概略的に示す図である。実施形態2の新レセプト請求ファイル作成システム1Aは、基本的には実施形態1と同様の構成を備えるが、主に、クライアント20の入力部21が旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された調剤用の旧レセプト請求ファイル700に含まれる旧レセプト請求用データ51を読み込む点、データベース40には調剤情報42が格納可能である点、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33がカルテ情報41に代えて調剤情報42を用いて新レセプト請求用データ52の作成を行う点、サーバ30のレセプト請求ファイル作成部34が調剤用の新レセプト請求ファイル700Aの作成を行う点で実施形態1の新レセプト請求ファイル作成システム1とは異なる。
【0075】
実施形態2では、クライアント20は、保険薬局に設置された端末である。実施形態2に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Aのデータベース40には、図15に示すように、調剤情報42が格納可能である。調剤情報42は、保険薬局の薬剤師等によって作成された調剤録の情報や、保険薬局の薬剤師等によって作成された薬歴の情報である。データベース50には、旧レセプト請求用データ51と、新レセプト請求用データ52とが格納可能である。旧レセプト請求用データ51は、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された調剤用の旧レセプト請求ファイル700に含まれるレセプト702702A,…)が読み込まれて格納されたものである。新レセプト請求用データ52は、レセプト請求用データ作成部33で作成されて格納されたものである。新レセプト請求ファイル作成システム1Aでは、上述した実施形態1と同様に、旧レセプト請求用データ51と新レセプト請求用データ52とを用いて、調剤用の新レセプト請求ファイル700Aの作成を行う。
【0076】
[調剤用のレセプト請求ファイルの構成]
図16は、実施形態2に係る調剤用のレセプト請求ファイルの構成を説明するための図である。図17は、実施形態2に係るレセプト情報の構成を説明するための図である。図18は、実施形態2に係る処方情報の構成を説明するための図である。図19は、実施形態2に係るレセプト共通レコードの構成を説明するための図である。図20は、実施形態2に係る保険者レコードの構成を説明するための図である。
【0077】
調剤用のレセプト請求ファイル700(700A)は、図16に示すように、薬局情報701、レセプト702(702A,…)および調剤報酬請求書情報703により構成される。調剤用のレセプト請求ファイル700(700A,700B)の記録形式は、厚生労働大臣によって定められたものであり、CSV形式である。
【0078】
薬局情報701は、薬局情報レコードYKにより構成される。レセプト702(702A,…)は、レセプト共通レコードRE、レセプト情報704、処方情報705、摘要欄レコードTK、基本料・薬学管理料レコードKIおよび分割技術料レコードSTにより構成される。調剤報酬請求書情報703は、調剤報酬請求者レコードGOにより構成される。
【0079】
レセプト情報704は、図17に示すように、保険者レコードHOおよび公費レコードKOにより構成される。処方情報705は、図18に示すように、処方基本レコードSH、調剤情報レコードCZ、医薬品レコードIYまたは特定器材レコードTO、およびコメントレコードCOにより構成される。
【0080】
レセプト共通レコードREは、図19に示すように、レコード識別情報REA、レセプト番号REB、レセプト種別REC、調剤年月REDA、氏名REE、男女区分REF、生年月日REG、…の項目の順に記録される。保険者レコードHOは、図20に示すように、レコード識別情報HOA、保険者番号HOB、被保険者証(手帳)等の記号HOC、被保険者証(手帳)等の番号HOD、…の項目の順に記録される。
【0081】
実施形態2に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Aによれば、旧レセプト請求用データ51と新レセプト請求用データ52とを用いて、調剤用の新レセプト請求ファイル700Aが作成される。これにより、上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0082】
[実施形態3]
[新レセプト請求ファイル作成システムの概要]
図21は、実施形態3に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Bの構成を概略的に示す図である。以下ではオンラインによるレセプト請求で用いられる医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムを中心に説明し、DPC用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システム、および歯科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの説明は一部省略する。また、以下の説明は、レセプト請求ファイル作成方法についての説明も含むものとする。
【0083】
実施形態3に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Bは、図21に示すように、クライアント20Aと、サーバ30Aと、データベース40A,50Aとを備える。クライアント20Aは、保険医療機関に設置された端末である。クライアント20Aには、新レセプト請求ファイル作成システム1Bの機能を実現させるアプリケーションがインストールされている。サーバ30Aは、新レセプト請求ファイル作成システム1Bの機能を提供するベンダが所有するサーバである。データベース40A,50Aは、新レセプト請求ファイル作成システム1Bの機能を提供するベンダが所有するデータベースである。クライアント20Aと、サーバ30Aとは、ネットワーク6を介して接続されている。データベース40A,50Aは、それぞれサーバ30Aと接続されている。
【0084】
クライアント20Aは、入力部21Aと、出力部22Aとを有する。サーバ30Aは、入力部31Aと、出力部32Aと、作成部35と、統合部36とを有する。
【0085】
データベース40Aには、カルテ情報41Aが格納可能である。カルテ情報41Aは、保険医療機関の医師等によって作成された電子カルテの情報である。データベース50Aには、レセプト請求ファイル100と、レセプト請求ファイル100Aとが格納可能である。
【0086】
旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システム1Bへの入れ替えをたとえば月中に行った場合における当該入れ替えの際に、クライアント20Aの入力部21Aは、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト請求ファイル100の読み込みを行う。当該読み込まれたレセプト請求ファイル100は、ネットワーク6およびサーバ30Aを経由して、データベース50Aに新レセプト請求ファイル作成システム1Bの仕様に沿って格納される。
【0087】
新レセプト請求ファイル作成システム1Bへの入れ替えをたとえば月中に行った場合における入れ替えを行った月の次の月の月初以降に、サーバ30Aの入力部31Aは、データベース40Aに格納されているカルテ情報41Aを読み出し、サーバ30Aの作成部35は、読み出されたカルテ情報41からレセプト請求ファイル100Aを作成する。当該作成されたレセプト請求ファイル100Aは、データベース50Aに新レセプト請求ファイル作成システム1Bの仕様に沿って格納される。
【0088】
その後、サーバ30Aの入力部31Aは、データベース50Aに格納されているレセプト請求ファイル100とレセプト請求ファイル100Aとを読み出し、サーバ30Aの統合部36は、読み出されたレセプト請求ファイル100とレセプト請求ファイル100Aとを統合する。たとえば、統合部34は、患者毎に当該患者のレセプト請求ファイル100のレセプト102(102A、…)とレセプト請求ファイル100Aのレセプト102(102A、…)とを特定し、特定したレセプト請求ファイル100のレセプト102(102A、…)とレセプト請求ファイル100Aのレセプト102(102A、…)とを統合することにより、レセプト請求ファイル100とレセプト請求ファイル100Aとの統合を行う。当該統合後のレセプト請求ファイルは、ネットワーク6を経由して、クライアント20Aの出力部22Aから出力される。各保険医療機関は、統合後のレセプト請求ファイルを用いて、オンラインによるレセプト請求を行うことが可能となる。
【0089】
実施形態3に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Bによれば、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力されたレセプト請求ファイル100を読み込み、読み込まれたレセプト請求ファイル100を新レセプト請求ファイル作成システム1Bの仕様に沿ってデータベース50Aに格納し、カルテ情報41Aが格納されているデータベース40Aからカルテ情報41Aを読み出して、読み出したカルテ情報41Aを少なくとも用いて、レセプト請求ファイル100Aを作成し、作成されたレセプト請求ファイル100Aを新レセプト請求ファイル作成システム1Bの仕様に沿ってデータベース50Aに格納し、レセプト請求ファイル100およびレセプト請求ファイル100Aが格納されているデータベース50Aからレセプト請求ファイル100およびレセプト請求ファイル100Aを読み出して、読み出したレセプト請求ファイル100とレセプト請求ファイル100Aとを統合する。これにより、旧レセプト請求ファイル作成システムから新レセプト請求ファイル作成システム1Bへの入れ替えをたとえば月中に行った場合においても、新レセプト電算請求ファイル作成システム1Bにて入れ替えを行った月を含む月毎のレセプト電算請求ファイルを作成することが可能となる。新レセプト請求ファイル作成システム1Bへの入れ替えを月初に行う必要をなくすことができるため、レセプト請求ファイル作成システムを新しいものへ入れ替えたい保険医療機関は、新レセプト請求ファイル作成システム1Bへの、月初に限られることのない柔軟なタイミングでの入れ替えが可能となる。また、新レセプト請求ファイル作成システム1Bの機能を提供するベンダ等は、新レセプト請求ファイル作成システム1Bの稼働開始のサポートに必要な人員を月初に多数確保する必要がなくなり、ベンダ等の負担を軽減させることができる。
【0090】
上述した実施形態3では、医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えについての説明が中心であったが、DPC用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えにおいても同様の処理を実行することにより、上述した実施形態3と同様の効果を奏することが可能となる。
【0091】
上述した実施形態3では、医科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えについての説明が中心であったが、歯科用のレセプト請求ファイルの作成を行うレセプト請求ファイル作成システムの入れ替えにおいても同様の処理を実行することにより、上述した実施形態3と同様の効果を奏することが可能となる。
【0092】
[実施形態4]
[新レセプト請求ファイル作成システムの概要]
図22は、実施形態4に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Cの構成を概略的に示す図である。実施形態4の新レセプト請求ファイル作成システム1Cは、基本的には実施形態3と同様の構成を備えるが、主に、クライアント20Aの入力部21Aが旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された調剤用のレセプト請求ファイル700を読み込む点、データベース40Aには調剤情報42Aが格納可能である点、サーバ30Aの作成部35がカルテ情報41Aに代えて調剤情報42Aを用いて調剤用のレセプト請求ファイル700Aの作成を行う点で実施形態3の新レセプト請求ファイル作成システム1Bとは異なる。
【0093】
実施形態4では、クライアント20Aは、保険薬局に設置された端末である。実施形態4に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Cのデータベース40Aには、図22に示すように、調剤情報42Aが格納可能である。調剤情報42Aは、保険薬局の薬剤師等によって作成された調剤録の情報や、保険薬局の薬剤師等によって作成された薬歴の情報である。データベース50Aには、レセプト請求ファイル700と、レセプト請求ファイル700Aとが格納可能である。レセプト請求ファイル700は、旧レセプト請求ファイル作成システムから出力された調剤用のレセプト請求ファイル700が読み込まれて格納されたものである。レセプト請求ファイル700Aは、作成部35で作成されて格納されたものである。新レセプト請求ファイル作成システム1Cでは、上述した実施形態3と同様に、レセプト電算請求ファイル700とレセプト電算請求ファイル700Aとの統合を行う。
【0094】
実施形態4に係る新レセプト請求ファイル作成システム1Cによれば、レセプト電算請求ファイル700とレセプト電算請求ファイル700Aとが統合される。これにより、上述した実施形態3と同様の効果を奏することができる。
【0095】
以上、本発明を、レセプト請求ファイル作成方法およびレセプト請求ファイル作成システム等を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、本発明を実現するためのレセプト請求ファイル作成方法の処理手順が記述されたレセプト請求ファイル作成プログラムや、該レセプト請求ファイル作成プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【0096】
また、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、たとえば次のような変形も可能である。
【0097】
(1)実施形態1,2において、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33およびレセプト請求ファイル作成部34の少なくとも一方の機能をクライアント20が有してもよい。この場合、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33およびレセプト請求ファイル作成部34の少なくとも一方の機能をサーバ30に持たせる必要がなくなるため、サーバ30に要求される性能を低減させることができる。
【0098】
(2)実施形態1,2において、サーバ30のレセプト請求用データ作成部33およびレセプト請求ファイル作成部34の機能、データベース40,50の機能をクライアント20が有してもよい。この場合、クライアント20はネットワーク6に接続することなく、新レセプト請求ファイルの作成を行うことができる。
【0099】
(3)実施形態3,4において、サーバ30Aの作成部35および統合部36の少なくとも一方の機能をクライアント20Aが有してもよい。この場合、サーバ30Aの作成部35および統合部36の少なくとも一方の機能をサーバ30Aに持たせる必要がなくなるため、サーバ30Aに要求される性能を低減させることができる。
【0100】
(4)実施形態3,4において、サーバ30Aの作成部35および統合部36の機能、データベース40A,50Aの機能をクライアント20Aが有してもよい。この場合、クライアント20Aはネットワーク6に接続することなく、レセプト請求ファイルの統合を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1,1A,1B,1C,7…レセプト請求ファイル作成システム、 6…ネットワーク、
20,20A…クライアント、 21,21A,31,31A…入力部、
22,22A,32,32A,82…出力部、 30,30A…サーバ、
33…レセプト請求用データ作成部、 34…レセプト請求ファイル作成部、
35,81…作成部、 36…統合部、 40,40A,50,50A…データベース、
41,41A…カルテ情報、 42,42A…調剤情報、
51…旧レセプト請求用データ、 52…新レセプト請求用データ、
80…レセプト請求ファイル作成装置、
100,100A,700,700A…レセプト請求ファイル、
201,301,401,501…入出力インタフェース、
202,302,402,502…CPU、
203,303,403,503…メモリ
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