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特許7530716人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20240801BHJP
   B62K 19/30 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B62M6/55
B62K19/30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019238823
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021107176
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-12-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】北原 洸佑
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】星野 創一郎
(72)【発明者】
【氏名】手塚 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】西原 大平
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-031263(JP,A)
【文献】特表2014-528377(JP,A)
【文献】特開2019-202658(JP,A)
【文献】特開平10-147280(JP,A)
【文献】特開2017-065630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40 - 6/75
B62K 19/30 - 19/42
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
人力駆動力が入力される入力回転軸が設けられるハウジングと、
単一部材として前記ハウジングと一体成形され、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成される第1取付部と、を含み、
前記第1取付部は、
前記人力駆動車が水平面に載置され、かつ、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームに上方または前記水平面に平行な方向から接触するように構成される接触部と、
前記接触部に形成され、前記第1取付部を前記フレームに連結する第1ファスナの一部を収容するように構成されて、前記入力回転軸に非平行な第1方向に延びる第1孔と、を含み、
前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記接触部の少なくとも一部が、前記入力回転軸の回転軸心まわりにおいて、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのチェーンステイと、の間に形成される第1領域に配置され、
前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記接触部の少なくとも一部は、前記入力回転軸の軸方向における前記ハウジングの中央部分に配置され、
前記ハウジングは、前記ハウジングの外周部から前記ハウジングの外方に向けて突出する凸部を含み、
前記凸部は、前記第1孔の延びる方向に突出し、
前記接触部は、前記凸部に設けられ、
1つの前記凸部に、1つの前記第1孔が設けられる、ドライブユニット。
【請求項2】
前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記接触部の少なくとも一部が、前記入力回転軸の回転軸心まわりにおいて、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのダウンチューブと、の間に形成される第2領域に配置される、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記接触部は、前記フレームに取り付けられた状態において、前記ハウジングのうち前記フレームの前後方向における両端部を除く部分に設けられる、請求項1または2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
単一部材として前記ハウジングと一体成形され、前記フレームに取り付けられるように構成され、前記第1取付部とは異なる位置に設けられる少なくとも1つの第2取付部をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2取付部は、前記第2取付部を前記フレームに連結する第2ファスナの一部を収容するように構成されて、前記入力回転軸に平行な第2方向に延びる第2孔を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2取付部は、複数の第2取付部を含み、
前記複数の第2取付部は、前記入力回転軸まわりにおいて、それぞれ異なる位置に設けられる、請求項4に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記複数の第2取付部と、前記接触部と、に囲まれる領域に、前記入力回転軸が配置される、請求項5に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記第1方向は、前記入力回転軸の軸方向と実質的に直交する、請求項1から6のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記第1方向は、前記フレームの前後方向に対して傾斜する、請求項1から7のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記モータを支持する第1部分と、前記入力回転軸を支持する第2部分と、を含み、
前記第1取付部は、少なくとも一部が前記第1部分と前記第2部分との接続部分に設けられる、請求項9に記載のドライブユニット。
【請求項11】
前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記第1取付部の少なくとも一部は、前記入力回転軸よりも前記人力駆動車の後方に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項12】
前記第1孔は、第1雌ねじ部によって定義され、
前記第1ファスナは、ボルトを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項13】
人力駆動車であって、
請求項1から12のいずれか一項に記載の人力駆動車のドライブユニットと、
前記人力駆動車のフレームと、を含む、人力駆動車。
【請求項14】
前記フレームは、
ダウンチューブと、
シートチューブと、
チェーンステイと、
前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、および、前記チェーンステイに接続されるブラケットと、を含み、
前記接触部は、前記ブラケットに接触する、請求項13に記載の人力駆動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用のドライブユニットは、人力駆動車のフレームに取り付ける取付部を含む。取付部は、ボルトが取り付けられるための孔を含む。孔は、人力駆動車の幅方向に開口する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-24700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、人力駆動車のフレームに好適に取り付け可能な人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動力が入力される入力回転軸が設けられるハウジングと、単一部材として前記ハウジングに一体に形成され、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成される第1取付部と、を含み、前記第1取付部は、前記人力駆動車が水平面に載置され、かつ、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームに上方または前記水平面に平行な方向から接触するように構成される接触部と、前記接触部に形成され、前記第1取付部を前記フレームに連結する第1ファスナの一部を収容するように構成されて、前記入力回転軸に非平行な第1方向に延びる第1孔と、を含む。
第1側面のドライブユニットによれば、入力回転軸に非平行な第1方向に延びる第1孔に第1ファスナの一部を収容して、フレームに好適に取り付けできる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記接触部の少なくとも一部が、前記入力回転軸の回転軸心まわりにおいて、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのチェーンステイと、の間に形成される第1領域に配置される。
第2側面のドライブユニットによれば、ドライブユニットがフレームに取り付けられた状態において、入力回転軸の軸方向から見た場合に、第1領域においてドライブユニットの接触部の少なくとも一部が、フレームに接触することによって、フレームに好適に取り付けできる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記接触部の少なくとも一部が、前記入力回転軸の回転軸心まわりにおいて、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのダウンチューブと、の間に形成される第2領域に配置される。
第3側面のドライブユニットによれば、ドライブユニットがフレームに取り付けられた状態において、入力回転軸の軸方向から見た場合に、第2領域にいてドライブユニットの接触部の少なくとも一部が、フレームに接触することによって、フレームに好適に取り付けできる。
【0008】
本開示の第4側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動力が入力される入力回転軸が設けられるハウジングと、単一部材として前記ハウジングに一体に形成され、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成される第1取付部と、を含み、前記第1取付部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームに接触するように構成される接触部と、前記接触部に形成され、前記第1取付部を前記フレームに連結する第1ファスナの一部を収容するように構成され、かつ、前記入力回転軸に非平行な第1方向に延びる第1孔と、を含み、前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記接触部の少なくとも一部が、前記入力回転軸の回転軸心まわりにおいて、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのチェーンステイと、の間に形成される第1領域、および、前記フレームのシートチューブと、前記フレームのダウンチューブと、の間に形成される第2領域、の少なくとも1つに配置される。
第4側面のドライブユニットによれば、ライブユニットがフレームに取り付けられた状態において、入力回転軸の軸方向から見た場合に、第1領域または第2領域の少なくとも1つにおいて、ドライブユニットの接触部の少なくとも一部が、フレームに接触することによって、フレームに好適に取り付けできる。
【0009】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記接触部は、前記フレームに取り付けられた状態において、前記ハウジングのうち前記フレームの前後方向における両端部を除く部分に設けられる。
第5側面のドライブユニットによれば、接触部がフレームに取り付けられた状態において、ハウジングのうちフレームの前後方向における両端部を除く部分に設けられるため、フレームに好適に取り付けできる。
【0010】
本開示の第6側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動車力が入力される入力回転軸が設けられるハウジングと、単一部材として前記ハウジングに一体に形成され、前記人力駆動車のフレームに取り付けられるように構成される第1取付部と、を含み、前記第1取付部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記フレームに接触するように構成される接触部と、前記接触部に形成され、前記第1取付部を前記フレームに連結する第1ファスナの一部を収容するように構成されて、前記入力回転軸に非平行な第1方向に延びる第1孔を含み、前記接触部は、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記第1取付部は、前記ハウジングのうち前記フレームの前後方向における両端部を除く部分に設けられる。
第6側面のドライブユニットによれば、接触部がフレームに取り付けられた状態において、ハウジングのうちフレームの前後方向における両端部を除く部分に設けられるため、フレームに好適に取り付けできる。
【0011】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のドライブユニットにおいて、単一部材として前記ハウジングに一体に形成され、前記フレームに取り付けられるように構成され、前記第1取付部とは異なる位置に設けられる少なくとも1つの第2取付部をさらに含み、前記少なくとも1つの第2取付部は、前記第2取付部を前記フレームに連結する第2ファスナの一部を収容するように構成されて、前記入力回転軸に平行な第2方向に延びる第2孔を含む。
第7側面のドライブユニットによれば、入力回転軸に平行な第2方向に延びる第2孔に第2ファスナの一部を収容することによって、より安定してフレームに取り付けできる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記少なくとも1つの第2取付部は、複数の第2取付部を含み、前記複数の第2取付部は、前記入力回転軸まわりにおいて、それぞれ異なる位置に設けられる。
第8側面のドライブユニットによれば、複数の第2取付部によって、より安定してフレームに取り付けできる。
【0013】
本開示の第8側面に従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記複数の第2取付部と、前記接触部と、に囲まれる領域に、前記入力回転軸が配置される。
第9側面のドライブユニットによれば、より安定してフレームに取り付けできる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のドライブユニットにおいて、前記第1方向は、前記入力回転軸の軸方向と実質的に直交する。
第10側面のドライブユニットによれば、入力回転軸の軸方向と実質的に直交する第1方向に延びる第1孔に第1ファスナの一部を収容することによって、フレームに好適に取り付けできる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記入力回転軸の軸方向から見た場合に、前記第1方向は、前記フレームの前後方向に対して傾斜する。
第11側面のドライブユニットによれば、フレームの前後方向に対して傾斜する第1方向に延びる第1孔に第1ファスナの一部を収容することによって、フレームに好適に取り付けできる。
【0016】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記接触部の少なくとも一部は、前記入力回転軸の軸方向における前記ハウジングの中央部分に配置される。
第12側面のドライブユニットによれば、接触部の少なくとも一部がドライブユニットがフレームに取り付けられた状態において、入力回転軸の軸方向における前記ハウジングの中央部分に配置されるため、安定してフレームに好適に取り付けできる。
【0017】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータをさらに含む。
第13側面のドライブユニットによれば、人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを含むドライブユニットを、フレームに好適に取り付けできる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のドライブユニットにおいて、前記ハウジングは、前記モータを支持する第1部分と、前記入力回転軸を支持する第2部分と、を含み、前記第1取付部は、少なくとも一部が前記第1部分と前記第2部分との接続部分に設けられる。
第14側面のドライブユニットによれば、第1取付部の少なくとも一部が第1部分と第2部分との接続部分に設けられるため、フレームに好適に取り付けできる。
【0019】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面のドライブユニットにおいて、前記ドライブユニットが前記フレームに取り付けられた状態において、前記第1取付部の少なくとも一部は、前記入力回転軸よりも前記人力駆動車の後方に位置する。
第15側面のドライブユニットによれば、ドライブユニットがフレームに取り付けられた状態において、第1取付部の少なくとも一部を人力駆動車の後方に配置できるため、フレームに好適に取り付けできる。
【0020】
本開示の第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面のドライブユニットにおいて、前記第1孔は、第1雌ねじ部によって定義され、前記第1ファスナは、ボルトを含む。
第16側面のドライブユニットによれば、ボルトによって好適にフレームに好適に取り付けできる。
【0021】
本開示の第17側面に従う人力駆動車は、人力駆動車であって、第1から第16側面のいずれか1つに記載の人力駆動車のドライブユニットと、前記人力駆動車のフレームと、を含む。
第17側面の人力駆動車によれば、ドライブユニットを好適にフレームに好適に取り付けできる。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面の人力駆動車において、前記フレームは、ダウンチューブと、シートチューブと、チェーンステイと、前記ダウンチューブ、前記シートチューブ、および、前記チェーンステイに接続されるブラケットと、を含み、前記接触部は、前記ブラケットに接触する。
第18側面の人力駆動車によれば、ブラケットを介してドライブユニットを好適にフレームに好適に取り付けできる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車は、人力駆動車のフレームに好適に取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態の人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車の第1側面図。
図2図1の人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車のフレームの第2側面図。
図3図1の人力駆動車用のドライブユニットの斜視図。
図4図3とは異なる方向から見た図1の人力駆動車用のドライブユニットの斜視図。
図5図1の人力駆動車用のドライブユニットの第1側面図。
図6図1の人力駆動車用のドライブユニットの第2側面図。
図7図1の人力駆動車用のドライブユニット周辺を拡大して示す側面図。
図8図2の人力駆動車用のドライブユニット周辺を拡大して示す側面図。
図9図1の人力駆動車用のドライブユニット周辺を拡大して示す背面図。
図10図5のD10-D10線に沿う断面図。
図11図1の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車と、充電システムと、の電気的な構成を示すブロック図。
図12図11の制御装置の制御部によって実行され、ドライブユニットの状態を切り替える処理のフローチャート。
図13図11のインタフェース装置の制御部によって実行され、第1情報と対応する第2情報を表示部に表示する処理のフローチャート。
図14図11の制御装置の制御部によって実行され、第1情報を含む信号を送信する処理のフローチャート。
図15図11の充電器の制御部によって実行され、充電を停止する処理のフローチャート。
図16】変形例の人力駆動車用のドライブユニット周辺を拡大して示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
図1から図15を参照して、第1実施形態の人力駆動車用のドライブユニット30および人力駆動車10について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車として説明する。
【0026】
人力駆動車10およびフレーム12は、人力駆動車10が水平面に載置された状態において、前後方向を有する。前後方向は、前方X1および後方X2を有する。人力駆動車10およびフレーム12は、人力駆動車10が水平面に載置された状態において、上下方向を有する。上下方向は、上方Y1および下方Y2を有する。
【0027】
人力駆動車10は、ドライブユニット30と、フレーム12と、を含む。好ましくは、人力駆動車10は、車輪14をさらに含む。車輪14は、フレーム12に支持される。車輪14は、後輪14Aおよび前輪14Bを含む。
【0028】
好ましくは、フレーム12は、ダウンチューブ16と、シートチューブ18と、チェーンステイ20と、ブラケット22と、を含む。好ましくは、フレーム12は、シートステイ21を含む。本実施形態では、フレーム12は、ダイヤモンド型フレームである。本実施形態では、ブラケット22は、ダウンチューブ16、シートチューブ18、および、チェーンステイ20に接続される。例えば、チェーンステイ20は、サスペンションを介してブラケットまたはシートチューブ18に接続されてもよい。
【0029】
ドライブユニット30は、ハウジング32と、第1取付部34と、を含む。ハウジング32は、人力駆動力が入力される入力回転軸36が設けられる。好ましくは、ドライブユニット30は、入力回転軸36を含む。入力回転軸36は、人力駆動車10のクランク軸として構成される。ドライブユニット30は、入力回転軸36を含まなくてもよい。第1取付部34は、単一部材としてハウジング32に一体に形成され、フレーム12に取り付けられるように構成される。第1取付部34は、接触部38と、第1孔40と、を含む。好ましくは、接触部38は、人力駆動車10が水平面に載置され、かつ、ドライブユニッ30トがフレーム12に取り付けられた状態において、フレーム12に上方または水平面に平行な方向から接触するように構成される。接触部38は、ハウジング32の外周部に設けられる。接触部38は、例えば、ハウジング32の外周部からハウジング32の外方に向けて突出する凸部32Xに設けられる。好ましくは、接触部38は、ブラケット22に接触する。好ましくは、ブラケット22は、凹部22Aを含む。凹部22Aによって囲まれる空間には、ドライブユニット30の少なくとも一部が配置される。好ましくは、接触部38は、凹部22Aの内壁面22Dに接触する。ブラケット22は、ダウンチューブ16、シートチューブ18およびチェーンステイ20の少なくとも1つに、溶接または接着などによって接続されてもよい。ブラケット22は、ダウンチューブ16、シートチューブ18およびチェーンステイ20の少なくとも1つと、単一部材として一体に形成されてもよい。ブラケット22は、例えば、金属材料によって形成されてもよく、例えばカーボンファイバを含む繊維強化樹脂材料を含んで形成されてもよい。
【0030】
好ましくは、第1孔40は、第1雌ねじ部40Aによって定義され、第1ファスナ42は、ボルト42Aを含む。ボルト42Aは、例えば、六角ボルトであってもよく、六角穴付ボルトであってもよい。第1孔40は、第1雌ねじ部40Aの内周面によって定義される。本実施形態では、第1孔40は、ブランド孔である。第1孔40は、貫通孔であってもよい。ハウジング32の外周面のうち、第1ファスナ42の挿入方向の上流側の第1孔40の周囲には、第1ブラケット接触面38Aを有する。第1ブラケット接触面38Aは、好ましくは、第1孔40の延びる方向に実質的に垂直な平面である。ブラケット22には、第1貫通孔22Bが形成される。第1貫通孔22Bは、凹部22Aの壁部に形成される。第1ファスナ42は、ブラケット22の凹部22Aの外部から、第1貫通孔22Bに挿入され、第1雌ねじ部40Aに結合される。第1貫通孔22Bの直径は、ボルト42Aの頭部42Bの直径よりも小さい。ボルト42Aの頭部42Bと、接触部38との間にブラケット22が挟まれて、フレーム12に対してドライブユニット30が固定される。好ましくは、ブラケット22の凹部22Aの外側から凹部22Aの内側に向かって第1貫通孔22Bが延びる方向は、人力駆動車10が水平面に載置された状態において、下方または水平面に平行な方向である。第1貫通孔22Bは、直線状に延びる。ブラケット22のうち、ハウジング32の第1ブラケット接触面38Aに接触する部分は、実質的に平面に形成される。第1ブラケット接触面38Aと、ブラケット22との間には、ワッシャが設けられてもよい。ボルト42Aの頭部42Bと、ブラケット22との間には、ワッシャが設けられてもよい。
【0031】
第1例では、第1孔40は、接触部38に形成され、第1取付部34をフレーム12に連結する第1ファスナ42の一部を収容するように構成されて、入力回転軸36に非平行な第1方向A1に延びる。第1孔40は、好ましくは、第1方向A1に直線状に延びる。好ましくは、第1方向A1は、入力回転軸36の軸方向と実質的に直交する。好ましくは、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、第1方向A1は、フレーム12の前後方向Xに対して傾斜する。
【0032】
好ましくは、接触部38は、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、接触部38の少なくとも一部が、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、第1領域R1に配置される。本実施形態において、第1領域R1は、入力回転軸36の回転軸心C1まわりにおいて、フレーム12のシートチューブ18と、フレーム12のチェーンステイ20と、の間に形成される。
【0033】
好ましくは、接触部38は、フレーム12に取り付けられた状態において、ハウジング32のうちフレーム12の前後方向Xにおける両端部33A,33Bを除く部分に設けられる。
【0034】
好ましくは、ドライブユニット30は、モータ44をさらに含む。モータ44は、1または複数の電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。好ましくは、モータ44は、ハウジング32に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ44は、少なくとも一部がハウジング32の内部に形成される収容空間に配置される。好ましくは、モータ44の出力軸44Aは、入力回転軸36の回転軸心C1と平行な方向に延びる。好ましくは、ハウジング32は、モータ44を支持する第1部分32Aと、入力回転軸36を支持する第2部分32Bと、を含む。好ましくは、第1取付部34は、少なくとも一部が第1部分32Aと第2部分32Bとの接続部分32Cに設けられる。好ましくは、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、第1取付部34の少なくとも一部は、入力回転軸36よりも人力駆動車10の後方に位置する。好ましくは、第1部分32Aは、フレーム12の前後方向Xにおけるハウジング32の第1端部33Aを含む。好ましくは、ハウジング32の第1端部33Aは、フレーム12の前方側に配置される。好ましくは、第2部分32Bは、フレーム12の前後方向Xにおけるハウジング32の第2端部33Bを含む。好ましくは、ハウジング32の第2端部33Bは、フレーム12の後方X2側に配置される。好ましくは、第1取付部34は、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36の回転軸心C1とモータ44の出力軸44Aの回転軸心C2と通る直線の延びる方向において、少なくとも一部が入力回転軸36とモータ44の出力軸44Aとの間に配置される。
【0035】
好ましくは、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、接触部38の少なくとも一部は、入力回転軸36の軸方向におけるハウジング32の中央部分に配置される。ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、接触部38は、入力回転軸36の軸方向におけるハウジング32の中央部分からオフセットして配置されてもよい。
【0036】
好ましくは、ドライブユニット30は、少なくとも1つの第2取付部46をさらに含む。第2取付部46は、単一部材としてハウジング32に一体に形成され、フレーム12に取り付けられるように構成され、第1取付部34とは異なる位置に設けられる。少なくとも1つの第2取付部46は、第2孔48を含む。第2孔48は、第2取付部46をフレーム12に連結する第2ファスナ50の一部を収容するように構成されて、入力回転軸36に平行な第2方向A2に延びる。
【0037】
好ましくは、第2孔48は、第2雌ねじ部48によって定義され、第2ファスナ50は、ボルト50Aを含む。第2雌ねじ部48は、単一部材として、第2取付部本体46Xに一体に形成されてもよく、第2取付部本体46Xとは別体に形成され、第2取付部本体46Xに取り付けられてもよい。ハウジング32の外周面のうち、第2ファスナ50の挿入方向の上流側の第2孔48の周囲には、第2ブラケット接触面39Aを有する。第2ブラケット接触面39Aは、好ましくは、第2孔48の延びる方向に実質的に垂直な平面である。第2ブラケット接触面39Aは、第2取付部本体46Xに形成されてもよく、第2雌ねじ部48に形成されてもよく、第2取付部本体46Xおよび第2雌ねじ部48に形成されてもよい。第2孔48は、第2雌ねじ部48の内周面によって定義される。本実施形態では、第2孔48は、貫通孔である。第2孔48は、ブランド孔であってもよい。ブラケット22には、第2貫通孔22Eが形成される。第2貫通孔22Eは、凹部22Aの壁部に形成される。第2ファスナ50は、ブラケット22の凹部22Aの外部から第2貫通孔22Eに挿入され、第2雌ねじ部48に結合される。好ましくは、ブラケット22の凹部22Aの外側から凹部22Aの内側に向かって第2貫通孔22Eが延びる方向は、人力駆動車10が水平面に載置された状態において、入力回転軸36の軸方向に平行な方向である。第2貫通孔22Eは、直線状に延びる。ブラケット22のうち、ハウジング32の第2ブラケット接触面39Aに接触する部分は、実質的に平面に形成される。第2雌ねじ部48が第2取付部46とは別体に形成され、第2取付部46に取り付けられる場合、第2雌ねじ部48は、例えば、ナットによって形成される。第2雌ねじ部48は、例えば、第2取付部本体46Xに埋め込まれて一体形成されてもよい。第2雌ねじ部48は、例えば、第2取付部46に形成される孔に圧入され、孔の延びる方向に移動可能に構成されてもよい。第2雌ねじ部48Aは、例えば、第2取付部46とブラケット22との間に配置されるフランジ部を備えていてもよい。第2取付部46と、ブラケット22との間には、例えば、ワッシャなどの調整部材が設けられてもよい。調整部材には、第2ファスナ50が挿入される。第2ファスナ50のボルト50Aの頭部と、ブラケット22との間には、ワッシャが設けられてもよい。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの第2取付部46は、複数の第2取付部46を含む。複数の第2取付部46は、入力回転軸36まわりにおいて、それぞれ異なる位置に設けられる。少なくとも1つの第2取付部46は、ハウジング32の外周部に設けられる。少なくとも1つの第2取付部46は、ハウジング32の外周部に設けられる凸部に設けられる。ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、少なくとも1つの第2取付部46は、ブラケット22に接触する。ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、好ましくは、複数の第2取付部46の全てが、ブラケット22に接触する。ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、好ましくは、少なくとも1つの第2取付部46は、凹部22Aの内壁面22Dに接触する。ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、好ましくは、複数の第2取付部46の全てが、凹部22Aの内壁面22Dに接触する。
【0039】
好ましくは、複数の第2取付部46は、入力回転軸36の軸方向の一方に開口する少なくとも1つの第2取付部46Aと、入力回転軸36の軸方向の他方に開口する少なくとも1つの第2取付部46Bと、を含む。好ましくは、少なくとも第2取付部46Aは、複数の第2取付部46Aを含む。複数の第2取付部46Aは、入力回転軸36まわりにおいて、それぞれ異なる位置に設けられる。好ましくは、少なくとも第2取付部46Bは、複数の第2取付部46Bを含む。複数の第2取付部46Bは、入力回転軸36まわりにおいて、それぞれ異なる位置に設けられる。本実施形態では、少なくとも第2取付部46Aの数は、少なくとも第2取付部46Bの数と等しいが、少なくとも第2取付部46Aの数と、少なくとも第2取付部46Bの数とは異なっていてもよい。少なくとも第2取付部46Aの構成と、少なくとも第2取付部46Bの構成とは異なっていてもよい。例えば、少なくとも第2取付部46Aは、第2雌ねじ部48が単一部材として、第2取付部本体46Xに一体に形成されて、少なくとも第2取付部46Bは、第2雌ねじ部48が第2取付部本体46Xとは別体に形成され、第2取付部本体46Xに取り付けられる。
【0040】
複数の第2取付部46Aのうちの少なくとも1つと、複数の第2取付部46Bのうちの少なくとも1つとは、入力回転軸36まわりにおいて、同じ位置に設けられてもよく、異なる位置に設けられてもよい。複数の第2取付部46Aのうちの少なくとも1つと、複数の第2取付部46Bのうちの少なくとも1つとは、相互に接続して配置されてもよく、入力回転軸36の軸方向に離間して配置されてもよい。本実施形態では、2つの第2取付部46Aと、2つの第2取付部46Bとが、ハウジング32に設けられる。本実施形態では、2つの第2取付部46Aの1つと、2つの第2取付部46Bの1つとは、入力回転軸36まわりにおいて、同じ位置に設けられる。本実施形態では、2つの第2取付部46Aの1つと、2つの第2取付部46Bの1つとは、相互に接続して配置され、単一部材として一体に形成される。本実施形態では、2つの第2取付部46Aの他の1つと、2つの第2取付部46Bの他の1つとは、入力回転軸36まわりにおいて、同じ位置に設けられる。本実施形態では、2つの第2取付部46Aの他の1つと、2つの第2取付部46Bの他の1つとは、相互に接続して配置され、単一部材として一体に形成される。好ましくは、少なくとも1つの第2取付部46のうちの1つの第2取付部46は、人力駆動車10が水平面に載置され、かつ、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、チェーンステイ20よりも下方Y2に配置される。好ましくは、少なくとも1つの第2取付部46のうちの1つの第2取付部46は、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36の回転軸心C1とモータ44の出力軸44Aの回転軸心C2とを通る直線の延びる方向において、第1取付部34とは反対側に配置される。好ましくは、少なくとも1つの第2取付部46のうちの1つの第2取付部46は、人力駆動車10が水平面に載置され、かつ、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、入力回転軸36よりも前方X1および入力回転軸36よりも後方X2のそれぞれに配置される。
【0041】
好ましくは、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、複数の第2取付部46と、接触部38と、に囲まれる領域R3に、入力回転軸36が配置される。本実施形態では、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、複数の第2取付部46と、接触部38と、に囲まれる領域R3に、入力回転軸36の一部が配置される。好ましくは、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、複数の第2取付部46と、接触部38と、に囲まれる領域R3に、入力回転軸36の回転軸心C1が配置される。領域R3は、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36まわりに相互に隣接する第2取付部46同士を結ぶ直線LA、および、入力回転軸36まわりに相互に隣接する第2取付部46と接触部38とを結ぶ直線LBによって形成される。本実施形態では、複数の第2取付部46は、2つの第2取付部46Aおよび2つの第2取付部46Bを含む。入力回転軸36の軸方向から見て、2つの第2取付部46Aの一方の位置と2つの第2取付部46Bの一方の位置とは一致する。入力回転軸36の軸方向から見て、2つの第2取付部46Aの他方の位置と2つの第2取付部46Bの他方の位置とは一致する。入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36まわりに相互に隣接する第2取付部46を結ぶ直線LAは、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36まわりに相互に隣接する2つの第2取付部46A,46Bの第2孔48の中心を結ぶ直線である。入力回転軸36の軸方向から見て、第2取付部46A,46Bと接触部38とを結ぶ直線LBは、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36まわりに相互に隣接する第2取付部46A,46Bと接触部38とにおいて、2つの第2取付部46の第2孔48の中心のそれぞれと、第1ブラケット接触面38Aを含む平面と第1孔40の中心とが交差する点とを結ぶ2つの直線である。本実施形態では、入力回転軸36の軸方向から見て、領域R3は、三角形に形成される。
【0042】
好ましくは、ドライブユニット30は、出力部54をさらに備える。出力部54は、例えば、入力回転軸36に接続されて、入力回転軸36の回転が入力される。出力部54は、好ましくは、出力部54の回転軸心が入力回転軸36の回転軸心C1と実質的に一致するように入力回転軸36のまわりに設けられる。入力回転軸36と出力部54とは、入力回転軸36の回転軸心C1まわりの両方向に一体に回転するように接続される。入力回転軸36と出力部54との間には、例えば、入力回転軸36を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、入力回転軸36の回転力が出力部54に伝達されるように第1ワンウェイクラッチ58が設けられてもよい。第1ワンウェイクラッチ58は、例えば、ローラクラッチ、爪ラチェット式クラッチ、または、スプラグ式クラッチを含む。出力部54の回転軸心の軸方向の一端部は、好ましくは、ハウジング32の外部に露出するように、ハウジング32に設けられる。出力部54の回転軸心の軸方向の一端部には、スプロケットまたはプーリを連結するように構成される連結部を含む。連結部は、出力部54の外周部に設けられる。連結部は、例えば入力回転軸36の軸方向に沿って延びるスプラインを含む。
【0043】
好ましくは、ドライブユニット30は、減速機56をさらに備える。減速機56は、モータ44から入力される駆動力を、回転速度を減じて出力部54に伝達する。減速機56の一部は、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36の回転軸心C1とモータ44の出力軸44Aの回転軸心C2と通る直線の延びる方向において、モータ44の出力軸44Aの回転軸心C2と入力回転軸36の回転軸心C1との間に配置される。好ましくは、減速機56は、複数の歯車を含む。本実施形態では、複数の歯車は、4つの歯車を有し、減速機56は、回転速度を2段階に分けて減じる。減速機56は、1または複数の中間軸56Aを有する。本実施形態では、減速機56は、1つの中間軸56Aを有する。中間軸56Aには、軸方向に並んで第1歯車56Bおよび第2歯車56Cが設けられる。例えば、モータ44の出力軸44Aに設けられる歯車44Bと、中間軸56Aに設けられる第1歯車56Bとが噛み合い、中間軸56Aに設けられる第2歯車56Cと、出力部54に設けられる歯車54Aとが噛み合う。中間軸56Aの少なくとも1つの回転軸線CXは、入力回転軸36の軸方向から見て、入力回転軸36の回転軸心C1とモータ44の出力軸44Aの回転軸心C2と通る直線LX上に配置されてもよく、人力駆動車10が水平面に載置された状態において、直線LXよりも上方に配置されてもよく、直線LXよりも下方に配置されてもよい。減速機56の構成は限定されず、どのような構成であってもよい。例えば、減速機56は、遊星歯車機構を含んでいてもよい。例えば、減速機56は、プーリおよびベルトを含んでいてもよい。例えば、減速機56は、スプロケットおよびチェーンを含んでいてもよい。ドライブユニット30は、入力回転軸36を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、入力回転軸36の回転力がモータ44に伝達されないように第2ワンウェイクラッチが設けられていてもよい。第2ワンウェイクラッチは、モータ44の出力軸44Aと減速機56との間に設けられてもよく、減速機56に設けられてもよく、減速機56と出力部54との間に設けられてもよい。
【0044】
好ましくは、ドライブユニット30は、制御装置62をさらに含む。制御装置62は、制御部64を含む。制御部64は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部64は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御部64は、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。
【0045】
制御装置62は、好ましくは、モータ44の駆動回路66をさらに備える。駆動回路66と、制御部64とは、好ましくは、ハウジング32に設けられる。駆動回路66と、制御部64とは、例えば同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路66は、インバータ回路を含む。駆動回路66は、人力駆動車用のバッテリユニット26からモータ44に供給される電力を制御する。駆動回路66は、制御部64と有線接続または無線接続される。駆動回路66は、制御部64からの制御信号に応じてモータ44を駆動させる。
【0046】
好ましくは、制御装置62は、通信部68を含む。通信部68は、例えば、電力線通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって人力駆動車用のコンポーネントと通信可能である。好ましくは、人力駆動車用のコンポーネントは、人力駆動車用のバッテリユニット26、および、インタフェース装置28を含む。
【0047】
図11に示すように、人力駆動車10は、人力駆動車用の電気システム24を含んでいてもよい。好ましくは、電気システム24は、ドライブユニット30と、バッテリユニット26とを含む。バッテリユニット26は、フレーム12に設けられる。バッテリユニット26は、例えば、フレーム12のダウンチューブ16に内蔵されていてもよい。バッテリユニット26は、第1バッテリ26Aを含む。第1バッテリ26Aは、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリユニット26は、制御装置62に電力を供給するように構成される。バッテリユニット26は、制御部26Bおよび通信部26Cをさらに含む。
【0048】
制御部26Bは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部26Bは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御部26Bは、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。制御部26Bは、タイマおよび時計の少なくとも1つを含む。
【0049】
好ましくは、通信部26Cは、制御装置62の制御部64と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリユニット26は、例えば電力線通信(PLC)、CAN、または、UARTによって制御部64と通信可能である。
【0050】
好ましくは、第1バッテリ26Aと駆動回路66とは、第1電気ケーブル65Aを介して接続される。制御部64は、第1電気ケーブル65Aを介して駆動回路66に供給される電流を制御して、モータ44を制御する。
【0051】
電気システム24は、複数の制御状態を有する。複数の制御状態は、第1状態、第2状態、および、第3状態を含む。第1状態は、第1バッテリ26Aから制御部64に電力が供給され、かつ、第1電気ケーブル65Aを介して第1バッテリ26Aから駆動回路66に電力が供給される状態である。第2状態は、第1バッテリ26Aから制御部64に電力が供給され、かつ、制御部64における消費電力が、第1状態の場合よりも低い状態である。第2状態では、第1電気ケーブル65Aを介して第1バッテリ26Aから駆動回路66に電力が供給されてもよく、第1電気ケーブル65Aを介して第1バッテリ26Aから駆動回路66に電力が供給されなくてもよい。第3状態は、第1バッテリ26Aから制御部64に電力が供給されず、かつ、第1電気ケーブル65Aを介して第1バッテリ26Aから駆動回路66に電力が供給されない状態である。第1状態において、制御部64は、例えば、入力回転軸36に入力される人力駆動力、入力回転軸36の回転速度、および、人力駆動車10の走行速度の少なくとも1つに応じて、モータ44を駆動するように構成される。第2状態は、制御部64は、例えば、モータ44を駆動しないスタンバイ状態である。好ましくは、第1状態および第2状態において、制御部64は、第1バッテリ26Aの電力を人力駆動車用のコンポーネントに供給させる。第3状態において、第1バッテリ26Aの電力は、人力駆動車用のコンポーネントに供給されない。
【0052】
好ましくは、電気システム24は、インタフェース装置28を含む。インタフェース装置28は、サイクルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、または、パーソナルコンピュータを含んでもよい。インタフェース装置28は、表示部28A、操作部28B、制御部28C、および、通信部28Dを含む。表示部28Aは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含む。操作部28Bは、例えばボタンを含む。操作部28Bは、例えば、電気システム24の電源ボタンとして機能する。
【0053】
制御部28Cは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部28Cは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御部28Cは、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0054】
好ましくは、通信部28Dは、制御装置62の制御部64と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリユニット26は、例えば電力線通信、CAN、または、UARTによって制御部64と通信可能である。
【0055】
好ましくは、インタフェース装置28は、第2バッテリ28Eをさらに含む。第2バッテリ28Eは、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。第2バッテリ28Eは、インタフェース装置28の制御部28Cに電力を供給する。例えば、バッテリユニット26からインタフェース装置28に電力が供給される場合、制御部28Cは、第2バッテリ28Eからインタフェース装置28の制御部28Cへの電力の供給が停止されるように構成されていてもよい。第2バッテリ28Eは、バッテリユニット26によって充電されてもよい。
【0056】
図12を参照して、制御装置62の制御部64によって実行される電気システム24の制御状態を切り替える処理について説明する。制御部64は、制御部64に電力が供給されると、処理を開始して図12に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部64は、図12のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0057】
制御部64は、ステップS11において、第1状態か否かを判定する。制御部64は、第1状態の場合、ステップS12に移行する。制御部64は、ステップS12において、ドライブユニット30が予め定める第1時間T1以上にわたり動作していないか否かを判定する。例えば、制御部64は、予め定める第1時間T1以上にわたりモータ44を駆動させていない場合、ドライブユニット30が予め定める第1時間T1以上にわたり動作していないと判定する。制御部64は、ドライブユニット30が予め定める第1時間T1以上にわたり動作してない場合、ステップS13に移行する。制御部64は、ステップS12における判定がNOの場合、処理を終了する。
【0058】
制御部64は、ステップS13において、電気システム24の制御状態を第1状態から第2状態に切り替え、処理を終了する。例えば、制御部64は、第2状態において、スリープ状態となる。制御部64は、第2状態において、例えば、制御部64と駆動回路66との間に設けられるスイッチをオフにして、制御部64と駆動回路66との電気的な接続を切り離してもよい。第2状態において、例えば、バッテリと駆動回路66との間に設けられるスイッチをオフにして、バッテリと駆動回路66との電気的な接続を切り離してもよい。
【0059】
制御部64は、ステップS11において第1状態ではない場合、ステップS14に移行する。制御部64は、ステップS14において、第2状態か否かを判定する。制御部64は、第2状態ではない場合、処理を終了する。制御部64は、第2状態の場合、ステップS15に移行する。
【0060】
制御部64は、ステップS15において、第2状態が予め定める第2時間T2以上継続しているか否かを判定する。制御部64は、第2状態が予め定める第2時間T2以上継続している場合、ステップS16に移行する
【0061】
制御部64は、ステップS16において、電気システムの制御状態を第2状態から第3状態に切り替え、処理を終了する。
【0062】
制御部64は、ステップS15における判定が、NOの場合、ステップS17に移行する。制御部64は、ステップS17において、操作部28Bが操作されるか、または、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのセンサからの検出情報が変化するか否かを判定する。人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのセンサは、例えば、入力回転軸36に入力される人力駆動力に応じた信号を出力するセンサ、入力回転軸の回転状態に応じた信号を出力するセンサ、人力駆動車の速度に応じた信号を出力するセンサの少なくとも1つを含む。人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのセンサは、制御部64に電気ケーブルまたは無線通信装置を介して、検出情報を送信する。制御部64は、ステップS16において、操作部28Bが操作されたと判定する、または、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのセンサから検出情報が変化したと判定すると、ステップS18に移行する。制御部64は、ステップS18において、電気システムの制御状態を第2状態から第1状態に切り替え、処理を終了する。制御部64は、ステップS17における判定が、NOの場合、処理を終了する。
【0063】
好ましくは、制御部64の記憶部には、予め定める第1時間T1が変更可能に記憶される。制御部64は、インタフェース装置28の操作部28Bによって記憶部に記憶される予め定める第1時間T1を変更するように構成される。
【0064】
好ましくは、制御部64の記憶部には、予め定める第2時間T2が変更可能に記憶される。制御部64は、インタフェース装置28の操作部28Bによって記憶部に記憶される予め定める第2時間T2を変更するように構成される。
【0065】
インタフェース装置28の制御部28Cと制御装置62の制御部64とは、第2電気ケーブル65Bを介して接続される。制御装置62の制御部64にバッテリユニット26からの電力の供給が停止されている場合、インタフェース装置28の制御部28Cは、第2バッテリ28Eの電力を制御装置62の制御部64に供給するように構成されていてもよい。例えば、操作部28Bが操作されると、インタフェース装置28の制御部28Cは、制御装置62の制御部64に第2バッテリ28Eの電力を供給し、制御装置62の制御部64を起動させるように構成される。
【0066】
好ましくは、インタフェース装置28の制御部28Cは、ドライブユニット30が第3状態の場合、第2バッテリ28Eの電力を制御装置62の制御部64に供給し、制御部64から第1情報を取得するように構成される。好ましくは、第1情報は、ドライブユニット30およびバッテリユニット26の少なくとも1つの状態に関する情報を含む。好ましくは、第1情報は、ドライブユニット30およびバッテリユニット26の少なくとも1つのエラーに関する情報、および、バッテリユニット26の第1バッテリ26Aの残量情報の少なくとも1つを含む。インタフェース装置28の制御部28Cは、制御装置62の制御部64から第1情報を含む信号を受信すると、第1情報と対応する第2情報を表示部28Aに表示するように構成される。第2情報は、例えば、ユーザが第1情報を把握できる文字、および、画像の少なくとも1つを含む。
【0067】
図13を参照して、インタフェース装置28の制御部28Cによって実行される表示部28Aに第2情報を表示する処理について説明する。制御部28Cは、操作部28Bの操作に応じて制御部28Cに電力が供給されると、処理を開始して図13に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部28Cは、図13のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0068】
ステップS21において、制御部28Cは、操作部28Bが操作されたか否かを判定する。制御部28Cは、操作部28Bが操作されない場合、処理を終了する。制御部28Cは、操作部28Bが操作された場合、ステップS22に移行する。
【0069】
制御部28Cは、ステップS22において、電気システム24の制御状態が第3状態か否かを判定する。例えば、制御部28Cは、第1バッテリ26Aの電力が供給されていない場合、電気システム24の制御状態が第3状態と判定する。制御部28Cは、電気システム24の制御状態が第3状態ではない場合、処理を終了する。制御部28Cは、第3状態の場合、ステップS23に移行する。
【0070】
制御部28Cは、ステップS23において、ドライブユニット30に第2バッテリ28Eの電力を供給し、第1情報を要求し、ステップS24に移行する。
【0071】
制御部28Cは、ステップS24において、第1情報を含む信号を受信したか否かを判定する。制御部28Cは、第1情報を含む信号を受信するまでステップS24の判定処理を繰り返す。制御部28Cは、第1情報を含む信号を受信すると、ステップS25に移行する。制御部28Cは、ステップS25において、第1情報と対応する第2情報を表示部28Aに表示させ、処理を終了する。
【0072】
図14を参照して、制御装置62の制御部64によって実行される第1情報を含む信号を送信する処理について説明する。制御装置62の制御部64は、インタフェース装置28の第2バッテリ28Eから制御部64に電力が供給されると、処理を開始して図14に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部64は、図14のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0073】
制御部64は、ステップS31において、インタフェース装置28から第1情報の要求があるか否かを判定する。制御部64は、第1情報の要求がない場合、処理を終了する。制御部64は、第1情報の要求がある場合、ステップS32に移行する。制御部64は、ステップS32において、第1情報を含む信号をインタフェース装置28に送信し、処理を終了する。制御部64は、例えば、前回の起動時までにおいて記憶部に記憶される第1情報をインタフェース装置28に送信してもよく、現在の第1情報を検出してインタフェース装置28に送信してもよい。第1情報がバッテリユニット26の状態に関する情報を含む場合、制御部64は、バッテリユニット26の制御部28Cからバッテリユニット26の状態に関する情報を取得し、インタフェース装置28に送信してもよい。第1情報がバッテリユニット26の状態に関する情報を含む場合、制御部64は、第1状態または第2状態においてバッテリユニット26の状態に関する情報を記憶部に記憶しておき、記憶された情報をインタフェース装置28に送信してもよい。
【0074】
制御部28Cは、電気システム24の制御状態が第3状態の場合、第2バッテリ28Eの電力を用いて第1情報と対応する第2情報を表示部28Aに表示させるため、バッテリユニット26から制御部64に電力が供給されていなくても、ユーザが第1情報を把握できる。
【0075】
バッテリユニット26の通信部26Cと、インタフェース装置28の通信部28Dとは、無線通信を行うように構成されていてもよい。この場合、例えば、インタフェース装置28の制御部28Cから第1情報が要求される場合、制御装置62の制御部64は、バッテリユニット26の制御部26Bにバッテリユニット26の通信部26Cから第1情報を含む無線信号をインタフェース装置28の通信部28Dに送信するための指令信号を送信してもよい。
【0076】
好ましくは、バッテリユニット26は、充電器70によって第1バッテリ26Aが充電されるように構成される。充電器70は、例えば、外部電源71と接続される。外部電源71は、商用交流電源であってもよく、充電池であってもよい。充電器70は、例えば、制御部70Aおよび通信部70Bを含む。
【0077】
制御部70Aは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部70Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御部70Aは、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0078】
制御部70Aは、外部電源71から第1バッテリ26Aへの電力の供給を制御するように構成される。
好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が予め定める電流値になるように制御するように構成される。予め定める電流値は、第1バッテリ26Aの種類に応じて設定される。好ましくは、予め定める電流値は、バッテリユニット26の制御部26Bの記憶部に予め記憶される。好ましくは、バッテリユニット26の制御部26Bは、通信部26Cおよび通信部70Bを介して、バッテリユニット26の種類の関する情報、または、予め定める電流値を含む情報を充電器70の制御部70Aに送信するように構成される。制御部70Aが、バッテリユニット26の種類に関する情報をバッテリユニット26の制御部26Bから受信する場合、記憶部には、第1バッテリ26Aの種類と、予め定める電流値との対応関係を表す情報が記憶される。
【0079】
好ましくは、予め定める電流値は、第1電流値、および、第1電流値よりも小さい第2電流値を含む。好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26の電圧に応じて、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が第1電流値および第2電流値の一方になるように制御するように構成される。好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26の電圧が第1電圧以上の場合、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が第1電流値になるように制御するように構成される。好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26の電圧が第1電圧未満の場合、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が第2電流値になるように制御するように構成される。第1電圧は、例えば、バッテリの残量が実質的に0%と判断できるバッテリの電圧のうち、最大の電圧である。
【0080】
好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が予め定める第3電流値以下になると、充電を停止するように構成される。予め定める第3電流値は、バッテリユニット26の種類に応じて設定される。好ましくは、予め定める第3電流値は、バッテリユニット26の制御部26Bの記憶部に予め記憶される。制御部70Aが、バッテリユニット26の種類に関する情報をバッテリユニット26の制御部26Bから受信する場合、記憶部には、バッテリユニット26の種類と、予め定める第3電流値との対応関係を表す情報が記憶される。制御部70Aは、バッテリユニット26に供給する電力の電流値が予め定める第3電流値以下になると、バッテリユニット26への電力の供給を停止する。
好ましくは、制御部70Aは、バッテリユニット26に供給する電力の電流値を検出し、バッテリユニット26に供給する電力の電流値である充電電流値が第4電流値以下になった場合、充電を停止するように構成される。第4電流値は、第3電流値よりも小さいである。第4電流値は、第1電流値よりも小さい。第4電流値は、例えば、100mAである。制御部は、バッテリユニット26の種類に関する情報または第4電流値に関する情報をバッテリユニット26から取得できない場合でも、バッテリユニット26が満充電になると充電を停止できる。
【0081】
図15を参照して、充電器70の制御部70Aによって実行される充電処理について説明する。制御部70Aは、充電器70を介して外部電源71とバッテリユニット26とが接続されると、処理を開始して図15に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部70Aは、図15のフローチャートが終了すると、充電器70と、外部電源71との接続が解除されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0082】
制御部70Aは、ステップS41において、バッテリユニット26が接続されているか否かを判定する。制御部70Aは、バッテリユニット26が接続されていない場合、処理を終了する。制御部70Aは、バッテリユニット26が接続される場合、ステップS42に移行する。制御部70Aは、例えば、通信部70Bを介してバッテリユニット26の制御部26Bと通信すると、バッテリユニット26が接続されていると判定する。
【0083】
制御部70Aは、ステップS42において、バッテリユニット26から充電に関する情報を取得し、ステップS43に移行する。充電に関する情報は、例えば、バッテリユニット26の種類を含む。バッテリユニット26の種類は、第1バッテリ26Aの最大容量(Ah)またはバッテリユニット26の型番であってもよい。充電に関する情報は、バッテリユニット26の種類に代えて、第1電流値、第2電流値、および、第3電流値を含む。充電に関する情報が第1バッテリ26Aの最大容量(Ah)またはバッテリユニット26の型番の場合、制御部70Aの記憶部には、第1バッテリ26Aの最大容量(Ah)またはバッテリユニット26の型番と対応する第1電流値、第2電流値および第3電流値に関する情報が予め記憶される。充電器70は、第1バッテリ26Aの電圧を検出する第1電圧検出器を有する。第1電圧検出器は、制御部26Bに接続される。バッテリユニットは、第1バッテリ26Aの電圧を検出する第2電圧検出器を有し、現在の第1バッテリ26Aの電圧に関する情報を、制御部26Bに送信してもよい。制御部70Aは、ステップS43において、バッテリユニット26の電圧が第1電圧以上か否かを判定する。制御部70Aは、バッテリユニット26の電圧が第1電圧以上の場合、ステップS44に移行する。
【0084】
制御部70Aは、ステップS44において、第1バッテリ26Aに供給される電流が、第1電流値になるようにバッテリユニット26に電力を供給し、ステップS45に移行する。制御部70Aは、ステップS45において、充電電流値は第3電流値以下か否かを判定する。制御部70Aは、充電電流値が第3電流値以下ではない場合、処理を終了するになるまでステップS45の処理を繰り返す。制御部70Aは、充電電流値が第3電流値以下になると、ステップS46に移行する。制御部70Aは、ステップS46において、充電を停止し、処理を終了する。
【0085】
制御部70Aは、ステップS43において、バッテリユニット26の電圧が第1電圧以上ではない場合、ステップS47に移行する。制御部70Aは、ステップS47において、第2電流値になるようにバッテリユニットに電力を供給し、ステップS48に移行する。好ましくは、制御部70Aは、ステップS48において、第1電圧検出器によって検出される最新のバッテリユニット26の電圧、または、バッテリユニット26から取得する最新のバッテリユニット26の電圧を用いて判定処理を行う。好ましくは、制御部70Aは、ステップS48において、バッテリユニット26から取得する現在のバッテリユニット26の電圧を用いて判定する場合、かつ、バッテリユニット26から現在のバッテリユニット26の電圧が取得できない場合、処理を終了してもよい。
【0086】
制御部70Aは、第1電流値に応じてバッテリユニット26に電力を供給するように構成されるため、第1バッテリ26Aに適した第1バッテリ26Aの充電ができる。制御部70Aは、バッテリユニット26の残電圧が第1電圧未満の場合、第2電流値に応じて第1電流値に応じてバッテリユニット26に電力を供給するように構成されるため、バッテリユニット26の電圧が低い場合の第1バッテリ26Aに適した第1バッテリ26Aの充電ができる。制御部70Aは、第3電流値に応じてバッテリユニット26への電力の供給を停止するため、第1バッテリ26Aに適した第1バッテリ26Aの充電ができる。制御部70Aは、第4電流値に応じてバッテリユニット26への電力の供給を停止するため、充電を開始した後に、バッテリユニット26からの第4電流値に関する情報、および第1バッテリ26Aの種類に関する情報を取得できない場合でも、充電を停止できる。
【0087】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットおよび人力駆動車は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0088】
図16に示されるように、接触部38は、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、接触部38の少なくとも一部が、第2領域R2に配置されてもよい。第2領域R2は、入力回転軸36の回転軸心C1まわりにおいて、フレーム12のシートチューブ18と、フレーム12のダウンチューブ16と、の間に形成される。
【0089】
・ドライブユニット30は複数の第1取付部34を含んでもよい。この場合、少なくとも1つの第1取付部34の接触部38の少なくとも一部は、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、第1領域R1に配置され、他の少なくとも1つの第1取付部34の接触部38の少なくとも一部は、ドライブユニット30がフレーム12に取り付けられた状態において、入力回転軸36の軸方向から見た場合に、第2領域R2に配置されてもよい。
【0090】
・第1孔40は、第1雌ねじ部40Aを含まなくてもよい。この場合、例えば、ブラケット22の第1貫通孔22Bを定義する内周部に雌ねじ部が形成され、第1ファスナ42のボルト42Aが第1孔40に挿入され、ブラケット22の雌ねじ部に結合され、ボルト42Aの頭部42Bとブラケット22の間に第1取付部34が挟まれる。
【0091】
・ドライブユニット30のハウジング32の内部に設けられる構造については、特に限定されない。例えば、ドライブユニット30は、モータ44が省略され、内装変速機を含んでいてもよい。内装変速機は、入力回転軸36と出力部54との間の人力駆動力の伝達経路に設けられる。内装変速機は、遊星歯車機構を含んでいてもよく、無段階変速機を含んでいてもよい。
【0092】
・第1ファスナ42は、ボルト42Aに代えて、リベットを含んでいてもよい。第1ファスナ42がリベットを含む場合、第1雌ねじ部40Aは省略される。第2ファスナ50は、ボルト50Aに代えて、リベットを含んでいてもよい。第2ファスナ50がリベットを含む場合、第2雌ねじ部48Aは省略される。
【0093】
・充電器70は、バッテリユニット26からSOC(State Of Charge)情報を取得して、充電を停止してもよい。バッテリユニット26の制御部26Bは、例えば、第1バッテリ26Aの電圧および充放電の情報とから、SOC情報を算出する。充電器70の制御部70Aは、図5のステップS42において、バッテリユニット26の制御部26Bから、SOC情報を取得してもよい。SOC情報が、バッテリユニット26の充電率100パーセントを表している場合、充電器70の制御部70Aは充電を実行せず、処理を終了する。充電器70の制御部70Aは、SOC情報が、バッテリユニット26の充電率100パーセント未満の場合、ステップS43に移行する。
【0094】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0095】
10…人力駆動車、12…フレーム、16…ダウンチューブ、18…シートチューブ、20…チェーンステイ、22…ブラケット、30…ドライブユニット、32…ハウジング、32A…第1部分、32B…第2部分、32C…接続部分、34…第1取付部、36…入力回転軸、38…接触部、40…第1孔、40A…第1雌ねじ部、42…第1ファスナ、42A…ボルト、44…モータ、46…第2取付部、48…第2孔、50…第2ファスナ。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12
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図16